JP2003157951A - プラグキャップおよび点火プラグユニット - Google Patents

プラグキャップおよび点火プラグユニット

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JP2003157951A
JP2003157951A JP2001353448A JP2001353448A JP2003157951A JP 2003157951 A JP2003157951 A JP 2003157951A JP 2001353448 A JP2001353448 A JP 2001353448A JP 2001353448 A JP2001353448 A JP 2001353448A JP 2003157951 A JP2003157951 A JP 2003157951A
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cable
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plug cap
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JP2001353448A
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English (en)
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Koji Okazaki
浩二 岡崎
Masayoshi Matsui
正好 松井
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力センサ内蔵点火プラグをシリンダヘッド
に装着するにあたり、プラグホールの開口部から接続先
に向かうセンサ出力ケーブルの取り出し寸法を適切に設
定できるプラグキャップおよび点火プラグユニットを提
供する。 【解決手段】 プラグキャップ3は、センサ出力ケーブ
ル25を本体部41の外周に巻き付ける状態でケーブル
配置部53に配置し、センサ出力ケーブル25の巻き付
け部分のたわみ量を変化させることで、ケーブル取り出
し部47aから導出されるセンサ出力ケーブル25の取
り出し寸法を適切な長さに設定することができる。この
ようにしてセンサ出力ケーブル25の取り出し寸法を適
切な長さに設定できることにより、プラグキャップ3か
ら外部機器に向けて導出されるセンサ出力ケーブル25
に余剰分が生じて配設作業が困難になることや、センサ
出力ケーブル25の寸法が不足して外部機器と接続でき
なくなるのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力センサを内蔵
する圧力センサ内蔵点火プラグに装着されて、内燃機関
のプラグホールに配置されるプラグキャップに関し、ま
た、圧力センサ内蔵点火プラグとプラグキャップとを備
える点火プラグユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関では、機関の運転を
総合的に制御するために、内燃機関各部の運転状態を検
出しており、例えば、検出される状態量の一つである燃
焼室内の圧力(筒内圧)を用いることで、失火やノッキ
ングの検出や、燃料消費率の向上等を実現することが可
能になる。
【0003】そして、この筒内圧を測定するために、主
体金具の取付座部内に圧力センサを備え、プラグ締め付
け荷重の変化を検出することにより内燃機関の筒内圧に
基づく信号を検出する圧力センサ内蔵点火プラグが知ら
れている(特開平6−290853号公報参照)。この
圧力センサ内蔵点火プラグには、検出した筒内圧に基づ
く電気信号(検出信号)を出力するセンサ出力ケーブル
が主体金具から導出されている。
【0004】また、この圧力センサ内蔵点火プラグは、
一般に、主体金具の先端部にネジ溝(雄ねじ)が形成さ
れており、内燃機関のシリンダヘッドにおけるプラグホ
ールの底部に形成されたネジ溝(雌ねじ)との螺合によ
り、シリンダヘッドに装着される構成である。
【0005】一方、圧力センサ内蔵点火プラグにはプラ
グキャップが装着され、このプラグキャップがセンサ出
力ケーブルを保持する状態でプラグホールに配置される
ことにより、センサ出力ケーブルは、プラグホールを軸
方向に沿って配設されてプラグホールから外部に取り出
される。そして、センサ出力ケーブルが電子制御装置な
どの外部機器に接続されることで、圧力センサ内蔵点火
プラグによって検出された筒内圧は、例えば、電子制御
装置で実行される内燃機関の運転制御処理等において、
内燃機関の運転状態を検出するために用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
なネジ溝の螺合によりシリンダヘッドに装着する構造の
圧力センサ内蔵点火プラグにおいては、プラグホールの
開口部におけるセンサ出力ケーブルの取り出し方向が不
確定であるにも拘わらず、センサ出力ケーブルのうち、
プラグホールの開口部から外部機器に向けて導出される
部分の寸法(取り出し寸法)が一定長さとなるため、配
設作業が煩雑となり、場合によっては外部機器への接続
が不可能となる虞がある。
【0007】つまり、圧力センサ内蔵点火プラグに備え
られるセンサ出力ケーブルの全長寸法は一定(固定長)
であり、そして、プラグホールの深さ寸法も一定である
ことから、センサ出力ケーブルのうち、プラグホールの
開口部から外部機器に向けて導出される部分の寸法(取
り出し寸法)は一定長さとなる。一方、主体金具のネジ
溝とプラグホールのネジ溝との間で、周方向におけるネ
ジの切り始め位置は内燃機関毎に異なっており、ネジ溝
の螺合により圧力センサ内蔵点火プラグを装着する場
合、最終的な圧力センサ内蔵点火プラグの周方向取付位
置を一定位置に定めることは難しいことから、プラグホ
ールの開口部における周方向位置のうち、センサ出力ケ
ーブルの導出位置は不確定となる。
【0008】そして、センサ出力ケーブルの接続先であ
る外部機器等は、所定位置に固定されているが、プラグ
ホールの開口部におけるセンサ出力ケーブルの取り出し
方向が異なることにより、センサ出力ケーブルの取り出
し部から接続先までの距離が変化することになる。つま
り、プラグホールの開口部のうち、接続先から最も離れ
た位置からセンサ出力ケーブルが導出された場合、セン
サ出力ケーブルの配設経路を大きく迂回させる必要が生
じて配設経路が長くなるため、センサ出力ケーブルの長
さが不足する場合がある。
【0009】このように、センサ出力ケーブルの長さが
不足すると、センサ出力ケーブルと外部機器との接続が
不可能となり、圧力センサが出力する電気信号を電子制
御装置などの外部機器に伝達することができなくなる。
また、センサ出力ケーブルの長さ不足を解消するべくそ
の長さを長めに設定すると、プラグホールの開口部のう
ち、接続先に最も近い位置からセンサ出力ケーブルが導
出された場合、センサ出力ケーブルの余剰部分が多くな
ってしまい、この余剰部分を適宜調整して配設経路を設
定する必要があるため、センサ出力ケーブルの配設作業
が煩雑になってしまう。
【0010】そこで、本発明は、こうした問題に鑑みな
されたものであり、圧力センサ内蔵点火プラグをシリン
ダヘッドに装着するにあたり、圧力センサから延出され
てプラグホールの開口部から接続先に向かうセンサ出力
ケーブルの取り出し寸法を適切に設定することができる
プラグキャップを提供すること、及びそのようなプラグ
キャップと圧力センサ内蔵点火プラグとを備える点火プ
ラグユニットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、主体金具の取付
座部に一体に取り付けられた圧力センサと、該圧力セン
サにて検出した筒内圧に応じた電気信号を出力するため
のセンサ出力ケーブルとを備える圧力センサ内蔵点火プ
ラグに装着されて、内燃機関のプラグホールに配置され
るプラグキャップであって、一端に締め付け用工具と嵌
合可能な第1嵌合部が形成され、他端に圧力センサ内蔵
点火プラグの主体金具と嵌合可能な第2嵌合部が形成さ
れた略筒型形状の本体部を備えると共に、本体部の外周
に、本体部の軸方向に沿って延出されるセンサ出力ケー
ブルを周方向に巻き付けて配置するためのケーブル配置
部を形成したことを特徴とする。
【0012】つまり、センサ出力ケーブルを本体部の外
周に巻き付けた状態で配置することにより、センサ出力
ケーブルの巻き付け部分のたわみ量を変化させること
で、プラグホールの開口部からケーブル取り出し部から
