JP2003143894A - 同期電動機の磁極位置推定方法および電動機制御装置および電気車 - Google Patents

同期電動機の磁極位置推定方法および電動機制御装置および電気車

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精度に磁極位置を推定する同期電動機の磁極
位置推定手段を提供する。 【解決手段】磁極位置推定手段8は、交流電流指令id1*
に対応した電力を、停止している同期電動機1の回転座
標d軸方向に、電流制御部3a及び3相変換部6aや電
力変換器7を介して印加し、電流検出器4とdq変換部
5aとを介して帰還検出した「 交流電流指令id1*によっ
て発生する回転座標q軸方向の電流iq'の振幅値」を用い
て、 磁極位置推定値θ^の収斂演算を実行し、 収斂し
た磁極位置推定値θ^を同期電動機の磁極位置θの真値
として推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同期電動機の磁極
位置を推定する磁極位置推定方法および手段に係り、該
磁極位置推定手段を用いて主に起動時の同期電動機を制
御する電動機制御装置および電気車に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、同期電動機の制御では、同期電動
機に印加する交流電圧の位相が現在の回転子の磁極位置
により決定されるので、回転子の正確な磁極位置の検出
が必要となる。回転中は速度検出用の回転パルス発生手
段すなわちエンコーダ等の出力信号により検出可能であ
るが、起動時はエンコーダの出力信号を用いることがで
きない。したがって、起動時の磁極位置検出においては
専用の磁極位置検出器を設けて、その検出値により電圧
指令の位相を決定している。
【0003】この磁極位置検出器は 通常U,V,W相3つ
の磁極位置検出器から構成されており、各相の信号の組
み合わせにより磁極位置を検出するので、+30°〜−30
°の範囲のバラツキ誤差が含まれる。特に、電動機制御
装置の中でも、電気車に用いられる制御装置において
は、該検出器を用いることによるコストアップの問題が
あり、更に、起動時に上記バラツキ誤差の影響で所要の
トルクが確保されない虞れがあり、急な坂道などで起動
する場合の制御に、また、磁極位置検出器自体が故障し
た場合の制御などに問題がある。そこで、専用の検出器
を用いずに磁極位置を推定する方法が上記のような問題
に対して有効な解決方法と考えられる。
【0004】そして、同期電動機の磁極位置センサレス
制御の従来技術として、特開平7―245981号公報
に開示されたものがある。本号公報によれば、突極性を
有する同期電動機に印加している交番電圧ベクトルに対
し、平行成分および直交成分の電流ベクトルを検出し、
各成分のうち少なくとも一方から印加ベクトルと磁束軸
との相差角を演算し、得られた相差角から磁極位置を推
定するものであると記載されている。この技術では磁束
軸に交番電圧を印加するので、電動機にトルクを発生さ
せることなく磁極位置を推定できる。
【0005】また、平成7年電気学会産業応用部門全国
大会において発表された文献No.180「 電流ベクトル軌跡
を用いたPMモータの位置センサレス界磁極検出法にお
ける推定精度の評価」によれば、 モータの停止時に逆突
極性をもつ同期電動機に交流電圧を印加すると静止座標
αβ軸電流のベクトル軌跡は磁束軸すなわちd軸方向に
膨らむ楕円になるので、その長軸方向を求め周波数に基
づき補正を加えることにより磁極位置を検出できると記
載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、次の点に問題があった。即ち、特開平7―
245981号公報記載の技術においては、駆動装置側
で設定した回転座標のdq軸に電圧ベクトルを印加し
て、それによって流れる電動機電流を検出し界磁極位置
を演算しているが、その際に用いている演算式は同期電
動機の電圧・電流方程式に基づいている。従って、この
電圧・電流方程式がdq軸電流id,iqの変化によって変
動するdq軸インダクタンスLd,Lqを含んでいることを
考慮すると、パラメータ誤差によって生じる検出精度の
低下がある。
【0007】また、前述の文献に記載されている技術で
は、検出値はd軸とq軸のインピーダンスの位相差分だ
け実際値とずれているために補正が必要とされている。
この補正量を求める演算式にもインダクタンスLd,Lqを
含んでおり、先で述べたようにインダクタンスLd,Lqは
電流id,iqの変化によって変動するものなので、検出精
度はパラメータ誤差に左右されることになる。
【0008】一方、磁極位置検出器による検出方法も捨
てがたくこの方法の改善も課題として残っている。特
に、電気車の走行駆動用の電動機に、リラクタンストル
クが利用できる逆突極性を有する同期電動機を採用する
ことが多く、逆突極性型の同期電動機の高精度な磁極位
置検出が必要とされている。加えて、磁極位置検出器に
対する信頼性やコストの問題は、同期電動機を制御する
電気車用制御装置、即ち電気車にとって大きな課題とな
