JP2003141609A - 店舗用入出金装置、店舗用入出金システム及び店舗用入出金管理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入金した金額を取出すことができ、また現金
回収業者により回収される現金を収納する収納部（金
庫）が満杯になり難く、店舗側の入金管理が便利であ
り、また現金回収業者の現金回収作業が容易となる店舗
用入出金装置、店舗用入出金システム及び店舗用入出金
管理方法を提供する。 【解決手段】 取出す可能性の有無が管理区分として指
定されて入金された現金をリサイクル収納部１２に収納
し、指定された管理区分に基づいて、入金された金額に
ついての金額データをカウンタ５により管理し、取出し
指示に基づいて、リサイクル収納部１２に収納された現
金を取出すと共に、取出された金額についての金額デー
タをカウンタ５により管理し、入出金操作パネル２０に
おいて入力された引渡の指示に基づいて、リサイクル収
納部１２に収納された現金の少なくとも一部をカセット
収納部１４に搬送し、収納する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、店舗に設置され、
店舗における売上金を入金し、また店舗における準備金
等を取出すことができる店舗用入出金装置、店舗用入出
金システム及び店舗用入出金管理方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より店舗用入出金装置として、例え
ば特開平９−１６６９１号公報が知られている。この公
報に開示されている店舗用入出金装置は、店舗に設置さ
れた入金装置と、入金処理を行うセンタとが通信回線を
介して接続され、入金機は店舗での売上の現金が投入
（入金）されると、現金の識別と計数を行う現金処理装
置と、計数された金額を記憶すると共に、通信回線を介
してセンタへ入金額と店舗の識別子を含む入金データを
送信する制御を行うデータ処理装置と、投入された現金
を収納する金庫とを備えている。センタでは入金データ
を受信すると、店舗の識別子に対応する銀行口座に対し
入金する処理を行って、入金機の現金を回収できるよう
構成されている。そして、このような装置によれば、店
舗の売上金を店舗側に設けた入金装置に投入するだけ
で、現金集配業務を行うセンタで入金データを得ること
ができると共に、入金機の現金を店舗側で扱うことなく
店舗側の銀行へ確実に振り込むことができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術においては、金庫に入金された現金につ
いては、契約されたセンタ（警備会社）が回収する業務
を担当する一方、店舗側では一度入金された現金を取出
すことができず、店舗の準備金としての現金は別途用意
しなければならない。このため、店舗側では、そのよう
な一度入金した現金を自由に管理することができないと
いう不便さがある。さらに、入金された現金は全て金庫
に収納されるため、小額面の金種の現金が頻繁に入金さ
れると金庫が直ぐに満杯になり、センタ側での入金され
た現金の取り扱いが不便であるという問題がある。

【０００４】なお、一度入金すると店舗側で取出すこと
ができないという、前者の問題に対して、本出願人は既
に、準備金等、入金後に取出す可能性の有る現金につい
ても同一の装置により管理することができるようにする
ために、店舗の準備金として現金を収納することができ
る入金後に取出し可能な現金の収納場所と、警備会社が
回収する現金を収納することができる入金後に取出し不
可能な現金の収納場所の二種類の現金収納場所を備えた
店舗用入出金装置を提案している（特願２０００−１１
３２４８号）。しかし、この装置における入金は、後で
取出し可能な現金の収納場所と取出し不可能な現金の収
納場所とのいずれに現金を収納するかについて、予め入
金時に指定して行わなければならず、この場合に取出し
不可能な現金の収納場所を指定して入金した場合には、
やはりその現金を取出すことはできず、そのような現金
について入金後に取出したい場合が生じても、最早その
現金を取出すことはできないという不便さが残ってい
る。また、このような装置によっても、金庫が直ぐに満
杯となり、センタ側での取り扱いが不便であるという、
上述した後者の問題は依然として解決されていない。

【０００５】本発明は、上述した事情に鑑みて成された
ものであり、入金した金額を取出すすることができ、ま
た現金回収業者により回収される現金を収納する収納部
（金庫）が満杯になり難く、店舗側の入金管理が便利で
あり、また現金回収業者の現金回収作業が容易となる店
舗用入出金装置、店舗用入出金システム及び店舗用入出
金管理方法を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、現金を入金するための入金手段と、前
記入金手段により入金される金額に対して、入金後に取
出しを行う可能性の有無を区分として指定する区分指定
手段と、前記区分指定手段により指定された区分に基づ
いて、前記入金手段により入金された金額についての金
額データを管理する第１管理手段と、前記入金手段によ
り入金された現金を、入金した操作者が取出し可能に収
納する第１収納部と、前記第１収納部に収納された現金
を所定の取出し指示に基づいて取出すための取出し手段
と、前記取出し手段により取出された金額についての金
額データを管理する第２管理手段と、現金を、入金した
操作者が取出し不能に収納する第２収納部と、前記第１
収納部に収納された現金の少なくとも一部を所定の搬送
指示に基づいて前記第２収納部に搬送する搬送手段とを
備えてなるものである。

