JP4368563B2 - レーザー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザー装置に関し、特に詳細には、複数のレーザーダイオードが複数個並べてブロックに固定されてなるレーザー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紫外域のレーザービームを発生させる装置として、半導体レーザー励起固体レーザーから発せられた赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長変換レーザーや、エキシマレーザーや、Arレーザーが実用に供されている。
【0003】
さらには近時、例えば1998年発行のJpn.Appl.phys.Lett.,Vol.37.p.L1020に示されるように、400nm近傍の波長のレーザービームを発するGaN系半導体レーザー(レーザーダイオード)も提供されている。
【0004】
このような波長のレーザービームを発する光源は、350〜420nmの紫外領域を含んだ所定の波長域(以下「紫外域」という)に感度を有する感光材料を露光する露光装置において、露光用光源として適用することも考えられている。その場合の露光用光源は、当然ながら、感光材料を感光させるのに十分な出力を備えることが求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記エキシマレーザーは、装置が大型で、コストやメンテナンスコストも高いという問題がある。
【0006】
また、赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長変換レーザーは、波長変換効率が非常に低いことから、高出力を得るのは極めて困難になっている。現在のところは、30Wの半導体レーザーで固体レーザー媒質を励起して10Wの基本波(波長1064nm)を発振させ、それを3Wの第2高調波(波長532nm)に変換し、それら両者の和周波である1Wの第3高調波(波長355nm)を得る、というのが現在の実用レベルである。その場合の半導体レーザーの電気−光効率は50%程度であり、そして紫外光への変換効率は1.7%程度と非常に低いものとなっている。そしてこのような波長変換レーザーは、高価な光波長変換素子を用いるために、コストがかなり高いものとなっている。
【0007】
またArレーザーは電気−光効率が0.005%と非常に低く、寿命が1000時間程度と非常に短いという問題がある。
【0008】
一方、GaN系半導体レーザーについては、低転位のGaN結晶基板が得られないことから、ELOGという成長方法によって約5μm程度の低転位領域を作り出し、その上にレーザー領域を形成して高出力化と高信頼性を実現する試みがなされている。しかし、こうして作製されるGaN系半導体レーザーにおいても、大面積に亘って低転位の基板を得るのが難しいので、500mW〜1W級の高出力なものは未だ商品化されていない。
【0009】
また、半導体レーザーの高出力化の別の試みとして、例えば1つで100mWの光を出力するキャビティを100個形成することで10Wの出力を得るようなことも考えられているが、100個程度の多数のキャビティを高歩留まりで作成することは、ほとんど現実性が無いと言える。特に、シングルキャビティの場合でも99%以上の高歩留まり化は困難であるGaN系半導体レーザーにあっては、なおさらである。
【0010】
本出願人は上記の事情に鑑みて、先に特願2000−273849号および同−273870号において、特に高出力が得られるレーザー装置を提案した。
【0011】
特願2000−273849号のレーザー装置は、複数のレーザーダイオードと、1本のマルチモード光ファイバーと、上記複数のレーザーダイオードからそれぞれ出射したレーザービームを集光した上で上記マルチモード光ファイバーに結合させる集光光学系とを備えてなるものである。このレーザー装置の好ましい実施の形態において、上記複数のレーザーダイオードは、それぞれの発光点が一方向に並ぶ状態に配設される。一方特願2000−273870号のレーザー装置は、複数の発光点を有するマルチキャビティレーザーダイオードチップが、複数個並べて固定されてなるものである。
【0012】
上記のように、複数のレーザーダイオードが各発光点が一方向に並ぶ状態に配設されてなるレーザー装置において、通常複数のレーザーダイオードは、CuまたはCu合金製の放熱ブロック等のブロックに固定保持される。
【0013】
また、複数のレーザーダイオードからはそれぞれレーザービームが発散光状態で発せられるので、それらのレーザービームを1点に集束させる等の場合は、まず発散光状態のレーザービームをコリメーターレンズに通して平行光化する必要がある。その際各コリメーターレンズは、互いに別個に配設されてもよいし、あるいは複数が一列に並ぶ状態に一体化されてコリメーターレンズアレイを構成していてもよいが、とにかく、レンズ光軸が各レーザーダイオードの発光軸上に位置する状態に正確に位置合わせする必要がある。もしこの位置合わせが正確になされないと、複数のレーザービームを小さなスポットに集束させることができないので、例えばそれらのレーザービームで前述のように感光材料を感光させて画像露光する場合は、精細な画像露光が不可能になる等の問題が生じる。
【0014】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、複数のレーザーダイオードが各発光点が一方向に並ぶ状態に配設されてなるレーザー装置において、コリメーターレンズを、光軸が各レーザーダイオードの発光軸上に位置する状態に正確に位置合わせ可能とすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によるレーザー装置は、前述したように、