っている。
【0009】従って本発明の目的は、高精度に磁極位置
を推定する同期電動機の磁極位置推定方法を提供するこ
とにある。また、他の目的は、磁極位置推定手段を用い
た低価格で高信頼性の電動機制御装置および電気車を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する同期
電動機の磁極位置推定方法の特徴は、交流電流信号を同
期電動機の回転座標d軸方向に印加し、該印加によって
発生する回転座標q軸方向の帰還電流信号から前記磁極
位置推定値の収斂演算を実行して、当該同期電動機の磁
極位置を推定することにある。
【0011】また、他の特徴は、同期電動機に、回転座
標d軸,q軸双方のインピーダンスのリアクタンス成分
が抵抗成分の所定倍数以上とする範囲の角周波数の交流
電圧指令を印加し、該交流電圧指令によって流れる電動
機電流と、前記同期電動機の磁極位置極性とから演算し
て、当該同期電動機の磁極位置を推定する点にある。
【0012】そして上記他の目的は、磁極位置を推定す
る磁極位置推定手段が出力した磁極位置推定値を用い
て、同期電動機を制御する電動機制御装置において、前
記磁極位置推定手段は、交流電流信号を同期電動機の回
転座標d軸方向に印加し、その印加によって発生する回
転座標q軸方向の帰還電流信号から前記磁極位置推定値
の収斂演算を実行して、前記磁極位置推定値を出力する
ことにより達成される。
【0013】また、前記磁極位置推定手段は、同期電動
機に、回転座標d軸,q軸双方のインピーダンスのリア
クタンス成分が抵抗成分の所定倍数以上とする範囲の角
周波数の交流電圧指令を印加し、該交流電圧指令によっ
て流れる電動機電流と前記同期電動機の磁極位置極性と
から演算して、前記磁極位置推定値を出力することによ
っても達成される。
【0014】さらに、同期電動機と、該同期電動機に交
流電力を供給する電力変換器と、該電力変換器に対し交
流電圧指令を出力して前記同期電動機の制御を行う演算
手段と、前記同期電動機の回転位置を検出する回転パル
ス発生手段とを備えた電動機制御装置において、前記演
算手段は、前記同期電動機の磁極位置を推定する磁極位
置推定手段を備え、前記回転パルス発生手段から検出さ
れる磁極位置検出値と前記磁極位置推定手段により推定
される磁極位置推定値とを用いて、前記同期電動機の制
御を行うものであっても良い。
【0015】一方、上記目的を達成する電気車は、走行
駆動用の同期電動機を請求項3ないし請求項8のいずれ
か1項記載の電動機制御装置を用いて制御するものであ
る。本発明によれば、dq軸インダクタンスLd,Lqの因
子の影響などを消去しているので、高精度に磁極位置を
推定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。まず、磁極位置推定手段の
第1実施例について図1〜図2を参照し説明する。図1
は、本発明による一実施例の磁極位置推定手段を示す図
である。高精度な起動時の磁極位置推定手段を示す一例
である。図2は、同期電動機の回転座標dq軸と制御座
標d'q'軸との位相差を示す図である。
【0017】最初に、本発明による磁極位置推定の原理
について説明する。一般に、逆突極性(Ld<Lq)を有する
同期電動機の電圧方程式は(数1)式のように表される。
【0018】
【数1】
【0019】但し、vd,vq=dq軸電圧、id,iq=dq軸
電流、R=電機子巻線抵抗、Ld,Lq=dq軸インダクタン
ス、ω=電動機周波数、φa=界磁主磁束、p=微分演算子
である。また、停止状態ではω=0なので(数1)式は、
モータ周波数ω=0時の突極型同期電動機の電圧方程式で
ある(数2)式となる。
【0020】
【数2】
【0021】さらに、同期電動機の回転座標dq軸と制
御のための制御座標d'q'軸との間に、図2に示すよう
な位相誤差Δθが存在すると、d'q'軸電圧指令vd*,v
q*とd'q'軸電流検出値id',iq'との間の「 同期電動機
の回転座標dq軸と制御のための制御座標d'q'軸との
位相差を考慮した突極型同期電動機の電圧方程式 」は
(数3)式となる。
【0022】
【数3】
【0023】またさらに、電流制御を考慮してd'q'軸
電圧指令vd*,vq*を電流制御演算を示す行列式である
(数4)式で表して(数3)式に代入し変形すると、電流指
令id*,iq*から制御座標d'q'軸電流検出値id',iq'への
伝達関数は(数5)式の行列式で表わされる。
【0024】
【数4】
【0025】
【数5】
【0026】但し、kd,kqは電流制御ゲインである。
【0027】ここで、iq*=0としてid*のみに指令を与
えた場合には、d軸電流指令id*からq'軸電流検出値i
q'(以下、q'軸電流iq'またはiq'とも略称)への伝達関
数は(数5)式中の「G21のみ」となり、その伝達関数G21は
(数6)式のようになる。
【0028】
【数6】
【0029】(数6)式から判るように、同期電動機の回
転座標dq軸と制御座標d'q'軸との間に位相誤差Δθが
存在しなければ、q'軸電流iq'は発生しない。これに対
