JP2003133467A - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents

半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置

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JP2003133467A
JP2003133467A JP2001325872A JP2001325872A JP2003133467A JP 2003133467 A JP2003133467 A JP 2003133467A JP 2001325872 A JP2001325872 A JP 2001325872A JP 2001325872 A JP2001325872 A JP 2001325872A JP 2003133467 A JP2003133467 A JP 2003133467A
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layer
semiconductor element
package
mounting portion
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Kiyotaka Yokoi
清孝 横井
Manabu Miyaishi
学 宮石
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Kyocera Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子が作動時に発する熱を効率良く外
部に伝えることができ、また半導体パッケージを外部装
置にネジ止めした際の破損を防止すること。 【解決手段】 上面に半導体素子1を載置する載置部2
aを有する半導体パッケージの基体2は、Ag,Ti,
ZrおよびWのうちの少なくとも一種を0.2〜10重
量部ならびにCuを90〜99.8重量部含有する金属
成分nが含浸された炭素質母材m内に一方向性炭素繊維
lの集合体が分散された金属炭素複合体Aを基材とし、
その上下面に金属メッキ層xとロウ材層yとCu層zと
が順次積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC,LSI等の
半導体集積回路素子や、電界効果型トランジスタ(FE
T:Field Effect Transistor)等の半導体素子を収容
するための半導体素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体素子収納用パッケージ(以
下、半導体パッケージという)を図3〜図5にそれぞれ
平面図,断面図および部分拡大断面図で示す(特開20
00−150746公報参照)。なお、特開2000−
150746では光半導体素子を収容するための光半導
体パッケージについて開示している。また、光半導体パ
ッケージに設けられる集光レンズとしての透光性部材や
光ファイバ固定部材等については省略して以下に説明す
る。
【0003】この半導体パッケージは、上面に半導体素
子101が載置される載置部102aを有する基体10
2と、基体102の上面に載置部102aを囲繞するよ
うに銀ロウ等のロウ材で接合され、側部に貫通孔または
切欠き部から成る入出力端子の取付部103aが設けら
れた枠体103と、取付部103aに嵌着された入出力
端子105とを有する。この入出力端子105にはメタ
ライズ層105aが枠体103の内外を導通するように
形成されるとともに、外部電気回路に接合されるリード
端子106が枠体103外側のメタライズ層105aに
銀ロウ等のロウ材でロウ付けされる。またシールリング
104は、ほぼ面一となる枠体103上面と入出力端子
105の上面に銀ロウ等のロウ材で接合され、半導体パ
ッケージに蓋体(図示せず)をシーム溶接やロウ付けす
る際の接合媒体として機能する。
【0004】基体102は、その上面から下面にかけて
一方向に配列した一方向性炭素繊維を炭素で結合した一
方向性炭素繊維複合材料から成る。一方向性炭素繊維複
合材料は、横方向(一方向性炭素繊維の方向に垂直な方
向)の弾性率が非常に低く、かつ熱膨張係数が約7×1
