JP2003162950A - 漏電遮断器 - Google Patents

漏電遮断器

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JP2003162950A JP2001360336A JP2001360336A JP2003162950A JP 2003162950 A JP2003162950 A JP 2003162950A JP 2001360336 A JP2001360336 A JP 2001360336A JP 2001360336 A JP2001360336 A JP 2001360336A JP 2003162950 A JP2003162950 A JP 2003162950A
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Takeshi Tanaka
毅 田中
Hiroshi Fujioki
浩 藤雄木
Shiyougo Ichimura
省互 一村
Kazunori Hirooka
一紀 廣岡
Takashi Ineji
崇 稲次
Fujio Nishiyama
富士男 西山
Hiroshi Shimamura
博 島村
Yoji Onishi
洋司 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】器体内に部品を組込む作業が容易になる漏電遮
断器を提供する。 【解決手段】ハンドルと、複数極の接点と、各極間の不
平衡電流を検出する零相変流器ZCTと、零相変流器Z
CTによって不平衡電流が検出されたときに漏電検出信
号を出力する漏電検出回路を実装した回路基板73と、
この回路基板73に接続され漏電検出回路からの漏電検
出信号に基づいて通電されるコイル68と、このコイル
68を巻装したコイル枠69と、コイル68が通電され
ると複数極の接点を強制開極する漏電引き外し手段とを
備え、零相変流器ZCTに、回路基板73の端面よりも
外側に突出し、コイル枠69を回路基板73側から零相
変流器側方向に移動させコイル枠69を係合するコイル
枠保持部310を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各極間の不平衡電
流を検出したときにコイルに通電して各極の接点を強制
開極する漏電遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来例として、特開平8−2 9 3 6 7 9
号に示すものが存在する。
【0003】このものは、零相変流器の厚み方向一方側
に片面を対向配置した状態で取着した回路基板を器体内
の上下方向に配置するとともに、この回路基板に実装さ
れた漏電検出回路によって通電される検出用のコイルが
巻装されたコイル枠、及びこのコイル枠内に配設されて
引外しリンクを作動するプランジャを有する電磁石装置
(コイル枠)が、回路基板と平行に器体内に配設されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した漏電遮断器に
あっては、回路基板と電磁石装置(コイル枠)とが別々
に器体内に配設されているので、これらの器体への組込
作業が困難であるという問題があった。
【0005】特に、回路基板と電磁石装置(コイル枠)
とを別々に配設している関係上、回路基板と電磁石装置
のコイルとを接続するリード線を器体内に引き回さなけ
ればならず、器体内への組込作業が困難であった。
【0006】本発明は、かかる事由に鑑みて成されたも
のであり、その目的とするところは、器体内に部品を組
込む作業が容易となる漏電遮断器を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の漏電遮断
器は、器体の外部から操作可能なハンドルと、このハン
ドルの操作により開閉される複数極の接点と、各極間の
不平衡電流を検出する零相変流器と、この零相変流器の
厚み方向一方側を片面に対向配置した状態で接続し前記
零相変流器によって不平衡電流が検出されたときに漏電
検出信号を出力する漏電検出回路を実装した回路基板
と、この回路基板に接続され前記漏電検出回路からの漏
電検出信号に基づいて通電されるコイルと、このコイル
を巻装したコイル枠と、前記コイルが通電されると複数
極の接点を強制開極する漏電引き外し手段と、を備えた
漏電遮断器において、前記零相変流器に、前記回路基板
の端面よりも外側に突出し、前記コイル枠を回路基板側
から零相変流器側方向に移動させたときに前記コイル枠
が係合するコイル枠保持部を設けたことを特徴とするも
のである。
【0008】請求項1記載の漏電遮断器によれば、コイ
ル枠を零相変流器のコイル枠保持部に移動させた後、コ
イルを回路基板に接続すれば、コイル枠、零相変流器及
び回路基板をブロック化することができ、また、このブ
ロック化した状態で回路基板とコイルとを接続するリー
ド線を接続することができるので、器体内への組込作業
が容易となる。
【0009】請求項2記載の漏電遮断器は、請求項1に
おいて、前記コイル枠に、基端側がコイルの各終端に接
続されるとともに先端側が回路基板に接続される一対の
取付ピンを取着し、前記コイル枠を前記零相変流器の前
記コイル枠保持部に移動させたときに各取付ピンの先端
側が挿入される一対の取付孔を回路基板に設けたもので
ある。
【0010】請求項2記載の漏電遮断器によれば、請求
項1と同様な効果のほか、コイル枠を零相変流器のコイ
ル枠保持部に移動させていけば一対の取付ピンが回路基
板の各取付孔に挿入されることとなり、コイルと回路基
板との電気的接続が容易にできる。
【0011】請求項3記載の漏電遮断器は、請求項2に
おいて、前記取付ピンが、回路基板の取付孔に挿通され
る先端側の基板取付片及びこの基板取付片から互いに離
れる方向に延出する形で折曲されてコイルの終端が接続
される基端側のコイル取付片からなる略L字状に形成さ
れ、前記コイルを巻装した巻装面から突出するコイル枠
の両側に、各取付ピンのコイル取付部が挿通し得る貫通
孔を有する一対の保持片を設けたものである。
【0012】請求項3記載の漏電遮断器によれば、請求
項2と同様な効果のほか、コイル枠にコイルを巻装する
際、保持片が邪魔にならず、コイルを巻装し易いものと
なる。また、巻装面から突出している一対の保持片に、
基端から先端にかけて直線状とした取付ピンは、取付ピ
ン間が長い間隔となって回路基板の小型化が図れない
が、互いに接近するようL 字状に折曲しているので回路
基板の小型化が図れる。
【0013】請求項4記載の漏電遮断器は、請求項3に
おいて、前記取付ピンの少なくともコイル取付片及び前
記コイル枠の前記貫通孔を断面非円形状に形成したもの
である。
【0014】請求項4記載の漏電遮断器によれば、請求
項3と同様な効果のほか、取付ピンのコイル取付片を貫
通孔に挿通すると回転できないため固定した状態で、取
付ピンの先端部が回路基板の取付孔に位置合せし易くな
り、もって取付ピンの基板取付片の先端を回路基板の取
付孔に挿通させる作業が容易となる。
【0015】請求項5記載の漏電遮断器は、請求項3 ま
たは請求項4 において、前記取付ピンの前記コイル取付
片を前記貫通孔に貫通したとき、前記コイル枠の前記保
持片を挟む形で前記保持片の両面に係止される一対の係
止部を前記コイル取付片に設けたものである。
【0016】請求項5記載の漏電遮断器によれば、請求
項3 または請求項4 と同様な効果のほか、取付ピンの一
対の係止部をコイル枠の保持片に係止させれば、取付ピ
ンの先端部が回路基板の取付孔に位置合せし易くなり、
もって取付ピンの基板取付片の先端を回路基板の取付孔
に挿通させる作業が容易となる。
【0017】請求項6記載の漏電遮断器は、請求項1、
請求項2、請求項3、請求項4または請求項5におい
て、前記零相変流器の回路基板対向面側とは反対側面
に、前記コイル枠保持部の突出方向と同方向に延出する
第2の回路基板を取着し、この第2の回路基板と前記コ
イル枠との間に絶縁板を配設したものである。
【0018】請求項6記載の漏電遮断器によれば、請求
項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5と
同様な効果のほか、第2の回路基板とコイル枠との間隔
を狭くすることができるとともに、零相変流器を挟む形
で2 つの回路基板が配設されているので、器体内にコン
パクトに収納することができ、器体のコンパクト化が図
れる。
【0019】請求項7記載の漏電遮断器は、請求項6に
おいて、前記絶縁板が、前記第2の回路基板と前記コイ
ル枠との間に介在する第1絶縁片と、この第1 絶縁片と
の間で前記第2 の回路基板を挟む形に連設された第2絶
縁片と、これら第1 絶縁片及び第2 絶縁片間を連結する
連結片とを備え、前記第2絶縁片には、前記零相変流器
の電路挿通孔に臨む通孔と、この通孔から端面まで連続
する切込みとが形成されたものである。
【0020】請求項7記載の漏電遮断器によれば、請求
項6と同様な効果のほか、第2の回路基板を挟む形で絶
縁板を配設し、切込みから電路となる通電線を挿通させ
れば、通電線によって絶縁板が外れなくなるので、絶縁
板を取着する作業が容易となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図16を参照して詳細に説明する。
【0022】本実施形態は、両側の合成樹脂製の第1側
ケース1Aと第2側ケース1Bとを連結して構成される
器体1内に、器体1の幅方向に並設された2つの固定接
点2A,2Bと、これら各固定接点2A,2Bに接離自
在に対向する可動接点3A,3Bを固着した2つの可動
接触子4A,4Bと、これらの2つの可動接触子4A,
4Bを駆動する開閉機構5とを備え、ハンドル6の投入
・開放操作により開閉機構5を介して各可動接点3A,
3Bを各固定接点2A,2Bに接離(接触・開離)させ
る構成となっており、各固定接点2A,2B及び各可動
接触子4A,4Bを、器体1の高さ方向に上下に配設す
るとともに両可動接触子4A,4Bの内、高さ方向で2
つの固定接点2A,2B間に介在する一方の可動接触子
4Bと、他方の可動接触子4Aの可動接点3Aが接離す
る固定接点2Aとを、各固定接点2A,2Bから各可動
接点3A,3Bが開離した状態で器体1の幅方向から見
て交差しない高さ位置に配設してある。
【0023】器体1の長手方向における一端部内には両
側ケース1A,1B間に挟み込むようにして、合成樹脂
材料から成形された中間ケース7を固定しており、第1
側ケース1Aの側壁(外壁)内側の凹部8と中間ケース
