JP2003105229A - 印刷インキ用着色顔料及び該印刷インキ用着色顔料を含有する印刷インキ並びに顔料分散体 - Google Patents

印刷インキ用着色顔料及び該印刷インキ用着色顔料を含有する印刷インキ並びに顔料分散体

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JP2003105229A
JP2003105229A JP2001304315A JP2001304315A JP2003105229A JP 2003105229 A JP2003105229 A JP 2003105229A JP 2001304315 A JP2001304315 A JP 2001304315A JP 2001304315 A JP2001304315 A JP 2001304315A JP 2003105229 A JP2003105229 A JP 2003105229A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、凸版インキ、オフセットインキ、
グラビアインキ、スクリーンインキ、フレキソインキ、
水性インキ及び水性ボールペン、油性ボールペン等の筆
記具用インキ等の各種印刷インキの着色顔料であり、着
色力が高く、微粒子でありながら、分散性及び耐光性に
優れた印刷インキ用着色顔料を提供する。 【解決手段】 白色無機粒子粉末の粒子表面が糊剤によ
って被覆されていると共に該被覆に有機顔料又はカーボ
ンブラックが付着している平均粒子径0.001〜1.
0μmの複合粒子粉末からなる印刷インキ用着色顔料及
び該印刷インキ用着色顔料を含む印刷インキである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着色力が高く、微粒子
でありながら、分散性及び耐光性に優れた印刷インキ用
着色顔料を提供する。
【0002】本発明に係る印刷インキ用着色顔料は、凸
版インキ、オフセットインキ、グラビアインキ、スクリ
ーンインキ、フレキソインキ、水性インキ及び水性ボー
ルペン、油性ボールペン等の筆記具用インキ等の各種印
刷インキの着色顔料として用いることができる。
【0003】
【従来の技術】周知のとおり、凸版インキ、オフセット
インキ、グラビアインキ、スクリーンインキ、フレキソ
インキ、水性インキ及び水性ボールペン、油性ボールペ
ン等の筆記具用インキ等の印刷インキ用着色顔料とし
て、無機顔料及び有機顔料が用途に応じて使用されてい
る。
【0004】無機顔料は、一般に隠蔽力が高く、耐熱
性、耐光性は優れているが、着色力が低く、鮮明な色相
が得られにくいことが知られている。また、無機顔料の
中には鮮明な色相を有するものもあるが、それらの多く
は構成元素として鉛、水銀、カドミウム、クロム等の有
害金属を含有しているため、衛生面、安全性面及び環境
汚染防止の観点から、代替顔料が求められている。
【0005】一方、有機顔料は、一般に色相は鮮明であ
って着色力が高いが、隠蔽力が小さく、耐光性及び耐熱
性が劣ることが知られている。
【0006】印刷インキ用着色顔料に要求される特性
は、インキの種類、使用目的等によって種々異なるもの
であるが、鮮明な色相を有する印刷物を得るためには、
着色顔料として鮮明な色相を有することが要求される。
【0007】また、印刷の高速化により、濃度の大きい
インキが要求されており、それに伴って着色力の高い印
刷インキ用着色顔料が要求されている。
【0008】更に、印刷インキ用着色顔料のビヒクル中
における分散性は、印刷インキの製造工程における生産
性と、印刷インキの保存安定性に大きく影響するため、
分散性が優れるとともに、ビヒクル中における分散安定
性に優れた印刷インキ用着色顔料が要求されている。
【0009】更に、印刷物は、戸外で直射日光や風雨に
曝される場合があるため、長期に亘って鮮明な印刷画像
を維持できること、即ち耐光性に優れていることが必要
である。
【0010】これまでに、優れた特性を有する着色顔料
を得るために、無機顔料と有機顔料とを組み合わせる技
術が試みられており、例えば、黄鉛とフタロシアニンブ
ルーとを共沈させる方法や無機顔料の粒子表面に有機顔
料を付着させる方法(特開平4−132770号公報、
特開平11−181329号公報等)等が提案されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】着色力が高く、微粒子
でありながら、分散性及び耐光性に優れた印刷インキ用
着色顔料は、現在最も要求されているところであるが、
未だ得られていない。
【0012】即ち、前出の黄鉛とフタロシアニンブルー
を共沈させる方法は、黄鉛を用いているために毒性を有
しているとともに、共沈によって製造されているため
に、フタロシアニンブルーの付着強度が十分とは言え
ず、これを用いて得られた印刷インキは、保存安定性が
十分とは言い難い。
【0013】また、前出特開平4−132770号公報
に記載の方法は、無機顔料の存在下で有機顔料を析出さ
せる方法であるため、有機顔料の付着強度が十分とは言
い難いものである。
【0014】また、前出特開平11−181329号公
報に記載の方法は、オルガノポリシロキサンを環状シリ
コーンに溶解し、得られた溶液に有機顔料を添加して微
粒化処理した後、高吸油性無機顔料を含浸し、次いで、
環状シリコーンを揮発させる方法であり、有機顔料の付
着強度が十分とは言い難いものである。
【0015】なお、特開平11−323174号公報に
は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の
粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラ
ン化合物が被覆されており、該オルガノシラン化合物被
覆にカーボンブラック微粒子粉末が付着している鉄系黒
色複合粒子粉末が記載されているが、黒色の芯粒子にカ
ーボンブラックを固着させる技術である。
【0016】そこで、本発明は、着色力が高く、微粒子
でありながら、分散性及び耐光性に優れた印刷インキ用
着色顔料を提供することを技術的課題とする。
【0017】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0018】即ち、本発明は、白色無機粒子粉末の粒子
表面が糊剤によって被覆されていると共に該被覆に有機
顔料又はカーボンブラックが付着している平均粒子径
0.001〜10.0μmの複合粒子粉末からなること
を特徴とする印刷インキ用着色顔料である(本発明
1)。
【0019】また、本発明は、白色無機粒子粉末の粒子
表面が有機ケイ素化合物及びカップリング剤から選ばれ
る一種又は二種以上の糊剤によって被覆されていると共
に該被覆に有機顔料又はカーボンブラックが付着してい
る平均粒子径0.001〜10.0μmの複合粒子粉末
からなることを特徴とする印刷インキ用着色顔料である
(本発明2)。
【0020】また、本発明は、有機顔料又はカーボンブ
ラックの付着量が白色無機粒子粉末100重量部に対し
て1〜500重量部であることを特徴とする本発明1又
は本発明2の印刷インキ用着色顔料である(本発明
3)。
【0021】また、本発明は、本発明1乃至本発明3の
いずれかの印刷インキ用着色顔料のいずれかを含有する
印刷インキである。
【0022】また、本発明は、顔料分散体の構成基材1
00重量部に対して5〜1,000重量部の本発明1乃
至本発明3のいずれかの印刷インキ用着色顔料のいずれ
かを含有することを特徴とする顔料分散体である。
【0023】本発明の構成をより詳しく説明すれば次の
通りである。
【0024】先ず、本発明に係る印刷インキ用着色顔料
について述べる。
【0025】本発明に係る印刷インキ用着色顔料は、芯
粒子粉末である白色無機粒子粉末の粒子表面が有機ケイ
素化合物、カップリング剤、オリゴマー及び高分子化合
物から選ばれる一種又は二種以上の糊剤で被覆されてお
り、該被覆に有機顔料又はカーボンブラック(以下、
「有機顔料等」と言う。)が付着している平均粒子径
0.001〜10.0μmの複合粒子からなる。
【0026】なお、本発明に係る印刷インキ用着色顔料
は、芯粒子である白色無機粒子の粒子表面に有機顔料等
からなる有色付着層を複数設けてもよい。例えば、白色
無機粒子の粒子表面が糊剤で被覆され、該被覆に有機顔
料等が付着している有色付着層(以下、「第一有色付着
層」という)が形成され(以下、第一有色付着層が形成
されている白色無機粒子を「中間顔料」という)、更
に、第一有色付着層の表面に糊剤が被覆され、当該被覆
に有機顔料等が付着している有色付着層(以下、「第二
有色付着層」という)が形成されている形態をいう。必
要に応じて、同様にして、更に、有色付着層を形成して
もよい。(以下、二層以上の有色付着層を形成した着色
顔料を「複数の有色付着層を有する着色顔料」とい
う。)
【0027】本発明における白色無機粒子としては、二
酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、雲母チタン、白雲
母等のパール顔料、シリカ粉、ホワイトカーボン、微粉
ケイ酸、珪藻土等のシリカ微粒子、クレー、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、ホワイトカー
ボン、タルク、透明性酸化チタン、サチン白等の体質顔
料が挙げられる。
【0028】無機粒子の粒子形状は、球状、粒状、多面
体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び
板状等のいずれの形状であってもよい。
【0029】白色無機粒子粉末の粒子サイズは、平均粒
子径が0.0009〜9.99μm、好ましくは0.0
014〜9.49μm、より好ましくは0.0019〜
8.99μmである。
【0030】平均粒子径が9.99μmを超える場合に
は、得られる着色顔料が粗大粒子となるため着色力が低
下し、0.0009μm未満の場合には、粒子の微細化
による分子間力の増大により凝集を起こしやすくなるた
め、粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及び有機顔
料等による均一な付着処理が困難となる。
【0031】白色無機粒子粉末のBET比表面積値は
0.5m/g以上である。BET比表面積値が0.5
/g未満の場合には、白色無機粒子が粒子及び粒子
相互間で焼結が生じた粒子となっており、得られる着色
顔料は粗大粒子となり着色力が低下する。着色顔料の着
色力を考慮すると、BET比表面積値は、好ましくは
1.0m/g以上、より好ましくは1.5m/g以
上である。白色無機粒子粉末の粒子表面への糊剤による
均一な被覆処理及び有機顔料等による均一な付着処理を
考慮すると、その上限値は500m/gであり、好ま
しくは400m/g、より好ましくは300m/g
である。
【0032】白色無機粒子粉末の色相は、L値が7
0.00以上、C値が18.00以下の範囲のものが
好ましく、より好ましくは、L値が75.00以上、
値が16.00以下である。L値、C値が上記
範囲外の場合には、色相が白色を呈しているとは言い難
く、本発明の目的とする着色顔料を得ることが困難とな
る。
【0033】本発明における白色無機粒子粉末のうち白
