JP2003103411A - バーリングドリルおよびパイプ - Google Patents

バーリングドリルおよびパイプ

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JP2003103411A
JP2003103411A JP2001301212A JP2001301212A JP2003103411A JP 2003103411 A JP2003103411 A JP 2003103411A JP 2001301212 A JP2001301212 A JP 2001301212A JP 2001301212 A JP2001301212 A JP 2001301212A JP 2003103411 A JP2003103411 A JP 2003103411A
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burring
drill
pipe
region
shaping
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Sumio Otsuji
純生 大▲辻▼
Takahiro Uchino
貴博 内野
Masanobu Yoshikawa
政信 吉川
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SOBI KOGEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部空間を有する板材に、内部空間側に向か
って突出するバーリング部を容易に形成することが可能
なバーリングドリルおよび、そのバーリングドリルを用
いて形成されたバーリング部を有するパイプを提供す
る。 【解決手段】 ドリル先端部側から、ドリル刃領域10
0、バーリング形成領域200、バーリング整形領域3
00、シャンク領域400とを備える。ドリル刃領域1
00の外周面にはねじれ刃が設けられる。バーリング形
成領域200は、ドリル刃領域100側からバーリング
整形領域300側に向かうにしたがって、徐々に外径が
大きくなるテーパ面が形成される。バーリング整形領域
300は、軸芯からの距離が第1の距離L1に設けられ
る曲面状の整形面300a,300bと、第1の距離L
1よりも短い第2の距離の位置に設けられる直線状の逃
げ面領域301,302とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はバーリングドリル
およびパイプに関し、より特定的には、薄肉部材からな
る内部空間を有するパイプ等の板材に対して、容易にバ
ーリング部を形成することが可能な、バーリングドリル
およびそのバーリングドリルを用いて形成されたバーリ
ング部を有するパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機等の大型精密機械のフレー
ムとしてパイプが使用され、このパイプに機器を固定す
るために、パイプには雌ねじ孔が設けられている。しか
し、近年コスト削減の観点から、板材の肉厚さの薄いパ
イプの使用が求められるようになってきている。
【0003】従来のパイプは、肉厚さが1.6mm以上
の板材が用いられていたため、雌ねじ孔には、十分な締
め付けトルクを得ることができるねじ山を形成すること
ができた。しかし、肉厚の薄いパイプの場合、板材の肉
厚さとしては、1.0mmから1.2mmの板材を使用
することが要求されており、肉厚さが1.0mmから
1.2mmの板材に雌ねじ孔を形成した場合、十分な締
め付けトルクを得ることができるねじ山を形成すること
ができない問題が生じてしまう。
【0004】そこで、雌ねじ孔を形成すべきパイプの部
位にバーリング部を形成することにより、部分的に板材
の肉厚さを厚くすることが考えられる。
【0005】ここで、板材にバーリング部を形成する方
法について、図18および図19を参照して説明する。
図18を参照して、あらかじめ下孔10aが設けられた
板材10を、所定の開口部20aが設けられたダイ20
の所定位置に位置決め載置する。その後、図19を参照
して、上方から上型30を下降させることにより、円筒
状のバーリング部10bが板材10に形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た板材にバーリング部を形成する方法においては、パイ
プの側面の所定位置に下孔を設け、パイプの内部空間に
