JP2003094118A - 金型装置およびプレス機械 - Google Patents

金型装置およびプレス機械

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JP2003094118A
JP2003094118A JP2001289624A JP2001289624A JP2003094118A JP 2003094118 A JP2003094118 A JP 2003094118A JP 2001289624 A JP2001289624 A JP 2001289624A JP 2001289624 A JP2001289624 A JP 2001289624A JP 2003094118 A JP2003094118 A JP 2003094118A
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Japan
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die
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female
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JP2001289624A
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English (en)
Inventor
Norio Nakajima
紀夫 中島
Hideo Yamashita
英郎 山下
Senzaburou Morimoto
選三郎 森本
Takayoshi Nakahara
孝喜 中原
Takeshi Okubo
剛 大久保
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Caterpillar Japan Ltd
Caterpillar Mitsubishi Ltd
Original Assignee
Caterpillar Mitsubishi Ltd
Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分的な組替が可能の安価な金型装置と、こ
の金型装置を用いたプレス機械とを提供する。 【解決手段】 プレス機械は、雄金型31、雌金型32およ
びブランクホルダ33を具備した金型装置30と、雌金型32
およびブランクホルダ33の一方を他方に押圧して材料を
挟圧するとともに雄金型31および雌金型32の一方を他方
に押圧して材料を絞り加工するプレス本体機構34とを具
備している。雄金型31、雌金型32およびブランクホルダ
33は、組替可能に分割形成した複数のブロックを一体的
に結合したものである。雌金型32の各ブロック間に、ブ
ロック間の分割部分が材料に作用したときの仕上面精度
の低下を防止する仕上面精度低下防止手段として、絞り
加工される材料の滑り方向に対し傾斜状の傾斜分割継目
71を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組替可能の金型装
置およびこの金型装置を用いたプレス機械に関する。
【0002】
【従来の技術】図19に示されるように、旋回式作業機
械としての油圧ショベル11は、下部走行体12上に旋回部
13を介して上部旋回体14が旋回可能に設けられ、この上
部旋回体14の一側にキャブ15とともにフロント作業機16
が設けられているが、このフロント作業機16などに対し
旋回部13を支点とする質量バランスを保つために、上部
旋回体14の反対側にカウンタウエイト17が設けられてい
る。
【0003】図20に示されるように、このカウンタウ
エイト17の外装板は、プレス機械21に取付けられた金型
を用いて、絞り加工(ドローイング)により成形する。
【0004】この金型成形の工程は、(a)雄金型(い
わゆるポンチ)22およびブランクホルダ23と、雌金型
(いわゆるダイ)24との間に材料17aを供給し、(b)
雄金型22およびブランクホルダ23を油圧シリンダ(図示
せず)などで下降させて、ブランクホルダ23および雌金
型24により材料17aをクランプした後、雄金型22を下降
させて成形を開始し、(c)雄金型22と雌金型24とによ
り成形品17bを完了させ、(d)雄金型22およびブラン
クホルダ23を上昇させることで、成形品17bを解放し
て、成形品17bを外部に取出すようにしている。
【0005】寸法や形状の異なるカウンタウエイト用外
装板をプレス成形するときは、他のプレス機械を用いた
り、雄金型22、ブランクホルダ23および雌金型24をセッ
トにした金型装置を、他の金型装置と交換することが一
般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この場合、カウンタウ
エイト17は、油圧ショベル11の機種によって様々な寸
法、形状があり、金型装置もそれに対応するフル装備を
用意しておかなければならない。
【0007】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、部分的な組替が可能の安価な金型装置と、この金
型装置を用いたプレス機械とを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、凸状に形成された雄金型と、雄金型と嵌合して材
料を絞り加工する凹状に形成された雌金型と、雄金型の
周囲に嵌合するとともに雌金型と対向して絞り加工時の
材料の周囲を固定するブランクホルダとを具備し、雄金
型、雌金型およびブランクホルダは、組替可能に分割形
成され一体的に結合された複数のブロックをそれぞれ備
えた金型装置であり、雄金型、雌金型およびブランクホ
ルダは、一部のブロックのみを組替えることで、その他
のブロックはそのまま活用するので、部分的な組替が可
能の安価な金型である。
【0009】請求項2に記載された発明は、請求項1記
載の金型装置において、ブロック間の分割部分が材料に
作用したときの仕上面精度の低下を防止する仕上面精度
低下防止手段を具備した金型装置であり、ブロック間の
分割部分が材料に付ける傷を、仕上面精度低下防止手段
により軽減する。
【0010】請求項3に記載された発明は、請求項2記
載の金型装置において、仕上面精度低下防止手段が、絞
り加工される材料の滑り方向に対しブロック間に傾斜状
に形成された傾斜分割継目であり、絞り加工中の材料が
ブロック間の傾斜分割継目に押付けられても、その材料
は、ブロック間の傾斜分割継目と交差する方向に滑るの
で、ブロック間の傾斜分割継目が材料の絞り面に及ぼす
影響は少なく、成形品の表面に傷が付きにくい。
【0011】請求項4に記載された発明は、請求項2記
載の金型装置において、仕上面精度低下防止手段が、雄
金型およびブランクホルダにおけるブロック間の分割継
目に対し、雌金型のブロック間の分割継目をオフセット
したオフセット分割継目であり、オフセット分割継目に
より雄金型側のブロック間の分割継目と雌金型側のブロ
ック間の分割継目とをずらすことにより、対向するブロ
ック間の分割継目が相互に及ぼす影響は少なく、成形品
の表面に傷が付きにくい。
【0012】請求項5に記載された発明は、請求項1乃
至4のいずれか記載の金型装置において、絞り加工時の
材料押えと皺の発生防止のために雌金型とブランクホル
ダとが材料を挟持する材料固定面に段差状に設けられた
材料拘束手段を具備した金型装置であり、雌金型および
ブランクホルダの材料固定面に設けられた段差状の材料
拘束手段で拘束された材料の周縁部は、絞り加工時に過
度に滑ることがないので、滑りが過ぎる場合の材料に発
生する皺を抑え、皺による成形品の仕上面精度の低下を
防止する。
【0013】請求項6に記載された発明は、請求項5記
載の金型装置において、材料拘束手段の外側に設けられ
雌金型とブランクホルダとの間に挟持される材料で絞り
加工後にこれらの間に突出状に残存する材料不用部分を
予め切落とすシャーリング手段を具備した金型装置であ
り、材料拘束手段の外側に突出状に残存する材料不用部
分は絞り加工時の抵抗になり、成形品の仕上面精度を低
下させる皺の発生原因となるので、この材料不用部分を
シャーリング手段により予め切落とすことで、絞り加工
時の材料の周囲からの皺の発生を抑え、成形品の仕上面
精度の低下を防止する。
【0014】請求項7に記載された発明は、請求項1乃
至4のいずれか記載の金型装置において、ブロック間の
分割部分が材料に作用したときの仕上面精度の低下を防
止する仕上面精度低下防止手段と、絞り加工時の材料押
えと皺の発生防止のために雌金型とブランクホルダとが
材料を挟持する材料固定面に段差状に設けられた材料拘
束手段と、材料拘束手段の外側に設けられ雌金型とブラ
ンクホルダとの間に挟持される材料で絞り加工後にこれ
らの間に突出状に残存する材料不用部分を予め切落とす
ためのシャーリング手段とを具備した金型装置であり、
ブロック間の分割部分で材料に付く傷や、雌金型および
ブランクホルダにより挟持された材料不用部分から生じ
た皺による成形品の仕上面精度の低下を防止し、仕上面
精度を相乗的に向上させる。
【0015】請求項8に記載された発明は、請求項1乃
至7のいずれか記載の金型装置において、ブランクホル
ダと対向する雌金型の材料固定面と凹部内面との間に位
置する凹部開口縁に形成された円弧状断面部と、円弧状
断面部の凹部内面側を傾斜状に切欠いて形成された材料
滑込導入面部とを具備した金型装置であり、円弧状断面
部の半径を十分大きくできない場合でも、その円弧状断
面部の凹部内面側に傾斜状に形成された材料滑込導入面
部により、ブランクホルダで固定された材料の雌金型内
への滑込みを円滑にし、厳しいドロー条件を緩和して、
材料の絞り面の傷付きを軽減する。
【0016】請求項9に記載された発明は、請求項1乃
至8のいずれか記載の金型装置において、複数のブロッ
ク間の位置ずれを防止するためのブロック位置ずれ防止
手段を具備した金型装置であり、ブロック位置ずれ防止
手段によりブロック間の位置ずれを防止し、ブロック間
の位置ずれにより成形品の表面に付く傷を防止する。
【0017】請求項10に記載された発明は、請求項9
記載の金型装置において、ブロック位置ずれ防止手段
が、ブランクホルダの長手方向一側および他側より雌金
型側へ突設され雌金型のブロック間の長手方向位置ずれ
を規制する案内位置決め凸部材と、これらの案内位置決
め凸部材とそれぞれ嵌合する雌金型側に設けられた案内
位置決め凹溝とを具備した金型装置であり、絞り加工時
に、ブランクホルダの案内位置決め凸部材が、雌金型の
案内位置決め凹溝に嵌合して、ブランクホルダと雌金型
のブロック相互間の位置ずれを防止するとともに、雌金
型との嵌合で間隔収縮方向に力を受けるブランクホルダ
の両側の案内位置決め凸部材が、雌金型の各ブロックを
抱きかかえるように押えるので、絞り加工時に雄金型か
らブロック間拡張方向に力を受ける雌金型の各ブロック
間の拡張を両側の案内位置決め凸部材により抑制し、各
ブロック間の拡張による隙間の発生を抑制し、隙間の発
生が顕著なときに成形品の表面に付く傷を軽減させる。
【0018】請求項11に記載された発明は、請求項9
または10記載の金型装置において、ブロック位置ずれ
防止手段が、相互に接合する一方のブロックの分割面に
設けられた固定位置決め凸部材と、他方のブロックの分
割面に設けられ固定位置決め凸部材と嵌合する固定位置
決め凹部材とを具備した金型装置であり、固定位置決め
凸部材と固定位置決め凹部材との嵌合により、分割面で
相互に接合するブロック間の位置ずれを防止し、ブロッ
ク間の位置ずれにより成形品の表面に付く傷を防止す
る。
【0019】請求項12に記載された発明は、請求項9
乃至11のいずれか記載の金型装置において、ブロック
位置ずれ防止手段が、複数のブロックが固定される共通
のプレートと各ブロックとの対向面にそれぞれ設けられ
たキー溝と、これらのキー溝に嵌着された位置決めキー
とを具備した金型装置であり、共通のプレートと複数の
ブロックとが、これらのキー溝に嵌着された位置決めキ
ーにより一体化されるので、相互に接合するブロック間
の位置ずれを共通のプレートを介して防止し、ブロック
間の位置ずれにより成形品の表面に付く傷を防止する。
【0020】請求項13に記載された発明は、請求項9
乃至12のいずれか記載の金型装置において、ブロック
位置ずれ防止手段が、雄金型の外側面とブランクホルダ
の内側面とに設けられ雄金型・ブランクホルダ間の上下
動を案内するとともに雄金型・ブランクホルダ間を位置
決めする雄金型・ブランクホルダ間案内位置決め手段
と、雌金型の外側面とブランクホルダの外側面とに設け
られ雌金型・ブランクホルダ間の上下動を案内するとと
