JP2003102401A - 冷凍フライ類食品の製造方法 - Google Patents

冷凍フライ類食品の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油チョウ済みフライ類の冷凍品を電子レンジ
により加熱調理した際に、衣のサクサク感を再現でき、
一般家庭用冷蔵庫にて冷凍保存した場合にも、その食感
が長期にわたり保持されるような、冷凍された油チョウ
済みフライ類食品の製造法を提供する。 【解決手段】 油チョウ後のフライ類食品を、直ちに2
0cm/hを超える凍結界面前進速度で超急速凍結さ
せ、次いで、0.1〜20cm/hの凍結界面前進速度
で凍結させることからなる、電子レンジ対応冷凍フライ
類食品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コロッケ、エビフ
ライ、イカフリッター、チキンカツ、ビーフカツ等の油
チョウ済みフライ類食品及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】油チョウ済のコロッケやエビフライ等の調
理済みフライ食品の冷凍品は、長期保存が可能であっ
て、解凍・再加熱することにより手軽に食べることがで
きるという利点がある。近年、職業を持つ女性の増加
や、早朝深夜に活動する人々の増加等からくるライフス
タイルの変化、電子レンジの目覚しい普及、またコンビ
ニエンスストアや軽食レストラン、ファミリーレストラ
ンの増加も影響して、電子レンジ加熱で簡便に調理提供
できる冷凍食品の需要が増大してきている。特にフライ
食品類は対象具材が多様であり、その衣に特有のサクサ
クした軽い食感が具材のみずみずしさと調和して広く好
まれている。
【0003】
【従来の技術】従来、このような冷凍フライ類は、通常
のフライ類と同様に十分に油チョウしたものをそのまま
冷凍して製造されていた。しかしながら、衣等のサクサ
クとした食感が好まれるフライ類食品の場合、かかる従
来の冷凍方法では、喫食時に電子レンジで再加熱した際
に、その具材から発生する水分により衣が軟化し、フラ
イ類本来のサクサクとした食感が失われてしまうという
問題があった。また、この水分移行による衣の軟化は、
その冷凍保存期間が長くなるほど顕著となるという問題
もあった。
【0004】このような問題を解決するために、従来か
ら、種々の技術が提案されている。例えば、油チョウ済
みフライ類の冷凍品を電子レンジにより加熱調理した際
に、本来具材のもつみずみずしさを保ったまま、油チョ
ウ直後のサクサクとした好ましい衣材の食感を再現する
ことができ、さらに一般家庭用冷蔵庫にて冷凍保存した
場合にも、その食感が長期にわたり失われずに保持でき
るような、冷凍された油チョウ済みフライ類食品の製造
方法を提供することを目的として、油チョウ後のフライ
食品を、直ちに凍結界面前進速度が20cm/hを超え
る速度、より好ましくは40cm/h以上で急速凍結さ
せることを特徴とする方法が提示されている(特開20
01−224318号公報)。
【0005】しかしながら、該方法は、フライ食品全体
を超急速凍結させて食品全体の温度を必要到達温度以下
にまで下げる方法であるため、エネルギー効率の点から
好ましくなく、工業的大量生産においてはコストの点か
ら必ずしも満足できるものではなかった。また、食品全
体を超急速冷凍させると、製造条件によっては、中具が
全体的に凍結され、中具の膨圧によってフライ類食品の
表層部分が圧迫される現象が起こり、中具の膨圧によ
り、フライ水食品の表層部分に身割れが生じることがあ
り、その防止のために表層部分を適宜調製する必要が生
じた。フライ類食品の表層部分にこのような身割れが生
じた場合、見た目に好ましくないだけでなく、長期冷凍
保存した場合に身割れ部分から表層部分に徐々に水分移
行が起こり、サクサクとした好ましい衣材の食感を保持
することが困難になる。
【0006】また、油チョウ後、天ぷら食品を約50〜
150℃に加熱した後、凍結して天ぷら食品のクリスピ
ー感を保持する方法が提案されている(特公昭56−1
7900号公報)。この方法では冷媒として液体窒素を
使用しているが、具体的な凍結方法や凍結速度について
の記載はなく、凍結速度によってフライ類のクリスピー
感に差が生じることや、凍結時に生じる身割れ防止策に
ついての記述もない。
【0007】他方、急速凍結時における表面の身割れを
防止するための技術も種々提案されている。例えば、ト
ンネル型断熱性凍結室において、低沸点液化ガスを凍結