下型を配置して、上型の打ち込みにより、パイプの内部
空間側に向かって突出するバーリング部を形成する必要
があるが、一般的にフレームとして使用されるパイプに
は長尺物が用いられるため、パイプの内部空間に挿入す
べきダイの形状も長尺物となってしまう。その結果、ダ
イの位置決めの困難性、ダイのパイプの内部空間内への
挿入のための作業性の低下などを招き、全体としてのパ
イプへのバーリング加工の作業性を著しく低下させるこ
とになる。
【0007】一方、バーリング部が形成される領域に対
向するパイプの板材にすて孔を設け、このすて孔を利用
してダイを配置することにより、ダイの長尺化を回避す
ることによるダイの位置決めの容易化、ダイのパイプの
内部空間内への挿入のための作業性の容易化を実現させ
ることも可能である。しかし、この方法によれば、パイ
プにすて孔を設ける結果、パイプの強度が低下してしま
う他の問題が生じてしまう。
【0008】したがって、この発明は、上記課題を解決
するためになされたものであり、パイプの内部空間への
ダイの挿入を不要とし、内部空間を有するパイプの板材
に、内部空間側に向かって突出するバーリング部を容易
に形成することが可能なバーリングドリルおよび、その
バーリングドリルを用いて形成されたバーリング部を有
するパイプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に基づくバーリングドリルにおいては、内部空間
を有するように折り曲げられた板材に、内部空間側に向
かって突出するバーリング部を形成するためのバーリン
グドリルであって、上記パイプの板材に孔を開けるた
め、外周面にねじれ刃が設けられ、軸方向に延びるドリ
ル刃領域と、上記ドリル刃領域の後端側において、上記
ドリル刃領域の外径よりも外側に張り出す領域からなる
バーリング形成領域と、上記バーリング形成領域の外周
端部から後端側に向かって、軸方向に延びるバーリング
整形領域とを備える。
【0010】上記構成からなるバーリングドリルを用い
た場合には、まず、板材部分に下孔を開けることなくバ
ーリングドリルを回転させながら進行させることによ
り、パイプの板材部分にドリル刃領域によって下孔加工
を施すことが可能になる。その後、引続きバーリングド
リルを回転させながら進行させることにより、下孔加工
領域にバーリング形成領域が進入することにより、バー
リング形成領域がパイプの板材に当接しながら板材を内
部空間側に向かって徐々に押出してバーリング部を形成
する。その後、さらにバーリングドリルを回転させなが
ら進行させることにより、バーリング部にバーリング整
形領域が進入することにより、バーリング部の形状を整
えることが可能となる。
【0011】このように、バーリングドリルを回転させ
ながら進行させることのみにより、内部空間を有するよ
うに折り曲げられた板材に、内部空間側に向かって突出
するバーリング部を形成することが可能になる。その結
果、従来のバーリング加工に必要とされていた下孔加
工、パイプの内部空間へのダイ配置等が不要となり、バ
ーリング加工工程の簡略化を図ることが可能になる。ま
た、回転するバーリングドリルの下降動作のみでバーリ
ング加工が完了することから、パイプへのバーリング加
工の加工性が向上し、コストの低減を図ることも可能に
なる。
【0012】さらに、薄肉の板材からなる場合において
も、上述したように容易にバーリング加工を行なえる結
果、バーリング加工部における板厚さは厚くなることか
ら、十分な締め付けトルクを得ることができるねじ山を
形成することが可能になる。
【0013】また、上記発明において好ましくは、上記
バーリング形成領域は、上記ドリル刃領域側から上記バ
ーリング整形領域側に向かうにしたがって、徐々に外径
が大きくなるテーパ面を有する。このようにテーパ面を
有することにより、バーリング形成領域が板材に当接し
ながら板材を起こす場合に、板材からの抵抗が分散され
るとともに、板材が徐々に引き起こされることになるた
め、バーリングドリルに加わる加工抵抗の分散化を図る
とともに、板材が急激に曲げられることによる板材の破
壊を防止することが可能になる。
【0014】また、上記発明において好ましくは、上記
バーリング整形領域は、上記バーリング形成領域の外周
端部から後端側に向かって軸方向に延び、軸芯からの距
離が第1の距離に設けられる整形面領域と、上記第1の
距離よりも短い第2の距離の位置に設けられる逃げ面領
域とを含む。また、上記発明においてさらに好ましく
は、上記整形面領域は、上記バーリング整形領域の外周
