JP3699925B2 - 記録読み出し装置および記録読み出し方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度記録が可能なパターンドメディアからの記録読み出し装置および記録読み出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコンなど情報機器の飛躍的な機能向上により、ユーザーの扱う情報は著しく増大してきている。このような状況の下で、これまでより飛躍的に記録密度の高い情報記録再生装置に対する期待は高まるばかりである。記録密度を向上させるためには、記録媒体において記録の書き込み単位である1つの記録セルまたは記録マークの大きさを微小化することが必要である。しかし、従来の記録媒体において記録セルまたは記録マークの微小化は大きな困難に直面している。
【0003】
例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体では、記録層に粒度分布の広い多結晶体を用いている。しかし、結晶の熱揺らぎのために、小さい多結晶体では記録が不安定となる。このため、記録セルが大きい場合は問題ないが、記録セルが小さいと記録の不安定性やノイズの増大が生じる。これは、記録セルに含まれる結晶粒の数が少なくなることと、記録セル間の相互作用が相対的に大きくなることが要因になっている。
【0004】
相変化材料を用いた光記録媒体においても状況は同様であり、記録マークサイズが相変化材料の結晶サイズと同程度となる1インチ平方当たり数百ギガビット以上の記録密度では、記録が不安定になるとともに媒体ノイズが大きくなる。
【0005】
これらの問題を回避するため、磁気記録の分野においては、あらかじめ記録材料を非記録材料により分断し、単一の記録材料粒子を単一の記録セルとして記録再生を行うパターンドメディアが提案されている(S.Y.Chou et al.,J.Appl.Phys.,76(1994)pp6673;US Patent 5,820,768および5,956,216;R.H.M.Newet al.,J.Vac.Sci.Technol.,B12(1994)pp3196;荻野谷他,特開平10−233015号公報)。
【0006】
記録密度が向上するとトラック密度も向上し、トラッキング用のサーボマークを書き込むことも非常に困難になる。従来のセクターサーボ方式で高トラック密度を実現する方法の一つとして、トラッキング用のサーボパターンを物理的な凹凸パターンとして予めディスクに作り込む方法が提案されている(特開平6−111502号公報)。この方法では、もともと真円度の高いトラックが形成されているため、従来のHDDに比較するとトラック密度を向上できる。しかし、100G〜1Tbpsiの記録密度となると、安価なリソグラフィーではパターンを描画することが困難である。また、サーボパターンのサンプリング周波数を上げることが必要であるが、そのためデータ領域が少なくなるという問題がある。
【0007】
これに対して、磁気二重層を利用し、上層の磁性層にデータを記録し、下層の磁性層にサーボ情報を記録するベリードサーボ方式が知られている。この方式では連続的に、十分な周波数帯域のサーボ位置情報を記録できる。しかしながら、垂直磁気記録媒体においては、磁気特性を上げるために垂直磁気媒体の下に軟磁性層を設ける必要があり、この軟磁性層のためにサーボ信号を検出することが非常に困難になる。また、記録トラックの幅が小さくなり、記録トラックの数も増えるため、読み出しヘッドのシークに時間を要するという問題がある。さらに、記録セルの形状および記録トラック幅が小さくなるため、読み出し、書き込みにおける記録セル間の干渉が大きくなり、十分な分解能が得られないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、Tbpsi級の記録密度を実現するために、パターンドメディアは有効な手段であるが、記録データへのアクセスやトラッキングを容易に実現する方式は確立していない。
【0009】
本発明の目的は、高度に配列化した記録セルのパターンを有する記録媒体に対するトラッキングおよびシークが容易で、データ信号の高速な読み出しが可能な記録読み出し装置、および記録読み出し方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る記録読み出し装置は、互いに分離して形成された複数の記録セルをトラック方向に沿ってピッチPで周期的に配列した複数列のサブトラックを有し、隣り合う前記サブトラックが前記トラック方向に沿って前記ピッチPの1/2ずれている記録媒体からの記録読み出し装置であって、前記記録媒体の隣り合う2つのサブトラック上に配置され、これらのサブトラック中の記録セルに記録されたデータを読み出す読み出しヘッドと、前記読み出しヘッドにより読み出された実測信号を記録する記録部と、前記隣り合う2つのサブトラックに含まれる複数の記録セルに記録されるビット情報の組み合わせを表すビットパターンのそれぞれに対応する複数の信号パターンが記憶された記憶部と、前記記録部に記録された前記実測信号と前記記憶部に記憶された前記複数の信号パターンとを比較して、前記実測信号のビットパターン情報およびトラックずれ情報を取得する信号処理部と、前記トラックずれ情報に基づいて前記記録媒体に対する読み出しヘッドの位置を制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態に係る記録媒体の記録層の平面図を示す。図1に示す記録層には、複数の記録トラック帯1が帯状の分離帯2によって互いに分離されて形成されている。記録媒体全体の形状はディスクでもカードでもよく、特に形状は限定されない。ディスク状の記録媒体では、記録トラック帯1を同心円状またはスパイラル状に形成することが好ましい。カード状の記録媒体では、記録トラック帯1を直線状に形成することが好ましい。
【0012】
記録トラック帯1内には規則的に配列した複数の記録セル11が、非記録材料からなるマトリックス12によって互いに分断されて形成されている。マトリックス12の材料は記録セル11に書き込まれた情報を破壊しないものであれば特に限定されない。マトリックス12の材料としては、例えばSiO2、Al23などの無機絶縁材料、ポリマーなどの有機絶縁材料を用いることができるが、これらに限定されない。
【0013】
記録セル11はトラック方向に沿ってピッチPをもって周期的に配列してサブトラックを形成し、1つの記録トラック帯1内には複数列のサブトラックが含まれる。図1では記録トラック帯1内に4列のサブトラック1a〜1dが含まれている。記録トラック帯1内で隣り合うサブトラック例えば1a上と1b上に位置する最近接の2つの記録セル11は、トラック方向で見て互いの中心間の間隔が1つのサブトラック例えば1a内でのピッチPの1/2だけ離れている。図1では、記録セル11は最も安定な構造である三方細密充填構造をなして三角格子を形成しているので、隣り合うサブトラック上に位置する最近接の2つの記録セル11のトラック方向におけるずれはP/2である。なお、本発明においてトラック方向とは、後述する読み取りヘッドの記録媒体に対する相対的な移動方向を指す。
【0014】
図2は本発明の一実施形態に係る装置、例えば磁気ディスク装置の全体的な構造を示す斜視図である。磁気ディスク21はスピンドルモーター22に装着され、図示しない制御部からの制御信号により回転する。軸23にはアクチュエータアーム24が保持され、アクチュエータアーム24はサスペンション25およびその先端のスライダ26を支持している。磁気ディスク21が回転すると、スライダヘッド26の媒体対向面は磁気ディスク21の表面から所定量浮上した状態で保持され、情報の記録再生を行う。アクチュエータアーム24の基端にはボイスコイルモーター27が設けられ、アクチュエータアーム24はボイスコイルモーター27により回動できるようになっている。アクチュエータアーム24の先端には微小位置制御を行うためのピエゾ素子が設置される。磁気ディスク装置内部には記録セルの信号に基づいてトラッキング信号を発生するためのマイクロプロセッサーが設置される。
【0015】
図3は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の概略構成図である。図3に示すように、磁気ディスク21は、基板10上に、記録セル11が規則配列した記録トラック帯1および分離帯2を含む記録層3と、保護層4が形成された構造を有する。磁気ディスク21はスピンドルモーター22に装着されている。磁気ディスク21上にはスライダ26が配置される。スライダはピエゾ素子を含む2段アクチュエータ(図示せず)によって位置決めされる。
【0016】
図3に示すように、スライダ26の先端には読み出しヘッド31と書き込みヘッド32が搭載されている。後述するように、読み出しヘッド31および書き込みヘッド32は、磁気ディスク21の記録トラック帯1上において隣り合う2つのサブトラック上をカバーするようにトラッキングされる。読み出しヘッド31は、2つのサブトラック上の記録セルに記録されたデータを読み出す。読み出しヘッド31により読み出された信号は記録部(RAM)33に記録される。一方、記憶部(ROM)34には2つのサブトラック上に含まれる複数の記録セルへの記録状態に応じた複数のビットパターンに対応する複数の信号パターンが記憶されている。信号処理部35は、記録部33に記録された信号と記憶部34に記憶されている信号パターンとを比較して、2つのサブトラックに含まれる複数の記録セルのビットパターン情報およびトラックずれ情報を求める。制御部36は信号処理部35によって得られたトラックずれ情報に基づいて、磁気ディスク21(厳密には2つのサブトラック)に対する読み出しヘッド31の位置を制御してトラッキングを行う。
