JP2003155249A - IgA産生促進剤 - Google Patents
IgA産生促進剤Info
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Abstract
病原性微生物に対する感染防御機能を補強し、アレルギ
ー反応を阻害するIgA産生促進剤を提供する。 【解決手段】 本発明は、シイタケ菌糸体抽出物を含
む、IgA産生促進剤に関する。本発明のIgA産生促
進剤は、医薬組成物の形態、食品の形態、あるいは飲料
の形態であって良く、副作用の発生頻度がより少ない安
全なものである。
Description
化管粘膜への結合の阻害により感染を予防し、また、ア
レルゲン物質などの消化管壁の通過阻止によるアレルギ
ー反応を予防する作用を持つIgA産生促進剤に関す
る。さらに詳しくは、本発明はシイタケ菌糸体抽出物を
含む、感染症の防御やアレルギー発症の予防に有効であ
り、かつ副作用のないIgA産生促進剤に関する。
や気管、泌尿生殖器、涙腺、唾液腺、乳腺などの粘膜関
連リンパ組織が免疫機能を保つ上で極めて重要な役割を
果たしていることが明らかになってきた。特に消化管粘
膜は、消化管リンパ装置(GALT)とも呼ばれてい
る。
無数の小さいリンパ装置が粘膜表面直下に延々と並んで
おり、特に小腸末端の回腸にあるリンパ装置は大きく広
がり、その機能も活発で、パイエル板という名称が与え
られている。そして、腸粘膜の表面はリンパ装置の細胞
から分泌された免疫抗体IgAで覆われている。
Aと、外分泌液(唾液、乳汁、涙、鼻汁、気管支分泌
液、腸分泌液、胆汁など)中に分泌される分泌型IgA
の二つのタイプのIgAが存在する。
係数11Sであり、これはJ鎖で結合された二量体のI
gAに分泌成分1分子が結合したものである。腸管粘膜
固有層に分布する形質細胞で産生された二量体IgAの
大部分は粘膜固有層に入り、粘膜上皮細胞膜上で分泌成
分と結合し分泌型IgAとなり、細胞内を輸送され、粘
膜面に分泌される。一部の二量体IgAは血中に入る。
この分泌型IgAは、各種病原ウイルス、細菌に対する
抗体活性を示すばかりでなく、食餌性蛋白質、血液型物
質、常在菌などに対する自然抗体としての作用もある。
分泌型IgAは、酵素による分解に抵抗性が強く、腸管
内でも分解されず、糞便中にも検出されるので、糞便抗
体と呼ばれたこともあった。また、これは重合体である
ため、IgMと同様に抗原凝集能が高く、抗原の粘膜内
への侵入を防ぐ。
数はH鎖、L鎖各2本よりなる4鎖構造の単量体が7
S、その二〜四量体IgAがそれぞれ9S、11S、1
3Sで、血清中のIgAの約15%を占め、抗原への結
合性は単量体のものより高い。
ルゲン物質の小腸、鼻、気管支粘膜などからの侵入を防
ぎ、生体の恒常性維持に有用なものである。特に、腸管
に存在するIgAは感染防御または異種蛋白質によるア
レルギ−発症の予防等に寄与することが知られている。
また、分泌型IgAを含まない育児用粉乳で育てられた
人工栄養児やIgA欠損症の患者では、食餌性抗原に対
するIgGが高頻度に出現し、アレルギー性の疾患や自
己免疫疾患の発現進度が高いことが知られている。従っ
て、IgA産生の増大は、感染防御またはアレルギ−発
症の予防等に寄与する。
の全粘膜への特異的分泌型IgAの分泌を促すととも
に、血清中には特異的IgG、IgMとともに特異的血
清型IgAも生ずることが報告されている(別冊医学の
あゆみ 食物アレルギーの最前線、医歯薬出版株式会
社、P59〜62)。
以下の報告等がされている。ラクトフェリン類を加水分
解したペプチド混合物、このペプチド混合物から単離し
たペプチド、化学的に合成したペプチド、これらの薬理
学的に許容される塩類、またはこれらの混合物からなる
群より選択されたペプチド類からなるIgA産生促進剤
が報告されている(特開平6−32743)。
が、抗体誘導能を有することが報告されている(特開平
1−242532、特開平2−280059)。さら
に、このようなビフィドバクテリウム属菌のプロトプラ
ストまたは細胞質膜画分がより強いIgA誘導能を示す