7の縦壁部35とで構成される区間内に固定接点2Aを
一端に設けた電圧極側の出力端子を構成する端子ブロッ
ク10Aを収納し、中間ケース7の第2側ケース1B側
に設けた凹部9と第2側ケース1Bの側壁(外壁)とで
構成される区画内に下側の固定接点2Bを一端に設けた
中性極(又は他の電圧極)側の出力端子を構成する端子
ブロック10Bを収納してある。
【0024】端子ブロック10Aは、コ状に折り曲げら
れた端子板11と、該端子板11の下片の一端より上方
に延長片11aが一体延長され、該延長片11aの上端
から延長片11aに対し直角に折り曲げて端子板11に
対して外向きに一体延長された固定接触子12Aと、該
固定接触子12Aの一端上面にかしめ固定された固定接
点2Aと、端子板11の下片上に載置されて端子板11
内に収納される略ム字状の鎖錠ばね13Aとで構成され
る。そして、上記第1側ケース1Aの凹部8の下向き傾
斜した底面上に端子板11の下片を乗せ、凹部8の一端
の立ち上がり壁8aに沿うように延長片11aを配置
し、立ち上がり壁8aの上端を越えて固定接触子12A
を凹部8の外へ導出して立ち上がり壁8aと、第1側ケ
ース1Aの底部より立ち上がった隔壁14との間に凹部
8の底部と同様に傾斜させて一体形成した固定接点配置
部15上に固定接触子12Aの先部を配置することによ
り、端子ブロック10Aが凹部8内に配設される。固定
接点配置部15には固定接触子12Aの下面側に突出し
た固定接点2Aの下端を逃がす凹部15aが形成されて
いる。端子板11は上片の他端から上向きにT字片11
bを一体に延長形成しており、このT字片11bの上端
の側方突出部の片側先端を第1側ケース1Aの内側面に
形成してある凸平部22の上端面に載置する。また端子
板11の側片の側面には鎖錠ばね13Aの押さえ片13
b内に挿入され、鎖錠ばね13Aのがたつきを防止する
突起23を一体に形成してある。
【0025】鎖錠ばね13Aと端子板11は導体接続部
たる速結端子を構成するもので、第1側ケース1Aに中
間ケース7を重ね合わせた時に、第1側ケース1Aの他
端部の縦壁部に形成した断面が半円状の斜め下向き溝1
60と中間ケース7の対向壁面に形成した壁に同様な形
状の斜め下向き溝160とで形成される斜め下向き電線
挿入孔16Aを介して、外部より挿入された電線(図示
せず)の芯線が端子板11の上片と鎖錠ばね13Aの鎖
錠片13aの上端と押さえ片13bの上端との間に圧入
され、鎖錠片13aの先端により電線の引き抜き方向に
対して芯線を鎖錠し且つ、押さえ片13bの上端面で芯
線を端子板11の上片に押し付けることにより、電気的
に芯線を接続すると共に、機械的に保持するようになっ
ている。この電線鎖錠を解除するのが解除ハンドル17
でこの解除ハンドル17は下部側面に設けた回動軸18
が第1側ケース1Aの内側面の凸平部22に設けた軸孔
20に回動自在に軸支され且つ中間ケース7の縦壁部3
5の壁面に突出させている軸(図示せず)を下部他側面
に設けた凹部37に回動自在に軸支してあり、器体1の
外側に露出する操作部17aを手動操作して回動させる
ことで、下端に設けた駆動突起19が鎖錠ばね13Aの
鎖錠片13aの一側端の先部を押して鎖錠片13aを撓
ませ、芯線に対する鎖錠を解除することができるように
なっている。図中21は解除ハンドル17を常時反手動
操作方向に回動付勢する復帰ばねである。
【0026】一方端子ブロック10Bは、基本的に端子
ブロック10Aと同様に端子板11と、鎖錠ばね13B
と、固定接触子12Bとで構成されているが、端子ブロ
ック10Aの端子板11とは異なり、端子ブロック10
Bの端子板11はその下片の一端より下向きに延長片1
1cを延長形成し、その延長片11cの先端より器体1
の底部と平行するようにして固定接触子12Bを延長形
成し、また端子板11の側片の一端部から直角に延長し
た奥片11dを形成してある。
【0027】鎖錠ばね13Bは、鎖錠ばね13Aと同じ
構造のものであって、端子板11の下片上に載置され、
端子板11の側片より突出させた突起23が押さえ片1
3b内に挿入されようになっている。
【0028】この端子ブロック10Bは中間ケース7の
凹部9の底部を構成し器体1の底部に略平行に延出形成
された横壁部24上に端子板11の下片を載置するとも
に、凹部9の一端部の縦壁25に奥片11dを沿わせる
とともに縦壁25の下端と、横壁部24の一端部との間
に形成された切欠27に端子板11の一端を嵌めて延長
片11cを凹部9外に出すようになっており、中間ケー
ス7を第1側ケース1A側に重ね合わせときに、固定接
触子12Bの先部、つまり固定接点2Bを設けた下面を
第1側ケース1Aの底部のリブ26,26上に載置され
るようになっている。つまり固定接点2Bは中間ケース
7の横壁部24及び後述する膨出部30及び両側ケース
1A,1Bの側壁間で構成される空間で両側ケース1
A,1B間に跨って配置される。尚リブ26,26間の
凹所は固定接触子12Bの先部にかしめ固定された固定
接点2Bの固定接触子12Bの下面側に突出した下端部
の逃げとなる。
【0029】また端子板11の上片の他端部より上方に
延長形成されたT字片11bの上端の側方突出部の先端
は中間ケース7の壁面に形成してある凸平部22’の上
端面に載置される。
【0030】端子ブロック10Bの鎖錠ばね13Bと端
子板11は端子ブロック10Aの場合と同様に導体接続
部たる速結端子を構成し、第2側ケース1Bに中間ケー
ス7を重ね合わせたときに、中間ケース7の凹部9の他
端部の縦壁部に設けられた断面半円状の斜め下向き溝1
60とこの斜め下向き溝160と同様に第2側ケース1
Bの他端部の縦壁に設けられた斜め下向き溝160とで
形成される電線挿入孔16Bから電線が挿入されるとそ
の芯線を鎖錠ばね13Bの鎖錠片13aで鎖錠し、押さ
え片13bで芯線を端子板11の上片に押しつけて電線
を電気的に接続するともに機械的に鎖錠するようになっ
ている。
【0031】この電線鎖錠を解除するのが解除ハンドル
17’で、この解除ハンドル17’は上記の解除ハンド
ル17と同様に下部側面に設けた回動軸18が中間ケー
ス7の凸平部22’に設けた軸孔20に回動自在に軸支
され且つ第2側ケース1Bの内側壁面に突出させている
軸38を側面に形成してある凹部37に回動自在に軸支
し、器体1の外側に露出する操作部17aを手動操作し
て回動させたときに下端に設けた駆動突起19が鎖錠ば
ね13Bの鎖錠片13aの一側端の先部を押して鎖錠片
13aを撓ませて鎖錠状態を解除することができるよう
になっている。図中21’は解除ハンドル17’を常時
反手動操作方向に回動付勢する復帰ばねである。
【0032】中間ケース7は両側ケース1A,1Bの側
壁に略平行する縦壁部35に対して第2側ケース1B側
へ突出して第2側ケース1Bの側壁内面に当接する膨出
部30が形成され、この膨出部30の下面より垂下させ
た壁が上記縦壁25であり、第2側ケース1B側に面す
る側壁、底壁、一端部の縦壁32及び天井壁33とで囲
まれた凹所を第1側ケース1A側に設けてある。そして
第1側ケース1A側に中間ケース7を突き合わせときに
第1側ケース1A側に組み付けてある端子ブロック10
Aの固定接触子12Aの先端側部が凹所の底壁の段面上
に載置され、また天井壁33が第1側ケース1Aの内側
面より突出している横壁29の下面に沿うよう配置され
る。また縦壁32には固定接点2Aに対応する可動接触
子4Aの自由端を凹所内に挿入するための開口部(図示
せず)を形成してある。
【0033】一方器体1の長手方向における他端内部に
は、分電盤内において異なる位置(図1の上下方向)に
各々配設された3本の導電バー(図示せず)の内で最下
段の電圧極の導電バーを差込接続する1つの共通端子T
1を収納配置する収納部90と、残り1本の電圧極と中
性極の導電バーのうちの1本を選択して差込接続する1
つの選択端子T2を残り1本の電圧極及び中性極の導電
バーに対応した少なくとも2つの位置間で移動自在に配
設する内方収納部200を設けてある。
【0034】プラグイン式の入力端子である共通端子T
1及び選択端子T2は共に略コ字状で、上下に並行する
両側片の先部が互いに近接した後、先端にかけて拡開し
た刃受ばねから構成され、先端拡開により導電バーの差
込を容易とし、中央の近接部位で導電バーを挟み込むよ
うになっている。
【0035】内方収納部200には、残り1本の電圧極
及び中性極の2本の導電バーに各々対応する2つの位置
で選択端子T2を位置決めする位置決め手段として、第
1側ケース1Aの内方収納部200を構成する区画の端
部壁面に断面略半円状の突起97を第1側ケース1Aの
幅方向に設けてある。
【0036】前記器体1の内方収納部200の天井部に
当たる壁には、選択端子T2が残り1本の電圧極及び中
性極の2本の導電バーのうちのどちらに対応する位置に
あるのか表示する表示手段として、内方収納部200内
に連通する通孔201を設け、この通孔201から選択
端子T2を収納したスライド部材83の上部に形成せる
円柱状の表示部202が通孔201に臨んで外部から視
認できるか、通孔201から離れた位置にあって外部か
ら視認できないかにより選択端子T2の位置を知ること
ができるようになっており、100V接続か200V接続
かを確認することができる。また通孔201を介してス
ライド部材83を外部から押し操作して下方移動させる
ことも可能としている。この通孔201は両側ケース1
A、1Bの上面側壁に設けた半円の切欠孔201aが突
き合わせられて形成される円形の孔からなる。
【0037】スライド部材83は合成樹脂成形品からな
り器体1の両端方向に対応する両端面が開口した枠体状
に形成されたもので、選択端子T2を構成する刃受ばね
を一端開口から挿入して他端開口より刃受ばねの先端部
を突出させるようにして保持しており、選択端子T2は
このスライド部材83と共に内方収納部200内を図1
において上下方向に移動自在に配置される。
【0038】内方収納部200の両側壁を構成する両側
ケース1A,1Bの側壁の内面にはスライド部材83の
両側部に形成したスライド突起203を上下移動自在に
係合してスライドさせる上下方向のガイド溝204を2
条の並行する突起205間に形成しており、内方収納部
200はこの両側壁のガイド溝204,204にスライ
ド部材83の両側のスライド突起203を係合した状態
でスライド部材83とともに選択端子T2を上下方向に
スライド移動自在に収納保持している。なお、内方収納
部200側にスライド突起を、ガイド溝をスライド部材
83側に設けても良い。
【0039】スライド部材83は第1側ケース1Aの側
