JP2003096619A - アクリル系合成繊維及びその繊維複合体 - Google Patents

アクリル系合成繊維及びその繊維複合体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃性能、消臭性能、制菌性能を兼備し、且つ
洗濯耐久性に優れた複合高機能アクリル系合成繊維及び
その繊維複合体を提供する。 【解決手段】アンチモン化合物を硼酸亜鉛量対比で2.
0重量%以上コーティングした硼酸亜鉛と、アンチモン
化合物とを、アクリロニトリル系重合体に対して、0.
5〜50重量%含有することを特徴とする難燃性能、消
臭性能、制菌性能に優れたアクリル系合成繊維、およ
び、得られた複合高機能のアクリル系合成繊維90〜1
0重量部に対して、天然繊維および化学繊維よりなる群
から選ばれた少なくとも1種の繊維10〜90重量部を
含有することを特徴とする難燃性能、消臭性能、制菌性
能に優れた繊維複合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性能、消臭性
能、制菌性能を兼備し、洗濯耐久性に優れた複合高機能
アクリル系合成繊維及びその繊維複合体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】アクリル系合成繊維は衣料、寝装、イン
テリア用途に幅広く用いられている。このような用途に
おいて、難燃性能、消臭性能、制菌性能は安全で快適、
且つ健康的なライフスタイルに必要不可欠である。これ
までに、難燃繊維、消臭繊維、制菌繊維を混綿・混紡・
交織・交編することなどで複合機能を謳う製品や、単独
機能素材に後加工方式で複合機能を謳う製品が上市され
ているが、特殊な設備及び生産技術が必要で、且つコス
ト的に高く経済的ではなく、後加工方式では洗濯耐久性
に劣るという問題があった。
【0003】従来、抗菌性能と消臭性能を兼ね備えたア
クリル系合成繊維及びそれを含む繊維製品としては、ケ
イ酸金属塩又はアルミノケイ酸金属塩を含有せしめるこ
とが知られている(特開平9−87924号、特開平9
−157978号公報等)。しかしながら、単にこれら
の公報に記載の繊維製品のみでは、天然繊維や化学繊維
との繊維複合体において、優れた難燃性能、消臭性能、
制菌性能の三大機能を兼備させることが出来なかった。
即ち、特に天然繊維及び化学繊維の欠点である燃えやす
さ、臭い、カビ・雑菌繁殖に着目し、それら三大欠点を
単一繊維素材と混合使用することのみで一挙に解決する
ことを意図した多機能の繊維複合体は開示されていな
い。
【0004】一方、従来の難燃性能は繊維素材に自己消
火性を機能付与させることで、初期段階での火災を未然
に防ぐこと、即ち、予防処置的な効果を発現する性能に
つき検討されてきた。しかし、火災の根絶は困難であ
り、火災発生後でも火災延焼性が低い、より安全な繊維
素材が求められている。特に火災時の最大死亡原因が一
酸化炭素中毒(不完全燃焼)であることから、繊維素材
が燃料となって火災を助長する火災延焼性を抑えること
と同時に、熱分解・燃焼挙動によって発生する一酸化炭
素や煤などの発生量を抑制することが強く望まれてい
る。
【0005】ところで、宇宙航空機、建材用途など使用
材料の火災延焼性評価をする手段として、国際規格の小
型材料試験ISO5560(測定機器名称はコーンカロ
リメータ、以下CCMと略す)がある。CCM装置は実
火災シミュレーションでは優れた試験装置であるが極め
て高価であり、過去においてはCCMによる繊維素材の
火災延焼性や一酸化炭素・煤発生量などの解析がなされ
ていない。それ故、これまでに実火災時の最高発熱速
度、全発熱量、一酸化炭素発生量、煤発生量に着目し、
火災発生後でもより安全な繊維素材の発想である火災延
焼性低下や一酸化炭素・煤発生量低下を意図とした繊維
素材及び繊維複合体は開発されていないのが現状であ
る。
【0006】そして、難燃繊維素材の中で発生ガスの面
で最も安全だとされていた難燃ポリエステルは、溶融粘
度を低下させ、熱分解を遅らせることで着火時間(フラ
ッシュオーバー)を遅延させる効果がある。しかし、実
火災では、溶融タイプの難燃性合成繊維は炎の輻射熱で
熱溶融して表面積(熱伝導)が低下し、長時間にわた
り”不完全燃焼”となるため、一酸化炭素及び煤発生量
が異常に多く、最大死亡原因の一酸化炭素中毒を助長し
ていることが判明した。さらには、溶融により重度の皮
膚火傷を起こし、溶融したポリマーの皮膚剥離は困難を
極め、救命処置を妨げる大きな原因になっていた。
【0007】また、難燃アクリル繊維においてはアンチ
モン化合物を添加することは知られているが、アンチモ
ン化合物単独添加では、非溶融繊維(木綿、レーヨンほ
か)との繊維複合体で、アフターグロー(残塵)が発生
しやすく、いわゆる無煙火災は解決されていなかった。
また、得られた繊維の最高発熱速度・全発熱量・一酸化
炭素発生量、煤発生量の抑制効果は不充分であり、且つ
消費者欲求の消臭性能や制菌性能をも兼備することがで
きなかった。
【0008】さらに、難燃性に優れたアクリル系合成繊
維として、アクリロニトリル系重合体に硼酸亜鉛を添加
することが知られている(特開昭53−28728号公
報)。しかし、硼酸亜鉛単独添加の場合、得られた繊維
単独での難燃性は高いものの、天然繊維及び化学繊維と
の繊維複合体では急激に難燃性が低下する欠点があっ
た。これは、アンチモン化合物の気相中心での難燃効果
であるのに対して、硼酸亜鉛は固相中心での難燃効果が
強く、急激に熱分解・燃焼する他繊維の難燃までカバー
できないためと考えられる。また、硼酸亜鉛とアンチモ
ン化合物との単純な混合添加では、微粉体同士の二次凝
集・沈降しやすい性質から、濾過フィルター目詰まりと
紡糸口金圧上昇から実生産が困難であった。また、試験
的に得られた繊維の品質面でも繊度斑、強伸度不足、発
生静電気、紡績不可など極めて劣悪な品質であり、実用
