JP2003113983A - 流体コネクタ装置 - Google Patents

流体コネクタ装置

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JP2003113983A
JP2003113983A JP2001305887A JP2001305887A JP2003113983A JP 2003113983 A JP2003113983 A JP 2003113983A JP 2001305887 A JP2001305887 A JP 2001305887A JP 2001305887 A JP2001305887 A JP 2001305887A JP 2003113983 A JP2003113983 A JP 2003113983A
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JP
Japan
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connector
pressure
hydrogen
fluid
gas
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Application number
JP2001305887A
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English (en)
Inventor
Terubumi Miyakoshi
光史 宮腰
Hiroshi Miyazawa
弘 宮沢
Tomiichi Watanabe
富一 渡辺
Yukihiro Nakamura
亨弘 中村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Quick-Acting Or Multi-Walled Pipe Joints (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対応するコネクタを連結した場合のみ流体の
授受が可能とされる安全性に優れた流体コネクタ装置を
提供する。 【解決手段】 雄形コネクタ2と雌形コネクタ3とから
なり上記雄形コネクタ2を上記雌形コネクタ3に挿入し
て接続する一対の流体コネクタ装置1であって、上記雄
形コネクタ2が、上記雌形コネクタ3との間で流体の授
受が行われる第1の流路4を有し、上記雌形コネクタ3
が、上記雄形コネクタ2との間で流体の授受が行われる
第2の流路12と、当該第2の流路12を遮断した状態
で固定された遮断弁11とを有し、上記雄形コネクタ2
が上記雌形コネクタ3に挿嵌されることにより、上記遮
断弁11の固定状態が解かれて上記遮断弁11が開き、
上記第1の流路4と上記第2の流路12とが連通する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、他方のコネクタと接離
自在とされ、当該コネクタとの間で流体の授受を行う一
対の流体コネクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、新たな発電システムとして、水素
を燃料として水素と酸素の電気化学反応によって電気を
発生させる燃料電池システムが注目されている。燃料電
池は、水素と酸素とが反応して水が生成される際に発生
するエネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置で
ある。燃料電池は、電気エネルギーを取り出す際に有害
な副次生成物が発生しないことから、地球環境に優しい
クリーンな発電装置であり、今後ますます用途が広がる
ものとして期待されている。
【0003】この燃料電池システムは、自動車用や家庭
用の発電システムとしても注目されており、この燃料電
池システムにおいては、水素の供給方法に関して、水素
の製造方法や水素の貯蔵方法等の研究が盛んに行われて
おり、種々の提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料電池の
燃料である水素は、例えば、液体又は気体の状態で貯蔵
する貯蔵タンクや、水素吸蔵合金を備える水素カートリ
ッジなどを備える水素貯蔵装置から燃料電池に供給され
る。
【0005】また、最近、燃料電池システムをポータブ
ル電源として用いることが提案され、盛んに研究が進め
られている。このようなポータブル電源をはじめとする
燃料電池の普及に伴って、水素の流通や取引が一般化し
た場合、水素を貯蔵する水素貯蔵装置の取り扱いが問題
となる。すなわち、現在の水素貯蔵装置は、コネクタ装
置を介して燃料電池と連結され、また、水素貯蔵装置の
内部に逆止弁を配置することで貯蔵した水素が外部に流
出しないようにしている。
【0006】しかしながら、このような逆止弁を用いた
場合には、適当な部材で逆止弁を押すことにより水素貯
蔵装置の密閉状態を解くことが可能であり、悪戯等によ
り簡単に水素を取り出す、または異なる種類の気体や液
体を注入することができてしまい危険である。また、他
の種類の気体や液体を水素貯蔵装置と似たような容器に
貯蔵した場合等では、貯蔵容器を取り違えてしまう虞が
ある。そして、水素貯蔵装置と燃料電池とを連結するコ
ネクタ装置と同様のコネクタ装置が他の気体や液体を貯
蔵した容器にも用いられている場合には、そのまま連結
されてしまう虞がある。
【0007】そこで、本発明は、上述した従来の実情に
鑑みてなされたものであり、対応するコネクタを連結し
た場合のみ流体の授受が可能とされる安全性に優れた流
体コネクタ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
する本発明に係るコネクタ装置は、雄形コネクタと雌形
コネクタとからなり雄形コネクタを雌形コネクタに挿入
して接続する一対の流体コネクタ装置であって、雄形コ
ネクタが雌形コネクタとの間で流体の授受が行われる第
1の流路を有し、雌形コネクタが雄形コネクタとの間で
流体の授受が行われる第2の流路と、当該第2の流路を
上記雄形コネクタ側から遮断した状態で固定された遮断
弁とを有し、雄形コネクタが雌形コネクタに挿嵌される
ことにより遮断弁の固定状態が解かれて遮断弁が開き、
第1の流路と第2の流路とが連通することを特徴とする
ものである。
【0009】以上のように構成された本発明に係る流体
コネクタ装置は、一義的に形成されたコネクタ同士を連
結した場合のみ遮断弁が開放され、流体の授受が可能と
される。これにより、この流体コネクタ装置において
は、当該流体コネクタ装置を構成するコネクタと類似し
たコネクタを連結した場合や適当な部材により遮断弁を
押した場合等には遮断弁が開放されることがなく、誤動
作が防止される。
【0010】したがって、一義的に形成されたコネクタ
同士を連結した場合以外は、コネクタ装置が接続された
貯蔵装置等の密閉状態を解いて流体を取り出すこと又は
当該貯蔵容器に貯蔵された流体と異なる種類の流体、す
なわち異なる種類の気体や液体を注入することが防止さ
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る流体コネクタ
装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、本
発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0012】図1は本発明を適用した流体コネクタ装置
1の一構成例を示す。本発明を適用した流体コネクタ装
置1は、図1に示される雄形コネクタであるプラグ2
と、図1に示される雌形コネクタであるカップラー3と
により構成されており、プラグ2を図1に示すようにカ
ップラー3に挿嵌することによりプラグ2とカップラー
3とが連結される。なお、図1はプラグ2をカップラー
3に挿入し後述する第1の固定リング9のロックが開錠
された状態を示す。このような流体コネクタ装置1は、
例えば燃料電池システム等に用いることができ、燃料電
池システムに用いる場合には、水素を貯蔵した水素貯蔵
装置側にカップラー3を接続し、燃料電池側にプラグ2
を接続する。そして、プラグ2をカップラー3に挿嵌す
ることにより、水素貯蔵装置に貯蔵された水素を取り出
すことができる。以下、流体コネクタ装置1の各構成に
ついて説明する。
【0013】プラグ2は、流体を授受するためにその略
中心部に長手方向に貫通する内部空洞が設けられ、第1
の流路4とされている。この第1の流路4の形状、大き
さ等には特に限定はなく、流体の流量や圧力等の諸条件
を勘案して適宜設定されれば良い。また、プラグ2 に
おいて挿嵌方向側の外周面には、キーのとしての機能を
担う凹凸が所定の形状で外周方向に設けられている。ま
た、プラグ2の離脱方向側の外周には、ストッパーとし
