JP2003130257A - 光硬化性導電塗料組成物 - Google Patents

光硬化性導電塗料組成物

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JP2003130257A
JP2003130257A JP2001332980A JP2001332980A JP2003130257A JP 2003130257 A JP2003130257 A JP 2003130257A JP 2001332980 A JP2001332980 A JP 2001332980A JP 2001332980 A JP2001332980 A JP 2001332980A JP 2003130257 A JP2003130257 A JP 2003130257A
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JP
Japan
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pipe
tube
foam
foam tube
diameter
Prior art date
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Application number
JP2001332980A
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English (en)
Inventor
Koji Ichihara
幸治 市原
Junichi Yokoyama
順一 横山
Takehisa Sugaya
武久 菅谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パイプの外周に均一に高発泡した発泡体層を有
する断熱パイプと、均一に高発泡した発泡体層をパイプ
外周に形成し、その外周に表皮層が被覆された断熱パイ
プを効率良く安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】発泡体層となる発泡チューブを連続的に供
給しながら発泡チューブにチューブ長手方向に連続させ
て切れ目を入れるスリット形成工程と、切れ目の入った
発泡チューブを拡径しながら、切れ目から発泡チューブ
内にパイプを挿入するパイプ挿入工程と、パイプが挿入
された発泡チューブを縮径する発泡チューブ縮径工程
と、パイプが挿入されて縮径された発泡チューブの外周
に表皮層を形成する表皮層形成工程とにより断熱パイプ
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ表面に発泡
体層が形成され、さらに、発泡体層の外周に表皮層が形
成された断熱パイプおよび断熱パイプの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、パイプ、例えば、合成樹脂製
パイプ、銅管、鋼管などに断熱性を付与する目的で、パ
イプの外周を発泡合成樹脂組成物で成形された発泡体層
で被覆した断熱パイプが使用されている。
【0003】しかし、発泡体層は、摩擦強度および引っ
掻き強度が弱いため、発泡体層が外部に露出している
と、施工時または配管後に摩擦や引っ掻きなどにより損
傷し易いという問題がある。
【0004】そこで、発泡体層の表面を保護する目的
で、発泡体層の外周面に、さらに非発泡の合成樹脂で成
形される表皮層が形成されたものが提案されている。
【0005】例えば、特開昭61−293825号公報
には、パイプ表面に発泡体層を形成し、さらに発泡体層
の外周に表皮層を形成した断熱パイプを押出機を用いて
製造する方法が開示されている。この製造方法は、押出
機のダイスに長ランドダイスが使用されており、押出機
のヘッドに発泡体層形成用組成物と表皮層形成用樹脂と
を供給して発泡体層と表皮層をパイプの外周に同時に押
出成形し、発泡合成樹脂組成物を長ランドダイス内で発
泡させるとともに冷却することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭61−
293825号公報に開示されている製造方法では、長
ランドダイス内で発泡させて、この長ランドダイス内で
冷却を行うようにしているため、発泡体層の発泡はパイ
プの外面と長ランドダイスの内面とにより規制され、発
泡が規制されたまま長ランドダイス内で冷却されて形が
固定されてしまう。
【0007】したがって、熱分解型の化学発泡剤を使用
した場合には、熱分解が完全に行われないうちに冷却さ
れてしまうので、樹脂中に溶解した発泡剤のガス圧が低
くなり発泡倍率が2倍程度のものしか得られなかった。
また、物理発泡剤を使用した場合でも、発泡体層の樹脂
組成物が長ランドダイスおよびパイプにより厚み方向へ
の発泡が規制された状態で発泡し、かつ、長ランドダイ
スから出てきたときには、冷却固定された表皮層で発泡
体層が被覆されてしまっているので、高発泡倍率のもの
が得られなかった。
【0008】さらに、従来の断熱パイプは、発泡体層と
表皮層をパイプの外周に同時に押出成形することにより
形成されているため、発泡体層がパイプの外周面全体に
密着した状態となり、複数の断熱パイプを接続する場
合、断熱パイプの端部において発泡層を剥離する作業を
要するが、発泡層がパイプの外周面に密着しすぎて剥離
作業が行い難いなどの問題もある。
【0009】本発明は、発泡体層と表皮層とを有する断
熱パイプの製造方法における問題点を解決するものであ
って、パイプの外周に、均一に高発泡した発泡体層を形
成できながら、パイプからの発泡層の剥離作業も簡単に
行える断熱パイプを提供するとともに、パイプの外周
に、均一に高発泡した発泡体層を形成でき、さらにその
外周に表皮層が被覆された断熱パイプを効率良く、安価
に製造する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、パイプ表面に発泡体層が
形成され、さらに、発泡体層の外周に表皮層が形成され
た断熱パイプであって、発泡体層が筒状に形成されてお
り、筒状発泡体層には、パイプを筒内部に挿入するため
の長手方向に延びる切れ目が形成され、切れ目を有する
発泡体層の外周に連続した表皮層を形成していることを
特徴とするものである。
【0011】本発明に使用されるパイプとしては、断熱
性を有するパイプであって、例えば、鋼管、銅管等の金
属パイプ、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブデン−1等のポリオレフィンパイプ、架橋ポリエチ
レン等の架橋ポリオレフィンパイプ等の合成樹脂パイプ
が挙げられる。
【0012】また、パイプの外周に被覆される発泡体層
は、発泡剤により低圧帯域において発泡可能な熱可塑性
樹脂を含む発泡樹脂組成物からなり、熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、アクリ
ル樹脂などの押出可能な熱可塑性樹脂があげられ、これ
らは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
発泡体層の外周に被覆される表皮層としては、押出成形
可能な樹脂であって、耐擦傷性を有する熱可塑性樹脂が
好ましい。
【0013】請求項1に記載の発明によれば、発泡体層
が筒状に形成されており、筒状発泡体層には、パイプを
筒内部に挿入するための長手方向に延びる切れ目が形成
され、切れ目を有する発泡体層の外周に連続した表皮層
を形成しているので、均一に高発泡した発泡体層が得ら
れながら、断熱パイプ同士の接続作業など、断熱パイプ
の軸方向端部において発泡体層をパイプから取り除かな
くてはならない場合には、切れ目部分から発泡体層を容
易に剥離することができるので、断熱パイプの接続作業
も容易になる。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の断熱パイプの発明において、筒状発泡体層の切
れ目が断続的に融着されていることを特徴とするもので
ある。断続的な切れ目の融着とは、切れ目に沿って融着
されている箇所と未融着の箇所とがあることをいう。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、筒状発泡
体層の切れ目が断続的に融着されていることを特徴とす
るので、融着部分においては表皮層の形成時における切
れ目の開きを防止できながら、切れ目の未融着の部分に
おいて発泡体層のパイプからの剥離を容易に行える。
【0016】請求項3に記載の発明は、パイプ表面に発
泡体層が形成され、さらに、発泡体層の外周に表皮層が
形成された断熱パイプの製造方法であって、発泡体層と
なる発泡チューブを連続的に供給しながら発泡チューブ
にチューブ長手方向に連続させて切れ目を入れるスリッ
ト形成工程と、切れ目の入った発泡チューブを拡径しな
がら、切れ目から発泡チューブ内にパイプを挿入するパ
イプ挿入工程と、パイプが挿入された発泡チューブを縮
径する発泡チューブ縮径工程と、パイプが挿入されて縮
径された発泡チューブの外周に表皮層を形成する表皮層
形成工程とにより断熱パイプを製造することを特徴とす
るものである。
【0017】発泡チューブを供給する手段としては、予
め製造された発泡体層となる発泡チューブをリール等に
巻き取っておいてスリット形成工程に供給するようにし
てもよいし、発泡チューブの製造工程を設けて、製造後
の発泡チューブを直接スリット形成工程に供給されるよ
うにしてもよい。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、パイプの
表面を被覆する発泡体層をパイプの外面に直接成形する
のではなく、発泡体層となる発泡チューブのみを製造し
た後、発泡チューブに切れ目を形成して発泡チューブ内
にパイプを挿入することにより、パイプを発泡チューブ
で被覆するようにしたから、均一に高発泡した発泡体層
が得られる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の断熱パイプの製造方法において、スリット形成工程
は、発泡チューブを連続的に供給するための、発泡チュ
ーブを単独で押出し成形する発泡チューブ製造工程部を
有していることを特徴とするものである。なお、パイプ
の外周に被覆される発泡体層は、前記したように、発泡
剤により低圧帯域において発泡可能な熱可塑性樹脂を含
む発泡樹脂組成物からなるのであるが、熱可塑性樹脂に
タルクなどの気泡核剤を2〜3重量部添加すると、得ら
れる発泡体の気泡が微細になり断熱性能が向上する。
【0020】熱可塑性樹脂を発泡させる発泡剤として
は、熱可塑性樹脂を劣化させないものならば特に限定さ
れず、たとえばアゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド等の熱
分解型発泡剤や、常圧下で気体もしくは易揮発性液体で
ある物理発泡剤が挙げられる。請求項4に記載の発明に
よれば、断熱パイプを製造する一連の工程をインライン
で行うことができるので、断熱パイプを効率良く、安価
に製造することができる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の断熱パイプの製造方法において、発泡チューブ製造工
程部が、発泡チューブ成形用押出機から物理発泡剤が混
入された溶融樹脂を押出して発泡チューブ成形用押出機
に接続された発泡金型に送り、この発泡金型から大気圧
に解放させて発泡チューブを製造するようにしているこ
とを特徴とする。
【0022】物理発泡剤は、気体としては、窒素、炭酸
ガス、空気などがあり、易揮発性液体としては、プロパ
ン、ブタン、ペンタン等の低沸点脂肪族炭化水素、アル
コール類、ケトン類、エステル類等の低沸点有機化合
物、モノクロロジフルオロメタン、ジクロロジフルオロ
メタン、ジクロロテトラフルオロエタン等のハロゲン化
炭化水素等が挙げられ、これらは単独で使用しても良い
し、2種類以上併用しても良い。請求項5に記載の発明
によれば、発泡チューブを物理発泡剤により大気中に解
放させて発泡成形するので、所定の発泡倍率が得られな
がら発泡を均一に行える。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の断熱パイプの製造方法において、発泡チューブ成形用
押出機内の溶融樹脂に供給される物理発泡剤が炭酸ガス
であることを特徴とするものである。物理発泡剤として
易揮発性液体を使用する場合は、オゾン層破壊の可能性
があったり、可燃性であるため設備として防爆仕様が必
須となるものが多いが、物理発泡剤として炭酸ガスを用
いることにより、オゾン層の破壊の可能性がなく、環境
に対する負荷を小さくでき、かつ、不燃性であるため設
備として防爆仕様が必要でなく、設備が簡単となる。さ
らに、樹脂に対する溶解性も高い。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項4から請
求項6の何れかに記載の断熱パイプの製造方法におい
て、発泡チューブ製造工程部で押出発泡成形される発泡
チューブの発泡倍率が5倍以上であることを特徴とする
ものである。
【0025】なお、発泡倍率は、次の式(1)で定義さ
れる。 (発泡倍率)=(発泡前の樹脂組成物の比重)/(発泡体の比重)・・・(1) また、発泡体層の好ましい発泡倍率を5倍以上としたの
は、倍率5倍までは、倍率が高いほど熱伝導率が急激に
低下し、断熱性能が向上するからである。なお、発泡体
層または表皮層を形成する樹脂組成物中には、必要に応
じて安定剤、抗酸化剤、加工助剤、滑剤、発泡助剤、充
填剤、顔料、難燃剤等を添加することができる。
【0026】請求項8に記載の発明は、請求項3から請
求項7の何れかに記載の断熱パイプの製造方法におい
て、スリット形成工程は、発泡チューブおよび/又は切
れ目形成用のカッター刃の冷却を行う冷却工程を有して
いることを特徴とするものである。請求項8に記載の発
明によれば、スリット形成工程において、発泡チューブ
および/又は切れ目形成用のカッター刃の冷却を行うの
で、発泡チューブに押出し成形による残存熱があった
り、カッター刃に摩擦熱が生じることによる切れ目形成
時の切れ目部分の温度上昇を抑制でき、切れ目部分の温
度上昇による切れ目形成不良を防止できる。
【0027】請求項9に記載の発明は、請求項3から請
求項8の何れかに記載の断熱パイプの製造方法におい
て、パイプ挿入工程は、発泡チューブの送り方向上流側
が先細り状となったテーパーを有する拡径コアに、切れ
目の入った発泡チューブを導入して、発泡チューブを搬
送しながら拡径させるとともに、搬送される発泡チュー
ブ内に広げられた切れ目からパイプを挿入することを特
徴とするものである。請求項9に記載の発明によれば、
拡径コアにより発泡チューブの切れ目を簡単に広げるこ
とができ、発泡チューブへのパイプの挿入を簡単に行え
る。
【0028】請求項10に記載の発明は、請求項3から
請求項9の何れかに記載の断熱パイプの製造方法におい
て、パイプ挿入工程は、拡径される発泡チューブを冷却
する冷却工程を有していることを特徴とするものであ
る。
【0029】発泡チューブを連続的に送り出しながら、
該発泡チューブにパイプを挿入していく場合、発泡チュ
ーブの送り出し量が多くなると発泡チューブの内外面の
温度が上昇して発泡チューブに伸びが発生する虞があ
る。そして、発泡チューブに伸びが発生すると表皮層形
成後に発泡チューブの収縮が発生してしまい、断熱パイ
プの製造後にパイプの管端部が大きく露出してしまう現
象や、途中で断熱パイプを切断した場合においても切断
部でパイプが大きく露出してしまう現象が発生してしま
う。
【0030】請求項10に記載の発明によれば、発泡チ
ューブの送り出し量が多くなっても、発泡チューブをパ
イプ挿入工程における冷却工程で冷却できるので、発泡
チューブの温度上昇を抑制して発泡チューブの伸びを防
止でき、断熱パイプの管端部からのパイプの露出を防止
できる。
【0031】請求項11に記載の発明は、請求項3から
請求項10の何れかに記載の断熱パイプの製造方法にお
いて、発泡チューブ縮径工程は、発泡チューブの送り方
向下流側が先細り状となった筒状体内部に、パイプが挿
入された発泡チューブを送り込んで、発泡チューブの切
れ目部分を接合させて発泡チューブを縮径することを特
徴とするものである。請求項11に記載の発明によれ
ば、筒状体により拡径された発泡チューブを簡単に縮径
させることができる。
【0032】請求項12に記載の発明は、請求項3から
請求項10の何れかに記載の断熱パイプの製造方法にお
いて、発泡チューブ縮径工程は、軸方向中央部が凹んだ
テーパー状の外周面を有する回転可能な1対のローラー
を用い、2つのローラーの間に拡径された発泡チューブ
を導入して、ローラー対により発泡チューブの切れ目の
対向面を付き合わせる方向に押圧して発泡チューブを縮
径することを特徴とするものである。
【0033】請求項12に記載の発明によれば、軸方向
中央が凹んだテーパー状の外周面を有する回転可能な1
対のローラーを用いることにより、拡径された発泡チュ
ーブを簡単に縮径させることができる。さらに、発泡チ
ューブにテンションをかけることなく、発泡チューブの
縮径を行うことができるので、断熱パイプを切断したと
きに発泡チューブが収縮してしまうのを防止することが
でき、製品寸法の安定化を図ることができる。
【0034】請求項13に記載の発明は、請求項3から
請求項12の何れかに記載の断熱パイプの製造方法にお
いて、パイプ挿入工程より後で表皮層形成工程より前
に、縮径された発泡チューブの切れ目の対向面同士を融
着させる切れ目融着工程を有することを特徴とするもの
である。発泡チューブの切れ目の対向面同士を融着させ
る方法としては、切れ目部分を長さ方向に連続して融着
させる方法や、切れ目に沿って断続的に融着する方法が
ある。
【0035】請求項13に記載の発明によれば、表皮層
を形成する前に切れ目を融着するので、表皮層形成時に
切れ目部分が開いてしまうのを確実に防止することがで
