JP2003092799A - 音響処理装置 - Google Patents

音響処理装置

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JP2003092799A
JP2003092799A JP2001283020A JP2001283020A JP2003092799A JP 2003092799 A JP2003092799 A JP 2003092799A JP 2001283020 A JP2001283020 A JP 2001283020A JP 2001283020 A JP2001283020 A JP 2001283020A JP 2003092799 A JP2003092799 A JP 2003092799A
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宏平 浅田
Tetsunori Itabashi
徹徳 板橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 椅子やヘッドレストに設けられたスピーカに
対する聴取者の頭部の位置が一定でなくても、常に適正
な状態とされた音声を聴取できるようにする音響処理装
置を提供する。 【解決手段】 スピーカSL、SRのスーパーツイータ
により超音波を送信するとともに、この超音波の聴取者
の頭部からの反射波を受信し、この受信結果から検出部
40が、スピーカSL、SRと聴取者の頭部の位置関係
を検出し、この結果に基づいて、CPU50がトランス
オーラルシステムフィルタ部20の各フィルタに供給す
る係数をデータベース60から読み出し各フィルタに供
給し、トランスオーラルシステムフィルタ部20の各フ
ィルタにおける処理をスピーカデバイスと聴取者の頭部
との位置関係に応じて行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、椅子や
ヘッドレストにスピーカが設けられて構成され、聴取者
の頭部の後方側から音声が放音するようにされる音響処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】背もたれ部分にスピーカが設けられた椅
子や、スピーカが設けられたヘッドレスト(頭部支持部
分)を有するリクライニングチェアーなどが提供される
ようになってきている。このように、椅子の背もたれ部
分、あるいは、ヘッドレストにスピーカを設けることに
より、聴取者の耳の近傍にスピーカを設けるようにする
ことができる。
【0003】このように、スピーカが設けられた椅子や
ヘッドレストを用いることにより、聴取者の耳の近傍に
おいて高品位の音声を放音して、聴取者に提供すること
が行なわれるようになってきている。すなわち、ヘッド
ホンなどを用いなくても、聴取者の耳の近傍に位置付け
られるスピーカを通じて、高品位の音声を聴取者が聴取
することができる環境が整えられてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、椅子の背も
たれ部分やヘッドレストにスピーカを設けた場合、聴取
者の耳の近傍において高品位の音声を放音することがで
きるものの、聴取者の耳の後ろ側から直接音声が放音さ
れるために、聴取者の意識が聴取者の後方に惹かれ、聴
取する音楽によっては、違和感を感じたり、いわゆる聞
き疲れが生じたりする場合があると考えられる。
【0005】また、聴取者は、スピーカが設けられた椅
子やヘッドレストを利用する場合、その使用の時々によ
って、スピーカと聴取者の耳との位置関係がまちまちと
なり、いつでも同じ条件で椅子やヘッドレストに設けら
れたスピーカから放音される音声を聴取することは難し
い。
【0006】しかし、椅子やヘッドレストの内部に設け
られたスピーカに対して、聴取者の頭部の位置(耳の位
置)がいつでも同じ位置となるように、強制的に聴取者
の頭部の位置を規制するようにすることは、聴取者のリ
ラックス感を阻害するなど好ましくない。また、頭部を
椅子やヘッドレストに常時接触させているわけではない
ので、スピーカに対して聴取者の頭部の位置を固定する
ようにすること自体が難しい。
【0007】以上のことにかんがみ、この発明は、例え
ば椅子やヘッドレストに設けられたスピーカに対する聴
取者の頭部の位置(耳の位置)が一定でなくても、違和
感なく、常に適正な状態とされた音声を聴取できるよう
にする音響処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明の音響処理装置は、スピーカ
デバイスと、前記スピーカデバイスに供給するようにす
る音声信号に対して、前記音声信号による音声の音像を
所定の位置に定位させるようにする処理を行なう音像定
位処理部と、前記音像定位処理部からの音声信号に対し
て、前記スピーカデバイスに対する聴取者の頭部の位置
に応じた補正処理を行なうようにする補正処理部と、前
記スピーカデバイスに対する聴取者の頭部の位置を検出
する頭部位置検出部と、前記頭部位置検出部からの検出
結果に応じて、前記補正処理部を制御するようにする制
御部とを備えることを特徴とする。
【0009】この請求項1に記載の音響処理装置によれ
ば、スピーカデバイスに供給される音声信号は、音像定
位処理部において、その音声信号による再生音声の音像
が所定の位置に定位するように処理された後、スピーカ
デバイスと聴取者の頭部の位置(聴取者の耳の位置)と
を考慮した補正処理が行なわれ、スピーカデバイスから
放音される音声の音像を所定の位置に定位するようにさ
れる。
【0010】そして、頭部位置検出部により、スピーカ
デバイスに対する聴取者の現実の頭部の位置が検出され
る。この検出結果に基づいて、制御部により補正処理部
が制御され、補正処理部において、聴取者の頭部の位置
に応じた補正処理が音像定位処理後の音声信号に対して
行なわれる。
【0011】これにより、スピーカデバイスと聴取者の
頭部との位置関係が変わった場合にも、音声信号に対し
て行なわれた音像定位の効果を落とすことなく、処理さ
れた音声信号による音声を良好に聴取することができる
ようにされる。
【0012】また、請求項2に記載の発明の音響処理装
置は、請求項1に記載の音響処理装置であって、前記頭
部位置検出部は、超音波を送信する超音波送信手段と、
前記超音波送信手段から送信され、聴取者の頭部により
反射される反射超音波を受信する超音波受信手段と、前
記超音波受信手段による反射超音波の受信の有無、およ
び、前記超音波受信手段により反射超音波を受信した場
合には超音波の速度と超音波を送信してから反射超音波
として受信するまでの時間とに基づいて聴取者の頭部の
前記スピーカデバイスに対する位置を特定する頭部位置