-6/℃であり、その上下面にクロム(Cr)−鉄(F
e)合金層から成る第1層と、銅(Cu)層から成る第
2層と、Fe−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合
金層から成る第3層との3層構造である金属層が被着さ
れている。これにより、横方向の熱膨張係数を10×1
-6〜13×10-6/℃に調整している。
【0005】また、基体102の縦方向(一方向性炭素
繊維の方向)の熱膨張係数は、一方向性炭素繊維の方向
の弾性率が非常に高いため、その弾性率は高く、かつそ
の熱膨張係数は一方向性炭素繊維の方向の熱膨張係数
(殆ど0〜5×10-6程度)に近似したものとなる。ま
た基体102は、縦方向の熱伝導率が約300W/m・
K以上と非常に高いのに対し、横方向の熱伝導率は、そ
れぞれの一方向性炭素繊維の間に非常に多くの気孔があ
るため約30W/m・K以下と非常に低く、縦方向と横
方向とで熱伝導率が大きく異なっている。
【0006】このような基体102は、外部電気回路の
ヒートシンク部にネジ止めされて密着固定されることに
より、半導体素子101が作動時に発する熱を効率良く
ヒートシンク部に伝える所謂放熱板としても機能する。
【0007】そして、基体102を有する半導体パッケ
ージに半導体素子101を載置固定した後、半導体素子
101とメタライズ層105aとをボンディングワイヤ
(図示せず)で電気的に接続し、蓋体により半導体素子
101を気密に封止することにより、製品としての半導
体装置となる。なお、半導体素子101は外部電気回路
から入力される高周波信号により作動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半導体
素子101の熱量が非常に大きい場合、その熱は、基体
102上面の載置部102aからほぼ直下のみにしか伝
わらないことから、熱は基体102と枠体103とから
成る空所(内部空間)に蓄熱され、その結果、半導体素
子101の作動性が劣化したり半導体素子101が熱破
壊されるといった問題点があった。
【0009】また、半導体パッケージと外部電気回路の
ヒートシンク部との密着固定を強固にするとともにヒー
トシンク部への熱伝達効率を高めるために、高いトルク
でネジ止めすると、圧縮強度が金属に比べて桁違いに小
さい基体102が厚さ方向に潰れて半導体パッケージと
ヒートシンク部との密着固定ができなくなる。そのた
め、半導体素子101の熱をヒートシンク部に良好に伝
達できなくなり、この場合にも半導体素子101の作動
性が劣化したり半導体素子101が熱破壊されるといっ
た問題点があった。
【0010】また、第1層のCr−Fe合金層は、その
Fe成分と、一方向性炭素繊維中のカーボン(C)およ
び第2層のCu層との相互拡散により接合されているた
め、これらの拡散層で熱伝達効率が劣化していた。ま
た、Cr−Fe合金層自体の熱伝導率が15〜20W/
m・K程度と非常に低い。主にこれらの理由で、基体1
02の縦方向および横方向の熱伝達効率が劣化してい
た。
【0011】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたものであり、その目的は、IC,LSI等の半導体
集積回路素子や電界効果型トランジスタ(FET:Fiel
d Effect Transistor)等の半導体素子の熱を効率良く
半導体パッケージ外部(外部電気回路のヒートシンク部
等)に伝え、半導体素子の作動時の温度を適正なものと
し、半導体素子を長期にわたり正常且つ安定に作動させ
ることにある。また、半導体パッケージをネジ止めした
際に基体が潰れるのを防止し、その結果半導体素子の熱
を効率良く半導体パッケージ外部に伝えることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体パッケー
ジは、略直方体とされ、上面に半導体素子を載置する載
置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞
するように接合され、側部に貫通孔または切欠き部から
成る入出力端子の取付部を有する枠体と、前記取付部に
嵌着された入出力端子とを具備した半導体素子収納用パ
ッケージにおいて、前記基体は、銀,チタン,ジルコニ
ウムおよびタングステンのうちの少なくとも一種を0.