せんとする食品の走行方向と同一方向に並流させる方法
が提案されている(特公昭58−26950号公報)。
この方法では、食品全体を低沸点液化ガスのみを使用し
て凍結するため、低沸点ガスを多量に消費し、コストが
かかるという問題がある。
【0008】また、例えば、食肉又は魚類などの動物性
食品を、第1工程で凍結点以下の媒体を用いて外表より
1/2程度まで凍結し、次に第2工程で速やかに凍結点
相当の冷媒で解凍して食品全体を均温化し、第3工程と
して保存温度領域で保存するという方法がある(特開平
3−49641号公報)。この方法は、畜肉や漁獲物等
の動物性食品のように大型のため凍結時間が長時間に及
ぶ食品に関するものであり、フライ類食品に用いた場
合、第2工程の解凍時に表層部に水分移行が起こり、サ
クサクとした好ましい衣材の食感を保持することが困難
になるという問題が生じる。
【0009】他には、油チョウ後、急速凍結させた後、
−30℃以下の温度で冷凍保存することにより、具材か
ら衣への水分移動を遅延させて衣表層部を水分の少ない
状態に保持する方法(特開平6−141788号公
報)、凍結前に0〜15℃の乾燥空気を吹き付けて衣を
乾燥させる方法(特開昭51−7137号公報)、油チ
ョウ品を水蒸気不透過性のフィルムで乾燥剤と共に被覆
して冷凍し、冷凍保存中に衣を乾燥させてクリスピーな
食感を維持させる方法(特開平5−64574号公
報)、コーンフラワーを混入したパン粉により冷凍フラ
イ食品を製造することにより、衣材自体の食感を改善す
る方法(特開平4−53459号公報)なども提案され
ている。
【0010】しかし、これらの方法のうち、具材や衣材
を直接乾燥させる方法は、素材が本来有している水分が
大幅に失われてフライ類に好まれる具材のジューシー感
が損なわれるものであるし、また、衣材の特性を改善す
る方法にしても、保存時の衣への水分の移行の問題を十
分に解決できるものではない。
【0011】一方、一般に、冷凍食品製造における食品
の凍結方法としては、例えば、次のような方法も知られ
ている。(「食品機械装置」P64-68(1995)、「冷凍」第
70巻、第809号(1995)、「冷凍」第61巻、第703号等参
照)。
【0012】(a)気体接触式凍結法(エアーブラスト凍
結法) 最も多く使用されている方法で、おおよそ−35〜−4
0℃の空気を風速5〜10m/secにて吹き付けるこ
とにより凍結させる。 (b)固体接触式凍結法(コンタクト式凍結法) −35〜−40℃に冷却した金属板に直接被凍結物を接
触させることにより凍結させる。 (c)液化ガス噴霧式凍結法 液化炭酸ガスや液化窒素といった低温液化ガスを被凍結
食品に直接噴霧し、その蒸発潜熱と顕熱を利用して凍結
させる。 (d)液体浸漬式凍結法 低温の液体(例えば、塩化カルシウムブライン、エタノ
ールブライン、プロピレングリコールブライン、液化二
酸化炭素、液体窒素等)に被凍結物を直接浸し、凍結さ
せる。
【0013】これら公知の凍結方法は、総称して「急速
凍結法」と呼ばれている。急速凍結とは、食品の品温が
最大氷結晶生成帯である−1〜−5℃を通過するために
費やす時間が30分以内、あるいは食品の氷結前線が1
時間に表面から内部へ進む距離により凍結界面前進速度
Vを表し、V=5〜20cm/hの場合とされている。
しかしながら、厳密な意味において急速凍結の条件を満
足する場合は少なく、むしろ、生産ラインにおいて凍結
の工程が正常に行われたという工程管理の意味合いで使
われることの方が多い〔日本食品工業学会誌 ,39,7,608
(1992)〕。
【0014】これら「急速凍結法」と呼ばれる(a)〜(d)
においても、実際に冷却速度や凍結効率において大きな
差があり、被凍結物の条件や品質とコストとのバランス
により使い分けられている。中でも(d)の方法は、常圧
で−196℃(液化窒素ガス)、−20℃/1.96M
Pa(液体二酸化炭素)という超低温度を利用し、さら
に熱伝達、すなわち空気から製品への伝熱の影響を考え
る必要がないため、現在の主流である気体接触式と比べ
ると非常に急速に凍結できる。そのため品質面におい
て、前記(a)〜(c)の方法では期待することのできない特
徴を有するとされる。
【0015】前述の(d)による凍結方法は、通常はマグ
ロや畜肉等の細胞を有する調理前の生鮮品、特に品質向
上によるメリットが大きいものに対して使用されてい
る。その理由として、超急速凍結を行うことにより細胞
組織内の水分を緻密な氷結晶とすることが可能であり、