【0017】
図4に本発明の一実施形態に係る読み出しヘッドのトラッキング方法について説明する。ここでは、記録媒体が垂直磁気記録媒体であるものとする。図4(A)に示すように、読み出しヘッド31が隣り合うサブトラック1a、1bの中央に位置するようにトラッキングする。このとき、読み出しヘッド31が感じる記録信号は、隣接する2つのサブトラック上における、最近接の3つの記録セルの記録状態に応じて干渉の仕方が異なるため、その影響を受ける。このことを図4(B)、(C)および(D)に示す。図4(B)は隣接する3つの記録セルがいずれも上向きに記録されている場合、図4(C)は隣接する3つの記録セルのうち2つが上向き、1つが下向きに記録されている場合、図4(D)は隣接する3つの記録セルのうち1つが上向き、2つが下向きに記録されている場合を示している。読み出しヘッド31が感じる記録信号の絶対値は、図4(B)が最も大きく(3)、図4(C)が中間の値(2)であり、図4(D)が最も小さい(1)。
【0018】
ここで、図5(A)および図6(A)に示すように2つのサブトラック上の各記録セルに所定のデータ信号が記録されており(図5(A)と図6(A)とでデータ信号は同じである)、理想的にトラッキングされている場合(図5(A))とそうでない場合(図6(A))を考える。読み出しヘッド31は、記録セルのピッチPの1/2の距離を通過する時間tごとにデータを読み出す。
【0019】
図5(A)に示すように、読み出しヘッド31が2つのサブトラックの中央に正確に位置制御されている場合、図5(B)に示すような実測信号(絶対値)が図3の記録部33に記録される。信号処理部35はこの実測信号を時間tの奇数倍のタイミング(サブトラック1a)および偶数倍のタイミング(サブトラック1b)で分離して、分離された信号強度の絶対値を所定数だけ(例えば3つずつ)積分する。図5(A)に示すビットパターンに対して読み出しヘッドの位置制御が正確である場合には、信号強度の積分値の比率は1:0.8となる。図3に示した記憶部34には、複数の記録セルへの記録状態に応じた様々なビットパターンに対応する信号強度の積分値の理想的にトラッキングしたときの比率が記憶されている。図5(A)の場合には、記録部33に記録された信号強度の積分値の比率と、記憶部34に記憶されている信号強度の積分値の比率とを比較しても差がないので、トラックずれがないと判断できる。
【0020】
一方、図6(A)のように、読み出しヘッド31が2つのサブトラックの中央よりサブトラック1a側へずれている場合、図6(B)のような実測信号(絶対値)が記録部33に記録される。この場合、信号処理部35によって求められる、2つのサブトラック1aおよび1bにおけるそれぞれの信号強度の積分値の比率は例えば1:0.47になる。そして、信号処理部35によって記録部33に記録された信号強度の積分値の比率と記憶部34に記憶されている信号強度の積分値の理想的な比率とを比較することにより、読み出しヘッド31がサブトラック1a側へずれているというトラックずれ情報が得られる。
【0021】
以上のような適切な信号処理により、2つのサブトラックから読み出される信号強度の積分値の比率を求め、それを記憶部に記憶された積分値の理想的な比率と比較することにより、読み出しヘッドのトラックずれ情報を求めることができる。そして、制御部36からトラックずれを修正するための動作信号をアクチュエータに送ることにより正確なトラッキングを実現できる。上記の信号処理および制御は専用のマイクロプロセッサを用いて行われる。
【0022】
以上のように2列のサブトラックから得られる記録情報を利用して連続的なトラッキングが可能であるが、動作信号の周波数はアクチュエータの微小動作が可能な周波数以下にする。したがって、アクチュエータは微小動作の高周波数対応が可能であることが望ましく、ピエゾ素子を微動アクチュエータに用いた2段アクチュエータが好ましい。
【0023】
なお、以上では連続する記録セルから読み出される信号強度を積分する方法を説明したが、記録セルを例えば10個おきにサンプリングして積分するなどの方法を採用してもよい。
【0024】
次に、図7を参照して、本発明の他の実施形態に係る読み出しヘッドのトラッキング方法について説明する。図7に記録媒体のデータ領域における記録セルの記録状態を示す。ここでは、上向きの磁気ベクトルを持つ磁気情報が記録されたセル(ビット信号“0”)を白、下向きの磁気ベクトルを持つ磁気情報が記録されたセル(ビット信号“1”)を黒で表している。この図に示されるように、データ信号に依存したビットパターンが形成されている。この記録媒体に対して、上記と同様に、読み出しヘッド31がサブトラック1a、1bの中央に位置するようにトラッキングする。読み出しヘッド31によって読み出される信号(例えば電気信号)は、“0”の記録セル上を読み出しヘッドが通過する場合には負の値、“1”の記録セル上を読み出しヘッドが通過する場合には正の値をもつ。
【0025】
読み出しヘッドが記録セルのサイズよりも高い分解能で信号を読み出せるとすれば、各記録セルからの信号はそれぞれ同じレベルになるはずなので読み取りが容易である。この場合、サブトラック1a上の記録セルの信号強度とサブトラック1b上の記録セルの信号強度との差をトラックずれ情報として利用することができ、図7に示されるように読み出しヘッドが記録媒体の隣り合う2つのサブトラック1a、1bの中央を通るようにトラッキングを行うことができる。
【0026】
しかし、読み出しヘッドの分解能が低い場合、ある記録セルからの信号に近接する記録セルからの信号が重なるため、同じビットパターンで読み出しヘッドが正確に2つのサブトラック1a、1bの中央を通った場合でも、周囲の記録セルからの影響によって信号レベルが変化し、例えば図8(A)のような信号パターンが得られる。さらに、読み出しヘッド31がサブトラック1a寄りにずれたときの信号パターンは図8(B)のように変化し、サブトラック1b寄りにずれたときの信号パターンは図8(C)のように変化する。このように読み出しヘッドの分解能が低い場合には、各記録セルからの信号が隣接する記録セルの記録情報の影響を受けるため、単純に信号強度だけからトラックずれ情報を得るのは困難である。
【0027】
そこで、この実施形態では、複数の記録セルを含む記録セル集合から信号を読み出し、記録セル集合ごとに信号パターンを解析することによって、その信号パターンに対応するビットパターンを得るとともにトラックずれ情報を得るようにする。
【0028】
ここで、記録セル集合とは隣り合う2つのサブトラック上において隣り合う2つ以上の記録セルを含む複数の記録ビットの集合をいう。記録セル集合中のセルの数は2つ以上であれば特に限定されない。図9には、例えば1つの記録セル集合が隣り合うサブトラックから2つずつ合計4つの記録セルを含む場合を示す。この記録セル集合では様々なビットパターンがあり得るが、図9には6つの基本的なパターンを示している。そして、すべてのビットパターンは、これらの6パターンと、これらの6パターンに対して正負が逆のパターンまたは時系列が逆のパターンによって表現できる。例えばビットパターン“0000”は図9の“1111”に対して正負が逆のパターンであり、“1110”は図9の“0111”に対して時系列が逆のパターンである。
【0029】
図10に、図9に示した6種類の基本パターンに対し読み出しヘッドによって得られると予想される信号パターンを示す。図10の信号パターンは、読み出しヘッドが2つのサブトラックの中央を通った場合(実線)、サブトラック1a寄り(外周側)にずれた場合(一点鎖線)、およびサブトラック1b寄り(内周側)にずれた場合(破線)を示している。
【0030】
この実施形態では、図3の記憶部34に、図10に示したビットパターンに対して読み出しヘッドが正しい位置にあるときに得られると予想される信号パターンおよび読み出しヘッド位置がずれている時に得られると予想される信号パターンとからなる信号パターン群と、それぞれの信号パターンに対応するトラックずれ情報とが記憶されている。記憶部34に記憶される信号パターンは、信号パターンそのもののアナログ強度データでもよいし、一定時間間隔ごとのパルス強度でもよい。
【0031】
この実施形態におけるトラッキング方法を、より具体的に説明する。読み出しヘッドによって読み出される実測信号を信号Aとする。信号処理部は信号Aを所定数(この例では4つ)の記録セル集合ごとの信号Bに分割し、得られた信号Bと記憶部に記憶されている信号パターン群Cとを比較し、信号パターン群Cの中で最も信号Bに近い信号パターンDを選択する。そして、信号処理部は信号パターンDの属性として記憶されているビットパターン情報およびトラックずれ情報を制御部へ出力する。制御部は受け取ったトラックずれ情報に基づいて、読み出しヘッドがサブトラック1aとサブトラック1bとの中央に位置するように制御する。
【0032】
上記の操作において、記録セル集合ごとの信号Bと信号パターン群Cを比較するには、例えば2つの信号強度の差分の絶対値を積分する方法が用いられる。まず、信号Bの強度の符号を正負反転させ、信号“−B”を得た後、信号“−B”と信号パターン群Cに含まれるそれぞれの信号パターンの強度を加算する。この加算された信号は信号パターン群Cに含まれる特定の信号パターンと信号Bとの差分に相当するが、正の値と負の値が混在している。この差分信号のうち、負の信号部分のみ符号を逆転させて信号の絶対値を得る処理を行い、信号強度の絶対値を積算することにより、2つの信号の差分信号の絶対値を積分した値が得られる。信号パターン群Cに含まれるそれぞれの信号パターンに対して信号強度積分値を比較し、信号パターン群Cの中で最も信号強度積分値の低い信号パターンが信号Bに近い信号パターンとして選択される。なお、信号Bと信号パターン群Cを比較する方法は上記の方法に限定されず、他の方法を用いてもよい。
