JP2003136647A - 積層体 - Google Patents

積層体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、軽量性、ゴム弾性、クッション性、
強靭性、耐傷つき性、耐摩耗性、加工性等の特性に優
れ、表皮材等として有用な積層体の提供。 【解決手段】 表面処理層(a)/重合体組成物層(b)の
順序または表面処理層(a)/重合体組成物層(b)/熱可
塑性重合体発泡体層(c)の順序で積層された積層体であ
って; ・表面処理層(a)が極性重合体よりなるコーティング
層;及び ・重合体組成物層(b)が、芳香族ビニル系重合体ブロッ
クと共役ジエン系重合体ブロックを有する(水添)ブロ
ック共重合体からなる付加重合系ブロックと熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーブロックを有するポリウレタン
系ブロック共重合体(I)100質量部に対して、芳香族
ビニル系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロック
を有する(水添)付加重合系ブロック共重合体(II)を2
0〜500質量部、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(III)を50〜300質量部、並びに軟化剤(IV)を0〜
300質量部の割合で含有する熱可塑性重合体組成物よ
りなる層;である積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐傷つき性および
耐摩耗性に優れる特定の熱可塑性重合体組成物層上に表
面処理層が施された積層体、熱可塑性重合体よりなる発
泡体層上に耐傷つき性および耐摩耗性に優れる特定の熱
可塑性重合体組成物層が積層され、その熱可塑性重合体
組成物層上に更に表面処理層が施された積層体、並びに
これらの積層体のうちの前者の積層体の熱可塑性重合体
組成物層側または後者の積層体の発泡体層側に更に重合
体、金属、布帛および木材から選ばれる少なくとも1種
の材料よりなる層が積層されている積層構造体に関す
る。表面処理層および熱可塑性重合体組成物層を有し、
必要に応じて熱可塑性重合体層の下面に更に熱可塑性重
合体発泡体層を有する本発明の積層体は、柔軟性、軽量
性、ゴム弾性、クッション性(緩衝性)、強靭性、耐傷
つき性、耐摩耗性、加工性などの特性に優れている。そ
のため、本発明の積層体は、表皮材として広範な用途に
極めて有用であり、更に表皮材以外にも有効に用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】軟質のポリ塩化ビニル樹脂組成物を用い
てなる表皮材は、安価で、柔軟性、耐傷つき性に優れて
いることから、インストルメントパネル、ドアトリム、
コンソールボックス、座席シートなどの自動車内装材、
ソファーや椅子などの家具などの広い分野で従来から利
用されている。しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は、
焼却時にダイオキシンなどの有害物質を発生し、またポ
リ塩化ビニル樹脂の可塑化のために用いられている可塑
剤が環境ホルモンや発癌物質などとして作用する疑いが
もたれており、環境汚染や安全性の点で問題がある。そ
のため、近年、ポリ塩化ビニル樹脂の代換材料として、
ハロゲンや可塑剤を含まず、柔軟性に優れるポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーやスチレン系熱可塑性エラ
ストマーが使用されるようになっているが、これらの熱
可塑性エラストマーは耐傷つき性、耐摩耗性に劣る。
【0003】そこで、耐傷つき性や耐摩耗性を向上させ
る目的で、ウレタン系樹脂塗料やアクリル系樹脂塗料を
前記熱可塑性エラストマーの表面にコーティングするこ
とが行われている。しかしながら、極性の低いポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーやスチレン系熱可塑性エ
ラストマーに、極性の高いウレタン系樹脂塗料やアクリ
ル系樹脂塗料をコーティングしても十分な接着強度が得
られず、コーティング層の剥離などが生じやすい。その
ため、従来技術では、前記した熱可塑性エラストマー表
面に、塩素化ポリオレフィンや酸変性ポリオレフィンな
どのプライマーを下塗りした後に、ウレタン系樹脂塗料
やアクリル系樹脂塗料をコーティングするという多段の
表面処理工程を採用せざるを得なかった。また、プライ
マーによる下塗りを省略するために、ウレタン系樹脂塗
料やアクリル系樹脂塗料中に塩素化ポリオレフィンをブ
レンドすることも検討されている。しかし、塗膜の表面
平滑性や機械的特性が低下し、しかも光による変色など
の欠点がある。一方、耐傷つき性および耐摩耗性に優れ
る熱可塑性エラストマーとしてはポリウレタン系熱可塑
性エラストマーが挙げられる。しかしながら、ポリウレ
タン系熱可塑性エラストマーは、表皮材として用いた場
合に、柔軟性や加工性に劣るため、単体では用いること
ができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性、軽量性、ゴム弾性、クッション性(緩衝性)、強靭
性、耐傷つき性、耐摩耗性、加工性などの特性に優れて
いて、表皮材などとして広範な用途に有用に用いること
のできる積層体を提供することである。さらに、本発明
の目的は、前記積層体を表皮材とし、その裏側に重合
体、金属、布帛および/または木材よりなる層を更に有
する、各種製品として有用な積層構造体を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは鋭意研究を続けてきた。その結果、(水素
添加)スチレン・ジエン共重合体ブロックと熱可塑性ポ
リウレタン重合体ブロックを有するポリウレタン系ブロ
ック共重合体、(水素添加)スチレン・ジエン系ブロック
共重合体、熱可塑性ポリウレタンおよび軟化剤を特定の
割合で含有する熱可塑性重合体組成物が、柔軟性、軽量
性、ゴム弾性、クッション性(緩衝性)、強靭性、耐傷
つき性、耐摩耗性、加工性などの特性に優れることを見
出した。そして、前記知見に基づいて、かかる熱可塑性
重合体組成物よりなる層に表面処理を施した積層体、ま
たは熱可塑性重合体発泡体上に前記熱可塑性重合体組成
物よりなる層を形成し、その層上に極性重合体よりなる
表面処理層を施すことにより得られる積層体が、柔軟
性、軽量性、ゴム弾性、クッション性(緩衝性)、強靭
性、耐傷つき性、耐摩耗性、加工性に優れていて、表皮
材などとして広範な用途に極めて有用に用い得ることを
見出した。また、本発明者らは、前記積層体における表
面処理層としては、ポリウレタン系コーティング層が好
適であること、熱可塑性重合体発泡体層としてはポリオ
レフィン系樹脂および/または各種の熱可塑性エラスト
マーから形成された発泡体からなる層が好適であること
を見出した。さらに、本発明者らは、前記した積層体を
表皮材として該積層体の重合体組成物層側または発泡体
層側に、重合体、金属、布帛および木材から選ばれる少
なくとも1種の材料からなる層を更に積層すると、それ
により得られる積層構造体は、例えば、各種自動車内装
材、各種家具や事務用品、スポーツ用品、レジャー用
品、文房具、玩具などの広範な用途に有効に用い得るこ
とを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は、(1)(i) 表面
処理層(a)/重合体組成物層(b)の順序で積層され
ているか、または表面処理層(a)/重合体組成物層
(b)/熱可塑性重合体発泡体層(c)の順序で積層さ
れている積層体であって;(ii) 表面処理層(a)
が、極性重合体から主としてなるコーティング層であ
り;且つ、(iii) 重合体組成物層(b)が、 ・芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロック
(A1)と共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブ
ロック(B1)を有するブロック共重合体またはその水
素添加物からなる付加重合系ブロック(C)と、熱可塑
性ポリウレタンエラストマーブロック(D)を有するポ
リウレタン系ブロック共重合体(I)100質量部に対
して; ・芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロック
(A2)と共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブ
ロック(B2)を有するブロック共重合体およびその水
素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロ
ック共重合体(II)を20〜500質量部; ・熱可塑性ポリウレタンエラストマー(III)を50〜
300質量部;並びに、 ・軟化剤(IV)を0〜300質量部;の割合で含有する
熱可塑性重合体組成物からなる層である;ことを特徴と
する積層体である。
【0007】そして、本発明は、(2) 表面処理層
(a)が、ポリウレタン系コーティング層である前記
(1)の積層体;(3) 熱可塑性重合体発泡体層
(c)が、ポリオレフィン系樹脂および熱可塑性エラス
トマーの少なくとも1種を用いて形成した発泡体からな
る層である前記(1)または(2)の積層体;および、
(4) 熱可塑性重合体発泡体層(c)が、ポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性
エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、
ポリアミド系熱可塑性エラストマーおよびポリウレタン
系熱可塑性エラストマーの少なくとも1種を用いて形成
