JP2003098335A - 多色画像シートおよびその製造方法 - Google Patents

多色画像シートおよびその製造方法

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JP2003098335A
JP2003098335A JP2001291998A JP2001291998A JP2003098335A JP 2003098335 A JP2003098335 A JP 2003098335A JP 2001291998 A JP2001291998 A JP 2001291998A JP 2001291998 A JP2001291998 A JP 2001291998A JP 2003098335 A JP2003098335 A JP 2003098335A
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Morimasa Sato
守正 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の平坦性が良好な多色画像シートおよび
その製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、着色層からなり、互いに異
なる色を呈する2以上の画素群を有し、前記画素群を構
成する各画素は互いに遮光性層により離画されている多
色画像シートにおいて、該遮光性層と画素群との膜厚の
差の絶対値が0.5μm以下である多色画像シート、お
よびセルフアライメント方式(背面露光方式)により遮
光性層を形成する多色画像シートの製造方法であり、前
記方法は、支持体上に画素群を形成した後、各画素上お
よび各画素間の間隙に、遮光性層となる感光性黒色樹脂
層を形成し、その後、背面側から露光し、現像すること
により、画素上の感光性黒色樹脂層を固体状態を保った
状態で剥離除去し、次いで黒色樹脂層を硬化する工程を
有する多色画像シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮光性層と着色層
を有する、特にカラーフィルターに好ましく用いられる
多色画像シート、およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレー等に用いられる
カラーフィルターには、通常、R、G、B(赤、緑、
青)の各画素の間隙に表示コントラスト向上等の目的
で、ブラックマトリックスが形成されている。このよう
なカラーフィルターは、例えば、ブラックマトリックス
を形成後、その間隙にR、G、B(赤、緑、青)の各画
素を順次フォトリソ(写真平版)法で形成して作製され
る。ブラックマトリックスは、クロム等の金属膜や遮光
性顔料等を分散させた感光性樹脂を用いる方法等が知ら
れている。例えば、クロム等の金属膜を用いたブラック
マトリックスは、金属膜を蒸着等の方法で基板上に形成
し、次にフォトレジストを使用したフォトリソ(写真平
版)とエッチング工程により金属膜をパターニングして
形成される。また遮光性顔料等を分散させた感光性樹脂
を用いたブラックマトリックスは、遮光性顔料等を分散
した感光性樹脂層を塗布や印刷等の方法で基板上に形成
し、パターン露光−現像の工程で形成される。
【0003】また、前記遮光性顔料等を分散させた感光
性樹脂を用い、セルフアライメント方式(自己位置合わ
せ方式)でブラックマトリックスを形成する方法も知ら
れており(特開昭62−9301号公報、特開平728
236号公報)、コスト、製造工程の面から注目されて
いる。この方式では、R、G、Bの各画素が形成された
基板全面に、カーボンブラック等の黒色遮光性顔料等を
分散させた感光性樹脂層を設け、R、G、Bの各画素が
フォトマスクとして作用するように、露光を裏面から行
ない、画素の間隙にブラックマトリックスを形成する。
このセルフアライメント方式によるブラックマトリック
スの形成には、従来必要であった位置合せの工程が不要
となること、なおかつ、ブラックマトリックス形成用感
光性樹脂は画素領域及び各画素間の隙間領域の全面に形
成されるので、白ヌケは発生し難いとの利点がある。
【0004】しかし、セルフアライメント方式によるブ
ラックマトリックスの作製法は、基板の裏側から露光す
るため、感光性樹脂層に含まれる遮光性顔料により露光
領域の波長の光が吸収され、感光性樹脂層の表面まで充
分に露光されず光硬化不足となり、引き続き行われる現
像処理により表面に近い部分が一部除去される現象が生
ずる。そうすると、得られる遮光性層の膜厚が減少し、
必要な光学濃度(OD)が得られなくなる。したがっ
て、セルフアライメント方式では、高光学濃度のブラッ
クマトリックスを作製することは難しかった。セルフア
ライメント方式により、高光学濃度のブラックマトリッ
クスを作製する方法として、特開平10−39133号
公報には、露光領域の感光性黒色樹脂層を溶解し難く
し、一方非露光領域(即ち画素表面)の遮光性感光性樹
脂層は、現像液との接触により画素表面から膨潤状態で
膜状で脱離できるようにすることにより、露光された遮
光性感光性樹脂層の表面付近における溶解を防止しなが
ら非露光領域の膜状の脱離が可能な方法が開示されてい
る。この方法は、従来用いられていた感光性樹脂の酸価
を下げる等により、非露光領域(R・G・B領域)に存
在する遮光性感光性樹脂層のみを膨潤させて、R・G・