【0033】
以上の説明では、一段階で実測信号に最も近い信号パターンを求め、その信号パターンの属性としてのビットパターン情報およびトラックずれ情報を同時に得るという信号処理を行った。これに対して、以下に説明するように、まずビットパターン情報を得た後、次にトラックずれ情報を得るという二段階の信号処理を行ってもよい。図11を参照してこの信号処理方法をより具体的に説明する。
【0034】
上記と同様に、信号処理部は読み出しヘッドから出力される実測した信号Aを記録セル集合ごとの信号Bに分割する。次に、この実施形態では、まず信号Bと読み出しヘッドが正しく位置制御されているときに得られると予想される信号パターン群Gとを比較する。信号パターン郡Gの中から最も信号Bに近い信号パターンHを選び、その属性として記憶されているビットパターン情報I(例えば“0111”)を得る。次に、ビットパターンIに対応する、信号パターンHおよび読み出しヘッドの位置がずれている場合に得られると予想される信号パターンを含む信号パターン群Kと、信号Bとを比較する。そして、信号パターン群Kの中で信号Bに最も近い信号パターンLを選択し、その属性として記憶されているトラックずれ情報を得る。
【0035】
なお、信号Bと記憶部に記憶されている信号パターン群とを比較する場合、信号Bは信号Aから切り出されたものであるため、信号Bにおける信号開始直後のパターンと信号終了直後のパターンは、信号A中の信号Bの前後のビットパターンにより影響を受けている。この場合、単純に信号Bのパターン全体を記憶部に記憶されている信号パターン群と比較すると、この信号Bの両端のパターンが予想不可能であるため好ましくないことがある。この問題を解消するためには、信号処理部によって、信号Bの両端のある一定区間を除いた信号Bの中心部分と、記憶部に記憶されている信号パターン群の中心部分とを比較するようにしてもよい。
【0036】
このように、信号Bと記憶部に記憶されている信号パターン群とを中心部分のみで比較する方法は、ビットパターン情報を得るために信号Bと信号パターン群とを比較する場合のように、ビットパターンの内容による信号パターンの変化が著しい場合にはそれほどメリットがあるわけではない。しかし、上述したようにビットパターン情報とトラックずれ情報を二段階で得る方法において、信号Bと信号パターン群Kとを比較する場合のように、読み出しヘッドの微小なトラックずれに基づいて差異の小さい信号パターンを選択する場合には有効である。
【0037】
また、読み出しヘッドによる信号読み出しの分解能が低い場合には、各記録セルからの信号強度は隣接する記録セルの影響を受けるため、単純に信号強度だけからトラックずれ情報を得ることが困難なことがある。そこで、さらに他の実施形態に係る信号処理として、まず実測信号からビットパターンを抽出した後に、抽出されたビットパターンから理想信号を生成し、理想信号とヘッドから得られた実測信号を比較することによってトラックずれ情報を得るようにしてもよい。
【0038】
図12を参照してこの信号処理について説明する。読み出しヘッドで得られる記録媒体のデータ領域からの実測信号(図12(A))はビットパターン情報とトラックずれ情報を共に含んでいる。まずこの実測信号Aからビットパターンを決定する(図12(B))。実測信号からビットパターンを決定する方法は、従来のHDD等で用いられているのと同様の手法、例えばPRML(partial response maximum likelihood)を用いる。こうして決定されたビットパターンはトラックずれ情報を含んでおらず、このビットパターンから理想信号を作成できる(図12(C))。
【0039】
理想信号とは記録媒体上で読み出しヘッドが理想的な位置にあるときに読み出しヘッドによって読み出されると予想される信号パターンである。例えば記録媒体に対して理想的な位置にある読み出しヘッドは、2本のサブトラックの中央を通過するため、2本のサブトラック中の記録ビットから互いに等しい信号強度が得られる。このため、信号処理部において、ビットパターンの各ビットを記録セルからの単位信号パターンに変換し、それぞれの単位信号パターンを読み出しヘッドが記録媒体表面を通過する速度にあわせて重ね合わせることにより理想信号が得られる。
【0040】
一方、実測信号はトラックずれ情報を含んでいるため、理想信号と同じビットパターンであってもトラックずれ情報の分だけ理想信号とは異なった信号パターンを示す。そこで、読み出しヘッドからの実測信号を記録部に一時的に記録し、信号処理部によって作成された理想信号と記録部に記録された実測信号とを比較することによりトラックずれ情報を得ることができる(図12(D))。
【0041】
このトラッキング手法では、これまでに説明した実施形態と異なり、信号をnビットずつ区切る必要がなく、読み出しヘッドからの実測信号をどのようなタイミングで取り出してもトラックずれ情報を得ることができる。この場合、信号処理部は通常動作では実測信号からビットパターン情報を抽出する処理のみを行い、必要な時だけトラックずれ情報を取り出すことができる。したがって、トラッキングの必要なタイミングで読み出しヘッドがデータ領域を通過している場合には、いつでもトラッキング情報を得てヘッド位置を理想的な位置に制御することができる。
【0042】
次に、本発明に係る記録読み出し装置におけるシーク方法について説明する。このシーク方法では、読み出しヘッドが記録トラック帯を通過するたびにその数を記録し、所望の記録トラック帯に到達するまでのシーク動作を制御する。この間、所望の記録トラック帯に到達するまでに通過する記録トラック帯ではサブトラック数を記録する必要はないので、高速なシーク動作が可能となる。また、読み出しヘッドが所望の記録トラック帯に到達した後、その記録トラック帯においてサブトラックを通過する度にその数をカウントし、読み出しヘッドが所望のサブトラックに到達するまでのシーク動作を制御する。
【0043】
本発明に係る装置では、信号処理部が、読み出しヘッドによって読み出された記録トラック帯の1列目のサブトラック上の記録セルからの信号に基づいて、読み出しヘッドによって読み出された1列目および2列目のサブトラック上の記録セルからの信号から、2列目のサブトラック上の記録セルからの信号を演算により求めるという操作を、順次繰り返すようにしてもよい。以下、この方法をより詳細に説明する。
【0044】
読み出しヘッドが所望の記録トラック帯に到達した後、まず記録トラック帯端の1列目のサブトラック上に位置する記録セルの信号を読み出す。このとき、ピッチPに基づく信号のみが検出されるようにトラッキングを行うことにより、記録トラック帯端の1列目のサブトラック上に位置する記録セルからの信号を精度よく読み出すことができる。次に、読み出しヘッドの位置をずらして1列目および2列目のサブトラック上の記録セルから信号を読み出し、1列目のサブトラックの記録セルからの読み出し信号に基づき、2列目のサブトラックの記録セルからの信号を演算により求める。さらに、上記と同様にして読み出しヘッドの位置をずらして3列目以降のサブトラックの記録セルの信号を求める操作を繰り返す。
【0045】
このような記録読み出し方法は、隣接するサブトラックの記録セル信号の干渉が特に強い場合に有効である。すなわち、2列のサブトラックの信号が干渉していると、2列目のサブトラックの記録セルからの実測信号のみでは信号の分離が困難な場合があるが、1列目のサブトラックの信号が既知であれば、演算によってもう2列目のサブトラックの信号を求めることが容易になる。
【0046】
次いで、本発明において用いられる記録媒体についてより詳細に説明する。本発明において用いられる記録媒体は、記録セル11が記録トラック帯1内において規則配列して密に充填されていればよいので、自己組織化する粒子を用いて安定かつ安価に製造することができる。
【0047】
記録セル幅は5〜100nmが好ましく、10〜50nmがさらに好ましい。記録セルの形状は密に充填できる円形、楕円形、長方形、正方形が好ましく、特に自己組織化により形成しやすい円形が好ましい。記録セルは六方細密充填構造を有することが好ましい。これは、微粒子の自己組織化では六方細密充填構造が最も安定な構造であり、最も欠陥が少なくかつ安価に作製することができるためである。
【0048】
記録トラック帯の幅は、複数のサブトラックを安定に形成でき、高い記録密度が得られ、かつシーク動作が容易になるように設定される。このため、記録トラック帯の幅は30nm〜10μmが好ましく、100nm〜1μmがさらに好ましい。
【0049】
記録トラック帯1間の分離帯2は非記録材料からなっていてもよいし、記録セルと同一の記録材料からなっていてもよい。分離帯が非記録材料からなる場合、読み出しヘッドが複数の記録トラック帯を横切る度に、周期的に信号がない領域が現れることを利用して、所望の記録トラック帯へのシーク動作が容易になる。分離帯が記録セルと同一の記録材料からなる場合、分離帯からトラッキング信号を検出することや、分離帯に記録トラック帯のアドレス情報を記録することが可能となる。
【0050】
本発明に用いられる記録媒体は、記録が書き込まれる領域のすべてに記録セルの規則配列が形成されていてもよいし、アドレス信号領域等があらかじめ形成されこれらの領域以外のデータ領域に記録セルの規則配列が形成されていてもよい。また、トラッキング用のサーボマーク領域のみに記録セルの規則配列があらかじめ形成されていてもよい。この場合、記録の書き込み・読み出しがなされる領域は、多粒子系の磁性薄膜などで形成してもよい。最近ではサーボライトに要する時間が長くなっているので、サーボマークをあらかじめ作りこんでおく方法は非常に有効である。
【0051】