した発泡体からなる層である前記(3)の積層体;であ
る。
【0008】さらに、本発明は、(5) 前記(1)〜
(4)のいずれかの積層体における表面処理層(a)/
重合体組成物層(b)よりなる積層体の重合体組成物層
(b)の下面側、または表面処理層(a)/重合体組成
物層(b)/熱可塑性重合体発泡体層(c)よりなる積
層体の熱可塑性重合体発泡体層(c)の下面側に、重合
体、金属、布帛および木材から選ばれる少なくとも1種
の材料からなる層が更に積層されている積層構造体;お
よび、(6) 前記重合体層が、溶融積層によって重合
体組成物層(b)または熱可塑性重合体発泡体層(c)
の下面側に積層されている前記(5)の積層構造体;で
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の積層体は、表面処理層(a)/重合体組
成物層(b)の順序で積層しているか、または表面処理
層(a)/重合体組成物層(b)/熱可塑性重合体発泡
体層(c)の順序で積層している積層体である。本発明
の積層体の一方の表面側に位置する表面処理層(a)
は、極性重合体から主としてなるコーティング層であ
り、極性重合体を主体とする表面処理剤(コーティング
剤)または被覆剤から形成された層であればいずれでも
よい。そのうちでも、表面処理層(a)は、ポリウレタ
ン系コーティング剤、アクリル系樹脂コーティング剤ま
たはこれらの混合物から形成されたコーティング層であ
ることが、耐加水分解性、耐変色性、耐摩耗性、耐傷つ
き性、強靭性などの特性に優れ、しかも表面処理層
(a)と重合体組成物層(b)との接着性が良好である
ことから好ましく、ポリウレタン系コーティング剤から
形成されたコーティング層であることがより好ましい。
表面処理層(a)を形成するポリウレタン系コーティン
グ剤およびアクリル系樹脂コーティング剤としては、一
液型コーティング剤、二液型コーティング剤など従来既
知のいずれのものも使用できる。
【0010】表面処理層(a)の形成に好ましく用いら
れるポリウレタン系コーティング剤としては、例えば、
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポ
リカーボネートポリオールなどの高・中分子量ポリオー
ル;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネートおよび/または水素化4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネートなどの脂肪族または脂環族ジイソシアネー
ト;1,4−ブタンジアミン、ヒドラジン、ヘキサメチ
レンジアミンなどの脂肪族ジアミン、低分子量ジオール
などの鎖伸長剤を用いてなるポリウレタン系コーティン
グ剤を挙げることができる。そのうちでも、ポリカーボ
ネートポリオールおよび/またはポリエーテルポリオー
ル、脂肪族ジイソシアネートおよび脂肪族ジアミン系鎖
伸長剤を用いてなるポリウレタン系コーティング剤が、
耐加水分解性、耐変色性に優れていることから好ましく
用いられる。
【0011】本発明の積層体を構成する重合体組成物層
(b)は、ポリウレタン系ブロック共重合体(I)、付
加重合系ブロック共重合体(II)および熱可塑性ポリウ
レタンエラストマー(III)を含有し、場合により更に
軟化剤(IV)を含有する熱可塑性重合体組成物から形成
された層である。
【0012】重合体組成物層(b)を形成する熱可塑性
重合体組成物で用いるポリウレタン系ブロック共重合体
(I)は、芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体
ブロック(A1)[以下「芳香族ビニル重合体ブロック
(A1)」という]と共役ジエン化合物から主としてな
る重合体ブロック(B1)[以下「共役ジエン重合体ブ
ロック(B1)」という]を有するブロック共重合体ま
たはその水素添加物からなる付加重合系ブロック(C)
と、熱可塑性ポリウレタンエラストマーブロック(D)
を有するポリウレタン系ブロック共重合体である。ま
た、重合体組成物層(b)を形成する熱可塑性重合体組
成物で用いる付加重合系ブロック共重合体(II)は、芳
香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロック(A
2)[以下「芳香族ビニル重合体ブロック(A2)」と
いう]と、共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブ
ロック(B2)[以下「共役ジエン重合体ブロック(B
2)」という]を有するブロック共重合体およびその水
素添加物から選ばれる少なくとも1種からなっている。
【0013】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)の
付加重合系ブロック(C)における芳香族ビニル重合体
ブロック(A1)、および付加重合系ブロック共重合体
(II)における芳香族ビニル重合体ブロック(A2)を
構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
2,4,6−トリメチルスチレン、モノフルオロスチレ
ン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロ
ロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビ
ニルアントラセンなどのビニル芳香族化合物を挙げるこ
とができる。芳香族ビニル重合体ブロック(A1)およ
び(A2)は、前記した芳香族ビニル化合物の1種のみ
からなる構造単位を有していても、または2種以上から
なる構造単位を有していてもよい。そのうちでも、芳香
族ビニル重合体ブロック(A1)および(A2)はスチ
レンに由来する構造単位から主としてなっていることが
好ましい。
【0014】芳香族ビニル重合体ブロック(A1)およ
び(A2)は、芳香族ビニル化合物からなる構造単位と
共に必要に応じて他の共重合性単量体からなる構造単位
を少量有していてもよい。その場合の他の共重合性単量
体からなる構造単位の割合は、芳香族ビニル重合体ブロ
ック(A1)または(A2)の質量に基づいて10質量
%以下であることが好ましく、5質量%以下であること
がより好ましい。その場合の他の共重合性単量体として
は、例えば1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエ
ン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどのイオン重
合性単量体を挙げることができる。
【0015】また、ポリウレタン系ブロック共重合体
(I)の付加重合系ブロック(C)における共役ジエン
重合体ブロック(B1)、および付加重合系ブロック共
重合体(II)における共役ジエン重合体ブロック(B
2)を構成する共役ジエン化合物としては、ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなど
を挙げることができる。共役ジエン重合体ブロック(B
1)および(B2)は、これらの共役ジエン化合物の1
種から構成されていてもまたは2種以上から構成されて
いてもよい。共役ジエン重合体ブロック(B1)および
/または(B2)が2種以上の共役ジエン化合物に由来
する構造単位を有している場合は、それらの結合形態は
ランダム、テーパー、一部ブロック状、またはそれらの
2種以上の組み合わせからなっていることができる。
【0016】そのうちでも、共役ジエン重合体ブロック
(B1)および(B2)は、ゴム物性の改善効果の点か
ら、イソプレン単位とする主体とするモノマー単位から
なるポリイソプレンブロックまたはその不飽和結合の一
部または全部が水素添加された水添ポリイソプレンブロ
ック;ブタジエン単位を主体とするモノマー単位からな
るポリブタジエンブロックまたはその不飽和結合の一部
または全部が水素添加された水添ポリブタジエンブロッ
ク;或いはイソプレン単位とブタジエン単位を主体とす
るモノマー単位からなるイソプレン/ブタジエン共重合
ブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素
添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合ブロック
であることが好ましい。
【0017】共役ジエン重合体ブロック(B1)および
/または(B2)の構成ブロックとなり得る上記したポ
リイソプレンブロックでは、その水素添加前には、イソ
プレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−
1,4−ジイル基[−CH2−C(CH3)=CH−CH
2−;1,4−結合のイソプレン単位]、イソプロペニ
ルエチレン基[−CH(C(CH3)=CH2)−CH2
−;3,4−結合のイソプレン単位]および1−メチル
−1−ビニルエチレン基[−C(CH3)(CH=C
2)−CH2−;1,2−結合のイソプレン単位]から
なる群から選ばれる少なくとも1種の基からなってお
り、各単位の割合は特に限定されない。
【0018】共役ジエン重合体ブロック(B1)および
/または(B2)の構成ブロックとなり得る上記したポ
リブタジエンブロックでは、その水素添加前には、その
ブタジエン単位の70〜20モル%、特に65〜40モ
ル%が2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH2−CH
=CH−CH2−;1,4−結合ブタジエン単位)であ
り、30〜80モル%、特に35〜60モル%がビニル
エチレン基[−CH(CH=CH)−CH2−;1,2
−結合ブタジエン単位]であることが好ましい。ポリブ
タジエンブロックにおける1,4−結合量が上記した7
0〜20モル%の範囲から外れると、そのゴム物性が不
