JP2003116536A - 新規α−1,2−マンノシダーゼ及び該酵素を用いたα−マンノシル糖化合物の製造法 - Google Patents
新規α−1,2−マンノシダーゼ及び該酵素を用いたα−マンノシル糖化合物の製造法Info
- Publication number
- JP2003116536A JP2003116536A JP2001319166A JP2001319166A JP2003116536A JP 2003116536 A JP2003116536 A JP 2003116536A JP 2001319166 A JP2001319166 A JP 2001319166A JP 2001319166 A JP2001319166 A JP 2001319166A JP 2003116536 A JP2003116536 A JP 2003116536A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mannosidase
- enzyme
- producing
- mannosyl
- mannose
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
する新規菌株と、この菌株を用いてα−1,2−マンノ
シダーゼを工業的に有利に製造する方法、及び製造した
酵素を用いてマンノオリゴ糖などのα−マンノシル糖化
合物を多量生産させる方法を提供すること。 【解決手段】 (a)α−1,2−マンノシド結合を含
むα−マンナンまたはオリゴ糖の非還元末端位のα−
1,2−マンノシド結合を特異的に分解する、及び
(b)マンノース又は非還元末端にα−マンノシド結合
を有する糖類を脱水縮合又は転移させてα−マンノシル
糖化合物を生成する作用を有するパエニバチルス属由来
の新規α−1,2−マンノシダーゼ。
Description
マンノシダーゼ及び該酵素を用いたα−マンノシル糖化
合物の製造法に関するものである。
膜、タンパク質の表面等に分布し、細胞同士や細胞とタ
ンパク質、タンパク質同士等、互いの認識に役立ってお
り、これにより、酵素や細胞の作用対象が決定された
り、タンパク質が目的の部位まで正確に運ばれたりする
等、生体反応に重要な役割を果たしている。糖鎖構造中
には、α−マンノシド結合したマンノオリゴ糖部分が多
く存在し、特に糖タンパク質に結合しているハイマンノ
ース型糖鎖で見られるような糖鎖の先端部分に位置して
いる場合が多い。
は糖鎖の認識に直接関与していると考えられており、こ
れらの研究を行う際の研究用試薬として安価なマンノオ
リゴ糖が求められている。また、研究用試薬としての糖
鎖の合成を考えた場合、化学的合成法では長い糖鎖でト
ータル収率が極めて低くなってしまうという問題点があ
るが、酵素合成法でマンノオリゴ糖部分を組み合わせる
という手法も一法であると考えられ、この場合も、マン
ノオリゴ糖が必要とされる。
は、天然物からの抽出によって得られるが、その量は極
微量であるので、化学合成により合成することが考えら
れている。しかしながら、化学合成による方法は、行程
が複雑であり、トータル収率が極めて低くなってしまう
という問題がある。これに対して、酵素合成法によれ
ば、マンノースを含む糖類からマンノオリゴ糖などのマ
ンノシル糖化合物を有利に製造できる。このため酵素と
して、α−マンノシダーゼ等が開発されている。
ナタマメあるいはアーモンドなどの植物由来のもの等を
用いるものが挙げられる(特開平5−49492)。前
述した高マンノース型糖鎖に関しては、先端部にα−
1,2−マンノオリゴ糖が存在しているので、α−1,
2−マンノシダーゼが重要になるが、上記の酵素は、特
にこのような立体特異的なものを意図しているわけでは
ない。このα−1,2−マンノシダーゼについては、微
生物由来のものとして、アスペルギルス属に属する糸状
菌由来のもの(特開昭57−54588)、バチルス属
に属する細菌由来のもの(特開平5−64586)、担
子菌由来のもの(Journal of Biotechnology77(20
00)p.255−263)等が開発されている。