2〜10重量部ならびに銅を90〜99.8重量部含有
する金属成分が含浸された炭素質母材内に一方向性炭素
繊維の集合体が分散された金属炭素複合体を基材とし、
該基材の上下面に金属メッキ層とロウ材層と銅層とが順
次積層されていることを特徴とする。
【0013】本発明は、金属炭素複合体が炭素繊維と高
温高圧下で含浸された金属とからなるため、その表面が
緻密になり、金属炭素複合体の表面に金属メッキ層が形
成できるようになった。そして、基材の上下面に金属メ
ッキ層を介してロウ材層、Cu層がこの順で強固に接合
できるようになった。即ち、金属メッキ層の炭素繊維へ
の被着部における被着力の弱さを、含浸された金属が表
面に露出している部位における被着力で補強することが
できるとともに、金属炭素複合体の表面が緻密になるた
め炭素繊維に被着される金属メッキ層の表面欠陥が極め
て少なくなっており、その結果、金属炭素複合体の表面
に金属メッキ層を強固かつ信頼性よく被着することがで
きる。このように、基材表面に金属メッキ層を信頼性良
くかつ強固に形成できることによって、ロウ材層を介し
て熱伝導性の極めて良好なCu層を形成することができ
る。その結果、従来のCr−Fe合金層,Fe−Ni−
Co合金層等のFe系の金属層を形成した構成では得ら
れない効率のよい熱伝達が可能になる。
【0014】かくして、メッキ層とロウ材層と銅層とか
ら成る金属層と金属炭素複合体との間の熱伝達効率、金
属炭素複合体中の熱伝達効率が非常に良好となり、半導
体素子の熱を効率良く外部に伝えることができる。ま
た、金属炭素複合体により半導体パッケージの破損を防
止できる。
【0015】本発明において、好ましくは、前記銅層の
厚さが前記金属炭素複合体の厚さの1/10〜1/2で
あることを特徴とする。
【0016】本発明は、上記の構成により、半導体素子
を基体に強固に載置固定でき、また半導体素子から基体
への熱伝達効率が非常に良好になる。
【0017】本発明の半導体装置は、本発明の半導体パ
ッケージと、前記載置部に載置固定され前記入出力端子
に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に
接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0018】本発明は、上記の構成により、上記本発明
の半導体パッケージを用いた信頼性の高い半導体装置を
提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の半導体パッケージについ
て以下に詳細に説明する。図1,図2は本発明の半導体
パッケージについて実施の形態の一例を示すものであ
り、図1は半導体パッケージの断面図、図2は半導体パ
ッケージの基体の部分拡大断面図である。
【0020】図1において、1は半導体素子、2は金属
炭素複合体Aから成る基材の表面に金属メッキ層とロウ
材層とCu層とから成る金属層aが形成された基体、3
は載置部2aを囲繞するように接合された枠体、4は枠
体3の上面に接合されたシールリング、5は枠体3の取
付部3aに嵌着された入出力端子である。これら基体
2,枠体3,シールリング4,入出力端子5とで半導体
素子1を内部に収容する容器が主に構成される。
【0021】また、図2において、lは一方向性炭素繊
維、mは炭素質母材、nは銀(Ag),チタン(T
i),クロム(Cr),ジルコニウム(Zr),タング
ステン(W)のうちの少なくとも一種を0.2〜10重
量部ならびに銅(Cu)を90〜99.8重量部含有す
る金属成分であり、金属炭素複合体Aは、金属成分nが
含浸された炭素質母材m内に一方向性炭素繊維lの集合
体が分散されて成る。また、xは金属メッキ層、yはロ
ウ材層、zはCu層であり、金属炭素複合体Aの少なく
とも上下面に金属メッキ層xとロウ材層yとCu層zと
が順次積層されて成る金属層aが形成されることにより
基体2が構成される。
【0022】一方向性炭素繊維l,炭素質母材mおよび
金属成分nから構成される金属炭素複合体Aは、例えば
以下の工程[1]〜[7]のようにして作製される。
【0023】[1]一方向性炭素繊維lの束を炭素で結
合したブロックを小さな一方向性炭素繊維lの集合体を