【０００７】このような構成によれば、入金後に取出す
可能性の有無に拘わらず、入金された現金は取り敢えず
取出し可能な第１収納部に収納されるため、後で準備金
として取出すことができる。この場合、区分に基づく金
額データが第１管理手段により管理されると共に、取出
された金額についての金額データが第２管理手段により
管理されるため、店舗における入金、入金された現金の
取出しの管理が一つの装置によって行われ、従って、例
えば売上金、準備金の管理が容易となる。また、現金を
入金後取出し不能に収納する第２収納部は、搬送指示に
基づいて、第１収納部から搬送手段により搬送された現
金を収納するため、例えば、指示された金額に対して額
面の大きな金種で金額を構成して搬送することにより、
第２収納部（金庫）が従来のように、直ぐに満杯になっ
てしまうという不具合も解消し得る。

【０００８】なお、本発明の実施の形態において、入金
手段は入金口と入出金操作部と鑑別部と制御部により構
成され、区分指定手段は入出金操作部と制御部により構
成され、第１管理手段は制御部とカウンタにより構成さ
れ、第１収納部はリサイクル収納部により構成され、取
出し手段は出金口と入出金操作部と鑑別部と制御部によ
り構成され、第２管理手段は制御部とカウンタにより構
成され、第２収納部はカセット収納部により構成され、
搬送手段は制御部と鑑別部と搬送用の通路により構成さ
れる。また、所定の搬送指示は、入出金操作部により提
供される入出金操作パネルから行われる。

【０００９】また、本発明の店舗用入出金装置において
は、前記第１管理手段と前記第２管理手段とにおける管
理データと、前記搬送手段により搬送された金額データ
とに基づいて、前記第１収納部に収納されている金額
と、前記第２収納部に収納されている金額データを管理
する収納金額管理手段を備えていることを特徴とする。

【００１０】このような構成によれば、第１収納部に収
納されている現金と第２収納部に収納されている現金を
容易に把握でき、現金の管理及び取り扱いが極めて容易
に行い得る。なお、本発明の実施の形態においては、収
納金額管理手段は、制御部とカウンタにより構成され
る。

【００１１】また、本発明の店舗用入出金装置におい
て、前記搬送手段は、前記所定の搬送指示に基づいて前
記第２収納部に搬送されて収納される現金が最小構成枚
数となるように金種構成を選択する選択手段を備えるこ
とを特徴とする。

【００１２】このような構成によれば、第２収納部がス
ペース的に直ぐに満杯となるという不具合が解消でき、
現金回収業者の取り扱いが容易となる。なお、本発明の
実施の形態においては、選択手段は、制御部及び鑑別部
により構成される。

【００１３】なお、本発明の店舗用入出金装置におい
て、前記所定の搬送指示には、前記搬送手段が搬送する
金額に関する指示が含まれ、前記所定の搬送指示による
搬送金額は、前記第１管理手段により管理されている取
出す可能性が無いとして指定された区分に基づく金額デ
ータ、または入力操作により定められる金額データに基
づいて設定されることを特徴とすることができる。

【００１４】そして、このような構成によれば、搬送金
額が第１管理手段により管理される取出す可能性が無い
として指定された区分に基づく金額データに基づく場合
は、当初の予定に基づく金額がセンタ側に回収され、一
方、搬送金額が入力操作により定められる金額データに
基づく場合は、当初の予定と違えた金額をセンタ側に回
収してもらうことができ、店舗における現金の取り扱い
に柔軟性をもたせることができ、使用勝手に優れたもの
となる。

【００１５】また、本発明の店舗用入出金装置におい
て、前記取出し手段は、前記第１管理手段により管理さ
れている取出す可能性が有るとして指定された区分に基
づく金額データを越える現金について、前記第１収納部
に収納されている現金の金額範囲において取出すことが
できることを特徴とすることができる。

【００１６】このような構成によれば、当初の予定金額
を上回る現金の取出しを行うことも可能となり、やは
り、店舗における現金の取り扱いに柔軟性をもたせるこ
とができて、使用勝手に優れたものとなる。

【００１７】また、本発明の店舗用入出金装置におい
て、前記第１管理手段または前記第２管理手段により管
理される管理情報を外部装置との間で送受信する送受信
手段を備えることを特徴とすることもできる。

【００１８】このような構成によれば、遠隔地より管理
情報を知ることができ、利便性を高めることができる。

【００１９】また、本発明の店舗用入出金装置におい
て、前記第１収納部に収納された現金と前記第２収納部
に収納された現金を回収するための権限を異ならせて管
理する現金回収権限管理手段を備えたことを特徴とする
ことができる。

