JP2003128868A - ダイレクト蒸着用樹脂組成物、および、それを用いた成型品 - Google Patents
ダイレクト蒸着用樹脂組成物、および、それを用いた成型品Info
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Abstract
れ、しかも、高いレベルの耐衝撃性と耐候性とを有し、
PMMA樹脂やPC樹脂などの透明樹脂との熱板溶着性
にも優れたダイレクト蒸着用樹脂組成物、および、この
樹脂組成物を用いた成型品を提供する。 【解決手段】 本発明のダイレクト蒸着用樹脂組成物
は、3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原子がポ
リジメチルシロキサン中の全ケイ素原子に対し1モル%
以下(0を含む)であるポリオルガノシロキサンと(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体とからなる複合ゴム状
重合体(G)に、1種以上の単量体成分から構成される
ビニル系重合体がグラフト重合してなるグラフト共重合
体(A)を含むことを特徴とする。
Description
た成型品を得るために、表面処理やアンダーコートの付
与をすることなく、直接、真空蒸着法やスパッタリング
法などの金属化処理によりアルミニウムやクロム等の金
属層を形成させることが可能な、いわゆるダイレクト蒸
着用樹脂組成物、および、この樹脂組成物を用いた成型
品に関する。
塑性樹脂成型品は、意匠性やその他の機能性を高めるた
めに、銅やクロム、ニッケル等の金属層をメッキ表面処
理したり、アルミニウムやクロム等の金属層を真空蒸着
法やスパッタリング法等によって成型品表面に形成する
金属化処理が施される場合がある。
やスパッタリング法等により表面金属化処理するに際し
ては、成型品表面の凹凸をなくし平滑性を得るために、
塗装やプラズマ重合処理によりアンダーコート処理層を
形成し、その後、真空蒸着法等で金属層(厚み数十〜数
百nm)を形成する必要があった。そして、通常、その
後に金属層保護の目的でシリコン系等のトップコート層
を形成する。このように熱可塑性樹脂成型品の金属化処
理は多数の工程と専用の装置、高コストの処理剤を必要
とするものであったが、最近になってアンダーコート処
理層を形成する前処理工程を省いた、いわゆる「ダイレ
クト(直接)蒸着法」が行われている。
光輝性成形品の意匠性は、樹脂材料の種類や樹脂成型品
の表面状態によって大きく変動する。ダイレクト蒸着法
において、特に、表面曇りのない美麗な光輝外観を得る
ことは重要な課題の一つであった。
001−2869号公報に、特定の粒子径分布を有する
ゴム質重合体(ポリオルガノシロキサン系重合体、アク
リル酸エステル重合体等)にビニル系単量体(スチレ
ン、アクリロニトリル)をグラフト重合してなるゴム含
有グラフト共重合体と、芳香族ビニル系単量体とシアン
化ビニル系単量体と必要に応じて用いられる他の共重合
可能な不飽和単量体とを共重合してなる硬質共重合体と
を含有するダイレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成
物が開示されている。
プランプ、ヘッドランプ等は、PMMA(ポリメチルメ
タクリレート)樹脂やPC(ポリカーボネート)樹脂等
の透明樹脂からなるレンズと、それを支持するハウジン
グとから概略構成されている。近年、このような自動車
用ランプハウジングは、屋外で日光に曝されることが多
いため、耐候性に優れた材料が望まれている。また、透
明樹脂からなるレンズとハウジングとを接合するにあた
り、両者の接合すべき接着部分に加熱した熱板を数秒間
押し当ててともに加熱溶融し、速やかに熱板を取り去っ
て両者を接合する、いわゆる熱板溶着法が一般的になり
つつある。熱板溶着法では、両材料それぞれの一部が高
温の熱板に付着し、熱板を取り去る際に糸を引く現象が
生じることがあり、これらの材料を使用するにあたって
はこの糸曳き性が少ないことが重要である。
開平10−310676号公報に、架橋アクリルゴム、
ポリオルガノシロキサン系ゴムからなる群より選ばれた
少なくとも一種のゴム質重合体の存在下に、シアン化ビ
ニル単量体、芳香族単量体、(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体、他のビニル単量体から選ばれた少なくとも1
種からなる単量体単位をグラフト重合して得られるグラ
フト重合体10〜100重量部と、芳香族ビニル系単量
体単位、シアン化ビニル系単量体単位、他のビニル系単
量体単位からなる共重合体0〜90重量部からなること
を特徴とする熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物が開示され
ている。
公報に開示されているダイレクト蒸着性に優れた熱可塑
性樹脂組成物では、近年の高い光輝性に対する要求レベ
ルに対しては必ずしも十分とはいえない。さらには、自
動車用ランプハウジング等の用途において、成型品に対
して高レベルの耐候性を兼備する必要が出てきている。
特開2001−2869号公報において特定に提案され
ている大粒子径ゴム成分量をそれよりもさらに低減させ
ることでより高レベルな光輝性を発現することは可能と
なるが、その場合、耐衝撃性や耐候性の低下が顕著であ
ることが多く、ダイレクト蒸着処理による光輝性と耐衝
撃性、耐候性とを同時に満足するものとは言い難い。ま
た、熱板溶着性もあまりよくないことが多い。
実施例に開示されている熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性や耐候性は良好となるものの、アルミニウムやクロム
等の金属層をダイレクト蒸着法により形成した場合、十
分な光輝性が得られるとは必ずしもいえず、近年の要求
レベルには到達しないこともある。
蒸着後に美麗な光輝外観が得られ、しかも、高いレベル
の耐衝撃性と耐候性とを有し、PMMA樹脂やPC樹脂
などの透明樹脂との熱板溶着性にも優れたダイレクト蒸
着用樹脂組成物、および、この樹脂組成物を用いた成型
品を提供することを目的とする。
に鑑み鋭意検討した結果、特定の複合ゴム状重合体を含
有するグラフト共重合体を用いることによって上記課題
が解決できることを見出し、本発明に到達した。
発明により解決できる。
ケイ素原子がポリジメチルシロキサン中の全ケイ素原子
に対し1モル%以下(0を含む)であるポリオルガノシ
ロキサンと(メタ)アクリル酸エステル系重合体とから
なる複合ゴム状重合体(G)に、1種以上の単量体成分
から構成されるビニル系重合体がグラフト重合してなる
グラフト共重合体(A)を含むことを特徴とするダイレ
クト蒸着用樹脂組成物。
シアン化ビニル化合物または(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルのいずれか一種以上を含む単量体を重合して
得られるビニル系(共)重合体(B)を含む前記(1)
のダイレクト蒸着用樹脂組成物。
00質量部と、ビニル系(共)重合体(B)95〜0質
量部(合計100質量部)とを含む前記(1)または
(2)のダイレクト蒸着用樹脂組成物。
またはポリエステル(C)を含む前記(1)または
(2)のダイレクト蒸着用樹脂組成物。
0質量部と、ビニル系(共)重合体(B)75〜0質量
部と、ポリカーボネートおよび/またはポリエステル
(C)95〜20質量部(合計100質量部)とを含む
前記(4)のダイレクト蒸着用樹脂組成物。
ム状重合体中、粒子径500nm以上のゴム状重合体の
割合が4質量%未満である前記(1)〜(5)のいずれ
かのダイレクト蒸着用樹脂組成物。
イレクト蒸着用樹脂組成物を成形してなる成型品。
処理されている前記(7)の成型品。
性樹脂組成物は、3個以上のシロキサン結合を有するケ
イ素原子がポリジメチルシロキサン中の全ケイ素原子に
対し1モル%以下(0を含む)であるポリオルガノシロ
キサンと(メタ)アクリル酸エステル系重合体とからな
る複合ゴム状重合体(G)に、1種以上の単量体成分か
ら構成されるビニル系重合体がグラフト重合してなるグ
ラフト共重合体(A)を含むものである。また、必要に
応じて、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合
