JP2003157631A - 記録読み出し装置および記録読み出し方法 - Google Patents

記録読み出し装置および記録読み出し方法

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JP2003157631A
JP2003157631A JP2001358457A JP2001358457A JP2003157631A JP 2003157631 A JP2003157631 A JP 2003157631A JP 2001358457 A JP2001358457 A JP 2001358457A JP 2001358457 A JP2001358457 A JP 2001358457A JP 2003157631 A JP2003157631 A JP 2003157631A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録セルのパターンが高度に配列化した記録
媒体に対して、トラッキング、シークが容易で、高速な
読み出しが可能な記録読み出し装置を提供する。 【構成】 記録セルがトラック方向に沿ってピッチPで
周期的に配列したサブトラックを含み、隣り合うサブト
ラック上の最近接の2つの記録セルがP/2ピッチずれ
ている記録トラック帯を有する記録媒体からの記録読み
出し装置であって、2つのサブトラック上の記録セルの
データを読み出す読み出しヘッドと、読み出しヘッドに
より読み出された実測信号を記録する記録部と、2つの
サブトラックに含まれる複数の記録セルに記録されるビ
ットパターンに対応する複数の信号パターンが記憶され
た記憶部と、記録部に記録された実測信号と記憶部に記
憶された信号パターンとを比較してトラックずれ情報を
取得する信号処理部と、トラックずれ情報に基づいて読
み出しヘッドの位置を制御する制御部とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度記録が可能
なパターンドメディアからの記録読み出し装置および記
録読み出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコンなど情報機器の飛躍的な機能向
上により、ユーザーの扱う情報は著しく増大してきてい
る。このような状況の下で、これまでより飛躍的に記録
密度の高い情報記録再生装置に対する期待は高まるばか
りである。記録密度を向上させるためには、記録媒体に
おいて記録の書き込み単位である1つの記録セルまたは
記録マークの大きさを微小化することが必要である。し
かし、従来の記録媒体において記録セルまたは記録マー
クの微小化は大きな困難に直面している。
【0003】例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒
体では、記録層に粒度分布の広い多結晶体を用いてい
る。しかし、結晶の熱揺らぎのために、小さい多結晶体
では記録が不安定となる。このため、記録セルが大きい
場合は問題ないが、記録セルが小さいと記録の不安定性
やノイズの増大が生じる。これは、記録セルに含まれる
結晶粒の数が少なくなることと、記録セル間の相互作用
が相対的に大きくなることが要因になっている。
【0004】相変化材料を用いた光記録媒体においても
状況は同様であり、記録マークサイズが相変化材料の結
晶サイズと同程度となる1インチ平方当たり数百ギガビ
ット以上の記録密度では、記録が不安定になるとともに
媒体ノイズが大きくなる。
【0005】これらの問題を回避するため、磁気記録の
分野においては、あらかじめ記録材料を非記録材料によ
り分断し、単一の記録材料粒子を単一の記録セルとして
記録再生を行うパターンドメディアが提案されている
(S.Y.Chou et al.,J.Appl.P
hys.,76(1994)pp6673;US Pa
tent 5,820,768および5,956,21
6;R.H.M.Newet al.,J.Vac.S
ci.Technol.,B12(1994)pp31
96;荻野谷他,特開平10−233015号公報)。
【0006】記録密度が向上するとトラック密度も向上
し、トラッキング用のサーボマークを書き込むことも非
常に困難になる。従来のセクターサーボ方式で高トラッ
ク密度を実現する方法の一つとして、トラッキング用の
サーボパターンを物理的な凹凸パターンとして予めディ
スクに作り込む方法が提案されている(特開平6−11
1502号公報)。この方法では、もともと真円度の高
いトラックが形成されているため、従来のHDDに比較
するとトラック密度を向上できる。しかし、100G〜
1Tbpsiの記録密度となると、安価なリソグラフィ
ーではパターンを描画することが困難である。また、サ
ーボパターンのサンプリング周波数を上げることが必要
であるが、そのためデータ領域が少なくなるという問題
がある。
【0007】これに対して、磁気二重層を利用し、上層
の磁性層にデータを記録し、下層の磁性層にサーボ情報
を記録するベリードサーボ方式が知られている。この方
式では連続的に、十分な周波数帯域のサーボ位置情報を
記録できる。しかしながら、垂直磁気記録媒体において
は、磁気特性を上げるために垂直磁気媒体の下に軟磁性
層を設ける必要があり、この軟磁性層のためにサーボ信
号を検出することが非常に困難になる。また、記録トラ
ックの幅が小さくなり、記録トラックの数も増えるた
め、読み出しヘッドのシークに時間を要するという問題
がある。さらに、記録セルの形状および記録トラック幅
が小さくなるため、読み出し、書き込みにおける記録セ
ル間の干渉が大きくなり、十分な分解能が得られないと
いう問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Tb
psi級の記録密度を実現するために、パターンドメデ
ィアは有効な手段であるが、記録データへのアクセスや
トラッキングを容易に実現する方式は確立していない。
【0009】本発明の目的は、高度に配列化した記録セ
ルのパターンを有する記録媒体に対するトラッキングお
よびシークが容易で、データ信号の高速な読み出しが可
能な記録読み出し装置、および記録読み出し方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様に係る記
録読み出し装置は、互いに分離して形成された複数の記
録セルをトラック方向に沿ってピッチPで周期的に配列
した複数列のサブトラックを有し、隣り合う前記サブト
ラックが前記トラック方向に沿って前記ピッチPの1/
2ずれている記録媒体からの記録読み出し装置であっ
て、前記記録媒体の隣り合う2つのサブトラック上に配
置され、これらのサブトラック中の記録セルに記録され
たデータを読み出す読み出しヘッドと、前記読み出しヘ
ッドにより読み出された実測信号を記録する記録部と、
前記隣り合う2つのサブトラックに含まれる複数の記録
セルに記録されるビット情報の組み合わせを表すビット
パターンのそれぞれに対応する複数の信号パターンが記
憶された記憶部と、前記記録部に記録された前記実測信
号と前記記憶部に記憶された前記複数の信号パターンと
を比較して、前記実測信号のビットパターン情報および
トラックずれ情報を取得する信号処理部と、前記トラッ
クずれ情報に基づいて前記記録媒体に対する読み出しヘ
ッドの位置を制御する制御部とを有することを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態に係る
記録媒体の記録層の平面図を示す。図1に示す記録層に
は、複数の記録トラック帯1が帯状の分離帯2によって
互いに分離されて形成されている。記録媒体全体の形状
はディスクでもカードでもよく、特に形状は限定されな
い。ディスク状の記録媒体では、記録トラック帯1を同
心円状またはスパイラル状に形成することが好ましい。
カード状の記録媒体では、記録トラック帯1を直線状に
形成することが好ましい。
【0012】記録トラック帯1内には規則的に配列した
複数の記録セル11が、非記録材料からなるマトリック
ス12によって互いに分断されて形成されている。マト
リックス12の材料は記録セル11に書き込まれた情報
を破壊しないものであれば特に限定されない。マトリッ
クス12の材料としては、例えばSiO2、Al23
どの無機絶縁材料、ポリマーなどの有機絶縁材料を用い
ることができるが、これらに限定されない。
【0013】記録セル11はトラック方向に沿ってピッ
チPをもって周期的に配列してサブトラックを形成し、
1つの記録トラック帯1内には複数列のサブトラックが
含まれる。図1では記録トラック帯1内に4列のサブト
ラック1a〜1dが含まれている。記録トラック帯1内
で隣り合うサブトラック例えば1a上と1b上に位置す
る最近接の2つの記録セル11は、トラック方向で見て
互いの中心間の間隔が1つのサブトラック例えば1a内
でのピッチPの1/2だけ離れている。図1では、記録
セル11は最も安定な構造である三方細密充填構造をな
して三角格子を形成しているので、隣り合うサブトラッ
ク上に位置する最近接の2つの記録セル11のトラック
方向におけるずれはP/2である。なお、本発明におい
てトラック方向とは、後述する読み取りヘッドの記録媒
体に対する相対的な移動方向を指す。
【0014】図2は本発明の一実施形態に係る装置、例
えば磁気ディスク装置の全体的な構造を示す斜視図であ
る。磁気ディスク21はスピンドルモーター22に装着
され、図示しない制御部からの制御信号により回転す
る。軸23にはアクチュエータアーム24が保持され、
アクチュエータアーム24はサスペンション25および
その先端のスライダ26を支持している。磁気ディスク
21が回転すると、スライダヘッド26の媒体対向面は
磁気ディスク21の表面から所定量浮上した状態で保持
され、情報の記録再生を行う。アクチュエータアーム2
4の基端にはボイスコイルモーター27が設けられ、ア
クチュエータアーム24はボイスコイルモーター27に
より回動できるようになっている。アクチュエータアー
ム24の先端には微小位置制御を行うためのピエゾ素子
が設置される。磁気ディスク装置内部には記録セルの信
号に基づいてトラッキング信号を発生するためのマイク
ロプロセッサーが設置される。
【0015】図3は本発明の一実施形態に係る磁気ディ
スク装置の概略構成図である。図3に示すように、磁気
ディスク21は、基板10上に、記録セル11が規則配
列した記録トラック帯1および分離帯2を含む記録層3
と、保護層4が形成された構造を有する。磁気ディスク
21はスピンドルモーター22に装着されている。磁気
ディスク21上にはスライダ26が配置される。スライ
ダはピエゾ素子を含む2段アクチュエータ(図示せず)
によって位置決めされる。
【0016】図3に示すように、スライダ26の先端に
は読み出しヘッド31と書き込みヘッド32が搭載され
ている。後述するように、読み出しヘッド31および書
き込みヘッド32は、磁気ディスク21の記録トラック
帯1上において隣り合う2つのサブトラック上をカバー
するようにトラッキングされる。読み出しヘッド31
は、2つのサブトラック上の記録セルに記録されたデー
タを読み出す。読み出しヘッド31により読み出された
信号は記録部(RAM)33に記録される。一方、記憶
部(ROM)34には2つのサブトラック上に含まれる
複数の記録セルへの記録状態に応じた複数のビットパタ
ーンに対応する複数の信号パターンが記憶されている。
信号処理部35は、記録部33に記録された信号と記憶
部34に記憶されている信号パターンとを比較して、2
つのサブトラックに含まれる複数の記録セルのビットパ
ターン情報およびトラックずれ情報を求める。制御部3
6は信号処理部35によって得られたトラックずれ情報
に基づいて、磁気ディスク21(厳密には2つのサブト
ラック)に対する読み出しヘッド31の位置を制御して
トラッキングを行う。
【0017】図4に本発明の一実施形態に係る読み出し
ヘッドのトラッキング方法について説明する。ここで
は、記録媒体が垂直磁気記録媒体であるものとする。図
4(A)に示すように、読み出しヘッド31が隣り合う
サブトラック1a、1bの中央に位置するようにトラッ
キングする。このとき、読み出しヘッド31が感じる記
録信号は、隣接する2つのサブトラック上における、最
近接の3つの記録セルの記録状態に応じて干渉の仕方が
異なるため、その影響を受ける。このことを図4
(B)、(C)および(D)に示す。図4(B)は隣接
する3つの記録セルがいずれも上向きに記録されている
場合、図4(C)は隣接する3つの記録セルのうち2つ
が上向き、1つが下向きに記録されている場合、図4
(D)は隣接する3つの記録セルのうち1つが上向き、
2つが下向きに記録されている場合を示している。読み
出しヘッド31が感じる記録信号の絶対値は、図4
(B)が最も大きく(3)、図4(C)が中間の値
(2)であり、図4(D)が最も小さい(1)。
【0018】ここで、図5(A)および図6(A)に示
すように2つのサブトラック上の各記録セルに所定のデ
ータ信号が記録されており(図5(A)と図6(A)と
でデータ信号は同じである)、理想的にトラッキングさ
れている場合(図5(A))とそうでない場合(図6
(A))を考える。読み出しヘッド31は、記録セルの
ピッチPの1/2の距離を通過する時間tごとにデータ
を読み出す。
【0019】図5(A)に示すように、読み出しヘッド
31が2つのサブトラックの中央に正確に位置制御され
ている場合、図5(B)に示すような実測信号(絶対
値)が図3の記録部33に記録される。信号処理部35
はこの実測信号を時間tの奇数倍のタイミング(サブト
ラック1a)および偶数倍のタイミング(サブトラック
1b)で分離して、分離された信号強度の絶対値を所定
数だけ(例えば3つずつ)積分する。図5(A)に示す
ビットパターンに対して読み出しヘッドの位置制御が正
確である場合には、信号強度の積分値の比率は1:0.