に耐えがたい欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】火災犠牲者は全世界で
年間2万人規模であり、先進国では交通事故に次ぐ最大
規模災害である。わが国でも火災死者数は年間2千人規
模でここ数年増加傾向にある。その内、50歳以上が7
0%以上を占め、急激な高齢化社会に突入する社会的背
景から、より高レベルに防火・安全対策がなされた繊維
素材が求められている。また、高齢化社会を支えるケア
システムの充実により、介護する側・される側のウォン
ツから消臭に対する強いニーズや、抗菌・防臭性能より
もさらに清潔な環境であるメディカルケア・レベルの制
菌性能が求められている。残念ながらこれまでに上述し
たような火災は起こり得るものとした火災発生後の次世
代防火・安全対策(低最高発熱速度、低全発熱量、低一
酸化炭素発生量、低煤量、無煙火災防止など)の実現
や、急激な高齢化社会に対応した、より安全・衛生的、
且つ健康的で快適なライフ・スタイルを提案できる繊維
製品、すなわち複合高機能の単一繊維素材を天然繊維や
化学繊維と混用する簡単な手段のみで、難燃性能、消臭
性能、制菌性能の3大機能をも兼備させることができる
合成繊維及びその繊維複合体は未だ見出されていない。
【0010】本願発明者は上記従来技術の改良に種々取
り組み、アンチモン化合物を特定量コーティングした硼
酸亜鉛と、アンチモン化合物とを、アクリロニトリル系
重合体に併用添加することで、優れた安定生産性と品質
を保持し、目的とする低火災延焼性、一酸化炭素・煤発
生量低減、無煙火災防止などの次世代防火安全対策を実
現し、且つ本発明アクリル系合成繊維を天然繊維や化学
繊維と混合使用する簡単な手段のみで、その繊維複合体
に難燃性能、消臭性能、制菌性能をも兼備する複合高機
能のアクリル系合成繊維を見出し、本願発明にいたっ
た。
【0011】本発明の目的は、急激な高齢化社会のウォ
ンツ、ニーズに対応し、安全・衛生的、且つ健康的で快
適なライフ・スタイルを提案するため、消費者欲求の高
い難燃性能、消臭性能、制菌性能に着目し、それら3大
機能を兼備し、且つ洗濯耐久性に優れた複合高機能アク
リル系合成繊維及びその繊維複合体を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、アンチモン化合物を硼酸亜鉛量対比で2.0重量
%以上コーティングした硼酸亜鉛と、アンチモン化合物
とを、アクリロニトリル30〜70重量%、ハロゲン含
有ビニル系単量体70〜30重量%およびこれらと共重
合可能なビニル系単量体10重量%以下よりなるアクリ
ロニトリル系重合体に対して、0.5〜50重量%含有
することを特徴とする難燃性能、消臭性能、制菌性能に
優れたアクリル系合成繊維である。
【0013】また、本発明のアクリル系合成繊維90〜
10重量部に対して、天然繊維および化学繊維よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の繊維10〜90重量部
を含有することを特徴とする難燃性能、消臭性能、制菌
性能に優れた繊維複合体である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用するアクリロニトリル系重合体は、アクリ
ロニトリル30〜70重量%、ハロゲン含有ビニル系単
量体70〜30重量%およびこれらと共重合可能なビニ
ル系単量体10重量%以下よりなるアクリロニトリル系
共重合体である。アクリロニトリル系共重合体の具体例
としては、アクリロニトリル―塩化ビニル、アクリロニ
トリル―塩化ビニリデン、アクリロニトリル―塩化ビニ
ル―塩化ビニリデン、アクリロニトリル―臭化ビニル、
アクリロニトリル―臭化ビニリデン、アクリロニトリル
―臭化ビニル―臭化ビニリデン、アクリロニトリル―塩
化ビニル―臭化ビニル、アクリロニトリル―塩化ビニリ
デン―臭化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル系単量
体の単独使用または2種以上とアクリロニトリルとの共
重合体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭
化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル系単量体の単独
使用または2種以上とアクリロニトリルおよびこれらと
共重合可能なビニル系単量体との共重合体などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。また、前記
共重合体をポリマーアロイ、ポリマーブレンドなど種々
の方法にて適宜に混合して用いてもよい。
【0015】前記共重合可能なビニル系単量体として
は、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等
のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキルエステ
ル;スチレン、酢酸ビニル、ビニルエチルエーテル、メ
タクリロニトリル等の中性単量体;アクリル酸、メタク
リル酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルフォン酸等の酸性単量体及びこれら単量体のア
ンモニウム塩、アルカリ金属塩などがあげられ、アクリ
ロニトリル―ハロゲン含有ビニル系単量体と共重合可能
なビニル系単量体なら特に限定されるものではない。ま
た、ビニル系単量体は単独使用または2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0016】前記アクリロニトリル30〜70重量%、
ハロゲン含有ビニル系単量体70〜30重量%およびこ
れらと共重合可能なビニル系単量体10重量%以下より
なるアクリロニトリル系重合体から得られた繊維は、天