物または(メタ)アクリル酸アルキルエステルのいずれ
か一種以上を含む単量体を重合して得られるビニル系
(共)重合体(B)、ポリカーボネートおよび/または
ポリエステル(C)を含有させてもよい。
成型品は、アンダーコート処理層の形成等の特殊な前処
理を行うことなく、真空蒸着法やスパッタリング法によ
ってアルミニウムやクロム等の金属層を成型品表面に形
成する表面金属化処理を行うことができる。このダイレ
クト蒸着法により得られる光輝性成型品は、本発明の熱
可塑性樹脂成型品の表面平滑性が優れているので、表面
曇りのない美麗な光輝外観をしている。
樹脂組成物は、耐衝撃性、耐候性ともに優れている。
塑性樹脂組成物からなる成型品は、PC樹脂やPMMA
樹脂等の透明樹脂と熱板溶着法によって接合することが
可能である。しかも、その際の糸曳き現象はほとんど生
じず、接合部の外観に優れ、また、接合強度も充分高
い。
は、例えば、車両用ランプハウジング等に好適で、本発
明によって光輝性、外観、耐候性、耐衝撃性に優れた車
両用ランプを効率よく生産することができる。
可塑性樹脂組成物は、後述するグラフト共重合体(A)
を含有するものであり、必要に応じてさらに、芳香族ア
ルケニル化合物、シアン化ビニル化合物または(メタ)
アクリル酸アルキルエステルのいずれか一種以上を含む
単量体を重合して得られるビニル系(共)重合体
(B)、ポリカーボネートおよび/またはポリエステル
(C)を含有させてもよい。
成物の衝撃強度、耐候性、ダイレクト蒸着後の光輝性が
優れているので、合計を100質量部としたときに、グ
ラフト共重合体(A)5〜100質量部、ビニル系
(共)重合体(B)95〜0質量部であること、また、
グラフト共重合体(A)5〜80質量部、ビニル系
(共)重合体(B)75〜0質量部、ポリカーボネート
および/またはポリエステル(C)95〜20質量部で
あることが好ましい。中でも、ビニル系(共)重合体
(B)を使用する場合、20質量部以上、特に30質量
部以上であることが好ましく、また、90質量部以下、
特に80質量部以下であることが好ましい。また、ポリ
カーボネートおよび/またはポリエステル(C)を使用
する場合、20質量部以上、特に30質量部以上である
ことが好ましく、また、90質量部以下、特に80質量
部以下であることが好ましい。
物には、本発明の目的とする諸性能を著しく妨げない範
囲において、後述するその他の熱可塑性樹脂を配合して
もよい。
(A)は、3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原
子がポリジメチルシロキサン中の全ケイ素原子に対し1
モル%以下(0を含む)であるポリオルガノシロキサン
と(メタ)アクリル酸エステル系重合体とからなる複合
ゴム状重合体(G)に、1種以上の単量体成分から構成
されるビニル系重合体がグラフト重合することにより得
られるものである。グラフト共重合体(A)は単独で使
用しても、二種以上を併用してもよく、用途によって任
意に選択できる。
成するポリオルガノシロキサンは、3個以上のシロキサ
ン結合を有するケイ素原子がポリジメチルシロキサン中
の全ケイ素原子に対し1モル%以下(0を含む)であ
る。1モル%以下であった場合には、最終的に得られる
熱可塑性樹脂組成物の衝撃強度に優れる。また、得られ
る熱可塑性樹脂組成物の衝撃強度とダイレクト蒸着後の
光輝性がともに良好となることから、0.8モル%以下
であることがさらに好ましい。
するポリオルガノシロキサンを用いることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン中のビニル重合性官能基を含有
するシロキサン単位は、ポリオルガノシロキサンと(メ
タ)アクリル酸エステル系ゴムとの複合化が十分にで
き、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物成形品の表面
においてポリオルガノシロキサンがブリードアウトする
ことがほとんどなく、成形品のダイレクト蒸着後の光輝
性が良好となるので、0.3モル%以上であることが好
ましい。また、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性とダイレクト蒸着後の光輝性がともに優れてい
るので、ポリオルガノシロキサン中のビニル重合性官能
基を含有するシロキサン単位は0.5モル%以上である
ことがさらに好ましい。
重合性官能基を含有するシロキサン単位は、最終的に得
られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が優れているの
で、3モル%以下であることが好ましい。また、最終的
に得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性とダイレクト
蒸着後の光輝性がともに優れているので、ポリオルガノ
シロキサン中のビニル重合性官能基を含有するシロキサ
ン単位は2モル%以下、特に1モル%以下であることが
さらに好ましい。
3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原子がポリジ
メチルシロキサン中の全ケイ素原子に対し1モル%以下
であり、ビニル重合性官能基を含有するシロキサン単位
0.3〜3モル%と、ジメチルシロキサン単位97〜9
9.7モル%とからなるポリオルガノシロキサンを用い
ることが好ましい。
るジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチル
シロキサン系環状体が挙げられ、3〜7員環のものが好
ましい。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン等が挙げられる。これらは、単独で、または、
二種以上を混合して用いられる。
るビニル重合性官能基を含有するシロキサンは、ビニル
重合性官能基を含有し、かつ、ジメチルシロキサンとシ
ロキサン結合を介して結合しうるものである。ジメチル
シロキサンとの反応性を考慮すると、ビニル重合性官能
基を含有する各種アルコキシシラン化合物を用いること
が好ましい。具体的には、β−メタクリロイルオキシエ
チルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラ
ン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチル
シラン等のメタクリロイルオキシシロキサン、テトラメ
チルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシ
ロキサン、p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラ
ン、さらにγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の
メルカプトシロキサンなどが挙げられる。これらビニル
重合性官能基を含有するシロキサンは、単独で、また
は、二種以上の混合物として用いられる。
に制限されないが、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成
物のダイレクト蒸着後の光輝性を高める目的から、質量
平均粒子径は600nm以下、特に200nm以下であ
ることが好ましい。
は、まず、ジメチルシロキサンとビニル重合性官能基を
含有するシロキサンとからなる混合物に、乳化剤と水と
を添加して乳化させ、ラテックスを得る。次いで、この
ラテックスを高速回転による剪断力で微粒子化するホモ
ミキサーや、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホ
モジナイザー等を使用して微粒子化させる。ホモジナイ
ザー等の高圧乳化装置を使用すると、ポリオルガノシロ
キサンラテックスの粒子径の分布が小さくなるので好ま
しい。そして、この微粒子化後のラテックスを酸触媒が
含まれる酸水溶液中に添加し、高温下で重合させる。重
合の停止は、反応液を冷却し、さらに苛性ソーダ、苛性
カリ、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性物質で中和する