部より図3に示すように図において下方に延びた脚片8
3aを一体に延長形成するとともに、脚片83aの下端
部のには外向きに突出した突出部206を形成してあ
る。
【0040】この突出部206は内方収納部200の側
壁を構成する第1側ケース1Aの側壁の外側に図12に
示すように第1側ケース1Aの底面から上方向に形成さ
れたスライド溝207の上端底部に内方収納部200と
連通するように開口した挿通孔208からスライド溝2
07内に挿入されて脚片83aとともにスライド溝20
7内を上下方向にスライド自在に位置される。
【0041】スライド溝207、挿通孔208は選択端
子T2を装着したスライド部材83を上下移動させるた
めのガイド部を構成しており、スライド溝207の底部
は内方収納部200内に突出するように形成され、スラ
イド溝207の上端底部に形成された挿通孔208を介
してスライド溝207内に上方挿入される脚片83aの
裏面がスライド溝207の底部に摺接可能なようになっ
ている。またスライド溝207の最上方には突出部20
6がスライド溝207の上端部へ移動したときに衝合す
る突出部207aを設けてある。
【0042】而して、突出部206が内方収納部200
内の選択端子T2の上下移動させる操作部を構成し、器
体1外部からこの突出部206を持って或いはドライバ
等で押し上げたり、押し下げることによってスライド溝
207内をスライド移動させれば、このスライド移動に
伴い内方収納部200内のスライド部材83が選択端子
T2と共にスライド突起203とガイド溝204とによ
るガイドによって上又は下へ移動することになる。
【0043】上記の操作によってスライド部材83が移
動する際、位置決め突起97をスライド部材83の先端
上部或いは先端下部がその弾性と位置決め突起97のア
ール面とにより乗り越え、移動後は位置決め突起97に
枠部83の先端下部或いは先端上部が当たって、選択端
子T2の位置を保持するようになっている。
【0044】さて可動接触子4A,4Bを開閉駆動する
開閉機構5は、ラッチ部材たる作動板43と、クロスバ
ー40と、作動板43の一端を係止する段状の係止部4
1eを備えた第1引外し板41と、第2引外し板42
と、ハンドル6と、コ字状リンク44等からなる。そし
て、主接点(固定接点2A,2B及び可動接点3A,3
B)の閉極状態において短絡電流のような大電流が瞬時
に流れれば第1の電磁釈放装置47によって、主回路に
漏洩電流が流れれば第2の電磁釈放装置48によって、
さらに過負荷電流のような過電流が流れれば熱動釈放装
置(45、46)によって、それぞれ開閉機構5を釈放
して主接点を強制的に開極させる。
【0045】ハンドル6は、操作部6aと回動部6bと
ハンドル軸6cとで構成され、回動部6bの両側面の中
央に突出したハンドル軸6cを第1側ケース1Aの内側
面に形成された軸孔49と、第2側ケース1Bの内側面
に形成された軸孔49とにそれぞれ回動自在に挿入して
両側ケース1A,1B間に保持され、操作部6aは、両
側ケース1A,1Bの連結した状態で構成される器体1
の上面に開口する窓孔50に臨むようになっている。ま
たハンドル軸6cにはねじりばね(図示せず)が装着さ
れ、該ねじりばねにより、ハンドル6は投入操作位置
(図2参照)において、開放操作方向に付勢されてい
る。
【0046】回動部6bの下端に設けた軸孔52にはコ
字状リンク44の上側軸44aを回動自在に挿入して、
コ字状リンク44を介して作動板43と連結されてい
る。
【0047】作動板43は中央両側に設けた軸受け孔4
3aにコ字状リンク44の下側軸44bを貫挿させるこ
とによりコ字状リンク44を介してハンドル6と連結さ
れ、器体1内に上下移動自在に配置される。
【0048】クロスバー40は上部の両側面に突出させ
た軸40aを両側ケース1A,1Bの内側面に形成した
軸孔52、52に挿入して両側ケース1A,1B間に枢
支されるもので、図12に示すように軸40aよりやや
下方の第1側ケース1A側の側部には可動接触子4Aの
側部を横方向から嵌める切溝54を、また下部の第2側
ケース1B側の側部には可動接触子4Bを横方向から嵌
める切溝55をそれぞれ設けてある。そして可動接点側
端面には、中間ケース7及び第1側ケース1Aの側壁の
内面に突設してある止片130を、各可動接点3A,3
Bが各固定接点2A,2Bから開離した状態で係入して
その底部に当接する凹溝131を幅方向に形成してある
(図13参照)。
【0049】ここで可動接触子4Aは剛体の導電金属板
から構成され、クロスバー40の切溝54に側方から挿
入されるとともに、切溝54の後ろに設けた凹み部(図
示せず)において、後部下面と凹み部の底部との間に圧
縮配置される接圧用のコイルばね53により後部が上方
に付勢されるようになっており、クロスバー40が軸4
0aを中心として回動したときに可動接触子4Aは切溝
54の開口縁を中心として回動し、自由端にかしめ固定
した可動接点3Aを対応する固定接点2Aに対して開離
・接触させるようになっている。
【0050】また可動接触子4Bは導電性ばね薄板材か
らなり、クロスバー40が投入動作方向に回動したとき
には下方に押されて撓み、この撓んだ状態からクロスバ
ー40が開放動作方向に回動したときには復帰し、その
撓みと、復帰とで、先端にかしめ固定した可動接点3B
を固定接点2Bに対して接触・開離させるようになって
いる。
【0051】クロスバー40の下端部は、該下端部と、
第1側ケース1Aの底部より垂立させた壁63との間で
圧縮配置されたコイルばね62により押されて回転力が
付与される。
【0052】第1引外し板41は軸部41aと、この軸
部41aの上部に突出する突出部41bと、軸部41a
の下部に突出する一対の脚部41c,41dとからな
り、軸部41aの両端を両側ケース1A,1Bの内側面
に設けられた軸孔56、56に挿入して両側ケース1
A,1B間で回動自在に支持される。またねじりコイル
ばねを用いた復帰ばね301により作動板43をラッチ
する方向に付勢する。突出部41bの上端部には作動板
43の一端が係脱する係止部41eを形成し、一方の脚
部41cの先端側面には後述するバイメタル45に押し
駆動される受け部(図示せず)を突設するとともに、他
方の脚部41dの先端側面には第2の引外し板42に押
し駆動される受け部41fを突設している。さらに第1
引外し板41の軸部41aの上部のバイメタル45の基
端側に対向して磁性板340を固定している。例えば第
1引外し板41に突起を設け磁性板340に孔を形成し
て突起に嵌合しかしめ固着する。ここで、バイメタル4
5を間にして磁性板340と反対側にコ字形の短絡検出
用のヨーク341を配置し、ヨークの両側をバイメタル
45の両側から磁性板340に接近している。ヨーク3
41は器体1または隔壁部材31に固定される。したが
って、バイメタル45に短絡電流が流れた場合にはバイ
メタル45が加熱されてたわみ第1引外し板41を押す
よりも先に、バイメタル45の回りに発生する大きい磁
束がヨーク341と磁性板340による磁気回路を通
り、磁性板340をヨーク341に吸引力が働き、第1
引外し板41を作動板43を釈放する方向に回動する。
【0053】第2引外し板42は軸孔42bを有する中
央部から対向部42a並びに受け部42cが突出した略
へ字形に形成され、後述する隔壁部材31に設けられた
軸31fを軸孔42bに挿入して回動自在に枢支され
る。また対向部42aの端面には、後述するバイメタル
46の下端に対向し、バイメタル46の湾曲時に押され
る駆動片42dが設けてある。
【0054】厚板金属材からなる導電板71A,71B
には、熱動釈放装置を構成するバイメタル45,46が
それぞれ溶着固定して垂下させてある。一方のバイメタ
ル45の導電板71Aとの固定部分には共通端子T1に
一端が溶着された編組線79Aの他端が溶着されるとと
もに、後述する第1の回路基板73に一端が接続された
リード線82Aが溶着され、他方のバイメタル46の導
電板71Bとの固定部分には選択端子T2に一端が溶着
された編組線79Bの他端が溶着されるとともに、可動
接触子4Bに連結された通電導体80(後述する)に一
端が溶着された編組線79Cの他端がバイメタル46の
略中央部に溶着され、共通端子T1,編組線79A,導
電板71A,バイメタル45,編組線79D,可動接触
子4Aとが電気的に接続されるとともに、選択端子T
2,編組線79B,導電板71B,バイメタル46,編
組線79C,通電導体80,可動接触子4Bとが電気的
に接続されている。なお、バイメタル45,46は調整
螺子77,77’を螺進させることで下端位置を調整可
能となっているが、この調整機構については本発明の要
旨ではないので詳細な説明は省略する。
【0055】ところで、導電板71A,71B並びにバ
イメタル45,46は隔壁部材31に保持される。この
隔壁部材31は絶縁性を有する合成樹脂成型品からな
り、2つのバイメタル45,46を隔絶する平板状の隔
壁31aと、隔壁31aの周縁よりその厚み方向(器体
1の幅方向)両側へ突出する周壁31bとを有し、隔壁
31a並びに周壁31bに囲まれた各凹所31c,31
cに導電板71Aとバイメタル45並びに導電板71B
とバイメタル46がそれぞれ収納される。凹所31c,
31cの上部の周壁31bには複数の突起31dが対向
して突設されており、これらの突起31d間に導電板7
1A,71Bを圧入することで導電板71A,71B並
びにバイメタル45,46を隔壁部材31に保持させて
いる。また、導電板71A,71Bを収納した凹所31
c,31cの上部周壁31bには、調整螺子77,7
7’を凹所31c,31cの外へ臨ませるために矩形の
切り欠き31e,31eが形成してある。さらに、導電
板71B及びバイメタル46を収納する側の凹所31c
の底部には第2引外し板42の軸孔42bに挿入する軸
31fが突設してある。
【0056】第1の電磁釈放装置47は、図6に示すよ
うに磁性鉄板を平面視略コ字型に折曲してなる固定鉄心
57と、矩形平板状の磁性鉄板からなる可動鉄心58
と、可動鉄心58を固定鉄心57の両端磁極面に揺動自
在に対向支持させ且つ可動鉄心58を固定鉄心57から
離れる向きに弾性付勢する弾性部材たる板ばね59とで
構成される。また、通電導体80は先端部に編組線79
Cの一端が溶着される内片80aと、内片80aの後端
より略L字形に延出されて内片80aと略平行に対向す
る外片80bとで構成され、外片80bの先端部に可動
接触子4Bの後端部が連結される。
【0057】可動鉄心58は固定鉄心57側の面に突出