【００２０】このような構成によれば、現金を取出し可
能に収納する第１収納部と、現金を取出し不可能に収納
する第２収納部のセキュリティレベルを異ならせること
ができ、各収納部に応じたセキュリティ対策を設けるこ
とができる。なお、本発明の実施の形態において、現金
回収権限管理手段は、制御部により構成され、入出金操
作パネル或いは回収操作パネルから入力される操作者の
管理番号により権限をチェックし、権限のある管理番号
であれば、入出金処理或いは回収処理を継続することが
できる。

【００２１】また、本発明の店舗用入出金装置におい
て、外部より制御することを可能とする外部制御装置を
備えたことを特徴とすることができる。

【００２２】このような構成によれば、例えば外部から
の操作により入金指示や出金指示を行うことができ、使
用勝手に優れたものとなる。

【００２３】また、本発明は、現金集配業務を行うセン
タ側コンピュータと、店舗に設けられると共に、前記セ
ンタ側コンピュータと通信回線を介して接続される店舗
用入出金装置であって、現金を入金するための入金手段
と、前記入金手段により入金される金額に対して、入金
後に取出しを行う可能性の有無を区分として指定する区
分指定手段と、前記区分指定手段により指定された区分
に基づいて、前記入金手段により入金された金額につい
ての金額データを管理する第１管理手段と、前記入金手
段により入金された現金を、入金した操作者が取出し可
能に収納する第１収納部と、前記第１収納部に収納され
た現金を所定の取出し指示に基づいて取出すための取出
し手段と、前記取出し手段により取出された金額につい
ての金額データを管理する第２管理手段と、現金を、入
金した操作者が取出し不能に収納する第２収納部と、前
記第１収納部に収納された現金の少なくとも一部を所定
の搬送指示に基づいて前記第２収納部に搬送する搬送手
段とを備えてなる店舗用入出金装置とを備えてなる店舗
用入出金システムを提供する。

【００２４】このような構成によれば、センタ側と共
に、店舗における入出金管理が容易となる。また、セン
タでは、複数店舗の入出金情報を集約して管理すること
ができる。

【００２５】また、本発明は、店舗に設けられた店舗用
入出金装置にて現金を管理するようにした店舗用入出金
管理方法であって、入金後に取出しを行う可能性の有無
が区分として指定されて入金された現金を、入金した操
作者が取出し可能とされる第１収納部に収納するステッ
プと、前記指定された区分に基づいて、入金された金額
についての金額データを管理するステップと、取出し指
示に基づいて、前記第１収納部に収納された現金を取出
すと共に、取出された金額についての金額データを管理
するステップと、所定の搬送指示に基づいて、前記第１
収納部に収納された現金の少なくとも一部を、入金した
操作者が取出し不能とされる第２収納部に搬送し、前記
第２収納部に収納するステップとを備えてなることを特
徴とするものである。

【００２６】このような構成によれば、入金した金額を
取り出すことができ、また現金回収業者により回収され
る現金を収納する収納部（金庫）が満杯になり難く、も
って、店舗側の入金管理が便利であり、また現金回収業
者の現金回収作業が容易となる。

【００２７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、金
融機関送金対象であり通常出金されることのない店舗売
上金（以下売上金）及び金融機関送金対象外であり釣銭
等のための出金されることがある店舗準備金（以下準備
金）を区別して管理することが可能な店舗用入出金装置
を例にとる。具体的には売上金と準備金を区別するため
の管理区分を設け、これら管理区分毎のカウンタを備え
ておき、入金操作を行う場合に管理区分を指定すること
により区分毎の管理を可能とする。本実施の形態では管
理区分１を売上金、管理区分２を準備金として管理す
る。なお、本実施の形態においては、店舗の操作者が一
度入金した現金を取り出す動作を「出金」と呼称するこ
ととする。

【００２８】更に、本実施の形態は、出金可能な収納部
と出金不可能な収納部を設け、入金された売上金及び準
備金は一旦出金可能な収納部に収納されて出金処理に利
用され、出金することのない現金は所定の操作により出
金可能な収納部から出金不可能な収納部に搬送される。
出金不可能な収納部に収納された現金は、所定の時期に
警備会社により回収される。