破砕し、破砕された一方向性炭素繊維lの集合体を集め
て固体のピッチあるいはコークス等の微粉末を分散させ
たフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の溶液中に浸す。な
お、ブロックを破砕して得られる小塊の大きさは矩形状
のものに換算して一辺が約0.1〜1mm程度である。
【0024】[2]これを乾燥させて所定の圧力を加え
るとともに加熱して熱硬化性樹脂部分を硬化させる。
【0025】[3]不活性雰囲気中、高温で焼成するこ
とでフェノール樹脂とピッチあるいはコークスの微粉末
を炭化させて炭素質母材mとする。炭素質母材mは、そ
れ自体200〜300W/m・Kの大きな熱伝導率を有
し、半導体素子1の発する熱の伝熱経路としても機能す
る。
【0026】[4]一方、溶融したCuの中に、Ag,
Ti,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種を0.2
〜10重量部含有させることにより、互いに融解した液
状体を作製しておく。
【0027】[5]次に、[4]で作製された、Ag,
Ti,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種を0.2
〜10重量部ならびにCuを90〜99.8重量部含有
する金属成分n(液状体)を、炭素質母材m内に高温高
圧のもとで含浸させたブロックとなす。含浸された金属
成分nは塊状または薄板状であり、炭素質母材m内に分
散されることとなる。このブロックを板状に切り出して
金属炭素複合体Aとなる板を作製し、この板の寸法は、
例えば厚さが0.5〜2mm程度、平視面における縦×
横の寸法が100mm角程度である。
【0028】[6]この板を所望の形状に加工して金属
炭素複合体Aを作製する。
【0029】[7]金属炭素複合体Aの表面に金属層a
を被着する。
【0030】本発明の金属炭素複合体Aの熱膨張係数
は、金属成分nが含浸されていることにより、8×10
-6〜10×10-6/℃となる。また、金属成分nが含浸
されていることにより、炭素質母材mとの密着性が非常
に良好になる。そのため、半導体素子1が作動時に発す
る熱は基体2の内部を効率良く伝達し、外部電気回路の
ヒートシンク部に確実に伝熱される。さらに、金属成分
nが含浸されていることにより、金属炭素複合体Aの剛
性が高くなり、半導体パッケージを外部電気回路にネジ
止めにより固定する場合、金属炭素複合体Aが潰れるこ
となく強固に固定できる。そのため、半導体素子1の熱
を外部電気回路のヒートシンク部に確実に伝熱できる。
【0031】なお、金属成分nは、その熱膨張係数が1
7×10-6〜20×10-6/℃、熱伝導率が350W/
m・K以上、弾性率が80GPa(ギガパスカル)以
上、融点が1000℃以上となり、それらの諸特性は半
導体パッケージの製作上、および特性上好ましいものと
なる。
【0032】また、金属成分nがAgとCuから成る場
合、金属成分nと炭素質母材mとは、それらの間の濡れ
性が高いため密着性が非常に高くなる。また、金属成分
nがTi,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種とC
uとから成る場合、金属成分nと炭素質母材mとは、そ
れらの間でTi,Cr,Zr,Wの炭素化合物が生成さ
れるため密着性が非常に高くなる。Ag,Ti,Cr,
Zr,Wのうちの少なくとも一種が0.2重量部未満の
場合、濡れ性が低下し、またこれらの金属の炭素化合物
の生成が促進されないため、密着性が低下し、その結果
半導体素子1の熱は基体2の内部を効率良く伝達し難く
なる。一方、10重量部を超える場合、同様に濡れ性が
低下し、炭素化合物の生成が促進されないため、密着性
が低下する。特に、Ti,Cr,Zr,Wの場合には、
Cu中に融解され難くなり、熱伝導性の低いTi,C
r,Zr,WがCu中および/またはCu表面に分散さ
れることとなり、半導体素子1の熱は基体2の内部を効
率良く伝達し難くなる。
【0033】金属炭素複合体Aに対する金属成分nの含
有量は10〜20重量%がよい。10重量%未満になる
と、水平方向で所望の熱伝導率が得られず、20重量%
を超えると、基体2と半導体素子1との熱膨張係数差が