然繊維や化学繊維との混合使用に要求される難燃性、単
繊維物性、繊維風合い、原繊生産性、紡績性、染色加工
性を持つものである。
【0017】本発明に用いるアクリロニトリル系重合体
から得られたアクリル系合成繊維の難燃メカニズムは、
ハロゲン―アンチモンの相乗効果のハロゲンソースであ
り、250℃付近の反応である脱ハロゲン化水素による
酸化反応場(気相)へのハロゲン供給とベースポリマー
(固相)での表面炭化層(以下、チャーと略す)形成を
意図している。従って、アクリロニトリルが70重量%
を超えると、必然的にハロゲン含有ビニル系単量体が3
0重量%未満となり、ベースポリマーの難燃性が不十分
となり、好ましくない。また、ハロゲン含有ビニル系単
量体が70重量%を超えると原繊生産性、単繊維物性、
繊維風合い、紡績性、染色加工性が激しく低下し、好ま
しくない。また、共重合可能なビニル系単量体の少なく
とも1つはスルホン酸基含有ビニル系単量体であること
が染色加工の面から好ましい。
【0018】本発明に使用されるアクリロニトリル系重
合体の重合方法は懸濁重合、溶液重合、乳化重合など公
知の如何なる方法で製造されても良い。
【0019】本発明で単独で用いられるアンチモン化合
物と、硼酸亜鉛にコーティングするアンチモン化合物は
ハロゲン―アンチモン相乗効果を狙ったアンチモンソー
スであり、具体的には、三酸化アンチモン、四酸化アン
チモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸、オキシ塩化
アンチモンなど無機アンチモン化合物があげられるが、
これらに限定されるものではない。これらベース難燃剤
は単独使用または2種以上を組合せて用いても良い。こ
れらのなかでも、三酸化アンチモンは本発明アクリロニ
トリル系重合体の熱分解(脱ハロゲン化水素・チャー形
成)開始温度付近の245℃から、硼酸亜鉛発熱開始温
度付近の658℃までの広範囲において、オキシハロゲ
ン化アンチモン生成による酸素遮断、オキシハロゲン化
アンチモンから三ハロゲン化アンチモンが生成されるこ
とによる継続的なハロゲン供給及びベースポリマーの脱
ハロゲン化水素作用・チャー形成促進効果が見られ、後
で述べる硼酸亜鉛との相乗効果において最も好ましい難
燃剤である。アンチモン化合物の平均粒経は硼酸亜鉛へ
のコーティングや高混率添加による原繊生産性、得られ
た繊維の単繊維物性、発生静電気、紡績性、染色加工性
などの面から3μm以下が好ましい。より好ましくは
1.5μm以下である。アンチモン化合物の粒度分布は
特に限定しないが、より狭い範囲に分布している微粉末
の方が品質安定性や生産安定性の面で好ましいのは言う
までもない。また、アンチモン化合物の形状は限定され
ないが、原繊生産性や単繊維物性など品質面から斜方
形、長方形ではなく球状が好ましい。アンチモン化合物
の表面処理状態は特に限定されないが、本発明のポイン
トである硼酸亜鉛へのコーティング効果(優れた溶媒分
散安定性・原繊品質・加工安定性)からアンチモン化合
物の水系でのζ電位は−15mV以下が好ましく、より
好ましくは−20mV以下である。
【0020】本発明に用いる硼酸亜鉛の平均粒経は原繊
生産性、得られた繊維の単繊維物性、発生静電気、紡績
性、染色加工性などの面から6μm以下が好ましく、よ
り好ましくは3μm以下である。硼酸亜鉛の粒度分布は
特に限定されないが、より狭い範囲に分布している微粉
末の方が品質安定性や生産安定性の面で好ましいのは言
うまでもない。また、硼酸亜鉛の形状も特に限定しない
が、原繊生産性や単繊維物性など品質面から斜方形、長
方形、立方体形状ではなく、より丸みを帯びた粉体形状
が好ましく、球状が最も好ましい。
【0021】硼酸亜鉛にアンチモン化合物をコーティン
グする方法は微粒子の複合化と表面改質で公知の製造法
(気相法、液相法、固相法)を用いることができ、特に
限定されない。具体的には、ジェットミルなどの粉砕混
合設備で、正帯電したアンチモン化合物を硼酸亜鉛にコ
ーティングすることができ、且つ硼酸亜鉛の凝集物を微
粉化し、さらにはアンチモン化合物との粉砕混合により
丸みのある形状の硼酸亜鉛を得ることができ、コーティ
ング効果を最大限活かせる。そして、アンチモン化合物
コーティング効果により、硼酸亜鉛の溶媒分散安定性
(沈降安定性、フィルター濾過性、濾過残さ量、分散液
流動性)が大幅に改善され、優れた原繊生産性、得られ
た繊維の単繊維物性、発生静電気、紡績性、染色加工性
を得ることが可能になる。また、亜鉛化合物の課題であ
る強酸、強アルカリでの金属溶出をも硼酸亜鉛にアンチ
モン化合物をコーティングすることで激減でき、難燃性
能、消臭性能、制菌性能の品質レベルを安定化すること
ができる。アンチモン化合物のコーティング量が2.0
重量%未満の場合、溶媒分散安定性低下から原繊生産性
が困難となり、また、得られた繊維の強酸・強アルカリ
での金属溶出も大幅に増大し、品質安定性が維持でき
ず、好ましくない。
【0022】アンチモン化合物をコーティングした硼酸
亜鉛と、アンチモン化合物との合計含有量は、アクリロ
ニトリル系重合体に対して、0.5〜50重量%、好ま
しくは1〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量
%である。アンチモン化合物をコーティングした硼酸亜
鉛と、アンチモン化合物との合計含有量が0.5重量%
未満では十分な難燃性能、消臭性能、制菌性能を付与出
来ず、また50重量%を超えると原繊生産性、単繊維物
性及び紡績性が極度に低下する。アンチモン化合物をコ
ーティングした硼酸亜鉛と、アンチモン化合物との含有
比率は特に限定されないが、アンチモン化合物をコーテ
ィングした硼酸亜鉛/アンチモン化合物=75/25〜
25/75が好ましい。アンチモン化合物をコーティン
グした硼酸亜鉛の含有比率が25重量%未満ではアフタ
ーグロー・無煙火災抑制効果に劣り、75重量%を超え