もに雌金型・ブランクホルダ間を位置決めする雌金型・
ブランクホルダ間案内位置決め手段とを具備した金型装
置であり、雄金型・ブランクホルダ間案内位置決め手段
により絞り加工時の雄金型・ブランクホルダ間の上下動
を案内するとともに位置決めし、また雌金型・ブランク
ホルダ間案内位置決め手段により雌金型・ブランクホル
ダ間の上下動を案内するとともに位置決めするので、雄
金型、ブランクホルダおよび雌金型の各金型ブロック相
互間の上下動を円滑にするとともに、その上下動時の雄
金型、ブランクホルダおよび雌金型の各金型ブロック相
互間の位置ずれを防止し、各金型ブロック相互間の位置
ずれにより成形品の表面に傷が付くおそれを防止する。
【0021】請求項14に記載された発明は、請求項1
乃至13のいずれか記載の金型装置において、雄金型お
よびブランクホルダと雌金型との間に搬入された材料を
位置決めするための材料位置決め機構を具備した金型装
置であり、材料の搬入位置が正確でなくても、材料位置
決め機構が材料を正確に位置決めする。
【0022】請求項15に記載された発明は、請求項1
乃至14のいずれか記載の金型装置において、雄金型、
ブランクホルダおよび雌金型のうち下側に位置する金型
は、共通のプレートとその上側に位置するブロックとの
間に空気膜を形成してブロックを移動自在としたエアベ
アリングと、このエアベアリングにより移動自在のブロ
ックをブロック間接離方向に移動するブロック移動機構
とを具備した金型装置であり、下側に位置する金型の一
部ブロックを組替える際は、エアベアリングを機能させ
て、隣接するブロックを移動自在の状態にし、ブロック
移動機構により隣接するブロックをプレート上で移動さ
せ、ブロック間を容易に離間させたり接合させる。
【0023】請求項16に記載された発明は、請求項1
乃至15のいずれか記載の金型装置において、雄金型を
下金型とし、雌金型を上金型とした金型装置であり、下
側の雄金型と上側の雌金型とにより下向き開口状に絞り
加工された成形品を、そのままの姿勢で雄金型と雌金型
との間から取出してトリム処理位置に移送し、反転させ
ることなくそのままの姿勢で、成形品の周囲不用部分を
除去する。
【0024】請求項17に記載された発明は、請求項1
乃至16のいずれか記載の金型装置において、雄金型、
雌金型およびブランクホルダが、旋回式作業機械のカウ
ンタウエイトに用いられる外装板を絞り加工する金型装
置であり、絞り加工の際に付く傷が少ない成形品によ
り、表面精度の高いカウンタウエイトを製作する。
【0025】請求項18に記載された発明は、請求項1
乃至17のいずれか記載の雄金型、雌金型およびブラン
クホルダを具備した金型装置と、雌金型およびブランク
ホルダの一方を他方に押圧して材料を挟圧するとともに
雄金型および雌金型の一方を他方に押圧して材料を絞り
加工するプレス本体機構とを具備したプレス機械であ
り、部分的な組替が可能の安価な金型装置により、プレ
ス機械も安価に構成する。
【0026】請求項19に記載された発明は、請求項1
8記載のプレス機械において、金型装置をプレス本体機
構の外部からプレス本体機構内に搬入するとともにプレ
ス本体機構内から外部へ搬出する金型搬送機構を具備し
たプレス機械であり、金型搬送機構により金型装置をプ
レス本体機構内に自動的に搬入するとともに搬出し、作
業者の負担を軽減する。
【0027】請求項20に記載された発明は、請求項1
8または19記載のプレス機械において、材料を雄金型
およびブランクホルダと雌金型との間に搬入するととも
に絞り加工後の成形品をこれらの間から搬出するロボッ
トを具備したプレス機械であり、ロボットにより材料を
雄金型およびブランクホルダと雌金型との間に自動的に
搬入するとともに搬出するので、作業能率が向上すると
ともに作業者の負担が軽減する。
【0028】請求項21に記載された発明は、請求項1
8乃至20のいずれか記載のプレス機械において、金型
装置をプレス本体機構の外部からプレス本体機構内に搬
入するとともにプレス本体機構内から外部へ搬出する金
型搬送機構と、プレス本体機構に雄金型および雌金型を
固定するとともにその固定を解除可能の金型クランプ機
構と、材料を雄金型およびブランクホルダと雌金型との
間に搬入するとともに絞り加工後の成形品をこれらの間
から搬出するロボットとを具備したプレス機械であり、
金型搬送機構によりプレス本体機構に対する金型装置の
搬入出を自動化し、金型クランプ機構によりプレス本体
機構に対する金型装置の着脱を自動化し、ロボットによ
り材料の搬入出を自動化することで、全自動型のプレス
機械を提供する。
【0029】請求項22に記載された発明は、請求項2
0または21記載のプレス機械において、ロボットが、
平板状態の材料を吸着支持するための比較的上段に配列
された複数の材料吸着手段と、絞り加工後の成形品を吸
着支持するために変形自在の吊下げ手段により比較的下
段に配列された複数の成形品吸着手段とを有するロボッ
トハンドを具備したプレス機械であり、1台のロボット
のロボットハンドが、比較的上段に配列された材料吸着
手段により材料を搬入するとともに、変形自在の吊下げ
手段により比較的下段に配列された成形品吸着手段によ
り絞り加工後の凹凸状の成形品を搬出することで、1台
のロボットを効率良く利用する。
【0030】請求項23に記載された発明は、請求項1
8乃至22のいずれか記載のプレス機械において、プレ
ス本体機構が、金型装置の長手方向一側および他側に位
置する支柱と、これらの支柱にそって上下動される金型
上下動部材と、各支柱にそれぞれ設けられたラックと、
金型上下動部材に回転自在に設けられたシャフトの一端
部および他端部に一体的に嵌着され各支柱のラックとそ
れぞれ噛合するピニオンとを具備したプレス機械であ
り、ラック、シャフトおよびピニオンにより、偏心荷重
を平等に分配するイコライザ装置すなわち平衡装置を構
成して、偏心荷重が作用しても金型上下動部材が常に水
平状態を保持しながら上下動しうるようにする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1乃至図18に
示された種々の実施の形態を参照しながら詳細に説明す
る。
【0032】図1および図2は、平板状の材料を非対称
深絞り成形断面にプレス成形する油圧式単動深絞り成形
用のプレス機械の一例を示し、複数の金型に分割組替可
能の1つの金型装置30でもって、長・中・短、尺部材を
人手を一切必要としない1工程で、かつ、いわゆる押し
切り作業によってプレス成形することができ、しかも、
金型装置30および材料17aの搬入出を自動化したプレス
機械である。
【0033】金型装置30は、凸状に形成された雄金型
(いわゆるポンチ)31を下金型とし、雄金型31と嵌合し
て材料を絞り加工する凹状に形成された雌金型(いわゆ
るダイ)32を上金型とし、雄金型31の周囲に嵌合すると
ともに雌金型32と対向して絞り加工時の材料の周囲を固
定するブランクホルダ(いわゆる皺押え)33を配置す
る。
【0034】このプレス機械は、金型装置30と、その雌
金型32およびブランクホルダ33の一方を他方に押圧して
材料を挟圧するとともに雄金型31および雌金型32の一方
を他方に押圧して材料を絞り加工するプレス本体機構34
とを具備している。
【0035】図1に示されるように、このプレス機械の
プレス本体機構34は、その本体下部フレーム35上に立設
された複数の支柱36の上部間に門型フレーム37が固着さ
れ、この門型フレーム37には、図1の紙面に沿って等間
隔を隔てて配置された複数個(図面では3個)の油圧シ
リンダ38が取付けられ、これらの油圧シリンダ38のピス
トンロッド38aの伸縮によって、支柱36に摺動自在に嵌
合された金型上下動部材としての中間フレーム39が、支
柱36に沿って上下動されるようになっている。
【0036】支柱36間には本体下部フレーム35に固着さ
れた持上シリンダ(図示しない)が設けられ、この持上
シリンダのピストンロッド(図示しない)が中間フレー
ム39に連結され、質量が増加する中間フレーム39の駆動
を補助している。
【0037】本体下部フレーム35の内部には、ブランク
ホルダ33を持上げるためのブランクホルダ持上機構40が
設けられている。
【0038】このブランクホルダ持上機構40は、本体下
部フレーム35の中央部に凹所41が設けられ、この凹所41
内に図1の紙面に沿って等間隔を隔てて配置された複数
個(図面では3個)のダイクッションシリンダ42が垂直
に固着され、これらの複数のダイクッションシリンダ42
のピストンロッド42aの先端にダイクッションフレーム4
3が固着されている。複数のダイクッションシリンダ42
は同期して伸縮される。
【0039】ダイクッションフレーム43の下面側には、
図2に示されるように複数のダイクッションガイドロッ
ド44が一体に設けられ、本体下部フレーム35のガイド穴
45に上下動自在に嵌合されている。さらに、ダイクッシ
ョンフレーム43の上面側には、ブランクホルダ持上用の
複数のプッシュロッド46が設けられている。
【0040】図2に示されるように、本体下部フレーム
35の一側部には、動力源設置用の凹所47が設けられ、こ
の凹所47に原動機、油圧ポンプ、油圧タンクなどの油圧
源装置48が設置されている。この油圧源装置48より、油
圧シリンダ38やダイクッションシリンダ42などに作動油
が供給される。
【0041】図1に示されるように、中間フレーム39に
は、この中間フレーム39に係る偏心荷重を平等に分配す
る平衡装置すなわちイコライザ装置50が設けられてい
る。
【0042】このイコライザ装置50は、金型装置30の長
手方向一側および他側に位置する各支柱36に、ラック51
がそれぞれ一体的に設けられ、また、中間フレーム39を
水平に貫通して回転自在に設けられたシャフト52の一端
部および他端部には、ピニオン53が一体的に嵌着され、
これらのピニオン53と各支柱36のラック51とがそれぞれ
噛合されている。
【0043】そして、左右両側の支柱36に固着されてい
る左右のラック51上を、中間フレーム39に回動自在に挿
通されたシャフト52を介して一体化された左右のピニオ
ン53が噛合状態で移動することにより、中間フレーム39
に非対称の偏心荷重が作用しても、中間フレーム39が常
に水平状態を保持しながら上下動しうるようになってい
る。
【0044】また、図2に示されるように、このプレス
機械は、金型装置30をプレス本体機構34の右側外部から
プレス本体機構34内に搬入するとともにプレス本体機構
34内から右側外部へ搬出する金型搬送機構としての金型
搬送チェンコンベア54を具備している。
【0045】この金型搬送チェンコンベア54は、プレス
本体機構34の外部から内部にわたって図1に示されるよ
うに凹所41を介してその両側に1対のチェン装着溝55が
設けられ、これらのチェン装着溝55の内部で図2に示さ
れるように無端状の搬送チェン56が両端のスプロケット
57に巻掛けられて並列に配設され、これらの搬送チェン
56上に金型定盤58が係着され、この金型定盤58上に雄金
型31、雌金型32およびブランクホルダ33の1セットが搭
載可能とされたものである。
【0046】搬送チェン56の一端のスプロケット57は、
油圧回路中の電磁弁などを介して電気制御される油圧モ
ータ59により駆動される。
【0047】また、プレス本体機構34には、雄金型31、
雌金型32およびブランクホルダ33を固定するとともにそ
の固定を解除可能の金型クランプ機構60が設けられ、こ
の金型クランプ機構60により、雄金型31および雌金型32
が脱着可能に装着されている。
【0048】この金型クランプ機構60は、金型定盤58に
装着された複数の金型クランプシリンダ(図示しない)
により雄金型31をクランプし、中間フレーム39に装着さ
れた複数の金型クランプシリンダ(図示せず)により雌
金型32をクランプするものである。
【0049】金型定盤58および雄金型31のプレート31d
には、ブランクホルダ持上機構40のプッシュロッド46を
挿通させるためのプッシュロッド挿通孔61,62がそれぞ
れ設けられている。
【0050】次に、プレス本体機構34に対する金型装置
30の装着方法を説明する。
【0051】プレス本体機構34に金型装置30を装着する
には、プレス本体機構34の外部に伸びた金型搬送チェン
コンベア54上の金型定盤58上に雄金型31、雌金型32およ
びブランクホルダ33の1セットをクレーン(図示せず)
により搭載し、その後、油圧モータ駆動用油圧回路中の
電磁弁を電気信号により制御して油圧モータ59を作動
し、金型搬送チェンコンベア54の搬送チェン56を回行駆
動して、金型装置30をプレス本体機構34内に搬入し、位
置決めする。
【0052】そして、雌金型32をプレス本体機構34に組
付けるには、プレス本体機構34の上部側に位置する油圧