接続先に向けて導出されるセンサ出力ケーブルの取り出
し寸法を適切な長さに設定することができる。
【0013】なお、センサ出力ケーブルの取り出し寸法
を適切な長さに設定するにあたっては、センサ出力ケー
ブルのたわみ部分の巻き付け寸法を当初一定長さに調整
させていたときには、例えば、センサ出力ケーブルのた
わみ部分の巻き付け寸法を大きくすることで、たわみ量
を増大させることができ、ケーブル取り出し寸法を短縮
することができる。反対に、センサ出力ケーブルのたわ
み部分の巻き付け寸法を小さくすることで、たわみ量を
減少させることができ、ケーブル取り出し寸法を延長す
ることができる。
【0014】このように、センサ出力ケーブルの取り出
し寸法を適切な長さに設定できることにより、プラグキ
ャップから外部機器に向けて導出されるセンサ出力ケー
ブルに余剰分が生じて配設作業が困難になることや、セ
ンサ出力ケーブルの寸法が不足して外部機器と接続でき
なくなるのを防ぐことができる。
【0015】また、本発明のプラグキャップは、第2嵌
合部が主体金具と嵌合した状態で圧力センサ内蔵点火プ
ラグと共にプラグホールに挿入された後、第1嵌合部に
締め付け用工具を嵌合して締め付けることで、圧力セン
サ内蔵点火プラグを内燃機関のシリンダヘッド(より詳
細にはプラグホール)に装着することができる。そし
て、プラグキャップは、圧力センサ内蔵点火プラグに装
着された状態でプラグホールに配置された後、プラグホ
ールの開口部におけるセンサ出力ケーブルの取り出し方
向を任意の方向に設定できることから、センサ出力ケー
ブルの取り出し寸法を適切な長さに調整することができ
る。
【0016】ところで、従来のプラグキャップは、プラ
グホールに装着される前に圧力センサ内蔵点火プラグに
装着されるのではなく、プラグホールに装着された後に
プラグホール内で圧力センサ内蔵点火プラグに装着され
るものが多い。しかし、プラグホールの内部で装着作業
を行う場合には、プラグホール内部を視認することがで
きないため、プラグキャップと圧力センサ内蔵点火プラ
グとの相対位置を装着に適した状態に維持することが難
しく、相対位置が不適切な状態で強引に装着をした場合
には、センサ出力ケーブルを損傷してしまう虞がある。
【0017】これに対し、本発明(請求項1)のプラグ
キャップは、プラグホールに挿入される前の段階におい
て、視認可能な状況下で圧力センサ内蔵点火プラグに装
着できることから、適切な相対位置を維持した状態で圧
力センサ内蔵点火プラグに装着することができる。この
あと、プラグキャップは、圧力センサ内蔵点火プラグと
共にプラグホール内に配置されることから、圧力センサ
内蔵点火プラグへの装着時(嵌合時)にセンサ出力ケー
ブルを損傷することがない。
【0018】よって、本発明(請求項1)のプラグキャ
ップによれば、センサ出力ケーブルの取り出し寸法を適
切な長さに設定することができ、センサ出力ケーブルの
配設作業の煩雑さを解消することができる。また、本発
明のプラグキャップは、圧力センサ内蔵点火プラグがプ
ラグホールに固定される前に圧力センサ内蔵点火プラグ
に装着されることから、圧力センサ内蔵点火プラグへの
装着時におけるセンサ出力ケーブルの損傷を防止でき、
圧力センサから出力される電気信号の伝達経路が遮断さ
れるのを防ぐことができる。
【0019】ここで、センサ出力ケーブルにおけるたわ
み部分の移動可能範囲が本体部の軸方向ないし径方向に
無制限であると、プラグキャップおよび圧力センサ内蔵
点火プラグのプラグホールへの装着作業時において、プ
ラグキャップの外表面とプラグホールの内壁との間で誤
って挟むことにより、センサ出力ケーブルが損傷する虞
がある。そのため、プラグキャップを取り扱う際には、
センサ出力ケーブルのたわみ部分が本体部の外表面にお
いて不適切な位置に配置されないように、たわみ部分を
保持する必要が生じてしまい、このような保持作業を要
する場合には、プラグキャップおよび圧力センサ内蔵点
火プラグの装着作業が煩雑になってしまう。
【0020】そこで、上述(請求項1)のプラグキャッ
プにおいては、請求項2に記載のように、本体部の外周
に配置領域制限部材を設け、この配置領域制限部材によ
りケーブル配置部を形成するとよい。例えば、配置領域
制限部材として、底面に本体部を挿通可能な大きさの開
口部を備える有底筒状の部材を用いるとよい。そして、
開口部に本体部を挿通する状態で、配置領域制限部材を
本体部に装着することで、配置領域制限部材の内表面と
本体部の外周表面との間に空間を形成し、この空間をケ
ーブル配置部とするのである。
【0021】このようにしてケーブル配置部を形成する
ことで、センサ出力ケーブルが径方向外側に移動する場
合には、配置領域制限部材の側壁部分がセンサ出力ケー
ブルの移動を制限し、また、センサ出力ケーブルが軸方
向に移動する場合には、配置領域制限部材の底面部分が
センサ出力ケーブルの移動を制限する。
【0022】このように、配置領域制限部材を用いてケ
ーブル配置部を一定空間内に制限することで、センサ出
力ケーブルのたわみ部分が移動可能な領域を一定範囲内
に制限することができ、プラグキャップおよび圧力セン
サ内蔵点火プラグのプラグホールへの装着作業時におい
て、たわみ部分を保持する必要が無くなる。
【0023】よって、本発明(請求項2)のプラグキャ
ップによれば、配置領域制限部材によりセンサ出力ケー
ブルの移動可能範囲が一定範囲内に制限されることか
ら、センサ出力ケーブルのたわみ部分を保持する必要が
なくなり、プラグキャップおよび圧力センサ内蔵点火プ
ラグの装着作業の煩雑さを解消することができる。
【0024】ここで、ケーブル配置部は、本体部の径方
向周囲に配置されることから、プラグキャップのうちケ
ーブル配置部が設けられている部分は、ケーブル配置部
が設けられていない部分に比べて、断面積が大きくなっ
てしまう。このため、プラグキャップが配置されるプラ
グホールのうち、ケーブル配置部に対応する部分の断面
積は、通常のプラグホールの断面積に比べて拡大して形
成する必要が生じてしまう。しかし、シリンダヘッドに
は、吸排気弁駆動機構等の他の部材が多く配置されるこ
とから、これらの部材の配置領域をより広く確保するた
めに、プラグホールの断面積は小さいことが望ましい。
【0025】そこで、上述(請求項2)のプラグキャッ
プは、請求項3に記載のように、配置領域制限部材が、
ケーブル配置部の軸方向範囲を第1嵌合部に隣接する領
域に制限するとよい。つまり、ケーブル配置部がプラグ
キャップのうち第1嵌合部に隣接した領域に配置される
ことで、プラグホールのうち開口部に近い部分(浅い部
分)は断面積を大きく形成する必要があるが、プラグホ
ールの深い部分については従来通りの小さい断面積で良
いことになる。このため、プラグホールの深い部分につ
いては、他の機器を従来通りに配置することが可能とな
る。
【0026】また、プラグキャップの軸方向長さ寸法
が、プラグホールの深さ寸法よりも大きく、ケーブル配
置部をプラグホールの外部にセンサ出力ケーブルのたわ
み部分を配置できる場合には、プラグホールの断面積を
拡大する必要が無くなる。よって、本発明(請求項3)
のプラグキャップによれば、プラグホールの断面積の拡
大領域を最小限に抑えることができ、吸排気弁駆動機構
等の設置領域に対して与える影響を小さくすることがで
きる。また、ケーブル配置部をプラグホールの外部に配
置できる場合には、吸排気弁駆動機構等の設置領域を従
来通りの大きさに確保することができるところで、セン
サ出力ケーブルの取り出し寸法を適切な長さに設定でき
ることで、センサ出力ケーブルの配設作業の煩雑さを解
消することができるが、さらに配設作業を容易に実行可
能とするためには、センサ出力ケーブルの取り出し方向
が設定可能であることが望ましい。
【0027】そこで、上述(請求項1から請求項3のい
ずれか)のプラグキャップは、請求項4に記載のよう
に、第1嵌合部の外周に対して同心状にかつ回転不能に
装着された筒形状の内側部材と、ケーブル配置部から外
部に向かうセンサ出力ケーブルを保持するためのケーブ
ル取り出し部を有し、内側部材の外周に対して同心状か
つ回転可能に装着された外側部材とを備えると良い。
【0028】つまり、本発明(請求項4)のプラグキャ
ップは、センサ出力ケーブルを保持して外部に導出する
ためのケーブル取り出し部を有する外側部材が内側部材
の外周を回転移動することで、プラグキャップの一端に
おけるケーブル取り出し部の方向を変更できるように構
成されている。なお、内側部材は、本体部の第1嵌合部
に回転不能に装着されているため、外側部材を周方向に