複数のレーザーダイオードと、
これらのレーザーダイオードを、それぞれの発光点が一方向に並ぶ状態に固定保持した1つのブロックと、
上記レーザーダイオードから発せられたレーザービームを各々平行光化するコリメーターレンズが複数、一方向に並ぶ状態に一体化されてなるコリメーターレンズアレイとを備えてなるレーザー装置において、
上記コリメーターレンズの各々が、軸対称レンズの光軸を含む一部を細長く切り取った形状のものであり、
上記ブロックの複数のレーザーダイオードを固定した部分よりも前方側(レーザービームの射出方向側)に、該レーザーダイオードの発光点から所定距離離れて、該レーザーダイオードの発光軸に垂直とされた平滑なレンズ規定面が形成され、
このレンズ規定面に前記コリメーターレンズアレイの一端面を合わせた状態で、該コリメーターレンズアレイが前記ブロックに固定されていることを特徴とするものである。
【0016】
なお上記ブロックのレンズ規定面の平面度は、0.5μm以下とされていることが望ましい。また該ブロックのレーザーダイオードを固定する面の平面度も0.5μm以下とされていることが望ましい。
【0017】
また上記複数のレーザーダイオードは、複数の発光点を有するマルチキャビティレーザーダイオードチップからなることが好ましい。その場合は、マルチキャビティレーザーダイオードチップが複数、前記ブロックに固定されていることがさらに望ましい。
【0018】
あるいはそれに限らず、上記複数のレーザーダイオードは、1つの発光点を有するシングルキャビティレーザーダイオードチップが複数並設されたものであってもよい。
【0019】
そして上述のような複数のレーザーダイオードは、それぞれの発光点が一方向に並ぶ状態に配置され、かつこの配置状態が前記発光点の並び方向と交わる方向に複数並んだ状態に配置されて全体で2次元に配列したものとされ、それとともにコリメーターレンズアレイも複数のレーザーダイオードに対応させて、コリメーターレンズの並び方向と交わる方向に複数並べて配設されていることが望ましい。
【0020】
さらに本発明のレーザー装置においては、複数のレーザーダイオードが前述のブロックに対して、ジャンクションダウン構造で固定されていることが望ましい。なお、このジャンクションダウン構造とは、基板側ではなく、素子形成面側(pn接合側)を熱伝導率が大きい放熱用マウントに固定する構造である。
【0021】
また本発明のレーザー装置においては、レーザーダイオードとして、チップ状態の窒化物系化合物レーザーダイオードが用いられ、
このレーザーダイオードがサブマウントを介してCuまたはCu合金製放熱ブロック上に実装され、
前記サブマウントが、熱膨張係数が3.5〜6.0×10−6/℃である材料を用いて200〜400μmの厚さに形成され、
このサブマウントに対して前記レーザーダイオードが、両者の接着面内でAuSn共晶点半田およびメタライズ層を複数に分割して、ジャンクションダウン構造で分割接着されていることが望ましい。
【0022】
そのような構成とする場合、サブマウントはAlNからなるものであることが望ましい。
【0023】
また上記サブマウントは前記CuまたはCu合金製放熱ブロックに対して、AuSn共晶点半田によって接着されていることが望ましい。
【0024】
【発明の効果】
本発明のレーザー装置は、ブロックの複数のレーザーダイオードを固定した部分よりも前方側に、該レーザーダイオードの発光点から所定距離離れて、該レーザーダイオードの発光軸に垂直とされた平滑なレンズ規定面が形成され、このレンズ規定面にコリメーターレンズアレイの一端面を合わせた状態で、該コリメーターレンズアレイが前記ブロックに固定されるものであるので、上記状態にしておきながらコリメーターレンズアレイを動かすことにより、コリメーターレンズをレーザーダイオードの発光軸に垂直な面内で移動させて、レンズ光軸が上記発光軸に一致する状態に正確かつ簡単に位置合わせすることができる。
【0025】
そしてこの位置合わせが完了した後に、上記状態を保ったままコリメーターレンズアレイをブロックに固定すれば、コリメーターレンズアレイは必ずその上記一端面がレーザーダイオードの発光点から上記所定距離だけ離れた状態で固定されることになる。したがって上記所定距離を、コリメーターレンズの焦点位置がレーザーダイオードの発光点に来るようになる距離にしておけば、コリメーターレンズの光軸方向位置も必ず適正な位置、つまり発散光であるレーザービームを正確に平行光化する位置に設定されることになる。
【0026】
なおコリメーターレンズアレイを上記ブロックに固定するためには、コリメーターレンズアレイの上記一端面とブロックのレンズ規定面とを固着してもよいし、あるいは該アレイの上記一端面とは別の例えば光軸に平行な面を、ブロックにおいてレーザーダイオードの発光軸と平行に形成された固定面に固着してもよい。
【0027】
ここで、上記ブロックのレンズ規定面の平面度が0.5μm以下とされている場合は、このブロックにコリメーターレンズアレイを固定する際の該アレイの動きを抑制して、正確に位置合わせすることが可能になる。
【0028】
また、ブロックのレーザーダイオードを固定する面の平面度が0.5μm以下とされている場合は、このブロックにレーザーダイオードを例えばロウ材で固定する際の該レーザーダイオードの動きを抑制して、それを正確な位置に固定することができる。
【0029】
また複数のレーザーダイオードが、複数の発光点を有することによりそれ自身高出力であるマルチキャビティレーザーダイオードチップが複数、ブロックに固定されてなる場合は、特に高い出力が得られるものとなる。
【0030】
また複数のレーザーダイオードが、それぞれの発光点が一方向に並ぶ状態に配置され、かつこの配置状態が発光点の並び方向と交わる方向に複数並んだ状態に配置されて全体で2次元に配列したものとされ、それとともにコリメーターレンズアレイも複数のレーザーダイオードに対応させて、コリメーターレンズの並び方向と交わる方向に複数配設されている場合は、より多数のレーザーダイオードを高密度に配置して特に高出力の合波ビームを得ることが可能になる。