特定手段とからなることを特徴とする。
【0013】この請求項2に記載の音響処理装置によれ
ば、反射超音波の有無と、超音波送信手段から送信され
た超音波が、聴取者の頭部に反射して超音波受信手段に
より受信されるまでの時間と、超音波の速度とに基づい
て、頭部位置特定手段により、スピーカデバイスに対す
る聴取者の頭部の位置が特定され、この特定された聴取
者の頭部の位置に応じて制御部により補正処理部が制御
される。
【0014】このように、スピーカデバイスに対して特
定の位置に設けられる超音波送信手段と超音波受信手段
とを用いることにより、スピーカデバイスと、当該スピ
ーカデバイスを用いて音声を聴取する聴取者の頭部との
位置関係を確実かつ正確に検出し、これに基づき補正処
理部においての補正処理を適正に制御することができる
ようにされる。
【0015】また、請求項3に記載の発明の音響処理装
置は、請求項2に記載の音響処理装置であって、前記超
音波送信手段と、前記超音波受信手段とは、前記スピー
カデバイスの高音域スピーカであることを特徴とする。
【0016】この請求項3に記載の音響処理装置によれ
ば、スピーカデバイスと聴取者の頭部の位置との位置関
係を検出するための超音波送信手段と超音波受信手段と
は、スピーカデバイスの高音域スピーカが用いられる。
すなわち、超音波送信手段と超音波受信手段とは、高音
域スピーカそのものが用いられるようにされる。
【0017】これにより、スピーカデバイスと聴取者の
頭部との位置関係を検出するために、新たに超音波送信
手段と超音波受信手段とを別途設けることなく、既存の
高音域スピーカを超音波送信手段、超音波受信手段とし
て用いて、スピーカデバイスと聴取者の頭部との関係を
検出するようにすることができる。
【0018】また、請求項4に記載の音響処理装置は、
請求項2に記載の音響処理装置であって、前記超音波送
信手段は、左右2チャンネルの前記スピーカデバイスの
高音域スピーカであり、前記超音波受信手段は、所定の
位置に並べられた複数個の超音波感知素子からなるもの
であり、左右2チャンネルのそれぞれの前記高音域スピ
ーカからは、異なる周波数の超音波を送信することを特
徴とする。
【0019】この請求項4に記載の音響処理装置によれ
ば、超音波送信手段として、左右チャンネルのスピーカ
デバイスの高音域スピーカが用いられ、超音波受信手段
としては、例えば超音波送信手段の近傍に複数個が並べ
られていわゆるアレイ構造とされた超音波感知素子が用
いられるようにされる。
【0020】そして、左右チャンネルの高音域スピーカ
のそれぞれからは、周波数の異なる超音波が送信され、
この超音波の聴取者の頭部により反射された反射超音波
を感知した超音波感知素子をも考慮することによって、
スピーカデバイスと聴取者の頭部との位置関係をより正
確に検出することができるようにされる。
【0021】また、請求項5に記載の音響処理装置は、
請求項1に記載の音響処理装置であって、前記頭部位置
検出部は、前記スピーカデバイスを通じて音声を聴取す
るようにしている聴取者の頭部を含む画像を撮像する撮
像手段と、前記撮像手段により撮像された画像を解析
し、前記聴取者の頭部の前記スピーカデバイスに対する
位置を検出する画像解析手段とからなることを特徴とす
る。
【0022】この請求項5に記載の音響処理装置によれ
ば、スピーカデバイスを通じて音声を聴取する位置にあ
る聴取者の頭部を含む画像が撮像手段により撮像され、
この撮像された画像が、画像解析手段により解析され
て、スピーカデバイスと聴取者の頭部との位置関係が検
出するようにされる。
【0023】これにより、スピーカデバイスを通じて音
声を聴取する位置にある聴取者の頭部を含む画像に基づ
いて、スピーカデバイスと聴取者の頭部との位置関係を
正確に検出し、これに応じて補正処理部においての補正
処理を適正に制御することができるようにされる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、この発
明による音響処理装置の一実施の形態について説明す
る。以下に説明する実施の形態においては、例えば、自
動車の座席に設けられるヘッドレスト部(頭部支持部)
や家庭において用いられる椅子のヘッドレスト部にスピ
ーカを搭載して構成する音響処理装置を例にして説明す
る。
【0025】[第1の実施の形態]図1は、この発明が
適用された第1の実施の形態の音響処理装置1を説明す
るためのブロック図であり、図2は、この第1の実施の
形態の音響処理装置が搭載された椅子の外観を説明する
ための図である。この第1の実施の形態の音響処理装置
1は、左右2チャンネルの音声信号を処理することがで
きるものである。
【0026】図1において、ディスク100は、2チャ
ンネルの音声信号を提供するもの(2ch音源(chは
チャンネル略称))である。このディスク100から再
生された左右2チャンネルの音声信号が、この図1に示
す第1の実施の形態の音響処理装置1に供給される。
【0027】このため、この第1の実施の形態の音響処
理装置1は、図1に示すように、2ch音源であるディ
スク100からの左チャンネルの音声信号の供給を受け
付ける左チャンネル入力端子Linと、右チャンネルの
音声信号の供給を受け付ける右チャンネル入力端子Ri
nとを有している。
【0028】そして、図1に示すように、この第1の実
施の形態の音響処理装置1は、音像定位処理フィルタ部
10と、トランスオーラルシステムフィルタ部20と、
ヘッドレスト部30と、頭部位置検出部(以下、単に検
出部という)40と、CPU(Central Pro
cessing Unit)50と、トランスオーラル
システムフィルタ部20用の係数データベース(以下、
単にデータベースという。)60とを備えている。
【0029】ヘッドレスト部30は、図1に示すよう
に、左右2チャンネルのスピーカとして、左スピーカ
(左チャンネルスピーカ)SLと右スピーカ(右チャン
ネルスピーカ)SRとが設けられた部分である。このヘ
ッドレスト部30は、図2に示すように、自動車の座席
や家庭で用いられる椅子などにおいて、使用者の頭部を
支持する部分(頭部支持部)に相当する。
【0030】すなわち、図2に示すように、自動車の座
席やリクライニングシートなどのいわゆる椅子Stは、
大きく分けると、使用者が腰をおろす部分である腰掛部
St1、使用者の背中をもたせかける部分である背もた
れ部St2、使用者の頭部を支持する部分であるヘッド
レスト部St3とからなっている。
【0031】この第1の実施の形態においては、図2に
示すヘッドレスト部St3に相当する部分に、少なくと
も左右2チャンネルのスピーカSL、SRを設けること
によって、図1に示すヘッドレスト部30を構成するよ
うにしている。したがって、このヘッドレスト部30が
