JP2003167223A - 基板搬送用治具及びこれを用いた電気表示装置の製造方法 - Google Patents

基板搬送用治具及びこれを用いた電気表示装置の製造方法

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JP2003167223A
JP2003167223A JP2001365168A JP2001365168A JP2003167223A JP 2003167223 A JP2003167223 A JP 2003167223A JP 2001365168 A JP2001365168 A JP 2001365168A JP 2001365168 A JP2001365168 A JP 2001365168A JP 2003167223 A JP2003167223 A JP 2003167223A
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work
work substrate
suction
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Masahiro Takagi
昌広 高木
Yasuhiro Niihara
康弘 新原
Yoichi Nishi
陽一 西
Yoshihide Koyama
佳英 小山
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワーク基板投入から各処理工程で繰返される
熱処理にかかわらず、ワーク基板に対して高い寸法精度
の維持が可能な基板搬送用治具を提供する。 【解決手段】 工程搬送時に外的な環境変化によって変
形しない剛性を有し、且つ、表面にワーク基板1を支持
する支持体11と、上記ワーク基板1を、上記支持体1
1に吸着支持するための複数の真空吸引用の貫通孔11
aと、上記ワーク基板1を、上記支持体11に粘着力で
常時支持するためのシリコーンゴム12とを有する。シ
リコーンゴム12の粘着力は、工程搬送時の外的な環境
変化によって上記ワーク基板1が伸縮するのを妨げない
粘着力に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄板状のガラス基
板やプラスチック基板等を用いた電気表示装置の製造に
用いられるワーク基板の基板搬送用治具及びこれを用い
た電気表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気表示装置、特に液晶表示装置用のガ
ラス基板に於いて、厚みが0.55mm、0.4mmの薄型
基板が実用化されているが、それより薄いガラス基板
は、割れ易い等の問題があり生産性が悪く、製品の信頼
性にも課題があった。そこで、割れにくいプラスチック
基板を用いた液晶表示装置についての開発が進められて
いる。
【0003】しかしながら、プラスチック基板の場合、
剛性が低い為、基板の撓みが大きく、また、加熱工程に
おける基板の著しい反り、線膨張係数の大きさに起因す
るワーク基板の膨張、収縮等の変形が生じやすい。それ
故、プラスチック基板における液晶表示素子の製造は、
ガラス基板を用いる場合に比べ、非常に困難である。
【0004】ガラス基板用液晶セル製造工程の各製造装
置には、真空吸着台を用いるものが多い。また、製図装
置のローダーやアンローダー、さらには、搬送系におい
て、基板の向きを整列させるための自動ピン当てによる
整列機構が多く備わっている。
【0005】そこで、プラスチック基板をそのままガラ
ス基板用液晶セル工程に流すと、ガラス基板にはほとん
ど見られない基板の反りにより、装置の真空吸着台で基
板を吸着できずに、工程エラ−により停止してしまうと
いう問題が生じる。
【0006】また、プラスチック基板をそのままガラス
基板用液晶製造工程に流すと、自動ピン当てによる基板
整列機構部において、プラスチック基板は、整列ピンの
圧力に負けてうねりを発生し、うまく整列できず、最悪
の場合、装置上から脱落してしまい、やはりエラーによ
って製造工程が停止してしまうという問題が生じる。
【0007】さらに、プラスチック基板の重量は、ガラ
ス基板の約半分と軽い為、搬送系、特にコロを利用した
搬送系において、プラスチック基板がコロを乗り上げて
搬送系上から脱落してしまう危険性を無視できない。
【0008】また、プラスチック基板の重量が軽い為に
ガラス基板では機能していた重量感知型のセンサー、例
えば振り子型スイッチ等が機能せずに工程が停止してし
まうという問題が生じる。
【0009】さらに、プラスチック基板はガラスに比べ
てかなり柔らかく、通常のガラス用カセットに収納しよ
うとしても、自重による撓みによって挿入が困難であ
る。また、カセットに納まったとしても隣り合ったプラ
スチック基板同士が撓みや反りにより接触する恐れが有
る。
【0010】ここで述べられるワーク基板とは、本発明
の説明図である図3に示すように、多数個の液晶セル3
1の取り扱いが行なえる程度の大きな板状ガラス基板も
しくはプラスチック基板の事であり、この基板上に複数
個分の電極パターンを配し、この基板上に配向膜等を形
成後、対向基板を貼り合わせ、分断により複数個の液晶
表示装置が製造されることとなる。
【0011】そこで、上記のプラスチック基板の種々の
問題点を解消するために、従来では、剛性が無く撓み易