氷結晶成長にともなう食品組織の損傷を伴うことなく凍
結させることができるからである。しかしながら、この
細胞破壊現象が防げるという理由からは調理冷凍食品で
あるフライ類の場合にサクサク感向上効果が達成できる
ことは予想することはできず、油チョウ済みフライ類の
電子レンジ対応冷凍品の製造に際して超急速凍結法が積
極的に適用された例も見受けられない。
【0016】本発明者らは、すでに、冷凍された油チョ
ウ済みフライ類食品の製造方法として、油チョウ後のフ
ライ食品を直ちに凍結界面速度が20cm/hを超える
速度、より好ましくは40cm/h以上で超急速凍結さ
せることを特徴とする方法を提案している(特開200
1−224318号公報)。
【0017】この方法によれば、油チョウ済みフライ類
の冷凍品を電子レンジにより加熱調理した際に、本来具
材が持っているみずみずしさを保ったまま油チョウ直後
のサクサクとした好ましい衣材の食感を再現することが
でき、さらに、一般家庭用冷蔵庫にて冷凍保存した場合
にも、その食感が長期にわたり失われずに保持できるも
のである。しかし、この方法の場合、フライ食品全体を
超急速凍結させる方法であるために、食品全体の温度が
必要到達温度以下まで下がることとなり、エネルギー効
率の面で改善の余地がある。
【0018】また、食品全体を超急速凍結させると、製
造条件によっては中具が全体的に凍結される結果、中具
の膨圧で表層部分が圧迫される現象が観察される場合が
あることから、中具の膨圧で表層部分が身割れしないよ
うに表層部分を適宜調節する必要が生じる場合がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、調理済みフ
ライ食品における前記問題を解決し、油チョウ済みフラ
イ食品の冷凍品を電子レンジ等によって加熱調理した際
に身割れなども生じにくく、本来、具材のもつみずみず
しさを保ったまま、油チョウ直後のサクサクとした好ま
しい衣材の食感を再現することができ、さらに、一般家
庭用冷蔵庫に冷凍保存した場合も、その食感が長期にわ
たって失われず保持されるような、冷凍された油チョウ
済みフライ類食品の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成できる本
発明の油チョウ済みフライ類の電子レンジ対応冷凍品の
製造方法は、基本的には、油チョウ後のフライ食品を、
その表層部分の凍結と中具部分の凍結とを分けて行うこ
とを特徴とする方法であり、以下の各発明を包含する。
【0021】(1)油チョウ後のフライ類食品の表層部
分を、直ちに20cm/hを超える凍結界面前進速度で
超急速凍結させた後、凍結条件を変化させ中具部分を
0.1〜20cm/hの凍結界面前進速度で凍結させる
ことを特徴とする、冷凍フライ類食品の製造方法。
【0022】(2)油チョウ後のフライ類食品の表層部
分を、直ちに20cm/hを超える凍結界面前進速度で
超急速凍結させた後、凍結条件を変化させ中具部分を
0.1〜20cm/hの凍結界面前進速度で凍結させ、
引き続き−10℃以下の温度で冷凍保存することを特徴
とする、冷凍フライ類食品の製造方法。
【0023】(3)前記油チョウ後のフライ類食品の表
層部分の超急速凍結が液体窒素浸漬法、液体二酸化炭素
浸漬法、液体窒素噴霧法及び液体二酸化炭素噴霧法から
選ばれたいずれかの方法で行われることを特徴とする、
(1)項又は(2)項に記載の冷凍フライ類食品の製造
方法。
【0024】(4)前記冷凍保存する温度が−10℃〜
−25℃であることを特徴とする、(2)項又は(3)
項に記載の冷凍フライ類食品の製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の油チョウ済みフライ類食
品の各部分の名称を、図1の油チョウ済みフライ食品の
模式断面図に示す。本発明の方法は、油チョウ済みフラ
イ類食品を、油チョウ後直ちに超急速凍結させて油チョ
ウ後のフライ食品の表層部分をまず凍結させ、ついで、
凍結条件を変化させて中具部分を表層部分の超急速凍結
速度よりも遅い凍結界面前進速度で凍結させることを特
徴とする方法である。
【0026】本発明において、「油チョウ後直ちに」と
は、油チョウ済みフライ類食品の中具部分の水分が食品
の表層部分に移行しない時間を指し、通常、フライ類食
品を油チョウした直後例えば5分以内に行うことが好ま
しい。
【0027】本発明において、「凍結界面前進速度V
(cm/h)」とは、被凍結食品の氷結前線が1時間に
表面から内部へ進む距離と定義される。凍結界面前進速