させた突起58a,58aを、板ばね59の中央片59
aの一端部に形成した孔59b,59bに挿入してかし
め固定することで板ばね59に揺動自在に支持される。
一方、板ばね59は中央片59aの両側方に折り曲げ形
成した両側片59c,59cを固定鉄心57の両側片5
7a,57aの外面に沿わせるように配置して両側片5
9c,59cの先端に内向きに突出させた係止片59
d,59dを、固定鉄心57の外側角部に形成した凹部
57b,57bに係止させることにより、図7に示すよ
うに通電導体80の内片80aを固定鉄心57と可動鉄
心58の間に介在させ、内片80aと外片80bの間に
可動鉄心58を挟む形で固定鉄心57に固持される。こ
のとき、固定鉄心57の両側片57a,57aの先端で
ある磁極面が板ばね59の中央片59aと、両側片59
c,59cとの間を介して可動鉄心58に対向する。
【0058】而して、短絡電流のような過電流が通電導
体80に流れたときに固定鉄心57の両側片57a,5
7aの磁極面に発生する電磁吸引力により可動鉄心58
を吸引揺動させるのである。なお、このように固定鉄心
57と可動鉄心58を板ばね59で連結してブロック化
しているため、後述するように第1の電磁釈放装置47
の器体1への組み込み作業が容易になるものである。
【0059】ここで通電導体80の内片80aに流れる
電流によって固定鉄心57の両側片57a,57aの磁
極面に発生する電磁吸引力の向きと、外片80bに流れ
る電流によって固定鉄心57の両側片57a,57aの
磁極面に発生する電磁吸引力の向きとを同一とし、可動
鉄心58を吸引する電磁吸引力を強めて主接点を素早く
開極するようにしている。また、通電導体80を熱動釈
放装置のバイメタル45,46と兼用しないため、通電
導体80をバイメタルと兼用する従来例に比較して固定
鉄心57と可動鉄心58との間隔を狭くすることがで
き、固定鉄心57と可動鉄心58の対向方向における小
型化が可能となる。
【0060】一方、第2の電磁釈放装置48は、第1の
電磁釈放装置47の固定鉄心57に励磁用のコイル68
を巻装して構成される。図6に示すように合成樹脂のよ
うな絶縁材料により一側面が開放した角筒状に形成され
たコイル枠69を、軸方向両端から固定鉄心57の側片
57a,57aをそれぞれ突出するようにして固定鉄心
57に装着し、図7に示すようにコイル枠69の軸方向
両端部に設けた外鍔69a,69a間にコイル68が巻
回してある。コイル枠69の外鍔69a,69aの開放
された側面近傍には略立方体形の保持片69b,69b
が突設してあり、この保持片69b,69bの側面から
突出する導電性の取付ピン69c,69cにコイル68
の端末がからげてある。
【0061】そして、コイル枠69の外鍔69aは軸方
向にも張出しており、零相変流器ZCTのハウジング7
5に、後述の回路基板73の端面よりも外側に突出し、
コイル枠69を回路基板73側から零相変流器側方向に
スライド移動させたときにコイル枠69が係合する例え
ば断面L字形のコイル枠保持部310を設けている。ま
た外鍔69aはコイル枠保持部310に挿入される細幅
部と広幅部とからなり、広幅部の細幅部側の端部69d
でコイル枠保持部310への挿入量が規制される。この
ように、コイル枠69を零相変流器ZCTのコイル枠保
持部310にスライドさせた後、コイル68を回路基板
73に接続すれば、コイル枠69、零相変流器ZCT及
び回路基板73をブロック化することができ、また、こ
のブロック化した状態で回路基板73とコイル48とを
接続するリード線を接続することができるので、器体1
内への組込作業が容易となる。
【0062】またコイル枠69に、基端側がコイル68
の各終端に接続されるとともに先端側が回路基板73に
接続される一対の取付ピン69c、69cを取着し、コ
イル枠69を零相変流器ZCTのハウジング75のコイ
ル枠保持部310にスライド移動させたときに各取付ピ
ン69cの先端側が挿入される一対の取付孔311を回
路基板73に設けている。これにより、コイル枠69を
零相変流器ZCTのコイル枠保持部310にスライドさ
せていけば一対の取付ピン69cが回路基板73の各取
付孔311に挿入されることとなり、コイル68と回路
基板73との電気的接続が容易にできる。
【0063】これらの取付ピン69cは、回路基板73
の取付孔311に挿通される先端側の基板取付片312
及びこの基板取付片312から互いに離れる方向に延出
する形で折曲されてコイル68の終端が接続される基端
側のコイル取付片313からなる略L字状に形成され、
コイル68を巻装した巻装面から突出するコイル枠69
の両側に、各取付ピン69cのコイル取付片313が挿
通し得る貫通孔314を有する上記した一対の保持片6
9bを設けている。そのため、コイル枠69にコイル6
8を巻装する際、保持片69bが邪魔にならず、コイル
68を巻装し易いものとなる。また、巻装面から突出し
ている一対の保持片69bに、基端から先端にかけて直
線状とした取付ピン69cは、取付ピン69c間が長い
間隔となって回路基板73の小型化が図れないが、互い
に接近するようL 字状に折曲しているので回路基板73
の小型化が図れる。
【0064】取付ピン69cは少なくともコイル取付片
313及びコイル枠69の貫通孔314を例えば角穴等
の断面非円形状に形成し、コイル取付片313を貫通孔
314に挿着したとき基板取付片312がコイル取付片
313を中心として回動するのを規制している。取付ピ
ン69cのコイル取付片313を貫通孔314に挿通す
ると回転できないため固定した状態で、取付ピン69c
の先端部が回路基板73の取付孔311に位置合せし易
くなり、もって取付ピン69cの基板取付片312の先
端を回路基板73の取付孔311に挿通させる作業が容
易となる。
【0065】また取付ピン69cのコイル取付片313
を貫通孔314に貫通したとき、コイル枠69の保持片
69bを挟む形で保持片69bの両面に係止される一対
の係止部315、316をコイル取付片313に設けて
いる。この場合、コイル取付片313の先端は先細のテ
ーパに形成して貫通孔314に挿入しやすくし、テーパ
の後端部を係止部315としている。このため、取付ピ
ン69cの一対の係止部315、316をコイル枠69
の保持片69bに係止させれば、取付ピン69cの先端
部が回路基板73の取付孔311に位置合せし易くな
り、もって取付ピン69cの基板取付片312の先端を
回路基板73の取付孔311に挿通させる作業が容易と
なる。
【0066】而して、地絡電流のような漏洩電流が流れ
たときに後述する漏電保護回路51によりコイル68に
通電して固定鉄心57を励磁し、固定鉄心57の両側片
57a,57aの磁極面に電磁吸引力を発生させて可動
鉄心58を吸引揺動させるのである。つまり、固定鉄心
57にコイル68を巻装することで第1の電磁釈放装置
47を構成する固定鉄心57,可動鉄心58,板ばね5
9を第2の電磁釈放装置48に兼用することができるか
ら、短絡保護用の第1の電磁釈放装置と漏電保護用の第
2の電磁釈放装置とを独立した部品で構成していた従来
に比較して、部品点数を削減することができて省スペー
ス化並びに小型化が図れるものである。
【0067】また、固定鉄心57と可動鉄心58との間
におけるコイル68並びに通電導体80(内片80a)
の通電方向が一致するため、コイル68に通電されて第
2の電磁釈放装置48が動作した場合に固定鉄心57の
両側片57a,57aの磁極面に発生する電磁吸引力を
強めることができ、主接点を素早く開極させることがで
きる。さらにコイル68を固定鉄心57に巻装している
ため、コイル68が移動しないことからコイル68の断
線を防ぐことができる。但し、可動鉄心58にコイル6
8を巻装してもよい。
【0068】漏電保護回路51は図8に示す回路構成を
有するものであって、主回路の電圧極の電路(編組線7
9A)と中性極(又は他の電圧極)の電路(編組線79
B)が貫挿された零相変流器ZCTを備え、地絡電流等
の漏電電流によって主回路の各極に流れる電流が不平衡
となると零相変流器ZCTの出力端子間に不平衡度合い
に応じた電流(検出電流)が流れる。この検出電流は交
番電流であって、逆並列に接続したダイオードD1,D
2からなるクランプ回路でクランプされ、抵抗R1を介
して平滑コンデンサC1を充電することにより検出電流
を電圧に変換する。そして、平滑コンデンサC1の両端
電圧、すなわち検出電流から変換された検出電圧が漏電
電流判定回路51aに入力される。
【0069】漏電電流判定回路51aの電源は、第2の
電磁釈放装置48のコイル68を通して、ダイオードD
3、抵抗R2〜R5、平滑コンデンサC2の直列回路を
主回路の電圧極と中性極(又は他の電圧極)の間に接続
し、平滑コンデンサC2の両端電圧を漏電電流判定回路
51aの電源端子及び接地端子に印加することで得られ
る。また、主回路の電圧極と中性極(又は他の電圧極)
の間には、コイル68とサイリスタSCRとダイオード
D3の直列回路が接続され、漏電電流判定回路51aの
出力端子から出力する制御信号をサイリスタSCRのゲ
ートに印加することでサイリスタSCRをターンオンさ
せる。なお、サイリスタSCRの両端間にはコンデンサ
C0と抵抗R0からなるスナバ回路が接続されている。
【0070】漏電電流判定回路51aは、上記検出電圧
を所定の閾値と比較し、比較結果に応じてコンデンサC
3を充電又は放電し、コンデンサC3の両端電圧に応じ
て出力端子から制御信号を出力することによって比較結
果を遅延するように構成してある。したがって、主回路
に漏電電流が流れると制御信号によってサイリスタSC
Rがターンオンし、コイル68に通電されることによっ
て第2の電磁釈放装置48が動作し、可動鉄心58が固
定鉄心57に吸引される。漏電電流判定回路51aは集
積回路よりなり、上記コンデンサC3並びに漏電検出後
にコンデンサC3を放電するための時定数を決める抵抗
R6が外付けされる。
【0071】また、主回路の電圧極と中性極(又は他の
電圧極)の間には、抵抗RT、常開のテストスイッチS
W並びに零相変流器ZCTに貫挿されたリード70aの
直列回路からなる試験回路70が接続される。すなわ
ち、テストスイッチSWをオンしてリード70aに電流
を流すことにより零相変流器ZCTの1次側に不平衡電
流を流して擬似的に漏電状態を作り出し、漏電保護回路
51が正常に動作するか否かの試験を行うことができ
る。なお、抵抗RT並びにテストスイッチSWにはサー
ジ吸収素子SAが並列に接続してある。
【0072】ところで、漏電保護回路51並びに試験回
