JP2003138021A - イソシアネート基末端プレポリマー及びポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法 - Google Patents
イソシアネート基末端プレポリマー及びポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高粘度のプレポリマーを用いても、高濃度、
かつ微細粒子のイソシアネート末端プレポリマーの水性
分散体を製造する方法、およびさらに鎖伸長させて高濃
度、かつ微細粒子ポリウレタン樹脂の水性分散体を短時
間に製造する方法を提供する。 【解決手段】 イソシアネート基末端プレポリマー
(a)と水とを稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機
を用いて接触混合させて(a)の水性分散体(A)を製
造し、さらに鎖伸長させてポリウレタン樹脂の水性分散
体(B)を製造する。
かつ微細粒子のイソシアネート末端プレポリマーの水性
分散体を製造する方法、およびさらに鎖伸長させて高濃
度、かつ微細粒子ポリウレタン樹脂の水性分散体を短時
間に製造する方法を提供する。 【解決手段】 イソシアネート基末端プレポリマー
(a)と水とを稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機
を用いて接触混合させて(a)の水性分散体(A)を製
造し、さらに鎖伸長させてポリウレタン樹脂の水性分散
体(B)を製造する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイソシアネート基末
端プレポリマーの水性分散体およびポリウレタン樹脂の
水性分散体の製造方法に関し、更に詳しくは高濃度、か
つ、微粒子のポリウレタン樹脂水性分散体を得る製造方
法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】有機溶剤の引火性、および人体への安全
性の観点から、有機溶剤の不存在下もしくは微量の有機
溶剤の存在下でポリウレタン樹脂水性分散体をの製造す
る方法が提案されている。例えば、有機溶剤の不存在下
に過剰のジイソシアネート、有機ポリオール、イオン基
になりうる二官能性イソシアネート反応性成分とから末
端イソシアネート基プレポリマーを形成し、これを中和
後、水もしくはアミンと接触混合分散させる方法が提案
(特開平3−149214号公報)されており、該公報
明細書には接触混合分散装置として高速撹拌機の使用が
好ましいことが記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな高速撹拌装置は装置の許容動力が小さく、分散体の
粘度が高くなると装置が停止し乳化できなくなるため、
プレポリマーの粘度を20Pa・s以下とする必要があ
った。またプレポリマーの粘度が20Pa・s未満であ
っても分散体中のプレポリマー濃度を50重量%以上と
すると分散体の粘度が高くなり装置が停止し乳化できな
くなるため、プレポリマーの濃度を50重量%未満とす
る必要があり、その結果アミンによる伸長反応の後に得
られる水性分散体中のポリウレタン樹脂濃度は25〜4
0重量%と低いという問題があった。本発の目的は、高
粘度のプレポリマーを用いても、高濃度、かつ微細粒子
のイソシアネート末端プレポリマーの水性分散体を製造
する方法、およびさらに鎖伸長させて高濃度、かつ微細
粒子ポリウレタン樹脂の水性分散体を短時間に製造する
方法を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、鋭意検討した結果、特定の連続式混
練装置を用いることにより、高濃度で微細粒子のイソシ
アネート末端プレポリマーの水性分散体、および高濃度
で微細粒子のポリウレタン樹脂水性分散体の製造が可能
であることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発
明はイソシアネート基末端プレポリマー(a)と水とを
稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機を用いて接触混
合させることを特徴とする(a)の水性分散体(A)の
製造方法;イソシアネート基末端プレポリマー(a)と
水とを稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機を用いて
接触混合させて水性分散体(A)を製造し、さらに鎖伸
長させることを特徴とするポリウレタン樹脂の水性分散
体(B)の製造方法;並びにこれらの製造方法により得
られたポリウレタン樹脂の水性分散体;である。 【0005】本発明におけるイソシアネート基末端プレ
ポリマー(a)は有機ポリイソシアネート(a1)、高
分子ポリオール(a2)、および必要により低分子ポリ
オール(a3)、イオン性基またはイオン形成性基含有
活性水素化合物(a4)から構成される。 【0006】(a1)には、ジイソシアネートおよび3
官能またはそれ以上の多官能イソシアネートが含まれ;
例えば、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)
6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18
の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数6〜15の脂環式
ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリ
イソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変
性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート
基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン
基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物
など)およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。 【0007】上記芳香族ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えば1,3−および/または1,4−フェニ
レンジイソシアネート、2,4−および/または2,6
−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、
2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナ
トビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソ
シアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジイソシアナトジフェニルメタン、 粗製MDI[粗製
ジアミノジフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族
アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;
ジアミノジフェニルメタンと少量の(例えば5〜20重
量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲ
ン化物;ポリアリールポリイソシアネート]、1,5−
ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフ
ェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソ
シアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられ
る。 【0008】上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート(2,6−ジイソシアナトメチルカプ
ロエート)、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレー
ト、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2
−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサ
ノエートが挙げられる。 【0009】上記脂環式ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPD
I)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネ
ート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス
(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または
2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。 【0010】上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体
例としては、例えばm−および/またはp−キシリレン
ジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル
キシリレンジイソシアネートが挙げられる。 【0011】また、上記ポリイソシアネートの変性物と
しては、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイ
ミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性
MDI)、ウレタン変性TDI、ビューレット変性HD
I、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変
性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこ
れらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン
変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との
併用]が含まれる。 【0012】これらのうち経日変化による変色が少ない
という点で好ましいものは脂肪族ジイソシアネート、脂
環式ジイソシアネートおよび芳香環含有脂肪族ジイソシ
アネートである。 【0013】(a2)には、ポリエーテルポリオール
(p1)、ポリエステルポリオール(p2)、ポリオレ
フィンポリオール(p3)、アクリルポリオール(p
4)、ポリマーポリオール(p5)、エポキシポリオー
ル(p6)等が含まれる。これらのうち、肌に着けたと
きの伸びの良さの点から好ましいものは(p1)、(p
2)、(p3)およびこれらの2種以上の混合物であ
る。 【0014】(p1)には、2個以上の活性水素原子
を有する低分子化合物に重合触媒を使用してアルキレン
オキサイド(以下AOと略記する)を開環付加させた構
造のもの、および活性水素原子を有する低分子化合物
の非存在下に重合触媒を使用してAOを開環重合させた
ものが含まれる。 【0015】上記の開環付加に使用される付加触媒と
しては、アニオン付加重合触媒(例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金
属の水酸化物)、カチオン付加重合触媒、配位アニオン
付加重合触媒等が挙げられる。これらのうち、経済性、
生産性の観点から、アニオン付加重合触媒による製造が
好ましい。アニオン重合による製造は、活性水素を含有
する化合物と上記重合触媒を加熱しながら、上記の単量
体を反応させることによってできる。反応温度として
は、40〜150℃、好ましくは90〜130℃であ
る。上記の開環重合に用いられる触媒としては特公昭
39−19561号公報に記載の有機亜鉛化合物とポリ
オールまたは多価フェノールとの反応生成物が挙げられ
る。 【0016】上記において、2個以上の活性水素原子
を有する化合物には、多価アルコール(p11)、多価
フェノール(p12)、ポリカルボン酸(p13)、ヒ
ドロキシカルボン酸(p14)、1級モノアミン(p1
5)、ポリアミン(p16)およびポリチオール(p1
7)が含まれ、活性水素原子1個当たりの数平均分子量
(GPC測定による。以下同様であり、Mnと略記す
る)が300未満(好ましくは30〜250)の化合物
が使用できる。 【0017】(p11)としては、2価アルコール、例
えば[直鎖脂肪族ジオール〔エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール(BG)、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールなど〕、分岐脂肪族ジオ
ール(1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2
−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)、
および環状脂肪族ジオール(米国特許第4,990,5
45号明細書記載のもの;シクロヘキサンジメタノー
ル、シクロヘキシレングリコール、水添ビスフェノール
Aなど)];3〜10価またはそれ以上の多価アルコー
ル、例えばアルカンポリオール(グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、およびそれらの分子間もしくは分子内脱水物[ジペ
ンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜
8)、ソルビタンなど]、糖類およびその誘導体(配糖
体)(蔗糖、メチルグルコシドなど);並びにこれらの
2種以上の混合物が挙げられる。 【0018】(p12)としては、単環多価フェノール
[ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、フロログリ
シンなど]、ビスフェノール類[ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、および米国特許第
4,990,545号明細書記載のこれらのハロゲン化
物(例えば、テトラブロモビスフェノールA)など]が
挙げられる。 【0019】(p13)としては、2〜8個またはそれ
以上のカルボキシル基を有する脂肪族ポリカルボン酸、
例えば飽和および不飽和脂肪族ポリカルボン酸[シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、エチルコハク
酸、アジピン酸、ピメリック酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン
酸、および不飽和モノカルボン酸もしくは上記の不飽和
ジカルボン酸の重合度2〜8の重合体(マレイン酸の2
量体、イタコン酸の2量体、アクリル酸の5量体、メタ
クリル酸の5量体など)];脂環式ポリカルボン酸、例
えば脂環式ジカルボン酸[1,2−および1,3−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−、1,3−、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸など]、重合脂肪酸[ダ
イマー酸およびトリマー酸(リノレイン酸およびリノー
ル酸などの不飽和脂肪酸の2量体および3量体な
ど)];芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸など]が挙げられる。 【0020】(p14)としては、1個以上の水酸基と
1個以上のカルボキシル基を1分子中に有する化合物、
例えば、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸お
よびリシノレイン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン
酸、並びにサリチル酸などの芳香族ヒドロキシカルボン
酸が挙げられる。 【0021】(p15)としては、炭素数1〜20の脂
肪族1級モノアミン[モノアルキルアミン(メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン
など)、およびモノアルケニルアミン(オレイルアミン
など)]、脂環族1級モノアミン(シクロヘキシルアミ
ンなど)、並びに芳香族1級モノアミン(ベンジルアミ
ンおよびアニリンなど)が挙げられる。 【0022】(p16)としては、脂肪族ポリアミン
[アルキレンジアミン(炭素数2〜18)、ポリアルキ
レン(炭素数2〜6)ポリアミン(3〜25個のアミノ
基を含有する)、およびこれらのアルキル(炭素数1〜
8)置換誘導体;具体的には、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレント
リアミン、N−メチルアミノエチルアミンなど]、芳香
族ポリアミン(炭素数6〜20)[2,4−および2,
6−トリレンジアミン、4,4’−および2,4’−ジ
フェニルメタンジアミン、ポリメチレンポリフェニレン
ポリアミン並びにトリフェニルメタントリアミンなど]
が挙げられる。 【0023】(p17)としては、多価アルコール(p
11)の水酸基をチオール基にした構造のものが挙げら
れ、具体的にはエチレンジチオール、プロピレンジチオ
ール、1,4−ブタンジチオールおよびドデカンジチオ
ールなどが挙げられる。 【0024】AOとしては、エチレンオキサイド(以下
EOと略す)、プロピレンオキサイド(以下POと略
す)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブ
チレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数5〜1
0またはそれ以上のα−オレフィンオキサイド、エピク
ロルヒドリンおよびこれらの2種以上の組み合わせ(ブ
ロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。 【0025】(p1)としては、例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールおよびビスフェノールAのEOおよび
/またはPO付加物のようなポリエーテルジオール、並
びにグリセリンのEOおよび/またはPO付加物のよう
な分岐ポリエーテルポリオールが挙げられる。 【0026】(p1)のうち好ましいものは、低分子ポ
リオール(特に脂肪族ジオール)にAO(特にPO)が
付加したものであり、AOの全重量のうち30%以上が
POであることが好ましい。 【0027】(p2)としては、例えば、ポリカルボン
酸とポリオールの縮重合物(p21)、ポリラクトンポ
リオール(p22)およびポリカーボネートポリオール
(p23)などが含まれる。 【0028】(p21)を構成するポリカルボン酸とし
ては、前述の(p13)、およびそれらのエステル形成
性誘導体(酸無水物、酸ハロゲン化物、低級アルキルエ
ステル)が含まれる。これらのうちで好ましくはジカル
ボン酸、特に脂肪族ジカルボン酸である。(p21)を
構成するポリオールとしては、前述の(p11)および
(P1)が含まれ、好ましくは(p11)、特に2価ア
ルコールである。(p21)の具体例としては、ポリ
(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンアジ
ペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)
ジオール、ポリ(ネオペンチルアジペート)ジオール、
ポリ(エチレン/ブチレンアジペート)ジオール、ポリ
(ネオペンチル/ヘキシルアジペート)ジオール、ポリ
(3−メチルペンチルアジペート)ジオール、ポリ(ブ
チレンイソフタレート)ジオールなどが挙げられる。 【0029】(p22)は、多価アルコールの存在下に
炭素数3〜12のラクトン(例えばカプロラクトンな
ど)を開環重合して得られるものであり、具体的には、
ポリカプロラクトンジオール、ポリ−3−メチルバレロ
ラクトンジオール等が挙げられる。 【0030】(p23)は、多価アルコールの存在下に
炭素数2〜12のアルキレンカーボネートを開環重合し
て得られるものであり、具体的には、ポリヘキサメチレ
ンカーボネートジオール等が挙げられる。 【0031】(p2)のうち、好ましいものは(p2
1)である。 【0032】(p3)には、オレフィン(1,3−ブタ
ジエン、炭素数8〜18のα−オレフィンなど)および
必要により少量(例えば15〜20重量%)の他の単量
体(例えばスチレン、アクリロニトリルなど)を(共)
重合して得られる末端が水酸基の(共)重合体が含まれ
る。具体的にはポリブタジエンから誘導されるポリブタ
ジエングリコール、炭素数8〜18のα−オレフィンか
ら誘導されるポリオレフィングリコールなどがあげられ
る。また、(p3)には、ポリブタジエングリコールの
不飽和二重結合に水素を付加した水素添加ポリブタジエ
ングリコールも含まれる。 【0033】(p4)には、ヒドロキシアルキル基の炭
素数2〜8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
および必要によりその他の単量体[例えばスチレン、ア
ルキル基の炭素数1〜20の(メタ)アクリレート(メ
タクリル酸メチル、アクリル酸メチルなど)]との
(共)重合体が含まれる。 【0034】(p5)には、ポリエーテルポリオールお
よび/またはポリエステルポリオールの存在下で、(メ
タ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル単量
体を重合して得られるものが含まれる。 【0035】(p6)には、ビスフェノール類(ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSな
ど)とエピクロルヒドリンの付加縮合物(ビスフェノー
ル骨格の数:2〜20)などが挙げられる。 【0036】(a2)の水酸基1ヶ当たりのMnは通常
400〜2,000であり、好ましくは500〜1,7
00である。400〜2,000であればポリウレタン
微粒子は良好な柔軟性を示す。また、(a2)の平均官
能基数は通常2.0〜3、好ましくは2.3〜3であ
り、さらに好ましくは2.4〜2.9である。2.0〜
3であればポリウレタン微粒子が良好な柔軟性をもち、
耐溶剤性も良好である。 【0037】(a2)のMnは通常800〜5,00
0、好ましくは1,000〜4,000である。 【0038】(a3)としては、炭素数2〜15の多価
アルコール類[前述の(p11)、およびこれらのAO
(EOおよび/またはPO)低モル付加物(Mn500
未満)]、ビスフェノールAのAO低モル付加物(Mn
500未満)、及びこれらの二種以上の混合物が挙げら
れる。これらのうち好ましくは多価アルコール類であ
る。 【0039】本発明における(a)は、水性分散体の乳
化分散性の安定性の観点から、その分子中にイオン性基
またはイオン形成性基を有することが好ましい。(a)
中にこれらの基を導入する方法としては以下の方法が挙
げられる。 【0040】イオン性基もしくはイオン形成性基含有
活性水素化合物(a4)を(a)の製造時に仕込み、活
性水素基とイソシアネートとを反応させる方法、 イオン形成性基含有活性水素化合物と後述のイソシア
ネート非反応性塩基もしくは酸を(a)の製造時に仕込
み、活性水素基とイソシアネートとを反応させるととも
に、イオン形成性基の塩を形成しイオン性基を(a)中
に形成させる方法。これらのうちで好ましくはの方法
である。 【0041】イオン形成性基含有活性水素化合物として
は、アニオン形成性基(カルボキシル基、スルホン酸
基、スルファミン酸基またはリン酸基など)または、カ
チオン形成性基(第三級アミノ基など)と活性水素含有
基(水酸基またはアミノ基など)とを有する化合物があ
げられ、活性水素の数は通常1〜4、好ましくは2〜3
であり、該化合物のMnは通常50〜6,000、好ま
しくは80〜5,000である。 【0042】カルボキシル基含有活性水素化合物(a4
1)としては、炭素数が4〜10のジアルキロールアル
カン酸[例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(D
MPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジ
メチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン
酸など]およびアミノ酸(2-アミノエタン酸等)が挙げ
られる。ジアルキロールアルカン酸のうちで水性分散体
製造に際し親水性を付与する為に好ましいものは2,2
−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブ
タン酸であり、特に好ましいものは2,2−ジメチロー
ルプロピオン酸およびその誘導体[ジメチロールプロピ
オン酸のγ−ブチロラクトン付加体(Mn800〜5,
000)など]である。 【0043】スルホン酸基含有活性水素化合物(a4
2)としてはスルホン酸ジオール[3−(2,3−ジヒ
ドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸な
ど]、炭素数が2〜4のアミノアルカンスルホン酸たと
えば、(2−アミノエタンスルホン酸、3−アミノプロ
パンスルホン酸等)があげられる。 【0044】スルファミン酸基含有活性水素化合物(a
43)としてはスルファミン酸ジオール[N,N−ビス
(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル
基の炭素数1〜6)またはそのAO付加物(AOとして
はEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例
えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミ
ン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スル
ファミン酸PO2モル付加物など]があげられる。 【0045】第三級アミノ基含有活性水素化合物(a4
4)としては炭素数が5〜10のアルカノールアミン、
たとえばトリエタノールアミン、並びに(p15)およ
び(p16)のAO低モル付加物(Mnが400以下、
例えばN−メチルジエタノールアミン)等があげられ
る。 【0046】また、イオン性基含有活性水素化合物とし
ては、前記アニオン形成性基含有活性水素化合物をイソ
シアネート非反応性塩基、例えば第三級アミン[アルキ
ル基の炭素数1〜18のトリアルキルアミン(トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン(TEA)、ジメチルエチ
ルアミン、ジエチルオクチルアミンなど)]の塩、もし
くはアルカリ金属(Na、K、Liなど)塩としたも
の、並びに第三級アミノ基含有活性水素化合物(a4
4)の第三級アミノ基をイソシアネート非反応性酸[炭