ことが報告されている(特開平4−342533)。ま
た、ビフィドバクテリウム属菌の生菌体懸濁液をpH6
〜12、40〜55℃で1時間以上保温することによっ
て得られる菌体自己溶解物は、由来の菌体そのものより
強いIgA誘導能を示し、有用なIgA産生促進剤とな
ることが報告されている(特開平6−234647)。
体、死菌体もしくは化学・酵素処理または物理的処理に
よる溶菌物または破砕物を有効成分とするIgA産生促
進剤が報告されている(特開平11−92389)。
や症状に効果があると言われてきた。シイタケ(Lentin
us edodes)は日本、中国の代表的な食用キノコであ
り、日本では約300年前から人工栽培が行われてき
た。日常食用にしているキノコは子実体と呼ばれ、菌類
が子孫を残すために胞子を生じる生殖体であり、栄養体
である菌糸細胞は地中や原木中で長い時間をかけて菌糸
体を形成する。
比較的最近である。シイタケ菌糸体抽出物については、
ラット、マウスでの発癌実験において、動物の大腸、肝
臓などの腫瘍形成及び移植腫瘍細胞の増殖を抑制し、動
物の生存率を上昇させた(N.Sugano et al., Cancer Le
tter,17:109, 1982;鈴木康将ら、日本大腸肛門病会
誌、43:178, 1990など)、マイトジェン活性を示した
(T. Tabata et al., Immunopharmacology, 24:57, 199
2; Y. Hibino et al., Immunopharmacology, 28:77, 19
94など)、抗体産生を増強し、抗体を介するADCC
(antibody-dependentcell-mediated cytotoxicity)に
よる免疫学的肝細胞障害に抑制効果を示した(溝口靖紘
ら、肝胆膵、15:127, 1987)などの種々な報告がなされ
ている。この他にもシイタケ菌糸体抽出物には発根促
進、農作物の成長促進などの植物ホルモン作用(M.Mits
uhashi-Kato et al., Plant Cell Physiol. 26:221, 19
85)や抗植物ウイルス作用(小室康雄:農林水産省植物
ウイルス研報告, 1977)があることが報告されている。
また、シイタケ菌糸体抽出物には薬物による肝障害の防
御効果があることが見出されており、本出願人によって
既に特許出願されている(特願平10−338085
号:公開2000−159683号)。さらに、シイタ
ケ菌糸体抽出物にはC型肝炎を含むウイルス性肝炎の防
御効果があることも見出されており、本出願人によって
既に特許出願されている(特願平11−344719
号)。しかしながら、シイタケ菌糸体抽出物のIgA産
生促進効果は報告されていない。
病院等での日和見感染等の病原性微生物による感染やO
−157による感染は、老人や子供など、免疫力が低下
しているあるいは低いものが感染しやすい傾向があり、
そういった人の特に各種粘膜における免疫力を賦活する
薬剤または食品の開発が望まれている。
膜への結合の阻害による感染を予防し、また、アレルゲ
ン物質などの消化管壁の通過阻止によるアレルギー反応
を予防する作用を持つIgA産生促進剤を提供すること
である。
解決するため、鋭意研究した結果、シイタケ菌糸体抽出
物(L.E.M.)を経口投与したラットでは、顕著な
IgA産生促進効果を示すことを発見して本発明を完成
した。
物を含むIgA産生促進剤を提供する。シイタケ菌糸体
は、比較的安価で経済性に優れ、かつ永年食品として摂
取され続けてきたものである。従って、本発明のIgA
産生促進剤はヒトに投与した場合の安全性に優れてお
り、特に長期間経口的に投与した場合の安全性に優れて
いると考えられる。
は、投与または摂取されたシイタケ菌糸体抽出物を含む
IgA産生促進剤の作用により、パイエル板によるIg
A産生が促進されること、および血清中のIgAの産生
が促進されることをいう。
入った有害物質(病原微生物や食物抗原等)の侵入を阻
止する、消化粘膜特異的なバリア機構という。また、腸
管免疫系は、(1)小腸上皮細胞内のTリンパ球、(2)パイ