B画素表面とその上の遮光性感光性樹脂層との接着力を
低下させることにより、固体状態を保ちながら剥離させ
る一方、露光領域においては実質的に除去されないの
で、形成されるブラックマトリックスの膜厚が小さくな
ることがないという特長を有する。
【0005】ところで、前記のごときカラーフィルター
が用いられる液晶表示装置として、薄膜トランジスタ
(TFT)を用いるアクティブマトリックス駆動型の液
晶表示装置が知られているが、この液晶表示装置には、
カラーフィルター膜の上に全面にITO膜等の透明導電
膜が電極として設けられる。ところが、透明電極の下の
ブラックマトリックスを含めたカラーフィルター膜が平
坦でないと、その上に設けられる透明電極にクラック等
の欠陥が生じ、面抵抗が大きくなるということが判明し
た。特に、ブラックマトリックスとして前記のクロムの
ごとき金属膜を蒸着法により設けると、R・G・B膜に
比較して金属クロムブラックマトリックス膜はかなり膜
厚が小さいので(たとえばR・G・B膜が数μmである
のに対し、ブラックマトリックスはその10分の1程
度)、得られるカラーフィルター層の表面が平坦に形成
されない。また、前記のように、基板上に遮光性顔料含
有感光性樹脂層を形成し、その後露光−現像によりブラ
ックマトリックスを作製し、その後、同様にしてR・G
・B層を設ける方法によっても、平坦なカラーフィルタ
ーは得られない。一方、基板上にR・G・B層を設けた
後、その上に全面に遮光性顔料含有感光性樹脂層を形成
し、次いで、基板の裏面から露光するセルフアライメン
ト方式によりブラックマトリックスを作製する方法で
は、前記のごとき方法で遮光性層を形成する場合に比較
して、遮光性層とR・G・B画素膜との厚さの差を小さ
くすることができる。しかし、前記のごときセルフアラ
イメント方式によっても、平坦なカラーフィルターを作
製することはたやすいことではなく、また、面抵抗の増
加に関してどの程度の膜厚の差が許容されるのかも見出
されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のごとき
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表面
の平坦性が良好な多色画像シートおよびその製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題は、以
下の多色画像シートおよびその製造方法を提供すること
により解決される。 (1)少なくとも、着色層からなり、互いに異なる色を
呈する2以上の画素群を有し、前記画素群を構成する各
画素は互いに遮光性層により離画されている多色画像シ
ートにおいて、該遮光性層と画素群との膜厚の差の絶対
値が0.5μm以下であることを特徴とする多色画像シ
ート。 (2)前記遮光性層の光学濃度が3.5以上であること
を特徴とする前記(1)に記載の多色画像シート。 (3)前記2以上の画素群が、赤、緑および青の画素群
であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載
の多色画像シート。 (4)前記2以上の画素群の紫外領域の光の透過率が、
1%以下であることを特徴とする前記(1)ないし
(3)のいずれか1に記載の多色画像シート。
【0008】(5)光透過性のシート状支持体の表面
に、1)着色層からなり、互いに異なる色を呈する2以
上の画素群を、前記画素群を構成する各画素が互いに間
隙により離画されるように形成する工程、2)前記画素
群の上および各画素間の間隙を、遮光性層となる感光性
黒色樹脂層によって被覆する工程、3)前記画素群と感
光性黒色樹脂層が設けられたシート状支持体の、画素群
と感光性黒色樹脂層が設けられていない側から光を照射
することにより、各画素間にある感光性黒色樹脂層の少
なくとも下側部分を硬化させる工程、4)光照射された
感光性黒色樹脂層に現像液を接触させて、各画素の上面
の感光性黒色樹脂層を、その画素上面から固形状態を維
持させながら離脱させる工程、5)黒色樹脂層を加熱す
ることにより、各画素間の黒色樹脂層の未硬化部分を硬
化させる工程、を少なくとも有する、前記(1)ないし
(4)のいずれか1に記載の多色画像シートの製造方
法。
【0009】(6)画素群の上および各画素間の間隙
を、感光性黒色樹脂層によって被覆する工程を、別に用
意した感光性黒色樹脂層を有する転写材料からの転写に
より行うことを特徴とする、前記(5)に記載の多色画
像シートの製造方法。 (7)2以上の画素群の膜厚よりも、感光性黒色樹脂層
の膜厚の方を大きくすることを特徴とする、前記(5)
または(6)に記載の多色画像シートの製造方法。 (8)前記感光性黒色樹脂層が、50〜100mgKO
H/gの範囲の酸価と1,000〜300,000の範
囲の重量平均分子量を有するアルカリ可溶性バインダー
ポリマー、エチレン性不飽和二重結合を有する光の照射
によって付加重合するモノマーおよび光重合開始剤を含
有することを特徴とする、前記(5)ないし(7)のい
ずれか1に記載の多色画像シートの製造方法。 (9)前記現像液のpHが9〜11であることを特徴と
する、前記(5)ないし(8)のいずれか1に記載の多
色画像シートの製造方法。 (10)前記現像液が、トリエタノールアミン、ジエタ
ノールアミンまたはモノエタノールアミンを含有するこ
とを特徴とする、前記(5)ないし(9)のいずれか1