8となる。図3に示した記憶部34には、複数の記録セ
ルへの記録状態に応じた様々なビットパターンに対応す
る信号強度の積分値の理想的にトラッキングしたときの
比率が記憶されている。図5(A)の場合には、記録部
33に記録された信号強度の積分値の比率と、記憶部3
4に記憶されている信号強度の積分値の比率とを比較し
ても差がないので、トラックずれがないと判断できる。
【0020】一方、図6(A)のように、読み出しヘッ
ド31が2つのサブトラックの中央よりサブトラック1
a側へずれている場合、図6(B)のような実測信号
(絶対値)が記録部33に記録される。この場合、信号
処理部35によって求められる、2つのサブトラック1
aおよび1bにおけるそれぞれの信号強度の積分値の比
率は例えば1:0.47になる。そして、信号処理部3
5によって記録部33に記録された信号強度の積分値の
比率と記憶部34に記憶されている信号強度の積分値の
理想的な比率とを比較することにより、読み出しヘッド
31がサブトラック1a側へずれているというトラック
ずれ情報が得られる。
【0021】以上のような適切な信号処理により、2つ
のサブトラックから読み出される信号強度の積分値の比
率を求め、それを記憶部に記憶された積分値の理想的な
比率と比較することにより、読み出しヘッドのトラック
ずれ情報を求めることができる。そして、制御部36か
らトラックずれを修正するための動作信号をアクチュエ
ータに送ることにより正確なトラッキングを実現でき
る。上記の信号処理および制御は専用のマイクロプロセ
ッサを用いて行われる。
【0022】以上のように2列のサブトラックから得ら
れる記録情報を利用して連続的なトラッキングが可能で
あるが、動作信号の周波数はアクチュエータの微小動作
が可能な周波数以下にする。したがって、アクチュエー
タは微小動作の高周波数対応が可能であることが望まし
く、ピエゾ素子を微動アクチュエータに用いた2段アク
チュエータが好ましい。
【0023】なお、以上では連続する記録セルから読み
出される信号強度を積分する方法を説明したが、記録セ
ルを例えば10個おきにサンプリングして積分するなど
の方法を採用してもよい。
【0024】次に、図7を参照して、本発明の他の実施
形態に係る読み出しヘッドのトラッキング方法について
説明する。図7に記録媒体のデータ領域における記録セ
ルの記録状態を示す。ここでは、上向きの磁気ベクトル
を持つ磁気情報が記録されたセル(ビット信号“0”)
を白、下向きの磁気ベクトルを持つ磁気情報が記録され
たセル(ビット信号“1”)を黒で表している。この図
に示されるように、データ信号に依存したビットパター
ンが形成されている。この記録媒体に対して、上記と同
様に、読み出しヘッド31がサブトラック1a、1bの
中央に位置するようにトラッキングする。読み出しヘッ
ド31によって読み出される信号(例えば電気信号)
は、“0”の記録セル上を読み出しヘッドが通過する場
合には負の値、“1”の記録セル上を読み出しヘッドが
通過する場合には正の値をもつ。
【0025】読み出しヘッドが記録セルのサイズよりも
高い分解能で信号を読み出せるとすれば、各記録セルか
らの信号はそれぞれ同じレベルになるはずなので読み取
りが容易である。この場合、サブトラック1a上の記録
セルの信号強度とサブトラック1b上の記録セルの信号
強度との差をトラックずれ情報として利用することがで
き、図7に示されるように読み出しヘッドが記録媒体の
隣り合う2つのサブトラック1a、1bの中央を通るよ
うにトラッキングを行うことができる。
【0026】しかし、読み出しヘッドの分解能が低い場
合、ある記録セルからの信号に近接する記録セルからの
信号が重なるため、同じビットパターンで読み出しヘッ
ドが正確に2つのサブトラック1a、1bの中央を通っ
た場合でも、周囲の記録セルからの影響によって信号レ
ベルが変化し、例えば図8(A)のような信号パターン
が得られる。さらに、読み出しヘッド31がサブトラッ
ク1a寄りにずれたときの信号パターンは図8(B)の
ように変化し、サブトラック1b寄りにずれたときの信
号パターンは図8(C)のように変化する。このように
読み出しヘッドの分解能が低い場合には、各記録セルか
らの信号が隣接する記録セルの記録情報の影響を受ける
ため、単純に信号強度だけからトラックずれ情報を得る
のは困難である。
【0027】そこで、この実施形態では、複数の記録セ
ルを含む記録セル集合から信号を読み出し、記録セル集
合ごとに信号パターンを解析することによって、その信
号パターンに対応するビットパターンを得るとともにト
ラックずれ情報を得るようにする。
【0028】ここで、記録セル集合とは隣り合う2つの
サブトラック上において隣り合う2つ以上の記録セルを
含む複数の記録ビットの集合をいう。記録セル集合中の
セルの数は2つ以上であれば特に限定されない。図9に
は、例えば1つの記録セル集合が隣り合うサブトラック
から2つずつ合計4つの記録セルを含む場合を示す。こ
の記録セル集合では様々なビットパターンがあり得る
が、図9には6つの基本的なパターンを示している。そ
して、すべてのビットパターンは、これらの6パターン
と、これらの6パターンに対して正負が逆のパターンま
たは時系列が逆のパターンによって表現できる。例えば
ビットパターン“0000”は図9の“1111”に対
して正負が逆のパターンであり、“1110”は図9の
“0111”に対して時系列が逆のパターンである。
【0029】図10に、図9に示した6種類の基本パタ
ーンに対し読み出しヘッドによって得られると予想され
る信号パターンを示す。図10の信号パターンは、読み
出しヘッドが2つのサブトラックの中央を通った場合
(実線)、サブトラック1a寄り(外周側)にずれた場
合(一点鎖線)、およびサブトラック1b寄り(内周
側)にずれた場合(破線)を示している。
【0030】この実施形態では、図3の記憶部34に、
図10に示したビットパターンに対して読み出しヘッド
が正しい位置にあるときに得られると予想される信号パ
ターンおよび読み出しヘッド位置がずれている時に得ら
れると予想される信号パターンとからなる信号パターン
群と、それぞれの信号パターンに対応するトラックずれ
情報とが記憶されている。記憶部34に記憶される信号
パターンは、信号パターンそのもののアナログ強度デー
タでもよいし、一定時間間隔ごとのパルス強度でもよ
い。
【0031】この実施形態におけるトラッキング方法
を、より具体的に説明する。読み出しヘッドによって読
み出される実測信号を信号Aとする。信号処理部は信号
Aを所定数(この例では4つ)の記録セル集合ごとの信
号Bに分割し、得られた信号Bと記憶部に記憶されてい
る信号パターン群Cとを比較し、信号パターン群Cの中
で最も信号Bに近い信号パターンDを選択する。そし
て、信号処理部は信号パターンDの属性として記憶され
ているビットパターン情報およびトラックずれ情報を制
御部へ出力する。制御部は受け取ったトラックずれ情報
に基づいて、読み出しヘッドがサブトラック1aとサブ
トラック1bとの中央に位置するように制御する。
【0032】上記の操作において、記録セル集合ごとの
信号Bと信号パターン群Cを比較するには、例えば2つ
の信号強度の差分の絶対値を積分する方法が用いられ
る。まず、信号Bの強度の符号を正負反転させ、信号
“−B”を得た後、信号“−B”と信号パターン群Cに
含まれるそれぞれの信号パターンの強度を加算する。こ
の加算された信号は信号パターン群Cに含まれる特定の
信号パターンと信号Bとの差分に相当するが、正の値と
負の値が混在している。この差分信号のうち、負の信号
部分のみ符号を逆転させて信号の絶対値を得る処理を行
い、信号強度の絶対値を積算することにより、2つの信
号の差分信号の絶対値を積分した値が得られる。信号パ
ターン群Cに含まれるそれぞれの信号パターンに対して
信号強度積分値を比較し、信号パターン群Cの中で最も
信号強度積分値の低い信号パターンが信号Bに近い信号
パターンとして選択される。なお、信号Bと信号パター
ン群Cを比較する方法は上記の方法に限定されず、他の
方法を用いてもよい。
【0033】以上の説明では、一段階で実測信号に最も
近い信号パターンを求め、その信号パターンの属性とし
てのビットパターン情報およびトラックずれ情報を同時
に得るという信号処理を行った。これに対して、以下に
説明するように、まずビットパターン情報を得た後、次
にトラックずれ情報を得るという二段階の信号処理を行
ってもよい。図11を参照してこの信号処理方法をより
具体的に説明する。
【0034】上記と同様に、信号処理部は読み出しヘッ
ドから出力される実測した信号Aを記録セル集合ごとの
信号Bに分割する。次に、この実施形態では、まず信号
Bと読み出しヘッドが正しく位置制御されているときに
得られると予想される信号パターン群Gとを比較する。
信号パターン郡Gの中から最も信号Bに近い信号パター
ンHを選び、その属性として記憶されているビットパタ
ーン情報I(例えば“0111”)を得る。次に、ビッ
トパターンIに対応する、信号パターンHおよび読み出
しヘッドの位置がずれている場合に得られると予想され
る信号パターンを含む信号パターン群Kと、信号Bとを
比較する。そして、信号パターン群Kの中で信号Bに最
も近い信号パターンLを選択し、その属性として記憶さ
れているトラックずれ情報を得る。
【0035】なお、信号Bと記憶部に記憶されている信
号パターン群とを比較する場合、信号Bは信号Aから切
り出されたものであるため、信号Bにおける信号開始直
後のパターンと信号終了直後のパターンは、信号A中の
信号Bの前後のビットパターンにより影響を受けてい
る。この場合、単純に信号Bのパターン全体を記憶部に
記憶されている信号パターン群と比較すると、この信号
Bの両端のパターンが予想不可能であるため好ましくな
いことがある。この問題を解消するためには、信号処理
部によって、信号Bの両端のある一定区間を除いた信号