ての機能を担う肩部5、肩部6及びへこみ部7が設けら
れている。ここで、挿嵌方向とは、カップラー3へプラ
グ2が近づき挿嵌する方向であり、離脱方向は、カップ
ラー3からプラグ2が離れていき離脱する方向とする。
カップラー3は、カップラー本体8と、カップラー本体
8の内部に組み込まれた第1の固定リング9と、その一
部がカップラー本体8の内周面と第1の固定リング9と
に狭持され当該第1の固定リング9と同様に略リング状
を呈する第2の固定リング10とを備えて構成される。
【0014】また、カップラー本体8と第1の固定リン
グ9と第2の固定リング10とにより形成された空間3
0には、第2の流路を遮断する遮断弁11が配されてい
る。そして、遮断弁11は、その内部に離脱方向に付勢
するように配された戻り防止バネ39により離脱方向に
押されている。
【0015】ここで、第2の流路とは、カップラー本体
8における挿嵌方向側においてその略中心部に設けら
れ、流体を授受するための内部空洞12と、上述した空
洞部とをまとめた総称である。また、内部空洞12及び
第2の流路の形状、大きさ等には特に限定はなく、流体
の流量や圧力等の諸条件を勘案して適宜設定されれば良
い。
【0016】カップラー本体8には、上述したようにそ
の挿嵌方向側においてその略中心部に設けられ、第2の
流路を形成する内部空洞12と、当該内部空洞12に連
通するとともに所定の凹凸形状が設けられた空洞部(図
示せず)を有する。すなわち、第1の固定リング9と第
2の固定リング10とは、この空洞部に組み込まれてい
る。
【0017】また、カップラー本体8の内周面であり、
第1の固定リング9と対向する周面には、平常状態にお
いて後述する係止ピン13に対応する位置で当該係止ピ
ン13を内径方向に付勢するようにシリンダーバネ14
がバネ受け15に覆われた状態でバネ孔16に埋設され
ている。バネ受け15は、シリンダーバネ14を受容可
能な径と深さを有する。ここで、平常状態とは、後述す
る第1の固定リング9がロックされている状態を表す。
【0018】そして、カップラー本体8の内周面におけ
るシリンダーバネ14よりも挿嵌方向側には、Oリング
17が埋設されている。また、離脱方向側端部には、プ
ラグ2を固定するための部材としてプラグ固定ボール1
8、戻り防止バネ19、バネ受け20が備えられてい
る。
【0019】第1の固定リング9は、プラグ2に略嵌合
する形状とされ、所定の勾配で段差が形成された空洞部
を有し、その内周面には、当該第1の固定リング9をロ
ックする又はロックを解除するキーのとしての機能を担
い上述したプラグ2の外周面に形成された凹凸により係
止される略円柱状の係止ピン13が当該第1の固定リン
グ9の長手方向における三箇所において係止ピン孔21
に挿設されている。
【0020】そして、係止ピン13の先端は、プラグ2
が挿嵌された際に、プラグ2の外周面とスムーズに摺動
できるように丸みを帯びた形状とされている。また、各
係止ピン13が内周面から突出する長さは、プラグ2が
カップラー3に挿嵌されるとき、プラグ2の外周面に設
けられた凹凸に確実に接触し係止され、第1の固定リン
グ9のロックを解除できるような寸法を有する。
【0021】また、係止ピン孔22は、深さ方向の所定
の位置において段差が設けられることにより直径が変え
られており、第1の固定リング9の内径側の直径(以
下、小径と呼ぶ。)が外径側の直径(以下、大径と呼
ぶ。)よりも小とされている。そして、係止ピン13
は、その直径が小径と略同等とされ、その終端部、すな
わち第1の固定リング9の外径側の外周端部に設けられ
た肩部21のみが大径と略同等とされる。これにより、
当該係止ピン13は、肩部21が係止ピン孔22内の段
差に係止される。
【0022】ここで、図1においては、係止ピン13が
第1の固定リング9の長手方向における三箇所に設けら
れているが、係止ピン13の配置箇所は三箇所に限られ
るものではなく適宜変更可能である。すなわち、係止ピ
ン13の配置箇所は1箇所以上であれば良く、多いほど
第1の固定リング9をロックする又はロックを解除する
キーのとしての信頼性が高くなる。また、係止ピン13
の形状や大きさ、太さ等も特に限定されるものではな
く、プラグ2の外周面に設けられた凹凸と対応し、プラ
グ2とカップラー3との組み合わせを一義的に決定でき
るものであれば良い。また、第1の固定リング9の挿嵌
方向側の内周面には、Oリング23が埋設されている。
【0023】第2の固定リング10は、カップラー本体
8の所定の凹凸形状が設けられた空洞部(図示せず)に
おける挿嵌方向側に配され、当該第2の固定リング10
とカップラー本体8との間の空間には、第2の固定リン
グ10を離脱方向側に付勢するように固定リング戻り防
止バネ24が組み込まれている。
【0024】そして、遮断弁11は、上述したようにカ
ップラー本体8と第1の固定リング9と第2の固定リン
グ10とにより形成された空洞部(図示せず)に配され
ている。遮断弁11の離脱方向側の端面には、シール用
Oリング25が装着されており、遮断弁11は、このシ
ール用Oリング25が第2の固定リング10の挿嵌方向
側の端面26と当接して第2の流路を遮断する際に確実
に密閉性を保持できるようになされている。
【0025】また、第2の固定リング10と遮断弁11
との間には遮断弁固定部材27が狭持されている。この
遮断弁固定部材27は、略球状を呈するものであり、遮
断弁11の外周面に沿って周方向に配されている。
【0026】次に、この流体コネクタ装置1の遮断弁ロ
ックシステムについて説明する。このシステムは、カッ
プラー3に当該カップラー3に対して一義的に形成され
たプラグ2が所定の位置に挿嵌された場合にのみ、遮断
弁11が開放されるように構成されている。
【0027】すなわち、平常状態では、バネ受け15に
覆われたシリンダーバネ14は、第1の固定リング9に
設けられた係止ピン孔22とカップラー本体8に設けら
れたバネ孔16との双方に挿通されているため、第1の
固定リング9は、このシリンダーバネ14によりカップ
ラー本体8の所定の位置、すなわちバネ孔16と係止ピ
ン孔22とが対応した位置にロックされた状態とされ
る。このとき、第2の固定リング10は、固定リング戻
り防止バネ24により離脱方向に押されており、その離
脱方向側の端面28がカップラー本体8の挿嵌方向側の
端面29に当接し、係止されている。また、遮断弁11
は、遮断弁固定部材27を介して第2の固定リング9に
より離脱方向側に押された状態で係止されている。これ
により、遮断弁11は、シール用Oリング25が第1の
固定リング9の挿嵌方向側の端面26に密着した状態で
ロックされており、これにより、第2の流路が第1の流
路4と遮断されている。
【0028】すなわち、この流体コネクタ装置1では、
第1の固定リング9と遮断弁11との間に遮断弁固定部
材27が狭持且つ固定されることにより、平常状態にお
いては、遮断弁11をただ押すだけでは遮断弁固定部材
27を動かすことができないため遮断弁11を開放する
ことができず、したがって、第1の流路4と第2の流路
とを連通させることができないようになっている。
【0029】したがって、遮断弁11のロックを解除
し、遮断弁11を開放するには、遮断弁固定部材27の
固定状態を解いたうえで遮断弁11を挿嵌方向に押して
移動させること必要となる。以下、遮断弁11を開放す
る方法を、流体コネクタ装置1の動作に沿って説明す
る。
【0030】プラグ2とカップラー3とを接続するため
にプラグ2をカップラー3に挿嵌すると、プラグ2がカ
ップラー3内の所定の位置まで入った時点で、プラグ2
の外周面が係止ピン13と摺動しながら当該係止ピン1
3をカップラー3の外径方向に押し上げる。
【0031】ここで、プラグ2がカップラー3内の所定
の位置まで配される以前においては、バネ受け15に覆
われたシリンダーバネ14が第1の固定リング9の係止
ピン孔22とカップラー本体8のバネ孔16との双方に
挿通されているため、第1の固定リング9は、このシリ
ンダーバネ14によりカップラー本体8の所定の位置、
すなわちバネ孔16と係止ピン孔22とが対応した位置
にロックされた状態とされている。
【0032】そして、プラグ2がカップラー3内の適所
に配置され、プラグ2の外周面に設けられた凹凸により
各係止ピン13がそれぞれ所定の位置にまで移動する
と、第1の固定リング9のロックが解除される。すなわ
ち、各係止ピン13がそれぞれ所定の位置にまで移動す
ることにより、バネ受け15に覆われたシリンダーバネ
14の内径側終端部がカップラー本体8と第1の固定リ
ング9との当接面、すなわち、カップラー本体8の内周
面まで押し戻される。これにより、シリンダーバネ14
が第1の固定リング9の係止ピン孔22とカップラー本
体8のバネ孔16との双方に挿通された状態から、シリ
ンダーバネ14がカップラー本体8のバネ孔16のみに