ことにより行う。
サン混合物、乳化剤および水とともに酸触媒を混合する
方法でもよいし、シロキサン混合物が微粒子化したラテ
ックス中に高温の酸水溶液を一定速度で滴下する方法で
もよい。しかし、得られるポリオルガノシロキサンの粒
子径を制御しやすいことから、シロキサン混合物が微粒
子化したラテックスを高温の酸水溶液中に一定速度で滴
下する方法が好ましい。
乳化剤および水とともに混合、微粒子化させて重合する
場合は、2時間以上、特に5時間以上であることが好ま
しい。シロキサン混合物が微粒子化したラテックスを酸
触媒の水溶液中に滴下する方法では、ラテックスの滴下
終了後1時間程度保持することが好ましい。
℃以上であることが好ましい。なお、重合温度の上限は
特に規定されないが、通常、95℃程度である。
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のア
ニオン系乳化剤が好ましく、中でも、アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム
等のスルホン酸系の乳化剤が好ましい。これらの乳化剤
は一種を用いても二種以上を併用してもよい。乳化剤の
使用量は、通常、分散状態が安定していて微小な粒子径
の乳化状態を保てるので、シロキサン混合物100質量
部に対して0.05質量部以上であることが好ましく、
また、乳化剤そのものの色やそれに起因する熱可塑性樹
脂組成物の劣化によって成形品の色に影響を与えること
がほとんどないので、シロキサン混合物100質量部に
対して5質量部以下であることが好ましい。
る酸触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベン
ゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸等の
スルホン酸類や、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類が挙げら
れる。これらの酸触媒は一種を用いても二種以上を組み
合わせて用いてもよい。酸触媒としては、中でも、ポリ
オルガノシロキサンラテックスの安定化作用にも優れて
いるので、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、
n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。ま
た、n−ドデシルベンゼンスルホン酸と硫酸などの鉱酸
とを併用すると、ポリオルガノシロキサンラテックスに
用いた乳化剤の色が熱塑性樹脂組成物成形品の色に与え
る影響を小さく抑えることができる。その添加量は適宜
決めればよいが、通常、シロキサン混合物100質量部
に対して0.1〜20質量部程度である。
タ)アクリル酸エステル系重合体は、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル単量体、あるいは、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル単量体を1種以上含む単量体混合
物を重合して得られるものである。なお、(メタ)アク
リル酸エステル系重合体には、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル単量体以外の単量体が含まれていてもよ
い。
体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アル
キルエステルや、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ラウリル等のメ
タクリル酸アルキルエステルが挙げられる。中でも、得
られる樹脂組成物の耐衝撃性が優れているので、アクリ
ル酸n−ブチルを用いることが好ましい。これらは単独
で用いても、二種以上を併用してもよい。
できる。また、後述するように、グラフト交叉剤や架橋
剤を用いてもよい。
(G)を製造する方法としては特に制限されないが、ポ
リオルガノシロキサンと(メタ)アクリル酸エステル系
重合体との別々のラテックスをヘテロ凝集もしくは共肥
大化する方法や、いずれか1種以上のラテックス存在下
で他の1種以上の重合体を形成する単量体(混合物も含
む)を重合させて複合化させる方法等が挙げられる。中
でも、得られる樹脂組成物の耐衝撃性とダイレクト蒸着
後の光輝性に優れるので、ラテックス状のポリオルガノ
シロキサンの存在下で上記のような(メタ)アクリル酸
エステル単量体(混合物も含む)を重合させる方法が好
ましい。
剤を用いることも可能である。用いることのできるグラ
フト交叉剤、架橋剤としては、例えば、メタクリル酸ア
リル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリ
ル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコ
ールジエステル、ジメタクリル酸プロピレングリコール
ジエステル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコー
ルジエステル、ジメタクリル酸1,4−ブチレングリコ
ールジエステル等が挙げられる。これらは単独で用いて
も、二種以上を併用してもよい。その添加量は適宜決め
ればよいが、得られる樹脂組成物の耐衝撃性とダイレク
ト蒸着後の光輝性に優れるので、(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体(混合物も含む)100質量部に対して
0.3〜6質量部程度であることが好ましい。
テルと必要に応じてグラフト交叉剤や架橋剤とから構成
される単量体混合物を、ラテックス状態のポリオルガノ
シロキサンに一括して、または、連続的に、または、断
続的に供給してラジカル重合させることにより、ポリオ
ルガノシロキサン/(メタ)アクリル酸エステル系複合
ゴム状重合体(G)を得ることができる。
ルガノシロキサン/(メタ)アクリル酸エステル系重合
体の比率は、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が優れるの
で、ポリオルガノシロキサン1質量%以上、(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体(単量体混合物)99質量%
以下であることが好ましく、また、得られる樹脂組成物
の耐衝撃性とダイレクト蒸着後の光輝性とのバランスに
優れるので、ポリオルガノシロキサン90質量%以下、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(単量体混合物)
10質量%以上であることが好ましい。複合ゴム状重合
体(G)中のポリオルガノシロキサンの量がこの範囲に
あれば、得られる樹脂組成物は耐衝撃性とダイレクト蒸
着後の光輝性とに優れている。複合ゴム状重合体(G)
中のポリオルガノシロキサンの量は、2質量%以上、特
に3質量%以上であることがより好ましく、また、50
質量%以下、特に10質量%以下であることがより好ま
しい。
は特に限定されないが、得られる樹脂組成物のダイレク
ト蒸着後の光輝性外観が優れているので、好ましくは4
00nm未満、さらに好ましくは300nm以下であ
る。また、複合ゴム状重合体(G)の質量平均粒子径の
下限は特に規定されないが、通常、30nm程度であ
る。
品が得られるので、複合ゴム状重合体(G)を含む樹脂
組成物中の全ゴム状重合体100質量%あたり、粒子径
500nm以上のゴム状重合体の割合が、4質量%以下
(0質量%を含む)、特に3質量%以下、さらには2質
量%以下であることが好ましい。
ム状重合体(G)に、ビニル系単量体、好ましくは芳香
族アルケニル化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルまたはシアン化ビニル化合物のいずれか一種以上の
単量体成分を乳化グラフト重合して製造することができ
る。
物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルとしては、例えば、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート等が挙げられる。シアン化ビニル化