Bの中心部分と、記憶部に記憶されている信号パターン
群の中心部分とを比較するようにしてもよい。
【0036】このように、信号Bと記憶部に記憶されて
いる信号パターン群とを中心部分のみで比較する方法
は、ビットパターン情報を得るために信号Bと信号パタ
ーン群とを比較する場合のように、ビットパターンの内
容による信号パターンの変化が著しい場合にはそれほど
メリットがあるわけではない。しかし、上述したように
ビットパターン情報とトラックずれ情報を二段階で得る
方法において、信号Bと信号パターン群Kとを比較する
場合のように、読み出しヘッドの微小なトラックずれに
基づいて差異の小さい信号パターンを選択する場合には
有効である。
【0037】また、読み出しヘッドによる信号読み出し
の分解能が低い場合には、各記録セルからの信号強度は
隣接する記録セルの影響を受けるため、単純に信号強度
だけからトラックずれ情報を得ることが困難なことがあ
る。そこで、さらに他の実施形態に係る信号処理とし
て、まず実測信号からビットパターンを抽出した後に、
抽出されたビットパターンから理想信号を生成し、理想
信号とヘッドから得られた実測信号を比較することによ
ってトラックずれ情報を得るようにしてもよい。
【0038】図12を参照してこの信号処理について説
明する。読み出しヘッドで得られる記録媒体のデータ領
域からの実測信号(図12(A))はビットパターン情
報とトラックずれ情報を共に含んでいる。まずこの実測
信号Aからビットパターンを決定する(図12
(B))。実測信号からビットパターンを決定する方法
は、従来のHDD等で用いられているのと同様の手法、
例えばPRML(partial response maximum likelihoo
d)を用いる。こうして決定されたビットパターンはトラ
ックずれ情報を含んでおらず、このビットパターンから
理想信号を作成できる(図12(C))。
【0039】理想信号とは記録媒体上で読み出しヘッド
が理想的な位置にあるときに読み出しヘッドによって読
み出されると予想される信号パターンである。例えば記
録媒体に対して理想的な位置にある読み出しヘッドは、
2本のサブトラックの中央を通過するため、2本のサブ
トラック中の記録ビットから互いに等しい信号強度が得
られる。このため、信号処理部において、ビットパター
ンの各ビットを記録セルからの単位信号パターンに変換
し、それぞれの単位信号パターンを読み出しヘッドが記
録媒体表面を通過する速度にあわせて重ね合わせること
により理想信号が得られる。
【0040】一方、実測信号はトラックずれ情報を含ん
でいるため、理想信号と同じビットパターンであっても
トラックずれ情報の分だけ理想信号とは異なった信号パ
ターンを示す。そこで、読み出しヘッドからの実測信号
を記録部に一時的に記録し、信号処理部によって作成さ
れた理想信号と記録部に記録された実測信号とを比較す
ることによりトラックずれ情報を得ることができる(図
12(D))。
【0041】このトラッキング手法では、これまでに説
明した実施形態と異なり、信号をnビットずつ区切る必
要がなく、読み出しヘッドからの実測信号をどのような
タイミングで取り出してもトラックずれ情報を得ること
ができる。この場合、信号処理部は通常動作では実測信
号からビットパターン情報を抽出する処理のみを行い、
必要な時だけトラックずれ情報を取り出すことができ
る。したがって、トラッキングの必要なタイミングで読
み出しヘッドがデータ領域を通過している場合には、い
つでもトラッキング情報を得てヘッド位置を理想的な位
置に制御することができる。
【0042】次に、本発明に係る記録読み出し装置にお
けるシーク方法について説明する。このシーク方法で
は、読み出しヘッドが記録トラック帯を通過するたびに
その数を記録し、所望の記録トラック帯に到達するまで
のシーク動作を制御する。この間、所望の記録トラック
帯に到達するまでに通過する記録トラック帯ではサブト
ラック数を記録する必要はないので、高速なシーク動作
が可能となる。また、読み出しヘッドが所望の記録トラ
ック帯に到達した後、その記録トラック帯においてサブ
トラックを通過する度にその数をカウントし、読み出し
ヘッドが所望のサブトラックに到達するまでのシーク動
作を制御する。
【0043】本発明に係る装置では、信号処理部が、読
み出しヘッドによって読み出された記録トラック帯の1
列目のサブトラック上の記録セルからの信号に基づい
て、読み出しヘッドによって読み出された1列目および
2列目のサブトラック上の記録セルからの信号から、2
列目のサブトラック上の記録セルからの信号を演算によ
り求めるという操作を、順次繰り返すようにしてもよ
い。以下、この方法をより詳細に説明する。
【0044】読み出しヘッドが所望の記録トラック帯に
到達した後、まず記録トラック帯端の1列目のサブトラ
ック上に位置する記録セルの信号を読み出す。このと
き、ピッチPに基づく信号のみが検出されるようにトラ
ッキングを行うことにより、記録トラック帯端の1列目
のサブトラック上に位置する記録セルからの信号を精度
よく読み出すことができる。次に、読み出しヘッドの位
置をずらして1列目および2列目のサブトラック上の記
録セルから信号を読み出し、1列目のサブトラックの記
録セルからの読み出し信号に基づき、2列目のサブトラ
ックの記録セルからの信号を演算により求める。さら
に、上記と同様にして読み出しヘッドの位置をずらして
3列目以降のサブトラックの記録セルの信号を求める操
作を繰り返す。
【0045】このような記録読み出し方法は、隣接する
サブトラックの記録セル信号の干渉が特に強い場合に有
効である。すなわち、2列のサブトラックの信号が干渉
していると、2列目のサブトラックの記録セルからの実
測信号のみでは信号の分離が困難な場合があるが、1列
目のサブトラックの信号が既知であれば、演算によって
もう2列目のサブトラックの信号を求めることが容易に
なる。
【0046】次いで、本発明において用いられる記録媒
体についてより詳細に説明する。本発明において用いら
れる記録媒体は、記録セル11が記録トラック帯1内に
おいて規則配列して密に充填されていればよいので、自
己組織化する粒子を用いて安定かつ安価に製造すること
ができる。
【0047】記録セル幅は5〜100nmが好ましく、
10〜50nmがさらに好ましい。記録セルの形状は密
に充填できる円形、楕円形、長方形、正方形が好まし
く、特に自己組織化により形成しやすい円形が好まし
い。記録セルは六方細密充填構造を有することが好まし
い。これは、微粒子の自己組織化では六方細密充填構造
が最も安定な構造であり、最も欠陥が少なくかつ安価に
作製することができるためである。
【0048】記録トラック帯の幅は、複数のサブトラッ
クを安定に形成でき、高い記録密度が得られ、かつシー
ク動作が容易になるように設定される。このため、記録
トラック帯の幅は30nm〜10μmが好ましく、10
0nm〜1μmがさらに好ましい。
【0049】記録トラック帯1間の分離帯2は非記録材
料からなっていてもよいし、記録セルと同一の記録材料
からなっていてもよい。分離帯が非記録材料からなる場
合、読み出しヘッドが複数の記録トラック帯を横切る度
に、周期的に信号がない領域が現れることを利用して、
所望の記録トラック帯へのシーク動作が容易になる。分
離帯が記録セルと同一の記録材料からなる場合、分離帯
からトラッキング信号を検出することや、分離帯に記録
トラック帯のアドレス情報を記録することが可能とな
る。
【0050】本発明に用いられる記録媒体は、記録が書
き込まれる領域のすべてに記録セルの規則配列が形成さ
れていてもよいし、アドレス信号領域等があらかじめ形
成されこれらの領域以外のデータ領域に記録セルの規則
配列が形成されていてもよい。また、トラッキング用の
サーボマーク領域のみに記録セルの規則配列があらかじ
め形成されていてもよい。この場合、記録の書き込み・
読み出しがなされる領域は、多粒子系の磁性薄膜などで
形成してもよい。最近ではサーボライトに要する時間が
長くなっているので、サーボマークをあらかじめ作りこ
んでおく方法は非常に有効である。
【0051】本発明に用いられる記録媒体は特に限定さ
れず、様々な記録原理に基づくものが挙げられる。例え
ば、磁気記録媒体、相変化光記録媒体、強誘電媒体、電
荷蓄積媒体、有機色素または蛍光化合物などを含有する
記録媒体がある。これらのうち、磁気記録媒体および相
変化光記録媒体が特に好ましく、さらに高密度化が可能
な垂直磁気記録媒体が好ましい。
【0052】磁気記録材料としては、例えばNi−F
e、Fe−Al−Si等の結晶材料、Co−Zr−Nb
等のCo基アモルファス材料、Fe−Ta−N等のFe
系微結晶材料、Fe、Co、Fe−Pt、Co−Pt、
Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、Baフェライ
ト、Co酸化物等が用いられる。
【0053】無機の相変化光記録材料としては、例えば
Sb−Se、Sb−Te、Ga−Se、Te−Se−S
b、Te−Ga−Se、Te−Ge−Sn、Te−As
−Ge、Cs−Te、Ge−Sb−Te、Ag−In、
In−Sb−Teなどが用いられる。
【0054】有機色素としては、電荷記録用色素、相変
化記録用色素、ライトワンス型の記録用色素、フォトク
ロミック色素、蛍光色素、フォトリフラクティブ色素な
どが用いられる。電荷の有無により記録する電荷記録用
色素としては、ドナー性またはアクセプタ性の色素分子
が用いられる。結晶−非晶質の相変化により記録する相
変化記録用色素としては、結晶化速度が大きい色素分子
が用いられる。ライトワンス型色素としては、光を吸収
して非可逆的に変化するか、または光を吸収して周囲を
非可逆的に変化させる色素が用いられる。読み出しに蛍
光を用いる場合には蛍光強度の大きい蛍光色素を用いる
ことが好ましい。光により吸収が変化するフォトクロミ