に記載の多色画像シートの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の多色画像シートは、少な
くとも、着色層からなり、互いに異なる色を呈する2以
上の画素群を有し、前記画素群を構成する各画素は互い
に遮光性層により離画され、かつ、該遮光性層と画素群
との膜厚の差の絶対値が0.5μm以下であることを特
徴とする。遮光性層と画素群の膜厚の差をこのように小
さくすることにより、表面の平坦性が優れた多色画像シ
ートが作製される。したがって、この多色画像シートの
表面に透明電極を形成した場合、面抵抗が低下し、この
多色画像シートをアクティブマトリックス駆動型液晶表
示装置に用いると、表示品位が良好なLCD表示パネル
が得られる。本発明の多色画像シートをたとえばカラー
フィルターとして用いる場合、2以上の、互いに異なる
色を呈する着色層からなる画素群として、赤、緑および
青の着色層とすることができる。また、前記多色画像シ
ートにおいて、遮光性層の光学濃度を3.5以上にする
と、各画素のコントラストがより向上させることができ
る。
【0011】前記多色画像シートは、たとえば、以下の
ようにして作製することができる。すなわち、1)光透
過性のシート状支持体の表面に、着色層からなり、互い
に異なる色を呈する2以上の画素群を、前記画素群を構
成する各画素が互いに間隙により離画されるように形成
する工程、2)前記画素群の上および各画素間の間隙
を、感光性黒色樹脂層によって被覆する工程、3)前記
画素群と感光性黒色樹脂層が設けられたシート状支持体
の、画素群と感光性黒色樹脂層が設けられていない側か
ら光を照射することにより、各画素間にある感光性黒色
樹脂層の少なくとも下側部分を硬化させる工程、4)光
照射された感光性黒色樹脂層に現像液を接触させて、各
画素の上面の感光性黒色樹脂層を、その画素上面から固
形状態を維持させながら離脱させる工程、5)黒色樹脂
層を加熱することにより、各画素間の黒色樹脂層の未硬
化部分を硬化させる工程、を少なくとも行うことにより
作製することができる。
【0012】1)シート状支持体の上に、2以上の画素
群を形成する工程 この工程は、光透過性シート状支持体の上に、特定の色
を呈する感光性樹脂層を有する転写シートから該感光性
樹脂層を転写し、画像様に露光・現像して、その色の画
素を形成し、次に、前記の色とは異なる色を呈する感光
性樹脂層を有する転写シートを用いて、同様にその色の
画素を形成する。色の種類に応じて同様の工程を繰り返
す。転写シートを用いる代わりに、シート状支持体の上
に直接、着色感光性樹脂を含有する溶液を塗布・乾燥す
ることにより形成することもできる。その後、常法によ
り、画像様露光−現像を行うことにより、各画素群が形
成される。シート状支持体は、表面に酸化珪素皮膜を有
するソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガ
ラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板あるいはプラ
スチックフィルム等が用いられる。画素の配置は、モザ
イク型、トライアングル型、4画素配置型等どのような
配置であっても良い。本発明の画素を形成する着色層
は、感光性黒色樹脂層を露光する際の感光波長域(紫外
領域)における光透過率を1%以下にすることが、現像
の際、各画素の上から、感光性黒色樹脂層を固体状態で
離脱させ易くする点から望ましい。
【0013】2)画素群の上および各画素間の間隙を感
光性黒色樹脂層によって被覆する工程 画素群の上および各画素間の間隙を、感光性黒色樹脂層
によって被覆する工程は、別に用意した感光性黒色樹脂
層を有する黒色樹脂シートからの感光性黒色樹脂層の転
写により行うことが好ましいが、黒色着色剤と感光性樹
脂組成物を含む感光性黒色樹脂層用の塗布液を塗布・乾
燥することにより形成してもよいことは勿論である。
【0014】3)画素間の感光性黒色樹脂層を硬化させ
る工程 画素群と感光性黒色樹脂層が設けられたシート状支持体
の、画素群と感光性黒色樹脂層が設けられていない側
(以下において、「背面側」ということがある)から光
を照射することにより、各画素間にある感光性黒色樹脂
層の少なくとも下側部分を硬化させる工程における光照
射は、一般に紫外線(UV)により行なわれるが、感光
性黒色樹脂層の感光性に応じて光の種類は適宜選択する
ことができる。光照射された感光性黒色樹脂層の背面側
は、硬化するのでその樹脂層と下の支持体との接着力が
大幅に向上する。光源としては例えば、超高圧水銀灯、
キセノン灯、カーボンアーク灯、アルゴンレーザー等の
公知の光源を使用することができる。特開平6−591
19号公報に記載のように、400nm以上の波長の光
透過率が2%以下である光学フィルター等を併用しても
よい。感光性黒色樹脂層は後述の感光性樹脂組成物を含
有することが好ましい。 4)現像工程 光照射された感光性黒色樹脂層に現像液を接触させて、
各画素の上面の感光性黒色樹脂層を、その画素上面から
固形状態を維持させながら離脱させる工程は、黒色樹脂
層の露光部と非露光部の、接触面に対する接着力の差を
利用するものである。露光部は、前記3)で記載したよ
うに接触している支持体に対する接着力が増大するのに
対し、非露光部(画素群の上の黒色樹脂層)では接着力
が増大せず、加えて、現像液が接触すると、画素群の上
