JP2003176393A - フッ素樹脂フィルム及びそれを用いてなる農業用被覆資材 - Google Patents

フッ素樹脂フィルム及びそれを用いてなる農業用被覆資材

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JP2003176393A
JP2003176393A JP2001376890A JP2001376890A JP2003176393A JP 2003176393 A JP2003176393 A JP 2003176393A JP 2001376890 A JP2001376890 A JP 2001376890A JP 2001376890 A JP2001376890 A JP 2001376890A JP 2003176393 A JP2003176393 A JP 2003176393A
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広志 有賀
Koichi Oda
康一 小田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、赤外線遮蔽性及び耐候性に優れた農業
用被覆資材の提供。 【解決手段】6ホウ化物(例えば、LaB)を含有す
るフッ素樹脂(例えば、エチレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体)からなるフッ素樹脂フィルムであり、前
記6ホウ化物を、フッ素樹脂の100質量部に対して、
0.01〜1質量部含有するフッ素樹脂フィルム、及び
それを用いてなる農業用被覆資材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、赤外線遮
蔽性及び耐候性に優れたフッ素樹脂フィルム及びそれを
用いてなる農業用被覆資材に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂、特にテトラフルオロエチレ
ン共重体は、耐候性、透明性及び耐汚染性等の特性が良
好で、その特性が屋外で15年以上にわたり維持される
材料として、農業ハウス等の農業用被覆資材の用途に適
するフッ素樹脂フィルムとして使用されている。近年、
夏の暑い季節にも栽培が可能な、いわゆる周年栽培が可
能な農業ハウス用被覆資材の開発が要望されている。
【0003】特開平10−139489号公報には、表
面に金属酸化物薄膜層を有する赤外線遮蔽フィルムを透
明ガラスに貼り付けた構造体を使用することが提案され
ている。また、特開平9−151203号公報には、紫
外線硬化型のアクリル樹脂塗料に分散させた、赤外線遮
蔽機能を有する酸化錫微粒子又はアンチモンをドープし
た酸化錫微粒子を、ポリエステルフィルムに塗布し、赤
外線遮蔽層を有するポリエステルフィルムを得る方法が
提案されている。
【0004】しかし、前者では、ガラスとフィルムとい
う2種類の被覆資材を使用するため価格が高くなる。ま
た、両資材の張り合わせに使用する粘着剤の耐候性が充
分でないため、長期の展張でガラスとフィルムが剥離す
る問題がある。
【0005】また、後者では、赤外線遮蔽層がポリエス
テルフィルム上に形成されるために、長期間の屋外使用
中に塗膜とフィルムが剥離する問題があった。特に農業
ハウスにおいては、風雨によりフィルムが常に変形を受
けるため、塗膜とフィルムが剥離しやすい傾向があっ
た。赤外線遮蔽材料を農業用被覆資材中に分散させ、上
記問題を解決する方法が検討されている。
【0006】特開平11−246570号公報には、赤
外線を吸収する2フッ化錫ナフロシアニンをポリエステ
ル、ポリエチレン又はポリ塩化ビニルに分散させて得た
農業用フィルムが提案されている。しかし、2フッ化錫
ナフロシアニンの耐候性が充分でなく、屋外での長期間
の使用は困難であった。
【0007】本発明者は、長期にわたり赤外線遮蔽性の
低下がなく、しかもフィルム自体の耐候性が良好なもの
を得る観点から、酸化錫やアンチモンをドープした酸化
錫微粒子等の、赤外線遮蔽性で耐候性が高い金属酸化物
を含有するフッ素樹脂からなるフッ素樹脂フィルムを検
討した。
【0008】しかし、酸化錫やアンチモンをドープした
酸化錫の微粒子は、光触媒作用を有するので、屋外暴露
すると、紫外線により該微粒子が接するフッ素樹脂が酸
化分解されフィルムの空洞化や白化が生起することがわ
かった。フィルムが白化すると、植物の光合成領域とさ
れる可視光域の透過率が極端に低下するので農業用被覆
資材としては、使用できない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、6ホウ化物がフ
ッ素樹脂に対して、光触媒作用を有さず、しかもその光
学的特性が長期にわたって維持されることを見いだし、
その知見に基づいて完成するに至ったものである。すな
わち、本発明は、透明性、赤外線遮蔽性及び耐候性に優
れたフッ素樹脂フィルム及びそれを用いてなる農業用被
覆資材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、6ホウ化物を