回転させたときに外側部材と共に回転することがない。
このため、シリンダヘッドに形成されたプラグホールに
おける圧力センサ内蔵点火プラグの周方向取付位置が不
確定となる場合でも、外側部材を回転移動することによ
り、ケーブル配置部から外部に向かうセンサ出力ケーブ
ルの取り出し方向を、プラグホールの開口部における周
方向のうち任意の方向に設定することが可能となる。さ
らに、外側部材は、ケーブル取り出し部を有しており、
外側部材の回転によって、本体部に巻き付けられたセン
サ出力ケーブルのたわみ部分の長さも自動的に調整され
ることになる。
【0029】よって、本発明(請求項4)のプラグキャ
ップによれば、圧力センサ内蔵点火プラグをシリンダヘ
ッドに装着するにあたり、センサ出力ケーブルの取り出
し寸法を適切な長さに設定できることに加えて、外側部
材を回転移動することでプラグホールの開口部における
センサ出力ケーブルの取り出し方向を任意に設定するこ
とができる。このため、センサ出力ケーブルと接続先の
外部機器等との距離が最短となるようにケーブル取り出
し位置を設定することができ、センサ出力ケーブルの配
設作業の煩雑さをさらに解消することが可能となる。
【0030】ところで、外側部材と内側部材を備えるプ
ラグキャップにおいては、外側部材が円滑に回転移動で
きない場合、プラグホールに挿入した後にセンサ出力ケ
ーブルの取り出し方向を適切な方向に設定することが困
難となるため、センサ出力ケーブルの配設作業の負担が
増大してしまう。
【0031】そこで、上述(請求項4)のプラグキャッ
プは、請求項5に記載のように、内側部材および外側部
材が、それぞれ樹脂材料で形成されているとよい。つま
り、樹脂材料は、一般に表面の摩擦係数がゴム材料など
に比して小さいことから、内側部材および外側部材をそ
れぞれ樹脂材料で形成することにより、内側部材と外側
部材との間に生じる摩擦力は小さくなる。これにより、
外側部材が内側部材の周囲を円滑に回転することが可能
となり、センサ出力ケーブルの取り出し方向を容易に変
更することができる。
【0032】よって、本発明(請求項5)のプラグキャ
ップによれば、センサ出力ケーブルの取り出し方向を容
易に変更できることから、プラグホールに配置した後に
センサ出力ケーブルの取り出し方向を適切な方向に設定
する作業が容易となり、配設作業における負担を軽減す
ることができる。
【0033】なお、内側部材および外側部材を形成する
樹脂材料としては、表面の摩擦係数が小さいものを採用
することが望ましく、さらに、内側部材および外側部材
をそれぞれ同種の樹脂材料を用いて形成することで、よ
り確実に摩擦力を低減することができ、外側部材をより
円滑に回転させることが可能となる。
【0034】次に、上述(請求項4または請求項5)の
プラグキャップについては、請求項6に記載のように、
ケーブル取り出し部は、外側部材における周方向位置を
変更可能に構成されているとよい。つまり、外側部材に
おけるケーブル取り出し部の形成位置が、外側部材の周
方向位置のうちいずれかの位置に変更可能に構成される
ことで、外側部材の回転のみによりケーブル取り出し部
の方向を変更する場合に比べて、センサ出力ケーブルの
取り出し方向として設定可能な方向の選択肢を増大させ
ることができる。
【0035】よって、本発明(請求項6)のプラグキャ
ップによれば、プラグホールの開口部におけるセンサ出
力ケーブルの取り出し方向を、より適切な方向に設定す
ることができ、センサ出力ケーブルの配設作業における
負担をより軽減することができる。
【0036】なお、ケーブル取り出し部の形成位置を変
更可能にするには、例えば、外側部材の外周全体にわた
り等間隔に複数のケーブル取り出し部を形成し、複数の
うちから最も適切なケーブル取り出し部の1つを選択し
て、センサ出力ケーブルを保持するようにするとよい。
【0037】ところで、外側部材は、回転可能な状態で
内側部材に装着されるが、内側部材から容易に抜け落ち
てしまう構成では、プラグキャップを取り扱う際に、脱
落を防ぐために外側部材を押さえる作業が必要となり、
プラグキャップの取り扱いが煩雑となってしまう。
【0038】そこで、上述(請求項4から請求項6のい
ずれか)のプラグキャップは、請求項7に記載のよう
に、内側部材は、外側部材と当接する外周表面に第1係
合部を備え、外側部材は、内側部材と当接する内周表面
に第2係合部を備え、外側部材を内側部材に装着した際
に、第1係合部と第2係合部とが係合することにより、
外側部材が、軸方向への移動を制限された状態で内側部
材の周囲を回転移動するとよい。
【0039】つまり、第1係合部と第2係合部とを備え
て、外側部材が内側部材に対して軸方向へ移動するのを
制限することで、外側部材が内側部材から脱落するのを
防止するのである。そして、第1係合部および第2係合
部は、例えば、外側部材と内側部材とが互いに当接する
当接面において、第1係合部を当接面の全周にわたり形
成される溝部として備え、第2係合部を溝部に係合可能
な突部として備えると良い。あるいは、第1係合部を突
部として備え、第2係合部を溝部として備えても良い。
なお、突部は、必ずしも全周にわたり形成する必要はな
く、周方向に断続的に形成した場合でも、外側部材の脱
落を防止することができる。
【0040】よって、本発明(請求項7)のプラグキャ
ップによれば、外側部材が内側部材から脱落するのを防
止できるため、プラグキャップを取り扱う際に外側部材
を押さえる必要が無くなり、圧力センサ内蔵点火プラグ
との嵌合作業時やプラグホールへの装着作業等の煩雑さ
を解消することができる。
【0041】次に、外側部材の回転可能な範囲が無制限
である場合、外側部材が過度に回転移動することで、セ
ンサ出力ケーブルに不適切な外力が印加されてしまい、
圧力センサ内蔵点火プラグからセンサ出力ケーブルが抜
け落ちることや、センサ出力ケーブルが損傷する等の問
題が生じる虞がある。
【0042】そこで、上述(請求項4から請求項7のい
ずれか)のプラグキャップは、請求項8に記載のよう
に、内側部材は、外周表面から外側方向に突出して形成
される内側回転制限部を備え、外側部材は、内側部材の
周囲を回転移動する途中で内側回転制限部と当接する外
側回転制限部を備え、外側部材が内側部材の周囲を回転
する際に、内側回転制限部と外側回転制限部とが当接す
ることにより、外側部材の回転移動範囲が制限されると
よい。
【0043】このように、内側回転制限部および外側回
転制限部を備えて、外側部材の回転可能な範囲を制限す
ることにより、外側部材が過度に回転移動することがな
くなり、センサ出力ケーブルに対して不適切な外力が印
加されるのを防止できる。よって、本発明(請求項8)
のプラグキャップによれば、センサ出力ケーブルに無駄
な外力が印加されるのを防ぐことができ、センサ出力ケ
ーブルが損傷するのを防ぐことができる。
【0044】なお、内側回転制限部および外側回転制限
部は、外側部材が略1回転移動することができるように
形成することが望ましい。これにより、センサ出力ケー
ブルの取り出し方向がプラグホールの開口部全周におけ
るいずれの方向にも設定することが可能となり、センサ
出力ケーブルを適切な方向に取り出すことができ、外部
機器との接続作業が容易となる。
【0045】ところで、プラグキャップは、一般に、点
火コイルで発生した点火用高電圧を点火プラグに印加す
るための通電経路を内部に収容するよう構成されている
が、点火コイルで発生した点火用高電圧を効率よく点火
プラグに印加するためには、通電経路の経路損失(経路
抵抗)を低く抑えることが望ましい。そして、この通電
経路における経路損失を抑えるための手段の一つとして
は、点火コイルと点火プラグの距離を短縮する方法があ
り、この具体例として、プラグキャップに隣接する位置
に点火コイルを配置する構成が挙げられる。なお、点火
コイルは、バッテリやイグナイタ等の機器に繋がるケー
ブルが接続されることから、点火コイルを配置する際に
は、これらケーブルの配設作業が容易となるように、シ
リンダヘッドに対する相対位置を予め設定しておき、ボ
ルト等の固定部材によって所定位置に固定することにな
る。
【0046】そこで、上述(請求項4から請求項8のい
ずれか)のプラグキャップは、請求項9に記載のよう
に、外側部材は、本体部の第1嵌合部に隣接して配置さ
れる点火コイルに係合して、点火コイルとの相対位置を
一定に維持する位置決め係合部を備えるとよい。
【0047】つまり、外側部材が点火コイルと係合する
位置決め係合部を備えることで、点火コイルをプラグキ
ャップに隣接して配置するにあたって、外側部材と点火
コイルとの相対位置を一定に維持することができる。そ