の黒色樹脂層は膨潤し、黒色樹脂層と画素表面との接着
力がさらに低下するため各画素表面から剥離し易くな
り、、非露光部では、黒色樹脂層を、固形状態を維持さ
せながら(好ましくはその膜の形状を維持しながら)離
脱させることができる。一方、露光部ではその上側部分
の硬化は充分でないが、光透過性シート状支持体上に強
力に接着しており、且つ黒色樹脂層の現像も後述のよう
に、溶解し難い条件で行なっているため、硬化が不充分
な感光性樹脂層の上側部分も除去されることはない。用
いる現像液は、後述のような現像液を用いることが好ま
しい。
【0015】5)黒色樹脂層の未硬化部分を硬化させる
工程 画像シートを加熱することにより、各画素間の黒色樹脂
層の未硬化部分を硬化させる工程は、黒色樹脂層の背面
側とは反対の上側部分の、光が届かず充分照射されない
部分を硬化させる工程であり、この工程を経ることによ
りその耐水性を向上させることができる。硬化は、熱硬
化が好ましく、一般に120〜250℃で、10〜30
0分間の熱処理が行われる。この硬化工程において、黒
色樹脂層の層厚に変化が生じ、一般に層厚の減少が起こ
る。層厚の減少は、硬化処理条件、黒色樹脂層の成分組
成、現像条件等に依存する。したがって、特定の条件下
で様々な実験を行い、層厚の減少をあらかじめ調べ、こ
れに基づいて、画素群を形成する着色層の厚さに対する
感光性黒色樹脂層(露光および硬化まえの樹脂層)を決
定する。すなわち、露光および硬化まえの感光性黒色樹
脂層の膜厚を、硬化工程で生ずる層厚減少を補償するよ
うな厚さを有する感光性黒色樹脂層とすることにより、
平坦性が良好な多色画像シートを得ることができる。た
とえば、特定の条件下、硬化後の黒色樹脂層の層厚が露
光・硬化前に比較して、ΔXμm減少すると仮定する
と、着色層の層厚をAμmに、また、露光および硬化前
の感光性黒色樹脂層の層厚をBμmに形成する場合、B
−ΔXとAの差の絶対値が0.5μmになるように、着
色層と感光性黒色樹脂層との層厚を調節する。
【0016】次に、本発明の多色画像シートの遮光性層
について説明する。遮光性層は、感光性黒色樹脂層から
形成されるが、該感光性黒色樹脂層は、黒色着色剤、ア
ルカリ可溶性バインダー、エチレン性不飽和二重結合を
有する光の照射によって付加重合するモノマー、光重合
開始剤等を含有し、その他必要に応じ他の成分を含有す
る。
【0017】上記着色剤としては、赤色、緑色、青色、
黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、黒色の公知の顔料
および染料を使用することができる。これらの好ましい
例としては、カーミン6B(C.I.12490)、フ
タロシアニングリーン(C.I.74260)、フタロ
シアニンブルー(C.I.74160)、三菱カーボン
ブラックMA−100、ペリレンブラック(BASF
K0084、K0086)、シアニンブラック、#12
01リオノールイエロー(C.I.21090)、リオ
ノールイエローGRO(C.I.21090)、シムラ
−ファーストイエロー8GF(C.I.21105)、
ベンジジンイエロー4T−564D(C.I.2109
5)、シムラ−ファーストレッド4015(C.I.1
2355)、リオノールレッド7B4401(C.I.
15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(C.
I.74160)、リオノールブルーSM(C.I.2
6150)、三菱カーボンブラックMA−100、三菱
カーボンブラック#40、ビクトリアピュアブルー
(C.I.42595)、オーラミンO(C.I.41
000)、カロチンブリリアントフラビン(C.I.ベ
ーシック13)、ローダミン6GCP(C.I.451
60)、ローダミンB(C.I.45170)、サフラ
ニンOK70:100(C.I.50240)、エリオ
グラウシンX(C.I.42080)、ファーストブラ
ックHB(C.I.26150)、C.I.ピグメント
・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、
C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメン
ト・レッド168、C.I.ピグメント・レッド17
7、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグ
メント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド2
15、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグ
メント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー1
5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.
I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント
・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.
I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメントイエ
ロー139、C.I.ピグメントイエロー83、C.