色顔料の隠蔽力は、後述する評価法により600cm
/g以上が好ましい。また、本発明における白色無機粒
子粉末のうちパール顔料及び体質顔料の隠蔽力は600
cm/g未満が好ましい。
【0034】白色無機粒子粉末の耐光性は、後述する評
価方法により、ΔE値の下限値が5.0を超え、上限
値が12.0、好ましくは11.0、より好ましくは1
0.0である。
【0035】本発明における糊剤としては、白色無機粒
子の粒子表面へ有機顔料等を付着できるものであれば何
を用いてもよく、好ましくはアルコキシシラン、ポリシ
ロキサン、フルオロアルキルシラン等の有機ケイ素化合
物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジル
コネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分
子化合物の一種又は二種以上である。白色無機粒子の粒
子表面への有機顔料等の付着強度を考慮すれば、より好
ましくはアルコキシシラン、ポリシロキサン、フルオロ
アルキルシラン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタ
ネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カ
ップリング剤である。
【0036】殊に、芯粒子としてシリカ微粒子を用いた
場合には、糊剤としては、有機ケイ素化合物もしくはシ
ラン系カップリング剤を用いることが好ましい。
【0037】本発明における有機ケイ素化合物として
は、化1で表わされるアルコキシシランから生成するオ
ルガノシラン化合物、化2で表わされるポリシロキサ
ン、化3で表わされる変成ポリシロキサン、化4で表わ
される末端変成ポリシロキサン並びに化5で表されるフ
ルオロアルキルシラン又はこれらの混合物を用いること
ができる。
【0038】
【化1】
【0039】アルコキシシランとしては、具体的には、
メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デ
シルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0040】白色無機粒子の粒子表面への有機顔料等の
付着強度を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシ
シランから生成するオルガノシラン化合物がより好まし
く、最も好ましくはメチルトリエトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランか
ら生成するオルガノシラン化合物である。
【0041】
【化2】
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】
【0044】白色無機粒子の粒子表面への有機顔料等の
付着強度を考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサ
ン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリ
シロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カル
ボン酸変成ポリシロキサンが好ましい。
【0045】
【化5】
【0046】フルオロアルキルシランとしては、具体的
には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリ
デカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカ
フルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルロ
デシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピル
エトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキ
シシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0047】白色無機粒子の粒子表面への有機顔料等の
付着強度を考慮すると、トリフルオロプロピルトリメト
キシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシ
ラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランか
ら生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が好まし
く、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデ
カフルオロオクチルトリメトキシシランから生成するフ
ッ素含有オルガノシラン化合物が最も好ましい。
【0048】カップリング剤のうち、シラン系カップリ
ング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0049】チタネート系カップリング剤としては、イ
ソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピル
トリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、
イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)
チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフ
ェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシ
メチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイ
トチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)
オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0050】アルミネート系カップリング剤としては、
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アル
ミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0051】ジルコネート系カップリング剤としては、
ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコ
ニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニ
ウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウム
トリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウ
ムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0052】オリゴマーとしては、分子量300以上、
10,000未満のものが好ましく、高分子化合物とし
ては、分子量10,000以上、100,000程度の
ものが好ましい。白色無機粒子への均一な被覆処理を考
慮すれば、液状、もしくは、水又は各種溶剤に可溶なオ
リゴマー又は高分子化合物が好ましい。
【0053】糊剤による被覆量は、糊剤被覆白色無機粒
子粉末に対してC換算で0.01〜15.0重量%が好
ましく、より好ましくは0.02〜12.5重量%、最
も好ましくは0.03〜10.0重量%である。
【0054】0.01重量%未満の場合には、白色無機
粒子粉末100重量部に対して1重量部以上の有機顔料
等を付着させることが困難である。15.0重量%を超
える場合には、白色無機粒子粉末100重量部に対して
有機顔料等を1〜500重量部付着させることができる
ため、必要以上に被覆する意味がない。
【0055】本発明における有機顔料等としては、一般
に印刷インキの着色剤として用いられている赤色系有機
顔料、青色系有機顔料、黄色系有機顔料、緑色系有機顔
料、橙色系有機顔料、褐色系有機顔料、紫色系有機顔料
及び黒色系有機顔料等の各種有機顔料及びカーボンブラ
ックを使用することができる。
【0056】赤色系有機顔料としては、キナクリドンレ
ッド等のキナクリドン顔料、パーマネントレッド等のア
ゾ系顔料、縮合アゾレッド等の縮合アゾ顔料、ジアンス
ラキノニルレッド等の建染染料系顔料及びペリレンレッ
ド等のペリレン顔料を用いることができる。青色系有機
顔料としては、無金属フタロシアニンブルー、フタロシ
アニンブルー、ファストスカイブルー等のフタロシアニ
ン系顔料及びアルカリブルーを用いることができる。黄
色系有機顔料としては、ハンザエロー等のモノアゾ系顔
料、ベンジジンエロー、パーマネントエロー等のジスア
ゾ系顔料、縮合アゾイエロー等の縮合アゾ顔料及びイソ
インドリンイエロー等のイソインドリン系顔料を用いる
ことができる。緑色系顔料としては、フタロシアニング
リーン等のフタロシアニン系顔料を用いることができ
る。黒色系有機顔料としては、アニリンブラック、ペリ
レンブラック等を用いることができる。
【0057】本発明におけるカーボンブラックは、ファ
ーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラ
ック等のカーボンブラック微粒子粉末を用いることがで
きる。
【0058】なお、要求される色相に応じて前記各有機
顔料等を混合して用いてもよい。また、求められる色相
及び特性等に応じて同系色の色であっても二種以上を用
いてもよい。
【0059】なお、複数の有色付着層を有する着色顔料
において、第一有色付着層に付着させる有機顔料等と第
二有色被覆層以降に付着させる有機顔料等は同一であっ
ても、同色で異種類の有機顔料等、異色の有機顔料等で
もいずれでもよい。また、組み合わせる有機顔料等とし
て、耐光性等の機能を有するものを選択することによ
り、複数の機能を有する印刷インキ用着色顔料を得るこ
とが可能となる。
【0060】有機顔料等の付着量は、白色無機粒子粉末
100重量部に対して1〜500重量部である。
【0061】1重量部未満の場合及び500重量部を超
える場合には、本発明の目的とする着色顔料を得ること
が困難となる。好ましくは30〜400重量部であり、
より好ましくは50〜300重量部である。
【0062】複数の有色付着層を有する着色顔料におい
ては、各有色付着層における有機顔料等の付着量は、所
望の色相及び特性に応じて前記有機顔料等全体での付着
量の上限値を超えない範囲で適量を付着させればよい。
【0063】本発明に係る印刷インキ用着色顔料の粒子
形状や粒子サイズは、芯粒子である白色無機粒子の粒子
形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似する粒
子形態を有している。
【0064】即ち、本発明に係る印刷インキ用着色顔料
は、平均粒子径が0.001〜10.0μm、好ましく
は、0.0015〜9.50μm、より好ましくは0.