良になることがある。
【0019】共役ジエン重合体ブロック(B1)および
/または(B2)の構成ブロックとなり得る上記したイ
ソプレン/ブタジエン共重合ブロックでは、その水素添
加前には、イソプレンに由来する単位は2−メチル−2
−ブテン−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレン
基および1−メチル−1−ビニルエチレン基からなる群
から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、また
ブタジエンに由来する単位は2−ブテン−1,4−ジイ
ル基および/またはビニルエチレン基からなっており、
各単位の割合は特に制限されない。イソプレン/ブタジ
エン共重合ブロックでは、イソプレン単位とブタジエン
単位の配置は、ランダム状、ブロック状、テーパーブロ
ック状のいずれの形態になっていてもよい。そして、イ
ソプレン/ブタジエン共重合ブロックでは、ゴム物性の
改善効果の点から、イソプレン単位:ブタジエン単位の
モル比が1:9〜9:1であることが好ましく、3:7
〜7:3であることがより好ましい。
【0020】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)お
よび付加重合系ブロック共重合体(II)では、耐熱性お
よび耐候性が良好なものとなる点から、その共役ジエン
重合体ブロック(B1)および(B2)における不飽和
二重結合(炭素−炭素間二重結合)の一部または全部が
水素添加されていることが好ましい。その際の共役ジエ
ン重合体ブロック(B1)および(B2)の水素添加率
は50モル%以上であることが好ましく、60モル%以
上であることがより好ましく、70モル%以上であるこ
とがさらに好ましい。なお、共役ジエン重合体ブロック
(B1)および(B2)における不飽和二重結合の水素
添加率は、共役ジエン重合体ブロック(B1)および
(B2)における不飽和二重結合の含有量を、水素添加
の前後において、ヨウ素価測定、赤外分光光度計(I
R)、核磁気共鳴(NMR)などによって測定し、その
測定値から求めることができる。
【0021】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)の
付加重合系ブロック(C)における芳香族ビニル重合体
ブロック(A1)と共役ジエン重合体ブロック(B1)
との結合形態、および付加重合系ブロック共重合体(I
I)における芳香族ビニル重合体ブロック(A2)と共
役ジエン重合体ブロック(B2)との結合形態は特に制
限されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれらの2
つ以上が組合わさった結合形態のいずれであってもよ
く、直鎖状の結合形態であることが好ましい。
【0022】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)の
付加重合系ブロック(C)および/または付加重合系ブ
ロック共重合体(II)が、芳香族ビニル重合体ブロック
と共役ジエン重合体ブロックとが直線状に結合した構造
を有するものである場合は、芳香族ビニル重合体ブロッ
ク(A1)および(A2)をAで、また共役ジエン重合
体ブロック(B1)および(B2)をBで表したとき
に、A−Bで表されるジブロック構造、A−B−Aまた
はB−A−Bで表されるトリブロック構造、A−B−A
−BまたはB−A−B−Aで表されるテトラブロック構
造、またはAとBとが5個以上直鎖状に結合しているポ
リブロック構造をとることができる。それらのうちで
も、A−Bで表されるジブロック構造またはA−B−A
で表されるトリブロック構造であることが、弾力性、力
学的特性、取り扱い性などの点から好ましい。
【0023】また、前記したトリブロック以上のポリブ
ロック構造のものでは、2個以上の芳香族ビニル重合体
ブロックAは互いに同じ内容のブロックであってもまた
は異なる内容のブロックであってもよく、また2個以上
の共役ジエン重合体ブロックBは互いに同じ内容のブロ
ックであってもまたは異なる内容のブロックであっても
よい。例えば、A−B−Aで表されるトリブロック構造
における2個の芳香族ビニル重合体ブロックA、或いは
B−A−Bで表されるトリブロック構造における2個の
共役ジエン重合体ブロックBは、それらを構成する芳香
族ビニル化合物または共役ジエン化合物の種類、その結
合形式、ブロックの数平均分子量などが同じであって
も、または異なっていてもよい。
【0024】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)の
付加重合系ブロック(C)および付加重合系ブロック共
重合体(II)は、本発明の積層体のゴム弾性および柔軟
性の観点から、芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含
有量が、5〜70質量%であることが好ましく、15〜
50質量%であることがより好ましい。ポリウレタン系
ブロック共重合体(I)の付加重合系ブロック(C)お
よび付加重合系ブロック共重合体(II)における芳香族
ビニル化合物由来の構造単位の含有量は、1H−NMR
スペクトルなどにより求めることができる。
【0025】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)に
おける付加重合系ブロック(C)の数平均分子量(M
n)は20,000〜150,000、特に30,00
0〜120,000であることが好ましい。また、付加
重合系ブロック共重合体(II)は、本発明の積層体のゴ
ム弾性の点から、水素添加前の状態で、その数平均分子
量(Mn)が50,000〜350,000、特に10
0,000〜250,000であることが好ましい。な
お、本明細書におけるポリウレタン系ブロック共重合体
(I)における付加重合系ブロック(C)および付加重
合系ブロック共重合体(II)の数平均分子量(Mn)と
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた分子
量をいう。
【0026】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)の
付加重合系ブロック(C)および/または付加重合系ブ
ロック共重合体(II)は、本発明の主旨を損なわない限
り、場合により、分子鎖中および/または分子末端に、
カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポ
キシ基などの官能基の1種または2種以上を有していて
もよい。
【0027】本発明の積層体における重合体組成物層
(b)を形成する熱可塑性重合体組成物で用いるポリウ
レタン系ブロック共重合体(I)は、上記したブロック
構造を有する付加重合系ブロック(C)と熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマーブロック(D)とが結合したポリ
ウレタン系ブロック共重合体である。ポリウレタン系ブ
ロック共重合体(I)の硬度および溶融粘度は特に限定
されないが、一般に、JIS K 6301(A法)によ
る硬度(JIS A硬度)が60〜95で、200℃に
おける溶融粘度が500〜2,000Pa・sであるこ
とが、積層体を製造する際の成形性、重合体組成物層
(b)上に表面処理層(a)を形成する際の塗装性、得
られる積層体の柔軟性、耐摩耗性、耐傷つき性、力学的
特性などの点から好ましい。
【0028】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)に
おける熱可塑性ポリウレタンエラストマーブロック
(D)は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーよりなる
ブロックであればいずれでもよい。そのうちでも、熱可
塑性ポリウレタンエラストマーブロック(D)は、後述
する熱可塑性ポリウレタンエラストマー(III)と同種
または近似した熱可塑性ポリウレタンエラストマーより
形成されていることが、重合体組成物層(b)を形成す
る熱可塑性重合体組成物における重合体同士の相容性が
良好になり、しかも積層体の力学的特性が良好になる点
から好ましい。
【0029】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)に
おける熱可塑性ポリウレタンエラストマーブロック
(D)は、重合体組成物層(b)のゴム物性がより良好
なものとなる点から、その数平均分子量(Mn)が1
0,000〜500,000であることが好ましく、3
0,000〜300,000であることがより好まし
い。ここで、本明細書における熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーブロック(D)の数平均分子量(Mn)と
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)法により測定したポリスチレン換算の値をいう。
【0030】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)
は、1個の付加重合系ブロック(C)と1個の熱可塑性
ポリウレタンエラストマーブロック(D)を有するジブ
ロック共重合体であっても、または付加重合系ブロック
(C)と熱可塑性ポリウレタンエラストマーブロック
(D)が合計で3個または4個以上結合したポリブロッ
ク共重合体であってもよい。重合体組成物層(b)を形
成する熱可塑性重合体組成物における重合体同士の相溶
性、力学物性および積層体の製造容易性などの点から、
1個の付加重合系ブロック(C)と1個の熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマーブロック(D)が結合したジブロ