本発明に用いられる記録媒体は特に限定されず、様々な記録原理に基づくものが挙げられる。例えば、磁気記録媒体、相変化光記録媒体、強誘電媒体、電荷蓄積媒体、有機色素または蛍光化合物などを含有する記録媒体がある。これらのうち、磁気記録媒体および相変化光記録媒体が特に好ましく、さらに高密度化が可能な垂直磁気記録媒体が好ましい。
【0052】
磁気記録材料としては、例えばNi−Fe、Fe−Al−Si等の結晶材料、Co−Zr−Nb等のCo基アモルファス材料、Fe−Ta−N等のFe系微結晶材料、Fe、Co、Fe−Pt、Co−Pt、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、Baフェライト、Co酸化物等が用いられる。
【0053】
無機の相変化光記録材料としては、例えばSb−Se、Sb−Te、Ga−Se、Te−Se−Sb、Te−Ga−Se、Te−Ge−Sn、Te−As−Ge、Cs−Te、Ge−Sb−Te、Ag−In、In−Sb−Teなどが用いられる。
【0054】
有機色素としては、電荷記録用色素、相変化記録用色素、ライトワンス型の記録用色素、フォトクロミック色素、蛍光色素、フォトリフラクティブ色素などが用いられる。電荷の有無により記録する電荷記録用色素としては、ドナー性またはアクセプタ性の色素分子が用いられる。結晶−非晶質の相変化により記録する相変化記録用色素としては、結晶化速度が大きい色素分子が用いられる。ライトワンス型色素としては、光を吸収して非可逆的に変化するか、または光を吸収して周囲を非可逆的に変化させる色素が用いられる。読み出しに蛍光を用いる場合には蛍光強度の大きい蛍光色素を用いることが好ましい。光により吸収が変化するフォトクロミック化合物も使用することができる。有機色素の具体例は、例えば特開平11−328725に開示されている。
【0055】
蛍光化合物は、有機蛍光化合物でも無機蛍光化合物でもよい。一般に、無機化合物は有機化合物と比べて蛍光寿命が長いので、高速の読み出しのためには有機化合物の方が好ましい。
【0056】
フォトクロミック化合物としては例えば、スピロオキサジン類、ジアリールエテン類、フルギド類、インジゴ類、スピロピラン類、シクロファン類、カルコン類、縮合多環化合物などが用いられる。
【0057】
本発明において用いられる記録媒体を製造するには、たとえば基板上に記録トラック帯に対応する、連続的または断続的な溝領域または特定の化学成分を含む帯領域を形成した後、溝領域または帯領域内に自己組織化分子または微粒子の2次元的な規則配列構造を形成し、この規則配列構造に対応する記録セルを形成する方法が用いられる。
【0058】
凹凸を有する溝構造を用いる場合には、凹凸の段差の部分によって自己組織化粒子の結晶ドメインを断つことができ、溝に沿った規則配列を実現することができる。
【0059】
特定の化学成分をパターニングした帯領域を用いる場合には、自己組織化粒子の化学的な表面状態と帯領域の化学成分の表面状態を適当に選択することにより、自己組織化粒子が吸着する部分としない部分を形成することができる。この場合、自己組織化粒子が吸着する部分においてのみ規則配列化が起こり、帯構造に沿った規則配列が得られる。また、表面に化学パターンを形成することにより自己組織化粒子に対する相互作用を変化させ、ある相互作用が起こる化学パターン上でのみ所望の規則配列が得られ、別の化学パターン上では規則配列が得られずランダムな配列になるようにすることもできる。帯構造の幅は、自己組織化粒子が自然に(つまり帯構造が存在しない場合に)形成する規則配列の大きさより十分小さくすることが好ましい。このような条件を満たせば、自己組織化粒子が帯構造の幅方向に規則正しく配列した構造を形成することが可能である。
【0060】
自己組織化粒子の大きさ(径)は、3〜100nmが好ましく、10〜50nmさらに好ましい。自己組織化粒子の形状は、上述した記録セルの形状に対応して、円形、楕円形、長方形、正方形が好ましく、特に自己組織化により形成しやすい円形が好ましい。
【0061】
本発明に用いられる記録媒体によってTbpsiの記録密度を実現しようとする場合、記録トラック帯となる溝構造または帯構造の幅は以下のようにして決定される。例えば、1つの記録トラック帯内に2列の記録セル列を形成する場合には、溝構造または帯構造の幅はおよそ40nm程度となる。これは通常の電子線リソグラフィーにより作製可能な大きさである。実際には、1本の記録トラック帯に2列より多くのサブトラックを形成することができるので、分解能は低いがより安価でスループットの高いリソグラフィー手段を利用することが可能である。リソグラフィーとしては、光リソグラフィー、電子線リソグラフィー、原子間力顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、近接場光顕微鏡などの走査型プローブを用いる方法、ナノインプリントリソグラフィー(P.R.Krauss,et al.,J.Vac.Sci.Technol.B13(1995),pp.2850)などが利用可能である。レジストを用いる場合、レジスト材料は記録層を破壊することがなく、リソグラフィーにより構造形成が可能であり、自己組織化粒子の製膜、規則配列化処理によりダメージを受けないものであればよい。
【0062】
自己組織化粒子としては、ブロックコポリマー、またはポリマー、金属、半導体、酸化物などからなる数nm〜100nm径の微粒子などが利用可能である。
【0063】
ブロックコポリマーを利用する場合には、自己組織化粒子を形成した後、2種類以上のブロックのうち1つを選択的に除去できるものを用いる。この場合、ブロックどうしの間でのRIEまたはその他のエッチングなどに対するエッチングレートの差を利用することが好ましい。
【0064】
例えば、ポリスチレンとポリブタジエンからなるブロックコポリマーを用いた場合には、オゾン処理とその後の現像処理によりポリスチレンブロックのみを残すことが可能である。ポリスチレンとポリメチルメタクリレートからなるブロックコポリマーでは、ポリスチレンの方がポリメチルメタクリレートよりも、CF4をエッチャントとして用いるリアクティブイオンエッチング(RIE)に対するエッチング耐性が高い。このため、RIEによりポリメチルメタクリレートおよびその下の記録層のみを選択的に除去することが可能である(K.Asakawa et al.;APS March Meeting、2000)。
【0065】
このようなブロックコポリマーとしては例えばポリブタジエン−ポリジメチルシロキサン、ポリブタジエン−4−ビニルピリジン、ポリブタジエン−ポリメチルメタクリレート、ポリブタジエン−ポリ−t−ブチルメタクリレート、ポリブタジエン−ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリ−4−ビニルピリジン、ポリエチレン−ポリメチルメタクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリ−2−ビニルピリジン、ポリエチレン−ポリ−2−ビニルピリジン、ポリエチレン−ポリ−4−ビニルピリジン、ポリイソプレン−ポリ−2−ビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート−ポリスチレン、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリスチレン、ポリメチルアクリレート−ポリスチレン、ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ−2−ビニルピリジン、ポリスチレン−ポリ−4−ビニルピリジン、ポリスチレン−ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン−ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリブタジエン−ポリアクリル酸ナトリウム、ポリブタジエン−ポリエチレンオキシド、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリエチレンオキシド、ポリスチレン−ポリアクリル酸、ポリスチレン−ポリメタクリル酸等がある。これらはAB型ジブロックポリマーの例であるが、ABA型のトリブロックコポリマーを用いてもよい。
【0066】
ブロックコポリマーを用いる場合、基板表面においてミセル構造またはシリンダ構造を形成するような成分比を有するものを用いることが好ましい。これにより、互いに分離され規則配列した円形の記録セルを形成することが可能となる。ブロックコポリマーはトルエンなどの適当な溶媒に溶解したものをスピンコートなどにより製膜することが可能である。ブロックコポリマーの自己組織的な配列に相分離させるには、一般的には材料のガラス転移点温度以上の温度でアニール処理すればよい。
【0067】
ポリマーや金属などからなる数十nm径の微粒子を用いる場合には、微粒子を分散させた溶液を、帯構造を形成したディスクの上から展開して乾燥し溶媒を除去した後、適当な溶媒を用いて過剰に吸着した微粒子を取り除くことにより、自己組織的な規則配列を形成することができる。また、微粒子を分散させた溶液中にディスク基板をある時間浸して微粒子をディスク基板に吸着させ、規則配列させることも可能である。
【0068】
以上のような方法により自己組織化粒子の規則配列を形成した後、自己組織化粒子をマスクとして、あらかじめ形成しておいた下地の記録層をイオンミリングなどにより削り、所望の規則配列した記録セル列を形成することができる。記録層をより高いアスペクト比で削るためには、記録層と自己組織化粒子膜との間にSiO2やSiなどの膜を形成し、RIEなどにより自己組織化粒子の規則配列パターンをSiO2やSiに転写(パターントランスファー)した後、記録層を加工することも有効である。SiO2やSiはRIEにより高いアスペクト比で削ることができるため、これをマスクにして加工することにより、記録層をより高いアスペクト比でエッチングすることができる。