度Vの数値は、油チョウ済みフライ食品の表層部分の場
合は、食品表面から中具表面(表層部分と中具の境界部
分)までの距離を、食品表面が0℃となったときから中
具表面が−10℃になるまでの経過時間で割った数値で
あり、中具の場合は、中具表面から中具の中心までの距
離を中具表面が0℃となったときから中具中心が−10
℃となるまでの時間で割った数値である。
【0028】そして、表層部分の超急速凍結とは、20
cm/hを超える凍結界面前進速度、より好ましくは4
0cm/h以上の凍結界面前進速度をもって表層部分を
凍結することを意味している。本発明の方法の場合、従
来の油チョウ済み冷凍フライ類食品の製造では採用され
ることがなかった20cm/hを超える凍結界面前進速
度、より好ましくは40cm/h以上の凍結界面前進速
度をもって凍結させることを特徴とするものである。
【0029】凍結界面前進速度が速いほど、フライ食品
類の表層部分の持つ水分を瞬時にその場にて固定される
ことから、中具の水分が衣に移行することを防ぐことが
できる。その後、中具部分を0.1〜20cm/h、好
ましくは1〜15cm/hの凍結界面前進速度で凍結さ
せることにより、身割れが生じにくく、長期冷凍保存後
に電子レンジ調理した場合でも、油チョウ直後のフライ
類特有のサクサクとした食感を保持している油チョウ済
みフライ類食品の冷凍品を製造することができる。
【0030】凍結界面前進速度を上述したように2段階
とすることにより、食品全体を一度に超急速凍結させた
場合に発生する可能性がある身割れを完全に防止するこ
とが可能となるし、また、表層部分のみを超急速凍結す
ることで、食品全体を同じ超急速凍結する場合に比べて
液体窒素や液体二酸化炭素の使用量を抑えることがで
き、コストを低減することが可能となる。
【0031】本発明の油チョウ済みフライ類食品におけ
る「表層部分」とは、パン粉及びバッターなどの衣形成
材料からなることを意味する。また、「中具部分」は、
コロッケのようなフライ類食品に使用されている具材部
分を意味している。
【0032】本発明の方法におけるフライ類食品の表層
部分の超急速凍結の手段は、凍結界面前進速度V(cm
/h)を前記のように定義した時、従来、油チョウ済み
冷凍フライ類食品の製造で行われていなかった20cm
/hを超える凍結界面前進速度、より好ましくは40c
m/h以上の凍結界面前進速度をもって凍結させること
ができる凍結手段であれば、特に制限はない。しかし、
上記の凍結界面前進速度V(cm/h)条件を満たすた
めには、食品への影響の少ないことを考慮すると、液体
窒素浸漬法、液体二酸化炭素浸漬法、液体窒素噴霧法及
び液体二酸化炭素噴霧法のいずれかを採用することが特
に好ましい。
【0033】本発明の方法におけるフライ類食品の中具
部分の凍結方法は、0.1〜20cm/h、より好まし
くは1〜15cm/hの凍結界面前進速度で凍結させる
ことができる凍結手段であれば、特に制限はない。しか
し、表層部分の急速凍結手段として有効な液体窒素浸漬
法、液体二酸化炭素浸漬法、液体窒素噴霧法及び液体二
酸化炭素噴霧法などの手段を採用すると、上記20cm
/h以下の凍結界面前進速度を得ることは困難であり、
かつコスト的にも好ましくない。中具部分の冷凍手段と
しては機械式エアブラスト凍結法を採用することがコス
ト的にも好ましい。
【0034】本発明の方法で冷凍されるフライ類食品の
例としては、中具の材料として、例えば、イモ類、タマ
ネギ、カボチャ、ピーマン、キノコ類等の各種野菜、エ
ビ、イカ、カニ、貝柱をはじめとする魚介類、チキン、
ビーフ、ポーク等の畜肉類等のような、通常、コロッケ
のようなフライ類食品に使用されている具材を使用して
おり、通常の方法によりフライ調理されているものが挙
げられ、特に具材等によって限定されるものではない。
また、フライ類食品の上記具材を被覆する衣類の材料に
も特に制限はなく、通常のフライ類食品に使用されるバ
ッター等の衣形成材料が使用できる。
【0035】
【実施例】次に実施例によって本発明の効果を説明する
が、本発明はこれらの実施例の記載により限定されるも
のではない。
【0036】仕上がり20g(中具12g、バッター4
g、パン粉4g)の未加熱のポテトコロッケを、170
〜180℃のサラダ油にてフライ処理した。この油チョ
ウ済みポテトコロッケを、直ちに−30℃にてエアブラ
スト凍結した群、直ちに別々に液体窒素に10秒間、3
0秒間、60秒間、それぞれ浸漬し、その後、それぞれ
の群を−30℃でエアブラスト凍結した群、直ちに液体