1,2−マンノシダーゼは、いずれもα−1,2−マン
ノシダーゼ活性が低く、また、培養法、精製法が煩雑な
ものが多く、工業的に安価に生産することは困難である
という問題がある。更に、前記したバチルス属に属する
細菌由来の酵素は、縮合によるオリゴ糖生成率が低いと
いう問題点がある。
ンノシダーゼを菌体外に生産する新規菌株と、この菌株
を用いてα−1,2−マンノシダーゼを工業的に有利に
製造する方法、及び製造した酵素を用いてマンノオリゴ
糖などのα−マンノシル糖化合物を多量生産させる方法
を提供することにある。
うな状況に鑑み、マンノシダーゼを生産する微生物を土
壌から検索したところ、新たに、これまで全く知られて
いなかった新規なマンノシダーゼを生産する微生物を発
見し、その生理化学的性質からパエニバチルス・イリノ
イセンシス(Paenibacillus illinoisensis)と同定さ
れ、本発明を完成した。
ゼ。 (1)作用 (a)α−1,2−マンノシド結合を含むα−マンナン
またはオリゴ糖の非還元末端位のα−1,2−マンノシ
ド結合を特異的に分解する。 (b)マンノース又は非還元末端にα−マンノシド結合
を有する糖類を脱水縮合又は転移させてα−マンノシル
糖化合物を生成する。 (2)基質特異性 α−マンナン、α−1,2−マンノビオース、非還元末
端にα−1,2−マンノシド結合を有するオリゴ糖、p
−ニトロフェニル−α−D−マンノシドには作用する
が、α−1,3−マンノビオース、α−1,6−マンノ
ビオースには実質的に作用しない。 (3)最適温度:35℃〜45℃ (4)最適pH:5〜7 (5)安定温度:40℃ (6)安定pH:5〜12 (7)分子量:約400,000(ゲル濾過HPLC) 2.α−1,2−マンノシダーゼがパエニバチルス属由
来のものである上記1記載のα−1,2−マンノシダー
ゼ。 3.α−1,2−マンノシダーゼがパエニバチルス・イ
リノイセンシス由来のものである上記1又は2記載のα
−1,2−マンノシダーゼ。 4.α−1,2−マンノシダーゼがパエニバチルス・イ
リノイセンシスNo.13株由来のものである上記1、2
又は3記載のα−1,2−マンノシダーゼ。 5.酵素反応によりマンノース又は非還元末端にα−マ
ンノシド結合を有する糖類を脱水縮合または転移させて
α−マンノシル糖化合物を製造する方法において、酵素
として、上記1、2、3又は4記載のα−1,2−マン
ノシダーゼを用いることを特徴とするα−マンノシル糖
化合物の製造方法。 6.α−マンノシル糖化合物がマンノオリゴ糖である上
記5記載のα−マンノシル糖化合物の製造方法。 7.パエニバチルス属由来の細菌を培養し、その培養物
からα−1,2−マンノシダーゼを採取することを特徴
とするα−1,2−マンノシダーゼの製造方法。 8.パエニバチルス属由来の細菌がパエニバチルス・イ
リノイセンシスである上記7記載のα−1,2−マンノ
シダーゼの製造方法。 9.α−1,2−マンノシダーゼ生産能を有するパエニ
バチルス・イリノイセンシスNo.13株。
(a)α−1,2−マンノシド結合を含むα−マンナン
またはオリゴ糖の非還元末端位のα−1,2−マンノシ
ド結合を特異的に分解する特性、及び(b)マンノース
又は非還元末端にα−マンノシド結合を有する糖類を脱
水縮合または転移させてα−マンノシル糖化合物を生成
する特性を有するので、この特性を利用することによ
り、マンノオリゴ糖のα−マンノシル糖化合物を製造す
ることができる。
反応温度40℃:実施例2〜4参照)は、マンノースイ
ソメラーゼの作用条件(pH5.0〜9.0、温度40
℃)とほぼ一致しているので、マンノースイソメラーゼ
を併用することにより、フルクトースからα−マンノシ
ル糖化合物の製造が可能である。そして、本酵素は活性
が高く、例えば、従来知られているバチルス属のα−
1,2−マンノシダーゼに比べて、縮合によるオリゴ糖
生成率が顕著に優れている。また、本酵素は、発色物質
であるp−ニトロフェニル−α−D−マンノシドに対し
て作用するので、活性測定等が容易である点において
も、特徴的である。更に、本酵素は、パエニバチルス・
イリノイセンシスに属する細菌を液体培養することによ
って培地中に生産出来るので、タチナタマメ等から抽出