【0031】
また本発明のレーザー装置において、レーザーダイオードとして、チップ状態の窒化物系化合物レーザーダイオードが用いられ、このレーザーダイオードがサブマウントを介してCuまたはCu合金製放熱ブロック上に実装され、前記サブマウントが、熱膨張係数が3.5〜6.0×10−6/℃である材料を用いて200〜400μmの厚さに形成され、このサブマウントに対して前記レーザーダイオードが、両者の接着面内でAuSn共晶点半田およびメタライズ層を複数に分割して、ジャンクションダウン構造で分割接着されている場合は、コストが低く熱伝導性も高いCuまたはCu合金から形成された放熱ブロックを用いたことにより、レーザーダイオードが発する熱を良好に放熱することができ、そして安価に作製可能となる。またこの場合は、サブマウントに対してレーザーダイオードがジャンクションダウン構造で固定されていることにより、レーザーダイオードの基板側をサブマウントに固定する場合と比べてその発光部がサブマウントに、ひいては放熱ブロックに対してより近接して位置するので、この点からも良好に放熱がなされるものとなる。
【0032】
またAuSn共晶点半田は経時位置変化特性に優れているので、それによりレーザーダイオードとサブマウントとが接着されていれば、レーザーダイオードの発光点位置の経時的変動を効果的に抑制できるものとなる。
【0033】
さらに上記の構成においては、サブマウントが、熱膨張係数が3.5〜6.0×10−6/℃である材料を用いて200〜400μmの厚さに形成されていることにより、半田接着時の熱歪によってレーザーダイオードが劣化することも防止可能となる。その理由については、後に示す本発明の実施の形態に沿って詳しく説明する。
【0034】
さらに、サブマウントとレーザーダイオードの両者の接着面内でAuSn共晶点半田が複数に分割されていれば、この接着部で発生する歪を小さく抑えることも可能になる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0036】
図1、2および3はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態によるレーザー装置10の側面形状、正面形状および平面形状を示すものである。図示されるようにこのレーザー装置10は、銅からなるヒートブロック(ステム)11上に、一例として2個のマルチキャビティレーザーダイオードチップ12,12と、合成樹脂あるいはガラスからなるコリメーターレンズアレイ14とが固定されてなる。
【0037】
マルチキャビティレーザーダイオードチップ12は、一例としてGaN系レーザーダイオードからなる発振波長が405nmのもので、5個のキャビティを備えたもの、つまり5個の発光点12aを有するものとされている。そして2個のマルチキャビティレーザーダイオードチップ12は、それぞれの発光点12aの並び方向と同じ方向に並べて固定されている。本実施の形態において、上記5個の発光点12aは0.35mmのピッチで形成され、各々から出力30mWのレーザービーム12Bが発せられる。
【0038】
一方ヒートブロック11は、上記2個のマルチキャビティレーザーダイオードチップ12を固定する水平なレーザー固定面11aと、マルチキャビティレーザーダイオードチップ12を固定した部分よりも前方側(レーザービーム12Bの射出方向)に形成されたレンズ規定面11bと、上記発光点12aから発散光状態で射出されるレーザービーム12Bのケラレを回避する凹部11cとを有している。
【0039】
上記レーザー固定面11aは、平面度が0.5μm以下である高平坦面に加工されている。2個のマルチキャビティレーザーダイオードチップ12は、熱拡散性を確保してその温度上昇を抑制するために、それぞれレーザー固定面11aにロウ材を用いて固定され、また両チップ12、12どうしもロウ材により固定される。
【0040】
上記レンズ規定面11bは、マルチキャビティレーザーダイオードチップ12の各発光点12aから所定距離離れて、該マルチキャビティレーザーダイオードチップ12の発光軸Oに垂直に形成されている。またこのレンズ規定面11bも、平面度が0.5μm以下である高平坦面に加工されている。
【0041】
またコリメーターレンズアレイ14は、10個のコリメーターレンズ14aが一列に一体的に固定されてなるものである。本実施の形態において1つのコリメーターレンズ14aは、軸対称レンズの光軸を含む一部を細長く切り取った形状とされ、その焦点距離fは0.9mm、有効高さは1.1mmで、レーザービーム12Bの断面形状に合わせて縦横比が例えば3:1とされている。これら10個のコリメーターレンズ14aのうち左側5個のピッチ、右側5個のピッチは、それぞれマルチキャビティレーザーダイオードチップ12の発光点ピッチに合わせて0.35mm(誤差は0.2μm以下)とされている。またこれら左側5個、右側5個のコリメーターレンズ14aの間には、2個のマルチキャビティレーザーダイオードチップ12の間の隙間に対応させて、0.05mmの隙間14cが設けられている。
【0042】
さらにコリメーターレンズアレイ14は、10個のコリメーターレンズ14aが並んだ部分から左右に張り出した部分を有し、この部分の後方端面は高平坦面に加工されて、ヒートブロック11への取付端面14bとされている。コリメーターレンズアレイ14は、これら2箇所の取付端面14bを前記レンズ規定面11bに接着剤を用いて接着する等により、ヒートブロック11に固定される。
【0043】
