JP2003158332A - レーザーダイオードアレイ、レーザー装置、合波レーザー光源および露光装置 - Google Patents

レーザーダイオードアレイ、レーザー装置、合波レーザー光源および露光装置

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JP2003158332A
JP2003158332A JP2002201979A JP2002201979A JP2003158332A JP 2003158332 A JP2003158332 A JP 2003158332A JP 2002201979 A JP2002201979 A JP 2002201979A JP 2002201979 A JP2002201979 A JP 2002201979A JP 2003158332 A JP2003158332 A JP 2003158332A
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laser
cavity
light emitting
cavity laser
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JP2002201979A
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English (en)
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Kazuhiko Nagano
和彦 永野
Yoji Okazaki
洋二 岡崎
Teruhiko Kuramachi
照彦 蔵町
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高出力が得られるレーザーダイオードアレイ
を得る。 【解決手段】 複数の発光点を有するマルチキャビティ
レーザーダイオードチップ312を、複数個並べて固定し
てレーザーダイオードアレイ310を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザーダイオード
アレイに関し、特に詳細には、複数の発光点を有するマ
ルチキャビティレーザーダイオードチップが複数個並べ
て固定されてなるレーザーダイオードアレイに関するも
のである。
【0002】また本発明は、上述のようなレーザーダイ
オードアレイを用いたレーザー装置、合波レーザー光源
および露光装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、紫外域のレーザービームを発生さ
せる装置として、半導体レーザー励起固体レーザーから
発せられた赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長
変換レーザーや、エキシマレーザーや、Arレーザーが
実用に供されている。
【0004】さらには近時、例えば1998年発行のJpn.Ap
pl.phys.Lett.,Vol.37.p.L1020に示されるように、400
nm近傍の波長のレーザービームを発するGaN系半導
体レーザーも提供されている。
【0005】このような波長のレーザービームを発する
光源は、350〜420nmの紫外領域を含んだ所定の波長域
(以下「紫外域」という)に感度を有する感光材料を露
光する露光装置において、露光用光源として適用するこ
とも考えられている。その場合の露光用光源は、当然な
がら、感光材料を感光させるのに十分な出力を備えるこ
とが求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記エキシマレ
ーザーは、装置が大型で、コストやメンテナンスコスト
も高いという問題がある。
【0007】また、赤外光を紫外域の第3高調波に変換
する波長変換レーザーは、波長変換効率が非常に低いこ
とから、高出力を得るのは極めて困難になっている。現
在のところは、30Wの半導体レーザーで固体レーザー媒
質を励起して10Wの基本波(波長1064nm)を発振さ
せ、それを3Wの第2高調波(波長532nm)に変換
し、それら両者の和周波である1Wの第3高調波(波長
355nm)を得る、というのが現在の実用レベルであ
る。その場合の半導体レーザーの電気−光効率は50%程
度であり、そして紫外光への変換効率は1.7%程度と非
常に低いものとなっている。そしてこのような波長変換
レーザーは、高価な光波長変換素子を用いるために、コ
ストがかなり高いものとなっている。
【0008】またArレーザーは電気−光効率が0.005
%と非常に低く、寿命が1000時間程度と非常に短いとい
う問題がある。
【0009】一方、GaN系半導体レーザーについて
は、低転位のGaN結晶基板が得られないことから、E
LOGという成長方法によって約5μm程度の低転位領
域を作り出し、その上にレーザー領域を形成して高出力
化と高信頼性を実現する試みがなされている。しかし、
こうして作製されるGaN系半導体レーザーにおいて
も、大面積に亘って低転位の基板を得るのが難しいの
で、500mW〜1W級の高出力なものは未だ商品化され
ていない。
【0010】また、半導体レーザーの高出力化の別の試
みとして、例えば1つで100mWの光を出力するキャビ
ティを100個形成することで10Wの出力を得るようなこ
とも考えられているが、100個程度の多数のキャビティ
を高歩留まりで作成することは、ほとんど現実性が無い
と言える。特に、シングルキャビティの場合でも99%以
上の高歩留まり化は困難であるGaN系半導体レーザー
にあっては、なおさらである。
【0011】本発明は上記の事情に鑑み、特に高出力が
得られるレーザーダイオードアレイを提供することを目
的とする。
【0012】また本発明は、上述のように高出力が得ら
れるレーザーダイオードアレイを用いることにより高出
力化が達成されるレーザー装置、合波レーザー光源を提
供することを目的とする。
【0013】さらに本発明は、上述のような合波レーザ
ー光源を用いることにより、高強度のレーザー光で感光
材料を露光可能な露光装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によるレーザーダ
イオードアレイは、複数の発光点を有するマルチキャビ
ティレーザーダイオードチップが、複数個並べて固定さ
れてなることを特徴とするものである。
【0015】なお上記複数のマルチキャビティレーザー
ダイオードチップは、それぞれの発光点の並び方向と同
じ方向に並べて固定されることが望ましい。また、マル
チキャビティレーザーダイオードチップの1つ当たりの
キャビティ数は2〜10個、より好ましくは4〜6個で
あることが望ましい。
【0016】また本発明のレーザーダイオードアレイに
おいては、複数のマルチキャビティレーザーダイオード
チップの各々のチップ幅、つまり複数の発光点の並び方
向のチップサイズが3mm以下とされ、それらのマルチ
キャビティレーザーダイオードチップが固定ブロック
に、発光位置高さバラツキを5μm以下としてジャンク
ションダウン構造で固定されることが望ましい。またフ
ァイバー合波の場合は、拡大光学系となるので、発光位
置高さバラツキを2μm以下としてジャンクションダウ
ン構造で固定することで、コア径50μm以下の光ファイ
バーへ高効率でレーザービームを結合させることができ
る。
【0017】なお上記のジャンクションダウン構造と
は、基板側ではなく、素子形成面側(pn接合側)を熱
伝導率が大きい放熱用マウントに固定する構造である。
【0018】また本発明のレーザーダイオードアレイに
おいては、前記マルチキャビティレーザーダイオードチ
ップが窒化物系化合物半導体からなるもので、該マルチ
キャビティレーザーダイオードチップが、サブマウント
を介してCuまたはCu合金製放熱ブロック上に実装さ
れており、前記サブマウントが、熱膨張係数が3.5〜6.0
×10−6/℃である材料を用いて200〜400μmの厚さに
形成され、このサブマウントに対して前記マルチキャビ
ティレーザーダイオードチップが、両者の接着面内でA
uSn共晶点半田およびメタライズ層を複数に分割し
て、ジャンクションダウン構造で分割接着されているこ
とが望ましい。
【0019】上記の構成を採用する場合、サブマウント
はAlNからものが適用されるのが望ましい。
【0020】また上記サブマウントは、前記Cuまたは
Cu合金製放熱ブロックに対して、AuSn共晶点半田
によって接着されていることが望ましい。
【0021】一方本発明によるレーザー装置は、上述し
た通りの本発明によるレーザーダイオードアレイを備え
たレーザー装置であって、前記マルチキャビティレーザ
ーダイオードチップを固定保持したブロックと、前記マ
ルチキャビティレーザーダイオードチップの複数の発光
点から発せられたレーザービームを各々平行光化するコ
リメーターレンズが複数、一方向に並ぶ状態に一体化さ
れてなるコリメーターレンズアレイとを有するレーザー
装置において、前記ブロックの前記マルチキャビティレ
ーザーダイオードチップを固定した部分よりも前方側
に、該マルチキャビティレーザーダイオードチップの発
光点から所定距離離れて、該マルチキャビティレーザー
ダイオードチップの発光軸に垂直とされた平滑なレンズ
規定面が形成され、このレンズ規定面に前記コリメータ
ーレンズアレイの一端面を合わせた状態で、該コリメー
ターレンズアレイが前記ブロックに固定されていること
を特徴とするものである。
【0022】なお上記レンズ規定面の平面度が0.5μm
以下とされていることが望ましい。また上記ブロックの
マルチキャビティレーザーダイオードチップを固定する
面の平面度も0.5μm以下とされていることが望まし
い。上記ブロックの上面または側面には、実装基準とな
るマークを付与することが望ましい。
【0023】また上記構成を有する本発明のレーザー装
置においては、複数のマルチキャビティレーザーダイオ
ードチップが、それぞれの発光点が一方向に並ぶ状態に
配置され、かつこの配置状態が前記発光点の並び方向と
交わる方向に複数並んだ状態に配置され、前記コリメー
ターレンズアレイが、前記複数のマルチキャビティレー
ザーダイオードチップに対応させて、コリメーターレン
ズの並び方向と交わる方向に並べて複数配設されている
ことが好ましい。またマルチキャビティレーザーダイオ
ードチップは、発光点が一方向に並ぶ状態に分割して配
置され、コリメーターレンズアレイは、上記発光点に対
応して光軸が配列されるのが望ましい。
【0024】また本発明による合波レーザー光源は、上
述したマルチキャビティレーザーダイオードチップを用
いる本発明によるレーザーダイオードアレイと、1本の
マルチモード光ファイバーと、前記レーザーダイオード
アレイから出射した複数のレーザービームを集光した上
で前記マルチモード光ファイバーに結合させる集光光学
系とを備えてなるものである。
【0025】なお、本発明の合波レーザー光源において
は、複数のマルチキャビティレーザーダイオードチップ
が、各々の活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶよ
うに配設され、前記集光光学系が、前記発光点の並び方
向の開口径が該方向に直角な方向の開口径よりも小さく
形成されて、各マルチキャビティレーザーダイオードチ
ップ毎に設けられた複数のコリメーターレンズ、および
これらのコリメーターレンズで平行光化された複数のレ
ーザービームをそれぞれ集光して前記マルチモード光フ
ァイバーの端面で収束させる集光レンズから構成されて
いることが望ましい。
【0026】また本発明の合波レーザー光源において
は、前記複数のコリメーターレンズが一体化されて、レ
ンズアレイとして構成されていることが望ましい。
【0027】また上記の集光光学系は、レーザーダイオ
ードアレイから出射した複数のレーザービームをそれぞ
れ平行光化する複数のコリメーターレンズ部分と、これ
らのコリメーターレンズ部分を通過して平行光となった
レーザービームを共通の点に収束させる集光レンズ部分
とが一体的に形成されてなる集光レンズから構成される
のが好ましい。
【0028】また上記マルチキャビティレーザーダイオ
ードチップとしては、GaN系レーザダイオードチップ
が用いられることが望ましい。
【0029】また本発明の合波レーザー光源において
は、前記複数のマルチキャビティレーザーダイオードチ
ップが、レーザービームの照射を受ける側から見た状態
で2次元的に配列固定されることが望ましい。
【0030】さらに本発明の合波レーザー光源において
は、前記マルチモード光ファイバーが複数、少なくとも
出射端部において1次元アレイ状に配設され、それらの
マルチモード光ファイバーの各々に前記複数のマルチキ
ャビティレーザーダイオードチップおよび集光光学系が
