JP2003119125A - 角質荒れ改善シート - Google Patents

角質荒れ改善シート

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JP2003119125A
JP2003119125A JP2001335701A JP2001335701A JP2003119125A JP 2003119125 A JP2003119125 A JP 2003119125A JP 2001335701 A JP2001335701 A JP 2001335701A JP 2001335701 A JP2001335701 A JP 2001335701A JP 2003119125 A JP2003119125 A JP 2003119125A
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skin
keratin
acid
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pressure
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JP2001335701A
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Masahiro Nishikawa
昌弘 西川
Noriyuki Kita
紀之 喜多
Norio Iida
教雄 飯田
Satoyuki Ishikawa
聡之 石川
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、貼付剤の湿潤状態と皮膚の高水分
状態を長時間維持し皮膚の保湿性を高めることで角質の
荒れを改善する効果が高い角質荒れ改善シートを提供す
る。 【解決手段】非透湿性フィルム層と繊維層が積層された
支持体に粘着剤層が展延されている貼付剤であることを
特徴とする、角質荒れ改善シートとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角質荒れ改善シー
トに関する。特に、踵、肘、膝、指先、課などの角質ト
ラブルが多い部位に適用するための角質荒れ改善シート
に関する。
【0002】
【従来技術】健全な皮膚は十分な水分を含み、潤いと張
りのある外観を有する。乾燥、老化、細胞ターンオーバ
ーの不調等によって皮膚の保湿性が低下すると、その潤
いと張りが損なわれ、例えば、艶、透明感、きめなどの
肌質の劣化、あかぎれ、ひび、角質肥厚化、乾燥肌、乾
皮症、小じわ等の角質の荒れを呈する。従来、角質の荒
れを改善することを目的として、皮膚保湿性を高め、肌
に潤いを与える化粧水、クリーム、乳液等の皮膚外用組
成物が種々提案されている。それら従来の組成物は、皮
膚の保湿性を高めるために、角質改善剤あるいは保湿剤
として、動植物由来の水溶性成分、油脂類、アミノ酸お
よびその誘導体等のNMF(天然保湿因子)、ヒアルロ
ン酸およびその誘導体、ムコ多糖類、コラーゲン等の生
体高分子等が配合されている。しかしながら、化粧水、
乳液、クリーム等の従来の皮膚外用組成物は皮膚に対し
てある程度の保湿性向上効果が得られるものの、組成物
の乾燥や外部との接触、摩擦による皮膚上からの組成物
の消失など不具合点のため、皮膚保湿性の持続効果は十
分ではなく、効果的な角質の荒れ改善が得られ難い。こ
れら皮膚外用剤の不具合点を解消する角質改善シートと
して、角質改善薬を配合した粘着剤層を支持体に保持さ
せた皮膚貼付剤が開示されている(特開平11−147
820)。該発明によれば、固くなった角質や荒れた皮
膚部分へ直接に貼付でき、手袋や靴下への薬剤の付着も
なく、効率的に角質の荒れ改善が行える。また、種々の
保湿剤を粘着剤層に設けて皮膚に適用することで、貼付
剤剥離後の皮膚の保湿持続性を高める皮膚貼付剤が開示
されている(特開平10−236918号)。しかし、
上記貼付剤では、例えば一晩就寝中貼付した場合などの
長時間にわたる皮膚の保湿持続性、剥離後の保湿持続性
は十分ではなく、角質の荒れ改善は、十分な効果が発揮
されなかった。
【0003】艷、透明感、きめなどの肌質の劣化、あか
ぎれ、ひび、角質肥厚化、乾燥肌、乾皮症、小じわ等の
角質の荒れを改善するためには、その主たる原因である
皮膚の乾燥を防ぎ、十分な皮膚保湿性を保たせ、潤いと
張りのある健全な皮膚に回復させることが重要である。
そのためには、皮膚に貼付したとき、貼付剤の湿潤状態
および皮膚の高水分状態を十分長く維持して皮膚の保湿
性を高めることで、角質の荒れ改善が効果的に行われ
る。しかしながら、従来の粘着剤層に水分を含む貼付剤
は、支持体として密封効果のない不織布が用いられてお
り、皮膚から発散される水分を貼付剤内に捕捉すること
ができず外部に放出してしまい、また貼付時間の経過と
ともに、支持体の片面に設けられた粘着剤層を湿潤させ
た水分が支持体を通して外部に蒸散し、乾燥が進むこと
で、粘着剤層の湿潤状態および皮膚の高水分状態を長く
持続させることが困難となり、皮膚保湿性は低下してい
く。また粘着剤層の乾燥固化により、角質荒れ改善や保
湿性を高める成分の皮膚への移行・薬効作用が減衰し、
さらに粘着剤層の粘着力が低下して皮膚との密着性がな
くなり、粘着剤層から皮膚への水分供給ならびに皮膚か
ら蒸散される水分の捕捉、保持が十分行われず、皮膚保
湿性は一層低下していくこととなり、効果的な角質の荒
れ改善が期待できなくなる。また、粘着剤層に皮膚保湿
性を持続させるのに十分な水分を含まない貼付剤におい
ては、当初から皮膚保湿性による効果的な角質の荒れ改
善は十分には期待できない。従って、角質の荒れを改善
する貼付剤においては、皮膚に貼付したとき、貼付剤の
湿潤状態と皮膚の高保湿状態を長時間維持する角質荒れ
改善剤が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、貼付剤の湿
潤状態と皮膚の高水分状態を長時間維持し皮膚の保湿性
を高めることで角質の荒れを改善する効果が高い角質荒
れ改善シートを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、貼付剤に
よる皮膚保湿性の向上について鋭意研究を重ねた結果、
非透湿性フィルムと繊維層を積層した支持体を用いるこ
とによって、水分を透過させない支持体の密封効果によ
り、皮膚から発散される水分を皮膚貼付剤内に捕捉し