その際、マルチキャビティレーザーダイオードチップ12の10本の発光軸Oと、各コリメーターレンズ14aの光軸とが一致する状態にコリメーターレンズアレイ14を位置合わせする必要がある。本実施の形態の場合は、コリメーターレンズアレイ14の取付端面14bをレンズ規定面11bに押しつけながら、このコリメーターレンズアレイ14をレンズ光軸に垂直な面内で上下左右に動かして、上述の位置合わせを正確かつ簡単に行うことができる。
【0044】
ヒートブロック11におけるコリメーターレンズアレイ14の固定位置とレンズ規定面11bとの位置関係は、上記のようしてコリメーターレンズアレイ14がヒートブロック11に固定されたとき、各コリメーターレンズ14aの焦点位置がマルチキャビティレーザーダイオードチップ12の各発光点12aに来るように設定されている。そこで、コリメーターレンズアレイ14がヒートブロック11に固定されると、コリメーターレンズ14aの光軸方向位置は、自動的に適正な位置、つまり発散光であるレーザービーム12Bを正確に平行光化する位置に設定されることになる。
【0045】
なおコリメーターレンズアレイ14をヒートブロック11に固定するためには、上記のようにコリメーターレンズアレイ14の取付端面14bをヒートブロック11のレンズ規定面11bに固着する他、それらの面とは異なる面どうしを固着するようにしてもよい。例えば、ヒートブロック11に図1において右方に張り出したマウント部を形成しておき、コリメーターレンズアレイ14の光軸に平行な面、例えば図1中の下端面をそのマウント部の上面に固着してもよい。
【0046】
ここで本実施の形態では、ヒートブロック11のレンズ規定面11bが前述の通りの高平坦面とされているので、このヒートブロック11にコリメーターレンズアレイ14を固定する際の該アレイ14の動きを抑制して、正確に上記位置合わせを行うことが可能になる。
【0047】
また、ヒートブロック11のレーザー固定面11aも前述の通りの高平坦面とされているので、マルチキャビティレーザーダイオードチップ12をヒートブロック11に固定する際の該チップ12の動きを抑制して、それを正確な位置に固定することができる。
【0048】
以上説明した本実施の形態のレーザー装置10は図1に示されている通り、複数のレーザービーム12Bを1本に合波して、高強度のレーザービームを得るために使用されている。すなわち、このレーザー装置10のヒートブロック11はベース板21上に固定され、該ベース板21上にはさらに集光レンズ20を保持する集光レンズホルダ22と、ファイバーホルダ23aとが固定されている。そしてこのファイバーホルダ23aには、マルチモード光ファイバー30の入射端部を保持するファイバーホルダ23が固定されている。
【0049】
上記の構成において、コリメーターレンズアレイ14の各コリメーターレンズ14aによって平行光とされた10本のレーザービーム12Bは、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバー30のコア(図示せず)の入射端面上で収束する。これらのレーザービーム12Bはマルチモード光ファイバー30のコアに入射してそこを伝搬し、1本のレーザービームに合波されてマルチモード光ファイバー30から出射する。なおマルチモード光ファイバー30としては、ステップインデックス型のもの、グレーデッドインデックス型のもの、およびそれらの複合型のものが全て適用可能である。
【0050】
本実施の形態において、集光レンズ20は幅が6mm、有効高さが1.8mm、焦点距離が14mmのトランケート型レンズである。またマルチモード光ファイバー30はコア径が50μm、NA(開口数)が0.2のものである。10本のレーザービーム12Bは集光レンズ20により集光されて、マルチモード光ファイバー30のコア端面に集光スポット径約30μmで収束する。これらのレーザービーム12Bのファイバー結合における損失、およびコリメーターレンズ14a並びに集光レンズ20を透過する際の損失の合計は10%である。その場合、各レーザービーム12Bの出力が前述のように30mWであるならば、270mWの高出力、高輝度の合波レーザービームが得られることになる。
【0051】
なお、発光点を5個有するマルチキャビティレーザーダイオードチップ12を2つ用いる代わりに、発光点を10個有するマルチキャビティレーザーダイオードチップを1つ用いてもよい。しかし、マルチキャビティレーザーダイオードチップは発光点が増えてチップ幅が大きくなるほど、作製に際して一般に「スマイル」と称される撓みが発生しやすい。この撓み発生を防止する上では、比較的発光点の少ないマルチキャビティレーザーダイオードチップを複数並べて使用するのが好ましい。
【0052】
また、マルチキャビティレーザーダイオードチップの発光点数や、それを複数設置する場合の設置数は勿論上記の例に限定されるものではなく、例えば7個の発光点を有するマルチキャビティレーザーダイオードチップを2つ設置して、14本のレーザービームを発生させることも可能である。さらには、5個の発光点を有するマルチキャビティレーザーダイオードチップを3つ設置して、15本のレーザービームを発生させることも可能である。この後者の場合、上記実施の形態と同様に1本のレーザービームの出力が30mWで、損失10%で1本に合波するものとすると、405mWの高出力、高輝度の合波レーザービームが得られる。
【0053】
なお、図1に示される合波モジュールの全体を密閉容器内に気密封止して配置することにより、長寿命化を達成することができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4および5はそれぞれ、本発明の第2の実施の形態によるレーザー装置10’の側面形状および正面形状を示すものである。なおこれらの図4および5において、図1〜3中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。またこの第2の実施の形態によるレーザー装置10’の平面形状は、第1の実施の形態によるレーザー装置10の平面形状(図3参照)と基本的に同じであるので、図示は省略する。