大きくなり、半導体素子1と基体2との接合部にクラッ
クが発生し易くなる。基体2と半導体素子1との熱膨張
係数差を考慮すると、より好ましくは15〜20重量%
がよい。また、金属成分nの含有量を10〜20重量%
と好適な範囲とすることにより、金属炭素複合体Aの表
面に現われる金属成分nの表面積の割合は、金属炭素複
合体Aの表面積に対して約6〜10%となり、これによ
り金属メッキ層xの被着強度が向上する。
【0034】また、熱膨張係数について、金属成分nを
炭素質母材m内に10〜20重量%程度の好適な含有量
で含浸させれば、金属炭素複合体Aの熱膨張係数が半導
体素子1と大幅に異なる程度に上昇することは無い。ま
た、金属成分nのうち特にAgの場合は熱伝導率が非常
に高いため、半導体素子1の熱を伝えるのに有利であ
る。また、金属炭素複合体Aの弾性率は従来に比し高く
なるため、金属成分nが基体2の両端部をネジで外部電
気回路に締め付けた際の補強材として機能し、基体2の
破損を有効に防止する。
【0035】また、金属成分nの融点は非常に高いた
め、半導体パッケージを融点が780℃程度以上の銀ロ
ウ等のロウ材で組み立てても金属成分nが溶融すること
がなく、常に炭素質母材m内を安定にしておくことがで
きる。なお、ロウ付け時に溶融するような金属の場合は
基体2の端面から溶け出すことがあり、半導体パッケー
ジ用としては不適である。
【0036】金属炭素複合体Aから成る基材の少なくと
も上下面に被着される金属メッキ層xは、Niメッキ層
やCuメッキ層等から成り、金属炭素複合体Aの上下面
または表面全面に被着され、金属炭素複合体Aとロウ材
層yとの接合媒体として機能する。金属メッキ層xは、
一方向性炭素繊維lや炭素質母材mとの密着性は若干弱
いが、金属炭素複合体Aの表面に大きな割合で露出して
いる金属成分nとの密着性が非常に強固であるため、金
属炭素複合体Aと金属メッキ層xとの密着性は全体的に
強固になる。
【0037】この金属メッキ層xの厚さは1〜30μm
が良く、1μm未満の場合、その厚さのばらつきにより
金属メッキ層xがほとんど被着されていない部位が発生
する場合がある。そのため、金属炭素複合体Aとロウ材
層yとの接合媒体としての機能が劣化する。一方、30
μmを超えると、Niメッキ層の場合はその熱伝達効率
の低さにより半導体素子1の熱を効率良く外部に伝え難
くなり、Cuメッキ層の場合は金属炭素複合体Aとの熱
膨張差により密着性が劣化する。
【0038】なお、金属メッキ層xの金属炭素複合体A
への被着については、メッキ被着工程の煩雑さ,基体2
の熱伝達効率を鑑みれば、金属炭素複合体Aの表面全面
に被着させることが好ましい。
【0039】ロウ材層yは、金属メッキ層xとCu層z
との接合媒体即ち接着材として機能するとともに、Cu
層zから伝わる熱を効率良く金属メッキ層xに伝える熱
伝達媒体としても機能する。また、ロウ材層yは比較的
軟質であることから、金属メッキ層xとCu層zとの熱
膨張差による応力発生を緩和する所謂応力緩和層として
も機能する。なお、ロウ材層yは、主にAgから成るA
gロウ、AgとCuとから成るAgロウ等の熱伝達効率
の優れたロウ材から成る。このロウ材層yの厚さは3〜
50μmが良く、3μm未満の場合、厚さが非常に薄い
ため応力緩和層としての機能が劣化する。50μmを超
えると、厚すぎるため熱伝達効率が低下するとともに金
属メッキ層xとCu層zとの熱膨張差によって発生する
応力を緩和する応力緩和層としての機能が低下する。
【0040】Cu層zは、基体2の熱伝達効率を良好と
する機能を有するとともに、半導体素子1の載置部2a
を滑らかな面とする機能を有する。即ち、Cu層zは、
それ自体で非常に熱伝達効率が高く、また最表層がロウ
材層yの場合(Cu層zがない場合)には表面がボイド
もあるような粗面となり、半導体素子1を強固に載置固
定するのが困難になり熱伝達効率が劣化する。このCu
層zの厚さは金属炭素複合体Aの厚さの1/10〜1/
2であれば良い。1/10未満の場合、金属炭素複合体
Aの厚さが薄い場合それに伴い非常に薄いものとなり、
ロウ材層yの上面に凹凸なく滑らかに平坦にCu層zを
被着させるのが困難にある。そのため、載置部2aに凹
凸が発生して半導体素子1を強固に載置固定するのが困