挿通された状態とされる。これにより、第1の固定リン
グ9は、ロックされた状態が解かれ、可動とされる。
【0033】この状態でさらにプラグ2を挿嵌させる
と、プラグ2が第1の固定リング9を挿嵌方向に押し、
さらに第1の固定リング9は第2の固定リング10を挿
嵌方向に押すため、第1の固定リング9及び第2の固定
リング10は、固定リング戻り防止バネ24による離脱
方向への押し返し力に抗して挿嵌方向側にスライドす
る。ここで、平常状態においては、第2の固定リング1
0の離脱方向側の端面28は、固定リング戻り防止バネ
24による離脱方向への押し返し力によりカップラー本
体8の内周面に形成された溝部の端面29に当接、固定
された状態にある。
【0034】そして、第2の固定リング10が挿嵌方向
にスライドすることにより、第2の固定リング10と遮
断弁11との間に狭持されていた遮断弁固定部材が外径
方向に可動とされ、これにより、遮断弁11が挿嵌方向
に可動とされる。すなわち、係止ピン13による第1の
固定リング9のロックが解除されることにより、第2の
固定リング10、遮断弁固定部材27及び遮断弁11ロ
ックを順次解除することができる。
【0035】さらにプラグ2を挿入することによりプラ
グ2がカップラー3に確実に挿嵌されると、遮断弁11
がプラグ2の挿嵌方向側の先端部により挿嵌方向に押さ
れ、シール用Oリング25が第1の固定リング9の挿嵌
方向側の端面26から離間し、第1の固定リング9と遮
断弁11との間に所定の空間が生じる。そして、この空
間を介して第1の流路4と第2の流路とが連通すること
となり、第1の流路4と第2の流路との間での流体の授
受が可能となり、プラグ2とカップラー3との間での流
体の授受が可能となる。
【0036】したがって、例えばカップラー3側からプ
ラグ2側にガスを供給する場合には、第2の流路の内部
空洞12から供給されるガスは、カップラー本体8と第
2の固定リング10との隙間からカップラー本体8と第
1の固定リング9と第2の固定リング10とにより形成
された空間30に流れ、さらに第1の固定リング9と遮
断弁11との間に生じた空間を通って第1の流路に流れ
ることとなる。
【0037】また、プラグ2がカップラー3に完全に挿
嵌されたときには、プラグ2は、当該プラグ2の外周面
に設けられた所定の勾配を有する凸部31が、当該凸部
31の形状に対応して第1の固定リング9内周面に形成
された所定の勾配を有する内壁32により係止されるこ
とにより、それ以上は挿嵌方向側に押し込めないように
なされている。すなわち、当該プラグ2の外周面及び第
1の固定リング9内周面に略同一の形状を設けることに
より、ストッパーのとして機能させている。また、プラ
グ2の肩部5の挿嵌方向側の端面33が第1の固定リン
グ9の離脱方向側の端面34により係止されることによ
っても同様にストッパーとしての機能を得ている。
【0038】また、プラグ2がカップラー3に完全に挿
嵌されると、プラグ固定ボール18がプラグ2の外周突
部に設けられたへこみ部7に嵌合する。そして、プラグ
2固定ボール18には、挿嵌方向側に付勢されるように
戻り防止バネ19の弾力が加えられており、この力がプ
ラグ固定ボール18からへこみ部7に対しても加わるた
め、プラグ固定ボール18がへこみ部7に嵌合すること
により、プラグ2とカップラー3とがロックされる。
【0039】そして、この状態でストッパー35を離脱
方向にスライドさせると、ストッパー35が外形方向に
押し開かれるように湾曲してストッパー35の内周面に
設けられた凸部36がプラグ固定ボール18に乗り上げ
る。さらに、ストッパー35を離脱方向にスライドさせ
ると、凸部36がプラグ固定ボール18を乗り越えて係
止され、これによりプラグ固定ボール18がロックされ
る。そして、ストッパー35は、それ自身の弾力性によ
りスライドさせる前の湾曲していない状態に戻る。ま
た、ストッパー35の挿嵌方向側の内周面に設けられた
凸部37がカップラー本体8の外周部に設けられた凸部
38に係止されるため、ストッパー35はこれ以上離脱
方向にスライドできない。
【0040】以上により、プラグ2とカップラー3とが
確実に固定されるため、外部から誤ってプラグ2に対し
て離脱方向への力が加わっても、また、カップラー3に
対して挿嵌方向への力が加わってもプラグ2とカップラ
ー3とが離脱することがなく、プラグ2とカップラー3
との接続状態が確実に維持される。
【0041】以上において説明したように、この流体コ
ネクタ装置1では、カップラー3に当該カップラー3に
対して一義的に形成されたプラグ2が挿嵌された場合に
のみ、遮断弁11が開放され、プラグ2とカップラー3
との間での流体の授受が可能となる。したがって、この
流体コネクタ装置1では、例えば適当な部材で遮断弁1
1を押すことによりカップラー3が取り付けられた貯蔵
装置の密閉状態を解いて流体を取り出すこと又は当該貯
蔵容器に貯蔵された流体と異なる種類の流体、すなわち
異なる種類の気体や液体を注入することが防止される。
これにより、悪戯等によりカップラー3が取り付けられ
た貯蔵装置から流体を取り出すこと又は貯蔵装置に流体
を注入することも防止できる。
【0042】また、他の種類の気体や液体を似たような
容器に貯蔵した場合等においても、この流体コネクタ装
置1を用いた場合には、たとえカップラー3に他の容器
用のプラグ2が入ったとしても、カップラー3に対して
一義的に形成されたプラグ2を挿嵌しない限りは遮断弁
11を開放することができないため、貯蔵容器に貯蔵さ
れた流体を取り出すこと又は当該貯蔵容器に貯蔵された
流体と異なる種類の流体、すなわち異なる種類の気体や
液体を注入することを防止することができる。すなわ
ち、この流体コネクタ装置1は、逆止弁的機能とキーロ
ック機能とを兼ね備えた流体コネクタ装置1といえる。
【0043】したがって、この流体コネクタ装置1によ
れば、一義的に形成されたコネクタ同士を連結した場合
のみ流体の授受が可能とされ、類似したコネクタの連結
や悪戯等により動作しない、安全性に優れた流体コネク
タ装置を実現することができる。
【0044】次に、本発明に係る流体コネクタ装置の具
体的な使用例について説明する。図2に本発明に係る流
体コネクタ装置を適用して構成した燃料電池システムを
搭載したポータブル電子機器の一構成例を示す。ポータ
ブル電子機器201に搭載される本発明を適用した燃料
電池システム202は、水素をその内部に貯蔵する、ま
たは内部に貯蔵した水素を燃料電池発電装置204に対
して供給する水素貯蔵カートリッジ203と、当該水素
貯蔵カートリッジ203から供給された水素を燃料とし
て発電する燃料電池発電装置204とを備えて構成され
ている。
【0045】そして、燃料電池システム202のうち燃
料電池発電装置204はポータブル電子機器201に常
設されるが、水素貯蔵カートリッジ203はポータブル
電子機器201に着脱自在に構成されており、必要に応
じてポータブル電子機器201に装填され、または取り
外される。すなわち、水素貯蔵カートリッジ203は、
ポータブル電子機器201を駆動させる際にはポータブ
ル電子機器201に装填され、燃料電池発電装置204
に対して水素を供給する。一方、ポータブル電子機器2
01を駆動しないとき、例えばポータブル電子機器20
1を長時間にわたって休止させる場合や、水素貯蔵カー
トリッジ203に水素を貯蔵する場合にはポータブル電
子機器201から取り外される。
【0046】このような水素貯蔵カートリッジ203
は、水素を貯蔵するためのタンク(図示せず)と、水素
貯蔵カートリッジ203から燃料電池発電装置204に
供給する水素の圧力を調整する圧力調整機構であるレギ
ュレータ(双方向レギュレータ)101と、水素貯蔵カ
ートリッジ203を燃料電池発電装置204と接続する
流体コネクタ装置201の一部であるカップラー3とを
備えて構成されている。水素貯蔵カートリッジ203内
には、LaNi等の水素吸蔵合金やカーボンナノチュ
ーブに代表される水素吸蔵炭素材料などが内蔵されてお
り、これらに水素を吸蔵させることにより大量の水素を
貯蔵できるようになされている。
【0047】ここで、水素の圧力調整機構として通常の
レギュレータを用いた場合、通常のレギュレータは流体
を一方向にしか流すことができず、無理に逆方向に流体
を流した場合には、例えばダイアフラム式のレギュレー
タの場合には、レギュレータが流体の圧力により破損し
てしまう。このようなレギュレータを水素貯蔵カートリ
ッジ203に水素を貯蔵する方向、すなわち水素を入れ
る方向に配置した場合には、このレギュレータは水素貯
蔵カートリッジ203から水素を外部に供給する、すな
わち水素を取り出す際には使用することができない。
【0048】一方、水素貯蔵カートリッジ203から外
部に水素を供給する方向、すなわち水素を取り出す方向
にレギュレータを配置した場合には、水素貯蔵カートリ