【0055】
この第2の実施の形態によるレーザー装置10’は、図1〜3に示したレーザー装置10と比べると基本的に、2つ並設されたマルチキャビティレーザーダイオードチップ12、12が上下に2段配置されている点が異なるものである。つまりここでは、前述したものと同様のヒートブロック11の上に別のヒートブロック11’が積み重ねて固定され、該ヒートブロック11’に、ヒートブロック11に対するのと同じにして2個のマルチキャビティレーザーダイオードチップ12、12およびコリメーターレンズアレイ14が固定されている。なおヒートブロック11’はヒートブロック11と同様にレーザービーム12Bのケラレを回避する凹部11cを有する他、下段のヒートブロック11に固定されるマルチキャビティレーザーダイオードチップ12、12との干渉を避けるための凹部11dを有している。
【0056】
本実施の形態でも、ヒートブロック11および11’の各レンズ規定面11bにコリメーターレンズアレイ14を固定する際に、該レンズ規定面11bで位置規定しながらコリメーターレンズアレイ14をレンズ光軸に垂直な面内で上下左右に動かすことにより、マルチキャビティレーザーダイオードチップ12に対する前述の位置合わせを正確かつ簡単に行うことができる。
【0057】
本実施の形態において、マルチキャビティレーザーダイオードチップ12、コリメーターレンズアレイ14、集光レンズ20およびマルチモード光ファイバー30の仕様は、第1の実施の形態におけるのと同じである。したがってこの場合は、合計20個の発光点からの各レーザービーム12Bの出力が30mWであるならば、540mWの高出力、高輝度の合波レーザービームが得られることになる。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6および7はそれぞれ、本発明の第3の実施の形態によるレーザー装置10”の側面形状および正面形状を示すものである。なおこの第3の実施の形態によるレーザー装置10”の平面形状は、前記第1の実施の形態によるレーザー装置10の平面形状(図3参照)と基本的に同じであるので、図示は省略する。
【0059】
この第3の実施の形態によるレーザー装置10’は、図1〜3に示したレーザー装置10と比べると基本的に、2つ並設されたマルチキャビティレーザーダイオードチップ12、12が上下に3段配置されている点が異なるものである。つまりここでは、前述したものと同様のヒートブロック11の上に別のヒートブロック11’が2つ積み重ねて固定され、それらのヒートブロック11’に各々、ヒートブロック11に対するのと同じにして2個のマルチキャビティレーザーダイオードチップ12、12およびコリメーターレンズアレイ14が固定されている。なお上記ヒートブロック11’は、第2の実施の形態で用いられているものと同じである。
【0060】
本実施の形態でも、ヒートブロック11および2つのヒートブロック11’の各レンズ規定面11bにコリメーターレンズアレイ14を固定する際に、該レンズ規定面11bで位置規定しながらコリメーターレンズアレイ14をレンズ光軸に垂直な面内で上下左右に動かすことにより、マルチキャビティレーザーダイオードチップ12に対する前述の位置合わせを正確かつ簡単に行うことができる。
【0061】
本実施の形態において、マルチキャビティレーザーダイオードチップ12、コリメーターレンズアレイ14、集光レンズ20およびマルチモード光ファイバー30の仕様は、第1の実施の形態におけるのと同じである。したがってこの場合は、合計30個の発光点からの各レーザービーム12Bの出力が30mWであるならば、810mWの高出力、高輝度の合波レーザービームが得られることになる。
【0062】
以上、マルチキャビティレーザーダイオードチップを用いる実施の形態について説明したが、本発明においてはシングルキャビティレーザーダイオードを並設して用いることも可能である。図8は、そのように構成された本発明の第4の実施の形態によるレーザー装置40を示すものである。
【0063】
この第4の実施の形態においては、ヒートブロック11のレーザー固定面11aに、一例として7個のチップ状態の横マルチモードGaN系レーザーダイオードLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6およびLD7が配列固定されている。そしてこのヒートブロック11には、7つのコリメーターレンズ50aが一列に一体的に固定されてなるコリメーターレンズアレイ50が固定されている。このコリメーターレンズアレイ50は、前述したメーターレンズアレイ14の取付端面14bと同様にレンズ配置部分から左右に張り出した取付端面50bを有し、この取付端面50bをレンズ規定面11bに接着等によって固着することにより、ヒートブロック11に固定される。
【0064】
GaN系レーザーダイオードLD1〜7は、発振波長が例えば全て共通の405nmであり、最大出力も全て共通の100mWである。これらのGaN系レーザーダイオードLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6およびLD7から発散光状態で出射したレーザービームB1,B2,B3,B4,B5,B6およびB7は、それぞれコリメーターレンズアレイ50の各コリメーターレンズ50aによって平行光化される。
【0065】
平行光とされたレーザービームB1〜7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバー30のコア30aの入射端面上で収束する。本例ではコリメーターレンズ11〜17および集光レンズ20によって集光光学系が構成され、それとマルチモード光ファイバー30とによって合波光学系が構成されている。すなわち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザービームB1〜7がこのマルチモード光ファイバー30のコア30aに入射してそこを伝搬し、1本のレーザービームBに合波されてマルチモード光ファイバー30から出射する。