0020〜9.00μmである。
【0065】本発明に係る印刷インキ用着色顔料の平均
粒子径が10.0μmを超える場合には、粒子サイズが
大きすぎるため、着色力が低下する。平均粒子径が0.
001μm未満の場合には、粒子の微細化による分子間
力の増大により凝集を起こしやすいため、ビヒクル中へ
の分散が困難となる。
【0066】本発明に係る印刷インキ用着色顔料のBE
T比表面積値は、1.0〜500m /gであり、好ま
しくは1.5〜400m/g、より好ましくは2.0
〜300m/gである。BET比表面積値が1.0m
/g未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及
び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、着色力
が低下する。BET比表面積値が500m/gを超え
る場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により
凝集を起こしやすいため、ビヒクル中への分散性が低下
する。
【0067】本発明に係る印刷インキ用着色顔料の有機
顔料等の脱離の程度は、後述する評価方法により5又は
4が好ましく、より好ましくは5である。有機顔料等の
脱離の程度が3以下の場合には、脱離した有機顔料等に
よりビヒクル中での均一な分散が阻害される場合がある
とともに、脱離した部分の白色無機粒子粉末の色相が粒
子表面に現れるため、均一な色相を得ることが困難とな
る。
【0068】本発明に係る印刷インキ用着色顔料の着色
力は、後述する評価方法により115%以上が好まし
く、より好ましくは120%以上である。
【0069】本発明に係る印刷インキ用着色顔料の隠蔽
力は、白色無機粒子粉末として白色顔料を用いた場合、
後述する評価方法により700cm/g以上が好まし
く、より好ましくは750cm/g以上である。白色
無機粒子粉末として体質顔料又はパール顔料を用いた場
合、700cm/g未満が好ましく、より好ましくは
650cm/g以下、更により好ましくは600cm
/g以下、最も好ましくは580cm/g以下であ
る。
【0070】本発明に係る印刷インキ用着色顔料の耐光
性は、後述する評価方法において、ΔE値で5.0以
下、好ましくは4.0以下である。殊に、紫外線防御効
果のある酸化チタン及び酸化亜鉛等を芯粒子として用い
た場合には、ΔE値が4.0以下が好ましく、より好
ましくは3.0以下である。
【0071】本発明に係る印刷インキ用着色顔料は、必
要により、白色無機粒子粉末の粒子表面をあらかじめ、
アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ
素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくと
も1種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよく、中
間被覆物で被覆しない場合に比べ、白色無機粒子粉末の
粒子表面からの有機顔料等の脱離をより低減することが
できるとともに、耐光性が向上する。
【0072】中間被覆物による被覆量は、中間被覆物が
被覆された白色無機粒子粉末に対してAl換算、SiO
換算又はAl換算量とSiO換算量との総和で0.
01〜20重量%が好ましい。
【0073】0.01重量%未満である場合には、有機
顔料等の脱離の抑制効果及び耐光性向上効果が得られな
い。0.01〜20重量%の被覆量により、有機顔料等
の脱離の抑制効果及び耐光性向上が十分に得られるの
で、20重量%を超えて必要以上に被覆する意味がな
い。
【0074】中間被覆物で被覆されている本発明に係る
印刷インキ用着色顔料は、中間被覆物で被覆されていな
い本発明に係る印刷インキ用着色顔料の場合とほぼ同程
度の粒子サイズ、BET比表面積値、色相(L値、a
値、b値)、着色力及び隠蔽力を有している。ま
た、有機顔料等の脱離の程度及び耐光性は中間被覆物を
被覆することによって向上し、脱離の程度は5が好まし
く、耐光性は、ΔE値で4.0以下、好ましくは3.
0以下である。
【0075】次に、本発明に係る印刷インキ用着色顔料
を配合した印刷インキについて述べる。
【0076】本発明に係る印刷インキは、前記本発明に
係る印刷インキ用着色顔料を用いる。印刷インキとして
は、特に限定されるものではないが、例えば、凸版イン
キ、オフセットインキ、グラビアインキ、スクリーンイ
ンキ、フレキソインキ、水性インキ及び筆記具用インキ
等である。
【0077】本発明に係る印刷インキのうち凸版印刷イ
ンキの構成材料及び組成割合は、着色顔料が5〜40重
量部、好ましくは8〜35重量部、より好ましくは10
〜30重量部であり、ビヒクルが95〜60重量部、好
ましくは92〜65重量部、より好ましくは90〜70
重量部であり、その他添加剤が0〜20重量部である。
【0078】凸版印刷インキのビヒクルは樹脂、油及び
溶剤から構成され、樹脂としては、ロジン変性フェノー
ル樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、ギルソナイト、ロジ
ン、硬化ロジン、エステルガム、油溶性フェノール樹
脂、ロジンフマル酸、高酸化マレイン酸、高酸化フマル
酸、エポキシ樹脂等であり、油としては植物油、加工
油、鉱油であり、溶剤としては高沸点石油溶剤、グリコ
ール(エチレングリコール、プロピレングリコール
等)、グリコール誘導体である。必要により、その他添
加物として、ワックス(ポリエチレンワックス)、コン
パウンド、体質顔料、ドライヤー、分散剤、増粘剤、ゲ
ル化剤、チキソトロピー付与剤等を用いてもよい。
【0079】本発明に係る着色顔料を配合した凸版印刷
インキは、貯蔵安定性がΔE値で1.5以下が好まし
く、より好ましくは1.2以下である。印刷した場合に
は、後述する組成において、塗膜の耐光性がΔE値で
5.0以下、好ましくは4.0以下である。
【0080】本発明に係る印刷インキのうちオフセット
インキの構成材料及び組成割合は、着色顔料が5〜40
重量部、好ましくは8〜35重量部、より好ましくは1
0〜30重量部であり、ビヒクルが95〜60重量部、
好ましくは92〜65重量部、より好ましくは90〜7
0重量部であり、その他添加剤が0〜20重量部であ
る。
【0081】オフセットインキのビヒクルは樹脂、油及
び溶剤から構成され、樹脂としてはロジン変性フェノー
ル樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、ギルソナイト、ロジ
ン、エステルガム、ロジンエステル、炭化水素溶剤可溶
マレイン酸樹脂、環化ゴム、エポキシ樹脂等であり、油
としては植物油、加工油、鉱油等であり、溶剤としては
高沸点石油溶剤、アルコール、大豆油である。必要によ
り、その他の添加物として、ワックス(ポリエチレンワ
ックス)、コンパウンド、体質顔料、ドライヤー、分散
剤、増粘剤、ゲル化剤、チキソトロピー付与剤等を用い
てもよい。
【0082】本発明に係る着色顔料を配合したオフセッ
トインキは、光沢度が70%以上が好ましく、より好ま
しくは75%以上、更により好ましくは80%以上であ
り、貯蔵安定性がΔE値で1.5以下が好ましく、よ
り好ましくは1.2以下である。印刷した場合には、後
述する組成において、塗膜の耐光性がΔE値で5.0
以下、好ましくは4.0以下である。
【0083】本発明に係る印刷インキのうちグラビアイ
ンキの構成材料及び組成割合は、着色顔料が3〜50重
量部、好ましくは4〜45重量部、より好ましくは5〜
40重量部であり、ビヒクルが97〜50重量部、好ま
しくは96〜45重量部、より好ましくは95〜60重
量部であり、その他添加剤が0〜20重量部、好ましく
は0〜15重量部、より好ましくは0〜10重量部であ
る。
【0084】グラビアインキのビヒクルは樹脂及び溶剤
から構成され、樹脂としては石油樹脂、ギルソナイト、
ロジン、硬化ロジン、エステルガム、ロジンエステル、
マレイン酸樹脂、環化ゴム、ニトロセルロース、アクリ
ル樹脂、塩化ゴム、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等であり、溶剤として
は脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素(トルエン、キシレ
ン)、エステル(酢酸エチル)、ケトン系溶剤(メチル
エチルケトン)、アルコール(イソプロピルアルコー
ル)、グリコール誘導体である。必要により、その他の
添加物として、可塑剤(フタル酸ジオクチル)、ワック
ス、コンパウンド、体質顔料、ドライヤー、分散剤、増
粘剤、ゲル化剤、チキソトロピー付与剤等を用いてもよ
い。
【0085】本発明に係る着色顔料を配合したグラビア
インキは、光沢度が70%以上が好ましく、より好まし
くは75%以上、更により好ましくは80%以上であ
り、貯蔵安定性がΔE値で1.5以下が好ましく、よ
り好ましくは1.2以下である。印刷した場合には、後
述する組成において、塗膜の耐光性がΔE値で5.0
以下、好ましくは4.0以下である。
【0086】本発明に係る印刷インキのうちスクリーン
インキの構成材料及び組成割合は、着色顔料が1〜30
重量部、好ましくは2〜25重量部、より好ましくは3
〜20重量部であり、体質顔料が5〜40重量部、好ま
しくは10〜35重量部であり、ビヒクルが94〜30
重量部、好ましくは93〜40重量部、より好ましくは
92〜45重量部であり、乾性油が0〜40重量部、好
ましくは0〜35重量部であり、その他添加剤が0〜2
0重量部、好ましくは0〜15重量部、より好ましくは
0〜10重量部である。
【0087】スクリーンインキのビヒクルは樹脂及び溶
剤から構成され、樹脂としてはアルキド樹脂、ロジン変
性フェノール樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジンエス
テル、マレイン酸樹脂、環化ゴム、セルロース誘導体
(ニトロセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロ
キシエチルセルロース)、アクリル樹脂、塩化ゴム、ポ
リアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリエステルアクリレート、ウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート等であり、溶剤と
しては脂肪族炭化水素(ミネラルスピリット)、芳香族
炭化水素、アルコール、グリコール誘導体、エステル、
ケトン系溶剤等である。必要によりその他の添加物とし
て、可塑剤、コンパウンド、ドライヤー、分散剤、増粘
剤、ゲル化剤、チキソトロピー付与剤、酸化防止剤、架
橋剤、硬化剤、消泡剤、つや消し剤、紫外線防止剤、界
面活性剤等を用いてもよい。
【0088】本発明に係る着色顔料を配合したスクリー
ンインキは、光沢度が70%以上が好ましく、より好ま
しくは75%以上、更により好ましくは80%以上であ
り、貯蔵安定性がΔE値で1.5以下が好ましく、よ
り好ましくは1.2以下である。印刷した場合には、後
述する組成において、塗膜の耐光性がΔE値で5.0
以下、好ましくは4.0以下である。
【0089】本発明に係る印刷インキのうち水性インキ
の構成材料及び組成割合は、着色顔料が1〜30重量
部、好ましくは2〜25重量部、より好ましくは3〜2
0重量部であり、体質顔料が0〜40重量部、好ましく
は0〜30重量部であり、ビヒクルが99〜30重量
部、好ましくは98〜40重量部、より好ましくは97
〜50重量部であり、その他添加剤が0〜20重量部、
好ましくは0〜15重量部、より好ましくは0〜10重
量部である。
【0090】水性インキのビヒクルは水性樹脂、溶剤及
び水溶化剤からなり、水性樹脂としては水溶性樹脂(デ
ンプン、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル
酸塩)、水溶化樹脂(セラック、ロジン/マレイン酸樹
脂、スチレン/マレイン酸樹脂、アクリル樹脂)、水性
分散樹脂(アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレ
ン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、合成ゴムラテックス、ポ
リウレタン、ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシエ
ステル、ロジンエステル)等であり、溶剤としては水、
アルコール、エステル系溶剤、ケトン系溶剤(メチルエ
チルケトン)、アルコール(イソプロピルアルコー
ル)、グリコール誘導体であり、水溶化剤としてはアン
モニア水、水溶性有機アミンである。必要によりその他
の添加物として、可塑剤、ワックス、コンパウンド、さ
び止め剤、かび防止剤、消泡剤、ドライヤー、分散剤等
を用いてもよい。
【0091】本発明に係る着色顔料を配合した水性イン
キは、光沢度が70%以上が好ましく、より好ましくは
75%以上、更により好ましくは80%以上であり、貯
蔵安定性がΔE値で1.5以下が好ましく、より好ま
しくは1.2以下である。印刷した場合には、後述する
組成において、塗膜の耐光性がΔE値で5.0以下、
好ましくは4.0以下である。
【0092】本発明に係る印刷インキのうちボールペン
用インキの構成材料及び組成割合は、着色顔料が5〜5
0重量部、好ましくは5〜45重量部、より好ましくは
5〜40重量部であり、溶剤が35〜94重量部、好ま
しくは35〜93重量部、より好ましくは35〜92重
量部であり、樹脂が1〜35重量部、好ましくは2〜3
0重量部、より好ましくは3〜25重量部であり、その
他添加剤が0〜20重量部、好ましくは0〜15重量
部、より好ましくは0〜10重量部である。
【0093】ボールペン用インキのうち有機溶剤系イン
キにおける溶剤としては、グリコール系溶剤、脂肪酸、
グリコールエーテル系溶剤、アルコール系溶剤、エステ
ル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、石油系溶剤、ケトン
系溶剤等であり、樹脂としてはビニル系樹脂、炭化水素
系樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン/
アクリル酸共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレ
イン酸共重合体、ケトン樹脂等である。必要によりその
他の添加物として、樹脂(粘度調整剤)、潤滑剤、防腐
剤、防カビ剤、防錆剤、分散剤、pH調整剤等をもちい
てもよい。
【0094】ボールペン用インキのうち水系インキにお
ける溶剤としては、水、グリコール系溶剤、脂肪酸、グ
リコールエーテル系溶剤、アルコール系溶剤等であり、
樹脂としては水溶性樹脂(デンプン、セルロースエステ
ル、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルメチルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチ
レンオキシド、ポリアクリル酸塩)、水溶化樹脂(セラ
ック、ロジンマレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸樹
脂、アクリル樹脂)、水性分散樹脂(アクリル系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、合成ゴムラテックス、ポリウレタン、ポリエステ
ル、アルキド樹脂、エポキシエステル、ロジンエステ
ル)等である。必要によりその他の添加物として、樹脂
(粘度調整剤)、潤滑剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤、
分散剤、pH調整剤等を用いてもよい。
【0095】本発明に係る着色顔料を配合したボールペ
ン用インキは、貯蔵安定性がΔE値で1.5以下が好
ましく、より好ましくは1.2以下である。印刷した場
合には、後述する組成において、塗膜の耐光性がΔE
値で5.0以下、好ましくは4.0以下である。
【0096】次に、本発明に係る印刷インキ用着色顔料
の製造法について述べる。
【0097】本発明に係る着色顔料は、白色無機粒子と
糊剤を混合し、白色無機粒子の粒子表面を糊剤によって
被覆し、次いで、糊剤によって被覆された白色無機粒子
と有機顔料等とを混合することによって得ることができ
る。
【0098】白色無機粒子粉末の粒子表面への糊剤によ
る被覆は、白色無機粒子粉末と糊剤又は糊剤の溶液とを
機械的に混合攪拌したり、白色無機粒子粉末に糊剤の溶
液又は糊剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよ
い。添加した糊剤は、ほぼ全量が白色無機粒子粉末の粒
子表面に被覆される。
【0099】なお、糊剤としてアルコキシシラン又はフ
ルオロアルキルシランを用いた場合、被覆されたアルコ
キシシラン又はフルオロアルキルシランは、その一部が
被覆工程を経ることによって生成する、アルコキシシラ
ンから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアル
キルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合
物として被覆されていてもよい。この場合においてもそ
の後の有機顔料等の付着に影響することはない。
【0100】糊剤を均一に白色無機粒子の粒子表面に被
覆するためには、白色無機粒子の凝集をあらかじめ粉砕
機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
【0101】白色無機粒子と糊剤との混合攪拌、有機顔
料等と粒子表面に糊剤が被覆されている白色無機粒子と
の混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断
力を加えることのできる装置が好ましく、せん断、へら
なで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型
混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型
混練機を用いることが好ましい。ホイール型混練機がよ
り効果的に使用できる。
【0102】前記ホイール型混練機としては、エッジラ
ンナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、
「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッ
ツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー
等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ス
トッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、
より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混
練機としては、振動ミルがある。前記ブレード型混練機
としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサ
ー、ナウターミキサーがある。前記ロール型混練機とし
ては、エクストルーダーがある。
【0103】白色無機粒子と糊剤との混合攪拌時におけ
る処理条件は、白色無機粒子の粒子表面に糊剤ができる
だけ均一に被覆されるように、適宜調整すればよく、線
荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/
cm)が好ましく、より好ましくは98〜1470N/
cm(10〜150Kg/cm)、最も好ましくは14
7〜980N/cm(15〜100Kg/cm)であ
り、処理時間は5分〜24時間が好ましく、より好まし
くは10分〜20時間の範囲であり、撹拌速度は2〜2
000rpmが好ましく、より好ましくは5〜1000
rpm、最も好ましくは10〜800rpmの範囲であ
る。
【0104】糊剤の添加量は、白色無機粒子粉末100
重量部に対して0.15〜45重量部が好ましい。0.
