JP2003146554A - 多段油圧緩衝装置 - Google Patents

多段油圧緩衝装置

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JP2003146554A JP2001339438A JP2001339438A JP2003146554A JP 2003146554 A JP2003146554 A JP 2003146554A JP 2001339438 A JP2001339438 A JP 2001339438A JP 2001339438 A JP2001339438 A JP 2001339438A JP 2003146554 A JP2003146554 A JP 2003146554A
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    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/28Buffer-stops for cars, cages, or skips
    • B66B5/282Structure thereof

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  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各段のプランジャ構成部材毎のオリフィスを
制御し易く、緩衝効率に優れ、設計し易い、小型の多段
油圧緩衝装置の提供。 【解決手段】 作動油が充填されたベースシリンダと、
当該ベースシリンダに進入する順次小径に形成されて軸
方向に摺動可能に嵌合された複数の筒状プランジャ構成
部材からなるプランジャとを備えた多段油圧緩衝装置に
おいて、前記各筒状プランジャ構成部材は、先ずベース
シリンダに最大径の筒状プランジャ構成部材が進入し、
以下、先に進入した筒状プランジャ構成部材に次の筒状
プランジャ構成部材が順に進入し、各筒状プランジャ構
成部材が進入する度に作動油の油圧抵抗を受けるよう
に、隣合う筒状プランジャ構成部材を互いに摺動不能に
仮に固定すると共に、仮固定された一方の筒状プランジ
ャ構成部材が進入すると仮固定が解除される一体化手段
を備えた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動油が充填され
たベースシリンダと、当該ベースシリンダに対して順次
小径に形成された複数の筒状プランジャ構成部材が軸方
向に同軸にて摺動可能に嵌合されたプランジャとを備え
た多段油圧緩衝装置、例えば、エレベータの昇降路床部
(ピット)に立設されるエレベータ用の多段油圧緩衝装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、エレベータ用の多段油圧緩衝装
置は、エレベータかごが昇降路床部に衝突するような不
測の事態が発生した場合、エレベータかご内の乗客を安
全に保護すべく、衝撃を小さくして停止させる安全装置
として機能させるものである。この装置の設置に際して
は、昇降路の構築コストの低減、昇降路床部への装置の
搬入及び据付の作業効率の点から、床部(ピット)が浅
い昇降路で済むことが好ましい。
【0003】この要望に対応した従来技術として、特開
平4−217577号公報に掲載の装置がある。以下、
これを図12に基づいて説明する。図12は多段油圧緩
衝装置の断面図である。図12において、70は昇降路
の床部(ピット)71に設置されるベースシリンダ、7
2はベースシリンダ70の内底部中央に立設された油圧
制御棒である。油圧制御棒72は、その上部から下部に
向って次第に径が拡大されたテーパ形に形成された棒或
いは柱状の部材である。73はプランジャであり、この
プランジャ73は、前記のベースシリンダ70に対して
中空の下半部74が嵌合された第1のプランジャ構成部
材75と、この第1のプランジャ構成部材75の上端開
放側からプランジャ73の軸方向に摺動可能に設けられ
た第2のプランジャ構成部材76と、更に、この第2の
プランジャ構成部材76の上端開放側からプランジャ7
3の軸方向に摺動可能に設けられた第3のプランジャ構
成部材77とで構成されている。
【0004】この多段油圧緩衝装置では、ベースシリン
ダ70に進入するプランジャ73が、第1、第2、第3
のプランジャ構成部材75、76、77を備えた三段構
造となっており、作動油2が、ベースシリンダ70の他
に、第1のプランジャ構成部材75及び第2のプランジ
ャ構成部材76内に封入されている。第1のプランジャ
構成部材75の下部には、ベースシリンダ70の空部8
1に通じる連通孔79が穿設され、第2のプランジャ構
成部材76の下部には第1のプランジャ構成部材75の
空部80に通じる連通孔78が穿設されている。
【0005】今、仮に、何らかの異常によって、エレベ
ータかご(非図示)が、急降下して多段油圧緩衝装置の
プランジャの先端、即ち第3のプランジャ構成部材77
の上端面に衝突すると、先ず、衝突された第3のプラン
ジャ構成部材77が降下して第2のプランジャ構成部材
76に進入すると共に、同時に、第3のプランジャ構成
部材77の下面が第2のプランジャ構成部材76内の作
動油2を押圧し、この作動油2が第2のプランジャ構成
部材76の連通孔78を通って第2のプランジャ構成部
材75内の空部80に噴出すると共に、第2のプランジ
ャ構成部材76の下面に押圧力を伝える。
【0006】同様に、第1のプランジャ構成部材75内
の作動油2が通路79を通ってベースシリンダ70内の
空部81に噴出すると共に、第1のプランジャ構成部材
75を押圧する。これにより、第1のプランジャ構成部
材75(下半部74)が押し下げられて、ベースシリン
ダ70内の作動油2がオリフィス孔83から第1のプラ
ンジャ構成部材75の下半部74の内空に流入する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この従来の装置では、
第1のプランジャ構成部材75が、後続の第2のプラン
ジャ構成部材76を受け入れる軸方向長さを必要とする
だけでなく、進入方向側に、ベースシリンダ70に立設
された油圧制御棒72を受け入れるために当該油圧制御
棒72の長さに略相応する軸方向長さの内空を備えた下
半部74を設けねばならないため、軸方向に長い構成と
なるし、この第1のプランジャ構成部材75の進入を受
け入れるベースシリンダ70も、同様に軸方向に長い構
成となる。このように、装置の全長が長くなると、その
分昇降路の床部を深くしなければならず、昇降路の構築
コストが嵩むという問題があった。
【0008】又、この従来の装置では、プランジャを構
成する各段のプランジャ構成部材75、76、77が独
立して作用せず、各プランジャ構成部材の動作が相互に
影響し合うため、減速パターンを制御するための各段の
設計が難しいという問題があった。即ち、この従来の装
置では、一段目のプランジャ構成部材75だけが、オリ
フィス面積により油圧を制御できるものの、二段目、三
段目のプランジャ構成部材76、77においては、オリ
フィス穴の面積が一定で油圧を正確に制御できない。こ
のため緩衝効率を向上させることが難しいという問題が
あった。
【0009】本発明は、上記課題を解消し、プランジャ
を構成する各段のプランジャ構成部材毎のオリフィスを
制御し易く、緩衝効率に優れ、設計し易い、小型の多段