ック化合物も使用することができる。有機色素の具体例
は、例えば特開平11−328725に開示されてい
る。
【0055】蛍光化合物は、有機蛍光化合物でも無機蛍
光化合物でもよい。一般に、無機化合物は有機化合物と
比べて蛍光寿命が長いので、高速の読み出しのためには
有機化合物の方が好ましい。
【0056】フォトクロミック化合物としては例えば、
スピロオキサジン類、ジアリールエテン類、フルギド
類、インジゴ類、スピロピラン類、シクロファン類、カ
ルコン類、縮合多環化合物などが用いられる。
【0057】本発明において用いられる記録媒体を製造
するには、たとえば基板上に記録トラック帯に対応す
る、連続的または断続的な溝領域または特定の化学成分
を含む帯領域を形成した後、溝領域または帯領域内に自
己組織化分子または微粒子の2次元的な規則配列構造を
形成し、この規則配列構造に対応する記録セルを形成す
る方法が用いられる。
【0058】凹凸を有する溝構造を用いる場合には、凹
凸の段差の部分によって自己組織化粒子の結晶ドメイン
を断つことができ、溝に沿った規則配列を実現すること
ができる。
【0059】特定の化学成分をパターニングした帯領域
を用いる場合には、自己組織化粒子の化学的な表面状態
と帯領域の化学成分の表面状態を適当に選択することに
より、自己組織化粒子が吸着する部分としない部分を形
成することができる。この場合、自己組織化粒子が吸着
する部分においてのみ規則配列化が起こり、帯構造に沿
った規則配列が得られる。また、表面に化学パターンを
形成することにより自己組織化粒子に対する相互作用を
変化させ、ある相互作用が起こる化学パターン上でのみ
所望の規則配列が得られ、別の化学パターン上では規則
配列が得られずランダムな配列になるようにすることも
できる。帯構造の幅は、自己組織化粒子が自然に(つま
り帯構造が存在しない場合に)形成する規則配列の大き
さより十分小さくすることが好ましい。このような条件
を満たせば、自己組織化粒子が帯構造の幅方向に規則正
しく配列した構造を形成することが可能である。
【0060】自己組織化粒子の大きさ(径)は、3〜1
00nmが好ましく、10〜50nmさらに好ましい。
自己組織化粒子の形状は、上述した記録セルの形状に対
応して、円形、楕円形、長方形、正方形が好ましく、特
に自己組織化により形成しやすい円形が好ましい。
【0061】本発明に用いられる記録媒体によってTb
psiの記録密度を実現しようとする場合、記録トラッ
ク帯となる溝構造または帯構造の幅は以下のようにして
決定される。例えば、1つの記録トラック帯内に2列の
記録セル列を形成する場合には、溝構造または帯構造の
幅はおよそ40nm程度となる。これは通常の電子線リ
ソグラフィーにより作製可能な大きさである。実際に
は、1本の記録トラック帯に2列より多くのサブトラッ
クを形成することができるので、分解能は低いがより安
価でスループットの高いリソグラフィー手段を利用する
ことが可能である。リソグラフィーとしては、光リソグ
ラフィー、電子線リソグラフィー、原子間力顕微鏡、走
査型トンネル顕微鏡、近接場光顕微鏡などの走査型プロ
ーブを用いる方法、ナノインプリントリソグラフィー
(P.R.Krauss,et al.,J.Vac.
Sci.Technol.B13(1995),pp.
2850)などが利用可能である。レジストを用いる場
合、レジスト材料は記録層を破壊することがなく、リソ
グラフィーにより構造形成が可能であり、自己組織化粒
子の製膜、規則配列化処理によりダメージを受けないも
のであればよい。
【0062】自己組織化粒子としては、ブロックコポリ
マー、またはポリマー、金属、半導体、酸化物などから
なる数nm〜100nm径の微粒子などが利用可能であ
る。
【0063】ブロックコポリマーを利用する場合には、
自己組織化粒子を形成した後、2種類以上のブロックの
うち1つを選択的に除去できるものを用いる。この場
合、ブロックどうしの間でのRIEまたはその他のエッ
チングなどに対するエッチングレートの差を利用するこ
とが好ましい。
【0064】例えば、ポリスチレンとポリブタジエンか
らなるブロックコポリマーを用いた場合には、オゾン処
理とその後の現像処理によりポリスチレンブロックのみ
を残すことが可能である。ポリスチレンとポリメチルメ
タクリレートからなるブロックコポリマーでは、ポリス
チレンの方がポリメチルメタクリレートよりも、CF 4
をエッチャントとして用いるリアクティブイオンエッチ
ング(RIE)に対するエッチング耐性が高い。このた
め、RIEによりポリメチルメタクリレートおよびその
下の記録層のみを選択的に除去することが可能である
(K.Asakawa et al.;APS Mar
ch Meeting、2000)。
【0065】このようなブロックコポリマーとしては例
えばポリブタジエン−ポリジメチルシロキサン、ポリブ
タジエン−4−ビニルピリジン、ポリブタジエン−ポリ
メチルメタクリレート、ポリブタジエン−ポリ−t−ブ
チルメタクリレート、ポリブタジエン−ポリ−t−ブチ
ルアクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポ
リ−4−ビニルピリジン、ポリエチレン−ポリメチルメ
タクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリ
−2−ビニルピリジン、ポリエチレン−ポリ−2−ビニ
ルピリジン、ポリエチレン−ポリ−4−ビニルピリジ
ン、ポリイソプレン−ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ
メチルメタクリレート−ポリスチレン、ポリ−t−ブチ
ルメタクリレート−ポリスチレン、ポリメチルアクリレ
ート−ポリスチレン、ポリブタジエン−ポリスチレン、
ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ−
2−ビニルピリジン、ポリスチレン−ポリ−4−ビニル
ピリジン、ポリスチレン−ポリジメチルシロキサン、ポ
リスチレン−ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、
ポリブタジエン−ポリアクリル酸ナトリウム、ポリブタ
ジエン−ポリエチレンオキシド、ポリ−t−ブチルメタ
クリレート−ポリエチレンオキシド、ポリスチレン−ポ
リアクリル酸、ポリスチレン−ポリメタクリル酸等があ
る。これらはAB型ジブロックポリマーの例であるが、
ABA型のトリブロックコポリマーを用いてもよい。
【0066】ブロックコポリマーを用いる場合、基板表
面においてミセル構造またはシリンダ構造を形成するよ
うな成分比を有するものを用いることが好ましい。これ
により、互いに分離され規則配列した円形の記録セルを
形成することが可能となる。ブロックコポリマーはトル
エンなどの適当な溶媒に溶解したものをスピンコートな
どにより製膜することが可能である。ブロックコポリマ
ーの自己組織的な配列に相分離させるには、一般的には
材料のガラス転移点温度以上の温度でアニール処理すれ
ばよい。
【0067】ポリマーや金属などからなる数十nm径の
微粒子を用いる場合には、微粒子を分散させた溶液を、
帯構造を形成したディスクの上から展開して乾燥し溶媒
を除去した後、適当な溶媒を用いて過剰に吸着した微粒
子を取り除くことにより、自己組織的な規則配列を形成
することができる。また、微粒子を分散させた溶液中に
ディスク基板をある時間浸して微粒子をディスク基板に
吸着させ、規則配列させることも可能である。
【0068】以上のような方法により自己組織化粒子の
規則配列を形成した後、自己組織化粒子をマスクとし
て、あらかじめ形成しておいた下地の記録層をイオンミ
リングなどにより削り、所望の規則配列した記録セル列
を形成することができる。記録層をより高いアスペクト
比で削るためには、記録層と自己組織化粒子膜との間に
SiO2やSiなどの膜を形成し、RIEなどにより自
己組織化粒子の規則配列パターンをSiO2やSiに転
写(パターントランスファー)した後、記録層を加工す
ることも有効である。SiO2やSiはRIEにより高
いアスペクト比で削ることができるため、これをマスク
にして加工することにより、記録層をより高いアスペク
ト比でエッチングすることができる。
【0069】上記のようにして作製した記録セルの規則
配列をマトリックス材料で被覆し、表面を研磨により平
坦化することにより、マトリックスに埋め込まれた記録
セルを有するパターンドメディアを製造することができ
る。
【0070】また、自己組織化粒子をマスクとして、マ
トリックスに規則配列した微細孔アレイを形成した後、
孔を記録材料で埋めることによっても記録セルを形成す
ることができる。この場合、ディスク基板上にマトリッ
クス材料からなる膜を製膜する。次に、自己組織化粒子
の配列を制御するための溝構造または特定の化学成分を
パターニングした帯構造を形成するためのレジストを形
成する。リソグラフィーによりレジストに溝構造または
帯構造を形成する。自己組織化粒子を製膜した後、アニ
ール処理などにより規則配列化させる。自己組織化粒子
をマスクとしてエッチングを行い、マトリックスに孔を
形成する。レジストを除去した後、孔に記録材料を埋め
込む。レジストは記録材料を埋め込んだ後に除去しても
よい。また、レジストを除去せずに残したまま使用して
もよい。
【0071】自己組織化粒子として、ブロックコポリマ
ー、またはポリマー、金属、半導体、酸化物などからな
る数十nm径の微粒子などを用いてマトリックス材料に
微細孔を形成する以外にも、Alの陽極酸化により形成
されるAl23の微細孔アレイなども利用可能である。
【0072】ブロックコポリマーを利用する場合には、
マトリックス材料に孔を形成するために、ミセルまたは
シリンダを形成するブロックを選択的に除去できるもの
を用いる。
【0073】ポリマーや金属などからなる微粒子を用い