いワーク基板を、額縁状の枠に固定するか、あるいは、
接着剤によりガラス板に固定するなどして、工程搬送や
処理を行っていた。
【0012】また、特開平8−86993号公報(文献
1)では、前述の額縁状の枠に固定した場合に起こるワ
ーク基板の額縁内部の撓みや、接着剤を用いることによ
る異物・工程数の増加といった不具合を解決するため
に、ワーク基板を支持体上のシリコーン等の粘着材によ
り貼付固定し、工程搬送を行って液晶表示素子を製造す
る方法が提案されている。
【0013】ここでは、プラスチック基板の持つ剛性の
弱さ、つまりワーク基板の撓みについてそれを解決する
ことに重点がおかれており、粘着剤により貼り付けられ
たワーク基板の熱膨張等の応力は、粘着剤や粘着剤と支
持体の間に形成された中間層によって緩和されるように
なっている。
【0014】また、特開2001−117063号公報
(文献2)では、基板搬送工程において、ガラス等の補
助板に樹脂基板を重ねて固定し液晶セル製造工程に投入
すること、さらに、補助板と樹脂基板をテープまたは脱
着可能な圧入ピンで樹脂基板の周囲を仮固定し、補助板
を介して樹脂基板を真空吸着するための貫通孔が補助板
に設けられていることが記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多くの
場合これらの搬送用治具ないし補助板を用いる厚みの薄
いワーク基板では、熱や湿度といった外的な環境変化に
対して、基板自体が敏感であり、基板寸法が伸縮といっ
た現象を起こしやすい。
【0016】特に、寸法精度が求められる電極配線パタ
ーン形成時におけるフォトプロセスにおいては、露光時
の温度が寸法精度へ大きな影響を与え、このことが、液
晶表示装置における基板同士の貼り合わせ工程におい
て、嵌合が合わなくなるといった不具合が生じることと
なる。
【0017】また、カラーフィルタを形成する場合にお
いては、R、G、B、BKの4色を電着方式で重ね合わ
せる場合、ワーク基板へレジストを塗布後、1色毎にパ
ターン露光、焼成、レジスト現像、焼成、色素電着、焼
成を繰返し行なう必要があり、プラスチック基板等の伸
縮が激しいワーク基板の使用において、所定のパターニ
ング精度を得ることは、極めて難しい。
【0018】例えば、上記文献1では、シリコーンシー
トを用いてプラスチック基板を固定し、搬送する方法が
提案されているが、この場合、ワーク基板は、搬送用治
具に常時固定されているために、ワーク基板の熱による
温度伸縮が妨げられ、露光時の温度に対して追従できな
いため設計値より大きくなったり小さくなったりして、
設計通りのパターンが形成されないこととなる。
【0019】さらに、上記文献1では、ワーク基板とシ
リコーンシートとの密着度の関係から、密着度の低いと
ころは基板の応力が勝るために伸縮し、密着度の高いと
ころは固定されるため、設計値に対して変形した形、も
しくは歪んだ形でパターンが形成されることも可能性が
ある。
【0020】また、上記文献2では、搬送用補助板とし
て、補助板に貫通孔を設け、ワーク基板の4辺もしくは
4角を固定する方法を提案しているが、この場合もワー
ク基板の伸縮が、4辺固定のテープないし4角の圧入ピ
ンによって妨げられており、この場合においてもワーク
基板を固定しているテープ部分もしくは圧入ピン部分以
外が基板伸縮を生じ、パターン露光時、設計値に対して
変形もしくは歪む可能性が有る。
【0021】さらに、テープにて固定するのは、ワーク
基板の表面を粘着材で汚染する可能性があるため、品質
上課題が残る。また、インライン設備の処理途中でテー
プを剥がす、ピンを抜き取る等、このような搬送用補助
板は、繰返し使用する場合が多いことから歩留まりや作
業性の面で問題が生じ易い。
【0022】本発明は、上記の各問題点を解決するもの
であって、その目的は、ガラスと同様のプロセス処理で
搬送が可能であり、かつ、ワーク基板投入から各膜処理
工程で繰返される熱処理にかかわらず高い寸法精度が維
持でき、安定な工程搬送性を行なうことが可能な基板搬
送用治具及びこれを用いた電気表示装置の製造方法を提
供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の基板搬送用治具は、ワーク基板を支持し
て工程搬送される基板搬送用治具において、工程搬送時
に外的な環境変化によって変形しない剛性を有し、且
つ、表面にワーク基板を支持する支持体と、上記ワーク
基板を、上記支持体に吸着支持するための吸着支持手段
と、上記ワーク基板を、上記支持体に粘着力で常時支持
するための粘着支持手段とを有し、上記粘着支持手段の
粘着力は、工程搬送時の外的な環境変化によって上記ワ
ーク基板が伸縮するのを妨げない粘着力であることを特
徴としている。
【0024】上記の構成によれば、ワーク基板は、工程
搬送時に粘着支持手段によって常に支持体に支持されて
いるので、工程搬送中にワーク基板が支持体から脱落す
るのを防止することができる。また、ワーク基板は、工
程搬送時に外的な環境変化によって変形しない剛性を有
する支持体に支持されるようになっているので、この支
持体に吸着支持手段によって吸着支持されることによ
り、製造工程中の加熱等の外的な環境変化による反りや
歪みを防止することができる。
【0025】従って、ワーク基板がプラスチック等の剛
性の低い基板であっても、剛性の高い支持体に支持され
ることで、ガラスと同様のプロセス処理での搬送が可能