I.ピグメントバイオレット23等を挙げることができ
る。この他金属粉、白色顔料、蛍光顔料なども用いるこ
とができる。これらの着色材料を単独あるいは2種類以
上混合して、色相が黒色になるように用いても良い。
【0018】好ましい着色剤の組合わせとしては、赤色
系と青色系の互いに補色関係にある顔料混合物と黄色系
と紫色系の互いに補色関係にある顔料混合物との組合せ
や上記の混合物に更に黒色の顔料を加えた組み合わせや
青色系と紫色系と黒色系の顔料の組合せを挙げることが
できる。このような組み合わせで黒色着色剤とするのが
好ましい。黒色の顔料としてはカーボンブラックが好ま
しい。遮光性の感光性樹脂組成物の全固形分中の着色材
料の含有量は、1〜50質量%の範囲が好ましい。
【0019】アルカリ可溶性バインダーポリマーとして
は、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特
開昭59−44615号公報、特公昭54−34327
号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−
25957号公報、特開昭59−53836号公報、及
び特開昭59−71048号公報に記載されているよう
なメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコ
ン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合
体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げること
ができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルローズ
誘導体も挙げることができる。この他に水酸基を有する
ポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用
することができる。特に、米国特許第4139391号
明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メ
タ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレ
ートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重
合体を挙げることができる。
【0020】上記の文献に記載のアルカリ可溶性バイン
ダーの中でも、50〜100mgKOH/gの範囲の酸
価と1,000〜300,000の範囲の重量平均分子
量を有するものを選択して使用することが好ましい。こ
のように選択することにより、各画素上の黒色樹脂層が
固体状態で除去される一方、各画素間の間隙にある感光
性黒色樹脂層の上側部分の余分な溶出がほとんどなくな
り、各画素間の間隙領域において所望の光学濃度を有す
る遮光性層を得ることができる。上記酸価が50mgK
OH/g未満であるとアルカリ現像性が大きく低下し、
また100mgKOH/gを超えると高濃度の遮光性画
像が得られ難くなる。特に60〜100mgKOH/g
の範囲が好ましい。また、バインダーの重量平均分子量
は1,000〜300,000の範囲が好ましく、特
に、10,000〜250,000の範囲が好ましい。
分子量が1,000未満では高濃度の遮光性画像の形成
が困難であり、分子量が300,000を超えると現像
性が極端に低下する。また、本発明では、50〜100
mgKOH/gの範囲の酸価と1,000〜300,0
00の範囲の重量平均分子量を有するアルカリ可溶性バ
インダーポリマーと、101〜200mgKOH/gの
範囲の酸価(好ましくは101〜150mgKOH/g
の範囲の酸価)と1,000〜300,000の範囲の
重量平均分子量とを有するアルカリ可溶性バインダーポ
リマーを、質量割合で、1:4〜4:1の範囲(前者:
後者)で組み合わせて使用することが好ましい。
【0021】また、上記文献に記載のアルカリ可溶性バ
インダーのうて、酸価が100mgKOH/gより大き
いものを用いることができるが、この場合には、現像液
のアルカリ性の程度を調整(例えば、アルカリ性を低下
させる)することが、各画素上の黒色樹脂層を固体状態
で除去し、各画素間の間隙にある感光性黒色樹脂層を実
質的に溶解させない点からみて好ましい。本発明のアル
カリ可溶性バインダーポリマーは、遮光性層中の全バイ
ンダーポリマーに対し、一般に10質量%以上含まれて
いおり、20質量%以上が好ましく、特に30質量%以
上が好ましい。
【0022】以上の他に、種々の性能、例えば硬化膜の
強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範
囲で、他のアルカリ不溶性のポリマーを添加することが
できる。これらのポリマーとしてはアルコール可溶性ナ
イロンあるいはエポキシ樹脂が挙げることができる。
【0023】感光性黒色樹脂層の全固形分に対する全バ
インダーの含有量は、10〜95質量%で、さらに20
〜90質量%が好ましい。10質量%未満では感光性樹
脂層の粘着性が高すぎ、95質量%を超えると形成され
る画像の強度及び光感度の点で劣る。
【0024】また、前記光重合開始剤としては、米国特
許第2367660号明細書に開示されているビシナル
ポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号
明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米
国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素
で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第30
46127号明細書及び同第2951758号明細書に
記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号
明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−
アミノケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報
に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s
−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細
書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化
合物、米国特許第4212976号明細書に記載されて
いるトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げる
ことができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジ
ン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリール
イミダゾール二量体が好ましい。感光性樹脂組成物は、
全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜2
0質量%が一般的で、1〜15質量%が好ましい。0.