組み合わされていることが望ましい。あるいは、上記マ
ルチモード光ファイバーが複数、少なくとも出射端部に
おいてバンドル状に配設され、それらのマルチモード光
ファイバーの各々に前記複数のマルチキャビティレーザ
ーダイオードチップおよび集光光学系が組み合わされて
いることも好ましい。
【0031】他方、発明による露光装置は、上記のよう
に複数のマルチモード光ファイバーが1次元アレイ状、
あるいは、バンドル状に配設されてなる本発明の合波レ
ーザー光源を露光用光源として備えたことを特徴とする
ものである。
【0032】
【発明の効果】本発明のレーザーダイオードアレイは、
複数の発光点を有することによりそれ自身高出力である
マルチキャビティレーザーダイオードチップが複数並設
されてなるので、特に高い出力が得られるものとなる。
【0033】また本発明のレーザーダイオードアレイに
おいて、上記複数のマルチキャビティレーザーダイオー
ドチップが、それぞれの発光点の並び方向と同じ方向に
並べて固定された場合は、多数の発光点が1列に整列す
ることになるので、該レーザーダイオードアレイによ
り、高強度のレーザービームをライン状に射出する応用
範囲の広いライン照明光源を構成することができる。
【0034】ここで、マルチキャビティレーザーダイオ
ードチップの1つ当たりのキャビティ数について考えて
みる。1つのキャビティの製造歩留まりが一般的にそう
であるように98%であるとすると、キャビティ数を1
0個にした場合にそれら全てが良品となる歩留まりは8
2%程度になり、これがレーザーダイオードアレイを十
分低コストでかつ実用的に製造できる限界となる。した
がって本発明のレーザーダイオードアレイにおいて、マ
ルチキャビティレーザーダイオードチップの1つ当たり
のキャビティ数は複数つまり2個以上の中で、特に10
個以下とするのが好ましい。
【0035】また、チップの放熱特性を考えると、1キ
ャビティ当たり標準的な100mWで10個のキャビティ
を構成する場合には、約7Wもの放熱が必要となる。そ
れよりも放熱量が増えると、発熱によるチップの反りも
発生するので、上述のライン照明光源を構成する際に、
光量がライン状に均一であるレーザービームを発生させ
ることが難しくなる。さらに、上述のように放熱量が増
えると、歪や発熱の影響でレーザーダイオードアレイの
信頼性が損なわれてしまう。
【0036】レーザーダイオードチップの1つ当たりの
キャビティ数を、より好ましくは2〜6個とすることの
理由は下記の通りである。キャビティ数を2個とすれ
ば、シングルキャビティの2倍の高出力化が達成され、
また1キャビティの製造歩留まりが上記のように98%
であるとすると、チップとしては96%と高い歩留まり
が得られる。キャビティ数を6個とすれば、シングルキ
ャビティの6倍の高出力化が達成され、またチップとし
ては高出力化に見合った89%の高い歩留まりが得られ
る。一方放熱レベルは、キャビティ数を2〜6個とする
と、1キャビティ当たり100mWの場合で約1〜4Wと
なり、十分な放熱が可能で、発熱によるチップの反りを
抑制でき、その結果、高出力かつ高信頼性を実現でき
る。
【0037】また本発明のレーザーダイオードアレイに
おいて、複数のマルチキャビティレーザーダイオードチ
ップの各々のチップ幅が3mm以下とされていると、以
下の効果が得られる。特に本発明によりアレイ化して高
出力化が望まれるGaN系レーザーダイオードは、高温
(1000〜1200℃)にて結晶成長して作成されること、基
板がサファイアであるということ、および結晶成長時に
歪を生じやすい物質であるInGaNを含んでいるとい
う事情がある。そのため、チップ幅が比較的大きいと、
その歪の影響で、ヒートブロックに実装する際に大きな
発光位置高さバラツキが発生してしまう。特に本発明の
ようにマルチキャビティレーザーダイオードチップを多
数並設して、それをライン状に光を発する光源として用
いる場合や、光ファイバーへ高効率で結合する場合に
は、大きな発光位置高さバラツキが発生すると、各マル
チキャビティレーザーダイオードチップの光が一線に並
ばなくなって、そのような用途には致命傷となる。そこ
でチップ幅を上記のように3mm以下としておくと、発
光位置高さのバラツキが、実用上問題の無い程度に抑え
られるようになる。
【0038】このチップ幅と発光位置高さバラツキとの
関係について、さらに詳しく説明する。従来、基板歪の
小さな10W級の高出力レーザーダイオードを得るため
に、10mm幅のバータイプレーザーダイオードをジャン
クションダウン構造にて実装することがなされて来た。
しかしその場合には、基板の反り等の影響で、10μm以
上の大きな発光位置高さバラツキが生じていた。具体的
にGaN系レーザーダイオードの場合は、10mm幅の場
合で20μm程度、5mm幅の場合で4μm程度の反りが
生じていた。この従来の構造に対して、チップ幅を上記
のように3mm以下としておくと、基板の反りの影響を
10mm長に対して1/10以下に抑えることができ、基板
の反りを1μm以下に抑えることができ、マルチキャビ
ティレーザーダイオードチップを複数並設した際のチッ
プ間のバラツキを加えても、発光位置高さバラツキを実
用上問題の無い5μm以下に抑えられるようになる。さ
らに、合波して光ファイバーに結合させる場合は、上記
高さバラツキを2μm以下に抑えることで、5〜10倍の
拡大光学系を用いて集光しても、10〜20μm程度の集光
位置バラツキに抑制できるので、高効率ファイバー結合
が可能となる。
【0039】また本発明のレーザーダイオードアレイに
おいて、マルチキャビティレーザーダイオードチップが
窒化物系化合物半導体からなるもので、該マルチキャビ
ティレーザーダイオードチップが、サブマウントを介し
てCuまたはCu合金製放熱ブロック上に実装されてお
り、前記サブマウントが、熱膨張係数が3.5〜6.0×10
−6/℃である材料を用いて200〜400μmの厚さに形成
され、このサブマウントに対して前記マルチキャビティ
レーザーダイオードチップが、両者の接着面内でAuS
n共晶点半田およびメタライズ層を複数に分割して、ジ
ャンクションダウン構造で分割接着されている場合は、
コストが低く熱伝導性も高いCuまたはCu合金から形
成された放熱ブロックを用いたことにより、レーザーダ
イオードチップが発する熱を良好に放熱することがで
き、そして安価に作製可能となる。またこの場合は、サ
ブマウントに対してレーザーダイオードチップがジャン
クションダウン構造で固定されていることにより、レー
ザーダイオードチップの基板側をサブマウントに固定す
る場合と比べてその発光部がサブマウントに、ひいては
放熱ブロックに対してより近接して位置するので、この
点からも良好に放熱がなされるものとなる。
【0040】またAuSn共晶点半田は経時位置変化特
性に優れているので、それによりレーザーダイオードチ
ップとサブマウントとが接着されていれば、レーザーダ
イオードチップの発光点位置の経時的変動を効果的に抑
制できるものとなる。
【0041】さらに上記の構成においては、サブマウン
トが、熱膨張係数が3.5〜6.0×10 /℃である材料を
用いて200〜400μmの厚さに形成されていることによ
り、半田接着時の熱歪によってレーザーダイオードチッ
プが劣化することも防止可能となる。その理由について
は、後に示す本発明の実施の形態に沿って詳しく説明す
る。
【0042】さらに、サブマウントとレーザーダイオー
ドチップの両者の接着面内でAuSn共晶点半田が複数
に分割されていれば、この接着部で発生する歪を小さく
抑えることも可能になり、高さ方向の発光点の位置精度
を高めることができる。
【0043】一方本発明のレーザー装置は、ブロックの
マルチキャビティレーザーダイオードチップを固定した
部分よりも前方側に、該レーザーダイオードチップの発
光点から所定距離離れて、該レーザーダイオードチップ
の発光軸に垂直とされた平滑なレンズ規定面が形成さ
れ、このレンズ規定面に前記コリメーターレンズアレイ
の一端面を合わせた状態で、該コリメーターレンズアレ
イが前記ブロックに固定されるものであるので、上記状
態にしておきながらコリメーターレンズアレイを動かす
ことにより、コリメーターレンズをレーザーダイオード
チップの発光軸に垂直な面内で移動させて、レンズ光軸
が上記発光軸に一致する状態に正確かつ簡単に位置合わ
せすることができる。
【0044】そしてこの位置合わせが完了した後に、上
記状態を保ったままコリメーターレンズアレイをブロッ
クに固定すれば、コリメーターレンズアレイは必ずその
上記一端面がレーザーダイオードチップの発光点から上
記所定距離だけ離れた状態で固定されることになる。し
たがって上記所定距離を、コリメーターレンズの焦点位
置がレーザーダイオードチップの発光点に来るようにな
る距離にしておけば、コリメーターレンズの光軸方向位
置も必ず適正な位置、つまり発散光であるレーザービー
ムを正確に平行光化する位置に設定されることになる。
【0045】なおコリメーターレンズアレイを上記ブロ
ックに固定するためには、コリメーターレンズアレイの
上記一端面とブロックのレンズ規定面とを固着してもよ
いし、あるいは該アレイの上記一端面とは別の例えば光
軸に平行な面を、ブロックにおいてレーザーダイオード
チップの発光軸と平行に形成された固定面に固着しても
よい。
【0046】ここで、上記ブロックのレンズ規定面の平
面度が0.5μm以下とされている場合は、このブロック
にコリメーターレンズアレイを固定する際の該アレイの
動きを抑制して、正確に位置合わせすることが可能にな
る。
【0047】また、ブロックのレーザーダイオードチッ
プを固定する面の平面度が0.5μm以下とされている場
合は、このブロックにレーザーダイオードチップを例え
ばロウ材で固定する際の該レーザーダイオードチップの
動きを抑制して、それを正確な位置に固定することがで
きる。またブロックの上面または側面に実装基準となる
マークを付与しておくことにより、レーザーダイオード
チップを高精度に実装することが可能になる。
【0048】また複数のレーザーダイオードチップが、
それぞれの発光点が一方向に並ぶ状態に配置され、かつ
この配置状態が発光点の並び方向と交わる方向に複数並
んだ状態に配置されて全体で2次元に配列したものとさ
れ、それとともにコリメーターレンズアレイも複数のレ
ーザーダイオードチップに対応させて、コリメーターレ
ンズの並び方向と交わる方向に複数配設されている場合
は、より多数のレーザーダイオードチップを高密度に配
置して特に高出力の合波ビームを得ることが可能にな
る。
【0049】また、マルチキャビティレーザーダイオー
ドチップを一方向に並ぶように配置する場合、マルチキ
ャビティレーザーダイオードチップを分割して配置すれ
ば、チップの反りを抑えることができ、高さ方向の発光
点位置精度を上げることができる。
【0050】一方本発明の合波レーザー光源は、複数の
マルチキャビティレーザーダイオードチップからそれぞ
れ出射したレーザービームを集光してマルチモード光フ
ァイバーに結合させる極めて簡単な構成のものであっ
て、特に作製が困難な要素も必要としないので、低コス
トで形成可能となる。
【0051】また本発明の合波レーザー光源において、
特に複数のマルチキャビティレーザーダイオードチップ
が、各々の活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶよ
うに配設され、集光光学系が、前記発光点の並び方向の
開口径が該方向に直角な方向の開口径よりも小さく形成
されて、各マルチキャビティレーザーダイオードチップ
毎に設けられた複数のコリメーターレンズ、およびこれ
らのコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザ
ービームをそれぞれ集光して前記マルチモード光ファイ
バーの端面で収束させる集光レンズから構成された場合
には、複数のマルチキャビティレーザーダイオードチッ
プの配置ピッチをより短くして、より高密度に配置でき
るようになる。このように複数のマルチキャビティレー
ザーダイオードチップをより高密度に配置しておくと、
複数のレーザービームの光ファイバー端面における位置
ずれがより小さく抑えられるようになるので、複数のマ
ルチキャビティレーザーダイオードチップ、マルチモー
ド光ファイバーおよび集光光学系の組立位置精度を比較
的緩くできるという効果が得られ、さらに、この組立位
置精度を緩くできること、および、合波光学系は一般に
5〜10倍の拡大光学系をとっており、マルチキャビティ
レーザーダイオードチップを分割すればチップの反りを
1μm以下に抑えて集光位置ばらつきを5〜10μm以下
にできることから、合波本数をより多くしたり高効率結
合を実現して、高出力化を達成できる。その理由は、後