【００２９】図１は、本実施の形態における店舗用入出
金装置を示すブロック図である。図において店舗用入出
金装置１は、現金の入出金の管理や収納処理やセキュリ
ティ管理を行う制御部２と、入出金操作を行うための入
出金操作部３と、店舗用入出金装置１内に収納された現
金の回収を行うための回収操作部４と、店舗用入出金装
置１における入出金状況及び収納状況を管理するカウン
タ５と、現金を入金するための入金口１０と、入出金さ
れる現金や店舗用入出金装置１内で搬送される現金の鑑
別を行う鑑別部１１とを備える。更に店舗用入出金装置
１は、入金された現金を出金可能として収納しておくリ
サイクル収納部１２と、リサイクル収納部１２に収納さ
れた現金を出金するための出金口１３と、入金された現
金を出金不能に収納しておくカセット収納部１４と、カ
セット収納部１４に備えられ、カセット収納部１４に収
納された現金を回収する際に開閉される前扉１５と、前
扉１５のロック制御を行うカセット収納部の前扉ロック
１６とから構成されてなる。

【００３０】なお、カウンタ５は、入金された売上金を
計数する売上金カウンタ（管理区分１カウンタ）６と、
入金された準備金を計数する準備金カウンタ（管理区分
２カウンタ）７と、リサイクル収納部１２に収納される
現金を計数するリサイクル収納部カウンタ８と、カセッ
ト収納部１４に収納される現金を計数するカセット収納
部カウンタ９の４つのカウンタから構成され、売上金と
準備金の金額、及びリサイクル収納部とカセット収納部
に収納された現金の金額が管理される。なお、図２に売
上金カウンタ（管理区分１カウンタ）６と準備金カウン
タ（管理区分２カウンタ）７の一例を示す。リサイクル
収納部カウンタ８と、カセット収納部カウンタ９は図示
しないが、常に在高管理データが格納されるものとす
る。

【００３１】まず、入金の際のオペレーションと、店舗
用入出金装置１内の処理について詳述する。一例として
売上金を１万５千円入金する場合を説明する。入金は入
出金操作部３の入金操作により入金口１０から行なわれ
る。図３は、入出金操作部３により提供される入出金操
作パネルの一例である。図における入出金操作パネル２
０は、入金のモードを選択するためのモードスイッチ２
１と、処理を確定するための確定スイッチ２２と、入力
操作を取消ための取り消しスイッチ２３の３つのスイッ
チを備え、更に、モードスイッチ２１により選択可能な
入出金操作のメニュー（モード）２４と、メニュー２４
のうちいずれが選択されているのかを示すため点灯する
ＬＥＤ部２５、入出金額や操作者のＩＤ等の管理番号を
入力するテンキー部２６と、操作ガイダンスや操作者に
より入力された金額等を表示するディスプレイ部２７と
を備えてなる。

【００３２】操作者は、図示される入出金操作パネル２
０のモードスイッチ２１を押下することによりモードを
選択する。ここでは、モードスイッチ２１を押下する毎
にメニュー２４における各モードの左部のＬＥＤ部２５
が順に点灯し、ＬＥＤ部２５が点灯している右部に示さ
れるモードが、現在選択されているモードとされる。従
って操作者はメニュー２４のうち選択したいモードのＬ
ＥＤ部２５が点灯するまでモードスイッチ２１を押下し
続ける。

【００３３】売上金を入金する場合には、「入金（売上
金）」のＬＥＤ部２５を点灯させ、確定スイッチ２２を
押下する。その後、制御部２は管理区分１についての入
金処理が行われるよう制御する。次に、ディスプレイ部
２７に操作者の管理番号を入力するようガイダンスが表
示される。管理番号は予め操作者毎に与えられたＩＤで
あり、管理番号によりセキュリティを維持する。操作者
は自分の管理番号をテンキー部２６により入力する。な
お、管理番号入力は、ＩＤカード等のシステムを利用し
てもよい。

【００３４】制御部２は入力された管理番号により入金
操作の資格の有無を判断する。資格が無いと判断された
場合には入金処理が中断される。資格が有ると判断され
た場合には、次に、入金モードがディスプレイ部２７に
表示される。例えば、（１）金額指定入金（金額を指定
して入金する）（２）全金額入金（入金口に投入された
全金額を入金する）という表示がされ、モードスイッチ
２１によりどちらかを選択し、確定スイッチ２２を押下
してモードを確定する。また、例えば入金額を１万５千
円、投入額を２万円として、５千円のお釣りが出金され
るようにする場合は（１）を選択すればよい。（１）の
場合には、操作者は入金金額をテンキー部２６により入
力し、確定スイッチ２２により金額を確定した後、入金
口１０に現金を投入する。

【００３５】入金された現金は、鑑別部１１により真贋
判定及び金種の分別を行なった上でリサイクル収納部１
２に収納される。鑑別部１１による金種分別データは制
御部に伝達され、例えば入金額が１万５千円、実際の投
入額が２万円である場合には、制御部２は鑑別部１１を
介して、既にリサイクル収納部１２に収納されている現
金のうち５千円分の現金をお釣りとして出金口１３から
出金する。このように（１）の場合には入金と出金が連
動されて処理されることとなる。入金処理終了後は、制
御部２により売上金カウンタ６及びリサイクル収納部カ
ウンタ８が１万５千円カウントアップされる。