路70を構成する上記複数種の回路部品は、図1に示す
ようにプリント(配線)基板からなる第1及び第2の回
路基板73,74に実装される。第1の回路基板73に
は図8の回路図中に点線で示した境界線Wから左側の強
電系の回路を構成する強電系の回路部品(抵抗R2,R
3、ダイオードD3、試験回路70、スナバ回路等)が
実装され、第2の回路基板74には境界線Wから右側の
弱電系の回路を構成する弱電系の回路部品(漏電電流判
定回路51a、クランプ回路、平滑コンデンサC1、零
相変流器ZCT等)並びにサイリスタSCRが実装され
る。テストスイッチSWは、一端が第1の回路基板73
に接合されて揺動自在に支持された漏電テスト可動板で
ある可動接点板76aと、可動接点板76aに対向する
ように第1の回路基板73に実装された漏電テスト固定
接点76bとで構成され、可動接点板76aの自由端側
の上部に移動自在に配設されるテスト釦78を押操作し
ている場合に、テスト釦78に押駆動された可動接点板
76aが固定接点76bに接触してオンするものであ
る。
【0073】この場合、可動接点板76aを器体上面側
に位置する回路基板73の端面側に配設するとともに、
漏電テスト固定接点76bを器体上面側に位置する回路
基板の端面に形成しており、これにより回路基板73の
高さ方向のスペースを有効に活用することができ、器体
1の(特に高さ方向の)コンパクト化が図れる。可動接
点板76aは回路基板73の端面に略平行に配置され、
その一端側部より回路基板73に平行な脚片328を延
出し、その先端を折曲して回路基板73に固着してい
る。また回路基板73の端面に凹み326を設け、凹み
326に漏電テスト固定接点76bを配設し、回路基板
73の端面にそのまま漏電テスト固定接点を取着したも
のに対して、漏電テスト可動接点板76aを回路基板7
3の端面に近づけても十分に漏電テスト固定接点76b
から離すことができ、もって器体1の上下面問方向の間
隔を狭くすることができることとなり、器体1をコンパ
クト化できる。またテスト可動接点板76aはその先端
329を固定接点方向に折曲しており、漏電テスト固定
接点76bが基板73の端面の凹み326にあるので、
漏電テスト可動接点板76aの先端をそのまま一直線に
形成したものに対して、漏電テスト可動接点板76aを
漏電テスト固定接点76bに接触させ易くでき、漏電テ
スト可動接点板76aと漏電テスト固定接点76bとの
接触を確実にさせ易く、回路基板73の端面に漏電テス
ト可動接点板76aが接触しにくくなる。一方、漏電テ
スト可動接点板76aの漏電テスト固定接点接触端面で
ある先端329とは反対側端部360の端面を回路基板
73の上端縁に当接する形で折曲している。漏電テスト
可動接点板76aをテスト釦78で押圧すると可動接点
板76aが脚片328を支点に幅方向を傾けようとする
が端部360の端面が回路基板73の上端面に当接し、
この点を支点として漏電テスト可動接点板76aが漏電
テスト固定接点76bに接触するので、漏電テスト可動
接点板76aの弾性を取り易くできる。
【0074】零相変流器ZCTは、図1に示すように巻
線(図示せず)を巻回したリング形のコア(図示せず)
を合成樹脂成型品のハウジング75に納装したものであ
って、コアの軸方向(図1に示す矢印の方向、以下同
じ)に対向するハウジング75の側面端部から突出する
一対の出力端子75aが第2の回路基板74の上部に設
けたスルーホール74a,74aに挿通され、ハウジン
グ75を第2の回路基板74の表面にほぼ密着させた状
態で出力端子75aを裏面の配線パターン(図示せず)
に半田付けして実装される。
【0075】また、零相変流器ZCTのハウジング75
には、図1に示すように第1及び第2の回路基板73,
74を取り付けるための複数の取付部たるコンタクトピ
ン67a〜67eが軸方向の両側面より突設されてい
る。これらのコンタクトピン67a〜67eは金属製で
あってその軸方向を零相変流器ZCTの軸方向に一致さ
せ且つ両端部をハウジング75の側面から各々突出させ
てハウジング75にインサート成型(又は圧入)され、
第1の回路基板73と対向する側面側にはコンタクトピ
ン67a〜67eをその先端部を残して被うボス部75
cおよび別のボス部75c′がハウジング75と一体に
形成されている。
【0076】一方、第1及び第2の回路基板73,74
には各コンタクトピン67a〜67eを挿通するスルー
ホール73a,74bがそれぞれ穿孔されており、各ス
ルーホール73a,74bに挿通したコンタクトピン6
7a〜67eの端部を配線パターンに接合することによ
り、第1及び第2の回路基板73,74が零相変流器Z
CTの厚み方向(軸方向)の両側面に振り分けて取り付
けられる。このとき、コンタクトピン67a〜67dが
2つの回路基板73,74間の通電路を兼ね、コンタク
トピン67a〜67eを介して第1及び第2の回路基板
73,74に実装された回路部品が電気的に接続され
る。また、ハウジング75の中央に開口する貫通孔75
bの近傍にコンタクトピン67eが設けてあり、このコ
ンタクトピン67eが零相変流器ZCTのコアを貫挿す
る試験回路70のリード70aとなる。なお、第1及び
第2の回路基板73,74にはハウジング75の貫通孔
75bに連通して編組線79A,79Bが挿通される円
形の挿通孔73b,74cが設けてある。また、第1の
回路基板73には導電板71Aを介して主回路の電圧極
に接続するリード線82Aの一端と、主回路の中性極
(又は他の電圧極)に接続するための接続部材99に一
端が溶着されたリード線82Bの他端とが接続されてい
る。
【0077】さらに第2の回路基板74は、零相変流器
ZCTの第1の回路基板対向面側とは反対側面に取着さ
れるが、コイル枠保持部310の突出方向と同方向に延
出しており、第2の回路基板74とコイル枠69との間
に絶縁板320を配設している。これにより、第2の回
路基板74とコイル枠69との間隔を狭くすることがで
きるとともに、零相変流器ZCTを挟む形で2 つの回路
基板73、74が配設されているので、器体1内にコン
パクトに収納することができ、器体1のコンパクト化が
図れる。
【0078】この絶縁板320は、第2の回路基板74
とコイル枠69との間に介在する第1絶縁片321と、
この第1 絶縁片321との間で第2 の回路基板74を挟
む形に連設された第2絶縁片322と、これら第1 絶縁
片321及び第2 絶縁片322間を連結する連結片32
3とを備え、第2絶縁片322には、零相変流器ZCT
の電路挿通孔75bに臨む通孔324と、この通孔32
4から端面まで連続する切込み325とが形成されてい
る。このように、第2の回路基板74を挟む形で絶縁板
321を配設し、切込み325から電路となる通電線7
9A、79Bを挿通させれば、通電線79A、79Bに
よって絶縁板320が外れなくなるので、絶縁板320
を取着する作業が容易となる。
【0079】而して、漏電保護回路51を構成する複数
種の回路部品を第1及び第2の回路基板73,74に実
装し、零相変流器ZCTの厚み方向両側に第1及び第2
の回路基板73,74を配置して器体1に収納するた
め、従来のように1枚の回路基板に漏電保護回路51と
零相変流器ZCTを実装する場合に比較して各回路基板
73,74の長手方向の寸法を小さくでき、器体1の小
型化が図れるものである。また、零相変流器ZCTのハ
ウジング75に取付部たるコンタクトピン67a〜67
eを設けることにより、第1及び第2の回路基板73,
74に零相変流器ZCTを容易に取り付けることができ
る。さらに、取付部を金属製のコンタクトピン67a〜
67dとし、第1及び第2の回路基板73,74間を電
気的に接続する通電路としているので、別途リード線等
を用いて配線する場合に比較して回路基板73,74間
の通電路が簡単に形成できるという利点があり、しかも
コンタクトピン67a〜67eをハウジング75にイン
サート成型(又は圧入)することで零相変流器ZCTの
巻線と絶縁することができる。
【0080】また、コンタクトピン67eを試験回路7
0のリード70aとしているため、第1及び第2の回路
基板73,74を零相変流器ZCTに取り付けることで
試験回路70のリード70aを零相変流器ZCTのコア
に簡単に貫挿させることができる。さらに、第1の回路
基板73には強電系の回路を構成する強電系の回路部品
を実装し、第2の回路基板74には主に弱電系の回路を
構成する弱電系の回路部品を実装しているため、強電系
に比較して絶縁距離を短くできる弱電系の回路部品を主
に実装した第2の回路基板74により多くの回路部品を
実装することができる。ここで、主回路の電圧極に接続
するためのリード線82Aと中性極(又は他の電圧極)
に接続するためのリード線82Bが強電系の回路部品を
実装した第1の回路基板73に接続してあるため、第2
の回路基板74においてはリード線82A,82Bの接
続位置からの絶縁距離を考慮せずに回路部品を配置する
ことができるという利点がある。
【0081】また上記のように各極の入出力端子間の電
路に接続され零相変流器ZCTの所定出力が所定時間に
達したときに漏電検出信号を出力する漏電検出装置は、
各接続点を各極の接点部よりも入力端子側としている。
このため、回路遮断器をオフ状態として各出力端子間に
テストピンを接触させて負荷の絶縁測定を行う場合、漏
電検出装置の接続点を介して絶縁抵抗測定のためのテス
ト電流が流れず、もって負荷の絶縁測定が容易にでき
る。また入力側端子が必ずプラグイン式で出力側端子が
鎖錠ばねを有する連結端子であるので、作業者が誤って
逆接続する恐れがない。このため、入力側に漏電検出装
置の電源接続点があれば、出力側での絶縁抵抗測定が簡
単にできる。
【0082】また漏電検出装置の接続点の一方は、一方
の可動接触子4Bの固定接点対向面側に配設されて可動
接点3Bが固定接点2Bに接触した状態で可動接触子4
Bに接触するとともに可動接点3Bが固定接点2Bから
開離した状態で可動接触子4Bから離れるようにしてい
る。このため、接点部のオフ状態では漏電検出装置に通
電されない状態となり、テストスイッチSWをオンにし
た状態を続けたことによる漏電検出装置の破壊を防止す
ることができる。すなわち、テストスイッチSWをオン
にして接点が開極すれば、漏電検出装置には電流が流れ
なくなり、漏電検出装置が破壊されにくい。
【0083】可動接触子4Bはハンドル6の開閉操作に
よって駆動される板ばねからなり、漏電検出装置の接続
点の一方である接続部材99を、板ばねと同じ方向に変
位する弾性導電板としている。このため、可動接触子4