に実施の形態に沿って詳しく説明する。
【0052】また、上述のような複数のコリメーターレ
ンズが互いに一体化されてレンズアレイとして構成され
る場合は、複数のコリメーターレンズが1個ずつ別体に
形成される場合と比較して、各レンズの周辺部に大きな
非有効領域ができてしまうことを避けられるから、各レ
ンズを互いにより近接させて配置可能となる。そうであ
れば、複数のマルチキャビティレーザーダイオードチッ
プをよりさらに高密度に配置できるので、上記の組立位
置精度を緩くできるという効果、合波本数をより多くし
て高出力化できるという効果がさらに顕著なものとな
る。
【0053】さらにこの場合は、コリメーターレンズの
位置調整作業が、1つのレンズアレイの位置を調整する
だけで済むので、この作業が簡素化される。またLDブ
ロックの上面または側面の発光点近傍に、位置決めマー
クを付与する。特にマークを発光点の出射方向・光軸の
延長上に付与すれば、レーザーダイオード実装時の熱膨
張による光軸と直交する水平方向の動きが無いので、マ
ルチキャビティレーザーダイオードチップをコリメータ
ーレンズアレイの光軸に対し±0.1〜0.3μmの高精度で
実装でき、ビーム集光位置精度が上がるので、高効率フ
ァイバー結合が可能になる。
【0054】以上の効果は、集光光学系が、レーザーダ
イオードアレイから出射した複数のレーザービームをそ
れぞれ平行光化する複数のコリメーターレンズ部分と、
これらのコリメーターレンズ部分を通過して平行光とな
ったレーザービームを共通の点に収束させる集光レンズ
部分とが一体的に形成されてなる集光レンズから構成さ
れている場合にはより顕著なものとなる。
【0055】また、印刷、医用画像の分野や、PCB
(プリント・サーキット・ボード)、PDP(プラズマ
ディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)等による
画像を感光材料に露光する場合等においては、上記マル
チモード光ファイバーとしてコア径が50μm以下のもの
を用いると、露光スポットを微細なものにして高精細な
画像を露光できるようになる。また、そのマルチモード
光ファイバーのNAが0.3以下であると、上述のような
高精細画像を露光する上で十分な焦点深度が確保され、
鮮鋭度の高い画像を露光可能となる。
【0056】また複数のマルチキャビティレーザーダイ
オードチップを、レーザービームの照射を受ける側から
見た状態で2次元的に配列すれば、多数のマルチキャビ
ティレーザーダイオードチップを高密度に配置できるか
ら、1本のマルチモード光ファイバーにより多数のレー
ザービームを入射させることが可能となって、より高出
力の合波レーザービームを得ることができる。
【0057】他方、本発明の合波レーザー光源が、複数
のマルチモード光ファイバーを少なくとも出射端部にお
いて1次元アレイ状、あるいはバンドル状に配設してな
る場合は、それらの光ファイバーから高出力のレーザー
ビームを1次元あるいは2次元に整列した状態で出射さ
せることができる。そうであれば、整列して出射する複
数のレーザービームの各々を、変調部がライン状、ある
いは2次元状に配列されてなるGLVやDMD等の空間
光変調素子の各変調部に入射させて、画像露光等のため
に効率良く変調させることができる。
【0058】そこで、上述のように構成された合波レー
ザー光源を露光用光源として用いる本発明の露光装置
は、上記空間光変調素子を併せて用いて、2次元に整列
して出射するレーザービームをそのまま感光材料に2次
元状に照射することにより、あるいは1次元あるいは2
次元に整列して出射するレーザービームを感光材料に照
射するとともに感光材料をレーザービームに対して相対
的に副走査移動させることにより、該感光材料に2次元
画像を露光可能なものとなる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0060】図1は、本発明の一実施の形態によるレー
ザーダイオードアレイ310の全体形状を示すものであ
る。図示されるようにこのレーザーダイオードアレイ31
0は、銅からなるヒートブロック311上に、複数のマルチ
キャビティレーザーダイオードチップ312が互いに等間
隔で配列固定されてなる。本例においてこのマルチキャ
ビティレーザーダイオードチップ312は、一例としてG
aN系レーザーダイオードからなる発振波長が405nm
のものである。
【0061】マルチキャビティレーザーダイオードチッ
プ312は図2に詳細形状を示す通り、例えば5個のキャ
ビティを備えたもの、つまり5個の発光点312aを有す
るものである。そして複数のマルチキャビティレーザー
ダイオードチップ312は、それぞれの発光点312aの並び
方向と同じ方向に並べて固定されている。
【0062】本実施の形態において、図2に示すマルチ
キャビティレーザーダイオードチップ312は、発光幅2
μmで100mWのキャビティが間隔80μmで5つ並設さ
れてなる、トータル出力500mWでチップ幅400μmのチ
ップである。この場合は、出力が500mWであることか
ら放熱量は3Wとなるので、400μmのチップ幅であっ
ても、互いのキャビティ間で熱干渉を起こすことなく、
十分に放熱可能である。
【0063】また、チップ幅が400μmであることか
ら、歪の大きいGaN系レーザーダイオードであっても
基板の反りは1μm以下に抑制できる。そして、本チッ
プを図1に示すようにして40素子配列する場合でも、各
素子の実装高さバラツキを1μm以内に抑えるように精
密実装することは十分可能であるから、200個(5キャ
ビティ×400素子)の発光点の高さバラツキを、全体で
2μm以内に抑制することが十分可能になる。
【0064】これに対して、200個のキャビティを80μ
m間隔で並設した場合、チップ幅は16mmにも達するの
で、従来の赤外レーザーダイオードと比較して歪を生じ
やすいGaN系レーザーダイオードにあっては、チップ
のみで40μmもの歪が発生し、発光位置高さバラツキは
40μm以上に達してしまう。さらに、200個ものキャビ
ティを有するレーザーダイオードチップは非常に歩留ま
りが低く、現実には作成不可能である。また、たとえ作
成できたとしても、上記発光点の高さバラツキの問題か
ら、GLVのような画素サイズ25μm程度のライン型空
間光変調素子の照明光源として用いることは不可能とな
る。
【0065】同様にして、キャビティ数を6個とする場
合も、チップ幅480μmで基板の反りは1μm以下に抑
制できる。このときの実装高さバラツキが1μmである
としても、発光位置高さバラツキは2μm以内に抑制で
きる。その結果、GLVのような画素サイズ25μm程度
の空間光変調素子と併せて用いる場合でも、発光位置高
さバラツキを画素サイズの10%程度に抑えることが可能
である。
【0066】図1においては、マルチキャビティレーザ
ーダイオードチップ312の数を9個として図示してある
が、チップ数はそれに限られるものではなく、40個程度
設けることも可能である。例えばマルチキャビティレー
ザーダイオードチップ312の1個当たりの出力が0.5Wの
場合、チップ数を40個とすれば、レーザーダイオードア
レイ310の全体の出力は20Wとなる。そして、そのよう
なレーザーダイオードアレイ310を例えば3素子並設し
て用いれば、全体の出力は60Wに達する。
【0067】以上のように構成されたレーザーダイオー
ドアレイ310は、高強度のレーザービームをライン状に
並べて出射する光源装置として好適に用いることができ
る。以下、そのような光源装置について、図1に加えて
図3および4も参照して説明する。
【0068】この光源装置は図3に示すように、複数の
マルチキャビティレーザーダイオードチップ312を互い
に等間隔で配列固定しているヒートブロック311に近接
あるいは密接させてレンズマウント315が配設され、そ
の上には、各マルチキャビティレーザーダイオードチッ
プ312に対応させてレンズアレイ314が固定されるとも
に、それらの間に位置する状態にして1本のロッドレン
ズ313が固定されてなる。なおレンズアレイ314は、凸レ
ンズでも凹レンズでもよく、目的に応じて使い分けるこ
とができる。このレンズアレイ314は、マルチキャビテ
ィレーザーダイオードチップ312の発光点数と同じ数の
レンズ部分が一列に配列固定されてなるものであるが、
図においては便宜的に通常のレンズ状に示してある。
【0069】なお図4では、レンズマウント315を省略
するとともに、マルチキャビティレーザーダイオードチ
ップ312から出射するレーザービームLは便宜的に3本
として示してある。この図4に示すように、各マルチキ
ャビティレーザーダイオードチップ312から発散光状態
で出射したレーザービームLはロッドレンズ313により
同図の紙面に直角な方向に集光された後、各レンズアレ
イ314により同図に示される面内で集光されて平行光化
される。
【0070】平行光とされた各レーザービームLは、さ
らに集光レンズ320によって集光され、例えば複数の変
調部が1次元に配列されてなる空間変調素子321の各変
調部で収束する。なおこの空間変調素子321としては、
ライン状の液晶空間変調素子やDMD(デジタル・ミラ
ー・デバイス)やGLV(グレーティング・ライトバル
ブ)等が用いられ得る。
【0071】上述のようにして複数本のレーザービーム
Lを空間変調素子321の各変調部に導くことにより、そ
れらのレーザービームLを互いに独立して変調すること
が可能になる。
【0072】次に図5は、上記レーザーダイオードアレ
イ310を用いる光源装置の別の例を示すものである。本
図において(1)、(2)はそれぞれ、該光源装置の平面形
状、側面形状を示している。この例において、レーザー
ダイオードアレイ310の各マルチキャビティレーザーダ
イオードチップ312から発散光状態で出射したレーザー
ビームLは、シリンドリカルレンズ330により同図(2)に
示す垂直面内で集光されて、平行光とされる。次いでレ
ーザービームLは集光レンズ331により集光されて、例
えば前述のGLV等からなる空間光変調素子332に照射
され、この空間光変調素子332のライン状に配設された
変調部において変調される。
【0073】本例のような光学系を採用した場合は、各
マルチキャビティレーザーダイオードチップ312におけ
るキャビティ間の出力バラツキや、あるいはチップ312
相互間の出力バラツキが存在しても、空間光変調素子33
2に均一な強度の光を照射可能となる。また、1つのマ
ルチキャビティレーザーダイオードチップ312の1つの
キャビティからの出力が劣化により0(ゼロ)になった
としても、その影響をほとんど受けることなく、空間光
変調素子332に均一な強度の光を照射可能となる。
【0074】なお、本発明のレーザーダイオードアレイ
において、マルチキャビティレーザーダイオードチップ
の発光点数や、そのマルチキャビティレーザーダイオー
ドチップの並設数は、以上説明した実施の形態における
数に限られるものではなく、必要に応じて2以上のいか
なる数を選択することもできる。
【0075】また本発明のレーザーダイオードアレイに
おいて、マルチキャビティレーザーダイオードチップと
しては、GaN系レーザーダイオードからなるものに限
らず、その他の種類のものを適用することも勿論可能で
ある。
【0076】次に、本発明のレーザーダイオードアレイ
の好ましい実装構造について説明する。図6は、窒化物
系化合物レーザーダイオードの一つであるマルチキャビ
ティGaN系レーザーダイオードLDが、Cu放熱ブロ
ック10上に実装された状態を示す正面図である。なおこ
こでは発光点Qの数を、一例として3つとして示してあ
る。
【0077】まず図7に示すように、AlNサブマウン
ト9の下表面にAu/Pt/Tiメタライズ層504が形
成され、またその上表面にはAu/Niメッキ層505お
よび段差を有するAu/Pt/Tiメタライズ層506が
形成される。ここで、本発明でいうところのサブマウン
トの厚さは、上記各層504〜506は含まない厚さ、つまり
図7のd寸法である。
【0078】上記のように段差を有するAu/Pt/T
iメタライズ層506は、例えば一様に厚く該メタライズ
層506を形成した後、低くする部分をイオンミリングの
ようなドライプロセスあるいはエッチャントによるウェ
ットプロセスによって除去する方法や、さらには、低く
する方の層の高さ分だけメタライズした後、低くする部
分をマスキングした上で再度メタライズする方法等を適
用して形成することができる。
【0079】次いでAu/Pt/Tiメタライズ層506
の高い部分と低い部分に、それぞれパッド状の共晶点A
uSn半田507,507を配置する。これらのパッド状共晶
点AuSn半田507,507は例えば150×500μmの大きさ
に形成され、互いに例えば10μmの間隔を置いて配置さ