て、外部に放出することなく、また粘着剤層を湿潤させ
ている水分が外部に蒸散することなく、粘着剤層の湿潤
状態および粘着力を保持して、皮膚の高保湿状態が長く
持続することを可能とした。このことにより、本発明者
らは、皮膚保湿性の低下に起因する艷、、透明感、きめ
などの肌質の劣化、あかぎれ、ひび、角質肥厚化、乾燥
肌、乾皮症、小じわ等の角質の荒れを改善し、潤いと張
りのある健全な皮膚への回復が効果的に向上することを
見出した。
【0006】さらに、粘着剤層の湿潤状態と皮膚の高保
湿状態が長く持続することにより、粘着剤層に含まれる
角質改善剤、保湿剤の透過性および経皮吸収性を高い状
態で持続させることが可能となるため、粘着剤層に角質
改善成分、保湿成分、血流促進成分を組み合わせて含有
させることによって、上記に説明した角質の荒れ改善の
効果が格段に向上することを見出した。
【0007】すなわち、本発明は (1)繊維層と非透湿性フィルム層が積層された支持体
と粘着剤層とを有することを特徴とする角質荒れ改善シ
ート
【0008】(2)支持体の繊維層が、織布、不織布、
セルロース繊維、編布から選ばれる少なくとも一種以上
の繊維基材からなることを特徴とする(1)に記載の角
質荒れ改善シート (3)粘着剤層が、角質改善成分、保湿成分、血流促進
成分から選ばれる1種または2種以上を含有することを
特徴とする(1)または(2)に記載の角質荒れ改善シ
ート (4)踵、肘または膝用貼付剤であることを特徴とす
る、(1)〜(3)に記載の角質荒れ改善シート (5)含水系であることを特徴とする、(1)〜(4)
に記載の角質荒れ改善シートを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の角質荒れ改善シートに使
用される支持体は、非透湿性フィルム層と繊維層とが積
層されたシートである。本発明における非透湿性フィル
ムとは、透湿度がJIS一般試験法「防湿包装材料の透
湿度試験方法(カップ法)」条件Bで試験するときの透
湿度が0〜100g/m/24hrであるフィルムを
意味する。詳細には、前記試験において、40℃、90
%の相対湿度差で、面積1mの試料を24時間に通過
する水蒸気のg数を透湿度とする。
【0010】本発明の支持体に使用されるフィルムとし
ては、好ましくは透湿度0〜75g/m・24hr、
より好ましくは0〜50g/m・24hrであるフィ
ルムを使用する。フィルムの材質としては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ3フッ化塩化エチレ
ン、ポリエステル、塩化ビニリデン−塩化ビニル、ポリ
アミド等があげられる。好ましくは、ポリエチレン、ポ
リプロピレンである。
【0011】フィルムの厚さは、好ましくは200μm
以下、より好ましくは5〜150μm、特に好ましくは
10〜100μmである。この範囲で、湾曲した皮膚に
もフィットして、貼付中の剥離がない良好な角質荒れ改
善シートが得られる。
【0012】本発明の支持体に使用される繊維層として
は、織布、不織布、編布などがあげられる。好ましい繊
維は熱可塑性繊維あるいは熱可塑性繊維と非熱可塑性繊
維の混紡である。具体的には、熱可塑性繊維としては、
ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレ
タン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニ
トリル繊維、ガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。好
ましくは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレ
ン、である。これらの繊維は、単独で、あるいは2種以
上の混紡繊維として使用してもよい。非熱可塑性繊維と
しては、パルプ、アセテート、レーヨン、キュプラ、
麻、絹、綿、竹、羊毛等があげられる。
【0013】前記繊維は、太さ0.5〜50μm、好ま
しくは1〜20μmの繊維を用いて、目付け3〜500
g/m、好ましくは5〜200g/m、より好まし
くは10〜100g/mのシート状に加工したもので
ある。この範囲のものが、繊維層と粘着剤の投錨性が特
によく、また繊維層によるシート体のごわつきがないた
め、皮膚に貼付したときの使用感が優れ、貼付中の剥離
もないため、好ましい。
【0014】前記非透湿性フィルムとシート状繊維は熱
溶融により、あるいは接着剤により部分あるいは全面ラ
ミネートして積層体に一体化される。ラミネートする場
合は、例えば熱溶融法では、エキストルーションラミネ
ート、接着剤法では、ホットメルトラミネート、ドライ
ラミネート、ウェットラミネート(参考:「プラスティ
ックフィルム第二版、技報出版社」)が好ましく使用さ
れる。接着剤を用いて積層加工する場合、接着剤として
は、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ア
クリル、アミド、ゴム系、デンプン、カゼイン、酢酸ビ
ニルエマルジョン等などがあげられる。
【0015】本発明で使用される粘着剤層は、高分子化
合物を主剤とするゲル組成物である。粘着剤層は、実用
上、痒み、発赤等の皮膚一次刺激等に対する安全性が確
保され、皮膚への粘着性は所望する貼付時間内において
確実に皮膚に密着されるものが使用される。本発明の粘
着剤層としては、含水系粘着剤、非水系粘着剤のいずれ
でもよい。しかしながら、皮膚の保湿持続性の向上と角
質の荒れ改善効果を考慮すれば、粘着剤層にはより高い
湿潤状態が得られる含水系粘着剤が優れており、好まし
い。非透湿性フィルムの密封効果と含水系粘着剤層によ
る高湿潤状態により、より高い本発明の効果が得られ
る。
【0016】水溶性高分子化合物としては、例えばゼラ
チン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、カ
ルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ジメチルポリシロキサン、ポリエチ
レンオキサイド、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、カルボキシメチルセルロースカリウム、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロース、メタアクリル酸コポリマー、アルギン