面に2以上設けられ、上記整形面領域の間に上記逃げ面
領域が設けられる。
【0015】バーリング整形領域が一様の円筒形状から
なる場合、パイプ等の板材のバーリング部が形成される
領域の反対側の表面、つまり板材の表面側に、突起が形
成される場合が実験的に確認された。この突起の形成
は、パイプの表面側に機器等が当接することになるた
め、突起の存在により機器をパイプ等の板材に対して隙
間なく取付けることができない問題があった。
【0016】そこで、上述したように整形面領域と逃げ
面領域とを設けることにより、バーリング部の整形時
に、整形面領域で押される板材が逃げ面領域に流れるこ
とができようになるため、板材は順次バーリングドリル
の進行方向に送られることになり、板材の表面側への突
起の形成を回避することが可能になる。
【0017】また、好ましい形態として、上記板材は、
内部空間を有するパイプであることにより、上記発明に
示した有利な作用効果を得ることが可能になる。
【0018】また、上記目的を達成するため本発明に基
づくパイプは、閉ざされた内部空間を有するパイプであ
って、上述したバーリングドリルを用いて形成され、内
部空間側に向かって突出するバーリング部を有すること
を特徴とする。
【0019】この構造を有するパイプにおいては、パイ
プの肉厚さが薄肉の板材からなる場合においても、バー
リング加工部における板厚さは厚くなることから、十分
な締め付けトルクを得ることができるねじ山を形成する
ことが可能になる。
【0020】また、上記発明において好ましくは、上記
パイプの板材の肉厚さは、0.6mmから1.2mmで
ある。また、上記発明において好ましくは、上記パイプ
は、外周の直径が20mmから30mmの丸パイプであ
る。また、上記発明において好ましくは、上記パイプ
は、外周の一辺の長さが20mmから30mmの四角パ
イプである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明に基づく実施の形
態におけるバーリングドリル、およびこのバーリングド
リルを用いてバーリング部が形成されたパイプについ
て、図を参照しながら説明する。なお、各図において、
各領域の形状の理解を容易にするために、実際の比率と
は異なる比率により図示している。
【0022】(バーリングドリルの構造)まず、図1お
よび図2を参照して、本実施の形態におけるバーリング
ドリル1の構造について説明する。なお、図1は、本実
施の形態におけるバーリングドリル1の全体構造を示す
側面図であり、図2は、図1中II−II線方向からの
矢視図である。
【0023】まず、図1を参照して、このバーリングド
リル1は、内部空間を有するパイプの板材に、内部空間
側に向かって突出するバーリング部を形成するためのバ
ーリングドリルであって、ドリル先端部側から、ドリル
刃領域100、バーリング形成領域200、バーリング
整形領域300、およびシャンク領域400とを備えて
いる。
【0024】ドリル刃領域100は、バーリングドリル
1の軸方向への進行にともなって、パイプの板材に孔を
開けるため、外周面にねじれ刃が設けられている。バー
リング形成領域200は、ドリル刃領域100の後端側
において、ドリル刃領域100の外径よりも外側に張り
出す領域からなり、本実施の形態においては、ドリル刃
領域100側からバーリング整形領域300側に向かう
にしたがって、徐々に外径が大きくなるテーパ面が形成
されている。
【0025】バーリング形成領域200としてテーパ面
を設けることが好ましい理由は、バーリング形成領域2
00がパイプの板材に当接しながら板材を内部空間側に
起こす場合に、板材からの抵抗が分散されながら板材が
徐々に引き起こされることになるため、バーリングドリ
ル1に加わる加工抵抗の分散化を図り、板材が急激に曲
げられることによる板材の破壊を防止することができる
ためである。したがって、このような現象が問題となら
ない場合には、テーパ面を設ける必要はなく、たとえ
ば、図3に示すように、バーリングドリル1の軸方向に
対して直交する面からなるようなバーリング形成領域2
00を採用することも可能である。
【0026】バーリング整形領域300は、バーリング
形成領域200の外周端部から後端側に向かって軸方向
に延びるように設けられ、軸芯からの距離が第1の距離
L1である曲面状の整形面領域300a,300bと、
第1の距離L1よりも短い第2の距離の位置に設けられ
る直線状の逃げ面領域(Dカット領域)301,302
とを有している(最短部分の距離L2)。また、図示す