シリンダ38を駆動する油圧回路中の電磁弁を制御する電
気信号をスイッチにより下降側に切替えると、油圧シリ
ンダ38のヘッド側に圧油が送られ、中間フレーム39が下
降を始める。
【0053】このとき、イコライザ装置50が機能し、両
側の支柱36に固着されている各ラック51上で、中間フレ
ーム39を挿通したシャフト52により連結された両側のピ
ニオン53が駆動され、中間フレーム39が常に水平を保ち
ながら下降を開始し、雌金型32のプレート32dに当接す
ると下降を停止する。
【0054】その後、中間フレーム39に設けられている
複数の金型クランプシリンダ(図示せず)の操作レバー
を切替えて、雌金型32のプレート32dを中間フレーム39
に締着すると、中間フレーム39への雌金型32の取付が完
了する。
【0055】一方、雄金型31およびブランクホルダ33を
搭載した雄金型31のプレート31dと金型定盤58との組付
は、金型定盤58に装着された複数の金型クランプシリン
ダ(図示しない)の操作レバーの切替えにより雄金型31
のプレート31dを金型定盤58に締着することで、雄金型3
1およびブランクホルダ33の位置決めが完了する。
【0056】さらに、雌金型32を上昇させるときは、上
部の油圧シリンダ38を作動する油圧回路中の電磁弁をス
イッチによる電気信号切替操作で上昇側に切替えると、
油圧シリンダ38のピストンロッド側に圧油が送られ、ピ
ストンロッド38aが収縮動作し、かつ、支柱36間で雌金
型32に対向して装着されている持上シリンダ(図示せ
ず)のヘッド側に圧油が送られ、持上シリンダのピスト
ンロッドが伸びる。同時に、イコライザ装置50のラック
51上でピニオン53が駆動され、中間フレーム39および雌
金型32が水平状態を保ちながら上昇する。
【0057】このように、金型搬送チェンコンベア54に
よりプレス本体機構34に対する金型装置30の搬入出を自
動化し、金型クランプ機構60によりプレス本体機構34に
対する金型装置30の着脱を自動化することで、作業者の
負担を軽減する。
【0058】次に、図2および図3に示されるように、
このプレス機械は、プレス本体機構34の左側部に、材料
17aを雄金型31およびブランクホルダ33と雌金型32との
間に搬入するとともに絞り加工後の成形品17bをこれら
の間から搬出する6軸垂直多関節形のロボットとしての
マテリアルハンドリングロボット(以下、このロボット
を「マテハンロボット」という)63を具備している。
【0059】このマテハンロボット63は、水平旋回可
能、前後方向回動可能、上下方向回動可能のロボットア
ーム64にロボットハンド65を装着したものであり、この
ロボットハンド65は、下部側に、上下2段に配列された
複数のバキュームパッドなどの吸着手段66を垂直に釣支
したものである。
【0060】比較的上段に配列された複数の吸着手段
は、平板状態の材料17aを水平に吸着支持するための材
料吸着手段66aであり、比較的下段に配列された複数の
吸着手段は、変形自在のチェーンなどの吊下げ手段66b
により長く釣支され、材料絞り加工後の成形品17bを吸
着支持するための成形品吸着手段66cである。
【0061】これらの材料吸着手段66aおよび成形品吸
着手段66cは、真空圧で材料または成形品を吸着保持す
るバキュームパットか、または電磁力で材料または成形
品を吸着保持するマグネットである。
【0062】そして、このマテハンロボット63は、比較
的上段に配列された材料吸着手段66aにより材料17aを吸
着して、雄金型31およびブランクホルダ33と雌金型32と
の間に自動的に搬入するとともに、変形自在の吊下げ手
段66bにより比較的下段に配列された成形品吸着手段66c
により絞り加工後の凹凸状の成形品17bを吸着して搬出
する。これにより、1台のロボットを効率良く利用し、
作業者の負担を軽減する。
【0063】このように、金型搬送チェンコンベア54に
よりプレス本体機構34に対する金型装置30の搬入出を自
動化し、金型クランプ機構60によりプレス本体機構34に
対する金型装置30の着脱を自動化し、マテハンロボット
63により材料17aの搬入出を自動化することで、全自動
型のプレス機械を提供する。
【0064】次に、図5および図6に示されるように、
金型装置30の雄金型31、雌金型32およびブランクホルダ
33は、それぞれが組替可能に分割形成され一体的に結合
された複数のブロックをそれぞれ備えている。
【0065】すなわち、図6に示されるように、雄金型
31は、一側のブロック31aと、他側のブロック31bと、こ
れらのブロック31a,31b間に位置する中央のブロック
(インサートブロック)31cとを、組替可能に結合する
とともに、共通のプレート31dに固定したものである。
【0066】同様に、雌金型32は、一側のブロック32a
と、他側のブロック32bと、これらのブロック32a,32b
間に位置する中央のブロック(インサートブロックまた
はインサートダイ)32cとを、組替可能に結合するとと
もに、共通のプレート32dに固定したものである。
【0067】同様に、ブランクホルダ33は、一側のブロ
ック33aと、他側のブロック33bと、これらのブロック33
a,33b間に位置する中央のブロック(インサートブロッ
ク)33c1,33c2とを、組替可能に結合するとともに、共
通のプレート33dに固定したものである。
【0068】このように、雄金型31、雌金型32およびブ
ランクホルダ33は、いずれもが、それぞれ中央のブロッ
ク31c,32c,33c1,33c2のみを組替えることで、一側の
ブロック31a,32a,33aおよび他側のブロック31b,32
b,33bを、そのまま別サイズの製品にも活用できる。
【0069】そして、一部のブロックのみを組替えるこ
とで、その他のブロックはそのまま活用するので、部分
的な組替が可能の安価な金型であり、プレス機械も安価
になる。
【0070】次に、図5および図6に示されるように、
この金型装置30は、ブロック間の分割部分が材料に作用
したときの仕上面精度の低下を防止する仕上面精度低下
防止手段として、雌金型32のブロック32a,32c間および
ブロック32b,32c間に、絞り加工される材料17aの滑り
方向に対し傾斜状に形成された傾斜分割継目71を具備し
ており、ブロック32a,32c間およびブロック32b,32c間
の分割部分が材料17aに付ける傷を、この仕上面精度低
下防止手段としての傾斜分割継目71により軽減するよう
に工夫されている。
【0071】この傾斜分割継目71を形成するために、図
7に示されるように、雌金型32の中央のブロック32cに
て左右両側のブロック32a,32bと接合する面に、V形断
面の傾斜分割面71aが形成され、一方、一側のブロック3
2aおよび他側のブロック32bにて中央のブロック32cと接
合する面には、中央のブロック32cのV形断面と対応す
る傾斜断面の傾斜分割面71bが形成されている。
【0072】そして、雌金型32の3つのブロック32a,3
2b,32c間に形成された2本の傾斜分割継目71は、絞り
加工される材料17aの滑り方向(すなわち鉛直方向)に
対し傾斜状に現われているので、言い換えると、絞り加
工中の材料17aは、ブロック32a,32b,32c間の傾斜分割
継目71と交差する方向に滑るので、絞り加工中の雌金型
32が雄金型31から受けるブロック間拡張力によりブロッ
ク32a,32b,32c間の傾斜分割継目71に隙間が生じた場
合でも、これらの傾斜分割継目71が材料17aの絞り面に
及ぼす影響は少なく、成形品17bの表面に傷が付きにく
い。
【0073】次に、図5乃至図8に示されるように、金
型装置30は、複数のブロック間の位置ずれを防止するた
めの種々のブロック位置ずれ防止手段を具備しており、
これらのブロック位置ずれ防止手段によりブロック間の
位置ずれを防止し、ブロック間の位置ずれにより成形品
17bの表面に付く傷を防止する。
【0074】先ず、図5および図6には、第1のブロッ
ク位置ずれ防止手段72が示されている。このブロック位
置ずれ防止手段72は、ブランクホルダ33の長手方向一側
部および他側部より雌金型32側へ、凸形状の案内用およ
び位置決め用の案内位置決め凸部材73が突設され、これ
らと対向する雌金型32の一側および他側のブロック32
a,32bに、これらの案内位置決め凸部材73とそれぞれ嵌
合する凹形状の案内位置決め凹溝74が設けられた案内手
段および位置決め手段であるとともに、雌金型32のブロ
ック32a,32b,32c間の長手方向位置ずれを規制する絞
り加工時の長手方向位置ずれ規制手段である。
【0075】そして、絞り加工時に、ブランクホルダ33
の案内位置決め凸部材73が、雌金型32の案内位置決め凹
溝74に嵌合して、ブランクホルダ33と雌金型32のブロッ
ク相互間の位置ずれを防止するとともに、雌金型32との
嵌合で間隔収縮方向に力を受けるブランクホルダ33の両
側の案内位置決め凸部材73が、雌金型32の各ブロック32
a,32b,32cを抱きかかえるように押えるので、絞り加
工時に雄金型31からブロック間拡張方向に力を受ける雌
金型32でも、各ブロック32a,32b,32c間の拡張が抑制
され、各ブロック32a,32b,32c間での隙間の発生が抑
制され、隙間の発生が顕著なときに成形品の表面に付く
傷が防止される。
【0076】なお、雌金型32側から案内位置決めピン
(図示せず)を突設し、ブランクホルダ33側にこの案内
位置決めピンと嵌合する案内位置決め穴(図示せず)を
穿設することにより、上記ブロック位置ずれ防止手段72
と同様の機能を持たせるようにしても良い。
【0077】次に、図6、図7および図8には、第2の
ブロック位置ずれ防止手段75が示されている。このブロ
ック位置ずれ防止手段75は、相互に接合する一方のブロ
ックの分割面に設けられた複数箇所の固定位置決め凸部
材76と、他方のブロックの分割面に設けられ各固定位置
決め凸部材76と嵌合する複数箇所の固定位置決め凹部材
77とを具備したものであり、複数箇所の固定位置決め凸
部材76と固定位置決め凹部材77との嵌合により、相互に
接合するブロック間の位置ずれが防止され、ブロック間
の位置ずれにより成形品の表面に付く傷が防止される。
【0078】すなわち、雌金型32の場合は、図7(a)
(b)および図8に示されるように、中央のブロック32
cの左側面に凸テーパ形の固定位置決め凸部材76が嵌着
されボルト78により固定されているとともに、中央のブ
ロック32cと接合する一側のブロック32aの対向面に凹テ
ーパ形の固定位置決め凹部材77が嵌着されボルト79によ
り固定され、これらの固定位置決め凸部材76と固定位置
決め凹部材77との嵌合が、図6に示されるように左右2
箇所でなされることにより、中央のブロック32cと一側
のブロック32aとの位置ずれが防止される。
【0079】同様に、図7(a)(b)および図8に示
されるように、中央のブロック32cの右側面に凹テーパ
形の固定位置決め凹部材77が嵌着されボルト79により固
定されているとともに、中央のブロック32cと接合する
他側のブロック32bの対向面に凸テーパ形の固定位置決
め凸部材76が嵌着されボルト78により固定され、これら
の固定位置決め凹部材77と固定位置決め凸部材76との嵌
合が、図6に示されるように左右2箇所でなされること
により、中央のブロック32cと他側のブロック32bとの位
置ずれが防止され、3つのブロック32a,32b,32cが正
確に位置決めされている。
【0080】そして、図3、図4および図8に示される
ように、雌金型32の各ブロック32a,32b,32cに挿入さ
れた複数の連結ボルト81と、これらの各連結ボルト81に
螺合されたナット82とにより、中央のブロック32cと一
側のブロック32aおよび他側のブロック32bとを締着して
一体的に結合する。
【0081】この締着構造は、図8に示されるように、
一側のブロック32aに設けられた凹部83から、中央のブ
ロック32cを貫通して、他側のブロック32bに設けられた
凹部84にそれぞれ突出された各連結ボルト81のねじ端部
に、それぞれナット82を螺合して、締付ける。
【0082】雄金型31のブロック位置ずれ防止手段75
は、図3、図4および図6に示されるように、中央のブ
ロック31cに対し、一側のブロック31aおよび他側のブロ
ック31bが、雌金型32と同様の固定位置決め凸部材と固
定位置決め凹部材との嵌合により正確に位置決めされ、
連結ボルト81およびナット82により結合されている。
【0083】ブランクホルダ33のブロック位置ずれ防止
手段75は、図3、図4および図6に示されるように、中
央のブロック33c1,33c2に対し、一側のブロック33aお
よび他側のブロック33bが、雌金型32と同様の固定位置
決め凸部材と固定位置決め凹部材との嵌合により正確に