難になる。一方、1/2を超えると、厚くなり過ぎて半
導体素子1の熱を効率良くロウ材層yに伝え難くなると
ともに、金属炭素複合体AとCu層zとの熱膨張差によ
りそれらの密着性が劣化する。
【0041】金属メッキ層x,ロウ材層yおよびCu層
zが順次積層されて成る金属層aは、金属炭素複合体A
の表面に露出している一方向性炭素繊維lの気孔を完全
に被覆し、半導体パッケージ内部の気密性を保持する機
能を有するとともに、半導体素子1の熱を縦方向および
横方向に効率良く伝える伝熱媒体として機能する。具体
的には、基体2は、半導体素子1の載置部2aの面に垂
直な方向(縦方向)および水平な方向(横方向)のいず
れにおいても350〜400W/m・K程度の熱伝導率
が得られる。
【0042】また、金属層aは、半導体パッケージ内部
の気密性をヘリウム(He)を使用して検査した際、H
eの一部が一方向性炭素繊維lの気孔中にトラップされ
るのを有効に防止し、検査に対して適格な半導体パッケ
ージが得られる。
【0043】基体2の上面には、側部に貫通孔または切
欠き部から成る取付部3aを有する枠体3が、載置部2
aを囲繞するようにAgロウ等のロウ材で接合される。
この枠体3は、高周波信号が入出力される半導体素子1
の周辺部を電磁的に遮蔽するため、Fe−Ni−Co合
金等の金属材料から成るのが一般的であるが、アルミナ
(Al23)セラミックス,窒化アルミニウム(Al
N)セラミックス等のセラミックスで形成しても良い。
例えば、Fe−Ni−Co合金から成る場合、この合金
のインゴットに圧延加工やプレス加工等の金属加工を施
すことにより所定の形状に作製される。また、その表面
には酸化腐食を有効に防止するために、基体2の上面に
接合した後に、0.5〜9μmのNi層や0.5〜5μ
mのAu層等の金属層をメッキ法により被着させておく
と良い。
【0044】枠体3の取付部3aには、その内周面に入
出力端子5がAgロウ等のロウ材を介して嵌着接合され
る。この入出力端子5は、絶縁性のセラミック基板に導
電性のメタライズ層5aが被着された平板部と、メタラ
イズ層4aを間に挟んで平板部の上面に接合された立壁
部とから成り、半導体パッケージ内部の気密性を保持す
るとともに半導体パッケージと外部電気回路との高周波
信号の入出力を行うものである。なお、セラミック基板
の材料は、誘電率や熱膨張係数等の特性に応じて、Al
23セラミックスやAlNセラミックス等のセラミック
ス材料から選択すればよい。
【0045】入出力端子5は、セラミック基板となる原
料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペー
スト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカ
レンダーロール法によって形成されたセラミックグリー
ンシートに、メタライズ層5aとなるW,モリブデン
(Mo),マンガン(Mn)等の粉末に有機溶剤,溶媒
を添加混合して得た金属ペーストを、従来周知のスクリ
ーン印刷法により所望のパターン形状に印刷塗布し約1
600℃の高温で同時焼成して作製される。
【0046】また、メタライズ層5aの上面には、入出
力端子5との接合を強固にするために熱膨張係数が入出
力端子5のセラミック基板に近似した部材から成るリー
ド端子(図示せず)がAgロウ等のロウ材で接合され
る。例えば、入出力端子5のセラミック基板がAl23
セラミックスから成る場合、リード端子はFe−Ni−
Co合金やFe−Ni合金から成る。
【0047】この入出力端子5が嵌着接合された枠体3
の上面には、蓋体7をシーム溶接やAu−錫(Sn)ロ
ウで接合するための接合媒体として機能する、Fe−N
i−Co合金,Fe−Ni合金等の金属から成るシール
リング4が、Agロウ等のロウ材で接合される。シール
リング4は、例えばFe−Ni−Co合金から成る場
合、この合金のインゴットに圧延加工やプレス加工等の
金属加工を施すことにより所定の形状に作製される。ま
た、その表面には酸化腐食を有効に防止するために、
0.5〜9μmのNi層や0.5〜5μmのAu層等の
金属層をメッキ法により被着させておくと良い。このシ
ールリング4の上面には、Fe−Ni−Co合金,Fe