して位相誤差Δθが存在すれば、 iq*=0としてid*のみ
に指令を与えた場合でもiq'が発生する。従って、上記
原理を利用して、iq*=0としてid*のみに高周波の指令を
与え、それによって発生するiq'を零(≒0)になるよう
に、 即ち、Δθが零(≒0)になるように位相補正を行え
ば、位相誤差Δθ=0における位相を磁極位置として精度
よく推定することができる。この内容が示すように、イ
ンダクタンスLd,Lqに左右されずに磁極位置を推定する
から、パラメータ誤差によって生じる検出精度の低下は
回避される。
【0030】次に具体的な実施例について説明する。図
1に示した磁極位置推定手段8は、電流制御部3aとd
q変換部5aと3相変換部6aと磁極位置推定部8a
と、後述する磁極位置初期値を設定するための、「磁極
位置検出器15」または「軸及び極性判別部16」等の手
段を含み構成される。尚、軸及び極性判別部16は磁極
位置推定部8aの一部であっても可である。また、便宜
上、図1(及び後述の図3)に示す磁極位置推定手段8
は、同期電動機1を制御する電動機制御装置の一部を利
用した形で表わしており、即ち、電流制御部3aとdq
変換部5aと3相変換部6aは、後述する電動機制御装
置の演算手段の一部を兼用したものとして説明する。ま
た、電流検出器4や電力変換器7などは電動機制御装置
の一部あるいは電気車用制御装置の一部であり、磁極位
置検出器15は同期電動機1の一部、あるいは、別途設
定されているものとする。
【0031】図において、磁極位置推定手段8内の電流
制御部3aは、電流指令id*,iq*に電流検出器4から検
出された電動機電流I1をdq変換部5aにおいてdq変
換したid',iq'が追従するように、電圧指令vd*,vq*を
演算する。続いて、電圧指令vd*,vq*は、3相変換部6
aにおいて 3相交流電圧指令V1*に変換されて電力変換
器7に出力される。 同期電動機1は、電力変換器7か
ら印加される指令V1*に基づく交流電圧に対応したトル
クを発生する。
【0032】上記電動機制御装置の一部として表示した
磁極位置推定手段8にて、起動時の磁極位置推定を行う
に、まず、同期電動機の磁極位置推定値θ^の初期値(与
値=θ0)を設定する。θ0の設定については、後述す
る。 そして、磁極位置推定手段8内の磁極位置推定部
8aより停止状態の起動時(起動開始初期)に所定時間の
間だけ、推定用d軸電流指令id1*を電流制御部3aに出
力する。このときの推定用d軸電流指令id1*の一例は、
所定周波数を有する正弦波指令である。
【0033】そして、磁極位置推定部8aは、推定用d
軸電流指令id1*を印加して発生するq'軸電流iq'を電流
検出器4及びdq変換部5aを介して帰還入力する。こ
のとき、前述のように、磁極位置推定部8aで推定した
磁極位置推定値θ^(=θ0)と「実際の同期電動機1の磁
極位置θ」との間に位相誤差Δθ(=θ−θ^=θ−θ0)
が存在すれば、iq'≠0である。 万一、iq'≒0であれ
ば、Δθ=θ−θ0=0であり、θ=θ0となるので、
与えた初期値θ0が真値の同期電動機1の磁極位置θで
ある。
【0034】しかしながら一般にはiq'≠0である。 そ
こで、磁極位置推定部8aは、磁極位置推定値θ^(頭初
のθ^は初期値θ0)を補正して、iq'≒0、位相誤差Δ
θ≒0となるように、印加,帰還検出,演算等を繰り返
す。即ち、磁極位置推定部8aが、q'軸電流iq'が零
(零に近い所定値)に収斂するように、 磁極位置推定値
θ^を補正していけば、 位相誤差Δθが零に収斂したと
きの磁極位置推定値θ^を、真値の同期電動機1の磁極
位置θとして得ることができる。
【0035】換言すれば、停止している同期電動機に対
し、推定するための信号(例えば 前述の交流電流指令id
1*)をd軸に印加し、 該交流電流信号の印加によって同
期電動機に流れる「磁極位置推定値θ^と磁極位置θとの
位相誤差Δθを因子に含む式で表わされる」 q軸方向の
帰還電流信号から判定して該位相誤差Δθを零に近づけ
るという、 磁極位置推定値θ^の収斂演算を実行する構
成によって、モータ定数の設定誤差などに左右されない
高精度な当該同期電動機の磁極位置θを推定することが
できる。
【0036】そして、上記収斂演算に用いる初期値θ0
を与える(設定する)に2通りの方法が考えらる。 (1)1
つは、図1に示したような+30°〜−30°の範囲のバラ
ツキ誤差を有する磁極位置検出器15にて測定した測定
磁極位置を与える、 (2)もう一つは、磁極位置推定手段
が演算した磁極位置推定値θ^を与えるものである。と
ころで、磁極位置検出器15を設けない磁極位置センサ
レスの場合は、 (2)の方法の如く磁極位置推定値θ^を
初期値として与えるが、 (数6)式から判るように、磁
極位置推定値θ^の推定演算可能範囲が90°であるの
で、推定された値θ^についてd軸かq軸かの軸判別と
極性判別とをする必要がある。
【0037】そして、軸判別の一例は、同期電動機の逆
突極性を利用し、推定用d軸電流指令id1*によって流れ
るd'軸電流検出値id'の大きさから判別するものであ