る場合には、マトリックス材料に孔を形成するために、
微粒子からなるパターンのネガパターンをマスクとして
利用する。すなわち、微粒子配列の上に金属などのエッ
チングマスクとなりうる材料を堆積した後、微粒子を除
去し、微粒子が除去された部分のみで下地のマトリック
スを露出させてその部分を加工する。
【0074】Alの陽極酸化により形成されるAl23
の微細孔アレイを利用する場合には、以下のような方法
が可能である。まず、凹部においてマトリックスが露出
した膜の帯構造の上にAlを製膜した後、膜を取り除く
ことによりAlの帯構造を得る。これを陽極酸化するこ
とにより、帯構造内で規則配列したAl23の微細孔ア
レイを得ることができる。形成されたAl23をマスク
として下地のマトリックスに微細孔アレイを転写する。
【0075】また、Al23の微細孔アレイを用いる場
合には、Alの微細孔アレイ自体をマトリックスとして
用いるもできる。この場合、Alを製膜した後、溝構造
の凹部においてAlが露出した膜のパターンを形成す
る。これを陽極酸化すると、Alが露出した部分におい
てのみ反応が進み、帯構造に沿って配列したAl23
細孔アレイが得られる。
【0076】また、Alの陽極酸化においては、あらか
じめ陽極酸化される表面に微小な孔を付けておくことに
より、位置制御された微細孔アレイを形成できる。Al
膜上に溝構造を形成し、ブロックコポリマーなどのマス
クを用いたエッチングにより規則配列した微小な孔をA
l表面に形成し、自己組織化膜を取り除いた後にAlを
陽極酸化することにより、規則配列したAl23微細孔
アレイを作製することもできる。
【0077】以上のようにしてマトリックスに形成した
微細孔の規則配列の上に記録材料を製膜した後、研磨す
ることにより分断された記録セルを得ることができる。
【0078】さらに、自己組織化粒子を用いた方法によ
り、凹凸の形状を持つスタンプ原盤を作製し、このスタ
ンプ原盤を利用して、ナノインプリントリソグラフィー
によりディスク基板にパターンを転写する方法を用いて
もよい。
【0079】まず、基板上に自己組織化粒子の配列を制
御するための溝構造または特定の化学成分をパターニン
グした帯構造を形成するためのレジストを製膜する。リ
ソグラフィーによりレジストに溝構造または帯構造を作
りこむ。自己組織化粒子を製膜した後、アニール処理な
どにより規則配列化させる。自己組織化粒子をマスクに
してエッチングを行い、スタンプ原盤とする。一方、記
録層またはマトリックス膜を製膜した基板上に、マスク
となるレジスト膜を形成する。加熱しながらスタンプ原
盤を押し付けることにより、レジストにスタンプ原盤の
パターンを転写する。次いで、エッチングにより記録セ
ルアレイまたはマトリックス中の微細孔アレイを形成す
る工程を経て記録媒体を得る。
【0080】記録材料からなる微粒子を直接、帯構造に
より配列化させて記録セルとして用いる製造方法を用い
ることもできる。記録材料からなる微粒子を分散させた
溶液を、帯構造を形成した基板の上から展開し乾燥し溶
媒を取り除いた後、適当な溶媒により過剰に吸着した微
粒子を取り除くことにより、自己組織的な規則配列を形
成することができる。また、微粒子を分散させた溶液中
に基板をある時間浸すことにより微粒子を基板に吸着さ
せ、規則配列を形成させることも可能である。このよう
にして記録セルを形成した後、微粒子が基板から剥離し
ないように、バインダーまたは保護膜となる材料で被覆
することにより記録媒体を作製することができる。
【0081】上記のような方法では、アニール処理など
の再配列化処理により、帯構造に沿って大面積で自己組
織化粒子を規則配列させることが可能である。このよう
な再配列化が困難な場合には、帯の長手方向にも凹凸構
造または化学的なパターンを断続的に形成し、小面積の
帯構造内で完全に方向が揃って配列した規則配列構造を
得ることも可能である。つまり、ある長さの帯構造内で
粒界のない完全に単一の自己組織化粒子の2次元結晶構
造を形成することが可能である。
【0082】本発明に係る記録読み出し装置では、隣り
合うサブトラック上の記録セルのずれ(ピッチPの1/
2)を利用して、記録セルからの読み出し信号自体を利
用してトラッキングを行うことができるため、トラッキ
ングサンプリング周波数を高くすることができる。この
ため、トラッキング方向の記録セル幅が100nm以下
であってもトラッキングが可能となる。また、エラーレ
ートを低くすることができるため、データ領域を広くす
ることができる。
【0083】本発明に係る記録読み出し装置は、読み出
しヘッドから出力される信号に応じて書き込みヘッドへ
の書き込みタイミング信号を制御する手段を有していて
もよい。このような装置では、記録セルが存在しないマ
トリックス部分に書き込みヘッドが書き込みを行うこと
を防ぐことができる。
【0084】本発明に係る記録読み出し装置は、トラッ
ク方向に沿って規則配列した記録セル間の間隔とヘッド
の走行スピードにより決定される標準的な時間間隔と読
み出しヘッドにより出力される信号の時間間隔とを比較
し、書き込みヘッドへの信号を制御する手段を有しても
よい。このような装置では、自己組織化による規則配列
に欠陥領域が存在し、記録トラック帯内のサブトラック
に断裂が存在する場合でも、その欠陥領域を回避して書
き込むことができる。すなわち、記録セルが規則配列し
ている領域では、記録セルの格子間隔とヘッドの走行ス
ピード(読み出しヘッドと記録媒体との相対速度)によ
り決定される時間間隔Tで記録情報が読み出される。し
かし、記録セルの欠陥領域では、読み出しヘッドから読
み出される信号の時間間隔が乱れるので、その場合には
一時的にヘッドから読み出される信号を情報として処理
しないようにする。再び時間間隔Tで信号が生じ始めた
ら、その時点で読み出される信号を情報として処理再開
し、書き込みも再開する。
【0085】読み出しヘッドにより出力される信号の時
間間隔の乱れに基づいて、読み出しヘッドが欠陥領域を
走行していることを判定するための基準は任意に設定で
きる。例えば、2回または3回以上不当な時間間隔で信
号が検出されて読み出しエラーが起きた場合に欠陥領域
を走行していると判定してもよい。また、標準的な時間
間隔Tよりも30%以上短い時間間隔で読み出しヘッド
から信号が生じる場合や、時間間隔Tよりも30%以上
長い時間経過しても信号が生じない場合を判定基準とし
てもよい。この場合、これらの現象が一度起きた場合を
判定基準としてもよいし、2Tまたは3T時間の間に信
号が複数回乱れた場合を判定基準としてもよい。
【0086】読み出しヘッドが再び規則配列領域を走行
しはじめたことを判定するための基準も任意に設定でき
る。例えばある信号が帰ってきた瞬間から時間間隔Tの
±30%以内の間隔で信号が生じた場合に規則配列領域
を走行していると判定してもよい。この場合、この現象
が一度起きた場合を判定基準としてもよいし、2Tまた
は3T時間の間に標準的な時間間隔Tで信号が得られた
場合を判定基準としてもよい。
【0087】情報を書き込む場合には、書き込み前に欠
陥領域を認識して、その欠陥領域を回避し、その後の規
則配列領域から書き込みを再開する。この場合、ある記
録セルに書き込みヘッドが情報を書き込む前に、読み出
しヘッドによって記録セルの位置を把握しておくことが
好ましい。このためには、書き込みヘッドのトラック方
向前方に記録読み出しヘッドを設けてもよいし、読み書
き兼用ヘッドの場合には同じトラック位置で記録媒体に
複数回アクセスして記録セル位置を読み出した後に書き
込みを行うようにしてもよい。
【0088】本発明の他の実施形態に係る装置は、デー
タ信号の読み出しヘッドとは別に、トラッキング用の読
み出しヘッドを設けてもよい。トラッキング用の読み出
しヘッドは、データ信号を読み出している領域以外から
の読み出し信号をトラッキング信号として用いて読み出
しヘッドおよび書き込みヘッドのトラッキングを行うの
で、より精密にかつ高速なトラッキングを実現できる。
【0089】磁気記録装置の場合には、読み出しヘッド
はGMRなどの磁気センサー、書き込みヘッドは磁気ヘ
ッドなどである。相変化光記録装置の場合には、読み出
しヘッドは反射率の違いを検出する光センサーであり、
書き込みヘッドは光ヘッドや電子線ヘッドなどの熱源ヘ
ッドである。
【0090】また、光(熱)アシスト磁気記録装置の場
合には、書き込み用の磁気ヘッドの補助として、電子線
または近接場光を照射する手段が用いられる。電子線ま
たは近接場光は、照射スポットを特に小さくできるた
め、高密度記録にとって特に有用である。
【0091】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0092】[実施例1]本実施例では、基板上に形成
した溝領域においてブロックコポリマーを規則配列化さ
せることにより記録トラック帯を形成した。図13
(A)〜(D)を参照して本実施例に係る磁気ディスク
の製造方法を説明する。
【0093】図13(A)に示すように、以下のように
して基板上に溝構造を形成した。直径2.5インチのガ
ラスディスク基板41上に、厚さ約30nmのPd下地
層と厚さ約50nmの垂直磁気記録材料CoCrPtを
製膜して磁性層42を形成し、さらに磁性層42上に厚
さ約50nmのSiO2膜43を製膜した。SiO2膜4
3上にレジスト44をスピンコートした。ナノインプリ
ンティングリソグラフィーによりレジスト44を加工
し、幅40nmの凸部によって幅約400nmのスパイ
ラル形状の溝45を規定するようにレジストパターンを
形成した。このレジストパターンをマスクとして、RI
Eにより磁性層42に達するまでSiO2膜43をエッ
チングしてSiO2膜43に溝45を転写した。このよ
うにして形成された溝領域が記録トラック帯となる。ま
た、レジストパターン下部の磁性層が分離帯として用い
られる。