素数2〜12のカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪
酸、オクタン酸など)の塩としたものが挙げられる。 【0047】イオン性基またはイオン形性性基を含有す
る活性水素化合物のうち、好ましいものは、イオン性基
を含有する活性水素化合物であり、さらに好ましいもの
はアニオン性基を含有するもの、特に(a41)と第三
級アミンからのイオン性基、および(a42)のうちの
スルホン酸ジオールのナトリウム塩である。 【0048】(a)中における(a4)から誘導される
単位の重量割合は、(a4)が(a41)の場合、−C
OOHとして、好ましくは0.8〜3%であり、(a
4)が(a42)の場合、−SO3Hとして、好ましく
は0.5〜2%である。(以下において、特に断らない
限り、%は重量%を表す。) 【0049】本発明における(a)の製造法は、たとえ
ば以下の方法が挙げられる。 (a1)と(a2)並びに必要により(a3)および
/または(a4)からなる活性水素成分とを同時に反応
させる方法。 (a1)と(a2)および必要により(a3)を同時
に反応させた後、(a4)を反応させる方法。 (a1)と(a2)を反応させ、更に(a3)を反応
させた後に(a4)を反応させる方法。 反応温度は通常30〜100℃、好ましくは40〜80
℃である。また、(a)の製造において、(a)の粘度
が高いため撹拌が困難な場合、もしくはその後の水性分
散液を製造する工程における(a)の水への分散性を補
助する目的で、親水性有機溶媒、例えばケトン系溶媒
(アセトン、メチルエチルケトンなど)、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等を分散物中の(a)の濃度を著しく低
下させない範囲[好ましくは(a)に対して10%以
下]で用いることができる。なお、これらの親水性溶媒
を使用した場合は、後述のポリウレタン樹脂水性分散体
の製造工程もしくは製造後に親水性溶媒を蒸発除去など
の方法で除去することが好ましい。 【0050】(a)の製造において、NCO/活性水素
の仕込み当量比は、好ましくは1.3〜2.2、さらに
好ましくは1.4〜2.0である。この当量比が1.3
以上であれば、(a)が高分子量化しすぎないため、高
粘度化することが少ない。また2.2以下であれば、
(a)中の未反応イソシアネートが少なくなるため安定
性の面で好ましい。また、生成した(a)のイソシアネ
ート基含量は通常0.5〜10%、好ましくは1.5〜
6%である。また、(a)の粘度は好ましくは20〜
1,000Pa・s(50℃)、さらに好ましくは20
〜800Pa・sである。粘度が20〜1,000Pa
・sであれば、連続式混合機で(a)と水とを混合しや
すい。本発明における粘度の測定法は回転式粘度計(B
型粘度計)による方法である。 【0051】本発明の(A)の製造に用いられる連続式
混練機としては、稼働動力として2KW/m3以上、好まし
くは2.5KW/m3以上、さらに好ましくは3.0KW/m3
以上が必要である。稼働動力は、乳化工程中の動力値
(通常、運転中の電流値と電圧から算出される)から空
運転中の動力値を差し引いた値として定義される。この
稼働動力が2KW/m3未満の連続式混練機では、(a)の
高濃度の水性分散体を製造することが困難であり、かつ
微粒子になりにくい。 【0052】(a)と水の接触混合用として用いること
のできる稼働動力が2KW/m3以上の連続式混練装置とし
ては、「混合混練技術 日本粉体工業協会編 日刊工業
新聞1987.4.30出版 P250」または「橋本
建次郎著 混練装置 科学技術総合研究所編 198
9.9.20出版 P224」に記載の以下の容器固定
水平軸型連続式混練機があげられる。 コンテイニアスニーダー(栗本鉄工所製 KRCニー
ダーシリーズ); テーパーロール(日立製作所製 テーパーロールシリ
ーズ); エクストルーダー(池貝鉄工所、東芝機械); 単軸スクリューエクスルーダー(細川鉄工所); コニーダ型スクリュー押し出し機(八州物産); 平軸型連続式混練機があげられる。 コンテイニアスニーダー(栗本鉄工所製 KRCニー
ダーシリーズ); テーパーロール(日立製作所製 テーパーロールシリ
ーズ); エクストルーダー(池貝鉄工所、東芝機械); 単軸スクリューエクスルーダー(細川鉄工所); コニーダ型スクリュー押し出し機(八州物産); ボテーダ型混練機(櫻製作所);等が挙げられる。 ボテーダ型混練機(櫻製作所);等が挙げられる。 これら連続式混練装置のうち好ましいものとしてはセル
フクリーニング性に優れた2または3個の多数軸を有す
る、である。 【0053】本発明の水性分散体(A)の製造方法とし
ては、以下の方法で(a)を水と接触混合する方法が挙
げられる。 稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機に(a)をポン
プで送り込み、混練機流路途中で水、または乳化分散剤
含有水性液をポンプで連続的もしくは間欠的に送り込み
接触混合させる方法、 稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機に水または乳化
分散剤含有水性液をポンプで送り込み、混練機流路途中
で(a)をポンプで送り込み接触混合させる方法、等が
挙げられる。これらのうち好ましい方法はである。 【0054】(a)を水と接触混合させる場合の(a)
の温度は、好ましくは40〜100℃、さらに好ましく
は50〜90℃である。40℃以上であれば粘度が高す
ぎることがなく、分散容易となり、100℃以下であれ
ば(a)の安定性が低下することが少ない。また、水ま
たは乳化分散剤含有水性液の温度は好ましくは10〜5
0℃、さらに好ましくは20〜40℃である。10℃以
上であれば分散容易となり、40℃以下であれば水によ
る伸長反応が進みにくいので、その後のポリウレタン樹
脂水性分散体(B)の製造工程において、伸長反応に用
いるアミンのモル比のズレが少なくなり、良好な物性の
(B)を得やすい。 【0055】連続式混練機での分散時間(混練機内の滞
留時間)は通常1〜30秒、好ましくは3〜20秒であ
り、1〜30秒であれば安定な分散体が得られる。ま
た、混練機を通過する(a)と水の合計の流量は通常1
0〜4,000L/hr、好ましくは20〜3000L
/hrである。 【0056】本発明の(A)の製造方法において(a)
を水と接触混合させる工程で、必要により乳化分散剤を
使用してもよい。使用できる乳化分散剤としては、アニ
オン性、カチオン性、ノニオン性および両性の界面活性
剤、高分子型分散剤、およびこれらの併用が挙げられ
る。 【0057】アニオン性界面活性剤としては、炭素数8
〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸または
その塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜10
0)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなど]、炭素数8
〜24の炭化水素基を有する硫酸エステルもしくはエー
テル硫酸エステルまたはそれらの塩[ラウリル硫酸ナト
リウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜10
0)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン
(重合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールア
ミン、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウムな
ど]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸
塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど]、炭
素数8〜24の炭化水素基を1個もしくは2個有するス
ルホコハク酸塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有する
リン酸エステルもしくはエーテルリン酸エステルまたは
それらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキ
シエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリ
ン酸ナトリウムなど]、炭素数8〜24の炭化水素基を
有する脂肪酸塩[ラウリル酸ナトリウム、ラウリル酸ト
リエタノールアミンなど]および炭素数8〜24の炭化
水素基を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチ
ルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリ
ウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンエタノールアミン、N−
ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノール
アミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナ
トリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム
など]などが挙げられる。 【0058】ノニオン性界面活性剤としては、脂肪族ア
ルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭
素数2〜8)付加物(重合度=100)、多価(2価〜
10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜
24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノラ
ウリン酸ソルビタンなど]、脂肪酸(炭素数8〜24)
アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノー
ルアミド、1:1型ラウリン酸ジエタノールアミドな
ど]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合
度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニル
エーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、
重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミ
ンおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素
数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオ
キシドなど]などが挙げられる。 【0059】カチオン性界面活性剤としては、第4級ア
ンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステ
アリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪
酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなど]、
アミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド
乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸
塩など]などが挙げられる。 【0060】両性界面活性剤としては、ベタイン型両性
界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミ
ノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、2−アルキル−N−カルボキシルメチル−N−ヒド
ロキシルエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒ
ドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒド
ロキシエチルカルボキシメシルベタインヒドロキシプロ
ピル酸ナトリウムなど]、アミノ酸型両性界面活性剤
[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど]が
挙げられる。 【0061】高分子型分散剤としては、ポリビニルアル
コール、デンプンおよびその誘導体、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、ヒソロキシエチルセル
ロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ
などのカルボキシルキ含有(共)重合体、並びに特開平
7−133423号公報および特開平8−120041
号公報に記載のウレタン結合もしくはエステル結合を有
する高分子型分散剤など[例えば、ポリカプロラクトン
ポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネー
トで連結させたものなど]が使用できる。これらの高分
子型分散剤のMnは通常3,000〜1,000,00
0、好ましくは5,000〜100,000である。 【0062】これらの乳化分散剤のうちで水性分散体の
乳化分散安定性の観点から好ましいものは、アニオン性
界面活性剤、ノニオン性界面活性剤およびこれらの併用