る。この軸判別については良く知られている内容なの
で、詳細説明は省略する。他方の極性判別については後
述する。したがって、磁極位置検出器15が有る場合
は、軸判別と極性判別とをする必要がない測定磁極位置
を初期値(与値)とし、無い場合は、軸判別と極性判別と
を含む演算を行って、磁極位置推定値θ^を求めること
になる。
【0038】すなわち、本発明による磁極位置推定方法
及び手段の特徴は、電流制御部3aと3相変換部6aと
電力変換器7とを介して、停止している同期電動機1の
回転座標d軸方向に交流電流指令id1*に対応した電力を
印加し、該交流電流指令id1*によって発生し電流検出器
4とdq変換部5aとを介して帰還検出した回転座標q
軸方向の電流iq'の振幅値と、 別途求めて与える同期電
動機の磁極位置推定値θ^とを用いて収斂演算を実行
し、収斂した磁極位置推定値θ^を同期電動機の磁極位
置の真値として推定することにある。そして、初期値を
与える方法及び手段としては、磁極位置検出器15が検
出して与える、または、磁極位置推定部8aが演算して
与えるなどである。尚、本実施例で導入した(数1)式〜
(数6)式は、突極性または逆突極性を有する同期電動機
に適用されるが、他型式の同期電動機においても置換可
能な等価の収斂式が成立すれば本発明は適用可能であ
る。
【0039】次に、磁極位置推定手段の第2実施例につ
いて図3を参照して説明する。図3は、本発明による他
の実施例の磁極位置推定手段を示す図である。高精度な
起動時の磁極位置推定手段を示す他の例である。本第2
実施例の推定原理について説明する。まず、逆突極性(L
d<Lq)を有する同期電動機の電圧方程式は(数1)式のよ
うに表される。また、停止状態ではω=0なので(数1)式
は(数2)式となる。更に、停止状態の起動時(起動開始
初期)に、角周波数ω1の3相交流電圧( 静止座標軸で v
α=V1・sin(ω1・t)、vβ=V1・cos(ω1・t)とする交流
電圧指令)を、 所定時間の間だけ印加して、該交流電圧
指令によって流れる電動機電流について(数2)式を解く
と、モータ周波数ω=0時に3相交流電圧を印加したとき
の静止座標α軸電流iαは(数7)式で、 モータ周波数ω
=0時に3相交流電圧を印加したときの静止座標β軸電
流iβは、(数8)式でそれぞれ表わされる。
【0040】
【数7】
【0041】
【数8】
【0042】(数7)式と(数8)式より、 同期電動機は
逆突極性(Ld<Lq)を有するので、iαとiβは振幅が異な
る三角関数で表わされ、 iαとiβのベクトル軌跡をと
ればその軌跡は楕円になり、しかも、楕円の長軸方向は
磁極位置の方向(d軸方向)になることが判る。よって、
楕円の長軸方向を演算することにより、起動時の磁極位
置を推定し磁極位置推定値θ^を出力することができ
る。楕円の長軸方向を求める演算方法は、iαとiβの2
乗和の平方根で表わされるベクトルの大きさを演算し、
その最大値を求めればよい。そして、(数7)式と(数8)
式から判るように、θdとθqの位相差の分だけは、d軸
方向から長軸方向がずれることになる。従って、この長
軸方向のずれがあれば該ずれ分を補正しないと、正しく
磁極位置を推定することができないと言える。
【0043】しかしながら、この位相差は、 印加する
3相交流電圧の角周波数ω1によって決まり、角周波数
ω1が高くなるにつれて位相差は小さくなる。 よって、
演算手段2のサンプリングタイムを考慮に入れ、 印加
する3相交流電圧の角周波数ω1をなるべく高く設定す
れば、位相差が小さくなりずれ分の補正を省略すること
ができる、 換言すれば、角周波数ω1高くしてベクトル
演算した楕円の長軸方向を真値の同期電動機1の磁極位
置θとして得ることができると言える。また、インダク
タンスLd,Lqに左右されずに磁極位置を推定する内容で
あるから、パラメータ誤差によって生じる検出精度の低
下は回避される。
【0044】例えば、印加する3相交流電圧の角周波数
ω1を、 d軸,q軸双方のインピーダンスのリアクタン
ス成分(ω1Ldおよびω1Lq)が、抵抗成分(R=電機子巻線
抵抗)の5倍以上となるような値に設定すれば、ずれ分
はほぼ5°以下となり、従来技術の最大±30°に比べれ
ば1/6以下となり、高精度な推定が行えると言える。
ただし、Ld,Lq,Rは、同期電動機の特性値であり、与
値とする。
【0045】ところで、角周波数ω1は 高ければ高いほ
どリアクタンス成分と抵抗成分との比は大きくなり、
リアクタンス成分と抵抗成分の比のtan−1から求まる
θdとθqとが小さくなるので、位相差、即ちずれ分も小
さくなり、精度向上に繋がるが、演算手段2のサンプリ
ングタイムを考慮に入れると、70倍以下が実用的で望
ましいと言える。即ち、印加する交流電圧指令や電動機
電流の位相の演算を演算手段等で行う場合、演算手段等
の演算周期は演算手段等のサンプリングタイムから決ま
り、例えば、サンプリングタイムが100(μs)とすれば、
約10個のサンプリング数に相当する角周波数ω1は、1
(kHz)位となり、d軸,q軸双方のインピーダンスの
リアクタンス成分が抵抗成分の約70倍となる。従っ