したり、アスペリギルス属の糸状菌を培養して製造され
る公知の酵素に比べて培養・精製が容易で、大量生産に
適している。
することにより、マンノース(フルクトース)やα−
1,2−マンノシド結合を有する糖類などから、マンノ
オリゴ糖、α−マンノシル糖化合物などを自由に、効率
よく製造することができるので、本酵素は、糖タンパク
や糖脂質などの複合糖質(特に、高マンノース型)の研
究やその薬理研究などに資することができ、マンノオリ
ゴ糖の工業生産を可能とする点で、非常に価値がある。
なお、パエニバチルス属の微生物が、α−1,2−マン
ノシダーゼを生産することについては未だ知られておら
ず、本発明のものが最初である点でも、技術的な価値が
高い。
o.13株は、本発明者らによって土壌中より発見され
た菌種であり、産業総合研究所生命工学工業技術研究所
に、FERM P−18256として寄託されている。
3株は、以下の菌学的諸性質を有する。 細胞の形及び大きさ:0.5×1.8〜2.4μmのか
ん菌 運動性:+ グラム染色性:+ 胞子形成:+ 酸素に対する態度:好気性 生育最適温度:30℃ また、16SrRNA配列の分析を行い、既知配列との相同
性を検索した結果、パエニバチルス・イリノイセンシス
の16SrRNA配列と平均98.5%の確率で一致してい
た。これらのことから、本菌はパエニバチルス・イリノ
イセンシスと判定した。
ましいが、パエニバチルス属に属する微生物から生産さ
れるものであれば何れでもよく、例えば、パエニバチル
ス・アルギノリティクス、パエニバチルス・アミノリテ
ィクス、パエニバチルス・マセランス、パエニバチルス
・ポリミキサ等が挙げられる。また、これらの組換え酵
素も利用できる。分泌の場所は特に制限されず、菌体
内、菌体外の何れでもよい。
段により産出される。フルクトース、グルコース、マン
ノース、ガラクトース、異性化糖、蔗糖、マルトース、
キシロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、マン
ナンなど種々な糖、糖アルコール及びデキストリンなど
を炭素源とし、それに微生物の増殖に必要な窒素化合物
(酵母エキス、魚肉エキス、ペプトン、アミノ酸、など
の有機窒素源、あるいは硫酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、尿素、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源)、
ミネラルを加えた培地で、20〜35℃、好ましくは3
0℃前後で好気条件下において、1〜5日、好ましくは
1〜3日培養する。分泌の場所が菌体内の場合、培養
後、濾過又は遠心分離により菌体を回収し、そのまま使
用するか、又は超音波若しくは自己消化法等により該酵
素を抽出し使用する。又、分泌の場所が菌体外の場合、
培養後、濾過又は遠心分離により菌体を除去し、濾過又
は上清をそのまま使用できるので、有利である。抽出さ
れた酵素は、必要により、硫酸アンモニウム、アセト
ン、メタノール、エタノール等で沈澱し、精製濃縮し、
又は乾燥保存する。
は上清からα−1,2−マンノシダーゼをさらに精製す
ることも可能であり、その方法としては、例えば、硫安
による塩析、エタノール、アセトン等による溶媒沈澱
法、限外濾過法、ゲル濾過法、イオン交換樹脂等による
一般的な酵素精製方法が採用される。例えば、パエニバ
チルス・イリノイセンシスNo.13菌株を、酵母マンナ
ンを主要な炭素源とし、酵母エキスを添加した培地中、
好気的な条件下で培養した培養液から菌体を分離除去
し、ついでDEAE−トヨパール650S(商品名:東ソー
株式会社製)によるイオン交換クロマトグラフィー及び
トヨパールHW−55F(商品名:東ソー株式会社製)
によるゲル濾過クロマトグラフィーの各段階を経て精製
し、電気泳動的にほば均一な精製酵素標品を得ることが
出来る。
ゼ活性の測定法及び活性表示法は以下のとおりである。
酵母マンナンを基質として反応を行い、遊離するマンノ
ースを測定することによって行った。すなわち、酵母マ
ンナン(終濃度0.1%)と酵素液を含む反応液(0.