ック共重合体、および/または2個の(C)と1個の
(D)が結合したトリブロック共重合体であることが好
ましく、ジブロック共重合体であることがより好まし
い。
【0031】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)お
よび付加重合系ブロック共重合体(II)の製造法は特に
制限されず、上記したそれぞれのブロック共重合体を製
造し得る方法であればいずれの方法で製造してもよく、
また既に市販されているものを用いてもよい。
【0032】何ら限定されるものではないが、付加重合
系ブロック共重合体(II)は、例えば、アニオン重合や
カチオン重合などのイオン重合法、シングルサイト重合
法、ラジカル重合法などにより製造することができる。
アニオン重合法による場合は、例えば、アルキルリチウ
ム化合物などを重合開始剤として用いて、n−ヘキサン
やシクロヘキサンなどの不活性有機溶媒中で、芳香族ビ
ニル化合物、共役ジエン化合物を逐次重合させ、所望の
分子構造および分子量を有するブロック共重合体を製造
した後、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水
素化合物を添加して重合を停止させることにより製造す
ることができる。そして、前記により製造されるブロッ
ク共重合体を好ましくは公知の方法にしたがって不活性
有機溶媒中で水添触媒の存在下に水素添加して、水素添
加された付加重合系ブロック共重合体(II)を得ること
ができる。
【0033】また、何ら限定されるものではないが、ポ
リウレタン系ブロック共重合体(I)は、例えば、熱可
塑性ポリウレタンエラストマーと、芳香族ビニル重合体
ブロック(A1)と共役ジエン重合体ブロック(B1)
を有し且つ末端に官能基、好ましくは水酸基を有する付
加重合系ブロック共重合体および/またはその水素添加
物(以下「末端変性付加重合系ブロック共重合体」とい
うことがある)を溶融条件下に混練して反応させ、それ
により得られるポリウレタン系反応生成物から、ポリウ
レタン系ブロック共重合体(I)を抽出・回収すること
により得ることができる。その際に、熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーと、末端変性付加重合系ブロック共重
合体との溶融混練は、単軸押出機、2軸押出機、ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどの溶融混練装置を用いて行
うことができる。溶融混練条件は、使用する熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーや末端変性付加重合系ブロック
共重合体の種類、装置の種類などに応じて選択すること
ができるが、一般に180〜250℃の温度で1〜15
分間程度行うとよい。
【0034】また、ポリウレタン系ブロック共重合体
(I)は、上記した方法以外の方法でも製造できる。例
えば、押出機中などで高分子ジオール、有機ジイソシア
ネートおよび鎖伸長剤を反応させて熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーを製造する際の反応の最初または反応の
途中に、反応系に末端変性付加重合系ブロック共重合体
を添加することによってポリウレタン系ブロック共重合
体(I)を含有するポリウレタン系反応生成物を形成さ
せ、そのポリウレタン系反応生成物からポリウレタン系
ブロック共重合体(I)を抽出・回収することによって
も得ることができる。
【0035】上記において、ポリウレタン系反応生成物
からのポリウレタン系ブロック共重合体(I)の抽出・
回収は、例えば、ポリウレタン系反応生成物を必要に応
じて適当な大きさに粉砕し、それをジメチルホルムアミ
ドなどのポリウレタンの良溶媒で処理して未反応の熱可
塑性ポリウレタンエラストマーを抽出・除去し、次いで
シクロヘキサンなどの末端変性付加重合系ブロック共重
合体の良溶媒で処理して未反応の末端変性付加重合系ブ
ロック共重合体を抽出除去し、残った固形物を乾燥する
ことにより行うことができる。
【0036】ポリウレタン系ブロック共重合体(I)の
製造に用いる上記の末端変性付加重合系ブロック共重合
体には、後述するその製造法に由来して、末端に官能基
を有していない付加重合系ブロック共重合体および/ま
たはその水素添加物、すなわち付加重合系ブロック共重
合体(II)に相当する重合体が含まれていることが多
い。そのため、熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、
末端変性付加重合系ブロック共重合体との反応により得
られるポリウレタン系反応生成物は、ポリウレタン系ブ
ロック共重合体(I)、未反応の熱可塑性ポリウレタン
エラストマー、付加重合系ブロック共重合体(II)、お
よび末端変性付加重合系ブロック共重合体の4者の混合
物であることが多い。このことから、重合体組成物層
(b)を形成する熱可塑性重合体組成物の製造に当たっ
ては、付加重合系ブロック共重合体(II)、ポリウレタ
ン系ブロック共重合体(I)、熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマー(III)および必要に応じて軟化剤(IV)と
共に、末端変性付加重合系ブロック共重合体を配合し、
組成物中で末端変性付加重合系ブロック共重合体と熱可
塑性ポリウレタンエラストマー(III)とを反応させて
前記したポリウレタン系反応生成物を形成させ、そのポ
リウレタン系反応生成物を組成物中にそのまま存在させ
る方法[すなわちポリウレタン系反応生成物からポリウ
レタン系ブロック共重合体(I)を回収せずに反応生成
物の形態のままで組成物中に存在させる方法]を用いて
もよい。
【0037】ここで、ポリウレタン系ブロック共重合体
(I)の製造に用いられる末端変性付加重合系ブロック
共重合体は、例えば、次のようなアニオン重合法により
製造することができる。すなわち、アルキルリチウム化
合物などを開始剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ンなどの不活性有機溶媒中で、芳香族ビニル化合物、共
役ジエン化合物を逐次重合させ、所望の分子構造および
分子量に達した時点で、エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、スチレンオキサイドなどのオキシラン骨
格を有する化合物、またはε−カプロラクトン、β−プ
ロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン(ピバロラ
クトン)などのラクトン系化合物などを付加させ、次い
でアルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素含有
化合物を添加して重合を停止することにより製造するこ
とができる。そして、それにより得られるブロック共重
合体を好ましくは、n−ヘキサン、シクロヘキサンなど
の不活性有機溶媒中でアルキルアルミニウム化合物とコ
バルト、ニッケルなどからなるチーグラー触媒等の水添
触媒の存在下に、反応温度20〜150℃、水素圧力1
〜150kg/cm2の条件下で水素添加することによ
って、水添された末端変性付加重合系ブロック共重合体
を得ることができる。
【0038】末端変性付加重合系ブロック共重合体は、
それが直鎖状構造を有するものである場合は、分子の片
末端に1個の水酸基を有していても、または分子の両端
に2個の水酸基を有していてもよい。また、末端変性付
加重合系ブロック共重合体が分岐状または放射状の構造
を有するものである場合は、その分子末端に1個もしく
は複数個(分岐の数だけ)の水酸基を有していてもよ
い。末端変性付加重合系ブロック共重合体の1分子当た
りの末端水酸基の数は0.5〜1個であることが好まし
く、0.7〜1個であることがより好ましい。
【0039】本発明の積層体における重合体組成物層
(b)を形成する熱可塑性重合体組成物で用いる熱可塑
性ポリウレタンエラストマー(III)は、一般に、高分
子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の反
応により製造される。熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー(III)の製造に用いられる高分子ジオールは、その
数平均分子量が1,000〜6,000であることが、
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(III)を含有する
熱可塑性重合体組成物から得られる重合体組成物層
(b)や皮膜などの力学的特性、耐摩耗性、耐傷つき
性、耐熱性、耐寒性、弾性回復性などが良好になる点か
ら好ましい。ここで、本明細書でいう高分子ジオールの
数平均分子量は、JIS K1557に準拠して測定し
た水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
【0040】熱可塑性ポリウレタンエラストマー(II
I)の製造に用い得る高分子ジオールの例としては、ポ
リエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエス
テルエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポ
リエステルポリカーボネートジオールなどを挙げること
ができ、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(III)は
これらの高分子ジオールの1種または2種以上を用いて
形成されていることができる。
【0041】熱可塑性ポリウレタンエラストマー(II
I)の製造に用い得る上記ポリエステルジオールとして
