JP2003175816A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

電動ブレーキ装置

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JP2003175816A
JP2003175816A JP2001380533A JP2001380533A JP2003175816A JP 2003175816 A JP2003175816 A JP 2003175816A JP 2001380533 A JP2001380533 A JP 2001380533A JP 2001380533 A JP2001380533 A JP 2001380533A JP 2003175816 A JP2003175816 A JP 2003175816A
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contact
brake
friction material
electric
braking
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JP2001380533A
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English (en)
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Masahiro Kubota
正博 久保田
Tadatsugu Tamamasa
忠嗣 玉正
Yukito Iwata
幸人 岩田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輪と共に回転する回転体に対するブレーキ
摩擦材の制動力を検出して制動制御している車両におい
て、ブレーキ摩擦材に熱膨張や磨耗が生じた場合でも、
各車輪における制動力発生のタイミングのずれを改善
し、4輪の制動バランスを良好に保つことを可能にす
る。 【解決手段】 ブレーキ摩擦材の接触開始を検知したと
きに、未接触のブレーキ摩擦材があれば、全車輪におけ
るブレーキ摩擦材の接触開始を検知するまで(ステップ
S22)、その接触開始時の制動力F0を保持させ(ス
テップS25)、同時に未接触のブレーキ摩擦材に対し
ては、その接触を早めるためにブレーキ摩擦材に対する
位置指令を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータを使用
した電動制動機構を備えた電動ブレーキ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、作動流体を用いた油圧ブレーキ装
置とは別に、ブレーキペダルの踏込み量に応じて電動モ
ータを回転駆動させ、この電動モータの回転力を利用し
て制動力を発生させる、電動ブレーキ装置の開発が進め
られている。このような電動ブレーキ装置としては、例
えば、特開平9−137841号公報に記載されたもの
が提案されている。
【0003】この公報に記載されている電動ブレーキ装
置は、車輪と共に回転するディスクロータに向けて摩擦
パッドを進退駆動させる電動式のアクチュエータと、該
アクチュエータから前記摩擦パッドに作用する付勢力を
検出する推力センサと、前記摩擦パッドの位置を検出す
る位置センサと、ブレーキ操作部の操作状況に基づいて
前記アクチュエータの動作を制御するコントロール・ユ
ニットとを備え、該コントロール・ユニットには、前記
推力センサの検出信号に基づいて前記アクチュエータの
動作を制御する推力制御機能と、前記位置センサの検出
信号に基づいて前記アクチュエータの動作を制御する位
置制御機能とが設けられた構成とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例における電動ブレーキ装置は、推力センサで検出さ
れる推力が解除されたときの摩擦パッド位置をディスク
ロータと接触する初期位置とし、この初期位置から一定
のクリアランスが確保されるように電動式のアクチュエ
ータを制御する構成とされているので、図12に示よう
に、長い下り坂のように制動状態が継続されたときに
は、制動解除直後では、摩擦パッドが制動熱により熱膨
張を起こしているが、非制動状態を維持すると冷却され
て熱収縮を起こすことにより、ディスクロータとの接触
位置に誤差が生じてしまう。
【0005】また、推力センサは、最大信号10kN分
までのダイナミックレンジを必要とするため分解能が大
きくなってしまい、図13に示すように、実際には0以
上の或る値を接触位置としなければならないことや、さ
らには、摩擦パッド位置と推力との関係を示す剛性が、
図13の特性曲線L1、L2及びL3に示すように、摩
擦パッドの磨耗状態や過熱状態に伴って制動毎に変化し
てしまうことによって、接触位置の検知精度が低下して
しまう。
【0006】上記のような検知誤差が生じている接触位
置に基づいて、制動制御を実行すると、推力発生とその
経過時間の関係は、図14に示すように、運転者による
ブレーキ操作に応じて決定されるディスクロータへの目
標接触時間よりも早く接触したり、遅くれて接触したり
と、摩擦パッドの接触のタイミングが制動毎に異なって
しまう。さらに、摩擦パッドの接触検知の誤差によるデ
ィスクロータへの接触のタイミングは各車輪で異なるの
で、制動力発生のタイミングがずれ、車両の制動バラン
スが変化してしまうという未解決の課題がある。
【0007】そこで、本発明は上記従来例の未解決の課
題に着目してなされたものであり、車輪と共に回転する
回転体に対するブレーキ摩擦材の制動力を制御している
車両において、ブレーキ摩擦材に熱膨張や磨耗が生じた
場合でも、各車輪における制動力発生のタイミングのず
れを改善し、車両の制動バランスを良好に保つことがで
きる電動ブレーキ装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明の請求項1に係る電動ブレーキ装置は、運転
者によるブレーキ操作手段の操作量を検出するブレーキ
操作量検出手段と、車両の左右両側で夫々車輪と共に回
転する回転体に対してブレーキ摩擦材を接触させて制動
力を発生する複数の電動制動機構と、前記ブレーキ操作
量検出手段で検出したブレーキ操作量に応じて前記各電
動駆動機構におけるブレーキ摩擦材の移動量を制御する
制動制御手段とを備えた電動ブレーキ装置において、前
記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材の前記回
転体に対する接触開始を個別に検知する複数の接触検知
手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触検知手段の
何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、他
にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制動機構が存
在するときに、当該未接触状態の電動制動機構に対して
ブレーキ摩擦材の移動を速める制御を行うように構成さ
れていることを特徴としている。
【0009】また、請求項2に係る電動ブレーキ装置
は、運転者によるブレーキ操作手段の操作量を検出する
ブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側で夫々車輪
と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦材を接触さ
せて制動力を発生する複数の電動制動機構と、前記ブレ
ーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操作量に応じて
前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦材の移動量を
制御する制動制御手段とを備えた電動ブレーキ装置にお
いて、前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材
の前記回転体に対する接触開始を個別に検知する複数の
接触検知手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触検
知手段の何れかで、ブレーキ摩擦材の接触開始を検知し
た場合、他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制
動機構が存在するときに、前記ブレーキ摩擦材が接触開
始した電動制動機構のブレーキ摩擦材位置を、ブレーキ
操作量が所定値を超え、且つ全ての前記電動制動機構で
ブレーキ摩擦材の接触開始を検知するまで、保持するよ
うに構成されていることを特徴としている。
【0010】さらに、請求項3に係る電動ブレーキ装置
は、運転者によるブレーキ操作手段の操作量を検出する
ブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側で夫々車輪
と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦材を接触さ
せて制動力を発生する複数の電動制動機構と、前記ブレ
ーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操作量に応じて
前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦材の移動量を
制御する制動制御手段とを備えた電動ブレーキ装置にお
いて、前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材
の前記回転体に対する制動力を個別に検出する複数の制
動力検出手段と、該制動力検出手段で検出する制動力に
基づいて前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦
材の前記回転体に対する接触開始を個別に検知する複数