き、品質の低下を防止できる。
【0036】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の断熱パイプの製造方法において、切れ目融着工程
は、発泡チューブの切れ目部分の表層樹脂を、熱風によ
り溶融させて切れ目の対向面同士を融着させることを特
徴とするものである。請求項14に記載の発明によれ
ば、簡単な方法で直接熱源に接触して発泡チューブが型
崩れしてしまうようなことなく、切れ目部分の融着を行
うことができる。
【0037】請求項15に記載の発明は、請求項3から
請求項14の何れかに記載に断熱パイプの製造方法にお
いて、表皮層形成工程は、パイプが挿入されて縮径され
た発泡チューブを表皮層形成用金型に送り込むととも
に、表皮層成形用押出機から溶融された表皮層形成用樹
脂を表皮層形成用金型に押出して発泡チューブの外周に
表皮層を形成することを特徴とするものである。
【0038】表皮層の厚みは、薄すぎると摩擦や引っ掻
きなどにより発泡体層の表面を保護しきれないので、1
00μm以上とすることが好ましく、さらに好ましく
は、200μm以上である。また、表皮層には発泡体表
面の凹凸が転写される可能性が高いので、外観を向上さ
せるために樹脂中に隠蔽性のある顔料を添加したり、あ
るいは、シボ付け、エンボス加工等を施すのが好まし
い。請求項15に記載の発明によれば、パイプが挿入さ
れて縮径された発泡チューブの外周に表皮層を簡単に形
成することができる。
【0039】請求項16に記載の発明は、パイプ表面に
発泡体層が形成され、さらに、発泡体層の外周に表皮層
が形成された断熱パイプの製造装置であって、発泡体層
となる発泡チューブを連続的に供給しながら発泡チュー
ブにチューブ長手方向に連続させて切れ目を入れるスリ
ット形成工程部と、切れ目の入った発泡チューブを拡径
しながら、切れ目から発泡チューブ内にパイプを挿入す
るパイプ挿入工程部と、パイプが挿入された発泡チュー
ブを縮径する発泡チューブ縮径工程部と、パイプが挿入
されて縮径された発泡チューブの外周に表皮層を形成す
る表皮層形成工程部とを備えていることを特徴とするも
のである。
【0040】請求項16に記載の断熱パイプの製造装置
によれば、パイプの表面を被覆する発泡体層をパイプの
外面に直接成形するのではなく、発泡体層となる製造後
の発泡チューブに切れ目を形成して発泡チューブ内にパ
イプを挿入することにより、パイプを発泡チューブで被
覆し、発泡チューブの外周に表皮層が形成された断熱パ
イプを製造することができるので、均一に高発泡した発
泡体層を有する断熱パイプが得られる。
【0041】請求項17に記載の発明は、請求項16に
記載の断熱パイプの製造装置において、パイプ挿入工程
部は、発泡チューブの送り方向上流側が先細り状となっ
たテーパーを有し、切れ目の入った発泡チューブを拡径
させる拡径コアを備え、拡径コアは、外面に発泡チュー
ブに非接触な凹部を備えるとともに、拡径により広げら
れた発泡チューブの切れ目から発泡チューブ内にパイプ
を挿入させるための案内通路を備えていることを特徴と
するものである。
【0042】拡径コアに設ける凹部は、拡径コアの表面
に円周方向に延びる環状の凹溝を複数形成したり、拡径
コアの表面に螺旋溝を形成したり、発泡チューブの送り
方向に延びる凹溝を複数形成したりして得られる。
【0043】請求項17に記載の発明によれば、発泡チ
ューブの内面を拡径コアのテーパー外周面に沿わせなが
ら発泡チューブを拡径しておいて、拡径コアの案内通路
からパイプを発泡チューブ内に簡単に挿入させることが
できる。しかも、拡径コアに設ける凹部により、拡径コ
アの外周面に発泡チューブの内面を接触させたときの拡
径コアと発泡チューブ内面との接触面積を少なくして摩
擦を低減できるので、発泡チューブの拡径コアによる拡
径を円滑に行えながら、摩擦による発泡チューブの温度
上昇も低減できる。
【0044】請求項18に記載の発明は、請求項16ま
たは請求項17に記載の断熱パイプの製造装置におい
て、パイプ挿入工程部が、拡径される発泡チューブを冷
却する冷却機構を備えている構成とした。請求項18に
記載の発明によれば、発泡チューブの送り出し量が多く
なっても、発泡チューブをパイプ挿入工程部における冷
却機構で冷却できるので、発泡チューブの温度上昇を抑
制して発泡チューブの伸びを防止でき、製造後の断熱パ
イプの管端部からのパイプの露出を防止できる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の断熱パイプの製
造方法により断熱パイプを製造するための製造装置の第
1の実施形態を概略的に示したものであり、この断熱パ
イプ製造装置により、図5に示す断熱パイプ1を製造す
ることができる。断熱パイプ1は、図5に示すように、
パイプ11の表面に断熱層となる発泡体層12が形成さ
れ、さらに、発泡体層12の表面に表皮層13が形成さ
れている。
【0046】第1の実施形態の断熱パイプ製造装置は、
図2に示す発泡体層12となる発泡チューブ2に、図3
に示すようにチューブ長手方向に連続させて切れ目21
を入れるスリット形成工程部(スリット形成工程)と、
切れ目21の入った発泡チューブ2を拡径しながら、切
れ目21から発泡チューブ2内にパイプ11を挿入する
パイプ挿入工程部(パイプ挿入工程)と、パイプ11が
挿入された発泡チューブ2を縮径して図4に示す状態に
する発泡チューブ縮径工程部(発泡チューブ縮径工程)
と、パイプ11が挿入されて縮径された発泡チューブ2
の外周に表皮層13を形成して図5に示す状態にする表
皮層形成工程部(表皮層形成工程)の各製造工程を経て
断熱パイプ1を製造するようになっている。スリット形
成工程部は、発泡チューブ2を連続的に供給するための
発泡チューブ供給工程も有している。
【0047】第1の実施形態の断熱パイプ製造装置は、
図1に示すように、発泡チューブ供給工程は、発泡チュ
ーブ2を単独で押出し成形する発泡チューブ製造工程部
31aにより構成されている。なお、パイプ挿入工程
と、発泡チューブ縮径工程との間に、図1の仮想線で示
す加熱部81を設けて、パイプが挿入された発泡チュー
ブ2の切れ目21の対向面同士を断続的、または、連続
的に融着する切れ目融着工程を有するようにしてもよ
い。
【0048】この場合、加熱部は、熱風を発泡チューブ
2に吹き付ける熱風ノズル81により構成するのが好ま
しい。具体的構成および作用効果については、後記する
第2実施形態に示す加熱部と同じ構成であるので、第2
実施形態において説明する。
【0049】第1実施形態に係る断熱パイプ製造装置に
ついて具体的に説明する。第1実施形態にかかる断熱パ
イプ製造装置は、図1に示すように、発泡体層12とな
る発泡チューブ2を単独で押出し成形する発泡チューブ
製造工程部31aと、可とう性のパイプ11を繰出すパ
イプ繰出工程部32aと、スリット形成工程とパイプ挿
入工程と発泡チューブ縮径工程とを行う発泡体層形成工
程部33と、表皮層形成工程を行う表皮層形成工程部3
4とを有している。
【0050】発泡チューブ製造工程部31aは、発泡体
層12を形成するための発泡性熱可塑性樹脂組成物が溶
融混練される発泡チューブ成形用押出機41と、発泡チ
ューブ成形用押出機41から押出された溶融樹脂が注入
され、発泡チューブ2を成形するための発泡金型42
と、発泡金型42から出てきた発泡チューブ2を受け取
る第1引取機43とを備えている。
【0051】発泡チューブ成形用押出機41は、熱可塑
性樹脂組成物が供給される原料ホッパー41aと発泡剤
供給部41bとを備えており、原料ホッパー41aから
発泡体層12を形成するための樹脂組成物を供給する一
方、ボンベ44内の物理発泡剤を発泡剤供給部41bか
ら発泡チューブ成形用押出機41内に供給するようにし
ている。
【0052】ボンベ44と発泡剤供給部41bの間の供
給路には、冷却装置45および定量ポンプ46を設けて
おり、本実施の形態では、物理発泡剤として炭酸ガスを
用いていることから、供給効率を高めるために定量ポン
プ46の手前に冷却装置45を設け、冷却装置45にお
いて炭酸ガスを液化させて定量ポンプ46に供給するよ
うにしている。
【0053】また、定量ポンプ46では、発泡チューブ
成形用押出機41内への発泡剤の供給量を、発泡チュー
ブ成形用押出機41の樹脂押出量に対して目的とする発
泡倍率が得られるように制御している。
【0054】発泡倍率は、溶融樹脂に溶解させる発泡剤
量によって制御でき、物理発泡剤として炭酸ガスを用い
た場合、5倍以上の発泡倍率を得るためには溶融樹脂中
に1wt%以上の炭酸ガスを溶解させる必要がある。
【0055】ただし、目的とする倍率に対して過剰に炭
酸ガスを供給すると、発泡金型42の出口で破泡が起こ
ってガス抜けが促進され、その結果、倍率が上がらなく
なるので破泡が起こらないように発泡剤供給量を制御す
る必要がある。
【0056】そして、発泡チューブ成形用押出機41で
は、原料ホッパー41aから供給された樹脂組成物を加
熱溶融しながら、発泡剤供給部41bから発泡剤を溶融
樹脂中に溶解させて、発泡チューブ成形用押出機41に
接続される発泡金型42に溶融樹脂を押出すようにして
いる。
【0057】また、発泡チューブ成形用押出機41で
は、発泡剤供給部41bから発泡剤を安定して発泡チュ
ーブ成形用押出機41内に供給できるように、発泡チュ
ーブ成形用押出機41内に設けるスクリューの溝深さ
を、発泡剤供給部41bが形成された位置と対向する部
分において深くなるように形成して、発泡剤を供給する
際に溶融樹脂の圧力を一旦低下させるようにしている。
なお、溶融樹脂中に発泡剤を効率良く溶解させるため
に、スクリューにダルメージ等のミキシングエレメント
を設けるのが好ましい。
【0058】発泡金型42は、図示していないが、チュ
ーブ形状に成形するため、内コアと外型から構成されて
おり、内コアはブリッジにより保持され、外型はバンド
ヒーター、あるいはオイルなどの媒体により温度調整可
能となっている。
【0059】第1引取機43は、回転駆動される一対の
第1搬送ベルト43aにより構成されており、第1搬送
ベルト43aで発泡チューブ2を挟持して、第1搬送ベ
ルト43aの回転駆動により発泡チューブ2を発泡体層
形成工程部33へと送り出すようになっている。
【0060】従って、発泡金型42においては、発泡チ
ューブ成形用押出機41から供給された樹脂組成物が発
泡最適温度に温度調整されて、発泡金型42からチュー
ブ状態の樹脂組成物が大気圧中に解放されることによ
り、樹脂組成物が発泡して、図2に示すような均一な高
発泡の発泡チューブ2が製造される。
【0061】発泡最適温度は、溶融樹脂中への発泡剤溶
解量によって樹脂の可塑化効果に差があるため、樹脂が
結晶の場合には融点の±10℃、樹脂が非晶性の場合に
はガラス転位温度の±10℃の範囲に設定することが好
ましい。また、発泡金型42には偏肉調整機構を設ける
ことが好ましい。
【0062】パイプ11を繰出すパイプ繰出工程部32
aは、図1に示すように、予め別の押出機で製造されて
巻き取られたパイプ11が取り付けられる繰出機51
と、繰出機51からパイプ11を繰出して発泡体層形成
工程部33へ送り出すための第2引取機52と、繰出機
51と第2引取機52の間に設けられる巻癖矯正装置5
3とを備えている。本実施の形態に用いるパイプ11
は、可とう性を有する合成樹脂製のパイプで形成されて
おり、長尺のものである。
【0063】繰出機51は、ベアリングに固定された回
転ドラムからなり、第2引取機52は、回転駆動される
一対の第2搬送ベルト52aにより構成されており、第
2搬送ベルト52aでパイプ11を挟持して、第2搬送
ベルト52aの回転駆動によりパイプ11を発泡体層形
成工程部33へ送り出すようになっている。
【0064】また、巻癖矯正装置53は、パイプ11に
ついている大なり小なりの巻き癖を矯正するものであっ
て、図1に示すように、互い違いに配設される3つの矯
正用ローラ53aを備えており、これら矯正用ローラ5
3aにより、パイプ11の巻き癖を矯正するようにして
いる。矯正用ローラ53aは、ローラ面の長手方向中央
がテーパー状で凹んだ形状をしている。
【0065】なお、パイプが可とう性でない場合には、
所定の長さに切断された直線パイプを引取機を用いて連
続的に、発泡体層形成工程部33へ送り出すようにして
もよいし、後記する図16に示す第4実施形態のよう
に、パイプ成形用押出機54を有するパイプ製造工程部
32bの押出ラインで製造されたパイプ11を引取機5
2により連続的に発泡体層形成工程部33へ送り出すよ
うにしてもよい。
【0066】さらに、第1実施形態では、パイプ11の
繰出工程は、前記した発泡チューブ製造工程、後記する
スリット形成工程および発泡チューブを拡径する工程と
並行させて行うようになっている。
【0067】さらに、発泡体層形成工程部33は、スリ
ット形成工程(スリット形成工程部)において、発泡チ
ューブ2にチューブ長手方向に連続させて切れ目21を
入れる切れ目形成装置61を備え、パイプ挿入工程(パ
イプ挿入工程部)において、発泡チューブ2を搬送しな
がら拡径させるとともに、搬送される発泡チューブ2内
に拡径コア62aにより広げられた切れ目21からパイ
プ11を挿入するパイプ挿入装置62を備え、発泡チュ
ーブ縮径工程(発泡チューブ縮径工程部)において、パ
イプ11が挿入された発泡チューブ2を縮径する発泡チ
ューブ縮径装置63を備えている。
【0068】切れ目形成装置61は、図1に示すよう
に、支持板64に固定されており、発泡チューブ2に押
出方向(チューブの長手方向)に連続的に切れ目21を
入れる直線状で長尺な長尺カッター刃61aと、長尺カ
ッター刃61aの先端と対面するようにして設けられる
第1保持ローラ61bと、長尺カッター刃61a及び第
1保持ローラ61bが取り付けられ支持板64に固定さ
れる支持体61cとを備えている。
【0069】また、長尺カッター刃61aは、図6に示
すように、発泡チューブ2に対して径方向に進退可能に
支持体61cに取り付けられており、長尺カッター刃6
1aをコ字状のホルダー61dに揺動用固定板61eを
介して固定し、このホルダー61dを、支持体61cに
対して位置調整用ハンドル61fの操作により進退でき
るように支持体61cに支持させている。長尺カッター
刃61aを支持体61cに進退可能に支持させることに
より、発泡チューブ2の厚みに応じて、切り込み深さを
調整できる。
【0070】さらに、長尺カッター刃61aは、発泡チ
ューブ2への切り込み角度を変更できるように、揺動用
固定板61eに固定され、この揺動用固定板61eをホ
ルダー61dに支持軸(図示せず)により揺動可能に支
持させるとともに、支持軸に角度調整ダイヤル61gを
取り付けて、角度調整ダイヤル61gを回転させること
により、揺動用固定板61eを揺動させて長尺カッター
刃61aの角度調整を行うようにしている。
【0071】調整角度は、発泡チューブ2の表面に対し
て30度から45度の切込み角度まで調整できるように
なっている。切込み角度を調整可能としたのは、発泡チ
ューブ2の表面温度により適正な切込み角度が変化する
ためである。
【0072】そして、切れ目形成装置61は、切れ目2
1を形成するにあたり、切れ目21の形成時に発泡チュ
ーブ2と長尺カッター刃61aを冷却する冷却機構を備
えており、スリット形成工程中に、発泡チューブ2およ
び長尺カッター刃61aの冷却を行う冷却工程を有する
ようにしている。なお、冷却は、発泡チューブ2または
長尺カッター刃61aのどちらか一方でもよいし、同時
に冷却するようにしてもよい。
【0073】発泡チューブ2および長尺カッター刃61
aを冷却する手段としては、長尺カッター刃61aが支
持される支持体61cに冷却用ノズル61hも取り付け
て、冷却用ノズル61hの吐出口を発泡チューブ2の表
面に対向させ、冷却用ノズル61hから吐出される冷却
エアを発泡チューブ2の切れ目21の形成箇所に吹き付
けて発泡チューブ2および長尺カッター刃61aの冷却
を行うようにしている。
【0074】冷却用ノズル61hは、支持体61cに取
り付ける位置調整用ハンドル61fと支持体61cとホ
ルダー61dとを貫通させて、長尺カッター刃61aと
並ぶように設けられており、吐出側先端部を屈曲させて
いる。そして、冷却用ノズル61hの吐出口から、長尺
カッター刃61aの角度調整に応じて、長尺カッター刃
61aの先端に直接冷却エアを吹き付けたり、長尺カッ
ター刃61aの先端よりやや上流側に冷却エアを吹き付
けたりする。
【0075】第1実施形態では、発泡チューブ2および
/又は長尺カッター刃61aを強制的に冷却しているの
で、発泡チューブ2の製造工程における発泡チューブ2
押出し量が増加して発泡チューブ2の内外面温度が上昇
したり、発泡チューブ2の送り量が多くて長尺カッター
刃61aの摩擦熱が上昇しても、切れ目21を形成する
際に発泡チューブ2の切れ目形成位置および/又は長尺
カッター刃61aを冷却できるので、切れ目21の成形
不良が生じるのを防止することができる。
【0076】また、第1保持ローラ61bは、図示して
いないが、ローラ面の長手方向中央がテーパー状で凹ん
だ形状をしており、支持体61cに回転可能に支持され
ている。そして、第1保持ローラ61bの凹部に、搬送
される発泡チューブ2を常に位置させることにより発泡
チューブ2が所定の位置に保持される。第1保持ローラ
61bにより発泡チューブ2を保持しているので、長尺
カッター刃61aにより発泡チューブ2の所定の位置に
直線状に切れ目21を入れることができる。
【0077】なお、第1引取機43と切れ目形成装置6
1の間には、第1引取機43から送り出された発泡チュ
ーブ2を切れ目形成装置61に案内するためのガイドロ
ーラ47が複数設けられている。
【0078】なお、切れ目21を入れるにあたっては、
前記した直線状の長尺カッター刃に限定されず、例え
ば、ベアリングに固定された円板状カッター刃を発泡チ
ューブの側面にあてて、円板状カッター刃の回転により
切れ目を入れるようにしてもよい。
【0079】円板状カッター刃による切れ目形成装置6