位置決めされ、連結ボルト81およびナット82により結合
されている。
【0084】図7(a)(b)は、雌金型32の各ブロッ
ク32a,32b,32cをそれぞれ単一部材で形成した例であ
るが、図7(c)は、一側のブロック32aおよび他側の
ブロック32bを、傾斜面を持たないブロック本体32a1,3
2b1と、傾斜分割面71bの部分を別部材で形成した傾斜プ
レート32a2,32b2との複合部材で形成した例であり、傾
斜プレート32a2,32b2は、ボルト85によりブロック本体
32a1,32b1に一体化されている。
【0085】図7(d)は、一側のブロック32aおよび
他側のブロック32bとともに、中央のブロック32cも、傾
斜面を持たないブロック本体32c1と、両側の傾斜分割面
71aの部分を別部材で形成した傾斜プレート32c2との複
合部材で形成した例であり、傾斜プレート32c2は、ボル
ト86によりブロック本体32c1に一体化されている。
【0086】このようなブロック本体32a1,32b1,32c1
に傾斜プレート32a2,32b2,32c2を一体化したブロック
は、傾斜分割継目71の角度または間隔を部分的に容易に
調整できる利点がある。
【0087】次に、図4、図5および図6には、第3の
ブロック位置ずれ防止手段87が示されている。このブロ
ック位置ずれ防止手段87は、雄金型31、雌金型32および
ブランクホルダ33において、複数のブロック31a・31b・31
c,32a・32b・32c,33a・33b・33c1・33c2が固定される共通
のプレート31d,32d,33dと、各ブロック31a・31b・31c,
32a・32b・32c,33a・33b・33c1・33c2との対向面に、プレー
ト側のキー溝88およびブロック側のキー溝89がそれぞれ
設けられ、これらのキー溝88,89に位置決めキー90が嵌
着され、雄金型31、雌金型32およびブランクホルダ33の
各プレート31d,32d,33dと各ブロック31a・31b・31c,32
a・32b・32c,33a・33b・33c1・33c2とが確実に位置決めされ
ている。
【0088】すなわち、図5に示されるように雄金型31
のプレート31dに対し、一側のブロック31a、他側のブロ
ック31bおよび中央のブロック31cが、それぞれの位置決
めキー90により正確に位置決めされ、図3に示されるよ
うに、それぞれボルト91により固定されている。
【0089】同様に、図5に示されるように雌金型32の
プレート32dに対し、一側のブロック32a、他側のブロッ
ク32bおよび中央のブロック32cがそれぞれ位置決めキー
90により位置決めされ、図3および図5に示されるよう
に、それぞれボルト92により固定されている。
【0090】同様に、図5に示されるようにブランクホ
ルダ33のプレート33dに対し、一側のブロック33a、他側
のブロック33bおよび中央のブロック33c1,33c2がそれ
ぞれ位置決めキー90により位置決めされ、図3に示され
るように、それぞれボルト93により固定されている。
【0091】ここで、図5および図6に示されるよう
に、雄金型31、雌金型32およびブランクホルダ33の中央
のブロック31c,32c,33c1,33c2の位置決めは、単一の
キー溝に嵌着された位置決めキー90により位置決めする
が、一側および他側の各ブロック31a・31b,32a・32b,33
a・33bの位置決めは、各プレート31d,32d,33dと、各ブ
ロック31a・31b,32a・32b,33a・33bとが相互に接合する
面に、複数のキー溝88,89が異なるピッチで配列されて
いるので、これらのキー溝88,89の中から合致するキー
溝88,89に位置決めキー90を挿入する。
【0092】これらのキー溝88,89の各ピッチは、予め
用意された大きさの異なる複数の中央のブロック32cに
対応して、プレート側のキー溝88のいずれかとブロック
側のキー溝89のいずれかとが合致するように設定する。
【0093】また、ボルト91,92,93による固定は、図
6に示されるように、雄金型31、雌金型32およびブラン
クホルダ33の各プレート31d,32d,33dに多数のボルト
螺入孔94がそれぞれ穿設されているとともに、各ブロッ
ク31a・31b・31c,32a・32b・32c,33a・33b・33c1・33c2に
は、側面に設けられた凹部95より多数のボルト挿入孔96
がそれぞれ穿設されているので、これらの各ブロック31
a・31b・31c,32a・32b・32c,33a・33b・33c1・33c2の凹部95
より各ボルト挿入孔96に挿入されたボルト91,92,93を
各プレート31d,32d,33dのボルト螺入孔94にそれぞれ
ねじ込むことにより、各ブロック31a・31b・31c,32a・32b
・32c,33a・33b・33c1・33c2を各プレート31d,32d,33dに
それぞれ固定する。
【0094】このように、共通のプレート31d,32d,33
dと複数のブロック31a・31b・31c,32a・32b・32c,33a・33b
・33c1・33c2とが、これらのキー溝88,89に嵌着された位
置決めキー90により正確に位置決めされた状態でボルト
91,92,93により一体化されるので、相互に接合するブ
ロック31a,31b,31c間、ブロック32a,32b,32c間、ブ
ロック33a,33b,33c1,33c2間の位置ずれが共通のプレ
ート31d,32d,33dを介して防止され、相互に接合する
ブロック間の位置ずれにより成形品17bの表面に付く傷
が防止される。
【0095】次に、図3および図6に示されるように、
雄金型31の外側面とブランクホルダ33の内側面とに、雄
金型31・ブランクホルダ33間の上下動を案内するととも
に雄金型31・ブランクホルダ33間を位置決めする第4の
ブロック位置ずれ防止手段としての雄金型・ブランクホ
ルダ間案内位置決め手段111が設けられている。
【0096】この雄金型・ブランクホルダ間案内位置決
め手段111は、雄金型31の一側および他側のブロック31
a,31bの左右外側面に、複数の凸形の案内ガイドスライ
ドベース112がそれぞれ突設され、これらと対向するブ
ランクホルダ33の一側および他側のブロック33a,33bの
左右内側面に、各案内ガイドスライドベース112と上下
方向摺動自在に嵌合する凹状の案内ガイド113がそれぞ
れ設けられ、雄金型31・ブランクホルダ33間の案内と位
置決めとを強固に維持するように構成されている。
【0097】同様に、図3および図6に示されるよう
に、雌金型32の外側面とブランクホルダ33の外側面と
に、雌金型32・ブランクホルダ33間の上下動を案内する
とともに雌金型32・ブランクホルダ33間を位置決めする
第5のブロック位置ずれ防止手段としての雌金型・ブラ
ンクホルダ間案内位置決め手段114が設けられている。
【0098】この雌金型・ブランクホルダ間案内位置決
め手段114は、ブランクホルダ33の一側および他側のブ
ロック33a,33bの左右外側面に複数の凸形の案内ガイド
スライドベース115がそれぞれ突設され、これらと対向
する雌金型32の一側および他側のブロック32a,32bの左
右外側面から、各案内ガイドスライドベース115と上下
方向摺動自在に嵌合する凹溝を内側に有する突起ガイド
116が下方へそれぞれ突設され、雌金型32・ブランクホ
ルダ33間の案内と位置決めとを強固に維持するように構
成されている。
【0099】そして、絞り加工時は、雄金型・ブランク
ホルダ間案内位置決め手段111の案内ガイドスライドベ
ース112と案内ガイド113との嵌合により、雄金型31・ブ
ランクホルダ33のブロック31a・33a間およびブロック31
b・33b間の上下動を案内するとともに位置決めをし、ま
た、雌金型・ブランクホルダ間案内位置決め手段114の
案内ガイドスライドベース115と突起ガイド116との嵌合
により、雌金型32・ブランクホルダ33のブロック32a・3
3a間およびブロック32b・33b間の上下動を案内するとと
もに位置決めをする。
【0100】これにより、雄金型31とブランクホルダ33
の各金型ブロック相互間および雌金型32とブランクホル
ダ33の各金型ブロック相互間の上下動が円滑になされる
とともに、その上下動時の雄金型31とブランクホルダ33
の各金型ブロック相互間および雌金型32とブランクホル
ダ33の各金型ブロック相互間の位置ずれが確実に防止さ
れ、各金型ブロック相互間の位置ずれにより成形品の表
面に付く傷が防止される。
【0101】次に、図3、図4および図6には、雄金型
31およびブランクホルダ33と、雌金型32との間に搬入さ
れた材料17aを位置決めするための材料位置決め機構121
が示されている。
【0102】この材料位置決め機構121は、ブランクホ
ルダ33の一側および他側のブロック33a,33bの材料搬入
側および反対側の側面に、L形の材料クランプ爪体122
が、これらのブロック33a,33bの上面から突出する状態
で、L形角部に挿入されたピン123により材料搬入出方
向へ回動自在に軸支され、さらに、各ブロック33a,33b
の側面と材料クランプ爪体122のL形下側先端部とに、
エアシリンダ124の基端とそのピストンロッド先端とが
それぞれピン125,126により回動自在に連結されたもの
である。
【0103】さらに、この材料位置決め機構121は、図
6に示されるようにブランクホルダ33の一側および他側
のブロック33a,33bの長手方向一端部上および他端部上
に固着された材料位置決め爪体127を含む。
【0104】そして、材料搬入時および搬出時は、エア
シリンダ124を収縮動作させることで、材料クランプ爪
体122の先端を外方へ開き、また、材料位置決め時は、
エアシリンダ124を伸長動作させることで、材料クラン
プ爪体122の先端を内方へ閉じ、これらの材料クランプ
爪体122と材料位置決め爪体127とにより、マテハンロボ
ット63にてブランクホルダ33上に搬入された材料17aを
正確に位置決めする。
【0105】次に、図9、図10および図11には、下
側に位置する金型としての雄金型31およびブランクホル
ダ33において、プレート31d,33dと、その上側に位置す
るブロック31a・31b,33a・33bとの間に空気膜を形成して
ブロック31a・31b,33a・33bを移動自在としたエアベアリ
ング131,132と、これらのエアベアリング131,132によ
り移動自在のブロック31a・31b,33a・33bをブロック間接
離方向に移動するブロック移動機構133,134とが示され
ている。
【0106】雄金型31のエアベアリング131は、図6お
よび図9に示されるように、プレート31dの上面の2箇
所に4角枠形の凹溝135がそれぞれ形成され、これらの
各凹溝135にОリングなどのシール部材136がそれぞれ嵌
着され、一方、各シール部材136で囲まれた各領域より
も狭い範囲内で、雄金型31のプレート31dと密着する各
ブロック31a,31bの下面には、空気溜り凹部137がそれ
ぞれ形成され、これらの各空気溜り凹部137に対して、
図9に示されるように各ブロック31a,31bの側面に設け
られた凹部95より給気ホース接続用のホース接続管138
が螺入され、ブロック組替移動時にこのホース接続管13
8に給気ホース139が接続される。
【0107】そして、この雄金型31のエアベアリング13
1は、雄金型31のプレート31dに対する各ブロック31a,3
1b,31cの位置決めや固定が解除されるとともに、各ブ
ロック31a,31b,31c間の連結が解除されたときに、ホ
ース接続管138に給気ホース139を接続して、コンプレッ
サなどの空圧源から空気溜り凹部137に圧縮空気を供給
することで、空気溜り凹部137に蓄圧された空気が、雄
金型31のプレート31dと各ブロック31a,31bの下面との
間に均一に侵入して薄い空気膜を形成するので、各ブロ
ック31a,31bを僅かな力で水平移動できる。
【0108】図11に示されるように、ブランクホルダ
33のプレート33dと、一側および他側の各ブロック33a,
33bとの間に設けられたブランクホルダ33のエアベアリ
ング132も、雄金型31のエアベアリング131と同様に、シ
ール部材141、空気溜り凹部142およびホース接続管143
を備えている。
【0109】図10(a)および図11は、雄金型31の
エアベアリング131との関係で、雄金型31の一側および
他側のブロック31a,31bを水平移動する雄金型31用のブ
ロック移動機構133を示し、各ブロック31a,31bの内部
に軸受144を介して回転自在に軸支された雄ねじ145と、
各ブロック31a,31bの中空部146にて雄金型31のプレー
ト31d上に取付部材147を介して設けられた雌ねじ148と
が螺合されている。