ッジ203に水素を貯蔵する、すなわち水素を貯蔵する
際には使用することができない。このため、二種類のレ
ギュレータが必要となり、また、水素貯蔵カートリッジ
203の使用用途に応じてレギュレータを交換しなけれ
ばならないため、操作が複雑になる。また、レギュレー
タの種類を間違えた場合には、レギュレータが破損して
しまい、水素貯蔵容器に悪影響を及ぼす虞もある。
【0049】そこで、この燃料電池システム202にお
いては、水素を入れる方向及び水素貯蔵カートリッジ2
03から外部に水素を供給する方向、すなわち水素を取
り出す方向の二方向に対応可能であり、適正な条件で水
素の貯蔵または供給を簡便に行うことが可能とされる利
便性に優れたレギュレータ101(以下、通常のレギュ
レータと区別するために双方向レギュレータと呼ぶ場合
がある。)を用いている。以下、このようなレギュレー
タについて説明する。この双方向レギュレータ101
は、吸気動作時は短時間で水素を吸蔵できるように高圧
で作動し、排気動作時は水素の平衡圧を電気エネルギー
発生素子209の作動条件に合わせて水素を排気できる
ように機能する。
【0050】図3に双方向レギュレータ101の一構成
例を示す。図3に示すレギュレータ101は、外部接続
孔である第1の外部接続孔102と第2の外部接続孔1
03とを備えたケース104内が、第1のガス流通孔1
05が設けられた第1の隔壁107と第2のガス流通孔
106が設けられた第2の隔壁108とにより3分割さ
れ、第1の圧力調整室109、第2の圧力調整室110
及び第3の圧力調整室が形成されている。そして、第1
の圧力調整室109は、その側面に穿設された第1の外
部接続孔102を介して高圧ガス供給部(図示せず)と
連通されており、第2の圧力調整室110は、その側面
に穿設された第2の外部接続孔103を介して例えば定
圧貯蔵部(図示せず)と連通されている。そして、第1
の圧力調整室109と第2の圧力調整室110とが、第
1の隔壁107に設けられた第1のガス流通孔105を
介して連通されており、第2の圧力調整室110と第3
の圧力調整室111とが第2の隔壁108に設けられた
第2のガス流通孔106を介して連通されている。
【0051】第3の圧力調整室111には、調整バネ1
12により押圧され第2の隔壁108に向かって前進及
び後退自在とされた圧力調整壁であるダイアフラム11
3を取り付けてあり、さらに各隔壁のガス流通孔10
5,106に挿通されるとともに当該ダイアフラム11
3と連結されて当該ダイアフラム113の前進及び後退
に伴って移動する支持軸114が配されている。また、
調整バネ112は、ケース104に固定された調整ネジ
115に連結されており、調整ネジ115によりそのダ
イアフラム113に対する押圧を調整可能とされてい
る。そして、第3の圧力調整室111において、ダイア
フラム113により分割された空間のうち調整バネ11
2が配された空間は平常状態において圧力が大気圧に設
定された大気圧室116とされている。
【0052】また、第2の圧力調整室110において
は、支持軸114に固定され、第2の隔壁108に設け
られた第2のガス流通孔106を開閉する第2の圧力調
整弁が取り付けられている。
【0053】そして、第1の圧力調整室109において
は、支持軸114の前進及び後退に伴って移動して第1
の隔壁107に設けられた第1のガス流通孔105を開
閉する第1の圧力調整弁118が第1の隔壁107に向
かって付勢されるように弾性材である保護用バネ119
を介して支持軸114に取り付けられている。このよう
な保護用バネ119としては、ベローズ等が好適であ
る。
【0054】ここで、上述したケース104、第1の隔
壁107、第2の隔壁108、ダイアフラム113、第
1の圧力調整弁118及び第2の圧力調整弁117を構
成する材料は特に限定されるものではなく、レギュレー
タ101にガスが流入した際に、そのガスに対して耐食
性を有し、且つそのガス圧に耐えられる強度を有するも
のであれば、いずれの材料も用いることができる。ま
た、これらの形状及び大きさも特に限定されるものでは
なく、使用用途等の諸条件により適宜選択することが可
能である。
【0055】また、保護用バネ119を構成する材料も
特に限定されるものではなく、レギュレータ101にガ
スが流入した際に、そのガスに対して耐食性を有し、且
つそのガス圧に耐えられる強度を有し、所定の形状に加
工、成形、鋳造溶接等ができるものであれば、いずれの
材料も用いることができる。このような材料としては、
例えばゴム、プラスチック、テフロン(登録商標)、金
属、非金属、レアメタル等を例示することができる。
【0056】次に、以上のように構成されたレギュレー
タ101の動作について説明する。まず、正方向、すな
わち、第1の外部接続孔102を通してガスを流入し、
第2のガス流通孔106から調圧したガスを流出させる
場合について説明する。
【0057】このレギュレータ101では、第1の外部
接続孔102を通して圧送されてくる高圧ガスは、第1
の圧力調整室109からその一部が第1のガス流通孔1
05を通って第2の圧力調整室110に入り、さらにそ
の一部が第2の圧力調整室110から第2のガス流通孔
106を通って第3の圧力調整室111に入り、ダイア
フラム113を調整バネ112の押し上げ力に抗して下
方へ押し下げる、すなわち第1の圧力調整室109に向
かって後退させる。これに伴い、図4に示すように支持
軸114が第1の圧力調整室109に向かって後退し、
所定の設定圧において、支持軸114に取り付けられた
第1の圧力調整弁118が第1の隔壁107に設けられ
た第1のガス流通孔105に当接して閉塞状態とする。
このとき、第2の圧力調整室110と第3の圧力調整室
111とは略同一の所定の圧力とされており、第2の圧
力調整室110及び第3の圧力調整室111のガスの圧
力は、調整バネ112のダイアフラム113に対する押
圧力が大きければ、それに比例して大きくなる。
【0058】そして、第2の圧力調整室110に封入さ
れたガスは、所定の圧力に調圧された状態で第2の外部
接続孔103から外部、例えば定圧貯蔵部に流出する。
また、第2の外部接続孔103からガスが流出して第2
の圧力調整室110及び第3の圧力調整室111のガス
の圧力が下がると、調整バネ112のダイアフラム11
3に対する押圧力によりダイアフラム113が上方に押
し上げられる、すなわち第1の圧力調整室109に向か
って前進する。これに伴って、支持軸114が第1の圧
力調整室109に向かって前進し、支持軸114に取り
付けられた第1の圧力調整弁118が第1の隔壁107
に設けられた第1のガス流通孔105から離間して閉塞
状態が解除される。これにより、第1の外部接続孔10
2を通して圧送されてくる高圧ガスが再度、第1のガス
流通孔105を通って第2の圧力調整室110に流入す
る。
【0059】以上のような操作を繰り返すことにより、
例えば高圧ガスを所定の圧力に調圧することが可能とさ
れている。
【0060】次に、逆方向、すなわち、第2の外部接続
孔103を通してガスを流入し、第1のガス流通孔10
5からガスを流出させる場合について説明する。
【0061】第2の外部接続孔103を通してガスを流
入する場合には、第2の外部接続孔103を通して所定
の圧力で第2の圧力調整室110に圧送されてくるガス
は、第2の圧力調整室110からその一部が第2のガス
流通孔106を通って第3の圧力調整室111に入り、
ダイアフラム113を調整バネ112の押し上げ力に抗
して下方へ押し下げる、すなわち第1の圧力調整室10
9に向かって後退させる。これに伴い、図5に示すよう
に支持軸114が第1の圧力調整室109に向かって後
退し、支持軸114に取り付けられた第1の圧力調整弁
118が第1の隔壁107に設けられた第1のガス流通
孔105に当接して閉塞状態とし、次いで、支持軸11
4に取り付けられた第2の圧力調整弁117が第2の隔
壁108に設けられた第2のガス流通孔106に当接し
て閉塞状態とする。そして、これ以降はダイアフラム1
13にさらなる圧力が加わることがないため、ダイアフ
ラム113は所定の位置で停止したままさらに下方に押
し下げられる、すなわち第1の圧力調整室109に向か
って後退することはない。
【0062】したがって、このレギュレータでは、第2
の圧力調整弁117は、ダイアフラム113に過度の圧
力が加わり、下方に押し下げられることにより破損する
ことを防止する役割を果たす。すなわち、ダイアフラム
113を保護する役割を果たすものである。
【0063】そして、第2の圧力調整室110は、第2
の外部接続孔103より流入するガスにより内圧が上昇
し、この圧力により第1の圧力調整弁118を上方に押
し上げる、すなわち第1の圧力調整室109に向かって
前進させる。これにより、第1のガス流通孔105の閉