である。
【0026】しかも、ワーク基板が支持体に対して粘着
支持手段によって支持される粘着力は、工程搬送時の外
的な環境変化によって上記ワーク基板が伸縮するのを妨
げない粘着力であるので、工程搬送時に外的な環境変化
(加熱・冷却等)によってワーク基板の伸縮が激しい場
合であっても、ワーク基板は伸びや縮みに対してフレキ
シブルに対応できる。つまり、プラスチック基板等の伸
縮が激しいワーク基板であっても、支持体に支持されて
いるワーク基板の伸縮の自由度を高めることができるの
で、工程搬送時におけるワーク基板の歪みや、うねりが
抑えられる。
【0027】例えば、電気表示装置としてカラー液晶表
示装置を製造する場合に使用されるワーク基板では、カ
ラーフィルタを形成する必要があるため、該ワーク基板
には、R、G、B、BKの4色の色素が電着方式で重ね
合わせられる。この電着方式では、ワーク基上にレジス
トを塗布した後、1色毎にパターン露光、焼成、レジス
ト現像、焼成、色素電着、焼成を繰返し行う必要がある
ので、プラスチック基板等の伸縮が激しいワーク基板で
は、支持体に支持された状態で伸縮の自由度が低けれ
ば、ワーク基板自身が歪んでしまい露光時の所望するパ
ターニング精度を得ることは極めて難しい。
【0028】しかしながら、上記の吸着支持手段と粘着
支持手段とによるワーク基板の支持では、該ワーク基板
の加熱による伸縮を妨げないように、支持体に支持され
ているので、支持体に支持された状態でのワーク基板の
伸縮の自由度が高くなっている。この結果、ワーク基板
の伸縮による歪みが生じないようになるので、露光時の
所望するパターニング精度を得ることができる。
【0029】以上のことから、ワーク基板投入から各膜
処理工程で繰返される熱処理にかかわらず高い寸法精度
が維持でき、安定な工程搬送性を行なうことが可能とな
るので、該ワーク基板によって製造される電気表示素子
等の製品の歩留りの向上を図ることができる。
【0030】上記吸着支持手段として、上記支持体に所
定の割合で、該支持体のワーク基板支持面から反対面に
貫通する貫通孔が複数個設けられていてもよい。
【0031】この場合、支持体に設けられた貫通孔の該
支持体のワーク基板支持面とは反対面側から真空吸引す
ることで、支持体上にワーク基板を密着支持することが
可能となる。さらに、支持体を真空吸引する吸着ステー
ジに載置することで、支持体と該支持体上で支持されて
いるワーク基板とを同時に該吸着ステージに対して同時
に真空吸着され、支持体とワーク基板とを安定して吸着
ステージに固定することができる。
【0032】また、上記粘着支持手段として、ワーク基
板を支持するための粘着力が、繰返しの使用によっても
ほぼ一定に維持される粘着材が上記支持体のワーク基板
支持面上に設けられていてもよい。
【0033】上記粘着材の特性としては、貼り剥がしが
可能で、剥がし時に基板へ強い応力の影響を与えないこ
と、繰り返し使用可能であることがあげられる。
【0034】したがって、上記の粘着材としては、熱処
理工程を繰り返す点等を考慮して、例えばシリコーンゴ
ムが好適に使用される。
【0035】上記粘着材の、支持体から露出している部
分の表面積は、7×10-42以上、ワーク基板の支持
体側の表面積の10%以下が好ましい。
【0036】この場合、粘着材の支持体から露出してい
る部分の表面積が7×10-42であるのは、直径30
mmの面積に相当しており、この面積よりも小さいもの
では、工程搬送時にワーク基板が支持体から剥がれ落ち
る虞が高い。また、上記表面積が、支持するワーク基板
の表面積の10%を越えると、ワーク基板への粘着力が
大きくなり、支持体に支持された状態のワーク基板の伸
縮の自由度が低くなり、露光処理等の影響を受けて歪む
虞が高い。これは、ワーク基板の反り力と粘着物の粘着
力×面積の力の2つの力関係によるものと考えられる。
【0037】上記粘着材の、支持体表面からの高さは、
該支持体表面とほぼ同じ高さ以上、100μm以下が好
ましい。
【0038】この場合、粘着材の支持体表面からの高さ
が100μmよりも高くなれば、ワーク基板と支持体と
の隙間が大きくなり、ワーク基板と支持体との密着性が
維持できなくなる。
【0039】しかも、粘着材の支持体表面からの高さが
100μm以下にすることで、プロキシミティ露光等の
処理を可能にする。
【0040】ここで、上記プロキシミティ露光は、感光
材を塗布した基板へマスクを介してUV露光する方式で
いわゆるフォトリソ方式と同じである。
【0041】上記プロキシミティ露光における露光精度
は、マスクと基板間のギャップ差(プロキシミティギャ
ップ)により変化する。すなわち、マスクと基板の距離
が近ければ精度は向上し、距離が離れれば精度は低下す
る。しかしながら、基板上に異物やCF突起といったも
のが存在すればマスクが傷つき、不具合が生じる。この
場合、大きな異物であればクリーナーで除去することが
可能であるが、数十μm程度の異物や突起は除去できな
いので、上述のように、プロキシミティギャップは、余
裕を持って設定される。
【0042】したがって、上述のように粘着材の支持体
表面からの高さが100μm以下にすることで、露光精
度と生産の安定を確保することができる。
【0043】以上のように、本願発明に適用できる露光
は上記のプロキシミティ露光に限定されず、基板表面に
存在する突起部や異物による影響を受けるような露光方