15〜45重量部の添加量により、白色無機粒子粉末1
00重量部に対して有機顔料等を1〜500重量部付着
させることができる。
【0105】白色無機粒子の粒子表面に糊剤を被覆した
後、有機顔料等を添加し、混合攪拌して糊剤被覆に有機
顔料等を付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処
理を行ってもよい。
【0106】有機顔料等は、少量ずつを時間をかけなが
ら、殊に5分〜24時間、好ましくは5分〜20時間程
度をかけて添加するか、若しくは、白色無機粒子粉末1
00重量部に対して5〜25重量部の有機顔料等を、所
望の添加量となるまで分割して添加することが好まし
い。
【0107】混合攪拌時における処理条件は、有機顔料
等が均一に付着するように適宜調整すればよく、線荷重
は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/c
m)が好ましく、より好ましくは98〜1470N/c
m(10〜150Kg/cm)、最も好ましくは147
〜980N/cm(15〜100Kg/cm)であり、
処理時間は5分〜24時間が好ましく、より好ましくは
10分〜20時間の範囲であり、撹拌速度は2〜200
0rpmが好ましく、より好ましくは5〜1000rp
m、最も好ましくは10〜800rpmの範囲である。
【0108】有機顔料等の添加量は、白色無機粒子粉末
100重量部に対して1〜500重量部であり、好まし
くは30〜400重量部、より好ましくは50〜300
重量部である。有機顔料等の添加量が上記範囲外の場合
には、目的とする印刷インキ用着色顔料が得られない。
【0109】乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度
は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは6
0〜120℃であり、加熱時間は、10分〜12時間が
好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0110】なお、糊剤としてアルコキシシラン及びフ
ルオロアルキルシランを用いた場合には、これらの工程
を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生
成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシラ
ンから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となっ
て被覆されている。
【0111】本発明に係る印刷インキ用着色顔料は、前
記処理工程を経ることによって、添加した有機顔料等が
微細化されて均一、且つ緻密に糊剤を介して白色無機粒
子の粒子表面に付着層を形成しているものである。
【0112】複数の有色付着層を有する印刷インキ用着
色顔料は、白色無機粒子粉末と糊剤とを混合し、白色無
機粒子粉末の粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで、
糊剤によって被覆された白色無機粒子粉末と有機顔料等
とを混合して糊剤被覆に有機顔料等を付着させて第一有
色付着層を形成する(中間顔料)。次いで、前記第一有
色付着層を形成した中間顔料と糊剤とを混合し、更に、
糊剤被覆中間顔料と有機顔料等とを混合して第一有色付
着層上に糊剤を介して有機顔料等を付着させることによ
って得ることができる。前記各工程における糊剤との混
合処理及び有機顔料等との混合処理は上記各処理と同様
にして行えばよい。なお、必要に応じて糊剤による被覆
及び有機顔料等の付着を繰り返すことによって3層以上
の有色付着層を形成した印刷インキ用着色顔料を得るこ
とができる。
【0113】白色無機粒子粉末は、必要により、アルコ
キシシラン又はポリシロキサンとの混合撹拌に先立っ
て、あらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウ
ムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より
選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆して
おいてもよい。
【0114】中間被覆物による被覆は、白色無機粒子粉
末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合
物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌
することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH
値を調整することにより、前記白色無機粒子粉末の粒子
表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化
物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる
少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆し、次いで、
濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気
・圧密処理等を施してもよい。
【0115】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウ
ム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0116】ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オ
ルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用
できる。
【0117】次に、印刷インキの製造法について述べ
る。
【0118】本発明に係る印刷インキは、用いられる印
刷インキの種類に応じて適切な製造法を用いればよい。
例えば、凸版インキやオフセットインキのような粘度の
高い印刷インキを製造する場合には、樹脂、乾性油、溶
剤及び/又はその他添加剤を混合、加熱、溶解してビヒ
クルを作製し、次いで、前記ビヒクル中に着色顔料を添
加して、ミキサー又はニーダーを用いて混合し、更に、
3本ロールミル等で練肉し、練肉した後に、希釈、調整
して印刷インキとする。
【0119】また、グラビアインキやフレキソインキな
どの粘度の低い印刷インキを製造する場合には、高速攪
拌機を使用して樹脂を溶剤に溶解してビヒクルを作製
し、次いで、前記ビヒクルと印刷インキ用着色顔料とを
配合して練肉し、その後、希釈、調整して印刷インキと
する。
【0120】なお、印刷インキを製造するにあたり、樹
脂中に高濃度の印刷インキ用着色顔料を配合させた顔料
分散体を用いることによって、印刷インキ用着色顔料を
容易に分散させることが可能となり、練肉する時間を短
縮することができる。
【0121】本発明における顔料分散体とは、顔料ペー
スト、ミルベース及び着色チップ等であり、本発明に係
る着色顔料を顔料分散体構成基材100重量部に対して
5〜1000重量部、好ましくは10〜800重量部含
有している。
【0122】顔料分散体構成基材としては、樹脂、溶剤
及び/又は油脂、必要により、用途に応じて消泡剤、体
質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等
が配合される。
【0123】本発明における顔料分散体に使用する樹
脂、溶剤及び油脂としては、前記印刷インキ用と同一の
樹脂、溶剤及び油脂を使用することができる。
【0124】なお、顔料分散体中の樹脂の組成は、印刷
インキ作製時の希釈用樹脂と同一の樹脂を用いても、ま
た、異なる樹脂を用いてもよいが、異なる樹脂を使用す
る場合には、樹脂同士の相溶性を考慮して決めればよ
い。
【0125】本発明における顔料分散体は、本発明に係
る着色顔料及び樹脂、必要に応じて、溶剤及び/又は油
脂、添加剤とをバタフライミキサー、プラネタリーミキ
サー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサ
ー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、
ロールミル、サンドミル、アトライター、ボールミル等
の分散機を用いて混練・分散させることにより得ること
ができる。
【0126】着色チップの場合、本発明に係る着色顔料
及び樹脂とを必要により、リボンブレンダー、ナウター
ミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の
混合機で混合した後、周知の単軸混練押出機や二軸混練
押出機等で混練、成形した後切断するか、又は、上記混
合物をバンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混練して
得られた混練物を粉砕又は成形、切断することにより得
ることができる。
【0127】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0128】粒子の平均粒子径は、いずれも電子顕微鏡
写真に示される粒子350個の粒子径をそれぞれ測定
し、その平均値で示した。
【0129】比表面積値は、BET法により測定した値
で示した。
【0130】白色無機粒子粉末の粒子表面に存在してい
るAl量及びSi量のそれぞれは、「蛍光X線分析装置
3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、
JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って
測定した。
【0131】白色無機粒子粉末を被覆している糊剤の被
覆量及び白色無機粒子粉末に付着している有機顔料の被
覆量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−22
00型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測
定することにより求めた。
【0132】白色無機粒子に付着している有機顔料等の
脱離の程度は、下記の方法により5段階で評価した。5
が白色無機粒子の粒子表面からの有機顔料等の脱離量が
少ないことを示す。
【0133】被測定粒子粉末2gとエタノール20ml
を50mlの三角フラスコに入れ、60分間超音波分散
を行った後、回転数10,000rpmで15分間遠心
分離を行い、被測定粒子粉末と溶剤部分とを分離した。
得られた被測定粒子粉末を80℃で1時間乾燥させ、電
子顕微鏡写真(×50,000)に示される視野の中に
存在する、脱離して再凝集した有機顔料等の個数を目視
で観察し、白色無機粒子と有機顔料等を、糊剤を介さず
単に混合しただけの混合顔料の電子顕微鏡写真(×5
0,000)と比較して5段階で評価した。
【0134】1:白色無機粒子と有機顔料等を、糊剤を
介さず単に混合した場合と同程度。 2:白色無機粒子100個当たりに30個以上50個未
満。 3:白色無機粒子100個当たりに10個以上30個未
満。 4:白色無機粒子100個当たりに5個以上10個程