【0094】図13(B)に示すように、以下のように
して溝領域内にブロックコポリマーを埋め込んで微粒子
の規則配列構造を形成した。磁性層42の表面をヘキサ
メチルジシラザンにより疎水化処理した。その後、レジ
ストパターンの残渣をアッシングした。ポリスチレン−
ポリブタジエンのブロックコポリマー(PSの分子量M
w=4000、PBの分子量Mw=20000)をトル
エンに1%w/wの濃度で溶解した溶液を調製した。試
料上に溶液をスピンコートしてSiO2膜43に転写さ
れた溝領域内にブロックコポリマー46を埋め込んだ。
試料を真空中において150℃で30時間アニールし
て、ブロックコポリマー46を規則配列化させた。この
結果、島状のポリスチレン粒子47が海状のポリブタジ
エン部分48によって囲まれた構造が形成される。
【0095】図13(C)に示すように、以下のように
して規則配列した微粒子をマスクとして記録セルを形成
した。ブロックコポリマー46をオゾン処理してポリブ
タジエン部分48を除去した後、水洗した。残ったポリ
スチレン粒子47をマスクとしてArイオンミリングに
より磁性層42をエッチングして記録セル49を形成し
た。
【0096】図13(D)に示すように、以下のように
して記録セル間のマトリックスを形成し、表面を平坦化
した。ポリスチレン粒子の残渣をアッシングした。全面
に厚さ約50nmのSiO2膜を製膜して記録セル49
間に埋め込んでマトリックス50を形成した。SiO2
膜の表面をケミカルメカニカルポリッシング(CMP)
により研磨して平坦化した。その後、全面にダイアモン
ドライクカーボンを製膜して保護膜51を形成した。
【0097】図14に、本実施例の磁気ディスクを磁気
力顕微鏡により観察した結果を模式的に示す。図14に
示すように、幅約400nmの記録トラック帯61と幅
約40nmの磁性層からなる分離帯62が交互に形成さ
れている。1つの記録トラック帯61内で記録セル49
はマトリックス50によって互いに分離され、六方細密
充填構造をなして三角格子を形成している。記録セル4
9は20nm径でトラック方向に沿って30nmのピッ
チPをもって周期的に形成されてサブトラックを形成し
ており、記録トラック帯61内には19列のサブトラッ
クが含まれている。上記のように記録セル49は三角格
子を形成しているため、記録トラック帯61内で隣り合
うサブトラック上に位置する最近接の2つの記録セル4
9はトラック方向に沿う中心間の間隔がサブトラック内
のピッチPの1/2だけずれている。
【0098】図15〜図17を参照して本実施例に係る
磁気記録装置を説明する。図15は本実施例の磁気ディ
スクおよびヘッドスライダを示す断面図である。磁気デ
ィスクは、ガラス基板41上に記録セル49が規則配列
した記録トラック帯61が形成された記録層および保護
層51を有する。分離帯62を形成している磁性層には
各記録トラック帯のアドレス番号およびセクター番号に
相当する情報が予め書き込まれている。
【0099】ヘッドスライダ70の先端には、読み出し
ヘッド71と書き込みヘッド72が搭載されている。記
録部(RAM)、記憶部(ROM)、信号処理部および
制御部は図3と同様に接続されている。ヘッドスライダ
70は2段アクチュエータ(図示せず)によって位置決
めされる。
【0100】図16はヘッドスライダ70の平面構造を
示す概略図である。GMR読み出しヘッド71の寸法は
縦約30nm、幅約20nm、単磁極書き込みヘッド7
2の寸法は縦20nm、幅約20nmである。
【0101】図17に記録トラック帯に対する読み出し
ヘッドおよび書き込みヘッドの配置を示す。読み出しヘ
ッドと書き込みヘッドの距離は実際の距離を表している
ものではない。図17のように、記録トラック帯内で所
定のピッチで規則配列した19列のサブトラックのう
ち、2列のサブトラック上の直径20nmの記録セル4
9を1つの読み出しヘッド71で読み出す。1列のサブ
トラック上の記録セル49に対して書き込みヘッド82
で書き込みを行う。
【0102】本実施例に係る磁気記録装置におけるシー
ク方法、記録読み出し方法、記録トラッキング方法を説
明する。本実施例では、ディスクの外周から所望の記録
トラック帯に達するまでの間、横断する記録トラック帯
の数をカウントしながら、アクチュエータの加速度およ
び速度を制御する。所望の記録トラック帯に達すると、
まず図18のように記録トラック帯の外周側のサブトラ
ック1a上に読み出しヘッド71を設置し、ピッチPに
基づく周波数信号のみが検出されるようにトラッキング
を行う。得られた再生信号を微分し、記録位置と記録信
号を求める。
【0103】次に、読み出しヘッド71をサブトラック
1aと1bの中央に位置するようにアクチュエータを作
動する(図17参照)。得られた再生信号と、先に求め
たサブトラック1aの信号から、サブトラック1bの信
号を演算により求める。この場合、読み出しヘッド71
のトラッキングがずれていてもサブトラック1aの信号
が前もって分かっているため、サブトラック1bの信号
を正確に求めることができる。
【0104】図5および図6を参照して説明したよう
に、信号処理部は、実際に測定されたサブトラック1a
およびサブトラック1bの信号強度の積分値の比率と、
トラッキングが正確に行われている場合のサブトラック
1aおよびサブトラック1bの信号強度の積分値の比率
(この比率は記憶部に記憶されている)を比較すること
により、トラッキング信号を生成する。トラッキング信
号は10kHzの周波数でピエゾアクチュエータに送ら
れる。
【0105】本実施例の磁気記録装置では、書き込みヘ
ッドの前方に読み出しヘッドが位置し、読み出しヘッド
による検出信号に応じて以下のように書き込みの制御が
行われる。トラック方向に沿って規則配列した記録セル
間の間隔とヘッドの走行スピードから、読み出しヘッド
による検出信号が現れると想定される標準的な時間間隔
Tが決定される。標準的な時間間隔Tと、実際に読み出
しヘッドにより出力される信号の時間間隔とが制御器に
より比較される。
【0106】読み出しヘッドが規則配列領域上を走行し
ている間は、記録セルから標準的な時間間隔Tに近いほ
ぼ一定の時間間隔で規則的に信号が出力される。なお、
実際に信号が出力される時間間隔が、標準的な時間間隔
Tに対してしきい値(例えば±30%)以内であれば、
記録セルが規則配列していると判定するようにしてもよ
い。この場合、読み出しヘッドによる信号の検出時を基
準として、所定のタイミングで制御器から書き込みヘッ
ドへ書き込み信号が送られ、書き込みヘッドにより規則
配列領域への書き込みが行われる。
【0107】しかし、読み出しヘッドが欠陥領域上を走
行するようになると、記録セルから読み出される信号の
時間間隔は、標準的な時間間隔Tと比較してしきい値
(例えば±30%)を超えてずれるため、記録セルの配
列が乱れていると判定される。この場合、制御器から書
き込みヘッドへの書き込み信号が停止され、欠陥領域へ
の書き込みは行われない。
【0108】読み出しヘッドが次の規則配列領域を走行
するようになると、記録セルが規則配列していると判定
される。この場合、読み出しヘッドによる信号の検出時
を基準として、所定のタイミングで制御器から書き込み
ヘッドへ書き込み信号が送られ、書き込みヘッドにより
次の規則配列領域への書き込みが再開される。
【0109】なお、記録セルの配列が乱れているか規則
的であるかの判定基準は任意に設定できる。例えば、読
み出しヘッドからの検出信号の時間間隔の乱れが3T時
間以上連続して生じた場合に、記録セルが乱れていると
判定するようにしてもよい。また、読み出しヘッドから
の検出信号の時間間隔が3回連続でしきい値以内の時間
間隔で規則正しい場合に、記録セルが規則配列している
と判定するようにしてもよい。
【0110】[実施例2]本実施例では実施例1に記載
したものと同様な磁気ディスク、読み出しヘッドを用い
て実施例1とは異なる別のトラッキング方法を実施し
た。
【0111】図19に本実施例の磁気ディスクのデータ
領域における記録構造を示す。図19において白色、黒
色の円はそれぞれビット信号“0”、“1”を記録した
記録セル49を示す。記録セルは非磁性材料からなるマ
トリックスによって取り囲まれている。図19に示され
るように、0または1を示す記録ビットが周期的な規則
性なしに配列している。
【0112】記録装置の記憶部にはあらかじめ4ビット
ごとの信号パターンが記憶されている。図20には、4
つのビットで構成される基本的なビットパターン(6種
類)を示す。図20に示されていないビットパターンは
全てこの6つの基本パターンに対して正負が逆のパター
ンまたは時系列が逆のパターンによって表現される。例
えば、“0001”のビットパターンは、基本的なビッ
トパターンである“0111”から、ビット反転および
時系列逆転により変換できる。これら6種類のビットパ
ターンに対し、読み出しヘッドが好ましい位置にある場
合に得られると期待される信号パターンと、ヘッド位置
が好ましい位置より磁気ディスクの外周側および内周側
にずれたときに得られると期待される信号パターンの合
計3つの信号パターンが記録されている。すなわち1種
類のビットパターンに対し3種類の信号パターンが記録
され、全部で6種類のビットパターンがあるから、合計
18個の信号パターンが記憶部に記憶されている。
【0113】次に、図21を参照して本実施例における
トラッキング方法を説明する。磁気ディスクは所定の回
転数で回転しており、その表面で読み出しヘッドが磁気
ディスクに書き込まれた信号を読み出す。まず、読み出
しヘッドは実測信号Aを信号処理部に出力する。信号処
理部では実測信号Aを4ビットごとの信号パターンBに
分割する。信号処理部では、分割された信号パターンB
が記憶部に記憶された信号パターン群Cと比較される。
比較の結果、信号パターンBは最も類似性の高い信号パ