るように、整形面領域300aと整形面領域300bと
の間に、逃げ面領域301および逃げ面領域302が設
けられている。なお、整形面領域300a,300bお
よび逃げ面領域301,302の作用については後述す
る。
【0027】バーリングドリル1のドリル刃領域10
0、バーリング形成領域200、バーリング整形領域3
00、およびシャンク領域400の外周面の外径寸法関
係は、図2に示すように、ドリル刃領域100が最も小
さい直径φL1を有し、次に、バーリング整形領域30
0の整形面領域が直径φL2を有し、次に、シャンク領
域400が直径φL3を有する。ここで、バーリング形
成領域200は、前端部分はドリル刃領域100と同じ
直径φL1を有し、後端部分はバーリング整形領域30
0と同じ直径φL2を有する。また、逃げ面領域30
1,302の相互の間隔はW1である。
【0028】たとえば、開口径がφ3.5mmの孔をパ
イプに開ける場合のバーリングドリル1の具体的寸法
は、φL1=φ3.0mm、φL2=φ3.5mm、φ
L3=φ4.0mm、W1=3.0mmとなる。また、
軸方向の長さは、ドリル刃領域100が5.0mm、バ
ーリング形成領域200が2.0mm、バーリング整形
領域300が5.0mm、およびシャンク領域400が
25.0mmである。
【0029】また、バーリングドリル1のドリル刃領域
100、バーリング形成領域200、バーリング整形領
域300、およびシャンク領域400の表面には、潤滑
性に優れ、焼付きにくい表面処理が施されていることが
好ましく、一例として、ダイヤモンドコートコーティン
グ等による表面処理が挙げられる。
【0030】(パイプへのバーリング加工工程)次に、
図4から図7を参照して、上記図1に示すバーリングド
リル1を用いたパイプへのバーリング加工工程について
説明する。なお、パイプには、φ3.5mmの孔を開け
る場合について説明する。また、図4から図7は、バー
リングドリル1を用いたパイプへのバーリング加工工程
を示す断面工程図である。
【0031】まず、図4を参照して、四角パイプ600
の一辺に、バーリングドリル1を回転させた状態で下降
させる。パイプ600は、一辺が20mm、板厚さ1.
2mmの正四角パイプであり、閉ざされた内部空間を有
している。また、バーリングドリル1の回転速度は、1
000rpm〜1200rpm程度、下降速度は、80
mm/分〜160mm/分程度である。
【0032】次に、図5を参照して、ドリル刃領域10
0によりパイプ600の一辺に下孔が開けられる。その
後、引続きバーリングドリル1を回転させながら下降さ
せる。次に、図6を参照して、バーリング形成領域20
0がパイプ600の板材に当接しながら、パイプ600
の板材を内部空間側に向かって徐々に引き起こす。
【0033】ここで、上述したように、本実施の形態に
おけるバーリングドリル1によれば、バーリング形成領
域200にテーパ面を設けていることから、バーリング
形成領域200がパイプの板材に当接しながら板材を徐
々に引き起こすため、板材からの抵抗が分散され、バー
リングドリル1に加わる加工抵抗の分散化を図るととも
に、板材が急激に曲げられることによる板材の破壊を防
止することができる。
【0034】次に、図7を参照して、引続きバーリング
ドリル1を回転させながら下降させることにより、バー
リング形成領域200により板材が略90°内部空間側
に向かって引き起こされ、バーリング部602が形成さ
れる。その後、バーリング部602内をバーリング整形
領域300が回転しながら通過することにより、バーリ
ング部602の形が整形される。
【0035】ここで、本実施の形態におけるバーリング
ドリル1においては、バーリング整形領域300に、整
形面領域300a,300bと、逃げ面領域301,3
02とを設けている。これは、たとえばバーリング整形
領域300の形状を、図8の断面図に示すような一様の
円筒形状とした場合、パイプ600の板材601のバー
リング部602が形成される領域の反対側の表面、つま
りパイプ600の表面側に、図9に示すような突起Sが
形成されることが確認された。この突起Sの形成は、パ
イプ600の表面側に機器等を取付ける場合に、突起S
の存在により機器をパイプ600に対して隙間なく取付
けることができない問題があった。
【0036】そこで、上述したように整形面領域300
a,300bと、逃げ面領域301,302とを設ける
ことにより、バーリング部602の整形時に、整形面領
域300a,300bで押される板材601が、逃げ面