Bに弾性導電板が接触する際、ワイピング作用が働き、
接触信頼性が向上する。また、板ばねに弾性導電板が接
触すると弾性導電板も板ばねと同じ方向に変位すること
となって、板ばねが変形しにくくなり、もって接点の接
触信頼性が向上する。仮に漏電検出装置の接続点の一方
を弾性導電板ではなく、剛体であるとすると、その剛体
を支点として板ばねが変形し易くなってしまう。
【0084】一方の可動接触子4Bが、ハンドル操作時
に他方の可動接触子4Aよりも先に可動接点3Bが固定
接点2Bに接触するとともに、他方の可動接触子4Aよ
りも遅く可動接点3Bが固定接点2Bから離れるよう、
他方の可動接触子4Aの開閉動作に対して時間差をもっ
て固定接点2Bに接離する構成にすると、両方の可動接
触子4A、4Bの可動接点3A、3Bが固定接点2A、
2Bに接触する前に先入り及び遅切の一方の可動接触子
4Bの可動接点3bのみ固定接点2bに接触していれば
漏電検出装置に電源が供給されることとなり、もって素
早い漏電保護が行える。また器体1に、少なくともハン
ドル6のオン時に接続部材99である弾性導電板の可動
接触子接触面とは反対側面が当接する当接部330を設
けており、弾性導電板が可動接触子4bに接触するとき
のばね荷重を大きくすることができ、振動や衝撃時でも
漏電検出装置への電源供給を確実にすることができる。
一方、器体1の幅方向に沿って各極の入出力端子および
接点部を配設するとともに各極の接点部を隔離する中間
隔壁である隔壁部材31を器体1内に配設し、隔壁部材
31に接続部材99である弾性導電板を保持させてい
る。この場合、隔壁部材31の下端部に軸332を設
け、接続部材99の基端部に側面より折曲して立ち上げ
た取付片334を設け、取付片334に取付孔333を
形成し、取付孔333を軸332に嵌合し、隔壁部材3
1の下端面と器体1の第1側ケース1Aの底面との間に
挟んでいる。このように、弾性導電板を隔壁部材31に
保持させた状態で器体1内に組込むことができるので組
込作業が容易となる。また、組込んだ後に弾性導電板を
確実に可動接触子3Bに対向させることができ、漏電検
出装置への電源を確実にオンオフさせることができる。
【0085】而して、本実施形態の漏電遮断器を組み立
てるに当たっては、まず第1側ケース1Aの凹部8に端
子ブロック10Aを収納するとともに解除ハンドル17
を復帰ばね21とともに定位置に組み込む。またハンド
ル6を所定位置にねじりばねとともに組み込む。そし
て、クロスバー40を、切溝54に可動接触子4Aを嵌
め込むとともにコイルばね53を凹部内に収納し、第1
側ケース1Aの所定位置にコイルばね62とともに回動
自在に配置する。また作動板43をリンク44でハンド
ル6と連結させて配設する。
【0086】さらに、器体1の他端底部に設けた収納部
90に共通端子T1を収納するとともに、スライド部材
83と一緒に選択端子T2を、第2側ケース1Bと突き
合わせたときに構成される内方収納部200に対応する
第1側ケース1Aの内側の区画に収納する。またスライ
ド部材83の脚片83aを挿通孔208を介して第1側
ケース1Aの側壁の外側面に形成せるスライド溝207
に入れて突出部206を外部に露出させる。
【0087】さらに、内方収納部200に沿って第1側
ケース1Aの高さ方向に形成された分離壁91と、第1
側ケース1Aの長手方向略中央で分離壁91に対向して
高さ方向に形成された分離壁65との間の空間上部に、
長手方向の寸法が長い第2の回路基板74を分離壁91
側として零相変流器ZCTに取り付けた第1及び第2の
回路基板73,74を収納するとともに、上記空間下部
に第1及び第2の電磁釈放装置47,48を収納する。
ここで、第1側ケース1Aの底部の分離壁91近傍の部
位には器体1の幅方向に沿って2条のリブ92が設けて
あり、この2条のリブ92間に形成される嵌合溝92a
に第2の回路基板74の下端部を嵌合することにより、
その長手方向が第1側ケース1Aの高さ方向と略一致し
且つ零相変流器ZCTの軸方向が第1側ケース1Aの長
手方向と略一致するように第2の回路基板74を位置決
め固定している。
【0088】また、両側ケース1A,1Bの零相変流器
ZCTと対向する側壁に矩形の窓孔98をそれぞれ開口
し、図12に示すようにハウジング75の幅寸法が最も
大きい部分を窓孔98に挿入してハウジング75の逃げ
としている。すなわち、零相変流器ZCTのハウジング
75の幅寸法が第1及び第2の回路基板73,74の幅
寸法よりも若干大きいために器体1の幅寸法をハウジン
グ75の幅寸法に合わせると無駄なスペースが生じてし
まうが、上述のように窓孔98を設けてハウジング75
を逃がすことにより、無駄なスペースが生じるのを防い
で器体1の幅寸法の小型化が図れる。但し、窓孔98に
挿入したハウジング75が両側ケース1A,1Bの側壁
外側面よりも突出しないようにハウジング75並びに器
体1の幅寸法を設定している。
【0089】一方、第1及び第2の電磁釈放装置47,
48は、図4に示すように可動鉄心58を器体1の高さ
方向において下にして上記空間下部の第1側ケース1A
の底部に配置され、器体1の高さ方向における固定鉄心
57の上部に零相変流器ZCTが配置されている。この
ように板ばね59で連結した固定鉄心57及び可動鉄心
58を器体1の高さ方向にそって器体1の底部に配置す
るとともに、固定鉄心57及び可動鉄心58の上部に、
軸方向を器体1の長手方向に略一致させて零相変流器Z
CTを配置すれば、固定鉄心57及び可動鉄心58に挟
まれる通電導体80をその延出方向を器体1の長手方向
に一致させて器体1内に配設することができるために器
体1の高さ方向の寸法を小型化することができる。ま
た、固定鉄心57及び可動鉄心58の高さ方向上部に零
相変流器ZCTを配置することで器体1の長手方向の寸
法を小型化することができる。さらに、零相変流器ZC
Tの軸方向を器体1の長手方向と一致させているから、
主回路の電路(編組線79A,79B)を零相変流器Z
CTに貫通させる作業が容易に行える。あるいは、予め
編組線79A,79Bを零相変流器ZCTに貫通させた
状態で第1側ケース1Aに組み込む場合には、器体1内
で編組線79A,79Bを引き回す距離が短くて済む。
しかも、可動鉄心58を器体1の底部側に配置している
ため、可動鉄心58の吸引動作に零相変流器ZCTの影
響が及ばず、後述する主接点の開極特性を安定させるこ
とができる。
【0090】ここで、外片80bの先端部に後端部が連
結された可動接触子4Bは、その中央部の斜め上向きの
傾斜部位を、第1側ケース1Aの底部よりやや上方に位
置する分離壁65の下端より第1側ケース1Aの他端部
方向へ底部に平行し、さらにこの平行部より上向きに傾
斜して延長された隔壁95と第1側ケース1Aの底部と
の間に配置して、可動接触子4Bの自由端側を隔壁14
の切欠部14aを介して固定接触子12Bが配置される
空間に配設される。このとき隔壁95の平行部の下面と
第1側ケース1Aの底部とにそれぞれ突設した複数のリ
ブ96で可動接触子4Bの後端部を挟んで固定する。ま
たこのとき第1側ケース1Aの底部と可動接触子4Bと
の間に、第1の回路基板73とリード線82Bで接続さ
れた接続部材99を挟持固定して漏電保護回路51並び
に試験回路70を中性極(又は他の電圧極)の電路に接
続している。
【0091】さらに分離壁65と隔壁95との間の空間
に、導電板71A,71B並びにバイメタル45,46
を保持させた隔壁部材31を収納する。このとき隔壁部
材31の下部周壁31bの斜め上向きに傾斜した傾斜部
位を隔壁95の傾斜部位に沿うように載置することによ
り、隔壁部材31を器体1の上記空間内で位置決めして
いる。而して、器体1の長手方向においてバイメタル4
5,46に近い側に第1の回路基板73が配置されるこ
とになるため、第2の回路基板74とバイメタル45,
46との距離を離して第2の回路基板74に実装したI
C(漏電電流判定回路51a)等の熱に弱い弱電系の回
路部品にバイメタル45,46の発する熱の影響が及ぶ
のを抑えることができる。
【0092】さらにまた第1引外し板41をねじりばね
301とともに定位置に回動自在に配置するとともに、
第2引外し板42を定位置に回動自在に配置する。この
とき第2引外し板42の受け部42cが可動鉄心58の
先端部と対向する。
【0093】このようにして図13に示すように中間ケ
ース7及びこの中間ケース7の凹部9内に収納する端子
ブロック10B、解除ハンドル17’及びその復帰ばね
21’以外を第1側ケース1A側に配置、組み付けた後
に、端子ブロック10B、解除ハンドル17’及び復帰
ばね21’を凹部9に組み付けた中間ケース7を第1側
ケース1A側に重ねるように配設する。
【0094】ここで中間ケース7を第1側ケース1A側
の定位置に配設すると、可動接触子4Aの自由端側が縦
壁の開口部を介して凹所内に配置されるとともに、端子
ブロック10Aに設けられた固定接触子12Aの先端側
部が底壁の段面上に載置されることになるとともに軸が
解除ハンドル17の凹部37に嵌まることになる。
【0095】一方端子ブロック10Bに設けられた固定
接触子12Bが第1側ケース1Aの底部上のリブ26上
に載置される。また中間ケース7の端部に形成せる下向
き段部の下面が第1側ケース1Aの端部壁に形成した平
坦面上に載置される。
【0096】この状態で第2側ケース1Bを第1側ケー
ス1A側に重ね合わせて結合するのである。このとき第
1側ケース1Aから第2側ケース1B側へ一体突出させ
た両端上下の4カ所の弾性係止片100の先端の爪状の
引掛係止部101が第2側ケース1B側に対応して設け
た突起状の被引掛部102に係止されて第1側ケース1
Aと第2側ケース1Bとが結合固定されて器体1を構成
することになる(図4,図5,図12等参照)。この第
1側ケース1Aと第2側ケース1Bの結合固定を外す場
合には、第2側ケース1Bに各被引掛部102に対応さ
せて開口した各解除孔150よりドライバを挿入して対
応する各弾性係止片100の引掛係止部101を上方へ
押圧して、被引掛部102との引掛状態を外すことによ
り、第1側ケース1Aから第2側ケース1Bを外すこと
ができる。
【0097】第2側ケース1Bを被着することにより第
2側ケース1Bの内側面に設けてある軸孔52,56に
クロスバー40の軸40a、第1引外し板41の軸部4
1aが回動自在に挿入される。
【0098】また各バイメタル45,46に対応する調
整螺子77,77’の頭部は、隔壁部材31の切り欠き
31eを通して器体1の上面に開口する開口部104に
臨むことになり、組立後の動作試験時に最適な動作点が