【0069】
上記のようにして作製した記録セルの規則配列をマトリックス材料で被覆し、表面を研磨により平坦化することにより、マトリックスに埋め込まれた記録セルを有するパターンドメディアを製造することができる。
【0070】
また、自己組織化粒子をマスクとして、マトリックスに規則配列した微細孔アレイを形成した後、孔を記録材料で埋めることによっても記録セルを形成することができる。この場合、ディスク基板上にマトリックス材料からなる膜を製膜する。次に、自己組織化粒子の配列を制御するための溝構造または特定の化学成分をパターニングした帯構造を形成するためのレジストを形成する。リソグラフィーによりレジストに溝構造または帯構造を形成する。自己組織化粒子を製膜した後、アニール処理などにより規則配列化させる。自己組織化粒子をマスクとしてエッチングを行い、マトリックスに孔を形成する。レジストを除去した後、孔に記録材料を埋め込む。レジストは記録材料を埋め込んだ後に除去してもよい。また、レジストを除去せずに残したまま使用してもよい。
【0071】
自己組織化粒子として、ブロックコポリマー、またはポリマー、金属、半導体、酸化物などからなる数十nm径の微粒子などを用いてマトリックス材料に微細孔を形成する以外にも、Alの陽極酸化により形成されるAl23の微細孔アレイなども利用可能である。
【0072】
ブロックコポリマーを利用する場合には、マトリックス材料に孔を形成するために、ミセルまたはシリンダを形成するブロックを選択的に除去できるものを用いる。
【0073】
ポリマーや金属などからなる微粒子を用いる場合には、マトリックス材料に孔を形成するために、微粒子からなるパターンのネガパターンをマスクとして利用する。すなわち、微粒子配列の上に金属などのエッチングマスクとなりうる材料を堆積した後、微粒子を除去し、微粒子が除去された部分のみで下地のマトリックスを露出させてその部分を加工する。
【0074】
Alの陽極酸化により形成されるAl23の微細孔アレイを利用する場合には、以下のような方法が可能である。まず、凹部においてマトリックスが露出した膜の帯構造の上にAlを製膜した後、膜を取り除くことによりAlの帯構造を得る。これを陽極酸化することにより、帯構造内で規則配列したAl23の微細孔アレイを得ることができる。形成されたAl23をマスクとして下地のマトリックスに微細孔アレイを転写する。
【0075】
また、Al23の微細孔アレイを用いる場合には、Alの微細孔アレイ自体をマトリックスとして用いるもできる。この場合、Alを製膜した後、溝構造の凹部においてAlが露出した膜のパターンを形成する。これを陽極酸化すると、Alが露出した部分においてのみ反応が進み、帯構造に沿って配列したAl23微細孔アレイが得られる。
【0076】
また、Alの陽極酸化においては、あらかじめ陽極酸化される表面に微小な孔を付けておくことにより、位置制御された微細孔アレイを形成できる。Al膜上に溝構造を形成し、ブロックコポリマーなどのマスクを用いたエッチングにより規則配列した微小な孔をAl表面に形成し、自己組織化膜を取り除いた後にAlを陽極酸化することにより、規則配列したAl23微細孔アレイを作製することもできる。
【0077】
以上のようにしてマトリックスに形成した微細孔の規則配列の上に記録材料を製膜した後、研磨することにより分断された記録セルを得ることができる。
【0078】
さらに、自己組織化粒子を用いた方法により、凹凸の形状を持つスタンプ原盤を作製し、このスタンプ原盤を利用して、ナノインプリントリソグラフィーによりディスク基板にパターンを転写する方法を用いてもよい。
【0079】
まず、基板上に自己組織化粒子の配列を制御するための溝構造または特定の化学成分をパターニングした帯構造を形成するためのレジストを製膜する。リソグラフィーによりレジストに溝構造または帯構造を作りこむ。自己組織化粒子を製膜した後、アニール処理などにより規則配列化させる。自己組織化粒子をマスクにしてエッチングを行い、スタンプ原盤とする。一方、記録層またはマトリックス膜を製膜した基板上に、マスクとなるレジスト膜を形成する。加熱しながらスタンプ原盤を押し付けることにより、レジストにスタンプ原盤のパターンを転写する。次いで、エッチングにより記録セルアレイまたはマトリックス中の微細孔アレイを形成する工程を経て記録媒体を得る。
【0080】
記録材料からなる微粒子を直接、帯構造により配列化させて記録セルとして用いる製造方法を用いることもできる。記録材料からなる微粒子を分散させた溶液を、帯構造を形成した基板の上から展開し乾燥し溶媒を取り除いた後、適当な溶媒により過剰に吸着した微粒子を取り除くことにより、自己組織的な規則配列を形成することができる。また、微粒子を分散させた溶液中に基板をある時間浸すことにより微粒子を基板に吸着させ、規則配列を形成させることも可能である。このようにして記録セルを形成した後、微粒子が基板から剥離しないように、バインダーまたは保護膜となる材料で被覆することにより記録媒体を作製することができる。
【0081】
上記のような方法では、アニール処理などの再配列化処理により、帯構造に沿って大面積で自己組織化粒子を規則配列させることが可能である。このような再配列化が困難な場合には、帯の長手方向にも凹凸構造または化学的なパターンを断続的に形成し、小面積の帯構造内で完全に方向が揃って配列した規則配列構造を得ることも可能である。つまり、ある長さの帯構造内で粒界のない完全に単一の自己組織化粒子の2次元結晶構造を形成することが可能である。
【0082】
本発明に係る記録読み出し装置では、隣り合うサブトラック上の記録セルのずれ(ピッチPの1/2)を利用して、記録セルからの読み出し信号自体を利用してトラッキングを行うことができるため、トラッキングサンプリング周波数を高くすることができる。このため、トラッキング方向の記録セル幅が100nm以下であってもトラッキングが可能となる。また、エラーレートを低くすることができるため、データ領域を広くすることができる。
【0083】
本発明に係る記録読み出し装置は、読み出しヘッドから出力される信号に応じて書き込みヘッドへの書き込みタイミング信号を制御する手段を有していてもよい。このような装置では、記録セルが存在しないマトリックス部分に書き込みヘッドが書き込みを行うことを防ぐことができる。
【0084】
本発明に係る記録読み出し装置は、トラック方向に沿って規則配列した記録セル間の間隔とヘッドの走行スピードにより決定される標準的な時間間隔と読み出しヘッドにより出力される信号の時間間隔とを比較し、書き込みヘッドへの信号を制御する手段を有してもよい。このような装置では、自己組織化による規則配列に欠陥領域が存在し、記録トラック帯内のサブトラックに断裂が存在する場合でも、その欠陥領域を回避して書き込むことができる。すなわち、記録セルが規則配列している領域では、記録セルの格子間隔とヘッドの走行スピード(読み出しヘッドと記録媒体との相対速度)により決定される時間間隔Tで記録情報が読み出される。しかし、記録セルの欠陥領域では、読み出しヘッドから読み出される信号の時間間隔が乱れるので、その場合には一時的にヘッドから読み出される信号を情報として処理しないようにする。再び時間間隔Tで信号が生じ始めたら、その時点で読み出される信号を情報として処理再開し、書き込みも再開する。
【0085】
読み出しヘッドにより出力される信号の時間間隔の乱れに基づいて、読み出しヘッドが欠陥領域を走行していることを判定するための基準は任意に設定できる。例えば、2回または3回以上不当な時間間隔で信号が検出されて読み出しエラーが起きた場合に欠陥領域を走行していると判定してもよい。また、標準的な時間間隔Tよりも30%以上短い時間間隔で読み出しヘッドから信号が生じる場合や、時間間隔Tよりも30%以上長い時間経過しても信号が生じない場合を判定基準としてもよい。この場合、これらの現象が一度起きた場合を判定基準としてもよいし、2Tまたは3T時間の間に信号が複数回乱れた場合を判定基準としてもよい。
【0086】
読み出しヘッドが再び規則配列領域を走行しはじめたことを判定するための基準も任意に設定できる。例えばある信号が帰ってきた瞬間から時間間隔Tの±30%以内の間隔で信号が生じた場合に規則配列領域を走行していると判定してもよい。この場合、この現象が一度起きた場合を判定基準としてもよいし、2Tまたは3T時間の間に標準的な時間間隔Tで信号が得られた場合を判定基準としてもよい。
【0087】
情報を書き込む場合には、書き込み前に欠陥領域を認識して、その欠陥領域を回避し、その後の規則配列領域から書き込みを再開する。この場合、ある記録セルに書き込みヘッドが情報を書き込む前に、読み出しヘッドによって記録セルの位置を把握しておくことが好ましい。このためには、書き込みヘッドのトラック方向前方に記録読み出しヘッドを設けてもよいし、読み書き兼用ヘッドの場合には同じトラック位置で記録媒体に複数回アクセスして記録セル位置を読み出した後に書き込みを行うようにしてもよい。
【0088】
本発明の他の実施形態に係る装置は、データ信号の読み出しヘッドとは別に、トラッキング用の読み出しヘッドを設けてもよい。トラッキング用の読み出しヘッドは、データ信号を読み出している領域以外からの読み出し信号をトラッキング信号として用いて読み出しヘッドおよび書き込みヘッドのトラッキングを行うので、より精密にかつ高速なトラッキングを実現できる。
【0089】
磁気記録装置の場合には、読み出しヘッドはGMRなどの磁気センサー、書き込みヘッドは磁気ヘッドなどである。相変化光記録装置の場合には、読み出しヘッドは反射率の違いを検出する光センサーであり、書き込みヘッドは光ヘッドや電子線ヘッドなどの熱源ヘッドである。