の接触検知手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触
検知手段の何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検知し
た場合、他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制
動機構が存在するときに、前記ブレーキ摩擦材が接触開
始した電動制動機構における前記制動力検出手段で検出
した接触検知時の制動力を、ブレーキ操作量が所定値を
超え、且つ全ての前記電動制動機構でブレーキ摩擦材の
接触開始を検知するまで、保持するように構成されてい
ることを特徴としている。
【0011】さらに、請求項4に係る電動ブレーキ装置
は、運転者によるブレーキ操作手段の操作量を検出する
ブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側で夫々車輪
と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦材を接触さ
せて制動力を発生する複数の電動制動機構と、前記ブレ
ーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操作量に応じて
前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦材の移動量を
制御する制動制御手段とを備えた電動ブレーキ装置にお
いて、前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材
の前記回転体に対する接触開始を個別に検知する複数の
接触検知手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触検
知手段の何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検知した
場合、他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制動
機構が存在するときに、当該未接触状態の電動制動機構
に対してブレーキ摩擦材の移動を速める制御を行い、前
記ブレーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構のブレー
キ摩擦材位置を、ブレーキ操作量が所定値を超え、且つ
全ての前記電動制動機構でブレーキ摩擦材の接触開始を
検知するまで、保持するように構成されていることを特
徴としている。
【0012】さらにまた、請求項5に係る電動ブレーキ
装置は、運転者によるブレーキ操作手段の操作量を検出
するブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側で夫々
車輪と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦材を接
触させて制動力を発生する複数の電動制動機構と、前記
ブレーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操作量に応
じて前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦材の移動
量を制御する制動制御手段とを備えた電動ブレーキ装置
において、前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩
擦材の前記回転体に対する制動力を個別に検出する複数
の制動力検出手段と、該制動力検出手段で検出する制動
力に基づいて前記各電動制動機構における前記ブレーキ
摩擦材の前記回転体に対する接触開始を個別に検知する
複数の接触検知手段を備え、前記制動制御手段は、前記
接触検知手段の何れかで、ブレーキ摩擦材の接触開始を
検知した場合、他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記
電動制動機構が存在するときに、当該未接触状態の電動
制動機構に対してブレーキ摩擦材の移動を速める制御を
行い、前記ブレーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構
における前記制動力検出手段で検出した接触検知時の制
動力を、ブレーキ操作量が所定値を超え、且つ全ての前
記電動制動機構でブレーキ摩擦材の接触開始を検知する
まで、保持するように構成されていることを特徴として
いる。
【0013】なおさらに、請求項6に係る電動ブレーキ
装置は、請求項1、4及び5の何れかの発明において、
前記制動制御手段は、前記接触検知手段の何れかでブレ
ーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、当該ブレーキ摩
擦材が接触開始した電動制動機構の左右方向の反対側
に、未接触状態の前記電動制動機構が存在するときに、
当該未接触状態の電動制動機構に対してブレーキ摩擦材
の移動を早める制御を行うように構成されていることを
特徴としている。
【0014】また、請求項7に係る電動ブレーキ装置
は、請求項1、4及び5の何れかの発明において、前記
制動制御手段は、前記接触検知手段の何れかでブレーキ
摩擦材の接触開始を検知した場合、当該ブレーキ摩擦材
が接触開始した電動制動機構の左右方向の反対側に、未
接触状態の前記電動制動機構が複数存在するときに、そ
の何れかの未接触状態の電動制動機構に対してブレーキ
摩擦材の移動を早める制御を行うように構成されている
ことを特徴としている。
【0015】さらに、請求項8に係る電動ブレーキ装置
は、請求項1、4及び5の何れかの発明において、前記
制動制御手段は、前記接触検知手段の何れかでブレーキ
摩擦材の接触開始を検出した場合、当該ブレーキ摩擦材
が接触開始した電動制動機構の対角線上に、未接触状態
の前記電動制動機構が存在するときに、当該未接触状態
の電動制動機構に対してブレーキ摩擦材の移動を速める
制御を行うように構成されていることを特徴としてい
る。
【0016】さらに、請求項9に係る電動ブレーキ装置
は、請求項3又は5の発明において、前記制動制御手段
は、前記接触検知手段の何れかでブレーキ摩擦材の接触
開始を検知し、且つ当該接触検知手段とは左右方向の反
対側でブレーキ摩擦材が既接触状態の前記電動制動機構
が存在すると共に、他にブレーキ摩擦材が未接触状態の
前記電動制動機構が存在する場合、前記既接触状態の電
動制動機構を接触開始状態の制動力に保持する際に、左
右の電動制動機構で制動力差が生じるときに、制動力が
少ない側の電動制動機構の制動力を他方の制動力和に合
わせるように制御するように構成されていることを特徴
としている。
【0017】なおさらに、請求項10に係る電動ブレー
キ装置は、請求項1、2及び4の何れかの発明におい
て、前記回転体に対する前記ブレーキ摩擦材の制動力を
前記電動制動機構ごとに検出する複数の制動力検出手段
を備え、前記接触検知手段は、前記制動力検出手段で検
出する制動力が所定値を超えるときに、前記回転体に対
して前記ブレーキ摩擦材が接触したと検知することを特
徴としている。なおさらに、請求項11に係る電動ブレ
ーキ装置は、請求項1乃至10の何れかの発明におい
て、前記制動制御手段は、ブレーキ操作量と前記ブレー
キ摩擦材に対する位置指令との関係を示す制御マップ
と、制動終了毎にブレーキ摩擦材が前記回転体から離間
する位置を記憶する離間位置記憶手段とを有し、前記離
間位置記憶手段で記憶されたブレーキ摩擦材の離間位置
に基づいて前記制御マップを補正し、前記接触検知手段
でブレーキ摩擦材の接触開始を検知するまで、前記制御
マップを参照して、前記ブレーキ操作量検出手段で検出
されたブレーキ操作量から算出する位置指令に応じて前
記ブレーキ摩擦材を位置制御することを特徴としてい
る。
【0018】
【発明の効果】請求項1に係る電動ブレーキ装置によれ
ば、制動制御手段は、接触検知手段の何れかでブレーキ
摩擦材の接触開始を検知した場合、他にブレーキ摩擦材
が未接触状態の電動制動機構が存在するときに、未接触
状態の電動制動機構に対してブレーキ摩擦材の移動を速
める制御を行うように構成されているので、既に接触開
始を検知した電動制動機構に対する遅れを改善し、各車
輪における制動力発生のタイミングずれを抑制すること
ができるという効果が得られる。
【0019】また、請求項2に係る電動ブレーキ装置に
よれば、制動制御手段は、接触検知手段の何れかで、ブ
レーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、他にブレーキ
摩擦材が未接触状態の電動制動機構が存在するときに、
ブレーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構のブレーキ
摩擦材位置を、ブレーキ操作量が所定値を超え、且つ全
ての電動制動機構でブレーキ摩擦材の接触開始を検知す
るまで、保持するように構成されているので、各車輪に
おけるブレーキ摩擦材接触開始後の制動力発生のタイミ
ングを揃えることができるという効果が得られる。
【0020】さらに、請求項3にかかわる電動ブレーキ
によれば、制動制御手段は、接触検知手段の何れかでブ
レーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、他にブレーキ
摩擦材が未接触状態の電動制動機構が存在するときに、
ブレーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構における制
動力検出手段で検出した接触検知時の制動力を、ブレー
キ操作量が所定値を超え、且つ全ての電動制動機構でブ
レーキ摩擦材の接触開始を検知するまで、保持するよう
に構成されているので、各車輪におけるブレーキ摩擦材
接触開始直後の制動力発生のタイミングを揃えることが
できるという効果が得られる。
【0021】さらに、請求項4に係る電動ブレーキ装置
によれば、制動制御手段は、接触検知手段の何れかでブ
レーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、他にブレーキ
摩擦材が未接触状態の電動制動機構が存在するときに、
未接触状態の電動制動機構に対してブレーキ摩擦材の移
動を速める制御を行い、ブレーキ摩擦材が接触開始した
電動制動機構のブレーキ摩擦材位置を、ブレーキ操作量
が所定値を超え、且つ全ての電動制動機構でブレーキ摩
擦材の接触開始を検知するまで、保持するように構成さ
れているので、前記請求項1及び2に係る発明の効果を
併せた効果を得ることができる。
【0022】さらにまた、請求項5に係る電動ブレーキ
装置によれば、制動制御手段は、接触検知手段の何れか
でブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、他にブレ
ーキ摩擦材が未接触状態の電動制動機構が存在するとき
に、未接触状態の電動制動機構に対してブレーキ摩擦材
の移動を速める制御を行い、ブレーキ摩擦材が接触開始
した電動制動機構における制動力検出手段で検出した接
触開始時の制動力を、ブレーキ操作量が所定値を超え、
且つ全ての電動制動機構でブレーキ摩擦材の接触開始を
検知するまで、保持するように構成されているので、前
記請求項1及び3に係る発明の効果を併せた効果を得る
ことができる。
【0023】なおさらに、請求項6に係る電動ブレーキ
装置によれば、制動制御手段は、接触検知手段の何れか
でブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、ブレーキ
摩擦材が接触開始した電動制動機構の左右方向の反対側
に、未接触状態の電動制動機構が複数存在するときに、
未接触状態の各電動制動機構に対してブレーキ摩擦材の
移動を早める制御を行うように構成されているので、制
動力が左右の片側だけに偏ることを抑制しつつ、各車輪
における制動力発生のタイミングずれを改善することが
できるという効果が得られる。
【0024】また、請求項7に係る電動ブレーキ装置に
よれば、制動制御手段は、接触検知手段の何れかでブレ
ーキ摩擦材の接触開始を検出した場合、ブレーキ摩擦材
が接触開始した電動制動機構の左右方向の反対側に、未
接触状態の電動制動機構が複数存在するときに、そのう
ち一つの未接触状態の電動制動機構に対してブレーキ摩
擦材の移動を速める制御を行うように構成されているの
で、制動力が左右で偏ることを直ちに改善しつつ、各車
輪における制動力発生のタイミングずれを抑制すること
ができるという効果が得られる。
【0025】さらに、請求項8に係る電動ブレーキ装置
によれば、制動制御手段は、接触検知手段の何れかでブ
レーキ摩擦材の接触開始を検出した場合、ブレーキ摩擦
材が接触開始した電動制動機構の対角線上に、未接触の
電動制動機構が存在するときに、この未接触状態の電動
制動機構に対してブレーキ摩擦材の移動を速める制御を
行うように構成されているので、制動力が左右で偏るこ
とを直ちに改善しつつ、各車輪における制動力発生のタ
イミングずれを抑制することができるという効果が得ら
れる。
【0026】さらに、請求項9に係る電動ブレーキ装置
によれば、制動制御手段は、接触検知手段の何れかでブ
レーキ摩擦材の接触開始を検知し、且つ当該接触検知手
段とは左右方向の反対側でブレーキ摩擦材が既接触状態
の電動制動機構が存在すると共に、他にブレーキ摩擦材
が未接触状態の電動制動機構が存在する場合、既接触状
態の電動制動機構を接触開始状態の制動力に保持する際
に、左右の電動制動機構で制動力差が生じるときに、制
動力が少ない側の電動制動機構の制動力を他方の制動力
和に合わせるように制御するように構成されているの
で、僅かに発生する制動力の左右バランスを良好に保持
することで、車両に働くヨーモーメントの発生を抑制し
車両挙動を安定させることができると共に、ブレーキ摩
擦材接触開始後の制動力発生のタイミングを揃えること
ができるという効果が得られる。
【0027】さらにまた、請求項10に係る電動ブレー
キ装置によれば、接触検知手段は、制動力検出手段で検
出する制動力が所定値を超えるときに、回転体に対して
ブレーキ摩擦材が接触したと検知するので、ブレーキ摩
擦材の接触開始を容易に検知することができるという効
果が得られる。なおさらに、請求項11に係る電動ブレ
ーキ装置によれば、制動制御手段は、ブレーキ操作量と
ブレーキ摩擦材に対する位置指令との関係を示す制御マ
ップと、制動終了毎にブレーキ摩擦材が回転体から離間
する位置を記憶する離間位置記憶手段とを有し、離間位
置記憶手段で記憶されたブレーキ摩擦材の離間位置に基
づいて制御マップを補正し、接触検知手段でブレーキ摩
擦材の接触開始を検知するまで、この制御マップを参照
して、ブレーキ操作量検出手段で検出されたブレーキ操
作量から算出する位置指令に応じてブレーキ摩擦材を位
置制御するので、特にブレーキ摩擦材の磨耗に基づいた
接触開始位置の変化により生じる各車輪における制動力
発生のタイミングのずれを抑制することができるという
効果が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
を示す概略構成図であり、図中、1FL、1FR、1R
L及び1RRは、夫々二点鎖線で図示した前左輪2F
L、前右輪2FR、後左輪2RL及び後右輪2RRに対
して制動力を発生させる電動制動機構としての電動ブレ
ーキである。
【0029】これら電動ブレーキ1FL〜1RRの夫々
は、図2に示すように、各車輪2FL〜2RRに一体に
形成したディスクロータ3FL〜3RRと、このディス
クロータ3FL〜3RRに対して制動力を作用させるフ
ローティング型のキャリパ4FL〜4RRとを備えてい
る。キャリパ4FL〜4RRは、ディスクロータ3FL
〜3RRを挟んで対向するブレーキ摩擦材5FL〜5R
Rを構成する固定摩擦パッド5a及び可動摩擦パッド5
bと、可動摩擦パッド5bをディスクロータ3FL〜3
RRに対して進退させて制動力を制御する電動駆動機構
6と、ディスクロータ3FL〜3RRに対する可動摩擦
パッド5bの制動力を検出する制動力センサ7FL〜7
RRとを備えている。制動力センサ7FL〜7RRに
は、ピエゾ抵抗素子やストレインゲージ式ロードセル及
び歪みゲージ等が使用されている。
【0030】ここで、電動駆動機構6は、電動回転駆動
源としてのステッピングモータで構成される電動モータ
8FL〜8RRと、この電動モータ8の回転運動を直線
運動に変換する直線変換機構9とを備えている。この直
線変換機構9は、電動モータ8FL〜8RRの回転軸8
aに連結されたボールネジ軸10と、このボールネジ軸
10にボール11を介して螺合するボールナット12
と、このボールナット12の摺動を許容し回転を阻止す
る係合部13とを有している。
【0031】電動モータ8FL〜8RRには、その回転
角及び回転方向を検出するロータリエンコーダ14が取
付けられている。また、ボールナット12は、電動モー
タ8FL〜8RR側が開放され、電動モータ8FL〜8
RR側とは反対側が端板15で閉塞された円筒状に形成
されている。また、係合部13では、ボールナット12
の外周面の断面を三角、四角等の多角形状にして、それ
に合せてキャリパ4の内周壁も多角形状に形成して、両
者を係合させるか、キー等の回り止め部材を使用してボ
ールナット12の回り止めを行う。
【0032】そして、電動ブレーキ1FL〜1RRにお
ける電動駆動機構6の電動モータ8FL〜8RRが図1
に示すように制御装置16によって駆動制御される。制
御装置16は、ディスクロータ3FL〜3RRが装着さ
れた各車輪2FL〜2RRの回転速度を検出する車輪速
センサ17と、車両に発生する前後加速度を検出する前
後加速度センサ18と、車両に生じるヨーレートを検出
するヨーレートセンサ19と、運転者のブレーキ操作に
対して擬似的な反力を発生させる反力発生装置20を備
えたブレーキペダル21の踏込み量を検出するブレーキ
操作量センサ22とを備えている。
【0033】これら各種センサ17〜19及び22で検
出された各検出信号と、各電動ブレーキ1FL〜1RR
におけるロータリエンコーダ14で検出した電動モータ
8の回転角及び回転方向と、制動力センサ7FL〜7R
Rで検出した制動力信号とが例えばマイクロコンピュー
タで構成されるコントローラ23に入力され、このコン
トローラ23で、後述する図3、図4及び図7の制動制
御処理手順、クリアランス制御処理手順及び制動力制御
処理手順を実行して、各入力信号から各電動ブレーキ1
FL〜1RRにおいて必要な制動力を発生するよう各ブ
レーキ摩擦部材5FL〜5RRの位置指令及び制動力指
令を算出し出力する。
【0034】このコントローラ23から出力される各電
動ブレーキ1FL〜1RRに対する駆動指令が夫々の駆
動回路24FL〜24RRに入力され、この駆動回路2
4FL〜24RRが駆動指令値に基づいて電動ブレーキ
1FL〜1RRの電動モータ8FL〜8RRを駆動させ
る。なお、駆動回路24FL及び24RR、並びに24
FR及び24RLには、バッテリ25A及び25Bから
個別に電力が供給され、バッテリ25A及び25Bの何
れか一方、例えば25Aに異常が発生して出力電力が減
少した場合でも、他方のバッテリ25Bで駆動回路24
FR及び24RLに正常な電力を供給することができ、
必要最低限の制動力を確保することができる。
【0035】次に、上記の第1の実施形態の動作をコン
トローラ23で実行する図3、図4及び図7の制動制御
処理手順、クリアランス制御処理手順及び制動力制御処
理手順を示すフローチャートを用いて説明する。コント
ローラ23では、常時、図3に示す各電動ブレーキ1F
L〜1RRに対する制動制御処理を順次実行するが、こ
こでは、前右輪2FRについてのみ説明する。
【0036】制動制御処理は、先ず、ステップS1では
ブレーキ操作量センサ22により検出したブレーキペダ
ル21の踏込み量を表すブレーキ操作量Sを読込み、次
いで、ステップS2では制動力センサ7FL〜7RRに
より検出した制動力FFL〜F RRを読込んでから、ステッ
プS3に移行する。このステップS3では、前記ステッ