5質量%未満では光感度や画像の強度が低く、20質量
%を超えて添加しても性能向上への効果が認められな
い。
【0025】上記エチレン性不飽和二重結合を有する光
の照射によって付加重合するモノマーとしては、分子中
に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基
を有し沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げること
ができる。ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなど
の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルエタントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、
トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、
トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリ
セリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロ
パンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキ
シドにプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリ
レート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタ
クリレートを挙げることができる。さらに特公昭48−
41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特
開昭51−37193号公報に記載されているウレタン
アクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公
昭49−43191号公報及び特公昭52−30490
号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;
エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物である
エポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタ
クリレートを挙げることができる。これらの中で、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好まし
い。エチレン性不飽和二重結合を有する光の照射によっ
て付加重合するモノマーは単独でも、2種類以上を混合
して用いても良く、その遮光性の感光性樹脂組成物の全
固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的で、1
0〜40質量%が好ましい。5質量%未満では光感度や
画像の強度が低下し、50質量%を超えると感光性樹脂
層の粘着性が過剰になり好ましくない。
【0026】本発明の感光性黒色樹脂層は、上記成分の
他に、更に熱重合防止剤を含むことが好ましい。熱重合
防止剤の例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフ
ェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロ
ール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’
−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾー
ル、フェノチアジン等が挙げられる。
【0027】さらに本発明の感光性黒色樹脂層には必要
に応じて公知の添加剤、例えば可塑剤、界面活性剤、溶
剤等を添加することができる。
【0028】感光性黒色樹脂層を画素群および各画素の
間隙に形成するには、前記のごとき感光性黒色樹脂層に
含まれる成分を溶剤に溶解・分散させた液塗布・乾燥す
ることにより形成することができるが、感光性転写材料
を用いることがより好ましい。感光性転写材料は、仮支
持体上に、アルカリ可溶性熱可塑性樹脂、中間層及び感
光性黒色樹脂層が順に積層された感光性転写材料である
ことが好ましい。感光性黒色樹脂層は、該層に含ませる
べき成分を溶剤に溶解・分散させた液塗布・乾燥するこ
とにより形成することができる。感光性黒色樹脂層の厚
さは、0.5〜3μmの範囲が好ましい。0.5μm未
満では遮光性層中の顔料濃度を高くする必要があるた
め、かえって現像性が低下する。3μmを超えると現像
性の低下、画像形成の再現性の低下等の問題が発生す
る。この感光性黒色樹脂層の膜厚は上記の範囲において
任意に設定可能である。この他に、特開平4−2089
40号公報、特開平5−72724号公報、特開平5−
80503号公報及び特開平5−173320号公報に
記載の転写材料も使用することができる。
【0029】上記感光性転写材料の仮支持体としては、
アルカリ可溶性熱可塑性樹脂層と良好な剥離性を有し、
化学的および熱的に安定であって、また可撓性の物質で
構成されることが好ましい。具体的にはテフロン
(R)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄いシートもし
くはこれらの積層物が好ましい。良好な剥離性を得るた
めには、グロー放電等の表面処理はせず、またゼラチン
等の下塗も設けないのが一般的である。仮支持体の厚み
は5〜30μmが適当であり、特に20〜150μmが
好ましい。
【0030】アルカリ可溶性熱可塑性樹脂を構成する樹
脂は、実質的な軟化点が80℃以下であることが好まし
い。軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹
脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体の
ケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重
合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸
エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル
等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン化
物、から少なくとも1つ選ばれるのが好ましいが、さら
に「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連
盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査
会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が
約80℃以下の有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶
なものを使用することができる。また軟化点が80℃以
上の有機高分子物質においてもその有機高分子物質中に
該高分子物質と相溶性のある各種の可塑財を添加して実
質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
またこれらの有機高分子物質中に仮支持体との接着力を
調節するために実質的な軟化点が80℃を越えない範囲
で各種のポリマーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界
面活性剤、離型剤、等を加えることが可能である。好ま
しい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、
ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレ
ジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェー
トビフェニルジフェニルフォスフェートを挙げることが
できる。熱可塑性樹脂層の厚みは6μm以上が好まし
い。熱可塑性樹脂層の厚みが5μm以下であると1μm
以上の下地の凹凸を完全に吸収することが困難となる。