酸ナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガ
ントガム、カラヤガム、無水マレイン酸共重合体等挙げ
られる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合
わせて使用することができるが、本発明の場合、特にポ
リアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアク
リル酸塩、それらの架橋物などのポリアクリル酸系高分
子化合物とカルボキシメチルセルロースナトリウムなど
のセルロース誘導体に他の高分子化合物を混合して用い
ることが望ましい。
【0017】ポリアクリル酸系高分子化合物を含有する
粘着剤は、高含水率の含水粘着剤が得られ、しかも皮膚
への粘着力に優れている。具体的には、ポリアクリル酸
として、分子量及び直鎖状、分岐鎖状いずれも使用する
ことができ、分子量1万〜1000万のものを用いるこ
とが好ましい。特に重量平均分子量が1万〜50万未
満、50万〜200万未満、200万〜400万の平均
分子量を有するポリアクリル酸を2種または3種以上組
み合わせると、使用感が向上するので好適である。
【0018】また、ポリアクリル酸塩としてはポリアク
リル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等のポリア
クリル酸の一価金属塩、ポリアクリル酸モノエタノール
アミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアク
リル酸トリエタノールアミン等のポリアクリル酸のアミ
ン塩、ポリアクリル酸のアンモニウム塩等の1種又は2
種以上が好適に使用し得る。
【0019】ここで、ポリアクリル酸とポリアクリル酸
塩との配合比(重量比)は1:0.1〜1:10、特に
1:0.2〜1:5とすることが好ましいが、ポリアク
リル酸又は塩を一部中和してポリアクリル酸塩が上記比
率になるようにしたものを用いても差し支えない。ま
た、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩の合計配合量
は組成物全体の0.5〜20%、特に1〜15%とする
ことが好ましく、0.5%未満では粘着力が不足する場
合があり、20%を超えると粘度が高くなり、製造時の
作業性に問題が生じることがある。
【0020】水性粘着基剤は、ポリアクリル酸とポリア
クリル酸塩とを適当な架橋剤を添加することにより架橋
したものを使用すると好適であり、このような架橋剤と
しては、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩とを架橋し
得る限り、その種類は特に制限されないが、特に、多価
金属化合物が好適に使用される。この場合、多価金属化
合物としてはマグネシウム化合物、カルシウム化合物、
亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、
チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マ
ンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等が使
用し得るが、皮膚に対する安全性を考慮するならば、ア
ルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化
合物等を用いることが好ましい。
【0021】アルミニウム化合物、マグネシウム化合物
及びカルシウム化合物としては、例えばカリウムミョウ
バン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョ
ウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫
酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウ
ム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、酸化アルミ
ニウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウ
ム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネ
シウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マ
グネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、
水酸化アルミナ・マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒ
ドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセ
テート、アルジオキサ、これらの金属を含む複塩等の水
溶性化合物、水難溶性化合物のうちの1種又は2種以上
を使用し得る。
【0022】好ましい架橋剤は、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒ
ドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセ
テート、メタケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウムである。上記架橋剤の好適な配合量は、その
種類により種々異なるが、組成物全体の0.001〜5
%が好ましく、特に0.01〜1%とすると、良好な凝
集力と粘着力が得られるため、好ましい。
【0023】上記架橋剤に加えて架橋調整剤を配合する
ことが好ましい。架橋調整剤としては、例えばクエン
酸、グリコール酸、グルコン酸、フマル酸、コハク酸、
リンゴ酸、酒石酸、乳酸、エデト酸二ナトリウム等を挙
げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適
宜組み合わせて使用することができる。架橋調整剤の配
合量は、適宜選定することができるが、含水粘着剤全体
の0.001〜10重量%程度が好適である。この範囲
で、良好な架橋速度に調整することが出来る。
【0024】上記の他、ポリアクリル酸とポリアクリル