式であれば適用可能である。
【0044】上記支持体に設けられた粘着材の近傍に
は、ワーク基板を支持体に載置する際に、上記粘着材に
該ワーク基板が押圧できるように吸引する吸引手段を設
けてもよい。
【0045】この場合、ワーク基板を支持体に粘着支持
する際には、ガラスからなるワーク基板であれば、ワー
ク基板は自重により粘着材に押圧され粘着支持すること
が可能となるが、プラスチック基板のように自重により
粘着材に押圧できないような場合には、上述のように、
吸引手段でワーク基板を粘着材側に吸引すれば、確実に
ワーク基板を支持体に粘着支持することができる。
【0046】これにより、ワーク基板がプラスチック基
板のような自重によって粘着材に押圧できない場合であ
っても、該ワーク基板を別部材により押圧する必要がな
く、非接触でワーク基板を支持体上に粘着支持させるこ
とができる。
【0047】本発明の電気表示装置の製造方法は、上述
した基板搬送用治具を用いることを前提とし、ワーク基
板の寸法精度が要求される工程では、粘着支持手段に加
えて、吸着支持手段によってワーク基板を支持体に支持
することを特徴としている。
【0048】上記の構成によれば、ワーク基板を支持体
上に常時支持する粘着支持手段に加えて、吸着支持手段
を用いて吸着支持することで、支持体上でワーク基板を
確実に支持することができる。
【0049】このように、上記ワーク基板を支持体上に
吸着支持することで、ワーク基板全体を平坦化すること
が可能となり、露光処理のプロキシギャップを均一化す
る共に、粘着支持手段によって粘着支持することで、ワ
ーク基板の露光雰囲気温度による基板伸縮を妨げること
がないようになる。
【0050】したがって、ワーク基板が歪むことによる
電気表示装置の歩留りの低下を防止することができる。
特に、剛性の低いプラスチック基板をワーク基板として
使用した場合の電気表示装置の生産性の向上を図ること
ができる。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について説
明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態で
は、本発明を電気表示装置として液晶表示装置に適用し
た場合について説明する。
【0052】本実施の形態に係る基板搬送用治具は、図
1に示すように、ワーク基板1を載置して支持する支持
体11を備えている。
【0053】上記支持体11は、ワーク基板1の支持面
から裏面へと貫通する複数の円孔の貫通孔11a…が形
成されている。これら貫通孔11a…は、図1に示すよ
うに、ワーク基板1を支持した状態の支持体11が吸着
ステージ21上に載置されたとき、該吸着ステージ21
からの空気の吸引によって上記ワーク基板1を支持体1
1に吸着させるための吸着孔としての機能を有してい
る。また、吸着ステージ21による吸引が停止される
と、支持体11へのワーク基板1の吸着が解除されるよ
うになっている。
【0054】つまり、上記貫通孔11aは、支持体11
へのワーク基板1の吸着および解除を可能にする第1固
定手段を構成している。
【0055】また、支持体11は、ワーク基板1の支持
面のほぼ中央に形成された凹部11bに、該ワーク基板
1をこの支持体11上で常時固定可能にする第2固定手
段としてのシリコーンゴム12が埋め込まれている。
【0056】上記支持体11としては、薄板ガラス、プ
ラスチック等のワーク基板1に比べて充分な剛性を有す
る金属板、ガラス板等で構成されるが、本実施の形態で
は、熱歪みに強く、熱伝導性に優れ、ガラスと比重があ
まり変わらない金属であるアルミニウム(Al)を用い
た。
【0057】また、液晶表示装置の製造工程において
は、露光を行なう処理がある為、露光時に治具自体の反
射の影響を無くす為に表面には黒アルマイト処理を施
し、治具である支持体11の厚みは、ワーク基板1の搬
送時の制限高である1.0mm厚とした。
【0058】なお、上記支持体11の外形は、ワーク基
板1が300×423×0.3mmの大きさの基板であ
るのに対して、ラインの川幅に合わせた為、370×4
80×1.0mmと大きいサイズになった。
【0059】治具(支持体11)の大きさは、ラインの
川幅に合わせて340×480mmとしているが、これ
に限定されず、ラインの川幅により変更可能であり、ま
た、ワーク基板と同等サイズから各ラインの川幅にあわ
せて変更可能である。
【0060】上記基板搬送用治具は、既存製造設備の真
空吸着である吸着ステージ21において、支持体11と
ワーク基板1を同時に吸着する為にワーク基板用吸着孔
として、ステージ吸着口に合わせた、位置、個数、サイ
ズの貫通孔11aが該支持体11に設けている。
【0061】なお、本実施の形態では、貫通孔11a
は、吸着ステージ21上の吸着孔(図示せず)に対し
て、2/3程の位置に配置している。すなわち、支持体
11自体の吸着用として全貫通孔11aのうち1/3個
を利用し、支持体11を通してワーク基板1の吸着用と
して全貫通孔11aのうち2/3を利用している。
【0062】また、上記支持体11には、図2(a)に
示すように、貫通孔11aやシリコーンゴム12の他
に、吸着ステージ21に載置する際の該支持体11の位
置合わせに必要なアライメントマークとエッジ位置マー
クとが設けられている。これらアライメントマークおよ
びエッジ位置マークは、例えば、光を透過する光透過窓