度。 5:白色無機粒子100個当たりに5個未満。
【0135】白色無機粒子粉末、有機顔料及び印刷イン
キ用着色顔料の色相は、試料0.5gとヒマシ油0.5
mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、
このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、
塗料化してクリアベースフィルム上に150μm(6m
il)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜
厚み:約30μm)を作製し、該塗布片について標準白
色板をバックにして「多光源分光測色計MSC−IS−
2D」(スガ試験機株式会社製)を用いて測定を行い、
JIS Z 8729に定めるところに従って表色指数
値、a値及びb値で示した。なお、C値は彩
度を表し、下記数1に従って求めることができる。
【0136】
【数1】 C値=((a値)+(b値1/2
【0137】印刷インキ用着色顔料の着色力は、まず下
記に示す方法に従って作製した原色エナメルと展色エナ
メルのそれぞれを、キャストコート紙上に150μm
(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片
を作製し、該塗布片について、「多光源分光測色計MS
C−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)を用いてL
値を測色し、その差をΔL値とした。
【0138】次いで、着色顔料の標準試料として、着色
顔料と同様の割合で有機顔料等と白色無機粒子粉末とを
単に混合した混合顔料を用いて、上記と同様にして原色
エナメルと展色エナメルの塗布片を作製し、各塗布片の
値を測色し、その差をΔLs値とした。
【0139】得られた着色顔料のΔL値と標準試料の
ΔLs値を用いて下記数2に従って算出した値を着色
力(%)として示した。
【0140】
【数2】着色力(%)=100+{(ΔLs−Δ
)×10}
【0141】原色エナメルの作製:上記試料粉体10g
とアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー6gとを配
合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlの
ガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで4
5分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを
追加し、更に5分間ペイントシェーカーで分散させて、
原色エナメルを作製した。
【0142】展色エナメルの作製:上記原色エナメル1
2gとアミラックホワイト(二酸化チタン分散アミノア
ルキッド樹脂)40gとを配合し、ペイントシェーカー
で15分間混合分散して、展色エナメルを作製した。
【0143】白色無機粒子粉末、有機顔料等及び印刷イ
ンキ用着色顔料の隠蔽力は、上記で得られた原色エナメ
ルを用いて、JIS K 5101 8.2のクリプト
メーター法に従って得られた値で示した。
【0144】白色無機粒子粉末、有機顔料等及び印刷イ
ンキ用着色顔料の耐光性は、前述の着色力を測定するた
めに作製した原色エナメルを、透明ガラス板(0.8m
m(厚さ)×70mm(幅)×150mm(長さ))に
150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成し、得ら
れた測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「ア
イ スーパーUVテスター」(SUV−W13(岩崎電
気株式会社製))を用いて、紫外線を照射強度100m
W/cmで6時間連続照射した後、金属製フォイルで
覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外
線照射した部分との色相(L値、a値、b値)を
標準白色板をバックにしてそれぞれ測定し、紫外線が照
射されなかった部分の測定値を基準に、下記数3に従っ
て算出したΔE値によって示した。
【0145】
【数3】ΔE値=((ΔL値)+(Δa値)
+(Δb値)1/2 ΔL値: 比較する試料の紫外線照射有無のL値の
差 Δa値: 比較する試料の紫外線照射有無のa値の
差 Δb値: 比較する試料の紫外線照射有無のb値の
【0146】印刷インキ用着色顔料を用いた各種印刷イ
ンキの各色相は、後述する処方によって調製した各印刷
インキを透明ガラス板(0.8mm(厚さ)×70mm
(幅)×150mm(長さ))に150μmの厚みで塗
布、乾燥して塗膜を形成して得られた測定用塗布片を、
標準白色板をバックにして「多光源分光測色計MSC−
IS−2D」(スガ試験機株式会社製)を用いて測定を
行い、L値、a値及びb値で示した。
【0147】塗膜の光沢度は、前記測定用塗布片を「グ
ロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社
製)を用いて入射角60°の時の光沢度で示した。光沢
度が高いほど、印刷インキ用着色顔料を配合した印刷イ
ンキの分散性が優れていることを示す。
【0148】各印刷インキを用いた塗膜の耐光性は、前
述の印刷インキの色相を測定するために作製した測定用
塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパ
ーUVテスター」(SUV−W13(岩崎電気株式会社
製))を用いて、紫外線を照射強度100mW/cm
で6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことに
よって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した
部分との色相(L値、a値、b値)をそれぞれ測
定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準
に、前記数3に従って算出したΔE値によって示し
た。
【0149】着色顔料を用いた各種印刷インキの塗膜の
透明性は、後述する処法によって調製した印刷インキを
厚さ100μmのクリアベースフィルムに塗布して得ら
れた塗膜について、「自記光電分光光度計UV−210
0」(株式会社島津製作所製)を用いて測定した光透過
率から、下記数4によって定義される線吸収係数で示し
た。
【0150】
【数4】 線吸収係数(μm−1)=ln(1/t)/FT t:λ=900nmにおける光透過率(−) FT:測定に用いたフィルムの塗膜の厚み(μm)
【0151】印刷インキの貯蔵安定性は、後述する処方
によって調製した各印刷インキを透明ガラス板(0.8
mm(厚さ)×70mm(幅)×150mm(長さ))
(JIS−G−3141)に150μmの厚みで塗布、
乾燥して製造した塗膜のL値、a値及びb値と、
密閉容器に入れた該印刷インキを60℃において1週間
静置して得られた印刷インキを透明ガラス板に塗布、乾
燥して製造した塗膜のL値、a値及びb値を測定
し、下記数5に従って得られたΔE値で示した。
【0152】
【数5】ΔE値=((ΔL+(Δa
(Δb1/2 ΔL値: 比較する塗膜の静置前後のL値の差 Δa値: 比較する塗膜の静置前後のa値の差 Δb値: 比較する塗膜の静置前後のb値の差
【0153】<印刷インキ用着色顔料の製造>シリカ粒
子粉末(粒子形状:球状、平均粒子径0.022μm、
BET比表面積値193.8m/g、L値92.
4、a値0.2、b値0.4、C値0.4、隠蔽
力10cm/g、耐光性8.14)7.0kgに、メ
チルハイドロジェンポリシロキサン(商品名:TSF4
84:GE東芝シリコーン株式会社製)280gを、エ
ッジランナーを稼動させながらシリカ粒子粉末に添加
し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30
分間混合攪拌を行った。なお、このときの攪拌速度は2
2rpmで行った。
【0154】次に、有機顔料B−1(種類:フタロシア
ニン系顔料、粒子形状:粒状、平均粒子径0.06μ
m、BET比表面積値71.6m/g、隠蔽力240
cm/g、耐光性ΔE値10.84、L値17.
70、a値9.72、b値−23.44)7.0k
gを、エッジランナーを稼動させながら30分間かけて
添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷
重で120分間混合攪拌を行い、メチルハイドロジェン
ポリシロキサン被覆に有機顔料B−1を付着させた後、
乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、印刷イン
キ用着色顔料を得た。なお、このときの攪拌速度は22
rpmで行った。
【0155】得られた印刷インキ用着色顔料は、平均粒
子径が0.026μmの粒状粒子であった。BET比表
面積値は128.1m/g、色相のうちL値は2
0.89、a値は9.41、b値は−21.63で
あり、着色力は158%、隠蔽力は550cm/g、
耐光性ΔE値は1.60、有機顔料の脱離の程度は5
であり、メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量
はC換算で1.08重量%であった。有機顔料の付着量
はC換算で33.16重量%(シリカ粒子粉末100重
量部に対して100重量部に相当する)であった。
【0156】得られた印刷インキ用着色顔料の電子顕微
鏡写真の観察結果より、添加した有機顔料B−1の粒子
がほとんど認められないことから、有機顔料B−1のほ
ぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆に付
着していることが認められた。また、有機顔料B−1は
添加時の粒子形状及び粒子サイズを維持しておらず、芯
粒子よりもはるかに微細化された状態で芯粒子の粒子表
面に付着層を形成していることが認められた。
【0157】<オフセットインキの製造>ロジン変性フ
ェノール樹脂70.0重量部、アマニ油20.0重量部
及び軽油10.0重量部を200℃で1時間加熱してワ
ニスを調整した。該ワニス70.0重量部、前記で得ら
れた印刷インキ用着色顔料25.0重量部、コンパウン
ド2.0重量部、コバルトドライヤ3.0重量部を、三
本ロールミルを用いて練肉し、オフセットインキを得
た。
【0158】 印刷インキ用着色顔料 25.0重量部、 ロジン変性フェノール樹脂 49.0重量部、 アマニ油 14.0重量部、 石油系溶剤 7.0重量部、 コンパウンド 2.0重量部、 ドライヤ(コバルトドライヤ) 3.0重量部。
【0159】得られたオフセットインキの貯蔵安定性
は、ΔE値で0.97であった。
【0160】次いで、前記オフセットインキを透明ガラ
ス板(0.8mm(厚)×70mm(幅)×150mm
(長さ))に塗布して得られた塗膜の光沢度は109
%、色相はL値が57.26、a値が4.72、b
値が−22.58、耐光性ΔE値が2.60であ
り、線吸収係数は0.0810μm−1であった。
【0161】<グラビアインキの製造>硬化ロジン2
0.0重量部、石油樹脂12.0重量部及び溶剤68.