設けられた椅子に腰をかけた聴取者(使用者)は、自己
の頭部の斜め後方に位置する左スピーカSL、右スピー
カSRからの放音音声を聴取することになる。
【0032】なお、ヘッドレスト部は、自動車の座席の
ように取り外しが可能なものもあれば、背もたれ部と一
体に形成され、ヘッドレスト部分のみを取り外すことが
できないものもある。後者の場合には、椅子の背もたれ
部分にスピーカが設けられているということもできる。
この第1の実施の形態において、ヘッドレスト部30
は、例えば、椅子の背もたれ部から取り外すことができ
るようにされたものである。
【0033】そして、この第1の実施の形態の音響処理
装置1においては、音声の定位を実際に固定されたスピ
ーカの位置から、仮想的なスピーカの位置にずらすよう
にすることによって、音が聴取者の後頭部付近や聴取者
の耳の後方から聞こえることによる違和感、不快感を除
去するようにしている。
【0034】すなわち、この第1の実施の形態において
は、音像定位処理フィルタ部10、トランスオーラルシ
ステムフィルタ部20とにより、ヘッドレスト部30の
左スピーカSLと右スピーカSRから放音される音声
を、図1、図2において点線で示す左仮想スピーカVS
L、右仮想スピーカVSRの位置から放音されたように
聞こえるようにする。換言すれば、実スピーカSL、S
Rから放音される音声の音像を仮想スピーカVSL、V
SRから放音されたもののように感じるように定位させ
る。
【0035】なお、この第1の実施の形態において、仮
想スピーカVSL、VSRは、左スピーカSL、右スピ
ーカSRから放音される音声を定位させるようにする仮
想位置であり、図1、図2に示すように、ヘッドレスト
部30に対する聴取者の頭部が所定の位置にあるとき
に、当該聴取者の前方方向の所定の位置に設定するよう
にしたものである。
【0036】このように、ヘッドレスト部30の左スピ
ーカSLと右スピーカSRから放音される音声が、左右
の仮想スピーカVSL、VSRが示す位置から放音され
たように定位させることにより、前述もしたように、音
声が聴取者の後頭部付近や聴取者の耳の後方から聞こえ
ることによる違和感、不快感を除去し、自然な音声とし
て聴取者が聴取できるようにしている。
【0037】以下、この第1の実施の形態の音響処理装
置の各部について詳細に説明する。まず、音像定位処理
フィルタ部10を説明するに当たり、音像定位処理の原
理について説明する。図3は、音像定位処理の原理を説
明するための図である。
【0038】図3に示すように、所定の再生音場におい
て、ダミーヘッドDHの位置を聴取者の位置とし、この
ダミーヘッドDHの位置の聴取者に対して、音像を定位
させようとする左右の仮想スピーカ位置(スピーカがあ
るとものと想定する位置)に実際に左実スピーカSP
L、右実スピーカSLRを設置する。
【0039】そして、左実スピーカSPL、右実スピー
カSPRから放音される音声をダミーヘッドDHの両耳
部分において収音し、左実スピーカSPL、右実スピー
カSPRから放音された音声が、ダミーヘッドDHの両
耳部分に到達したときには、どのように変化するか示す
伝達関数(HRTF)を予め測定しておく。
【0040】図3に示すように、この第1の実施の形態
においては、左実スピーカSPLからダミーヘッドDH
の左耳までの音声の伝達関数はM11であり、左実スピ
ーカSPLからダミーヘッドDHの右耳までの音声の伝
達関数はM12であるとする。同様に、右実スピーカS
PRからダミーヘッドDHの左耳までの音声の伝達関数
はM21であり、右実スピーカSPRからダミーヘッド
DHの右耳までの音声の伝達関数はM22であるとす
る。
【0041】そして、図1のヘッドレスト部30につい
て前述したように、聴取者の耳の近傍に位置することに
なるヘッドレスト部30のスピーカSL、SRから放音
する音声の音声信号について、上述のようにして予め測
定した伝達関数を用いて処理し、その処理後の音声信号
による音声を放音するようにする。
【0042】これにより、ヘッドレスト部30のスピー
カSL、SRから放音される音声が、あたかも仮想スピ
ーカ位置(図1、図2において、仮想スピーカVSL、
VSRの位置)から音声が放音されているように聴取者
が感じるように、スピーカSL、SRから放音される音
声の音像を定位させることができる。
【0043】なお、ここでは、伝達関数(HRTF)の
測定を行なう場合にダミーヘッドDHを用いるものとし
て説明したが、これに限るものではない。伝達関数を測
定するための再生音場において、実際に人間を座らせ、
その人間の耳近傍にマイクを置いて音声の伝達関数を測
定してももちろんよい。
【0044】このように、所定の位置に音像を定位させ
るために、予め測定するようにした音声の伝達関数によ
る処理を行なう部分が、図1に示した音像定位処理フィ
ルタ部10である。この実施の形態の音像定位フィルタ
処理部10は、左右2チャンネルの音声信号を処理する
ことができるものであり、図1に示すように、4つのフ
ィルタ11、12、13、14と、2つの加算部15、
16からなるものである。
【0045】フィルタ11は、左入力端子Linを通じ
て供給を受けた左チャンネルの音声信号を伝達関数M1
1で処理するものであり、処理後の音声信号を左チャン
ネル用の加算部15に供給する。また、フィルタ12
は、左入力端子Linを通じて供給を受けた左チャンネ
ルの音声信号を伝達関数M12で処理するものであり、
処理後の音声信号を右チャンネル用の加算部16に供給
する。
【0046】また、フィルタ21は、右入力端子Rin
を通じて供給を受けた右チャンネルの音声信号を伝達関
数M21で処理するものであり、処理後の音声信号を左
チャンネル用の加算部15に供給する。また、フィルタ
22は、右入力端子Rinを通じて供給を受けた右チャ
ンネルの音声信号を伝達関数M22で処理するものであ
り、処理後の音声信号を右チャンネル用の加算部16に
供給する。
【0047】これにより、左チャンネル用の加算部15
からの出力音声信号による音声と、右チャンネル用の加
算部16からの出力音声信号による音声とは、図1、図
2において左仮想スピーカVSL、右仮想スピーカVS
Rから放音されるように、その音像が定位するようにさ
れる。
【0048】しかし、ヘッドレスト部30に設けられた
左スピーカSL、右スピーカSRから放音される音声
は、音像定位処理が施されていても、図1に示すよう
に、実際の再生音場における伝達関数G11、G12、
G21、G22の影響を受けて、再生音声の音像を目的
とする仮想スピーカ位置に正確に定位させることができ
ない場合がある。
【0049】そこで、この第1の実施の形態において
は、トランスオーラルシステムフィルタ部20を用い
て、音像定位処理フィルタ部10からの音声信号に対し