からなり、各マークを透過するように光を照射すること
で、支持体11の吸着ステージ21への位置合わせを精
度よく行なう。
【0063】上記シリコーンゴム12は、図2(b)に
示すように、支持体11のほぼ中央に形成された凹部1
1bにはめ込まれている。この凹部11bの下方には、
貫通孔11aが設けられており、シリコーンゴム12
は、支持体11が吸着ステージ21上に載置されたと
き、該吸着ステージ21によって凹部11b内に吸着固
定されるようになっている。
【0064】本実施の形態では、支持体11に対して、
ワーク基板1を固定するに当たり、該支持体11の中央
部1箇所に50mmΦのシリコーンゴム12を埋め込
み、ワーク基板1の裏から固定するようになっている。
このとき、シリコーンゴム12は、支持体11の表面か
ら0〜100μm程突出させ、ワーク基板1表面から接
触することなく貼り付けるようになっている。このた
め、シリコーンゴム12の取り付け部内にある貫通孔1
1aを利用して、支持体11の裏面から吸着ステージ2
1等にて真空引きすることにより、ワーク基板1をシリ
コーンゴム12に接触固定させるようにしている。
【0065】この常時固定に利用されるシリコーンゴム
12は、実際使用するワーク基板1の厚みやサイズ、工
程条件により、面積、配置、パターンは異なってくる。
すなわち、ワーク基板1の伸縮を妨げず、且つ熱処理後
のワーク基板1の撓みといった応力でワーク基板1が支
持体11から剥がれない程度にシリコーンゴム12の面
積、配置、パターンを決める必要がある。
【0066】本実施の形態では、電気表示装置として液
晶表示装置について述べているので、上記ワーク基板1
は、図3に示すように、板状ガラス基板もしくはプラス
チック基板のことであり、このワーク基板1上に複数個
分の電極パターンからなる液晶セル31を配し、さら
に、表面に配向膜等を形成後、対向基板を貼り合わせ、
分断により複数個の液晶表示装置が製造されることとな
る。
【0067】また、ワーク基板1には、パターニング重
ね合わせ、印刷、貼り合わせ処理における精密位置合わ
せを行なうためにアライメントマークを有することから
アライメントマーク部に光を透過させるための光透過窓
と、基板の端面をエッジセンサーにて検出し、位置決め
する装置に対応することから、透過型の基板エッジ検出
センサーの検出範囲位置に光が透過できるように光透過
窓とが設けられている。
【0068】また、上記支持体11では、丸穴形状の貫
通孔11aを複数個配置している例を示しているが、ワ
ーク基板1を搬送するラインの形態によっては、吸着用
の孔を溝状といった形態にした支持体を使用しても問題
はない。
【0069】この場合、前記円形状のシリコーンゴム1
2の代わりに、図4(a)に示すように、支持体41に
は、長方形状のシリコーンゴム42が設けられている。
このシリコーンゴム42の周りには、2つの貫通孔41
aと該貫通孔41aに連通し該シリコーンゴム42を囲
むように吸着溝41bが形成されている。
【0070】上記貫通孔41aは、図4(b)に示すよ
うに、支持体41の下方に設置された吸着ステージ21
内に設けられた吸着パッド22に連通しており、該貫通
孔41aを介して支持体41上のワーク基板1(図示せ
ず)を真空引きするようになっている。この場合、貫通
孔41aに連通した吸着溝41bがシリコーンゴム42
の周りに設けられているので、ワーク基板1はシリコー
ンゴム42に対して均等な力で吸着されることになる。
【0071】ここで、上記構成の基板搬送用治具を用い
た場合と、従来からの基板搬送用治具を用いた場合と
で、電着方式のカラーフィルタ製造工程における、寸法
精度の比較を行った。
【0072】なお、電着方式のカラーフィルタ製造工程
においては、ワーク基板1の投入後、レジストを塗布
し、BK、R、G、Bの4色について1色毎にパターン
露光、焼成、レジスト現像、焼成、色素電着、焼成を繰
返し行なうことにより、カラーフィルタを製造するよう
になっている。
【0073】ここでは、比較例として、370×480
×0.7mmガラス基板からなる支持体61上にシリコ
ーンゴムをワーク基板1と同サイズの大きさに配したも
の(比較例1:図6(a))と370×480×0.7
mmガラス基板からなる支持体71にシリコーンゴム1
2を使用せず、ワーク基板1の4辺を耐熱テープで固定
したもの(比較例2:図7(a))とを同時に投入し、
おのおのの設計値に対する寸法精度を比較評価した。
【0074】この結果は、図5、図6(b)、図7
(b)に示すようになった。
【0075】すなわち、本実施の形態に係る基板搬送用
治具を使用した場合、図5に示すように、設計値と実測
値とでは殆ど差(全ての計測点において5μm以下の誤
差)が見られなかった。
【0076】また、比較例1のようにワーク基板1全体
にシリコーンゴムを設けた例では、図6(b)に示すよ
うに、設計値と実測値との間で5μm以上の差が生じた
箇所が見受けられた。
【0077】さらに、比較例2のように、シリコーンゴ
ムを設けず、ワーク基板1の4隅だけを耐熱テープで固
定した例では、図7(b)に示すように、設計値と実測
値との間で5μm以上の差が生じた箇所が見受けられ
た。
【0078】以上のように、比較例1(全面固定)また
は比較例2(外周固定)では、設計に対して(図6
(b)、図7(b))のように扇形や鼓形になるが、本