れる。そしてこれらの共晶点AuSn半田507,507の上
に、一例として概略400×600×100μmのサイズのチッ
プ状GaN系レーザーダイオードLD1を配置し、330
℃に加熱して共晶点AuSn半田507,507を融解させる
ことにより、該GaN系レーザーダイオードLD1をA
lNサブマウント9に接着固定する。
【0080】次いで、上表面にAu/Niメッキ層508
およびAu/Pt/Tiメタライズ層509が形成されて
いるCu放熱ブロック10の上に共晶点AuSn半田511
を配置し、その上にAu/Pt/Tiメタライズ層504
を下にしてAlNサブマウント9を配置し、310℃に加
熱して共晶点AuSn半田511を融解させることによ
り、AlNサブマウント9をCu放熱ブロック10に接着
固定する。以上により、GaN系レーザーダイオードL
DがAlNサブマウント9を介してCu放熱ブロック10
に実装される。
【0081】なおAuSn半田の融解点はAuとSnと
の組成比に応じて変化する。そこで、AlNサブマウン
ト9のAu/Pt/Tiメタライズ層506および504の膜
厚を互いに独立に制御するとともに、共晶点AuSn半
田507および511の融解時の温度を制御することにより、
共晶点AuSn半田507が融解した後の状態、共晶点A
uSn半田511が融解した後の状態における各Au組成
比を共晶点組成より数%程度高い組成にすることで、共
晶点AuSn半田507および511の融解後の融解温度に差
を持たせることができる。
【0082】このような融解温度差を生じさせることに
より、AlNサブマウント9にGaN系レーザーダイオ
ードLDを接着する時と、AlNサブマウント9をCu
放熱ブロック10に接着する時とで同じ共晶点AuSn半
田を用いても、互いに融解温度差を付けて(後者の接着
時の方が低い)実装することが可能となる。そうであれ
ば、発光点位置が経時的に変動しやすい低融点半田を用
いなくて済むので、発光点位置変動を抑える上で有利と
なる。
【0083】また本例の実装構造においてGaN系レー
ザーダイオードLDは、Al23からなる基板側が上に
位置する向きに配置され、素子形成面側(pn接合側)
がCu放熱ブロック10に固定されて、いわゆるジャンク
ションダウン構造で実装がなされる。
【0084】またこの構造において、GaN系レーザー
ダイオードLDの発光点は、図6において概略Qで示す
位置にある。そして共晶点AuSn半田507、Au/P
t/Tiメタライズ層506およびAu/Niメッキ層505
には、それらを分割する溝512が形成され、GaN系レ
ーザーダイオードLDはその発光部の直下に上記溝512
が位置するように接着される。つまり、GaN系レーザ
ーダイオードLDの発光部は直接サブマウント側に接着
しないので、さらなる応力低減が実現される。また上記
の溝512が形成されていれば、GaN系レーザーダイオ
ードLDの発光端面がAlNサブマウント9の端面より
内側に位置する場合でも、発光ビームがAlNサブマウ
ント9によってケラレることを防止できる。
【0085】なおGaN系レーザーダイオードLDのn
側電極を、Au/Pt/Tiメタライズ層506の高い部
分に対面する位置に形成するとともに、Au/Pt/T
iメタライズ層506の高い部分と低い部分とを互いに絶
縁された状態に形成して、それらの両部分にそれぞれn
側電極、p側電極を導通させるようにしてもよい。
【0086】本例では、コストが低く熱伝導性も高いC
uから形成された放熱ブロック10を用いているので、G
aN系レーザーダイオードLDが発する熱を良好に放熱
することができ、そしてレーザー装置を安価に作製可能
となる。
【0087】また本例では、AlNサブマウント9に対
してGaN系レーザーダイオードLDがジャンクション
ダウン構造で固定されていることにより、GaN系レー
ザーダイオードLDの基板側をAlNサブマウント9に
固定する場合と比べて該GaN系レーザーダイオードL
Dの発光部がサブマウント9に、ひいては放熱ブロック
10に対してより近接して位置するので、この点からも良
好に放熱がなされるものとなる。
【0088】またAuSn共晶点半田507は経時位置変
化特性に優れているので、それによりGaN系レーザー
ダイオードLDとAlNサブマウント9とが接着されれ
ば、GaN系レーザーダイオードLDの発光点位置の経
時的変動を効果的に防止できるものとなる。
【0089】図8のaは、上記のように実装されたGa
N系レーザーダイオードLDを−40〜80℃の条件下で経
時試験にかけた際の、発光点位置の上下方向移動量を測
定した結果を示すものである。なお同図の横軸は半田材
質による発光点位置移動量の正規確率分布(%)を示
し、縦軸が発光点位置の移動量を示している。また、A
uSn共晶点半田507に代えて低融点半田を用いた場合
の発光点位置の移動量を、同図中にbで示してある。こ
こに示されている通り、本例のGaN系レーザーダイオ
ードLDでは、低融点半田を用いたものと比較して、発
光点位置移動量が極めて少なく抑えられている。
【0090】次に図9は、GaN系レーザーダイオード
LDを実装した際に熱歪によってGaN系レーザーダイ
オードLDの発光点に作用する応力が、サブマウントの
熱膨張係数に応じてどのように変化するかを、計算機に
よるシミュレーションで求めた結果を示すものである。
このシミュレーションに際しては、AlNサブマウント
9、Cu放熱ブロック10、Au/Pt/Tiメタライズ
層504、506および509、Au/Niメッキ層505および50
8、共晶点AuSn半田507および511に加えて、GaN
系レーザーダイオードLDの基板、下部クラッド層、発
光層、上部発光層、絶縁膜の全てについて厚さ、熱膨張
係数(AlNサブマウント9の熱膨張係数は除く)およ
びヤング率を求め、それらの数値を使用した。
【0091】図9に示される通り、サブマウントの熱膨
張係数が3.5〜6.0×10−6/℃の範囲にある場合は上記
応力が約32MPa以下と、GaN系レーザーダイオード
LDを実使用する上で特に問題の無い範囲に抑えられ
る。この点に鑑みて本発明では、サブマウントを熱膨張
係数が3.5〜6.0×10−6/℃の範囲にある材料から形成
することが望ましい。
【0092】また、サブマウントの熱膨張係数が4.0〜
5.4×10−6/℃の範囲にあれば、上記応力は約29.5M
Pa以下となるのでより好ましく、サブマウントの熱膨
張係数が4.4〜4.8×10−6/℃の範囲にあれば、上記応
力はほぼ28MPaとなるのでさらに好ましい。本例でサ
ブマウントに用いているAlNの熱膨張係数は4.5×10
−6/℃であり、上記の最も好ましい範囲にある。
【0093】また図10は、GaN系レーザーダイオー
ドLDを実装した際に熱歪によってGaN系レーザーダ
イオードLDの発光点に作用する応力が、該AlNサブ
マウント9の厚さに応じてどのように変化するかを、同
様に計算機によるシミュレーションで求めた結果を示す
ものである。このシミュレーションに際しても、AlN
サブマウント9、Cu放熱ブロック10、Au/Pt/T
iメタライズ層504、506および509、Au/Niメッキ
層505および508、共晶点AuSn半田507および511に加
えて、GaN系レーザーダイオードLDの基板、下部ク
ラッド層、発光層、上部発光層、絶縁膜の全てについて
厚さ、熱膨張係数およびヤング率を求め、それらの数値
を使用した。
【0094】図10に示される通り、AlNサブマウン
ト9の厚さが200〜400μmの範囲にある場合は上記応力
が約34MPa以下と、GaN系レーザーダイオードLD
を実使用する上で特に問題の無い範囲に抑えられる。こ
の値を超える応力がGaN系レーザーダイオードLDの
発光点に作用すると、そこに応力が発生しやすくなる。
この点に鑑みて本発明では、サブマウントの厚さを200
〜400μmの範囲に設定することが望ましい。また、A
lNサブマウント9の厚さが250〜350μmの範囲にあれ
ば、上記応力は約32MPa以下となるのでより好まし
い。
【0095】なおAlNサブマウント9は、Cu放熱ブ
ロック10から大きな圧縮応力を受ける。AlNサブマウ
ント9はGaN系レーザーダイオードLDからの圧縮応
力も受けるが、それは一般にはCu放熱ブロック10から
受ける圧縮応力よりも小さいものとなっている。
【0096】後述するように、複数の発光点からそれぞ
れ出射したレーザービームを集光した上でマルチモード
光ファイバーに結合させるような構成においては、発光
点位置の経時的変動が有ると、それによって結合効率が
低下してしまう。そこで、発光点位置の経時的変動を前
述の通りにして抑制できれば、結合効率が低下すること
を防止できる。
【0097】次に、図11〜17を参照して本発明のレ
ーザー装置の実施形態について説明する。図11、12
および13はそれぞれ、本発明の一実施の形態によるレ
ーザー装置410の側面形状、正面形状および平面形状を
示すものである。図示されるようにこのレーザー装置41
0は、銅からなるヒートブロック(ステム)411上に、一
例として2個のマルチキャビティレーザーダイオードチ
ップ412,412と、合成樹脂あるいはガラスからなるコリ
メーターレンズアレイ414とが固定されてなる。
【0098】マルチキャビティレーザーダイオードチッ
プ412は、一例としてGaN系レーザーダイオードから
なる発振波長が405nmのもので、5個のキャビティを
備えたもの、つまり5個の発光点412aを有するものと
されている。そして2個のマルチキャビティレーザーダ
イオードチップ412は、それぞれの発光点412aの並び方
向と同じ方向に並べて固定されている。本実施の形態に
おいて、上記5個の発光点412aは0.35mmのピッチで
形成され、チップ幅は1.75mm、基板の反りは1μm以
下であり、各々から出力30mWのレーザービーム412B
が発せられる。
【0099】一方ヒートブロック411は、上記2個のマ
ルチキャビティレーザーダイオードチップ412を固定す
る水平なレーザー固定面411aと、マルチキャビティレ
ーザーダイオードチップ412を固定した部分よりも前方
側(レーザービーム412Bの射出方向)に形成されたレ
ンズ規定面411bと、上記発光点412aから発散光状態で
射出されるレーザービーム412Bのケラレを回避する凹
部411cとを有している。
【0100】上記レーザー固定面411aは、平面度が0.5
μm以下である高平坦面に加工されている。2個のマル
チキャビティレーザーダイオードチップ412は、熱拡散
性を確保してその温度上昇を抑制するために、それぞれ
レーザー固定面411aにロウ材を用いて固定され、また
両チップ412、412どうしもロウ材により固定される。
【0101】上記レンズ規定面411bは、マルチキャビ
ティレーザーダイオードチップ412の各発光点412aから
所定距離離れて、該マルチキャビティレーザーダイオー
ドチップ412の発光軸Oに垂直に形成されている。また
このレンズ規定面411bも、平面度が0.5μm以下である
高平坦面に加工されている。
【0102】マルチキャビティレーザーダイオードチッ
プ412をヒートブロック411にAuSn等のロウ材で固定
するとき、マルチキャビティレーザーダイオードチップ
412とヒートブロック411は、ロウ材の融解点(約280
℃)より高温の300℃程度に加熱する。マルチキャビテ
ィレーザーダイオードチップ412をヒートブロック411に
位置決めするとき、まずヒートブロック411およびその
上のロウ材を250℃程度に予備加熱して軟化させ、ロウ
材上にチップ412を高精度に位置決めする。このときヒ
ートブロック411とロウ材および実装装置には、熱膨張
による動きがある。0.1〜0.3μmの高精度でマルチキャ
ビティレーザーダイオードチップ412を位置決めするた
めに、発光点近くのヒートブロック411の上面またはビ
ーム出射側の側面に、位置決めの基準とするマークを付
与する。特にマークをビーム出射方向、光軸の延長方向
に付与すれば、熱膨張による光軸と直交する水平方向の
動きが生じないので、高効率ファイバー結合で、マルチ
キャビティレーザーダイオードチップ412とレンズの位
置決めトレランスが厳しく小さい水平方向に対し、熱膨
張が有ってもマルチキャビティレーザーダイオードチッ
プ412を0.1〜0.3μmの高精度で位置決めすることが可
能になる。この結果、複数のマルチキャビティレーザー
ダイオードチップ412から出射されたビームの集光位置
精度を上げることができるので、高効率ファイバー結合
が可能になる。
【0103】またコリメーターレンズアレイ414は、10
個のコリメーターレンズ414aが一列に一体的に固定さ
れてなるものである。本実施の形態において1つのコリ
メーターレンズ414aは、軸対称レンズの光軸を含む一
部を細長く切り取った形状とされ、その焦点距離fは0.