は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸およびそ
れらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも1
種のジカルボン酸成分と低分子ジオールとの反応により
得られるポリエステルジオール、ラクトンの開環重合に
より得られるポリエステルジオールなどを挙げることが
できる。より具体的には、前記ポリエステルジオールと
しては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸などの好ましくは炭素数6〜12の脂肪族ジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸およびそれらのエステル形成性
誘導体の1種または2種以上と、例えばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオ
ールなどの好ましくは炭素数2〜10の脂肪族ジオール
の1種または2種以上とを重縮合反応させて得られるポ
リエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポ
リバレロラクトンジオールを挙げることができる。
【0042】熱可塑性ポリウレタンエラストマー(II
I)の製造に用い得る上記ポリエーテルジオールとして
は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げ
ることができる。また、熱可塑性ポリウレタンエラスト
マー(III)の製造に用い得る上記ポリカーボネートジ
オールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,8−オクタンジオールなどの脂肪族ジオールの1種
または2種以上と、炭酸ジフェニル、炭酸ジアルキルな
どの炭酸エステルまたはホスゲンとを反応させて得られ
るポリカーボネートジオールを挙げることができる。
【0043】また、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(III)の製造に用いられる有機ジイソシアネートの種
類は特に限定されないが、分子量500以下の芳香族ジ
イソシアネート、脂環式ジイソシアネートおよび脂肪族
ジイソシアネートの1種または2種以上が好ましく用い
られる。そのような有機ジイソシアネートの具体例とし
ては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
トルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイ
ソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネートなどを挙げることができ、こ
れらの有機ジイソシアネートのうちでも4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートが好ましく用いられる。
【0044】熱可塑性ポリウレタンエラストマー(II
I)の製造に用い得る鎖伸長剤としては、熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマーの製造に従来から用いられている
鎖伸長剤のいずれもが使用でき、その種類は特に限定さ
れない。そのうちでも、鎖伸長剤としては、脂肪族ジオ
ール、脂環式ジオールおよび芳香族ジオールのうちの1
種または2種以上が好ましく用いられる。好ましく用い
られる鎖伸長剤の具体例としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサ
ンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンなどのジオールを挙げることができる。前記し
たうちでも、炭素数2〜6の脂肪族ジオールが鎖伸長剤
としてより好ましく用いられ、1,4−ブタンジオール
が更に好ましく用いられる。
【0045】本発明の積層体における重合体組成物層
(b)を形成する熱可塑性重合体組成物では、熱可塑性
ポリウレタンエラストマー(III)として、高分子ジオ
ール、鎖伸長剤および有機ジイソシアネートを、高分子
ジオール:鎖伸長剤=1:0.2〜8.0(モル比)の
範囲であり且つ[高分子ジオールと鎖伸長剤の合計モル
数]:[有機ジイソシアネートのモル数]=1:0.9
8〜1.04の範囲であるようにして反応させて得られ
る熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましく用いら
れる。そのような熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(III)を含有する熱可塑性重合体組成物は、積層体の
製造時に溶融粘度の急激な上昇がなく、目的とする積層
体を円滑に製造することができる。しかも、得られる積
層体の耐熱性、耐摩耗性、耐傷つき性が良好なものとな
る。
【0046】重合体組成物層(b)を形成する熱可塑性
重合体組成物で用いる熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー(III)は、上記したJIS−A硬度が60〜95で
あることが、積層体の柔軟性、力学的特性、ゴム弾性な
どの点から好ましい。熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー(III)のJIS−A硬度が60未満であると、積層
体の力学的特性、耐傷つき性などが低くなり易く、一方
95を超えると、積層体の柔軟性が低下し、また他成分
との相溶性が悪化して相間剥離が生じ易い。また、熱可
塑性ポリウレタンエラストマー(III)の数平均分子量
(Mn)は、10,000〜500,000であること
が、ポリウレタンエラストマー(III)の生産性などの
点から好ましい。なお、ここでいうポリウレタンエラス
トマー(III)の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求
めたポリスチレン換算の分子量である。
【0047】熱可塑性ポリウレタンエラストマー(II
I)の製造方法は特に限定されず、上記した高分子ジオ
ール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を使用し
て、公知のウレタン化反応を利用して、プレポリマー
法、ワンショット法のいずれで製造してもよい。そのう
ちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが
好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶
融重合により製造することが好ましい。
【0048】本発明の積層体における重合体組成物層
(b)を形成する熱可塑性重合体組成物は、必要に応じ
て軟化剤(IV)を含有することができる。軟化剤(IV)
の具体例としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族
系、流動パラフィンなどの炭化水素系油;落花生油、ロ
ジンなどの植物油;リン酸エステル;塩素化パラフィ
ン、低分子量ポリエチレンやポリエチレングリコールな
どの低分子量ポリマーなどを挙げることができ、これら
の1種または2種以上を用いることができる。そのうち
でも、パラフィン系炭化水素系油が好ましく用いられ
る。
【0049】本発明の積層体における重合体組成物層
(b)を形成する熱可塑性重合体組成物は、ポリウレタ
ン系ブロック共重合体(I)100質量部に対して、付
加重合系ブロック共重合体(II)を20〜500質量
部、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(III)を50
〜300質量部、および軟化剤(IV)を0〜300質量
部の割合で含有していることが必要である。付加重合系
ブロック共重合体(II)の配合量が、ポリウレタン系ブ
ロック共重合体(I)100質量部に対して20質量部
未満であると、力学的特性などに劣るようになり、しか
も得られる積層体の柔軟性が低下する。一方、付加重合
系ブロック共重合体(II)の配合量が、ポリウレタン系
ブロック共重合体(I)100質量部に対して500質
量部を超えると、表面処理層(a)との接着性や耐摩耗
性が低下する傾向となる。また、熱可塑性ポリウレタン
エラストマー(III)の配合量が、ポリウレタン系ブロ
ック共重合体(I)100質量部に対して50質量部未
満であると、相溶性が悪化し、相間剥離が生じて、表面
処理層(a)との接着性や耐摩耗性が低下する傾向とな
り、一方300質量部を超えると、積層体の柔軟性が低
下する。軟化剤(IV)の配合量が、ポリウレタン系ブロ
ック共重合体(I)100質量部に対して300質量部
を超えると、積層体の耐摩耗性、耐傷つき性、破断強度
や引裂強度などの力学的特性、および表面処理層(a)
または熱可塑性重合体発泡体層(c)との接着力が低下
する。
【0050】重合体組成物層(b)を形成する熱可塑性
重合体組成物は、付加重合系ブロック共重合体(II)
を、ポリウレタン系ブロック共重合体(I)100質量
部に対して50〜300質量部、特に50〜200質量
部の割合で含有することが好ましい。また、熱可塑性ポ
リウレタンエラストマー(III)を、ポリウレタン系ブ
ロック共重合体(I)100質量部に対して100〜2
50質量部、特に100〜200質量部の割合で含有す
ることが好ましい。また、軟化剤(IV)を、ポリウレタ
ン系ブロック共重合体(I)100質量部に対して50
〜250質量部、特に50〜200質量部の割合で含有
することが好ましい。
【0051】重合体組成物層(b)を形成する熱可塑性
重合体組成物は、必要に応じて、ゴム用補強剤を含有し