【0090】
また、光(熱)アシスト磁気記録装置の場合には、書き込み用の磁気ヘッドの補助として、電子線または近接場光を照射する手段が用いられる。電子線または近接場光は、照射スポットを特に小さくできるため、高密度記録にとって特に有用である。
【0091】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0092】
[実施例1]
本実施例では、基板上に形成した溝領域においてブロックコポリマーを規則配列化させることにより記録トラック帯を形成した。図13(A)〜(D)を参照して本実施例に係る磁気ディスクの製造方法を説明する。
【0093】
図13(A)に示すように、以下のようにして基板上に溝構造を形成した。直径2.5インチのガラスディスク基板41上に、厚さ約30nmのPd下地層と厚さ約50nmの垂直磁気記録材料CoCrPtを製膜して磁性層42を形成し、さらに磁性層42上に厚さ約50nmのSiO2膜43を製膜した。SiO2膜43上にレジスト44をスピンコートした。ナノインプリンティングリソグラフィーによりレジスト44を加工し、幅40nmの凸部によって幅約400nmのスパイラル形状の溝45を規定するようにレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとして、RIEにより磁性層42に達するまでSiO2膜43をエッチングしてSiO2膜43に溝45を転写した。このようにして形成された溝領域が記録トラック帯となる。また、レジストパターン下部の磁性層が分離帯として用いられる。
【0094】
図13(B)に示すように、以下のようにして溝領域内にブロックコポリマーを埋め込んで微粒子の規則配列構造を形成した。磁性層42の表面をヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理した。その後、レジストパターンの残渣をアッシングした。ポリスチレン−ポリブタジエンのブロックコポリマー(PSの分子量Mw=4000、PBの分子量Mw=20000)をトルエンに1%w/wの濃度で溶解した溶液を調製した。試料上に溶液をスピンコートしてSiO2膜43に転写された溝領域内にブロックコポリマー46を埋め込んだ。試料を真空中において150℃で30時間アニールして、ブロックコポリマー46を規則配列化させた。この結果、島状のポリスチレン粒子47が海状のポリブタジエン部分48によって囲まれた構造が形成される。
【0095】
図13(C)に示すように、以下のようにして規則配列した微粒子をマスクとして記録セルを形成した。ブロックコポリマー46をオゾン処理してポリブタジエン部分48を除去した後、水洗した。残ったポリスチレン粒子47をマスクとしてArイオンミリングにより磁性層42をエッチングして記録セル49を形成した。
【0096】
図13(D)に示すように、以下のようにして記録セル間のマトリックスを形成し、表面を平坦化した。ポリスチレン粒子の残渣をアッシングした。全面に厚さ約50nmのSiO2膜を製膜して記録セル49間に埋め込んでマトリックス50を形成した。SiO2膜の表面をケミカルメカニカルポリッシング(CMP)により研磨して平坦化した。その後、全面にダイアモンドライクカーボンを製膜して保護膜51を形成した。
【0097】
図14に、本実施例の磁気ディスクを磁気力顕微鏡により観察した結果を模式的に示す。図14に示すように、幅約400nmの記録トラック帯61と幅約40nmの磁性層からなる分離帯62が交互に形成されている。1つの記録トラック帯61内で記録セル49はマトリックス50によって互いに分離され、六方細密充填構造をなして三角格子を形成している。記録セル49は20nm径でトラック方向に沿って30nmのピッチPをもって周期的に形成されてサブトラックを形成しており、記録トラック帯61内には19列のサブトラックが含まれている。上記のように記録セル49は三角格子を形成しているため、記録トラック帯61内で隣り合うサブトラック上に位置する最近接の2つの記録セル49はトラック方向に沿う中心間の間隔がサブトラック内のピッチPの1/2だけずれている。
【0098】
図15〜図17を参照して本実施例に係る磁気記録装置を説明する。
図15は本実施例の磁気ディスクおよびヘッドスライダを示す断面図である。磁気ディスクは、ガラス基板41上に記録セル49が規則配列した記録トラック帯61が形成された記録層および保護層51を有する。分離帯62を形成している磁性層には各記録トラック帯のアドレス番号およびセクター番号に相当する情報が予め書き込まれている。
【0099】
ヘッドスライダ70の先端には、読み出しヘッド71と書き込みヘッド72が搭載されている。記録部(RAM)、記憶部(ROM)、信号処理部および制御部は図3と同様に接続されている。ヘッドスライダ70は2段アクチュエータ(図示せず)によって位置決めされる。
【0100】
図16はヘッドスライダ70の平面構造を示す概略図である。GMR読み出しヘッド71の寸法は縦約30nm、幅約20nm、単磁極書き込みヘッド72の寸法は縦20nm、幅約20nmである。
【0101】
図17に記録トラック帯に対する読み出しヘッドおよび書き込みヘッドの配置を示す。読み出しヘッドと書き込みヘッドの距離は実際の距離を表しているものではない。図17のように、記録トラック帯内で所定のピッチで規則配列した19列のサブトラックのうち、2列のサブトラック上の直径20nmの記録セル49を1つの読み出しヘッド71で読み出す。1列のサブトラック上の記録セル49に対して書き込みヘッド82で書き込みを行う。
【0102】
本実施例に係る磁気記録装置におけるシーク方法、記録読み出し方法、記録トラッキング方法を説明する。本実施例では、ディスクの外周から所望の記録トラック帯に達するまでの間、横断する記録トラック帯の数をカウントしながら、アクチュエータの加速度および速度を制御する。所望の記録トラック帯に達すると、まず図18のように記録トラック帯の外周側のサブトラック1a上に読み出しヘッド71を設置し、ピッチPに基づく周波数信号のみが検出されるようにトラッキングを行う。得られた再生信号を微分し、記録位置と記録信号を求める。
【0103】
次に、読み出しヘッド71をサブトラック1aと1bの中央に位置するようにアクチュエータを作動する(図17参照)。得られた再生信号と、先に求めたサブトラック1aの信号から、サブトラック1bの信号を演算により求める。この場合、読み出しヘッド71のトラッキングがずれていてもサブトラック1aの信号が前もって分かっているため、サブトラック1bの信号を正確に求めることができる。
【0104】
図5および図6を参照して説明したように、信号処理部は、実際に測定されたサブトラック1aおよびサブトラック1bの信号強度の積分値の比率と、トラッキングが正確に行われている場合のサブトラック1aおよびサブトラック1bの信号強度の積分値の比率(この比率は記憶部に記憶されている)を比較することにより、トラッキング信号を生成する。トラッキング信号は10kHzの周波数でピエゾアクチュエータに送られる。
【0105】
本実施例の磁気記録装置では、書き込みヘッドの前方に読み出しヘッドが位置し、読み出しヘッドによる検出信号に応じて以下のように書き込みの制御が行われる。トラック方向に沿って規則配列した記録セル間の間隔とヘッドの走行スピードから、読み出しヘッドによる検出信号が現れると想定される標準的な時間間隔Tが決定される。標準的な時間間隔Tと、実際に読み出しヘッドにより出力される信号の時間間隔とが制御器により比較される。
【0106】
読み出しヘッドが規則配列領域上を走行している間は、記録セルから標準的な時間間隔Tに近いほぼ一定の時間間隔で規則的に信号が出力される。なお、実際に信号が出力される時間間隔が、標準的な時間間隔Tに対してしきい値(例えば±30%)以内であれば、記録セルが規則配列していると判定するようにしてもよい。この場合、読み出しヘッドによる信号の検出時を基準として、所定のタイミングで制御器から書き込みヘッドへ書き込み信号が送られ、書き込みヘッドにより規則配列領域への書き込みが行われる。
【0107】
しかし、読み出しヘッドが欠陥領域上を走行するようになると、記録セルから読み出される信号の時間間隔は、標準的な時間間隔Tと比較してしきい値(例えば±30%)を超えてずれるため、記録セルの配列が乱れていると判定される。この場合、制御器から書き込みヘッドへの書き込み信号が停止され、欠陥領域への書き込みは行われない。
【0108】
読み出しヘッドが次の規則配列領域を走行するようになると、記録セルが規則配列していると判定される。この場合、読み出しヘッドによる信号の検出時を基準として、所定のタイミングで制御器から書き込みヘッドへ書き込み信号が送られ、書き込みヘッドにより次の規則配列領域への書き込みが再開される。
【0109】
なお、記録セルの配列が乱れているか規則的であるかの判定基準は任意に設定できる。例えば、読み出しヘッドからの検出信号の時間間隔の乱れが3T時間以上連続して生じた場合に、記録セルが乱れていると判定するようにしてもよい。また、読み出しヘッドからの検出信号の時間間隔が3回連続でしきい値以内の時間間隔で規則正しい場合に、記録セルが規則配列していると判定するようにしてもよい。
【0110】
[実施例2]
本実施例では実施例1に記載したものと同様な磁気ディスク、読み出しヘッドを用いて実施例1とは異なる別のトラッキング方法を実施した。
【0111】
図19に本実施例の磁気ディスクのデータ領域における記録構造を示す。図19において白色、黒色の円はそれぞれビット信号“0”、“1”を記録した記録セル49を示す。記録セルは非磁性材料からなるマトリックスによって取り囲まれている。図19に示されるように、0または1を示す記録ビットが周期的な規則性なしに配列している。