ターンとして信号パターンDが決定される。記憶部には
信号パターンDの属性としてビットパターン“100
0”と外周側へずれているというトラックずれ情報が付
随している。信号処理部は、これらの情報を抽出し、デ
ータとして“1000”を出力するとともに、制御部へ
トラックずれ情報を出力する。制御部はトラックずれ情
報に基づいて読み出しヘッドを内周側の理想的な位置へ
移動させるように制御する。
【0114】[実施例3]本実施例では実施例1に記載
したものと同様な磁気ディスク、読み出しヘッドを用い
て実施例1とは異なる別のトラッキング方法を実施し
た。
【0115】本実施例の磁気ディスクのデータ領域にお
ける記録構造は図19と同様である。図22を参照して
本実施例におけるトラッキング方法を説明する。読み出
しヘッドによって磁気ディスクのデータ領域から実測信
号D1が得られる(図22(A))。実測信号D1は記
録部に記録される。信号処理部はPRML法を用いて信
号D1からビットパターンD3を決定する(図22
(B))。ビットパターンD3は信号処理部からビット
信号として出力される。また信号処理部はビットパター
ンD3から理想信号パターンD4を作成する(図22
(C))。この理想信号パターンD4は読み出しヘッド
が磁気ディスク上の好ましいトラック位置にあるときに
得られると予想される信号パターンであり、各ビットか
らの信号を重ね合わせることによって作成される。さら
に信号処理部は記録部に記録された実測信号D1と理想
信号パターンD4を比較することにより、トラックずれ
情報を得る(図22(D))。トラックずれ情報は制御
部へ出力される。制御部はトラックずれ情報に基づいて
読み出しヘッドを理想的な位置へ移動させるように制御
する。
【0116】[実施例4]本実施例では、基板上に形成
した溝領域においてブロックコポリマーを規則配列化さ
せて孔を有するマトリックスを形成し、孔に磁気記録材
料を埋め込むことにより記録トラック帯を形成した。図
23(A)〜(D)を参照して本実施例に係る磁気ディ
スクの製造方法を説明する。
【0117】図23(A)に示すように、以下のように
して基板上に溝構造を形成した。直径2.5インチのガ
ラスディスク基板上81に、厚さ約30nmのPd下地
層、マトリックスおよび分離帯となる厚さ約50nmの
Al23膜82、および厚さ約50nmのSiO2膜8
3を製膜した。SiO2膜83上にレジストをスピンコ
ートした後、ナノインプリンティングリソグラフィーに
よりレジストを加工し、幅約40nmの凸部によって幅
約400nmのスパイラル形状の溝を規定するようにレ
ジストパターンを形成した。このレジストパターンをマ
スクとしてSiO 2膜113をエッチングし、溝84を
転写した。
【0118】図23(B)に示すように、以下のように
して溝領域内にブロックコポリマーを埋め込んで微粒子
の規則配列構造を形成した。ポリスチレン−ポリメチル
メタクリレートのブロックコポリマー(PSの分子量M
w=30000、PMMAの分子量Mw=8000)を
トルエンに1%w/wの濃度で溶解した溶液を調製し
た。試料上に溶液をスピンコートしてSiO2膜83に
転写された溝領域内にブロックコポリマー85を埋め込
んだ。試料を真空中において150℃で30時間アニー
ルして、ブロックコポリマー85を規則配列化させた。
この結果、島状のポリメチルメタクリレート粒子86が
海状のポリスチレン部分87によって囲まれた構造が形
成される。
【0119】図23(C)に示すように、以下のように
して記録セルのための孔構造を形成した。ブロックコポ
リマー85を紫外線で処理してポリメチルメタクリレー
ト鎖を分解した後、水洗してPMMA部86を除去し
て、孔部を作製した。次に、斜め蒸着により穴を埋めな
いようCr層88を形成した。Cr層88をマスクにし
てRIEによりAl23膜82に達する孔を形成し、さ
らにArイオンミリングによりAl23膜82に孔89
を転写し、Al23膜82からなるマトリックスを形成
した。
【0120】図23(D)に示すように、以下のように
して記録セルを形成し、表面を平坦化した。厚さ約50
nmの垂直磁気記録材料CoCrをめっきで製膜して孔
89に埋め込み、記録セル90を形成した。表面をCM
Pにより研磨して平坦化した。その後、全面にダイアモ
ンドライクカーボンを製膜して保護膜91を形成した。
【0121】製造した磁気ディスクを磁気力顕微鏡によ
り観察したところ、幅400nmの記録トラック帯と幅
約40nmのAl23膜からなる分離帯とが交互に形成
されていた。1つの記録トラック帯内で記録セル90は
六方細密充填構造をなして三角格子を形成している。記
録セル90は20nm径でトラック方向に沿って30n
mのピッチPをもって周期的に形成されてサブトラック
を形成しており、記録トラック帯内には19列のサブト
ラックが含まれている。記録トラック帯内で隣り合うサ
ブトラック上に位置する最近接の2つの記録セル90は
トラック方向に沿う中心間の間隔がサブトラック内のピ
ッチPの1/2だけずれている。
【0122】上記磁気ディスクを用いて、実施例1と同
様にして磁気記録再生装置を作製した。実施例1との違
いはトラック帯間の分離帯が非磁性層で作製されている
ことである。この記録装置の場合も、実施例1と同様に
してシーク、記録の読み出し、トラッキング、および信
号の書き込みを行うことができる。
【0123】[実施例5]図24(A)〜(D)を参照
して本実施例に係る相変化光記録媒体の製造方法を説明
する。
【0124】図24(A)に示すように、以下のように
して基板上に溝構造を形成した。2.5インチのガラス
ディスク基板111上に、厚さ約30nmのPt反射膜
112、マトリックスとなる厚さ約50nmのAl23
膜113、および厚さ約50nmのSiO2膜114を
製膜した。SiO2膜114上にレジストをスピンコー
トした後、ナノインプリンティングリソグラフィーによ
りレジストを加工し、幅40nmの凸部によって幅40
0nmのスパイラル形状の溝を規定するようにレジスト
パターンを形成した。このレジストパターンをマスクと
してSiO2膜114をエッチングし、溝115を転写
した。
【0125】図24(B)に示すように、以下のように
して溝領域内にブロックコポリマーを埋め込んで微粒子
の規則配列構造を形成した。ポリスチレン−ポリメチル
メタクリレートのブロックコポリマー(PSの分子量M
w=30000、PMMAの分子量Mw=8000)を
トルエンに1%w/wの濃度で溶解した溶液を調製し
た。試料上に溶液をスピンコートしてSiO2膜114
に転写された溝領域内にブロックコポリマー116を埋
め込んだ。試料を真空中において150℃で30時間ア
ニールして、ブロックコポリマー116を規則配列化さ
せた。この結果、島状のポリメタクリレート粒子117
が海状のポリスチレン部分118によって囲まれた構造
が形成される。
【0126】図24(C)に示すように、以下のように
して記録セルのための孔構造を形成した。ブロックコポ
リマー116を紫外線で処理した後、水洗してPMMA
部117を除去して、孔部を作製した。次に、斜め蒸着
により孔を埋めないようにCr層119を形成した。R
IEによりAl23膜113に達する孔を形成し、さら
にArイオンミリングによりAl23膜113に孔12
0を転写し、Al23膜113からなるマトリックスを
形成した。
【0127】図24(D)に示すように、以下のように
して記録セルを形成し、表面を平坦化した。厚さ約30
nmの相変化材料In−Sb−Teを製膜して孔120
に埋め込み、記録セル121を形成した。表面をCMP
により研磨して平坦化した。その後、全面にSiO2
製膜して保護膜122を形成した。
【0128】図25に、製造した相変化光記録媒体を近
接場光顕微鏡により観察した結果を模式的に示す。図2
5に示すように、幅400nmの記録トラック帯131
と幅約40nmのAl23膜113からなる分離帯13
2とが交互に形成されている。1つの記録トラック帯1
31内で記録セル121は六方細密充填構造をなして三
角格子を形成している。記録セル121はトラック方向
に沿ってピッチPをもって周期的に形成されており、記
録トラック帯131内には19列のサブトラックが含ま
れている。記録トラック帯131内で隣り合うサブトラ
ック上に位置する最近接の2つの記録セル12Aはトラ
ック方向に沿って中心間の間隔がサブトラック内のピッ
チPの1/2だけずれている。
【0129】図26および図27を参照して本実施例に
係る相変化光記録装置を説明する。図26は相変化光デ
ィスクおよびヘッドスライダを示す断面図である。上記
方法で作製した光ディスク141は、ガラス基板111
上に記録セル121が規則配列した記録トラック帯を有
する記録層および保護層122が形成されている。光デ
ィスク141はスピンドルモーター142に装着され、
図示しない制御部からの制御信号により回転する。ヘッ
ドスライダ143の先端には、レーザー共振型の光検出
読み出しヘッド144、面発振型レーザー書き込みヘッ
ド145が搭載されている。ヘッドスライダ143は2
段アクチュエータ(図示せず)によって位置決めされ
る。
【0130】図27はヘッドスライダに設けられた微小
開口の平面構造を示す概略図である。読み出しヘッド1
44の微小開口の寸法は縦35nm、幅20nm、書き
込みヘッド145の微小開口の寸法は縦20nm、幅2
0nmである。
【0131】本実施例でも実施例1と同様な方法で、シ
ーク動作、記録読み出し、読み出しヘッドのトラッキン
グ、および欠陥領域への書き込みの回避動作を行うこと
ができる。
【0132】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、記
録セルのパターンが高度に配列化した記録媒体に対し
て、トラッキング、シークが簡単で、高速で読み出しが