ていてもよい。ゴム用補強剤を含有すると、得られる積
層体の力学的特性、耐摩耗性、耐傷つき性が向上する。
ゴム用補強剤としては、公知のものを使用することがで
き、例えば、HAF、HAF−HS、SAF、ISAF
などのカーボンブラック;炭素繊維;ポバール系易フィ
ブリル化繊維;ナイロン繊維やポリエステル繊維などの
有機繊維状物などを挙げることができ、これらの1種ま
たは2種以上を含有することができる。そのうちでも、
カーボンブラック、炭素繊維および/または有機繊維状
物が、柔軟性と軽量性に優れる積層体が得られることか
ら好ましく用いられる。
【0052】重合体組成物層(b)を形成する熱可塑性
重合体組成物は、本発明の主旨を損なわない範囲であれ
ば、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、
難燃剤、帯電防止剤などを含有していてもよい。さら
に、重合体組成物層(b)を形成する熱可塑性重合体組
成物は、補強効果を示さない充填材、例えば、炭酸カル
シウム、タルク、シリカ、ケイ藻土などの無機充填材
や、ゴム粉末、木粉などの有機充填材などを含有してい
てもよい。
【0053】重合体組成物層(b)を形成するための熱
可塑性重合体組成物は、熱可塑性重合体組成物を構成す
る上記した各成分を一括混合または分割混合し、それに
より得られる混合物を従来公知の混練機、例えば、一軸
押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダ
ー、オープンロール、ニーダーなどの混練機を使用して
混練することにより調製することができる。熱可塑性重
合体組成物を得るための前記混練に際しては、被混練成
分のそれぞれをそのまま直接混練機に供給せずに、混練
前にヘンシェルミキサーやタンブラーなどのような混合
機を用いて予めドライブレンドしてから混練機に供給す
ると、均一な熱可塑性重合体組成物を得ることができ
る。また、熱可塑性重合体組成物を調製するための混練
温度としては、一般に150〜250℃の温度が好まし
く採用される。
【0054】本発明の積層体のうち、表面処理層(a)
/重合体組成物層(b)/熱可塑性重合体発泡体層
(c)よりなる積層体における発泡体層(c)は、熱可
塑性重合体から形成された発泡体層である。熱可塑性重
合体発泡体層(c)[以下単に「発泡体層(c)」とい
うことがある]は、熱可塑性重合体から形成した可撓性
および/または弾性を有する発泡体からなる層であれば
いずれでもよい。そのうちでも、発泡体層(c)は、ポ
リオレフィン系樹脂および熱可塑性エラストマーのうち
の少なくとも1種を用いて形成した発泡体からなる層で
あることが好ましく、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性
エラストマーおよびポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ーのうちの少なくとも1種を用いて形成された発泡体か
らなる層であることが、重合体組成物層(b)との良好
な接着性、柔軟性などの点からより好ましい。発泡体層
(c)を構成する発泡体は、発泡剤を用いる化学的発泡
法で得られた発泡体であっても、または撹拌気泡などの
物理的発泡法で得られた発泡体のいずれであってもよ
い。発泡体層(c)を構成する発泡体としては、市販の
ものを購入してそのまま使用しても、または本発明の実
施のために製造してもよい。発泡体層(c)を構成する
発泡体の比重は、本発明の積層体の用途などに応じて調
節し得るが、一般的には、0.02〜0.80程度、特
に0.09〜0.60程度であることが、得られる積層
体の柔軟性、軽量性、力学的特性などの点から好まし
い。
【0055】本発明の積層体における表面処理層
(a)、重合体組成物層(b)および発泡体層(c)の
厚さは、各層を形成する材料の種類、積層体の用途など
に応じて調整し得るが、一般的には、表面処理層(a)
の厚さが3〜80μm、特に5〜40μm、重合体組成
物層(b)の厚さが50μm〜3mm、特に100μm
〜2.5mm、発泡体層(c)の厚さが150μm〜5
mm、特に300μm〜3mmであることが、積層体の
柔軟性、軽量性、力学的特性、取り扱い性などの点から
好ましい。本発明の積層体の全体の厚さは、各層を形成
する材料の種類、積層体の用途などに応じて調整し得る
が、柔軟性、軽量性、力学的特性、取り扱い性などの点
から、一般的には250μm〜9mmであることが好ま
しく、500μm〜5mmであることがより好ましい。
【0056】本発明の積層体では、表面処理層(a)と
重合体組成物層(b)とは接着剤を用いて接着されてい
てもよいが、重合体組成物層(b)上に表面処理層
(a)が接着剤やプライマーなどを用いることなく融着
によって直接積層接着されていることが、得られる積層
体の柔軟性、軽量性、積層体製造工程の簡略化、コスト
などの点から好ましい。また、本発明の積層体では、重
合体組成物層(b)と発泡体層(c)とは接着剤によっ
て接着されていてもよいが、接着剤を用いることなく重
合体組成物層(b)が発泡体層(c)上に融着によって
直接積層接着されていることが、得られる積層体の柔軟
性、軽量性、積層体製造工程の簡略化などの点から好ま
しい。
【0057】本発明の積層体の製造法は特に制限され
ず、表面処理層(a)/重合体組成物層(b)の積層順
序または表面処理層(a)/重合体組成物層(b)/発
泡体層(c)の積層順序で2つまたは3つの層が接着・
一体化されている積層体を製造し得る方法であれば、い
ずれも採用できる。そのうちでも、発泡体層(c)上に
重合体組成物層(b)が接着剤を使用することなく融着
により直接積層接着され、且つ重合体組成物層(b)上
に表面処理層(a)が接着剤を使用することなく直接積
層接着されている3層積層体を得るには、例えば、熱可
塑性重合体を用いて形成した発泡体上に、重合体組成物
層(b)を形成するための上記した熱可塑性重合体組成
物を適当な方法(例えば溶融押出法、カレンダー法、流
延法、注型法、インサート成形法、二色成形法など)で
溶融被覆(溶融接着)して、重合体組成物層(b)/発
泡体層(c)よりなる2層構造積層体を製造し、次いで
該2層構造積層体の重合体組成物層(b)の表面に表面
処理層(a)を形成するための極性を有する重合体から
主としてなるコーティング材料をコーティングする方法
が、生産性が高く、しかも一般的である点から好ましく
採用される。
【0058】表面処理層(a)/重合体組成物層(b)
よりなるかまたは表面処理層(a)/重合体組成物層
(b)/発泡体層(c)よりなる本発明の積層体は、柔
軟性、軽量性、ゴム弾性、クッション性(緩衝性)強靭
性、耐傷つき性、耐摩耗性、加工性などの特性に優れて
おり、各種製品を製造する際の表皮材として広範な用途
に極めて有用である。特に、本発明の積層体をその重合
体組成物層(b)の下面側または発泡体層(c)の下面
側で、他の重合体、金属、布帛、木材などの他の材料よ
りなる層に接着・積層することによって、柔軟性、軽量
性、ゴム弾性、クッション性(緩衝性)、強靭性、耐傷
つき性、耐摩耗性などの特性に優れる本発明の積層体を
表皮とする各種積層構造体(積層製品)を製造すること
ができる。ここで、本明細書における「重合体組成物層
(b)または発泡体層(c)の下面側」とは、表面処理
層(a)/重合体組成物層(b)よりなる積層体におけ
る表面処理層(a)と接着していない重合体組成物層
(b)のもう一方の面側、および表面処理層(a)/重
合体組成物層(b)/発泡体層(c)よりなる積層体に
おける重合体組成物層(b)と接着していない発泡体層
(c)のもう一方の面側をいう。
【0059】本発明の積層体の重合体組成物層(b)ま
たは発泡体層(c)の下面側に重合体が積層した積層構
造体を形成する場合は、積層構造体の用途などに応じ
て、該重合体として、硬質重合体、軟質重合体、弾性重
合体などのいずれもが使用でき、例えば、ポリプロピレ
ン、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹
脂)、スチレン/無水マレイン酸共重合体(SMA樹
脂)、ゴム強化ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹
脂)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(MS樹
脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重
合体(MBS樹脂)、アクリロニトリル/スチレン/ブ
タジエン共重合体、ポリアクリレート、ポリメタクリレ
ート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテ
ル、ポリスルホン、ポリウレタン、イソプレンゴム、ブ
タジエンゴム、ブタジエン/スチレンゴム、ブタジエン
/アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、シリコーンゴムなどを挙げることができる。そのう
ちでも、本発明の積層体の重合体組成物層(b)または
発泡体層(c)の下面側に積層する重合体層としては、
ポリプロピレンなどの硬質の熱可塑性重合体が、発泡体
層(c)と重合体との接着性、リサイクル性などの点か
ら好ましく採用される。
【0060】本発明の積層体の重合体組成物層(b)ま
たは発泡体層(c)の下面側に重合体が積層した積層構
造体を製造するに当たっては、重合体組成物層(b)ま
たは発泡体層(c)と重合体を接着剤によって接着・積
層してもよいが、接着剤を用いずに重合体組成物層
(b)または発泡体層(c)の下面側に重合体を直接接
着・積層することが好ましい。そのような積層構造体の
製法としては、例えば、積層体の重合体組成物層(b)
または発泡体層(c)の下面側に重合体を押出被覆、カ
レンダー被覆などにより直接被覆する方法、本発明の積