プS2で読込んだ制動力FFL〜6FRRのうち、前右輪2
FRにおける制動力FFRが、制動力センサ7FL〜6R
Rで検出可能な最小値F0未満であるか否かを判定し、
この判定結果がFFR<F0であるときは非制動状態と判
断してステップS4に移行し、後述するステップS5及
びステップS9で設定される制動状態判定用の制動フラ
グFLFRが“0”にリセットされているか否かを判定す
る。この判定結果が制動フラグFLFR=0であるとき
は、非制動状態を維持しているものと判断して、続くス
テップS5に移行して制動フラグFLFR=0のリセット
状態を更新する。
【0037】一方、前記ステップS4の判定結果が制動
フラグFLFR=1であるときは、制動終了時であると判
断して、ステップS6に移行し、このときのブレーキ摩
擦材位置PFRを読込む。このブレーキ摩擦材位置P
FRは、ロータリエンコーダ14により検出される電動モ
ータ8FRの回転角及び回転方向とボールネジのピッチ
とに基づいて算出される。次いで、ステップS7に移行
してから、このブレーキ摩擦材位置PFRをディスクロー
タ3FRへの接触位置P0FRとしてコントローラ23が
有するメモリに記憶して、前記ステップ5に移行する。
【0038】また、前記ステップS5で制動フラグFL
Bを“0”にリセットしてから移行するステップS8で
は、後述する図4に示すクリアランス制御処理手順のサ
ブルーチンを実行してから、前記ステップS1に戻る。
そして、前記ステップS3の判定結果がFFR≧F0であ
るときは制動状態であるものと判断して、ステップS9
に移行して制動フラグFLFRを“1”にセットして、続
くステップS10で、後述する図7に示す制動力制御処
理手順のサブルーチンを実行してから、前記ステップS
1に戻る。
【0039】次に、図3に示した制動制御処理の前記ス
テップS8及びステップS10にて夫々実行するクリア
ランス制御処理手順及び制動力制御処理手順のサブルー
チンについて、図4及び図7を用いて説明する。図4に
示す、クリアランス制御処理のサブルーチンでは、先
ず、ステップS11で、前記ステップS7にて記憶され
たブレーキ摩擦材5の接触位置P0FRを読込む。次い
で、ステップS12に移行して、コントローラ23が有
するメモリに記憶されている、図5に示した、ブレーキ
操作量Sと摩擦材位置指令PFR *との関係を示す摩擦材
位置指令算出用制御マップを、前記ステップS11で読
込んだ接触位置P0FRに基づいて補正する。
【0040】この摩擦材位置指令算出用制御マップは、
図5で実線図示したように、前々回の制動終了時に記憶
された接触位置P0FR (n-1)に基づき前回の制動時に補
正された摩擦材位置指令算出用制御マップであり、横軸
にブレーキ操作量Sを、縦軸に摩擦材位置指令PFR *
とり、ブレーキ操作量Sが0のときに摩擦材位置指令P
FR *も0となり、この状態からブレーキ操作量Sが増加
してゆきペダル遊び量の終りとなる所定値S0に到達す
るときに、これに応じて摩擦材位置指令PFR *が始めは
急峻で徐々に緩やかになる非線形状に増加してゆきディ
スクロータとの接触位置P0FR *に到達するように設定
されている。
【0041】そして、前々回に記憶された接触位置P0
FR (n-1)から前回記憶された接触位置P0FR (n)を減じ
て演算されるΔPを前回の制動時に使用された摩擦材位
置指令算出用制御マップに加算することにより、図5で
点線図示したように、接触位置P0FR (n)に基づいて補
正された摩擦材位置指令算出用制御マップを作成し、コ
ントローラ23が有するメモリに更新記憶する。次い
で、ステップS13に移行して、前記ステップS12で
補正された摩擦材位置指令算出用制御マップを参照し、
前記ステップS1で読込んだブレーキ操作量Sに基づい
て摩擦材位置指令PFR *を算出し、ステップS14に移
行する。
【0042】このステップS14では、前記ステップS
1で読込んだブレーキ操作量Sが上昇過程にあるか否か
を判定し、ブレーキ操作量Sが下降過程又は保持状態に
あるときに、制動開始はないものとしてステップS15
に移行し、前記ステップS13で算出された摩擦材位置
指令PFR *と、ロータリエンコーダ14により検出した
電動モータ8FRの回転角及び回転方向とボールネジの
ピッチとに基づいて算出されるブレーキ摩擦材5FRの
現在位置との差分に応じた駆動指令値を演算し、駆動回
路24FRに出力することにより、電動ブレーキ1FR
における電動モータ8FRを駆動制御して、前右輪2F
Rに対するクリアランス制御を終了し、前記ステップ1
に戻る。
【0043】一方、前記ステップS14の判定で、ブレ
ーキ操作量Sが上昇過程にあるときは、制動を開始する
ものと判断してステップS16に移行して、他輪(前左
輪2FL、後左輪2RL及び後右輪2RR)の全てにお
けるブレーキ摩擦材5FL、5RL及び5RRがディス
クロータ3FL、3RL及び3RRに対する接触を開始
しているか否か、すなわち、前記ステップS2で読込ん
だ制動力FFL、FRL及びFRR全てが、制動力センサ7F
L〜7RRで検出可能な最小値F0未満であるか否かを
判定し、夫々がF0未満であるときは前右輪2FRにお
けるブレーキ摩擦材5FRの接触が遅れているわけでは
ないものと判断して前記ステップS15に移行する。
【0044】一方、他輪のうち一輪でもブレーキ摩擦材
5の接触を開始しているときは、前右輪2FRにおける
ブレーキ摩擦材5FRの接触が遅れているものと判断し
て、ステップS17に移行する。このステップS17で
は、前右輪2FRにおける接触開始を早めるために、前
記ステップS13で算出したブレーキ摩擦材位置指令P
FR *を増加させる。すなわち、図6の一点差線で図示し
たように、前記ステップS12で補正された摩擦材位置
指令算出用制御マップにより算出された摩擦材位置指令
FR *に所定量ΔPIを加算したもの(PFR *+ΔPI)を
新たな摩擦材位置指令PFR *として、前記ステップS1
5に移行する。
【0045】次に、図7に示した、制動力制御処理のサ
ブルーチンでは、先ず、ステップS21で、図3の制動
制御処理における前記ステップS1で読込んだブレーキ
操作量Sがブレーキペダルの遊び量S0以上か否かを判
定し、この判定結果がS≧S0であるときは、前右輪2
FRにおけるブレーキ摩擦材5の接触開始が運転者の制
動意思に応じたものであると判断して、ステップS22
に移行する。このステップS22では、他輪(前左輪2
FL、後左輪2RL及び後右輪2RR)の全てにおける
ブレーキ摩擦材5FL、5RL及び5RRがディスクロ
ータ3FL、3RL及び3RRに対する接触を開始して
いるか否か、すなわち、前記ステップS2で読込んだ制
動力FFL、FRL及びFRR全てが、制動力センサ7FL〜
7RRで検出可能な最小値F0以上であるか否かを判定
し、夫々がF0以上であるときは、全車輪2FL〜2R
Rにおける制動力制御の開始が可能であるものと判断し
て、ステップS23に移行する。
【0046】このステップS23では、図8に示した、
ブレーキ操作量Sと制動力指令FFR *との関係を示した
制動力指令算出用制御マップを参照して、前記ステップ
S1で読込んだブレーキ操作量Sに基づいて制動力指令
FR *を算出る。この制動力指令算出用制御マップはコ
ントローラ23が有するメモリに予め記憶されている。
制動力指令算出用制御マップは、図8に示すように、横
軸にブレーキ操作量Sを、縦軸に制動力指令FFR *をと
り、ブレーキ操作量Sがペダル遊び量S0未満であると
きに制動力指令FFR *は制動力センサ7FL〜7RRで
検出可能な最小値F0*となり、この状態からブレーキ
操作量Sが増加してゆきペダル遊び量S0を超えて増加
するときに、これに応じて制動力指令FFR *が始めは緩
やかで徐々に急峻になる非線形状に増加するように設定
されている。
【0047】次いで、ステップS24に移行して、前記
ステップS23で算出された制動力指令FFR *と前記ス
テップS2で読込んだ制動力FFRとが一致するように電
流値でなる駆動指令値を駆動回路24FRに出力するこ
とにより、電動ブレーキ1FRにおける電動モータ8F
Rを駆動制御して、前右輪2FRに対する制動力制御を
終了し、前記ステップS1に戻る。そして、前記ステッ
プS21の判定結果がS<S0であるときは、前右輪2
FRにおける接触開始がブレーキ摩擦材5FRの熱膨張
等により接触開始したものと判断して、ステップS25
に移行し、制動力指令FFR *を制動力センサ7FL〜7
RRで検出可能な最小値F0としてから、前記ステップ
S24に移行する。さらに、前記ステップS22の判定
で、制動力FFL、FRL及びFRRのうち、一つでもF0未
満のものがあるときは、全車輪2FL〜2RRにおける
制動力制御の開始が揃わないと判断して、前記ステップ
S24に移行する。
【0048】図3の処理において、ステップS1の処理
とブレーキ操作量センサ22とがブレーキ操作量検出手
段に対応し、ステップS2の処理と制動力センサ7FL
〜7RRとが制動力検出手段に対応し、ステップS3の
処理が接触検知手段に対応し、ステップS6及びステッ
プS7の処理が離間位置記憶手段に対応している。な
お、ここでは前右輪2FRについてのみ説明したが、残
りの前左輪FL、後左輪RL及び後右輪RRについても
同様の処理が行われる。
【0049】したがって、今、走行している車両におい
て、運転者がブレーキペダル21を解放した非制動状態
にあるとき各電動ブレーキ1FL〜1RRにおけるブレ
ーキ摩擦材5FL〜5RRは、ディスクロータ3FL〜
3RRに対してある程度のクリアランスを有するように
予め設定された初期位置にある。この状態から運転者が
制動準備としてブレーキペダル21に足を掛け、ペダル
遊びの範囲内で僅かなペダル操作があるとき、コントロ
ーラ23は、車輪2FL〜2RRごとに図6に示したブ
レーキ摩擦材位置指令算出用制御マップを参照して、ブ
レーキ操作量Sに応じたブレーキ摩擦材位置指令PFR *
〜PRR *を算出する。そして、各ブレーキ摩擦材位置指
令PFR *〜PRR *と、ロータリエンコーダ14により検出