6Mリン酸緩衝液、pH7.0)中、40℃で30分
間、反応を行い、反応後、マンノースを標準として還元
糖をネルソン・ソモジ法によって測定した。酵素活性の
単位は、上記反応において1秒間に1モルのマンノース
を遊離する酵素量を1カタール(以下k a t)とした。
の理化学的性質を以下に示す。 (1)作用 (a)α−1,2−マンノシド結合を含むα−マンナン
またはオリゴ糖の非還元末端位のα−1,2−マンノシ
ド結合を特異的に分解する。 (b)マンノース又は非還元末端にα−マンノシド結合
を有する糖類を脱水縮合又は転移させてα−マンノシル
糖化合物を生成する。 (2)基質特異性 α−マンナン、α−1,2−マンノビオース、非還元末
端にα−1,2−マンノシド結合を有するオリゴ糖、p
−ニトロフェニル−α−D−マンノシドには作用する
が、α−1,2−マンノビオース、α−1,6−マンノ
ビオースには実質的に作用しない(実施例3参照)。 (3)最適温度:35℃〜45℃ 本酵素について、20〜60℃の温度で、終濃度60m
Mのリン酸緩衝液(pH7.0)中、30分間反応させ
て相対活性を調べたところ、最適温度は、図1に示すよ
うに35℃〜45℃であった。 (4)最適pH:5〜7 本酵素について、終濃度20mMのブリトン・ロビンソ
ン(Britton-Robinson)の広域緩衝液を用いて40℃、
30分間の酵素反応によって相対活性を調べたところ、
最適pHは、図2に示すように5〜7であった。 (5)安定温度:40℃以下 本酵素について、60mMのリン酸緩衝液(pH7)
中、0〜60℃の範囲で10分間処理した後、40℃、
30分間の酵素反応によって相対活性を調べたところ、
安定温度は、図1に示すように40℃以下であった。 (6)安定pH:5〜12 本酵素について、終濃度20mMのブリトン・ロビンソ
ン(Britton-Robinson)の広域緩衝液を用いて、4℃、
24時間の処理を行った後、60mMのリン酸緩衝液
(pH7.0)中で、40℃、30分間の酵素反応によ
って相対活性を調べたところ、安定pHは、図2に示す
ように5〜12であった。 (7)分子量:約400,000(ゲル濾過HPLC)
1,2−マンノシド結合を含むα−マンナンまたはオリ
ゴ糖の非還元末端位のα−1,2−マンノシド結合を特
異的に分解する特性、及び(b)マンノース又は非還元
末端にα−マンノシド結合を有する糖類を脱水縮合また
は転移させてα−マンノシル糖化合物を生成する特性を
有する。また、本酵素は、前述した、従来のバチルス属
由来のもの(特開平5−65486)とは違い、p−ニ
トロフェニル−α−D−マンノシドに作用する基質特異
性を有する。上記のよう本酵素の特性を利用すれば、マ
ンノオリゴ糖などのα−マンノシル糖化合物を製造する
ことが出来るので、以下説明する。
造 本酵素の縮合反応性を利用することにより、マンノース
を脱水縮合させてマンノオリゴ糖を製造することができ
る。例えば、マンノオリゴ糖としては、Man1−2M
an、Man1−3Man、Man1−6Manなどを
製造することが出来る。マンノオリゴ糖の製造方法とし
ては、例えば、以下のようにして行うのがよい。高濃度
のマンノースを含む溶液に、パエニバチルス・イリノイ
センシス由来のα−1,2−マンノシダーゼを添加し、
その反応液を室温乃至80℃、好ましくは40℃でイン
キュベーションし、HPLCにて反応の進行を観察し、
マンノオリゴ糖の含量が高まった時点で反応を停止した
のち、活性炭クロマトグラフィー等の精製手段を用いる
ことにより、目的物を得ることが出来る。
合物の製造 本酵素の転移反応性を利用することにより、マンノース
供与体とマンノース受容体からα−マンノシル糖化合物
を製造することができる。マンノース供与体としては、
例えばp−ニトロフェニル−α−マンノシド、メチル−
α−マンノシド、フェニル−α−マンノシド等が挙げら
れる。一方、マンノース受容体としては、マンノース、
マンノビオース、ラミナリビオース等が挙げられる。本
転移反応は、通常の反応条件下で行うことができる。基
質溶液としては、受容体と供与体とを含有する水溶液又
はジメチルスルホキシドなどの有機溶剤液が用いられ
る。その場合、受容体と供与体のモル比は1:50〜5
0:1が好ましく、基質濃度は5〜50重量%が好まし
い。本反応は、受容体と供与体とを含有する基質溶液
に、本酵素を作用させることにより行うが、反応時のp
Hと温度は、通常、pH4〜8、温度20〜70℃が適
当である。