であり、さらに好ましいものは、アニオン性界面活性剤
/ノニオン性界面活性剤=1/99〜30/70の割合
での併用である。 【0063】乳化分散剤の使用量は、(a)の固形分に
対して好ましくは0〜5%であり、(a4)を使用しな
い場合0〜4%である。(a)の製造時に(a4)を使
用する場合は、乳化分散剤は使用しない方がさらに好ま
しい。乳化分散剤を使用しないと、ポリウレタン樹脂水
性分散体(B)から得られるフィルム、接着剤などの耐
水性および物理的物性が良好な傾向になる。 【0064】本発明の(A)の固形分濃度(水性媒体以
外の成分の割合)は通常50〜80%、好ましくは60
〜80%、特に好ましくは65〜75%である。50%
以上であれば、せん断効率が下がりにくく微粒子となり
易い。また、80以下であれば相転換が起こり易く乳化
されやすい。 【0065】本発明における固形分濃度は、直径9cm
のガラス製シャーレ1枚に(A)もしくは(B)の試料
を約1.80g精秤し、130℃の循風乾燥機で90分
間乾燥した後の重量を、試料の重量に対する百分率で表
したものであり、試料採取2回の繰り返しによる平均値
である。 【0066】(A)の粘度(25℃)は、好ましくは
0.2〜10Pa・s、さらに好ましくは0.2〜5P
a・sである。 【0067】(A)の平均粒子径は30〜500nm、
好ましくは30〜300nmである。本発明における平
均粒子径は光散乱法で測定される数平均粒子径である。 【0068】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体
(B)を製造する方法において、(A)を鎖伸長するた
めに使用できる鎖伸長剤(C)としてはポリアミン(C
1)の水性液(水溶液もしくは水以外の水溶性溶媒含有
してもよい)および水が挙げられる。 【0069】(C1)としては、脂肪族ポリアミン(C
11)[脂肪族ジアミン;アルキレンジアミン(炭素数
2〜18)例えば、エチレンジアミン(EDA)、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど、並
びにポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン(3〜
25個のアミノ基を含有する)およびこれらのアルキル
(炭素数1〜8)置換誘導体;例えばジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミンなど]、脂環式ポリアミン(C12)[4,4’−
ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、イソホロンジアミン(IPDA)等]、
芳香環を有する脂肪族ポリアミン(c13)[キシリレ
ンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン等]、芳
香族ポリアミン(C14)[4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジア
ミン等]、複素環式ポリアミン(C15)[ピペラジ
ン、アミノエチルピペラジン等]、アルカノールアミン
(C16)[モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等]、ヒドラ
ジン(HDH)およびヒドラジン誘導体(C17)[カ
ルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドなど]、が
挙げられる。 【0070】(C)のうち好ましいものは反応速度が早
い点から(C1)の水性液であり、(C1)のうち、さ
らに好ましいものは(C11)、(C12)および(C
17)であり、特に好ましいものは生成するポリウレタ
ン樹脂の分子量制御のし易さの点から(C17)、(C
17)と(C11)の併用、および(C17)と(C1
2)の併用である。併用の場合の(C17)に対する他
のアミンの割合は(C17)/他のアミン=9/1〜1
/9である。 【0071】本発明において、(C1)の1,2級アミ
ノ基(NH2 +NH)と(a)のイソシアネート基(N
CO)の当量比[(NH2+NH)/NCO]は、通常
0.2〜0.9であり、好ましくは0.3〜0.8であ
る。0.2以上であれば伸長反応工程における炭酸ガス
生成が穏やかであり粒子が微細化し易く、0.9以下で
あれば、生成するウレタン樹脂の分子量制御が容易であ
る。 【0072】(C)として(C1)の水性液を使用する
場合の、(C1)の濃度は、好ましくは0.5〜20
%、さらに好ましくは0.5〜10%である。 【0073】停止剤を使用する場合モノアルコール(メ
タノール、、イソプロパノール、ブタノール等)、また
は、前述の(p15)などを使用してもよいがその場合
停止剤の当量比はNCOに対して0.02〜0.2であ
る。 【0074】本発明における(B)の製造は、(A)と
(C)を混合することにより(A)の鎖伸長反応が起こ
り達成することができる。(A)と(C)の混合に用い
ることができる混合分散機としては、稼働動力が2KW
/m3 未満でよく、回転子/固定子方式分散機(荏原
製作所製エバラマイルダーMDN−303V、日鉄鉱業
(株)製キャビトロンCD−1010、富士合金鉄工
(株)製コルマDISYO 60、IKA工業製SUP
ER−DISPAX SD41等); 超音波振動方式分散機(日本精機製作所(株)製超音
波ホモジナイザーRUS−600型、特殊機化工業製
T、K、ミクロマイザーUJ20型等); 高圧衝撃方式分散機(マウントゴーリンラボラトリ−
社製ゴーリンホモジナイザー15M型、みずほ機械
(株)製M110 ET型マイクロフルイダイザー、特
殊機化工業(株)製T、K、ナノマイザー等); 振動型分散機(バイブロミキサー、冷化工業製);等
が挙げられる。 これら分散機のうち連続生産用として好ましいものは
、でありスケールアップし易い点で特に好ましいも
のはである。 【0075】本発明の(A)と(C)の混合分散方法に
ついては特に制約はないが、例えば 分散機に(A)を送り込み、分散機流路途中で(C)
をポンプで送り込み混合させる方法、 分散機入口で(A)と(C)を接触させ分散機中へで
送り込み混合させる方法 分散機に(C)をポンプで送り込み、分散機流路途中
で(A)を送り込み混合させる方法、 等が挙げられるが好ましいのはまたはである。また
(A)と(C)の混合条件については特に制約はない
が、例えば回転子/固定子型分散機を用いる場合、分散
機の回転数は通常2,000〜14,000rpm、好
ましくは3,000〜12,000rpmである。ま
た、分散時間は通常1〜30秒、好ましくは3〜20秒
である。分散機中の通過液流量は通常10〜6,000
L/hr、好ましくは20〜4,000L/hrであ
る。また、(C)の温度は通常10〜60℃、好ましく
は20〜50℃である。(C)が水の場合、温度は通常
10〜50℃、好ましくは20〜40℃である。 【0076】本発明の製造方法で得られた(B)は、固
形分濃度(水性媒体以外の成分割合)が好ましくは40
〜65%、さらに好ましくは50〜65%である。ま
た、(B)の粘度(25℃)は、好ましくは0.1〜3
Pa・sである。また、その平均粒子径は30〜500
nm、好ましくは30〜300nmである。(B)中の
有機溶媒の含有量は好ましくは0〜5%、さらに好まし
くは2%以下である。 【0077】本発明のポリウレタン樹脂の水性分散体
は、塗料用、接着剤用および繊維処理剤用などに使用で
きる。 【0078】以下、実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこの限りではない。 【0079】実施例中で使用する原料記号は以下の通り
である。 高分子ジオール(a2); PES−2000:ポリエステルジオール[1,4−ブ
タンジオールアジペート、数平均分子量2000、三洋
化成工業(株)製「サンエスター4620」] PP−2000 :ポリプロピレングリコール[数平均
分子量2000、三洋化成工業(株)製サンニックスP
P−2000] 乳化分散剤;エマルミンL380:ポリオキシエチレン
アルキルエーテル[三洋化成工業(株)製] 【0080】プレポリマーの合成例1 撹拌装置付ステンレス反応装置にDMPAを134部
(1モル)、PP−2000を2000部(1モル)、
IPDIを666部(3モル)、TEAを101部(1
モル)仕込み、50℃で8時間反応させて、粘度300
Pa・s/50℃、NCO含量2.7%のイソシアネー
ト基末端プレポリマー(a−1)を合成した。 【0081】プレポリマーの合成例2〜5 表1に示す原料を使用し、表1に示すモル比で仕込んだ
以外は、合成例1と同様にしてプレポリマー(a−2)
〜(a−5)を合成した。 【0082】 【表1】【0083】実施例1 ギアーポンプ(島津製作所製 SK−2型)を使用し
て、合成例1の反応容器から50℃に温調したプレポリ
マー(a−1)を20L/hrの流量で、また、別のタ
ンクに入れた20℃の水をダイアフラムポンプを使用し
9L/hrの流量でそれぞれ連続式混練装置(栗本鐵工
所製 KRCニーダー#2)に供給し、350rpmで
混練分散し(滞留時間:20秒)、プレポリマーの水性
分散体(A−1)を得た。(A−1)の固形分濃度は6
9%、粘度は2.0Pa・s/25℃、平均粒子径は6
0nmであった。 【0084】実施例2〜5 使用原料を表2に記載した原料に代えたこと以外は実施
例1と同様の装置、温度および流速で、実施例2〜5の
プレポリマーの水性分散体(A−2)〜(A−5)を得
た。分析値を表2に示す。 【0085】 【表2】 【0086】実施例6 (A−1)と、30℃に温調したIPDAの水性液(濃
度6.0%)をアミノ基(−NH2)のモル比がプレポ
リマーのイソシアネート基(−NCO)1モルに対して
0.6モルとなるよう1L/hrの流量で回転子/固定
子型連続式分散機(荏原制作所製:エバラマイルダーM
DN−303V)に供給し、6,000rpmで混合
し、濃度50%、粘度0.40Pa・s/25℃、平均
粒子径65nmのポリウレタン樹脂水性分散体(B−
1)を得た。 【0087】実施例7〜10 使用原料を表3に記載した原料に代えたこと以外は実施
例6と同様にして表3に示すポリウレタン樹脂水性分散
体(B−2)〜(B−6)を得た。 【0088】 【表3】 【0089】比較例1 ギアーポンプ(島津製作所製 SK−2型)を使用し
て、合成例1の反応容器から50℃に温調したプレポリ
マー(a−1)を20L/hrの流量で、また、別のタ
ンクに入れた20℃の水をダイアフラムポンプを使用し
9L/hrの流量で、回転子/固定子方式分散機(荏原
製作所製「エバラマイルダーMDN303V」:稼働動
力=1.5KW/m3)に供給し、10,000rpmで混
練分散した。約3分後に、撹拌が停止し、攪拌機を回転
させるモーターが焼き付いていた。 【0090】比較例2 ギアーポンプ(島津製作所製 SK−2型)を使用し
て、合成例2の反応容器から50℃に温調したプレポリ
マー(a−2)を20L/hrの流量で、また、別のタ
ンクに入れた20℃の水をダイアフラムポンプを使用し
9L/hrの流量で、回転子/固定子方式分散機(荏原
製作所製「エバラマイルダーMDN303V」:稼働動
力=1.5KW/m3)に供給し、6,000rpmで混練
分散した。約2分後に、撹拌速度が低下(2,000r
pm)したので、水の流量を12L/hrに増加し、さら
に6,000rpmで撹拌を継続した。生成したイソシ
アネート基末端プレポリマーの水性分散液(X−1)の
固形分濃度は62.5%、粘度は20Pa・s、平均粒
子径は350nmであった 【0091】 【発明の効果】本発明の水性分散体の製造方法は従来の
製造方法に比べて下記の効果を有する。 有機溶剤を使用しないで、または微量の有機溶剤の使
用のみで、高濃度で微粒子のポリウレタン樹脂水性分散
体を、短時間で安定して製造することができる。 上記の製造方法で得られたポリウレタン樹脂水性分散
体は、高濃度で微粒子からなるため、塗料用水性分散体
として使用すると乾燥造膜時間が短くなるという効果、
また接着剤用として使用すると初期接着力が大きくなる
という効果などが発揮できる。
端プレポリマーの水性分散体およびポリウレタン樹脂の
水性分散体の製造方法に関し、更に詳しくは高濃度、か
つ、微粒子のポリウレタン樹脂水性分散体を得る製造方
法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】有機溶剤の引火性、および人体への安全
性の観点から、有機溶剤の不存在下もしくは微量の有機
溶剤の存在下でポリウレタン樹脂水性分散体をの製造す
る方法が提案されている。例えば、有機溶剤の不存在下
に過剰のジイソシアネート、有機ポリオール、イオン基
になりうる二官能性イソシアネート反応性成分とから末
端イソシアネート基プレポリマーを形成し、これを中和
後、水もしくはアミンと接触混合分散させる方法が提案
(特開平3−149214号公報)されており、該公報
明細書には接触混合分散装置として高速撹拌機の使用が
好ましいことが記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな高速撹拌装置は装置の許容動力が小さく、分散体の
粘度が高くなると装置が停止し乳化できなくなるため、
プレポリマーの粘度を20Pa・s以下とする必要があ
った。またプレポリマーの粘度が20Pa・s未満であ
っても分散体中のプレポリマー濃度を50重量%以上と
すると分散体の粘度が高くなり装置が停止し乳化できな
くなるため、プレポリマーの濃度を50重量%未満とす
る必要があり、その結果アミンによる伸長反応の後に得
られる水性分散体中のポリウレタン樹脂濃度は25〜4
0重量%と低いという問題があった。本発の目的は、高