合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等が挙げられる。これらのうち、得られる熱可
塑性樹脂組成物の耐衝撃性が優れているので、単量体成
分として、スチレンとアクリロニトリルの混合物を用い
ることが好ましい。この混合物100質量%中のスチレ
ンの含有量は10質量%以上であることが好ましく、ま
た、90質量%以下であることが好ましい。一方、得ら
れる熱可塑性樹脂組成物のダイレクト蒸着後の光輝性に
優れているので、単量体成分としてメチルメタクリレー
トを単独、または、メチルメタクリレートを好ましくは
50質量%以上含む混合物を用いることが好ましい。
とビニル系単量体の質量割合は、最終的に得られる熱可
塑性樹脂組成物は耐衝撃性に優れ、また、ダイレクト蒸
着後の光輝性も良好なので、ゴム状重合体(G)が10
質量%以上、ビニル系単量体が90質量%以下であるこ
とが好ましい。また、乳化グラフト重合するゴム状重合
体(G)とビニル系単量体の質量割合は、最終的に得ら
れる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が優れているので、
ゴム状重合体(G)が80質量%以下、ビニル系単量体
が20質量%以上であることが好ましい。このような質
量割合で乳化グラフト重合すると、最終的に得られる熱
可塑性樹脂組成物の耐衝撃性と流動性、ダイレクト蒸着
後の光輝性が優れたものとなる。
(G)とビニル系単量体の質量割合は、ゴム状重合体
(G)が30質量%以上、ビニル系単量体が70質量%
以下であることが好ましく、また、ゴム状重合体(G)
が70質量%以下、ビニル系単量体が30質量%以下で
あることが好ましい。このような質量割合で乳化グラフ
ト重合すると、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物
は、良好な耐衝撃性と光輝性に優れたダイレクト蒸着外
観とをバランスよく発現する。
てラジカル重合を行うことにより製造することができ
る。また、単量体成分中には、グラフト率やグラフト成
分の分子量を制御するための各種連鎖移動剤、例えばメ
ルカプタン系化合物、テルペン系化合物、α−メチルス
チレン二量体等を添加してもよい。重合条件は特に限定
されず、必要に応じて適宜選択することができる。
アクリル酸エステル系重合体やグラフト重合体(A)を
製造する際に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸
化物、アゾ系開始剤または酸化剤・還元剤を組み合わせ
たレドックス系開始剤等を用いることができる。中で
も、レドックス系開始剤を用いることが好ましく、特に
硫酸第一鉄・ピロリン酸ナトリウム・ブドウ糖・ヒドロ
パーオキサイドや、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイ
ドを組み合わせたレドックス系開始剤を用いることが好
ましい。
アクリル酸エステル系重合体やグラフト重合体(A)を
製造する際に用いる乳化剤としては特に制限されない
が、乳化重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率が
高められるので、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリ
ウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウ
ム、ロジン酸石鹸等の各種カルボン酸塩、アルキル硫酸
エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル
ナトリウムなどのアニオン系乳化剤を用いることが好ま
しい。これらは目的に応じて使い分けられる。また、ゴ
ム状重合体の調製に用いた乳化剤をそのまま利用し、乳
化グラフト重合時に追添加しなくてもよい。
合体(A)ラテックスは、例えば、凝固剤を溶解させた
熱水中に投入することによってスラリー状態に凝析する
湿式法や、加熱雰囲気の中にグラフト共重合体(A)ラ
テックスを噴霧することによって半直接的にグラフト共
重合体(A)を回収するスプレードライ法などの方法に
より、グラフト共重合体(A)として回収できる。
酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸や、塩化カルシウ
ム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の金属塩など
を用いることができる。用いる凝固剤は重合で用いた乳
化剤と対にして選ばれる。すなわち、乳化剤として脂肪
酸石鹸やロジン酸石鹸等のカルボン酸石鹸のみが使用さ
れている場合にはどのような凝固剤を用いてもグラフト
重合体(A)を回収できるが、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムのような酸性領域でも安定な乳化力を示
す乳化剤が含まれている場合には上記無機酸では不十分
であり、凝固剤として金属塩を用いる必要がある。
ラフト共重合体(A)から乾燥状態のグラフト共重合体
(A)とするには、まず残存する乳化剤残渣を水中に溶
出させて洗浄し、次いで、このスラリーを遠心またはプ
レス脱水機等で脱水した後に気流乾燥機等で乾燥する方
法、圧搾脱水機や押出機等で脱水と乾燥とを同時に実施
する方法などのプロセスを経た後に、乾燥したグラフト
共重合体(A)を粉体または粒子状で得ることができ
る。また、この際、圧搾脱水機や押出機から排出された
ものを直接、熱可塑性樹脂組成物を製造する押出機や成
形機に送って成型品とすることも可能である。
ビニル系(共)重合体(B)は、芳香族アルケニル化合
物、シアン化ビニル化合物または(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルのいずれか一種以上を含む単量体(混合
物も含む)を重合して得られる(共)重合体である。ビ
ニル系(共)重合体(B)を含有させることにより、得
られる熱可塑性樹脂組成物の成形加工性を改良したり、
耐熱性を付与したり等の本発明の目的以外の効果を付与
することができ、その目的に応じて選択することができ
る。
香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル以外の単量体を含む単
量体混合物を重合して得られる共重合体であってもよ
く、例えば、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル
化合物およびN−置換マレイミドからなる単量体混合物
を重合して得られる共重合体であることも好ましい。
物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルとしては、前述のグラフト重合において用い
られるものと同様のものを用いることができる。
マレイミド系単量体、無水マレイン酸等が挙げられる。
マレイミド系単量体としては、例えば、マレイミド、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミド等が挙げられる。
体的には、アクリロニトリル−スチレン共重合体(SA
N)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹
脂、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MS)
樹脂、アクリロニトリル−αメチルスチレン共重合体
(αSAN)樹脂、スチレン−アクリロニトリル−N−
フェニルマレイミド三元共重合(SAM)樹脂、ポリス
チレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−メチルメタ
クリレート三元共重合体等の樹脂が好ましい。ビニル系
(共)重合体(B)は単独で用いても、二種以上を併用
してもよい。
の分子量のものを使用できる。
ポリカーボネート(C)は、ジヒドロキシジアリールア
ルカンから得られるものであり、任意に枝分かれしてい