エル板、(3)粘膜固有層から構成されており、腸管に細
菌やウイルスなどの微生物が侵入すると、パイエル板は
IgAを産生し、これらを排除する役割を果たしてい
る。
は、IgAがアレルゲンとして作用する食餌性の抗原と
結合し、消化管壁を通過することを防止すること等によ
って、アレルギー反応を抑制することをいう。
糸体抽出物及び任意成分として薬剤的に許容できる担体
を含む医薬組成物の形態であってよい。また、本発明の
IgA産生促進剤は、食品の形態であってよく、飲料の
形態であって良い。さらに、これらの形態に何ら限定さ
れるものではない。
出物とは、シイタケ菌を固体培地で培養して得られる菌
糸体、好ましくは菌糸体を含む固体培地を水及び酵素の
存在下に粉砕、分解して得られる抽出物をいう。
方法により得られたものを使用するが、これに限定され
ない。すなわち、バガス(サトウキビのしぼりかす)と
脱脂米糠を基材とする固体培地上にシイタケ菌を接種
し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体
培地を12メッシュ通過分が30重量%以下となるよう
解束し、この解束された固体培地に水およびセルラー
ゼ、プロテアーゼまたはグルコシダーゼから選ばれる酵
素の1種またはそれ以上を、前記固体培地を30〜55
℃の温度に保ちながら添加するとともに、前記固体培地
を前記酵素の存在下に粉砕、すりつぶしてバガス繊維の
少なくとも70重量%以上が12メッシュ通過分である
ようにし、次いで90℃までの温度に加熱することによ
り酵素を失活させるとともに滅菌し、得られた懸濁状液
をろ過することによってシイタケ菌糸体抽出物を得る。
シイタケ菌糸体抽出物はそのまま本発明の防御剤に用い
てもよいが、これを濃縮、凍結乾燥して粉末として保存
し、使用時に種々の形態で使用するのが便宜的である。
凍結乾燥して得られる粉末は褐色粉末で、吸湿性があ
り、特異な味と臭いをもつ。
出物はフェノール−硫酸法による糖質分析により糖質を
15〜50%、好ましくは20〜40%(w/w)、Lo
wry法によるタンパク質分析によりタンパク質を10〜
40%、好ましくは13〜30%(w/w)、没食子酸
を標準とするFolin-Denis法によりポリフェノールを1
〜5%、好ましくは2.5〜3.5%(w/w)含む。
シイタケ菌糸体抽出物にはそのほかに脂質約0.1%、
繊維約0.4%、灰分約20%を含むが、これに限定さ
れない。
(%)の一例は以下の通りであったが、この組成は培養
条件などによって変動しうる:キシロース:15.2;
アラビノース:8.2;マンノース:8.4;グルコー
ス:39.4;ガラクトース:5.4;アミノ糖:1
2.0;ウロン酸:11.3。
及び/又は保健用剤である。
安全かつ効果的に投与することができれば、特に限定さ
れるものではない。このような条件が満たされる限り、
皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、局所投与、直腸内
投与等の非経口投与であってもよく、経口投与であって
もよい。簡便であり、自己投与が容易であるという観点
からは、経口投与が好ましい。
することができる。例えば、経口投与のためには、錠
剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸
濁剤、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキ
シル剤とすることができるが、これらに限定されない。
また、製剤には薬剤的に許容できる種々の担体を加える
ことができる。例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、溶解補助剤、懸
濁化剤、乳化剤、コーティング剤を含むことができる
が、これらに限定されない。本発明のIgA産生促進剤
を持続性、徐放性のものとしてもよい。
タケ菌糸体は、食品として長く食べ続けられてきたもの
であるから、本発明のIgA産生促進剤を経口的に摂取
した場合の安全性はかなり確保されている。この点か