て、敢えて上限を決めるとすれば、この倍数近辺の範囲
にあると言える。
【0046】次に具体的な実施例について説明する。図
3に示した磁極位置推定手段8は、電流制御部3aとd
q変換部5aと3相変換部6aと磁極位置推定部8a
と、後述する長軸方向を特定するための 「磁極位置検出
器15」または「極性判別部16a」とを含み構成され
る。 尚、極性判別部16aは磁極位置推定部8aの一
部であっても可である。
【0047】図3に示すように、まず、同期電動機1の
起動時において、磁極位置推定部8aは、 磁極位置推
定用の3相交流電圧指令V2*を電力変換器7に対して印
加し、それによって流れる電動機電流I1を入力する。
ここで、3相交流電圧指令V2*の角周波数ω1は、 d
軸,q軸のインピーダンスのリアクタンス成分が抵抗成
分の所定倍数以上とする範囲の角周波数である。尚、所
定倍数以上とする範囲は、使途によっては、3倍以上で
あっても、120倍以下であっても実用範囲となる場合
があり限定されるものではなく置換可能である。従っ
て、前述の5倍以上の範囲、または、5倍以上〜70倍
以下の範囲は、望ましい範囲である。
【0048】そして、磁極位置推定部8aは、 上記の
原理に基づき、 静止座標αβ軸電流iα,iβのベクト
ル軌跡の長軸方向を特定し、特定した長軸方向から前述
のベクトル演算して求めた位相としての磁極位置推定値
θ^を、真値の同期電動機1の磁極位置θとするもので
ある。
【0049】ところで、本第2実施例では、静止座標α
β軸電流iα,iβのベクトル軌跡の長軸方向を磁極位置
としているので、第1実施例の如き軸判別は不要である
が、長軸方向が2方向あるので、どちらの長軸方向の磁
極位置であるかを特定するための極性判別が必要であ
り、磁極位置極性(与値)が与えられる。そして、本第2
実施例においては、 (1)1つは、図3に示したような磁
極位置検出器15から得られる測定磁極位置に含まれて
いる極性から磁極位置極性を与える、 (2)他は、極性判
別部16aの極性判別を与えるの2通りの方法が考えら
る。 該極性判別についても後述する。
【0050】すなわち、本発明による磁極位置推定方法
及び手段の他の特徴は、停止している同期電動機に、回
転座標d軸,q軸双方のインピーダンスのリアクタンス
成分が抵抗成分の所定倍数以上とする範囲( 望ましく
は、5倍以上、または、5倍以上〜70倍以下の範囲)
の角周波数の交流電圧指令を印加し、 該交流電圧指令
によって流れる電動機電流と、同期電動機の磁極位置極
性(与値)とから演算して、当該同期電動機の磁極位置を
推定することにある。
【0051】以上のように、本実施例では推定用の電圧
指令を高周波にしているので、モータ定数の設定誤差な
どに推定精度が左右されない高精度な磁極位置推定を実
現することができる。また、本実施例においても主に適
用される同期電動機は突極性または逆突極性を有する同
期電動機であるが、他型式の同期電動機においても置換
可能なベクトル演算式が成立すれば、本発明は適用可能
である。
【0052】次に、上記磁極位置推定手段を用いた電動
機制御装置の実施例について説明する。図4は、本発明
による一実施例の電動機制御装置を示す図である。磁極
位置検出器15を不要とする磁極位置推定手段を採用
し、起動時の磁極位置推定と回転時の磁極位置検出とを
実行する電動機制御装置の構成を示している。図4に示
す 電動機制御装置は、 演算手段2と電流検出器4と回
転等検出手段10とを含み構成される。そして、演算手
段2は、電流制御部3とdq変換部5と3相変換部6と
磁極位置推定手段8とトルク制御部9と速度演算手段1
1と磁極位置演算部12と位相切換部13と含み構成さ
れる。尚、磁極位置推定手段8は、前述の軸及び極性判
別部16や極性判別部16aなどを含むものとする。
【0053】上記構成の動作は、演算手段2内のトルク
制御部9において、 トルク指令τ*と回転等検出手段1
0からの出力信号encの入力により 速度演算手段11が
演算したモータ回転速度ωmとを入力し、 現動作点にお
ける最適な回転座標dq軸電流指令id*,iq*を演算す
る。続いて電流制御部3において、電流指令id*,iq*に
電流検出値id',iq'が追従するように回転座標dq軸電
圧指令vd*,vq*を演算する。さらに 電圧指令vd*,vq*
に基づいて3相交流電圧指令V1*を演算し、電力変換器
7より電圧指令V1*通りの交流電圧を同期電動機1に印
加する。 それに応じて同期電動機1はトルク指令τ*通
りのトルクを発生する。 この時、電流検出器4により
検出された電動機電流I1から電流検出値id',iq'を演算
するdq変換部5と、 電圧指令vd*,vq*から3相交流
電圧指令V1*を演算する3相変換部6とには、該演算に
現在の回転子の磁極位置θが必要である。
【0054】本実施例では、演算手段2内に先に説明し
た磁極位置推定手段8を設け、起動時には、磁極位置推
定手段8によって得られる磁極位置推定値θ^を、現在
の回転子の磁極位置θとして制御に用いる。また、回転
時には、磁極位置演算部12において、 回転等検出手