して、点火コイルは、シリンダヘッドに対する相対位置
が予め一定となるように取付位置が設定されていること
から、点火コイルとの相対位置を一定に維持させた状態
の外側部材は、シリンダヘッドに対する相対位置が一定
位置に設定されることとなる。
【0048】ここで、センサ出力ケーブルの取り出し方
向が配設作業に適した方向となるように、位置決め係合
部の形成位置を外側部材に予め設定することで、この外
側部材の位置決め係合部に係合するように点火コイルを
装着し、点火コイルのシリンダヘッドに対する相対位置
を適切な位置となるように焼成することに伴い、外側部
材のケーブル取り出し部の方向を適切な方向に設定する
ことが可能となる。つまり、位置決め係合部を点火コイ
ルに係合させた後に、シリンダヘッドに対する点火コイ
ルの相対位置が所定位置となるように点火コイルを外側
部材の周方向に回転させることで、外側部材が点火コイ
ルと共に回転移動することになる。そして、点火コイル
が所定位置に配置されるとともに、外側部材のケーブル
取り出し部の方向、すなわちセンサ出力ケーブルの取り
出し方向が、適切な方向に設定されることとなる。
【0049】よって、本発明(請求項9)のプラグキャ
ップによれば、位置決め係合部を点火コイルに係合した
後、シリンダヘッドに対する点火コイルの相対位置を適
切な位置に設定することで、外側部材を直接回転させる
ことなくセンサ出力ケーブルの取り出し方向を適切な方
向に設定することが可能となる。これにより、取付作業
時において、作業者が外側部材の取付方向を意識するこ
となく、センサ出力ケーブルの取り出し方向を常に適切
な方向に維持することができ、センサ出力ケーブルの取
り出し方向が誤った方向に設定される等の装着作業ミス
が発生するのを防ぐことができる。
【0050】なお、外側部材に形成される位置決め係合
部は、例えば、点火コイルのうち外側部材に当接する部
分に凸状部が設けられている場合には、凸状部に係合可
能な凹形状に形成すると良く、反対に、点火コイルに凹
形状部が設けられている場合には、凹形状部に係合可能
な凸形状に形成すると良い。
【0051】次に、上述(請求項1から請求項9のいず
れか)のプラグキャップは、請求項10に記載のよう
に、本体部の第2嵌合部が、センサ出力ケーブルを本体
部の内部に収容する状態で点火プラグの主体金具に嵌合
するように形成され、本体部が、プラグキャップの内部
から外部にセンサ出力ケーブルを導出するための貫通孔
を備えるとよい。
【0052】このように構成されたプラグキャップにお
いては、第2嵌合部から貫通孔までの領域においては、
センサ出力ケーブルがプラグキャップの内部に配置され
ることになり、プラグキャップおよび圧力センサ内蔵点
火プラグをプラグホールに固定する際に、プラグホール
内壁などと干渉することでセンサ出力ケーブルが損傷す
るのを防ぐことができる。
【0053】なお、貫通孔は、第1嵌合部に近い位置に
設けることが望ましく、これにより、センサ出力ケーブ
ルのうちプラグキャップの外部に配置される部分を少な
くすることができ、より好適にセンサ出力ケーブルの損
傷を防ぐことができる。ところで、プラグキャップの内
部には、一般に、点火コイルと点火プラグとを接続する
通電経路を内部に有する絶縁性材料からなるブーツ部材
が配置されるが、センサ出力ケーブルがプラグキャップ
の内部に配設される場合には、例えば、センサ出力ケー
ブルを配設することが可能な配設領域(配設空間)をブ
ーツ部材の側面に形成する必要がある。
【0054】そこで、上述(請求項1から請求項9のい
ずれか)のプラグキャップは、請求項11に記載のよう
に、本体部の第2嵌合部が、センサ出力ケーブルを本体
部の外部に配置する状態で点火プラグの主体金具に嵌合
するように形成され、センサ出力ケーブルを本体部の側
壁に固定するためのクランプ部材を備えるとよい。
【0055】このように構成されたプラグキャップにお
いては、センサ出力ケーブルがプラグキャップの内部に
配設されないことから、従来よりプラグキャップの内部
に配置されているブーツ部材を、溝部などの配設領域を
設けるなどの形状変更をすることなくプラグキャップの
内部に配置することができる。
【0056】また、クランプ部材が、センサ出力ケーブ
ルをプラグキャップの本体部に固定することから、プラ
グキャップおよび圧力センサ内蔵点火プラグをプラグホ
ールに装着する際に、センサ出力ケーブルがプラグキャ
ップから離れるのを防ぐことができ、プラグホール内壁
などと干渉することでセンサ出力ケーブルが損傷するの
を防ぐことができる。
【0057】よって、本発明(請求項11)のプラグキ
ャップによれば、従来から使用しているブーツ部材を形
状変更することなく使用することができるため、ブーツ
部材の形状変更により生ずる製造コストの上昇を抑える
ことができる。また、クランプ部材を備えることで、セ
ンサ出力ケーブルがプラグキャップから離れてしまうこ
とが無いことから、プラグキャップおよび圧力センサ内
蔵点火プラグのプラグホールへの装着作業における煩雑
さを解消でき、円滑に装着作業を実施することが可能と
なる。
【0058】そして、請求項12に記載の発明は、主体
金具の取付座部に一体に取り付けられた圧力センサと、
この圧力センサにて検出した筒内圧に応じた電気信号を
出力するためのセンサ出力ケーブルとを備える圧力セン
サ内蔵点火プラグと、この圧力センサ内蔵点火プラグに
装着されて、内燃機関のプラグホールに配置されるプラ
グキャップとを備える点火プラグユニットであって、プ
ラグキャップが請求項1から請求項11のいずれかに記
載のプラグキャップであることを特徴とする。
【0059】つまり、プラグキャップとして上述(請求
項1から請求項11のいずれか)のプラグキャップを用
いて構成された点火プラグユニットは、プラグホール内
に配置された時の周方向位置に拘わらず、センサ出力ケ
ーブルの取り出し寸法さらには取り出し方向を、外部機
器との接続に適切に設定することができる。
【0060】また、上述(請求項12)の点火プラグユ
ニットは、請求項13に記載のように、本体部の第1嵌
合部に隣接して配置される点火コイルを備えるとよい。
つまり、点火コイルをプラグキャップに隣接する位置に
配置することで、点火コイルと点火プラグとを接続する
通電経路を短く設定することができ、経路損失を低減し
て、点火コイルで発生した点火用高電圧を点火プラグに
印加することができる。
【0061】なお、このとき、点火コイルは比較的大き
な体積を占めるため、プラグキャップの上端におけるセ
ンサ出力ケーブルの取り出し方向が固定されている場
合、点火コイルを避けるために、センサ出力ケーブルの
配設経路を大きく迂回させる必要が生じ、配設作業が煩
雑となる。
【0062】これに対して、本発明(請求項13)の点
火プラグユニットは、上述(請求項1から請求項11い
ずれか)のプラグキャップを備えていることから、セン
サ出力ケーブルの取り出し寸法さらには取り出し方向を
適切に設定することができ、センサ出力ケーブルの配設
作業の煩雑さを解消することができる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、本発明が適用された第1実施例の
点火プラグユニット1の構成を表す構成図である。そし
て、点火プラグユニット1は、圧力センサ内蔵点火プラ
グ11,プラグキャップ3および点火コイル97を備え
ており、図1では、内部構造を表すために、圧力センサ
内蔵点火プラグおよびプラグキャップの一部を断面図と
して表している。
【0064】図1に示すように、圧力センサ内蔵点火プ
ラグ11(以下、単に点火プラグ11ともいう)は、筒
状の碍子部15の軸孔に挿設された中心電極19と、碍
子部15の外周に設けられた主体金具17と、主体金具
17の先端側から延設されると共に中心電極19と対向
して火花放電ギャップgを形成する接地電極21と、碍
子部15の軸孔に挿設されると共に中心電極19と電気
的に接続される受電端子13と、を備えている。なお、
以下の説明では、点火プラグ11の長手方向のうち、受
電端子13が備えられる側を後端側(または後方側)と
称し、接地電極21が備えられる側を先端側(または先
方側)と称することとする。
【0065】また、点火プラグ11は、主体金具17の
うち内燃機関に対する取付座部に備えられる圧力センサ
23と、主体金具17の先端側から圧力センサ23を覆
う略円筒形状のセンサケース31と、を備えている。な
お、点火プラグ11をシリンダヘッド91に装着する際
には、燃焼室の気密性を保つため、ガスケット83が点
火プラグ11(詳細にはセンサケース31)とシリンダ