願発明の基板搬送用治具では、ほぼ設計通りの形を再現
し、歪が少ないことが分かった。
【0079】なお、熱処理が完了した時点で基板搬送用
治具による処理は終了するが、基板搬送用治具そのもの
は、繰返し使用することが可能であり、シリコーンゴム
の劣化による粘着力の低下が発生しない限り何度でも使
用できる。
【0080】特記すべき、以下の3点について実施形態
における効果を述べる。
【0081】常時固定のシリコーンゴム(シリコーン
ゴム12)の厚みについて このシリコーンゴム12の厚みは、フォトプロセスにお
ける露光処理に関わる。
【0082】例えば、プロキシミティーギャップ方式の
露光機では、通常、露光ギャップ、すなわち露光マスク
の下面とワーク基板の表面の距離を60μm〜100μm
にしてパターニングが行われる。当然、ワーク基板1を
支持体11に固定する為には、0μmよりも高い高さが
必要である。
【0083】なお、露光ギャップは、狭いほどパターン
の切れは良いが、異物によるマスク汚れが懸念されるた
め、シリコーンゴム12の厚みは、露光マスクの撓み等
を考慮すると、設定ギャップ−60μm程、基板搬送治
具の表面より高く(100μmギャップでは40μm)な
るのが、最適である。
【0084】露光用窓について 基板搬送用治具は、ワーク基板1より一回り大きい為、
その中でワーク基板1の位置を正確に決める必要があ
る。位置がばらつくとアライメント時に装置の動作範囲
を超え、エラーが発生したり、搬送時に不良を発生させ
たりする可能性がある。この露光用窓は、ワーク基板1
を基板搬送治具に載せるときに位置を決める位置決め機
構用の孔として利用すると共に、アライメント用の照明
用の窓として利用するものである。すなわち位置決め用
の孔とアライメント用の照明用の窓と兼用するようにな
っている。
【0085】非接触貼り付けについて 通常、ワーク基板1を支持体11に貼り付ける場合は、
押し圧が必要である。ワーク基板1を支持体11に載せ
るだけで、該ワーク基板1の自重で貼り付けるのが理想
的だが、ワーク基板1は軽い為、この方法は採用できな
い。
【0086】そこで、基板搬送治具を通して吸着するこ
とにより、大気圧をかけて貼り付ける。実質は、溝の部
分にしか、圧はかからないのでシリコーンゴムは溝と溝
の間に配置して押さえられる力がかかるように工夫する
必要がある。この方法で、非接触貼り付けが実現でき
る。
【0087】この貼り付け方法のメリットは、ワーク基
板表面を触らない為、ワーク基板表面を汚染することが
無く、良品率の低下を防止できる。
【0088】以上の説明から、本発明の基板搬送用治具
は、液晶基板表示装置を形成する薄板状で剛性の弱いプ
ラスチック基板に比べ、充分な強度を有する金属、ガラ
ス板等で構成された支持体を備えている。
【0089】また、基板搬送用治具は製造設備ステージ
等の真空吸着するのに、支持体を通して吸着する為に多
数の吸着孔を有する。そして、ワーク基板を固定する為
のシリコーンゴムが支持体の中央部に埋め込まれてい
る。薄板状の強度の弱いワーク基板は、十分な剛性を持
つ治具にシリコーンゴムにて固定される為、既存の製造
設備の搬送系、処理系を脱落することなく、また、基板
の位置決めも自動で可能であり、パターニングの仕上が
りも良好となる。
【0090】従って、本発明の基板搬送用治具により、
薄板状の剛性の弱いプラスチック基板を剛性のあるガラ
ス基板の如く、既存のガラス基板用の液晶表示装置の製
造ラインに流すことが可能となる。
【0091】さらに、本願発明では、下記に記載する基
板搬送用治具を採用する。
【0092】本発明の基板搬送用治具は、表面に電気表
示装置用のワーク基板を支持固定して工程搬送される基
板用治具であって、前記ワーク基板を吸着・解放可能な
固定手段と、常時固定可能な固定手段を有する基板用治
具において、常時固定部は、ワーク基板を背面から固定
する粘着手段であり、その粘着手段は、ワーク基板の伸
縮を妨げないこと構成である。
【0093】上記の構成によれば、本発明の基板搬送用
治具は、ワーク基板を背面から治具に固定する手段を2
つ有しており、1つは通常の搬送時は粘着材による常時
固定、ステージ等での処理時には基板搬送用治具に開け
られた吸着孔または溝を通してステージ等より任意の吸
着固定が可能で、これによりワーク基板表面へ影響を与
えずに実施が可能となる。また、ワーク基板が伸縮の自
由度を有することにより、露光によるパターニング時の
寸法に対して精度良く仕上げることが可能となる。
【0094】また、前記解放可能固定手段として真空吸
着方法を用いるため、支持体に所定の割合で寛通孔を複
数個設け、前記常時固定手段として、支持体表面に取り
つけられる基板を保持するための粘着力が、繰返しの使
用によってもほぼ一定に維持される粘着材層が支持体上
に設けられる構成であってもよい。
【0095】この場合、解放可能固定手段として、支持
体に複数個の寛通孔を所定の割合で設けることで、工程
上使用される真空吸着ステージ上でにおいて、支持体と
支持体上にあるワーク基板とが同時に真空吸着され、固
定することが可能となる。また、常時固定する粘着材
は、熱処理工程を繰返す点や製造工程において繰返し使
用されることから一定の粘着性を維持できるシリコーン
ゴムのような粘着材が必要となる。
【0096】また、上記粘着材は、常時固定の粘着部に
該当するものの総面積が7×10-4から基板の総面
積の10%以下が好ましい。