酸塩との架橋体として配合することもできる。それらの
例としては、例えば特開昭59−110614号、同5
9−110616号、同59−110617号、同60
−99180号、同60−260512号、同60−2
60513号公報等に記載されたポリアクリル酸とポリ
アクリル酸塩との金属架橋体を含有する水性粘着基剤が
好ましく使用できる。また、カーボポール(商品名:米
国グッドリッチ社製)等のアクリル酸重合体を一部架橋
したものも好適に使用し得る。
【0025】セルロース誘導体としては、例えばカルボ
キシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ヒドロキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、メチルセルロース等の1種又
は2種以上が使用し得るが、特にカルボキシメチルセル
ロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウ
ム等のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が
好適に使用し得る。なお、セルロース誘導体を添加する
場合、その配合量は組成物全体の15%以下とすること
が好ましい。15%を超えると粘度が高くなり、製造時
の作業性に問題が生じる場合がある。また、50%を超
えると、水性粘着基剤の凝集力が低下し、剥離時に水性
粘着基剤が被着体に残る場合が生じる。
【0026】ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、セル
ロース誘導体の他の水溶性高分子物質として、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ペク
チン、ビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、
ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ム、キサンタンガム、トラガントなどを配合する場合、
その配合量は、貼付剤組成物全体の0〜10%とする
と、良好な硬さの粘着剤が得られるため好ましい。
【0027】上記水溶性高分子化合物の総量は、粘着剤
組成物の1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、
より好ましくは5〜30重量%が好ましい。この範囲
で、優れた凝集力と粘着性が得られ、製造性も良好であ
る。
【0028】含水系粘着剤の水分量は、粘着剤組成物中
10〜90%、好ましくは15〜80%、最も好ましく
は20〜70%である。この範囲で、清涼感など使用感
が良好で、保形性に優れた粘着剤が得られる。
【0029】非水系ゲル組成物とする場合、高分子化合
物としてはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、天然
ゴム、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合
体、ポリウレタン系重合体等、あげられる。重合性成分
としてはアクリル酸アルキルエステル等のモノマー、
(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルピロリドン、酢
酸ビニル等の単量体があげられる。
【0030】本発明で使用される粘着基剤は、上記成分
の他に、高吸水性高分子化合物、鉱物性粉末、界面活性
剤、可塑剤、多価アルコール、油分、粘着付与剤などを
含有することができる。
【0031】高吸水性高分子化合物としては、例えば架
橋ポリアクリル酸の部分中和物などのイオン性高吸水性
高分子、変性ポリアルキレンオキサイド、N−ビニルア
セトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体等のノニオン
性高吸水性高分子化合物があげられる。好ましいもの
は、ノニオン性高吸水性高分子化合物である。ノニオン
性高吸水高分子は、イオン濃度の高い水性液に対する吸
水能力が、イオン性のものに比しては高いため、イオン
濃度の高い製剤(例えば、ゲル状化粧料、医薬品、パッ
プ剤等)中で安定に多量の水を保持することが可能であ
る。
【0032】好ましい高吸水性高分子化合物は、サンウ
エットIM−1000(三洋化成、吸水能800倍)サ
ンフレッシュAT−35(三洋化成、吸水能800
倍)、アクアコーク(住友精化:吸水能30倍)、ノニ
オレックスNA−010(吸水能50倍)、ノニオレッ
クスNA−150(吸水能50倍)、ノニオレックスN
A−500(吸水能50倍)(昭和電工)等が、市販さ
れている。高吸水性高分子化合物の配合量は、好ましく
は組成物全体の0.1〜30%、より好ましくは0.5
〜15%である。
【0033】鉱物性粉末としては、例えばカオリン、ベ
ントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、酸化亜
鉛、酸化チタン、無水ケイ酸等が挙げられ、これらは1
種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用すること
ができる。鉱物性粉末の配合量は、適宜選定することが
できるが、通常、含水粘着剤全体の5重量%程度が好適
である。多すぎると展延できなくなる程、含水粘着剤の
硬度が硬くなる場合がある。
【0034】界面活性剤としては、親油型グリセリンモ
ノステアレート、自己乳化型グリセリンモノステアレー
ト、ポリグリセリンモノステアレート、ソルビタンモノ
オレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン化ステ
ロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、ポリオキシエ
チレン化蜜ロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の
ノニオン界面活性剤、ステアリン酸ナトリウム、パルミ
チン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウリルリン
酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン、ポ
リオキシエチレンラウリルリン酸ナトリウム、N−アシ