粘度のプレポリマーを用いても、高濃度、かつ微細粒子
のイソシアネート末端プレポリマーの水性分散体を製造
する方法、およびさらに鎖伸長させて高濃度、かつ微細
粒子ポリウレタン樹脂の水性分散体を短時間に製造する
方法を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、鋭意検討した結果、特定の連続式混
練装置を用いることにより、高濃度で微細粒子のイソシ
アネート末端プレポリマーの水性分散体、および高濃度
で微細粒子のポリウレタン樹脂水性分散体の製造が可能
であることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発
明はイソシアネート基末端プレポリマー(a)と水とを
稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機を用いて接触混
合させることを特徴とする(a)の水性分散体(A)の
製造方法;イソシアネート基末端プレポリマー(a)と
水とを稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機を用いて
接触混合させて水性分散体(A)を製造し、さらに鎖伸
長させることを特徴とするポリウレタン樹脂の水性分散
体(B)の製造方法;並びにこれらの製造方法により得
られたポリウレタン樹脂の水性分散体;である。 【0005】本発明におけるイソシアネート基末端プレ
ポリマー(a)は有機ポリイソシアネート(a1)、高
分子ポリオール(a2)、および必要により低分子ポリ
オール(a3)、イオン性基またはイオン形成性基含有
活性水素化合物(a4)から構成される。 【0006】(a1)には、ジイソシアネートおよび3
官能またはそれ以上の多官能イソシアネートが含まれ;
例えば、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)
6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18
の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数6〜15の脂環式
ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリ
イソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変
性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート
基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン
基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物
など)およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。 【0007】上記芳香族ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えば1,3−および/または1,4−フェニ
レンジイソシアネート、2,4−および/または2,6
−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、
2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナ
トビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソ
シアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジイソシアナトジフェニルメタン、 粗製MDI[粗製
ジアミノジフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族
アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;
ジアミノジフェニルメタンと少量の(例えば5〜20重
量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲ
ン化物;ポリアリールポリイソシアネート]、1,5−
ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフ
ェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソ
シアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられ
る。 【0008】上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート(2,6−ジイソシアナトメチルカプ
ロエート)、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレー
ト、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2
−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサ
ノエートが挙げられる。 【0009】上記脂環式ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPD
I)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネ
ート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス
(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または
2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。 【0010】上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体
例としては、例えばm−および/またはp−キシリレン
ジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル
キシリレンジイソシアネートが挙げられる。 【0011】また、上記ポリイソシアネートの変性物と
しては、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイ
ミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性
MDI)、ウレタン変性TDI、ビューレット変性HD
I、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変
性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこ
れらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン
変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との
併用]が含まれる。 【0012】これらのうち経日変化による変色が少ない
という点で好ましいものは脂肪族ジイソシアネート、脂
環式ジイソシアネートおよび芳香環含有脂肪族ジイソシ
アネートである。 【0013】(a2)には、ポリエーテルポリオール
(p1)、ポリエステルポリオール(p2)、ポリオレ
フィンポリオール(p3)、アクリルポリオール(p
4)、ポリマーポリオール(p5)、エポキシポリオー
ル(p6)等が含まれる。これらのうち、肌に着けたと
きの伸びの良さの点から好ましいものは(p1)、(p
2)、(p3)およびこれらの2種以上の混合物であ
る。 【0014】(p1)には、2個以上の活性水素原子
を有する低分子化合物に重合触媒を使用してアルキレン
オキサイド(以下AOと略記する)を開環付加させた構
造のもの、および活性水素原子を有する低分子化合物
の非存在下に重合触媒を使用してAOを開環重合させた
ものが含まれる。 【0015】上記の開環付加に使用される付加触媒と
しては、アニオン付加重合触媒(例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金
属の水酸化物)、カチオン付加重合触媒、配位アニオン
付加重合触媒等が挙げられる。これらのうち、経済性、
生産性の観点から、アニオン付加重合触媒による製造が
好ましい。アニオン重合による製造は、活性水素を含有
する化合物と上記重合触媒を加熱しながら、上記の単量
体を反応させることによってできる。反応温度として
は、40〜150℃、好ましくは90〜130℃であ
る。上記の開環重合に用いられる触媒としては特公昭
39−19561号公報に記載の有機亜鉛化合物とポリ
オールまたは多価フェノールとの反応生成物が挙げられ
る。 【0016】上記において、2個以上の活性水素原子
を有する化合物には、多価アルコール(p11)、多価
フェノール(p12)、ポリカルボン酸(p13)、ヒ
ドロキシカルボン酸(p14)、1級モノアミン(p1
5)、ポリアミン(p16)およびポリチオール(p1
7)が含まれ、活性水素原子1個当たりの数平均分子量
(GPC測定による。以下同様であり、Mnと略記す
る)が300未満(好ましくは30〜250)の化合物
が使用できる。 【0017】(p11)としては、2価アルコール、例
えば[直鎖脂肪族ジオール〔エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール(BG)、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールなど〕、分岐脂肪族ジオ
ール(1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2
−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)、
および環状脂肪族ジオール(米国特許第4,990,5
45号明細書記載のもの;シクロヘキサンジメタノー
ル、シクロヘキシレングリコール、水添ビスフェノール
Aなど)];3〜10価またはそれ以上の多価アルコー
ル、例えばアルカンポリオール(グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、およびそれらの分子間もしくは分子内脱水物[ジペ
ンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜
8)、ソルビタンなど]、糖類およびその誘導体(配糖
体)(蔗糖、メチルグルコシドなど);並びにこれらの
2種以上の混合物が挙げられる。 【0018】(p12)としては、単環多価フェノール
[ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、フロログリ
シンなど]、ビスフェノール類[ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、および米国特許第
4,990,545号明細書記載のこれらのハロゲン化
物(例えば、テトラブロモビスフェノールA)など]が
挙げられる。 【0019】(p13)としては、2〜8個またはそれ
以上のカルボキシル基を有する脂肪族ポリカルボン酸、
例えば飽和および不飽和脂肪族ポリカルボン酸[シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、エチルコハク
酸、アジピン酸、ピメリック酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン
酸、および不飽和モノカルボン酸もしくは上記の不飽和
ジカルボン酸の重合度2〜8の重合体(マレイン酸の2
量体、イタコン酸の2量体、アクリル酸の5量体、メタ
クリル酸の5量体など)];脂環式ポリカルボン酸、例
えば脂環式ジカルボン酸[1,2−および1,3−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−、1,3−、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸など]、重合脂肪酸[ダ
イマー酸およびトリマー酸(リノレイン酸およびリノー
ル酸などの不飽和脂肪酸の2量体および3量体な
ど)];芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸など]が挙げられる。 【0020】(p14)としては、1個以上の水酸基と
1個以上のカルボキシル基を1分子中に有する化合物、
例えば、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸お
よびリシノレイン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン
酸、並びにサリチル酸などの芳香族ヒドロキシカルボン
酸が挙げられる。 【0021】(p15)としては、炭素数1〜20の脂
肪族1級モノアミン[モノアルキルアミン(メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン
など)、およびモノアルケニルアミン(オレイルアミン
など)]、脂環族1級モノアミン(シクロヘキシルアミ
ンなど)、並びに芳香族1級モノアミン(ベンジルアミ
ンおよびアニリンなど)が挙げられる。 【0022】(p16)としては、脂肪族ポリアミン
[アルキレンジアミン(炭素数2〜18)、ポリアルキ
レン(炭素数2〜6)ポリアミン(3〜25個のアミノ