9mm、有効高さは1.1mmで、レーザービーム412Bの
断面形状に合わせて縦横比が例えば3:1とされてい
る。これら10個のコリメーターレンズ414aのうち左側
5個のピッチ、右側5個のピッチは、それぞれマルチキ
ャビティレーザーダイオードチップ412の発光点ピッチ
に合わせて0.35mm(誤差は0.2μm以下)とされてい
る。またこれら左側5個、右側5個のコリメーターレン
ズ414aの間には、2個のマルチキャビティレーザーダ
イオードチップ412の間の隙間に対応させて、0.05mm
の隙間414cが設けられている。
【0104】さらにコリメーターレンズアレイ414は、1
0個のコリメーターレンズ414aが並んだ部分から左右に
張り出した部分を有し、この部分の後方端面は高平坦面
に加工されて、ヒートブロック411への取付端面414bと
されている。コリメーターレンズアレイ414は、これら
2箇所の取付端面414bを前記レンズ規定面411bに接着
剤を用いて接着する等により、ヒートブロック411に固
定される。
【0105】その際、マルチキャビティレーザーダイオ
ードチップ412の10本の発光軸Oと、各コリメーターレ
ンズ414aの光軸とが一致する状態にコリメーターレン
ズアレイ414を位置合わせする必要がある。本実施の形
態の場合は、コリメーターレンズアレイ414の取付端面4
14bをレンズ規定面411bに押しつけながら、このコリ
メーターレンズアレイ414をレンズ光軸に垂直な面内で
上下左右に動かして、上述の位置合わせを正確かつ簡単
に行うことができる。
【0106】ヒートブロック411におけるコリメーター
レンズアレイ414の固定位置とレンズ規定面411bとの位
置関係は、上記のようしてコリメーターレンズアレイ41
4がヒートブロック411に固定されたとき、各コリメータ
ーレンズ414aの焦点位置がマルチキャビティレーザー
ダイオードチップ412の各発光点412aに来るように設定
されている。そこで、コリメーターレンズアレイ414が
ヒートブロック411に固定されると、コリメーターレン
ズ414aの光軸方向位置は、自動的に適正な位置、つま
り発散光であるレーザービーム412Bを正確に平行光化
する位置に設定されることになる。
【0107】なおコリメーターレンズアレイ414をヒー
トブロック411に固定するためには、上記のようにコリ
メーターレンズアレイ414の取付端面414bをヒートブロ
ック411のレンズ規定面411bに固着する他、それらの面
とは異なる面どうしを固着するようにしてもよい。例え
ば、ヒートブロック411に図11において右方に張り出
したマウント部を形成しておき、コリメーターレンズア
レイ414の光軸に平行な面、例えば図11中の下端面を
そのマウント部の上面に固着してもよい。
【0108】ここで本実施の形態では、ヒートブロック
411のレンズ規定面411bが前述の通りの高平坦面とされ
ているので、このヒートブロック411にコリメーターレ
ンズアレイ414を固定する際の該アレイ414の動きを抑制
して、正確に上記位置合わせを行うことが可能になる。
【0109】また、ヒートブロック411のレーザー固定
面411aも前述の通りの高平坦面とされているので、マ
ルチキャビティレーザーダイオードチップ412をヒート
ブロック411に固定する際の該チップ412の動きを抑制し
て、それを正確な位置に固定することができる。
【0110】以上説明した本実施の形態のレーザー装置
410は図11に示されている通り、複数のレーザービー
ム412Bを1本に合波して、高強度のレーザービームを
得るために使用されている。すなわち、このレーザー装
置410のヒートブロック411はベース板421上に固定さ
れ、該ベース板421上にはさらに集光レンズ420を保持す
る集光レンズホルダ422と、マルチモード光ファイバー4
30の入射端部を保持するファイバーホルダ423とが固定
されている。
【0111】上記の構成において、コリメーターレンズ
アレイ414の各コリメーターレンズ414aによって平行光
とされた10本のレーザービーム412Bは、集光レンズ420
によって集光され、マルチモード光ファイバー430のコ
ア(図示せず)の入射端面上で収束する。これらのレー
ザービーム412Bはマルチモード光ファイバー430のコア
に入射してそこを伝搬し、1本のレーザービームに合波
されてマルチモード光ファイバー430から出射する。な
おマルチモード光ファイバー430としては、ステップイ
ンデックス型のもの、グレーデッドインデックス型のも
の、およびそれらの複合型のものが全て適用可能であ
る。
【0112】本実施の形態において、集光レンズ420は
幅が6mm、有効高さが1.8mm、焦点距離が14mmの
レンズである。またマルチモード光ファイバー430はコ
ア径が50μm、NA(開口数)が0.2のものである。10
本のレーザービーム412Bは集光レンズ420により集光さ
れて、マルチモード光ファイバー430のコア端面に集光
スポット径約30μmで収束する。これらのレーザービー
ム412Bのファイバー結合における損失、およびコリメ
ーターレンズ414a並びに集光レンズ420を透過する際の
損失の合計は10%である。その場合、各レーザービーム
412Bの出力が前述のように30mWであるならば、270m
Wの高出力、高輝度の合波レーザービームが得られるこ
とになる。
【0113】なお、発光点を5個有するマルチキャビテ
ィレーザーダイオードチップ412を2つ用いる代わり
に、チップの発光点間隔が短い場合にて、チップ幅が3
mm以下の、発光点を10個有するマルチキャビティレー
ザーダイオードチップを1つ用いてもよい。しかし、マ
ルチキャビティレーザーダイオードチップは発光点が増
えてチップ幅が大きくなるほど、作製に際して一般に
「スマイル」と称される撓みが発生しやすい。この撓み
発生を防止する上では、比較的発光点の少ないマルチキ
ャビティレーザーダイオードチップを複数並べて使用す
るのが好ましい。
【0114】発光点間隔が350μm、発光点が5個のマ
ルチキャビティレーザーダイオードチップの幅は約2.1
mmであり、このときの反りは1μm以下に抑えること
ができ、実装高さバラツキが1μmとしても、発光点高
さ位置バラツキを2μmに抑制でき、高効率ファイバー
結合が可能になる。したがって、発光点が5個のマルチ
キャビティレーザーダイオードチップを2つ用いた発光
点が10個の場合は、実装高さバラツキを含めた発光点高
さ位置バラツキを2μm以下に抑えられるため、高効率
ファイバー結合が可能になる。一方、発光点を10個有す
るマルチキャビティレーザーダイオードチップの場合、
チップ幅が3.5mm程度になるため、チップに3μm程
度の反りが生じ、実装高さバラツキを含めた発光点高さ
位置バラツキが4μm程度も生じ、高効率ファイバー結
合が難しくなる。
【0115】また、マルチキャビティレーザーダイオー
ドチップの発光点数や、それを複数設置する場合の設置
数は勿論上記の例に限定されるものではなく、例えば7
個の発光点を有するマルチキャビティレーザーダイオー
ドチップを2つ設置して、14本のレーザービームを発生
させることも可能である。さらには、5個の発光点を有
するマルチキャビティレーザーダイオードチップを3つ
設置して、15本のレーザービームを発生させることも可
能である。この後者の場合、上記実施の形態と同様に1
本のレーザービームの出力が30mWで、損失10%で1本
に合波するものとすると、405mWの高出力、高輝度の
合波レーザービームが得られる。
【0116】なお、図11に示される合波モジュールの
全体を密閉容器内に気密封止して配置することにより、
長寿命化を達成することができる。
【0117】次に、図14および15を参照して、本発
明の別の実施の形態によるレーザー装置410’について
説明する。図14および15はそれぞれ、このレーザー
装置410’側面形状および正面形状を示すものである。
なおこれらの図14および15において、図11〜13
中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについ
ての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同
様)。またこのレーザー装置410’の平面形状は、上述
したレーザー装置410の平面形状(図13参照)と基本
的に同じであるので、図示は省略する。
【0118】このレーザー装置410’は、図1〜3に示
したレーザー装置410と比べると基本的に、2つ並設さ
れたマルチキャビティレーザーダイオードチップ412、4
12が上下に2段配置されている点が異なるものである。
つまりここでは、前述したものと同様のヒートブロック
411の上に別のヒートブロック411’が積み重ねて固定さ
れ、該ヒートブロック411’に、ヒートブロック411に対
するのと同じにして2個のマルチキャビティレーザーダ
イオードチップ412、412およびコリメーターレンズアレ
イ414が固定されている。なおヒートブロック411’はヒ
ートブロック411と同様にレーザービーム412Bのケラレ
を回避する凹部411cを有する他、下段のヒートブロッ
ク411に固定されるマルチキャビティレーザーダイオー
ドチップ412、412との干渉を避けるための凹部411dを
有している。
【0119】本実施の形態でも、ヒートブロック411お
よび411’の各レンズ規定面411bにコリメーターレンズ
アレイ414を固定する際に、該レンズ規定面411bで位置
規定しながらコリメーターレンズアレイ414をレンズ光
軸に垂直な面内で上下左右に動かすことにより、マルチ
キャビティレーザーダイオードチップ412に対する前述
の位置合わせを正確かつ簡単に行うことができる。
【0120】本実施の形態において、マルチキャビティ
レーザーダイオードチップ412、コリメーターレンズア
レイ414、集光レンズ420およびマルチモード光ファイバ
ー430の仕様は、図11〜13に示した実施の形態にお
けるのと同じである。したがってこの場合は、合計20個
の発光点からの各レーザービーム412Bの出力が30mW
であるならば、540mWの高出力、高輝度の合波レーザ
ービームが得られることになる。
【0121】次に、本発明のレーザー装置のさらに別の
実施形態について説明する。図16および17はそれぞ
れ、本実施の形態によるレーザー装置410”の側面形状
および正面形状を示すものである。なおこのレーザー装
置410”の平面形状は、図11〜13に示したレーザー
装置410の平面形状(図13参照)と基本的に同じであ
るので、図示は省略する。
【0122】このレーザー装置410’は、図11〜13
に示したレーザー装置410と比べると基本的に、2つ並
設されたマルチキャビティレーザーダイオードチップ41
2、412が上下に3段配置されている点が異なるものであ
る。つまりここでは、前述したものと同様のヒートブロ
ック411の上に別のヒートブロック411’が2つ積み重ね
て固定され、それらのヒートブロック411’に各々、ヒ
ートブロック411に対するのと同じにして2個のマルチ
キャビティレーザーダイオードチップ412、412およびコ
リメーターレンズアレイ414が固定されている。なお、
上記ヒートブロック411’は図14および15に示した
実施の形態で用いられているものと同じである。
【0123】本実施の形態でも、ヒートブロック411お
よび2つのヒートブロック411’の各レンズ規定面411b
にコリメーターレンズアレイ414を固定する際に、該レ
ンズ規定面411bで位置規定しながらコリメーターレン
ズアレイ414をレンズ光軸に垂直な面内で上下左右に動
かすことにより、マルチキャビティレーザーダイオード
チップ412に対する前述の位置合わせを正確かつ簡単に
行うことができる。
【0124】本実施の形態において、マルチキャビティ
レーザーダイオードチップ412、コリメーターレンズア
レイ414、集光レンズ420およびマルチモード光ファイバ
ー430の仕様は、図11〜13に示した実施の形態にお
けるのと同じである。したがってこの場合は、合計30個
の発光点からの各レーザービーム412Bの出力が30mW
であるならば、810mWの高出力、高輝度の合波レーザ
ービームが得られることになる。
【0125】また本発明のレーザー装置に用いるコリメ
ーターレンズアレイは、前述した図11に示すの集光レ
ンズ420と一体化して、集光作用も備えるように形成さ