【0097】この場合、パネル工程において、熱工程を
通ることから、ワーク基板と治具を固定する粘着部の領
域が7×10-4(30mmΦの面積)までは、熱工
程を繰返し実施しても、ワーク基板が基板搬送治具から
剥がれることはなかったが、この面積より小さいもので
は、ワーク基板が基板搬送治具から剥がれ落ちた。逆
に、粘着部が基板面積の10%を超えると、粘着部分の
作用が大きく、露光処理でパターンを作成しても粘着部
分がワーク基板の伸縮を妨げて歪んだ形となって形成さ
れる。
【0098】上記粘着材は、支持体表面の高さを原点と
した時に、その高さが同レベル又は100μm凸以下の
高さが好ましい。
【0099】この場合、基板搬送用治具において中央部
に埋め込む粘着材は、プロキシミティ露光等を考慮し、
支持体表面より100μm以下の高さとする事により、
処理が可能になる。また、中央部を固定することによ
り、ワーク基板の伸縮自由度が大きくなり、アライメン
ト処理、寸法精度等が向上する。
【0100】上記ワーク基板を常時固定する粘着部に固
定する場合、その部位に支持体を通して設けられた吸着
孔または吸着溝による真空引きにより、ワーク基板を非
接触で支持体に貼りつけてもいよい。
【0101】この場合、治具上の粘着材にワーク基板を
固定する方法として、吸着孔を通して真空引きする事に
より、固定でき、非接触で固定する事により、ワーク基
板表面を汚染する事が無い。
【0102】上記基板搬送用治具を用いた電気表示装置
の製造方法は、露光処理等においてワーク基板の寸法制
度を要求される工程は真空吸着による固定により作業
し、その他の程では常時固定手段を用いた固定をおこな
うことを特徴としている。
【0103】この場合、多数の既存製造設備の真空吸着
において、治具を介してワーク基板を吸着させる為に、
多数の吸着孔を設ける。電極パターン等の形成において
は、この吸着作用により、ワーク基板全体を固定、平坦
化し、露光処理のプロキシギャップを均一化すると共
に、ワーク基板の露光雰囲気温度による基板伸縮を妨げ
ることがない。また、他の工程においては、薄板ワーク
基板は、シリコーンゴムにより充分な剛性を持つ治具に
固定される為、既存の製造設備に於いても基板搬送系、
処理系から脱落、処理異常を発生させることなく、基板
の伸びにフレキシブルに対応できるため、歪み、うねり
の発生も抑えられる。
【0104】
【発明の効果】以上のように、本発明の基板搬送用治具
は、ワーク基板を支持して工程搬送される基板搬送用治
具において、工程搬送時に外的な環境変化によって変形
しない剛性を有し、且つ、表面にワーク基板を支持する
支持体と、上記ワーク基板を、上記支持体に吸着支持す
るための吸着支持手段と、上記ワーク基板を、上記支持
体に粘着力で常時支持するための粘着支持手段とを有
し、上記粘着支持手段の粘着力を、工程搬送時の外的な
環境変化によって上記ワーク基板が伸縮するのを妨げな
い粘着力とする構成である。
【0105】それゆえ、ワーク基板は、工程搬送時に粘
着支持手段によって常に支持体に支持されているので、
工程搬送中にワーク基板が支持体から脱落するのを防止
することができる。また、ワーク基板は、工程搬送時に
外的な環境変化によって変形しない剛性を有する支持体
に支持されるようになっているので、この支持体に吸着
支持手段によって吸着支持されることにより、製造工程
中の加熱等の外的な環境変化による反りや歪みを防止す
ることができる。
【0106】従って、ワーク基板がプラスチック等の剛
性の低い基板であっても、剛性の高い支持体に支持され
ることで、ガラスと同様のプロセス処理での搬送が可能
である。
【0107】しかも、ワーク基板が支持体に対して粘着
支持手段によって支持される粘着力は、工程搬送時の外
的な環境変化によって上記ワーク基板が伸縮するのを妨
げない粘着力であるので、工程搬送時に外的な環境変化
(加熱・冷却等)によってワーク基板の伸縮が激しい場
合であっても、ワーク基板は伸びや縮みに対してフレキ
シブルに対応できる。つまり、プラスチック基板等の伸
縮が激しいワーク基板であっても、支持体に支持されて
いるワーク基板の伸縮の自由度を高めることができるの
で、工程搬送時におけるワーク基板の歪みや、うねりが
抑えられる。
【0108】以上のことから、ワーク基板投入から各膜
処理工程で繰返される熱処理にかかわらず高い寸法精度
が維持でき、安定な工程搬送性を行なうことが可能とな
るので、該ワーク基板によって製造される電気表示素子
等の製品の歩留りの向上を図ることができるという効果
を奏する。
【0109】上記吸着支持手段として、上記支持体に所
定の割合で、該支持体のワーク基板支持面から反対面に
貫通する貫通孔が複数個設けられていてもよい。
【0110】この場合、支持体に設けられた貫通孔の該
支持体のワーク基板支持面とは反対面側から真空吸引す
ることで、支持体上にワーク基板を密着支持することが
可能となる。さらに、支持体を真空吸引する吸着ステー
ジに載置することで、支持体と該支持体上で支持されて
いるワーク基板とを同時に該吸着ステージに対して同時
に真空吸着され、支持体とワーク基板とを安定して吸着
ステージに固定することができるという効果を奏する。
【0111】本発明の電気表示装置の製造方法は、請求
項1ないし5の何れか1項に記載の基板搬送用治具を用
いることを前提とし、ワーク基板の寸法精度が要求され
る工程では、粘着支持手段に加えて、吸着支持手段によ