【0112】
記録装置の記憶部にはあらかじめ4ビットごとの信号パターンが記憶されている。図20には、4つのビットで構成される基本的なビットパターン(6種類)を示す。図20に示されていないビットパターンは全てこの6つの基本パターンに対して正負が逆のパターンまたは時系列が逆のパターンによって表現される。例えば、“0001”のビットパターンは、基本的なビットパターンである“0111”から、ビット反転および時系列逆転により変換できる。これら6種類のビットパターンに対し、読み出しヘッドが好ましい位置にある場合に得られると期待される信号パターンと、ヘッド位置が好ましい位置より磁気ディスクの外周側および内周側にずれたときに得られると期待される信号パターンの合計3つの信号パターンが記録されている。すなわち1種類のビットパターンに対し3種類の信号パターンが記録され、全部で6種類のビットパターンがあるから、合計18個の信号パターンが記憶部に記憶されている。
【0113】
次に、図21を参照して本実施例におけるトラッキング方法を説明する。磁気ディスクは所定の回転数で回転しており、その表面で読み出しヘッドが磁気ディスクに書き込まれた信号を読み出す。まず、読み出しヘッドは実測信号Aを信号処理部に出力する。信号処理部では実測信号Aを4ビットごとの信号パターンBに分割する。信号処理部では、分割された信号パターンBが記憶部に記憶された信号パターン群Cと比較される。比較の結果、信号パターンBは最も類似性の高い信号パターンとして信号パターンDが決定される。記憶部には信号パターンDの属性としてビットパターン“1000”と外周側へずれているというトラックずれ情報が付随している。信号処理部は、これらの情報を抽出し、データとして“1000”を出力するとともに、制御部へトラックずれ情報を出力する。制御部はトラックずれ情報に基づいて読み出しヘッドを内周側の理想的な位置へ移動させるように制御する。
【0114】
[実施例3]
本実施例では実施例1に記載したものと同様な磁気ディスク、読み出しヘッドを用いて実施例1とは異なる別のトラッキング方法を実施した。
【0115】
本実施例の磁気ディスクのデータ領域における記録構造は図19と同様である。図22を参照して本実施例におけるトラッキング方法を説明する。読み出しヘッドによって磁気ディスクのデータ領域から実測信号D1が得られる(図22(A))。実測信号D1は記録部に記録される。信号処理部はPRML法を用いて信号D1からビットパターンD3を決定する(図22(B))。ビットパターンD3は信号処理部からビット信号として出力される。また信号処理部はビットパターンD3から理想信号パターンD4を作成する(図22(C))。この理想信号パターンD4は読み出しヘッドが磁気ディスク上の好ましいトラック位置にあるときに得られると予想される信号パターンであり、各ビットからの信号を重ね合わせることによって作成される。さらに信号処理部は記録部に記録された実測信号D1と理想信号パターンD4を比較することにより、トラックずれ情報を得る(図22(D))。トラックずれ情報は制御部へ出力される。制御部はトラックずれ情報に基づいて読み出しヘッドを理想的な位置へ移動させるように制御する。
【0116】
[実施例4]
本実施例では、基板上に形成した溝領域においてブロックコポリマーを規則配列化させて孔を有するマトリックスを形成し、孔に磁気記録材料を埋め込むことにより記録トラック帯を形成した。図23(A)〜(D)を参照して本実施例に係る磁気ディスクの製造方法を説明する。
【0117】
図23(A)に示すように、以下のようにして基板上に溝構造を形成した。直径2.5インチのガラスディスク基板上81に、厚さ約30nmのPd下地層、マトリックスおよび分離帯となる厚さ約50nmのAl23膜82、および厚さ約50nmのSiO2膜83を製膜した。SiO2膜83上にレジストをスピンコートした後、ナノインプリンティングリソグラフィーによりレジストを加工し、幅約40nmの凸部によって幅約400nmのスパイラル形状の溝を規定するようにレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとしてSiO2膜113をエッチングし、溝84を転写した。
【0118】
図23(B)に示すように、以下のようにして溝領域内にブロックコポリマーを埋め込んで微粒子の規則配列構造を形成した。ポリスチレン−ポリメチルメタクリレートのブロックコポリマー(PSの分子量Mw=30000、PMMAの分子量Mw=8000)をトルエンに1%w/wの濃度で溶解した溶液を調製した。試料上に溶液をスピンコートしてSiO2膜83に転写された溝領域内にブロックコポリマー85を埋め込んだ。試料を真空中において150℃で30時間アニールして、ブロックコポリマー85を規則配列化させた。この結果、島状のポリメチルメタクリレート粒子86が海状のポリスチレン部分87によって囲まれた構造が形成される。
【0119】
図23(C)に示すように、以下のようにして記録セルのための孔構造を形成した。ブロックコポリマー85を紫外線で処理してポリメチルメタクリレート鎖を分解した後、水洗してPMMA部86を除去して、孔部を作製した。次に、斜め蒸着により穴を埋めないようCr層88を形成した。Cr層88をマスクにしてRIEによりAl23膜82に達する孔を形成し、さらにArイオンミリングによりAl23膜82に孔89を転写し、Al23膜82からなるマトリックスを形成した。
【0120】
図23(D)に示すように、以下のようにして記録セルを形成し、表面を平坦化した。厚さ約50nmの垂直磁気記録材料CoCrをめっきで製膜して孔89に埋め込み、記録セル90を形成した。表面をCMPにより研磨して平坦化した。その後、全面にダイアモンドライクカーボンを製膜して保護膜91を形成した。
【0121】
製造した磁気ディスクを磁気力顕微鏡により観察したところ、幅400nmの記録トラック帯と幅約40nmのAl23膜からなる分離帯とが交互に形成されていた。1つの記録トラック帯内で記録セル90は六方細密充填構造をなして三角格子を形成している。記録セル90は20nm径でトラック方向に沿って30nmのピッチPをもって周期的に形成されてサブトラックを形成しており、記録トラック帯内には19列のサブトラックが含まれている。記録トラック帯内で隣り合うサブトラック上に位置する最近接の2つの記録セル90はトラック方向に沿う中心間の間隔がサブトラック内のピッチPの1/2だけずれている。
【0122】
上記磁気ディスクを用いて、実施例1と同様にして磁気記録再生装置を作製した。実施例1との違いはトラック帯間の分離帯が非磁性層で作製されていることである。この記録装置の場合も、実施例1と同様にしてシーク、記録の読み出し、トラッキング、および信号の書き込みを行うことができる。
【0123】
[実施例5]
図24(A)〜(D)を参照して本実施例に係る相変化光記録媒体の製造方法を説明する。
【0124】
図24(A)に示すように、以下のようにして基板上に溝構造を形成した。2.5インチのガラスディスク基板111上に、厚さ約30nmのPt反射膜112、マトリックスとなる厚さ約50nmのAl23膜113、および厚さ約50nmのSiO2膜114を製膜した。SiO2膜114上にレジストをスピンコートした後、ナノインプリンティングリソグラフィーによりレジストを加工し、幅40nmの凸部によって幅400nmのスパイラル形状の溝を規定するようにレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとしてSiO2膜114をエッチングし、溝115を転写した。
【0125】
図24(B)に示すように、以下のようにして溝領域内にブロックコポリマーを埋め込んで微粒子の規則配列構造を形成した。ポリスチレン−ポリメチルメタクリレートのブロックコポリマー(PSの分子量Mw=30000、PMMAの分子量Mw=8000)をトルエンに1%w/wの濃度で溶解した溶液を調製した。試料上に溶液をスピンコートしてSiO2膜114に転写された溝領域内にブロックコポリマー116を埋め込んだ。試料を真空中において150℃で30時間アニールして、ブロックコポリマー116を規則配列化させた。この結果、島状のポリメタクリレート粒子117が海状のポリスチレン部分118によって囲まれた構造が形成される。
【0126】
図24(C)に示すように、以下のようにして記録セルのための孔構造を形成した。ブロックコポリマー116を紫外線で処理した後、水洗してPMMA部117を除去して、孔部を作製した。次に、斜め蒸着により孔を埋めないようにCr層119を形成した。RIEによりAl23膜113に達する孔を形成し、さらにArイオンミリングによりAl23膜113に孔120を転写し、Al23膜113からなるマトリックスを形成した。
【0127】
図24(D)に示すように、以下のようにして記録セルを形成し、表面を平坦化した。厚さ約30nmの相変化材料In−Sb−Teを製膜して孔120に埋め込み、記録セル121を形成した。表面をCMPにより研磨して平坦化した。その後、全面にSiO2を製膜して保護膜122を形成した。
【0128】
図25に、製造した相変化光記録媒体を近接場光顕微鏡により観察した結果を模式的に示す。図25に示すように、幅400nmの記録トラック帯131と幅約40nmのAl23膜113からなる分離帯132とが交互に形成されている。1つの記録トラック帯131内で記録セル121は六方細密充填構造をなして三角格子を形成している。記録セル121はトラック方向に沿ってピッチPをもって周期的に形成されており、記録トラック帯131内には19列のサブトラックが含まれている。記録トラック帯131内で隣り合うサブトラック上に位置する最近接の2つの記録セル12Aはトラック方向に沿って中心間の間隔がサブトラック内のピッチPの1/2だけずれている。