含有するフッ素樹脂からなるフッ素樹脂フィルムを提供
する。また、本発明は、前記フッ素樹脂フィルムを用い
てなる農業用被覆資材を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、フッ素樹脂の具
体例としては、エチレン−テトラフルオロエチレン系共
重合体(以下、ETFEという。)、ヘキサフルオロプ
ロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、
FEPという。)、パーフルオロ(アルキルビニルエー
テル)−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、P
FAという。)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン−フッ化ビニリデン系共重合体(以下、
THVという。)、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリフ
ッ化ビニル等が挙げられる。中でも、特にETFE、F
EP、PFA又はTHVが好ましい。さらに好ましく
は、ETFEである。
【0012】本発明において、ETFEとしては、テト
ラフルオロエチレン(以下、TFEという。)とエチレ
ン(以下、Eという。)との共重合体及びTFEとEと
その他のモノマーとの共重合体が好ましい。その他のモ
ノマーとしては、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエ
ーテル)、フッ化ビニリデン等のフルオロオレフィン、
CH=CHR(ただし、Rは炭素数1〜8のポリ
フルオロアルキル基を表す。以下においても同じ。)や
CH=CFR等のポリフルオロアルキルエチレン
類、CF=CFOCH等のポリフルオロアルキ
ルトリフルオロビニルエーテル類等が挙げられる。これ
らは、単独で又は2種以上を併用してもよい。
【0013】特に、前記CH=CHRが好ましく、
としては、炭素数が3〜6のパーフルオロアルキル
基がより好ましく、Cが最も好ましい。
【0014】前記ETFEの組成として、TFEに基づ
く重合単位/Eに基づく重合単位のモル比は、70/3
0〜30/70が好ましく、65/35〜40/60が
より好ましく、60/40〜45/55が最も好まし
い。その他のコモノマーに基づく重合単位を含有する場
合、その他のコモノマーに基づく重合単位の含有量は、
TFEとエチレンとに基づく重合単位の合計モル数に対
して0.01〜30モル%が好ましく、0.05〜15
モル%がより好ましく、0.1〜10モル%が最も好ま
しい。
【0015】本発明において、前記フッ素樹脂には、柔
軟性を付与するためにフッ素ゴムを含有してもよい。フ
ッ素ゴムとしては、テトラフルオロエチレン−プロピレ
ン系弾性共重合体、テトラフルオロエチレン−フッ化ビ
ニリデン−プロピレン系弾性共重合体、フッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロプロピレン系弾性共重合体、テトラ
フルオロエチレン−フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロ
プロピレン系弾性共重合体、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系弾性共重合
体等が好ましい。これらは、単独で又は2種以上を併用
してもよい。
【0016】フッ素ゴムの含有量は、フッ素樹脂100
質量部に対して、40質量部以下、特に20質量部以
下、が好ましい。本発明において、フッ素樹脂フィルム
の厚さは特に制限はないが、通常6〜500μmであ
り、好ましくは10〜200μmである。フィルムの厚
さがあまりに薄いと農業ハウスの支柱等との擦れによる
破れを5年程度で生ずるため好ましくない。また、あま
りに厚いと透過する太陽光の量が減少するため好ましく
ない。
【0017】本発明において、フッ素樹脂フィルムは、
その片面をコロナ放電処理等の表面処理を行い、シリカ
系流滴剤等を塗工することも好ましい。また、農業ハウ
ス内のカ−テン材料として使用する場合には、可視光線
透過率及び/又は水蒸気透過率を制御するため、機械的
強度が損なわれない範囲で、フッ素樹脂フィルムに直径
100μm〜10mmの穴をあけることも好ましい。
【0018】本発明において、6ホウ化物としては、L
aB、CeB、PrB、PrB、NdB、G
dB、TbB、DyB、HoB、TbB、S
mB 、EuB、ErB、TmB、YbB、L
uB、SrB、CaB等が挙げられる。特に、L
aB、CeB、NdB、GdBからなる群から
選ばれる1種以上の6ホウ化物が好ましい。特に、La
がより好ましい。
【0019】これらの6ホウ化物は、茶黒色、灰黒色、
緑黒色等に着色した粉末であるが、特定の平均粒子径の
微粒子としてフッ素樹脂フィルムに分散され、400〜
700nmの可視光を透過し、700〜1800nmの
近赤外線は遮蔽する特性を有する。
【0020】この理由は明確ではないが、これらの微粒