得られるように開口部104を介して動作調整螺子7
7,77’を螺進させ、バイメタル45の先端部と第1
の引外し板41の脚部41c並びにバイメタル46の先
端部と第2引外し板42の駆動片42dとの間隔を調整
し、その調整後に、蓋106をその弾性を利用して器体
1の開口部104周縁の部位に嵌め込んで開口部104
を被蔽する。
【0099】ここでバイメタル45,46は、図5に示
すように隔壁部材31に保持された状態で器体1の幅方
向を幅方向として並設され、器体1の幅方向の寸法の小
型化を図っている。また変位方向を互いに器体1の長手
方向に沿って第2の回路基板74及び2つの電磁釈放装
置47,48から遠ざかる向きに設定しているため、バ
イメタル45,46と電磁釈放装置47,48並びに零
相変流器ZCT(第2の回路基板74)との間隔を狭く
して器体1の長手方向の小型化が図れる。
【0100】またバイメタル45,46の間を隔壁部材
31の隔壁31aで隔絶するため、隔壁31aによって
両バイメタル45,46間の絶縁を図るとともにその間
隔を狭くすることができる。さらに零相変流器ZCTを
器体1の幅方向に隔壁31aを跨ぐように配置すること
により、各バイメタル45,46に接続される編組線7
9A,79Bを零相変流器ZCTに貫通させ易くしてい
る。またさらに固定鉄心57及び可動鉄心58を含む2
つの電磁釈放装置47,48も器体1の幅方向に隔壁3
1aを跨ぐように配置しているから、固定鉄心57並び
に可動鉄心58の幅寸法を充分に大きくすることがで
き、電磁吸引力を増大させて主接点の開極に要する時間
を短くすることができる。
【0101】而して器体1の他端内部の内方収納部20
0及び収納部90には選択端子T2、共通端子T1がそ
れぞれ収納され、またこれら端子T1,T2に対応する
ように器体1の一端部には器体1の端面と両側面とに亘
るように開口した差込部209a〜209cが形成され
ることになる。さらに器体1の一端部には斜め上向きに
開口した一対の電線挿入孔16A,16Bが並行形成さ
れる。
【0102】よって、電線挿入孔16A,16Bにそれ
ぞれ負荷側の電線を挿入して各端子ブロック10A,1
0Bに接続し、電圧極の導電バーを差込部209cを介
して幅方向に共通端子T1に差込接続し、中性極の導電
バー又は他の電圧極の導電バーを差込部209a又は差
込部209bを介して選択端子T2に幅方向に差込接続
すれば電路に本実施形態の漏電遮断器を挿入することが
できることになる。
【0103】ところで、図3に示すように第2側ケース
1Bの開口部104近傍にはテスト釦78を挿通する挿
通孔105aが貫通した突台部105が設けてあり、先
端を二股に形成したテスト釦78を上方から挿通孔10
5aに挿通して係止段部78aを器体1内の挿通孔10
5aの周縁に係止することでテスト釦78が器体1の高
さ方向に移動自在且つ抜け止めして突台部105に取り
付けられる。このテスト釦78の先端部が第2の回路基
板74に実装したテストスイッチSWの可動接点板76
aと対向しており、テスト釦78を押操作することでそ
の先端部にて可動接点板76aを押駆動して固定接点7
6bに接触させ、テストスイッチSWをオンさせること
ができる。なお、蓋106にはテスト釦78との干渉を
避けるためにテスト釦78が挿通する半円形の切り欠き
106aが設けてある。
【0104】ここで、図12に示すように器体1両側面
には零相変流器ZCTのハウジング75が部分的に露出
する窓孔98が開口しているので、窓孔98から器体1
内への異物侵入を防止するとともに外観上の見栄えを良
くするために、絶縁性を有するシート状の材料で角筒状
に形成された絶縁シート107を器体1に取着して窓孔
98を覆い隠している。
【0105】次に本実施形態の動作を図2並びに図13
〜図16を参照して説明する。図13は開放状態を示し
ており、この開放状態ではハンドル6の操作部6aが窓
孔50より倒立露出した状態にあり、作動板43の一端
と第1引外し板41との係合状態は外れた状態にある。
そしてコイルばね62によりクロスバー40は図におい
て時計回りに回動するように付勢されており、クロスバ
ー40の切溝54に貫挿されている可動接触子4Aが自
由端を上方に移動させた状態にあり、また切溝55に貫
挿させた可動接触子4Bはそのばね弾性力により自由端
を上方に移動させた状態にあり、夫々の自由端に設けて
ある可動接点3A,3Bが対応する固定接点2A,2B
から開離した状態にある。
【0106】この状態でハンドル6の操作部6aを時計
回りに回動操作すると、リンク44の上側軸44aが下
方向に押し動かされてリンク44は下側軸44bにより
作動板43を押し下げる。この作動板43の押し下げに
より作動板43の一端(図において右端)が第1引外し
板41の係止部41eに当たり、その位置を回動中心と
して作動板43は反時計回りに回動し、作動板43の他
端(左端)がクロスバー40の上端に設けてある突出部
84に当たり、クロスバー40を反時計回りにばね付勢
に抗して回動させる。
【0107】この回動によりクロスバー40の切溝55
に貫挿された可動接触子4Bが自由端を下向きに移動さ
せる方向に撓むことになり、自由端の可動接点3Bを固
定接点2Bに接触させる。また切溝54に貫挿された可
動接触子4Aが反時計回りに回動してその自由端の可動
接点3Aを固定接点2Aに接触させる。この接触は可動
接点3Bが固定接点2Bに接触するよりも遅れるような
っており、可動接点3Bが先入りとなっている。
【0108】そしてハンドル6をさらに時計回りに回動
させると、リンク44の下側軸44bの位置とハンドル
6の回転中心を結ぶ線より上側軸44aが図2に示すよ
うに左方向に移動し、この状態でハンドル6のねじりば
ね、クロスバー44を付勢するコイルばね62、更に可
動接触子4Bのばね力等が均衡して作動板43の一端と
第1引外し板41の係止部41eとのラッチ状態が保持
され、図2の投入状態が維持される。
【0109】さて投入状態でハンドル6の操作部6aを
反時計回りに回動させると、リンク44の上側軸44a
の位置が、ハンドル6の回転中心と、下側軸44bを結
ぶ線を右方向に越えて上方へ移動するため作動板43の
左端と第1引外し板41の係止部41eとのラッチ状態
が解かれ、クロスバー40はコイルばね62の付勢力で
時計回りに回動するとともに、ハンドル6がねじりばね
の付勢力でオフ側に急速に回動復帰する。クロスバー4
0の時計回りへの回動により可動接触子4Aが時計回り
に回動して自由端を上方へ移動させ可動接点3Aを固定
接点2Aより開離させる。また可動接触子4Bが下向き
の押し下げが無くなって、そのばね力で元の状態に復帰
することになり、自由端の可動接点3Bを固定接点2B
より開離する。この開離は上記可動接点3Aが固定接点
2Aから開離するよりも遅れる後切れとなっている。こ
の遅れは後述する強制開極時も同様である。
【0110】ここで上記のように両極の主接点の開閉に
上記のように遅れを持たせているため接点開閉時に生じ
るアークは剛体側の可動接触子4Aのみとなり、ばね材
からなる可動接触子3Bのアークによる消耗を防止でき
る。
【0111】さらに主接点の開離時に回動するクロスバ
ー40の先端面の幅方向に形成した凹溝131に両ケー
ス1A,1B及び中間ケース7に形成した止片130…
が係入して凹溝131の底部に当接するため、一方の区
画で発生したアークが器体1の奥側のクロスバー40側
から回りこんで他の区画へ入り込む恐れを無くして、器
体1内部でのアークによる極間短絡を防止する。
【0112】さて図2に示す上記投入状態において、負
荷に過電流が流れると、バイメタル45,46は過電流
により発熱して湾曲変位することになる。ここで上方か
ら垂下したバイメタル45,46は下端が図において左
方向に移動するように変位し、図15に示すようにバイ
メタル46の下端は第2引外し板42の駆動片42dを
左方向に押し、バイメタル45の下端は第1引外し板4
1の脚部41c先端の受け部(図示せず)を左方向に押
す。またバイメタル46の変位によって第2引外し板4
2が反時計回りに回動し、第2引外し板42の対向部4
2aが第1引外し板41の受け部41fを左方向に押
す。そして、第1引外し板41は受け部がバイメタル4
5に押されるとともに受け部41fが第2引外し板42
に押されることで時計回りに回動する。
【0113】さて第1引外し板41が時計回りに回動す
ると、係止部41eと作動板43の一端(右端)とのラ
ッチ状態が解除され、作動板43はリンク44の下側軸
44bを中心として時計回りに回動することになる。そ
のため作動板43の他端(左端)によるクロスバー40
の規制が無くなり、クロスバー40はコイルばね62の
ばね力により時計回りに回動し、図15に示すように可
動接触子4A,4Bを開放状態に復帰させ、可動接点3
A,3Bを固定接点2A,2Bからそれぞれ開離させ
る。すなわち、主回路に過負荷電流が流れた場合には、
熱動釈放装置47、48によって開閉機構5が釈放され
て主接点を強制的に開極して負荷を保護することができ
る。
【0114】その後、電路遮断によりバイメタル45,
46は元の状態に戻り、第1引外し板41はねじりばね
の付勢により元の位置へ回動復帰し、同時に第2引外し
板42の対向部42aを受け部41fが押し動かして第
2引外し板42を元へ戻す。またハンドル6はねじりば
ねの付勢により開放方向(反時計回り)に回動すること
になる。
【0115】また上記投入状態において、短絡電流のよ
うな過大電流が通電導体80に流れると、固定鉄心57
に電磁吸引力が発生して可動鉄心58を吸引して揺動さ
せる。また磁性板340がヨーク341に吸引される。
これにより図12に示すように、可動鉄心58の先端部
が第2引外し板42の受け部42cを押して第2引外し
板42を反時計回りに回動させる。過負荷電流が流れた
ときと同様に第2引外し板42が反時計回りに回動する
と、第2引外し板42の対向部42aが第1引外し板4
1の受け部41fを左方向に押して時計回りに回動す
る。第1引外し板41は磁性板340がヨーク341に
吸引されることによっても時計回りに回動力を受ける。
そして、第1引外し板41が時計回りに回動すると、係
止部41eと作動板43の一端(右端)とのラッチ状態
が解除され、作動板43はリンク44の下側軸44bを
中心として時計回りに回動することになる。そのため作
動板43の他端(左端)によるクロスバー40の規制が
無くなり、クロスバー40はコイルばね62のばね力に
より時計回りに回動し、可動接触子4A,4Bを開放状
態に復帰させ、可動接点3A,3Bを固定接点2A,2