るとアンチモン化合物含有比率が低くなりすぎ、他繊維
混用での難燃性能が急激に低下するからである。
【0023】硼酸亜鉛の難燃メカニズムは公知である
が、前記ハロゲン−アンチモン・システムの作用開始温
度と極めて近い250℃(ハロゲン化亜鉛生成)から8
75℃までの金属酸化物形成に至る極めて広範囲の温度
で難燃効果を継続する。本発明の場合、アクリロニトリ
ル系重合体中から熱分解したハロゲン化水素と硼酸亜鉛
中の亜鉛とが250℃付近で反応し、ハロゲン化亜鉛を
生成されることから始まる。生成されたハロゲン化亜鉛
はアクリロニトリル系重合体中のニトリルと錯体形成
し、燃焼時にトリアジン環を経てチャー形成を促進させ
るだけでなく、融解してチャー表面にガラス皮膜を形成
し、熱分解遅延と低分子量可燃物の拡散を防止する固相
での難燃効果がある。また、硼酸亜鉛中の結晶水は、3
00〜450℃の間に徐々に水蒸気化することで気化熱
による冷却効果(吸熱反応)と酸化反応(燃焼)場の熱
分解生成物の可燃性ガス濃度を低下させることでフラッ
シュオーバーを遅らせて、チャー形成を強力に促進し、
ひいては一酸化炭素発生量や煤発生量を低下させる効果
がある。また硼酸亜鉛中のB23が低融点ガラス同様に
表層に形成された炭化層をB23の溶融ガラス不燃層で
覆い、亀裂や崩壊しやすい炭化層を補強することで、脆
い炭化層内部からの可燃性ガス発生や煤発生・一酸化炭
素発生を継続的に抑制させる効果がある。
【0024】また、消臭性能、制菌性能のメカニズムは
硼酸亜鉛の分子構造中に錯体形成する亜鉛イオンによる
ものと考えられる。本発明の硼酸亜鉛は生活臭の中で最
も消臭ニーズ高いアンモニア、硫化水素、酢酸、イソ吉
草酸などの悪臭に優れた消臭効果をもつものである。ま
た、亜鉛イオンの優れた菌増殖抑制メカニズムは公知で
あるため割愛するが、一般的に菌増殖抑制メカニズム
は、細菌の細胞膜に含まれる蛋白質のシスチン結合(−
S−S−)を切断し、細菌細胞膜を破壊することによる
菌増殖抑制である。木綿、麻に代表される植物繊維や羊
毛に代表される動物繊維は繊維自体にシスチン結合をも
っており、従来から他繊維混用で制菌性能を得ることは
極めて困難であった。しかし、これら制菌性能を機能付
与することが困難な植物繊維や動物繊維でも、本発明の
アクリル系合成繊維は混用することで優れた制菌性能だ
けでなく、さらに消臭性能や難燃性能をも兼備させるこ
とができる。
【0025】本発明において、他繊維混用での難燃性
能、消臭性能、制菌性能の三大機能と優れた火災延焼
性、一酸化炭素・煤発生量低減が可能なら、他の難燃剤
を組み合わせて用いても良い。その場合、本発明に用い
るアンチモン化合物をコーティングした硼酸亜鉛とアン
チモン化合物及び他の難燃剤1種または2種以上の合計
含有量はアクリロニトリル系重合体に対して、0.5〜
50重量%であることが好ましい。硼酸亜鉛とアンチモ
ン化合物に更に組合せて1種または2種以上用いること
ができる他の難燃剤としては、ハロゲン化パラフィン、
ハロゲン化ポリエチレンなどのハロゲン系難燃剤;ハロ
ゲン化リン、赤燐、ポリ燐酸アンモン、燐酸エステル、
燐酸アミドなどのリン系難燃剤;メラミン及びその誘導
体などの窒素系難燃剤;有機スルホン酸金属塩、芳香族
スルフィンイミド金属塩などの金属塩系難燃剤;水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
などの水和金属系難燃剤;シープリーなどの低融点ガラ
ス系難燃剤;ポリジオルガノシロキサンなどのシリコー
ン系難燃剤など公知のものなら如何なるものでも良く限
定されないが、特に金属水酸化物や含水化合物に代表さ
れる水和金属系難燃剤は、吸熱反応による低発煙性の面
で次世代防火安全対策を強化でき、最も好ましい。ま
た、水和金属系難燃剤以外の無機系難燃剤として、シリ
カ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マン
ガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜
鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸
化クロム、酸化スズ、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タン
グステンなどの金属酸化物;アルミニウム、鉄、チタ
ン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマ
ス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズなどの
金属粉;メタ硼酸亜鉛、メタ硼酸バリウム、炭酸亜鉛、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなど
の難燃剤は燃焼時にポリマーの脱水剤として作用し、炭
化皮膜形成に寄与し、好ましい。
【0026】また、本発明の特性を損なわない範囲で通
常使用される隠蔽剤、耐光剤、蓄熱剤等の機能性改質剤
を併用添加することは何ら差し支えない。
【0027】本発明の繊維複合体とは難燃性能、消臭性
能、制菌性能の三大機能を兼備する本発明のアクリル系
合成繊維と他の繊維とを各々単繊維の状態で混綿したり
混紡したもの、それらの糸またはそれぞれの糸を交撚し
たもの、または、上記糸の一部または全部の糸を長繊維
にして交撚したもの、または、それぞれの糸を製造した
のち交織または交編したもの、または、アクリル系合成
繊維と他の繊維との単独ウエブ、或いは混綿ウエブを不
織布にしたもの、さらにはこれらの組合せによって得ら
れるものを含むものである。
【0028】本発明の繊維複合体の構成比率は、当該ア
クリル系合成繊維は90〜10重量部、好ましくは70
〜20重量部である。混用する天然繊維および化学繊維