ルグルタミン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、塩
化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステ
アリルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性
剤、塩化アルキルアミノエチルグリシン液、レシチン等
の両性界面活性剤等を例示することができる。
【0035】好ましい界面活性剤の具体的な例として
は、POE(25)ラウリルエーテル、蔗糖脂肪酸エス
テル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソル
ビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノステアリン酸ソ
ルビタン、グリセリルモノオレート、ラウリン酸グリセ
リル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、モノラウリン酸ポリエ
チレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコ
ール、ミリスチン酸グリセリル、デカグリセリルモノオ
レート、ジグリセリルジオレート、ヘキサグリセリルモ
ノラウレート、プロピレングリコールモノステアレー
ト、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE
(60)ソルビットテトラオレート、POE(40)モ
ノステアレート、POE(10)オレイルエーテル、P
OE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(50)
硬化ひまし油、POE(5)オレイン酸アミド、オレイ
ン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミ
ドなどがあげられる。(上記表記において、POE(2
5)→25モルのエチレンオキシドを付加した構造であ
ることを示す) 界面活性剤は、好ましくは粘着剤組成物中に0.01〜
10%、特に好ましくは0.1〜5%含有させることが
できる。
【0036】多価アルコールとしては、例えばグリセリ
ン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、マルチトール、キ
シリトール等の1種又は2種以上を使用し得る。好まし
い多価アルコールはグリセリン、ソルビトール、ポリエ
チレングリコールである。なお、多価アルコールを添加
する場合、その配合量は組成物全体の配合量は、好まし
くは5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%
である。
【0037】粘着付与剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマ
ー、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒマシ油、アラビアゴム、キサンタン
ガム、アルギン酸ナトリウム、白色ワセリン、デキスト
リンなどがあげられる。含有量は0.01〜20%、特
に好ましくは0.1〜10%である。
【0038】本発明の角質荒れ改善シートの粘着剤に
は、上記基剤成分の他に、組織修復剤、抗炎症剤、皮膚
軟化剤等の角質改善成分、保湿成分、血流促進成分から
選ばれる薬効成分を含有することが好ましい。
【0039】組織修復剤としては、アラントインおよび
その誘導体、グリチルリチン酸、グルチルレチン酸およ
びその誘導体、アズレン、ε−アミノカプロン酸、甘
草、紫根、ヒノキチオール、アロエなどが挙げられる。
【0040】抗炎症剤としては、非ステロイド系抗炎症
剤、ステロイド系抗炎症剤が使用できる。
【0041】非ステロイド系抗炎症剤としては、サリチ
ル酸とその塩類、アスピリンなどのサリチル酸誘導体、
アセトアミノフェン、アミノピリン、アンチピリン、オ
キシフェンブタゾン、スルピリン、アンフェナックナト
リウム、インドメタシン、ジクロフェナックナトリウ
ム、フェルビナク、イブプロフェン、スリンダック、ナ
プロキセン、ケトプロフェン、スプロフェン、エトフェ
ナメート、サリチルアミド、トリエタノールアミンサリ
チレート、フルフェナム酸とその塩類及びその誘導体、
メクロフェナム酸とその塩類及びその誘導体、コルヒチ
ン、ブフェキサマック、イブフェナック、ロキソプロフ
ェン、フェンブフェン、ジフルニサル、アルクロフェナ
ック、フェニルブタゾン、メフェナム酸とその塩類及び
その誘導体、フェノプロフェン、ベンダザック、ピロキ
シカム、フルルビプロフェン、ザルトプロフェン、エト
ドラクなどが挙げられる。
【0042】ステロイド系抗炎症剤としては、アムシノ
イド、吉草酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロ
ン、吉草酸ベータメタゾン、酢酸ベータメタゾン、酢酸
デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベータメタゾン、デキ
サメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、リルシノニ
ド、ヒドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオ
シノニド、フルオシノロンアセトニド、フルオトメトロ
ン、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオ
ン酸クロベタゾール、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベ
タメタゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾ
ロンアセテート、酪酸ヒドロコルチゾン等が挙げられ
る。
【0043】皮膚軟化剤としては、サリチル酸、乳酸、
グリコール酸、ヒドロキノン、ヘパリン、コンドロイチ
ン硫酸などが挙げられる。
【0044】本発明の保湿剤としては、動植物由来成
分、油性成分、海藻抽出物、アミノ酸類等、およびこれ
らの混合物が用いられる。
【0045】動植物由来成分としては、乳酸塩、ピロリ
ドンカルボン酸塩、アミノ酸としてグリシン、アラニ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン等およ