された電動モータ8FL〜8RRの回転角及び回転方向
とボールネジのピッチとに基づいて算出される各ブレー
キ摩擦材5FL〜5RRの現在位置との差分に応じた駆
動指令値を演算し、駆動回路24FL〜24RRを介し
て各電動モータ8FL〜8RRに出力する。
【0050】これにより各電動モータ8FL〜8RRが
例えば時計方向に回転駆動されて、回転軸8aを介して
ボールネジ軸10も回転駆動される。このボールネジ軸
10と螺合するボールナット12は、キャリパ4FL〜
4RRの内周壁との係合により回転阻止され直動のみが
可能となり、ブレーキ摩擦材5FL〜5RRをディスク
ロータ3FL〜3RR側へ移動させ、ブレーキ摩擦材5
の位置制御を実行する。
【0051】ここで運転者が制動を開始しようとブレー
キペダル21の操作量を増加させペダル遊び量S0に達
すると、本来、ブレーキ摩擦材5FL〜5RRは、ディ
スクロータ3FL〜3RRへ同時に接触する。それは、
前回の制動終了時のブレーキ摩擦材の離間位置に基づい
て図6に示すブレーキ摩擦材位置指令算出用制御マップ
を補正したことにより、ブレーキ摩擦材5FL〜5RR
の磨耗により接触が遅れることを解消し、また制動終了
後にブレーキ摩擦材5FL〜5RRが熱膨張を起こし接
触が早まることもまず無いためである。
【0052】しかし、例えば、制動終了時にブレーキ摩
擦材5FL〜5RRが熱膨張を起こしていた場合、制動
熱の冷却により熱収縮を起こす前に再び制動状態に復帰
すれば、接触位置の変動を回避することができるが、非
制動状態の継続によりブレーキ摩擦材5FL〜5RRが
熱収縮を始め、これらに差がある場合には、接触開始に
バラツキが生じる。そこで、コントローラ23が、例え
ば、電動ブレーキ1RRにおけるブレーキ摩擦材5RR
の接触を先に検知すると、未接触の電動ブレーキ1F
L、1FR及び1RLに対しては、接触遅れを解消する
ために、ブレーキ摩擦材5FL、5RR及び5RLの移
動を早めるよう、電動モータ8FL、8FR及び8RL
への駆動指令値を増加する(ステップS17)。逆に、
先に接触開始を検知した電動ブレーキ1RRに対して
は、制動力センサ7RRにおいて検出可能な最小値F0
を保持させるような電流値としての指令値を出力するこ
とにより、接触が遅れているブレーキ摩擦材5FL及び
5FRが接触するまで待機させる(ステップS25)。
【0053】そして、全電動ブレーキ1FL〜1RRに
おけるブレーキ摩擦材5FL〜5RRが夫々接触したと
ころで、コントローラ23は、ブレーキ操作量Sに応じ
た制動力発生を許容し、図8に示した制動力指令算出用
制御マップを参照して、ブレーキ操作量Sに応じた、制
動力指令FFL *〜FRR *を算出する。この制動力指令F FL
*〜FRR *に制動力センサ7FL〜7RRで検出する制動
力FFL〜FRRが一致するように電流値でなる駆動指令値
が駆動回路24FRに出力されることにより、各電動ブ
レーキ1FL〜1RRにおける電動モータ8FL〜8R
Rを駆動制御して、制動力の発生を全車輪2FL〜2R
Rで揃えることができる。
【0054】その後、運転者がブレーキペダル21の踏
込み量を減少させると、ブレーキ操作量Sの減少量に応
じた制動力指令FFL *〜FRR *が算出され、今度は逆に、
電動モータ8FL〜8RRを反時計方向に回転駆動さ
せ、制動時と逆の手順をたどることにより、ブレーキ摩
擦材5を後退させて制動力FFL〜FRRを減少させる。こ
のブレーキ操作量Sの減少状態を継続して、ペダル遊び
量S0未満となり、各電動ブレーキ1FL〜1RRで制
動力FFL〜FRR夫々がF0未満となると、ブレーキ摩擦
材5FL〜5RRがディスクロータ3FL〜3RRから
離間したものと判断して、夫々のブレーキ摩擦材位置を
コントローラ23が有するメモリに更新記憶してから、
制動フラグFLFL〜FLRRの夫々を0にリセットする。
この制動フラグFLFL〜FLRRを0にリセットした状
態、すなわち非制動状態を維持している間は、接触位置
P0FL〜P0RRの更新記憶は行わない。
【0055】そして、再びブレーキ操作量Sに応じたブ
レーキ摩擦材位置指令PFL *〜PRR *に基づいて、ブレー
キ摩擦材5FL〜5RRが位置制御されるが、このとき
のブレーキ摩擦材位置指令PFL *〜PRR *は、ブレーキ操
作量Sが下降過程にあるので、各電動ブレーキ1FL〜
1RRにおける接触状態に係らず、ブレーキ摩擦材位置
指令算出用制御マップ通りに制御される。また、ブレー
キペダル21が再び解放状態に復帰されると、更に電動
モータ8FL〜8RRを反時計方向に回転駆動させ、ブ
レーキ摩擦材5FL〜5RRを予め設定された初期位置
まで復帰させる。
【0056】このように、上記の第1の実施形態によれ
ば、複数の電動ブレーキを備えた車両において、運転者
のブレーキ操作に応じて一つでもブレーキ摩擦材の接触
を検知すると、未接触のブレーキ摩擦材があればその接
触を早め、また同時に、接触済みのブレーキ摩擦材には
全ての電動ブレーキにおける接触を検知するまで、その
接触開始時の制動力を保持しながら待機させることで、
各車輪における接触開始後の制動力発生のタイミングを
揃えることができ、車両の制動バランスを良好に保って
いる。
【0057】また、各ブレーキ摩擦材の接触を検知する
までは、前回の制動終了時に記憶されたディスクロータ
に対するブレーキ摩擦材の離間位置に基づき制動毎に補
正されるブレーキ摩擦材位置指令算出用制御マップを参
照して、ブレーキ摩擦材の位置制御がなされているの
で、特にブレーキ摩擦材の磨耗によって生じる接触位置
の変動に対処することがき、接触開始のタイミングずれ
を抑制している。次に、本発明の第2の実施形態を図9
に基づいて説明する。
【0058】この第2の実施形態は、前述した第1の実
施形態におけるクリアランス制御処理において、ブレー
キ摩擦材の接触開始がずれても、制動力の発生が左右の
片側だけに偏ることを直ちに回避するように構成したも
のである。すなわち、第2の実施形態では、コントロー
ラ23で実行されるクリアランス制御処理は、図9に示
すように、前述した第1の実施形態におけるクリアラン
ス制御処理におけるステップS16の処理が、前右輪2
FRに対して左右方向の反対側に配設された前左輪2F
L及び後左輪2RLが未接触であるか否かを判定するス
テップS36に変更することを除いては、第1の実施形
態と同様の制御処理で構成されるので、図4との対応部
分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略す
る。
【0059】図9のクリアランス制御処理において、前
記ステップS14の判定で、ブレーキ操作量Sが上昇過
程にあるときは、制動を開始するものと判断してステッ
プS36に移行し、右前輪FRの左右方向の反対側に配
設された前左輪2FL及び右後輪RLにおけるブレーキ
摩擦材5FL及び5RLがディスクロータ3FL及び3
RLに対して未接触であるか否か、すなわち、前記ステ
ップS2で読込んだ制動力FFL及びFRLが、制動力セン
サ7FL及び7RLで検出可能な最小値F0未満である
か否かを判定し、前左輪2FL及び後左輪2RLが共に
未接触であるときは、前左輪2FL及び後左輪2RLに
対する前右輪2FRにおけるブレーキ摩擦材5FRの接
触は遅れておらず、左右で接触開始がずれているわけで
はないものと判断して前記ステップS15に移行する。
【0060】一方、ブレーキ摩擦材5FL及び5RLの
片方が又は双方が接触を開始しているときは、前右輪2
FRにおけるブレーキ摩擦材5FRの接触が遅れ、左右
の接触開始がずれているものと判断して、前記ステップ
S17に移行する。なお、ここでは、前右輪2FRにつ
いてのみ説明したが、ステップS36の処理において、
前左輪2FLを制御する場合はFL及びRLをFR及び
RRに、後左輪2RLを制御する場合はFL及びRLを
RR及びFRに、後右輪2RRを制御する場合はFL及
びRLをRL及びFLに、夫々対応させればよい。
【0061】したがって、今、例えば、最初に後左輪2
RLに設けられた電動ブレーキ1RLにおけるブレーキ
摩擦材5RLのみが接触を開始すると、その接触により
僅かな制動力が後左輪2RLに発生してしまうので、コ
ントローラ23は、後左輪2RLと左右方向の反対側に
配設された前右輪2FR及び後右輪2RRの電動ブレー
キ1FR及び1RRにおける接触開始を早める。この
間、先に接触開始を検知した後左輪2RLに対しては、
制動力センサ7RLにおいて検出可能な最小値F0を保
持するような電流値としての指令値を出力することによ
り、接触が遅れているブレーキ摩擦材5FR、5FL及
び5RRの接触開始が検知されるまで待機させる。
【0062】そして、接触開始を急かされた前右輪2F
R及び後右輪2RRにおけるブレーキ摩擦材5FR及び
5RRの一方又は双方が前左輪2FLよりも早く接触を
開始すると、左右の片側だけで接触開始することを回避
でき、今度は逆に前左輪2FLの接触開始を早める。ま
た、仮に、最初に左側の前輪FL及び後輪RLの2輪が
接触開始してしまっても、その左右方向の反対側に配設
された前右輪2FR及び後右輪2RRに対する接触開始
を直ちに早めると共に、接触済みの前左輪2FL及び後
左輪2RLはその接触開始時の制動力を保持しながら、
全輪の接触開始が検知されるまで待機することにより、
左右での制動バランスのずれを直ちに改善する。
【0063】このように、上記の第2の実施形態によれ
ば、複数の電動ブレーキを備えた車両において、運転者
によるブレーキ操作に応じて、ブレーキ摩擦材の接触開
始を検知したときに、この接触開始を検知した電動ブレ
ーキの左右方向の反対側に配設された複数の電動ブレー
キにおけるブレーキ摩擦材が未接触であれば夫々の接触
を早め、また同時に、接触済みのブレーキ摩擦材には全
ての電動ブレーキにおける接触開始を検知するまで、そ
の接触開始時の制動力を保持しながら待機させること
で、左右の片側だけで複数の電動ブレーキにおけるブレ
ーキ摩擦材が接触開始することを抑制すると共に、ブレ
ーキ摩擦材接触開始後の制動力発生のタイミングを揃え