形態 α−1,2−マンノシダーゼとしては、菌体を通常の
方法で固定化したもの、菌体を機械的、酵素的、若し
くは、界面活性剤や有機溶剤などで処理したもの、又
は、それらを固定化したもの、菌体を破砕して破砕残
さを除去したもの、又は、それを固定化したもの、酵
素精製物、又は、それを固定化したもの、培養液また
は菌体を除去した培養上清、又はそれを濃縮、乾燥、及
び/あるいは固定化したもの等が挙げられる。固定化
は、ポリアクリルアミド、アルギン酸カルシウム、カラ
ギーナン、イオン交換担体、キトサンビーズなどを用い
た通常の固定化方法が使用できる。
細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。特別
に標記がない場合、百分率はW/V%である。
母マンナン0.2%、硫酸第2鉄(7水和)0.003
%、硫酸マグネシウム(7水和)0.04%、塩化カル
シウム(2水和)0.006%、リン酸水素2カリウム
0.69%、リン酸2水素カリウム0.23%、硫酸ア
ンモニウム0.05%、酵母エキス0.15%を含む液
体培地800ml(pH7.0)を、3Lの坂口フラスコ
に入れ、1昼夜培養したパエニバチルス・イリノイセン
シスNo.13株を加え、30℃で2晩培養した。次い
で、この培養液を9,000×g、30分間遠心して菌体
を除き、上清を10mMリン酸カリウム緩衝液(pH
7.0)に対して1晩透析を行い、粗酵素液を得た。粗
酵素液の活性測定を行ったところ、19mkat/Lで
あった。
ム緩衝液(pH7.0)で平衡化させたDEAE−トヨ
パール650Sカラムに吸着させ、0〜0.8M塩化ナ
トリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH
7.0)の濃度勾配法により酵素を溶出させた。
ン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に対して1晩透析し
た後、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で
平衡化させたDEAE−トヨパール650Sカラムに吸
着させ、0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸
カリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄した後、0.1〜
0.6M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム
緩衝液(pH7.0)の濃度勾配法により酵素を溶出さ
せた。
ン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に対して1晩透析し
た後、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で
平衡化させたDEAE−トヨパール650Sカラムに吸
着させ、0.15M塩化ナトリウムを含む10mMリン
酸カリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄した後、0.1
5〜0.45M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カ
リウム緩衝液(pH7.0)の濃度勾配法により酵素を
溶出させた。
(分画分子量10,000)で濃縮した後、15mMリ
ン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化させたトヨ
パールHW−55Fカラムに供し、10mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)により酵素を溶出させて、ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法により、均一なバンド
からなる精製酵素を得た。活性収率は15%であった。
チルス・イリノイセンシスJCM9907、パエニバチ
ルス・ポリミキサJCM2507、パエニバチルス・マ
セランスJCM2500とした以外は、実施例1と同様
にして、粗酵素液を調製した。 それぞれの粗酵素液に
対して活性測定を行ったところ、それぞれ、16mka
t/L、12mkat/L、9mkat/Lであった。
1,2−マンノビオース、α−1,3−マンノビオース、
α−1,6−マンノビオース)0.05%含む30mM
リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に、実施例1のα
−1,2−マンノシダーゼを加え、40℃、90分間イ
ンキュベートした後、以下の分析条件で分析した。
テグレーター) カラム:TSK−GEL G2000PW(東ソー株式
会社製) 流速:0.5ml/分 溶出:水
1,2−マンノビオース、図4はα−1,3−マンノビオ
ース、図5はα−1,6−マンノビオース、の結果であ
る。この結果によると、図3では、α−1,2−マンノ
ビオースが分解され、マンノースの位置にピークがシフ
トした。これに対して、図4(α−1,3−マンノビオ
ース)及び図5(α−1,6−マンノビオース)では、
ピークに変化はない。 この結果から、本酵素により、
α−1,2−マンノビオースのみが分解されたことが分
かる。
液にマンノース1g当たり20nkatとなるように、
実施例1のα−1,2−マンノシダーゼを加え、40
℃、72時間反応させた。反応後の液をHPLCで分析
した。分析結果によると、全糖中に占めるマンノオリゴ
糖の割合は6.5%であった。この結果から、本酵素に
は、マンノースを脱水縮合させて、マンノオリゴ糖を生
成する活性があることが分かる。
−1,2−マンノシダーゼに代えて、Bacillus sp. M−
90株由来のα−1.2−マンノシダーゼ(特開平5−6
4586)を使用した以外は、実施例4と同様にして、
マンノースの縮合を行った。分析結果によると、全糖中
に占めるマンノオリゴ糖の割合は2.2%であった。実
施例4と比較例1の分析結果の比較から、マンノースを
脱水縮合する活性は、本酵素の方が公知の酵素より高い
ことが分かる。
−α−D−マンノシド30%、受容体としてラミナリビ
オースの30%を含有する基質溶液(pH6)に、p−
ニトロフェニル−α−D−マンノシド1g当たり20n
katとなるように、実施例1のα−1,2−マンノシ
ダーゼを加え、40℃、72時間反応させた。反応後の
液をHPLCで分析した。分析結果によると、全糖中に
占める転移生成物の割合は0.9%であった。この結果
から、本酵素には、非還元末端にα−マンノシド結合を
有する糖類を転移させて、α−マンノシル糖化合物を生
成する活性があることが分かる。
ンノシド結合の分解反応性やマンノース又は非還元末端
にα−マンノシド結合を有する糖類を脱水縮合または転
移させて、マンノオリゴ糖等のα−マンノシル糖化合物
を生成する性質等を有しているので、マンノオリゴ糖な
どのα−マンノシル糖化合物が製造し得る。また、本酵
素作用条件とマンノースイソメラーゼの作用条件とがほ
ぼ一致しているので、マンノースイソメラーゼを併用す
ることにより、フルクトースからα−マンノシル糖化合
物が製造し得る。
知られているバチルス属のα−1,2−マンノシダーゼ
に比べて、オリゴ糖生成率が数倍高い。
ロフェニル−α−D−マンノシドに対して作用するの
で、活性測定等が容易である。
イセンシスに属する細菌を液体培養することによって培
地中に生産出来るので、タチナタマメ等から抽出した
り、アスペルギルス属の糸状菌を培養して製造される公
知の酵素に比べて培養・精製が容易で、大量生産に適し
ている。
ることにより、マンノース(フルクトース)やα−1,
2−マンノシド結合を有する糖類などから、マンノオリ
ゴ糖、α−マンノシル糖化合物などを自由に、効率よく
製造することができるので、本酵素は、糖タンパクや糖
脂質などの複合糖質(特に、高マンノース型)の研究や
その薬理研究などに資することができる点で、非常に価
値がある。
が、α−1,2−マンノシダーゼを生産することについ
ては未だ知られておらず、本発明のものが最初である点
でも、技術的な価値が高い。
図である。
図である。
スについての経時的な分解能を示す、高速液体クロマト
グラフィーによる測定曲線図である。
スについての経時的な分解能を示す、高速液体クロマト
グラフィーによる測定曲線図である。
スについての経時的な分解能を示す、高速液体クロマト
グラフィーによる測定曲線図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記の(1)〜(7)の特性を有する新
規α−1,2−マンノシダーゼ。 (1)作用 (a)α−1,2−マンノシド結合を含むα−マンナン
またはオリゴ糖の非還元末端位のα−1,2−マンノシ
ド結合を特異的に分解する。 (b)マンノース又は非還元末端にα−マンノシド結合