【0129】
図26および図27を参照して本実施例に係る相変化光記録装置を説明する。
図26は相変化光ディスクおよびヘッドスライダを示す断面図である。上記方法で作製した光ディスク141は、ガラス基板111上に記録セル121が規則配列した記録トラック帯を有する記録層および保護層122が形成されている。光ディスク141はスピンドルモーター142に装着され、図示しない制御部からの制御信号により回転する。ヘッドスライダ143の先端には、レーザー共振型の光検出読み出しヘッド144、面発振型レーザー書き込みヘッド145が搭載されている。ヘッドスライダ143は2段アクチュエータ(図示せず)によって位置決めされる。
【0130】
図27はヘッドスライダに設けられた微小開口の平面構造を示す概略図である。読み出しヘッド144の微小開口の寸法は縦35nm、幅20nm、書き込みヘッド145の微小開口の寸法は縦20nm、幅20nmである。
【0131】
本実施例でも実施例1と同様な方法で、シーク動作、記録読み出し、読み出しヘッドのトラッキング、および欠陥領域への書き込みの回避動作を行うことができる。
【0132】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、記録セルのパターンが高度に配列化した記録媒体に対して、トラッキング、シークが簡単で、高速で読み出しが可能な、記録読み出し装置および記録読み出し方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録媒体の平面図。
【図2】図2は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の概略構成図。
【図4】本発明の一実施形態に係る記録セルの信号を示す図。
【図5】本発明の一実施形態に係るトラッキング方法を示す図。
【図6】本発明の一実施形態に係るトラッキング方法を示す図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る記録媒体のデータ構造を示す平面図。
【図8】本発明の他の実施形態においてトラックずれが生じたときの信号レベルを示す図。
【図9】本発明において用いられる記録媒体のビットパターンを示す図。
【図10】図9のビットパターンに対応する信号パターンを示す図。
【図11】本発明の他の実施形態に係るトラッキング方法を示す図。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係るトラッキング方法を示す図。
【図13】実施例1における磁気ディスクの製造方法を示す断面図。
【図14】実施例1における磁気ディスクの平面図。
【図15】実施例1における磁気ディスクおよびヘッドスライダを示す断面図。
【図16】実施例1におけるヘッドスライダの平面構造を示す概略図。
【図17】実施例1における記録トラック帯に対する読み出しヘッドおよび書き込みヘッドの配置を示す概略図。
【図18】実施例1における記録トラック帯端の1列目(外周側)のサブトラックの読み出し方法を示す概略図。
【図19】実施例2における記録媒体のデータ構造を示す図。
【図20】実施例2における記録媒体のビットパターンとそれに対応する信号パターンを示す図。
【図21】実施例2におけるトラッキング方法を示す図。
【図22】実施例3におけるトラッキング方法を示す図。
【図23】実施例4における磁気ディスクの製造方法を示す断面図。
【図24】実施例5における相変化光記録媒体の製造方法を示す断面図。
【図25】実施例5における相変化光記録媒体の平面図。
【図26】実施例5における相変化光記録媒体およびヘッドスライダを示す断面図。
【図27】実施例5におけるヘッドスライダに設けられた微小開口を示す概略図。
【符号の説明】
1…記録トラック帯
2…分離帯
11…記録セル
12…マトリックス
21…磁気ディスク
22…スピンドルモーター
23…軸
24…アクチュエータアーム
25…サスペンション
26…ヘッドスライダ
27…ボイスコイルモーター
21…記録セル
31…読み出しヘッド
32…書き込みヘッド
33…記録部
34…記憶部
35…信号処理部
36…制御部
41…ガラスディスク基板
42…磁性層
43…SiO2
44…レジスト
45…溝
46…ブロックコポリマー
47…ポリスチレン粒子
48…ポリブタジエン部分
49…記録セル
50…マトリックス
51…保護膜
61…記録トラック帯
62…分離帯
70…ヘッドスライダ
71…読み出しヘッド
72…書き込みヘッド
81…ガラスディスク装置
82…Al23
83…SiO2
84…溝
85…ブロックコポリマー
86…ポリメチルメタクリレート粒子
87…ポリスチレン部分
88…Cr層
89…孔
90…記録セル
91…保護膜
111…ガラスディスク基板
112…Pt反射膜
113…Al23
114…SiO2
115…溝
116…ブロックコポリマー
117…ポリメチルメタクリレート粒子
118…ポリスチレン部分
119…Cr層
120…孔
121…記録セル
122…保護膜
131…記録トラック帯
132…分離帯
141…光ディスク
142…スピンドルモーター
143…ヘッドスライダ
144…光検出読み出しヘッド
145…面発振型レーザー書き込みヘッド

Claims (8)

  1. 互いに分離して形成された複数の記録セルをトラック方向に沿ってピッチPで周期的に配列した複数列のサブトラックを有し、隣り合う前記サブトラックが前記トラック方向に沿って前記ピッチPの1/2ずれている記録媒体からの記録読み出し装置であって、
    前記記録媒体の隣り合う2つのサブトラック上に配置され、これらのサブトラック中の記録セルに記録されたデータを読み出す読み出しヘッドと、
    前記読み出しヘッドにより読み出された実測信号を記録する記録部と、
    前記隣り合う2つのサブトラックに含まれる複数の記録セルに記録されるビット情報の組み合わせを表すビットパターンのそれぞれに対応する複数の信号パターンが記憶された記憶部と、
    前記記録部に記録された前記実測信号と前記記憶部に記憶された前記複数の信号パターンとを比較して、前記実測信号のビットパターン情報およびトラックずれ情報を取得する信号処理部と、
    前記トラックずれ情報に基づいて前記記録媒体に対する読み出しヘッドの位置を制御する制御部と
    を有することを特徴とする記録読み出し装置。
  2. 前記信号処理部は、前記読み出しヘッドにより前記ピッチPの1/2の距離を通過する時間tごとに読み出された信号強度をtの奇数倍のタイミングとtの偶数倍のタイミングで分離し、それぞれのタイミングで出力された信号強度の絶対値を積分して2つの積分値の比率を求め、前記読み出しヘッドが正確に位置制御されているときに得られるビットパターンに対応する積分値の比率と比較することにより前記実測信号のトラックずれ情報を取得することを特徴とする請求項1記載の記録読み出し装置。
  3. 前記記憶部は、隣り合う2つのサブトラックに含まれる複数の記録セルへの記録状態に応じたビットパターン情報とトラックずれ情報とを含む複数の信号パターンの集合である信号パターン群を記憶し、
    前記信号処理部は、前記記憶部に記憶された信号パターン群から、前記読み出しヘッドによって読み出された実測信号に近い信号パターンを選択し、選択された信号パターンに対応するビットパターン情報およびトラックずれ情報を前記実測信号のビットパターン情報およびトラックずれ情報として取得することを特徴とする請求項1記載の記録読み出し装置。
  4. 前記記憶部は、隣り合う2つのサブトラックに含まれる複数の記録セルへの記録状態に応じて読み出しヘッドが正確に位置制御されている場合に得られるビットパターン情報を含む複数の信号パターンの集合である第1の信号パターン群と、個々のビットパターンに対応するトラックずれ情報を含む複数の信号パターンの集合である第2の信号パターン群とを記憶しており、
    前記信号処理部は、記憶部に記憶された第1の信号パターン群から、前記読み出しヘッドによって読み出された実測信号に近い信号パターンを選択し、選択された信号パターンに対応するビットパターン情報を取得し、さらに記憶部に記憶された第2の信号パターン群から、前記読み出しヘッドによって読み出された実測信号に近い信号パターンを選択し、選択された信号パターンに対応するトラックずれ情報を前記実測信号のトラックずれ情報として取得することを特徴とする請求項1記載の記録読み出し装置。
  5. 前記信号処理部は、前記読み出しヘッドによって読み出された実測信号から、両端の一定区間の信号を除いた信号と、記憶部に記憶された信号パターン群とを比較することを特徴とする請求項3または4記載の記録読み出し装置。
  6. 前記信号処理部は、読み出しヘッドにより読み出された実測信号からビットパターンを決定し、決定されたビットパターンから理想信号を作成し、前記実測信号と前記理想信号とを比較することにより前記実測信号のトラックずれ情報を取得することを特徴とする請求項1記載の記録読み出し装置。
  7. 前記複数列のサブトラックを有する複数の記録トラック帯と、隣り合う前記記録トラック帯の間を分離する分離帯を有し、
    前記読み出しヘッドが前記記録トラック帯を通過するたびに通過した数をカウントし、前記読み出しヘッドが所望の記録トラック帯に到達するまでのシーク動作を制御することを特徴とする請求項1記載の記録読み出し装置。
  8. 前記読み出しヘッドが記録トラック帯においてサブトラックを通過するたびにその数をカウントし、前記読み出しヘッドが所望のサブトラックに到達するまでのシーク動作を制御することを特徴とする請求項7記載の記録読み出し装置。
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