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維は10〜
90重量部であり、好ましく30〜80重量部である。
【0029】本発明における当該アクリル系合成繊維と
天然繊維および化学繊維よりなる群から選ばれた少なく
とも1種の混用割合は、最終製品に要求される難燃性
能、消臭性能、制菌性能により決定されるものである。
尚、当該アクリル系合成繊維の種類およびその構成割
合、アンチモン化合物と硼酸亜鉛とその他難燃剤の合計
含有量およびその他難燃剤の種類および含有量は、混用
する繊維の種類および組合せなどにより、上記混用割合
の範囲内で適宜決められる。
【0030】当該アクリル系合成繊維繊維が10重量部
未満、すなわち混用する天然繊維や化学繊維の構成割合
が90重量部を超える場合には、難燃性能、消臭性能、
制菌性能が不足し、一方当該アクリル系合成繊維が90
重量部を超え、混用する天然繊維や化学繊維の構成割合
が10重量部未満の場合には、難燃性能、消臭性能、制
菌性能は優れるものの、風合い、吸湿性、耐久性などの
性能が十分でなくなり、いずれも好ましくない。
【0031】本発明の繊維複合体が所望の三大機能を兼
備させ、しかも混用する天然繊維や化学繊維の特徴をは
っきりと活かすためには、当該アクリル系合成繊維が7
0〜20重量部で、天然繊維および化学繊維よりなる群
から選ばれた少なくとも1種の繊維の割合が30〜80
重量部であることが好ましい。
【0032】本発明の天然繊維の具体例としては、たと
えば木綿、亜麻、芋麻、黄麻などの植物繊維や羊毛、
絹、山羊毛、らくだ毛、カシミアなどの動物繊維など、
また化学繊維の具体例としては、たとえばビスコースレ
ーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維などの再
生繊維;アセテート繊維、トリアセテート繊維、プロミ
ックス繊維などの半合成繊維;あるいはナイロン繊維、
ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、
ポリエステル繊維、アクリル繊維、アクリル系繊維、ポ
リエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊
維、ポリクラール繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維
などの合成繊維があげられるが、これらに限定されるも
のではない。これら天然繊維や化学繊維は単独で当該ア
クリル系合成繊維と混用してもよく、2種以上で当該ア
クリル系合成繊維と複合混用してもよい。また、混用す
る天然繊維及び化学繊維が難燃性能、消臭性能、制菌性
能などの機能性を付与された繊維であっても良い。な
お、上記天然繊維および化学繊維には、製紙に用いられ
るパルプも含まれる。
【0033】当該繊維複合体には本発明の特性を損なわ
ない範囲で通常使用される帯電防止剤、防汚加工剤、熱
着色防止剤、耐光性向上剤、白度向上剤、失透性防止
剤、吸水・吸湿向上剤、蓄熱向上剤などを含有しても良
い。
【0034】このようにして得られる本発明の繊維複合
体は、所望の難燃性能、消臭性能、制菌性能を兼備し、
しかも混用する天然繊維や化学繊維の特徴である風合
い、吸湿性、耐久性、耐摩耗性、ピリング性、耐熱性、
高強度などの特性を併有することは言うまでもない。
【0035】本発明のアクリル系合成繊維の製造方法は
あらゆる公知の湿式、乾湿式、乾式等の紡糸方法が適用
可能であり、通常のアクリル系合成繊維と同様の条件で
行えば良い。紡糸条件は安定操業が可能な条件なら特に
限定されない。また、当該アクリル系合成繊維と他の繊
維とを混合して造られる製品、用途、製造方法などにつ
いて特に限定はされない。一般の天然繊維や化学繊維で
可能な如何なる用途、製品、製造方法を適宜選定すれば
良い。
【0036】本発明品の具体的な用途・製品としては、
建寝装分野ではボアシーツ、毛布等のパイル商品、シー
ツ、ピローケース、ふとんカバー等のカバー・側地商
品、ふとん、こたつふとん、座ぶとん、ベッドパッド、
ピロー、クッションなどの詰め綿商品、ひざ掛け、スロ
ーケット、ベッドスプレッド、バスローブ、バスタオ
ル、ボディタオルなどがある。インテリア分野では便座
カバー、トイレフタカバー、トイレマットなどトイレタ
リー商品や、カーテン、レース、ケースメント、ブライ
ンドクロスなどのドレーパリー商品、玄関・バス・キッ
チンマット、ラグ、カーペット、ホットカーペットカバ
ー等の敷物商品、パーテーションカバー、OAチェアー
・椅子張り家具などのカバー布地商品、こたつふとん裏
地、ランチョンマット、テーブルクロスなどがある。
【0037】衣料分野では肌着、タイツ、スパッツ、レ
ッグウォーマーなどのインナー商品や、セーター、フリ
ース、フェイクファー、防寒用インターライナーなどの
アウター商品、靴下などソックス商品、エプロン、かっ
ぽう着、ストール、フードケープ、パジャマなどのルー
ムウェア、ナースカーデガン、白衣・手術衣、作業服、
消防服などの業務用ユニフォームなどがあり、資材用途
ではスリッパ、アニマルシューズ、防寒シューズなどの
履き物類、業務用マット、掃除用モップなどのダスト・
コントロール商品、壁紙などの住宅建材商品などがあ
る。
【0038】不織布分野(製紙分野含む)では、住宅・
建材向けでは、結露防止用シート、養生シート、ローパ
ーテーション、ハイパーテーション、天井材、壁紙など
の不織布、農業用不織布や、仕出しや宅配サービスなど
のフードサプライセンター向け産業用ワイパー、おしぼ
り、業務用ふきん、フローリングワイパー、おしり拭
き、ウェットティッシュ、ペーパータオルなどの業務
用、家庭用ワイピング不織布、収納袋、収納シート、風
呂敷、包装材、洋服カバー、水切り袋などの家庭用雑貨
不織布、ビル空調フィルター、自動車フィルター、家庭
用空気清浄器フィルター、業務用空気清浄機フィルタ