0重量部を混合し、高速攪拌機を用いてワニスを調整し
た。次いで、該ワニス75.0重量部と前記で得られた
印刷インキ用着色顔料7.0重量部、体質顔料15.0
重量部及び添加剤3.0重量部を混合し、サンドミルを
用いて練肉し、グラビアインキを得た。
【0162】 印刷インキ用着色顔料 7.0重量部、 体質顔料(炭酸カルシウム) 15.0重量部、 硬化ロジン 15.0重量部、 石油樹脂 9.0重量部、 溶剤(トルエン) 51.0重量部、 添加剤(ポリエチレンワックス) 3.0重量部。
【0163】得られたグラビアインキの貯蔵安定性は、
ΔE値で0.96であった。
【0164】次いで、前記グラビアインキを透明ガラス
板(0.8mm(厚)×70mm(幅)×150mm
(長さ))に塗布して得られた塗膜の光沢度は112
%、色相はL値が58.69、a値が4.98、b
値が−23.16、耐光性ΔE 値が2.59であ
り、線吸収係数は0.0765μm−1であった。
【0165】<水性インキの製造>アクリル樹脂25.
0重量部を28%アンモニア水5.0重量部、イソプロ
ピルアルコール14.0重量部及び水56.0重量部に
溶解させ、水性ビヒクルを作製した。次いで、該水性ビ
ヒクル28.0重量部と前記で得られた印刷インキ用着
色顔料15.0重量部及び水7.0重量部をサンドミル
を用いて練肉後、該水性ビヒクルを47.5重量部、添
加剤2.0重量部及び消泡剤0.5重量部を追加添加し
て水性インキを得た。
【0166】 印刷インキ用着色顔料 15.0重量部、 水性ビヒクル 28.0重量部、 水 7.0重量部、 追加水性ビヒクル 47.5重量部、 添加剤(ポリエチレンワックス) 2.0重量部、 消泡剤 0.5重量部。
【0167】得られた水性インキの貯蔵安定性は、ΔE
値で0.98であった。
【0168】次いで、前記水性インキを透明ガラス板
(0.8mm(厚)×70mm(幅)×150mm(長
さ))に塗布して得られた塗膜の光沢度は110%、色
相はL 値が58.41、a値が4.92、b値が
−23.22、耐光性ΔE値が2.53であり、線吸
収係数は0.0928μm−1であった。
【0169】
【作用】本発明において最も重要な点は、白色無機粒子
の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該被
覆に有機顔料等が微細化された状態で均一な付着層を形
成している印刷インキ用着色顔料は、着色力が高く、微
粒子でありながら、分散性及び耐光性に優れているとい
う事実である。
【0170】本発明に係る着色顔料が優れた分散性を有
する理由として、本発明者は、糊剤によって有機顔料が
体質顔料の粒子表面に強固に付着されているので粒子表
面から脱離する有機顔料又はカーボンブラックが少な
く、そのため、脱離した有機顔料又はカーボンブラック
によって系内の分散が阻害されないことによるものと考
えている。
【0171】本発明に係る印刷インキ用着色顔料の耐光
性が優れている理由としては、未だ明らかではないが、
比較的耐光性に優れている芯粒子の粒子表面に、耐光性
に優れた糊剤を介して染料と比べて格段に耐光性に優れ
ている有機顔料等を付着させたことによるものと考えて
いる。
【0172】そして、本発明に係る印刷インキ用着色顔
料を用いて得られた印刷インキは、分散性及び貯蔵安定
性に優れていると共に、該印刷インキを用いて得られた
印刷画像は優れた耐光性を有している。
【0173】本発明に係る印刷インキの分散性が優れて
いる理由について、本発明者は、芯粒子表面からの有機
顔料等の脱離が抑制された本発明に係る印刷インキ用着
色顔料を用いたことによるものと考えている。
【0174】本発明に係る印刷インキの貯蔵安定性が優
れている理由について、本発明者は、通常、印刷インキ
中に分散されており、時間の経過と共に自己凝集あるい
は結晶成長して沈降しやすい有機顔料等が、本発明に係
る印刷インキ用着色顔料を用いた場合には、有機顔料等
が微細に分散された状態で芯粒子表面に付着しているた
め、自己凝集あるいは結晶成長を起こすことなく、個々
の粒子が分散した状態で印刷インキ中に存在しているた
めと考えている。
【0175】本発明に係る印刷インキを用いて得られた
印刷画像が優れた耐光性を有している理由として、本発
明者は、印刷インキ用着色顔料として、前記本発明に係
る印刷インキ用着色顔料を用いたことによるものと考え
ている。
【0176】
【実施例】次に、実施例及び比較例を示す。
【0177】芯粒子1〜6:芯粒子粉末として表1に示
す特性を有する白色無機粒子粉末を用意した。
【0178】
【表1】
【0179】芯粒子7:芯粒子1の酸化チタン粒子粉末
20kgと水150lとを用いて、酸化チタン粒子粉末
を含むスラリーを得た。得られた酸化チタン粒子粉末を
含む再分散スラリーのpH値を、水酸化ナトリウム水溶
液を用いて10.5に調整した後、該スラリーに水を加
えスラリー濃度を98g/lに調整した。このスラリー
150lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.
0mol/lのアルミン酸ナトリウム溶液5444ml
(酸化チタン粒子粉末に対してAl換算で1.0重量%
に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用い
てpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持
した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミ
ニウムの水酸化物により被覆されている酸化チタン粒子
粉末を得た。
【0180】このときの製造条件を表2に、得られた表
面処理済み酸化チタン粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0181】芯粒子8〜12:芯粒子2〜6の各白色無
機粒子粉末を用い、表面被覆物の種類及び量を種々変化
させた以外は、前記芯粒子7と同様にして粒子表面が被
覆物で被覆されている白色無機粒子粉末を得た。
【0182】このときの製造条件を表2に、得られた表
面処理済み白色無機粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0183】
【表2】
【0184】
【表3】
【0185】尚、表面処理工程における被覆物の種類の
Aはアルミニウムの水酸化物であり、Sはケイ素の酸化
物を表わす。
【0186】有機顔料及びカーボンブラック微粒子粉
末:有機顔料及びカーボンブラック微粒子粉末として表
4に示す諸特性を有する有機顔料及びカーボンブラック
微粒子粉末を用意した。
【0187】
【表4】
【0188】実施例1〜12、比較例1〜3:糊剤によ
る被覆工程における添加物の種類、添加量、エッジラン
ナー処理の線荷重及び時間、有機顔料等の付着工程にお
ける有機顔料等の種類、添加量、エッジランナー処理の
線荷重及び時間を種々変化させた以外は、前記発明の実
施の形態と同様にして着色顔料を得た。
【0189】このときの製造条件を表5に、得られた印
刷インキ用着色顔料の諸特性を表6に示す。
【0190】なお、実施例2では、芯粒子粉末100重
量部に対して、有機顔料R−1 50.0重量部と有機
顔料Y−1 30.0重量部をあらかじめヘンシェルミ
キサー等で混合した後、該混合顔料80.0重量部を2
0分かけて添加した。実施例3では、芯粒子粉末100
重量部に対して、有機顔料B−1を15.0重量部づつ
10回に分けて添加した。実施例4では、芯粒子粉末1
00重量部に対して、有機顔料C−1 100.0重量
部を100分かけて添加した。実施例9では、芯粒子粉
末100重量部に対して、有機顔料C−2 100.0
重量部を20重量部づつ5回に分けて添加した。
【0191】
【表5】
【0192】
【表6】
【0193】<複数の有色付着層を有する印刷インキ用
着色顔料> 実施例13:酸化チタン粒子粉末(粒子形状:粒状、平
均粒子径0.253μm、BET比表面積値10.3m
/g、L値96.63、a値−0.58、b
−0.69、C値0.90、隠蔽力1,560cm
/g、耐光性ΔE値6.15)20kgを凝集を解き
ほぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂逅し、
更に「TKパイプラインホモミクサー」(特殊機化工業
株式会社製)を3回通して酸化チタン粒子粉末を含むス
ラリーを得た。
【0194】次いで、この酸化チタン粒子粉末を含むス
ラリーを横型サンドグラインダー「マイティーミルMH
G−1.5L」(井上製作所株式会社製)を用いて軸回
転数2000rpmにおいて5回パスさせて、酸化チタ
ン粒子粉末を含む分散スラリーを得た。
【0195】得られた分散スラリーの325mesh
(目開き44μm)における篩残分は0%であった。こ
の分散スラリーを濾別、水洗して、酸化チタン粒子粉末
のケーキを得た。この酸化チタン粒子粉末のケーキを1
20℃で乾燥した後、乾燥粉末11.0kgをエッジラ
ンナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造
鉄工所製)に投入し、294N/cm(30Kg/c
m)で30分間混合撹拌を行い、粒子の凝集を軽く解き
ほぐした。
【0196】次に、メチルトリエトキシシラン(商品
名:TSL8123:GE東芝シリコーン株式会社製)
220gを200mlのエタノールで混合希釈して得ら
れるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナー
を稼動させながら上記酸化チタン粒子粉末に添加し、3
92N/cm(40Kg/cm)の線荷重で20分間混