油圧緩衝装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、作動油が充填
されたベースシリンダと、当該ベースシリンダに進入す
る順次小径に形成されて軸方向に摺動可能に嵌合された
複数の筒状プランジャ構成部材からなるプランジャとを
備えた多段油圧緩衝装置において、前記各筒状プランジ
ャ構成部材は、先ずベースシリンダに最大径の筒状プラ
ンジャ構成部材が進入し、以下、先に進入した筒状プラ
ンジャ構成部材に次の筒状プランジャ構成部材が順に進
入し、各筒状プランジャ構成部材が進入する度に作動油
の油圧抵抗を受けるように、隣合う筒状プランジャ構成
部材を互いに摺動不能に仮に固定すると共に、仮固定さ
れた一方の筒状プランジャ構成部材が進入すると仮固定
が解除される一体化手段を備えた構成とした。
【0011】又、本発明は、一体化手段は、隣合う筒状
プランジャ構成部材の摺動を阻止する施錠装置であり、
一体化された一方の筒状プランジャ構成部材が進入する
と解除手段に接触して解除される構成とした。
【0012】又、本発明は、筒状プランジャ構成部材
は、隣合う筒状プランジャ構成部材を仮に固定化する一
体化手段を備え、各一体化手段は、作動油の油圧回路で
構成した。
【0013】又、本発明は、各筒状プランジャ構成部材
は、筒の胴周部が筒状作動油タンクであり、先に進入す
るプランジャ構成部材の筒状作動油タンクに次の相似的
に小型のプランジャ構成部材の筒状作動油タンクを順に
進入させる構成とした。
【0014】又、本発明は、最後に進入する筒状プラン
ジャ構成部材は、胴周部に筒状作動油タンクを有しない
構成とした。
【0015】又、本発明は、上部から下部に向って次第
に径が拡大された油圧制御棒を軸芯に有すると共に作動
油が充填された上端開放で有底のベースシリンダと、前
記ベースシリンダの上端開放側から当該ベースシリンダ
の軸方向に摺動可能に浅く嵌合され、深く進入する際に
前記油圧制御棒が相対的に侵入する油圧制御孔を底に有
すると共に、内周面に沿って内径方向に二重に設けられ
作動油が充填された内外二つの筒状作動油タンクと上端
開放の軸芯空間とを同軸的に有する第1の筒状プランジ
ャ構成部材、及び当該第1の筒状プランジャ構成部材の
上端開放側から当該第1の筒状プランジャ構成部材の外
筒状作動油タンクに摺動可能に浅く嵌合された胴周部を
有する上端閉鎖の第2の筒状プランジャ構成部材とを備
えたプランジャと、前記ベースシリンダの作動油が充填
された内部と第1の筒状プランジャ構成部材の外筒状作
動油タンクとを連通可能に閉鎖する開閉弁と、当該第1
の筒状プランジャ構成部材の外筒状作動油タンクと内筒
状作動油タンクとを仕切る隔壁に軸方向にわたって適当
間隔を置いて開設された常開連通孔と、当該第1の筒状
プランジャ構成部材の外筒状作動油タンクと軸芯空間と
を仕切る隔壁に周方向に適当間隔をおいて開設された連
通孔と、当該連通孔を非常時には閉鎖する位置にあって
当該第1の筒状プランジャ構成部材の軸芯空間の軸方向
に摺動可能に配設された連通孔開閉手段とから成り、前
記内外の筒状作動油タンクに作動油が封入された状態で
第1と第2の筒状プランジャ構成部材を互いに摺動不能
に仮に固定する一体化手段と、前記連通孔開閉手段によ
って軸方向に隔てられた第1の筒状プランジャ構成部材
の軸芯空間と第2の筒状プランジャ構成部材の軸芯空間
とを常時連通させる常開油路手段と、常時には第2の筒
状プランジャ構成部材をベースシリンダに浅い嵌合状態
に支える支承手段とを備えた構成とした。
【0016】又、本発明は、上部から下部に向って次第
に径が拡大された油圧制御棒を軸芯に有すると共に作動
油が充填された上端開放で有底のベースシリンダと、前
記ベースシリンダの上端開放側から当該ベースシリンダ
の軸方向に摺動可能に浅く嵌合され、深く進入する際に
前記油圧制御棒が相対的に侵入する油圧制御孔を底に有
すると共に、胴周部に設けられた作動油が充填されてい
ない筒状作動油タンクと上端開放の軸芯空間とを同軸的
に有する第1の筒状プランジャ構成部材、及び当該第1
の筒状プランジャ構成部材の上端開放側から当該第1の
筒状プランジャ構成部材の筒状作動油タンクに摺動可能
に浅く嵌合された胴周部を有する上端閉鎖の第2の筒状
プランジャ構成部材とを備えたプランジャと、非常時に
は第2の筒状プランジャ構成部材に第1の筒状プランジ
ャ構成部材を浅い嵌合状態で仮に固定する一体化手段
と、常時には第2の筒状プランジャ構成部材をベースシ
リンダに浅い嵌合状態に支える支承手段と、非常時に、
第1の筒状プランジャ構成部材がベースシリンダに進入
していく際に、ベースシリンダから第1の筒状プランジ
ャ構成部材の軸芯空間に流入した作動油を当該第1の筒
状プランジャ構成部材の筒状作動油タンクに流入させる
ため当該筒状作動油タンクに筒体の軸方向に適当数設け
られた常開連通孔と、第2の筒状プランジャ構成部材が
第1の筒状プランジャ構成部材に進入した際に、前記一
体化手段による第1の筒状プランジャ構成部材と第2の
筒状プランジャ構成部材との仮固定を解除する解除手段
とを備えた構成とした。
【0017】又、本発明は、筒壁を貫通する多数の連通
孔が設けられた油圧制御筒を軸芯に同軸で有すると共に
作動油が充填された上端部開放で有底のベースシリンダ
と、前記ベースシリンダの上端部側から当該ベースシリ
ンダの内周面と前記油圧制御筒との間の環状空間に摺動
可能に浅く嵌合され、深く進入する際に前記油圧制御筒
の外周面に摺接して、油圧制御筒の多数の貫通孔の一部
を塞ぎ他を開通状態のままとする摺接壁面を有する作動
油が充填されていない上端部開放の筒状作動油タンクを
胴周部として有する第1の筒状プランジャ構成部材、及
び前記第1の筒状プランジャ構成部材の上端部側から筒
状作動油タンクに摺動可能に浅く嵌合された胴周部を有
する第2の筒状プランジャ構成部材とを備えたプランジ
ャと、常時には第2の筒状プランジャ構成部材に第1の
筒状プランジャ構成部材を浅い嵌合状態で仮固定する一
体化手段と、常時には第2の筒状プランジャ構成部材を
ベースシリンダに浅い嵌合状態に支える支承手段と、第
2の筒状プランジャ構成部材が第1の筒状プランジャ構
成部材に進入した際に、前記一体化手段による第1の筒
状プランジャ構成部材と第2の筒状プランジャ構成部材
との仮固定を解除する解除手段とを備えた構成とした。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.エレベータ用の多
段油圧緩衝装置の実施の形態1を図1乃至図3に基づい
て説明する。図1は多段油圧緩衝装置の縦断面図、図2
はプランジャの一段目の進入状態を示す縦断面図、図3
はプランジャの二段目の進入状態を示す縦断面図であ
る。
【0019】図1において、1はベースシリンダであ
る。ベースシリンダ1は、その上端側が開放された有底
の筒状であり、作動油2が充填されている。筒状のベー
スシリンダ1の底面3の中央には、筒の軸方向に向け
て、上部から下部に向って次第に径が拡大されたテーパ
形の油圧制御棒4が立設されている。
【0020】ベースシリンダ1に対して軸方向から進入
するプランジャは、この形態1では二段、即ち、プラン
ジャ構成部材としての筒状プランジャ構成部材二つで構
成されており、具体的には、前記のベースシリンダ1に
対して、順次遠去る方向に、略相似的に小型化された第
1の筒状プランジャ構成部材10と第2の筒状プランジ
ャ構成部材20とが、筒の軸方向に同軸にて摺動可能に
嵌合されている。一段目の第1の筒状プランジャ構成部