【0066】
本実施の形態でも、上述のようにしてヒートブロック11のレンズ規定面11bにコリメーターレンズアレイ50を固定する際に、該レンズ規定面11bで位置規定しながらコリメーターレンズアレイ50をレンズ光軸に垂直な面内で上下左右に動かすことにより、GaN系レーザーダイオードLD1〜7に対する各コリメーターレンズ50aの位置合わせを正確かつ簡単に行うことができる。
【0067】
また本発明は、光ファイバーを用いて複数本のレーザービームを1本に合波する構成に限らず、平行光化した複数本のレーザービームを集光レンズによって集光し、それらの各レーザービームを例えば複数の変調部が1次元に配列されてなる空間変調素子の各変調部で収束させて、独自に変調するような構成に適用することも可能である。そのような空間変調素子としては、ライン状の液晶空間変調素子やDMD(デジタル・ミラー・デバイス)やGLV(グレーティング・ライトバルブ)等が用いられ得る。
【0068】
また本発明に用いるコリメーターレンズアレイは、前述した図1や図8の集光レンズ20と一体化して、集光作用も備えるように形成されてもよい。
【0069】
さらに本発明は、平行光化した後の複数本のレーザービームを特に集光はしない構成においても同様に適用可能で、その場合にも前述した本発明の効果を得ることができる。
【0070】
また本発明のレーザー装置において、レーザーダイオードとしては、GaN系レーザーダイオードに限らず、その他の種類のものを適用することも勿論可能である。
【0071】
次に、本発明のレーザー装置におけるレーザーダイオードの好ましい実装構造について説明する。図9は、窒化物系化合物レーザーダイオードの一つであるGaN系レーザーダイオードLDが、Cu放熱ブロック10上に実装された状態を示す正面図である。なおここではシングルキャビティのGaN系レーザーダイオードLDについて説明するが、この実装構造はマルチキャビティレーザーダイオードにも適用可能である。
【0072】
まず図10に示すように、AlNサブマウント9の下表面にAu/Pt/Tiメタライズ層504が形成され、またその上表面にはAu/Niメッキ層505および段差を有するAu/Pt/Tiメタライズ層506が形成される。ここで、本発明でいうところのサブマウントの厚さは、上記各層504〜506は含まない厚さ、つまり図10のd寸法である。
【0073】
上記のように段差を有するAu/Pt/Tiメタライズ層506は、例えば一様に厚く該メタライズ層506を形成した後、低くする部分をイオンミリングのようなドライプロセスあるいはエッチャントによるウェットプロセスによって除去する方法や、さらには、低くする方の層の高さ分だけメタライズした後、低くする部分をマスキングした上で再度メタライズする方法等を適用して形成することができる。
【0074】
次いでAu/Pt/Tiメタライズ層506の高い部分と低い部分に、それぞれパッド状の共晶点AuSn半田507,507を配置する。これらのパッド状共晶点AuSn半田507,507は例えば150×500μmの大きさに形成され、互いに例えば10μmの間隔を置いて配置される。そしてこれらの共晶点AuSn半田507,507の上に、一例として概略400×600×100μmのサイズのチップ状GaN系レーザーダイオードLD1を配置し、330℃に加熱して共晶点AuSn半田507,507を融解させることにより、該GaN系レーザーダイオードLD1をAlNサブマウント9に接着固定する。
【0075】
次いで、上表面にAu/Niメッキ層508およびAu/Pt/Tiメタライズ層509が形成されているCu放熱ブロック10の上に共晶点AuSn半田511を配置し、その上にAu/Pt/Tiメタライズ層504を下にしてAlNサブマウント9を配置し、310℃に加熱して共晶点AuSn半田511を融解させることにより、AlNサブマウント9をCu放熱ブロック10に接着固定する。以上により、GaN系レーザーダイオードLDがAlNサブマウント9を介してCu放熱ブロック10に実装される。
【0076】
なおAuSn半田の融解点はAuとSnとの組成比に応じて変化する。そこで、AlNサブマウント9のAu/Pt/Tiメタライズ層506および504の膜厚を互いに独立に制御するとともに、共晶点AuSn半田507および511の融解時の温度を制御することにより、共晶点AuSn半田507が融解した後の状態、共晶点AuSn半田511が融解した後の状態における各Au組成比を共晶点組成より数%程度高い組成にすることで、共晶点AuSn半田507および511の融解後の融解温度に差を持たせることができる。
【0077】
このような融解温度差を生じさせることにより、AlNサブマウント9にGaN系レーザーダイオードLDを接着する時と、AlNサブマウント9をCu放熱ブロック10に接着する時とで同じ共晶点AuSn半田を用いても、互いに融解温度差を付けて(後者の接着時の方が低い)実装することが可能となる。そうであれば、発光点位置が経時的に変動しやすい低融点半田を用いなくて済むので、発光点位置変動を抑える上で有利となる。
【0078】
また本例の実装構造においてGaN系レーザーダイオードLDは、Al23からなる基板側が上に位置する向きに配置され、素子形成面側(pn接合側)がCu放熱ブロック10に固定されて、いわゆるジャンクションダウン構造で実装がなされる。
【0079】