を有する糖類を脱水縮合又は転移させてα−マンノシル
糖化合物を生成する。 (2)基質特異性 α−マンナン、α−1,2−マンノビオース、非還元末
端にα−1,2−マンノシド結合を有するオリゴ糖、p
−ニトロフェニル−α−D−マンノシドには作用する
が、α−1,3−マンノビオース、α−1,6−マンノ
ビオースには実質的に作用しない。 (3)最適温度:35℃〜45℃ (4)最適pH:5〜7 (5)安定温度:40℃ (6)安定pH:5〜12 (7)分子量:約400,000(ゲル濾過HPLC) - 【請求項2】 α−1,2−マンノシダーゼがパエニバ
チルス属由来のものである請求項1記載のα−1,2−
マンノシダーゼ。 - 【請求項3】 α−1,2−マンノシダーゼがパエニバ
チルス・イリノイセンシス由来のものである請求項1又
は2記載のα−1,2−マンノシダーゼ。 - 【請求項4】 α−1,2−マンノシダーゼがパエニバ
チルス・イリノイセンシスNo.13株由来のものである
請求項1、2又は3記載のα−1,2−マンノシダー
ゼ。 - 【請求項5】 酵素反応によりマンノース又は非還元末
端にα−マンノシド結合を有する糖質を脱水縮合又は転
移させてα−マンノシル糖化合物を製造する方法におい
て、酵素として、請求項1、2、3又は4記載のα−
1,2−マンノシダーゼを用いることを特徴とするα−
マンノシル糖化合物の製造方法。 - 【請求項6】 α−マンノシル糖化合物がマンノオリゴ
糖である請求項5記載のα−マンノシル糖化合物の製造
方法。 - 【請求項7】 パエニバチルス属由来の細菌を培養し、
その培養物からα−1,2−マンノシダーゼを採取する
ことを特徴とするα−1,2−マンノシダーゼの製造方
法。 - 【請求項8】 パエニバチルス属由来の細菌がパエニバ
チルス・イリノイセンシスである請求項7記載のα−
1,2−マンノシダーゼの製造方法。 - 【請求項9】 α−1,2−マンノシダーゼ生産能を有
するパエニバチルス・イリノイセンシスNo.13株。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001319166A JP3920073B2 (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | 新規α−1,2−マンノシダーゼ及び該酵素を用いたα−マンノシル糖化合物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001319166A JP3920073B2 (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | 新規α−1,2−マンノシダーゼ及び該酵素を用いたα−マンノシル糖化合物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003116536A true JP2003116536A (ja) | 2003-04-22 |
JP3920073B2 JP3920073B2 (ja) | 2007-05-30 |
Family
ID=19136751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001319166A Expired - Fee Related JP3920073B2 (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | 新規α−1,2−マンノシダーゼ及び該酵素を用いたα−マンノシル糖化合物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3920073B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020527334A (ja) * | 2017-06-14 | 2020-09-10 | カーギル インコーポレイテッド | マンノースオリゴ糖を含む組成物、ならびに同組成物の製造方法及び同組成物の使用 |
CN112899188A (zh) * | 2021-01-29 | 2021-06-04 | 西南大学 | 一种促进作物根系发育的微生物菌剂及其制备与应用 |
-
2001
- 2001-10-17 JP JP2001319166A patent/JP3920073B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020527334A (ja) * | 2017-06-14 | 2020-09-10 | カーギル インコーポレイテッド | マンノースオリゴ糖を含む組成物、ならびに同組成物の製造方法及び同組成物の使用 |