【0110】そして、雄金型31の中央のブロック31cを
他のサイズのものと組替えるときは、一側および他側の
ブロック31a,31bを中央のブロック31cから離反させた
り、中央のブロック31cに接近させる必要があるので、
雄ねじ145の外端に設けられたハンドル取付ボス149に図
11に示されたハンドル151を嵌着して、雄ねじ145を回
転操作することにより、不動のプレート31d側に設けら
れた雌ねじ148に対し雄ねじ145を軸方向に移動させ、こ
の雄ねじ145とともにエアベアリング131により移動自在
の一側および他側のブロック31a,31bを、中央のブロッ
ク31cに対し接離方向に移動させる。
【0111】図10(b)および図11は、ブランクホ
ルダ33のエアベアリング132との関係で、ブランクホル
ダ33の一側および他側のブロック33a,33bを水平移動す
るブランクホルダ33用のブロック移動機構134を示し、
ブランクホルダ33のプレート33dの端面に取付板152およ
び軸受153を介して回転自在に軸支された雄ねじ154と、
各ブロック33a,33bの端面凹部155内に固定された雌ね
じ156とが螺合されている。
【0112】そして、ブランクホルダ33の中央のブロッ
ク33c1,33c2を他のサイズのものと組替えるときは、一
側および他側のブロック33a,33bを中央のブロック33c
1,33c2から離反させたり、中央のブロック33c1,33c2
に接近させる必要があるので、雄ねじ154の外端に設け
られたハンドル取付ボス157にハンドル151を嵌着して、
雄ねじ154を回転操作することにより、不動のプレート3
3d側に設けられた雄ねじ154に対し雌ねじ156を移動さ
せ、この雌ねじ156とともにエアベアリング132により移
動自在の一側または他側のブロック33a,33bを、中央の
ブロック33c1,33c2に対し接離方向に移動させる。
【0113】このように、雄金型31と、この雄金型31の
外周に位置するブランクホルダ33とがそれぞれ複数のブ
ロック31a・31b・31c,33a・33b・33c1・33c2に分割化され、
それらの中央のブロック31c,33c1・33c2と組替え可能に
結合された一側および他側のブロック31a・31b,33a・33b
の下面部にエアベアリング131,132をそれぞれ装着する
とともに、端面部にブロック移動機構133,134をそれぞ
れ装着したので、中央のブロック31c,33c1・33c2を組替
える際は、エア供給により雄金型31およびブランクホル
ダ33の各エアベアリング131,132を機能させ、中央のブ
ロック31c,33c1・33c2と隣接する一側および他側のブロ
ック31a・31b,33a・33bを移動自在の状態にし、それぞれ
のブロック移動機構133,134の雄ねじ145,154を回動し
て、雄金型31およびブランクホルダ33の各ブロック31a・
31b,33a・33bをそれぞれのプレート31d,33d上で水平方
向に移動させることで、ブロック間を容易に離間させた
り接合させたりすることができる。
【0114】次に、図12(a)に示されるように、雌
金型32には、ブランクホルダ33と対向する部分に、材料
挟持部材32eがボルト161により一体化されている。材料
挟持部材32eは、例えば合金鋼WR1000を用いると
良い。
【0115】図12(a)、(b)に示されるように、
雄金型31の周緑部で雌金型32の材料挟持部材32eとブラ
ンクホルダ33とが対向して材料17aを挟持する双方の材
料固定面に、材料17aの滑りに適度な摩擦抵抗を付与す
る材料拘束手段としての段差状の拘束ビード162,163が
設けられている。これらの拘束ビード162,163は、図6
に示されるように雌金型32とブランクホルダ33の全周に
わたって設けられている。
【0116】そして、材料挟持部材32eの材質や拘束ビ
ード162,163により、絞り加工時の適度な材料押え効果
が得られ、絞り加工時の材料の滑り過ぎによる皺の発生
を防止することができる。
【0117】すなわち、雌金型32およびブランクホルダ
33の材料固定面に設けられた段差状の拘束ビード162,1
63で拘束された材料17aの周縁部は、絞り加工時に過度
に滑ることがないので、滑りが過ぎる場合の材料17aに
発生する皺が抑えられ、皺による成形品12bの仕上面精
度の低下が防止される。
【0118】さらに、図12(a)、(c)に示される
ように、ブランクホルダ33と対向する雌金型32の材料挟
持部材32eの材料固定面164と凹部内面165との間に位置
する凹部開口縁には、半径Rの円弧状断面部166が形成
されている。この円弧状断面部166の凹部内面165側を角
度θで傾斜状に切欠くことにより、材料滑込導入面部16
7が形成されている。
【0119】この材料滑込導入面部167の角度θは、5
°〜15°の範囲内で設けることが好ましい。また、こ
の材料滑込導入面部167は、直線的傾斜断面でも良い
が、半径20R程度の円弧状断面に形成することが好ま
しい。
【0120】このように、雌金型32の材料挟持部材32e
には、図12(c)に示されるように円弧状断面部166
の凹部内面165側に材料滑込導入面部167が傾斜状に形成
されているから、材料挟持部材32eとブランクホルダ33
とで挟圧固定された材料17aの雌金型32内への滑込みを
材料滑込導入面部167により円滑にすることができ、製
品形状の都合で円弧状断面部166の半径Rを十分大きく
できない場合でも、材料滑込導入面部167にて厳しいド
ロー条件を緩和できるので、材料17aの絞り面の傷付き
を軽減できる。
【0121】次に、図13を参照しながら、このプレス
機械の作用を説明する。
【0122】マテハンロボット63(図3)により雄金型
31と雌金型32との間に材料17aが搬入されると、図13
(a)に示されるように、雄金型31の周囲にあるブラン
クホルダ33が、ダイクッションシリンダ42によりプッシ
ュロッド46などを介して押上げられ、ブランクホルダ33
の上面で材料17aを受取るとともに、ブランクホルダ33
の左右両側面に設けられた材料クランプ爪体122をエア
シリンダ124により閉じて、これらの材料クランプ爪体1
22により材料17aをクランプすることで正確に位置決め
する。
【0123】図13(b)に示されるように、雌金型32
を油圧シリンダ38(図2)により押下げて、この雌金型
32とブランクホルダ33とにより材料17aの周縁部を挟持
し、さらに、ダイクッションシリンダ42によるブランク
ホルダ押上げ力に抗して、油圧シリンダ38のより強力な
雌金型押下げ力で、挟持した材料17aを下降させて、絞
り加工を開始する。
【0124】図13(c)は、雄金型31と雌金型32とに
よる材料17aの絞り加工を終了させた材料押切り状態を
示し、この押切り状態の後は、図13(d)に示される
ように、油圧シリンダ38により雌金型32を引上げて、成
形品17bを解放するとともに、ダイクッションシリンダ4
2によりプッシュロッド46などを介してブランクホルダ3
3を押上げて、成形品17bを雄金型31上に押上げる。
【0125】この成形品17bは、図2に示されるように
マテハンロボット63の成形品吸着手段66cにより吸着し
て、プレス本体機構34の外部へ搬出する。
【0126】次に、図14を参照しながら、金型装置30
の作用効果を説明する。
【0127】図14(a)から(b)に示されるよう
に、雌金型32とブランクホルダ33とにより挟持された材
料17aを雄金型31に押圧して絞り加工するときは、雄金
型31の各ブロック31a,31b,31c間、雌金型32の各ブロ
ック32a,32b,32c間、ブランクホルダ33の各ブロック3
3a,33b,33c1,33c2間、雄金型31とブランクホルダ33
の各ブロック間、ブランクホルダ33と雌金型32の各ブロ
ック間に、これらのブロック間を位置ずれさせるような
力が作用するが、前記第1、第2および第3のブロック
位置ずれ防止手段72,75,87、第4のブロック位置ずれ
防止手段としての雄金型・ブランクホルダ間案内位置決
め手段111、第5のブロック位置ずれ防止手段としての
雌金型・ブランクホルダ間案内位置決め手段114によっ
て、ブロック間の位置ずれ防止が複合的に図られる。
【0128】例えば、雌金型32の各ブロック32a,32b,
32c間には、絞り加工時に雄金型31からブロック間離反
方向の拡張力が作用するが、この方向の力に対し、連結
ボルト81だけでなく、第1および第3のブロック位置ず
れ防止手段72,87なども抵抗するため、雌金型32のブロ
ック32a,32c間およびブロック32b,32c間の離反方向位
置ずれが防止され、これらのブロック間の傾斜分割継目
71に隙間が生じにくい。
【0129】また、雌金型32のブロック32a,32c間およ
びブロック32b,32c間の傾斜分割継目71に隙間が生じた
場合であっても、これらの傾斜分割継目71は材料17aの
滑り方向(鉛直方向)に対し傾斜状に形成されているか
ら、絞り加工中の材料17aは、これらの傾斜分割継目71
と交差する方向に滑り、材料17aの絞り面の局所に分割
継目の影響が集中しないので、図14(c)および
(d)に示される成形品17bの表面には、雌金型32にお
けるブロック32a,32c間およびブロック32b,32c間の傾
斜分割継目71に対応する傷が付き難く、成形品17bの絞
り面における仕上面精度の低下を防止できる。
【0130】図14(e)は、雄金型31、雌金型32およ
びブランクホルダ33の中央のブロックのみを、より長尺
なものと組替えた金型装置(図示せず)を用いて成形さ
れた、より長尺な成形品17cを示す。
【0131】すなわち、このような成形品17cを加工す
る場合は、3分割された雄金型31のブロック31a,31b,
31c、雌金型32のブロック32a,32b,32cおよびブランク
ホルダ33のブロック33a,33b,33cのうち、中央のブロ
ック31c,32c,33cのみを異なる寸法のものと組替える
とともに、残りのブロック31a・31b,32a・32b,33a・33b
は、間隔を調整するのみで、そのまま活用する。
【0132】次に、図15は、雌金型32とブランクホル
ダ33との間に挟持される材料17aで絞り加工後にこれら
の間に突出状に残存することになる材料不用部分17a1を
予め切落とすためのシャーリング手段171が設けられた
実施の形態を示している。
【0133】このシャーリング手段171は、図15
(a)(b)に示されるように雄金型31と嵌合して材料
17aを絞り加工する凹状に形成された雌金型32の4隅部
に、シャーリング切断刃172がそれぞれ設けられ、それ
らの受け側のブランクホルダ33の4隅部に、切断受け刃
173がそれぞれ設けられたものである。
【0134】これらの各4隅部に設けられたシャーリン
グ切断刃172および切断受け刃173は、図12に示された
材料拘束手段としての拘束ビード162,163より外側に配
設され、そして、雌金型32とブランクホルダ33の拘束ビ
ード162,163により材料17aを挟持したときに、その拘
束ビード162,163の外側に絞り加工後も残ることになる
材料不用部分17a1を、シャーリング切断刃172と切断受
け刃173とにより図15(c)に示されるように予め切
落とし、絞り加工時の材料17aの周囲からの皺、特に拘
束ビード162,163の外側に突出状に残存する材料不用部
分17a1からの皺の発生を予め防止する。
【0135】すなわち、図15(c)、(d)に示され
るように、拘束ビード162,163の外側に突出状に残存す
る材料不用部分17a1は絞り加工時の抵抗になり、成形品
17b1の仕上面精度を低下させる皺の発生原因となるの
で、この材料不用部分17a1をシャーリング手段171によ
り予め切落とすことで、絞り加工時の材料不用部分17a1
からの皺の発生を防止しつつ、絞り加工時の拘束ビード
162,163により材料17aの周縁部を適度な力で拘束する
材料押え効果により、絞り加工時の材料17aの周囲から
の皺の発生を抑え、成形品17bの仕上面精度の低下を防
止する。
【0136】図15(e)は、このような材料不用部分
17a1を予め切落とすシャーリング手段171を備え、かつ
雄金型31、雌金型32およびブランクホルダ33の中央のブ
ロック31c,32c,33cのみを、より長尺なものと組替え
た金型装置(図示せず)を用いて成形された、より長尺
な成形品17c1を示す。
【0137】この図15に示された実施の形態によれ
ば、ブロック間の分割部分が材料17aに作用したときの
仕上面精度の低下を防止する仕上面精度低下防止手段と
しての傾斜分割継目71と、絞り加工時の材料押えと皺の
発生防止のために雌金型32とブランクホルダ33とが材料
17aを挟持する材料固定面に段差状に設けられた材料拘
束手段としての拘束ビード162,163と、この拘束ビード