また上限については、現像性、製造適性から約100μ
m以下一般的であり、約50μm以下が好ましい。
【0031】中間層としては水またはアルカリ水溶液に
分散または溶解し、低い酸素透過性を示すものであれば
良く、公知のものが使用できる。例えば、特開昭46−
2121号公報や特公昭56−40824号公報に記載
のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボ
キシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロース
エーテル類、カルボキシアルキル澱粉の塩、水塩、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリ
アクリルアミド類、各種の水溶性ポリアミド、ポリアク
リル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合
体、各種の澱粉およびその類似物からなる群の水溶性
塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、およびマレイネ
ート樹脂さらにこれらの2種以上の組合わせを挙げるこ
とができる。特に、ポリビニルアルコールとポリビニル
ピロリドンの組み合わせが好ましい。ポリビニルアルコ
ールは鹸化率が80%以上であるものが好ましく、ポリ
ビニルピロリドンの含有率は中間層固形物の1〜75質
量%が一般的であり、1〜60質量%が好ましく、特
に、10〜50質量%である。1質量%未満では、感光
性樹脂層との充分な接着性が得られず、75質量%を越
えると、酸素遮断能が低下する。中間層の厚みは非常に
薄く、約0.1〜5μm、特に0.5〜2μmが好まし
い。約0.1μm未満では酸素の透過性が高すぎ、約5
μmを越えると、現像時または中間層除去時に時間がか
かりすぎる。この中間層上に上記感光性黒色樹脂層が形
成されることが好ましい。
【0032】本発明の多色画像シートの製造に用いる現
像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液を使用する
が、さらに、水と混和性の有機溶剤を少量添加したもの
を用いても良い。適当なアルカリ性物質としては、アル
カリ金属水酸化物類(例、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属
ケイ酸塩類(例、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例、メタケイ酸ナ
トリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モル
ホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類
(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)また
は燐酸三ナトリウムを挙げることができる。アルカリ性
物質の濃度は、0.01重量%〜30重量%であり、p
Hは8〜14が好ましい。本発明の遮光性の感光性樹脂
層以外の通常の感光性樹脂を用いた場合は、例えば、p
Hの比較的低い現像液を用いることにより、本発明の膜
状脱離による現像を行なうことができる。前記アルカリ
性物質としてトリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ンまたはモノエタノールアミンが好ましく用いられる。
また、現像液のpHは、9〜11が好ましく、9.5〜
10.5がより好ましい。
【0033】上記水と混和性のある適当な有機溶剤とし
ては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1
−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラ
クトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、
乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メ
チルピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有
機溶剤の濃度は、0.1〜30重量%が一般的である。
【0034】現像液には、さらに公知の界面活性剤を添
加することができる。界面活性剤の濃度は0.01〜1
0重量%が好ましい。
【0035】現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液
としても用いることができる。遮光性の感光性樹脂組成
物層の未硬化部分を固形状(好ましくは膜状)で除去す
るには、現像液中で回転ブラシで擦るか湿潤スポンジで
擦るなどの方法、あるいは現像液を噴霧した際の噴霧圧
を利用する方法が好ましい。現像液の温度は、通常室温
付近から40℃の範囲が好ましい。現像処理の後に水洗
工程を入れることも可能である。
【0036】硬化、たとえば加熱硬化における加熱処理
は、電気炉、乾燥器等の中で加熱するか、または光硬化
黒色樹脂層に赤外線ランプを照射して加熱する。加熱の
温度及び時間は、黒色樹脂層に使用した成分や層の厚み
に依存するが、一般に、充分な耐溶剤性、耐アルカリ性
を獲得するのに、約120℃から約250℃の範囲で約
10分から約300分間加熱することが好ましい。
【0037】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。 実施例1 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
の仮支持体上に、下記の組成H1からなる塗布液を塗
布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を
設けた。
【0038】 <熱可塑性樹脂層形成用塗布液の組成H1> メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、 重量平均分子量=80000) 15.0質量部 BPE−500(新中村化学(株)製の多官能アクリレート) 7.0質量部 F177P(大日本インキ(株)製のフッ素系界面活性剤) 0.3質量部 メタノール 30.0質量部 メチルエチルケトン 19.0質量部 1−メトキシ−2−プロパノール 10.0質量部
【0039】次に、上記熱可塑性樹脂層上に下記組成B
1から成る塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6
μm厚の中間層を設けた。 <中間層形成用塗布液の組成B1> ポリビニルアルコール (クラレ(株)製のPVA205、鹸化度:80%) 130質量部 ポリビニルピロリドン (GAFコーポレーション社製のPVP、K−30) 60質量部 蒸留水 2110質量部 メタノール 1750質量部
【0040】上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する仮
支持体の上に、下記の遮光性の感光性黒色樹脂層形成用
塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が3.0μmの遮光
性の感光性樹脂層を形成し、さらにこの遮光性の感光性
黒色樹脂層の上に、ポリプロピレン(厚さ12μm)の
被覆シートを圧着して、実施例1の遮光性の感光性転写
材料を作製した。
【0041】 <遮光性の感光性黒色樹脂層形成用塗布液の組成1> ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (モル比=70/30、 酸価=104mgKOH /g 、 重量平均分子量=3万) 21.0 質量部 2−エチルヘキシルアクリレート/メタクリル酸/ メチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート共重合体 (モル比7/15/73/5、 酸価=77mgKOH /g 、 重量平均分子量=8万) 14.7 質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 26.8 質量部 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6− [4−(N,N−ジエトキシカルボメチル)−3− ブロモフェニル]−s−トリアジン 1.32 質量部 カーボンブラック 30.0 質量部 ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.02 質量部 F177P(大日本インキ(株)製の界面活性剤) 0.09 質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400 質量部 メチルエチルケトン 600 質量部