びその塩、尿素、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイ
チン硫酸ナトリウム、アラントイン、ヘパリン、コラー
ゲン、エラスチン、乳清、大豆蛋白、アルギン酸ナトリ
ウム、ペクチン、カラギーナン、コメヌカエキス、アロ
エエキス、トレハロース、キチン誘導体、キトサン誘導
体、プラセンター、セラミド、大豆リン脂質、ベタイ
ン、甘草抽出末、コメヌカ発酵エキス、アラントインお
よびその誘導体、アルニカエキス、ビワ葉エキス、マロ
ニエエキス、ヨモギエキスなどがあげられる。
【0046】油性成分としては、ヒマシ油、オリーブ
油、カカオ油、パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホ
バ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類;
ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、
ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ
類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリ
ンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、
ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニ
ン酸等の天然および合成脂肪酸類;セタノール、ステア
リルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカ
ノール、ラウリルアルコール等の天然および合成高級ア
ルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸
イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイ
ン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエ
ステル類を例示することができる。
【0047】海藻抽出物としては、アオサ科、オゴノリ
科、テングサ科、ミリン科、コンブ科、アイヌワカメ
科、ホンダワラ科、ヒバマタ科、フノリ科、ヒトエグサ
科、ミル科、ウシケノリ科、スギノリ科、カギノリ科、
イバラノリ科、ナガマツモ科、モヅク科、ダービリア
科、レッソニア科およびダルス科に属する海藻の抽出物
があげられる。
【0048】その他、例えば乳酸塩、ピロリドンカルボ
ン酸塩、グリシン,アラニン,バリン,ロイシン,イソ
ロイシン,フェニルアラニン,トリプトファン,シスチ
ン,システイン,メチオニン,プロリン,ヒドロキシプ
ロリン,アスパラギン酸,グルタミン酸,アルギニン,
ヒスチジン,リジン及びこれらの誘導体、塩等のアミノ
酸類、尿素などがあげられる。
【0049】血流促進剤としては、酢酸トコフェロー
ル、酢酸レチノールなどがあげられる。好ましい角質荒
れ改善成分としては、グリコール酸、乳酸、サリチル
酸、グリチルレチン酸、アラントイン、ビタミンA、ビ
タミンEなどのビタミン類、トリメチルグリシン、海藻
抽出物、アロエ抽出物、オリーブ油、ホホバ油、シリコ
ン油などである。、
【0050】角質改善成分の含有量は、各成分の有効量
により、適宜調整されるが、皮膚への刺激、使用感の点
から、20%以下、好ましくは10%以下であることが
好ましい。
【0051】本発明の角質荒れ改善シートの粘着剤層に
は、前記成分の他、香料、色素、防腐剤などの添加物を
含有することができる。
【0052】香料は、製品の香気設計により植物精油な
どの天然香料、調合香料を使用できる。天然香料として
は、例えばアニス、アンジェリカ、安息香、イモーテ
ル、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナ
ム、キャラウェイ、キャロットシード、グアアックウッ
ド、グレープフルーツ、オレンジ、サイプレス、サンダ
ルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、
セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレ
ビン、トウヒ、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、
バーチ、パチュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブ
ラックペッパー、ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモ
ン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケ
ギク、モモ、ヤグルマギク、ユーカリ、ユズ、ラベンダ
ー、ウイキョウ、ダイウイキョウ、ケイヒ、チョウジ、
チアミン、テレビン、ヘノポジ、ヤマジン、トウカ、ベ
ルガモット、シトロネラ、ゼラニウム等のハーブ系精油
類またはエキス類があげられる。
【0053】調合香料は、各種香料成分を適宜組み合わ
せて調合される。香料成分としては、メントール、カン
フル、リモネン、リナロール、等のテルペノイド化合物
などがあげられる。香料の含有量は、0.0001〜1
質量%程度が好ましい。
【0054】色素としては、水溶性色素、有機顔料が好
ましく用いられる。これらの色素は、法定色素などから
適宜選択して使用することができる。含有量としては、
0.00005〜0.1%、特に0.0001〜0.0
1%程度が好適である。
【0055】防腐剤としては、メチルパラベン、プロピ
ルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル、塩化ベ
ンザルコニウムなどの4級カチオン、安息香酸塩、サリ
チル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、2,4,
4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエーテ
ル、3,4,4′−トリクロロカルバニリド、、ヒノキ
チオール、レゾルシン、エタノール等があげられる。防