またこの構造において、GaN系レーザーダイオードLDの発光点は、図9において概略Qで示す位置にある。そして共晶点AuSn半田507、Au/Pt/Tiメタライズ層506およびAu/Niメッキ層505には、それらを分割する溝512が形成され、GaN系レーザーダイオードLDはその発光部の直下に上記溝512が位置するように接着される。つまり、GaN系レーザーダイオードLDの発光部は直接サブマウント側に接着しないので、さらなる応力低減が実現される。また上記の溝512が形成されていれば、GaN系レーザーダイオードLDの発光端面がAlNサブマウント9の端面より内側に位置する場合でも、発光ビームがAlNサブマウント9によってケラレることを防止できる。
【0080】
なおGaN系レーザーダイオードLDのn側電極を、Au/Pt/Tiメタライズ層506の高い部分に対面する位置に形成するとともに、Au/Pt/Tiメタライズ層506の高い部分と低い部分とを互いに絶縁された状態に形成して、それらの両部分にそれぞれn側電極、p側電極を導通させるようにしてもよい。
【0081】
本例では、コストが低く熱伝導性も高いCuから形成された放熱ブロック10を用いているので、GaN系レーザーダイオードLDが発する熱を良好に放熱することができ、そしてレーザー装置を安価に作製可能となる。
【0082】
また本例では、AlNサブマウント9に対してGaN系レーザーダイオードLDがジャンクションダウン構造で固定されていることにより、GaN系レーザーダイオードLDの基板側をAlNサブマウント9に固定する場合と比べて該GaN系レーザーダイオードLDの発光部がサブマウント9に、ひいては放熱ブロック10に対してより近接して位置するので、この点からも良好に放熱がなされるものとなる。
【0083】
またAuSn共晶点半田507は経時位置変化特性に優れているので、それによりGaN系レーザーダイオードLDとAlNサブマウント9とが接着されれば、GaN系レーザーダイオードLDの発光点位置の経時的変動を効果的に防止できるものとなる。
【0084】
図11のaは、上記のように実装されたGaN系レーザーダイオードLDを−40〜80℃の条件下で経時試験にかけた際の、発光点位置の上下方向移動量を測定した結果を示すものである。なお同図の横軸は半田材質による発光点位置移動量の正規確率分布(%)を示し、縦軸が発光点位置の移動量を示している。また、AuSn共晶点半田507に代えて低融点半田を用いた場合の発光点位置の移動量を、同図中にbで示してある。ここに示されている通り、本例のGaN系レーザーダイオードLDでは、低融点半田を用いたものと比較して、発光点位置移動量が極めて少なく抑えられている。
【0085】
次に図12は、GaN系レーザーダイオードLDを実装した際に熱歪によってGaN系レーザーダイオードLDの発光点に作用する応力が、サブマウントの熱膨張係数に応じてどのように変化するかを、計算機によるシミュレーションで求めた結果を示すものである。このシミュレーションに際しては、AlNサブマウント9、Cu放熱ブロック10、Au/Pt/Tiメタライズ層504、506および509、Au/Niメッキ層505および508、共晶点AuSn半田507および511に加えて、GaN系レーザーダイオードLDの基板、下部クラッド層、発光層、上部発光層、絶縁膜の全てについて厚さ、熱膨張係数(AlNサブマウント9の熱膨張係数は除く)およびヤング率を求め、それらの数値を使用した。
【0086】
図12に示される通り、サブマウントの熱膨張係数が3.5〜6.0×10−6/℃の範囲にある場合は上記応力が約32MPa以下と、GaN系レーザーダイオードLDを実使用する上で特に問題の無い範囲に抑えられる。この点に鑑みて本発明では、サブマウントを熱膨張係数が3.5〜6.0×10−6/℃の範囲にある材料から形成することが望ましい。
【0087】
また、サブマウントの熱膨張係数が4.0〜5.4×10−6/℃の範囲にあれば、上記応力は約29.5MPa以下となるのでより好ましく、サブマウントの熱膨張係数が4.4〜4.8×10−6/℃の範囲にあれば、上記応力はほぼ28MPaとなるのでさらに好ましい。本例でサブマウントに用いているAlNの熱膨張係数は4.5×10−6/℃であり、上記の最も好ましい範囲にある。
【0088】
また図13は、GaN系レーザーダイオードLDを実装した際に熱歪によってGaN系レーザーダイオードLDの発光点に作用する応力が、該AlNサブマウント9の厚さに応じてどのように変化するかを、同様に計算機によるシミュレーションで求めた結果を示すものである。このシミュレーションに際しても、AlNサブマウント9、Cu放熱ブロック10、Au/Pt/Tiメタライズ層504、506および509、Au/Niメッキ層505および508、共晶点AuSn半田507および511に加えて、GaN系レーザーダイオードLDの基板、下部クラッド層、発光層、上部発光層、絶縁膜の全てについて厚さ、熱膨張係数およびヤング率を求め、それらの数値を使用した。
【0089】
図13に示される通り、AlNサブマウント9の厚さが200〜400μmの範囲にある場合は上記応力が約34MPa以下と、GaN系レーザーダイオードLDを実使用する上で特に問題の無い範囲に抑えられる。この値を超える応力がGaN系レーザーダイオードLDの発光点に作用すると、そこに応力発生しやすくなる。この点に鑑みて本発明では、サブマウントの厚さを200〜400μmの範囲に設定することが望ましい。また、AlNサブマウント9の厚さが250〜350μmの範囲にあれば、上記応力は約32MPa以下となるのでより好ましい。
【0090】
なおAlNサブマウント9は、Cu放熱ブロック10から大きな圧縮応力を受ける。AlNサブマウント9はGaN系レーザーダイオードLDからの圧縮応力も受けるが、それは一般にはCu放熱ブロック10から受ける圧縮応力よりも小さいものとなっている。
【0091】