領域301,302に流れることができようになるた
め、板材601は順次バーリングドリル1の回転進行方
向に送られることになり、パイプ600の表面側への突
起Sの形成を回避することを可能としている。
【0037】したがって、バーリング整形領域300の
形状は、図1および図2に示される形状に限定されるも
のでなく、バーリング部602の内面に接する整形面領
域と、バーリング部602の内面に接しない逃げ面領域
とが交互に設けられていれば良く、たとえば、図10の
バーリング整形領域300の断面図に示すように、曲面
部分からなる整形面領域300c,300d,300
e,300fと、直線状の逃げ面領域303,304,
305,306とをそれぞれ交互に設ける構成や、図1
1のバーリング整形領域300の断面図に示すように、
ドリル刃領域100のねじり刃方向とは逆方向のねじり
刃方向を有するドリル刃領域を形成して、一断面におい
て見た場合、2つの曲面部分からなる整形面領域300
g,300hと、2つの直線状の逃げ面領域306,3
07とがそれぞれ交互に出現する構成を採用することも
可能である。
【0038】図12に、図4から図8に示した、バーリ
ングドリル1を用いたバーリング加工工程によって形成
された、内部空間側に向かって突出するバーリング部を
備えるパイプ600の断面形状を示す。図12におい
て、W=25mm、t1=1.2mm、t2=1.7m
m、φ3=3.5mmである。
【0039】この形状からなるパイプ600によれば、
パイプ600が薄肉の板材からなる場合においても、バ
ーリング加工部602における板厚さは厚くなることか
ら、十分な締め付けトルクを得ることができるねじ山を
形成することが可能になる。
【0040】なお、本実施の形態におけるバーリングド
リル1を用いる場合の最適なパイプの板厚さとしては、
0.6mmから1.2mmが好ましく、またパイプの形
状としては、直径が20mmから30mmの丸パイプ、
または、一辺の長さが20mmから30mmの四角パイ
プが好ましい。
【0041】(作用・効果)以上、本実施の形態におけ
るバーリングドリルおよびパイプによれば、パイプ60
0の板材601部分に下孔を開けることなくバーリング
ドリル1を回転させながら進行させることにより、パイ
プ600の板材601の部分にドリル刃領域100によ
って下孔加工を施すことが可能になる。その後、引続き
バーリングドリル1を回転させながら進行させることに
より、下孔加工領域にバーリング形成領域200が進入
することにより、バーリング形成領域200がパイプ6
00の板材601に当接しながら板材をパイプ600の
内部空間側に向かって突出させバーリング部602を形
成する。その後、さらにバーリングドリル1を回転させ
ながら進行させることにより、バーリング部602の内
面にバーリング整形領域300が進入することにより、
バーリング部602の形状を整えることが可能となる。
【0042】このように、バーリングドリル1を回転さ
せながら進行させることのみにより、内部空間を有する
パイプ600の板材601に、内部空間側に向かって突
出するバーリング部602を形成することが可能にな
る。その結果、従来のバーリング加工に必要とされてい
た下孔加工、パイプの内部空間へのダイ配置等が不要と
なり、バーリング加工工程の簡略化を図ることが可能に
なる。
【0043】また、回転するバーリングドリル1の下降
動作のみでバーリング加工が完了することから、パイプ
600へのバーリング加工の加工性が向上し、コストの
低減を図ることも可能になる。
【0044】さらに、パイプ600が薄肉の板材からな
る場合においても、上述したように容易にバーリング加
工を行なえる結果、バーリング加工部における板厚さは
厚くなり、十分な締め付けトルクを得ることができるね
じ山を形成することが可能になる。
【0045】なお、図1に示すバーリングドリル1の形
状はあくまでも一例であって、他の形状として、図13
から図17に示すようなバーリングドリル1Aから1E
を採用することが可能である。いずれのバーリングドリ
ル1Aから1Eも、バーリング形成領域およびバーリン
グ整形領域の形状に特徴を有している。
【0046】図13に示すバーリングドリル1Aのバー
リング形成領域200aの形状は、周方向に沿って凹凸
状のバーリング面が設けられ、ドリル刃領域に形成され
るねじれ刃と同一方向に傾斜する凹面を有している。バ
ーリング整形領域300aの形状は、図10に示すのと
同じ形状が採用されている。
【0047】図14に示すバーリングドリル1Bのバー
