JP2003120473A - 流体噴射弁のノズル若しくはオリフィスプレートの製造方法、及び流体噴射弁のノズル若しくはオリフィスプレート、並びに燃料噴射弁 - Google Patents

流体噴射弁のノズル若しくはオリフィスプレートの製造方法、及び流体噴射弁のノズル若しくはオリフィスプレート、並びに燃料噴射弁

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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 インジェクタのノズル部をプレス加工で成形
する。 【解決手段】 流体を計量するオリフィスを有するノズ
ルもしくわオリフィスプレートの製造方法において、前
記オリフィスの入り口側孔と出口側孔がプレスの剪断面
を有する孔で構成され、両孔のつなぎ面を有する孔で形
成されるノズル及びオリフィスプレートの製造方法にお
いて、第１工程でオリフィス出口側からプレスで孔加工
する。第２工程でオリフィス入口側からシート部を転写
成型する。第３工程でオリフィス入口側より打ち抜き加
工する。 【効果】生産性が向上し、燃料の計量が高精度になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は流体を噴射するノズ
ル若しくはオリフィスプレートに係わり、また流量を計
量するオリフィスを有するノズル若しくはオリフィスプ
レートの製造方法に係わり、更にこれを用いた燃料噴射
弁に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、ノズルやオリフィスプレートの製
造におけるオリフィスの加工方法としては、特開２００
１−９６１９６に記載されたようなオリフィス出口側か
らオリフィスと略同型のパンチで押し出し加工後、押し
出し部を機械加工によって削除する方法がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オリフ
ィス入口側は流量を計量する為の重要な形状であるた
め、上記従来技術では機械加工後、オリフィス入口側の
バリ取りが必要となる。機械加工により発生するバリは
高さ及び形状にバラツキがあり、バリ取りの際このバラ
ツキにより、バリ取り後の状態すなわちオリフィス入口
形状が安定しない。そのためにオリフィスの計量精度が
安定しない。
【０００４】ガソリン筒内噴射用燃料噴射弁は、噴射量
や噴霧の均質性に高性能化が要求されるため、ノズルの
高精度化が必要となる。
【０００５】この噴射量を決める重要な要素としてオリ
フィス入口形状があり、また噴射の均質性を決める噴射
形状を決める重要な要素としてオリフィス出口形状があ
り、これらの形状を安定させる事が必要である。
【０００６】また、別の高精度加工法として研削加工等
もあるが、加工時間が長くコスト高であるため、生産性
を向上できない。
【０００７】本発明の目的は、オリフィスの入口と出口
形状を高精度に安定化でき、かつ生産性の高いノズル若
しくはオリフィスプレートの加工方法、及び流体計量精
度が高精度なノズル若しくはオリフィスプレート、及び
それを備えた燃料噴射弁を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明になるノズル若しくはオリフィスプレート
はオリフィスの入口側及び出口側に内面がせん断面とな
る孔を備え、両者の間に破断面を有する計量オリフィス
孔を備える。
【０００９】また別の発明では、オリフィスの下流にパ
ンチで半抜き加工して孔を形成する第１工程と、オリフ
ィスの上流にシート面形状パンチによりシート部を転写
成形する第２工程と、中間プレート部をパンチで打ち抜
ぬく第３工程でノズル若しくはオリフィスプレートを形
成する。
【００１０】以上により塑性加工で成形したシート部、
及び入口側と出口側がせん断面で構成されるノズル若し
くはオリフィスプレートを得る。また別の発明では、こ
のようなノズル若しくはオリフィスプレートを備えた噴
料噴射弁を提供する。
【００１１】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に基づき説
明する。
【００１２】図１に本発明が実施される自動車のガソリ
ンエンジン用電磁式燃料噴射弁の縦断面図を示す。
【００１３】磁気回路はコア４１，ヨーク４２，可動弁
４３からなり、コア４１の内部には先端にバルブシート
４３ａを備えた可動弁４３を、ノズル部１０の弁シート
部１０ｃに押圧するスプリング４４，スプリング４４の
荷重を調整するアジャスタ４５，可動弁４３のストロー
クエンドとなるストッパ４６，燃料に旋回力を与えるス
ワラー１２，スワラー１２をノズル部１０に固定してい
るプレート１３，コア４１とヨーク４２との間から燃料
が漏洩するのを防ぎドライコイル構造を支えるリング４
７，磁気回路を励磁するコイル４８、及びコイル４８に
通電する端子ボビン４９から構成されている。
【００１４】本噴射弁はコイル４８に通電されると可動
弁４３がスプリング４４の付勢力に抗してコア４１の方
向に移動し、燃料はコア４１，アジャスタ４５，リング
４７，可動弁内４３ｂ，４３ｃ，ノズル１０ｂ，プレー
トの通路１３ｂを通り、スワラー溝１２ｂによって旋回
力を与えられオリフィス１１から噴射される。一方、コ
イル４８の電流を遮断した場合には、可動弁４３がスプ
リング４４の力で弁シート部１０ｃに当接し、閉弁状態
となる。
【００１５】以上述べたような構成からなる燃料噴射弁
本体１のノズル部１０及びオリフィス１１及び弁シート
部１０ｃが特に本発明の適用対象となる。以下その製造
方法について説明する。
【００１６】図２は本発明の実施例であって、図３に示
した燃料噴射弁のノズル部１０と弁シート部１０ｃの製
造工程を示す部分縦断面図である。
【００１７】（Ｉ）はノズル部１０のオリフィス１１と
弁シート部１０ｃ加工前のブランク形状を示しており、
（II）のようにダイス２１上にノズル部１０をセットし
た状態で、プレス装置によりノズル部１０の下流側から
パンチ２０の切り刃部２０ａでオリフィス１１を半抜き
加工し、最終的にオリフィス１１となる面を全せん断面
で高精度に形成する。
【００１８】次に弁シート部１０ｃをシート部成形パン
チ２３により転写成形する。この際、マンドレル２２を
前工程で半抜き加工したオリフィス１１にあてがう。
【００１９】これにより成形された材料がオリフィス出
口側に塑性流動するため、流動した材料分だけ、オリフ
ィス長さを長くすることができる。
【００２０】次に（IV）のように打抜きパンチ２４の切
り刃部２４ａによりオリフィス１１の打抜き加工を行
う。この際用いるパンチの切り刃部２４ａは、前記半抜
き加工で用いたパンチの切り刃部２０ａよりも径の小さ
いものとする。
【００２１】更にノズル部１０の耐久性を向上させるた
め、ノズル部１０に焼入れを施し、弁シート部１０ｃは
焼入れ後当り付け加工により仕上げ加工される。
【００２２】以上の工程により、図３に示すように上流
側と下流側がせん断面で構成され、その間に破断面を有
するオリフィス、及びシート部を有するノズルが製造で
きる。
【００２３】従って、本実施例におけるノズル製造方法
によれば、塑性加工による生産性を落とすことなく、高
精度，高品質のノズルの製造を行うことができる。
【００２４】この際、パンチ２０の切り刃部２０ａ寸法
とパンチ２４の切り刃部２４ａ寸法を同等にすることに
より、段差のないオリフィスを得ることも可能である。
【００２５】また、オリフィス入口がせん断面なので、
計量精度を安定化できる。
【００２６】その上、オリフィス出口側がせん断面なの
で噴霧を安定化できる。
【００２７】更に、（オリフィス長さ）／（オリフィス
径）＝２.４ を実現できる。
【００２８】尚、図４に示すようなオリフィスプレート
の製造においても本実施例は有効である。
【００２９】
【発明の効果】本発明によれば、オリフィスの上流側孔
・下流側孔をせん断面で加工したので形状精度の安定し
た高精度のノズル若しくはオリフィスプレートを得られ
る。また、別の発明では同時にシート成形を行うことが
出来るので生産性を上げることができる。更にこのよう
なノズル若しくはオリフィスプレートを用いて燃料噴射
弁を構成すれば燃料計量精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の電磁燃料噴射弁の縦断面図。
【図２】本発明のノズルの一実施例を示す部分断面図。
【図３】本発明のノズルの製造工程を説明する図。
【図４】本発明のオリフィスプレートの一実施例を示す
部分断面図。
【符号の説明】
１０…ノズル部、１０ｃ…弁シート部、１１…噴口（オ
リフィス）、１１ａ…第１せん断面、１１ｂ…第２せん
断面、１１ｃ…破断面、３０…オリフィスプレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郡司 賢一 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 河原 敬二 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 Ｆターム(参考） 3G066 AB02 BA51 BA55 CC06U CC14 CC21 CC43 CE22 4F033 AA13 BA03 CA01 DA01 EA01 KA02 MA00 NA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】流体を計量するオリィスを有するノズル若
    しくはオリフィスプレートの製造方法において、前記オ
    リフィスの入口側孔と出口側孔がプレスのせん断面を有
    する孔で構成され、両孔のつなぎ面を有する孔で形成さ
    れていることを特徴とするノズル及びオリフィスプレー
    ト。
  2. 【請求項２】請求項１において、オリフィスが少なくと
    も径の異なる２種類以上の孔を有することを特徴とする
    ノズル若しくはオリフィスプレート。
  3. 【請求項３】請求項１または２において、前記オリフィ
    ス入口側孔の長手方向寸法と前記オリフィス出口側孔の
    長手方向寸法が異なることを特徴とするノズル及びオリ
    フィスプレート。
  4. 【請求項４】請求項１において、前記オリフィス入口側
    孔の始端には可動弁と対峙し前記可動弁との間でシール
    機能を呈する為の円錐状のシート部を有することを特徴
    とするノズル若しくはオリフィスプレート。
  5. 【請求項５】ノズル部先端に燃料噴射用オリフィスを備
    えた燃料噴射弁の製造方法において、ノズルブランクに
    前記オリフィスの出口側から前記オリフィスと略同径の
    パンチで半抜き加工を行う第１の工程と、前記オリフィ
    ス入口側からシート面形状パンチにより前記ノズル素材
    の上面中央を加圧して、塑性流動により略円錐状のシー
    ト部を転写成形する第２の工程と、オリフィス入口側と
    なる前記シート部底面より、前記半抜き加工で用いたも
    のより径の小さいパンチで打ち抜き加工を行い、孔を貫
    通させる第３の工程によりオリフィスを形成することを
    特徴とするノズル若しくはオリフィスプレートの製造方
    法。
  6. 【請求項６】ノズル部先端に燃料噴射用オリフィスを備
    えた燃料噴射弁の製造方法において、前記オリフィス入
    口側からシート面形状パンチにより前記ノズル素材の上
    面中央を加圧して、塑性流動により略円錐状のシート部
    を転写成形する第１の工程と、前記シート部より前記オ
    リフィスと略同径のパンチで半抜き加工を行う第２の工
    程と、オリフィス出口側より、前記半抜き加工で用いた
    ものより径の小さいパンチで打ち抜き加工を行い、孔を
    貫通させる第３の工程によりオリフィスを形成すること
    を特徴とするノズルの製造方法。
  7. 【請求項７】流体を計量するオリフィスを有するノズル
    若しくはオリフィスプレートの製造方法において、ノズ
    ルブランクに前記オリフィスの出口側から前記オリフィ
    スと略同径のパンチで半抜き加工を行い、それによって
    出来た孔にマンドレルを挿入し、孔の内径精度を保ちつ
    つオリフィス入口側からシート面形状パンチにより前記
    ノズル素材の上面中央を加圧して、塑性流動によりシー
    ト部を転写成形する際、押出された材料をオリフィス出
    口側に流動させ、材料が流動した分だけ、オリフィス長
    さを長くしたことを特徴とするノズル若しくはオリフィ
    スプレートの製造方法。
  8. 【請求項８】弁体と協働して燃料通路を開閉するシート
    部と、当該シート部下流に形成された内周面がせん断面
    で形成された第１の孔と、この孔の下流に形成されたつ
    なぎ面で形成された計量オリフィスと、当該オリフィス
    下流に形成された内周がせん断面で形成された第２の孔
    を有する燃料噴射弁。
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