ヘッド91との間に配置される。また、主体金具17の
うち、センサケース31よりも先端側に位置する先端部
17bの外周表面には、シリンダヘッド91への取り付
けようのネジ溝が形成されている。
【0066】そして、圧力センサ23は、センサケース
31の内部に、先端側から後端側にかけて、各々環状の
パッキン、圧電素子、電極板、絶縁板が、この順に積層
されて構成されており、圧力センサ23の内部で電極板
を介して圧電素子に接続された信号線が、絶縁板を貫通
して後端側に突出するように設けられている。この信号
線は、センサ出力ケーブル25に接続されており、圧力
センサ23が筒内圧を検出してその筒内圧に応じた電気
信号を発生すると、その電気信号が信号線およびセンサ
出力ケーブル25を通じて外部に出力される。
【0067】また、センサケース31は、圧力センサ2
3を覆う有底筒状形状に形成されており、底面には点火
プラグ11の主体金具17の先端部17bを挿通可能な
大きさの開口部が設けられている。次に、プラグキャッ
プ3は、図1に示すように、先端側の第2嵌合部41b
が圧力センサ内蔵点火プラグ11と嵌合可能に形成され
た本体部41と、本体部41の後端側に形成される第1
嵌合部41aの外周に対して同心状にかつ回転不能に取
り付けられた内側部材45と、内側部材45の外周に対
して同心状にかつ回転可能に装着された外側部材47
と、本体部41の外周に周方向に数周巻き付けた状態の
センサ出力ケーブル25を配置するためのケーブル配置
部53と、有底筒状に形成され、ケーブル配置部53を
内部に形成するためのゴム製のグロメット55とを備え
て構成されている。
【0068】そして、本体部41は、金属製材料で形成
されており、本体部41の先端側に形成される第2嵌合
部41bは、点火プラグ11の主体金具17における六
角部17aに対し、外側に配置された状態で六角部17
aと嵌合可能な形状に形成されている。また、本体部4
1の後端側に形成される第1嵌合部41aは、締め付け
工具(例えば、六角レンチ)の嵌合部分に対し、嵌合部
分の外側に配置された状態で、締め付け工具と嵌合可能
な形状に形成されている。
【0069】このため、プラグキャップ3が、第2嵌合
部41bに点火プラグ11が嵌合された状態で、シリン
ダヘッド91に形成されたプラグホール95に挿入され
た後に、第1嵌合部41aに締め付け工具を嵌合して、
締め付けることにより点火プラグ11をプラグホール9
5の内部に装着することができる。なお、点火プラグ1
1を第2嵌合部41bに嵌合する際には、センサ出力ケ
ーブル25は、プラグキャップ3の本体部41の内部に
配置されるのではなく、本体部41の外側面に配置され
る。
【0070】また、ケーブル配置部53のうち第1嵌合
部41aに隣接する部分の周囲には、有底筒状に形成さ
れたゴム製のグロメット55が配置されており、グロメ
ット55は、センサ出力ケーブル25が移動可能な領域
を一定範囲内に制限している。このグロメット55は、
本体部41を挿通可能な大きさの開口部が底面に設けら
れており、この開口部に本体部41を挿通することで、
円筒部分の上端内面が外側部材47の外周表面に当接す
る状態で本体部41の周囲に装着される。なお、グロメ
ット55は、特許請求の範囲に記載の配置領域制限部材
に相当するものである。
【0071】このようにしてグロメット55を本体部4
1に装着することで、グロメット55の内表面と本体部
41の外周表面との間に空間が形成され、この空間内に
センサ出力ケーブル25の移動可能範囲が制限される。
つまり、センサ出力ケーブル25が本体部41の径方向
外側に向かって移動する場合には、グロメット55の側
壁部分がセンサ出力ケーブル25の移動を制限し、ま
た、センサ出力ケーブル25が本体部41の軸方向に移
動する場合には、グロメット55の底面部分がセンサ出
力ケーブル25の移動を制限する。
【0072】なお、プラグキャップ3においては、グロ
メット55を備えることにより、ケーブル配置部53が
プラグキャップ3のうち第1嵌合部41aに隣接した領
域に配置されている。このため、プラグホール95のう
ち開口部に近い部分(浅い部分)は、ケーブル配置部5
3を配置するために断面積を大きく形成する必要がある
ものの、プラグホール95の深い部分については従来通
りの小さい断面積で形成することができる。
【0073】ここで、プラグキャップ3のうち、内側部
材45および外側部材47が備えられる部分の斜視図を
図2に示す。なお、内側部材45および外側部材47
は、それぞれ表面の摩擦係数が小さい合成樹脂製材料
(例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)やポリ
エステル樹脂など)で形成されている。
【0074】まず、内側部材45は、略円筒形状に形成
されており、圧入あるいは接着などにより、本体部41
の第1嵌合部41aの外周に回転不能に取り付けられて
いる。次に、外側部材47は、略円筒形状に形成される
と共に、後端部(図1および図2における上側端部)の
全周にわたり径方向外側に延設された鍔部を有して形成
される。また、外側部材47は、鍔部に、センサ出力ケ
ーブル25を挟持する状態で保持するように設けられた
ケーブル取り出し部47aと、点火コイル(図2では図
示省略)に備えられる突起部97aに係合する凹形状の
位置決め係合部47bとを備えている。
【0075】そして、外側部材47は、自身の円筒部分
が内側部材45の円筒部分の外周に配置されるように内
側部材45に装着され、このあと、内側部材45の周囲
を回転移動することで、ケーブル取り出し部47aおよ
び位置決め係合部47bの周方向位置を変更することが
できる。
【0076】また、センサ出力ケーブル25は、ケーブ
ル配置部53において本体部41の外周に周方向に巻き
付けられ、外側部材47のケーブル取り出し部47aに
保持された後に、外部機器との接続部分となるコネクタ
部25aがセンサ出力ケーブル25の端部に装着され
る。さらに、センサ出力ケーブル25は、圧力センサ内
蔵点火プラグ11からケーブル配置部53までの部分が
本体部41から離れないように、環状形状のクランプ部
材49により本体部41の側壁に固定される。
【0077】そして、外側部材47に備えられるケーブ
ル取り出し部47aは、センサ出力ケーブル25を挟持
する形態で保持可能に形成されている。このため、セン
サ出力ケーブル25をケーブル取り出し部47aに装着
(保持)し、外側部材47を回転移動してケーブル取り
出し部47aの周方向位置を適正な位置に設定すること
で、センサ出力ケーブル25の取り出し方向を容易に設
定することができる。
【0078】なお、外側部材47を回転移動する際に
は、センサ出力ケーブル25のうち、ケーブル配置部5
3において巻き付けられた部分(以下、たわみ部分とい
う)のたわみ量を調整することで、ケーブル取り出し部
47aからコネクタ部25aまでの長さ(ケーブル取り
出し寸法)を一定寸法に設定することができる。つま
り、センサ出力ケーブル25がグロメット55の内壁に
当接するように、たわみ部分の巻き付け半径を大きくす
ることで、たわみ量を増大させることができ、ケーブル
取り出し寸法を短縮することができる。反対に、センサ
出力ケーブル25が本体部41の外周表面に当接するよ
うに、たわみ部分の巻き付け半径を小さくすることで、
たわみ量を減少させることができ、ケーブル取り出し寸
法を延長することができる。
【0079】一方、プラグキャップ3は、点火コイル9
7に装着されるブーツ部材99を内部に収容すると共
に、第1嵌合部41aの後端側に隣接する位置に点火コ
イル97を配置できるように構成されている。ここで、
ブーツ部材99は、図1に示すように、弾性変形しやす
く他部材との密着度の高いゴム製の第1構成部材99a
と、強度が高く変形しがたい樹脂製の第2構成部材99
bと、弾性変形しやすく他部材との密着度の高いゴム製
の第3構成部材99cとが、縦方向に積層されて構成さ
れている。また、ブーツ部材99の中心軸部分には、点
火コイル97で発生した点火用高電圧を点火プラグ11
に印加するための通電経路となる導電性スプリング96
が備えられており、ブーツ部材99がプラグキャップ3
の内部に収容されると、導電性スプリング96の端部9
6aは、点火プラグ11の受電端子13に当接する。た
だし、図1では、導電性スプリング96の軸方向におけ
る中間部分の図示を省略している。
【0080】なお、ブーツ部材99の全体を、弾性変形
しやすい材料で形成した場合、プラグキャップへの挿入
時に形状が大きく変化してしまい、挿入作業を円滑に実