れてもよい。
【0126】さらに本発明のレーザー装置は、平行光化
した後の複数本のレーザービームを特に集光はしない構
成とすることも可能で、その場合にも前述した本発明の
効果を得ることができる。
【0127】また本発明のレーザー装置において、マル
チキャビティレーザーダイオードチップとしては、Ga
N系レーザーダイオードチップに限らず、その他の種類
のものを適用することも勿論可能である。
【0128】次に、本発明の合波レーザー光源の実施形
態を説明する。図18は、本発明の一実施の形態による
合波レーザー光源の平面形状を示すものである。図示さ
れるようにこの合波レーザー光源は、銅からなるヒート
ブロック10上に配列固定された一例として7個のチップ
状態の横マルチモードGaN系レーザーダイオードチッ
プLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6お
よびLD7と、各GaN系レーザーダイオードチップL
D1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6および
LD7に対してそれぞれ設けられたコリメーターレンズ
アレイ11,12,13,14,15,16および17と、1つの集光
レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバー30とから
構成されている。なおGaN系レーザーダイオードチッ
プLD1〜7は、発光点を複数有するマルチキャビティ
レーザーダイオードチップであるが、以下では単に「レ
ーザーダイオードチップ」と称する。なお上記発光点の
数は、先に述べたような数が適用されるが、図18では
便宜的に3個として示してある。
【0129】なおこの図18は、本実施の形態の合波レ
ーザー光源の基本構成を示すものであり、コリメーター
レンズアレイ11〜17および集光レンズ20の形状は概略的
に示してある。特にコリメーターレンズアレイ11〜17は
それぞれ、各GaN系レーザーダイオードチップLD1
〜7の発光点数と同数の複数のコリメーターレンズ部分
が一列に並設されてなるものであるが、図中では便宜的
に通常のレンズ状に示してある。また、それらの取付状
態の詳細については後に説明する。なお、ヒートブロッ
ク10に対するGaN系レーザーダイオードチップLD1
〜7の取付状態を図19に示す。
【0130】GaN系レーザーダイオードチップLD1
〜7は、発振波長が例えば全て共通の405nmであり、
最大出力も全て共通の100mWである。これらのGaN
系レーザーダイオードチップLD1,LD2,LD3,
LD4,LD5,LD6およびLD7から発散光状態で
出射した各々複数のレーザービームB1,B2,B3,
B4,B5,B6およびB7は、それぞれコリメーター
レンズアレイ11,12,13,14,15,16および17によって
平行光化される。
【0131】平行光とされたレーザービームB1〜7
は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光フ
ァイバー30のコア30aの入射端面上で収束する。本例で
はコリメーターレンズアレイ11〜17および集光レンズ20
によって集光光学系が構成され、それとマルチモード光
ファイバー30とによって合波光学系が構成されている。
すなわち、集光レンズ20によって上述のように集光され
たレーザービームB1〜7がこのマルチモード光ファイ
バー30のコア30aに入射してそこを伝搬し、1本のレー
ザービームBに合波されてマルチモード光ファイバー30
から出射する。なおマルチモード光ファイバー30として
は、ステップインデックス型のもの、グレーデッドイン
デックス型のもの、およびそれらの複合型のものが全て
適用可能である。
【0132】次に、この合波レーザー光源からなる紫外
光高輝度合波ファイバーモジュールについて詳しく説明
する。図20および21はそれぞれ、この紫外光高輝度
合波ファイバーモジュールの平面形状、側面形状を示す
ものである。なおこれらの図では、コリメーターレンズ
アレイ11〜17および集光レンズ20の形状や取付状態を詳
しく示してある。
【0133】本例においてモジュールを構成する光学要
素は、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収容さ
れ、このパッケージ40の上記開口がパッケージ蓋41によ
って閉じられることにより、該パッケージ40およびパッ
ケージ蓋41が画成する閉空間内に密閉保持される。
【0134】パッケージ40の底面にはベース板42が固定
され、このベース板42の上面に前記ヒートブロック10が
取り付けられ、そしてこのヒートブロック10にコリメー
ターレンズアレイ11〜17を保持するコリメーターレンズ
アレイホルダ44が固定されている。さらにベース板42の
上面には、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダ45
と、マルチモード光ファイバー30の入射端部を保持する
ファイバーホルダ46が固定されている。またGaN系レ
ーザーダイオードチップLD1〜7に駆動電流を供給す
る配線類47は、パッケージ40の横壁面に形成された開口
を通してパッケージ外に引き出されている。
【0135】なお図20においては、図の煩雑化を避け
るために、GaN系レーザーダイオードチップLD1〜
7のうち1つのGaN系レーザーダイオードチップLD
7にのみ番号を付し、同様にコリメーターレンズアレイ
11〜17のうち1つのコリメーターレンズアレイ17にのみ
番号を付してある。
【0136】GaN系レーザーダイオードチップLD1
〜7としては、発光幅が2μmで、活性層と平行な方
向、直角な方向の拡がり角が一例としてそれぞれ10°、
30°の状態で各々レーザービームB1〜7を発するもの
が用いられている。これらのGaN系レーザーダイオー
ドチップLD1〜7は、活性層と平行な方向に発光点が
1列に並ぶように配設されている。
【0137】他方、マルチモード光ファイバー30として
は、三菱電線工業株式会社製のグレーデッドインデック
ス型光ファイバーを基本として、コア中心部がグレーデ
ッドインデックスで外周部がステップインデックスであ
る、コア径=25μm、NA=0.3、端面コートの透過率
=99.5%以上のものが用いられている。また、コア径が
25または50μm、NAが0.2、端面コート透過率が99.5
%以上のステップインデックス光ファイバーを用いても
よい。以上のように高輝度化されたファイバー光源を用
いるには、コア径×NAの値が10μm以下であることが
望ましい。
【0138】本実施の形態の構成においては、レーザー
ビームB1〜7のマルチモード光ファイバー30への結合
効率が0.9となる。したがって、GaN系レーザーダイ
オードチップLD1〜7の各出力(複数のレーザービー
ムの合計出力)が100mWのときには、出力630mW(=
100mW×0.9×7)の合波レーザービームBが得られる
ことになる。
【0139】以上説明した紫外光高輝度合波ファイバー
モジュールは図22に示すように、マルチモード光ファ
イバー30の出射端部を1次元アレイ状に配設して、それ
らのマルチモード光ファイバー30の各々から高輝度の紫
外レーザービームBを射出する光源装置を構成すること
ができる。具体的には、出力630mWの合波レーザービ
ームBを出射させるマルチモード光ファイバー30を16本
並べることで、10Wもの超高出力でかつ高光密度{10W
/(125μm×16本)=5W/mm}を実現でき、エネ
ルギー効率もGaN系レーザーダイオードチップの発光
効率と同等のほぼ15%という高い値を実現できる。
【0140】また、上記マルチモード光ファイバー30の
出射端部をバンドル状に配設して、光源装置を構成する
ことも可能である。そのような光源装置は、1次元ある
いは2次元空間光変調素子と組み合わせて、画像露光装
置に好適に利用され得るものとなる。そのような画像露
光装置については、後に詳しく説明する。
【0141】次に、図23を参照して本発明の別の実施
形態による合波レーザー光源について説明する。なおこ
の図23において、図18中の要素と同等の要素には同
番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の
ない限り省略する。
【0142】この合波レーザー光源は、図18に示した
合波レーザー光源と比べると、個別に形成された7個の
コリメーターレンズアレイ11〜17に代えて、レンズ要素
50aがすべて一体的に並設されてなるコリメーターレン
ズアレイ50が用いられた点が基本的に異なるものであ
る。
【0143】前述した通りの形状とされた7個のコリメ
ーターレンズアレイ11〜17を用いる場合も、それらを互
いに密接配置して、GaN系レーザーダイオードチップ
LD1〜7の配置ピッチを小さくし、空間利用効率を高
めることができるが、上述のコリメーターレンズアレイ
50を用いることにより、その効果をより一層高めること
が可能である。また、そのようにして空間利用効率が高
められると、GaN系レーザーダイオードチップLD1
〜7、集光光学系およびマルチモード光ファイバー30の
組立位置精度を比較的緩くできるという効果も得られ
る。以下、その理由について詳しく説明する。
【0144】図23の中に示すように、コリメーターレ
ンズアレイ50の各レンズ要素50aの焦点距離および開口
数をそれぞれf、NA、集光レンズ20の焦点距離を
、マルチモード光ファイバー30の開口数をNA
空間利用効率をηとする。なおこの空間利用効率ηは、
レーザービームB1と〜レーザービームB7とで挟まれ
る空間中で、7本のレーザービームB1〜7の光路が占
める割合で規定するものであり、図23の場合のように
7本のレーザービームB1〜7の光路が互いに完全密接
する状態がη=1である。
【0145】上記の条件下では、レンズ系の倍率a、つ
まりGaN系レーザーダイオードチップLD1〜7の各
発光点におけるビームスポット径に対する、マルチモー
ド光ファイバー30のコア端面上におけるビームスポット
径の比は下式で与えられる。なおNは合波本数である。
【0146】
【数1】 この式から明らかな通り、空間利用効率ηがより大きい
ほど倍率Mは低下する。そして倍率aがより小さいほ
ど、GaN系レーザーダイオードチップLD1〜7、集
光光学系およびマルチモード光ファイバー30の相対位置
関係がずれた際に、レーザービームB1〜7がマルチモ
ード光ファイバー30のコア端面上で動く距離が小さくな
る。そこで、GaN系レーザーダイオードチップLD1
〜7、集光光学系およびマルチモード光ファイバー30の
組立位置精度を比較的緩くしておいても、レーザービー
ムB1〜7をマルチモード光ファイバー30のコア30aに
正常に入射させることが可能になる。このように組立位
置精度を緩くできれば、さらに合波本数を増やすことも
可能になり、高出力化できる。これは、上記空間利用効
率ηが大きいと倍率Mが低下することにより、合波本数
を増やすことで倍率Mが増大することを補って、合波本
数を多く設定できるからである。
【0147】以上、合波本数を7本とした2つの実施の
形態について説明したが、本発明の合波レーザー光源に
おける合波本数はこの7本に限られるものではなく、2
本以上のいずれの数が選択されてもよい。
【0148】また、複数のレーザーダイオードチップを
ヒートブロック等の支持部材に1列に並べて固定する場
合は、各々複数のレーザーダイオードチップを固定した
その支持部材を複数積層した構造を採用して、多数のレ
ーザーダイオードチップを2次元的に配列させることが
できる。
【0149】以上のようにして多数のレーザーダイオー
ドチップを、レーザービームの照射を受ける側から見た
状態で2次元的に配列すれば、多数のレーザーダイオー
ドチップを高密度に配置できるから、1本のマルチモー
ド光ファイバーにより多数のレーザービームを入射させ
ることが可能となって、より高出力の合波レーザービー
ムを得ることができる。
【0150】次に図24〜28を参照して、図20およ
び21に示した紫外光高輝度合波ファイバーモジュール
を利用した画像露光装置について説明する。
【0151】図24は、この画像露光装置110Aの全体
形状を示すものである。図示の通りこの画像露光装置11
0Aは、複数のレーザービームを生成する光源ユニット1