【００３６】このように入金された売上金は、引渡処理
が行われるまでリサイクル収納部１２に収納されたまま
となる。リサイクル収納部１２には売上金及び準備金が
まとまって収納されることとなるが、上述した売上金カ
ウンタ６と準備金カウンタ７により金額データが管理さ
れるため、不都合が生じることはない。

【００３７】なお、準備金を入金する場合も、上述と同
様に「補充（準備金）」モードを選択し、同様に入金処
理する。

【００３８】次に引渡処理について詳述する。引渡処理
は出金されることが無い現金、すなわち売上金をカセッ
ト収納部１４に収納する処理であり、リサイクル収納部
１２に収納されている売上金のうち回収されるべき金額
を指定してカセット収納部１４に収納するようにする。
本実施の形態では、操作者が入出金操作パネル２０にて
任意のタイミングで引渡の指示をすることができる。

【００３９】具体的なオペレーション及び店舗用入出金
装置１での処理としては、まず、図３に示された入出金
操作パネル２０のモードスイッチ２１を押下することに
より「引渡」モードを選択する。次に上述と同様、操作
者の管理番号を入力した後、引渡モードがディスプレイ
部２７に表示される。以下に、引渡モードの一例を示
す。 （１）設定金額引渡モード：あらかじめ設定された金額
（又は金種、枚数）をリサイクル収納部からカセット収
納部に搬送する。 （２）全額引渡モード：リサイクル収納部に収納されて
いる売上金全額をリサイクル収納部からカセット収納部
に搬送する。 （３）紙幣全額引渡モード：リサイクル収納部の紙幣を
全てカセット収納部に搬送する。 （４）硬貨全額引渡モード：リサイクル収納部の硬貨を
全てカセット収納部に搬送する。

【００４０】そして、希望する引渡モードが表示される
までモードスイッチ２１を押し続け、表示されたところ
で確定スイッチ２２を押す。次に操作者の管理番号を入
力する。制御部２は入力された管理番号により引渡処理
の資格の有無を判断する。資格が無いと判断された場合
には、引渡処理が中断される。資格が有ると判断した場
合には、制御部２は、確定されたモードに応じて処理を
行う。例えば、（１）の場合には、操作者は引渡金額を
テンキー部２６により入力し、確定スイッチ２２で金額
を確定すると、入力された金額分が鑑別部１１により勘
定され、制御部２によりカセット収納部１４に搬送され
収納される。（２）の場合には、自動的にリサイクル収
納部１２における売上金全額がカセット収納部１４に搬
送され収納される。この際、制御部２は、搬送されて収
納される現金が最小構成枚数となるように金種構成を選
択するよう鑑別部１１を制御する。これにより、カセッ
ト収納部１４に収納する現金の容積を少なくすることが
できる。また、従来に比して小銭等がリサイクル収納部
１２に多く残留する確率が高くなり、釣銭等を出金する
場合には都合がよい。

【００４１】引渡処理後には、（１）の場合には、制御
部２により売上金カウンタ６及びリサイクル収納部カウ
ンタ８が引渡分マイナスされ、カセット収納部カウンタ
９は引渡分カウントアップされる。

【００４２】なお、本実施の形態において引渡金額は、
売上金額を超えても処理されうる。例えば、リサイクル
収納部１２に収納されている売上金が５０万円であり、
引渡金額を５５万円とした場合には、制御部２は、リサ
イクル収納部１２に収納されている売上金５０万円に準
備金５万円を加えて、カセット収納部１４に搬送する。
この場合、制御部２により売上金カウンタ６は５０万円
マイナスされ、準備金カウンタ７は５万円マイナスされ
る。また、リサイクル収納部カウンタ８は引渡分マイナ
スされ、カセット収納部カウンタ９は引渡分カウントア
ップされる。

【００４３】次に、釣銭出金処理（すなわち入金処理時
に連動して行われる出金処理）とは別に、リサイクル収
納部１２に収納されている準備金を出金する場合におけ
るオペレーションと店舗用入出金装置１の処理について
詳細に説明する。まず、モードスイッチ２１により「出
金」を選択し、確定スイッチ２２を押す。次に、操作者
の管理番号を入力する。制御部２は入力された管理番号
により出金操作の資格の有無を判断する。資格が有ると
判断された場合には、出金モードがディスプレイ部２７
に表示されるので、モードスイッチ２１により希望する
モードをディスプレイ部２７に表示させ、確定スイッチ
２２を押す。