1の実施形態について、図7に基づいて説明する。図7
に示す円板状カッター刃61iによる切れ目形成装置6
1は、図6に示す切れ目形成装置61と同じ部材につい
て同符号で示す。
【0080】円板状カッター刃61iによる切れ目形成
装置61は、図1に示す製造装置において、長尺カッタ
ー刃61aを円板状カッター刃61iに換えたものであ
り、図1に示す切れ目形成装置61と同様に支持板64
に固定されており、発泡チューブ2に押出方向(チュー
ブの長手方向)に連続的に切れ目21を入れる円板状カ
ッター刃61iと、円板状カッター刃61iの円周先端
と対面するようにして設けられる第1保持ローラ61b
と、円板状カッター刃61i及び第1保持ローラ61b
が取り付けられ支持板64に固定される支持体61cと
を備えている。
【0081】また、円板状カッター刃61iは、図7に
示すように、発泡チューブ2に対して径方向に進退可能
に支持体61cに取り付けられており、円板状カッター
刃61iをコ字状のホルダー61dに回転軸61jを介
して固定し、このホルダー61dを、支持体61cに対
して位置調整用ハンドル61fの操作により進退できる
ように支持体61cに支持させている。
【0082】なお、円板状カッター刃61iを回転させ
る回転軸61jは、図示していないが、一端部をモータ
に接続しており、このモータの駆動により回転軸61j
を回転駆動させて円板状カッター刃61iを回転させる
ようにしている。さらに、円板状カッター刃61iは、
発泡チューブ2の送出し方向と同じ方向に回転させるよ
うにしている。そして、円板状カッター刃61iを支持
体61cに進退可能に支持させることにより、発泡チュ
ーブ2の厚みに応じて、切り込み深さを調整できる。
【0083】さらに、図7に示す切れ目形成装置61
は、切れ目21の形成にあたり、切れ目21を形成時に
円板状カッター刃61iを冷却する冷却機構を備えてお
り、スリット形成工程において、円板状カッター刃61
iの冷却を行う冷却工程を有するようにしている。
【0084】円板状カッター刃61iを冷却する手段と
しては、円板状カッター刃61iが支持される支持体6
1cに冷却用ノズル61hも取り付けて、冷却用ノズル
61hから吐出される冷却エアを発泡チューブ2の切れ
目21の形成予定箇所付近に吹き付けて円板状カッター
刃61iの冷却を行うようにしている。
【0085】冷却用ノズル61hは、支持体61cに取
り付けられる位置調整用ハンドル61fと支持体61c
とホルダー61dとを貫通させて円板状カッター刃61
iを横断するように設けられており、冷却用ノズル61
hの吐出口から円板状カッター刃61iの先端に直接冷
却エアが吹き付けられる。
【0086】図7に示す切れ目形成装置61によって
も、円板状カッター刃61iを強制的に冷却しているの
で、発泡チューブ2の製造工程における発泡チューブ2
押出し量が増加して発泡チューブ2の内外面温度が上昇
したり、発泡チューブ2の送り量が多くて円板状カッタ
ー刃61iの摩擦熱が上昇しても、切れ目21を形成す
る際に円板状カッター刃61iを冷却できるので、切れ
目21の成形不良が生じるのを防止することができる。
【0087】そして、図1に示す第1実施形態のパイプ
挿入装置62は、発泡チューブ2を搬送しながら拡径さ
せる拡径コア62aと、発泡チューブ2を保持する第2
保持ローラ62bとを備えている。
【0088】拡径コア62aは、図1および図6、図7
に示すように、チューブ搬送方向上流側が先細り状とな
り、下流側端部が開口された筒状をしており、チューブ
搬送方向下流側を屈曲させ、この屈曲部62cにおける
外側の屈曲面にパイプ11を拡径コア62a内に挿入す
るための挿入孔62dを形成している。なお、この挿入
孔62dは、パイプ11を発泡チューブ2の内部に挿入
するための案内通路となる。
【0089】パイプ挿入装置62では、発泡チューブ2
は、拡径コア62aの搬送方向上流側に形成されるテー
パー面に沿いながら拡径されていき、しかも、発泡チュ
ーブ2は、切れ目21が屈曲部の外側曲げ面に位置する
ように拡径コア62aに導入されるようになっている。
【0090】従って、拡径コア62aの屈曲部62cに
おいて発泡チューブ2が屈曲すると切れ目21がさらに
広がり、発泡チューブ2がさらに拡径する。屈曲させた
拡径コア62aを用いることにより、発泡チューブ2の
切れ目21を拡径コア62aの屈曲部62cにより簡単
に広げてパイプ11を挿入し易くできるようになってい
る。
【0091】第2保持ローラ62bは、ローラ面の軸長
手方向中央がテーパー状に凹んだ形状をしており、支持
板64に回転可能に支持されている。そして、第2保持
ローラ62bの凹部に、搬送される発泡チューブ2を常
に位置させることにより、発泡チューブ2が拡径コア6
2aから逸脱しないように第2保持ローラ62bと拡径
コア62aとにより発泡チューブ2が保持される。
【0092】本実施の形態では、拡径コア62aに屈曲
部62cを形成して、発泡チューブ2の切れ目21が外
側の曲げ面に位置するように発泡チューブ2を屈曲させ
ることにより、繰出機51から繰出されるパイプ11を
直線的に搬送しながら、このパイプ11の搬送路に、発
泡チューブ2の搬送路を屈曲部形成位置で合流させ、屈
曲部62cにおいて広げられた切れ目21から、拡径コ
ア62aの挿入孔62dにパイプ11を挿入して、パイ
プ11に発泡チューブ2を簡単に嵌合できるようになっ
ている。
【0093】このとき、拡径コア62aの外面と発泡チ
ューブ2の内面との摩擦を低減するために、拡径コア6
2aの外面にフッ素樹脂コーティング等の摩擦抵抗を小
さくする加工処理を施すことが好ましい。
【0094】さらに、拡径コア62aにおける発泡チュ
ーブ2の挿入側(屈曲部62cより上流側)の外周面に
は、図6および図7に示すように、複数の冷却エア吐出
孔62eを形成するとともに、拡径コア62a内部に冷
却エアを供給するための冷却エア供給管62fを拡径コ
ア62aに接続している。冷却エア供給管62fから拡
径コア62a内部に供給された冷却エアは、冷却エア吐
出孔62eから吐出されて、拡径コア62aに挿入され
た発泡チューブ2を内面側から冷却するようになってい
る。
【0095】なお、図6および図7示す拡径コア62a
には、拡径コア62aの外面と発泡チューブ2の内面と
の摩擦抵抗を低減するために、拡径コア62aの表面に
フッ素樹脂コーティング加工等の表面処理を施したが、
図8から図11に示すように、拡径コア62aの外面に
円周方向に延びる複数の環状溝(凹部)62gを形成し
たり、拡径コア62aの外面に螺旋溝や拡径コア62a
の長さ方向に延びる複数の縦溝を形成したり、発泡チュ
ーブ2の拡径コア62aへの接触面積を低減するための
凹部を形成して、摩擦抵抗を低減するようにしてもよ
い。
【0096】拡径コア62aの外面に円周方向に延びる
複数の環状溝62gを形成する場合について、図8から
図11に基づいて説明する。なお図9は、図8に示す拡
径コア62aのX−X線断面図である。図8に示す拡径
コア62aは、発泡チューブ2を屈曲させ、パイプ11
を直線状態のまま、発泡チューブ2内に挿入するように
したものであり、チューブ搬送方向上流側に先細り状と
なるテーパー62hを形成し、チューブ搬送方向下流側
を屈曲させている。
【0097】そして、この屈曲部62cよりもチューブ
搬送方向上流側でテーパー62hよりも下流側の拡径コ
ア62aの外周面に円周方向に延びる環状溝(凹部)6
2gを複数形成している。さらに、屈曲部62cにおけ
る外側の屈曲面にパイプ11を拡径コア62a内に挿入
するための挿入孔62dを形成している。なお、この挿
入孔62dは、パイプ11を発泡チューブ2の内部に挿
入するための案内通路となり、下流側端部が開口されて
いる。
【0098】そして、拡径コア62aにおける環状溝6
2gに、図8および図9に示すように、複数の冷却エア
吐出孔62eを形成するとともに、拡径コア62a内部
に冷却エアを供給するための冷却エア供給通路62iを
形成している。冷却エア供給通路62iから拡径コア6
2a内部に供給された冷却エアは、冷却エア吐出孔62
eから吐出されて、拡径コア62aに挿入された発泡チ
ューブ2を内面側から冷却するようになっている。
【0099】また、図8に示す拡径コア62aでは、発
泡チューブ2を屈曲させながら、パイプ11を直線状の
ままで発泡チューブ2に挿入するようにしたが、図10
に示す拡径コア62aのように、拡径コア62aの形状
を直線状にするようにしてもよい。図10に示す拡径コ
ア62aは、チューブ搬送方向上流側に先細り状となる
テーパー62hを形成し、テーパー62hよりも下流側
の拡径コア62aの外周面に円周方向に延びる環状溝
(凹部)62gを複数形成して、拡径コア62aの長さ
方向中間部に、パイプ11を拡径コア62a内に挿入す
るための挿入孔62dを開口させ、この挿入孔62dを
拡径コア62aの下流側端部に開口させている。
【0100】図10に示す拡径コア62aの挿入孔62
dは、パイプ11を挿入孔62d内部において湾曲させ
るように案内通路の形状を湾曲させるとともに、挿入孔
62dへパイプ11を挿入したときにパイプ11が挿入
孔62dの開口端部に接触しないように、パイプ11挿
入側の開口面積を広く形成している。図10に示す拡径
コア62aによれば、発泡チューブ2を直線状に搬送し
ながら、パイプ11を湾曲させて発泡チューブ2内に挿
入することができる。
【0101】また、図11に示すように、拡径コア62
aを屈曲させる形状とするが、図8に示す拡径コア62
aよりも屈曲角度を緩やかにし、発泡チューブ2とパイ
プ11とを湾曲させながら、発泡チューブ2内にパイプ
11を挿入していくようにしてもよい。
【0102】図11に示す拡径コア62aも、チューブ
搬送方向上流側に先細り状となるテーパー62hを形成
し、テーパー62hよりも下流側の拡径コア62aの外
周面に円周方向に延びる環状溝(凹部)62gを複数形
成して、拡径コア62aの長さ方向中間部に、パイプ1
1を拡径コア62a内に挿入するための挿入孔62dを
開口させ、この挿入孔62dを拡径コア62aの下流側
端部に開口させている。
【0103】さらに、図11に示す拡径コア62aの挿
入孔62dも、パイプ11を挿入孔62d内部において
湾曲させるように案内通路の形状を湾曲させるととも
に、挿入孔62dへパイプ11を挿入したときにパイプ
11が挿入孔62dの開口端部に接触しないように、パ
イプ11挿入側の開口面積を広く形成している。
【0104】次に、図1に示す第1実施形態における発
泡チューブ縮径工程の発泡チューブ縮径装置63につい
て説明する。パイプ11が挿入された発泡チューブ2を
縮径する発泡チューブ縮径装置63は、発泡チューブ2
の送り方向下流側が先細り状となった円錐状のテーパー
筒状体63aにより構成されており、この筒状体63a
内に、パイプ11とともに発泡チューブ2を送り込ん
で、発泡チューブ2を筒状体63a内に通過させること
より、拡径コア62aで広げられた発泡チューブ2の切
れ目21部分を閉じて発泡チューブ2を縮径させること
ができるようになっている。
【0105】このとき、発泡チューブ2の外面と筒状体
63aの内面との摩擦を低減するために、筒状体63a
の内面にフッ素樹脂コーティング等の摩擦抵抗を小さく
する加工処理を施すことが好ましい。
【0106】さらに、表皮層形成工程部34は、表皮層
13を形成するための非発泡性熱可塑性樹脂組成物が溶
融混練される表皮層成形用押出機71と、発泡チューブ
2が導入され、かつ、表皮層成形用押出機71から押出
された溶融樹脂が供給されて発泡チューブ2の外周に表
皮層13を成形する表皮層成形用金型72と、表皮層成
形用金型72から出てきた断熱パイプ1を受け取る第3
引取機73とを備えている。
【0107】表皮層成形用押出機71は、熱可塑性樹脂
組成物が供給される原料ホッパー71aを備えており、
表皮層成形用押出機71は、表皮層成形用金型72に接
続されている。
【0108】表皮層成形用金型72は、図示していない
が、発泡チューブ2を通過させる通路と、表皮層成形用
押出機71から溶融樹脂を供給するための樹脂供給路と
が形成されたクロスヘッドダイである。また、出口部に
は、偏肉調整機構を設けることが好ましい。さらに、表
皮層成形用金型72内部には、樹脂供給路を流れる溶融
樹脂の熱が発泡チューブ2に伝わりにくくするために、
通路の内面に断熱性を有する樹脂製筒などの部材を挿入
しておくことが好ましい。
【0109】表皮層成形用金型72の通路内に、パイプ
11とともに発泡チューブ2が導入されると樹脂供給路
から表皮層形成用の溶融樹脂が発泡チューブ2の外面に
供給されて、発泡チューブ2の外周面が表皮層13で被
覆される。
【0110】以上説明した第1実施形態における断熱パ
イプ製造装置によれば、まず、発泡チューブ製造工程部
31aにおいて、発泡剤である炭酸ガスが溶解した溶融
樹脂組成物は、発泡チューブ成形用押出機41から押出
された後、発泡チューブ成形用押出機41に接続された
発泡金型42に送られる。発泡金型42が発泡最適温度
に温度調整されながら、発泡金型42からチューブ状と
なった発泡樹脂組成物が大気圧に解放されて、図2に示
すような、発泡状態が均一な発泡チューブ2が製造され
る。発泡金型42から出てきた発泡チューブ2は、第1
引取機43により発泡体層形成工程部33へと送られ
る。
【0111】パイプ繰出工程部32aにおいては、パイ
プ11は、第2引取機52により繰出機51から繰り出
されて、巻癖矯正装置53で巻き癖が矯正されながら、
発泡体層形成工程部33へ送り出される。
【0112】第1引取機43により発泡体層形成工程部
33へと送られた発泡チューブ2は、切れ目形成装置6
1のカッター刃61aにより押出方向(チューブの長手
方向)に連続的に切れ目21が入れられ、図3に示す状
態となる。
【0113】そして、発泡チューブ2はパイプ挿入装置
62における拡径コア62aの搬送方向上流側に形成さ
れるテーパー面に案内されて、発泡チューブ2が拡径コ
ア62aに圧入されて拡径していき、拡径コア62aの
屈曲部62cにおいて、発泡チューブ2の切れ目21が
さらに広げられて、切れ目21から、発泡チューブ2の
内方に位置する拡径コア62aの挿入孔62dにパイプ
11が挿入される。
【0114】このように、発泡チューブ製造工程、スリ
ット形成工程、発泡チューブ拡径工程を経た発泡チュー
ブ2とパイプ繰出し工程により引き出されたパイプ11
が合流されて、発泡チューブ2内にパイプ11が挿入さ
れるのであって、まず、パイプ11は、第2引取機52
により送り出されて、切欠部から拡径コア62aの内部
に挿入される。
【0115】そして、パイプ11が拡径コア62a内を
通過して、パイプ11が発泡チューブー2内に挿入され
ると、発泡チューブ縮径装置63により、拡径された発
泡チューブ2が縮径される。このとき、テーパー筒状体
63a内に、パイプ11とともに発泡チューブ2を送り
込んで、発泡チューブ2を筒状体63a内に通過させる
ことより、拡径コア62aで広げられた発泡チューブ2
の切れ目21部分が簡単に閉じられて発泡チューブ2が
縮径され、図4の状態になる。
【0116】次に、パイプ11が内部に挿入された状態
で縮径された発泡チューブ2を表皮層成形用押出機71
に接続された表皮層成形用金型72に導入するのであっ
て、表皮層成形用金型72の通路にパイプ11が挿入さ
れた発泡チューブ2を連続的に通過させながら、表皮層
成形用押出機71から表皮層形成用の溶融樹脂を供給す
る。これにより、表皮層成形用金型72においてパイプ
11の外周を被覆した発泡チューブ2の外周面がさらに
表皮層13で被覆され、図5に示す断熱パイプ1が得ら
れる。
【0117】表皮層成形用金型72から出てきた断熱パ
イプ1は第3引取機73により引き取られて図示しない
巻取機に巻き取られる。なお、パイプが可とう性の場合
には、断熱パイプを巻取機にて巻取るが、パイプが可と
う性でない場合には、カッターを用いて断熱パイプを一
定の長さに切断する。
【0118】以上第1実施形態では、パイプ11の表面
を被覆する発泡体層12をパイプ11の外面に直接成形
するのではなく、発泡体層12となる発泡チューブ2の
みを製造した後、発泡チューブ2内にパイプ11を挿入
してパイプ11を発泡チューブ2で被覆するようにした
から、均一に高発泡した発泡体層12が得られる。さら
に、断熱パイプ1を製造する一連の工程をインラインで
行うことができるので、断熱パイプ1を効率良く、安価
に製造することができる。
【0119】第1実施形態では、発泡チューブ縮径工程
において発泡チューブ縮径装置63としてテーパー筒状
体63aを用いたが、パイプ11が挿入された発泡チュ
ーブ2を縮径する発泡チューブ縮径工程は、前記した第
1実施形態のテーパー状の筒状体63aに限らず、拡径
された発泡チューブ2の切れ目21を突合せ方向に押圧
する1対の押圧体で構成し、押圧体で発泡チューブ2を
挟持することにより発泡チューブ2を縮径させるように
してもよい。
【0120】例えば、パイプ11が挿入された発泡チュ
ーブ2を縮径する発泡チューブ縮径装置63の他の実施
形態としては、図12の第2実施形態に示すように、軸
方向中央部が凹んだテーパー状の外周面を有する回転可
能な1対のローラー63bを用いたものがある。
【0121】図12に示す断熱パイプを製造するための
第2実施形態の断熱パイプ製造装置は、第1実施形態の
製造装置において、発泡チューブ縮径工程となる発泡チ
ューブ縮径装置63の具体的構成を変更するとともに、
発泡チューブ拡径工程と発泡チューブ縮径工程の間に発
泡チューブ2の切れ目21を融着するための切れ目融着
工程を設けたものであって、その他の構成は、第1実施
形態の製造装置と同じであるので、同じ符号については
同一のものとして説明を省略する。
【0122】第2実施形態の発泡チューブ縮径装置63
は、図12および図13に示すように、軸方向中央部が
凹んだテーパー状の外周面を有する回転可能な1対の凹
状ローラー63bから構成されている。
【0123】第2実施形態における発泡チューブ縮径装
置63では、2つの凹状ローラー63bの間に拡径され
た発泡チューブ2を導入して、各凹状ローラー63bに
より発泡チューブ2の切れ目21を付き合わせる方向に
押圧して、拡径コア62aで広げられた発泡チューブ2
の切れ目21の部分を閉じて、発泡チューブ2を縮径さ
せるようになっている。
【0124】さらに、凹状ローラー63bの上流側に
は、図12および図13に示すように、発泡チューブ2
の切れ目21を融着する切れ目融着装置8が設けられて
おり、切れ目融着装置8は、熱風供給装置(図示せず)
と加熱部となる熱風ノズル81から構成されている。切
れ目融着装置8は、パイプ11が挿入された発泡チュー
ブ2の切れ目21の表層樹脂を、熱風ノズル81から吐
出される熱風により溶融させ、発泡チューブ縮径装置6
3の2つの凹状ローラー63bで縮径させるときに切れ
目21を融着して融着部分の断面を図14に示す状態と
することができる。
【0125】熱風供給装置は、図示していないがファン
とヒーターから構成されており、熱風ノズル81に供給
する熱風の温度を制御可能で、熱風ノズル81に供給す
る熱風の温度を発泡体層12の樹脂の融点以上に制御す
ることにより、切れ目21の表皮樹脂を溶融させること
ができる。
【0126】発泡チューブ2の切れ目21を融着する目
的は、表皮層形成工程部34で切れ目21が開くのを防
止するためであり、一定間隔で融着させるか、連続的に
融着させるかは目的に応じて選択することができる。熱
風供給装置のファンのオン、オフを制御することによ
り、切れ目21の表層樹脂を断続的、あるいは、連続的
に溶融させることができる。
【0127】なお、切れ目融着装置8による切れ目面融
着工程は、前記した熱風を吹き付ける切れ目面融着に限
らず、ヒーターと金属板からなる熱板に直接切れ目21
を接触させて、切れ目21の表層樹脂を溶融させるよう
にしてもよい。
【0128】以上、第2実施形態では、発泡チューブ縮
径装置63が、軸方向中央が凹んだテーパー状の外周面
を有する回転可能な1対のローラー63bを用いている
ので、拡径された発泡チューブ2を簡単に縮径させ、か
つ、溶融した切れ目21を簡単に融着させることができ
る。しかも、凹状ローラー63bによる発泡チューブ2
の縮径動作は、発泡チューブ2にテンションをかけるこ
となく行うことができるので、断熱パイプを切断したと
きに発泡チューブ2のみが収縮してしまうのを防止する
ことができ、製品寸法の安定化を図ることができる。
【0129】また、第2実施形態では、パイプ挿入工程
より後で表皮層形成工程より前に、縮径された発泡チュ
ーブ2の切れ目21の対向面同士を融着させる切れ目融
着工程を有する構成としているので、表皮層13を形成
する前に切れ目21を融着することができ、表皮層13
の形成時に切れ目21部分が開いてしまうのを確実に防
止することができ、品質の低下を防止できる。
【0130】しかも、切れ目融着工程は、発泡チューブ
2の切れ目21の部分の表層樹脂を、熱風ノズル81か
ら吹き付けられる熱風により溶融させて切れ目21の対
向面同士を融着させるようにしているので、簡単な方法
で直接熱源に接触して発泡チューブ2が型崩れしてしま
うようなことなく、切れ目21部分の融着を行うことが
できる。
【0131】また、第1実施形態では、発泡チューブ供
給工程は、発泡チューブ製造工程部31aにより構成
し、発泡チューブ縮径工程は、発泡チューブ縮径装置6
3としてテーパー筒状体63aを用いたが、図15に示
す第3実施形態のように、発泡チューブ2を予め別工程
で作成してリール47に巻き取っておき、リール47か
ら発泡チューブ2を繰出して第1引取機43にて発泡体
層形成工程部33へ送り出す発泡チューブ繰出工程部3
1bを設けるようにするとともに、前記した第2実施形
態と同様に、熱風ノズル81による切れ目融着工程と、
2つの凹状ローラー63bからなる発泡チューブ縮径装
置63による発泡チューブ縮径工程とを設けるようにし
てもよい。
【0132】さらに、第1実施形態では、パイプ11に
発泡チューブ2を嵌め合わすために、パイプ繰出工程部
32aを設けて、繰出機51から予め製造されたパイプ
11を繰出して、パイプ挿入工程に至るようにしていた
が、図16に示す第4実施形態のように、パイプ11を
形成するための熱可塑性樹脂組成物が溶融混練されるパ
イプ成形用押出機54と、パイプ成形用押出機54から
押出された溶融樹脂が注入され、パイプ11を成形する
ための金型55と、金型55から出てきたパイプ11を
受け取る第2引取機52とを備えたパイプ製造工程部3
2bを設けるとともに、前記した第2実施形態と同様
に、熱風ノズル81による切れ目融着工程と、2つの凹
状ローラー63bからなる発泡チューブ縮径装置63に
よる発泡チューブ縮径工程とを設けるようにしてもよ
い。
【0133】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本実施例は、例示であって、本発明を限定するも
のではない。 (実施例1)実施例1は、前記した第2実施形態(図1
2)における製造装置を用いた。低密度ポリエチレン
(日本ポリケム社製;品番「LF440HB」)100
重量部とタルク(住化カラー社製;品番「SS−11−
20」)3重量部との混合物を発泡チューブ成形用押出
機41の原料ホッパー41aに供給し、発泡チューブ成
形用押出機41で加熱溶融した。一方、発泡チューブ成
形用押出機41の発泡剤供給部41bにボンベ44から
発泡剤として炭酸ガスを供給した。
【0134】このとき、ボンベ44から出た炭酸ガスを
冷却装置45で冷却した後、定量ポンプ46を用いて、
発泡チューブ成形用押出機41の樹脂押出量10kg/
hに対して、0.2kg/hとなるように制御して供給
し、発泡チューブ成形用押出機41において120℃で
混練した。発泡金型42の温度を108℃に設定し、内
径3mm、外径6mmの出口から大気圧に解放させて内
径18mm、外径24mm、発泡倍率約6倍の均一な発
泡チューブ2を得た。
【0135】ついで、第1引取機43にて発泡チューブ
2を引取り、ガイドローラ47を介して切れ目形成装置
61へ送り、発泡チューブ2に長尺カッター刃61aに
より押出し方向に連続的に切れ目21を入れた。続い
て、拡径コア62aに発泡チューブ2を誘導し、開口部
を拡径コア62aに導入して屈曲部62cにおいて発泡
チューブ2の切れ目21を広げた。
【0136】一方、パイプ11として外径17mmの架
橋ポリエチレンパイプを3m/分の速度で繰出機51か
ら第2引取機52によって繰出し、拡径コア62aの内
部に挿入して、発泡チューブ2が被覆されたパイプ11
を得た。続いて、軸方向中央部がテーパー状に凹んだ形
状の一対の回転可能な凹状ローラー63bにより拡径さ
れた発泡チューブ2の切れ目を突き合わせ方向に押圧す
ることにより、拡径コア62aで広げられた切れ目21
を閉じ、パイプ11を表皮層成形用押出機71に接続さ
れた表皮層成形用金型72の流路に連続的に挿入した。
なお、実施例1では、切れ目の融着は行わなかった。
【0137】一方、低密度ポリエチレン(日本ポリケム
社製;品番「LF440HB」)100重量部と顔料マ
スターバッチ(東洋インキ社製;品番「TET3MA1
070RG」)5重量部との混合物を原料ホッパー71
aから表皮層成形用押出機71に供給し、170℃で溶
融混練した。続いて表皮層成形用押出機71から表皮層
成形用金型72の樹脂供給路に表皮層形成用樹脂を導出
し、発泡チューブ2が被覆されたパイプ11のさらに外
周に表皮層13が200μmの厚みで被覆された断熱パ
イプ1が第3引取機73により引き取られ、巻取機によ
り巻き取られた。
【0138】(実施例2)発泡チューブ2が被覆された
被覆されたパイプ11を発泡チューブ縮径装置63に導
入する前に、切れ目融着工程を設け、熱風供給装置のヒ
ーター温度を200℃に設定して熱風ノズル81を通し
て切れ目21の表層樹脂を連続的に溶融された後、発泡
チューブ縮径装置63に導入して切れ目21を連続的に
融着させた以外は実施例1と同様にして断熱パイプを製
造した。実施例2では、切れ目21を連続的に融着させ
たので、表皮層13の形成時に切れ目21が離れてしま
うのを確実に防止できた。
【0139】(実施例3)熱風供給装置のファンを10
秒おきにオン、オフして切れ目21を断続的に溶融させ
た後、発泡チューブ縮径装置63に導入して切れ目21
を断続的に融着させた以外は実施例2と同様にして断熱
パイプを製造した。実施例3では、切れ目21を断続的
に融着させたが、表皮層13の形成時に切れ目21が離
れてしまうのを確実に防止できた。
【0140】(実施例4)実施例4は、前記した第3実
施形態(図15)における製造装置を用いた。発泡チュ
ーブ2を予めリール等に巻き取っておき、図15に示す
ように、これらを巻き出し、引取機にて発泡チューブ2
を発泡体層形成工程部33へと送り出した以外は実施例
1と同様にして断熱パイプを製造した。予め発泡チュー
ブ2を製造してリール等に巻き取った発泡チューブ2を
用いたので、切れ目21の形成時における発熱を発泡チ
ューブ2をインラインで製造するものに比べて少なくす
ることができ、切れ目形成時のラインスピードを上げる
ことができた。
【0141】(実施例5)実施例5は、前記した第4実
施形態(図16)における製造装置を用いた。予め成形
されたパイプを繰出さずに、図16に示すように、並列
に配置された押出しラインで外径17mmのポリエチレ
ンパイプを製造し、第2引取機52により連続的に発泡
体層形成工程部33へ送り出した以外は実施例1と同様
にして断熱パイプを製造した。パイプ11と発泡チュー
ブ2をインラインで行えるので、製造コストを低廉化が
図れた。
【0142】(比較例)特開昭61−293825号公
報に開示されている実施例1における断熱パイプの製造
方法により断熱パイプを製造した。比較例では、パイプ
として外径17mmの架橋高密度ポリエチレンパイプを
使用した。
【0143】発泡体層を形成するための樹脂組成物とし
ては、低密度ポリエチレン100重量部と、発泡剤のP
−P'−オキシビス−(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)を1.5重量部の混合物を使用した。表皮層を形成
するための樹脂組成物としては、高密度ポリエチレン1
00重量部とカーボンブラック2.0重量部の混合物を
使用した。
【0144】そして、長ランドダイスを用いて、長ラン
ドダイス内にパイプを通過させながら、押出機により発
泡体層形成用樹脂組成物と表皮層形成用樹脂組成物とを
ヘッドに同時に供給しながら、ヘッドおよび長ランドダ
イス内にパイプを通過させて、パイプ外周に発泡体層と
表皮層とを同時に形成した。
【0145】比較例により得られた断熱パイプの発泡体
層の厚みは3mmで、表皮層の厚みは0.2mmであっ
た。その結果、発泡倍率が約2倍の断熱パイプしか得ら
れなかった。
【0146】さらに、図6および図7に示す拡径コア6
2aを用いた場合と、図8に示す拡径コア62aを用い
た場合の発泡チューブ2の収縮状態を比較してみた。図
6および図7に示す拡径コア62aを用いた場合は、切
れ目形成直前の発泡チューブのチューブ長さ(1000
mm)に対して断熱パイプ形成後の断熱パイプを切断し
たときの切断端部における収縮寸法が15mmであった
のに対し、図8に示す拡径コア62aを用いた場合は、
切れ目形成直前の発泡チューブのチューブ長さ(100
0mm)に対して断熱パイプ形成後の断熱パイプを切断
したときの切断端部における収縮寸法が1mmであっ
た。
【0147】以上の結果から、図8に示すように、拡径
コア62aに発泡チューブ2内面との接触面積を小さく
するための凹部62gを形成することにより発泡チュー
ブ2の摩擦熱による伸びを軽減させられ、断熱パイプ形
成後の発泡チューブ2の収縮を抑えることができた。
【0148】
【発明の効果】以上のように、本発明の断熱パイプによ
れば、発泡体層が筒状に形成されており、筒状発泡体層
には、パイプを筒内部に挿入するための長手方向に延び
る切れ目が形成され、切れ目を有する発泡体層の外周に
連続した表皮層を形成しているので、均一に高発泡した
発泡体層が得られながら、断熱パイプ同士の接続作業な
ど、断熱パイプの軸方向端部において発泡体層をパイプ
から取り除かなくてはならない場合には、切れ目部分か
ら発泡体層を容易に剥離することができるので、断熱パ
イプの接続作業も容易になる。
【0149】さらに、本発明の製造方法および製造装置
によれば、パイプの外周に、均一に高発泡した発泡体層
を被覆させることができ、さらに、その外周に表皮層が
被覆された断熱パイプを効率良く、安価に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる断熱パイプを製
造するための製造装置の全体構成図を示す。
【図2】本発明の断熱パイプの製造方法における、発泡
チューブ製造工程で製造された発泡チューブの断面図で
ある。
【図3】本発明の断熱パイプの製造方法における、スリ
ット形成工程で切れ目が形成された状態の発泡チューブ
の断面図である。
【図4】本発明の断熱パイプの製造方法における、パイ
プ挿入工程においてパイプが発泡チューブ内に挿入され
た後に縮径工程を経てパイプの外周に発泡体層が形成さ
れた状態のパイプ断面図である。
【図5】本発明の断熱パイプの製造方法で製造された断
熱パイプの断面図である。
【図6】断熱パイプを製造するための製造装置における
切れ目形成装置およびパイプ挿入装置の拡径コアを示す
斜視図である。
【図7】断熱パイプを製造するための製造装置における
切れ目形成装置の他の実施形態およびパイプ挿入装置の
拡径コアを示す斜視図である。
【図8】断熱パイプを製造するための製造装置における
パイプ挿入装置の拡径コアの他の実施形態を示す斜視図
である。
【図9】図8におけるX−X線断面図である。
【図10】断熱パイプを製造するための製造装置におけ
るパイプ挿入装置の拡径コアの他の実施形態(直線状の
拡径コア)を示す斜視図である。
【図11】断熱パイプを製造するための製造装置におけ
るパイプ挿入装置の拡径コアの他の実施形態(屈曲タイ
プの拡径コアで発泡チューブとパイプとを湾曲さらなが
ら嵌め合わす)を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態にかかる断熱パイプを
製造するための製造装置の全体構成図を示す。
【図13】第2実施形態にかかる製造装置に用いる発泡
チューブ縮径装置の凹状ローラーの断面図および熱風ノ
ズルの概略図を示す。
【図14】本発明の断熱パイプの製造方法における、パ
イプ挿入工程においてパイプが発泡チューブ内に挿入さ
れた後に縮径工程を経てパイプの外周に発泡体層が形成
された状態で、切れ目が融着された状態のパイプ断面図
である。
【図15】本発明の第3実施形態にかかる断熱パイプを
製造するための製造装置の全体構成図を示す。
【図16】本発明の第4実施形態にかかる断熱パイプを
製造するための製造装置の全体構成図を示す。
【符号の説明】
1 断熱パイプ 11 パイプ 12 発泡体層 13 表皮層 2 発泡チューブ 21 切れ目 31a 発泡チューブ製造工程部 41 発泡チューブ成形用押出機 42 発泡金型 61a,61i カッター刃 62a 拡径コア 63a 筒状体 71 表皮層成形用押出機 72 表皮層成形用金型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月19日(2002.7.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光硬化性導電塗料組成物
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ表面に発泡
体層が形成され、さらに、発泡体層の外周に表皮層が形
成された被覆パイプおよび被覆パイプの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、パイプ、例えば、合成樹脂製
パイプ、銅管、鋼管などに断熱性を付与する目的で、
パイプの外周を発泡合成樹脂組成物で成形された発泡体
層で被覆した被覆パイプが使用されている。
【0003】しかし、発泡体層は、摩擦強度および引っ
掻き強度が弱いため、発泡体層が外部に露出している
と、施工時または配管後に摩擦や引っ掻きなどにより損
傷し易いという問題がある。
【0004】そこで、発泡体層の表面を保護する目的
で、発泡体層の外周面に、さらに非発泡の合成樹脂で成
形される表皮層が形成されたものが提案されている。
【0005】例えば、特開昭61−293825号公報
には、パイプ表面に発泡体層を形成し、さらに発泡体層
の外周に表皮層を形成した断熱パイプを押出機を用いて
製造する方法が開示されている。この製造方法は、押出
機のダイスに長ランドダイスが使用されており、押出機
のヘッドに発泡体層形成用組成物と表皮層形成用樹脂と
を供給して発泡体層と表皮層をパイプの外周に同時に押
出成形し、発泡合成樹脂組成物を長ランドダイス内で発
泡させるとともに冷却することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭61−
293825号公報に開示されている製造方法では、長
ランドダイス内で発泡させて、この長ランドダイス内で
冷却を行うようにしているため、発泡体層の発泡はパイ
プの外面と長ランドダイスの内面とにより規制され、発
泡が規制されたまま長ランドダイス内で冷却されて形が
固定されてしまう。
【0007】したがって、熱分解型の化学発泡剤を使用
した場合には、熱分解が完全に行われないうちに冷却さ
れてしまうので、樹脂中に溶解した発泡剤のガス圧が低
くなり発泡倍率が2倍程度のものしか得られなかった。
また、物理発泡剤を使用した場合でも、発泡体層の樹脂
組成物が長ランドダイスおよびパイプにより厚み方向へ
の発泡が規制された状態で発泡し、かつ、長ランドダイ
スから出てきたときには、冷却固定された表皮層で発泡
体層が被覆されてしまっているので、高発泡倍率のもの
が得られなかった。
【0008】さらに、従来の断熱パイプは、発泡体層と
表皮層をパイプの外周に同時に押出成形することにより
形成されているため、発泡体層がパイプの外周面全体に
密着した状態となり、複数の断熱パイプを接続する場
合、断熱パイプの端部において発泡層を剥離する作業を
要するが、発泡層がパイプの外周面に密着しすぎて剥離
作業が行い難いなどの問題もある。
【0009】本発明は、発泡体層と表皮層とを有する
パイプの製造方法における問題点を解決するものであ
って、パイプの外周に、均一に高発泡した発泡体層を形
成できながら、パイプからの発泡層の剥離作業も簡単に
行える被覆パイプを提供するとともに、パイプの外周
に、均一に高発泡した発泡体層を形成でき、さらにその
外周に表皮層が被覆された被覆パイプを効率良く、安価
に製造する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、パイプ表面に発泡体層が
形成され、さらに、発泡体層の外周に表皮層が形成され
被覆パイプであって、発泡体層が筒状に形成されてお
り、筒状発泡体層には、パイプを筒内部に挿入するため
の長手方向に延びる切れ目が形成され、切れ目を有する
発泡体層の外周に連続した表皮層を形成していることを
特徴とするものである。
【0011】本発明に使用されるパイプとしては、例え
ば、断熱性を有するパイプであって、例えば、鋼管、銅
管等の金属パイプ、あるいはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブデン−1等のポリオレフィンパイプ、架橋
ポリエチレン等の架橋ポリオレフィンパイプ等の合成樹
脂パイプが挙げられる。
【0012】また、パイプの外周に被覆される発泡体層
は、発泡剤により低圧帯域において発泡可能な熱可塑性
樹脂を含む発泡樹脂組成物からなり、熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、アクリ
ル樹脂などの押出可能な熱可塑性樹脂があげられ、これ
らは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
発泡体層の外周に被覆される表皮層としては、押出成形
可能な樹脂であって、耐擦傷性を有する熱可塑性樹脂が
好ましい。
【0013】請求項1に記載の発明によれば、発泡体層
が筒状に形成されており、筒状発泡体層には、パイプを
筒内部に挿入するための長手方向に延びる切れ目が形成
され、切れ目を有する発泡体層の外周に連続した表皮層
を形成しているので、均一に高発泡した発泡体層が得ら
れながら、被覆パイプ同士の接続作業など、被覆パイプ
の軸方向端部において発泡体層をパイプから取り除かな
くてはならない場合には、切れ目部分から発泡体層を容
易に剥離することができるので、被覆パイプの接続作業
も容易になる。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の被覆パイプの発明において、筒状発泡体層の切
れ目が断続的に融着されていることを特徴とするもので
ある。断続的な切れ目の融着とは、切れ目に沿って融着
されている箇所と未融着の箇所とがあることをいう。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、筒状発泡
体層の切れ目が断続的に融着されていることを特徴とす
るので、融着部分においては表皮層の形成時における切
れ目の開きを防止できながら、切れ目の未融着の部分に
おいて発泡体層のパイプからの剥離を容易に行える。
【0016】請求項3に記載の発明は、パイプ表面に発
泡体層が形成され、さらに、発泡体層の外周に表皮層が
形成された被覆パイプの製造方法であって、発泡体層と
なる発泡チューブを連続的に供給しながら発泡チューブ
にチューブ長手方向に連続させて切れ目を入れるスリッ
ト形成工程と、切れ目の入った発泡チューブを拡径しな
がら、切れ目から発泡チューブ内にパイプを挿入するパ
イプ挿入工程と、パイプが挿入された発泡チューブを縮
径する発泡チューブ縮径工程と、パイプが挿入されて縮
径された発泡チューブの外周に表皮層を形成する表皮層
形成工程とにより被覆パイプを製造することを特徴とす
るものである。
【0017】発泡チューブを供給する手段としては、予
め製造された発泡体層となる発泡チューブをリール等に
巻き取っておいてスリット形成工程に供給するようにし
てもよいし、発泡チューブの製造工程を設けて、製造後
の発泡チューブを直接スリット形成工程に供給されるよ
うにしてもよい。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、パイプの
表面を被覆する発泡体層をパイプの外面に直接成形する
のではなく、発泡体層となる発泡チューブのみを製造し
た後、発泡チューブに切れ目を形成して発泡チューブ内
にパイプを挿入することにより、パイプを発泡チューブ
で被覆するようにしたから、均一に高発泡した発泡体層
が得られる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
被覆パイプの製造方法において、スリット形成工程
は、発泡チューブを連続的に供給するための、発泡チュ
ーブを単独で押出し成形する発泡チューブ製造工程部を
有していることを特徴とするものである。なお、パイプ
の外周に被覆される発泡体層は、前記したように、発泡
剤により低圧帯域において発泡可能な熱可塑性樹脂を含
む発泡樹脂組成物からなるのであるが、熱可塑性樹脂に
タルクなどの気泡核剤を2〜3重量部添加すると、得ら
れる発泡体の気泡が微細になり被覆性能が向上する。
【0020】熱可塑性樹脂を発泡させる発泡剤として
は、熱可塑性樹脂を劣化させないものならば特に限定さ
れず、たとえばアゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド等の熱
分解型発泡剤や、常圧下で気体もしくは易揮発性液体で
ある物理発泡剤が挙げられる。請求項4に記載の発明に
よれば、被覆パイプを製造する一連の工程をインライン
で行うことができるので、被覆パイプを効率良く、安価
に製造することができる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
被覆パイプの製造方法において、発泡チューブ製造工
程部が、発泡チューブ成形用押出機から物理発泡剤が混
入された溶融樹脂を押出して発泡チューブ成形用押出機
に接続された発泡金型に送り、この発泡金型から大気圧
に解放させて発泡チューブを製造するようにしているこ
とを特徴とする。
【0022】物理発泡剤は、気体としては、窒素、炭酸
ガス、空気などがあり、易揮発性液体としては、プロパ
ン、ブタン、ペンタン等の低沸点脂肪族炭化水素、アル
コール類、ケトン類、エステル類等の低沸点有機化合
物、モノクロロジフルオロメタン、ジクロロジフルオロ
メタン、ジクロロテトラフルオロエタン等のハロゲン化
炭化水素等が挙げられ、これらは単独で使用しても良い
し、2種類以上併用しても良い。請求項5に記載の発明
によれば、発泡チューブを物理発泡剤により大気中に解
放させて発泡成形するので、所定の発泡倍率が得られな
がら発泡を均一に行える。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
被覆パイプの製造方法において、発泡チューブ成形用
押出機内の溶融樹脂に供給される物理発泡剤が炭酸ガス
であることを特徴とするものである。物理発泡剤として
易揮発性液体を使用する場合は、オゾン層破壊の可能性
があったり、可燃性であるため設備として防爆仕様が必
須となるものが多いが、物理発泡剤として炭酸ガスを用
いることにより、オゾン層の破壊の可能性がなく、環境
に対する負荷を小さくでき、かつ、不燃性であるため設
備として防爆仕様が必要でなく、設備が簡単となる。さ
らに、樹脂に対する溶解性も高い。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項4から請
求項6の何れかに記載の被覆パイプの製造方法におい
て、発泡チューブ製造工程部で押出発泡成形される発泡
チューブの発泡倍率が5倍以上であることを特徴とする
ものである。
【0025】なお、発泡倍率は、次の式(1)で定義さ
れる。 (発泡倍率)=(発泡前の樹脂組成物の比重)/(発泡体の比重)・・・(1) また、発泡体層の好ましい発泡倍率を5倍以上としたの
は、倍率5倍までは、倍率が高いほど熱伝導率が急激に
低下し、断熱性能が向上するからである。なお、発泡
体層または表皮層を形成する樹脂組成物中には、必要に
応じて安定剤、抗酸化剤、加工助剤、滑剤、発泡助剤、
充填剤、顔料、難燃剤等を添加することができる。
【0026】請求項8に記載の発明は、請求項3から請
求項7の何れかに記載の被覆パイプの製造方法におい
て、スリット形成工程は、発泡チューブおよび/又は切
れ目形成用のカッター刃の冷却を行う冷却工程を有して
いることを特徴とするものである。請求項8に記載の発
明によれば、スリット形成工程において、発泡チューブ
および/又は切れ目形成用のカッター刃の冷却を行うの
で、発泡チューブに押出し成形による残存熱があった
り、カッター刃に摩擦熱が生じることによる切れ目形成
時の切れ目部分の温度上昇を抑制でき、切れ目部分の温
度上昇による切れ目形成不良を防止できる。
【0027】請求項9に記載の発明は、請求項3から請
求項8の何れかに記載の被覆パイプの製造方法におい
て、パイプ挿入工程は、発泡チューブの送り方向上流側
が先細り状となったテーパーを有する拡径コアに、切れ
目の入った発泡チューブを導入して、発泡チューブを搬
送しながら拡径させるとともに、搬送される発泡チュー
ブ内に広げられた切れ目からパイプを挿入することを特
徴とするものである。請求項9に記載の発明によれば、
拡径コアにより発泡チューブの切れ目を簡単に広げるこ
とができ、発泡チューブへのパイプの挿入を簡単に行え
る。
【0028】請求項10に記載の発明は、請求項3から
請求項9の何れかに記載の被覆パイプの製造方法におい
て、パイプ挿入工程は、拡径される発泡チューブを冷却
する冷却工程を有していることを特徴とするものであ
る。
【0029】発泡チューブを連続的に送り出しながら、
該発泡チューブにパイプを挿入していく場合、発泡チュ
ーブの送り出し量が多くなると発泡チューブの内外面の
温度が上昇して発泡チューブに伸びが発生する虞があ
る。そして、発泡チューブに伸びが発生すると表皮層形
成後に発泡チューブの収縮が発生してしまい、被覆パイ
プの製造後にパイプの管端部が大きく露出してしまう現
象や、途中で被覆パイプを切断した場合においても切断
部でパイプが大きく露出してしまう現象が発生してしま
う。
【0030】請求項10に記載の発明によれば、発泡チ
ューブの送り出し量が多くなっても、発泡チューブをパ
イプ挿入工程における冷却工程で冷却できるので、発泡
チューブの温度上昇を抑制して発泡チューブの伸びを防
止でき、被覆パイプの管端部からのパイプの露出を防止
できる。
【0031】請求項11に記載の発明は、請求項3から
請求項10の何れかに記載の被覆パイプの製造方法にお
いて、発泡チューブ縮径工程は、発泡チューブの送り方
向下流側が先細り状となった筒状体内部に、パイプが挿
入された発泡チューブを送り込んで、発泡チューブの切
れ目部分を接合させて発泡チューブを縮径することを特
徴とするものである。請求項11に記載の発明によれ
ば、筒状体により拡径された発泡チューブを簡単に縮径
させることができる。
【0032】請求項12に記載の発明は、請求項3から
請求項10の何れかに記載の被覆パイプの製造方法にお
いて、発泡チューブ縮径工程は、軸方向中央部が凹んだ
テーパー状の外周面を有する回転可能な1対のローラー
を用い、2つのローラーの間に拡径された発泡チューブ
を導入して、ローラー対により発泡チューブの切れ目の
対向面を付き合わせる方向に押圧して発泡チューブを縮
径することを特徴とするものである。
【0033】請求項12に記載の発明によれば、軸方向
中央が凹んだテーパー状の外周面を有する回転可能な1
対のローラーを用いることにより、拡径された発泡チュ
ーブを簡単に縮径させることができる。さらに、発泡チ
ューブにテンションをかけることなく、発泡チューブの
縮径を行うことができるので、被覆パイプを切断したと
きに発泡チューブが収縮してしまうのを防止することが
でき、製品寸法の安定化を図ることができる。
【0034】請求項13に記載の発明は、請求項3から
請求項12の何れかに記載の被覆パイプの製造方法にお
いて、パイプ挿入工程より後で表皮層形成工程より前
に、縮径された発泡チューブの切れ目の対向面同士を融
着させる切れ目融着工程を有することを特徴とするもの
である。発泡チューブの切れ目の対向面同士を融着させ
る方法としては、切れ目部分を長さ方向に連続して融着
させる方法や、切れ目に沿って断続的に融着する方法が
ある。
【0035】請求項13に記載の発明によれば、表皮層
を形成する前に切れ目を融着するので、表皮層形成時に
切れ目部分が開いてしまうのを確実に防止することがで
き、品質の低下を防止できる。
【0036】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の被覆パイプの製造方法において、切れ目融着工程
は、発泡チューブの切れ目部分の表層樹脂を、熱風によ
り溶融させて切れ目の対向面同士を融着させることを特
徴とするものである。請求項14に記載の発明によれ
ば、簡単な方法で直接熱源に接触して発泡チューブが型
崩れしてしまうようなことなく、切れ目部分の融着を行
うことができる。
【0037】請求項15に記載の発明は、請求項3から
請求項14の何れかに記載に被覆パイプの製造方法にお
いて、表皮層形成工程は、パイプが挿入されて縮径され
た発泡チューブを表皮層形成用金型に送り込むととも
に、表皮層成形用押出機から溶融された表皮層形成用樹
脂を表皮層形成用金型に押出して発泡チューブの外周に
表皮層を形成することを特徴とするものである。
【0038】表皮層の厚みは、薄すぎると摩擦や引っ掻
きなどにより発泡体層の表面を保護しきれないので、1
00μm以上とすることが好ましく、さらに好ましく
は、200μm以上である。また、表皮層には発泡体表
面の凹凸が転写される可能性が高いので、外観を向上さ
せるために樹脂中に隠蔽性のある顔料を添加したり、あ
るいは、シボ付け、エンボス加工等を施すのが好まし
い。請求項15に記載の発明によれば、パイプが挿入さ
れて縮径された発泡チューブの外周に表皮層を簡単に形
成することができる。
【0039】請求項16に記載の発明は、パイプ表面に
発泡体層が形成され、さらに、発泡体層の外周に表皮層
が形成された被覆パイプの製造装置であって、発泡体層
となる発泡チューブを連続的に供給しながら発泡チュー
ブにチューブ長手方向に連続させて切れ目を入れるスリ
ット形成工程部と、切れ目の入った発泡チューブを拡径
しながら、切れ目から発泡チューブ内にパイプを挿入す
るパイプ挿入工程部と、パイプが挿入された発泡チュー
ブを縮径する発泡チューブ縮径工程部と、パイプが挿入
されて縮径された発泡チューブの外周に表皮層を形成す
る表皮層形成工程部とを備えていることを特徴とするも
のである。
【0040】請求項16に記載の被覆パイプの製造装置
によれば、パイプの表面を被覆する発泡体層をパイプの
外面に直接成形するのではなく、発泡体層となる製造後
の発泡チューブに切れ目を形成して発泡チューブ内にパ
イプを挿入することにより、パイプを発泡チューブで被
覆し、発泡チューブの外周に表皮層が形成された被覆
イプを製造することができるので、均一に高発泡した発
泡体層を有する被覆パイプが得られる。
【0041】請求項17に記載の発明は、請求項16に
記載の被覆パイプの製造装置において、パイプ挿入工程
部は、発泡チューブの送り方向上流側が先細り状となっ
たテーパーを有し、切れ目の入った発泡チューブを拡径
させる拡径コアを備え、拡径コアは、外面に発泡チュー
ブに非接触な凹部を備えるとともに、拡径により広げら
れた発泡チューブの切れ目から発泡チューブ内にパイプ
を挿入させるための案内通路を備えていることを特徴と
するものである。
【0042】拡径コアに設ける凹部は、拡径コアの表面
に円周方向に延びる環状の凹溝を複数形成したり、拡径
コアの表面に螺旋溝を形成したり、発泡チューブの送り
方向に延びる凹溝を複数形成したりして得られる。
【0043】請求項17に記載の発明によれば、発泡チ
ューブの内面を拡径コアのテーパー外周面に沿わせなが
ら発泡チューブを拡径しておいて、拡径コアの案内通路
からパイプを発泡チューブ内に簡単に挿入させることが
できる。しかも、拡径コアに設ける凹部により、拡径コ
アの外周面に発泡チューブの内面を接触させたときの拡
径コアと発泡チューブ内面との接触面積を少なくして摩
擦を低減できるので、発泡チューブの拡径コアによる拡
径を円滑に行えながら、摩擦による発泡チューブの温度
上昇も低減できる。
【0044】請求項18に記載の発明は、請求項16ま
たは請求項17に記載の被覆パイプの製造装置におい
て、パイプ挿入工程部が、拡径される発泡チューブを冷
却する冷却機構を備えている構成とした。請求項18に
記載の発明によれば、発泡チューブの送り出し量が多く
なっても、発泡チューブをパイプ挿入工程部における冷
却機構で冷却できるので、発泡チューブの温度上昇を抑
制して発泡チューブの伸びを防止でき、製造後の被覆
イプの管端部からのパイプの露出を防止できる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の被覆パイプの製
造方法により被覆パイプを製造するための製造装置の第
1の実施形態を概略的に示したものであり、この被覆
イプ製造装置により、図5に示す被覆パイプ1を製造す
ることができる。被覆パイプ1は、図5に示すように、
パイプ11の表面に断熱層となる発泡体層12が形成さ
れ、さらに、発泡体層12の表面に表皮層13が形成さ
れている。
【0046】第1の実施形態の被覆パイプ製造装置は、
図2に示す発泡体層12となる発泡チューブ2に、図3
に示すようにチューブ長手方向に連続させて切れ目21
を入れるスリット形成工程部(スリット形成工程)と、
切れ目21の入った発泡チューブ2を拡径しながら、切
れ目21から発泡チューブ2内にパイプ11を挿入する
パイプ挿入工程部(パイプ挿入工程)と、パイプ11が
挿入された発泡チューブ2を縮径して図4に示す状態に
する発泡チューブ縮径工程部(発泡チューブ縮径工程)
と、パイプ11が挿入されて縮径された発泡チューブ2
の外周に表皮層13を形成して図5に示す状態にする表
皮層形成工程部(表皮層形成工程)の各製造工程を経て
被覆パイプ1を製造するようになっている。スリット形
成工程部は、発泡チューブ2を連続的に供給するための
発泡チューブ供給工程も有している。
【0047】第1の実施形態の被覆パイプ製造装置は、
図1に示すように、発泡チューブ供給工程は、発泡チュ
ーブ2を単独で押出し成形する発泡チューブ製造工程部
31aにより構成されている。なお、パイプ挿入工程
と、発泡チューブ縮径工程との間に、図1の仮想線で示
す加熱部81を設けて、パイプが挿入された発泡チュー
ブ2の切れ目21の対向面同士を断続的、または、連続
的に融着する切れ目融着工程を有するようにしてもよ
い。
【0048】この場合、加熱部は、熱風を発泡チューブ
2に吹き付ける熱風ノズル81により構成するのが好ま
しい。具体的構成および作用効果については、後記する
第2実施形態に示す加熱部と同じ構成であるので、第2
実施形態において説明する。
【0049】第1実施形態に係る被覆パイプ製造装置に
ついて具体的に説明する。第1実施形態にかかる被覆
イプ製造装置は、図1に示すように、発泡体層12とな
る発泡チューブ2を単独で押出し成形する発泡チューブ
製造工程部31aと、可とう性のパイプ11を繰出すパ
イプ繰出工程部32aと、スリット形成工程とパイプ挿
入工程と発泡チューブ縮径工程とを行う発泡体層形成工
程部33と、表皮層形成工程を行う表皮層形成工程部3
4とを有している。
【0050】発泡チューブ製造工程部31aは、発泡体
層12を形成するための発泡性熱可塑性樹脂組成物が溶
融混練される発泡チューブ成形用押出機41と、発泡チ
ューブ成形用押出機41から押出された溶融樹脂が注入
され、発泡チューブ2を成形するための発泡金型42
と、発泡金型42から出てきた発泡チューブ2を受け取
る第1引取機43とを備えている。
【0051】発泡チューブ成形用押出機41は、熱可塑
性樹脂組成物が供給される原料ホッパー41aと発泡剤
供給部41bとを備えており、原料ホッパー41aから
発泡体層12を形成するための樹脂組成物を供給する一
方、ボンベ44内の物理発泡剤を発泡剤供給部41bか
ら発泡チューブ成形用押出機41内に供給するようにし
ている。
【0052】ボンベ44と発泡剤供給部41bの間の供
給路には、冷却装置45および定量ポンプ46を設けて
おり、本実施の形態では、物理発泡剤として炭酸ガスを
用いていることから、供給効率を高めるために定量ポン
プ46の手前に冷却装置45を設け、冷却装置45にお
いて炭酸ガスを液化させて定量ポンプ46に供給するよ
うにしている。
【0053】また、定量ポンプ46では、発泡チューブ
成形用押出機41内への発泡剤の供給量を、発泡チュー
ブ成形用押出機41の樹脂押出量に対して目的とする発
泡倍率が得られるように制御している。
【0054】発泡倍率は、溶融樹脂に溶解させる発泡剤
量によって制御でき、物理発泡剤として炭酸ガスを用い
た場合、5倍以上の発泡倍率を得るためには溶融樹脂中
に1wt%以上の炭酸ガスを溶解させる必要がある。
【0055】ただし、目的とする倍率に対して過剰に炭
酸ガスを供給すると、発泡金型42の出口で破泡が起こ
ってガス抜けが促進され、その結果、倍率が上がらなく
なるので破泡が起こらないように発泡剤供給量を制御す
る必要がある。
【0056】そして、発泡チューブ成形用押出機41で
は、原料ホッパー41aから供給された樹脂組成物を加
熱溶融しながら、発泡剤供給部41bから発泡剤を溶融
樹脂中に溶解させて、発泡チューブ成形用押出機41に
接続される発泡金型42に溶融樹脂を押出すようにして
いる。
【0057】また、発泡チューブ成形用押出機41で
は、発泡剤供給部41bから発泡剤を安定して発泡チュ
ーブ成形用押出機41内に供給できるように、発泡チュ
ーブ成形用押出機41内に設けるスクリューの溝深さ
を、発泡剤供給部41bが形成された位置と対向する部
分において深くなるように形成して、発泡剤を供給する
際に溶融樹脂の圧力を一旦低下させるようにしている。
なお、溶融樹脂中に発泡剤を効率良く溶解させるため
に、スクリューにダルメージ等のミキシングエレメント
を設けるのが好ましい。
【0058】発泡金型42は、図示していないが、チュ
ーブ形状に成形するため、内コアと外型から構成されて
おり、内コアはブリッジにより保持され、外型はバンド
ヒーター、あるいはオイルなどの媒体により温度調整可
能となっている。
【0059】第1引取機43は、回転駆動される一対の
第1搬送ベルト43aにより構成されており、第1搬送
ベルト43aで発泡チューブ2を挟持して、第1搬送ベ
ルト43aの回転駆動により発泡チューブ2を発泡体層
形成工程部33へと送り出すようになっている。
【0060】従って、発泡金型42においては、発泡チ
ューブ成形用押出機41から供給された樹脂組成物が発
泡最適温度に温度調整されて、発泡金型42からチュー
ブ状態の樹脂組成物が大気圧中に解放されることによ
り、樹脂組成物が発泡して、図2に示すような均一な高
発泡の発泡チューブ2が製造される。
【0061】発泡最適温度は、溶融樹脂中への発泡剤溶
解量によって樹脂の可塑化効果に差があるため、樹脂が
結晶の場合には融点の±10℃、樹脂が非晶性の場合に
はガラス転位温度の±10℃の範囲に設定することが好
ましい。また、発泡金型42には偏肉調整機構を設ける
ことが好ましい。
【0062】パイプ11を繰出すパイプ繰出工程部32
aは、図1に示すように、予め別の押出機で製造されて
巻き取られたパイプ11が取り付けられる繰出機51
と、繰出機51からパイプ11を繰出して発泡体層形成
工程部33へ送り出すための第2引取機52と、繰出機
51と第2引取機52の間に設けられる巻癖矯正装置5
3とを備えている。本実施の形態に用いるパイプ11
は、可とう性を有する合成樹脂製のパイプで形成されて
おり、長尺のものである。
【0063】繰出機51は、ベアリングに固定された回
転ドラムからなり、第2引取機52は、回転駆動される
一対の第2搬送ベルト52aにより構成されており、第
2搬送ベルト52aでパイプ11を挟持して、第2搬送
ベルト52aの回転駆動によりパイプ11を発泡体層形
成工程部33へ送り出すようになっている。
【0064】また、巻癖矯正装置53は、パイプ11に
ついている大なり小なりの巻き癖を矯正するものであっ
て、図1に示すように、互い違いに配設される3つの矯
正用ローラ53aを備えており、これら矯正用ローラ5
3aにより、パイプ11の巻き癖を矯正するようにして
いる。矯正用ローラ53aは、ローラ面の長手方向中央
がテーパー状で凹んだ形状をしている。
【0065】なお、パイプが可とう性でない場合には、
所定の長さに切断された直線パイプを引取機を用いて連
続的に、発泡体層形成工程部33へ送り出すようにして
もよいし、後記する図16に示す第4実施形態のよう
に、パイプ成形用押出機54を有するパイプ製造工程部
32bの押出ラインで製造されたパイプ11を引取機5
2により連続的に発泡体層形成工程部33へ送り出すよ
うにしてもよい。
【0066】さらに、第1実施形態では、パイプ11の
繰出工程は、前記した発泡チューブ製造工程、後記する
スリット形成工程および発泡チューブを拡径する工程と
並行させて行うようになっている。
【0067】さらに、発泡体層形成工程部33は、スリ
ット形成工程(スリット形成工程部)において、発泡チ
ューブ2にチューブ長手方向に連続させて切れ目21を
入れる切れ目形成装置61を備え、パイプ挿入工程(パ
イプ挿入工程部)において、発泡チューブ2を搬送しな
がら拡径させるとともに、搬送される発泡チューブ2内
に拡径コア62aにより広げられた切れ目21からパイ
プ11を挿入するパイプ挿入装置62を備え、発泡チュ
ーブ縮径工程(発泡チューブ縮径工程部)において、パ
イプ11が挿入された発泡チューブ2を縮径する発泡チ
ューブ縮径装置63を備えている。
【0068】切れ目形成装置61は、図1に示すよう
に、支持板64に固定されており、発泡チューブ2に押
出方向(チューブの長手方向)に連続的に切れ目21を
入れる直線状で長尺な長尺カッター刃61aと、長尺カ
ッター刃61aの先端と対面するようにして設けられる
第1保持ローラ61bと、長尺カッター刃61a及び第
1保持ローラ61bが取り付けられ支持板64に固定さ
れる支持体61cとを備えている。
【0069】また、長尺カッター刃61aは、図6に示
すように、発泡チューブ2に対して径方向に進退可能に
支持体61cに取り付けられており、長尺カッター刃6
1aをコ字状のホルダー61dに揺動用固定板61eを
介して固定し、このホルダー61dを、支持体61cに
対して位置調整用ハンドル61fの操作により進退でき
るように支持体61cに支持させている。長尺カッター
刃61aを支持体61cに進退可能に支持させることに
より、発泡チューブ2の厚みに応じて、切り込み深さを
調整できる。
【0070】さらに、長尺カッター刃61aは、発泡チ
ューブ2への切り込み角度を変更できるように、揺動用
固定板61eに固定され、この揺動用固定板61eをホ
ルダー61dに支持軸(図示せず)により揺動可能に支
持させるとともに、支持軸に角度調整ダイヤル61gを
取り付けて、角度調整ダイヤル61gを回転させること
により、揺動用固定板61eを揺動させて長尺カッター
刃61aの角度調整を行うようにしている。
【0071】調整角度は、発泡チューブ2の表面に対し
て30度から45度の切込み角度まで調整できるように
なっている。切込み角度を調整可能としたのは、発泡チ
ューブ2の表面温度により適正な切込み角度が変化する
ためである。
【0072】そして、切れ目形成装置61は、切れ目2
1を形成するにあたり、切れ目21の形成時に発泡チュ
ーブ2と長尺カッター刃61aを冷却する冷却機構を備
えており、スリット形成工程中に、発泡チューブ2およ
び長尺カッター刃61aの冷却を行う冷却工程を有する
ようにしている。なお、冷却は、発泡チューブ2または
長尺カッター刃61aのどちらか一方でもよいし、同時
に冷却するようにしてもよい。
【0073】発泡チューブ2および長尺カッター刃61
aを冷却する手段としては、長尺カッター刃61aが支
持される支持体61cに冷却用ノズル61hも取り付け
て、冷却用ノズル61hの吐出口を発泡チューブ2の表
面に対向させ、冷却用ノズル61hから吐出される冷却
エアを発泡チューブ2の切れ目21の形成箇所に吹き付
けて発泡チューブ2および長尺カッター刃61aの冷却
を行うようにしている。
【0074】冷却用ノズル61hは、支持体61cに取
り付ける位置調整用ハンドル61fと支持体61cとホ
ルダー61dとを貫通させて、長尺カッター刃61aと
並ぶように設けられており、吐出側先端部を屈曲させて
いる。そして、冷却用ノズル61hの吐出口から、長尺
カッター刃61aの角度調整に応じて、長尺カッター刃
61aの先端に直接冷却エアを吹き付けたり、長尺カッ
ター刃61aの先端よりやや上流側に冷却エアを吹き付
けたりする。
【0075】第1実施形態では、発泡チューブ2および
/又は長尺カッター刃61aを強制的に冷却しているの
で、発泡チューブ2の製造工程における発泡チューブ2
押出し量が増加して発泡チューブ2の内外面温度が上昇
したり、発泡チューブ2の送り量が多くて長尺カッター
刃61aの摩擦熱が上昇しても、切れ目21を形成する
際に発泡チューブ2の切れ目形成位置および/又は長尺
カッター刃61aを冷却できるので、切れ目21の成形
不良が生じるのを防止することができる。
【0076】また、第1保持ローラ61bは、図示して
いないが、ローラ面の長手方向中央がテーパー状で凹ん
だ形状をしており、支持体61cに回転可能に支持され
ている。そして、第1保持ローラ61bの凹部に、搬送
される発泡チューブ2を常に位置させることにより発泡
チューブ2が所定の位置に保持される。第1保持ローラ
61bにより発泡チューブ2を保持しているので、長尺
カッター刃61aにより発泡チューブ2の所定の位置に
直線状に切れ目21を入れることができる。
【0077】なお、第1引取機43と切れ目形成装置6
1の間には、第1引取機43から送り出された発泡チュ
ーブ2を切れ目形成装置61に案内するためのガイドロ
ーラ47が複数設けられている。
【0078】なお、切れ目21を入れるにあたっては、
前記した直線状の長尺カッター刃に限定されず、例え
ば、ベアリングに固定された円板状カッター刃を発泡チ
ューブの側面にあてて、円板状カッター刃の回転により
切れ目を入れるようにしてもよい。
【0079】円板状カッター刃による切れ目形成装置6
1の実施形態について、図7に基づいて説明する。図7
に示す円板状カッター刃61iによる切れ目形成装置6
1は、図6に示す切れ目形成装置61と同じ部材につい
て同符号で示す。
【0080】円板状カッター刃61iによる切れ目形成
装置61は、図1に示す製造装置において、長尺カッタ
ー刃61aを円板状カッター刃61iに換えたものであ
り、図1に示す切れ目形成装置61と同様に支持板64
に固定されており、発泡チューブ2に押出方向(チュー
ブの長手方向)に連続的に切れ目21を入れる円板状カ
ッター刃61iと、円板状カッター刃61iの円周先端
と対面するようにして設けられる第1保持ローラ61b
と、円板状カッター刃61i及び第1保持ローラ61b
が取り付けられ支持板64に固定される支持体61cと
を備えている。
【0081】また、円板状カッター刃61iは、図7に
示すように、発泡チューブ2に対して径方向に進退可能
に支持体61cに取り付けられており、円板状カッター
刃61iをコ字状のホルダー61dに回転軸61jを介
して固定し、このホルダー61dを、支持体61cに対
して位置調整用ハンドル61fの操作により進退できる
ように支持体61cに支持させている。
【0082】なお、円板状カッター刃61iを回転させ
る回転軸61jは、図示していないが、一端部をモータ
に接続しており、このモータの駆動により回転軸61j
を回転駆動させて円板状カッター刃61iを回転させる
ようにしている。さらに、円板状カッター刃61iは、
発泡チューブ2の送出し方向と同じ方向に回転させるよ
うにしている。そして、円板状カッター刃61iを支持
体61cに進退可能に支持させることにより、発泡チュ
ーブ2の厚みに応じて、切り込み深さを調整できる。
【0083】さらに、図7に示す切れ目形成装置61
は、切れ目21の形成にあたり、切れ目21を形成時に
円板状カッター刃61iを冷却する冷却機構を備えてお
り、スリット形成工程において、円板状カッター刃61
iの冷却を行う冷却工程を有するようにしている。
【0084】円板状カッター刃61iを冷却する手段と
しては、円板状カッター刃61iが支持される支持体6
1cに冷却用ノズル61hも取り付けて、冷却用ノズル
61hから吐出される冷却エアを発泡チューブ2の切れ
目21の形成予定箇所付近に吹き付けて円板状カッター
刃61iの冷却を行うようにしている。
【0085】冷却用ノズル61hは、支持体61cに取
り付けられる位置調整用ハンドル61fと支持体61c
とホルダー61dとを貫通させて円板状カッター刃61
iを横断するように設けられており、冷却用ノズル61
hの吐出口から円板状カッター刃61iの先端に直接冷
却エアが吹き付けられる。
【0086】図7に示す切れ目形成装置61によって
も、円板状カッター刃61iを強制的に冷却しているの
で、発泡チューブ2の製造工程における発泡チューブ2
押出し量が増加して発泡チューブ2の内外面温度が上昇
したり、発泡チューブ2の送り量が多くて円板状カッタ
ー刃61iの摩擦熱が上昇しても、切れ目21を形成す
る際に円板状カッター刃61iを冷却できるので、切れ
目21の成形不良が生じるのを防止することができる。
【0087】そして、図1に示す第1実施形態のパイプ
挿入装置62は、発泡チューブ2を搬送しながら拡径さ
せる拡径コア62aと、発泡チューブ2を保持する第2
保持ローラ62bとを備えている。
【0088】拡径コア62aは、図1および図6、図7
に示すように、チューブ搬送方向上流側が先細り状とな
り、下流側端部が開口された筒状をしており、チューブ
搬送方向下流側を屈曲させ、この屈曲部62cにおける
外側の屈曲面にパイプ11を拡径コア62a内に挿入す
るための挿入孔62dを形成している。なお、この挿入
孔62dは、パイプ11を発泡チューブ2の内部に挿入
するための案内通路となる。
【0089】パイプ挿入装置62では、発泡チューブ2
は、拡径コア62aの搬送方向上流側に形成されるテー
パー面に沿いながら拡径されていき、しかも、発泡チュ
ーブ2は、切れ目21が屈曲部の外側曲げ面に位置する
ように拡径コア62aに導入されるようになっている。
【0090】従って、拡径コア62aの屈曲部62cに
おいて発泡チューブ2が屈曲すると切れ目21がさらに
広がり、発泡チューブ2がさらに拡径する。屈曲させた
拡径コア62aを用いることにより、発泡チューブ2の
切れ目21を拡径コア62aの屈曲部62cにより簡単
に広げてパイプ11を挿入し易くできるようになってい
る。
【0091】第2保持ローラ62bは、ローラ面の軸長
手方向中央がテーパー状に凹んだ形状をしており、支持
板64に回転可能に支持されている。そして、第2保持
ローラ62bの凹部に、搬送される発泡チューブ2を常
に位置させることにより、発泡チューブ2が拡径コア6
2aから逸脱しないように第2保持ローラ62bと拡径
コア62aとにより発泡チューブ2が保持される。
【0092】本実施の形態では、拡径コア62aに屈曲
部62cを形成して、発泡チューブ2の切れ目21が外
側の曲げ面に位置するように発泡チューブ2を屈曲させ
ることにより、繰出機51から繰出されるパイプ11を
直線的に搬送しながら、このパイプ11の搬送路に、発
泡チューブ2の搬送路を屈曲部形成位置で合流させ、屈
曲部62cにおいて広げられた切れ目21から、拡径コ
ア62aの挿入孔62dにパイプ11を挿入して、パイ
プ11に発泡チューブ2を簡単に嵌合できるようになっ
ている。
【0093】このとき、拡径コア62aの外面と発泡チ
ューブ2の内面との摩擦を低減するために、拡径コア6
2aの外面にフッ素樹脂コーティング等の摩擦抵抗を小
さくする加工処理を施すことが好ましい。
【0094】さらに、拡径コア62aにおける発泡チュ
ーブ2の挿入側(屈曲部62cより上流側)の外周面に
は、図6および図7に示すように、複数の冷却エア吐出
孔62eを形成するとともに、拡径コア62a内部に冷
却エアを供給するための冷却エア供給管62fを拡径コ
ア62aに接続している。冷却エア供給管62fから拡
径コア62a内部に供給された冷却エアは、冷却エア吐
出孔62eから吐出されて、拡径コア62aに挿入され
た発泡チューブ2を内面側から冷却するようになってい
る。
【0095】なお、図6および図7示す拡径コア62a
には、拡径コア62aの外面と発泡チューブ2の内面と
の摩擦抵抗を低減するために、拡径コア62aの表面に
フッ素樹脂コーティング加工等の表面処理を施したが、
図8から図11に示すように、拡径コア62aの外面に
円周方向に延びる複数の環状溝(凹部)62gを形成し
たり、拡径コア62aの外面に螺旋溝や拡径コア62a
の長さ方向に延びる複数の縦溝を形成したり、発泡チュ
ーブ2の拡径コア62aへの接触面積を低減するための
凹部を形成して、摩擦抵抗を低減するようにしてもよ
い。
【0096】拡径コア62aの外面に円周方向に延びる
複数の環状溝62gを形成する場合について、図8から
図11に基づいて説明する。なお図9は、図8に示す拡
径コア62aのX−X線断面図である。図8に示す拡径
コア62aは、発泡チューブ2を屈曲させ、パイプ11
を直線状態のまま、発泡チューブ2内に挿入するように
したものであり、チューブ搬送方向上流側に先細り状と
なるテーパー62hを形成し、チューブ搬送方向下流側
を屈曲させている。
【0097】そして、この屈曲部62cよりもチューブ
搬送方向上流側でテーパー62hよりも下流側の拡径コ
ア62aの外周面に円周方向に延びる環状溝(凹部)6
2gを複数形成している。さらに、屈曲部62cにおけ
る外側の屈曲面にパイプ11を拡径コア62a内に挿入
するための挿入孔62dを形成している。なお、この挿
入孔62dは、パイプ11を発泡チューブ2の内部に挿
入するための案内通路となり、下流側端部が開口されて
いる。
【0098】そして、拡径コア62aにおける環状溝6
2gに、図8および図9に示すように、複数の冷却エア
吐出孔62eを形成するとともに、拡径コア62a内部
に冷却エアを供給するための冷却エア供給通路62iを
形成している。冷却エア供給通路62iから拡径コア6
2a内部に供給された冷却エアは、冷却エア吐出孔62
eから吐出されて、拡径コア62aに挿入された発泡チ
ューブ2を内面側から冷却するようになっている。
【0099】また、図8に示す拡径コア62aでは、発
泡チューブ2を屈曲させながら、パイプ11を直線状の
ままで発泡チューブ2に挿入するようにしたが、図10
に示す拡径コア62aのように、拡径コア62aの形状
を直線状にするようにしてもよい。図10に示す拡径コ
ア62aは、チューブ搬送方向上流側に先細り状となる
テーパー62hを形成し、テーパー62hよりも下流側
の拡径コア62aの外周面に円周方向に延びる環状溝
(凹部)62gを複数形成して、拡径コア62aの長さ
方向中間部に、パイプ11を拡径コア62a内に挿入す
るための挿入孔62dを開口させ、この挿入孔62dを
拡径コア62aの下流側端部に開口させている。
【0100】図10に示す拡径コア62aの挿入孔62
dは、パイプ11を挿入孔62d内部において湾曲させ
るように案内通路の形状を湾曲させるとともに、挿入孔
62dへパイプ11を挿入したときにパイプ11が挿入
孔62dの開口端部に接触しないように、パイプ11挿
入側の開口面積を広く形成している。図10に示す拡径
コア62aによれば、発泡チューブ2を直線状に搬送し
ながら、パイプ11を湾曲させて発泡チューブ2内に挿
入することができる。
【0101】また、図11に示すように、拡径コア62
aを屈曲させる形状とするが、図8に示す拡径コア62
aよりも屈曲角度を緩やかにし、発泡チューブ2とパイ
プ11とを湾曲させながら、発泡チューブ2内にパイプ
11を挿入していくようにしてもよい。
【0102】図11に示す拡径コア62aも、チューブ
搬送方向上流側に先細り状となるテーパー62hを形成
し、テーパー62hよりも下流側の拡径コア62aの外
周面に円周方向に延びる環状溝(凹部)62gを複数形
成して、拡径コア62aの長さ方向中間部に、パイプ1
1を拡径コア62a内に挿入するための挿入孔62dを
開口させ、この挿入孔62dを拡径コア62aの下流側
端部に開口させている。
【0103】さらに、図11に示す拡径コア62aの挿
入孔62dも、パイプ11を挿入孔62d内部において
湾曲させるように案内通路の形状を湾曲させるととも
に、挿入孔62dへパイプ11を挿入したときにパイプ
11が挿入孔62dの開口端部に接触しないように、パ
イプ11挿入側の開口面積を広く形成している。
【0104】次に、図1に示す第1実施形態における発
泡チューブ縮径工程の発泡チューブ縮径装置63につい
て説明する。パイプ11が挿入された発泡チューブ2を
縮径する発泡チューブ縮径装置63は、発泡チューブ2
の送り方向下流側が先細り状となった円錐状のテーパー
筒状体63aにより構成されており、この筒状体63a
内に、パイプ11とともに発泡チューブ2を送り込ん
で、発泡チューブ2を筒状体63a内に通過させること
より、拡径コア62aで広げられた発泡チューブ2の切
れ目21部分を閉じて発泡チューブ2を縮径させること
ができるようになっている。
【0105】このとき、発泡チューブ2の外面と筒状体
63aの内面との摩擦を低減するために、筒状体63a
の内面にフッ素樹脂コーティング等の摩擦抵抗を小さく
する加工処理を施すことが好ましい。
【0106】さらに、表皮層形成工程部34は、表皮層
13を形成するための非発泡性熱可塑性樹脂組成物が溶
融混練される表皮層成形用押出機71と、発泡チューブ
2が導入され、かつ、表皮層成形用押出機71から押出
された溶融樹脂が供給されて発泡チューブ2の外周に表
皮層13を成形する表皮層成形用金型72と、表皮層成
形用金型72から出てきた被覆パイプ1を受け取る第3
引取機73とを備えている。
【0107】表皮層成形用押出機71は、熱可塑性樹脂
組成物が供給される原料ホッパー71aを備えており、
表皮層成形用押出機71は、表皮層成形用金型72に接
続されている。
【0108】表皮層成形用金型72は、図示していない
が、発泡チューブ2を通過させる通路と、表皮層成形用
押出機71から溶融樹脂を供給するための樹脂供給路と
が形成されたクロスヘッドダイである。また、出口部に
は、偏肉調整機構を設けることが好ましい。さらに、表
皮層成形用金型72内部には、樹脂供給路を流れる溶融
樹脂の熱が発泡チューブ2に伝わりにくくするために、
通路の内面に断熱性を有する樹脂製筒などの部材を挿入
しておくことが好ましい。
【0109】表皮層成形用金型72の通路内に、パイプ
11とともに発泡チューブ2が導入されると樹脂供給路
から表皮層形成用の溶融樹脂が発泡チューブ2の外面に
供給されて、発泡チューブ2の外周面が表皮層13で被
覆される。
【0110】以上説明した第1実施形態における被覆
イプ製造装置によれば、まず、発泡チューブ製造工程部
31aにおいて、発泡剤である炭酸ガスが溶解した溶融
樹脂組成物は、発泡チューブ成形用押出機41から押出
された後、発泡チューブ成形用押出機41に接続された
発泡金型42に送られる。発泡金型42が発泡最適温度
に温度調整されながら、発泡金型42からチューブ状と
なった発泡樹脂組成物が大気圧に解放されて、図2に示
すような、発泡状態が均一な発泡チューブ2が製造され
る。発泡金型42から出てきた発泡チューブ2は、第1
引取機43により発泡体層形成工程部33へと送られ
る。
【0111】パイプ繰出工程部32aにおいては、パイ
プ11は、第2引取機52により繰出機51から繰り出
されて、巻癖矯正装置53で巻き癖が矯正されながら、
発泡体層形成工程部33へ送り出される。
【0112】第1引取機43により発泡体層形成工程部
33へと送られた発泡チューブ2は、切れ目形成装置6
1のカッター刃61aにより押出方向(チューブの長手
方向)に連続的に切れ目21が入れられ、図3に示す状
態となる。
【0113】そして、発泡チューブ2はパイプ挿入装置
62における拡径コア62aの搬送方向上流側に形成さ
れるテーパー面に案内されて、発泡チューブ2が拡径コ
ア62aに圧入されて拡径していき、拡径コア62aの
屈曲部62cにおいて、発泡チューブ2の切れ目21が
さらに広げられて、切れ目21から、発泡チューブ2の
内方に位置する拡径コア62aの挿入孔62dにパイプ
11が挿入される。
【0114】このように、発泡チューブ製造工程、スリ
ット形成工程、発泡チューブ拡径工程を経た発泡チュー
ブ2とパイプ繰出し工程により引き出されたパイプ11
が合流されて、発泡チューブ2内にパイプ11が挿入さ
れるのであって、まず、パイプ11は、第2引取機52
により送り出されて、切欠部から拡径コア62aの内部
に挿入される。
【0115】そして、パイプ11が拡径コア62a内を
通過して、パイプ11が発泡チューブー2内に挿入され
ると、発泡チューブ縮径装置63により、拡径された発
泡チューブ2が縮径される。このとき、テーパー筒状体
63a内に、パイプ11とともに発泡チューブ2を送り
込んで、発泡チューブ2を筒状体63a内に通過させる
ことより、拡径コア62aで広げられた発泡チューブ2
の切れ目21部分が簡単に閉じられて発泡チューブ2が
縮径され、図4の状態になる。
【0116】次に、パイプ11が内部に挿入された状態
で縮径された発泡チューブ2を表皮層成形用押出機71
に接続された表皮層成形用金型72に導入するのであっ
て、表皮層成形用金型72の通路にパイプ11が挿入さ
れた発泡チューブ2を連続的に通過させながら、表皮層
成形用押出機71から表皮層形成用の溶融樹脂を供給す
る。これにより、表皮層成形用金型72においてパイプ
11の外周を被覆した発泡チューブ2の外周面がさらに
表皮層13で被覆され、図5に示す被覆パイプ1が得ら
れる。
【0117】表皮層成形用金型72から出てきた被覆
イプ1は第3引取機73により引き取られて図示しない
巻取機に巻き取られる。なお、パイプが可とう性の場合
には、被覆パイプを巻取機にて巻取るが、パイプが可と
う性でない場合には、カッターを用いて被覆パイプを一
定の長さに切断する。
【0118】以上第1実施形態では、パイプ11の表面
を被覆する発泡体層12をパイプ11の外面に直接成形
するのではなく、発泡体層12となる発泡チューブ2の
みを製造した後、発泡チューブ2内にパイプ11を挿入
してパイプ11を発泡チューブ2で被覆するようにした
から、均一に高発泡した発泡体層12が得られる。さら
に、被覆パイプ1を製造する一連の工程をインラインで
行うことができるので、被覆パイプ1を効率良く、安価
に製造することができる。
【0119】第1実施形態では、発泡チューブ縮径工程
において発泡チューブ縮径装置63としてテーパー筒状
体63aを用いたが、パイプ11が挿入された発泡チュ
ーブ2を縮径する発泡チューブ縮径工程は、前記した第
1実施形態のテーパー状の筒状体63aに限らず、拡径
された発泡チューブ2の切れ目21を突合せ方向に押圧
する1対の押圧体で構成し、押圧体で発泡チューブ2を
挟持することにより発泡チューブ2を縮径させるように
してもよい。
【0120】例えば、パイプ11が挿入された発泡チュ
ーブ2を縮径する発泡チューブ縮径装置63の他の実施
形態としては、図12の第2実施形態に示すように、軸
方向中央部が凹んだテーパー状の外周面を有する回転可
能な1対のローラー63bを用いたものがある。
【0121】図12に示す被覆パイプを製造するための
第2実施形態の被覆パイプ製造装置は、第1実施形態の
製造装置において、発泡チューブ縮径工程となる発泡チ
ューブ縮径装置63の具体的構成を変更するとともに、
発泡チューブ拡径工程と発泡チューブ縮径工程の間に発
泡チューブ2の切れ目21を融着するための切れ目融着
工程を設けたものであって、その他の構成は、第1実施
形態の製造装置と同じであるので、同じ符号については
同一のものとして説明を省略する。
【0122】第2実施形態の発泡チューブ縮径装置63
は、図12および図13に示すように、軸方向中央部が
凹んだテーパー状の外周面を有する回転可能な1対の凹
状ローラー63bから構成されている。
【0123】第2実施形態における発泡チューブ縮径装
置63では、2つの凹状ローラー63bの間に拡径され
た発泡チューブ2を導入して、各凹状ローラー63bに
より発泡チューブ2の切れ目21を付き合わせる方向に
押圧して、拡径コア62aで広げられた発泡チューブ2
の切れ目21の部分を閉じて、発泡チューブ2を縮径さ
せるようになっている。
【0124】さらに、凹状ローラー63bの上流側に
は、図12および図13に示すように、発泡チューブ2
の切れ目21を融着する切れ目融着装置8が設けられて
おり、切れ目融着装置8は、熱風供給装置(図示せず)
と加熱部となる熱風ノズル81から構成されている。切
れ目融着装置8は、パイプ11が挿入された発泡チュー
ブ2の切れ目21の表層樹脂を、熱風ノズル81から吐
出される熱風により溶融させ、発泡チューブ縮径装置6
3の2つの凹状ローラー63bで縮径させるときに切れ
目21を融着して融着部分の断面を図14に示す状態と
することができる。
【0125】熱風供給装置は、図示していないがファン
とヒーターから構成されており、熱風ノズル81に供給
する熱風の温度を制御可能で、熱風ノズル81に供給す
る熱風の温度を発泡体層12の樹脂の融点以上に制御す
ることにより、切れ目21の表皮樹脂を溶融させること
ができる。
【0126】発泡チューブ2の切れ目21を融着する目
的は、表皮層形成工程部34で切れ目21が開くのを防
止するためであり、一定間隔で融着させるか、連続的に
融着させるかは目的に応じて選択することができる。熱
風供給装置のファンのオン、オフを制御することによ
り、切れ目21の表層樹脂を断続的、あるいは、連続的
に溶融させることができる。
【0127】なお、切れ目融着装置8による切れ目面融
着工程は、前記した熱風を吹き付ける切れ目面融着に限
らず、ヒーターと金属板からなる熱板に直接切れ目21
を接触させて、切れ目21の表層樹脂を溶融させるよう
にしてもよい。
【0128】以上、第2実施形態では、発泡チューブ縮
径装置63が、軸方向中央が凹んだテーパー状の外周面
を有する回転可能な1対のローラー63bを用いている
ので、拡径された発泡チューブ2を簡単に縮径させ、か
つ、溶融した切れ目21を簡単に融着させることができ
る。しかも、凹状ローラー63bによる発泡チューブ2
の縮径動作は、発泡チューブ2にテンションをかけるこ
となく行うことができるので、被覆パイプを切断したと
きに発泡チューブ2のみが収縮してしまうのを防止する
ことができ、製品寸法の安定化を図ることができる。
【0129】また、第2実施形態では、パイプ挿入工程
より後で表皮層形成工程より前に、縮径された発泡チュ
ーブ2の切れ目21の対向面同士を融着させる切れ目融
着工程を有する構成としているので、表皮層13を形成
する前に切れ目21を融着することができ、表皮層13
の形成時に切れ目21部分が開いてしまうのを確実に防
止することができ、品質の低下を防止できる。
【0130】しかも、切れ目融着工程は、発泡チューブ
2の切れ目21の部分の表層樹脂を、熱風ノズル81か
ら吹き付けられる熱風により溶融させて切れ目21の対
向面同士を融着させるようにしているので、簡単な方法
で直接熱源に接触して発泡チューブ2が型崩れしてしま
うようなことなく、切れ目21部分の融着を行うことが
できる。
【0131】また、第1実施形態では、発泡チューブ供
給工程は、発泡チューブ製造工程部31aにより構成
し、発泡チューブ縮径工程は、発泡チューブ縮径装置6
3としてテーパー筒状体63aを用いたが、図15に示
す第3実施形態のように、発泡チューブ2を予め別工程
で作成してリール47に巻き取っておき、リール47か
ら発泡チューブ2を繰出して第1引取機43にて発泡体
層形成工程部33へ送り出す発泡チューブ繰出工程部3
1bを設けるようにするとともに、前記した第2実施形
態と同様に、熱風ノズル81による切れ目融着工程と、
2つの凹状ローラー63bからなる発泡チューブ縮径装
置63による発泡チューブ縮径工程とを設けるようにし
てもよい。
【0132】さらに、第1実施形態では、パイプ11に
発泡チューブ2を嵌め合わすために、パイプ繰出工程部
32aを設けて、繰出機51から予め製造されたパイプ
11を繰出して、パイプ挿入工程に至るようにしていた
が、図16に示す第4実施形態のように、パイプ11を
形成するための熱可塑性樹脂組成物が溶融混練されるパ
イプ成形用押出機54と、パイプ成形用押出機54から
押出された溶融樹脂が注入され、パイプ11を成形する
ための金型55と、金型55から出てきたパイプ11を
受け取る第2引取機52とを備えたパイプ製造工程部3
2bを設けるとともに、前記した第2実施形態と同様
に、熱風ノズル81による切れ目融着工程と、2つの凹
状ローラー63bからなる発泡チューブ縮径装置63に
よる発泡チューブ縮径工程とを設けるようにしてもよ
い。
【0133】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本実施例は、例示であって、本発明を限定するも
のではない。 (実施例1)実施例1は、前記した第2実施形態(図1
2)における製造装置を用いた。低密度ポリエチレン
(日本ポリケム社製;品番「LF440HB」)100
重量部とタルク(住化カラー社製;品番「SS−11−
20」)3重量部との混合物を発泡チューブ成形用押出
機41の原料ホッパー41aに供給し、発泡チューブ成
形用押出機41で加熱溶融した。一方、発泡チューブ成
形用押出機41の発泡剤供給部41bにボンベ44から
発泡剤として炭酸ガスを供給した。
【0134】このとき、ボンベ44から出た炭酸ガスを
冷却装置45で冷却した後、定量ポンプ46を用いて、
発泡チューブ成形用押出機41の樹脂押出量10kg/
hに対して、0.2kg/hとなるように制御して供給
し、発泡チューブ成形用押出機41において120℃で
混練した。発泡金型42の温度を108℃に設定し、内
径3mm、外径6mmの出口から大気圧に解放させて内
径18mm、外径24mm、発泡倍率約6倍の均一な発
泡チューブ2を得た。
【0135】ついで、第1引取機43にて発泡チューブ
2を引取り、ガイドローラ47を介して切れ目形成装置
61へ送り、発泡チューブ2に長尺カッター刃61aに
より押出し方向に連続的に切れ目21を入れた。続い
て、拡径コア62aに発泡チューブ2を誘導し、開口部
を拡径コア62aに導入して屈曲部62cにおいて発泡
チューブ2の切れ目21を広げた。
【0136】一方、パイプ11として外径17mmの架
橋ポリエチレンパイプを3m/分の速度で繰出機51か
ら第2引取機52によって繰出し、拡径コア62aの内
部に挿入して、発泡チューブ2が被覆されたパイプ11
を得た。続いて、軸方向中央部がテーパー状に凹んだ形
状の一対の回転可能な凹状ローラー63bにより拡径さ
れた発泡チューブ2の切れ目を突き合わせ方向に押圧す
ることにより、拡径コア62aで広げられた切れ目21
を閉じ、パイプ11を表皮層成形用押出機71に接続さ
れた表皮層成形用金型72の流路に連続的に挿入した。
なお、実施例1では、切れ目の融着は行わなかった。
【0137】一方、低密度ポリエチレン(日本ポリケム
社製;品番「LF440HB」)100重量部と顔料マ
スターバッチ(東洋インキ社製;品番「TET3MA1
070RG」)5重量部との混合物を原料ホッパー71
aから表皮層成形用押出機71に供給し、170℃で溶
融混練した。続いて表皮層成形用押出機71から表皮層
成形用金型72の樹脂供給路に表皮層形成用樹脂を導出
し、発泡チューブ2が被覆されたパイプ11のさらに外
周に表皮層13が200μmの厚みで被覆された被覆
イプ1が第3引取機73により引き取られ、巻取機によ
り巻き取られた。
【0138】(実施例2)発泡チューブ2被覆された
パイプ11を発泡チューブ縮径装置63に導入する前
に、切れ目融着工程を設け、熱風供給装置のヒーター温
度を200℃に設定して熱風ノズル81を通して切れ目
21の表層樹脂を連続的に溶融された後、発泡チューブ
縮径装置63に導入して切れ目21を連続的に融着させ
た以外は実施例1と同様にして被覆パイプを製造した。
実施例2では、切れ目21を連続的に融着させたので、
表皮層13の形成時に切れ目21が離れてしまうのを確
実に防止できた。
【0139】(実施例3)熱風供給装置のファンを10
秒おきにオン、オフして切れ目21を断続的に溶融させ
た後、発泡チューブ縮径装置63に導入して切れ目21
を断続的に融着させた以外は実施例2と同様にして被覆
パイプを製造した。実施例3では、切れ目21を断続的
に融着させたが、表皮層13の形成時に切れ目21が離
れてしまうのを確実に防止できた。
【0140】(実施例4)実施例4は、前記した第3実
施形態(図15)における製造装置を用いた。発泡チュ
ーブ2を予めリール等に巻き取っておき、図15に示す
ように、これらを巻き出し、引取機にて発泡チューブ2
を発泡体層形成工程部33へと送り出した以外は実施例
1と同様にして被覆パイプを製造した。予め発泡チュー
ブ2を製造してリール等に巻き取った発泡チューブ2を
用いたので、切れ目21の形成時における発熱を発泡チ
ューブ2をインラインで製造するものに比べて少なくす
ることができ、切れ目形成時のラインスピードを上げる
ことができた。
【0141】(実施例5)実施例5は、前記した第4実
施形態(図16)における製造装置を用いた。予め成形
されたパイプを繰出さずに、図16に示すように、並列
に配置された押出しラインで外径17mmのポリエチレ
ンパイプを製造し、第2引取機52により連続的に発泡
体層形成工程部33へ送り出した以外は実施例1と同様
にして被覆パイプを製造した。パイプ11と発泡チュー
ブ2をインラインで行えるので、製造コストを低廉化が
図れた。
【0142】(比較例)特開昭61−293825号公
報に開示されている実施例1における断熱パイプの製造
方法により断熱パイプを製造した。比較例では、パイプ
として外径17mmの架橋高密度ポリエチレンパイプを
使用した。
【0143】発泡体層を形成するための樹脂組成物とし
ては、低密度ポリエチレン100重量部と、発泡剤のP
−P'−オキシビス−(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)を1.5重量部の混合物を使用した。表皮層を形成
するための樹脂組成物としては、高密度ポリエチレン1
00重量部とカーボンブラック2.0重量部の混合物を
使用した。
【0144】そして、長ランドダイスを用いて、長ラン
ドダイス内にパイプを通過させながら、押出機により発
泡体層形成用樹脂組成物と表皮層形成用樹脂組成物とを
ヘッドに同時に供給しながら、ヘッドおよび長ランドダ
イス内にパイプを通過させて、パイプ外周に発泡体層と
表皮層とを同時に形成した。
【0145】比較例により得られた被覆パイプの発泡体
層の厚みは3mmで、表皮層の厚みは0.2mmであっ
た。その結果、発泡倍率が約2倍の被覆パイプしか得ら
れなかった。
【0146】さらに、図6および図7に示す拡径コア6
2aを用いた場合と、図8に示す拡径コア62aを用い
た場合の発泡チューブ2の収縮状態を比較してみた。図
6および図7に示す拡径コア62aを用いた場合は、切
れ目形成直前の発泡チューブのチューブ長さ(1000
mm)に対して被覆パイプ形成後の被覆パイプを切断し
たときの切断端部における収縮寸法が15mmであった
のに対し、図8に示す拡径コア62aを用いた場合は、
切れ目形成直前の発泡チューブのチューブ長さ(100
0mm)に対して被覆パイプ形成後の被覆パイプを切断
したときの切断端部における収縮寸法が1mmであっ
た。
【0147】以上の結果から、図8に示すように、拡径
コア62aに発泡チューブ2内面との接触面積を小さく
するための凹部62gを形成することにより発泡チュー
ブ2の摩擦熱による伸びを軽減させられ、被覆パイプ形
成後の発泡チューブ2の収縮を抑えることができた。
【0148】
【発明の効果】以上のように、本発明の被覆パイプによ
れば、発泡体層が筒状に形成されており、筒状発泡体層
には、パイプを筒内部に挿入するための長手方向に延び
る切れ目が形成され、切れ目を有する発泡体層の外周に
連続した表皮層を形成しているので、均一に高発泡した
発泡体層が得られながら、被覆パイプ同士の接続作業な
ど、被覆パイプの軸方向端部において発泡体層をパイプ
から取り除かなくてはならない場合には、切れ目部分か
ら発泡体層を容易に剥離することができるので、被覆
イプの接続作業も容易になる。
【0149】さらに、本発明の製造方法および製造装置
によれば、パイプの外周に、均一に高発泡した発泡体層
被覆させることができ、さらに、その外周に表皮層が
被覆された被覆パイプを効率良く、安価に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる被覆パイプを製
造するための製造装置の全体構成図を示す。
【図2】本発明の被覆パイプの製造方法における、発泡
チューブ製造工程で製造された発泡チューブの断面図で
ある。
【図3】本発明の被覆パイプの製造方法における、スリ
ット形成工程で切れ目が形成された状態の発泡チューブ
の断面図である。
【図4】本発明の被覆パイプの製造方法における、パイ
プ挿入工程においてパイプが発泡チューブ内に挿入され
た後に縮径工程を経てパイプの外周に発泡体層が形成さ
れた状態のパイプ断面図である。
【図5】本発明の被覆パイプの製造方法で製造された
パイプの断面図である。
【図6】被覆パイプを製造するための製造装置における
切れ目形成装置およびパイプ挿入装置の拡径コアを示す
斜視図である。
【図7】被覆パイプを製造するための製造装置における
切れ目形成装置の他の実施形態およびパイプ挿入装置の
拡径コアを示す斜視図である。
【図8】被覆パイプを製造するための製造装置における
パイプ挿入装置の拡径コアの他の実施形態を示す斜視図
である。
【図9】図8におけるX−X線断面図である。
【図10】被覆パイプを製造するための製造装置におけ
るパイプ挿入装置の拡径コアの他の実施形態(直線状の
拡径コア)を示す斜視図である。
【図11】被覆パイプを製造するための製造装置におけ
るパイプ挿入装置の拡径コアの他の実施形態(屈曲タイ
プの拡径コアで発泡チューブとパイプとを湾曲さらなが
ら嵌め合わす)を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態にかかる被覆パイプを
製造するための製造装置の全体構成図を示す。
【図13】第2実施形態にかかる製造装置に用いる発泡
チューブ縮径装置の凹状ローラーの断面図および熱風ノ
ズルの概略図を示す。
【図14】本発明の被覆パイプの製造方法における、パ
イプ挿入工程においてパイプが発泡チューブ内に挿入さ
れた後に縮径工程を経てパイプの外周に発泡体層が形成
された状態で、切れ目が融着された状態のパイプ断面図
である。
【図15】本発明の第3実施形態にかかる被覆パイプを
製造するための製造装置の全体構成図を示す。
【図16】本発明の第4実施形態にかかる被覆パイプを
製造するための製造装置の全体構成図を示す。
【符号の説明】 1 被覆パイプ 11 パイプ 12 発泡体層 13 表皮層 2 発泡チューブ 21 切れ目 31a 発泡チューブ製造工程部 41 発泡チューブ成形用押出機 42 発泡金型 61a,61i カッター刃 62a 拡径コア 63a 筒状体 71 表皮層成形用押出機 72 表皮層成形用金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 9/04 F16L 9/04 9/12 9/12 9/16 9/16 // B29K 105:04 B29K 105:04 B29L 23:00 B29L 23:00 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA02 BA04 BA15 CA07 CA52 CB04 CB14 CB24 CC18 DA15 DB02 4F100 AK06 AT00A AT00C BA03 BA10A BA10C CA01B DD31 DJ01B EH17 JJ02 4F207 AA07 AE02 AG03 AG08 AG20 KA01 KA11 KB11 KB26 KF02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイプ表面に発泡体層が形成され、さら
    に、発泡体層の外周に表皮層が形成された断熱パイプで
    あって、発泡体層が筒状に形成されており、筒状発泡体
    層には、パイプを筒内部に挿入するための長手方向に延
    びる切れ目が形成され、切れ目を有する発泡体層の外周
    に連続した表皮層を形成していることを特徴とする断熱
    パイプ。
  2. 【請求項2】筒状発泡体層の切れ目が断続的に融着され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の断熱パイプ。
  3. 【請求項3】パイプ表面に発泡体層が形成され、さら
    に、発泡体層の外周に表皮層が形成された断熱パイプの
    製造方法であって、発泡体層となる発泡チューブを連続
    的に供給しながら発泡チューブにチューブ長手方向に連
    続させて切れ目を入れるスリット形成工程と、切れ目の
    入った発泡チューブを拡径しながら、切れ目から発泡チ
    ューブ内にパイプを挿入するパイプ挿入工程と、パイプ
    が挿入された発泡チューブを縮径する発泡チューブ縮径
    工程と、パイプが挿入されて縮径された発泡チューブの
    外周に表皮層を形成する表皮層形成工程とにより断熱パ
    イプを製造することを特徴とする断熱パイプの製造方
    法。
  4. 【請求項4】スリット形成工程は、発泡チューブを連続
    的に供給するための、発泡チューブを単独で押出し成形
    する発泡チューブ製造工程を有していることを特徴とす
    る請求項3に記載の断熱パイプの製造方法。
  5. 【請求項5】発泡チューブ製造工程が、発泡チューブ成
    形用押出機から物理発泡剤が混入された溶融樹脂を押出
    して発泡チューブ成形用押出機に接続された発泡金型に
    送り、この発泡金型から大気圧に解放させて発泡チュー
    ブを製造するようにしていることを特徴とする請求項4
    に記載の断熱パイプの製造方法。
  6. 【請求項6】発泡チューブ成形用押出機内の溶融樹脂に
    供給される物理発泡剤が炭酸ガスであることを特徴とす
    る請求項5に記載の断熱パイプの製造方法。
  7. 【請求項7】発泡チューブ製造工程部で押出発泡成形さ
    れる発泡チューブの発泡倍率が5倍以上であることを特
    徴とする請求項4から請求項6の何れかに記載の断熱パ
    イプの製造方法。
  8. 【請求項8】スリット形成工程は、発泡チューブおよび
    /又は切れ目形成用のカッター刃の冷却を行う冷却工程
    を有していることを特徴とする請求項3から請求項7の
    何れかに記載の断熱パイプの製造方法。
  9. 【請求項9】パイプ挿入工程は、発泡チューブの送り方
    向上流側が先細り状となったテーパーを有する拡径コア
    に、切れ目の入った発泡チューブを導入して、発泡チュ
    ーブを搬送しながら拡径させるとともに、搬送される発
    泡チューブ内に広げられた切れ目からパイプを挿入する
    ことを特徴とする請求項3から請求項8の何れかに記載
    の断熱パイプの製造方法。
  10. 【請求項10】パイプ挿入工程は、拡径される発泡チュ
    ーブを冷却する冷却工程を有していることを特徴とする
    請求項3から請求項9の何れかに記載の断熱パイプの製
    造方法。
  11. 【請求項11】発泡チューブ縮径工程は、発泡チューブ
    の送り方向下流側が先細り状となった筒状体内部に、パ
    イプが挿入された発泡チューブを送り込んで、発泡チュ
    ーブの切れ目部分を接合させて発泡チューブを縮径する
    ことを特徴とする請求項3から請求項10の何れかに記
    載の断熱パイプの製造方法。
  12. 【請求項12】発泡チューブ縮径工程は、軸方向中央部
    が凹んだテーパー状の外周面を有する回転可能な1対の
    ローラーを用い、2つのローラーの間に拡径された発泡
    チューブを導入して、ローラー対により発泡チューブの
    切れ目の対向面を付き合わせる方向に押圧して発泡チュ
    ーブを縮径することを特徴とする請求項3から請求項1
    0の何れかに記載に断熱パイプの製造方法。
  13. 【請求項13】パイプ挿入工程より後で表皮層形成工程
    より前に、縮径された発泡チューブの切れ目の対向面同
    士を融着させる切れ目融着工程を有することを特徴とす
    る請求項3から請求項12の何れかに記載の断熱パイプ
    の製造方法。
  14. 【請求項14】切れ目融着工程は、発泡チューブの切れ
    目部分の表層樹脂を、熱風により溶融させて切れ目の対
    向面同士を融着させることを特徴とする請求項13に記
    載の断熱パイプの製造方法。
  15. 【請求項15】表皮層形成工程は、パイプが挿入されて
    縮径された発泡チューブを表皮層形成用金型に送り込む
    とともに、表皮層成形用押出機から溶融された表皮層形
    成用樹脂を表皮層形成用金型に押出して発泡チューブの
    外周に表皮層を形成することを特徴とする請求項3から
    請求項14の何れかに記載に断熱パイプの製造方法。
  16. 【請求項16】パイプ表面に発泡体層が形成され、さら
    に、発泡体層の外周に表皮層が形成された断熱パイプの
    製造装置であって、発泡体層となる発泡チューブを連続
    的に供給しながら発泡チューブにチューブ長手方向に連
    続させて切れ目を入れるスリット形成工程部と、切れ目
    の入った発泡チューブを拡径しながら、切れ目から発泡
    チューブ内にパイプを挿入するパイプ挿入工程部と、パ
    イプが挿入された発泡チューブを縮径する発泡チューブ
    縮径工程部と、パイプが挿入されて縮径された発泡チュ
    ーブの外周に表皮層を形成する表皮層形成工程部とを備
    えていることを特徴とする断熱パイプの製造装置。
  17. 【請求項17】パイプ挿入工程部は、発泡チューブの送
    り方向上流側が先細り状となったテーパーを有し、切れ
    目の入った発泡チューブを拡径させる拡径コアを備え、
    拡径コアは、外面に発泡チューブに非接触な凹部を備え
    るとともに、拡径により広げられた発泡チューブの切れ
    目から発泡チューブ内にパイプを挿入させるための案内
    通路を備えていることを特徴とする請求項16に記載の
    断熱パイプの製造装置。
  18. 【請求項18】パイプ挿入工程部は、拡径される発泡チ
    ューブを冷却する冷却機構を備えていることを特徴とす
    る請求項16または請求項17に記載の断熱パイプの製
    造装置。
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