ってワーク基板を支持体に支持する構成である。
【0112】それゆえ、ワーク基板を支持体上に常時支
持する粘着支持手段に加えて、吸着支持手段を用いて吸
着支持することで、支持体上でワーク基板を確実に支持
することができる。
【0113】このように、上記ワーク基板を支持体上に
吸着支持することで、ワーク基板全体を平坦化すること
が可能となり、露光処理のプロキシギャップを均一化す
る共に、粘着支持手段によって粘着支持することで、ワ
ーク基板の露光雰囲気温度による基板伸縮を妨げること
はないようになる。
【0114】したがって、ワーク基板が歪むことによる
電気表示装置の歩留り低下を防止することができ、特
に、剛性の低いプラスチック基板をワーク基板として使
用した場合の電気表示装置の生産性の向上を図ることが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る基板搬送用治具の
概略構成図である。
【図2】図1に示す基板搬送用治具を構成する支持体を
示し、(a)は平面図、(b)は(a)のAA線矢視断
面図である。
【図3】表面に複数の液晶セルを配置した状態のワーク
基板の平面図である。
【図4】図1に示す基板搬送用治具を構成する支持体の
他の常時固定部材を示し、(a)は平面図、(b)は
(a)のBB線矢視断面図である。
【図5】本発明の基板搬送用治具による寸法精度の比較
結果を示す図である。
【図6】本発明の基板搬送用治具の比較例を示し、
(a)は比較例の基板搬送用治具の平面図、(b)は寸
法精度の比較結果を示す図である。
【図7】本発明の基板搬送用治具の比較例を示し、
(a)は比較例の基板搬送用治具の平面図、(b)は寸
法精度の比較結果を示す図である。
【符号の説明】
1 ワーク基板 11 支持体 11a 貫通孔(吸着支持手段) 12 シリコーンゴム(粘着支持手段) 21 吸着ステージ 41 支持体 41a 貫通孔(吸着支持手段) 42 シリコーンゴム(粘着支持手段)
フロントページの続き (72)発明者 西 陽一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 小山 佳英 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 FA17 FA18 FA30 HA01 MA20 2H090 JB03 JC19 5F031 CA05 FA02 FA07 FA12 GA08 GA30 PA13 PA18 5G435 AA12 AA17 BB12 CC09 GG12 HH02 HH18 KK05 KK10 LL06 LL07 LL08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワーク基板を支持して工程搬送される基板
    搬送用治具において、 工程搬送時に外的な環境変化によって変形しない剛性を
    有し、且つ、表面にワーク基板を支持する支持体と、 上記ワーク基板を、上記支持体に吸着支持するための吸
    着支持手段と、 上記ワーク基板を、上記支持体に粘着力で常時支持する
    ための粘着支持手段とを有し、 上記粘着支持手段の粘着力は、工程搬送時の外的な環境
    変化によって上記ワーク基板が伸縮するのを妨げない粘
    着力であることを特徴とする基板搬送用治具。
  2. 【請求項2】上記吸着支持手段として、上記支持体に、
    該支持体のワーク基板支持面から反対面に貫通する貫通
    孔が複数個設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の基板搬送用治具。
  3. 【請求項3】上記粘着支持手段として、上記支持体のワ
    ーク基板支持面側に、ワーク基板を支持するための粘着
    力が繰返しの使用によってもほぼ一定に維持される粘着
    材が設けられていることを特徴とする請求項1または2
    記載の基板搬送用治具。
  4. 【請求項4】上記粘着材は、支持体から露出している部
    分の表面積が、7×10-42以上であり、且つ、ワー
    ク基板の支持体側の表面積の10%以下であることを特
    徴とする請求項3記載の基板搬送用治具。
  5. 【請求項5】上記粘着材は、支持体表面からの高さが、
    該支持体表面高さ以上、且つ、100μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項3または4記載の基板搬送用治
    具。
  6. 【請求項6】上記支持体に設けられた粘着材の近傍に
    は、ワーク基板を支持体に載置する際に、上記粘着材に
    該ワーク基板が接触するように吸引する吸引手段が設け
    られていることを特徴とする請求項3ないし5の何れか
    1項に記載の基板搬送用治具。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れか1項に記載の基
    板搬送用治具を用いた電気表示装置の製造方法であっ
    て、ワーク基板の寸法精度が要求される工程では、粘着
    支持手段に加えて、吸着支持手段によってワーク基板を
    支持体に支持することを特徴とする電気表示装置の製造
    方法。
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