基を含有する)、およびこれらのアルキル(炭素数1〜
8)置換誘導体;具体的には、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレント
リアミン、N−メチルアミノエチルアミンなど]、芳香
族ポリアミン(炭素数6〜20)[2,4−および2,
6−トリレンジアミン、4,4’−および2,4’−ジ
フェニルメタンジアミン、ポリメチレンポリフェニレン
ポリアミン並びにトリフェニルメタントリアミンなど]
が挙げられる。 【0023】(p17)としては、多価アルコール(p
11)の水酸基をチオール基にした構造のものが挙げら
れ、具体的にはエチレンジチオール、プロピレンジチオ
ール、1,4−ブタンジチオールおよびドデカンジチオ
ールなどが挙げられる。 【0024】AOとしては、エチレンオキサイド(以下
EOと略す)、プロピレンオキサイド(以下POと略
す)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブ
チレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数5〜1
0またはそれ以上のα−オレフィンオキサイド、エピク
ロルヒドリンおよびこれらの2種以上の組み合わせ(ブ
ロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。 【0025】(p1)としては、例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールおよびビスフェノールAのEOおよび
/またはPO付加物のようなポリエーテルジオール、並
びにグリセリンのEOおよび/またはPO付加物のよう
な分岐ポリエーテルポリオールが挙げられる。 【0026】(p1)のうち好ましいものは、低分子ポ
リオール(特に脂肪族ジオール)にAO(特にPO)が
付加したものであり、AOの全重量のうち30%以上が
POであることが好ましい。 【0027】(p2)としては、例えば、ポリカルボン
酸とポリオールの縮重合物(p21)、ポリラクトンポ
リオール(p22)およびポリカーボネートポリオール
(p23)などが含まれる。 【0028】(p21)を構成するポリカルボン酸とし
ては、前述の(p13)、およびそれらのエステル形成
性誘導体(酸無水物、酸ハロゲン化物、低級アルキルエ
ステル)が含まれる。これらのうちで好ましくはジカル
ボン酸、特に脂肪族ジカルボン酸である。(p21)を
構成するポリオールとしては、前述の(p11)および
(P1)が含まれ、好ましくは(p11)、特に2価ア
ルコールである。(p21)の具体例としては、ポリ
(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンアジ
ペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)
ジオール、ポリ(ネオペンチルアジペート)ジオール、
ポリ(エチレン/ブチレンアジペート)ジオール、ポリ
(ネオペンチル/ヘキシルアジペート)ジオール、ポリ
(3−メチルペンチルアジペート)ジオール、ポリ(ブ
チレンイソフタレート)ジオールなどが挙げられる。 【0029】(p22)は、多価アルコールの存在下に
炭素数3〜12のラクトン(例えばカプロラクトンな
ど)を開環重合して得られるものであり、具体的には、
ポリカプロラクトンジオール、ポリ−3−メチルバレロ
ラクトンジオール等が挙げられる。 【0030】(p23)は、多価アルコールの存在下に
炭素数2〜12のアルキレンカーボネートを開環重合し
て得られるものであり、具体的には、ポリヘキサメチレ
ンカーボネートジオール等が挙げられる。 【0031】(p2)のうち、好ましいものは(p2
1)である。 【0032】(p3)には、オレフィン(1,3−ブタ
ジエン、炭素数8〜18のα−オレフィンなど)および
必要により少量(例えば15〜20重量%)の他の単量
体(例えばスチレン、アクリロニトリルなど)を(共)
重合して得られる末端が水酸基の(共)重合体が含まれ
る。具体的にはポリブタジエンから誘導されるポリブタ
ジエングリコール、炭素数8〜18のα−オレフィンか
ら誘導されるポリオレフィングリコールなどがあげられ
る。また、(p3)には、ポリブタジエングリコールの
不飽和二重結合に水素を付加した水素添加ポリブタジエ
ングリコールも含まれる。 【0033】(p4)には、ヒドロキシアルキル基の炭
素数2〜8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
および必要によりその他の単量体[例えばスチレン、ア
ルキル基の炭素数1〜20の(メタ)アクリレート(メ
タクリル酸メチル、アクリル酸メチルなど)]との
(共)重合体が含まれる。 【0034】(p5)には、ポリエーテルポリオールお
よび/またはポリエステルポリオールの存在下で、(メ
タ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル単量
体を重合して得られるものが含まれる。 【0035】(p6)には、ビスフェノール類(ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSな
ど)とエピクロルヒドリンの付加縮合物(ビスフェノー
ル骨格の数:2〜20)などが挙げられる。 【0036】(a2)の水酸基1ヶ当たりのMnは通常
400〜2,000であり、好ましくは500〜1,7
00である。400〜2,000であればポリウレタン
微粒子は良好な柔軟性を示す。また、(a2)の平均官
能基数は通常2.0〜3、好ましくは2.3〜3であ
り、さらに好ましくは2.4〜2.9である。2.0〜
3であればポリウレタン微粒子が良好な柔軟性をもち、
耐溶剤性も良好である。 【0037】(a2)のMnは通常800〜5,00
0、好ましくは1,000〜4,000である。 【0038】(a3)としては、炭素数2〜15の多価
アルコール類[前述の(p11)、およびこれらのAO
(EOおよび/またはPO)低モル付加物(Mn500
未満)]、ビスフェノールAのAO低モル付加物(Mn
500未満)、及びこれらの二種以上の混合物が挙げら
れる。これらのうち好ましくは多価アルコール類であ
る。 【0039】本発明における(a)は、水性分散体の乳
化分散性の安定性の観点から、その分子中にイオン性基
またはイオン形成性基を有することが好ましい。(a)
中にこれらの基を導入する方法としては以下の方法が挙
げられる。 【0040】イオン性基もしくはイオン形成性基含有
活性水素化合物(a4)を(a)の製造時に仕込み、活
性水素基とイソシアネートとを反応させる方法、 イオン形成性基含有活性水素化合物と後述のイソシア
ネート非反応性塩基もしくは酸を(a)の製造時に仕込
み、活性水素基とイソシアネートとを反応させるととも
に、イオン形成性基の塩を形成しイオン性基を(a)中
に形成させる方法。これらのうちで好ましくはの方法
である。 【0041】イオン形成性基含有活性水素化合物として
は、アニオン形成性基(カルボキシル基、スルホン酸
基、スルファミン酸基またはリン酸基など)または、カ
チオン形成性基(第三級アミノ基など)と活性水素含有
基(水酸基またはアミノ基など)とを有する化合物があ
げられ、活性水素の数は通常1〜4、好ましくは2〜3
であり、該化合物のMnは通常50〜6,000、好ま
しくは80〜5,000である。 【0042】カルボキシル基含有活性水素化合物(a4
1)としては、炭素数が4〜10のジアルキロールアル
カン酸[例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(D
MPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジ
メチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン
酸など]およびアミノ酸(2-アミノエタン酸等)が挙げ
られる。ジアルキロールアルカン酸のうちで水性分散体
製造に際し親水性を付与する為に好ましいものは2,2
−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブ
タン酸であり、特に好ましいものは2,2−ジメチロー
ルプロピオン酸およびその誘導体[ジメチロールプロピ
オン酸のγ−ブチロラクトン付加体(Mn800〜5,
000)など]である。 【0043】スルホン酸基含有活性水素化合物(a4
2)としてはスルホン酸ジオール[3−(2,3−ジヒ
ドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸な
ど]、炭素数が2〜4のアミノアルカンスルホン酸たと
えば、(2−アミノエタンスルホン酸、3−アミノプロ
パンスルホン酸等)があげられる。 【0044】スルファミン酸基含有活性水素化合物(a
43)としてはスルファミン酸ジオール[N,N−ビス
(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル
基の炭素数1〜6)またはそのAO付加物(AOとして
はEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例
えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミ
ン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スル
ファミン酸PO2モル付加物など]があげられる。 【0045】第三級アミノ基含有活性水素化合物(a4
4)としては炭素数が5〜10のアルカノールアミン、
たとえばトリエタノールアミン、並びに(p15)およ
び(p16)のAO低モル付加物(Mnが400以下、
例えばN−メチルジエタノールアミン)等があげられ
る。 【0046】また、イオン性基含有活性水素化合物とし
ては、前記アニオン形成性基含有活性水素化合物をイソ
シアネート非反応性塩基、例えば第三級アミン[アルキ
ル基の炭素数1〜18のトリアルキルアミン(トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン(TEA)、ジメチルエチ
ルアミン、ジエチルオクチルアミンなど)]の塩、もし
くはアルカリ金属(Na、K、Liなど)塩としたも
の、並びに第三級アミノ基含有活性水素化合物(a4
4)の第三級アミノ基をイソシアネート非反応性酸[炭
素数2〜12のカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪
酸、オクタン酸など)の塩としたものが挙げられる。 【0047】イオン性基またはイオン形性性基を含有す
る活性水素化合物のうち、好ましいものは、イオン性基
を含有する活性水素化合物であり、さらに好ましいもの
はアニオン性基を含有するもの、特に(a41)と第三
級アミンからのイオン性基、および(a42)のうちの
スルホン酸ジオールのナトリウム塩である。 【0048】(a)中における(a4)から誘導される
単位の重量割合は、(a4)が(a41)の場合、−C
OOHとして、好ましくは0.8〜3%であり、(a
4)が(a42)の場合、−SO3Hとして、好ましく
は0.5〜2%である。(以下において、特に断らない
限り、%は重量%を表す。) 【0049】本発明における(a)の製造法は、たとえ
ば以下の方法が挙げられる。 (a1)と(a2)並びに必要により(a3)および
/または(a4)からなる活性水素成分とを同時に反応
させる方法。 (a1)と(a2)および必要により(a3)を同時
に反応させた後、(a4)を反応させる方法。 (a1)と(a2)を反応させ、更に(a3)を反応
させた後に(a4)を反応させる方法。 反応温度は通常30〜100℃、好ましくは40〜80
℃である。また、(a)の製造において、(a)の粘度
が高いため撹拌が困難な場合、もしくはその後の水性分
散液を製造する工程における(a)の水への分散性を補
助する目的で、親水性有機溶媒、例えばケトン系溶媒
(アセトン、メチルエチルケトンなど)、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等を分散物中の(a)の濃度を著しく低
下させない範囲[好ましくは(a)に対して10%以
下]で用いることができる。なお、これらの親水性溶媒
を使用した場合は、後述のポリウレタン樹脂水性分散体
の製造工程もしくは製造後に親水性溶媒を蒸発除去など
の方法で除去することが好ましい。 【0050】(a)の製造において、NCO/活性水素
の仕込み当量比は、好ましくは1.3〜2.2、さらに
好ましくは1.4〜2.0である。この当量比が1.3
以上であれば、(a)が高分子量化しすぎないため、高
粘度化することが少ない。また2.2以下であれば、
(a)中の未反応イソシアネートが少なくなるため安定
性の面で好ましい。また、生成した(a)のイソシアネ
ート基含量は通常0.5〜10%、好ましくは1.5〜
6%である。また、(a)の粘度は好ましくは20〜
1,000Pa・s(50℃)、さらに好ましくは20
〜800Pa・sである。粘度が20〜1,000Pa
・sであれば、連続式混合機で(a)と水とを混合しや
すい。本発明における粘度の測定法は回転式粘度計(B
型粘度計)による方法である。 【0051】本発明の(A)の製造に用いられる連続式
混練機としては、稼働動力として2KW/m3以上、好まし
くは2.5KW/m3以上、さらに好ましくは3.0KW/m3
以上が必要である。稼働動力は、乳化工程中の動力値
(通常、運転中の電流値と電圧から算出される)から空
運転中の動力値を差し引いた値として定義される。この
稼働動力が2KW/m3未満の連続式混練機では、(a)の