層体を重合体組成物層(b)または発泡体層(c)の下
面側を内側に向けて型内に配置しておき(インサートし
ておき)そこに重合体を充填、注入または射出して成形
体などを製造する方法などを挙げることができる。発泡
体層(c)の下面側に重合体が積層した積層構造体を製
造する場合は、発泡体層(c)を形成している熱可塑性
重合体の種類と、発泡体層(c)の下面側に積層する重
合体の種類を同じか近似したものにすると、接着剤を用
いなくても、発泡体層(c)と重合体との接着を良好に
行うことができる。また、積層体の重合体組成物層
(b)または発泡体層(c)の下面側に積層する材料
が、金属、布帛、木材などの場合は、接着剤などを用い
て両者を接着・積層すればよい。また、本発明の積層体
は、他の材料と積層せずに、そのまま単独で、自動車な
どの車両用内装材、ソファー、各種椅子用の表皮材など
の用途に用いることもできる。
【0061】本発明の積層体は柔軟性、軽量性、耐摩耗
性、耐傷つき性、ゴム弾性、クッション性(緩衝性)、
力学的強度などの諸特性に優れており、それに伴って本
発明の積層体を表皮材としその裏側[重合体組成物層
(b)または発泡体層(c)の下面側]に更に重合体、
金属、木材、布帛などの他の材料からなる層を積層した
積層構造体も柔軟性、軽量性、耐摩耗性、耐傷つき性、
ゴム弾性、クッション性(緩衝性)、力学的強度などの
諸特性に優れる表皮を有しているので、本発明の積層体
およびそれを用いてなる積層構造体は、前記した特性を
活かして、例えば、インストルメントパネル、ドアトリ
ム、コンソールボックス、アームレスト、ヘッドレス
ト、座席シート、ピラー、ステアリングホイール、天井
などの自動車内装材;ソファー、各種椅子用の表皮材;
スポーツ用品;レジャー用品;文房具;玩具;家屋の内
張り材などの幅広い用途に有効に使用することができ
る。
【0062】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定され
るものではない。以下の例において、積層体における重
合体組成物層(b)の硬度、並びに積層体の耐傷つき
性、耐摩耗性、引張強度および引裂強度の測定または評
価は、以下の方法によって行った。
【0063】(1)積層体における重合体組成物層
(b)の硬度:以下の例において、表面処理層(コーテ
ィング層)を形成する前の積層体(重合体組成物層と発
泡体層からなる積層体)、または表面処理層(コーティ
ング層)を形成する前の重合体組成物層から、長さ×幅
×厚み=110mm×110mm×2mmのシート状試
験片を切り取り、該試験片を用いてJIS K−625
3に準じて、タイプAデュロメータで硬度を測定して、
柔軟性の指標とした。
【0064】(2)積層体の耐傷つき性(木綿による往
復摺動試験):以下の例で得られた積層体から、長さ×
幅×厚み=150mm×50mm×2mmサイズの試験
片を切り取り、該試験片の表面処理層(a)[比較例4
においては重合体組成物層(b)]上を、荷重を加えた
木綿製の布面で140mmの長さにわたって、10分間
往復摺動させる(1秒で1往復の割合)。この試験を荷
重を変えて行い、傷がついた時の荷重を測定して、耐傷
つき性の指標とした。傷つき荷重の値が高いほど耐傷つ
き性が優れている。
【0065】(3)積層体の耐摩耗性(摩耗量):以下
の例で得られた積層体から直径110mmの円板状試験
片を打ち抜き、該試験片を用いて、表面処理層(a)の
側で、JIS K−6264に準じて摩耗量を測定し
て、耐摩耗性の指標とした。この試験を行うに当たっ
て、摩耗輪としてJIS規格にいうH22に相当するも
のを使用した。摩耗量が少ないほど耐摩耗性に優れてい
る。
【0066】(4)積層体の引張強度:以下の例で得ら
れた積層体からダンベル状5号試験片を打ち抜き、該試
験片を用いてJIS K−6251に準じて引張り試験
を行い、破断時の強度を測定して引張強度とした。
【0067】(5)積層体の引裂強度:以下の例で得ら
れた積層体から切込み無しのアングル形状試験片を打ち
抜き、該試験片を用いてJIS K−6252に準じて
引裂き試験を行い、引裂き強度を測定した。
【0068】また、以下の例で用いた各成分の内容は次
のとおりである。 (1)ポリウレタン系ブロック共重合体(I)(略号:
PU/SEPS):ポリスチレンブロック−ポリイソプ
レンブロック−ポリスチレンブロックからなり分子の片
末端に水酸基を有するトリブロック共重合体の水素添加
物(SEPS−OH)(数平均分子量=100,00
0、スチレン含有量=30質量%、ポリイソプレンブロ
ックにおける水素添加率=98%、平均水酸基数=0.
9個/分子)100質量部と、下記の熱可塑性ポリウレ
タン(TPU1180)100質量部をドライブレンド
し、二軸押出機(プラスチック工業研究所製「BT−3
0」)を用いてシリンダー温度220℃、スクリュー回
転数150rpmの条件下で溶融混練した後、押し出
し、切断してペレットをつくり、それにより得られたペ
レットからジメチルホルムアミドを用いて未反応のポリ
ウレタンを抽出除去し、次いでシクロヘキサンを用いて
未反応のSEPS−OHを抽出除去し、残留した固形物
を乾燥することにより得られた熱可塑性ポリウレタン
(TPU1180)と付加重合系ブロック共重合体(S
EPS)とが結合したジブロック共重合体。 (2)付加重合系ブロック共重合体(II)(略号:SE
PS):ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロッ
ク−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合
体の水素添加物(数平均分子量=200,000、スチ
レン含有量=30質量%、ポリイソプレンブロックにお
ける水素添加率=98%)。 (3)熱可塑性ポリウレタン(III)(略号:TPU1
180):ポリエステル系熱可塑性ポリウレタンエラス
トマー(株式会社クラレ製「クラミロンU 118
0」;脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポ
リエステル系ポリウレタンエラストマー)。 (4)軟化剤(IV)(略号:PW−380):パラフィ
ン系プロセスオイル(出光石油化学株式会社製「ダイア
ナプロセスPW−380」)。
【0069】《実施例1〜3》 (1) 下記の表1に示す配合に従って各成分を二軸押
出機(東芝機械株式会社製「TEM−35B」)に供給
して230℃で約5分間一括混練した後、ストランド状
に押し出し、切断して、重合体組成物層(b)用のペレ
ット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。 (2) ポリエチレン発泡体シート(三和化工株式会社
製、商品名「サンペルカL−2500」、厚さ1.0m
m、比重0.4)の一方の表面に、上記(1)で調製し
た熱可塑性重合体組成物を、2本ロールを使用して16
5℃で溶融被覆して、発泡体層(c)(発泡体シート
層)上に厚さ1.0mmの重合体組成物層(b)を有す
る2層構造積層体を製造した。この2層構造積層体にお
ける重合体組成物層(b)の硬度を上記した方法で測定
したところ、下記の表1に示すとおりであった。 (3) 上記(2)で得られた積層体の熱可塑性重合体
組成物層上に、ウレタン系表面処理剤(大日本インキ化
学工業株式会社製の商品名「CRISVON3354」
100質量部と大日本インキ化学工業株式会社製の商品
名「HAULACMAT A−1008」5質量部の混
合物)を、ドクターブレードを使用して厚さ20μmに
コーティングした後、温度40℃で熱風にて乾燥して、
表面処理層(a)(コーティング層)/重合体組成物層
(b)/発泡体層(c)からなる積層体を製造した。 (4) 上記(3)で得られた積層体の耐傷つき性、耐
摩耗性、引張強度および引裂強度の測定または評価を上
記した方法で行ったところ、下記の表1に示すとおりで
あった。
【0070】《実施例4》 (1) 下記の表1に示す配合に従って各成分を二軸押
出機(東芝機械株式会社製「TEM−35B」)に供給
して230℃で約5分間一括混練した後、ストランド状
に押し出し、切断して、重合体組成物層(b)用のペレ
ット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。これにより
得られた熱可塑性重合体組成物を用い、射出成形機[東
芝機械株式会社製「IS−55EPN」、射出圧力:3
5kgf/cm2(約3430kPa)、金型温度:5
0℃]により射出成形して、厚さ2mmの重合体組成物
層(b)用のシートを製造した。その硬度を上記した方
法で測定したところ、表1に示すとおりであった。 (2) 上記(1)で得られた重合体組成物層(b)用
のシートの上に、ウレタン系表面処理剤(大日本インキ
化学工業株式会社製の商品名「CRISVON335
4」100質量部と大日本インキ化学工業株式会社製の
商品名「HAULAC MAT A−1008」5質量
部の混合物)を、ドクターブレードを使用して厚さ20
μmにコーティングした後、温度40℃で熱風にて乾燥
して、表面処理層(a)(コーティング層)/重合体組
成物層(b)からなる積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた積層体を、縦×横=10
cm×10cmの寸法に切断して、縦×横×深さ=10
cm×10cm×1cmの型キャビティーを有する金型
内の底部に、重合体組成物層(b)を型内面に向けて配
置し(金型温度50℃)、そこにポリプロピレンを22
0℃で溶融射出成形した[射出成形機:東芝機械社製
「IS−55EPN」、射出圧力:40kgf/cm2
(約3920kPa)]。金型内に射出したポリプロピ
レンが冷却固化した時点(金型温度50℃)で厚板状成
形品を金型から取り出した。これにより得られた厚板状
成形品の一方の表面には、前記積層体が、柔軟性、軽量