て補正処理を行なうようにすることで、左スピーカS
L、右スピーカSRから放音される音声を、正確に仮想
スピーカ位置の左右の仮想スピーカVSL、VSRから
放音されたように定位させる。
【0050】トランスオーラルシステムフィルタ部20
は、トランスオーラルシステムが適用されて形成された
音声フィルタである。トランスオーラルシステムは、ヘ
ッドホンを用いて音声を厳密に再生するようにする方式
であるバイノーラルシステム方式と同様の効果を、スピ
ーカを用いた場合にも実現しようとする技術である。
【0051】トランスオーラルシステムについて、図1
の場合を例にして説明すると、左スピーカSL、右スピ
ーカSRから放音される音声について、それぞれのスピ
ーカから放音される音声の聴取者の左右それぞれの耳ま
での伝達関数G11、G12、G13、G14の影響を
除去することにより、左スピーカSL、右スピーカSR
から放音される音声を厳密に再生させるようにするもの
である。
【0052】したがって、図1に示すトランスオーラル
システムフィルタ部20は、左スピーカSL、右スピー
カSRから放音されることになる音声について、再生音
場における伝達関数の影響を除去することにより、左ス
ピーカSL、右スピーカSRから放音される音声の音像
を正確に仮想スピーカ位置応じた位置に定位させるよう
にする。
【0053】具体的にトランスオーラルシステムフィル
タ部20は、左スピーカSL、右スピーカSRから聴取
者の左右の耳までの伝達関数の影響を除去するために、
右スピーカSRから聴取者の左右の耳までの伝達関数の
逆関数に応じて音声信号を処理するフィルタ21、2
2,23、24と、加算部25、26を備えたものであ
る。なお、この第1の実施の形態において、フィルタ2
1、22,23、24においては、逆フィルタ特性をも
考慮した処理を行ないより自然な再生音声を放音できる
ようにしている。
【0054】また、詳しくは後述もするように、左スピ
ーカSL、右スピーカSRから聴取者の左右の耳までの
伝達関数は、左右のスピーカSL、SRと聴取者の頭部
の位置(聴取者の耳の位置)によって変わってしまう。
このため、トランスオーラルシステムフィルタ部20の
各フィルタ21、22、23、24のそれぞれには、デ
ータベース60に予め蓄積されている聴取者の頭部の位
置に応じた各フィルタに対するフィルタ係数がCPU5
0を通じてセットすることができるようにされている。
【0055】そして、音像定位処理フィルタ部10の左
チャンネル用の加算部15からの出力音声信号は、トラ
ンスオーラルシステムフィルタ部20の左チャンネル用
のフィルタ21と、右チャンネル用のフィルタ22とに
供給され、また、音像定位処理フィルタ部10の右チャ
ンネル用の加算部16からの出力音声信号は、トランス
オーラルシステムフィルタ部20の左チャンネル用のフ
ィルタ23と、右チャンネル用のフィルタ24とに供給
される。
【0056】各フィルタ21、22、23、24のそれ
ぞれは、CPU50からのフィルタ係数を用いて所定の
処理を行なうものであり、具体的には、前述もしたよう
に、スピーカSL、SRから聴取者の現在の頭部の位置
に応じた伝達関数の逆関数H1n、H2n、H3n、H
4nを用いて、自フィルタに供給された音声信号を処理
する。
【0057】なお、各フィルタ21、22、23、24
で用いられる伝達関数の逆関数H1n、H2n、H3
n、H4nにおいて、nは、聴取者の頭部の位置に応じ
て決まる変数を意味し、n以外の文字であるH1、H
2、H3、H4は、順にフィルタ21、22、23、2
4のおのおのにおいて用いられる関数であることを示し
ている。
【0058】そして、フィルタ21からの出力は、左チ
ャンネル用の加算部25に供給され、フィルタ22から
の出力は、右チャンネル用の加算部26に供給される。
同様に、フィルタ23からの出力は、左チャンネル用の
加算部25に供給され、フィルタ24からの出力は、右
チャンネル用の加算部26に供給される。
【0059】そして、各加算部25、26は、これらに
供給された音声信号を加算し、加算部25は、左スピー
カSLに音声信号を供給し、加算部26は、右スピーカ
SRに音声信号を供給する。これにより、ヘッドレスト
部30のスピーカSL、SRから放音される音声は、再
生音場における現在の聴取者の頭部の位置に応じた伝達
関数の影響が除去され、その音像が正確に左仮想スピー
カVSL、右仮想スピーカVSRから放音された音声の
ように定位させることができるようにしている。
【0060】このように、この第1の実施の形態の音響
処理装置1は、ヘッドレスト部30の近傍の所定の位置
に頭部が位置する聴取者は、ヘッドレスト部30のスピ
ーカSL、SRから放音される音声を仮想スピーカVS
L、VSRから放音されたように聴取することができる
ようにされる。
【0061】したがって、聴取者の頭部の斜め後ろ側に
位置する左スピーカSL、右スピーカSRから放音され
る音声を聴取するにもかかわらず、音声は聴取者の前方
方向から聞こえてくるようにされるので、左スピーカS
L、右スピーカSRから放音される音声が聴取者の後ろ
側に張り付いて聞こえるなどの違和感や不快感を感じる
ことなく、良好に音声を聴取できるようにすることがで
きる。
【0062】しかしながら、前述もしたように、図1に
示した音響処理装置1の場合、仮想スピーカVSL、V
SRが示す仮想スピーカ位置から聴取者の両耳までの位
置関係、および、スピーカSL、SRから聴取者の両耳
までの位置関係が、伝達関数測定時と、システム再生時
(実際に音声を再生して聴取する時)とで大きく変わっ
てしまう場合には、各伝達関数も変わってしまうため、
仮想スピーカ位置への音像の定位の効果が薄くなる。
【0063】この第1の実施の形態の音響処理装置1の
場合には、図1に示すように、ヘッドレスト部30のス
ピーカSL、SLから聴取者の耳までの伝達関数が、伝
達関数G11、G12、G21、G22である位置に聴
取者の頭部がある場合には、当該聴取者は、ヘッドレス
ト部30のスピーカSL、SRから放音される音声を仮
想スピーカVSL、VSRから放音されたかのように聴
取することができる。
【0064】しかし、ヘッドレスト部30のスピーカS
L、SRに対する聴取者の頭部の位置が想定した位置よ
りもずれてしまえば、仮想スピーカ位置にスピーカS
L、SRから放音した音声の音像を定位させるようにす
る仮想スピーカ定位効果が十分には得られない。
【0065】特に、スピーカの放音面に対して平行に上
下方向や左右方向に動いてしまった場合には、スピーカ
の放音面に対して直交する方向に聴取者の頭部が動いた
場合(スピーカに近づくように、あるいは、スピーカか
ら遠ざかるように動いた場合)に比べてその影響は大き
い。