ることができ、良好な制動バランスを保っている。
【0064】なお、上記の第2の実施形態においては、
一つの電動ブレーキにおけるブレーキ摩擦材の接触開始
を検知した場合、左右方向の反対側にある複数の電動ブ
レーキが未接触状態であれば夫々の接触開始を早める構
成について説明したが、これに限定されるものではな
く、左右方向の反対側に複数の未接触状態の電動ブレー
キがあれば、そのうち一つの電動ブレーキに対して接触
開始を早めるようにしてもよい。
【0065】次に、本発明の第3の実施形態を図10に
基づいて説明する。この第3の実施形態は、前述した第
1の実施形態におけるクリアランス制御処理において、
ブレーキ摩擦材における接触開始のずれを、対角線上に
並ぶ電動ブレーキごとに改善するように構成したもので
ある。すなわち、第3の実施形態では、コントローラ2
3で実行されるクリアランス制御処理は、図10に示す
ように、前述した第1の実施形態におけるクリアランス
制御処理におけるステップS16の処理が、後右輪FR
に対して対角線上に位置する前左輪RLが未接触である
か否かを判定するステップS46に変更することを除い
ては、第1の実施形態と同様の制御処理で構成されるの
で、図4との対応部分には同一符号を付し、その詳細説
明はこれを省略する。
【0066】図10のクリアランス制御処理において、
前記ステップS14の判定で、ブレーキ操作量Sが上昇
過程にあるときは、制動を開始するものと判断してステ
ップS46に移行し、右前輪FRの対角線上に位置する
右後輪RLにおけるブレーキ摩擦材5RLがディスクロ
ータ3RLに対する接触を開始しているか否か、すなわ
ち、前記ステップS2で読込んだ制動力FRLが、制動力
センサ7RLで検出可能な最小値F0未満であるか否か
を判定し、この判定結果がF0未満であるときは、後左
輪2RLに対して前右輪2FRにおけるブレーキ摩擦材
5FRの接触が遅れているわけではないものと判断して
前記ステップS15に移行する。
【0067】一方、ブレーキ摩擦材5RLが接触を開始
しているときは、前右輪2FRにおけるブレーキ摩擦材
5FRの接触が遅れているものと判断して、前記ステッ
プS17に移行する。なお、ここでは、前右輪2FRに
ついてのみ説明したが、ステップS46の処理におい
て、前左輪2FLを制御する場合はRLをRRに、後左
輪2RLを制御する場合はRLをFRに、後右輪2RR
を制御する場合はRLをFLに、夫々対応させればよ
い。
【0068】したがって、今、例えば、最初に後左輪2
RLに設けられた電動ブレーキ1RLにおけるブレーキ
摩擦材5RLのみが接触を開始すると、その接触により
僅かな制動力が後左輪2RLに発生してしまうので、コ
ントローラ23は、後左輪2RLと対角線上にある前右
輪2FRの電動ブレーキ1FRにおける接触開始を早め
る。この間、先に接触開始を検知した電動ブレーキ1R
Lに対しては、制動力センサ7RLにおいて検出可能な
最小値F0を保持するような電流値としての指令値を出
力することにより、接触が遅れているブレーキ摩擦材5
FR、5FL及び5RRの接触開始が検知されるまで待
機させる。
【0069】このとき、接触開始が急かされた前右輪2
FRにおけるブレーキ摩擦材5RRが前左輪2FLより
も早く接触を開始すると、左右の片側だけで接触開始す
ることを回避できる。そして、接触開始により発生する
僅かな制動力が前後に偏ることを抑制しつつ、残りの前
左輪2FL及び後右輪2RR後右輪2RRにおける接触
開始の待機を継続する。また、このとき仮に、前右輪2
FRよりも先に後右輪2RRが接触開始しても、左右の
制動バランスを保つことができ、同時に後右輪2RRの
接触開始により、今度はその対角線上にある前左輪2F
Lの接触開始を早めることができる。
【0070】さらに、前右輪2FR及び後右輪2RRよ
りも早く前左輪2FLが接触を開始してしまっても、そ
の対角線上にある後右輪2RRに対する接触開始を直ち
に早めると共に、接触済みの後左輪2RL及び前左輪2
FLはその接触開始時の制動力を保持しながら、全輪の
接触開始が検知されるまで待機することにより、左右で
の制動バランスのずれを直ちに改善する。このように、
上記の第3の実施形態によれば、複数の電動ブレーキを
備えた車両において、運転者によるブレーキ操作に応じ
て、ブレーキ摩擦材の接触開始を検知したときに、この
接触開始を検知した電動ブレーキの対角線上の電動ブレ
ーキにおけるブレーキ摩擦材が未接触であればその接触
を早め、また同時に、接触済みのブレーキ摩擦材には全
ての電動ブレーキにおける接触開始を検知するまで、そ
の接触開始時の制動力を保持しながら待機させること
で、左右の片側だけで複数の電動ブレーキにおけるブレ
ーキ摩擦材が接触開始することを抑制し、且つ接触済み
のブレーキ摩擦材がその接触開始位置で待機するときに
発生する僅かな制動力が前後で偏ることを直ちに改善す
ると共に、ブレーキ摩擦材接触開始後の制動力発生のタ
イミングを揃えることができ、良好な制動バランスを保
っている。
【0071】次に、本発明の第4の実施形態を図11に
基づいて説明する。この第4の実施形態は、前述した第
1の実施形態における制動力制御処理において、全ブレ
ーキ摩擦材が接触を開始するまで、接触済みのブレーキ
摩擦材が僅かに生じる制動力を最小限に抑制しつつ、左
右での均衡を保持するように構成したものである。すな
わち、第3の実施形態では、コントローラ23で実行さ
れる制動力制御処理は、図11に示すように、前述した
第1の実施形態における図7の制動力制御処理におい
て、ステップS51及びステップS52が追加された構
成とされ、図7との対応部分には同一符号を付し、その
詳細説明はこれを省略する。
【0072】図11の制動力制御処理において、前記ス
テップS22の判定で、制動力FFL、FRL及びFRRのう
ち、一つでもF0未満のものがあるときは、全車輪2F
L〜2RRにおける制動力制御の開始が揃わないと判断
して、ステップS51に移行する。このステップS51
では、前右輪2FRと同じ右側の後右輪RLのみが未接
触であるか否かを判定する。ここで、後右輪2RRのみ
が未接触であると判定されたときに、残りの車輪(前左
輪2FL、前右輪2FR及び後左輪2RL)におけるブ
レーキ摩擦材5FL、5FR及び5RLの接触開始によ
り発生した僅かな制動力が左右でずれているものと判断
して、ステップS52に移行し、前右輪2FRの制動力
指令FFR *を2×F0としてから前記ステップS24に
移行する。
【0073】一方、前記ステップS51で、後右輪2R
Rと共に未接触の車輪があるか、若しくは後右輪2RR
が接触開始していると判定されたときは、接触済みのブ
レーキ摩擦材により発生する僅かな制動力が左右でずれ
ていないか、若しくは全電動ブレーキの接触開始を検知
するまでの間、左右の片側で許容された制動力発生の上
限に達しているものと判断して、前記ステップS25に
移行する。なお、ここでは、前右輪2FRについてのみ
説明したが、ステップS51の処理において、前左輪2
FLを制御する場合はRRをRLに、後左輪2RLを制
御する場合はRRをFLに、後右輪2RRを制御する場
合はRRをFRに、夫々対応させればよい。
【0074】したがって、今、例えば、最初に後左輪2
RL及び後右輪2RRに設けられた電動ブレーキ1RL
及び1RRにおけるブレーキ摩擦材5RL及び5RRが
接触開始すると、その接触により僅かな制動力F0が、
夫々後左輪2RL及び後右輪2RRに発生するが、この
とき、互いにF0を保持するため左右でのずれは生じな
い。しかし、この状態から前左輪2FLにおけるブレー
キ摩擦材5FLが接触開始すると、残りの前右輪2FR
が接触開始するまで待機する間、左側で発生する制動力
は前輪FL及び後輪RL分の制動力F0FL+F0RL(2
×F0)となるが、右側で発生する制動力は後右輪2R
R分の制動力F0RRのみとなり、その制動バランスが左
右でずれてしまう。
【0075】そこで、コントローラ23は、未接触のブ
レーキ摩擦材5FRが接触を開始するまでの間、他の接
触済みの電動ブレーキ1FL、1RL及び1RRにより
生じる僅かな制動力が左右でずれることを改善すべく、
左側の前輪FL及び後輪RLには夫々制動力F0を、右
側の後輪RRには2倍のF0を夫々保持させ、且つ前右
輪2FRにおけるブレーキ摩擦材FRの接触遅れを解消
するために、ブレーキ摩擦材5FRの移動を早めるよ
う、電動モータ8FRへの駆動指令値を増加する。
【0076】このように、上記の第4の実施形態によれ
ば、複数の電動ブレーキを備えた車両において、運転者
によるブレーキ操作に応じて、ブレーキ摩擦材の接触開
始を検知したときに、未接触状態のブレーキ摩擦材に対
しては、その接触開始を早め、また同時に接触済みのブ
レーキ摩擦材に対しては、全ての電動ブレーキにおける
接触開始を検知するまでの間、最小限の制動力で左右の
制動バランスを保持させることで、接触済みのブレーキ
摩擦材が未接触のブレーキ摩擦材の到達を待機する間に
発生する僅かな制動力が左右で偏ることを抑制すると共
に、ブレーキ摩擦材接触開始後の制動力発生のタイミン
グを揃えることができ、良好な制動バランスを保ってい
る。
【0077】なお、上記の第1〜第4の実施形態におい
ては、ブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、未接
触状態のブレーキ摩擦材があるときに、接触済みのブレ
ーキ摩擦材に対しては制動力センサで検出される接触開
始時の制動力を保持する構成について説明したが、これ
に限定されるものではなく、ロータリエンコーダにより
検出される電動モータの回転各及び回転方向とボールネ
ジのピッチとに基づいて算出されるブレーキ摩擦材位置
を、その接触開始位置で保持するような構成としてもよ
く、要は全てのブレーキ摩擦材が接触開始するまで待機
することが可能であれば、いかなる手段であっても適応
することができる。
【0078】また、上記の第1〜第4の実施形態におい
ては、ブレーキ摩擦材位置指令算出用制御マップを制動
の終了毎に補正してコントローラ23が有するメモリに