施することができない虞がある。しかし、本実施例にお
けるブーツ部材99は、強度の高い第2構成部材99b
を有することで一定形状を維持できるため、プラグキャ
ップ3への挿入が容易となり、また、密着度の高い第3
構成部材99cを有することで点火プラグ11(詳細に
は碍子部15)との結合がより確実となる。
【0081】そして、点火コイル97は、ブーツ部材9
9を第1嵌合部41aの側からプラグキャップ3の内部
に挿入することで、プラグキャップ3に装着される。な
お、このとき、点火コイル97の底部に形成された突起
部97aを、外側部材47の位置決め係合部47bに係
合することにより、点火コイル97と外側部材47との
相対位置が一定に維持される。
【0082】また、点火コイル97は、バッテリやイグ
ナイタ等の機器に接続されるケーブルの配設作業が容易
に行えるように、シリンダヘッド91に対する相対位置
が予め設定されており、ボルト等の固定部材(図1では
図示省略)によって所定位置に固定される。なお、固定
部材によりシリンダヘッド91に固定される前の点火コ
イル97は、ブーツ部材99の軸線を中心とする円周方
向に回転移動することにより、シリンダヘッド91に対
する取付位置を適切な位置に設定することができる。
【0083】このとき、点火コイル97が回転移動する
と、突起部97aと位置決め係合部47bとの係合によ
り、外側部材47が点火コイル97と共に回転移動す
る。そして、点火コイル97の最終的な固定位置におい
ては、位置決め係合部47bのシリンダヘッド91に対
する相対位置が突起部97aと同一位置に設定されるこ
とから、点火コイル97の位置決め作業に伴い、ケーブ
ル取り出し部47aのシリンダヘッド91に対する相対
位置が所定位置に設定される。
【0084】そして、外側部材47は、点火コイル97
の取付位置を考慮した上で、ケーブル取り出し部47a
および位置決め係合部47bの形成位置が予め設定され
ており、点火コイル97がシリンダヘッド91に対し適
切な位置に装着(固定)されることで、ケーブル取り出
し部47aが最適な方向に設定される。
【0085】以上、説明したように、本実施例の点火プ
ラグユニット1に備えられるプラグキャップ3は、セン
サ出力ケーブル25を本体部41の外周に巻き付ける状
態でケーブル配置部53に配置し、センサ出力ケーブル
25の巻き付け部分のたわみ量を変化させることで、ケ
ーブル取り出し部47aから導出されるセンサ出力ケー
ブル25の取り出し寸法を適切な長さに設定することが
できる。
【0086】このようにしてセンサ出力ケーブル25の
取り出し寸法を適切な長さに設定できることにより、プ
ラグキャップ3から外部機器に向けて導出されるセンサ
出力ケーブル25に余剰分が生じて配設作業が困難にな
ることや、センサ出力ケーブル25の寸法が不足して外
部機器と接続できなくなるのを防ぐことができる。よっ
て、本実施例のプラグキャップ3によれば、センサ出力
ケーブル25の取り出し寸法を適切な長さに設定するこ
とができ、センサ出力ケーブル25の配設作業の煩雑さ
を解消することができる。
【0087】また、グロメット55が、ケーブル配置部
53を一定空間内に制限することから、センサ出力ケー
ブル25のたわみ部分が移動可能な領域を一定範囲内に
制限することができ、プラグキャップ3および圧力セン
サ内蔵点火プラグ11のプラグホール95への装着作業
時において、たわみ部分を保持する必要が無くなる。よ
って、本実施例のプラグキャップ3によれば、グロメッ
ト55によりセンサ出力ケーブル25の移動可能範囲が
一定範囲内に制限されることから、センサ出力ケーブル
25のたわみ部分を保持する必要がなくなり、プラグキ
ャップ3および圧力センサ内蔵点火プラグ11の装着作
業の煩雑さを解消することができる。
【0088】また、プラグキャップ3は、内側部材45
と外側部材47とを備えるとともに、本体部41の第1
嵌合部41aの外周に回転不能に装着される内側部材4
5の外周に装着される外側部材47が、内側部材45の
外周を回転移動することで、プラグキャップ3の一端に
おけるケーブル取り出し部47aの方向を変更できるよ
うに構成されている。このため、シリンダヘッド91に
形成されたプラグホール95における圧力センサ内蔵点
火プラグ11の周方向取付位置が不確定となる場合で
も、外側部材47を回転移動することにより、センサ出
力ケーブル25の取り出し方向を、プラグホール95の
開口部における周方向のうち任意の方向に設定すること
ができる。
【0089】よって、プラグキャップ3によれば、圧力
センサ内蔵点火プラグ11をシリンダヘッド91に装着
するにあたり、センサ出力ケーブルの取り出し寸法を適
切な長さに設定できることに加えて、外側部材47を回
転移動することで、プラグホール95の開口部における
センサ出力ケーブル25の取り出し方向を任意に設定で
きる。このため、センサ出力ケーブル25と接続先の外
部機器等との距離が最短となるようにケーブル取り出し
部47aの周方向位置を設定することができ、センサ出
力ケーブル25の配設作業の煩雑さを更に解消すること
ができる。
【0090】また、プラグキャップ3においては、内側
部材45および外側部材47がそれぞれ表面の摩擦係数
が小さい合成樹脂製材料で形成されていることから、外
側部材47が内側部材45の周囲を円滑に回転すること
が可能となり、センサ出力ケーブル25の取り出し方向
を容易に変更することができる。これにより、プラグキ
ャップ3をプラグホール95に配置した後において、セ
ンサ出力ケーブル25の取り出し方向を適切な方向に設
定する作業が容易となり、配設作業における負担を軽減
することができる。
【0091】さらに、本実施例のプラグキャップ3は、
本体部41の第2嵌合部41bが、センサ出力ケーブル
25を本体部41の外部に配置する状態で点火プラグ1
1の主体金具17に嵌合するように形成され、センサ出
力ケーブル25を本体部41の側壁に固定するためのク
ランプ部材49を備えている。
【0092】このように構成されたプラグキャップ3に
おいては、センサ出力ケーブル25がプラグキャップ3
の内部に配設されないことから、従来よりプラグキャッ
プ3の内部に配置されている点火コイル97のブーツ部
材99を、そのままの形状でプラグキャップ3の内部に
配置することができる。つまり、ブーツ部材に対し、セ
ンサ出力ケーブル25の配置領域を形成することなく、
従来のブーツ部材を用いることができる。
【0093】また、本実施例に示すプラグキャップ3
は、第2嵌合部41bが主体金具17の六角部17aと
嵌合した状態で圧力センサ内蔵点火プラグ11と共にプ
ラグホール95に挿入された後、第1嵌合部41aに締
め付け用工具を嵌合して締め付けることで、圧力センサ
内蔵点火プラグ11をシリンダヘッド91のプラグホー
ル95に装着することができる。
【0094】つまり、このプラグキャップ3は、プラグ
ホール95に挿入される前の段階において、視認可能な
状況下で圧力センサ内蔵点火プラグ11に装着できるこ
とから、センサ出力ケーブルと干渉することなく、適切
な相対位置を維持した状態で圧力センサ内蔵点火プラグ
11に装着することができる。そして、このあと、プラ
グキャップ3は、圧力センサ内蔵点火プラグ11と共に
プラグホール95の内部に配置されることから、圧力セ
ンサ内蔵点火プラグ11への装着時(嵌合時)にセンサ
出力ケーブル25を傷つけることがない。
【0095】次に、第2実施例として、複数のケーブル
取り出し部48aを有する第2外側部材48と、センサ
出力ケーブルの一部を内部に配置する第2本体部42と
を備える第2プラグキャップ5について説明する。な
お、第2プラグキャップ5は、第1実施例にて記載した
圧力センサ内蔵点火プラグ11および点火コイル97と
ともに、点火プラグユニットを構成することができる。
【0096】ここで、第2プラグキャップ5のうち、第
2内側部材46および第2外側部材48が備えられる部
分の斜視図を図3に示す。なお、第2内側部材46およ
び第2外側部材48は、それぞれ表面の摩擦係数が小さ
い合成樹脂製材料(例えば、ポリフェニレンスルフィド
(PPS)やポリエステル樹脂など)で形成されてい
る。
【0097】まず、第2内側部材46は、略円筒形状に
形成されると共に、先端部(図3における下側端部)の
全周にわたり径方向外側に延設された鍔部を有し、鍔部
には先端側から後端側に向けてセンサ出力ケーブル25
を挿通するための挿通孔46aが設けられている。ま
た、第2内側部材46は、圧入あるいは接着などによ
り、第2本体部42の第1嵌合部42aの外周に回転不
能に装着されている。