162,163の外側に設けられ雌金型32とブランクホルダ33
との間に挟持される材料17aで絞り加工後にこれらの間
に突出状に残存する材料不用部分17a1を予め切落とすた
めのシャーリング手段171とを具備した金型装置30は、
ブロック間の分割部分で材料に付く傷や、雌金型32およ
びブランクホルダ33により挟持された材料不用部分17a1
から生じた皺による成形品17b1または17c1の仕上面精度
の低下が防止され、仕上面精度が相乗的に向上される。
【0138】次に、図1乃至図15に示された実施の形
態は、雄金型31を下金型とし、雌金型32を上金型とした
金型装置30であるから、下側の雄金型31と上側の雌金型
32とにより成形品17bが下向き開口状に絞り加工される
ので、この成形品17bを、そのままの姿勢で雄金型31と
雌金型32との間から取出してトリム処理位置に移送し、
反転させることなくそのままの姿勢で、成形品17bの周
囲不用部分を除去する。
【0139】すなわち、図16(a)に示されるよう
に、前記材料不用部分17a1が切落とされた下向き開口状
の成形品17b1を、そのままの姿勢で雄金型31と雌金型32
との間から取出してトリム処理位置に移送し、反転させ
ることなくそのままの姿勢で、数値制御式のNCレーザ
切断機174により成形品17b1の周囲をレーザ切断して、
カウンタウエイトに用いられる外装板17b2と、周囲不用
部分17b3とに分断し、そのトリム処理後の外装板17b2
と、図16(b)に示されるフロントサブアセンブリ部
材17b4とを、図16(c)に示されるように組合わせ
て、カウンタウエイトアセンブリ17b5を完成させること
ができる。
【0140】次に、図17(a)、(b)に示される金
型装置30aは、雄金型31を上金型とし、雌金型32を下金
型としたものである。このように、下側に位置する金型
が雌金型32である場合は、この雌金型32において、前記
エアベアリング131と、前記ブロック移動機構133とを設
けるようにする。
【0141】また、図17(a)、(b)は、前記仕上
面精度低下防止手段の他の実施の形態を示し、仕上面精
度低下防止手段として、雄金型31における各ブロック31
a・31c,31c・31b間の分割継目175,175およびブランクホ
ルダ33における各ブロック33a・33c,33c・33b間の分割継
目176,176に対し、雌金型32の各ブロック32a・32c,32c
・32b間の分割継目177,177をオフセットしたオフセット
分割継目178を具備した例であり、雄金型31およびブラ
ンクホルダ33の分割継目間の幅よりも、雌金型32の分割
継目間の幅を広く形成したものである。
【0142】そして、このオフセット分割継目178は、
雄金型31側の各ブロック31a・31c,31c・31b間の分割継目
175,175と、雌金型32側の各ブロック32a・32c,32c・32b
間の分割継目177,177とをずらすことにより、これらの
対向するブロック間の分割継目が相互に及ぼす影響を少
なくし、例えば雌金型32のブロック32cが雄金型31側へ
位置ずれしようとしても、それを雄金型31の全ブロック
31a,31b,31cにより係止して防止するから、図17
(c)、(d)に示される成形品17bの表面に分割継目1
77,177が付ける傷を軽減できる。
【0143】図17(e)は、上金型である雄金型31、
下金型である雌金型32およびブランクホルダ33の中央の
ブロック31c,32c,33cのみを、より長尺なものと組替
えた金型装置(図示せず)を用いて成形された、より長
尺な成形品17cを示す。
【0144】次に、雄金型31、雌金型32およびブランク
ホルダ33の組替段取方法をそれぞれ説明する。なお、こ
れらの金型の組替段取は、金型装置30をプレス本体機構
34の外部に取出して行う。
【0145】先ず、雄金型31の組替段取方法は、図6に
示されるように、グレーンなどを用いて雄金型31のプレ
ート31d上からブランクホルダ33を取外し、図5に示さ
れるように雄金型31のプレート31dと各ブロック31a,31
b,31cとをそれぞれ位置決めする位置決めキー90をキー
溝88,89から抜取り、図3に示されるように雄金型31の
プレート31dと各ブロック31a,31b,31cとを固定するボ
ルト91を取外し、次に各ブロック31a,31b,31c間の連
結ボルト81からナット82を取外し、次に図9に示される
ように一側および他側の各ブロック31a,31bに設けられ
た空気溜り凹部137のホース接続管138に給気ホース139
を接続して、空気溜り凹部137に圧縮空気を供給するこ
とで、エアベアリング131を機能させて一側および他側
の各ブロック31a,31bを容易に移動できるようにし、次
に図10(a)および図11に示されるように、ハンド
ル取付ボス149にハンドル151を取付けて雄ねじ145を回
動することで、一側および他側のブロック31a,31bを、
中央のブロック31cから離反する方向へ移動させて、間
隔を広げ、次にクレーンなどを用いて中央のブロック31
cを雄金型31のプレート31d上から取外し、サイズの異な
る別の中央のブロック31cと組替え、次にハンドル151に
より雄ねじ145を回動して中央のブロック31cに対し一側
および他側のブロック31a,31bを寄せ、次に雄金型31の
プレート31dと各ブロック31a,31b,31cの合致するキー
溝88,89に位置決めキー90を打込んで、この位置決めキ
ー90によりプレート31dと各ブロック31a,31b,31cとを
正確に位置決めし、次に各ブロック31a,31b,31cを連
結ボルト81およびナット82の締込みにより連結し、次に
空気溜り凹部137への給気ホース139を取外して空気を抜
き、最後に雄金型31のプレート31dと各ブロック31a,31
b,31cとをボルト91の締込みにより固定する。
【0146】さらに、ブランクホルダ33の組替段取方法
は、雄金型31の組替段取方法と同様に、雄金型31から取
外されたブランクホルダ33のプレート33dと各ブロック3
3a,33b,33c1,33c2とをそれぞれ位置決めする位置決
めキー90をキー溝88,89から抜取り、図3に示されるよ
うにブランクホルダ33のプレート33dと各ブロック33a,
33b,33c1,33c2とを固定するボルト93を取外し、次に
各ブロック33a,33b,33c1,33c2間の連結ボルト81から
ナット82を取外し、次に図11に示されるように空気溜
り凹部142のホース接続管143に給気ホースを接続して空
気溜り凹部142に圧縮空気を供給することでエアベアリ
ング132を機能させ、次に図10(b)および図11に
示されるように、ハンドル取付ボス157にハンドル151を
取付けて雄ねじ154を回動することで、一側および他側
のブロック33a,33bを中央のブロック33c1,33c2から離
反する方向へ移動させて、間隔を広げ、次にクレーンを
用いて中央のブロック33c1,33c2をプレート33d上から
取外し、サイズの異なる別の中央のブロック33c1,33c2
と組替え、次にハンドル151により雄ねじ154を回動して
中央のブロック33c1,33c2に対し一側および他側のブロ
ック33a,33bを寄せ、次に合致するキー溝88,89に位置
決めキー90を打込んで、この位置決めキー90によりブラ
ンクホルダ33のプレート33dと各ブロック33a,33b,33c
1,33c2とを正確に位置決めし、次に各ブロック33a,33
b,33c1,33c2を連結ボルト81およびナット82の締込み
により連結し、次に空気溜り凹部142に接続された給気
ホースを取外して空気を抜き、最後にブランクホルダ33
のプレート33dと各ブロック33a,33b,33c1,33c2とを
ボルト93の締込みにより固定する。
【0147】また、雌金型32の組替段取方法は、図18
に示される金型組替装置181を用いて実施する。
【0148】この金型組替装置181は、図18(a)に
示されるように雌金型32の一側のブロック32aを支持す
る一側の移動体182と、他側のブロック32bを支持する他
側の移動体183と、中央のブロック32cを支持する中央の
移動体184とが、ベース体185の平坦面上にそれぞれ移動
自在に設けられている。
【0149】これらの各移動体182,183,184には、ベ
ース体185と対向する下側部に、椀を伏せた形態の複数
のエアベアリング186がそれぞれ装着され、これらのエ
アベアリング186内にエアコンプレッサより圧縮空気を
供給することで、各移動体182,183,184をベース体185
の平坦面より浮上させるようにして自在に水平移動でき
るようにしたものである。
【0150】さらに、各移動体182,183,184には、雌
金型32の各ブロック32a,32b,32cと対向する上側部
に、各ブロック32a,32b,32cを支持する複数のブロッ
ク支持部187がそれぞれ設けられている。
【0151】そして、図18(a)に示されるように、
各移動体182,183,184の各ブロック支持部187上に雌金
型32の各ブロック32a,32b,32cを載せ、次に図5に示
されるように雌金型32のプレート32dと各ブロック32a,
32b,32cとを固定する全てのボルト92を取外し、次に雌
金型32のプレート32dと各ブロック32a,32b,32cとをそ
れぞれ位置決めする位置決めキー90をキー溝88,89から
取外し、次に雌金型32のプレート32dをクレーン(図示
せず)で吊上げて取除き、次に各ブロック32a,32b,32
c間を固定する連結ボルト81からナット82を取外し、次
に中央のブロック32cにクレーンのワイヤを掛けて吊持
し、次に各移動体182,183,184のエアベアリング186に
圧縮空気を投入して、各移動体182,183,184が小さな
力で移動できるようにする。
【0152】このような状態で、図18(b)に示され
るように右側の移動体183を右側へ移動させて、右側の
ブロック32bを右側へ水平移動し、中央のブロック32cに
対する間隔を広げ、次に中央の移動体184を右側へ移動
させて中央のブロック32cを左側のブロック32aから分離
させた後、クレーンを用いて中央の移動体184上から中
央のブロック32cを吊上げ、次に図18(c)に示され
るように、別サイズの中央のブロック32cと組替え、こ
の組替えたブロック32cを中央の移動体184のブロック支
持部187上に載せて左側のブロック32aに近付け、さらに
右側のブロック32bを中央のブロック32cに近付け、次に
各ブロック32a,32b,32cに複数の連結ボルト81を挿入
して均等に締込み、次に図18(d)に示されるよう
に、各ブロック32a,32b,32c上にプレート32dを載せ、
この雌金型32のプレート32dと各ブロック32a,32b,32c
とをボルト92により仮締めする。次に合致するキー溝8
8,89に位置決めキー90を打込んで、雌金型32のプレー
ト32dと各ブロック32a,32b,32cとを位置決めキー90に
より正確に位置決めし、次に仮締めした全てのボルト92
を増し締めし、最後にエアベアリング186への給気を停
止させる。
【0153】以上のように、油圧式単動深絞り成形プレ
ス機械に組付けられる金型装置30の搬入出を金型搬送チ
ェンコンベア54および金型クランプ機構60により自動化
するとともに、マテハンロボット63により材料17aおよ
び成形品17bの搬入出を自動化した全自動型のプレス機
械を提供する。
【0154】なお、以上の雄金型31、雌金型32およびブ
ランクホルダ33は、図19に示された旋回式作業機械と
しての油圧ショベル11に装着されるカウンタウエイト17
の外装板17b2(図16)を深絞り加工する金型装置30の
例であり、金型装置を複数分割方式としても、外装板17
b2の表面に表われる傷が軽微となり、外観品質を損なう
ことはない。この複数分割方式深絞り金型装置は、カウ
ンタウエイト専用の金型装置に限定されるものではな
く、部分組替可能の金型装置として他分野の成形品にも
広く適用できる。
【0155】また、本金型装置は、複数分割方式の金型
装置として記述したが、組替しないその他の特徴とする
機構は一体型金型装置としても充分に適用できる金型装
置である。
【0156】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、雄金型、
雌金型およびブランクホルダは、組替可能に分割形成さ
れ一体的に結合された複数のブロックをそれぞれ備えて
いるので、一部のブロックのみを組替えることで、その
他のブロックはそのまま活用でき、部分的な組替が可能
の安価な金型装置を提供できる。
【0157】請求項2記載の発明によれば、雄金型、雌
金型およびブランクホルダの各ブロック間の分割部分が
材料に付ける傷を、仕上面精度低下防止手段により軽減
できる。
【0158】請求項3記載の発明によれば、仕上面精度
低下防止手段が、絞り加工される材料の滑り方向に対し
ブロック間に傾斜状に形成された傾斜分割継目であるか
ら、絞り加工中の材料がブロック間の傾斜分割継目に押
付けられても、その材料は、ブロック間の傾斜分割継目
と交差する方向に滑るので、ブロック間の傾斜分割継目
が材料の絞り面に及ぼす影響は少なく、成形品の表面に
傷が付きにくい。
【0159】請求項4記載の発明によれば、仕上面精度
低下防止手段が、雄金型およびブランクホルダにおける
ブロック間の分割継目に対し、雌金型のブロック間の分
割継目をオフセットしたオフセット分割継目であるか
ら、このオフセット分割継目により雄金型側のブロック
間の分割継目と雌金型側のブロック間の分割継目とをず
らすことにより、対向するブロック間の分割継目が相互
に及ぼす影響は少なく、成形品の表面に傷が付きにく
い。
【0160】請求項5記載の発明によれば、雌金型およ
びブランクホルダの材料固定面に設けられた段差状の材
料拘束手段で拘束された材料の周縁部は、絞り加工時に
過度に滑ることがないので、滑りが過ぎる場合の材料に
発生する皺を抑えることができ、皺による成形品の仕上
面精度の低下を防止できる。
【0161】請求項6記載の発明によれば、材料拘束手
段の外側に突出状に残存する材料不用部分は絞り加工時
の抵抗になり、成形品の仕上面精度を低下させる皺の発
生原因となるので、この材料不用部分をシャーリング手
段により予め切落とすことで、絞り加工時の材料の周囲
からの皺の発生を抑え、成形品の仕上面精度の低下を防
止できる。
【0162】請求項7記載の発明によれば、ブロック間
の分割部分が材料に作用したときの仕上面精度の低下を
防止する仕上面精度低下防止手段と、絞り加工時の材料
押えと皺の発生防止のために雌金型とブランクホルダと
が材料を挟持する材料固定面に段差状に設けられた材料
拘束手段と、材料拘束手段の外側に設けられ雌金型とブ
ランクホルダとの間に挟持される材料で絞り加工後にこ
れらの間に突出状に残存する材料不用部分を予め切落と
すためのシャーリング手段とを具備した金型装置は、ブ
ロック間の分割部分で材料に付く傷や、雌金型およびブ
ランクホルダにより挟持された材料不用部分から生じた
皺による成形品の仕上面精度の低下を防止でき、仕上面
精度を相乗的に向上できる。
【0163】請求項8記載の発明によれば、雌金型の材
料固定面と凹部内面との間に位置する凹部開口縁に形成
された円弧状断面部の凹部内面側を傾斜状に切欠いて材
料滑込導入面部を形成したので、円弧状断面部の半径を
十分大きくできない場合でも、その円弧状断面部の凹部
内面側に傾斜状に形成された材料滑込導入面部により、
ブランクホルダで固定された材料の雌金型内への滑込み
を円滑にすることができ、厳しいドロー条件を緩和し
て、材料の絞り面の傷付きを軽減できる。
【0164】請求項9記載の発明によれば、複数のブロ
ック間の位置ずれを防止するためのブロック位置ずれ防
止手段により、ブロック間の位置ずれを防止でき、ブロ
ック間の位置ずれにより成形品の表面に付く傷を防止で
きる。
【0165】請求項10記載の発明によれば、絞り加工
時に、ブランクホルダの案内位置決め凸部材が、雌金型
の案内位置決め凹溝に嵌合して、ブランクホルダと雌金
型のブロック相互間の位置ずれを防止できるとともに、
雌金型との嵌合で間隔収縮方向に力を受けるブランクホ
ルダの両側の案内位置決め凸部材が、雌金型の各ブロッ
クを抱きかかえるように押えるので、絞り加工時に雄金
型からブロック間拡張方向に力を受ける雌金型の各ブロ
ック間の拡張を抑制でき、各ブロック間の拡張による隙
間の発生を抑制でき、隙間の発生が顕著なときに成形品
の表面に付く傷を軽減できる。
【0166】請求項11記載の発明によれば、ブロック
位置ずれ防止手段が、相互に接合する一方のブロックの
分割面に設けられた固定位置決め凸部材と、他方のブロ
ックの分割面に設けられ固定位置決め凸部材と嵌合する
固定位置決め凹部材とを具備したので、固定位置決め凸
部材と固定位置決め凹部材との嵌合により、分割面で相
互に接合するブロック間の位置ずれを防止でき、ブロッ
ク間の位置ずれにより成形品の表面に付く傷を防止でき
る。
【0167】請求項12記載の発明によれば、ブロック
位置ずれ防止手段が、複数のブロックが固定される共通
のプレートと各ブロックとの対向面にそれぞれ設けられ
たキー溝と、これらのキー溝に嵌着された位置決めキー
とを具備しているので、共通のプレートと複数のブロッ
クとを、これらのキー溝に嵌着された位置決めキーによ
り一体化でき、分割面で相互に接合するブロック間の位
置ずれを共通のプレートを介して防止でき、ブロック間
の位置ずれにより成形品の表面に付く傷を防止できる。
【0168】請求項13記載の発明によれば、雄金型・
ブランクホルダ間案内位置決め手段により絞り加工時の
雄金型・ブランクホルダ間の上下動を案内するとともに
位置決めし、また雌金型・ブランクホルダ間案内位置決
め手段により雌金型・ブランクホルダ間の上下動を案内
するとともに位置決めするので、雄金型、ブランクホル
ダおよび雌金型の各金型相互間の上下動を円滑に案内で
きるとともに、その上下動時の雄金型、ブランクホルダ
および雌金型の各金型ブロック相互間の位置ずれを防止
でき、各金型ブロック相互間の位置ずれにより成形品の
表面に傷が付くおそれを防止できる。
【0169】請求項14記載の発明によれば、雄金型お
よびブランクホルダと雌金型との間に搬入された材料を
位置決めするための材料位置決め機構により、材料の搬
入位置が正確でなくても、その材料を正確に位置決めで
きる。
【0170】請求項15記載の発明によれば、雄金型、
ブランクホルダおよび雌金型のうち下側に位置する金型
は、共通のプレートとその上側に位置するブロックとの
間に空気膜を形成してブロックを移動自在としたエアベ
アリングと、このエアベアリングにより移動自在のブロ
ックをブロック間接離方向に移動するブロック移動機構
とを具備しているので、下側に位置する金型の一部ブロ
ックを組替える際は、エアベアリングを機能させて、隣
接するブロックを移動自在の状態にし、ブロック移動機
構により隣接するブロックをプレート上で移動させるこ
とにより、ブロック間を離間させたり接合させる作業を
容易にできる。
【0171】請求項16記載の発明によれば、雄金型を
下金型とし、雌金型を上金型としたので、下側の雄金型
と上側の雌金型とにより下向き開口状に絞り加工された
成形品を、そのままの姿勢で雄金型と雌金型との間から
取出してトリム処理位置に移送し、反転させることなく
そのままの姿勢で、成形品の周囲不用部分を除去でき、
トリム処理を容易にできる。
【0172】請求項17記載の発明によれば、雄金型、
雌金型およびブランクホルダが、旋回式作業機械のカウ
ンタウエイトに用いられる外装板を絞り加工する金型装
置であるので、絞り加工の際に付く傷が少ない成形品に
より、表面精度の高いカウンタウエイトを製作できる。
【0173】請求項18記載の発明によれば、以上の雄
金型、雌金型およびブランクホルダを具備した金型装置
と、雌金型およびブランクホルダの一方を他方に押圧し
て材料を挟圧するとともに雄金型および雌金型の一方を
他方に押圧して材料を絞り加工するプレス本体機構とを
具備したプレス機械であるから、部分的な組替が可能の
安価な金型装置により、プレス機械も安価に構成でき
る。
【0174】請求項19記載の発明によれば、金型装置
をプレス本体機構の外部からプレス本体機構内に搬入す
るとともにプレス本体機構内から外部へ搬出する金型搬
送機構を具備したプレス機械であるから、金型搬送機構
により金型装置をプレス本体機構内に自動的に搬入でき
るとともに搬出でき、作業者の負担を軽減できる。
【0175】請求項20記載の発明によれば、材料を雄
金型およびブランクホルダと雌金型との間に搬入すると
ともに絞り加工後の成形品をこれらの間から搬出するロ
ボットを具備したプレス機械であるから、ロボットによ
り材料を雄金型およびブランクホルダと雌金型との間に
自動的に搬入できるとともに搬出でき、作業能率を向上
できるとともに作業者の負担を軽減できる。
【0176】請求項21記載の発明によれば、金型装置
をプレス本体機構の外部からプレス本体機構内に搬入す
るとともにプレス本体機構内から外部へ搬出する金型搬
送機構と、プレス本体機構に雄金型および雌金型を固定
するとともにその固定を解除可能の金型クランプ機構
と、材料を雄金型およびブランクホルダと雌金型との間
に搬入するとともに絞り加工後の成形品をこれらの間か
ら搬出するロボットとを具備したので、金型搬送機構に
よりプレス本体機構に対する金型装置の搬入出を自動化
でき、金型クランプ機構によりプレス本体機構に対する
金型装置の着脱を自動化でき、ロボットにより材料の搬
入出を自動化できることで、全自動型のプレス機械を提
供できる。
【0177】請求項22記載の発明によれば、ロボット
が、平板状態の材料を吸着支持するための比較的上段に
配列された複数の材料吸着手段と、絞り加工後の成形品
を吸着支持するために変形自在の吊下げ手段により比較
的下段に配列された複数の成形品吸着手段とを有するロ
ボットハンドを具備したので、1台のロボットのロボッ
トハンドにより、比較的上段に配列された材料吸着手段
により材料を搬入できるとともに、変形自在の吊下げ手
段により比較的下段に配列された成形品吸着手段により
絞り加工後の凹凸状の成形品を搬出でき、1台のロボッ
トを効率良く利用できる。
【0178】請求項23記載の発明によれば、プレス本
体機構が、金型装置の長手方向一側および他側に位置す
る支柱と、これらの支柱にそって上下動される金型上下
動部材と、各支柱にそれぞれ設けられたラックと、金型
上下動部材に回転自在に設けられたシャフトの一端部お
よび他端部に一体的に嵌着され各支柱のラックとそれぞ
れ噛合するピニオンとを具備したので、ラック、シャフ
トおよびピニオンにより、偏心荷重を平等に分配するイ
コライザ装置すなわち平衡装置を構成して、偏心荷重が
作用しても金型上下動部材が常に水平状態を保持しなが
ら上下動しうるようにすることができ、質量の大きな金
型装置に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレス機械の一実施の形態を示す
正断面図である。
【図2】同上プレス機械の側断面図である。
【図3】同上プレス機械に装着された金型装置内にマテ
ハンロボットにより材料を搬入する状態を示すプレス機
械の断面図である。
【図4】同上金型装置の雄金型およびブランクホルダと
雌金型とを閉じた状態を示すプレス機械の断面図であ
る。
【図5】本発明に係る金型装置の一実施の形態を示す正
断面図である。
【図6】同上金型装置の分解斜視図である。
【図7】(a)は同上金型装置の雌金型を示す分解斜視
図、(b)はその雌金型の各ブロック間の位置決め手段
の一例を示す断面図、(c)はその位置決め手段の他の
例を示す断面図、(d)はその位置決め手段のさらに別
の例を示す断面図である。
【図8】同上金型装置における雌金型の各ブロック間の
結合状態を示す断面図である。
【図9】同上金型装置における雄金型のエアベアリング
構造を示す断面図である。
【図10】(a)は同上金型装置における雄金型のブロ
ック移動機構を示す平面図、(b)はブランクホルダの
ブロック移動機構を示す平面図である。
【図11】同上金型装置における雄金型およびブランク
ホルダのブロック移動機構を示す断面図である。
【図12】(a)は同上金型装置により材料を絞り加工
した状態を示す断面図、(b)はa図中のb部を拡大し
た断面図、(c)はa図中のc部に形成された材料滑込
導入面部を拡大した説明図である。
【図13】(a)は同上金型装置に材料をセットした材
料クランプ状態を示すプレス機械の断面図、(b)は材
料曲げ起点状態を示すプレス機械の断面図、(c)は材
料曲げ押切り状態を示すプレス機械の断面図、(d)は
材料曲げ完了後の成形品搬出待機状態を示すプレス機械
の断面図である。
【図14】(a)は同上金型装置による材料加工前の状
態を示す金型装置の断面図、(b)はその材料絞り加工
終了時の状態を示す金型装置の断面図、(c)は成形品
の平面図、(d)は成形品の正面図、(e)は組替えら
れた金型装置により成形された他の成形品の正面図であ
る。
【図15】(a)はシャーリング手段を有する金型装置
による材料加工前の状態を示す金型装置の断面図、
(b)はその材料絞り加工終了時の状態を示す金型装置
の断面図、(c)は材料不用部分を切落された成形品の
平面図、(d)はその成形品の正面図、(e)は組替え
られた金型装置により成形された他の成形品の正面図で
ある。
【図16】(a)は絞り加工された成形品をレーザ切断
機によりトリミング処理した状態を示す斜視図、(b)
はカウンタウエイトのフロントサブアセンブリ部材を示
す斜視図、(c)はトリミング処理された部材とフロン
トサブアセンブリ部材とにより構成されたカウンタウエ
イトアセンブリの斜視図である。
【図17】(a)は雄金型を上金型とするとともに雌金
型を下金型とした金型装置による材料加工前の状態を示
す金型装置の断面図、(b)はその材料絞り加工終了時
の状態を示す金型装置の断面図、(c)は成形品の正面
図、(d)は成形品の平面図、(e)は組替えられた金
型装置により成形された他の成形品の正面図である。
【図18】(a)は同上金型装置における雌金型を金型
組替装置に載せた状態を示す正面図、(b)はその雌金
型の各ブロックを分離した状態を示す正面図、(c)は
その中央のブロックを別サイズのものと組替えた状態を
示す正面図、(d)はブロック組替後の雌金型を示す正
面図である。
【図19】カウンタウエイトを装着した油圧ショベルの
側面図である。
【図20】従来の金型を用いた絞り成形工程を示し、
(a)雄金型およびブランクホルダと、雌金型との間に
材料を供給した状態を示す断面図、(b)ブランクホル
ダおよび雌金型によりクランプした材料を雄金型により
成形する状態を示す断面図、(c)雄金型と雌金型とに
よる材料の成形を完了させた状態を示す断面図、(d)
雄金型およびブランクホルダを上昇させるとともに成形
品を解放した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
11 旋回式作業機械としての油圧ショベル 17 カウンタウエイト 17a 材料 17a1 突出状に残存する材料不用部分 17b 成形品 17b2 外装板 30 金型装置 31 雄金型 32 雌金型 33 ブランクホルダ 31a,32a,33a 一側のブロック 31b,32b,33b 他側のブロック 31c,32c,33c1,33c2 中央のブロック 31d,32d,33d プレート 34 プレス本体機構 36 支柱 39 金型上下動部材としての中間フレーム 51 ラック 52 シャフト 53 ピニオン 54 金型搬送機構としての金型搬送チェンコンベア 60 金型クランプ機構 63 ロボットとしてのマテリアルハンドリングロボッ
ト(マテハンロボット) 66a 材料吸着手段 66b 吊下げ手段 66c 成形品吸着手段 71 仕上面精度低下防止手段としての傾斜分割継目 72 ブロック位置ずれ防止手段 73 案内位置決め凸部材 74 案内位置決め凹溝 75 ブロック位置ずれ防止手段 76 固定位置決め凸部材 77 固定位置決め凹部材 87 ブロック位置ずれ防止手段 88,89 キー溝 90 位置決めキー 111 ブロック位置ずれ防止手段としての雄金型・ブラ
ンクホルダ間案内位置決め手段 114 ブロック位置ずれ防止手段としての雌金型・ブラ
ンクホルダ間案内位置決め手段 121 材料位置決め機構 131,132 エアベアリング 133,134 ブロック移動機構 162,163 材料拘束手段としての拘束ビード 164 材料固定面 165 凹部内面 166 円弧状断面部 167 材料滑込導入面部 171 シャーリング手段 175,176,177 分割継目 178 仕上面精度低下防止手段としてのオフセット分割
継目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B21D 22/02 B21D 22/02 C (72)発明者 森本 選三郎 東京都世田谷区用賀四丁目10番1号 新キ ャタピラー三菱株式会社内 (72)発明者 中原 孝喜 兵庫県明石市二見町南二見14番3 株式会 社ナカハラ内 (72)発明者 大久保 剛 兵庫県神戸市北区長尾町宅原字上中41番地 株式会社サンキョー内 Fターム(参考) 4E050 BA02 CA01 CA05 CD04

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸状に形成された雄金型と、 雄金型と嵌合して材料を絞り加工する凹状に形成された
    雌金型と、 雄金型の周囲に嵌合するとともに雌金型と対向して絞り
    加工時の材料の周囲を固定するブランクホルダとを具備
    し、 雄金型、雌金型およびブランクホルダは、組替可能に分
    割形成され一体的に結合された複数のブロックをそれぞ
    れ備えたことを特徴とする金型装置。
  2. 【請求項2】 ブロック間の分割部分が材料に作用した
    ときの仕上面精度の低下を防止する仕上面精度低下防止
    手段を具備したことを特徴とする請求項1記載の金型装
    置。
  3. 【請求項3】 仕上面精度低下防止手段は、 絞り加工される材料の滑り方向に対しブロック間に傾斜
    状に形成された傾斜分割継目であることを特徴とする請
    求項2記載の金型装置。
  4. 【請求項4】 仕上面精度低下防止手段は、 雄金型およびブランクホルダにおけるブロック間の分割
    継目に対し、雌金型のブロック間の分割継目をオフセッ
    トしたオフセット分割継目であることを特徴とする請求
    項2記載の金型装置。
  5. 【請求項5】 絞り加工時の材料押えと皺の発生防止の
    ために雌金型とブランクホルダとが材料を挟持する材料
    固定面に段差状に設けられた材料拘束手段を具備したこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の金型装
    置。
  6. 【請求項6】 材料拘束手段の外側に設けられ雌金型と
    ブランクホルダとの間に挟持される材料で絞り加工後に
    これらの間に突出状に残存する材料不用部分を予め切落
    とすシャーリング手段を具備したことを特徴とする請求
    項5記載の金型装置。
  7. 【請求項7】 ブロック間の分割部分が材料に作用した
    ときの仕上面精度の低下を防止する仕上面精度低下防止
    手段と、 絞り加工時の材料押えと皺の発生防止のために雌金型と
    ブランクホルダとが材料を挟持する材料固定面に段差状
    に設けられた材料拘束手段と、 材料拘束手段の外側に設けられ雌金型とブランクホルダ
    との間に挟持される材料で絞り加工後にこれらの間に突
    出状に残存する材料不用部分を予め切落とすためのシャ
    ーリング手段とを具備したことを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか記載の金型装置。
  8. 【請求項8】 ブランクホルダと対向する雌金型の材料
    固定面と凹部内面との間に位置する凹部開口縁に形成さ
    れた円弧状断面部と、 円弧状断面部の凹部内面側を傾斜状に切欠いて形成され
    た材料滑込導入面部とを具備したことを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれか記載の金型装置。
  9. 【請求項9】 複数のブロック間の位置ずれを防止する
    ためのブロック位置ずれ防止手段を具備したことを特徴
    とする請求項1乃至8のいずれか記載の金型装置。
  10. 【請求項10】 ブロック位置ずれ防止手段は、 ブランクホルダの長手方向一側および他側より雌金型側
    へ突設され雌金型のブロック間の長手方向位置ずれを規
    制する案内位置決め凸部材と、 これらの案内位置決め凸部材とそれぞれ嵌合する雌金型
    側に設けられた案内位置決め凹溝とを具備したことを特
    徴とする請求項9記載の金型装置。
  11. 【請求項11】 ブロック位置ずれ防止手段は、 相互に接合する一方のブロックの分割面に設けられた固
    定位置決め凸部材と、 他方のブロックの分割面に設けられ固定位置決め凸部材
    と嵌合する固定位置決め凹部材とを具備したことを特徴
    とする請求項9または10記載の金型装置。
  12. 【請求項12】 ブロック位置ずれ防止手段は、 複数のブロックが固定される共通のプレートと各ブロッ
    クとの対向面にそれぞれ設けられたキー溝と、 これらのキー溝に嵌着された位置決めキーとを具備した
    ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか記載の金
    型装置。
  13. 【請求項13】 ブロック位置ずれ防止手段は、 雄金型の外側面とブランクホルダの内側面とに設けられ
    雄金型・ブランクホルダ間の上下動を案内するとともに
    雄金型・ブランクホルダ間を位置決めする雄金型・ブラ
    ンクホルダ間案内位置決め手段と、 雌金型の外側面とブランクホルダの外側面とに設けられ
    雌金型・ブランクホルダ間の上下動を案内するとともに
    雌金型・ブランクホルダ間を位置決めする雌金型・ブラ
    ンクホルダ間案内位置決め手段とを具備したことを特徴
    とする請求項9乃至12のいずれか記載の金型装置。
  14. 【請求項14】 雄金型およびブランクホルダと雌金型
    との間に搬入された材料を位置決めするための材料位置
    決め機構を具備したことを特徴とする請求項1乃至13
    のいずれか記載の金型装置。
  15. 【請求項15】 雄金型、ブランクホルダおよび雌金型
    のうち下側に位置する金型は、 共通のプレートとその上側に位置するブロックとの間に
    空気膜を形成してブロックを移動自在としたエアベアリ
    ングと、 このエアベアリングにより移動自在のブロックをブロッ
    ク間接離方向に移動するブロック移動機構とを具備した
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか記載の金
    型装置。
  16. 【請求項16】雄金型を下金型とし、雌金型を上金型と
    したことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか記載
    の金型装置。
  17. 【請求項17】 雄金型、雌金型およびブランクホルダ
    は、旋回式作業機械のカウンタウエイトに用いられる外
    装板を絞り加工するものであることを特徴とする請求項
    1乃至16のいずれか記載の金型装置。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至17のいずれか記載の雄
    金型、雌金型およびブランクホルダを具備した金型装置
    と、 雌金型およびブランクホルダの一方を他方に押圧して材
    料を挟圧するとともに雄金型および雌金型の一方を他方
    に押圧して材料を絞り加工するプレス本体機構とを具備
    したことを特徴とするプレス機械。
  19. 【請求項19】 金型装置をプレス本体機構の外部から
    プレス本体機構内に搬入するとともにプレス本体機構内
    から外部へ搬出する金型搬送機構を具備したことを特徴
    とする請求項18記載のプレス機械。
  20. 【請求項20】 材料を雄金型およびブランクホルダと
    雌金型との間に搬入するとともに絞り加工後の成形品を
    これらの間から搬出するロボットを具備したことを特徴
    とする請求項18または19記載のプレス機械。
  21. 【請求項21】 金型装置をプレス本体機構の外部から
    プレス本体機構内に搬入するとともにプレス本体機構内
    から外部へ搬出する金型搬送機構と、 プレス本体機構に雄金型および雌金型を固定するととも
    にその固定を解除可能の金型クランプ機構と、 材料を雄金型およびブランクホルダと雌金型との間に搬
    入するとともに絞り加工後の成形品をこれらの間から搬
    出するロボットとを具備したことを特徴とする請求項1
    8乃至20のいずれか記載のプレス機械。
  22. 【請求項22】 ロボットは、 平板状態の材料を吸着支持するための比較的上段に配列
    された複数の材料吸着手段と、 絞り加工後の成形品を吸着支持するために変形自在の吊
    下げ手段により比較的下段に配列された複数の成形品吸
    着手段とを有するロボットハンドを具備したことを特徴
    とする請求項20または21記載のプレス機械。
  23. 【請求項23】 プレス本体機構は、 金型装置の長手方向一側および他側に位置する支柱と、 これらの支柱にそって上下動される金型上下動部材と、 各支柱にそれぞれ設けられたラックと、 金型上下動部材に回転自在に設けられたシャフトの一端
    部および他端部に一体的に嵌着され各支柱のラックとそ
    れぞれ噛合するピニオンとを具備したことを特徴とする
    請求項18乃至22のいずれか記載のプレス機械。
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