記憶更新する構成について説明したが、これに限定され
るものではく、ブレーキ摩擦材の磨耗は急激に生じるも
のではないので、例えば、所定時間毎、制動の所定回数
毎及びイグニッションキーのON操作毎に補正して、更
新記憶する構成としてもよい。
【0079】さらに、上記の第1〜第4の実施形態にお
いては、ブレーキ摩擦材位置指令算出用制御マップの特
性が図5に示すように、ブレーキ操作量Sの増加に応じ
てブレーキ摩擦材位置指令P*が非線形状に増加する構
成について説明したが、これに限定されるものではく、
直線形状に増加するように設定してもよい。さらに、上
記の第1〜第4の実施形態における制動力制御において
は、各車輪ごとにブレーキ操作量Sに応じた制動力指令
*を算出する構成について説明したが、これに限定さ
れるものではく、制動力指令F*を前輪と後輪、左輪と
右輪、前左輪且つ後右輪と前右輪且つ後左輪ごとに算出
したり、若しくは前車輪に一括して算出したりする構成
としてもよい。
【0080】さらにまた、上記の第1〜第4の実施形態
においては、各電動ブレーキに備えられた制動力センサ
の分解能が夫々同一で、検出可能な最小値F0を統一し
て接触開始時の制動力指令とした構成について説明した
が、これに限定されるものではなく、各制動力センサの
分解能が異なっていれば、夫々の電動ブレーキごとにF
0を設定すればよい。なおさらに、上記の第1〜第4の
実施形態においては、摩擦パッド位置Pを電動モータの
駆動状態から判断する構成について説明したが、これに
限定されるものではなく、例えば離間距離に応じた電気
信号を出力する渦電流式変位センサ等の位置センサを用
いて摩擦パッド位置Pを検出してもよい。
【0081】また、上記の第1〜第4の実施形態におい
ては、4輪車を対象とし、且つ各車輪全てに電動ブレー
キが設けた構成について説明したが、これに限定される
ものではく、左右両側に一対の車輪を有した2輪以上の
車両でもよく、また全車輪の夫々に電動ブレーキを設け
なくとも、個別に制御する2つ以上の電動ブレーキを備
えていれば本発明を適応することができる。さらに、上
記の第1〜第4の実施形態においては、ブレーキ摩擦材
の接触開始を検知したとき、未接触のブレーキ摩擦材に
対してはその移動を早め、接触済みのブレーキ摩擦材に
対しては接触開始時の制動力を保持する構成について説
明したが、これに限定されるものではなく、未接触のブ
レーキ摩擦材に対しては、単に接触開始済みのブレーキ
摩擦材位置に追いつくまでその移動を早めるように、ま
た接触済みのブレーキ摩擦材に対しては、未接触のブレ
ーキ摩擦材が通常速度で接触を開始するまで待機するよ
うな構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】電動ブレーキを示す拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態において、コントロー
ラで実行する制動制御処理手順の一例を示すフローチャ
ートである。
【図4】本発明の第1の実施形態において、コントロー
ラで実行するクリアランス制御処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態において、前回の制動
終了時に記憶されたブレーキ摩擦材の離間位置に基づい
て補正される、ブレーキ操作量Sとブレーキ摩擦材位置
指令P*との関係を示したブレーキ摩擦材位置指令算出
用制御マップである。
【図6】本発明の第1の実施形態において、他輪が接触
開始したときに、未接触のブレーキ摩擦材の移動を早め
るためにブレーキ摩擦材位置指令を増加させることを示
す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態において、コントロー
ラで実行する制動力制御処理手順の一例を示すフローチ
ャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態において、ブレーキ操
作量Sと制動力指令F*との関係を示した制動力指令算
出用制御マップである。
【図9】本発明の第2の実施形態において、コントロー
ラで実行するクリアランス制御処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態において、コントロ
ーラで実行するクリアランス制御処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図11】本発明の第4の実施形態において、コントロ
ーラで実行する制動制御処理手順の一例を示すフローチ
ャートである。
【図12】従来例において、ブレーキ摩擦材が制動終了
直後には熱膨張を起こしているが、その後冷却されると
熱収縮することを示す説明図である。
【図13】従来例において、制動力センサの分解能が大
きいこと、また摩擦パッド位置と推力との関係を示した
剛性が制動毎に変化することにより、接触位置の検知制
度が低下してしまうことを示した説明図である。
【図14】従来例において、接触位置の検知制度が低下
することによりディスクロータへの接触時間に誤差が生
じてしてしまうことを示す説明図である。
【符号の説明】
1FL〜1RR 電動ブレーキ 2FL〜2RR 前左輪、前右輪、後左輪、後右輪 3FL〜3RR ディスクロータ 4FL〜4RR キャリパ 5FL〜5RR ブレーキ摩擦材 6FL〜6RR 電動駆動機構 7FL〜7RR 制動力センサ 8FL〜8RR 電動モータ 9 直線変換機構 10 ボールネジ軸 12 ボールナット 14 ロータリエンコーダ 16 制御装置 21 ブレーキペダル 22 ブレーキ操作量センサ 23 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 幸人 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB21 CC06 EE01 HH02 HH21 HH26 HH36 HH51 JJ01 LL14 3D048 BB34 CC49 HH18 HH42 HH58 HH66 RR01 RR02 RR11 RR25 RR35 3J058 AA48 AA53 AA63 AA78 AA87 BA03 CC15 FA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者によるブレーキ操作手段の操作量
    を検出するブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側
    で夫々車輪と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦
    材を接触させて制動力を発生する複数の電動制動機構
    と、前記ブレーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操
    作量に応じて前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦
    材の移動量を制御する制動制御手段とを備えた電動ブレ
    ーキ装置において、 前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材の前記
    回転体に対する接触開始を個別に検知する複数の接触検
    知手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触検知手段
    の何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、
    他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制動機構が
    存在するときに、当該未接触状態の電動制動機構に対し
    てブレーキ摩擦材の移動を速める制御を行うように構成
    されていることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 運転者によるブレーキ操作手段の操作量
    を検出するブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側
    で夫々車輪と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦
    材を接触させて制動力を発生する複数の電動制動機構
    と、前記ブレーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操
    作量に応じて前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦
    材の移動量を制御する制動制御手段とを備えた電動ブレ
    ーキ装置において、 前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材の前記
    回転体に対する接触開始を個別に検知する複数の接触検
    知手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触検知手段
    の何れかで、ブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場
    合、他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制動機
    構が存在するときに、前記ブレーキ摩擦材が接触開始し
    た電動制動機構のブレーキ摩擦材位置を、ブレーキ操作
    量が所定値を超え、且つ全ての前記電動制動機構でブレ
    ーキ摩擦材の接触開始を検知するまで、保持するように
    構成されていることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 運転者によるブレーキ操作手段の操作量
    を検出するブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側