可能な、記録読み出し装置および記録読み出し方法を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録媒体の平面図。
【図2】図2は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク
装置の斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の
概略構成図。
【図4】本発明の一実施形態に係る記録セルの信号を示
す図。
【図5】本発明の一実施形態に係るトラッキング方法を
示す図。
【図6】本発明の一実施形態に係るトラッキング方法を
示す図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る記録媒体のデータ
構造を示す平面図。
【図8】本発明の他の実施形態においてトラックずれが
生じたときの信号レベルを示す図。
【図9】本発明において用いられる記録媒体のビットパ
ターンを示す図。
【図10】図9のビットパターンに対応する信号パター
ンを示す図。
【図11】本発明の他の実施形態に係るトラッキング方
法を示す図。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係るトラッキ
ング方法を示す図。
【図13】実施例1における磁気ディスクの製造方法を
示す断面図。
【図14】実施例1における磁気ディスクの平面図。
【図15】実施例1における磁気ディスクおよびヘッド
スライダを示す断面図。
【図16】実施例1におけるヘッドスライダの平面構造
を示す概略図。
【図17】実施例1における記録トラック帯に対する読
み出しヘッドおよび書き込みヘッドの配置を示す概略
図。
【図18】実施例1における記録トラック帯端の1列目
(外周側)のサブトラックの読み出し方法を示す概略
図。
【図19】実施例2における記録媒体のデータ構造を示
す図。
【図20】実施例2における記録媒体のビットパターン
とそれに対応する信号パターンを示す図。
【図21】実施例2におけるトラッキング方法を示す
図。
【図22】実施例3におけるトラッキング方法を示す
図。
【図23】実施例4における磁気ディスクの製造方法を
示す断面図。
【図24】実施例5における相変化光記録媒体の製造方
法を示す断面図。
【図25】実施例5における相変化光記録媒体の平面
図。
【図26】実施例5における相変化光記録媒体およびヘ
ッドスライダを示す断面図。
【図27】実施例5におけるヘッドスライダに設けられ
た微小開口を示す概略図。
【符号の説明】
1…記録トラック帯 2…分離帯 11…記録セル 12…マトリックス 21…磁気ディスク 22…スピンドルモーター 23…軸 24…アクチュエータアーム 25…サスペンション 26…ヘッドスライダ 27…ボイスコイルモーター 21…記録セル 31…読み出しヘッド 32…書き込みヘッド 33…記録部 34…記憶部 35…信号処理部 36…制御部 41…ガラスディスク基板 42…磁性層 43…SiO2膜 44…レジスト 45…溝 46…ブロックコポリマー 47…ポリスチレン粒子 48…ポリブタジエン部分 49…記録セル 50…マトリックス 51…保護膜 61…記録トラック帯 62…分離帯 70…ヘッドスライダ 71…読み出しヘッド 72…書き込みヘッド 81…ガラスディスク装置 82…Al23膜 83…SiO2膜 84…溝 85…ブロックコポリマー 86…ポリメチルメタクリレート粒子 87…ポリスチレン部分 88…Cr層 89…孔 90…記録セル 91…保護膜 111…ガラスディスク基板 112…Pt反射膜 113…Al23膜 114…SiO2膜 115…溝 116…ブロックコポリマー 117…ポリメチルメタクリレート粒子 118…ポリスチレン部分 119…Cr層 120…孔 121…記録セル 122…保護膜 131…記録トラック帯 132…分離帯 141…光ディスク 142…スピンドルモーター 143…ヘッドスライダ 144…光検出読み出しヘッド 145…面発振型レーザー書き込みヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 21/08 G11B 21/08 D Fターム(参考) 5D044 BC01 CC04 CC08 DE11 DE27 DE46 DE57 FG18 5D088 BB08 5D091 AA10 BB07 CC05 CC26 FF20 GG01 HH20 5D096 AA02 CC01 EE05 FF08 GG01 HH04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに分離して形成された複数の記録セル
    をトラック方向に沿ってピッチPで周期的に配列した複
    数列のサブトラックを有し、隣り合う前記サブトラック
    が前記トラック方向に沿って前記ピッチPの1/2ずれ
    ている記録媒体からの記録読み出し装置であって、前記
    記録媒体の隣り合う2つのサブトラック上に配置され、
    これらのサブトラック中の記録セルに記録されたデータ
    を読み出す読み出しヘッドと、前記読み出しヘッドによ
    り読み出された実測信号を記録する記録部と、前記隣り
    合う2つのサブトラックに含まれる複数の記録セルに記
    録されるビット情報の組み合わせを表すビットパターン
    のそれぞれに対応する複数の信号パターンが記憶された
    記憶部と、前記記録部に記録された前記実測信号と前記
    記憶部に記憶された前記複数の信号パターンとを比較し
    て、前記実測信号のビットパターン情報およびトラック
    ずれ情報を取得する信号処理部と、前記トラックずれ情
    報に基づいて前記記録媒体に対する読み出しヘッドの位
    置を制御する制御部とを有することを特徴とする記録読
    み出し装置。
  2. 【請求項2】前記信号処理部は、前記読み出しヘッドに
    より前記ピッチPの1/2の距離を通過する時間tごと
    に読み出された信号強度をtの奇数倍のタイミングとt
    の偶数倍のタイミングで分離し、それぞれのタイミング
    で出力された信号強度の絶対値を積分して2つの積分値
    の比率を求め、前記読み出しヘッドが正確に位置制御さ
    れているときに得られるビットパターンに対応する積分
    値の比率と比較することにより前記実測信号のトラック
    ずれ情報を取得することを特徴とする請求項1記載の記
    録読み出し装置。
  3. 【請求項3】前記記憶部は、隣り合う2つのサブトラッ
    クに含まれる複数の記録セルへの記録状態に応じたビッ
    トパターン情報とトラックずれ情報とを含む複数の信号
    パターンの集合である信号パターン群を記憶し、前記信
    号処理部は、前記記憶部に記憶された信号パターン群か
    ら、前記読み出しヘッドによって読み出された実測信号
    に近い信号パターンを選択し、選択された信号パターン
    に対応するビットパターン情報およびトラックずれ情報
    を前記実測信号のビットパターン情報およびトラックず
    れ情報として取得することを特徴とする請求項1記載の
    記録読み出し装置。
  4. 【請求項4】前記記憶部は、隣り合う2つのサブトラッ
    クに含まれる複数の記録セルへの記録状態に応じて読み
    出しヘッドが正確に位置制御されている場合に得られる
    ビットパターン情報を含む複数の信号パターンの集合で
    ある第1の信号パターン群と、個々のビットパターンに
    対応するトラックずれ情報を含む複数の信号パターンの
    集合である第2の信号パターン群とを記憶しており、前
    記信号処理部は、記憶部に記憶された第1の信号パター
    ン群から、前記読み出しヘッドによって読み出された実
    測信号に近い信号パターンを選択し、選択された信号パ
    ターンに対応するビットパターン情報を取得し、さらに
    記憶部に記憶された第2の信号パターン群から、前記読
    み出しヘッドによって読み出された実測信号に近い信号
    パターンを選択し、選択された信号パターンに対応する
    トラックずれ情報を前記実測信号のトラックずれ情報と
    して取得することを特徴とする請求項1記載の記録読み
    出し装置。
  5. 【請求項5】前記信号処理部は、前記読み出しヘッドに
    よって読み出された実測信号から、両端の一定区間の信
    号を除いた信号と、記憶部に記憶された信号パターン群
    とを比較することを特徴とする請求項3または4記載の
    記録読み出し装置。
  6. 【請求項6】前記信号処理部は、読み出しヘッドにより
    読み出された実測信号からビットパターンを決定し、決
    定されたビットパターンから理想信号を作成し、前記実
    測信号と前記理想信号とを比較することにより前記実測
    信号のトラックずれ情報を取得することを特徴とする請
    求項1記載の記録読み出し装置。
  7. 【請求項7】前記複数列のサブトラックを有する複数の
    記録トラック帯と、隣り合う前記記録トラック帯の間を
    分離する分離帯を有し、前記読み出しヘッドが前記記録
    トラック帯を通過するたびに通過した数をカウントし、
    前記読み出しヘッドが所望の記録トラック帯に到達する
    までのシーク動作を制御することを特徴とする請求項1
    記載の記録読み出し装置。
  8. 【請求項8】前記読み出しヘッドが記録トラック帯にお
    いてサブトラックを通過するたびにその数をカウント
    し、前記読み出しヘッドが所望のサブトラックに到達す
    るまでのシーク動作を制御することを特徴とする請求項
    7記載の記録読み出し装置。
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