【００４４】なお、出金モードの例を以下に示す。 （１）金額指定出金：金額を指定して出金する。 （２）全金額出金：リサイクル収納部の準備金の全金額
を出金する。

【００４５】（１）の場合には、操作者は出金金額をテ
ンキー部２６により入力し、確定スイッチ２２により金
額を確定する。制御部２は、入力された金額データに基
づいて鑑別部１１により現金を計数して、計数した現金
を出金口１３より出金する。（２）の場合には、準備金
全額を鑑別部１１で計数し、出金口１３より出金する。
出金後には、準備金カウンタ７及びリサイクル収納部カ
ウンタ８から出金金額を減算する。

【００４６】なお、上述では準備金が出金対象となって
いるが、売上金を出金対象とすることも可能である。そ
の場合には、出金時に減算を行うカウンタを売上金カウ
ンタに設定しておけばよい。

【００４７】更にまた、本実施の形態においては、入金
口１０、出金口１３、リサイクル収納部１２、カセット
収納部１４及び鑑別部１１のそれぞれの間には搬送用の
通路が設けられており、上述した入出金処理及び引渡処
理において現金を搬送する場合には該搬送用の通路が用
いられることとする（図示せず）。

【００４８】次に、カセット収納部１４から現金を回収
する処理について詳細に説明する。図４は回収操作部４
により提供される回収操作パネルの一例である。図にお
ける回収操作パネル３０は、回収指示を行う回収スイッ
チ３１と、処理を確定するための確定スイッチ３２と、
操作ガイダンス等を表示するディスプレイ部３３とを備
えてなる。また、ここではＩＤカードシステムを用い
て、操作者の回収権限の有無をチェックする。

【００４９】まず、操作者が回収操作パネル３０の回収
スイッチ３１を押す。次に、ＩＤカードリーダ（図示せ
ず）にてカセット収納部１４の現金を回収する権限を有
するカードを読み込ませ、確定スイッチ３２を押す。制
御部２は、権限をチェック後、問題が無ければ、カセッ
ト収納部１４の前扉のロック１６を解除し、ディスプレ
イ部３３に回収可能の表示を行う。また、権限を持たな
いＩＤカードが使用された場合は回収処理を即座に中断
する。

【００５０】操作者は、前扉１５を開けてカセット収納
部１４を引き出し、内部の現金を取り出す。回収後は、
カセット収納部１４を元に戻し、前扉１５を閉める。制
御部２は、カセット収納部１４内部に現金が残留してい
ないことをセンサ等（図示せず）にて確認した後に前扉
のロック１６をかける。

【００５１】なお、リサイクル収納部１２の現金の回収
については、前述の出金処理により行う。また、カセッ
ト収納部１４の現金を回収する権限と、リサイクル収納
部１２の現金を出金する権限をそれぞれ別の権限とすれ
ば、セキュリティが格段に向上する。

【００５２】上述した店舗用入出金装置１は、通常、警
備会社センタホストに通信回線を通じて接続され、該セ
ンタホストに対して各種管理データが送信され管理され
ることとなる。しかしながら、店舗内にて入出金データ
を管理する店舗ホストと店舗用入出金装置１とを通信手
段を介して接続することにより、店舗内にて入出金デー
タの管理を行うようにしてもよい。また、そのような場
合、警備会社のセンタホストに対しては店舗ホストより
金融機関への送金データを送信する機能を持たせること
も可能である。更に、店舗用入出金装置１に外部制御装
置を接続する通信手段を持たせれば、外部システムとの
データ連動が可能となる。図５は、そのような店舗用入
出金システムを示すブロック図である。

【００５３】図において、店舗４０には、店舗用入出金
装置１の入出金データ等を管理する店舗ホスト４１が備
えられ、LAN等で店舗用入出金装置１に接続されてい
る。更に、外部から店舗用入出金装置１を制御する外部
制御装置４２と、外部制御装置４２が有する通信機能を
用いて店舗用入出金装置１と接続された外部システム４
３が備えられている。また、通信回線４６を介して、店
舗ホスト４１から各種管理データが警備会社センタ４４
の警備会社センタホスト４５に送信され。警備会社にお
いても、入出金についての管理データが管理されてい
る。

【００５４】ここで、外部制御装置４２が、上述した入
出金操作パネル２０による操作の代わりに入出金制御を
行う場合の処理について詳述する。入金を行う場合に
は、まず、外部制御装置４２より店舗用入出金装置１に
対して入金コマンド電文を送信する。入金コマンド電文
は、例えば、操作者管理番号データ、入金金額データ、
管理区分コードから構成される。店舗用入出金装置１は
入金コマンド電文の受信すると、該入金コマンド電文に
基づいて、上述と同様に入金処理を行う。入金処理終了
後、店舗用入出金装置１は外部制御装置４２に対して処
理結果電文を送信する。処理結果電文は、例えば、実入
金金額データ、出金（釣銭出金金額等）金額データ、処
理日時データ、装置状態コードから構成される。このよ
うに通信機能を使用して、管理することにより、遠隔か
ら入出金処理を行うことが可能となる。