【0098】そして、第2外側部材48は、略円筒形状
に形成されると共に、後端部(図3における上側端部)
の全周にわたり径方向外側に延設された鍔部を有して形
成される。また、第2外側部材48は、鍔部に、点火コ
イル(図3では図示省略)に備えられる突起部97aと
係合する位置決め係合部48bと、センサ出力ケーブル
25を保持するために設けられた複数のケーブル取り出
し部48aとを備えている。なお、ケーブル取り出し部
48aは、鍔部の周方向縁部において等間隔に複数形成
されている。
【0099】そして、第2外側部材48は、自身の円筒
部分が第2内側部材46の円筒部分の外周に配置される
ように第2内側部材46に装着され、このあと、第2内
側部材46の周囲を回転移動することで、ケーブル取り
出し部48aおよび位置決め係合部48bの周方向位置
を変更することができる。
【0100】このとき、第2外側部材48の回転移動の
みならず、複数のケーブル取り出し部48aのうち適切
な位置のケーブル取り出し部48aを選択することで
も、センサ出力ケーブル25の取り出し方向を変更する
ことができる。つまり、第2外側部材48は、複数のケ
ーブル取り出し部48aの中から1つを選択することに
より、鍔部におけるケーブル取り出し部48aの周方向
位置を変更可能に構成されている。
【0101】このように、複数のケーブル取り出し部4
8aを有する第2外側部材48を備える第2プラグキャ
ップ5は、外側部材の回転移動のみによりケーブル取り
出し部の方向を変更する場合に比べて、センサ出力ケー
ブル25の取り出し方向として設定可能な方向の選択肢
が増大する。
【0102】また、第2プラグキャップ5を構成する第
2本体部42は、ケーブル配置部53の後端側に隣接す
る部分に、当該第2プラグキャップ5の内部から外部に
センサ出力ケーブル25を導出するための貫通孔42c
を備えて形成されている。また、第2本体部42は、第
2嵌合部(図3では図示省略)がセンサ出力ケーブル2
5を第2本体部42の内部に収容する状態で点火プラグ
(図3では図示省略)の主体金具に嵌合するように形成
される。
【0103】このため、第2プラグキャップ5では、第
2嵌合部から貫通孔42cまでの領域においては、セン
サ出力ケーブル25が第2プラグキャップ5の内部に配
置されることになる。よって、第2実施例の第2プラグ
キャップ5によれば、複数のケーブル取り出し部48a
を備える第2外側部材48を備えることで、センサ出力
ケーブル25の取り出し方向を、より適切な方向に設定
することが可能となる。また、複数のケーブル取り出し
部48aを備えることで、第2外側部材を回転移動する
ことができない状態となった場合でも、センサ出力ケー
ブル25の取り出し方向を変更することが可能となる。
【0104】また、第2プラグキャップ5では、センサ
出力ケーブル25が第2プラグキャップ5の内部に配置
されることになり、第2プラグキャップ5および圧力セ
ンサ内蔵点火プラグをプラグホールに固定する際に、セ
ンサ出力ケーブル25がプラグホール内壁などとの干渉
によって損傷するのを防ぐことができる。なお、貫通孔
42cは、第2本体部42のうち第1嵌合部42aに近
い位置に設けられており、これにより、センサ出力ケー
ブル25のうちプラグキャップの外部に配置される部分
を少なくすることができ、より好適にセンサ出力ケーブ
ル25の損傷を防ぐことができる。
【0105】次に、第3実施例として、外側部材の内側
部材からの脱落を防止でき、また外側部材の回転可能範
囲が一定範囲内に制限された第3プラグキャップ6につ
いて説明する。なお、第3プラグキャップ6は、上述し
た第1実施例のプラグキャップ3に比べて、本体部は同
一形状であり、外側部材および内側部材のみが異なるこ
とから、第3プラグキャップ6に備えられる第3外側部
材51および第3内側部材52について説明する。
【0106】そして、図4に、第3外側部材51および
第3内側部材52を示す。なお、図4(a)は、第3外
側部材51および第3内側部材52の平面図であり、図
4(b)は、第3外側部材51および第3内側部材52
の斜視図であり、図4(c)は、図4(a)に示す第3
外側部材51および第3内側部材52におけるA−A視
断面図である。
【0107】まず、第3外側部材51は、略円筒形状に
形成されると共に、円筒部分の後端部(図4(c)にお
ける上側端部)の全周にわたり径方向外側に延設された
鍔部を有して形成される。そして、第3外側部材51
は、センサ出力ケーブル25を保持するために、円筒部
分の先端部(図4(c)における下側端部)から鍔部の
周囲縁部にかけて形成された溝状のケーブル取り出し部
51aと、点火コイルに備えられる突起部と係合するた
めに鍔部の後端面に形成された凹形状の位置決め係合部
51bとを備えている。また、第3外側部材51は、円
筒部分の内壁の全周にわたり内側に向けて突出して形成
された突条部51cを備えている。
【0108】次に、第3内側部材52は、略円筒形状に
形成されると共に、円筒部分の外表面の全周にわたり形
成された外周溝部52cを備えて形成されており、自身
の内壁が圧入あるいは接着などにより本体部41の第1
嵌合部41a(図1参照)の外周に対して取り付けられ
る。
【0109】そして、第3外側部材51が、自身の円筒
部分が第3内側部材52の円筒部分の外周に配置される
ように第3内側部材52に装着されると、第3外側部材
51の突条部51cが第3内側部材52の外周溝部52
cと係合する。このように、突条部51cが外周溝部5
2cと係合することで、第3外側部材51と第3内側部
材52との軸方向の相対位置が変動するのを防ぐことが
でき、第3外側部材51が脱落することを防ぐことがで
きる。
【0110】なお、このとき、突条部51cおよび外周
溝部52cの形成位置は、第3外側部材51および第3
内側部材52の全周にわたり軸方向高さが一定であり、
第3外側部材51が第3内側部材52の周囲を回転移動
できるように、突条部51cおよび外周溝部52cが形
成されている。
【0111】よって、第3プラグキャップ6によれば、
第3外側部材51が第3内側部材52から脱落するのを
防止できるため、第3プラグキャップ6を取り扱う際に
脱落を防ぐために作業員が第3外側部材51を押さえる
必要が無くなり、圧力センサ内蔵点火プラグとの嵌合作
業時やプラグホールへの装着作業等の煩雑さを解消する
ことができる。なお、第3プラグキャップ6において、
第3外側部材51に形成される突条部51cは特許請求
の範囲に記載の第2係合部に相当し、第3内側部材52
に形成される外周溝部52cは第1係合部に相当するも
のである。
【0112】また、第3外側部材51は、円筒部分の先
端部(図4(b)における下端部)から先端方向に突出
して形成された外側回転制限部51dを備えており、第
3内側部材52は、外周表面から径方向外側に突出して
形成された内側回転制限部52dを備えている。そし
て、外側回転制限部51dおよび内側回転制限部52d
は、第3外側部材51が第3内側部材52の外周を少な
くとも1回転する間に、互いに当接する位置に形成され
ている。
【0113】このように、外側回転制限部51dおよび
内側回転制限部52dを備えて、第3外側部材51の回
転可能な範囲を制限することにより、第3外側部材51
が過度に回転移動することがなくなり、センサ出力ケー
ブル25に対して不適切な外力が印加されるのを防止で
きる。
【0114】よって、第3プラグキャップ6によれば、
センサ出力ケーブル25に無駄な外力が印加されるのを
防ぐことができ、センサ出力ケーブル25が損傷するの
を防ぐことができる。なお、第3プラグキャップ6は、
外側部材に突条部を備え、内側部材に溝部を備えて構成
されているが、外側部材の脱落を防止することができる
プラグキャップの他の実施例としては、内側部材に突条
部を備え、外側部材に溝部を備えて構成してもよい。
【0115】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、こうした実施例に限定されることなく、
種々の態様をとることができる。例えば、プラグキャッ
プの軸方向長さ寸法をプラグホールの深さ寸法よりも長
く形成して、ケーブル配置部をプラグホールの外部に配
置できるように、プラグキャップを形成すると良い。こ
のように、ケーブル配置部をプラグホールの外部に配置
できるプラグキャップを用いることで、プラグホールの
断面積を拡大する必要が無くなり、吸排気弁駆動機構等
の設置領域を従来通りの大きさに確保することができ
る。
【0116】また、点火コイルと係合するための位置決