てもよい。ポリカーボネート(C)を含有させることに
より、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱性や耐衝撃性
を向上させることができる。
キシ基に関してオルトの位置にアルキル基、塩素原子ま
たは臭素原子を有していてもよい。ジヒドロキシジアリ
ールアルカンとしては、4,4’−ジヒドロキシ−2,
2’−ジフェニルプロパン(ビスフェノールA)、テト
ラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が好ましい。
ものを使用することができる。
り製造でき、一般に、ジヒドロキシ化合物またはポリヒ
ドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反
応させることにより製造される。
ば、ジヒドロキシ化合物の一部、例えば0.2〜2モル
%をポリヒドロキシ化合物で置換することにより製造さ
れる。ポリヒドロキシ化合物としては、1,4−ビス
(4’,4,2−ジヒドロキシトリフェニルメチル)−
ベンゼン、フロロダルシノール、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテ
ン−2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒ
ドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ(4
−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、2,2−ビス
[4,4’−(4,4’−ジヒドロキシフェニル)シク
ロヘキシル]プロパン等が挙げられる。
も、二種以上を併用してもよい。
ポリエステル(C)は、ポリアルキレンテレフタレート
を主体とするものであり、炭素数8〜22個の芳香族ジ
カルボン酸と炭素数2〜22個のアルキレングリコール
またはシクロアルキレングリコールとからなるものを5
0質量%以上含むものであることが好ましい。ポリエス
テル(C)を含有させることにより、樹脂組成物の成形
加工性や耐薬品性を向上させることができる。
好ましくは80質量%以下の脂肪族ジカルボン酸、例え
ばアジピン酸やセバチン酸などを構成単位として含んで
いてもよい。また、ポリエステル(C)は、ポリエチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコールを構成単位
として含んでいてもよい。
エチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタ
レート等が特に好ましい。
を使用することができる。
種以上を併用してもよい。
ステルを用いる場合、各々を単独で使用してもよいし、
必要に応じて任意の比率で併用してもよい。
は、必要に応じて、本発明の目的とする諸性能を著しく
妨げない範囲においてその他の熱可塑性樹脂を配合する
ことができる。
れず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−
スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン(SB
R)、水素添加SBS、スチレン−イソプレン−スチレ
ン(SIS)等のスチレン系エラストマー、各種オレフ
ィン系エラストマー、各種ポリエステル系エラストマ
ー、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル
(変性PPE樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
PPS樹脂、PES樹脂、PEEK樹脂、ポリアリレー
ト、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロ
ン)など、また、本発明以外のABS樹脂やASA樹
脂、スチレン−アクリロニトリル−シリコーン(SA
S)樹脂が挙げられる。これらその他の熱可塑性樹脂
は、単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂組成物100質量部中80質量部以下であ
ることが好ましい。
共重合体(A)、必要に応じてビニル系(共)重合体
(B)、ポリカーボネートおよび/またはポリエステル
(C)、その他の熱可塑性樹脂をV型ブレンダーやヘン
シェルミキサー等により混合分散させ、この混合物を押
出機またはバンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール
等の混練機等を用いて溶融混練することにより製造でき
る。
で、または、必要に応じて染料、顔料、安定剤、補強
剤、充填材、難燃剤、発泡剤、滑剤、可塑剤等の添加剤
を配合した後、成形品の製造原料として使用することが
できる。この熱可塑性樹脂組成物は、射出成形法、押出
成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、カレンダー成形
法、インフレーション成形法等の各種成形方法によっ
て、目的の成形品とされる。
れた本発明の熱可塑性樹脂組成物の成型品は、前述の通
り、アンダーコート処理層の形成等の特殊な前処理を行
うことなく、真空蒸着法やスパッタリング法によってア
ルミニウムやクロム等の表面金属化処理することができ
る。この金属化処理された光輝表面はそのままでもよい
が、埃等によるキズの発生から保護するために、塗装な
どによりシリコン系等の被膜を形成させるトップコート
処理することも可能である。
工業的用途例としては、車両部品、特にヘッドランプや
テールランプのハウジング、照明機器ハウジング等の家
電部品、OA機器ハウジング、インテリア部材等が挙げ
られる。
らに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。なお、以下の実施例および比較例中の%
および部数は、明記しない限り質量基準とする。
に、 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.67部 イオン交換水 300部 からなる水溶液を添加し、ホモミキサーで10000回
転/分で2分間撹拌した後、ホモジナイザーに200k
g/cm2の圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノ
シロキサンラテックスを得た。
加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、 ドデシルベンゼンスルホン酸 10部 イオン交換水 90部 を投入し、10%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液
を調製した。
備混合したオルガノシロキサンラテックスを4時間にわ
たって滴下し、滴下終了後1時間その温度を維持した
後、40℃以下に冷却した。次いで、この反応物を苛性
ソーダ水溶液でpH7に中和し重合を完結した。
キサン(L−1)ラテックスを170℃で30分間乾燥
して固形分を求めたところ、17.7%であった。ま
た、ラテックス中のポリオルガノシロキサン(L−1)
の質量平均粒子径は50nm、粒子径500nm以上の
ゴム状重合体の割合はほぼ0%であった。また、ポリジ
メチルシロキサン中のビニル重合性官能基を含有するシ
ロキサン単位は0.65モル%、3個以上のシロキサン
結合を有するケイ素原子はポリジメチルシロキサン中の
全ケイ素原子に対し0モル%であった。
に、 ドデシルベンゼンスルホン酸 1部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 200部 からなる水溶液を添加し、ホモミキサーで10000回
転/分で2分間撹拌した後、ホモジナイザーに200k
g/cm2の圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノ
シロキサンラテックスを得た。
スを、冷却管、ジャケット加熱器および攪拌装置を備え
た反応器内に入れ、攪拌混合しながら80℃で5時間加
熱した後、約20℃に冷却し、そのまま48時間放置し
た。次いで、この反応物を苛性ソーダ水溶液でpH7.