ー、マスク、掃除機フィルターなどのフィルター不織
布、自動車の内装表皮材や副資材用としては、ニードル
パンチカーペット、天井材、ワディング部材などの自動
車用資材不織布、医療用不織布としては、ガウン、ドレ
ープ、マスク、キャップ、シーツ、タオル、穴あきパン
ツ、患者衣、手術下着、減菌包装材、シューズカバー、
分娩パック、ガーゼなどのサージカル用不織布や、パッ
プ薬、プラスターなどの経皮吸収薬用基布不織布、衛生
材料としては、紙おむつ部材や、生理用ナプキン部材向
け衛材用不織布、医療・介護・研究所・食品加工・食品
製造などで使用されるディスポ衣料や、衣料用心地、汗
取りパッド、バストパッドなど衣料用不織布、シューズ
ライナー、インソールなどのシューズ部材用不織布など
がある。
【0039】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。実施例中の部、%は特に断らない限り、「重量
部」、「重量%」を示す。
【0040】まず、難燃性、消臭性、制菌性などを評価
する各測定値および測定方法について説明する。
【0041】[難燃性]単独または所定の割合で混綿し
た綿を0.35g量り、0.686メートル番手で撚係
数352の強固な撚りをかけ、これを中間より半分に折
り曲げた交撚状態の12cmのコヨリを12本作り、酸
素指数試験器のホルダーに直立させ、この試料が5cm
燃え続けるのに必要な最小酸素濃度を測定し、これを限
界酸素濃度指数(以下、LOI値)とした。LOI値が
大きいほど燃えにくく、難燃性が高い。(限界酸素濃度
および酸素濃度指数はASTMD2863、JISK7
201に準拠)
【0042】[アフターグロー(残塵)]LOI値を求
める前記の難燃性試験と全く同じ方法で試料に着火し、
自己消火性により炎が消えてから無煙火災が続く残塵時
間を測定し、アフターグロー(残塵)の有無を判別し
た。
【0043】[最高発熱速度、全発熱量](株)東洋精
機製の燃焼分析システムであるコーンカロリメータ(以
下、CCMと略す)▼3▲でISO5660、ASTM
E1354、NFPA264Aなど準拠した最高発熱速
度、全発熱量を測定し、実火災における繊維素材の火災
延焼性、火災助長性を評価した。試料は150g/
2、厚み2mm、10cm×10cm角にしたニード
ルパンチ不織布を使用した。
【0044】[一酸化炭素発生量、煤発生量]前記最高
発熱速度、全発熱量を測定しながら、CCM試験装置に
て一酸化炭素発生量(収量)と煤発生量(収量)を測定
した。
【0045】[消臭性]繊維製品に対する日常生活で最
も消臭ニーズの高い悪臭物質の代表として、アンモニ
ア、硫化水素、酢酸、イソ吉草酸について以下の方法で
行った。消臭性能は悪臭除去率で比較評価した。具体的
な悪臭測定法は、テドラーバッグ(フッ化ビニリデンフ
ィルム製、5l)に試料3gを入れ密封し、さらに窒素
ガス3lを入れる。次いで、悪臭ガスを各々の初期濃度
になるよう封入し、24時間放置した後に検知管で悪臭
ガス濃度を測定した。対照として空のテドラーバッグに
悪臭ガスを各々の初期濃度になるよう封入・調整し、2
4時間放置した後に検知管で悪臭ガス濃度を測定し、濃
度の減少率から悪臭除去率を算出した。悪臭ガスの初期
濃度は、アンモニア40ppm、硫化水素15ppm、
酢酸100ppm、イソ吉草酸15ppmとした。
【0046】[制菌性]繊維製品の抗菌性能の評価は、
2吋紡績システムで紡績し、毛番で27番手単糸を丸編
みしたニット製品か、製品不織布自体を被験体として用
い、繊維製品衛生加工協議会制定の抗菌防臭加工製品認
定基準「菌数測定法」で行い、静菌活性値で比較評価し
た。
【0047】[洗濯耐久性]耐洗濯性試験は、JIS
L 1018の「家庭用電気洗濯法」に準じて行った。
綿、ニット製品、ニードルパンチ不織布ほかを家庭洗濯
用ネットに入れ、洗濯5回の試料を難燃性能、消臭性
能、制菌性能の評価に用いた。
【0048】[平均粒経]平均粒経は有機溶媒ジメチル
ホルムアミド80g中に粉体0.5gを投入し、5分間
超音波分散させた後、(株)島津製作所製のレーザー回
折粒度分布測定装置SALD−2000Jで超音波分散
させながら、50%D平均粒経を測定した。
【0049】[ζ電位]コロイド粒子間の静電相互作用
(静電斥力)や微粉体凝集性を評価するために、マルバー
ン社(代理店(株)シスメックス)製のゼータサイザー
3000HS(電気泳動移動法)を用いて水系でζ電位
を測定した。
【0050】実施例1〜10及び比較例1〜8 アクリロニトリル系重合体の製造・調製は、表1に示す
アクリロニトリル(以下ANと記す)/塩化ビニリデン
(以下VDCと記す)/2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸ソーダ(以下SAMと記す)のポ
リマー組成からなるアクリロニトリル系重合体を、ジメ
チルホルムアミド(以下DMFと記す)中にてアゾビス
ジメチルバレロニトリルを重合開始剤として溶液重合
し、残存モノマーの除去を行った。その後、アクリロニ
トリル系重合体の濃度を20〜30%に調製した。Sb
23を硼酸亜鉛量に対して表1に示す割合でコーティン
グした硼酸亜鉛と、Sb23とを、アクリロニトリル系
重合体に対して表1に示す難燃剤合計含有量で併用添加
した。なお、難燃剤の構成比率はSb23をコーティン
グした硼酸亜鉛/Sb23=65/35(%)とした。
難燃剤微粉末のDMF分散液濃度は40%または20%
で調整した。得られたDMF分散液を上記アクリロニト
リル系共重合体に表1に示す難燃剤合計含有量で添加、
混合し、紡糸原液とした。上記紡糸原液を25℃,60
%DMF水溶液中に紡出し、脱溶媒をさせながら延伸、
水洗した後、油剤を付与して、乾燥及び乾燥緻密化、ク
リンプ、湿熱セットを行った。
【0051】そして得られたアクリル系合成繊維を木綿
(漂白)と混用することで、難燃性能、消臭性能、制菌