塞状態が解除され、第2の圧力調整室110内のガスが
第1のガス流通孔105を通って第1の圧力調整室10
9に入り、さらに第1の外部接続孔102から外部へと
流出する。このとき、第1の圧力調整弁118は、保護
用バネ119の弾性により保持されるため、ガスの圧力
により吹き飛ばされたり、破損したりすることが防止さ
れる。すなわち、このレギュレータでは、保護用バネ1
19は、第1の圧力調整弁118を保護する役割を果た
すものである。
【0064】以上のような操作により、ダイアフラム1
13を破損させることなく、例えば所定の圧力に調圧さ
れて貯蔵されたガスを所定の圧力の状態で外部に供給す
ることが可能とされている。
【0065】したがって、上述したレギュレータ101
においては、正方向にガスを流す場合には、従来のレギ
ュレータと同様に、ガスを所定の圧力に調圧することが
可能とされている。そして、このレギュレータ101で
は、逆方向においてもガスを流すことが可能とされてい
る。すなわち、このレギュレータ101では、上述した
構造を有することからダイアフラム113を破損させる
ことなく、所定の圧力の状態で逆方向においてもガスを
流すことが可能とされている。すなわち、このレギュレ
ータ101によれば、正方向及び逆方向の二方向に対応
することが可能であり、適正な条件でガスの調圧及び供
給を簡便に行うことが可能とされる利便性に優れた圧力
調整機構が実現される。
【0066】また、上記においては、圧力調整壁として
ダイアフラム113を用いた場合について説明したが、
圧力調整壁はこれに限定されるものではなく、高圧ガス
の圧力が高い場合には、例えばピストンを用いることも
できる。圧力調整壁として、ピストンを用いて、大気圧
室116の大気圧をピストンを押圧する弾性力として用
いても上記と同様に効果を得ることができる。ただし、
設定圧の微妙な調整を要する際には、ダイアフラム11
3等の圧力調整膜を用いることが好ましい。
【0067】また、上述したレギュレータは、高圧ガス
側、すなわち第1の外部接続孔102から流入させるガ
スのガス圧は、例えば1kg/cm以上、350kg
/cm以下程度、設定圧側、すなわち第2の外部接続
孔103から流出させるガスのガス圧は、例えば1kg
/cm以下程度の範囲が好適である。しかしながら、
各部材の強度等を変更することによりさらに広い範囲に
おいても用いることが可能である。
【0068】そして、このレギュレータ101を用いる
ことにより、レギュレータを備える機器等においては、
レギュレータのためのスペースを省スペース化すること
ができ、機器の構成の簡略化、小型化、軽量化、さらに
は低コスト化を実現することが可能である。
【0069】また、水素を用いた燃料電池システム20
2にこのレギュレータ101を適用した場合には、2種
類のレギュレータを用いることなく、このレギュレータ
101のみで水素貯蔵容器に対して水素を貯蔵する、す
なわち水素を入れる方向、及び水素貯蔵容器から外部に
水素を供給する方向、すなわち水素を取り出す方向の二
方向に対応することが可能であり、レギュレータを交換
することなく、適正な条件で水素の貯蔵または供給を簡
便に行うことが可能とされる。そして、水素を用いた燃
料電池システム202においては、例えば高圧ガス側、
すなわち第1の外部接続孔102から流入させるガスの
ガス圧は、例えば3kg/cm程度、設定圧側、すな
わち第2の外部接続孔103から流出させるガスのガス
圧は、例えば0.03kg/cm程度の条件において
上述したレギュレータを好ましく用いることができる。
【0070】次に、このような双方向レギュレータの他
の構成例を示す。図6は、双方向レギュレータの他の構
成例である。図6に示すレギュレータ121と上述した
レギュレータ101との違いは、第2の圧力調整室11
0において、第1の隔壁107に向かって付勢されるよ
うに弾性材である第2の調整バネ122を介して支持軸
114に取り付けられ、第1の隔壁107に設けられた
第1のガス流通孔105を閉塞する第3の圧力調整弁1
24を有することと、第1の隔壁107に補助流通孔1
25が形成され、第1の圧力調整室109に第1の隔壁
107に向かって第3の調整バネ123によって弾発付
勢され、当該補助流通孔125を閉塞する補助圧力弁1
26が設けられていることである。
【0071】ここで、平常状態では、第1の外部接続孔
102は、第2の調整バネ122によって上方に押し上
げられた第3の圧力調整弁124によって第2の圧力調
整室110側から閉塞した状態とされている。また、平
常状態では、補助流通孔125は、第1の隔壁107に
向かって第3の調整バネ123によって弾発付勢された
補助圧力弁126によって第1の圧力調整室109側か
ら閉塞した状態とされている。なお、上述したレギュレ
ータ101と同一の部材は、同じ符号を付すことにより
説明を省略する。
【0072】ここで、上述したケース104、第3の圧
力調整弁124及び補助圧力弁126を構成する材料は
特に限定されるものではなく、レギュレータ121にガ
スが流入した際に、そのガスに対して耐食性を有し、且
つそのガス圧に耐えられる強度を有するものであれば、
いずれの材料も用いることができる。また、これらの形
状及び大きさも特に限定されるものではなく、使用用途
等の諸条件により適宜選択することが可能である。
【0073】また、第2の調整バネ122及び第3の調
整バネ123を構成する材料も特に限定されるものでは
なく、レギュレータ121にガスが流入した際に、その
ガスに対して耐食性を有し、且つそのガス圧に耐えられ
る強度を有し、所定の形状に加工、成形、鋳造溶接等が
できるものであれば、いずれの材料も用いることができ
る。このような材料としては、例えばゴム、プラスチッ
ク、テフロン(登録商標)、金属、非金属、レアメタル
等を例示することができる。
【0074】次に、以上のように構成されたレギュレー
タの動作について説明する。まず、正方向、すなわち、
第1の外部接続孔102を通してガスを流入し、第2の
ガス流通孔106から調圧したガスを流出させる場合に
ついて説明する。
【0075】このレギュレータ121では、第1の外部
接続孔102を通して圧送されてくる高圧ガスは、その
一部が第1のガス流通孔105を通って第3の圧力調整
弁124を第2の調整バネ122の押し上げ力に抗して
下方へ押し下げる、すなわち第1の圧力調整室109に
向かって後退させる。これにより、第1の外部接続孔1
02は閉塞状態が解除され、第1の外部接続孔102を
通って高圧ガスが第2の圧力調整室110に入る。そし
て、第2の圧力調整室110に入ったガスの一部が第2
のガス流通孔106を通って第3の圧力調整室111に
入り、ダイアフラム113を調整バネ112の押し上げ
力に抗して下方へ押し下げる、すなわち第1の圧力調整
室109に向かって後退させる。これに伴い、図7に示
すように支持軸114が第1の圧力調整室109に向か
って後退し、所定の設定圧において、支持軸114に取
り付けられた第1の圧力調整弁118が第1の隔壁10
7に設けられた第1のガス流通孔105に当接して閉塞
状態とする。このとき、第2の圧力調整室110と第3
の圧力調整室111とは略同一の所定の圧力とされてお
り、第2の圧力調整室110及び第3の圧力調整室11
1のガスの圧力は、調整バネ112のダイアフラム11
3に対する押圧力が大きければ、それに比例して大きく
なる。
【0076】そして、第2の圧力調整室110に封入さ
れたガスは、所定の圧力に調圧された状態で第2の外部
接続孔103から外部、例えば定圧貯蔵部に流出する。
また、第2の外部接続孔103からガスが流出して第2
の圧力調整室110及び第3の圧力調整室111のガス
の圧力が下がると、調整バネ112のダイアフラム11
3に対する押圧力によりダイアフラム113が上方に押
し上げられる、すなわち第1の圧力調整室109に向か
って前進する。これに伴って、支持軸114が第1の圧
力調整室109に向かって前進し、支持軸114に取り
付けられた第1の圧力調整弁118が第1の隔壁107
に設けられた第1のガス流通孔105から離間して閉塞
状態が解除される。これにより、第1の外部接続孔10
2を通して圧送されてくる高圧ガスが再度、第1のガス
流通孔105を通って第2の圧力調整室110に流入す
る。
【0077】以上のような操作を繰り返すことにより、
例えば高圧ガスを所定の圧力に調圧することが可能とさ
れている。
【0078】次に、逆方向、すなわち、第2の外部接続
孔103を通してガスを流入し、第1のガス流通孔10
5からガスを流出させる場合について説明する。
【0079】第2の外部接続孔103を通してガスを流
入する場合には、第2の外部接続孔103を通して所定
の圧力で第2の圧力調整室110に圧送されてくるガス
は、第2の圧力調整室110からその一部が第2のガス
流通孔106を通って第3の圧力調整室111に入り、