−Ni合金等から成る金属製の蓋体7、またはAl23
セラミックス,AlNセラミックス等から成るセラミッ
クス製の蓋体7が接合され、蓋体7により半導体素子1
を半導体パッケージ内部に気密に封止する。
【0048】このように、本発明の半導体パッケージ
は、略直方体とされ、上面に半導体素子1を載置する載
置部2aを有する基体2と、基体2上面に載置部2aを
囲繞するように接合され、側部に貫通孔または切欠き部
から成る入出力端子の取付部3aを有する枠体3と、取
付部3aに嵌着された入出力端子5とを具備する。そし
て、基体2は、Ag,Ti,ZrおよびWのうちの少な
くとも一種を0.2〜10重量部ならびにCuを90〜
99.8重量部含有する金属成分nが含浸された炭素質
母材m内に一方向性炭素繊維lの集合体が分散された金
属炭素複合体Aを基材とし、その上下面に金属メッキ層
xとロウ材層yおよびCu層zとが順次被着されて成る
金属層aを有することを特徴とする。さらに、Cu層z
の厚さは金属炭素複合体Aの厚さの1/10〜1/2で
あることが好ましい。
【0049】また、上記本発明の半導体パッケージと、
載置部2aに載置固定され入出力端子5に電気的に接続
された半導体素子1と、枠体3の上面に接合された蓋体
7とを具備することにより、製品としての半導体装置と
なる。この半導体装置は、具体的には、載置部2aに半
導体素子1をガラス,樹脂,ロウ材等の接着剤を介して
接着固定し、半導体素子1の電極をボンディングワイヤ
を介して所定のメタライズ層5aに電気的に接続し、し
かる後、シールリング4上面に蓋体7をガラス,樹脂,
ロウ材,シーム溶接等により接合することにより、基体
2,枠体3,シールリング4,入出力端子5から成る半
導体パッケージ内部に半導体素子1を収納して成る。こ
のような半導体装置は外部電気回路から供給される高周
波信号により半導体素子1を作動させる。
【0050】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行
うことは何等支障ない。例えば、半導体パッケージとし
て、枠体3の側部に光ファイバ接続用の筒状の固定部材
を設けることにより光信号を入出力できるようにし、光
半導体素子に光信号を入出力することにより光半導体素
子を作動させる光半導体パッケージとしても良い。
【0051】
【発明の効果】本発明は、略直方体とされ、上面に半導
体素子を載置する載置部を有する基体が、Ag,Ti,
ZrおよびWのうちの少なくとも一種を0.2〜10重
量部ならびにCuを90〜99.8重量部含有する金属
成分が含浸された炭素質母材内に一方向性炭素繊維の集
合体が分散された金属炭素複合体を基材そり、その上下
面に金属メッキ層とロウ材層と銅層とが順次積層されて
いることにより、金属炭素複合体が炭素繊維と高温高圧
下で含浸された金属とからなるため、その表面が緻密に
なり、金属炭素複合体の表面に金属メッキ層が形成でき
るようになった。そして、基材の上下面に金属メッキ層
を介してロウ材層、Cu層がこの順で強固に接合できる
ようになった。即ち、金属メッキ層の炭素繊維への被着
部における被着力の弱さを、含浸された金属が表面に露
出している部位における被着力で補強することができる
とともに、金属炭素複合体の表面が緻密になるため炭素
繊維に被着される金属メッキ層の表面欠陥が極めて少な
くなっており、その結果、金属炭素複合体の表面に金属
メッキ層を強固かつ信頼性よく被着することができる。
このように、基材表面に金属メッキ層を信頼性良くかつ
強固に形成できることによって、ロウ材層を介して熱伝
導性の極めて良好なCu層を形成することができる。そ
の結果、従来のCr−Fe合金層,Fe−Ni−Co合
金層等のFe系の金属層を形成した構成では得られない
効率のよい熱伝達が可能になる。
【0052】かくして、メッキ層とロウ材層と銅層とか
ら成る金属層と金属炭素複合体との間の熱伝達効率、金
属炭素複合体中の熱伝達効率が非常に良好となり、半導
体素子の熱を効率良く外部に伝えることができる。ま
た、金属炭素複合体により半導体パッケージの破損を防
止できる。
【0053】本発明において、好ましくは銅層の厚さが
金属炭素複合体の厚さの1/10〜1/2であることに