【0066】このため、仮想スピーカ定位の効果を得る
ためには、スピーカに対する聴取者の頭部の位置(耳の
位置)を必ず決まった位置となるようにして、音声を聴
取するか、聴取者の様々な頭部の位置における伝達関数
を測定しておき、その位置に適するような伝達関数や逆
フィルタを通したシステムで音声を再生するようにする
ことが望ましい。
【0067】しかし、当該ヘッドレスト部30を有する
椅子に腰をかけた聴取者の頭部の位置を常にスピーカに
対して所定の位置の保持するようにすることは難しい。
また、保持するようにすることができたとしても、かえ
って聴取者のリラックス感を阻害することにもなりかね
ない。
【0068】そこで、この第1の実施の形態の音響処理
装置1においては、当該音響処理装置1が動作状態にあ
るときには、例えば所定のタイミング毎に、ヘッドレス
ト部30から聴取者の頭部までの距離、位置を測定し、
測定した聴取者の頭部の位置に応じたフィルタ係数をト
ランスオーラルシステムフィルタ部20の各フィルタに
供給することによって、聴取者の頭部の最新の位置に応
じて音像定位処理後の音声信号に対して補正処理を行な
う。
【0069】このようにすることによって、聴取者の頭
部が動くことにより、聴取者の頭部の位置が、ヘッドレ
スト部30、すなわち、スピーカSL、SRに対して変
わってしまった場合でも、仮想スピーカ位置に音像を定
位させるようにする仮想スピーカ定位効果が劣化するこ
とがなく、より自由な姿勢でヘッドレスト部30の左右
のスピーカSL、SRからの音声を聴取することができ
るようにしている。
【0070】そして、この第1の実施の形態の音響処理
装置1においては、ヘッドレスト部30に搭載されたス
ピーカのスーパーツイータを聴取者の頭部の位置検出セ
ンサとして用いるようにしている。近年、再生オーディ
オについてのHiFi指向が進み、可聴周波数帯域以上
の再生性能を持つスピーカを実装することは珍しいこと
ではないため、これを利用するようにしたものである。
【0071】このように、この第1の実施の形態の音響
処理装置1のスピーカSL、SRのスーパーツイータ
は、可聴周波数以上の再生能力を持つものであり、この
構成のスピーカ(スピーカデバイス)を聴取者の頭部の
位置の測定に用いることにより、感圧式などの専用のセ
ンサシステムを搭載しなくても済むように構成したもの
である。
【0072】そして、ヘッドレスト部30のスピーカS
L、SRのスーパーツイータから所定の周波数の超音波
を送信し、この超音波の聴取者の主に頭部からの反射を
ヘッドレスト部30のスピーカSR、SLのスーパーツ
イータを通じて受信し、当該超音波の反射波の受信の有
無や、反射波を受信した場合には、超音波を送信してか
らその反射波を受信するまでにかかった時間、当該時間
と超音波の速度とから得られるスピーカと聴取者との距
離などに基づいて、ヘッドレスト部30に対する聴取者
の頭部の位置を検出する。
【0073】図4は、この第1の実施の形態の音響処理
装置1において行なう聴取者の頭部の位置の検出処理を
説明するための図である。図4に示すように、ヘッドレ
スト部30の左右のスピーカSL、SRのスーパーツイ
ータから40kHzの超音波を送信し、この超音波の使
用者の頭部からの反射波を、同じくヘッドレスト部30
の左右のスピーカSL、SRのスーパーツイータにより
受信する。
【0074】左右のスピーカSL、SRのスーパーツイ
ータからの超音波の送信の制御は、例えばCPU50に
よって制御される。そして、左右のスピーカSL、SR
のスーパーツイータにより受信される超音波は、検出部
40に供給するようにされる。この検出部40におい
て、40kHzの超音波(反射波)の有無や、40kH
zの超音波(反射波)を受信したときには、当該超音波
の送信から受信までにかかった時間、超音波の速度など
からヘッドレスト部30の左右のスピーカSL、SRに
対する聴取者の頭部の位置を検出する。
【0075】すなわち、図4A、Bに示すように、ヘッ
ドレスト部30のスピーカSL、SRのスーパーツイー
タのそれぞれが、同じように送信した超音波の反射波を
同じように受信した場合には、送信から受信までにかか
った時間に応じて、ヘッドレスト部30に対する聴取者
の頭部の位置を検出することができる。
【0076】簡単に言えば、例えば、図4Aに示したよ
うに、超音波の送信から受信までにかかった時間が比較
的に長い場合には、聴取者の頭部は、ヘッドレスト部3
0から比較的に離れた位置に位置していることがわか
る。また、図4Bに示したように、超音波の送信から受
信までにかかった時間が比較的に短い場合には、聴取者
の頭部の位置は、ヘッドレスト部30から比較的に近い
位置に位置していることがわかる。
【0077】また、図4Cに示すように、ヘッドレスト
部30に設けた左右のスピーカSL、SRのスーパーツ
イータから同じように送信した超音波を例えば左スピー
カSLのスーパーツイータのみが受信し、右スピーカS
Rのスーパーツイータは40kHzの超音波を受信しな
かった場合には、聴取者の頭部は、ヘッドレスト部30
に対して左側に片寄っていることがわかる。
【0078】この逆に、ヘッドレスト部30に設けた左
右のスピーカSL、SRのスーパーツイータから同じよ
うに送信した超音波を例えば右スピーカSRのスーパー
ツイータのみが受信し、左スピーカSLのスーパーツイ
ータは40kHzの超音波を受信しなかった場合には、
聴取者の頭部は、ヘッドレスト部30に対して右側に片
寄っていることがわかる。
【0079】このように、検出部40は、左右のスピー
カから送信された超音波の聴取者の頭部からの反射波に
基づいて、ヘッドレスト部30のスピーカSL、SRか
らの距離および左右のオフセット(ずれ分)などがセン
シング可能である。この場合、聴取者の頭部の位置は、
例えば、本来聴取者の頭部が位置すべき基準位置からの
ずれ分(オフセット分)として検出され、これがCPU
50に通知される。
【0080】そして、CPU50は、検出部40からの
聴取者の頭部の位置の検出結果に基づいて、データベー
ス60を参照し、現在の聴取者の頭部の位置に応じたト
ランスオーラルシステムフィルタ部20の各フィルタ2
1から24に供給する係数データを読み出す。
【0081】この第1の実施の形態において、データベ
ース60には、トランスオーラルシステムフィルタ部2
0の各フィルタ21、22、23、24のそれぞれに供
給する係数データであって、ヘッドレスト部30に対す
る聴取者の頭部の位置に応じたデータが記憶されてい
る。
【0082】すなわち、ヘッドレスト部30のスピーカ
SL、SRから放音された音声の聴取者の左右の耳元ま
での伝達関数を、予めヘッドレスト部30に対する聴取
者の頭部の位置をいろいろと変えて測定しておき、この
測定結果に基づいて、トランスオーラルシステムフィル
タ部20の各フィルタ21、22、23、24で用いる
係数データを求め、この求めた係数データと聴取者の頭
部の位置とを対応付けたデータがデータベース60に記
憶するようにされている。
【0083】したがって、データベース60には、聴取
者の頭部の位置が、位置Aにおけるトランスオーラルシ
ステムフィルタ部20のフィルタ21、22、23、2
4のそれぞれで用いられる係数データ、位置Bにおける
トランスオーラルシステムフィルタ部20のフィルタ2
1、22、23、34のそれぞれで用いられる係数デー
タ、…というように、ヘッドレスト部30に対してその
位置を変えるようにした聴取者の頭部の各位置における
フィルタ21、22、23、24で用いる係数データが
記憶されている。
【0084】CPU50は、検出部40からの現在の使
用者の頭部の位置の検出結果に基づいて、トランスオー
ラルシステムフィルタ部20の各フィルタ21、22、
23、24に供給する係数データをデータベース60か
ら読み出し、これをトランスオーラルシステムフィルタ
部20の対応するフィルタに供給する。
【0085】これにより、聴取者の頭部の位置がヘッド
レスト部30に対して動いても、聴取者の実際の頭部の
位置を測定して、その位置に応じて再生音場における伝
達関数の影響を除去するようにトランスオーラルシステ
ムフィルタ部20において、補正処理を行なうことがで
きる。したがって、ヘッドレスト部30の左右のスピー
カSL、SRから放音される音声の音像を聴取者の頭部
の位置にかかわりなく仮想スピーカ位置に定位させるこ
とができる。
【0086】なお、この第1の実施の形態においては、
データベース60には、聴取者の頭部が取り得る各位置
において測定した伝達関数に基づいて、頭部の各位置に
おいて各フィルタにセットする関数を求め、この関数と
頭部の位置とを対応付けて記憶するようにしてもよい。
すなわち、補正に用いる関数自体を頭部の位置に対応付
けてデータベースに記憶しておき、これをトランスオー
ラルシステムフィルタ部の目的とするフィルタにセット
するようにしてもよい。
【0087】また、前述した第1の実施の形態の場合の
ように、例えば、基準位置における伝達関数を測定し、
この基準伝達関数に対する振幅調整用パラメータや遅延
処理用パラメータなどの必要なパラメータを設定してお
き、この基準パラメータを基準にして、検出される聴取
者の頭部の実際の位置に応じ、新たなパラメータを求
め、これを各フィルタに設定するようにしてもよい。
【0088】つまり、1つの伝達関数モデルを設定し、
このモデルに対して聴取者の頭部の位置に応じて調整を
行なうようにすることによって、聴取者の実際の頭部の
位置に応じた補正処理を音声信号に対して行なうように
することもできる。この場合には、基準モデルとして、
基準位置に置けるパラメータを例えばCPUで実行する
プログラム中に保持するようにした場合には、パラメー
タを保持するためのメモリは必要ないし、また、基準パ
ラメータのみをメモリに保持しておくのであれば、大き
な記憶容量のメモリは必要ないことになる。
【0089】なお、上述したように、データベース60
に蓄積され、トランスオーラルシステムフィルタ部20
の各フィルタに供給することになる処理用情報として
は、係数データ、関数データ、パラメータデータなど、
複数種類のものがかんがえられるが、これらは、実際に
音響処理装置に搭載されることになる各フィルタ回路に
応じて用いるようにすればよい。
【0090】また、データベース60は、例えば、RO
MやEEPROMなどの半導体メモリである。なお、デ
ータベース60として、磁気ディスク、光ディスク、光
磁気ディスクなどの記録媒体を用いるようにすることも
できる。
【0091】[第1の実施の形態の変形例]図5は、第
1の実施の形態の音響処理装置の変形例を説明するため
のブロック図である。図5に示すように、この例の音響
処理装置2は、トランスオーラルシステムフィルタ部2
0に変えて、簡易型トランスオーラルシステムフィルタ
部70が搭載されたことを除けば、図1に示した第1の
実施の形態の音響処理装置1と同様に構成されたもので
ある。このため、この図5に示す音響処理装置2におい
て、図1に示した第1の音響処理装置1と同様に構成さ
れる部分には、同じ参照符号を付し、その詳細な説明は
省略する。
【0092】図1、図2、図5に示したように、ヘッド
レスト部30と聴取者の頭部とは通常近接しており、ヘ
ッドレスト部3のスピーカSL、SRは、聴取者の耳に
近いという性質上、スピーカSL、SRから反対側の耳
へのクロストーク成分は、スピーカSL、SRから当該
スピーカに対応する側の耳への音声信号成分よりも格段
に小さい。
【0093】つまり、図1に示した例において、クロス
トーク成分の伝達関数G12、G21は、伝達関数G1
1、G22よりも格段に小さいので、クロストーク成分
の伝達関数G12、G21は無視することができる。こ
のため、クロストーク成分の考慮を通常のトランスオー
ラルシステムから省略することにより、簡略化を図った
ものが、図5に示す簡易型トランスオーラルシステムフ
ィルタ部70である。
【0094】この簡易型トランスオーラルシステムフィ
ルタ部70は、図5に示すように、ヘッドレスト部30
の左スピーカSLから聴取者の左耳までの音声の伝達関
数G1の逆関数で音声信号を処理するフィルタ71と、
右スピーカSRから聴取者の右耳までの音声の伝達関数
G2の逆関数で音声信号を処理するフィルタ72とを備
えたものである。このように、クロストーク成分を無視
するようにした場合であっても、音の定位は仮想スピー
カ位置になることは実験により確認されている。
【0095】そして、簡易型トランスオーラルシステム
フィルタ部70の2つのフィルタ71、72のそれぞれ
には、実際には、後述もするように、再生音場における
聴取者の実際の頭部の位置に応じた関数、あるいは、係
数データが設定するようにされる。
【0096】この場合、データベース60に用意してお
くデータもフィルタ71、72に対するものだけでよい
ので、データベース60に記憶保持しておくデータ量を
少なくすることができる。したがって、データベース6
0として記憶容量の小さなものを用いることができる。
【0097】また、図5に示した音響処理装置2の場合
には、簡易型トランスオーラルシステムフィルタ部70
を用いることにより、音響処理装置の構成を簡単にする
ことができる。
【0098】また、図5に示した音響処理装置の場合に
も、図1に示した第1の実施の形態の音響処理装置1の
場合と同様に、聴取者の頭部の斜め後ろ側に位置する左
スピーカSL、右スピーカSRから放音される音声を聴
取するにもかかわらず、音声は聴取者の前方方向から聞
こえてくるようにされるので、左スピーカSL、右スピ
ーカSRから放音される音声が聴取者の後ろ側に張り付
いて聞こえるなどの違和感や不快感を感じさせずに、良
好に音声を聴取できるようにすることができる。
【0099】[第2の実施の形態]図6は、この発明が
適用された第2の実施の形態の音響処理装置3を説明す
るためのブロック図である。この第2の実施の形態の音
響処理装置は、例えばDVDなどのマルチチャンネルの
メディアからの音声信号を処理することができるもので
あり、この第2の実施の形態においては、5チャンネル
の音声信号を処理することができるものである。
【0100】図6に示すように、この第2の実施の形態
の音響処理装置3は、5チャンネル分の音声信号の入力
端子i1〜i5を備え、例えば、DVDなどのマルチチ
ャンネルの記録媒体からの5チャンネル分の音声信号の
入力を受けることができるものである。そして、図6に
示す音響処理装置3は、ヘッドレスト部30、頭部位置
検出部40、CPU50、データベース60、簡易型ト
ランスオーラルシステムフィルタ部70、音像定位処理
フィルタ部80を備えたものである。
【0101】ヘッドレスト部30は、図1に示した第1
の実施の形態の音響処理装置1、および、図5に示した
第1の実施の形態の変形例の音響処理装置2のヘッドレ
スト部30と同様に構成されたものである。また、簡易
型トランスオーラルシステムフィルタ部70は、図5を
用いて前述した第1の実施の形態の変形例の音響処理装
置2の簡易型トランスオーラルシステムフィルタ部70
と同様に構成されたものである。
【0102】そして、この第2の実施の形態の音響処理
装置3の音像定位処理フィルタ部80は、基本的には、
第1の実施の形態の音響処理装置の音像定位処理フィル
タ部10と同様の原理に基づいて、スピーカから放音さ
れる音声の音像を定位させるものである。
【0103】しかし、図6に示すこの第2の実施の形態
の音響処理装置においては、ヘッドレスト部30の左右
のスピーカSL、SRから放音される音声の音像を、図
6において、点線で示した5つの仮想スピーカVS1〜
VS5から放音されているように定位させるようにして
いる。
【0104】図7は、図6に示した第2の実施の形態の
音響処理装置3の音像定位処理フィルタ部80の原理を
説明するための図である。図7に示すように、所定の再
生音場において、ダミーヘッドDHの位置を聴取者の位
置とし、このダミーヘッドDHの位置の聴取者に対し
て、音像を定位させようとする仮想スピーカ位置(スピ
ーカがあるとものと想定する位置)に実際に実スピーカ
SP1〜SP5を設置する。そして、実スピーカSP1
〜SP5のそれぞれから放音される音声のダミーヘッド
DHの左右それぞれの耳までの伝達関数(HRTF)を
予め測定しておく。
【0105】図7に示すように、この第2の実施の形態
において、実スピーカSP1からダミーヘッドDHの左
耳までの音声の伝達関数はN11であり、実スピーカS
P1からダミーヘッドDHの右耳までの音声の伝達関数
はN12である。また、実スピーカSP2からダミーヘ
ッドDHの左の耳までの音声の伝達関数はN21であ
り、実スピーカSP2からダミーヘッドDHの右の耳ま
での音声の伝達関数はN22である。
【0106】以下同様に、実スピーカSP3からダミー
ヘッドDHの左右それぞれの耳までの音声の伝達関数
は、N31、N32であり、実スピーカSP4からダミ
ーヘッドDHの左右それぞれの耳までの音声の伝達関数
は、N41、N42である。また、実スピーカSP5か
らダミーヘッドDHの左右それぞれの耳までの音声の伝
達関数は、N51、N52である。
【0107】そして、入力端子i1〜i5のそれぞれか
ら入力される音声信号について、図7を用いて説明した
ように、予め測定した対応する伝達関数を用いて処理す
るとともに、簡易型トランスオーラルシステムフィルタ
部70において補正処理し、その処理後の音声信号によ
る音声をヘッドレスト部30の左右のスピーカSL、S
Rに供給し、音声を放音するようにする。
【0108】これにより、ヘッドレスト部30のスピー
カSL、SRから放音される音声が、あたかも図6にお
いて点線で示した仮想スピーカVS1〜VS5が示す位
置から放音されているように視聴者が感じるようにその
音像を定位させることができる。
【0109】このように、音像を定位させるために、予
め測定した音声の伝達関数による処理を行なう部分が、
図6に示した音像定位処理フィルタ部80である。この
実施の形態の音像定位フィルタ処理部80は、前述もし
たように、5チャンネルの音声信号を処理することがで
きるものであり、10個のフィルタ81〜90と、2つ
の加算部91、92とからなるものである。
【0110】フィルタ81は、端子i1を通じて供給を
受けた音声信号を伝達関数N11で処理するものであ
り、処理後の音声信号を左チャンネル用の加算部91に
供給する。また、フィルタ82は、端子i2を通じて供
給を受けた音声信号を伝達関数N12で処理するもので
あり、処理後の音声信号を右チャンネル用の加算部92
に供給する。
【0111】フィルタ83は、端子i2を通じて供給を
受けた音声信号を伝達関数N21で処理するものであ
り、処理後の音声信号を左チャンネル用の加算部91に
供給する。また、フィルタ84は、端子i2を通じて供
給を受けた音声信号を伝達関数N22で処理するもので
あり、処理後の音声信号を右チャンネル用の加算部92
に供給する。
【0112】フィルタ85は、端子i3を通じて供給を
受けた音声信号を伝達関数N31で処理するものであ
り、処理後の音声信号を左チャンネル用の加算部91に
供給する。また、フィルタ86は、端子i3を通じて供
給を受けた音声信号を伝達関数N32で処理するもので
あり、処理後の音声信号を右チャンネル用の加算部92
に供給する。
【0113】フィルタ87は、端子i4を通じて供給を
受けた音声信号を伝達関数N41で処理するものであ
り、処理後の音声信号を左チャンネル用の加算部91に
供給する。また、フィルタ88は、端子i4を通じて供
給を受けた音声信号を伝達関数N42で処理するもので
あり、処理後の音声信号を右チャンネル用の加算部92
に供給する。
【0114】フィルタ89は、端子i5を通じて供給を
受けた音声信号を伝達関数N51で処理するものであ
り、処理後の音声信号を左チャンネル用の加算部91に
供給する。また、フィルタ90は、端子i5を通じて供
給を受けた音声信号を伝達関数N52で処理するもので
あり、処理後の音声信号を右チャンネル用の加算部92
に供給する。
【0115】これにより、左チャンネル用の加算部91
からの出力音声信号による音声と、右チャンネル用の加
算部92からの出力音声信号による音声とは、図6にお
いて点線で示した仮想スピーカVS1〜VS5の位置か
ら放音されるように音像が定位するようにされる。