例えば図8に示したように、複数のレーザーダイオードからそれぞれ出射したレーザービームを集光した上でマルチモード光ファイバーに結合させるような構成においては、発光点位置の経時的変動が有ると、それによって結合効率が低下してしまう。そこで、発光点位置の経時的変動を前述の通りにして抑制できれば、結合効率が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるレーザー装置の側面図
【図2】図1のレーザー装置の正面図
【図3】図1のレーザー装置の平面図
【図4】本発明の第2の実施の形態によるレーザー装置の側面図
【図5】図4のレーザー装置の正面図
【図6】本発明の第3の実施の形態によるレーザー装置の側面図
【図7】図6のレーザー装置の正面図
【図8】本発明の第4の実施の形態によるレーザー装置の平面図
【図9】本発明におけるレーザーダイオードの実装構造の例を示す正面図
【図10】図9の構造の一部を示す斜視図
【図11】上記実装構造が適用されたレーザーダイオードにおける発光点移動量を、従来のレーザーダイオードにおける発光点移動量と比較して示すグラフ
【図12】上記実装構造が適用されたレーザーダイオードにおけるサブマウントの熱膨張係数と、発光点に作用する応力との関係を示すグラフ
【図13】上記実装構造が適用されたレーザーダイオードにおけるサブマウントの熱膨張係数と、発光点に作用する応力との関係を示すグラフ
【符号の説明】
9 サブマウント
10、10’、10”、40 レーザー装置
11、11’、11” ヒートブロック
11a ヒートブロックのレーザー固定面
11b ヒートブロックのレンズ規定面
12 マルチキャビティレーザーダイオードチップ
12a 発光点
12B レーザービーム
14、50 コリメーターレンズアレイ
14a、50a コリメーターレンズ
14b、50b コリメーターレンズアレイの取付端面
20 集光レンズ
30 マルチモード光ファイバー
504、506、509 Au/Pt/Tiメタライズ層
505、508 Au/Niメッキ層
507、511 共晶点AuSn半田
B1〜7 レーザービーム
LD、LD1〜7 GaN系レーザーダイオード
O 発光軸

Claims (11)

  1. 複数のレーザーダイオードと、
    これらのレーザーダイオードを、それぞれの発光点が一方向に並ぶ状態に固定保持した1つのブロックと、
    前記レーザーダイオードから発せられたレーザービームを各々平行光化するコリメーターレンズが複数、一方向に並ぶ状態に一体化されてなるコリメーターレンズアレイとを備えてなるレーザー装置において、
    前記コリメーターレンズの各々が、軸対称レンズの光軸を含む一部を細長く切り取った形状のものであり、
    前記ブロックの前記複数のレーザーダイオードを固定した部分よりも前方側に、該レーザーダイオードの発光点から所定距離離れて、該レーザーダイオードの発光軸に垂直とされた平滑なレンズ規定面が形成され、
    このレンズ規定面に前記コリメーターレンズアレイの一端面を合わせた状態で、該コリメーターレンズアレイが前記ブロックに固定されていることを特徴とするレーザー装置。
  2. 前記レンズ規定面の平面度が0.5μm以下とされていることを特徴とする請求項1記載のレーザー装置。
  3. 前記ブロックのレーザーダイオードを固定する面の平面度が0.5μm以下とされていることを特徴とする請求項1または2記載のレーザー装置。
  4. 前記複数のレーザーダイオードが、複数の発光点を有するマルチキャビティレーザーダイオードチップからなることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のレーザー装置。
  5. 前記マルチキャビティレーザーダイオードチップが複数、前記ブロックに固定されていることを特徴とする請求項4記載のレーザー装置。
  6. 前記複数のレーザーダイオードが、1つの発光点を有するシングルキャビティレーザーダイオードチップが複数並設されたものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のレーザー装置。
  7. 前記複数のレーザーダイオードが、それぞれの発光点が一方向に並ぶ状態に配置され、かつこの配置状態が前記発光点の並び方向と交わる方向に複数並んだ状態に配置されたものであり、
    前記コリメーターレンズアレイが、前記複数のレーザーダイオードに対応させて、コリメーターレンズの並び方向と交わる方向に並べて複数配設されていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載のレーザー装置。
  8. 前記レーザーダイオードとして、チップ状態の窒化物系化合物レーザーダイオードが用いられ、
    このレーザーダイオードがサブマウントを介してCuまたはCu合金製放熱ブロック上に実装され、
    前記サブマウントが、熱膨張係数が3.5〜6.0×10−6/℃である材料を用いて200〜400μmの厚さに形成され、
    このサブマウントに対して前記レーザーダイオードが、両者の接着面内でAuSn共晶点半田およびメタライズ層を複数に分割して、ジャンクションダウン構造で分割接着されていることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のレーザー装置。
  9. 前記レーザーダイオードの発光部の直下において、前記AuSn共晶点半田およびメタライズ層を分割する溝が設けられていることを特徴とする請求項8記載のレーザー装置。
  10. 前記サブマウントがAlNからなることを特徴とする請求項8または9記載のレーザー装置。
  11. 前記サブマウントが前記CuまたはCu合金製放熱ブロックに対して、AuSn共晶点半田によって接着されていることを特徴とする請求項8から10いずれか1項記載のレーザー装置。
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