性能を評価した。また、原繊生産性の結果の判定は、実
施例、比較例記載の条件で製造した際のDMF分散液安
定性、濾過圧上昇、口金圧上昇、単糸切れ、ローラー巻
き付き、歩留まりなどを総合して「○(良好)」,「△
(やや不良)」,「×(不良)」の三段階評価した。ま
た、繊維品質及び加工安定性はそれぞれ実施例、比較例
の単繊維物性、繊維風合い、耐熱性、耐光性、紡績性、
染色加工性等を通常のアクリル系合成繊維と比較して、
「○(良好)」,「△(やや不良)」、「×(不良)」
の3段階評価した。繊維複合体において吸水性、吸湿性
など木綿の特徴の有無を「○(良好)」,「△(やや不
良)」、「×(不良)」の3段階評価した。
【0052】なお、比較例1〜3は、実施例1〜10で
用いたアクリロニトリル系共重合体のポリマー組成比が
範囲外のものであり、比較例4は硼酸亜鉛量に対してコ
ーティングしたSb23量を範囲外にしたものであり、
比較例5〜6は難燃剤微粉末の合計含有量を範囲外にし
たものであり、また比較例7〜8は繊維複合体での構成
比率を範囲外にしたもので、それぞれ各工程、各評価は
実施例1〜10と同様に行った。以上の結果をまとめて
表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1から明らかな様に、比較例1〜3で示
したアクリロニトリル系共重合体のポリマー組成比の
内、ANが範囲外に大きなもの(比較例1)では、必然
的にVDCが範囲外に小さくなり、原繊生産性、繊維品
質、加工安定性は良好なものの、難燃性能が極めて悪く
不十分であった。また、ANが範囲外に小さなもの(比
較例2)では、必然的にVDCが範囲外に大きくなり、
難燃性は良いものの、原繊生産性、繊維品質、加工安定
性が急激に悪化し不十分であった。また、SAMが範囲
外に大きなもの(比較例3)では、原繊生産性、繊維品
質、加工安定性が悪く不十分であった。
【0055】硼酸亜鉛量に対してコーティングしたSb
23量を範囲外に小さくしたもの(比較例4)では、濾
過圧上昇、糸切れなど原繊生産性が極めて悪く、紡出が
できなかった。
【0056】難燃剤微粉末の合計含有量を範囲外に大き
くしたもの(比較例5)では、濾過圧上昇、口金圧上昇
に伴う操業トラブルで原繊生産性が極めて悪く、紡出が
できなかった。難燃剤微粉末の合計含有量を範囲外に小
さくしたもの(比較例6)では、難燃性、消臭性、制菌
性が低下し不十分であった。
【0057】また、繊維複合体中のアクリル系合成繊維
の構成比率を範囲外に大きくしたもの(比較例7)で
は、必然的に木綿の構成比率が小さくなり、繊維風合
い、耐摩耗性、ピリング性に劣り、また混用した木綿の
吸水性・吸湿性などの快適な特徴を活かすことができず
不十分であった。また、繊維複合体中のアクリル系合成
繊維の構成比率を範囲外に小さくしたもの(比較例8)
では、必然的に木綿の構成比率が大きくなり、繊維風合
い、耐摩耗性、ピリング性、また混用した木綿の吸水性
・吸湿性などの快適な特徴を活かすことができるが、難
燃性能、消臭性能、制菌性能が急激に悪くなり不十分で
あった。
【0058】実施例11〜13及び比較例9〜14 AN/VDC/SAM/メタリルスルホン酸ソーダのア
クリロニトリル系重合体とAN/VDCのアクリロニト
リル系重合体とをポリブレンドし、AN/ハロゲン含有
ビニル単量体/スルホン酸基含有ビニル単量体の組成比
が55/42/3となるポリマー組成からなるアクリロ
ニトリル系重合体混合物をポリマー濃度30%に調製し
た。表4に示すζ電位、コーティング量のSb23を硼
酸亜鉛にコーティングし、その硼酸亜鉛とSb23とを
アクリロニトリル系重合体に対し、難燃剤含有量20重
量%で併用添加した。比較例11は、Sb23を単独で
20重量%含有させ、比較例12は硼酸亜鉛を単独で2
0重量%含有させた。また、実施例11〜13の難燃剤
の構成比率は、Sb23をコーティングした硼酸亜鉛/
Sb23=60/40(%)とし、難燃剤微粉末のDM
F分散液濃度は35%で調整した。得られたDMF分散
液を上記アクリロニトリル系共重合体に添加、混合し、
紡糸原液とした。上記紡糸原液を20℃,58%DMF
水溶液中に紡出し、脱溶媒をさせながら延伸、水洗した
後、油剤を付与して、乾燥及び乾燥緻密化、クリンプ、
湿熱セットを行った。また、得られたアクリル系合成繊
維を木綿(漂白)を始め、表5に示す繊維と混用するこ
とで、難燃性能、アフターグロー、消臭性能、制菌性能
を評価した。DMF分散液安定性の判定は、沈降安定
性、フィルター濾過性、濾過残さ量、分散液流動性など
を総合して「○(良好)」,「△(やや不良)」,「×
(不良)」の三段階評価した。また、原繊生産性、繊維
品質及び加工安定性は実施例1〜10同様に評価した。
難燃性能、消臭性能、制菌性能も「○(良好)」,「△
(やや不良)」,「×(不良)」の三段階評価とした。
【0059】なお、比較例9、10(表2)はポリエス
テル繊維、難燃ポリエステル繊維を比較例として100
%繊維素材として評価したものであり、比較例11(表
3)はSb23を単独で含有させたものであり、比較例
12(表3)は硼酸亜鉛を単独で含有させたものであ
る。また、比較例13〜14(表4)はSb23のコー
ティング無しと、コーティング量を範囲外にしたもので
ある。
【0060】
【表2】
【0061】表2から明らかなように、本発明のアクリ
ル系合成繊維(実施例11)は火災延焼性の指標である
最高発熱速度、平均発熱速度、全発熱量が極めて低く、
初期火災が食い止められない場合でも繊維素材による火
災延焼をなるべく抑制したものであるのに対し、ポリエ
ステル繊維(比較例9)や難燃ポリエステル繊維(比較
例10)などの繊維素材は火災時には繊維素材そのもの
が燃料元となりやすく、火災延焼を助長することがわか
った。また、火災時の避難で障害となる煙(=煤発生
量)については、本発明のアクリル系合成繊維(実施例