材10は、ベースシリンダ1の上端開放側から当該ベー
スシリンダ1の軸方向に摺動可能に浅く、脱落不能に嵌
合されており、深く進入し終えると、ベースシリンダ1
の上端側と当該第1の筒状プランジャ構成部材10の上
端側とが略一致する軸方向の長さを有している。
【0021】更に、この第1の筒状プランジャ構成部材
10は、筒の内周面に沿って内径方向に二重に設けられ
た内外二つの筒状作動油タンク11、12と上端開放の
軸芯空間13とを同軸的に備え、内筒状作動油タンク1
1及び外筒状作動油タンク12は作動油2で充填されて
いる。又、第1の筒状プランジャ構成部材10の底面1
5の中央には、前記軸芯空間13とベースシリンダ1と
を連通させる油圧制御孔16がオリフィス孔として設け
られている。この油圧制御孔16には、第1の筒状プラ
ンジャ構成部材10がベースシリンダ1に深く進入して
いく際、相対的に油圧制御棒4が侵入する。油圧制御孔
16は軸芯に位置し、第1の筒状プランジャ構成部材1
0の軸芯空間13の底に開口している。
【0022】第2の筒状プランジャ構成部材20は、第
1の筒状プランジャ構成部材10の上端開放側から当該
第1の筒状プランジャ構成部材10の外筒状作動油タン
ク12に摺動可能に浅く、脱落不能に嵌合された胴周部
21を有しており、深く進入し終えると、当該第1の筒
状プランジャ構成部材10の上端側と略一致する軸方向
の長さを有している。第2の筒状プランジャ構成部材2
0の筒部に相応する前記の胴周部21は、先にベースシ
リンダ1に進入する第1の筒状プランジャ構成部材10
の筒状作動油タンクとしての外筒状作動油タンク12
に、同軸的に摺動可能なように略相似的で小型の筒状に
形成されている。この胴周部21は、その内部が筒状に
形成された空の筒状作動油タンク22を備えている。し
かし、この筒状作動油タンク22は必ずしも必要ではな
い。要は、軸芯空間23を有し、当該胴周部21の下端
面が外筒状作動油タンク12に進入する際に作動油2の
油圧抵抗を受ける形態に構成されていればよい。尚、前
記第2の筒状プランジャ構成部材20の上端側は、異常
の発生により、急降下するエレベータかご(非図示)の
衝撃を受ける部分であり、従って、閉鎖されている。
【0023】第1の筒状プランジャ構成部材10に対し
て第2の筒状プランジャ構成部材20が摺動可能に嵌合
された構成であるが、このように摺動可能な隣合うプラ
ンジャ構成部材相互には、この例では、第1の筒状プラ
ンジャ構成部材10と第2の筒状プランジャ構成部材2
0とには、互いを摺動不能として仮に固定しておく一体
化手段30が設けられている。一体化手段30は、互い
に仮固定された一方の筒状プランジャ構成部材、この例
では第1の筒状プランジャ構成部材10がベースシリン
ダ1に進入し終えるか、或いはその直前で解除されるも
ので、第1の筒状プランジャ構成部材10がベースシリ
ンダ1に十分深く進入するまでは、隣合う筒状プランジ
ャ構成部材(10、20)の摺動を阻止する手段であ
る。
【0024】このような一体化手段30としては、例え
ば、機械的な装置として後述するような施錠装置がある
が、この形態1の一体化手段30は、作動油2の油圧回
路で構成されている。図1において、この一体化手段3
0は、ベースシリンダ1の作動油2が充填された当該ベ
ースシリンダ1の内部と第1の筒状プランジャ構成部材
10の外筒状作動油タンク12とを連通可能に閉鎖する
開閉弁31と、外筒状作動油タンク12と内筒状作動油
タンク11とを仕切る隔壁に筒の軸方向にわたって適当
間隔を置いて軸方向に配設された常開連通孔としての軸
方向配列連通孔32と、内筒状作動油タンク11と軸芯
空間13とを仕切る隔壁の周方向に適当間隔をおいて環
状に配設された連通孔としての環状配列連通孔33と、
当該環状配列連通孔33を常時には閉鎖する位置にあっ
て軸芯空間13の軸方向に摺動可能に配設された連通孔
開閉手段34とを有し、内外の筒状作動油タンク11、
12に作動油2が封入された状態で、第1の筒状プラン
ジャ構成部材10と第2の筒状プランジャ構成部材20
とを互いに摺動不能状に仮固定している。
【0025】尚、前記の開閉弁31は、外筒状作動油タ
ンク12が負圧になると開いてベースシリンダ1の作動
油2を導入する逆止弁である。又、35は連通孔開閉手
段34を軸方向に貫通するように設けられた作動油通
路、36は連通孔開閉手段34の降下を阻止する降下ス
トッパ、37は連通孔開閉手段34を降下ストッパ36
に押圧する弾性部材である。これらについては後述す
る。
【0026】図1において、内筒状作動油タンク11の
環状配列連通孔33は連通孔開閉手段34によって閉じ
られているため、内筒状作動油タンク11及び外筒状作
動油タンク12内の作動油2は逃げ場を失なっているた
め、第2の筒状プランジャ構成部材20の進入が阻止さ
れている。従って、連通孔開閉手段34が環状配列連通
孔33を塞いだ状態のままでは、第2の筒状プランジャ
構成部材20は第1の筒状プランジャ構成部材10に浅
く進入(嵌合)した状態のままに固定化されるため、第
1及び第2の両筒状プランジャ構成部材10、20は摺
動不能に固定化されたまま作動、即ち、ベースシリンダ
1に一体となって進入する。
【0027】連通孔開閉手段34は、常時には、環状配
列連通孔33を塞ぐ位置において摺動停止状態となるよ
うに、ベースシリンダ1側方向への降下摺動に対して
は、軸芯空間13に突設された降下ストッパ36によっ
て下限が設定されて摺動不能に阻止されており、第2の
筒状プランジャ構成部材20側への上昇摺動に対して
は、当該第2の筒状プランジャ構成部材20との間に設
けられた抵抗付勢手段としての弾性部材37の介在によ
って、常時には不能な程度の阻止抵抗を受けるが、非常
時には、当該環状配列連通孔33が流通可能に開口する
程度に摺動可能とされている。
【0028】尚、この形態1の抵抗付勢手段としての弾
性部材37は、第2の筒状プランジャ構成部材20との
間に、プランジャの軸方向に張設されており、常時に
は、上記の一体化手段30と相俟って、第2の筒状プラ
ンジャ構成部材20の第1の筒状プランジャ構成部材1
0への進入を阻止する機能も果たしている。又、後述の
ように装置が作動後の復帰バネとしても作用する。又、
上記の連通孔開閉手段34には、軸方向に隔てられた第
1の筒状プランジャ構成部材10の軸芯空間13と第2
の筒状プランジャ構成部材20の軸芯空間23とを、常
時連通させるため常開油路手段としての作動油通路35
が設けられている。
【0029】一体化手段30によって、第1の筒状プラ
ンジャ構成部材10と第2の筒状プランジャ構成部材2
0とが一体化されたプランジャは、常時には、その第1
の筒状プランジャ構成部材10の底部15とベースシリ
ンダ1の底部3との間に介在させた支承手段としての弾
性部材5によって、第1の筒状プランジャ構成部材10
がベースシリンダ1に浅く進入した状態で支えられてい
る。又、この弾性部材5は、後述のように装置が作動後
の復帰バネとしても作用する。
【0030】次に、動作を説明する。初期状態、即ち常
時においては、図1に示すように、連通孔開閉手段34
が環状配列連通孔33を閉鎖する位置にあって、内外の
筒状作動油タンク11、12には作動油2が封入されて
いるため、この一体化手段30によって、プランジャを
構成する第1の筒状プランジャ構成部材10と第2の筒
状プランジャ構成部材20とが仮固定された状態にあ
る。こうして一体化されたプランジャは、支承手段とし
ての弾性部材5によって、作動油2が充填されたベース