段10からの信号encを入力して演算する磁極位置演算
値θencを、 現在の回転子の磁極位置θとして制御に用
いるものである。このときの起動時と回転時の磁極位置
としての位相の切り換えは、位相切換部13で行うもの
とする。
【0055】以上のように、起動時に磁極位置推定手段
8により得られた磁極位置推定値と回転時の磁極位置を
検出する手段から得られた磁極位置演算値とを、電動機
の制御に用いることによって、電動機制御装置に専用の
磁極位置検出器が不要となって、構成が簡素化されてコ
スト低減ができ、かつ信頼性を向上させることができ
る。さらに、従来技術の磁極位置検出器が有する起動時
の最大磁極検出誤差30°を大幅に低減することができ
る。尚、本実施例に用いる磁極位置推定手段8は、前述
の実施例の磁極位置推定手段のどちらでも良い。
【0056】次に、磁極位置検出器を用いない場合の電
動機制御装置の回転時の位相補正について説明する。図
5は、本発明による他の実施例の電動機制御装置を示す
図である。図6は、図5の回転パルス発生手段が出力す
るパルスZencの波形を示す図である。本実施例の電動機
制御装置の構成は、図4の実施例の構成に、Z相パルス
としてのパルスZencを出力するZ相パルス発生手段を回
転パルス発生手段10aに設け、該パルスZencを用いて
磁極位置推定手段8が回転時の位相補正を実行するもの
である。なお、回転パルス発生手段が一般に用いられて
いるエンコーダであれば、回転パルス発生手段としての
エンコーダ自体がZ相パルス発生手段を兼用することが
でき、構成の簡素化に繋がる。
【0057】図5において、回転時においては、磁極位
置演算部12によって、回転パルス発生手段10aから
の信号encをカウントして相対的な位相は検出できる
が、 磁極位置検出器などと言った直接的に磁極位置を
検出する専用検出器を用いない場合は、現時点の技術で
は、回転パルス発生手段としてのエンコーダからは絶対
的な位相は検出することができない。そこで、絶対的な
位相を検出するための補正が必要となる。図5に示す回
転パルス発生手段10aは、モータの回転が1回転する
毎にパルスZencを出力するZ相パルス発生手段を備える
ものである。このパルスZencは、モータの1回転毎にパ
ルスの立ち上りが1回生じる波形を有する、図6に示す
ようなZ相パルスである。
【0058】図6において、磁極位置推定手段8は、同
期電動機1が停止している起動時に推定した磁極位置推
定値θ^と、同期電動機1が回転して入力してきたパル
スZencの立ち上りとを基にして、 パルスZencの立ち上
り(θ1の位置)が発生するまでの位相差dθを計測する。
位相差dθが計測できれば、パルスZencの立ち上りが発
生したときの回転位相θ1の位置(同期電動機1の回転時
の磁極位置を特定するための基準位相θ1の位置)が特定
される。そして、磁極位置演算部12は該回転位相θ1
の位置を基準として、磁極位置演算部12が演算した磁
極位置演算値θencを補正するものである。
【0059】換言すれば、磁極位置推定手段8は、同期
電動機1の1回転する毎に発するZ相パルスとしてのパ
ルスZencの立ち上り(θ1)を入力し、該Z相パルス(の立
ち上り)と磁極位置推定値θ^とを基にして、回転時の
磁極位置を特定するための「基準位相としての回転位相
θ1」を出力し、磁極位置演算部12は、入力した回転位
相θ1を基準位置として、磁極位置演算値θencを補正す
ることにより、磁極位置検出器を用いることなく回転時
の現在の回転子の磁極位置θを特定することができる。
なお、立ち上りの代わりにパルスの立ち下がりの置換は
可能である。さらに、Z相パルスのパルス数は同期電動
機の1回転毎に極対数以内のパルス数であれば、回転時
の位相補正に適用できる。
【0060】次に、起動時の磁極位置推定値θ^の極性
判別について説明する。前述の磁極位置推定手段では、
360°の全範囲での推定は不可能である。 そこで、推定
した磁極位置の極性を判別することが必要である。以
下、磁極位置推定値θ^の極性を判別する軸及び極性判
別部16や極性判別部16aが有する極性判別手段につ
いて説明する。まず、回転パルス発生手段の出力信号を
用いた極性判別手段について説明する。図7は、 本発
明による一実施例の極性判別手段が利用するパルスPns
の波形を示す図である。同期電動機の電気角が「0°〜18
0°」と「180°〜360°」との間で反転するパルスPnsの波
形を示している。
【0061】図5に示す回転パルス発生手段10aに、
図7に示すような、反転する波形のパルスPnsを出力す
る反転パルス発生手段を設ける。そして、磁極位置推定
値θ^を演算する磁極位置推定手段8は、 該パルスPns
を入力しその状態、即ち、「0°〜180°」の範囲か「180°
〜360°」の範囲かの違いから、 「θ^」か「θ^+π」かの極
性を判別することができ、 360°の全範囲での推定が可
能となるものである。なお、前述のZ相パルス発生手段
は、反転パルス発生手段で代用できる。以上の説明が、
回転パルス発生手段10aを利用して、磁極位置推定手
段8が行う起動時の磁極位置推定値θ^の極性判別の内