11)では煤発生量が殆ど見られない検出限界にあり、
低発煙性に極めて優れているのに対し、ポリエステル繊
維(比較例9)、難燃ポリエステル繊維(比較例10)
は、多量の黒い煙を発生し、火災時の退避をより危険に
することは明らかである。また、ガス・煙発生の面で一
般的に最も安全な難燃繊維素材とされていた難燃ポリエ
ステル繊維(比較例11)は、溶融粘度を低下させ、よ
り速く溶融させることで表面積を低下させ、着火・フラ
ッシュオーバーを遅延させる効果を意図しているが、逆
にその設計が酸素欠乏による“不完全燃焼”、即ち、一
酸化炭素発生を極めて長い時間持続させることとなり、
火災時に最も危険な一酸化炭素中毒を起しやすい繊維素
材の一つとなっている。
【0062】本発明のアクリル系合成繊維は、火災事故
は起こり得るものとの前提に立ち、初期消火・火災遅延
効果(難燃性能)に優れるとともに、火災発生後の速や
かな退避ができるように、煙や一酸化炭素・二酸化炭素
の発生に着目し、それらをなるべく抑制する次世代防火
・安全対策効果に優れることは表2の結果より明白であ
る。
【0063】
【表3】
【0064】表3から明らかなように、Sb23を20
重量%単独含有したもの(比較例11)は、炭化しやす
いセルロース系繊維を代表とする木綿との繊維複合体に
おいて、“アフターグロー”いわゆる無煙火災を防ぐこ
とができず、木綿混用率50重量部以上では難燃性が低
下し、不十分であった。また、硼酸亜鉛を20重量%単
独含有したもの(比較例12)も同様にアフターグロー
効果はなく、繊維複合体での難燃性も極めて悪かった。
また、木綿以外でもセルロース構造をもつセルロース系
繊維など燃焼時に炭化する他繊維全般は、繊維複合体で
“アフターグロー(残塵)”を防ぐことができなかっ
た。本発明の繊維複合体はアフターグローの発生しやす
い他繊維混用率の高い場合でも優れた無煙火災防止効果
をもつことは明らかである。
【0065】
【表4】
【0066】表4から明らかなように、Sb23を硼酸
亜鉛にコーティングしないもの(比較例13)は、DM
F分散安定性が極めて悪く、原繊生産は困難を極め、得
られた繊維の単繊維強伸度も極めて低く、発生静電気か
ら紡績加工も困難を極まった。さらに、硼酸亜鉛の金属
溶出も激しく難燃性能、消臭性能、制菌性能が著しく低
下した。また、Sb23コーティング量が範囲外に大き
くしたもの(比較例14)も、コーティングしないもの
(比較例13)と同じ傾向で、DMF分散安定性が好ま
しくないため、フィルター圧上昇、口金圧上昇、繊度斑
など発生し、繊維品質、加工安定性も劣悪となるだけで
なく、金属溶出抑制効果も不十分であった。
【0067】
【表5】
【0068】表5は、実施例11、比較例11で得られ
た繊維を種々の混用繊維素材の他繊維と50重量部で繊
維複合体にしたものを示すものであるが、Sb23を単
独含有したもの(比較例11)は、本発明の目的とする
難燃性能、消臭性能、制菌性能の三大機能を兼備させる
ことができないだけでなく、羊毛、アクリル系繊維、ポ
リクラール繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維などの
難燃性繊維や溶融系繊維を除き、燃焼時に炭化する他繊
維との混用では“アフターグロー”いわゆる無煙火災を
防止することができなかった。本発明の繊維複合体は幅
広い天然繊維、化学繊維に極めて簡単な混用するのみの
手段により、目的とする難燃性能、消臭性能、制菌性能
の三大機能を兼備させ、且つ繊維混用する他繊維の特徴
を最大限に活かし得る複合高機能の繊維複合体であるこ
とは明らかである。
【0069】
【発明の効果】本発明のアクリル系合成繊維及びその繊
維複合体は、急激な高齢化社会のウォンツ、ニーズに対
応し、安全・衛生的、且つ健康的で快適なライフ・スタ
イルを提供でき、消費者欲求の高い難燃性能、消臭性
能、制菌性能の3大機能を兼備し、且つ洗濯耐久性に優
れたものであり、産業上極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 小澤 良道 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 (72)発明者 西野 明男 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 (72)発明者 吉田 道夫 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 Fターム(参考) 4L035 BB03 EE11 EE14 EE20 FF01 FF04 GG03 JJ01 LB01 4L036 MA04 MA08 MA09 MA10 MA39 MA40 PA21 PA31 PA33 UA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンチモン化合物を硼酸亜鉛量対比で
    2.0重量%以上コーティングした硼酸亜鉛と、アンチ
    モン化合物とを、アクリロニトリル30〜70重量%、
    ハロゲン含有ビニル系単量体70〜30重量%およびこ
    れらと共重合可能なビニル系単量体10重量%以下より
    なるアクリロニトリル系重合体に対して、0.5〜50
    重量%含有することを特徴とする難燃性能、消臭性能、
    制菌性能に優れたアクリル系合成繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクリル系合成繊維90
    〜10重量部に対して、天然繊維および化学繊維よりな
    る群から選ばれた少なくとも1種の繊維10〜90重量
    部を含有することを特徴とする難燃性能、消臭性能、制
    菌性能に優れた繊維複合体。
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