ら、本発明のIgA産生促進剤の投与量は厳しく制限さ
れるものではないと考えられるが、概ね、下限は、予防
又は治療という投与目的に応じた効果を発揮しうる量
が、上限は、服用のしやすさ、経済性等の観点から実際
的な量が選択される。一般的には、シイタケ菌糸体抽出
物粉末に換算して成人1日あたり約50mg〜約50000mg、
好ましくは約500mg〜約5000mgである。もちろん個別的
に、投与される者の年齢、体重、症状、投与経路、投与
期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1
日あたりの量を数回に分けて投与することもできる。ま
た、他のIgA産生促進剤と組み合わせて投与すること
もできる。
料の形態とすることもできる。例えば、粉末状のシイタ
ケ菌糸体抽出物を原材料に配合することにより、麺類、
パン、キャンディー、ゼリー、クッキー、スープ、健康
飲料の形態とすることができる。このような食品、飲料
にはシイタケ菌糸体抽出物の他に、鉄、カルシウム等の
無機成分、種々のビタミン類、オリゴ糖、キトサン等の
食物繊維、大豆抽出物等のタンパク質、レシチンなどの
脂質、ショ糖、乳糖等の糖類を加えることができる。
腸、直腸および糞タンパク質中、血清中等のIgA量を
測定することにより明らかにすることができる。IgA
量は、例えばELISA法により測定することができ
る。
小腸パイエル板の肥大化および糞タンパク中分泌型Ig
A産生促進作用を示すこと、つまり腸管免疫作用を有す
ることが確認された。従って、シイタケ菌糸体抽出物
は、IgA産生促進により、病原性微生物の消化管粘膜
への結合の阻害による感染を予防し、また、アレルゲン
物質などの消化管壁の通過阻止によるアレルギー反応を
予防する作用を持つことが明らかになった。
腸パイエル板を刺激し、小腸内での分泌型IgAの分泌
を増加させるだけでなく、血清中のIgA、IgGおよ
びIgMを増加させることが確認されたことから、気
管、泌尿生殖器、涙腺、唾液腺、乳腺などの全身の全粘
膜系への分泌型IgAの分泌を促していると考えられ、
種々の粘膜関連リンパ組織においても、免疫活性を高め
ることが期待できる。
説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。本発
明を種々変更、修飾して使用することが当業者には可能
であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
純水を適度に含ませた後に、シイタケ種菌を接種し、温
度および湿度を調節した培養室内に放置し、菌糸体を増
殖させた。菌糸体が固体培地に蔓延した後、バガス基材
の繊維素を解束し、12メッシュ通過分が24重量%以
下となるようにした。この解束された培地1.0kgに、純
水3.5Lを加え、40℃に保ちながら精製セルラーゼ2.0
gを加え培地含有混合物とした。次いで培地含有混合物
を変速付ギヤーポンプにより循環させながら、固体培地
にギヤー部分において粉砕およびすりつぶし作用を20
0分間程度加えバカス繊維の約80重量%が12メッシ
ュ通過分となるようにした。培地含有混合物の粉砕およ
びすりつぶしは、該混合物の温度を徐々に上昇させなが
ら行った。その後培地含有混合物をさらに加熱して、9
0℃として30分間放置した。90℃への加熱により、
酵素を失活せしめ、かつ殺菌を施した。得られた培地含
有混合物を一次60メッシュ及び二次120メッシュの
ろ布を用いてろ過してシイタケ菌糸体抽出物とし、濃縮
した後、凍結乾燥粉末を得た。実施例2 この試験はシイタケ菌糸体抽出物のIgA産生に及ぼす
影響を調べるために実施した。Wistar系雄性ラッ
ト(老齢ラット)20匹をコントロール群とシイタケ菌
糸体抽出物投与群の2群(各10匹)に分けた。シイタ
ケ菌糸体抽出物投与群は、60mg/mlのシイタケ菌
糸抽出物水溶液を毎日10ml/kg、14日間経口投
与した。コントロール群には、同量の毎日10ml/k
gの水を14日間経口投与した。エーテル麻酔下にて採
血後、小腸を摘出した。小腸のパイエル板を肉眼で観察