子中には自由電子の量が多く、微粒子内部及び表面の自
由電子によるバンド間間接遷移の吸収エネルギ−が、可
視〜新赤外の付近にあるため、近赤外線を吸収するため
であると考えられる。特に、LaBは、太陽光から発
生する近赤外線中で最も強いとされる1000〜110
0nm付近に最大吸収波長を有し、かつ、580nm付
近に最大透過波長を有するので、近赤外線を遮蔽し、可
視光線を透過するので極めて好ましい。なお、本明細書
において、遮蔽とは、赤外線の吸収又は反射による遮蔽
をいうが、前記のように6ホウ化物は、主として吸収に
より赤外線を遮蔽する。
【0021】本発明に用いる6ホウ化物の微粒子の平均
粒子径としては、0.005〜0.40μmが好まし
い。平均粒子径は、より好ましくは0.01〜0.2μ
m、最も好ましくは0.03〜0.15μm、である。
平均粒子径がこの範囲にあると、6ホウ化物を含有した
フィルムの透明性が維持され、フッ素樹脂中に微量発生
するフッ酸(HF)との反応によるフッ化物への変化が
ないので好ましい。
【0022】本発明において、6ホウ化物の含有量は、
フッ素樹脂の100質量部に対して、0.01〜1質量
部であることが好ましい。より好ましくは0.03〜
0.5質量部、最も好ましくは0.05〜0.3質量
部、である。この範囲にあると、適切な可視光線遮蔽性
を有するので好ましい。例えば、農業ハウスの外張り資
材として使用する場合は、可視光透過率が75%以上、
赤外光も含めた太陽光線透過率(以下、日射透過率とい
う。)が65%以下が要求される。また、農業ハウスの
赤外線遮蔽カーテンとして使用する場合は、可視光透過
率が30%〜70%、日射透過率が50%以下が要求さ
れる。特に、栽培作物及び栽培地域に合わせて、可視光
線透過率と日射透過率を選定することが好ましい。
【0023】本発明におけるフッ素樹脂フィルムには、
6ホウ化物に加えて、酸化鉄、酸化コバルト等の無機顔
料を含有させ、可視光線透過率を制御することも好まし
い。また、フッ素樹脂フィルムには、6ホウ化物に加え
て、酸化セリウム及び/又は酸化亜鉛を、6ホウ化物の
1質量部に対して合計で1〜10質量部を含有すること
も好ましい。より好ましくは、1.5〜7質量部であ
る。酸化セリウム及び/又は酸化亜鉛を含有させると赤
外線遮蔽性能がより長期に維持される。
【0024】本発明において、6ホウ化物の微粒子とフ
ッ素樹脂とを溶融混練した後、フィルムが成形される。
溶融混練時に6ホウ化物の微粒子同士の凝集を防止する
ために、6ホウ化物の微粒子表面を表面処理剤で疎水化
処理することも好ましい。表面処理剤としては、6ホウ
化物の微粒子表面との反応性が高く、また、少量で6ホ
ウ化物微粒子表面に疎水性を付与できるものが好まし
い。該表面処理剤としては、シランカップリング剤、オ
ルガノシリコーン化合物等が挙げられる。
【0025】シランカップリング剤としては、エポキシ
基、アミノ基等の反応性官能基や親水性基を有しないも
のが好ましく、特に、疎水性を有する有機基を有する有
機ケイ素化合物が好ましい。疎水性を有する有機基とし
ては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルア
ルキル基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基等
が好ましい。特に、炭素数2〜20のアルキル基、フッ
素原子を有する炭素数2〜20のフルオロアルキル基、
アルキル基やフルオロアルキル基で置換されてもよいフ
ェニル基等が好ましい。
【0026】有機ケイ素化合物における加水分解性基と
しては、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、イ
ソシアネート基、塩素原子等が挙げられる。特に、炭素
数4以下のアルコキシ基が好ましい。加水分解性基は、
ケイ素原子に対して1〜4個、特に2〜3個結合してい
ることが好ましい。
【0027】オルガノシリコーン化合物としては、有機
基及び水酸基又は加水分解性基がケイ素原子に直接結合
しているオルガノシリコーンが好ましい。有機基として
は、炭素数4以下アルキル基やフェニル基が好ましい。
このようなオルガノシリコーンとしては、シリコーンオ
イルと呼ばれるものが好ましい。
【0028】表面処理剤である有機ケイ素化合物の具体
例としては、以下の化合物が挙げられる。テトラエトキ
シシラン、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシ
シラン類、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルト
リメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピ
ル)トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等
のトリアルコキシシラン類、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチル水素シリコーンオイル、フェニルメチルシリ