リング形成領域200bの形状は、上記バーリング形成
領域200aの形状と同様の形状を有しているが、凹面
の傾斜方向が、ドリル刃領域に形成されるねじれ刃と反
対方向に傾斜している点が相違する。バーリング整形領
域300bの形状は、図10に示すのと同じ形状が採用
されている。
【0048】図15に示すバーリングドリル1Cのバー
リング形成領域200cおよびバーリング整形領域30
0cの形状は、円周上において90°ピッチで軸方向に
伸びる4つの凸状部材が形成され、凸状部材の先端部分
が、ドリル刃領域に形成されるねじれ刃と反対方向に傾
斜するように設けられることによりバーリング形成領域
200cを構成し、凸状部材の領域においてバーリング
整形領域300cを構成している。なお、凸状部材の先
端部分の傾斜方向は、ねじれ刃と同一方向の傾斜でも構
わない。
【0049】図16に示すバーリングドリル1Dのバー
リング形成領域200dの形状は、円周上に2箇所先端
側に突出する鋭角状の凸部が設けられている。バーリン
グ整形領域300dの形状は、図10に示すのと同じ形
状が採用されている。
【0050】図17に示すバーリングドリル1Eのバー
リング形成領域200dの形状は、円周上に4箇所先端
側から後側に向かって軸から離れる方向に傾斜する傾斜
面が設けられ。バーリング整形領域300eの形状は、
図10に示すのと同じ形状が採用されている。
【0051】このように、バーリング形成領域およびバ
ーリング整形領域においては、様々な形状を採用するこ
とが可能であり、たとえば、上記実施の形態で示した各
形状を適宜組み合わせることも可能である。
【0052】また、上記実施の形態においては、板材と
して内部空間を有するパイプにバーリング部を形成する
場合について説明したが、板材としてはパイプに限定さ
れるものでなく、U字状、この字状に折り曲げられた内
部空間を有する板材に対してバーリング部を形成する場
合においても、上記と同様の作用効果を得ることが可能
である。
【0053】したがって、今回開示された上記実施の形
態はすべての点で例示である。したがって、本発明の技
術的範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によ
って画定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲
内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0054】
【発明の効果】以上、本発明に基づいたバーリングドリ
ルによれば、従来のバーリング加工に必要とされていた
下孔加工、折り曲げられた板材の内部空間へのダイ配置
等が不要となり、内部空間を有するように折り曲げられ
た板材へのバーリング加工工程の簡略化を図ることが可
能になる。
【0055】また、本発明に基づいたパイプによれば、
パイプが薄肉の板材からなる場合においても、バーリン
グ加工部における板厚さは厚くなることから、十分な締
め付けトルクを得ることができるねじ山を形成すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態におけるバーリングドリル1の
全体構造を示す側面図である。
【図2】 図1中II−II線方向からの矢視図であ
る。
【図3】 他の形態のバーリング形成領域200有する
バーリングドリル1の全体構造を示す側面図である。
【図4】 本実施の形態におけるバーリングドリル1を
用いたパイプへのバーリング加工工程を示す第1断面図
である。
【図5】 本実施の形態におけるバーリングドリル1を
用いたパイプへのバーリング加工工程を示す第2断面図
である。
【図6】 本実施の形態におけるバーリングドリル1を
用いたパイプへのバーリング加工工程を示す第3断面図
である。
【図7】 本実施の形態におけるバーリングドリル1を
用いたパイプへのバーリング加工工程を示す第4断面図
である。
【図8】 バーリング整形領域300の形状を一様の円
筒形状とした場合の断面図である。
【図9】 パイプ600の表面側に突起Sが形成された
場合の断面図である。
【図10】 他の形態を有するバーリング整形領域30
0の第1断面図である。
【図11】 他の形態を有するバーリング整形領域30
0の第2断面図である。
【図12】 バーリングドリル1を用いたバーリング加
工工程によって形成された、内部空間側に向かって突出
するバーリング部を備えるパイプの断面図である。
【図13】 他の実施の形態におけるバーリングドリル