US11771124B2 (en) | 2017-06-14 | 2023-10-03 | Cargill, Incorporated | Composition comprising mannose oligosaccharide and process for making same and use thereof |
CN112899188A (zh) * | 2021-01-29 | 2021-06-04 | 西南大学 | 一种促进作物根系发育的微生物菌剂及其制备与应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3920073B2 (ja) | 2007-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5565341A (en) | Process for producing trehalose | |
JP3490481B2 (ja) | オリゴ糖の製造方法 | |
JP4473402B2 (ja) | デキストランの製造法 | |
JPH07255473A (ja) | トレハロースホスホリラーゼおよびその製造法 | |
JP3026857B2 (ja) | 新規プルラナーゼおよびその製造法 | |
JP3920073B2 (ja) | 新規α−1,2−マンノシダーゼ及び該酵素を用いたα−マンノシル糖化合物の製造法 | |
JP3235904B2 (ja) | 耐熱性マンノースイソメラーゼ及びその製造法並びにこれを用いたマンノースの製造法 | |
JP4161181B2 (ja) | コージオリゴ糖およびニゲロオリゴ糖を含む糖質の新規な製造方法およびそれに用いる菌体、酵素とその製造方法 | |
US5110734A (en) | Purified cyclodextrinase | |
US5238825A (en) | Preparation and use of a cyclodextrinase for preparing maltooligosaccharides | |
JPH0759587A (ja) | 糖質又は複合糖質の製造方法 | |
JP2987685B2 (ja) | 新規なグルコシル(α1→6)分岐水解酵素、該酵素の製造方法および利用方法 | |
JP3055041B2 (ja) | α−1,2−マンノシダーゼ、その製造方法およびその生産菌 | |
JP3032817B2 (ja) | キシログルカンオリゴ9糖の大量製造方法 | |
KR20120016843A (ko) | 환상 아밀로오스의 제조방법 | |
JPH04200386A (ja) | β―フラクトフラノシダーゼ及びその製造方法 | |
JPH0437719B2 (ja) | ||
KR0129471B1 (ko) | 말토테트라오즈 생산 아밀라제의 제조방법 | |
JP4197604B2 (ja) | 新規菌株、新規α−グルコシダーゼおよびその製造方法 | |
JPH06189779A (ja) | トレハロースの製造法 | |
JP4439153B2 (ja) | 耐熱性マンノースイソメラーゼ及び該酵素を用いたマンノースの製造法 | |
JP2623509B2 (ja) | 分岐マルトオリゴ糖の製造法 | |
JP2001292791A (ja) | N−アセチルラクトサミンの製造方法 | |
JP2593710B2 (ja) | イヌリナーゼ活性を有する酵素組成物およびその製造法 | |
JPH0632611B2 (ja) | γ―サイクロデキストリン合成酵素及びその製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041012 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061031 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061220 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070123 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |