JP2003093804A - 汚濁廃水および汚泥の浄化処理剤 - Google Patents

汚濁廃水および汚泥の浄化処理剤

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JP2003093804A
JP2003093804A JP2001288072A JP2001288072A JP2003093804A JP 2003093804 A JP2003093804 A JP 2003093804A JP 2001288072 A JP2001288072 A JP 2001288072A JP 2001288072 A JP2001288072 A JP 2001288072A JP 2003093804 A JP2003093804 A JP 2003093804A
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wastewater
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English (en)
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Hiroaki Nakagawa
広章 中川
Kihachi Ogaki
喜八 大柿
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Nitto Kako Service Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kako Service Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の凝集剤は廃水中の浮遊懸濁物質(SS)の凝
集分離を目的としているが、充分な凝集効果を有してい
るとはいえない。また、pH依存性があり、処理に際し
pH調整が必要な場合がある。従って、廃水中のSSを
凝集処理した後、分離水を放流するに際し、再度pH調
整を必要とする場合がある。さらに、凝集剤でSSを凝
集分離し、これを脱水し、固形化した汚泥は、水に溶解
し易く、また重金属が固定されておらず再溶出するなど
の問題点が多くあった。 【解決手段】結晶性のアルミノケイ酸塩、ナトリウム
塩、アルミニウム塩及び金属酸化物からなる汚濁廃水お
よび汚泥の浄化処理剤並びにゼオライト、硫酸カリウム
アルミニウム、炭酸ナトリウム、二酸化珪素、酸化アル
ミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄及び酸化マグネシウ
ムからなる汚濁廃水および汚泥の浄化処理剤を提供する
にいたった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種工場廃水、下
水道汚濁廃水および土木廃水、浄化槽汚泥および下水処
理汚泥、さらには湖、沼、池、河川などの底質汚泥に含
まれる浮遊懸濁物質を凝集分離すると同時に重金属類や
溶存汚濁物質を吸着、固定、分離するための汚濁廃水お
よび汚泥の浄化処理剤に関するものである。
【0002】
【従来技術】汚濁廃水の浄化処理剤としては、従来から
無機系および有機系の各種凝集剤が使用されてきた。無
機系凝集剤としては、硫酸アルミニウムポリ塩化アルミ
ニウム(PAC)、アルミン酸ナトリウム(NaAlO
2)、硫酸鉄(FeSO4・7H2O)、塩化鉄(FeC
3・6H2O)などのアルミニウム化合物や鉄化合物あ
るいは生石灰、消石灰などが用いられている。また、有
機高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド、アルギ
ン酸ナトリウムなどが用いられている。
【0003】上述のような従来の無機系および有機系の
凝集剤は、いずれも廃水中の浮遊懸濁物質(SS)の凝
集分離を主目的としているが、50,000ppm程度のSSを
除去できる程度であり、充分な凝集効果を有していると
はいえない。また、従来の凝集剤はpH依存性があり、
処理剤により適正なpHが異なり、処理に際してpH調
整が必要な場合がある。例えば、2価または3価の鉄塩
が凝集剤として使用される場合の最適pHは6〜8程度
であり、さらにポリアクリルアミド系は、pHにより曇
点があり、温度にも曇点(60℃)がある。また、硫酸
アルミニウムの場合は、凝集剤として有効に作用するに
はアルカリ分が必要であり、pH4〜5では重合水酸化
アルミニウムイオンが生成される。しかも、添加量が多
すぎると廃水中で負に帯電しているSSのコロイド粒子
の表面電荷が逆転してしまい分散する。つまり、硫酸ア
ルミニウムによる凝集作用は負電荷のコロイド粒子を吸
着して正荷電で中和するものであるが、過剰に吸着する
とSSのコロイド粒子が正荷電を帯びて反発して分散し
てしまい、凝集効果を発揮できない。
【0004】さらに、従来の無機系凝集剤の場合、廃水
中のSSを凝集処理した後、分離水を放流する際には、
pH調整を必要とする場合がある。例えば、硫酸アルミ
ニウムは水中のアルカリ分を消費することから、水のp
Hを低下させる。無機系凝集剤の中でも、ポリ塩化アル
ミニウム(PAC)の場合は、水のpHをあまり変化さ
せない優れたものであるが、ポリ塩化アルミニウムは水
に溶解して使用され、SSを吸着架橋するので、凝集分
離した汚泥の含水率が高く、処理後の脱水汚泥の水切り
が必要となる。
【0005】また、有機系の凝集剤についても、酸性領
域用、中性領域用、アルカリ領域用にそれぞれ適するよ
うに調整されているが、無機系凝集剤と同様にSSを凝
集分離した後の分離水を放流する際には、pH調整を必
要とする場合がある。さらに、上述のような、従来の無
機系または有機系の凝集剤でSSを凝集分離し、これを
脱水し、固形化した汚泥は、水に溶解し易く、また重金
属が固定されておらず再溶出するなどの問題点が多くあ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の無機系または有機系の凝集剤を用いた汚濁廃水や
汚泥の処理における問題点に鑑み、高濃度のSSでも充
分に凝集し、沈殿させることが可能であり、また、pH
に関係なく汚濁廃水や汚泥中のSSや重金属などを凝
集、沈殿させることができ、しかも分離水の放流の際に
pH調整する必要がなく、処置後に分離された脱水汚泥
の脱水率が高く、即ち含水率が低く、廃棄物の量を低減
でき、且つ脱水し、固形化した汚泥は、水に溶解しにく
く、重金属などが再溶出することがない浄化処理剤を提
供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
における問題点を解決すべく鋭意研究した結果、結晶性
のアルミノケイ酸塩、ナトリウム塩、アルミニウム塩お
よび金属酸化物からなる汚濁廃水および汚泥の浄化処理
剤を提供するにいたった。すなわち、結晶性のアルミノ
ケイ酸塩、ナトリウム塩、アルミニウム塩および金属酸
化物からなることを特徴とする汚濁廃水および汚泥の浄
化処理剤であって、結晶性のアルミノケイ酸塩がゼオラ
イト(xAl23ySiO2)であり、ナトリウム塩が
炭酸ナトリウム(Na2CO3)であり、アルミニウム塩
が硫酸アルミニウム[Al2(SO43]、塩化アルミ
ニウム(AlCl3)および硫酸カリウムアルミニウム
[KAl2(SO42]のいずれか1種または2種以上
であり、金属酸化物が二酸化珪素(SiO2)、酸化ア
ルミニウム(Al23)、酸化カルシウム(CaO)、
酸化鉄(Fe23)および酸化マグネシウム(MgO)
のいずれか1種または2種以上であることが、好まし
い。
【0008】本発明の第二は、ゼオライト(xAl23
ySiO2)、硫酸カリウムアルミニウム[KAl2(S
42]、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、二酸化珪素
(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化カ
ルシウム(CaO)、酸化鉄(Fe23)および酸化マ
グネシウム(MgO)からなることを特徴とする汚濁廃
水および汚泥の浄化処理剤であって、ゼオライトの含有
量は15乃至45重量%が好ましく、硫酸カリウムアル
ミニウムの含有量は5乃至25重量%が好ましく、炭酸
ナトリウムの含有量は10乃至30重量%が好ましく、
二酸化珪素の含有量は5乃至40%が好ましく、酸化ア
ルミニウムの含有量は3乃至25%が好ましく、酸化カ
ルシウムの含有量は5乃至30%が好ましく、酸化鉄の
含有量は1乃至7重量%が好ましく、酸化マグネシウム
の含有量は1乃至5重量%が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明にいう浄化用処理剤とは、
各種工場廃水、下水道汚濁廃水および土木廃水、浄化槽
汚泥および下水処理汚泥、さらには湖、沼、池、河川な
どの底質汚泥に含まれる浮遊懸濁物質(SS)を凝集分
離する薬剤および同時に重金属類や溶存汚濁物質を吸
着、固定、分離するための汚濁廃水および汚泥を浄化処
理する薬剤をいう。従来の汚濁廃水の浄化処理剤として
は、無機系凝集剤として硫酸アルミニウムポリ塩化アル
ミニウム(PAC)、アルミン酸ナトリウム(NaAlO
2)、硫酸鉄(FeSO4・7H2O)、塩化鉄(FeC
3・6H2O)などのアルミニウム化合物、鉄化合物あ
るいは生石灰、消石灰などを、有機高分子凝集剤として
ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウムなどを、例
示することができる。
【0010】本発明にいうゼオライトは、3次元網目構
造をもつテクトアルミノケイ酸塩であって、その化学構
造はケイ素(Si)とその回りに存在する4個の酸素
(O)がsp3混成軌道を形成することによって結合した
ケイ素四面体と、この四面体のケイ素にかわってアルミ
ニウムが置換したアルミニウム四面体(4配位アルミニ
ウム)とを主な構成要素としており、これらの四面体ど
うしが4つの頂点を共有するように連結した形に組み立
てられている。化学組成の一般式はxAl23ySiO
2である。多孔質の構造中には、加熱や脱気により容易
に脱水する弱く保持された水を含む。低温で脱水したゼ
オライトはガスの選択的な吸着性があり、分子篩とな
る。また、多くは陽イオン交換能をもっている。この交
換能は4配位アルミニウムの位置にAlとOの電気的ア
ンバランスに基づく永久的負電荷が発生するためであ
る。交換容量がpHに殆ど依存しないことからゼオライ
トは安定した陽イオン交換体となる。ゼオライトは天然
産の天然ゼオライトや触媒などに使う高純度の合成ゼオ
ライトのほか、石炭灰などの廃棄物から得られる人工ゼ
オライトがある。ゼオライトの含有量は、15〜45重
量%が好ましく、20〜30重量%がより好ましい。ゼ
オライトの含有量が15重量%未満であれば、ラジカル
反応が弱くなり、重金属の吸着率が低下し、45重量%
を超えるとエトリンガイト反応が弱くなる。ここでエト
リンガイト反応とは、アルミン酸カルシウムが含水泥状
物中の水との水和反応により水中に溶出してくる硫酸カ
ルシウムと反応し、エトリンガイト(ettringite:Ca
6Al2(SO43(OH)2・26H2O)やケイ酸カルシ
ウム水和物が生成する反応をいう。
【0011】本発明に用いる硫酸アルミニウムカリウム
[KAl2(SO42]は、常温では 十二水塩が最も
普通に得られ、ミョウバン、カリミョウバン、カリウム
ミョウバンなどと呼ばれるものであって、Al3+イオン
の性質を利用してコロイド凝結剤として使用されてい
る。硫酸アルミニウムカリウムの含有量は、5〜25重
量%が好ましく、10〜20重量%がより好ましい。硫
酸アルミニウムカリウムの含有量が5重量%未満であれ
ば、塩基の発生が低下し、ケイ酸塩による沈殿作用が発
揮されがたくなり、25重量%を超えると過電位にな
り、沈殿後汚泥のポゾラン反応が充分に発揮できなくな
る。ここでポゾラン反応とは、ポゾランや酸性白土のよ
うに無定形のシリカを主成分とし、可溶性の二酸化珪素
や酸化アルミニウムを含み、水中の水酸化カルシウムと
反応し、不溶性のCa−Si−H2Oゲルや Ca−A
l−H2Oゲルを生成する反応をいう。
【0012】本発明に用いる炭酸ナトリウムの含有量
は、10〜30重量%が好ましく、15〜25重量%が
より好ましい。炭酸ナトリウムの含有量が10重量%未
満であればナトリウム塩が少なく、沈殿の発生が遅れ
る。また、炭酸ナトリウムが30重量%を超えると中和
作用が過剰になり、pHが上昇する。
【0013】本発明に用いる二酸化珪素の含有量は、5
〜40重量%が好ましく、20〜30重量%がより好ま
しい。二酸化珪素の含有量が5重量%未満であればエト
リンガイト反応は起きず、二酸化珪素が40重量%を超
えるとラジカル反応が弱くなる。
【0014】本発明に用いる酸化アルミニウムは、水中
でコロイド状となり、SSのコロイド粒子間の電位低下
を促して、粒子を崩壊、微粒子化し、疎水性の凝固体を
形成するので、高濃度のSSを凝集、沈殿させることが
可能である。また、処理後に分離された脱水汚泥の脱水
率が高く、すなわち含水率が低く、廃棄物を低減でき
る。しかも、処理後の脱水汚泥が溶解し難く、重金属な
どが再溶出することがない。酸化アルミニウムの含有量
は、3〜25重量%が好ましく、10〜20重量%がよ
り好ましい。酸化アルミニウムの含有量が3重量%未満
であればイオン交換能が弱くなり、25重量%を超える
と過電位になり、凝集力が弱くなる。
【0015】本発明に用いる酸化カルシウムは、水中で
活性シリカとあいエトリンガイト反応となる。その含有
量は5〜30重量%が好ましく、5〜25重量%がより
好ましい。酸化カルシウムの含有量が5重量%未満であ
ればエトリンガイト反応ができなくなり、30重量%を
超えるとラジカル反応が弱くなる。
【0016】本発明に用いる酸化鉄は、乳化作用をも
ち、アルミニウムとともに共沈作用に働き、その含有量
は1〜7重量%が好ましく、1〜2重量%がより好まし
い。酸化鉄の含有量が1重量%未満であれば乳化が難し
く、7重量%を超えると共沈作用が過剰となり、赤茶色
の水になる。
【0017】本発明に用いる酸化マグネシウムの含有量
は、1〜5重量%が好ましく、1〜2重量%がより好ま
しい。酸化マグネシウムの含有量が1重量%未満であれ
ば汚泥の含有率が高くなり、酸化マグネシウムが5重量
%を超えると反応が遅くなる。
【0018】上記各成分の具体的な配合割合は、処理す
る廃水や汚泥中に含まれる重金属類または溶剤、アルコ
ール類、無機物質、有機物質などの含有量により、上記
範囲内で適宜調整することができる。
【0019】本発明の浄化処理剤は、上記の各成分を混
合機で混合・攪拌することにより調製することができ
る。具体的には、例えば、ロッキングミキサーなどの粉
体混合機に所定量の各成分の原料を色素玉とともに投入
し、攪拌混合して色素玉の分散状況から各成分が均一化
したことを確認した後、色素玉を篩などにより除去して
調製する。
【0020】廃水処理に際しては、本発明の浄化処理剤
を廃水中や汚泥中に投入し、乱流攪拌することで、廃水
や汚泥中の汚濁物質を凝集する。本発明の浄化処理剤を
汚濁廃水や汚泥に対して添加して乱流攪拌することによ
り、1〜2分で反応は完了し、汚濁物質は析出凝固し、
攪拌を止めると生成した凝固汚泥は直ちに沈降分離しは
じめ、上澄水と凝固汚泥とが完全に分離し、その界面も
鮮明となる。これにより、廃水や汚泥中に含まれる浮遊
懸濁物質は凝固汚泥として凝集沈殿し、また重金属その
他の有害物質などが凝固汚泥に吸着、固定される。分離
した凝固汚泥は、安定性が極めて高く、再度攪拌しても
崩壊または溶解することがなく、むしろ汚泥密度は増大
する傾向がある。また、経時変化もなく安定性が高い。
また、分離した凝固汚泥は、酸化物を主体とし、しかも
粒状化しているので、極めて脱水性に優れた汚泥構成と
なる。これに対し、従来の有機または無機の凝集剤で形
成された凝固汚泥は水酸化物を主体に構成されているた
め脱水性に欠けている。
【0021】本発明の浄化処理剤の添加量は、廃水の汚
濁濃度や汚泥の含水率にもよるが、通常100〜700
ppm(1m3当たり100〜700g)の範囲内で目
的とする凝集、分離効果を達成することができる。
【0022】上述のような本発明の浄化処理剤は、各種
の汚濁廃水処理法において使用することができる。例え
ば、物理的処理では、スクリーン法、沈殿法、浮上分離
法、濾過法など、物理化学的処理では、凝集沈殿法、加
圧浮上法、活性炭吸着法、イオン交換法、逆浸透法、電
気透析法などの各種高度処理、化学的処理では、pH調整
法、中和法、酸化法、還元法など、生物処理では、活性
汚泥法、生物膜法、ラグーン法などの好気性処理や嫌気
性処理、また、これらの処理法を複数組み合わせて処理
する場合にも使用することができる。例えば、浮遊懸濁
物質の多い廃水処理には凝集沈殿法、懸濁性廃水にはイ
オン交換法、脱窒素を目的として嫌気・好気活性汚泥
法、コロイド粒子の除去には限外濾過法、また芳香族化
合物の除去には活性炭吸着法などに適用される。さらに
は、上記のような廃水処理に伴い発生する汚泥の処理に
も使用することができる。
【0023】例えば、物理的廃水処理法であるスクリー
ン法による処理に先立ち本発明の浄化処理剤を用いるこ
とで、スクリーンの逆洗浄の回数が少なくて済む。ま
た、活性炭吸着法による廃水処理に先立ち、本発明の浄
化処理剤により廃水を処理することで、活性炭の寿命が
伸び、取り替え回数が低減される。また、pH調整法によ
る廃水処理の場合には、本発明の処理剤により処理する
ことで懸濁物質が除去され、且つアルミナ両性イオンの
作用で薬剤の使用量を低減させることができる。また、
イオン交換法の場合には、本発明の浄化処理剤は、ゼオ
ライトのイオン交換能とアルミナ両性イオン交換能によ
る天然無機イオン交換樹脂として作用する。さらに、中
和法、酸化法、還元法においても、本発明の浄化処理剤
による処理を併用すれば、より効果的である。また、脱
窒素を目的とする嫌気、好気活性汚泥法においても、ア
ンモニア窒素が亜硝酸窒素になったものであれば、本発
明の浄化処理剤により沈殿汚泥とともに除去することが
できる。さらに、芳香族化合物の除去に際しても、エマ
ルション化すれば、本発明の浄化処理剤により除去する
ことが可能である。
【0024】上述のような本発明に係る汚濁廃水および
汚泥の処理剤の処理対象となる廃水としては、例えば、
石炭を乾留してコークスを製造する際に副生するシアン
を含むコークス製造廃水、電気メッキの過程で使用する
シアン化合物やクロム化合物などを含有するメッキ工場
廃水、漁網の防汚剤に使用するトリブチル錫を含有する
漁網工場廃水、触媒用水銀として使用するメチル水銀を
含有する有機合成工場廃水、洗浄剤としてテトラクロロ
エチレン、トリクロロエチレンなどの塩素化合物を使用
する半導体工場廃水、クリーニング工場からの廃水な
ど、重金属その他の有害物質を含む各種廃水が挙げられ
る。また、本発明の浄化処理剤は、有機性で濃度が高い
蒸留酒製造工場からの廃水、なめし剤に使用するクロム
などの有害物質を含む有機性のなめし革製造工場からの
廃水、繊維工業からの有機性または無機性の廃水処理な
どにも用いることができる。さらには、塗装工場から排
出される、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂などの合成樹脂、界面活性剤、アセトン、メチルエ
チルケトンなどのケトン類、キシロール、トルエン、プ
ロピレングリコールなどの多価アルコール類、エステル
系化合物、アミル系化合物などを含有する廃水処理にも
用いることができる。
【0025】
【実施例】本発明の詳細を実施例に基づいて説明する
が、本発明の趣旨はこれに限定されるものではない。
【0026】本発明の浄化処理剤の調製方法の1例を次
に示す。 (製造例1)天然ゼオライト(インドネシア産)84k
g(28重量%)、焼ミョウバン[大明化学工業(株)
製、硫酸アルミニウムカリウム:AlK(SO42]3
9kg(13重量%)、炭酸ナトリウム(Na2CO3
45kg(15重量%)、二酸化珪素(SiO2)72
kg(24重量%)、酸化アルミニウム(Al23)3
9kg(13重量%)、酸化カルシウム(CaO)15
kg(5重量%)、酸化鉄(Fe23)3kg(1重量
%)、および酸化マグネシウム(MgO)3kg(1重
量%)からなる300kgの原料をロッキングミキサー
に投入し、これに直径1mmの塩化ビニル樹脂製ビーズ
を色素玉として50ml添加し、2時間混合して色素玉
の均一分散を確認した上で、篩を用いて色素玉を除去し
たものを、浄化処理剤として使用した。
【0027】廃水水質の測定項目および水質測定方法を
表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例1)金属精錬所から排出された廃
水500mlをビーカーに入れ、これに製造例1で製造
した浄化処理剤を100ppm添加し、攪拌棒で1分間
乱流攪拌したのち3分間静置した。静置3分後には、汚
濁物質が沈降分離し、上澄液は透明になった。この上澄
水を1μmメッシュの濾布(分析用)で濾過して沈殿し
た汚泥を分離した。分離した上澄水と原水について、水
質を測定した。この試験を2回行い、結果を表2に示し
た。
【0030】
【表2】
【0031】(実施例2)メッキ工場の3つのラインか
ら排出された廃水500mlに、それぞれ製造例1で製
造した浄化処理剤を200ppm添加し、実施例1と同
様に処理を行い、分離した上澄水と原水について、水質
を測定した。その結果を表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】(実施例3)メッキ工場から排出された廃
水500mlに、製造例1で製造した浄化処理剤を30
0ppm添加し、実施例1と同様に処理を行い、分離し
た上澄水と原水について、水質を測定した。その結果を
表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】(実施例4)メッキ工場から排出された廃
水500mlに、製造例1で製造した浄化処理剤を20
0ppm添加し、実施例1と同様に処理を行い、分離し
た上澄水と原水について、水質を測定した。その結果を
表5に示した。
【0036】
【表5】
【0037】(実施例5)乾電池製造工場から排出され
た廃水500mlに、製造例1で製造した浄化処理剤を
300ppm添加し、実施例1と同様に処理を行い、分
離した上澄水と原水について、水質を測定した。その結
果を表6に示した。
【0038】
【表6】
【0039】(実施例6)金属加工工場(ガス器具製造
工場)から排出された、塗装前の器具の洗浄廃水500
mlに、製造例1で製造した浄化処理剤を300ppm
添加し、実施例1と同様に処理を行い、分離した上澄水
と原水について、水質を測定した。その結果を表7に示
した。
【0040】
【表7】
【0041】(実施例7)金属加工工場(農耕機械製造
工場)から排出された、塗装前の器具の洗浄廃水500
mlに、製造例1で製造した浄化処理剤を150ppm
添加し、実施例1と同様に処理を行い、分離した上澄水
と原水について、水質を測定した。その結果を表8に示
した。
【0042】
【表8】
【0043】(実施例8)金属加工工場(スチール家具
製造工場)から排出された、塗装前のスチール家具の洗
浄廃水500mlに、製造例1で製造した浄化処理剤を
200ppm添加し、実施例1と同様に処理を行い、分
離した上澄水と原水について、水質を測定した。その結
果を表9に示した。
【0044】
【表9】
【0045】(実施例9)金属加工工場(電車車両製造
工場)から排出された、塗装前の電車車両部材の洗浄廃
水500mlに、製造例1で製造した浄化処理剤を15
0ppm添加し、実施例1と同様に処理を行い、分離し
た上澄水と原水について、水質を測定した。その結果を
表10に示した。
【0046】
【表10】
【0047】(実施例10)住宅外壁材製造工場の外壁
材塗装ラインのブースから排出された、塗装廃水500
mlに、製造例1で製造した浄化処理剤を400ppm
添加し、実施例1と同様に処理を行い、分離した上澄水
と原水について、水質を測定した。その結果を表11に
示した。
【0048】
【表11】
【0049】(実施例11)ゴム加硫工場から排出され
た、廃水500mlに、製造例1で製造した浄化処理剤
を300ppm添加し、実施例1と同様に処理を行い、
分離した上澄水と原水について、水質を測定した。その
結果を表12に示した。
【0050】
【表12】
【0051】表2〜表12の結果から明らかなように、