コーンオイル等のシリコーンオイルである。
【0029】なかでもイソブチルトリメトキシシラン、
ヘキシルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコ
ーンが好ましい。
【0030】表面処理剤の使用量は、6ホウ化物の微粒
子の比表面積及び6ホウ化物の微粒子と表面処理剤との
反応性等により適宜選定することが好ましい。本発明に
おいて、表面処理剤の使用量は、6ホウ化物の微粒子の
100質量部に対して、1〜50質量部であることが好
ましい。より好ましくは3〜20質量部であり、最も好
ましくは5〜10質量部である。この範囲にあると、6
ホウ化物の微粒子同士の凝集体が発生しにくく、フィル
ム外観が低下しない。
【0031】表面処理剤による処理方法は特に限定され
ないが、表面処理剤を溶解させた水、アルコ−ル、アセ
トン、n−ヘキサン、トルエン等の溶液に6ホウ化物の
微粒子を分散させ、ついで乾燥する方法が好ましい。前
記酸化セリウム及び/又は酸化亜鉛の粒子についても、
前記と同様の表面処理剤を用い、同様の方法で疎水化処
理してからフッ素樹脂に混錬することが好ましい。
【0032】本発明の農業用被覆資材は、農業用の外張
り資材又はカーテン材料として用いることにより、夏季
にも、ほうれんそう、いちご等の作物の栽培を可能とす
る。
【0033】
【実施例】本発明を実施例により詳細に説明するが、本
願発明はこれらに限定されない。なお、可視光線透過率
及び日射透過率の測定、赤外線遮蔽性の評価及び耐候性
評価は、以下の方法を用いた。
【0034】[可視光線透過率及び日射透過率の測定]
JIS R3106「板ガラス類の透過率・反射率・放
射率・日射熱取得率の試験方法」に準拠して、可視光線
透過率及び日射透過率の測定を行った。日射透過率が低
いほど赤外線遮蔽性により優れることを示す。
【0035】[赤外線遮蔽性の評価]空間容積50×5
0×50cmの発泡スチレン製容器の内側5面を黒色に
塗装した容器を用意し、その開口部にこの実施例で作成
したフィルムを貼り合わせ、直射日光下(天候:快晴)
に朝9時から午後2時まで放置し、午後2時における容
器の内部温度を測定し、100μmのETFEフィルム
との比較により赤外線遮蔽性を評価した。温度上昇が少
ない方が赤外線遮蔽性に優れていることを示す。
【0036】[耐候性評価]JIS K7350−4に
準拠したオープンフレームカーボンアークランプを使用
した耐候性試験を5000時間実施し、試験前後での光
学特性を測定した。その変化により農業ハウスフィルム
としてその長期にわたる特定を評価した。
【0037】[実施例1]平均粒子径0.1μmのLa
(ホウ化ランタン)微粒子の40gを、フェニルメ
チルシリコーンの5%トルエン溶液に分散させた。つい
で、トルエンを140℃で蒸発除去し、フェニルメチル
シリコーンにより疎水化処理されたLaB 微粒子の4
2gを得た。
【0038】疎水化処理されたLaB微粒子の7gと
ETFE(旭硝子製 アフロンCOP88AX)の4k
gをVミキサにて乾式混合した。この混合物を2軸押出
機にて320℃でペレット化した。このペレットを用い
て、Tダイ方式により、320℃で100μmのフィル
ムを成形した。このフィルムの光学特性を島津製作所U
V−VIS−IR分光測定機UV3100により測定し
た。分光特性は、JIS R3106に準拠した方法
で、可視光線透過率56.5%、日射透過率34.0%
と計算された。このフィルム1−Aの光学特性を図1に
示す。また、このフィルムの赤外線遮蔽性を測定した。
比較試料として、100μmのETFEフィルム1−E
を用いた。
【0039】フィルム1−Aの場合は、午後2時におけ
る容器の内部温度は32℃であり、比較試料の100μ
mのETFEフィルム1−Eの場合は39℃であり、そ
の差は7℃であった。また、フィルム1−Aの耐候性評
価を実施した。試験後、可視光線透過率が62.6%、
日射透過率が41.4%であり、試験前に比較し日射透
過率が7.4%上昇した。
【0040】[実施例2]フィルムの厚さを60μmと
する以外、実施例1と同様にして得たフィルムについ
て、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に
示す。
【0041】[実施例3]実施例1で用いた疎水化され
たLaB微粒子の2.3gを用いる以外、実施例1と
同様にして100μmフィルムを得て、実施例1と同様
に試験した結果を表1に示す。
【0042】[実施例4]平均粒子径0.05μmのC
eO(酸化セリウム)微粒子の100gをフェニルメ
チルシリコーンの5%トルエン溶液に分散させ、ついで
トルエンを140℃で蒸発除去して、フェニルメチルシ
リコーンにより疎水化処理されたCeO微粒子の10
5gを得た。
【0043】このフェニルメチルシリコーンにより疎水
化処理された酸化セリウムの10gと実施例1で作成し
た疎水化されたLaB微粒子の2.3gとを実施例1
と同じETFEの4kgに乾式混合した。ついで、この