より、半導体素子を基体に強固に載置固定でき、半導体
素子から基体への熱伝達効率が非常に良好になる。
【0054】本発明の半導体装置は、本発明の半導体パ
ッケージと、載置部に載置固定され入出力端子に電気的
に接続された半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋
体とを具備したことにより、上記本発明の半導体パッケ
ージを用いた信頼性の高い半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体パッケージについて実施の形態
の一例を示す断面図である。
【図2】図1の半導体パッケージにおける基体の部分拡
大断面図である。
【図3】従来の半導体パッケージの平面図である。
【図4】図3の半導体パッケージの断面図である。
【図5】図3の半導体パッケージにおける基体の部分拡
大断面図である。
【符号の説明】
1:半導体素子 2:基体 2a:載置部 3:枠体 3a:取付部 5:入出力端子 7:蓋体 l:一方向性炭素繊維 m:炭素質母材 n:金属成分 A:金属炭素複合体 x:金属メッキ層 y:ロウ材層 z:銅層 a:金属層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/06 C04B 35/52 G 23/14 H01L 23/14 M 23/373 23/36 M Fターム(参考) 4G026 BA13 BD02 BF16 BF34 BF35 BG02 BG05 BH08 4G032 AA09 AA14 AA41 AA44 AA45 AA52 BA04 GA08 GA09 5F036 AA01 BA23 BB08 BD01 BD11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体とされ、上面に半導体素子を載
    置する載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置
    部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔または切欠
    き部から成る入出力端子の取付部を有する枠体と、前記
    取付部に嵌着された入出力端子とを具備した半導体素子
    収納用パッケージにおいて、前記基体は、銀,チタン,
    ジルコニウムおよびタングステンのうちの少なくとも一
    種を0.2〜10重量部ならびに銅を90〜99.8重
    量部含有する金属成分が含浸された炭素質母材内に一方
    向性炭素繊維の集合体が分散された金属炭素複合体を基
    材とし、該基材の上下面に金属メッキ層とロウ材層と銅
    層とが順次積層されていることを特徴とする半導体素子
    収納用パッケージ。
  2. 【請求項2】 前記銅層の厚さが前記金属炭素複合体の
    厚さの1/10〜1/2であることを特徴とする請求項
    1記載の半導体素子収納用パッケージ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体素子収納用パッケ
    ージと、前記載置部に載置固定され前記入出力端子に電
    気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合
    された蓋体とを具備したことを特徴とする半導体装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008117934A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Nec Corp 半導体装置
JP2010077013A (ja) * 2008-08-29 2010-04-08 Kyocera Corp 炭素−金属複合体およびこれを用いた回路部材または放熱部材
JP2013131662A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Cmk Corp パワーモジュール用絶縁放熱基板とその製造方法

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