【００５５】また、外部制御装置４２から、店舗用入出
金装置１を設定制御することも可能である。例えば、上
述した入出金操作パネル２０や回収操作パネル３０のユ
ーザインタフェースの改良や、各種モードの追加、更に
は管理区分の変更や追加等、店舗用入出金装置１に対す
る様々な設定を外部から行うことで、店舗入出金装置１
の使い勝手を高めることができる。

【００５６】また、外部制御装置４２に外部システム４
３と通信を行う手段を持たせ、更に、外部システム４３
より取り込んだデータに基づいて、外部制御装置４２が
店舗用入出金装置１に対する動作指示コマンド電文を生
成する機能を持たせることにより、外部システム４３か
ら店舗用入出金装置１の動作を制御することが可能とな
る。

【００５７】その運用例としては、例えば、現金集金員
が顧客先を回り現金を集金し、集金データをハンディタ
ーミナル（外部システム４３）に入力し、実際に集金し
た現金と共に持ち帰る。現金集金員はハンディターミナ
ル（外部システム４３）を外部制御装置４２に接続し、
集金データを外部制御装置４２に読み取らせる。外部制
御装置４２は集金データに基づいて、店舗用入出金装置
１に対する入金コマンド電文を生成し、店舗用入出金装
置１へ送信する。入金コマンド電文は、上述した電文と
同様の構成をとる。現金集金員は、所定の時期に集金し
た現金を実際に店舗用入出金装置１へ入金する。店舗用
入出金装置１の制御部２は入金された現金金額と外部制
御装置４２より送信された入金コマンド電文内の入金金
額データの照合を行い、その結果を外部制御装置４２に
送信する。これにより、入金データの管理が迅速化す
る。

【００５８】以上のように、本発明の実施の形態を説明
したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるこ
とはなく、各種店舗用入出金装置及び店舗用入出金管理
システムに適用可能であることは言うまでもない。

【００５９】

【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、出金の可能性の有無に拘わらず、入金された現金は
取り敢えず出金可能に収納されるため、一度入金した現
金の一部を必要に応じて出金させ、他の用途に容易に利
用できるようになる。また、店舗用入出金装置に対し入
出金管理区分別に入出金を行い、入出金された現金の管
理情報を店舗用入出金装置にて管理するようにしたた
め、店舗用入出金装置外での管理が不要となる。更に、
出金可能に収納された現金が所定の搬送指示で出金不能
の収納部（実施の形態ではカセット収納部）に搬送され
収納されるため、その際に収納する金額について最小構
成枚数となるような金種構成をとることが可能となり、
カセット収納部に収納する現金の容積を従来より少なく
することができる。このため、警備会社等の現金回収者
がカセット収納部を回収するサイクルを長くとることが
でき、回収に要するコストを抑えることができるという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態における店舗用入出金装置を示す
ブロック図である。

【図２】売上金カウンタ（管理区分１カウンタ）と準備
金カウンタ（管理区分２カウンタ）の一例である。

【図３】入出金操作パネルの一例である。

【図４】回収操作パネルの一例である。

【図５】本発明の実施の形態における店舗用入出金シス
テムの一例である。

【符号の説明】

１ 店舗用入出金装置、２ 制御部、３ 入出金操作
部、４ 回収操作部、５カウンタ、６ 売上金カウン
タ、７ 準備金カウンタ、８ リサイクル収納部カウン
タ、９ カセット収納部カウンタ、１０ 入金口、１１
鑑別部、１２リサイクル収納部、１３ 出金口、１４
カセット収納部、１５ 前扉、１６カセット収納部の
前扉ロック、２０ 入出金操作パネル、２１ モードス
イッチ、２２ 確定スイッチ、２３ 取消スイッチ、２
４ メニュー、２５ ＬＥＤ部、２６ テンキー部、２
７ ディスプレイ部、３０ 回収操作パネル、３１ 回
収スイッチ、３２ 確定スイッチ、３３ ディスプレイ
部、４０ 店舗、４１店舗ホスト、４２ 外部制御装
置、４３ 外部システム、４４ 警備会社センタ、４５
警備会社センタホスト、４６ 通信回線。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡 和史 神奈川県川崎市中原区上小田中４丁目１番 １号 富士通株式会社内 (72)発明者 田中 隆比古 神奈川県川崎市中原区上小田中４丁目１番 １号 富士通株式会社内 Ｆターム(参考） 3E040 AA01 BA06 CB04 FC02 FC05