し、数を測定した。直腸の内容物を回収し、10mlの
冷PBSを加え、遠心分離して上澄を得、IgAをEL
ISA法により測定した。ELISA法は、Rat I
gA ELISA Quantitation Kit
(カタログNo.E110-102、BETHYL社)を使用して
測定した。
ISA法により測定した。IgG測定にはRat Ig
G ELISA Quantitation Kit
(カタログNo.E110-128、BETHYL社)を使用し
た。IgM測定にはRat IgM ELISA Qu
antitation Kit(カタログNo.E110-10
0、BETHYL社)を使用した。IgE測定にはモリ
ナガラットIgE測定キット(株式会社森永生科学研究
所製)を使用した。
数の増加を図2に、パイエル板の観察結果を図3および
図4に、糞タンパク中の分泌型IgA量を図5、および
血清中のIgA等の量を図6および図7に示す。
タケ菌糸体抽出物投与群で、肉眼的に観察できるパイエ
ル板の数が有意に増加し、かつ、パイエル板が肥大する
傾向が見られた。つまり、シイタケ菌糸体抽出物投与に
より、パイエル板が活性化されていた。
出物投与群で、糞タンパク中および血清中のIgA量、
血清中のIgMおよびIgGが有意に増加ししていた。
この結果から、シイタケ菌糸体抽出物投与により小腸パ
イエル板が刺激され、小腸内での分泌型IgAの分泌を
増加させるとともに、血清中のIgA、IgG、および
IgMを増加させることが確認された。
ー症状を惹起させる物質はアレルゲンと呼ばれ、このア
レルゲンに反応するIgEが体内で過剰に生産されるこ
とによりアレルギーが発症するのがI型アレルギーであ
る。即ち、アレルギーを発症していない状態では血中の
IgE濃度はせいぜい数ng/ml程度と極めて微量に
保たれているが、いったんアレルギーを発症すると血中
IgE濃度は正常時の数十倍から数千倍に増加、大量に
産生されたIgEは肥満細胞上のIgEリセプターに結
合する。この肥満細胞上のIgEに対応するアレルゲン
が反応すると、肥満細胞が活性化され、ヒスタミン・ロ
イコトリエン等の炎症性化学伝達物質が血中に放出さ
れ、アレルギー症状を呈する。これがI型アレルギーの
メカニズムと考えられており、実際的にはこのI型アレ
ルギーがアレルギー疾患の大半を占めている。従って、
シイタケ菌糸体抽出物投与によりIgEが減少している
ことからもアレルギー予防効果があるものと考えられ
る。
消化管内のパイエル板が活性化し、パイエル板および血
清中でのIgAの産生能力が高められことにより、種々
の病原性微生物に対する感染防御機能を補強し、アレル
ギー反応を阻害する、IgA産生促進剤を提供すること
ができる。
た結果を示す。
示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 シイタケ菌糸体抽出物を含む、IgA産
生促進剤。 - 【請求項2】 IgAが分泌型IgAである、請求項1
記載のIgA産生促進剤。 - 【請求項3】 シイタケ菌糸体抽出物及び任意成分とし
て薬剤的に許容できる担体を含む、請求項1又は2記載
のIgA産生促進剤。 - 【請求項4】 経口で投与する請求項1乃至3記載のI
gA産生促進剤。 - 【請求項5】 食品である請求項1又は2記載のIgA
産生促進剤。 - 【請求項6】 飲料である請求項1又は2記載のIgA
産生促進剤。
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JP2001352360A JP2003155249A (ja) | 2001-11-16 | 2001-11-16 | IgA産生促進剤 |
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2001
- 2001-11-16 JP JP2001352360A patent/JP2003155249A/ja active Pending
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