性、ゴム弾性、クッション性(緩衝性)、強靭性、耐傷
つき性、耐摩耗性に優れる表皮として強固に接着・積層
していた。得られた成形品の耐傷つき性、耐摩耗性、引
張強度および引裂強度の測定または評価の結果を下記の
表1に示す。
【0071】《比較例1〜3》 (1) 下記の表2に示す配合に従って各成分を二軸押
出機(東芝機械株式会社製「TEM−35B」)に供給
して230℃で約5分間一括混練した後、ストランド状
に押し出し、切断して、重合体組成物層(b)用のペレ
ット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。 (2) ポリエチレン発泡体シート(三和化工株式会社
製、商品名「サンペルカL−2500」、厚さ1.0m
m、比重0.4)の一方の表面に、上記(1)で調製し
た熱可塑性重合体組成物を2本ロールを使用して165
℃で溶融被覆して、発泡体層(c)(発泡体シート)上
に厚さ1.0mmの重合体組成物層(b)を有する2層
構造積層体を製造した。この2層構造積層体における重
合体組成物層(b)の硬度を上記した方法で測定したと
ころ、下記の表2に示すとおりであった。 (3) 上記(2)で得られた積層体の重合体組成物層
(b)上に、ウレタン系表面処理剤(大日本インキ化学
工業株式会社製の商品名「CRISVON 3354」
100質量部と大日本インキ化学工業株式会社製の商品
名「HAULACMAT −1008」5質量部の混合
物)を、ドクターブレードを使用して厚さ20μmにコ
ーティングした後、温度40℃で熱風にて乾燥して、表
面処理層(a)(コーティング層)/重合体組成物層
(b)/発泡体層(c)からなる積層体を製造した。 (4) 上記(3)で得られた積層体の耐傷つき性、耐
摩耗性、引張強度および引裂強度の測定または評価を上
記した方法で行ったところ、下記の表2に示すとおりで
あった。
【0072】《比較例4》 (1) 下記の表2に示す配合に従って各成分を二軸押
出機(東芝機械株式会社製「TEM−35B」)に供給
して230℃で約5分間一括混練した後、ストランド状
に押し出し、切断して、重合体組成物層(b)用のペレ
ット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。 (2) ポリエチレン発泡体シート(三和化工株式会社
製、商品名「サンペルカL−2500」、厚さ1.0m
m、比重0.4)の一方の表面に、上記(1)で調製し
た熱可塑性重合体組成物を2本ロールを使用して165
℃で溶融被覆して、発泡体層(c)(発泡体シート)上
に厚さ1.0mmの重合体組成物層(b)を有する2層
構造積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた表面処理層(a)層(コ
ーティング層)のない2層構造積層体の硬度、耐傷つき
性、耐摩耗性、引張強度および引裂強度の測定または評
価を上記した方法で行ったところ、下記の表2に示すと
おりであった。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】上記の表1および2の結果から明らかなよ
うに、実施例1〜4の積層体は、その重合体組成物層
(b)が、ポリウレタン系ブロック共重合体(I)、付
加重合系ブロック共重合体(II)、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー(III)および軟化剤(IV)を本発明で
規定する特定の量で含有する熱可塑性重合体組成物から
形成されていることにより、耐傷つき性および耐摩耗性
に優れ、しかも柔軟性および力学的強度をバランス良く
備えている。それに対して、比較例1の積層体は、重合
体組成物層(b)が、付加重合系ブロック共重合体(I
I)を含有していない熱可塑性重合体組成物から形成さ
れていることにより、耐傷つき性、耐摩耗性、引張強度
および引裂強度が劣っている。また、比較例2の積層体
は、重合体組成物層(b)を形成している熱可塑性重合
体組成物における熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(III)の含有量が本発明の範囲を超えていることによ
り、柔軟性に劣っている。比較例3の積層体は、重合体
組成物層(b)を形成している熱可塑性重合体組成物に
おける軟化剤(IV)の含有量が本発明の範囲を超えてい
ることにより、耐傷つき性および耐摩耗性に劣り、しか
も力学的特性にも劣っている。比較例4の積層体は、表
面に表面処理層(a)(コーティング層)を有していな
いために、耐傷つき性および耐摩耗性に劣っている。
【0076】
【発明の効果】本発明の積層体は、柔軟性、軽量性、ゴ
ム弾性、クッション性(緩衝性)、強靭性、耐傷つき
性、耐摩耗性、加工性などの特性に優れており、そのた
めそれらの特性を活かして表皮材などとして広範な用途
に有用に用いることができる。本発明の積層体を表皮材
とし、その裏側[重合体組成物層(b)または発泡体層
(c)側]に重合体、金属、木材、布帛などの材料より
なる層を積層してなる積層構造体は、例えば、各種自動
車内装材、各種家具や事務用品、スポーツ用品、レジャ
ー用品、文房具、玩具などとして各種製品用途に有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01D AK01A AK01C AK01D AK03C AK04 AK11B AK12C AK28B AK41C AK46C AK51A AK51B AK51C AL02B AL06B AL09B AL09C AP00D BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10D CA04B DG11D DJ01C EH23A EH46A GB32 GB81 JB16B JB16C JK07 JK09 JK17 JL03 YY00B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i) 表面処理層(a)/重合体組成
    物層(b)の順序で積層されているか、または表面処理
    層(a)/重合体組成物層(b)/熱可塑性重合体発泡
    体層(c)の順序で積層されている積層体であって;
    (ii) 表面処理層(a)が、極性重合体から主として
    なるコーティング層であり;且つ、(iii) 重合体組
    成物層(b)が、 ・芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロック
    (A1)と共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブ
    ロック(B1)を有するブロック共重合体またはその水
    素添加物からなる付加重合系ブロック(C)と、熱可塑
    性ポリウレタンエラストマーブロック(D)を有するポ
    リウレタン系ブロック共重合体(I)100質量部に対
    して; ・芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロック
    (A2)と共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブ
    ロック(B2)を有するブロック共重合体およびその水
    素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロ
    ック共重合体(II)を20〜500質量部; ・熱可塑性ポリウレタンエラストマー(III)を50〜
    300質量部;並びに、 ・軟化剤(IV)を0〜300質量部;の割合で含有する
    熱可塑性重合体組成物からなる層である;ことを特徴と
    する積層体。
  2. 【請求項2】 表面処理層(a)が、ポリウレタン系コ
    ーティング層である請求項1に記載の積層体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性重合体発泡体層(c)が、ポリ
    オレフィン系樹脂および熱可塑性エラストマーの少なく
    とも1種を用いて形成した発泡体からなる層である請求
    項1または2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 熱可塑性重合体発泡体層(c)が、ポリ
    オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱
    可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラスト
    マー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーおよびポリウ
    レタン系熱可塑性エラストマーの少なくとも1種を用い
    て形成した発泡体からなる層である請求項3に記載の積
    層体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項の積層体に
    おける表面処理層(a)/重合体組成物層(b)よりな
    る積層体の重合体組成物層(b)の下面側、または表面
    処理層(a)/重合体組成物層(b)/熱可塑性重合体
    発泡体層(c)よりなる積層体の熱可塑性重合体発泡体
    層(c)の下面側に、重合体、金属、布帛および木材か
    ら選ばれる少なくとも1種の材料からなる層が更に積層
    されている積層構造体。
  6. 【請求項6】 前記重合体層が、溶融積層によって重合
    体組成物層(b)または熱可塑性重合体発泡体層(c)
    の下面側に積層されている請求項5に記載の積層構造
    体。
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