容である。
【0062】尚、回転パルス発生手段10aに パルスP
nsを出力する反転パルス発生手段を設けることにより、
前述の回転時の磁極位置検出値θencの補正を、パルスP
nsが既に有している「電気角 0°もしくは180°」の位置
を利用して、 電気角である磁極位置検出値θencの補正
を行うことができるので、 前述のZ相パルス発生手段
の場合の機械角として得られるパルスZencを電気角へ変
換することが不要となる点で、本実施例の構成が簡素化
され、有利であると言える。
【0063】次に、同期電動機の磁気飽和特性を利用し
た他の実施例の極性判別手段について説明する。図8
は、同期電動機の磁気飽和特性を示す図である。図9
は、同期電動機のd軸インダクタンスの特性を示す図で
ある。図10は、本発明による他の実施例の極性判別手
段を示す図である。極性判別を行う場合の磁極位置推定
手段8に含まれた極性判別手段の構成を示している。
【0064】図8に示すように、同期電動機の磁気特性
は同期電動機の回転子が永久磁石による磁束を有してい
るために、回転座標系での磁束軸であるd軸の電流idが
零のときでも磁束が存在する。この磁気特性により、d
軸インダクタンスLdの特性は図9に示したようになる。
図9から判るように、電流idの正負の符号の違いにより
d軸インダクタンスLdの大きさが異なる領域(図9中斜
線の領域)が存在する。よって、図9の両斜線領域に対
応する電流idが流れるような 「所定バイアス成分を有す
る交流電圧」をd軸に印加すれば、電流idの正負、 即ち
極性の違いが、Ldの大きさとしての電動機電流I1の振幅
の大きさに現れるので、電動機電流I1の振幅の違いを計
測することにより、磁極位置の極性判別が可能となる。
【0065】図10を参照して、構成と動作について説
明する。磁極位置推定手段8内に設けられた極性判別手
段は、極性判別20と磁極位置推定演算21とを含み構
成される。本構成において、極性判別20より所定バイ
アス成分を有する交流電圧である極性判別用電圧指令vd
1*を、例えば図1に示す電流制御部3aに出力する。極
性判別20は、vd1*によって流れた電動機電流I1を入力
して、その振幅の大きさにより 磁極位置推定演算21
によって求められた磁極位置推定値θ^の極性を判別す
る。ここで、極性判別用電圧指令vd1*の周波数と振幅
は、極性の違いがI1の振幅の違いとして検出できるよう
に設定する。なお、図10では、図1に示す磁極位置推
定手段に上記極性判別手段を適用した例で説明している
が図3に示す磁極位置推定手段にも上記極性判別手段を
そのまま適用できる。
【0066】以上の説明が、突極性あるいは逆突極性を
有する同期電動機の起動時の磁極位置推定を高精度に行
う磁極位置推定手段の実施形態である。本磁極位置推定
手段を用いれば、磁極位置検出器を不要にすることがで
き、かつ高精度に起動時の磁極位置を検出することがで
きるので、 低コストでかつ高精度,高信頼性の電動機制
御装置を実現することができる。また、磁極位置検出器
を用いる場合であっても高精度に起動時の磁極位置を検
出することができる。そして、本電動機制御装置を突極
性あるいは逆突極性を有する同期電動機を用いた電気車
の電気車用制御装置に適用することができるので低コス
トでかつ高精度,高信頼性の電気車を提供することもで
きる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、磁極位置推定手段によ
り、高精度に同期電動機の起動時の磁極位置を推定する
ことができる。さらに、本磁極位置推定手段を用いるこ
とにより、磁極位置検出器を不要とすることができるの
で、低コストで高信頼性、高精度な電動機制御装置およ
び電気車用制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の磁極位置推定手段を示
す図である。
【図2】同期電動機の回転座標dq軸と制御座標d'q'
軸との位相差を示す図である。
【図3】本発明による他の実施例の磁極位置推定手段を
示す図である。
【図4】本発明による一実施例の電動機制御装置を示す
図である。
【図5】本発明による他の実施例の電動機制御装置を示
す図である。
【図6】図5の回転パルス発生手段が出力するパルスZe
ncの波形を示す図である。
【図7】本発明による一実施例の極性判別手段が利用す
るパルスPnsの波形を示す図である。
【図8】同期電動機の磁気飽和特性を示す図である。
【図9】同期電動機のd軸インダクタンスの特性を示す
図である。
【図10】本発明による他の実施例の極性判別手段を示
す図である。
【符号の説明】
1…同期電動機、2…演算手段、3,3a…電流制御
部、4…電流検出器、5,5a…dq変換部、6,6a
…3相変換部、7…電力変換器、8…磁極位置推定手
段、8a…磁極位置推定部、9…トルク制御部、10…
回転等検出手段、10a…回転パルス発生手段、11…
速度演算手段、12…磁極位置演算部、13…位相切換
部、15…磁極位置検出器、16…軸及び極性判別部、
16a…極性判別部、20…極性判別、21…磁極位置