20と、光源ユニット120で生成された複数のレーザービ
ームを集光する露光ヘッド130と、露光ヘッド130を副走
査方向に沿って移動させる露光ヘッド移動部140と、画
像が記録される記録媒体Fが装着されかつ該記録媒体F
が主走査方向に移動するように図24の矢印R方向に回
転駆動されるドラム150と、主として光源ユニット120の
冷却用の風(以下、「冷却風」という。)を生成する冷
却用ブロア160とを含んで構成されている。
【0152】なお記録媒体Fは、ドラム150に巻き付け
ることができる可撓性記録材料であって、具体的には感
光もしくは感熱性のフィルム、感光もしくは感熱性の印
刷用刷版等である。また、このように記録媒体Fをドラ
ム150に巻き付ける形態ではなく、ドラム150自体が感光
もしくは感熱性を有する場合にも、本発明は同様に適用
可能である。
【0153】光源ユニット120には、図20および21
に示した紫外光高輝度合波ファイバーモジュール(以
下、単に合波ファイバーモジュールという)121が表面
に配置され、裏面に放熱フィン123(図25も参照)が
設けられた光源基板124と、光源基板124の一端部に垂直
に取り付けられると共にSC型光コネクタ125Aのアダ
プタが複数(合波ファイバーモジュール121と同数)設
けられたアダプタ基板125と、光源基板124の他端部に水
平に取り付けられると共に記録媒体Fに記録する画像の
画像データに応じて合波ファイバーモジュール121を駆
動するLDドライバー回路126(図27も参照)が設け
られたLDドライバー基板127とが備えられている。
【0154】合波ファイバーモジュール121に接続され
た光ファイバー30の他端部には各々SC型光コネクタ12
5Aのプラグが設けられており、該プラグはアダプタ基
板125に設けられたアダプタの一方の挿入口に嵌合され
ている。したがって、各合波ファイバーモジュール121
から射出されたレーザービームは光ファイバー30によっ
て、アダプタ基板125に設けられているアダプタの略中
央位置まで伝送される。
【0155】また、LDドライバー基板127に設けられ
ているLDドライバー回路126における合波ファイバー
モジュール121の駆動用信号の出力端子は合波ファイバ
ーモジュール121に個別に接続されており、各合波ファ
イバーモジュール121は、LDドライバー回路126によっ
て各々個別に駆動が制御される。
【0156】一方、露光ヘッド130には、上記複数の合
波ファイバーモジュール121から射出された各レーザー
ビームBを取りまとめて射出するファイバーアレイ部13
1が備えられている。このファイバーアレイ部131には、
各々アダプタ基板125に設けられた複数のアダプタの他
方の挿入口に、一端部に設けられたSC型光コネクタの
プラグが嵌合された複数のマルチモード光ファイバー17
0によって、各合波ファイバーモジュール121から射出さ
れたレーザービームBが伝送される。
【0157】図26には、ファイバーアレイ部131を図
24の矢印A方向に見た状態が示されている。同図に示
すようにこのファイバーアレイ部131は、各々片面に合
波ファイバーモジュール121の数の半数のV字溝が相隣
接して設けられた2枚の基台131Aが、上記V字溝が対
向するように配置されると共に、各V字溝に対して各光
ファイバー170の他端部が1本ずつ嵌め込まれて構成さ
れている。したがって、ファイバーアレイ部131から
は、各合波ファイバーモジュール121から射出された複
数のレーザービームが所定間隔ごとに同時に出射される
ことになる。
【0158】また、図24に示すように露光ヘッド130
には、ファイバーアレイ部131側より、コリメータレン
ズ132、開口部材133、および結像レンズ134が順に配列
されている。なお開口部材133は、開口部がファイバー
アレイ部131のレーザービーム出射口からみてファーフ
ィールド(far field )の位置となるように配置されて
いる。これによって、ファイバーアレイ部131における
複数の光ファイバー170の出射端から出射された全ての
レーザービームBに対して同等の光量制限効果を与える
ことができる。
【0159】一方、露光ヘッド移動部140には、長手方
向が副走査方向に沿うように配置されたボールネジ141
および2本のレール142が備えられており、ボールネジ1
41を回転駆動する副走査モータ143(図27も参照)を
作動させることによって、一部がボールネジ141に螺合
された露光ヘッド130を、レール142に案内された状態で
副走査方向に移動させることができる。
【0160】また、ドラム150は主走査モータ151(図2
7も参照)を作動させることによって図12の矢印R方
向に回転され、これによって主走査がなされる。
【0161】一方、冷却用ブロア160は、図24および
図27に示すように、該冷却用ブロア160によって生成
された冷却風の風向きが、光源基板124に設けられた放
熱フィン123および全ての光ファイバー30の双方に当る
方向となるように配置されている。したがって、冷却用
ブロア160により生成された冷却風によって、各合波フ
ァイバーモジュール121の駆動時における温度上昇を抑
制することができると共に、各光ファイバー30を強制的
に振動させることができる。
【0162】次に図27を参照して、この画像露光装置
110Aの制御系の構成について説明する。同図に示すよ
うに該制御系は、画像データに応じて各合波ファイバー
モジュール121を駆動するLDドライバー回路126と、主
走査モータ151を駆動する主走査モータ駆動回路181と、
副走査モータ143を駆動する副走査モータ駆動回路182
と、冷却用ブロア160を駆動する冷却用ブロア駆動回路1
83と、LDドライバー回路126、主走査モータ駆動回路1
81、副走査モータ駆動回路182および冷却用ブロア駆動
回路183を制御する制御回路180とを備えている。ここで
制御回路180には、記録媒体Fに記録する画像を示す画
像データが供給される。
【0163】次に、以上のように構成された画像露光装
置110Aの作用について、図28に示すフローチャート
を参照しつつ説明する。なお図28は、画像露光装置11
0Aによって画像記録を行う際の処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【0164】まず、記録媒体Fに記録する画像を担持し
た画像データを、画像記録に際して該画像の画像データ
を一時的に記憶する不図示の画像メモリから制御回路18
0に転送する(ステップS100)。制御回路180は、転送
されてきた画像データ、および記録画像の予め定められ
た解像度を示す解像度データに基づいて調整された信号
をLDドライバー回路126、主走査モータ駆動回路181、
および副走査モータ駆動回路182に供給する。
【0165】次いで制御回路180は、冷却用ブロア160の
駆動を開始するように冷却用ブロア駆動回路183を制御
する(ステップS102)。これにより、冷却用ブロア160
によって生成された冷却風による各合波ファイバーモジ
ュール121の冷却動作が開始されると共に、各光ファイ
バー30の振動が開始される。
【0166】ここで、各光ファイバー30の振動を、光フ
ァイバー30から出射された光の光量変動を1主走査時間
の間にランダム化させることができる振動とすることに
よって、記録媒体F上に記録される画像のむらを低減す
ることができる。そこで本実施の形態では、このような
振動とすることができる風量で、かつ本来の目的である
放熱フィン123の冷却に必要とされる風量を実験やコン
ピュータ・シミュレーション等によって予め得ておき、
この風量となるように冷却用ブロア駆動回路183が冷却
用ブロア160の駆動を制御している。
【0167】次に主走査モータ駆動回路181は、制御回
路180から供給された信号に基づいて上記解像度データ
に応じた回転速度でドラム150を図24の矢印R方向に
回転させるように主走査モータ151を制御し(ステップ
S104)、副走査モータ駆動回路182は、上記解像度デー
タに応じて副走査モータ143による露光ヘッド130の副走
査方向に対する送り間隔を設定する(ステップS10
6)。
【0168】次にLDドライバー回路126は、画像デー
タに応じて各合波ファイバーモジュール121の駆動を制
御する(ステップS108)。
【0169】各合波ファイバーモジュール121から射出
されたレーザービームBは、光ファイバー30、SC型光
コネクタ125A、および光ファイバー170を介してファイ
バーアレイ部131から出射され、コリメータレンズ132に
よって平行光束とされた後、開口部材133によって光量
が制限され、結像レンズ134を介してドラム150上の記録
媒体Fに集光される。
【0170】この場合、記録媒体Fには、各合波ファイ
バーモジュール121から射出された複数のレーザービー
ムBに応じて複数のビームスポットが形成される。これ
らのビームスポットにより、露光ヘッド130が上記ステ
ップS106で設定された送り間隔のピッチで副走査方向
に送られると共に、上記ステップS104により開始され
たドラム150の回転によって、解像度が上記解像度デー
タによって示される解像度となる2次元画像が記録媒体
F上に露光、記録される(ステップS110)。
【0171】記録媒体F上への2次元画像の記録が終了
すると、主走査モータ駆動回路181は主走査モータ151の
回転駆動を停止し(ステップS112)、制御回路180は冷
却用ブロア160の駆動を停止するように冷却用ブロア駆
動回路183を制御し(ステップS114)、その後に本処理
を終了する。
【0172】本処理によって、記録媒体Fへの所定解像
度による2次元画像の記録がなされると共に、この画像
記録の間には冷却用ブロア160が駆動されるので、光フ
ァイバー30がランダムに振動され、光ファイバー30を伝
搬するレーザービームに対して白色ノイズ的な雑音を重
畳させることができ、その結果、記録された2次元画像
にswathむらやビートむら等の画像むらが発生する
ことを防止できる。
【0173】次に図29を参照して、本発明の合波レー
ザー光源のさらに別の実施形態について説明する。本実
施の形態の合波レーザー光源は、図18に示した合波レ
ーザー光源と比べると、7つのコリメーターレンズアレ
イ11〜17およびの集光レンズ20に代えて、1つの集光レ
ンズ620が用いられている点が異なるものである。集光
レンズ620は、1列にアレイ状に並設された複数のコリ
メーターレンズ部分622と、1つの集光レンズ部分624と
が一体的に形成されてなるものである。なおこのような
集光レンズ620は、合成樹脂あるいはガラスを好適に用
いて形成される。
【0174】上述のような集光レンズ620を用いること
により、光学系の組立位置精度を緩くすることができ、
合波本数をより多くして高出力化を達成できる。さらに
この場合は、コリメーターレンズの位置調整作業が、1
つのレンズの位置を調整するだけで済むので、この作業
が簡素化される。
【0175】なお本発明は、以上説明した実施の形態の
あらゆる組み合わせの形態を取り得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるレーザーダイオー
ドアレイを示す斜視図
【図2】上記レーザーダイオードアレイを構成するマル
チキャビティレーザーダイオードチップを示す斜視図
【図3】上記レーザーダイオードアレイを備えた光源装
置の斜視図
【図4】上記光源装置の平面図
【図5】本発明のレーザーダイオードアレイを備えた別
の光源装置の平面図(1)と側面図(2)
【図6】本発明のレーザーダイオードアレイの実装構造
を示す正面図
【図7】上記実装構造の一部を示す斜視図
【図8】上記実装構造を有するレーザーダイオードアレ
イにおける発光点移動量を、従来のレーザーダイオード
における発光点移動量と比較して示すグラフ
【図9】上記実装構造を有するレーザーダイオードアレ
イにおけるサブマウントの熱膨張係数と、発光点に作用
する応力との関係を示すグラフ
【図10】上記実装構造を有するレーザーダイオードア
レイにおけるサブマウントの厚さと、発光点に作用する
応力との関係を示すグラフ
【図11】本発明の一実施の形態によるレーザー装置の
側面図
【図12】図11のレーザー装置の正面図
【図13】図11のレーザー装置の平面図
【図14】本発明の別の実施の形態によるレーザー装置
の側面図
【図15】図14のレーザー装置の正面図