ダイアフラム113を調整バネ112の押し上げ力に抗
して下方へ押し下げる、すなわち第1の圧力調整室10
9に向かって後退させる。これに伴い、支持軸114が
第1の圧力調整室109に向かって後退し、支持軸11
4に取り付けられた第1の圧力調整弁118が第1の隔
壁107に設けられた第1のガス流通孔105に当接し
て閉塞状態とし、次いで、支持軸114に取り付けられ
た第2の圧力調整弁117が第2の隔壁108に設けら
れた第2のガス流通孔106に当接して閉塞状態とす
る。
【0080】このとき、第1の圧力調整弁118は、保
護用バネ119の弾性により保持されるため、ガスの圧
力により吹き飛ばされたり、破損したりすることが防止
される。すなわち、このレギュレータでは、保護用バネ
119は、第1の圧力調整弁118を保護する役割を果
たすものである。
【0081】また、これ以降はダイアフラム113にさ
らなる圧力が加わることがないため、ダイアフラム11
3は所定の位置で停止したままさらに下方に押し下げら
れる、すなわち第1の圧力調整室109に向かって後退
することはない。したがって、このレギュレータでは、
第2の圧力調整弁117は、ダイアフラム113に過度
の圧力が加わり、下方に押し下げられることにより破損
することを防止する役割を果たす。すなわち、ダイアフ
ラム113を保護する役割を果たすものである。また、
このとき、第3の圧力調整弁124は、第2の調整バネ
122によって上方に押し上げられているため、第1の
ガス流通孔105は、第1の圧力調整室109側及び第
2の圧力調整室110側の両側から閉塞されている。
【0082】そして、第2の圧力調整室110は、第2
の外部接続孔103より流入するガスにより内圧が上昇
し、この圧力により図8に示すように補助圧力弁126
を上方に押し上げる、すなわち第1の圧力調整室109
に向かって前進させる。これにより、第3の圧力調整弁
124の閉塞状態が解除され、第2の圧力調整室110
内のガスが第3のガス流通孔を通って第1の圧力調整室
109に入り、さらに第1の外部接続孔102から外部
へと流出する。
【0083】以上のような操作により、ダイアフラム1
13を破損させることなく、例えば所定の圧力に調圧さ
れて貯蔵されたガスを所定の圧力の状態で外部に供給す
ることが可能とされている。
【0084】したがって、このレギュレータ121にお
いては、上述したレギュレータ101と同様に正方向に
ガスを流す場合には、通常のレギュレータと同様に、ガ
スを所定の圧力に調圧することが可能とされ、また、逆
方向においてもガスを流すことが可能とされている。す
なわち、このレギュレータ121では、上述した構造を
有することからダイアフラム113を破損させることな
く、所定の圧力の状態で逆方向においてもガスを流すこ
とが可能とされている。すなわち、このレギュレータ1
21によれば、正方向及び逆方向の二方向に対応するこ
とが可能であり、適正な条件でガスの調圧及び供給を簡
便に行うことが可能とされる利便性に優れた圧力調整機
構が実現されている。
【0085】したがって、この燃料電池システム202
においては、以上のように構成された双方向レギュレー
タ101を用いているため、正方向に流体を流す場合に
は、通常のレギュレータと同様に、水素を所定の圧力に
調圧して燃料電池発電装置204に供給することが可能
とされ、また、逆方向においても水素を流すことが1個
のレギュレータで可能とされている。その結果、この燃
料電池システム202では、小型、且つ簡単な構成で適
正な条件で水素の貯蔵または供給を簡便に行うことが可
能とされ、利便性に優れた燃料電池システム202が実
現されている。
【0086】カップラー3は、後述するプラグ2と一対
で逆止弁機能を備えた流体コネクタ装置を構成し、水素
貯蔵カートリッジ203を燃料電池発電装置204と接
続するものである。
【0087】ここで流体コネクタ装置としては、上述し
た流体コネクタ装置1を用いている。これにより、一義
的に形成されたコネクタ同士、すなわちプラグ2とカッ
プラー3とを連結した場合のみ水素の授受が可能とさ
れ、類似したコネクタの連結や悪戯等により動作しな
い、安全性に優れた燃料電池システム202が実現され
ている。
【0088】水素貯蔵カートリッジ203は、図9及び
図10に示すようにカップラー3によりプラグ2による
コネクタ解除機構205により燃料電池発電装置204
側との接続及び解除が行われる。このコネクタ解除機構
205では、接続及び解除をワンタッチで行える構造と
されており、より安全に且つ簡単な操作で水素貯蔵カー
トリッジ203を取り扱うことができる。具体的に説明
すると、水素貯蔵カートリッジ203を燃料電池発電装
置204側と接続する場合には、図9に示すように水素
貯蔵カートリッジ203を取り付けベース211に固定
された水素貯蔵カートリッジホルダ212に挿入し、プ
ラグ2を所定の位置までカップラー3に挿嵌することに
より接続する。
【0089】ここで、水素貯蔵カートリッジホルダ21
2は、水素貯蔵カートリッジ203を所定の位置に案内
及び固定する機能を有する。ここで、図9及び図10に
おいては、水素貯蔵カートリッジホルダ212は略円筒
形の形状に示されているが、水素貯蔵カートリッジホル
ダ212の形状は円筒形に限定されるものではなく、水
素貯蔵カートリッジ203を確実に案内及び固定するこ
とができれば、種々の形状とすることが可能である。
【0090】また、例えば水素吸蔵合金を用いた水素貯
蔵方式の場合、水素を水素貯蔵カートリッジ203に貯
蔵する(貯蔵)際には発熱反応によって水素貯蔵カート
リッジ203の温度が上昇し、逆に水素を他の機器へ供
給(放出)する際には、吸熟反応によって水素貯蔵カー
トリッジ203の温度が低下する。そして、水素貯蔵カ
ートリッジ203内の温度の低下は、水素の供給(放
出)に要する時間を増加させてしまうため好ましくな
い。したがって、上述した水素貯蔵の際の吸熱は、水素
の供給(放出)に要する時間を増加させるという不具合
を生じさせる。
【0091】そこで、この燃料電池システム202にお
いては、水素貯蔵カートリッジホルダ212を例えば図
11に示すように二重構造とし、内部側の二重筒の内周
面にらせん状の溝231を形成する。そして、この溝2
31に後述する電気エネルギー発生素子209での発電
の際に発止した暖気を電気エネルギー発生素子209接
続ホース232により暖気供給口233から供給し、排
気口234から排気される構成とする。これにより、水
素を放出する際の吸熟反応による水素貯蔵カートリッジ
203の温度が低下を防止することができ、水素の供給
(放出)に要する時間が増加するという不具合を防止す
ることができる。
【0092】水素貯蔵カートリッジ203と燃料電池発
電装置204側との接続を解除する場合には、水素貯蔵
カートリッジ203に水素貯蔵カートリッジホルダ21
2を挿入する方向にコネクタ解除バー206をスライド
させる。ここで、コネクタ解除バー206は、二つのホ
ルダ213、213により所定の位置に支持されてお
り、当該コネクタ解除バー206の長手方向のみに移動
可能とされている。また、コネクタ解除バー206に
は、当該コネクタ解除バー206が挿通する圧縮コイル
バネ214が配されており、この圧縮コイルバネ214
の弾力によりコネクタ解除バー206が所定の状態、す
なわち水素貯蔵カートリッジ203が接続された状態に
保持されている。そして、コネクタ解除バー206を所
定の応力で押さない限りはコネクタ解除バー206がス
ライドしない構造とされており、衝撃等の外部応力によ
りコネクタ解除バー206が誤作動して水素貯蔵カート
リッジ203と燃料電池発電装置204側との接続が解
除されないようになされている。
【0093】そして、コネクタ解除バー206をスライ
ドさせると、当該コネクタ解除バー206の先端部に設
けられた第1ピン215により軸支され、且つ第2ピン
216により軸支され支点ブロック217により上下を
狭持されたリンク218が、第2ピン216を支点とし
て時計回りに移動する。この動きがリンク218の他端
側に設けられた第3ピン219を介してスライドブロッ
ク220に伝わり、スライドブロック220は、ガイド
ブロック221の上部に設けられた2本のガイドバー2
22に案内されて水素貯蔵カートリッジ203を水素貯
蔵カートリッジホルダ212から脱離する方向にスライ
ドする。ここで、プラグ2は、プラグ取り付けブロック
23に固定されており動くことができず、カップラー3
が水素貯蔵カートリッジ203ごとスライドブロックに
押されて脱離する方向にスライドすることにより図10
に示すようにプラグ2とカップラー3との接続、すなわ
ち水素貯蔵カートリッジ203の燃料電池発電装置20
4側との接続が解除される。
【0094】次に、燃料電池発電装置204について説