0に中和し、重合を完結した。
キサン(L−2)ラテックスを170℃で30分間乾燥
して固形分を求めたところ、36.5%であった。ま
た、ラテックス中のポリオルガノシロキサン(L−2)
の質量平均粒子径は160nm、粒子径500nm以上
のゴム状重合体の割合は0.3%であった。また、ポリ
ジメチルシロキサン中のビニル重合性官能基を含有する
シロキサン単位は0.3モル%、3個以上のシロキサン
結合を有するケイ素原子はポリジメチルシロキサン中の
全ケイ素原子に対し1.5モル%であった。
−3)ラテックスの製造 製造例1の製造例において、用いるシロキサン混合物の
構成をオクタメチルシクロテトラシロキサン96部、γ
−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラ
ン2部、テトラエトキシシラン2部とした以外は同様に
して重合を行い、固形分17.3%、質量平均粒子径は
50nm、500nm以上の粒子径の割合はほぼ0%、
メタクリロシキシロキサン単位は0.7モル%、3個以
上のシロキサン結合を有するケイ素原子は1.2モル%
であった。
クリル酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(A−1)
の製造 試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装
置を備えた反応器内に、製造例1で製造した ポリオルガノシロキサンラテックス(L−1、固形分) 8部 エマールNC−35(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェ ート;花王(株)製) 0.2部 イオン交換水 148.5部 を仕込み、混合した後、 アクリル酸n−ブチル 42部 メタクリル酸アリル 0.3部 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 0.1部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.11部 からなる混合物を添加した。
て雰囲気の窒素置換を行い、内温を60℃まで昇温し、
その時点で、 硫酸第一鉄七水塩 0.000075部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.000225部 ロンガリット 0.2部 イオン交換水 10部 からなる水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。
アクリレート成分の重合により、液温は78℃まで上昇
した。1時間この状態を維持し、アクリレート成分の重
合を完結させてポリオルガノシロキサン(L−1)とア
クリル酸−n−ブチルゴムとの複合ゴム状重合体のラテ
ックスを得た。
0nmであり、また、この複合ゴム状重合体(固形分)
100質量%中、粒子径500nm以上のゴム状重合体
の割合は0.1%であった。
した後、この複合ゴムラテックスに、 ロンガリット 0.25部 イオン交換水 10部 からなる水溶液を添加し、次いで一段目として、 アクリロニトリル 2.5部 スチレン 7.5部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.05部 の混合液を2時間にわたって滴下し、重合した。滴下終
了後、温度60℃の状態を1時間保持した後、 硫酸第一鉄七水塩 0.001部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部 ロンガリット 0.2部 エマールNC−35(花王(株)製) 0.2部 イオン交換水 10部 からなる水溶液を添加し、次いで二段目として、 アクリロニトリル 10部 スチレン 30部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.2部 からなる混合物を2時間にわたって滴下し、重合した。
滴下終了後、温度60℃の状態を0.5時間保持した後 クメンヒドロパーオキシド 0.05部 を添加し、さらに温度60℃の状態を0.5時間保持し
た後、冷却し、ポリオルガノシロキサン(L−1)とア
クリル酸ブチルゴムとからなる複合ゴム状重合体に、ア
クリロニトリル、スチレンをグラフト重合させたグラフ
ト重合体ラテックスを得た。
部を60℃に加熱し、この中へグラフト重合体のラテッ
クス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出
物を脱水、洗浄、乾燥してポリオルガノシロキサン/ア
クリル酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(A−1)
を得た。
クリル酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(A−2)
の製造 製造例4において、一段目の混合物を、 アクリロニトリル 5部 スチレン 15部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.1部 に変更し、二段目の混合物を、 メタクリル酸メチル 28.5部 アクリル酸メチル 1.5部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.15部 に変更した以外は同様にして重合を行い、ポリオルガノ
シロキサン(L−1)とアクリル酸ブチルゴムとからな
る複合ゴム状重合体に、一段目にアクリロニトリルとス
チレン、二段目にメタクリル酸メチルとアクリル酸メチ
ルをグラフト重合させたグラフト重合体ラテックスを得
た。
水、洗浄、乾燥し、ポリオルガノシロキサン/アクリル
酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(A−2)を得
た。
クリル酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(A−3)
の製造 試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装
置を備えた反応器内に、製造例1で製造した ポリオルガノシロキサンラテックス(L−1、固形分) 2部 エマールNC−35(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェ ート;花王(株)製) 0.2部 イオン交換水 148.5部 を仕込み、混合した後、 アクリル酸n−ブチル 48部 メタクリル酸アリル 1.08部 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 0.36部 t−ブチルヒドロパーオキサイド 0.11部 からなる混合物を添加した。
て雰囲気の窒素置換を行い、内温を60℃まで昇温し、
その時点で、 硫酸第一鉄七水塩 0.000075部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.000225部 ロンガリット 0.2部 イオン交換水 10部 からなる水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。
アクリレート成分の重合により、液温は78℃まで上昇
した。1時間この状態を維持し、アクリレート成分の重
合を完結させてポリオルガノシロキサン(L−1)とア
クリル酸−n−ブチルゴムとの複合ゴム状重合体のラテ
ックスを得た。
5nmであり、また、この複合ゴム状重合体(固形分)
100質量%中、粒子径500nm以上のゴム状重合体
の割合は0.3%であった。
例4と同様にしてグラフト重合を行い、ポリオルガノシ
ロキサン(L−1)とアクリル酸−n−ブチルゴムとか
らなる複合ゴム状重合体に、アクリロニトリル、スチレ
ンをグラフト重合させたグラフト重合体ラテックスを得
た。
水、洗浄、乾燥し、ポリオルガノシロキサン/アクリル
酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(A−3)を得
た。
クリル酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(a−4)
の製造 試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装
置を備えた反応器内に、製造例2で製造した ポリオルガノシロキサンラテックス(L−2) (固形分として30部) 82.1部 追加イオン交換水(合計295部) 242.9部 を仕込み、窒素置換した後、50℃に昇温し、 アクリル酸n−ブチル 37.5部 メタクリル酸アリル 2.5部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.3部 からなる混合物を添加し、30分間攪拌した。次いで、 硫酸第一鉄七水塩 0.0003部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.001部 ロンガリット 0.17部 イオン交換水 5部 からなる水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。
その後、内温70℃で2時間保持し、アクリル酸エステ
ル成分の重合を完結させてポリオルガノシロキサン(L
−2)とアクリル酸ブチルとの複合ゴム状重合体ラテッ
クスを得た。
0nmであり、また、この複合ゴム状重合体(固形分)
100質量%中、粒子径500nm以上のゴム状重合体
の割合は3%であった。
下し、その後70℃で4時間保持して複合ゴム状重合体
へのグラフト重合を完結させた。
同量の12%塩化カルシウム水溶液(水温:60℃)中
に攪拌しながら投入し、その後、80℃にて5分間、さ
らに95℃にて5分間保持することにより凝固した。そ
して、析出物を分離し、洗浄、脱水処理した後、85℃
で24時間乾燥し、ポリオルガノシロキサン/アクリル
酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(a−4)を得
た。
クリル酸エステル複合ゴム系グラフト重合体(a−5)
の製造 製造例4において、用いるポリオルガノシロキサン(L
−1)を(L−3)に変更した以外は同様にして重合を
行い、ポリオルガノシロキサン/アクリル酸エステル複
合ゴム系グラフト重合体(a−5)を得た。
子径は120nmであり、複合ゴム状重合体100質量
%中の粒子径500nm以上のゴム状重合体の割合は2
%であった。
ラフト共重合体(a−6)の製造製造例4において、用
いる複合ゴム状重合体50部(固形分)をポリオルガノ
シロキサン(L−1、固形分)50部に変更した以外は
同様にして重合を行い、ポリオルガノシロキサン系グラ
フト共重合体(a−6)を得た。
(a−7)の製造 試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装
置を備えた反応器内に、 ポリブタジエンラテックス(質量平均粒子径120nm、粒子径500nm以 上の粒子の割合が0.2%、固形分) 50部 を室温で仕込み、 水(ゴム状重合体ラテックスに含まれる水を含む) 140部 ブドウ糖 0.6部 無水ピロリン酸ナトリウム 0.01部 硫酸第1鉄七水塩 0.005部 水酸化ナトリウム 0.1部 を添加し、攪拌下で窒素置換した後、50℃に昇温し
た。これに、 アクリロニトリル 15部 スチレン 35部 t−ドデシルメルカプタン 0.5部 クメンヒドロパーオキシド 0.3部 からなる混合物を180分かけて滴下し、その間内温が
65℃を越えないようにコントロールした。滴下終了
後、 クメンヒドロパーオキシド 0.12部 を添加し、さらに1時間保持して冷却した。
2%硫酸水溶液(水温:70℃)中に投入して凝固し、
さらに90℃に昇温して5分間保持した後、脱水、洗
浄、乾燥して乳白色粉末のジエン系グラフト重合体(a
−7)を得た。
フト共重合体(a−8)の製造 製造例4において、ポリオルガノシロキサン(L−1)
を使用せず、用いるアクリル酸−n−ブチルの量を50
部とした以外は同様にして重合を行い、アクリル酸エス
テル系グラフト共重合体(a−8)を得た。
は110nmであり、粒子径500nm以上の粒子の割
合はほぼ0%であった。
フト共重合体(a−9)の製造 固形分が35%のポリブタジエンラテックス(pH1
0、ゲル含量85%、質量平均粒子径80nm、固形
分)10部に、アクリル酸−n−ブチル単位81.5%
およびメタクリル酸単位18.5%から成る固形分33
%、質量平均粒子径80nmの酸基含有共重合体ラテッ
クス0.2部(固形分)を攪拌しながら添加し、30分
間攪拌を続け、質量平均粒子径380nmの肥大化ジエ
ン系ゴム状重合体ラテックスを得た。これに、 アルケニルコハク酸ジカリウム (花王(株)製ラテムルASK、実量として、以下同じ) 0.3部 水(肥大化ブタジエン系重合体ラテックス中の水を含む) 175部 を仕込み、これに攪拌下で、 アクリル酸n−ブチル 40部 メタクリル酸アリル 0.16部 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 0.08部 ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド 0.1部 からなる混合物を添加した。
て雰囲気の窒素置換を行い、60℃まで昇温した。内部
の液温が50℃となった時点で、 硫酸第一鉄七水塩 0.00015部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.00045部 ロンガリット 0.24部 水 5.0部 からなる水溶液を添加した後、内温を75℃に上昇さ
せ、ラジカル重合を開始させた。1時間この状態を維持
し、アクリル酸エステル成分の重合を完結させ、肥大化
ブタジエン系重合体とアクリル酸n−ブチルゴムとの複
合ゴム系ゴム質重合体のラテックスを得た。この複合ゴ
ム系ゴム質重合体ラテックスの質量平均粒子径は300
nm、粒子径500nm以上の粒子の割合が51%であ
った。
から5分後、 硫酸第一鉄七水塩 0.001部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部 ロンガリット 0.15部 水 5部 に溶解させた水溶液を添加し、次いで、 アクリロニトリル 6.3部 スチレン 18.7部 ターシャリーブチルヒドロパ−オキサイド 0.19部 ノルマルオクチルメルカプタン 0.014部 からなる混合液を1時間にわたって滴下し重合した。滴
下終了後、温度75℃の状態を10分間保持した後冷却
し、内温が60℃となった時点で、 抗酸化剤(川口化学工業(株)製アンテージW500) 0.2部 アルケニルコハク酸ジカリウム 0.2部 水 5部 からなる分散液を添加した。以上の操作により、肥大化
ブタジエン系重合体とアクリル酸n−ブチルゴムとの複
合ゴム系ゴム質重合体に、アクリロニトリル/スチレン
をグラフト重合させたグラフト共重合体のラテックスを
得た。
スの1.2倍量の45℃に加熱した硫酸0.6%水溶液
中に攪拌しながら投入し、重合体を凝析させた。次い
で、液温を65℃に上昇させ5分間保持した後、液温を
90℃まで上昇させた。次いで、析出物を分離した後、
この回収物を10倍量の水中に投入後10分間撹拌する
ことで洗浄処理を実施した。この分散液を遠心脱水機に
脱水処理し、さらに80℃で16時間乾燥し、グラフト
共重合体(a−9)を得た。
中の重合体の質量平均粒子径および粒子径分布は、MATE
C APPLIED SCIENCES社製サブミクロン粒度分布測定器C
HDF−2000を用いて測定した。
−1)の製造 メタクリル酸メチル99部およびアクリル酸メチル1部
からなり、N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25
℃で測定した還元粘度が0.25dl/gであるアクリ
ル樹脂(B−1)を公知の懸濁重合により製造した。
−2)の製造 アクリロニトリル29部およびスチレン71部よりな
り、N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25℃で測
定した還元粘度が0.60dl/gであるアクリロニト
リル−スチレン共重合体(B−2)を公知の懸濁重合に
より製造した。
−3)の製造 アクリロニトリル19部、スチレン53部およびN−フ
ェニルマレイミド28部よりなり、N,N−ジメチルホ
ルムアミド溶液から25℃で測定した還元粘度が0.6
5dl/gであるアクリロニトリル−スチレン−N−フ
ェニルマレイミド三元共重合体(B−3)を公知の連続
溶液重合により製造した。
−4)の製造 アクリロニトリル25部およびαメチルスチレン75部
よりなり、N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25
℃で測定した還元粘度が0.50dl/gであるアクリ
ロニトリル−αメチルスチレン共重合体(B−4)を公
知の連続溶液重合により製造した。
造例で製造したグラフト重合体(A−1)〜(A−
3)、(a−4)〜(a−9)、ビニル系(共)重合体
(B−1)〜(B−4)、ポリカーボネート(C−1、
三菱エンプラ(株)社製、商品名:ユーピロンS200
0F)、ポリエステル(C−2、三菱レイヨン(株)社
製、商品名:タフペットN1300)を表1、2に示す
配合で(表中の数値は質量基準)、さらに、エチレンビ
スステアリルアミドをこれらの樹脂成分100部に対し
て0.4部添加した後、ヘンシェルミキサーを用いて混
合し、この混合物をバレル温度230℃または260℃
に加熱した脱気式押出機(日本製鋼所(株)製TEX−
30)に供給し、混練してペレットを得た。
ようにして熱可塑性樹脂組成物のアイゾット衝撃強度、
耐候性、ダイレクト蒸着後の光輝性、熱板溶着性を測
定、評価した。その結果を表1、2に示す。
あり、1/4”厚みの試験片で、23℃雰囲気下、12
時間以上アイゾット試験片を放置した後に測定を行っ
た。
インウェザーメーター(スガ試験機(株)製)でブラッ
クパネル温度63℃、サイクル条件60分(降雨:12
分)にて1,000時間処理した。そして、その場合の
色差計で測定した変色の度合い(ΔE)により耐候性を
評価した。
シリンダー設定温度230℃、金型温度70℃、インジ
ェクションスピード99%の条件で、サンプルとして1
00mm×100mm×3mm板の成形を行った。次い
で、真空蒸着法により、真空到達度1×10-6Tor
r、電流値400mA、膜形成速度1.5nm/sで膜
厚約50nmのアルミニウム蒸着膜を形成した。そし
て、このアルミニウム蒸着膜上に、SiO2のトップコ
ート層を真空蒸着した。
型品について、反射率計((株)村上色彩技術研究所
「HR−100」)を用いて正反射率(%)および拡散
反射率(%)を測定し、光輝性の評価を行った。
しておき、この熱板に試験用シート(30mm×100
mm×3mm)を30秒接触させ、その後、試験用シー
トを垂直に引き上げ、その際の糸曳き長さを測定し、熱
板溶着性を評価した。糸曳き長さが1mm未満のものを
◎、1mm以上5mm未満のものを○、5mm以上のも
のを×とした。
用樹脂組成物は、アイゾット衝撃強度が高く、耐候性が
良好であり、また、ダイレクト蒸着後の拡散反射率が低
くて光輝性に優れるものであった。さらには、熱板溶着
の際の糸曳き長さが短く、熱板溶着性にも優れていた。
は、アイゾット衝撃強度、耐候性、ダイレクト蒸着後の
光輝性のいずれかの項目において劣るものであった。
り、また、実施例11および比較例8より、グラフト共
重合体(A)中に含まれるポリオルガノシロキサン中の
3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原子の比率が
大きくなるにしたがってダイレクト蒸着後の拡散反射率
が上昇し、光輝性が悪化する傾向があった。
全ゴム状重合体100質量%中の粒子径500nm以上
のゴムの比率が4質量%以下である場合には、これまで
知られてない高いアイゾット衝撃強度、耐候性、ダイレ
クト蒸着後の光輝性を発現できる。
麗な光輝外観が得られ、しかも、高いレベルの耐衝撃性
等の機械的強度と耐候性とを有し、PMMA樹脂やポリ
カーボネート樹脂などの透明樹脂との熱板溶着性にも優
れたダイレクト蒸着用樹脂組成物、および、この樹脂組
成物を用いた成型品を提供することができる。
後の光輝性のバランスは従来知られているゴム変性熱可
塑性樹脂組成物と比べて非常に優れており、本発明のダ
イレクト蒸着用樹脂組成物は各種工業用材料としての利
用価値が極めて高い。
Claims (8)
- 【請求項1】 3個以上のシロキサン結合を有するケイ
素原子がポリジメチルシロキサン中の全ケイ素原子に対
し1モル%以下(0を含む)であるポリオルガノシロキ
サンと(メタ)アクリル酸エステル系重合体とからなる
複合ゴム状重合体(G)に、1種以上の単量体成分から
構成されるビニル系重合体がグラフト重合してなるグラ
フト共重合体(A)を含むことを特徴とするダイレクト
蒸着用樹脂組成物。 - 【請求項2】 さらに、芳香族アルケニル化合物、シア
ン化ビニル化合物または(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルのいずれか一種以上を含む単量体を重合して得ら
れるビニル系(共)重合体(B)を含むことを特徴とす
る請求項1に記載のダイレクト蒸着用樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記グラフト共重合体(A)5〜100
質量部と、ビニル系(共)重合体(B)95〜0質量部
(合計100質量部)とを含むことを特徴とする請求項
1または2に記載のダイレクト蒸着用樹脂組成物。 - 【請求項4】 さらに、ポリカーボネートおよび/また
はポリエステル(C)を含むことを特徴とする請求項1
または2に記載のダイレクト蒸着用樹脂組成物。 - 【請求項5】 前記グラフト共重合体(A)5〜80質
量部と、ビニル系(共)重合体(B)75〜0質量部
と、ポリカーボネートおよび/またはポリエステル
(C)95〜20質量部(合計100質量部)とを含む
ことを特徴とする請求項4に記載のダイレクト蒸着用樹
脂組成物。 - 【請求項6】 複合ゴム状重合体(G)を含む全ゴム状
重合体中、粒子径500nm以上のゴム状重合体の割合
が4質量%未満であることを特徴とする請求項1〜5の
いずれかに記載のダイレクト蒸着用樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のダイレ
クト蒸着用樹脂組成物を成形してなる成型品。 - 【請求項8】 ダイレクト蒸着により表面が金属化処理
されている請求項7に記載の成型品。
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