高濃度の水性分散体を製造することが困難であり、かつ
微粒子になりにくい。 【0052】(a)と水の接触混合用として用いること
のできる稼働動力が2KW/m3以上の連続式混練装置とし
ては、「混合混練技術 日本粉体工業協会編 日刊工業
新聞1987.4.30出版 P250」または「橋本
建次郎著 混練装置 科学技術総合研究所編 198
9.9.20出版 P224」に記載の以下の容器固定
水平軸型連続式混練機があげられる。 コンテイニアスニーダー(栗本鉄工所製 KRCニー
ダーシリーズ); テーパーロール(日立製作所製 テーパーロールシリ
ーズ); エクストルーダー(池貝鉄工所、東芝機械); 単軸スクリューエクスルーダー(細川鉄工所); コニーダ型スクリュー押し出し機(八州物産); 平軸型連続式混練機があげられる。 コンテイニアスニーダー(栗本鉄工所製 KRCニー
ダーシリーズ); テーパーロール(日立製作所製 テーパーロールシリ
ーズ); エクストルーダー(池貝鉄工所、東芝機械); 単軸スクリューエクスルーダー(細川鉄工所); コニーダ型スクリュー押し出し機(八州物産); ボテーダ型混練機(櫻製作所);等が挙げられる。 ボテーダ型混練機(櫻製作所);等が挙げられる。 これら連続式混練装置のうち好ましいものとしてはセル
フクリーニング性に優れた2または3個の多数軸を有す
る、である。 【0053】本発明の水性分散体(A)の製造方法とし
ては、以下の方法で(a)を水と接触混合する方法が挙
げられる。 稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機に(a)をポン
プで送り込み、混練機流路途中で水、または乳化分散剤
含有水性液をポンプで連続的もしくは間欠的に送り込み
接触混合させる方法、 稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機に水または乳化
分散剤含有水性液をポンプで送り込み、混練機流路途中
で(a)をポンプで送り込み接触混合させる方法、等が
挙げられる。これらのうち好ましい方法はである。 【0054】(a)を水と接触混合させる場合の(a)
の温度は、好ましくは40〜100℃、さらに好ましく
は50〜90℃である。40℃以上であれば粘度が高す
ぎることがなく、分散容易となり、100℃以下であれ
ば(a)の安定性が低下することが少ない。また、水ま
たは乳化分散剤含有水性液の温度は好ましくは10〜5
0℃、さらに好ましくは20〜40℃である。10℃以
上であれば分散容易となり、40℃以下であれば水によ
る伸長反応が進みにくいので、その後のポリウレタン樹
脂水性分散体(B)の製造工程において、伸長反応に用
いるアミンのモル比のズレが少なくなり、良好な物性の
(B)を得やすい。 【0055】連続式混練機での分散時間(混練機内の滞
留時間)は通常1〜30秒、好ましくは3〜20秒であ
り、1〜30秒であれば安定な分散体が得られる。ま
た、混練機を通過する(a)と水の合計の流量は通常1
0〜4,000L/hr、好ましくは20〜3000L
/hrである。 【0056】本発明の(A)の製造方法において(a)
を水と接触混合させる工程で、必要により乳化分散剤を
使用してもよい。使用できる乳化分散剤としては、アニ
オン性、カチオン性、ノニオン性および両性の界面活性
剤、高分子型分散剤、およびこれらの併用が挙げられ
る。 【0057】アニオン性界面活性剤としては、炭素数8
〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸または
その塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜10
0)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなど]、炭素数8
〜24の炭化水素基を有する硫酸エステルもしくはエー
テル硫酸エステルまたはそれらの塩[ラウリル硫酸ナト
リウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜10
0)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン
(重合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールア
ミン、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウムな
ど]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸
塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど]、炭
素数8〜24の炭化水素基を1個もしくは2個有するス
ルホコハク酸塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有する
リン酸エステルもしくはエーテルリン酸エステルまたは
それらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキ
シエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリ
ン酸ナトリウムなど]、炭素数8〜24の炭化水素基を
有する脂肪酸塩[ラウリル酸ナトリウム、ラウリル酸ト
リエタノールアミンなど]および炭素数8〜24の炭化
水素基を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチ
ルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリ
ウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンエタノールアミン、N−
ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノール
アミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナ
トリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム
など]などが挙げられる。 【0058】ノニオン性界面活性剤としては、脂肪族ア
ルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭
素数2〜8)付加物(重合度=100)、多価(2価〜
10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜
24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノラ
ウリン酸ソルビタンなど]、脂肪酸(炭素数8〜24)
アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノー
ルアミド、1:1型ラウリン酸ジエタノールアミドな
ど]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合
度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニル
エーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、
重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミ
ンおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素
数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオ
キシドなど]などが挙げられる。 【0059】カチオン性界面活性剤としては、第4級ア
ンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステ
アリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪
酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなど]、
アミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド
乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸
塩など]などが挙げられる。 【0060】両性界面活性剤としては、ベタイン型両性
界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミ
ノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、2−アルキル−N−カルボキシルメチル−N−ヒド
ロキシルエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒ
ドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒド
ロキシエチルカルボキシメシルベタインヒドロキシプロ
ピル酸ナトリウムなど]、アミノ酸型両性界面活性剤
[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど]が
挙げられる。 【0061】高分子型分散剤としては、ポリビニルアル
コール、デンプンおよびその誘導体、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、ヒソロキシエチルセル
ロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ
などのカルボキシルキ含有(共)重合体、並びに特開平
7−133423号公報および特開平8−120041
号公報に記載のウレタン結合もしくはエステル結合を有
する高分子型分散剤など[例えば、ポリカプロラクトン
ポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネー
トで連結させたものなど]が使用できる。これらの高分
子型分散剤のMnは通常3,000〜1,000,00
0、好ましくは5,000〜100,000である。 【0062】これらの乳化分散剤のうちで水性分散体の
乳化分散安定性の観点から好ましいものは、アニオン性
界面活性剤、ノニオン性界面活性剤およびこれらの併用
であり、さらに好ましいものは、アニオン性界面活性剤
/ノニオン性界面活性剤=1/99〜30/70の割合
での併用である。 【0063】乳化分散剤の使用量は、(a)の固形分に
対して好ましくは0〜5%であり、(a4)を使用しな
い場合0〜4%である。(a)の製造時に(a4)を使
用する場合は、乳化分散剤は使用しない方がさらに好ま
しい。乳化分散剤を使用しないと、ポリウレタン樹脂水
性分散体(B)から得られるフィルム、接着剤などの耐
水性および物理的物性が良好な傾向になる。 【0064】本発明の(A)の固形分濃度(水性媒体以
外の成分の割合)は通常50〜80%、好ましくは60
〜80%、特に好ましくは65〜75%である。50%
以上であれば、せん断効率が下がりにくく微粒子となり
易い。また、80以下であれば相転換が起こり易く乳化
されやすい。 【0065】本発明における固形分濃度は、直径9cm
のガラス製シャーレ1枚に(A)もしくは(B)の試料
を約1.80g精秤し、130℃の循風乾燥機で90分
間乾燥した後の重量を、試料の重量に対する百分率で表
したものであり、試料採取2回の繰り返しによる平均値
である。 【0066】(A)の粘度(25℃)は、好ましくは
0.2〜10Pa・s、さらに好ましくは0.2〜5P
a・sである。 【0067】(A)の平均粒子径は30〜500nm、
好ましくは30〜300nmである。本発明における平
均粒子径は光散乱法で測定される数平均粒子径である。 【0068】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体
(B)を製造する方法において、(A)を鎖伸長するた
めに使用できる鎖伸長剤(C)としてはポリアミン(C
1)の水性液(水溶液もしくは水以外の水溶性溶媒含有
してもよい)および水が挙げられる。 【0069】(C1)としては、脂肪族ポリアミン(C
11)[脂肪族ジアミン;アルキレンジアミン(炭素数
2〜18)例えば、エチレンジアミン(EDA)、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど、並
びにポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン(3〜
25個のアミノ基を含有する)およびこれらのアルキル
(炭素数1〜8)置換誘導体;例えばジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミンなど]、脂環式ポリアミン(C12)[4,4’−
ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、イソホロンジアミン(IPDA)等]、
芳香環を有する脂肪族ポリアミン(c13)[キシリレ
ンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン等]、芳
香族ポリアミン(C14)[4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジア
ミン等]、複素環式ポリアミン(C15)[ピペラジ
ン、アミノエチルピペラジン等]、アルカノールアミン