明する。燃料電池発電装置204は、電気エネルギー発
生素子209と、流量調整孔である流量調整ピンホール
207と、水素の供給を制御する水素供給制御手段であ
るストップバルブ208と、水素貯蔵カートリッジ20
3と燃料電池発電装置204とを接続する流体コネクタ
装置1の一部である上述したカップラー3とを備えて構
成されている。
【0095】電気エネルギー発生素子209は、水素貯
蔵カートリッジ203から供給された水素を燃料として
発電する燃料電池本体である。すなわち、水素貯蔵カー
トリッジ203から電気エネルギー発生素子209に水
素が供給されると、当該水素を燃料として電気エネルギ
ー発生素子209において発電が行われ、この発電によ
って得られた電気エネルギーがポータブル電子機器20
1に供給される。
【0096】流量調整ピンホール207は、いわゆる流
量調整手段であり、水素貯蔵カートリッジ203から電
気エネルギー発生素子209へ供給される水素の流量を
所定の流量に調整する流量調整孔である。電気エネルギ
ー発生素子209において安定した発電を行い、安定し
た電気エネルギーをポータブル電子機器201に供給す
るためには、燃料となる水素を所定の流量で安定して電
気エネルギー発生素子209に供給する必要がある。電
気エネルギー発生素子209に対する水素の供給量が少
ない場合には燃料不足のため所望の量の電力を発電する
ことができず、ポータブル電子機器201に供給する電
気エネルギーが不足するため、ポータブル電子機器20
1を安定して駆動させることができない。一方、電気エ
ネルギー発生素子209に対する水素の供給量が多すぎ
る場合にも、発電する電力量が低下してしまう。その結
果、電気エネルギー発生素子209に対する水素の供給
量が多すぎる場合も、ポータブル電子機器201を安定
して駆動させることができない。そして、駆動するため
に必要な電気エネルギー量は、電子機器ごとに異なり、
供給する電気エネルギーが少なくても多くても、安定し
て駆動させることができないため、燃料電池システム2
02が搭載される電子機器に最適な電気エネルギーを供
給する必要がある。
【0097】したがって、電気エネルギー発生素子20
9には、燃料電池システム202が搭載されるポータブ
ル電子機器201に最適な電気エネルギーを発電するこ
とができる所定の量の水素を供給することが必要とな
り、そのために、水素の供給量を調整する必要がある。
通常、このような水素の供給量を調整するには、弁等を
用いた流量調整機構が用いられる。しかしながら、この
ような流量調整機構は、構成が複雑となり、また、これ
を配置するためにある程度の空間が必要となるため、燃
料電池システム202の小型化を図る際に問題となる。
【0098】そこで、この燃料電池システム202で
は、水素貯蔵カートリッジ203から電気エネルギー発
生素子209へ供給される水素の流量を調整する流量調
整手段として流量調整孔である流量調整ピンホール20
7を用いる。流量調整ピンホール207により水素の流
量を調整するには、例えば所定の流量の水素のみを通過
させるように設定された所定の大きさのピンホールを基
材に穿設し、この基材を燃料電池発電装置204内の電
気エネルギー発生素子209への水素の流路に配置す
る。これにより、水素貯蔵カートリッジ203から供給
された水素は、流量調整ピンホール207を通過する際
に予め設定された所定の流量に調整されて電気エネルギ
ー発生素子209に供給されることになる。したがっ
て、電気エネルギー発生素子209に対して、燃料とな
る水素を所定の流量で安定して供給することができる。
その結果、電気エネルギー発生素子209において所定
の量の安定した発電を行うことができ、安定した電気エ
ネルギーをポータブル電子機器201に供給することが
可能となる。
【0099】また、流量調整手段として流量調整ピンホ
ール207を用いた場合、構成が非常に簡単であり、ま
た、広いスペースを必要としないため、燃料電池システ
ム202の小型化を図るうえで非常に効果的である。そ
して、構成が簡単である分、衝撃等の外部からの応力等
に対しても強く、多少の衝撃等では壊れたり不具合が生
じたりすることが無く耐久性に優れた燃料電池システム
202を実現することができる。
【0100】ここで、基材に穿設する流量調整ピンホー
ル207の数量は特に限定されるものではなく、1個で
も良く、また複数でも良い。すなわち、設定された所定
の流量の水素のみを通過させることができれば、小さな
ピンホールを多数設けても良く、また大きなピンホール
を少数設けても良い。
【0101】ストップバルブ208は、電気エネルギー
発生素子209に対する水素の供給を制御する水素供給
制御手段であり、電気エネルギー発生素子209を作動
させるときに水素ガスの供給、停止を制御する機能を有
し、また、シールOリングにより微小なゴミや塵等の不
純物の影響を低減させる機能も有している。図12にス
トップバルブ208の一構成例を示す。ストップバルブ
208は、ルブボディ241と、テーパーステム242
と、ステムシールOリング243、244と、ステムネ
ジ245と、供給口246と、排気口247と、流路2
48とを備えて構成されている。ここで、供給口246
は水素貯蔵カートリッジ203から電気エネルギー発生
素子209までの水素の流路のうち水素が供給される
側、すなわち水素貯蔵カートリッジ203側に接続さ
れ、また、排気口247は水素貯蔵カートリッジ203
から電気エネルギー発生素子209までの水素の流路の
うち電気エネルギー発生素子209側に接続される。
【0102】そして、電気エネルギー発生素子209に
対して水素の供給を停止した状態とする際には、図12
に示すようにテーパーステム242を閉じた状態とす
る。これにより、供給口246と流路248とが遮断さ
れるため、電気エネルギー発生素子209に対する水素
の供給をストップバルブ208で停止させることができ
る。また、電気エネルギー発生素子209に対して水素
を供給する際には、図13に示すようにテーパーステム
242を開いた状態とする。これにより供給口246と
流路248との間に空間が形成され、水素が供給口24
6から流路248を通って排気口247に抜けることが
できるため、電気エネルギー発生素子209に対して水
素を供給することができる。
【0103】また、図13に示すようにテーパーステム
242を開いた状態とする際に、テーパーステム242
の位置を調節することにより上述した空間の大きさを調
節することができ、当該空間の大きさを調節することに
より水素の流量を制御することができる。したがって、
この燃料電池システム202では、流量調整ピンホール
207の他にストップバルブ208においても流量を調
節することが可能とされており、二重に水素の流量を調
整可能とされているため、より確実に水素の流量を制御
することが可能である。
【0104】以上のような燃料電池システム202で
は、水素貯蔵カートリッジ203に備えられたタンク
(図示せず)から双方向レギュレータ101により所定
の圧力に調圧された状態で燃料電池発電装置204に供
給される。そして、燃料電池発電装置204に供給され
た水素は、流量調整ピンホール207においてポータブ
ル電子機器7に供給する電力を発電するために最適な流
量に調整されてストップバルブ208、電気エネルギー
発生素子209に送られる。そして、電気エネルギー発
生素子209では、この水素を燃料として発電を行い、
発電した電気エネルギーをポータブル電子機器201に
供給してポータブル電子機器201を駆動させる。した
がって、このポータブル電子機器201では、燃料電池
システム202において所定の量の安定した発電を行う
ことができ、安定した電気エネルギーがポータブル電子
機器201に供給されるため、安定した駆動が可能とさ
れる。
【0105】上記においては、水素の圧力を調整する圧
力調整機構として水素を入れる方向及び水素貯蔵カート
リッジ203から外部に水素を供給する方向、すなわち
水素を取り出す方向の二方向に対応可能な双方向レギュ
レータ101を用いた場合について説明したが、使用可
能な圧力調整機構は双方向レギュレータ101に限定さ
れるものではなく、通常のレギュレータ(以下、双方向
レギュレータ101と区別するために固定圧レギュレー
タと呼ぶ。)を用いることもできる。固定圧レギュレー
タ301を用いて水素の圧力を調整する際には、例えば
図14に示すように水素貯蔵カートリッジ203の中に
配置して水素の圧力を調整した後に水素貯蔵カートリッ
ジ203から燃料電池発電装置204に水素を供給する
構成することができる。
【0106】また、図15に示すように燃料電池発電装
置204の中において固定圧レギュレータ301をプラ
グ2と流量調整ピンホール207との間に配置し、水素
貯蔵カートリッジ203から供給された水素の圧力を調
整した後に当該水素の流量を調整するように構成するこ