1Aの全体構造を示す側面図および先端側から見た図で
ある。
【図14】 他の実施の形態におけるバーリングドリル
1Bの全体構造を示す側面図および先端側から見た図で
ある。
【図15】 他の実施の形態におけるバーリングドリル
1Cの全体構造を示す側面図および先端側から見た図で
ある。
【図16】 他の実施の形態におけるバーリングドリル
1Dの全体構造を示す側面図および先端側から見た図で
ある。
【図17】 他の実施の形態におけるバーリングドリル
1Eの全体構造を示す側面図および先端側から見た図で
ある。
【図18】 従来の板材にバーリング部を形成する方法
を示す第1断面図である。
【図19】 従来の板材にバーリング部を形成する方法
を示す第2断面図である。
【符号の説明】 1,1A,1B,1C,1D,1E バーリングドリ
ル、100 ドリル刃領域、200,200A,200
B,200C,200D,200E バーリング形成領
域、300,300A,300B,300C,300
D,300E バーリング整形領域、400 シャンク
領域、300a,300b,300c,300d,30
0e,300f,300g,300h 整形面領域、3
01,302,303,304,305,306,30
7 逃げ面領域、600 パイプ、601 板材、60
2 バーリング部。
フロントページの続き (72)発明者 吉川 政信 大阪府八尾市竹渕西1丁目36番地 株式会 社創美工芸内 Fターム(参考) 3C037 EE00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部空間を有するように折り曲げられた
    板材に、内部空間側に向かって突出するバーリング部を
    形成するためのバーリングドリルであって、 前記板材に孔を開けるため、外周面にねじれ刃が設けら
    れ、軸方向に延びるドリル刃領域と、 前記ドリル刃領域の後端側において、前記ドリル刃領域
    の外径よりも外側に張り出す領域からなるバーリング形
    成領域と、 前記バーリング形成領域の外周端部から後端側に向かっ
    て、軸方向に延びるバーリング整形領域と、を備える、
    バーリングドリル。
  2. 【請求項2】 前記バーリング形成領域は、前記ドリル
    刃領域側から前記バーリング整形領域側に向かうにした
    がって、徐々に外径が大きくなるテーパ面を有する、請
    求項1に記載のバーリングドリル。
  3. 【請求項3】 前記バーリング整形領域は、 前記バーリング形成領域の外周端部から後端側に向かっ
    て軸方向に延び、軸芯からの距離が第1の距離に設けら
    れる整形面領域と、 前記第1の距離よりも短い第2の距離の位置に設けられ
    る逃げ面領域と、を含む、請求項1または2に記載のバ
    ーリングドリル。
  4. 【請求項4】 前記整形面領域は、前記バーリング整形
    領域の外周面に2以上設けられ、前記整形面領域の間に
    前記逃げ面領域が設けられる、請求項3に記載のバーリ
    ングドリル。
  5. 【請求項5】 前記板材は、内部空間を有するパイプで
    ある、請求項1から4のいずれかに記載のバーリングド
    リル。
  6. 【請求項6】 内部空間を有するパイプであって、 請求項1から4のいずれかに記載のバーリングドリルを
    用いて形成され、内部空間側に向かって突出するバーリ
    ング部を有することを特徴とする、パイプ。
  7. 【請求項7】 前記パイプの板材の厚さは、0.6mm
    から1.2mmである、請求項6に記載のパイプ。
  8. 【請求項8】 前記パイプは、外周の直径が20mmか
    ら30mmの丸パイプである、請求項6または7に記載
    のパイプ。
  9. 【請求項9】 前記パイプは、外周の一辺の長さが20
    mmから30mmの四角パイプである、請求項6または
    7に記載のパイプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010247265A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Kobe Steel Ltd ドリル及び孔加工方法
CN107756039A (zh) * 2017-10-18 2018-03-06 浙江长兴和良智能装备有限公司 一种制造四通换向阀d接管的生产线及方法

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