Bからそれぞれ開離させる。すなわち、主回路に短絡電
流のような過電流(瞬時大電流)が流れた場合には、第
1の電磁釈放装置47および磁性板340とバイメタル
45とヨーク341で構成される第3の電磁釈放装置に
よって開閉機構5が釈放されて主接点を強制的に開極す
ることができる。
【0116】その後、電路遮断により固定鉄心57に電
磁吸引力が発生しなくなると、可動鉄心58は板ばね5
9のばね力により元の状態に戻り、第1引外し板41は
ねじりばねの付勢により元の位置へ回動復帰し、同時に
第2引外し板42の対向部42aを受け部41fが押し
動かして第2引外し板42を元へ戻す。またハンドル6
はねじりばねの付勢により開放方向(反時計回り)に回
動することになる。
【0117】さらに上記投入状態において、地絡電流の
ような漏洩電流が流れると、漏電保護回路51がコイル
68に通電することにより固定鉄心57に電磁吸引力が
発生して可動鉄心58を吸引して揺動させる。これによ
り短絡電流が流れたときと同様、図16に示すように、
可動鉄心58の先端部が第2引外し板42の受け部42
cを押して第2引外し板42を反時計回りに回動させる
とともに第1引外し板41を時計回りに回動させ、可動
接触子4A,4Bを開放状態に復帰させて可動接点3
A,3Bを固定接点2A,2Bからそれぞれ開離させ
る。すなわち、主回路に地絡電流のような漏洩電流が流
れた場合には、漏電引外し手段を構成する第2の電磁釈
放装置48によって開閉機構5が釈放されて主接点を強
制的に開極して地絡保護ができる。
【0118】
【発明の効果】請求項1記載の漏電遮断器によれば、コ
イル枠を零相変流器のコイル枠保持部に移動させた後、
コイルを回路基板に接続すれば、コイル枠、零相変流器
及び回路基板をブロック化することができ、また、この
ブロック化した状態で回路基板とコイルとを接続するリ
ード線を接続することができるので、器体内への組込作
業が容易となる。
【0119】請求項2記載の漏電遮断器によれば、請求
項1と同様な効果のほか、コイル枠を零相変流器のコイ
ル枠保持部に移動させていけば一対の取付ピンが回路基
板の各取付孔に挿入されることとなり、コイルと回路基
板との電気的接続が容易にできる。
【0120】請求項3記載の漏電遮断器によれば、請求
項2と同様な効果のほか、コイル枠にコイルを巻装する
際、保持片が邪魔にならず、コイルを巻装し易いものと
なる。また、巻装面から突出している一対の保持片に、
基端から先端にかけて直線状とした取付ピンは、取付ピ
ン間が長い間隔となって回路基板の小型化が図れない
が、互いに接近するようL 字状に折曲しているので回路
基板の小型化が図れる。
【0121】請求項4記載の漏電遮断器によれば、請求
項3と同様な効果のほか、取付ピンのコイル取付片を貫
通孔に挿通すると回転できないため固定した状態で、取
付ピンの先端部が回路基板の取付孔に位置合せし易くな
り、もって取付ピンの基板取付片の先端を回路基板の取
付孔に挿通させる作業が容易となる。
【0122】請求項5記載の漏電遮断器によれば、請求
項3 または請求項4 と同様な効果のほか、取付ピンの一
対の係止部をコイル枠の保持片に係止させれば、取付ピ
ンの先端部が回路基板の取付孔に位置合せし易くなり、
もって取付ピンの基板取付片の先端を回路基板の取付孔
に挿通させる作業が容易となる。
【0123】請求項6記載の漏電遮断器によれば、請求
項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5と
同様な効果のほか、第2の回路基板とコイル枠との間隔
を狭くすることができるとともに、零相変流器を挟む形
で2 つの回路基板が配設されているので、器体内にコン
パクトに収納することができ、器体のコンパクト化が図
れる。
【0124】請求項7記載の漏電遮断器によれば、請求
項6と同様な効果のほか、第2の回路基板を挟む形で絶
縁板を配設し、切込みから電路となる通電線を挿通させ
れば、通電線によって絶縁板が外れなくなるので、絶縁
板を取着する作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の零相変流器まわりの分
解斜視図である。
【図2】実施形態の投入状態を示し、第2側ケースを取
り外した状態の側面図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】零相変流器の付近の縦断面図である。
【図5】バイメタルの位置の縦断面図である。
【図6】同上における第1及び第2の電磁釈放装置の分
解斜視図である。
【図7】同上における第1及び第2の電磁釈放装置の斜
視図である。
【図8】同上における漏電保護回路並びに試験回路の回
路図である。
【図9】零相変流器まわりの絶縁板を含めた分解斜視図
である。
【図10】回路基板の正面図である。
【図11】隔壁部材の斜視図である。
【図12】漏電遮断器の斜視図である。
【図13】同上の開放状態を示し、第2側ケースを取り
外した状態の側面図である。
【図14】同上の開放状態からハンドルを投入状態へ回
動する途中の段階で一方の可動接触子が先入りした状態
を示し、第2側ケースを取り外した状態の側面図であ
る。
【図15】同上の過負荷電流による過電流引外し動作の
状態説明図である。
【図16】同上の短絡電流による過電流引外し動作並び
に地絡電流による漏電引外し動作の状態説明図である。
【符号の説明】
1 器体 2A,2B 固定接点 3A,3B 可動接点 5 開閉機構(漏電引外し手段) 6 ハンドル 41 第1引外し板 42 第2引外し板 47 第1の電磁釈放装置 48 第2の電磁釈放装置 57 固定鉄心 58 可動鉄心 68 コイル 69 コイル枠 69b 保持片 69c 取付ピン 73 回路基板 74 回路基板 310 コイル枠保持部 311 取付孔 312 基板取付片 313 コイル取付片 314 貫通孔 315 係止部 316 係止部 320 絶縁板 321 第1の絶縁片 322 第2の絶縁片 323 連結片 324 通孔 325 切込み ZCT 零相変流器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤雄木 浩 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 一村 省互 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 廣岡 一紀 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 稲次 崇 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 西山 富士男 三重県津市河辺町68番地の1 東海電工株 式会社内 (72)発明者 島村 博 三重県津市河辺町68番地の1 東海電工株 式会社内 (72)発明者 大西 洋司 三重県津市河辺町68番地の1 東海電工株 式会社内 Fターム(参考) 5G030 XX05 XX12 YY03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 器体の外部から操作可能なハンドルと、
    このハンドルの操作により開閉される複数極の接点と、
    各極間の不平衡電流を検出する零相変流器と、この零相
    変流器の厚み方向一方側を片面に対向配置した状態で接
    続し前記零相変流器によって不平衡電流が検出されたと
    きに漏電検出信号を出力する漏電検出回路を実装した回
    路基板と、この回路基板に接続され前記漏電検出回路か
    らの漏電検出信号に基づいて通電されるコイルと、この
    コイルを巻装したコイル枠と、前記コイルが通電される
    と複数極の接点を強制開極する漏電引き外し手段と、を
    備えた漏電遮断器において、 前記零相変流器に、前記回路基板の端面よりも外側に突
    出し、前記コイル枠を回路基板側から零相変流器側方向
    に移動させたときに前記コイル枠が係合するコイル枠保
    持部を設けたことを特徴とする漏電遮断器。
  2. 【請求項2】 前記コイル枠に、基端側がコイルの各終
    端に接続されるとともに先端側が回路基板に接続される
    一対の取付ピンを取着し、前記コイル枠を前記零相変流
    器の前記コイル枠保持部に移動させたときに各取付ピン
    の先端側が挿入される一対の取付孔を回路基板に設けた
    請求項1 記載の漏電遮断器。
  3. 【請求項3】 前記取付ピンは、回路基板の取付孔に挿
    通される先端側の基板取付片及びこの基板取付片から互
    いに離れる方向に延出する形で折曲されてコイルの終端
    が接続される基端側のコイル取付片からなる略L字状に
    形成され、前記コイルを巻装した巻装面から突出するコ
    イル枠の両側に、各取付ピンのコイル取付部が挿通し得
    る貫通孔を有する一対の保持片を設けた請求項2記載の
    漏電遮断器。
  4. 【請求項4】 前記取付ピンの少なくともコイル取付片
    及び前記コイル枠の前記貫通孔を断面非円形状に形成し
    た請求項3 記載の漏電遮断器。
  5. 【請求項5】 前記取付ピンの前記コイル取付片を前記
    貫通孔に貫通したとき、前記コイル枠の前記保持片を挟
    む形で前記保持片の両面に係止される一対の係止部を前
    記コイル取付片に設けた請求項3 または請求項4 記載の
    漏電遮断器。
  6. 【請求項6】 前記零相変流器の回路基板対向面側とは
    反対側面に、前記コイル枠保持部の突出方向と同方向に
    延出する第2の回路基板を取着し、この第2の回路基板
    と前記コイル枠との間に絶縁板を配設した請求項1、請
    求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の漏電
    遮断器。
  7. 【請求項7】 前記絶縁板は、前記第2の回路基板と前
    記コイル枠との間に介在する第1絶縁片と、この第1 絶
    縁片との間で前記第2 の回路基板を挟む形に連設された
    第2絶縁片と、これら第1 絶縁片及び第2 絶縁片間を連
    結する連結片とを備え、前記第2絶縁片には、前記零相
    変流器の電路挿通孔に臨む通孔と、この通孔から端面ま
    で連続する切込みとが形成された請求項6記載の漏電遮
    断器。
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