窒素に2分30秒浸漬凍結した群、として凍結した。そ
れぞれの群についての凍結条件における中具表面及び中
具中心の凍結曲線を図2及び図3に、また、表層部分及
び中具部分の凍結界面前進速度を表1に示した。
【0037】こうして得られた凍結界面前進速度の異な
る冷凍コロッケ群を−18℃の冷凍庫でそれぞれ3ヶ月
間、通常の冷凍保存をした。保存後、凍結したままの前
記冷凍コロッケ群を電子レンジにて500w、1分/1
個で加熱調理し、7人のパネラーに試食させて衣のサク
サク感について官能試験を行った。評点は、エアブラス
ト凍結品を3点とし、最高点が5点、最低点が1点とし
た。また、身割れの状態を目視評価した、その結果を
「○:身割れなし」、「×:身割れあり」として表2に
示した。なお、評点はパネラーの意見を総合して記載し
た。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1に示すように、エアブラスト凍結及び
液体窒素浸漬10秒後にエアブラスト凍結させたもの
は、表層部分は超急速凍結されておらず、液体窒素に3
0秒及び60秒浸漬したものは、表層部分が超急速凍結
されていた。また、表2に示されているように、表層部
分を急速冷凍させたものはサクサク感が向上していた
が、一方、液体窒素に2分30秒浸漬して全体を超急速
冷凍させたものは、身割れが生じていて、サクサク感が
低下していた。
【0041】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
の方法によれば、油チョウ済みのフライ類食品の表層部
分を直ちに20cm/hを超える凍結界面前進速度で超
急速冷凍させることにより、フライ類食品の表層部分の
持つ水分を瞬時にその場に固定して衣への水分移行を効
果的に抑制することができ、その後、中具部分を0.1
〜20cm/hの凍結界面前進速度で凍結させることに
より、身割れが生じることがなく、長期冷凍保存後に電
子レンジ調理した場合も、油チョウ直後のフライ特有の
サクサクとした食感を保持している油チョウ済みフライ
類食品の冷凍品を製造することが可能となったものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】油チョウ済みフライ類食品の模式断面図。
【図2】各種凍結条件でのコロッケの中具表面部分の凍
結曲線を示す図。
【図3】各種凍結条件でのコロッケの中具中心部分の凍
結曲線を示す図。
フロントページの続き (72)発明者 鳥羽 茂 群馬県邑楽郡大泉町吉田1210番地5 味の 素冷凍食品株式会社研究部内 Fターム(参考) 4B022 LA01 LB01 LJ01 LN05 LN08 4B035 LC03 LC12 LE18 LP07 LP43

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油チョウ後のフライ類食品の表層部分
    を、直ちに20cm/hを超える凍結界面前進速度で超
    急速凍結させた後、凍結条件を変化させて中具部分を
    0.1〜20cm/hの凍結界面前進速度で凍結させる
    ことを特徴とする、冷凍フライ類食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 油チョウ後のフライ類食品の表層部分を
    直ちに20cm/hを超える凍結界面前進速度で超急速
    凍結させた後、凍結条件を変化させて中具部分を0.1
    〜20cm/hの凍結界面前進速度で凍結させ、引き続
    き−10℃以下の温度で冷凍保存することを特徴とす
    る、冷凍フライ類食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記油チョウ後のフライ類食品の表層部
    分の超急速凍結が液体窒素浸漬法、液体二酸化炭素浸漬
    法、液体窒素噴霧法及び液体二酸化炭素噴霧法から選ば
    れたいずれかの方法で行われることを特徴とする、請求
    項1又は2に記載の冷凍フライ類食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記冷凍保存する温度が−10℃〜−2
    5℃であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の
    冷凍フライ類食品の製造方法。
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