混合物を2軸押出機にて320℃でペレット化した。つ
いで、Tダイ方式により、320℃で100μmのフィ
ルムを成形した。このフィルムを用いて、実施例1と同
様に試験した結果を表1に示す。
【0044】[実施例5]実施例4で作成したフェニル
メチルシリコーンにより疎水化処理されたCeO 微粒
子の5gと実施例1で作成した疎水化されたLaB
粒子の2.3gを実施例1と同じETFEの4kgに乾
式混合した。この混合物を2軸押出機にて320℃でペ
レット化を行った。ついで、Tダイ方式により、320
℃で100μmのフィルムを成形した。このフィルムを
実施例1と同様に試験した結果を表1に示す。
【0045】[比較例1]平均粒子径0.1μmのLa
微粒子に代えて、平均粒子径0.01μmのアンチ
モンをドープした酸化錫粒子を用いる以外、実施例1と
同様にして、疎水化処理したアンチモンをドープした酸
化錫微粒子(以下、ATOという。)を得た。このAT
O微粒子の100gをETFEの4kgと混合した後、
実施例1と同様にして、100μmのフィルム1−Cを
作成した。このフィルムの評価結果を表1に示す。ま
た、光線透過率を図1に示す。耐候性試験後のフィルム
1−Dは、白化し、可視光透過率が著しく減少した。
【0046】[比較例2]実施例1で比較試料として用
いた、100μmのETFEフィルムの、可視光線透過
率及び日射透過率は、いずれも91%以上であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂フィルムは、可視光
透過率が高く、日射透過率が低く、赤外線遮蔽性に優れ
る。また、それらの特性の耐候性にも優れる。さらに、
このフッ素樹脂フィルムを用いてなる本発明の農業用被
覆資材は、夏場のハウス内の温度の上昇が抑えられ、か
つ長期にわたりその性能が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルムの200〜2500nmにお
ける光線透過率を示す図。
【符号の説明】
1−A:実施例1のフィルム1−Aの初期の光線透過率 1−B:耐候性試験後の実施例1のフィルム1−Bの光
線透過率 1−C:比較例1のフィルム1−Cの初期の光線透過率 1−D:耐候性試験後の比較例1のフィルム1−Dの光
線透過率 1−E:比較例2のフィルム1−Eの初期の光線透過率
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/38 C08K 3/38 Fターム(参考) 2B024 DA04 DB01 2B029 EB02 EC06 EC09 EC14 EC19 RA03 4F071 AA06 AA07 AB18 AB27 AF30 AF57 AH01 BB06 BC01 4J002 BD141 BD151 BD161 DE097 DE107 DK006 FD206 FD207 GA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】6ホウ化物を含有するフッ素樹脂からなる
    フッ素樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】前記6ホウ化物の含有量が、フッ素樹脂の
    100質量部に対して、0.01〜1質量部である請求
    項1に記載のフッ素樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】前記6ホウ化物に加えて、酸化セリウム及
    び/又は酸化亜鉛を、6ホウ化物の1質量部に対して合
    計で1〜10質量部を含有する請求項1又は2に記載の
    フッ素樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】前記6ホウ化物が、LaBである請求項
    1、2又は3に記載のフッ素樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】前記フィルムに用いられるフッ素樹脂が、
    エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、ヘキサ
    フルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合
    体、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラ
    フルオロエチレン系共重合体又はテトラフルオロエチレ
    ン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン系共
    重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素樹
    脂フィルム。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素樹
    脂フィルムを用いてなる農業用被覆資材。
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