【図16】本発明のさらに別の実施の形態によるレーザ
ー装置の側面図
【図17】図16のレーザー装置の正面図
【図18】本発明の一実施の形態による合波レーザー光
源を示す平面図
【図19】上記合波レーザー光源を構成する半導体レー
ザーの部分を示す斜視図
【図20】上記合波レーザー光源を備えた紫外光高輝度
合波ファイバーモジュールを示す平面図
【図21】上記紫外光高輝度合波ファイバーモジュール
の側面図
【図22】上記合波レーザー光源を複数用いる光源装置
の斜視図
【図23】本発明の合波レーザー光源の別の実施の形態
を示す平面図
【図24】本発明の一実施の形態による露光装置の斜視
【図25】上記露光装置の一部を示す斜視図
【図26】上記露光装置の一部を示す正面図
【図27】上記露光装置の電気的構成を示すブロック図
【図28】上記露光装置における画像露光に関わる処理
の流れを示すフローチャート
【図29】本発明の合波レーザー光源の別の実施の形態
を示す平面図
【符号の説明】
9 サブマウント 10 ヒートブロック 11〜17 コリメーターレンズ 20 集光レンズ 30 マルチモード光ファイバー 30a マルチモード光ファイバーのコア 50 コリメーターレンズアレイ 110A 画像露光装置 120 光源ユニット 121 合波ファイバーモジュール 130 露光ヘッド 140 露光ヘッド移動部 150 ドラム 170 マルチモード光ファイバー 250 合波光学系 251 マルチモード光ファイバー 261 マイクロレンズアレイ 262 集光レンズ 270 合波光学系 310 レーザーダイオードアレイ 311 ヒートブロック 312 マルチキャビティレーザーダイオードチップ 313 ロッドレンズ 314 レンズアレイ 315 レンズマウント 320 集光レンズ 321、332 空間光変調素子 330 シリンドリカルレンズ 331 集光レンズ 410、410’、410”、440 レーザー装置 411、411’、411” ヒートブロック 411a ヒートブロックのレーザー固定面 411b ヒートブロックのレンズ規定面 412 マルチキャビティレーザーダイオードチップ 412a 発光点 412B レーザービーム 414、450 コリメーターレンズアレイ 14a、50a コリメーターレンズ 414b、450b コリメーターレンズアレイの取付端面 420 集光レンズ 430 マルチモード光ファイバー 504、506、509 Au/Pt/Tiメタライズ層 505、508 Au/Niメッキ層 507、511 共晶点AuSn半田 620 集光レンズ 622 コリメーターレンズ部分 624 集光レンズ部分 LD1〜7 GaN系レーザーダイオードチップ B1〜7 レーザービーム B 合波されたレーザービーム F 記録媒体 O 発光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵町 照彦 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H097 AA16 AB06 CA03 CA17 5F073 AB05 AB21 AB27 AB28 BA07 CA02 EA24 FA07 FA08 FA14 FA15 FA18 FA22 FA30

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発光点を有するマルチキャビティ
    レーザーダイオードチップが、複数個並べて固定されて
    なるレーザーダイオードアレイ。
  2. 【請求項2】 前記複数のマルチキャビティレーザーダ
    イオードチップが、それぞれの発光点の並び方向と同じ
    方向に並べて固定されていることを特徴とする請求項1
    記載のレーザーダイオードアレイ。
  3. 【請求項3】 前記マルチキャビティレーザーダイオー
    ドチップの1つ当たりのキャビティ数が2〜10個であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のレーザーダ
    イオードアレイ。
  4. 【請求項4】 前記マルチキャビティレーザーダイオー
    ドチップの1つ当たりのキャビティ数が2〜6個である
    ことを特徴とする請求項3記載のレーザーダイオードア
    レイ。
  5. 【請求項5】 前記複数のマルチキャビティレーザーダ
    イオードチップの各々のチップ幅が3mm以下であり、 それらのマルチキャビティレーザーダイオードチップが
    固定ブロックに、発光位置高さバラツキを5μm以下と
    してジャンクションダウン構造で固定されていることを
    特徴とする請求項1から4いずれか1項記載のレーザー
    ダイオードアレイ。
  6. 【請求項6】 前記複数のマルチキャビティレーザーダ
    イオードチップの各々のチップ幅が0.5mm以下であ
    り、 それらのマルチキャビティレーザーダイオードチップが
    固定ブロックに、発光位置高さバラツキを2.5μm以下
    としてジャンクションダウン構造で固定されていること
    を特徴とする請求項5記載のレーザーダイオードアレ
    イ。
  7. 【請求項7】 前記マルチキャビティレーザーダイオー
    ドチップが窒化物系化合物半導体からなるもので、 該マルチキャビティレーザーダイオードチップが、サブ
    マウントを介してCuまたはCu合金製放熱ブロック上
    に実装されており、 前記サブマウントが、熱膨張係数が3.5〜6.0×10−6
    ℃である材料を用いて200〜400μmの厚さに形成され、 このサブマウントに対して前記マルチキャビティレーザ
    ーダイオードチップが、両者の接着面内でAuSn共晶
    点半田およびメタライズ層を複数に分割して、ジャンク
    ションダウン構造で分割接着されていることを特徴とす
    る請求項1から6いずれか1項記載のレーザーダイオー
    ドアレイ。
  8. 【請求項8】 前記マルチキャビティレーザーダイオー
    ドチップの発光部の直下において、前記AuSn共晶点
    半田およびメタライズ層を分割する溝が設けられている
    ことを特徴とする請求項7記載のレーザーダイオードア
    レイ。
  9. 【請求項9】 前記マルチキャビティレーザーダイオー
    ドチップがGaN系レーザーダイオードチップであり、
    前記サブマウントがAlNからなることを特徴とする請
    求項8記載のレーザーダイオードアレイ。
  10. 【請求項10】 前記サブマウントが前記CuまたはC
    u合金製放熱ブロックに対して、AuSn共晶点半田に
    よって接着されていることを特徴とする請求項8または
    9記載のレーザーダイオードアレイ。
  11. 【請求項11】 請求項1から10いずれか1項記載の
    レーザーダイオードアレイを備えたレーザー装置であっ
    て、 前記マルチキャビティレーザーダイオードチップを固定
    保持したブロックと、 前記マルチキャビティレーザーダイオードチップの複数
    の発光点から発せられたレーザービームを各々平行光化
    するコリメーターレンズが複数、一方向に並ぶ状態に一
    体化されてなるコリメーターレンズアレイとを有するレ
    ーザー装置において、 前記ブロックの前記マルチキャビティレーザーダイオー
    ドチップを固定した部分よりも前方側に、該マルチキャ
    ビティレーザーダイオードチップの発光点から所定距離
    離れて、該マルチキャビティレーザーダイオードチップ
    の発光軸に垂直とされた平滑なレンズ規定面が形成さ
    れ、 このレンズ規定面に前記コリメーターレンズアレイの一
    端面を合わせた状態で、該コリメーターレンズアレイが
    前記ブロックに固定されていることを特徴とするレーザ
    ー装置。
  12. 【請求項12】 前記レンズ規定面の平面度が0.5μm
    以下とされていることを特徴とする請求項11記載のレ
    ーザー装置。
  13. 【請求項13】 前記ブロックのマルチキャビティレー
    ザーダイオードチップを固定する面の平面度が0.5μm
    以下とされていることを特徴とする請求項11または1
    2記載のレーザー装置。
  14. 【請求項14】 前記複数のマルチキャビティレーザー
    ダイオードチップが、それぞれの発光点が一方向に並ぶ
    状態に配置され、かつこの配置状態が前記発光点の並び
    方向と交わる方向に複数並んだ状態に配置され、 前記コリメーターレンズアレイが、前記複数のマルチキ
    ャビティレーザーダイオードチップに対応させて、コリ
    メーターレンズの並び方向と交わる方向に並べて複数配
    設されていることを特徴とする請求項11から13いず
    れか1項記載のレーザー装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から10いずれか1項記載の
    レーザーダイオードアレイと、 1本のマルチモード光ファイバーと、 前記レーザーダイオードアレイから出射した複数のレー
    ザービームを集光した上で前記マルチモード光ファイバ
    ーに結合させる集光光学系とを備えてなる合波レーザー
    光源。
  16. 【請求項16】 前記複数のマルチキャビティレーザー
    ダイオードチップが、各々の活性層と平行な方向に発光
    点が1列に並ぶように配設され、 前記集光光学系が、前記発光点の並び方向の開口径が該
    方向に直角な方向の開口径よりも小さく形成されて、各
    マルチキャビティレーザーダイオードチップ毎に設けら
    れた複数のコリメーターレンズ、およびこれらのコリメ
    ーターレンズで平行光化された複数のレーザービームを
    それぞれ集光して前記マルチモード光ファイバーの端面
    で収束させる集光レンズから構成されていることを特徴
    とする請求項15記載の合波レーザー光源。
  17. 【請求項17】 前記複数のコリメーターレンズが一体
    化されて、レンズアレイとして構成されていることを特
    徴とする請求項16記載の合波レーザー光源。
  18. 【請求項18】 前記集光光学系が、レーザーダイオー
    ドアレイから出射した複数のレーザービームをそれぞれ
    平行光化する複数のコリメーターレンズ部分と、これら
    のコリメーターレンズ部分を通過して平行光となったレ
    ーザービームを共通の点に収束させる集光レンズ部分と
    が一体的に形成されてなる集光レンズから構成されてい
    ることを特徴とする請求項15から17いずれか1項記
    載の合波レーザー光源。
  19. 【請求項19】 前記マルチキャビティレーザーダイオ
    ードチップとしてGaN系レーザダイオードチップが用
    いられていることを特徴とする請求項15から18いず
    れか1項記載の合波レーザー光源。
  20. 【請求項20】 前記複数のマルチキャビティレーザー
    ダイオードチップが、レーザービームの照射を受ける側
    から見た状態で2次元的に配列固定されていることを特
    徴とする請求項15から19いずれか1項記載の合波レ
    ーザー光源。
  21. 【請求項21】 前記マルチモード光ファイバーが複
    数、少なくとも出射端部において1次元アレイ状に配設
    され、それらのマルチモード光ファイバーの各々に前記
    複数のマルチキャビティレーザーダイオードチップおよ
    び集光光学系が組み合わされていることを特徴とする請
    求項15から20いずれか1項記載の合波レーザー光
    源。
  22. 【請求項22】 前記マルチモード光ファイバーが複
    数、少なくとも出射端部においてバンドル状に配設さ
    れ、それらのマルチモード光ファイバーの各々に前記複
    数のマルチキャビティレーザーダイオードチップおよび
    集光光学系が組み合わされていることを特徴とする請求
    項15から20いずれか1項記載の合波レーザー光源。
  23. 【請求項23】 請求項21または22に記載の合波レ
    ーザー光源を露光用光源として備えたことを特徴とする
    露光装置。
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