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現金を入金するための入金手段と、 前記入金手段により入金される金額に対して、入金後に
   取出しを行う可能性の有無を区分として指定する区分指
   定手段と、 前記区分指定手段により指定された区分に基づいて、前
   記入金手段により入金された金額についての金額データ
   を管理する第１管理手段と、 前記入金手段により入金された現金を、入金した操作者
   が取出し可能に収納する第１収納部と、 前記第１収納部に収納された現金を所定の取出し指示に
   基づいて取出すための取出し手段と、 前記取出し手段により取出された金額についての金額デ
   ータを管理する第２管理手段と、 現金を、入金した操作者が取出し不能に収納する第２収
   納部と、 前記第１収納部に収納された現金の少なくとも一部を所
   定の搬送指示に基づいて前記第２収納部に搬送する搬送
   手段とを備えてなる店舗用入出金装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の店舗用入出金装置にお
   いて、 前記第１管理手段と前記第２管理手段とにおける管理デ
   ータと、前記搬送手段により搬送された金額データとに
   基づいて、前記第１収納部に収納されている金額と、前
   記第２収納部に収納されている金額データを管理する収
   納金額管理手段を備えていることを特徴とする店舗用入
   出金装置。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２に記載の店舗用
   入出金装置において、 前記搬送手段は、前記所定の搬送指示に基づいて前記第
   ２収納部に搬送されて収納される現金が最小構成枚数と
   なるように金種構成を選択する選択手段を備えることを
   特徴とする店舗用入出金装置。
4. 【請求項４】 請求項１乃至請求項３のいずれかに記載
   の店舗用入出金装置において、 前記所定の搬送指示には、前記搬送手段が搬送する金額
   に関する指示が含まれ、 前記所定の搬送指示による搬送金額は、前記第１管理手
   段により管理されている取出す可能性が無いとして指定
   された区分に基づく金額データ、または入力操作により
   定められる金額データに基づいて設定されることを特徴
   とする店舗用入出金装置。
5. 【請求項５】 請求項１乃至請求項４のいずれかに記載
   の店舗用入出金装置において、 前記取出し手段は、前記第１管理手段により管理されて
   いる取出す可能性が有るとして指定された区分に基づく
   金額データを越える現金について、前記第１収納部に収
   納されている現金の金額範囲において取出すことができ
   ることを特徴とする店舗用入出金装置。
6. 【請求項６】 請求項１乃至請求項５のいずれかに記載
   の店舗用入出金装置において、 前記第１管理手段又は前記第２管理手段により管理され
   る管理情報を外部装置との間で送受信する送受信手段を
   備えることを特徴とする店舗用入出金装置。
7. 【請求項７】 請求項１乃至請求項６のいずれかに記載
   の店舗用入出金装置において、 前記第１収納部に収納された現金と前記第２収納部に収
   納された現金を回収するための権限を異ならせて管理す
   る現金回収権限管理手段を備えたことを特徴とする店舗
   用入出金装置。
8. 【請求項８】 請求項１乃至請求項７のいずれかに記載
   の店舗用入出金装置において、 外部より制御することを可能とする外部制御装置を備え
   たことを特徴とする店舗用入出金装置。
9. 【請求項９】 現金集配業務を行うセンタ側コンピュー
   タと、 店舗に設けられると共に、前記センタ側コンピュータと
   通信回線を介して接続される店舗用入出金装置であっ
   て、現金を入金するための入金手段と、前記入金手段に
   より入金される金額に対して、入金後に取出しを行う可
   能性の有無を区分として指定する区分指定手段と、前記
   区分指定手段により指定された区分に基づいて、前記入
   金手段により入金された金額についての金額データを管
   理する第１管理手段と、前記入金手段により入金された
   現金を、入金した操作者が取出し可能に収納する第１収
   納部と、前記第１収納部に収納された現金を所定の取出
   し指示に基づいて取出すための取出し手段と、前記取出
   し手段により取出された金額についての金額データを管
   理する第２管理手段と、現金を、入金した操作者が取出
   し不能に収納する第２収納部と、前記第１収納部に収納
   された現金の少なくとも一部を所定の搬送指示に基づい
   て前記第２収納部に搬送する搬送手段とを備えてなる店
   舗用入出金装置とを備えてなる店舗用入出金システム。
10. 【請求項１０】 店舗に設けられた店舗用入出金装置に
    て現金を管理するようにした店舗用入出金管理方法であ
    って、 入金後に取出しを行う可能性の有無が区分として指定さ
    れて入金された現金を、入金した操作者が取出し可能と
    される第１収納部に収納するステップと、 前記指定された区分に基づいて、入金された金額につい
    ての金額データを管理するステップと、 取出し指示に基づいて、前記第１収納部に収納された現
    金を取出すと共に、取出された金額についての金額デー
    タを管理するステップと、 所定の搬送指示に基づいて、前記第１収納部に収納され
    た現金の少なくとも一部を、入金した操作者が取出し不
    能とされる第２収納部に搬送し、前記第２収納部に収納
    するステップとを備えてなることを特徴とする店舗用入
    出金管理方法。