【0042】得られた感光性黒色樹脂層の透過光学濃度
は、マクベス濃度計で測定したところ4以上であった。
また、C光源でのCIE表色系のY値は、0.01であ
り、その場合の光学濃度は4.0であった。さらに、感
光性黒色樹脂層の露光硬化前と硬化(220℃30分
間)後の膜厚の差は0.3μmであることを確認した。
【0043】ガラス基板(厚さ1.1mm)の上に、下
記表1の各感光層形成用塗布液組成の各塗布液を用い
て、常法により、それぞれ膜厚2.5μmのR、G、B
画素群を形成した。R、G、B画素群の紫外領域の光に
対する透過性は、いずれも、0.2%以下であった。
【0044】
【表1】
【0045】前記R、G、Bの画素群の上に、上記の方
法により作製した感光性黒色樹脂層形成用の、感光性転
写材料の被覆シートを剥離してその面を重ね、ラミネー
ター(大成ラミネータ(株)製のVP−II)を用いて
加圧(0.8kg/cm2 )、加熱(130℃)して貼
り合わせ、続いて仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で
剥離し、仮支持体を除去した。
【0046】次に、ガラス基板の背面側から超高圧水銀
灯を用いて前面に露光を行った。この際、光源とサンプ
ルの間に、東芝ガラスフィルター((株)東芝製のUV
D36c)を設置して、400nm以上の波長の光をカ
ットした。露光量は100mj/cm2であった。その後、所
定の現像液(トリエタノールアミンを主アルカリ成分と
する、pH10.0の現像液)で感光性黒色樹脂層を現
像した。R、G、B画素の間隙に遮光性層が形成され
た。現像時、R、G、B各画素上の未露光部では、感光
性黒色樹脂層は膜状で除去されたことが確認された。次
いで、R、G、B画素群および遮光性層が形成されたガ
ラス基板を220℃で130分間加熱し、遮光性層の上
側の露光が不充分な領域を硬化させて、多色画像シート
(カラーフィルター)を得た。
【0047】得られたカラーフィルターは、R、G、B
画素と遮光性層との重なりは無く、その遮光性層のY値
は、0.01であった。また、遮光性層とRGB画素の
厚さの差は±0.2μm(遮光性層と画素との境界部は
画素表面より0.2μm低く、遮光性層の中央部は画素
表面より0.2μm高いことを意味している)と、平坦
性も良好であった。さらに、各画素および遮光性層の上
に、ITO膜をスパッタリング法により2000Åの厚
さで設けたところ、クラックもなく、シート抵抗は20
Ωと良好であった。
【0048】比較例1 実施例1において、画素上および画素間に感光性黒色樹
脂層を1.6μmに形成する他は、実施例1と同様にし
て多色画像シート(カラーフィルター)の作製を行っ
た。得られた感光性黒色樹脂層の透過光学濃度はマクベ
ス濃度計によると3.5であり、C光源でのCIE表色
系のY値は0.01であった。しかし、最終的に得られ
たカラーフィルターにおいて遮光性層とRGB層との重
なりは無いものの、RGB層と遮光性層との層厚の差は
1.4μmであり、大きな段差が発生した。そのため、
実施例1と同様にしてITO膜を形成したところ、クラ
ックが発生し、シート抵抗は40Ωとなった。
【0049】
【発明の効果】本発明の多色画像シートは、画素群を構
成する着色層と、遮光性層との膜厚の差の絶対値が0.
5μm以下であるため、多色画像シートの表面の平坦性
は極めて良好であり、その上に、ITOなどの透明電極
を形成した場合、クラック発生がなく、面抵抗が小さ
い。したがって、この多色画像シートをアクティブマト
リックス駆動型の液晶表示装置に用いると表示品位が良
好なLCD表示パネルが得られる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、着色層からなり、互いに異
    なる色を呈する2以上の画素群を有し、前記画素群を構
    成する各画素は互いに遮光性層により離画されている多
    色画像シートにおいて、該遮光性層と画素群との膜厚の
    差の絶対値が0.5μm以下であることを特徴とする多
    色画像シート。
  2. 【請求項2】 前記遮光性層の光学濃度が3.5以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載の多色画像シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記2以上の画素群が、赤、緑および青
    の画素群であることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の多色画像シート。
  4. 【請求項4】 前記2以上の画素群の紫外領域の光の透
    過率が、1%以下であることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれか1項に記載の多色画像シート。
  5. 【請求項5】光透過性のシート状支持体の表面に、1)
    着色層からなり、互いに異なる色を呈する2以上の画素
    群を、前記画素群を構成する各画素が互いに間隙により
    離画されるように形成する工程、2)前記画素群の上お
    よび各画素間の間隙を、遮光性層となる感光性黒色樹脂
    層によって被覆する工程、3)前記画素群と感光性黒色
    樹脂層が設けられたシート状支持体の、画素群と感光性
    黒色樹脂層が設けられていない側から光を照射すること
    により、各画素間にある感光性黒色樹脂層の少なくとも
    下側部分を硬化させる工程、4)光照射された感光性黒
    色樹脂層に現像液を接触させて、各画素の上面の感光性
    黒色樹脂層を、その画素上面から固形状態を維持させな
    がら離脱させる工程、5)黒色樹脂層を加熱することに
    より、各画素間の黒色樹脂層の未硬化部分を硬化させる
    工程、を少なくとも有する、請求項1ないし請求項4の
    いずれか1項に記載の多色画像シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 画素群の上および各画素間の間隙を、感
    光性黒色樹脂層によって被覆する工程を、別に用意した
    感光性黒色樹脂層を有する転写材料からの転写により行
    うことを特徴とする、請求項5に記載の多色画像シート
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 2以上の画素群の膜厚よりも、感光性黒
    色樹脂層の膜厚の方を大きくすることを特徴とする、請
    求項5または請求項6に記載の多色画像シートの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記感光性黒色樹脂層が、50〜100
    mgKOH/gの範囲の酸価と1,000〜300,0
    00の範囲の重量平均分子量を有するアルカリ可溶性バ
    インダーポリマー、エチレン性不飽和二重結合を有する
    光の照射によって付加重合するモノマーおよび光重合開
    始剤を含有することを特徴とする、請求項5ないし請求
    項7のいずれか1項に記載の多色画像シートの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記現像液のpHが9〜11であること
    を特徴とする、請求項5ないし請求項8のいずれか1項
    に記載の多色画像シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記現像液が、トリエタノールアミ
    ン、ジエタノールアミンまたはモノエタノールアミンを
    含有することを特徴とする、請求項5ないし請求項9の
    いずれか1項に記載の多色画像シートの製造方法。
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