推定演算。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月12日(2002.11.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高本 祐介 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 宮崎 泰三 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小原 三四郎 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 Fターム(参考) 5H560 AA08 BB04 DA07 DA14 DB07 DC12 EB01 EC01 HA03 RR10 XA02 XA08 XA13 5H576 AA01 BB10 DD05 EE01 FF01 FF03 GG04 GG07 HB02 JJ04 JJ06 LL06 LL22 LL41

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電流信号を同期電動機の回転座標d軸
    方向に印加し、該印加によって発生する回転座標q軸方
    向の帰還電流信号から前記磁極位置推定値の収斂演算を
    実行して、当該同期電動機の磁極位置を推定することを
    特徴とする同期電動機の磁極位置推定方法。
  2. 【請求項2】同期電動機に、回転座標d軸,q軸双方の
    インピーダンスのリアクタンス成分が抵抗成分の所定倍
    数以上とする範囲の角周波数の交流電圧指令を印加し、
    該交流電圧指令によって流れる電動機電流と、前記同期
    電動機の磁極位置極性とから演算して、当該同期電動機
    の磁極位置を推定することを特徴とする同期電動機の磁
    極位置推定方法。
  3. 【請求項3】磁極位置を推定する磁極位置推定手段が出
    力した磁極位置推定値を用いて、同期電動機を制御する
    電動機制御装置において、 前記磁極位置推定手段は、交流電流信号を同期電動機の
    回転座標d軸方向に印加し、その印加によって発生する
    回転座標q軸方向の帰還電流信号から前記磁極位置推定
    値の収斂演算を実行して、前記磁極位置推定値を出力す
    ることを特徴とする電動機制御装置。
  4. 【請求項4】磁極位置を推定する磁極位置推定手段が出
    力した磁極位置推定値を用いて、同期電動機を制御する
    電動機制御装置において、 前記磁極位置推定手段は、同期電動機に、回転座標d
    軸,q軸双方のインピーダンスのリアクタンス成分が抵
    抗成分の所定倍数以上とする範囲の角周波数の交流電圧
    指令を印加し、該交流電圧指令によって流れる電動機電
    流と前記同期電動機の磁極位置極性とから演算して、前
    記磁極位置推定値を出力することを特徴とする電動機制
    御装置。
  5. 【請求項5】請求項3または請求項4において、前記磁
    極位置推定手段は、前記同期電動機の電気角180°回転
    毎に波形が反転するパルスPnsの状態から判別して、前
    記磁極位置極性を与えることを特徴とする電動機制御装
    置。
  6. 【請求項6】請求項3または請求項4において、前記磁
    極位置推定手段は、前記同期電動機に対して、回転座標
    d軸方向に所定バイアス成分を有する交流電圧指令を印
    加し該交流電圧指令によって流れる電動機電流I1の振幅
    の大きさから判別して、前記磁極位置極性を与えること
    を特徴とする電動機制御装置。
  7. 【請求項7】同期電動機と、該同期電動機に交流電力を
    供給する電力変換器と、該電力変換器に対し交流電圧指
    令を出力して前記同期電動機の制御を行う演算手段と、
    前記同期電動機の回転位置を検出する回転パルス発生手
    段とを備えた電動機制御装置において、 前記演算手段は、前記同期電動機の磁極位置を推定する
    磁極位置推定手段を備え、前記回転パルス発生手段から
    検出される磁極位置検出値と、前記磁極位置推定手段に
    より推定される磁極位置推定値とを用いて、前記同期電
    動機の制御を行うことを特徴とするモータ制御装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記演算手段は、前記
    同期電動機が1回転する毎に1回ないし前記同期電動機
    の極対数回のパルスを発生するZ相パルスを入力し、該
    Z相パルスと前記磁極位置推定値とから得られる基準位
    相と、前記磁極位置検出値とを用いて、前記同期電動機
    の制御を行うことを特徴とするモータ制御装置。
  9. 【請求項9】走行駆動用の同期電動機を請求項3ないし
    請求項8のいずれか1項記載の電動機制御装置を用いて
    制御することを特徴とする電気車。
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