    で夫々車輪と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦
    材を接触させて制動力を発生する複数の電動制動機構
    と、前記ブレーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操
    作量に応じて前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦
    材の移動量を制御する制動制御手段とを備えた電動ブレ
    ーキ装置において、 前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材の前記
    回転体に対する制動力を個別に検出する複数の制動力検
    出手段と、該制動力検出手段で検出する制動力に基づい
    て前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材の前
    記回転体に対する接触開始を個別に検知する複数の接触
    検知手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触検知手
    段の何れかで、ブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場
    合、他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制動機
    構が存在するときに、前記ブレーキ摩擦材が接触開始し
    た電動制動機構における前記制動力検出手段で検出した
    接触検知時の制動力を、ブレーキ操作量が所定値を超
    え、且つ全ての前記電動制動機構でブレーキ摩擦材の接
    触開始を検知するまで、保持するように構成されている
    ことを特徴とする電動ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 運転者によるブレーキ操作手段の操作量
    を検出するブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側
    で夫々車輪と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦
    材を接触させて制動力を発生する複数の電動制動機構
    と、前記ブレーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操
    作量に応じて前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦
    材の移動量を制御する制動制御手段とを備えた電動ブレ
    ーキ装置において、 前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材の前記
    回転体に対する接触開始を個別に検知する複数の接触検
    知手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触検知手段
    の何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、
    他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制動機構が
    存在するときに、当該未接触状態の電動制動機構に対し
    てブレーキ摩擦材の移動を速める制御を行い、前記ブレ
    ーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構のブレーキ摩擦
    材位置を、ブレーキ操作量が所定値を超え、且つ全ての
    前記電動制動機構でブレーキ摩擦材の接触開始を検知す
    るまで、保持するように構成されていることを特徴とす
    る電動ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 運転者によるブレーキ操作手段の操作量
    を検出するブレーキ操作量検出手段と、車両の左右両側
    で夫々車輪と共に回転する回転体に対してブレーキ摩擦
    材を接触させて制動力を発生する複数の電動制動機構
    と、前記ブレーキ操作量検出手段で検出したブレーキ操
    作量に応じて前記各電動駆動機構におけるブレーキ摩擦
    材の移動量を制御する制動制御手段とを備えた電動ブレ
    ーキ装置において、 前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材の前記
    回転体に対する制動力を個別に検出する複数の制動力検
    出手段と、該制動力検出手段で検出する制動力に基づい
    て前記各電動制動機構における前記ブレーキ摩擦材の前
    記回転体に対する接触開始を個別に検知する複数の接触
    検知手段を備え、前記制動制御手段は、前記接触検知手
    段の何れかで、ブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場
    合、他にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制動機
    構が存在するときに、当該未接触状態の電動制動機構に
    対してブレーキ摩擦材の移動を速める制御を行い、前記
    ブレーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構における前
    記制動力検出手段で検出した接触検知時の制動力を、ブ
    レーキ操作量が所定値を超え、且つ全ての前記電動制動
    機構でブレーキ摩擦材の接触開始を検知するまで、保持
    するように構成されていることを特徴とする電動ブレー
    キ装置。
  6. 【請求項6】 前記制動制御手段は、前記接触検知手段
    の何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、
    当該ブレーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構の左右
    方向の反対側に、未接触状態の前記電動制動機構が存在
    するときに、当該未接触状態の電動制動機構に対してブ
    レーキ摩擦材の移動を早める制御を行うように構成され
    ていることを特徴とした請求項1、4及び5の何れかに
    記載の電動ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 前記制動制御手段は、前記接触検知手段
    の何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検知した場合、
    当該ブレーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構の左右
    方向の反対側に、未接触状態の前記電動制動機構が複数
    存在するときに、そのうち一つの未接触状態の電動制動
    機構に対してブレーキ摩擦材の移動を早める制御を行う
    ように構成されていることを特徴とした請求項1、4及
    び5の何れかに記載の電動ブレーキ装置。
  8. 【請求項8】 前記制動制御手段は、前記接触検知手段
    の何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検出した場合、
    当該ブレーキ摩擦材が接触開始した電動制動機構の対角
    線上に、未接触状態の前記電動制動機構が存在するとき
    に、当該未接触状態の電動制動機構に対してブレーキ摩
    擦材の移動を速める制御を行うように構成されているこ
    とを特徴とした請求項1、4及び5の何れかに記載の電
    動ブレーキ装置。
  9. 【請求項9】 前記制動制御手段は、前記接触検知手段
    の何れかでブレーキ摩擦材の接触開始を検知し、且つ当
    該接触検知手段とは左右方向の反対側でブレーキ摩擦材
    が既接触状態の前記電動制動機構が存在すると共に、他
    にブレーキ摩擦材が未接触状態の前記電動制動機構が存
    在する場合、前記既接触状態の電動制動機構を接触開始
    状態の制動力に保持する際に、左右の電動制動機構で制
    動力差が生じるときに、制動力が少ない側の電動制動機
    構の制動力を他方の制動力和に合わせるように制御する
    ように構成されていることを特徴とする請求項3又は5
    に記載の電動ブレーキ装置。
  10. 【請求項10】 前記回転体に対する前記ブレーキ摩擦
    材の制動力を前記電動制動機構ごとに検出する複数の制
    動力検出手段を備え、前記接触検知手段は、前記制動力
    検出手段で検出する制動力が所定値を超えるときに、前
    記回転体に対して前記ブレーキ摩擦材が接触したと検知
    することを特徴とした請求項1、2及び4の何れかに記
    載の電動ブレーキ装置。
  11. 【請求項11】 前記制動制御手段は、ブレーキ操作量
    と前記ブレーキ摩擦材に対する位置指令との関係を示す
    制御マップと、制動終了毎にブレーキ摩擦材が前記回転
    体から離間する位置を記憶する離間位置記憶手段とを有
    し、前記離間位置記憶手段で記憶されたブレーキ摩擦材
    の離間位置に基づいて前記制御マップを補正し、前記接
    触検知手段でブレーキ摩擦材の接触開始を検知するま
    で、前記制御マップを参照して、前記ブレーキ操作量検
    出手段で検出されたブレーキ操作量から算出する位置指
    令に応じて前記ブレーキ摩擦材を位置制御することを特
    徴とした請求項1乃至10の何れかに記載の電動ブレー
    キ装置。
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