本発明の浄化処理剤によれば、廃水中の汚濁物質が凝
集、沈降分離され、上澄水中のBOD、COD、および
重金属などの汚濁物質の含有量を低減させるとともに、
pHを調製した。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の浄化処理剤によ
れば、汚濁廃水や汚泥中の浮遊懸濁物質(SS)を、水
のpHに関係なく凝集、沈殿させるとともに、水中のC
OD、BOD、窒素、りんなどの含有量を低減させ、ま
た有害金属やPCBなどを吸着、沈降、分離させること
ができ、しかも分離水の放流の際に、pH調整をする必
要がなく、且つ脱水し固形化した汚泥は水に溶解しにく
く、重金属などが再溶出することによる二次公害の恐れ
もない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA03 BA04 BA10 BB06 CA01 CA17 DA03 DA04 DA09 DA17 DA19 DA23 DA30 DA35 4D038 AA08 AB63 AB82 BB18 4D059 AA03 BE00 BE55 BJ01 BK08 DA04 DA08 DA12 DA15 DA16 DA17 DA22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性のアルミノケイ酸塩、ナトリウム
    塩、アルミニウム塩および金属酸化物からなることを特
    徴とする汚濁廃水および汚泥の浄化処理剤。
  2. 【請求項2】結晶性のアルミノケイ酸塩がゼオライト
    (xAl23ySiO 2)であることを特徴とする請求
    項1に記載の汚濁廃水および汚泥の浄化処理剤。
  3. 【請求項3】ナトリウム塩が炭酸ナトリウム(Na2
    3)であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の汚濁廃水および汚泥の浄化処理剤。
  4. 【請求項4】アルミニウム塩が硫酸アルミニウム[Al
    2(SO43]、塩化アルミニウム(AlCl3)および
    硫酸カリウムアルミニウム[KAl2(SO 42]のい
    ずれか1種または2種以上であることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか1項に記載の汚濁廃水および汚泥
    の浄化処理剤。
  5. 【請求項5】金属酸化物が二酸化珪素(SiO2)、酸
    化アルミニウム(Al23)、酸化カルシウム(Ca
    O)、酸化鉄(Fe23)および酸化マグネシウム
    (MgO)のいずれか1種または2種以上であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の汚濁
    廃水および汚泥の浄化処理剤。
  6. 【請求項6】ゼオライト(xAl23ySiO2)、硫
    酸カリウムアルミニウム[KAl2(SO42]、炭酸
    ナトリウム(Na2CO3)、二酸化珪素(SiO2)、
    酸化アルミニウム(Al23)、酸化カルシウム(Ca
    O)、酸化鉄(Fe23)および酸化マグネシウム(M
    gO)からなることを特徴とする汚濁廃水および汚泥の
    浄化処理剤。
  7. 【請求項7】ゼオライト(xAl23ySiO2)の含
    有量が15乃至45重量%、硫酸カリウムアルミニウム
    [KAl2(SO42]の含有量が5乃至25重量%、
    炭酸ナトリウム(Na2CO3)の含有量が10乃至30
    重量%、二酸化珪素(SiO2)の含有量が5乃至40
    %、酸化アルミニウム(Al23)の含有量が3乃至2
    5%、酸化カルシウム(CaO)の含有量が5乃至30
    %、酸化鉄(Fe23)の含有量が1乃至7重量%およ
    び酸化マグネシウム(MgO)の含有量が1乃至5重量
    %からなることを特徴とする請求項6記載の汚濁廃水お
    よび汚泥の浄化処理剤。
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