(C16)[モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等]、ヒドラ
ジン(HDH)およびヒドラジン誘導体(C17)[カ
ルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドなど]、が
挙げられる。 【0070】(C)のうち好ましいものは反応速度が早
い点から(C1)の水性液であり、(C1)のうち、さ
らに好ましいものは(C11)、(C12)および(C
17)であり、特に好ましいものは生成するポリウレタ
ン樹脂の分子量制御のし易さの点から(C17)、(C
17)と(C11)の併用、および(C17)と(C1
2)の併用である。併用の場合の(C17)に対する他
のアミンの割合は(C17)/他のアミン=9/1〜1
/9である。 【0071】本発明において、(C1)の1,2級アミ
ノ基(NH2 +NH)と(a)のイソシアネート基(N
CO)の当量比[(NH2+NH)/NCO]は、通常
0.2〜0.9であり、好ましくは0.3〜0.8であ
る。0.2以上であれば伸長反応工程における炭酸ガス
生成が穏やかであり粒子が微細化し易く、0.9以下で
あれば、生成するウレタン樹脂の分子量制御が容易であ
る。 【0072】(C)として(C1)の水性液を使用する
場合の、(C1)の濃度は、好ましくは0.5〜20
%、さらに好ましくは0.5〜10%である。 【0073】停止剤を使用する場合モノアルコール(メ
タノール、、イソプロパノール、ブタノール等)、また
は、前述の(p15)などを使用してもよいがその場合
停止剤の当量比はNCOに対して0.02〜0.2であ
る。 【0074】本発明における(B)の製造は、(A)と
(C)を混合することにより(A)の鎖伸長反応が起こ
り達成することができる。(A)と(C)の混合に用い
ることができる混合分散機としては、稼働動力が2KW
/m3 未満でよく、回転子/固定子方式分散機(荏原
製作所製エバラマイルダーMDN−303V、日鉄鉱業
(株)製キャビトロンCD−1010、富士合金鉄工
(株)製コルマDISYO 60、IKA工業製SUP
ER−DISPAX SD41等); 超音波振動方式分散機(日本精機製作所(株)製超音
波ホモジナイザーRUS−600型、特殊機化工業製
T、K、ミクロマイザーUJ20型等); 高圧衝撃方式分散機(マウントゴーリンラボラトリ−
社製ゴーリンホモジナイザー15M型、みずほ機械
(株)製M110 ET型マイクロフルイダイザー、特
殊機化工業(株)製T、K、ナノマイザー等); 振動型分散機(バイブロミキサー、冷化工業製);等
が挙げられる。 これら分散機のうち連続生産用として好ましいものは
、でありスケールアップし易い点で特に好ましいも
のはである。 【0075】本発明の(A)と(C)の混合分散方法に
ついては特に制約はないが、例えば 分散機に(A)を送り込み、分散機流路途中で(C)
をポンプで送り込み混合させる方法、 分散機入口で(A)と(C)を接触させ分散機中へで
送り込み混合させる方法 分散機に(C)をポンプで送り込み、分散機流路途中
で(A)を送り込み混合させる方法、 等が挙げられるが好ましいのはまたはである。また
(A)と(C)の混合条件については特に制約はない
が、例えば回転子/固定子型分散機を用いる場合、分散
機の回転数は通常2,000〜14,000rpm、好
ましくは3,000〜12,000rpmである。ま
た、分散時間は通常1〜30秒、好ましくは3〜20秒
である。分散機中の通過液流量は通常10〜6,000
L/hr、好ましくは20〜4,000L/hrであ
る。また、(C)の温度は通常10〜60℃、好ましく
は20〜50℃である。(C)が水の場合、温度は通常
10〜50℃、好ましくは20〜40℃である。 【0076】本発明の製造方法で得られた(B)は、固
形分濃度(水性媒体以外の成分割合)が好ましくは40
〜65%、さらに好ましくは50〜65%である。ま
た、(B)の粘度(25℃)は、好ましくは0.1〜3
Pa・sである。また、その平均粒子径は30〜500
nm、好ましくは30〜300nmである。(B)中の
有機溶媒の含有量は好ましくは0〜5%、さらに好まし
くは2%以下である。 【0077】本発明のポリウレタン樹脂の水性分散体
は、塗料用、接着剤用および繊維処理剤用などに使用で
きる。 【0078】以下、実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこの限りではない。 【0079】実施例中で使用する原料記号は以下の通り
である。 高分子ジオール(a2); PES−2000:ポリエステルジオール[1,4−ブ
タンジオールアジペート、数平均分子量2000、三洋
化成工業(株)製「サンエスター4620」] PP−2000 :ポリプロピレングリコール[数平均
分子量2000、三洋化成工業(株)製サンニックスP
P−2000] 乳化分散剤;エマルミンL380:ポリオキシエチレン
アルキルエーテル[三洋化成工業(株)製] 【0080】プレポリマーの合成例1 撹拌装置付ステンレス反応装置にDMPAを134部
(1モル)、PP−2000を2000部(1モル)、
IPDIを666部(3モル)、TEAを101部(1
モル)仕込み、50℃で8時間反応させて、粘度300
Pa・s/50℃、NCO含量2.7%のイソシアネー
ト基末端プレポリマー(a−1)を合成した。 【0081】プレポリマーの合成例2〜5 表1に示す原料を使用し、表1に示すモル比で仕込んだ
以外は、合成例1と同様にしてプレポリマー(a−2)
〜(a−5)を合成した。 【0082】 【表1】【0083】実施例1 ギアーポンプ(島津製作所製 SK−2型)を使用し
て、合成例1の反応容器から50℃に温調したプレポリ
マー(a−1)を20L/hrの流量で、また、別のタ
ンクに入れた20℃の水をダイアフラムポンプを使用し
9L/hrの流量でそれぞれ連続式混練装置(栗本鐵工
所製 KRCニーダー#2)に供給し、350rpmで
混練分散し(滞留時間:20秒)、プレポリマーの水性
分散体(A−1)を得た。(A−1)の固形分濃度は6
9%、粘度は2.0Pa・s/25℃、平均粒子径は6
0nmであった。 【0084】実施例2〜5 使用原料を表2に記載した原料に代えたこと以外は実施
例1と同様の装置、温度および流速で、実施例2〜5の
プレポリマーの水性分散体(A−2)〜(A−5)を得
た。分析値を表2に示す。 【0085】 【表2】 【0086】実施例6 (A−1)と、30℃に温調したIPDAの水性液(濃
度6.0%)をアミノ基(−NH2)のモル比がプレポ
リマーのイソシアネート基(−NCO)1モルに対して
0.6モルとなるよう1L/hrの流量で回転子/固定
子型連続式分散機(荏原制作所製:エバラマイルダーM
DN−303V)に供給し、6,000rpmで混合
し、濃度50%、粘度0.40Pa・s/25℃、平均
粒子径65nmのポリウレタン樹脂水性分散体(B−
1)を得た。 【0087】実施例7〜10 使用原料を表3に記載した原料に代えたこと以外は実施
例6と同様にして表3に示すポリウレタン樹脂水性分散
体(B−2)〜(B−6)を得た。 【0088】 【表3】 【0089】比較例1 ギアーポンプ(島津製作所製 SK−2型)を使用し
て、合成例1の反応容器から50℃に温調したプレポリ
マー(a−1)を20L/hrの流量で、また、別のタ
ンクに入れた20℃の水をダイアフラムポンプを使用し
9L/hrの流量で、回転子/固定子方式分散機(荏原
製作所製「エバラマイルダーMDN303V」:稼働動
力=1.5KW/m3)に供給し、10,000rpmで混
練分散した。約3分後に、撹拌が停止し、攪拌機を回転
させるモーターが焼き付いていた。 【0090】比較例2 ギアーポンプ(島津製作所製 SK−2型)を使用し
て、合成例2の反応容器から50℃に温調したプレポリ
マー(a−2)を20L/hrの流量で、また、別のタ
ンクに入れた20℃の水をダイアフラムポンプを使用し
9L/hrの流量で、回転子/固定子方式分散機(荏原
製作所製「エバラマイルダーMDN303V」:稼働動
力=1.5KW/m3)に供給し、6,000rpmで混練
分散した。約2分後に、撹拌速度が低下(2,000r
pm)したので、水の流量を12L/hrに増加し、さら
に6,000rpmで撹拌を継続した。生成したイソシ
アネート基末端プレポリマーの水性分散液(X−1)の
固形分濃度は62.5%、粘度は20Pa・s、平均粒
子径は350nmであった 【0091】 【発明の効果】本発明の水性分散体の製造方法は従来の
製造方法に比べて下記の効果を有する。 有機溶剤を使用しないで、または微量の有機溶剤の使
用のみで、高濃度で微粒子のポリウレタン樹脂水性分散
体を、短時間で安定して製造することができる。 上記の製造方法で得られたポリウレタン樹脂水性分散
体は、高濃度で微粒子からなるため、塗料用水性分散体
として使用すると乾燥造膜時間が短くなるという効果、
また接着剤用として使用すると初期接着力が大きくなる
という効果などが発揮できる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 イソシアネート基末端プレポリマー
(a)と水とを稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機
を用いて接触混合させることを特徴とする(a)の水性
分散体(A)の製造方法。 【請求項2】 イソシアネート基末端プレポリマー
(a)と水とを稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機
を用いて接触混合させて水性分散体(A)を製造し、さ
らに鎖伸長させることを特徴とするポリウレタン樹脂の
水性分散体(B)の製造方法。 【請求項3】 (a)がイオン性基またはイオン形成性
基を含有するイソシアネート基末端プレポリマーである
請求項1または2記載の水性分散体の製造方法。 【請求項4】 連続式混練機がコンテイニアスニーダ
ー、テーパーロール、およびエクストルーダーからなる
群から選ばれる多数軸を有する混練機である請求項1〜
3のいずれかに記載の水性分散体の製造方法。 【請求項5 】 乳化剤の不存在下または存在下に
(a)と水とを接触混合することを特徴とする請求項1
〜4のいずれかに記載の水性分散体の製造方法。 【請求項6】 (a)の50℃における粘度が20〜
1,000Pa・sである請求項1〜5のいずれかに記
載の水性分散体の製造方法。 【請求項7】 (a)と水とを接触混合させて製造され
た水性分散体(A)中の(a)の濃度が60〜80重量
%である請求項1〜6のいずれかに記載の水性分散体の
製造方法。 【請求項8】 水性分散体(A)と、アミンの水性液ま
たは水とを混合分散させて鎖伸長反応させることを特徴
とする請求項2〜7のいずれかに記載の水性分散体の製
造方法。 【請求項9】 水性分散体(A)の鎖伸長反応を、固定
子/回転子方式分散機、超音波分散機、高圧衝撃方式分
散機、および振動混合方式分散機からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の分散機を用いて行う請求項2〜8の
いずれかに記載の水性分散体の製造方法。 【請求項10】 イソシアネート基末端プレポリマー
(a)と水とを稼働動力2KW/m3以上の連続式混練機
を用いて接触混合させて水性分散体(A)を製造し、さ
らに鎖伸長させることにより得られるポリウレタン樹脂
の水性分散体。 【請求項11】 固形分濃度が40〜65重量%、か
つ、平均粒子径が30〜500nmである請求項10記
載のポリウレタン樹脂水性分散体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002242364A JP2003138021A (ja) | 2001-08-23 | 2002-08-22 | イソシアネート基末端プレポリマー及びポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法 |
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JP2002242364A JP2003138021A (ja) | 2001-08-23 | 2002-08-22 | イソシアネート基末端プレポリマー及びポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005232277A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Mitsui Takeda Chemicals Inc | ポリウレタン水性分散系、その製造方法および用途 |
JP2009079157A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc | 水性ポリウレタン樹脂の製造方法、水性ポリウレタン樹脂およびフィルム |
JP2010215803A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc | 水性ポリウレタン樹脂の製造方法、水性ポリウレタン樹脂およびフィルム |
-
2002
- 2002-08-22 JP JP2002242364A patent/JP2003138021A/ja active Pending
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JP2010215803A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc | 水性ポリウレタン樹脂の製造方法、水性ポリウレタン樹脂およびフィルム |
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