腐剤の含有量は、粘着剤組成物中に0.01〜5質量%
が好ましい。
【0056】また、本発明の貼付剤は、下記に示す引き
剥がしゲル強度が、0.20kgf/25mm以上、好
ましくは0.25kgf/25mm以上、最も好ましく
は0.30kgf/25mm以上であることが好まし
い。本発明における引き剥がしゲル強度とは、縦方向1
00mm×横方向25mmのサイズに裁断された貼付前
の貼付剤を用いて、その形に合わせたろ紙上に化学反応
系接着剤(シアノアクリレート)を塗付した面と貼付シ
ート剤の粘着剤層面を貼り合わせ、2Kgのローラーで
接着し試験片とし、10分の放置後、引張試験機を用い
て、つかみ間隔50mm、引張速度100mm/mi
n.でろ紙と貼付シート剤支持体とを引き剥がすときの
強度(kgf/25mm)を測定した値である。具体的
には、以下の方法で測定する。 (a)測定は縦100mm×横25mmの短冊状に裁断
された貼付剤を用いる。 (b)貼付剤の形状に合わせたろ紙上に化学反応系接着
剤(シアノアクリレート)を飽和吸収量塗付し、塗布面
と貼付剤の粘着剤層面を貼り合わせ、2Kgのローラー
で接着する。 (c)10分放置後、引張試験機を用いて、つかみ間隔
50mm、引張速度100m/min.でろ紙と貼付剤
の支持体側とを各々反対方向に引っ張り、両者が剥がれ
たときの強度(kgf/25mm)を測定する。
【0057】上記範囲のゲル引張強度とすることによ
り、剥離時にゲル組成物の皮膚への残存がない良好なシ
ート剤が得られる。これは、非透湿性フィルム/繊維の
積層支持体を皮膚に貼付した場合の粘着剤層の高湿潤状
態に起因する粘着剤組成物の脆弱化、軟化が起きにくく
なるためと思われる。
【0058】このようなゲル物性は、高分子化合物の種
類、量、架橋剤の種類、量などを調整して得ることがで
きる。例えば、ポリアクリル酸系粘着剤の場合、高分子
化合物の量を5〜25質量%で調整する範囲では、高分
子化合物量が多いほうが、ゲル引張強度は高くなる傾向
がある。また、架橋剤は、0.05〜1質量%で調整す
る範囲では、架橋剤が多いほうが、ゲル引張強度は高く
なる傾向がある。その他、適切な高吸水性高分子化合物
を含有することにより、良好なゲル引張強度を得ること
もできる。
【0059】さらに、本発明の角質荒れ改善シートの皮
膚へ貼付する面には、粘着剤層の保護と使用性を目的と
して、使用時に剥離可能な保護シート(フェイシングシ
ート)で覆うことが好ましい。 フェイシングシートと
しては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、樹脂コーティング上質
紙、樹脂コーティンググラシン紙などが使用し得る。ま
た、フェイシングシートの片面あるいは両面には、コロ
ナ処理、シリコン処理など離型処理を施されていても良
い。フェイシングシートの厚さは、好ましくは500μ
m以下、特に好ましくは10〜200μmである。
【0060】本発明の角質荒れ改善シートの形状は、貼
付する箇所により、丸型、四角型、ロール状、シートに
切り込みや切り抜きが施された異形状等、任意に選択す
ることができる。
【0061】本発明の角質荒れ改善シートは、角質の荒
れを改善するためのシートであり、例えば、肌荒れ、あ
かぎれ、ひび、角質肥厚化、乾燥肌、乾皮症などの症状
に適用できる。
【0062】貼付する部位は特に限定されるものではな
く、角質の荒れ改善を必要とする皮膚表面、例えばかか
と、くるぶし、足裏、肘、膝などが挙げられる。本発明
の角質荒れ改善シートは、クリームや乳液などの塗布剤
のような塗布後のべたつきがないため、貼着した上に靴
下、手袋、下着等を着用することも可能である。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、貼付した状態では、非
透湿性フィルムを積層した水分を透過させない支持体の
密封効果により、粘着剤層に含まれる水分が外部に蒸散
することなく、また皮膚から発散される水分を皮膚貼付
剤内に捕捉して、粘着剤層の湿潤状態および粘着力が保
持される。その結果、皮膚の高保湿状態が長く持続し、
皮膚保湿性の低下に起因する艶、透明感、きめなどの肌
質の劣化、あかぎれ、ひび、角質肥厚化、乾燥肌、乾皮
症、小じわ等の角質の荒れを改善し、潤いと張りのある
健全な皮膚に回復させることが可能となる。
【0064】さらに、皮膚の高保湿状態が長く持続する
ことことにより、粘着剤に含まれる角質改善成分、保湿
成分、血流促進成分の経皮吸収が促進され、角質の荒れ
改善の効果が格段に向上する。
【0065】
【実施例】実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に
説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0066】各表に示す組成で、角質荒れ改善シートを
調製した。なお、表中でPETはポリエステル、PEは
ポリエチレン、PPはポリプロピレンを指す。常法によ
って各成分を混練して得た組成物を支持体上に700g
/mとなるように均一に塗布して、含水粘着剤層を形
成した後、その表面にフェイシングライナーとしてプラ
スティックフィルムを覆い被せて、角質荒れ改善シート
を調製した。
【0067】上記各貼付シート剤につき下記方法によ
り、角質荒れ改善効果として肌荒れ改善度、皮膚保湿能
を、粘着力として貼付性、ボールタック力を評価した。
さらに実施例については、凝集性として皮膚への膏体残
存性、引き剥がしゲル強度を評価した。
【0068】≪肌荒れ改善度≫かかとの角質化症状を伴
う20代から30代の20人の女性による使用テストを
行なった。シート剤は、かかとの様な湾曲した部位に万
遍なく覆い密着して貼れるように、角をを丸くした正方
形の四辺に凹部を設けた形状とした。夜、入浴後にシー
ト剤をかかとに貼り、翌朝剥がした後5分後と30分後
の皮膚の状態を調べた。
【0069】評価は以下の5段階評価基準にしたがい、
その評点の平均値によった。 5:荒れていない 4:やや荒れている 3:少し荒れている 2:かなり荒れている 1:非常に荒れている 実施例では比較例に比べて角質化した皮膚荒れの改善効
果が高いことがわかった。
【0070】≪皮膚保湿能≫ぬるま湯で被験者の左前腕
部内側を洗浄し、タオルで軽く拭き取った後、25℃・
50%RHの恒温恒湿下で30分間暴露させた。洗浄部
位に3cm×3cmの印をつけ、内側の任意5ヶ所につ