とができる。以上の構成とした場合においても、上述し
た本発明に係る効果及び各構成部材の効果を得ることが
できる。
【0107】また、上記においては、ストップバルブ2
08が電気エネルギー発生素子209の直前に配された
場合について説明したが、ストップバルブ208の配置
位置は、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能
である。すなわち、例えば双方向レギュレータ101を
用いる構成の場合には、図16に示すようにストップバ
ルブ208を燃料電池発電装置204の中においてプラ
グ2と流量調整ピンホール207との間に配置した構成
とすることができる。
【0108】また、固定圧レギュレータ301を用いる
構成の場合には、例えば図17に示すように燃料電池発
電装置204の中において固定圧レギュレータ301を
プラグ2と流量調整ピンホール207との間に配置し、
当該固定圧レギュレータ301と流量調整ピンホール2
07との間にストップバルブ208を配置する構成とす
ることができる。また、図18に示すように燃料電池発
電装置204の中においてストップバルブ208をプラ
グ2の次に配置し、当該ストップバルブ208と流量調
整ピンホール207との間に固定圧レギュレータ301
を配置する構成とすることもできる。以上の構成とした
場合においても、上述した本発明に係る効果及び各構成
部材の効果を得ることができる。
【0109】また、上述した燃料電池システムにおいて
は、水素貯蔵カートリッジ内に電子素子を内蔵すること
により、電気エネルギー発生素子に水素を供給する際に
必要となる種々の情報を記憶及び呼び出すことが可能と
される。これにより例えば水素貯蔵カートリッジに貯蔵
する水素の購入や、水素貯蔵カートリッジの販売等を容
易に行うことが可能とされる。また、水素貯蔵カートリ
ッジ内に貯蔵されている水素の貯蔵量や圧力、その他水
素に関する種々の情報を常時把握することができるた
め、水素及び水素貯蔵カートリッジの管理を簡単に且つ
確実に行うことができる。
【0110】そして、以上のような燃料電池システム
は、構成が簡単であるため小型化が可能であり、また簡
単な操作で水素の供給を行えるため、例えば水素を燃料
とする電気エネルギー発生素子を内蔵するカムコーダ
ー、パソコン、ロボット等へ搭載して用いるのに好適で
ある。
【0111】
【発明の効果】本発明に係る流体コネクタ装置は、雄形
コネクタと雌形コネクタとからなり上記雄形コネクタを
上記雌形コネクタに挿入して接続する一対の流体コネク
タ装置であって、上記雄形コネクタが上記雌形コネクタ
との間で流体の授受が行われる第1の流路を有し、上記
雌形コネクタが上記雄形コネクタとの間で流体の授受が
行われる第2の流路と、当該第2の流路を上記雄形コネ
クタ側から遮断した状態で固定された遮断弁とを有し、
上記雄形コネクタが上記雌形コネクタに挿嵌されること
により上記遮断弁の固定状態が解かれて上記遮断弁が開
き、上記第1の流路と上記第2の流路とが連通するもの
である。
【0112】以上のように構成された本発明に係る流体
コネクタ装置は、一義的に形成されたコネクタ同士を連
結した場合のみ流体の授受が可能とされるため、類似し
たコネクタの連結や悪戯等による誤動作を防止すること
ができ、安全性に優れた流体コネクタ装置を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した流体コネクタ装置の一構成例
を示す断面図である。
【図2】本発明を適用した燃料電池システムを搭載した
ポータブル電子機器の一例を示す構成図である。
【図3】双方向レギュレータの一構成例を説明する断面
図である。
【図4】双方向レギュレータの一構成例を説明する断面
図である。
【図5】双方向レギュレータの一構成例を説明する断面
図である。
【図6】双方向レギュレータの他の構成例を説明する断
面図である。
【図7】双方向レギュレータの他の構成例を説明する断
面図である。
【図8】双方向レギュレータの他の構成例を説明する断
面図である。
【図9】コネクタ解除機構を説明する斜視図である。
【図10】コネクタ解除機構を説明する斜視図である。
【図11】水素貯蔵カートリッジホルダの構成を説明す
る図である。
【図12】ストップバルブが閉じた状態を説明する断面
図である。
【図13】ストップバルブが開いた状態を説明する断面
図である。
【図14】本発明を適用した燃料電池システムを搭載し
たポータブル電子機器の一例を示す構成図である。
【図15】本発明を適用した燃料電池システムを搭載し
たポータブル電子機器の他の例を示す構成図である。
【図16】本発明を適用した燃料電池システムを搭載し
たポータブル電子機器の他の例を示す構成図である。
【図17】本発明を適用した燃料電池システムを搭載し
たポータブル電子機器の他の例を示す構成図である。
【図18】本発明を適用した燃料電池システムを搭載し
たポータブル電子機器の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 流体コネクタ装置 2 プラグ 3 カップラー 4 第1の流路 9 第1の固定リング 10 第2の固定リング 11 遮断弁 13 係止ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 富一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 中村 亨弘 大阪府大阪市北区曾根崎新地1丁目4番20 号 桜橋IMビル6F 株式会社ハイテッ ク内 Fターム(参考) 3J106 BC04 BC12 CA11 EB07 ED32 EE12 5H027 AA02 BA13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄形コネクタと雌形コネクタとからなり
    上記雄形コネクタを上記雌形コネクタに挿入して接続す
    る一対の流体コネクタ装置であって、 上記雄形コネクタが、上記雌形コネクタとの間で流体の
    授受が行われる第1の流路を有し、 上記雌形コネクタが、上記雄形コネクタとの間で流体の
    授受が行われる第2の流路と、当該第2の流路を上記雄
    形コネクタ側から遮断した状態で固定された遮断弁とを
    有し、 上記雄形コネクタを上記雌形コネクタに挿嵌することに
    より、上記遮断弁を可動として上記第1の流路と上記第
    2の流路とを連通することを特徴とする流体コネクタ装
    置。
  2. 【請求項2】 上記遮断弁が、機械的手段により上記第
    2の流路を上記雄形コネクタ側から遮断した状態で固定
    及び可動とされることを特徴とする請求項1記載の流体
    コネクタ装置。
  3. 【請求項3】 上記雌形コネクタが、雌形コネクタ本体
    と上記遮断弁を固定する固定部材とを備えて構成され、 上記固定部材を上記雌形コネクタ本体に固定することに
    より上記遮断弁が上記第2の流路を上記雄形コネクタ側
    から遮断した状態で固定し、 上記雌形コネクタ本体に固定された固定部材を可動とす
    ることにより上記遮断弁を可動として上記第1の流路と
    上記第2の流路とを連通することを特徴とする請求項2
    記載の流体コネクタ装置。
  4. 【請求項4】 上記固定部材が、複数であることを特徴
    とする請求項3記載の流体コネクタ装置。
  5. 【請求項5】 上記雄形コネクタの上記雌形コネクタと
    対向する外周面に所定の形状の凹凸部が形成され、 上記雌形コネクタの上記雄形コネクタと対向する内周面
    に、上記凹凸部により係止される係止片が上記雌形コネ
    クタの径方向に移動可能に挿設され、 上記雄形コネクタを上記雌形コネクタ内の所定の位置に
    配して上記係止片を上記凹凸部により所定の位置に係止
    させることにより上記遮断弁を可動として上記第1の流
    路と上記第2の流路とを連通することを特徴とする請求
    項2記載の流体コネクタ装置。
  6. 【請求項6】 上記係止片は、略円柱形状を呈すること
    を特徴とする請求項5記載の流体コネクタ装置。
  7. 【請求項7】 上記係止片は、弾性材により上記雌形コ
    ネクタの径方向に移動可能とされることを特徴とする請
    求項5記載の流体コネクタ装置。
  8. 【請求項8】 上記流体は、気体であることを特徴とす
    る1記載の流体コネクタ装置。
  9. 【請求項9】 上記気体は、水素であることを特徴とす
    る請求項1記載の流体コネクタ装置。
  10. 【請求項10】 上記流体は、液体であることを特徴と
    する請求項1記載の流体コネクタ装置。
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