め係合部は、例えば、点火コイルのうち外側部材に当接
する部分に凸状部が設けられている場合には、凸状部に
係合可能な凹形状に形成すると良く、反対に、点火コイ
ルに凹形状部が設けられている場合には、凹形状部に係
合可能な凸形状に形成すると良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の点火プラグユニットの構成を表
す構成図である。
【図2】 第1実施例のプラグキャップのうち、内側部
材および外側部材が備えられる部分の斜視図である。
【図3】 第2プラグキャップのうち、第2内側部材お
よび第2外側部材が備えられる部分の斜視図である。
【図4】 (a)は、第3外側部材および第3内側部材
の平面図であり、(b)は、第3外側部材および第3内
側部材の斜視図であり、(c)は、(a)に示す第3外
側部材および第3内側部材におけるA−A視断面図であ
る。
【符号の説明】
1…点火プラグユニット、3,5,6…プラグキャッ
プ、11…圧力センサ内蔵点火プラグ、25…センサ出
力ケーブル、41,42…本体部、41a,42a…第
1嵌合部、41b…第2嵌合部、42c…貫通孔、4
5,46,52…内側部材、46a…挿通孔、47,4
8,51…外側部材、47a,48a,51a…ケーブ
ル取り出し部、47b,48b,51b…位置決め係合
部、49…クランプ部材、51c…突条部、51d…外
側回転制限部、52c…外周溝部、52d…内側回転制
限部、53…ケーブル配置部、55…グロメット、97
…点火コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02P 13/00 F02P 13/00 303G G01L 23/22 G01L 23/22 H01T 13/40 H01T 13/40 Fターム(参考) 2F055 AA23 BB20 CC60 DD01 EE23 FF43 GG49 HH19 3G019 KA23 KA28 KB09 KD17 3G024 AA04 BA00 5G059 AA10 JJ15 KK01 KK14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主体金具の取付座部に一体に取り付けら
    れた圧力センサと、該圧力センサにて検出した筒内圧に
    応じた電気信号を出力するためのセンサ出力ケーブルと
    を備える圧力センサ内蔵点火プラグに装着されて、内燃
    機関のプラグホールに配置されるプラグキャップであっ
    て、 一端に締め付け用工具と嵌合可能な第1嵌合部が形成さ
    れ、他端に前記圧力センサ内蔵点火プラグの前記主体金
    具と嵌合可能な第2嵌合部が形成された略筒型形状の本
    体部を備えると共に、 前記本体部の外周に、前記本体部の軸方向に沿って延出
    される前記センサ出力ケーブルを周方向に巻き付けて配
    置するためのケーブル配置部を形成したこと、 を特徴とするプラグキャップ。
  2. 【請求項2】 前記本体部の外周に配置領域制限部材を
    設け、該配置領域制限部材により前記ケーブル配置部を
    形成したこと、 を特徴とする請求項1に記載のプラグキャップ。
  3. 【請求項3】 前記配置領域制限部材は、前記ケーブル
    配置部の軸方向範囲を前記第1嵌合部に隣接する領域に
    制限すること、 を特徴とする請求項2に記載のプラグキャップ。
  4. 【請求項4】 前記第1嵌合部の外周に対して同心状に
    かつ回転不能に装着された筒形状の内側部材と、 前記ケーブル配置部から外部に向かう前記センサ出力ケ
    ーブルを保持するためのケーブル取り出し部を有し、前
    記内側部材の外周に対して同心状にかつ回転可能に装着
    された外側部材と、 を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいず
    れかに記載のプラグキャップ。
  5. 【請求項5】 前記内側部材および前記外側部材が、そ
    れぞれ樹脂材料で形成されていること、 を特徴とする請求項4に記載のプラグキャップ。
  6. 【請求項6】 前記ケーブル取り出し部は、前記外側部
    材における周方向位置を変更可能に構成されているこ
    と、 を特徴とする請求項4または請求項5に記載のプラグキ
    ャップ。
  7. 【請求項7】 前記内側部材は、前記外側部材と当接す
    る外周表面に第1係合部を備え、 前記外側部材は、前記内側部材と当接する内周表面に第
    2係合部を備え、 前記外側部材を前記内側部材に装着した際に、前記第1
    係合部と前記第2係合部とが係合することにより、前記
    外側部材が、軸方向への移動を制限された状態で前記内
    側部材の周囲を回転移動すること、 を特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の
    プラグキャップ。
  8. 【請求項8】 前記内側部材は、外周表面から外側方向
    に突出して形成される内側回転制限部を備え、 前記外側部材は、前記内側部材の周囲を回転移動する途
    中で前記内側回転制限部と当接する外側回転制限部を備
    え、 前記外側部材が前記内側部材の周囲を回転する際に、前
    記内側回転制限部と前記外側回転制限部とが当接するこ
    とにより、前記外側部材の回転移動範囲が制限されるこ
    と、 を特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の
    プラグキャップ。
  9. 【請求項9】 前記外側部材は、前記本体部の前記第1
    嵌合部に隣接して配置される点火コイルに係合して、前
    記点火コイルとの相対位置を一定に維持する位置決め係
    合部を備えること、 を特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載の
    プラグキャップ。
  10. 【請求項10】 前記本体部の前記第2嵌合部は、前記
    センサ出力ケーブルを前記本体部の内部に収容する状態
    で前記点火プラグの前記主体金具に嵌合するように形成
    され、 前記本体部は、当該プラグキャップの内部から外部に前
    記センサ出力ケーブルを導出するための貫通孔を備えた
    こと、 を特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の
    プラグキャップ。
  11. 【請求項11】 前記本体部の前記第2嵌合部は、前記
    センサ出力ケーブルを前記本体部の外部に配置する状態
    で前記点火プラグの前記主体金具に嵌合するように形成
    され、 前記センサ出力ケーブルを前記本体部の側壁に固定する
    ためのクランプ部材を備えたこと、 を特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の
    プラグキャップ。
  12. 【請求項12】 主体金具の取付座部に一体に取り付け
    られた圧力センサと、該圧力センサにて検出した筒内圧
    に応じた電気信号を出力するためのセンサ出力ケーブル
    とを備える圧力センサ内蔵点火プラグと、 該圧力センサ内蔵点火プラグに装着されて、内燃機関の
    プラグホールに配置されるプラグキャップとを備える点
    火プラグユニットであって、 前記プラグキャップが、請求項1から請求項11のいず
    れかに記載のプラグキャップであること、 を特徴とする点火プラグユニット。
  13. 【請求項13】 前記本体部の前記第1嵌合部に隣接し
    て配置される点火コイルを備えたこと、 を特徴とする請求項12に記載の点火プラグユニット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005144608A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Makita Corp 燃焼式作業工具
US7461766B2 (en) 2003-11-07 2008-12-09 Makita Corporation Combustion power tool
JP2013181405A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Keihin Corp 筒内圧センサ付き燃料噴射弁

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