いて皮膚インピーダンスを測定した。この測定は、公知
の皮膚保湿能測定法(吉国ら、「皮膚保湿能とその測
定」、皮膚、第27巻・第2号、昭和60年4月参照)
に従って、皮膚角層水分量測定装置(アイ・ビイ・エス
株式会社製、MODEL SKICON?200)を用
い、測定周波数3.5MHzにて行なった。その平均を
「貼付前の皮膚インピーダンス[μS]」とした。次に
実施例および比較例に挙げた貼付シート剤を3cm×3
cmの大きさに切り、上記洗浄部位に6時間貼付し、剥
離5分後の皮膚インピーダンスを測定し、「剥離後の皮
膚インピーダンス[μS]」とした。貼付部位の皮膚保
湿能は次の式を用いて計算した。
【0071】
【式1】皮膚保湿能=[剥離後の皮膚インピーダンス]
−[貼付前の皮膚インピーダンス]
【0072】≪貼付性≫かかとの角質化症状を伴う20
代から30代の20人の女性による使用テストを行なっ
た。シート剤は、かかとの様な湾曲した部位に万遍なく
覆い密着して貼れるように、角をを丸くした正方形の四
辺に凹部を設けた形状とした。夜、入浴後にシート剤を
かかとに貼り、翌朝の剥がれ、捲れの状況を調べた。
【0073】評価は以下の5段階評価基準にしたがい、
その評点の平均値によった。 5:剥がれ、捲れがない 4:シート剤の周囲がやや捲れている 3:シート剤の周囲がかなり捲れている 2:シート剤が非常に捲れている 1:シート剤が皮膚から脱落している 各実施例は、透湿性支持体を用いた比較例に比べて皮膚
への粘着力持続性が高いことがわかった。
【0074】≪ボールタック力≫上記の貼付性試験に供
した剥離後の貼付シート剤を用い、JISZ0237粘
着テープ試験法に準拠する。傾斜角30°の試験器の斜
面上に粘着面を上に向けて置き、斜面の上部10cm、
下部15cmの部分を適当な紙で覆いテープ等で固定し
中央に50mmの粘着面を残す。斜面の上端より錆、脂
肪等の付着していない各種重量のスチールボールを転が
すとき、粘着面で5秒以上停止するスチールボールのう
ち最も重いサイズをボールタック値として貼付シート剤
の粘着力を評価した。 ボールタック値:1〜32で与えられ、1が最も軽く、
32が最も重い。従って、ボールタック値が大きいほど
粘着力が高い。実施例は、透湿性支持体を用いた比較例
に比べて一晩使用後も貼付シート剤の粘着力は高く維持
されていることがわかった。
【0075】≪皮膚への膏体残存性≫かかとの角質化症
状を伴う20代から30代20人の女性による使用テス
トを行なった。シート剤は、かかとの様な湾曲した部位
に万遍なく覆い密着して貼れるように適当な形状に打ち
抜いた。夜、入浴後にシート剤をかかとに貼り、翌朝剥
がしたときにかかとの貼付部位に残存した膏体の全膏体
量に対する重量割合を求めた.
【0076】≪引き剥がしゲル強度≫上記の膏体残存性
試験に供する貼付前の貼付シート剤をシート縦方向10
0mm×横方向25mmのサイズに裁断し以下の試験を
行なった。裁断された貼付シート剤の形に合わせたろ紙
上に化学反応形接着剤(シアノアクリレート)を塗付し
た面と貼付シート剤の膏体面を貼り合わせ、ローラーで
2kgの荷重で接着し試験片とした。10分の放置後、
試験片を引張試験機の両つかみに、つかみ間隔50mm
に取り付け、引張速度100mm/分でろ紙と貼付シー
ト剤支持体とを引き剥がすときの強度(kgf/25m
m)を測定した。実施例、比較例に示した成分のうち、
熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂はアクアコーク(住友精
化(株)製)を、アクリル酸デンプンはサンウエット
(三洋化成工業(株)製)を用いた。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】 A:PEフィルム(10μm)/PET不織布(10g
/m) 透湿性0 B:PEフィルム(20μm)/ポリエステルニット
(85g/m) 透湿性0
【0083】
【表7】 A:PEフィルム(10μm)/PET不織布(10g
/m) 透湿性0 B:PEフィルム(20μm)/ポリエステルニット
(85g/m) 透湿性0
【0084】
【表8】 A:PEフィルム(10μm)/PET不織布(10g
/m) 透湿性0 B:PEフィルム(20μm)/ポリエステルニット
(85g/m) 透湿性0
【0085】実施例14〜31の角質改善シートも、角
質改善効果、粘着力、凝集性が優れた良好な本発明の効
果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 聡之 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA72 AA74 AA77 BB31 CC18 4C083 AA112 AA122 AB032 AB242 AB352 AB382 AB442 AC022 AC102 AC122 AC132 AC302 AC432 AC472 AC482 AC532 AC582 AC642 AC682 AC852 AD012 AD092 AD112 AD152 AD242 AD272 AD282 AD302 AD432 AD532 AD552 AD662 BB51 CC02 DD12 DD50 EE11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非透湿性フィルム層と繊維層が積層された
    支持体に粘着剤層が展延されている貼付剤であることを
    特徴とする、角質荒れ改善シート。
  2. 【請求項2】支持体の繊維層が、織布、不織布、セルロ
    ース繊維、編布から選ばれる少なくとも一種以上の繊維
    基材からなることを特徴とする請求項1に記載の角質荒
    れ改善シート。
  3. 【請求項3】粘着剤層が、角質改善成分、保湿成分、血
    流促進成分から選ばれる1種または2種以上を含有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の角質荒れ改
    善シート。
  4. 【請求項4】踵、肘または膝用であることを特徴とす
    る、請求項1〜3に記載の角質荒れ改善シート。
  5. 【請求項5】粘着剤層が含水系粘着剤であることを特徴
    とする、請求項1〜4に記載の角質荒れ改善シート。
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