合攪拌を行った。なお、このときの撹拌速度は22rp
mで行った。
【0197】次に、有機顔料B−1(種類:フタロシア
ニン系顔料、粒子形状:粒状、平均粒子径0.06μ
m、BET比表面積値71.6m/g、隠蔽力240
cm/g、L値17.70、a値9.72、b
値−23.44、耐光性ΔE値10.84)2,20
0gを、エッジランナーを稼動させながら20分間かけ
て添加し、更に392N/cm(40Kg/cm)の線
荷重で60分間、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシ
シラン被覆の上に有機顔料B−1が付着している中間顔
料を得た。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行
った。
【0198】メチルトリエトキシシランの被覆量と有機
顔料B−1の付着量とを確認するために、得られた中間
顔料の一部を分取し、乾燥機を用いて105℃で60分
間加熱処理を行った。メチトリエトキシシランの被覆量
は、C換算で0.130重量%であり、有機顔料B−1
の付着量はC換算で11.04重量%(酸化チタン粒子
粉末100重量部に対して20重量部に相当する)であ
った。電子顕微鏡写真観察の結果、有機顔料B−1がほ
とんど認められないことから、有機顔料B−1のほぼ全
量がメチルトリエトキシシランから生成するオルガノシ
ラン化合物被覆層に付着していることが認められた。
【0199】次に、メチルトリエトキシシラン(商品
名:TSL8123:GE東芝シリコーン株式会社製)
220gを、エッジランナーを稼動させながら上記中間
顔料に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線
荷重で30分間混合攪拌を行って、表面にメチルトリエ
トキシシランが被覆されている中間顔料を得た。なお、
この時の攪拌速度は22rpmで行った。
【0200】次に、有機顔料B−2(種類:フタロシア
ニン系顔料、粒子形状:粒状、平均粒子径0.08μ
m、BET比表面積値56.3m/g、隠蔽力272
cm/g、L値17.32、a値−11.60、
値−26.53、耐光性ΔE値10.21)55
00gを、エッジランナーを稼動させながら50分間か
けて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の
線荷重で120分間混合攪拌を行い、有機顔料B−1付
着層にメチルトリエトキシシランを介して有機顔料B−
2を付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間熱
処理を行って、印刷インキ用着色顔料を得た。なお、こ
の時の攪拌速度は22rpmで行った。
【0201】電子顕微鏡写真観察の結果、有機顔料B−
2がほとんど認められないことから、有機顔料B−2の
ほぼ全量が、メチルトリエトキシシラン被覆層に付着し
ていることが認められた。
【0202】このときの製造条件を表7及び表8に、得
られた印刷インキ用着色顔料の諸特性を表11に示す
【0203】実施例14〜36、比較例4〜10:芯粒
子の種類、第一有色付着層の付着工程における糊剤の種
類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間、有
機顔料等の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重
及び時間並びに第二有色付着層の付着工程における糊剤
の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時
間、有機顔料等の種類、添加量、エッジランナー処理の
線荷重及び時間を種々変化させた以外は、前記実施例1
3と同様にして着色顔料を得た。
【0204】このときの製造条件を表7乃至表10に、
得られた印刷インキ用着色顔料の諸特性を表11乃至表
13に示す。
【0205】なお、実施例2では、芯粒子粉末100重
量部に対して、有機顔料R−1 50.0重量部と有機
顔料Y−1 30.0重量部をあらかじめヘンシェルミ
キサー等で混合した後、該混合顔料80.0重量部を2
0分かけて添加した。実施例3では、芯粒子粉末100
重量部に対して、有機顔料B−1を15.0重量部づつ
10回に分けて添加した。実施例4では、芯粒子粉末1
00重量部に対して、有機顔料C−1 100.0重量
部を100分かけて添加した。実施例9では、芯粒子粉
末100重量部に対して、有機顔料C−2 100.0
重量部を20重量部づつ5回に分けて添加した。
【0206】
【表7】
【0207】
【表8】
【0208】
【表9】
【0209】
【表10】
【0210】
【表11】
【0211】
【表12】
【0212】
【表13】
【0213】<オフセットインキの製造> 実施例37〜52、比較例11〜30:印刷インキ用着
色顔料の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施
の形態と同様にしてオフセットインキを得た。
【0214】得られたオフセットインキの諸特性及び塗
膜の諸特性を表14及び表15に示す。
【0215】
【表14】
【0216】
【表15】
【0217】<グラビアインキの製造> 実施例53〜68、比較例31〜50:印刷インキ用着
色顔料の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施
の形態と同様にしてグラビアインキを得た。
【0218】得られたグラビアインキの諸特性を表16
及び表17に示す。
【0219】
【表16】
【0220】
【表17】
【0221】<水性インキの製造> 実施例69〜84、比較例51〜70:印刷インキ用着
色顔料の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施
の形態と同様にして水性インキを得た。
【0222】得られた水性インキの諸特性を表18及び
表19に示す。
【0223】
【表18】
【0224】
【表19】
【0225】<顔料分散体の製造> 実施例85〜92:印刷インキ用着色顔料の種類、樹脂
の種類、添加剤の種類及び溶剤の種類及び配合量を種々
変化させて顔料分散体を得た。
【0226】このときの製造条件を表20に示す。
【0227】
【表20】
【0228】<印刷インキの製造> 実施例93〜100:顔料分散体の種類、樹脂の種類、
添加剤の種類及び溶剤の種類及び配合量を種々変化させ
て、印刷インキを得た。
【0229】このときの製造条件を表21に、得られた
印刷インキの諸特性を表22に示す。
【0230】
【表21】
【0231】
【表22】
【0232】
【発明の効果】本発明に係る印刷インキ用着色顔料は、
着色力が高く、微粒子でありながら、分散性及び耐光性
に優れているので印刷インキ用着色顔料として好適であ
る。
【0233】本発明に係る印刷インキは、着色力が高
く、分散性及び耐光性に優れている着色顔料を用いるこ
とから、凸版インキ、オフセットインキ、グラビアイン
キ、スクリーンインキ、フレキソインキ、水性インキ及
び水性ボールペン、油性ボールペン等の筆記具用インキ
等の各種印刷インキの着色顔料として好適である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J037 AA09 AA10 AA11 AA17 AA18 AA22 AA25 AA26 AA27 CA02 CB05 CB23 CB26 CB28 CC28 DD01 DD05 DD07 DD10 EE02 EE03 EE28 EE43 FF04 FF15 FF22 FF23 4J039 AE11 BA04 BA05 BA13 BA16 BA21 BA22 BA23 BA30 BA32 BA35 BC07 BC57 BE01 CA06 CA07 EA35 EA44 EA45 GA01 GA02 GA03 GA09 GA10 GA27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色無機粒子粉末の粒子表面が糊剤によ
    って被覆されていると共に該被覆に有機顔料又はカーボ
    ンブラックが付着している平均粒子径0.001〜1
    0.0μmの複合粒子粉末からなることを特徴とする印
    刷インキ用着色顔料。
  2. 【請求項2】 白色無機粒子粉末の粒子表面が有機ケイ
    素化合物及びカップリング剤から選ばれる一種又は二種
    以上の糊剤によって被覆されていると共に該被覆に有機
    顔料又はカーボンブラックが付着している平均粒子径
    0.001〜10.0μmの複合粒子粉末からなること
    を特徴とする印刷インキ用着色顔料。
  3. 【請求項3】 有機顔料又はカーボンブラックの付着量
    が白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重
    量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    の印刷インキ用着色顔料。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の印刷インキ用着色顔料を含有する印刷インキ。
  5. 【請求項5】 顔料分散体の構成基材100重量部に対
    して5〜1,000重量部の請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載の印刷インキ用着色顔料を含有することを
    特徴とする顔料分散体。
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