シリンダ1に浅く嵌合された状態で支承されている。
【0031】今、何らかの異常によりエレベータかご
(非図示)が急降下して、プランジャの頂部、即ち、第
2の筒状プランジャ構成部材20の頂部に衝突すると
(非常時)、環状配列連通孔33が封鎖されたままなの
で、内筒状作動油タンク11、及び外筒状作動油タンク
12内の作動油2が第2の筒状プランジャ構成部材20
の底面で押圧されても、他に流出できない状態に満たさ
れているために容積がほとんど圧縮できず、第1の筒状
プランジャ構成部材10と第2の筒状プランジャ構成部
材20とが固定されたままの状態で、ベースシリンダ1
内に押し下がる。
【0032】第1の筒状プランジャ構成部材10と第2
の筒状プランジャ構成部材20とが一体のまま、弾性部
材5の弾性力に抗して、ベースシリンダ1内に押し下が
っていくと、ベースシリンダ1内の作動油2は、油圧制
御孔16の内周縁と油圧制御棒4の外周面との隙間を通
って、第1の筒状プランジャ構成部材10の軸芯空間1
3に噴出されて、作動油2の油圧抵抗が発揮されるの
で、エレベータかごの急降下による衝撃エネルギーが消
散され、降下運動が緩衝されながら、減速される。この
際、油圧制御棒4は下部に向って拡大するテーパ形とな
っているので、第1の筒状プランジャ構成部材10が下
がるのに伴って、油圧制御孔16と油圧制御棒4との隙
間における作動油2の通過面積は次第に小さくなり、要
求された減衰力特性を得ることができる。
【0033】図2において、第1の筒状プランジャ構成
部材10の底面15がベースシリンダ1の底面3側に十
分接近すると、油圧制御棒4の頂部が降下してきた連通
孔開閉手段34に接触し、弾性部材37の弾性力に抗し
て連通孔開閉手段34を、第1の筒状プランジャ構成部
材10に対して相対的に押し上げて環状配列連通孔33
を開通(開口)させる。この環状配列連通孔33が開通
すると、油圧回路から成るこの一体化手段30の仮固定
が解除される。即ち、外筒状作動油タンク12内の作動
油2が、先ず軸方向配列連通孔32を通って内筒状作動
油タンク11に入り、更に、環状配列連通孔33を通っ
て第1の筒状プランジャ構成部材10の軸芯空間13に
噴出する。
【0034】図3において、一体化された一方のプラン
ジャ構成部材、ここでは第1の筒状プランジャ構成部材
10がベースシリンダ1に進入し終える直前に、上記の
ように一体化手段30が解除されるので、他方の第2の
筒状プランジャ構成部材20が第1の筒状プランジャ構
成部材10に対して、より具体的には、第2の筒状プラ
ンジャ構成部材20の胴周部21が第1の筒状プランジ
ャ構成部材10の外筒状作動油タンク12に油圧抵抗を
受けながら進入していく。
【0035】これと同時に、進入していく第2の筒状プ
ランジャ構成部材20によって、内筒状作動油タンク1
1の内周面側に開口する常開連通孔としての軸方向配列
連通孔32が上の方向から次第に機能不能とされて閉鎖
されていき、流通可能な軸方向配列連通孔32の数が次
第に減少する。この過程において、外筒状作動油タンク
12内の圧力はベースシリンダ1の内部の圧力より高い
ので、外筒状作動油タンク12とベースシリンダ1との
間を連通可能に設けられた開閉弁31は閉じられたまま
となる。
【0036】常開連通孔としての軸方向配列連通孔32
は、外筒状作動油タンク12と内筒状作動油タンク11
との隔壁(仕切壁)に軸方向に位置をずらして多数開設
されているが、これらの軸方向配列連通孔32の総開口
面積よりも内筒状作動油タンク11の軸芯空間13側に
設けられた環状配列連通孔33の総開口面積を小さく設
定することによって、孔式オリフィス緩衝構造を実現す
ることができ、外筒状作動油タンク12中の作動油2の
流出速度の制御により、プランジャを構成する一段目即
ち第1の筒状プランジャ構成部材10とは独立して、二
段目に相当する第2の筒状プランジャ構成部材20にお
いても要求される減衰力特性を得ることができる。
【0037】第1の筒状プランジャ構成部材10の軸芯
空間13に、内筒状作動油タンク11から環状配列連通
孔33を経て流入した作動油2、及びベースシリンダ1
から油圧制御孔16を経て流入した作動油2は、更に、
連通孔開閉手段34の作動油通路35を通って、第2の
筒状プランジャ構成部材20の軸芯空間23に流入す
る。そして、当該軸芯空間23に流入した作動油の一部
は、更に、常開の連通孔24、25を経て、第2の筒状
プランジャ構成部材20の筒状空タンク22に流入す
る。
【0038】図3において、その後、異常原因が解消し
て、エレベータかごが上昇すると、弾性部材37の復帰
力によって、油圧制御棒4と当該油圧制御棒4に載った
連通孔開閉手段34とを支えとして、第2の筒状プラン
ジャ構成部材20が押し上げられるが、この押し上の
際、図2に示すように、弾性部材37の反力で連通孔開
閉手段34が降下ストッパ36まで押し戻されて、環状
配列連通孔33が閉鎖されるので、内外の筒状作動油タ
ンク11、12内に作動油2が充填されたまま(開閉弁
31は閉じた状態)、第1の筒状プランジャ構成部材1
0が上昇する。即ち、一体化手段30として構成された
油圧回路が作動油2で充填されて封入された状態となる
ことによって、プランジャを構成する第1の筒状プラン
ジャ構成部材10と第2の筒状プランジャ構成部材20
とが互いに摺動不能に一体化された状態に固定される。
【0039】こうして一体化されたプランジャは、ベー
スシリンダ1内の弾性部材5によって押し上げられる。
この押し上げによって、筒状空タンク22や軸芯空間2
3等の第2の筒状プランジャ構成部材20内の作動油2
は、連通孔開閉手段34の作動油通路35及び第1の筒
状プランジャ構成部材10の軸芯空間13を経て、ベー
スシリンダ1内に流下し、図1に示す状態に復帰する。
【0040】この実施の形態1によれば、多段、この例
では、第1の筒状プランジャ構成部材10と第2の筒状
プランジャ構成部材20との二段に構成されたプランジ
ャの各プランジャ構成部材が、一体化手段30によっ
て、順次に独立して減速機能が発揮される構造としてあ
るため、減速パターンの解析や設計がし易くなる。又、
プランジャの各段においてオリフィスを各別に制御する
ことができるので、緩衝効率を優れたものとすることが
できる。又、前述した従来の装置に比べて、ベースシリ
ンダ1及び各段のプランジャ構成部材の軸方向の長さを
略同等にすることができるので、装置の全高をより小さ
くすることができ、従って、床部(ピット)の浅い昇降
路を構築することができる。これにより、建設工事での
掘削作業を省力化でき、建築コストを低減させることが
できる。
【0041】実施の形態2.実施の形態2は、実施の形
態1に比べ、プランジャの一体化手段を油圧回路に換え
て機械的な施錠手段とした点と、これに伴なって作動油
の流路を若干変更した点とが異なる構成の装置である。
以下、これを図4乃至図6に基づいて説明する。図4は
多段油圧緩衝装置の縦断面図、図5はプランジャの一段
目の進入状態を示す縦断面図、図6はプランジャの二段
目の進入状態を示す縦断面図である。尚、これらの図4
において、図1乃至図3と同一の符号は実質的に同一又
はこれに相当するものである。
【0042】図4において、先ず、ベースシリンダ1に
ついては、実施の形態1と実質的に同様の構成である
が、ベースシリンダ1の上端側外周縁6に一体化手段4
0を構成する施錠装置41の解除手段49が配設されて
いる点や、油圧制御棒4の下部を取り巻くように、制御
手段としての円筒状の制御板50が設けられている点等
が異なる。制御手段としての制御板50は、後述する第
1の筒状プランジャ構成部材10が進入してきた際に、
当該第1の筒状プランジャ構成部材10の作動油タンク
12の内周面に摺動接触して、当該内周面の軸方向に間
隔を置いて配設された連通孔としての軸方向配列連通孔
32の一部(後述の拡大連通孔32A)を塞いで、実質
的に軸方向配列連通孔32の総開口面積を小さくして油
圧抵抗を制御するものであり、これについては更に後述
する。図中の52は第1の筒状プランジャ構成部材10
の進入を停止させる下限ストッパであり、ベースシリン
ダ1の内周面に突設されている。尚、前記の解除手段4
9については後述する。
【0043】次に、プランジャを構成する一方のプラン
ジャ構成部材としての第1の筒状プランジャ構成部材1
0においては、実施の形態1の外筒状作動油タンク12
を初期状態において空とした筒状作動油タンクとして有
する構成であり、内筒状作動油タンク11及びその軸芯
空間13に連通孔開閉手段34等からなる一体化手段3
0は備えていない。この第1の筒状プランジャ構成部材
10の上端側外周縁には、一体化手段40としての施錠
装置41が配設されている。この施錠装置41について
は後述する。
【0044】プランジャを構成する他方のプランジャ構
成部材としての第2の筒状プランジャ構成部材20は、
その胴周部21に実施の形態1における筒状空タンク2
2が形成されていない。又、実施の形態1では軸芯空間
23に張設されていた弾性部材37に代わる弾性部材1
9が、初期状態において空とされた筒状作動油タンク1
2内において、第1の筒状プランジャ構成部材20の胴
周部21の下面と第2の筒状プランジャ構成部材20の
底面15との間に適当数設けられている。その他の構成
は、一体化手段40の具体的構成を別として、実施の形
態1と基本的に同じである。
【0045】一体化手段40は、第2の筒状プランジャ
構成部材20が第1の筒状プランジャ構成部材10に浅
く侵入(嵌合)した状態において、両構成部材の重なり
部分を貫通して通るようプランジャの直径方向に向けて
外周面側から開設された係合孔としての差込孔42と、
この差込孔42に抜き差し自在に挿し込まれるピン43
と、当該ピン43を常時差込方向に付勢する付勢手段と
しての付勢ばね44と、ピン43及び付勢ばね44を作
動可能に第2の筒状プランジャ構成部材20に装置させ
る保持部45とで構成されており、第2の筒状プランジ
ャ構成部材20の上端側外周に適当数装置されている。
【0046】解除手段49は、上記の各施錠手段41に
対応してベースシリンダ1の上端側外周縁6に配設され
ており、第1の筒状プランジャ構成部材10の進入に伴
って降下してくる前記施錠手段41のピン43と接触し
て、当該ピン43を付勢ばね44の弾性力に抗して、差
込孔42から引抜かせる装置であり、この例では、カム
板を解除手段49として設置している。カム板の習い面
48は、当該習い面48にピン43が接触しながら降下
するとピン43が引抜き方向に強制摺動されるように形
成してある。
【0047】次に、動作を説明する。初期状態(常時)
においては、図4に示すように、一体化手段40として
の施錠装置41のピン43によって、プランジャを構成
する一方のプランジャ構成部材としての第1の筒状プラ
ンジャ構成部材10と他方のプランジャ構成部材として
の第2の筒状プランジャ構成部材20とが、浅く進入
(嵌合)された状態で固定され、一体化されている。こ
うして一体化されたプランジャは、支承手段としての弾
性部材5により、作動油2が充填されたベースシリンダ
1に浅く進入(嵌合)した状態で支承されている。
【0048】今、何らかの異常によりエレベータかご
(非図示)が急降下して、第2の筒状プランジャ構成部
材20の頂部に衝突すると(非常時)、第2の筒状プラ
ンジャ構成部材20は第1の筒状プランジャ構成部材1
0と一体となった状態のままで、ベースシリンダ1内に
押し下がる。
【0049】第1の筒状プランジャ構成部材10と第2
の筒状プランジャ構成部材20とが一体のまま、弾性部
材5の弾性力に抗して、ベースシリンダ1内に押し下が
って進入していくと、ベースシリンダ1内の作動油2は
油圧制御孔16を通って、第1の筒状プランジャ構成部
材10の軸芯空間13に噴出しつつ、作動油2の油圧抵
抗が発揮される。これにより、エレベータかごの急降下
による衝撃エネルギが消散され、降下運動は緩衝されな
がら減速される。尚、この際、油圧制御棒4は下部に向
って拡大するテーパ形となっているので、第1の筒状プ
ランジャ構成部材10が下がるのに伴って、油圧制御孔
16との間隙における作動油2の通過可能な面積は次第
に小さくなり、要求された減衰力特性が得られる。
【0050】他方、第1の筒状プランジャ構成部材10
がベースシリンダ1内に押し下げられ、進入してくるに
従って、ベースシリンダ1から油圧制御孔16を経て第
1の筒状プランジャ構成部材10の軸芯空間13に流入
した作動油2は、第1の筒状プランジャ構成部材10の
筒状作動油タンク12の軸芯空間13側に、軸方向にわ
たって開設された軸方向配列連通孔32から流入し、第
1の筒状プランジャ構成部材10がベースシリンダ1内
に十分深く進入すると、当該筒状作動油タンク12が作
動油2で満たされる。
【0051】この形態2では、常開連通孔としての上記
軸方向配列連通孔32のうち、最下方側に開設された連
通孔32を、特に、作動油2の流入を促進させるための
大きな口径をもつ拡大連通孔32Aとして形成してお
り、その他の連通孔32は、第2の筒状プランジャ構成
部材20の進入に対して油圧抵抗を生じさせる作動油2
の流出口として、即ち、オリフィス孔として機能させる
ため、その口径は拡大連通孔32Aの拡大された口径よ
り十分に小さい所要の口径としてある。
【0052】この拡大連通孔32Aは、第1の筒状プラ
ンジャ構成部材10がベースシリンダ1内に十分深く進
入し終えると、即ち、図示の例では、ベースシリンダ1
の内周面側に設けられた下限ストッパー52まで下がる
と(図5)、拡大連通孔32Aをその他の連通孔32の
口径即ち開口面積と等しくするように、相対的に摺接す
る制御手段としてベースシリンダ1の底面3に筒状に設
けられた制御板50の外周面によって開口の一部が塞が
れて、大経口の拡大連通孔32Aが他の連通孔32の口
径と同様の開口面積となるように制御される。尚、筒状
の制御板50の筒壁を貫通して設けられた孔51は、第
1の筒状プランジャ構成部材10がベースシリンダ1内
に十分深く進入する際に、当該第1の筒状プランジャ構
成部材10の筒状作動油タンク12の底面とベースシリ
ンダ1の内周面及び底面と制御板50の外周面とに囲わ
れる作動油2を、油圧制御棒4側に逃すためのものであ
る。
【0053】図5に示すように、プランジャを構成する
第1の筒状プランジャ構成部材10が下限ストッパー5
2までに下がる直前に、施錠装置41のピン43の鉤部
43aが、ベースシリンダ1のフランジに配設された解
除手段49としてのカム板の習い面48に接触すると、
プランジャの降下圧力によって鉤部43aが習い面48
を滑り降る作用によって、施錠装置41のピン43が、
弾性部材44の弾性力に抗して、差込孔42から引き抜
かれる。これにより、第1の筒状プランジャ構成部材1
0と第2の筒状プランジャ構成部材20との仮固定が解
除される。
【0054】仮固定が解除されると、第2の筒状プラン
ジャ構成部材20は、具体的にはその胴周部21は、第
1の筒状プランジャ構成部材10、具体的にはその筒状
作動油タンク12に進入していく。この胴周部21が筒
状作動油タンク12に進入していくにしたがって、当該
胴周部21の下面(作動油を押し下げる面)が下がって
いくため、当該筒状作動油タンク12内の作動油2が流
出可能な連通孔32の数が減少していき、作動油タンク
10内の油圧抵抗は逆に高められていく。即ち、筒状作
動油タンク12の軸芯空間13側に軸方向への位置をず
らして開設された複数の軸方向配列連通孔32の連通可
能な孔数の減少、即ち総開口面積の減少によって、当該
筒状作動油タンク12中の作動油2の流出速度を、この
孔式オリフィス緩衝構造によって制御することができ
る。この外筒状作動油タンク12中の作動油2の流出速
度の制御により、プランジャを構成する一段目即ち第1
の筒状プランジャ構成部材10とは独立して、二段目に
相当する第2の筒状プランジャ構成部材20において、
要求される減衰力特性を得ることができる。
【0055】その後、異常原因が取り除かれてエレベー
タかごが上昇すると、弾性部材5の弾性力によって第1
の筒状プランジャ構成部材10がベースシリンダ1から
上方に抜け出るように押上げられると共に、同時に弾性
部材19の復帰ばねとしての弾性力により第2の筒状プ
ランジャ構成部材20が第1の筒状プランジャ構成部材
10から上方に抜け出るように押上げられる。第1及び
第2の筒状プランジャ構成部材10、20はベースシリ
ンダ1を満たす作動油2に浸かった状態であったため、
第1及び第2の筒状プランジャ構成部材10、20の上
昇に伴って、作動油2はベースシリンダ1に残されてい
く。
【0056】この場合、第2の筒状プランジャ構成部材
20の筒状作動油タンク12において、第1の筒状プラ
ンジャ構成部材10の胴周部21の下面より下方側にお
いては、第2の筒状プランジャ構成部材20の上昇に伴
って、筒状作動油タンク12内が一時負圧となり、次第
に流通可能に増えていく連通孔32から作動油2が一旦
は流入してくるが、第1の筒状プランジャ構成部材10
自体のの上昇に伴って、上記連通孔32がベースシリン
ダ1の作動油2の油面から離れた段階で、逆に、連通孔
32から軸芯空間13を経てベースシリンダ1内に流下
する。他方、第1の筒状プランジャ構成部材10の胴周
部21の下面より上方側においては、流入していた作動
油2は、当該胴周部21の上昇に伴って、筒状作動油タ
ンク12の連通孔32或いは上端側の開放部分から軸芯
空間13を経てベースシリンダ1内に流下する。こうし
て、筒状作動油タンク12は空となる。
【0057】第1の筒状プランジャ構成部材20に対す
る第1の筒状プランジャ構成部材10の上昇に伴って、
施錠装置41のピン43は、付勢ばね44の弾性力によ
り、プランジャの軸芯方向に押されながら、第1の筒状
プランジャ構成部材10の外周面に摺接しながら、第1
の筒状プランジャ構成部材10の差込孔42が到達して
くるのを待ち、差込孔42が達した段階で、当該差込孔
42に侵入する。こうして、再び、第1の筒状プランジ
ャ構成部材10と第2の筒状プランジャ構成部材20と
が仮固定されて一体化し、この多段油圧緩衝装置は図4
に示す元の状態に復帰する。
【0058】この実施の形態2は、上記実施の形態1と
同様の作用効果を奏すると共に、一体化手段40として
プランジャに外付けされる施錠装置41を設けたので、
実施の形態1に比べて油圧流路を簡素化することができ
る。
【0059】実施の形態3.図7に示す実施の形態3
は、上記実施の形態2と次の構成が異なり、他は同様の
構成としたものである。異なる構成は、ベースシリンダ
1に設置された油圧制御棒4に換えて、筒壁に多数の貫
通孔61が設けられた油圧制御筒60を設置した点や、
第1の筒状プランジャ構成部材10の胴周部に設けられ
た筒状作動油タンク12の内周面を、前記の油圧制御筒
60の外周面に摺接させ、当該油圧制御筒60の多数の
貫通孔61の一部を塞ぎ他を開通状態のままとする摺接
内周面62等を設けた点にある。
【0060】以下、実施の形態3を図7乃至図10に基
づいて説明する。図7は多段油圧緩衝装置の縦断面図、
図8は筒状作動油タンク内周面の拡大斜視図、図9はプ
ランジャの一段目の進入状態を示す縦断面図、図10は
プランジャの二段目の進入状態を示す縦断面図である。
尚、図1乃至図6と同一の符号は同一又は同等の内容の
ものである。
【0061】図7において、60は油圧制御筒であり、
円筒状の筒壁に多数の貫通孔61が設けられている。他
方、第1の筒状プランジャ構成部材10の胴周部として
の筒状作動油タンク12の内周面は、当該第1の筒状プ
ランジャ構成部材10がベースシリンダ1に進入する際
に、前記油圧制御筒60の外周面と摺接する内周面62
に形成し、更に、当該内周面62には、軸方向に長くて
面積の広い連通窓63を開設してある。
【0062】次に、動作を説明する。初期状態において
は、図7に示すように、第1の筒状プランジャ構成部材
10と第2の筒状プランジャ構成部材20とは、一体化
手段40としての施錠装置41のピン43によって、一
体的に仮固定されている。今、何らかの異常によりエレ
ベータかご(非図示)が、第2の筒状プランジャ構成部
材20の頂部に衝突すると、図9に示すように、当該第
2の筒状プランジャ構成部材20と第1の筒状プランジ
ャ構成部材10とは一体となってベースシリンダ1内に
押し下げられる。
【0063】第1の筒状プランジャ構成部材10が押し
下がると、ベースシリンダ1の内周面と油圧制御筒60
の外周面との間の環状空間53内に、第1の筒状プラン
ジャ構成部材10の筒状作動油タンク12が進入し、当
該第1の筒状プランジャ構成部材10の内周面62が油
圧制御筒60の外周面に摺接しつつ、当該内周面62に
よって油圧制御筒60の軸方向に間隔を置いて列設され
た多数の連通孔61(実施の形態2の軸方向列設連通孔
32に相当)の一部が次第に塞がれていく一方で、その
他の少なくない数の連通孔61が連通窓63によって開
放されたままとなるため、ベースシリンダ1の環状空間
53内の作動油2が、開放されている連通穴61から油
圧制御筒60内に噴出する。
【0064】環状空間53内の作動油2が連通穴61か
ら油圧制御筒60内へと噴出するとき、環状空間53か
らの作動油2の流出速度は、流通可能な連通孔61の総
開口面積によるが、この総開口面積は、筒状作動油タン
ク12の降下に伴って、作動油2が流通可能な連通孔6
1の数が次第に減少していくので、次第に小さくなる。
こうして孔式オリフィス緩衝構造が実現できるので、要
求された減衰力特性を得ることができる。
【0065】環状空間53から連通穴61を経て筒内へ
噴出した作動油2、及び、当初から油圧制御筒60内を
満たしていた作動油2は、第1の筒状プランジャ構成部
材10の筒状作動油タンク12の進入に伴って若干上昇
するものの、進入してくる第1の筒状プランジャ構成部
材10の軸芯空間13に流入し、更に連通窓63から空
の筒状作動油タンク12内へと流入する。図9におい
て、こうして第1の筒状プランジャ構成部材10が下限
ストッパー52まで下がった段階では、筒状作動油タン
ク12内は作動油2で満されると共に、油圧制御筒60
の外周面が筒状作動油タンク12の内周面62で覆わ
れ、当該内周面62の連通窓63と重なって、当該窓6
3に臨む位置の複数の連通孔61が新たな多孔オリフィ
スとして機能する。
【0066】第1の筒状プランジャ構成部材10が下限
ストッパー52まで下がる直前には、実施の形態2と同
様に、一体化手段40としての施錠装置41のピン43
が解錠装置49としてのカム板に接触して、係合孔とし
ての差込孔42から抜けるので、図10に示すように、
プランジャを構成する一体化されていた一方のプランジ
ャ構成部材としての第1の筒状プランジャ構成部材10
と他方のプランジャ構成部材としての第2の筒状プラン
ジャ構成部材20との互いの固定が解除されて、第2の
筒状プランジャ構成部材20が下降する。
【0067】第2の筒状プランジャ構成部材20の胴周
部21が下降するに伴い、筒状作動油タンク12から作
動油2が流通可能な連通孔61の数が次第に減少してい
く。ここで筒状作動油タンク12内の作動油2の流出速
度は、流通可能な連通孔61の総開口面積で制御でき
る。こうして多孔式オリフィス緩衝構造を実現すること
ができるので、二段目として第2の筒状プランジャ構成
部材20においても、要求される減衰力特性を得ること
ができる。
【0068】その後、異常原因が取り除かれてエレベー
タかごが上昇すると、実施の形態1や2で説明したのと
略同様の経過を経て、このエレベータ用多段油圧緩衝装
置は元の状態に回復する。
【0069】この実施の形態3によっても、上記実施の
形態1や2と同様の作用効果を発揮することができる。
【0070】実施の形態4.実施の形態4は、実施の形
態3のプランジャの一段目の第1の筒状プランジャ構成
部材10と二段目の第2の筒状プランジャ構成部材20
との間に、当該第1の筒状プランジャ構成部材10と実
質的に同じ構成で、当該第1の筒状プランジャ構成部材
10を相似的に小型化した筒状プランジャ構成部材10
Aを軸方向に摺動可能に追加してプランジャを三段構成
としたものである。これを図11に示す。図1乃至図1
0の符号と同じ符号は同一若しくは実質的に同一のもの
である。
【0071】図11において、二段目のプランジャ構成
部材としての筒状プランジャ構成部材10Aは、一段目
の第1の筒状プランジャ構成部材10を実質的には相似
的に小型化した構成であるが、第1の筒状プランジャ構
成部材10の上端側周縁に解錠装置49が配設されてい
る点が、上記実施の形態3の第1の筒状プランジャ構成
部材10と異なる。
【0072】この実施の形態4によれば、追加される筒
状プランジャ構成部材10Aの施錠装置41に応じて、
追加された筒状プランジャ構成部材10Aが進入する筒
状プランジャ構成部材10に解錠装置49を適宜配設す
ることで、この三段構成に限らず、更に、筒状プランジ
ャ構成部材10B、10C・・・(非図示)として、追
加することができ、三段以上のプランジャを構成するこ
とができる。
【0073】又、この場合、筒状プランジャ構成部材1
0Aの筒状作動油タンク12の内周面62は、ベースシ
リンダ1の油圧制御筒60に先に嵌合している第1の筒
状プランジャ構成部材10の筒状作動油タンク12の外
周面に摺接しながら進入していくよう内径が大きく形成
され、追加された筒状プランジャ構成部材10Aの連通
窓63Aは筒状プランジャ構成部材10の連通窓63よ
り小さく形成されているので、筒状プランジャ構成部材
10Aが降下するに伴って、先の連通窓63と重なって
油圧制御筒60の連通可能な連通孔61の数が更に減少
される。従って、この筒状プランジャ構成部材10Aの
段が進入(作動)する際においても、所望のオリフィス
効果を発揮させる構成とすることができる。、このよう
に、この実施の形態4によれば、3段以上のプランジャ
構成部材から成るプランジャを備えた多段油圧緩衝装置
においても、各段毎にオリフィス効果を発揮させること
ができる。
【0074】尚、上記実施の形態1乃至4では、各段プ
ランジャ構成部材を一体的に仮固定する一体化手段とし
て、油圧回路や施錠装置及び解除手段を用いて構成した
が、これに限定されるものではなく、電磁石等を用いて
適宜構成してもよい。又、本発明に係る多段油圧緩衝装
置は、エレベータ用に限らず、広く他の用途に用いるこ
とができる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、プランジャを構成する
各プランジャ構成部材の軸方向の長さとベースシリンダ
の軸方向長さとを略等しくすることができるので、装置
全体の長さ(高さ)が短くなり、装置を小型化すること
ができる。又、これにより、従来に比べて昇降路の床部
を浅くすることができるので、昇降路の構築コストを低
減させることができる。
【0076】又、本発明によれば、一体化手段を用い
て、プランジャを構成する各段のプランジャ構成部材を
各々独立させて、各段のプランジャ構成部材を独自にオ
リフィス制御機能を備えた構成としたので、各段の減速
動きが簡単となり、所望のオリフィス効果を発揮させる
ように設計することが容易となって、プランジャを構成
する各段のプランジャ構成部材毎のオリフィスを制御し
易く、緩衝効率に優れ、設計し易い、小型の多段油圧緩
衝装置を提供することができる。
【0077】又、本発明によれば、異常発生による作動
後に自動復帰することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の多段油圧緩衝装置の縦断面図
である。
【図2】 実施の形態1のプランジャの一段目の進入状
態を示す縦断面図である。
【図3】 実施の形態1のプランジャの二段目の進入状
態を示す縦断面図である。
【図4】 実施の形態2の多段油圧緩衝装置の縦断面図
である。
【図5】 実施の形態2のプランジャの一段目の進入状
態を示す縦断面図である。
【図6】 実施の形態2のプランジャの二段目の進入状
態を示す縦断面図である。
【図7】 実施の形態3の多段油圧緩衝装置の縦断面図
である。
【図8】 内筒作動油タンクの内周面の斜視図である。
【図9】 実施の形態3のプランジャの一段目の進入状
態を示す縦断面図である。
【図10】 実施の形態3のプランジャの二段目の進入
状態を示す縦断面図である。
【図11】 実施の形態4の多段油圧緩衝装置の縦断面
図である。
【図12】 従来の多段油圧緩衝装置の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ベースシリンダ、2 作動油、4 油圧制御棒、5
弾性部材(支承手段)、10 第1の筒状プランジャ
構成部材(筒状プランジャ構成部材)、11筒状作動油
タンク(内)、12 筒状作動油タンク、13 軸芯空
間(第1の筒状プランジャ構成部材)、16 油圧制御
孔、20 第2の筒状プランジャ構成部材(筒状プラン
ジャ構成部材)、21 胴周部、22 筒状作動油タン
ク、23 軸芯空間(第2の筒状プランジャ構成部材)
30 一体化手段(油圧回路)、31 開閉弁、32
軸方向配列連通孔(常開連通孔)、33 周方向配列連
通孔(連通孔)、34 連通孔開閉手段、35 作動油
通路(常開油路手段)、40 一体化手段(施錠装
置)、41 施錠装置、49 解錠装置、53 環状空
間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 誠治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3F304 DA62

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油が充填されたベースシリンダと、
    当該ベースシリンダに進入する順次小径に形成されて軸
    方向に摺動可能に嵌合された複数の筒状プランジャ構成
    部材からなるプランジャとを備えた多段油圧緩衝装置に
    おいて、 前記各筒状プランジャ構成部材は、先ずベースシリンダ
    に最大径の筒状プランジャ構成部材が進入し、以下、先
    に進入した筒状プランジャ構成部材に次の筒状プランジ
    ャ構成部材が順に進入し、各筒状プランジャ構成部材が
    進入する度に作動油の油圧抵抗を受けるように、隣合う
    筒状プランジャ構成部材を互いに摺動不能に仮に固定す
    ると共に、仮固定された一方の筒状プランジャ構成部材
    が進入すると仮固定が解除される一体化手段を備えたこ
    とを特徴とする多段油圧緩衝装置。
  2. 【請求項2】 一体化手段は、隣合う筒状プランジャ構
    成部材の摺動を阻止する施錠装置であり、一体化された
    一方の筒状プランジャ構成部材が進入すると解除手段に
    接触して解除されることを特徴とする請求項1に記載の
    多段油圧緩衝装置。
  3. 【請求項3】 筒状プランジャ構成部材は、隣合う筒状
    プランジャ構成部材を仮に固定化する一体化手段を備
    え、各一体化手段は、作動油の油圧回路で構成されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の多段油圧緩衝装置。
  4. 【請求項4】 各筒状プランジャ構成部材は、筒の胴周
    部が筒状作動油タンクであり、先に進入するプランジャ
    構成部材の筒状作動油タンクに次の相似的に小型のプラ
    ンジャ構成部材の筒状作動油タンクを順に進入させるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    多段油圧緩衝装置。
  5. 【請求項5】 最後に進入する筒状プランジャ構成部材
    は、胴周部に筒状作動油タンクを有しないことを特徴と
    する請求項1乃至請求項4の何れかに記載の多段油圧緩
    衝装置。
  6. 【請求項6】 上部から下部に向って次第に径が拡大さ
    れた油圧制御棒を軸芯に有すると共に作動油が充填され
    た上端開放で有底のベースシリンダと、 前記ベースシリンダの上端開放側から当該ベースシリン
    ダの軸方向に摺動可能に浅く嵌合され、深く進入する際
    に前記油圧制御棒が相対的に侵入する油圧制御孔を底に
    有すると共に、内周面に沿って内径方向に二重に設けら
    れ作動油が充填された内外二つの筒状作動油タンクと上
    端開放の軸芯空間とを同軸的に有する第1の筒状プラン
    ジャ構成部材、及び当該第1の筒状プランジャ構成部材
    の上端開放側から当該第1の筒状プランジャ構成部材の
    外筒状作動油タンクに摺動可能に浅く嵌合された胴周部
    を有する上端閉鎖の第2の筒状プランジャ構成部材とを
    備えたプランジャと、 前記ベースシリンダの作動油が充填された内部と第1の
    筒状プランジャ構成部材の外筒状作動油タンクとを連通
    可能に閉鎖する開閉弁と、当該第1の筒状プランジャ構
    成部材の外筒状作動油タンクと内筒状作動油タンクとを
    仕切る隔壁に軸方向にわたって適当間隔を置いて開設さ
    れた常開連通孔と、当該第1の筒状プランジャ構成部材
    の外筒状作動油タンクと軸芯空間とを仕切る隔壁に周方
    向に適当間隔をおいて開設された連通孔と、当該連通孔
    を非常時には閉鎖する位置にあって当該第1の筒状プラ
    ンジャ構成部材の軸芯空間の軸方向に摺動可能に配設さ
    れた連通孔開閉手段とから成り、 前記内外の筒状作動油タンクに作動油が封入された状態
    で第1と第2の筒状プランジャ構成部材を互いに摺動不
    能に仮に固定する一体化手段と、 前記連通孔開閉手段によって軸方向に隔てられた第1の
    筒状プランジャ構成部材の軸芯空間と第2の筒状プラン
    ジャ構成部材の軸芯空間とを常時連通させる常開油路手
    段と、 常時には第2の筒状プランジャ構成部材をベースシリン
    ダに浅い嵌合状態に支える支承手段とを備えたことを特
    徴とする多段油圧緩衝装置。
  7. 【請求項7】 上部から下部に向って次第に径が拡大さ
    れた油圧制御棒を軸芯に有すると共に作動油が充填され
    た上端開放で有底のベースシリンダと、 前記ベースシリンダの上端開放側から当該ベースシリン
    ダの軸方向に摺動可能に浅く嵌合され、深く進入する際
    に前記油圧制御棒が相対的に侵入する油圧制御孔を底に
    有すると共に、胴周部に設けられた作動油が充填されて
    いない筒状作動油タンクと上端開放の軸芯空間とを同軸
    的に有する第1の筒状プランジャ構成部材、及び当該第
    1の筒状プランジャ構成部材の上端開放側から当該第1
    の筒状プランジャ構成部材の筒状作動油タンクに摺動可
    能に浅く嵌合された胴周部を有する上端閉鎖の第2の筒
    状プランジャ構成部材とを備えたプランジャと、 非常時には第2の筒状プランジャ構成部材に第1の筒状
    プランジャ構成部材を浅い嵌合状態で仮に固定する一体
    化手段と、 常時には第2の筒状プランジャ構成部材をベースシリン
    ダに浅い嵌合状態に支える支承手段と、 非常時に、第1の筒状プランジャ構成部材がベースシリ
    ンダに進入していく際に、ベースシリンダから第1の筒
    状プランジャ構成部材の軸芯空間に流入した作動油を当
    該第1の筒状プランジャ構成部材の筒状作動油タンクに
    流入させるため当該筒状作動油タンクに筒体の軸方向に
    適当数設けられた常開連通孔と、 第2の筒状プランジャ構成部材が第1の筒状プランジャ
    構成部材に進入した際に、前記一体化手段による第1の
    筒状プランジャ構成部材と第2の筒状プランジャ構成部
    材との仮固定を解除する解除手段とを備えたことを特徴
    とする多段油圧緩衝装置。
  8. 【請求項8】 筒壁を貫通する多数の連通孔が設けられ
    た油圧制御筒を軸芯に同軸で有すると共に作動油が充填
    された上端部開放で有底のベースシリンダと、 前記ベースシリンダの上端部側から当該ベースシリンダ
    の内周面と前記油圧制御筒との間の環状空間に摺動可能
    に浅く嵌合され、深く進入する際に前記油圧制御筒の外
    周面に摺接して、油圧制御筒の多数の貫通孔の一部を塞
    ぎ他を開通状態のままとする摺接壁面を有する作動油が
    充填されていない上端部開放の筒状作動油タンクを胴周
    部として有する第1の筒状プランジャ構成部材、及び前
    記第1の筒状プランジャ構成部材の上端部側から筒状作
    動油タンクに摺動可能に浅く嵌合された胴周部を有する
    第2の筒状プランジャ構成部材とを備えたプランジャ
    と、 常時には第2の筒状プランジャ構成部材に第1の筒状プ
    ランジャ構成部材を浅い嵌合状態で仮固定する一体化手
    段と、 常時には第2の筒状プランジャ構成部材をベースシリン
    ダに浅い嵌合状態に支える支承手段と、 第2の筒状プランジャ構成部材が第1の筒状プランジャ
    構成部材に進入した際に、前記一体化手段による第1の
    筒状プランジャ構成部材と第2の筒状プランジャ構成部
    材との仮固定を解除する解除手段とを備えたことを特徴
    とする多段油圧緩衝装置。
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