【0116】そして、この第2の実施の形態の音響処理
装置3の場合にも、第1の実施の形態の音響処理装置
1、2の場合と同様に、ヘッドレスト部30に設けられ
た左スピーカSL、右スピーカSRから放音される音声
は、音像定位処理が施されていても、実際の再生音場に
おける伝達関数の影響を受けて、再生音声の音像を目的
とする仮想スピーカ位置に定位させることができない場
合があると考えられる。
【0117】そこで、この第2の実施の形態の音響処理
装置3においても、クロストーク成分を考慮しない簡易
型のトランスオーラルシステムフィルタ部70を用いる
ことによって、ヘッドレスト部30の左右のスピーカS
L、SRから放音される音声の音像が、正確に各仮想ス
ピーカVS1〜VS5の各位置に定位するようにしてい
る。
【0118】このように、DVDなどのマルチチャンネ
ルの音源を持つメディアも普及してきているが、この第
2の実施の形態の音響処理装置3のように、5チャンネ
ルの音声信号を処理できるようにしておくことによっ
て、ヘッドレスト部30の2つのスピーカSL、SRを
通じて、仮想的な5チャンネルの音像を得て、迫力ある
再生音声を楽しむことができる。
【0119】また、聴取者の頭部が動くことにより、ヘ
ッドレスト部30に対する聴取者の頭部の位置が変わっ
た場合であっても、前述した第1の実施の形態の音響処
理装置1、2の場合と同様に、ヘッドレスト部30に対
する聴取者の頭部の位置を検出し、その位置に応じて簡
易型トランスオーラルシステムフィルタ部70のフィル
タ71、72の関数やパラメータを変更することによ
り、ヘッドレスト部30の左右のスピーカSL、SRか
ら放音される音声を仮想スピーカ位置に定位させること
ができる。
【0120】すなわち、この第2の実施の形態において
も、第1の実施の形態の音響処理装置1、2の場合と同
様に、ヘッドレスト部30の左右のスピーカSL、SR
のスーパーツイータから超音波を送信し、この送信した
超音波の聴取者の頭部からの反射波をスーパーツイータ
が受信し、これに基づいて、検出部40が、聴取者の頭
部の位置を検出し、その位置における伝達関数の影響を
除去するように簡易型トランスオーラルシステムフィル
タ部70で補正処理することにより音像を所定の仮想ス
ピーカ位置に定位させることができる。
【0121】なお、この第2の実施の形態においては、
簡易型トランスオーラルシステムフィルタ部70を用い
るようにしたが、図1に示した第1の実施の形態の音響
処理装置1の場合と同様に、クロストーク成分をも考慮
したトランスオーラルシステムフィルタ20を用いるよ
うにしてもよい。
【0122】また、図2、図4、図5に示した音響処理
装置の全部をヘッドレスト部30側に設けるようにする
ことにより、前述した第1の実施の形態の音響処理装置
のヘッドレスト部30のように、ヘッドレスト部を背も
たれ部から取り外しが可能なように構成することによっ
て、当該ヘッドレスト部を他の椅子の背もたれ部に装着
するようにした場合にも、常時所定の位置に音像を定位
させ、良好に音声の聴取ができるようにすることができ
る。
【0123】また、左右のスピーカ以外の各部からなる
アダプタを構成し、このアダプタと、スピーカを設けた
ヘッドレスト部とにより、この発明による音響処理装置
を構成するようにすることもできる。また、左右のスピ
ーカSL、SR以外の各部を、例えば、椅子の背もたれ
部に設けたり、音声信号の再生機器側に設けたりするこ
とにより、この発明の音響処理装置を構成することもで
きる。
【0124】なお、前述した第1、第2の実施の形態の
音響処理装置においては、ヘッドレスト部30に搭載さ
れたスピーカSL、SRのスーパーツイータを聴取者の
頭部の位置を検出するための超音波の送信部として、ま
た、送信された超音波が聴取者の頭部にあって戻ってく
る反射波を受信するための受信部として用いるようにし
た。
【0125】したがって、超音波の送信部、受信部とも
新たに設ける必要がないので、比較的に安価に、聴取者
の頭部の位置を検出する機能を搭載した音響処理装置を
実現することができる。
【0126】そして、前述した第1、第2の実施の形態
の場合には、ヘッドレスト部30に対する聴取者の頭部
の位置を、常に、あるいは、随時に測定し、その測定し
た位置に応じた伝達関数に応じた補正処理(トランスオ
ーラル処理)することで、従来のような聴取者の頭部の
測定位置と聴取位置の不正合による仮想スピーカ定位効
果の不足の状態を避け、聴取者の頭部の位置に左右され
ることなく、第1の実施の形態のように音像の前方定位
や第2の実施の形態のように音像の全周囲定位などの効
果を実現することができる。
【0127】[第3の実施の形態]ところで、より高品
位の音声の提供が可能な音響処理装置を実現するため
に、ヘッドレスト部に対する聴取者の頭部の位置の検出
精度を上げ、音声信号に対するトランスオーラルシステ
ムによる補正処理をより厳密に行なえるようにしたいと
する要求がある。
【0128】そこで、この第3の実施の形態の音響処理
装置においても、聴取者の頭部の位置を検出するための
超音波を、前述した第1、第2の実施の形態の音響処理
装置の場合と同様に、ヘッドレスト部30に設けられた
スピーカSL、SRのスーパーツイータから送信する。
【0129】しかし、この第3の実施の形態の音響処理
装置においては、送信された超音波の反射波は、ヘッド
レスト部30、あるいは、その近傍に設ける複数個の超
音波受信素子によって受信するようにし、より精度よく
聴取者の頭部の位置を検出できるようにしたものであ
る。
【0130】図8は、この第3の実施の形態の音響処理
装置4を説明するためのブロック図である。図8に示す
ように、この第3の実施の形態の音響処理装置4は、左
右2チャンネルのスピーカSL、SRと、複数個の超音
波受信素子とが設けられたヘッドレスト90と、複数個
の受信素子からの検出出力を受け付ける頭部位置検出部
40A以外は、図1に示した第1の実施の形態の音響処
理装置と同様に構成されたものであるこのため、図8に
示す第3の実施の形態の音響処理装置4において、図1
に示した第1の実施の形態の音響処理装置1と同様に構
成される部分には、第1の実施の形態の音響処理装置1
と同様の参照符号を付し、その部分の説明は省略するこ
とにする。
【0131】そして、上述もしたように、図8に示すこ
の第3の実施の形態の音響処理装置4の場合には、ヘッ
ドレスト部90に、6つの超音波受信素子(超音波感知
素子)SS1〜SS6をアレイ状に設けている。そし
て、左チャンネルSLのスーパーツイータと、右チャン
ネルSRのスーパーツイータから、周波数の異なる超音
波を送信し、その反射波を超音波受信素子(以下、単に
受信素子という。)SS1〜SS6で受信し、その検出
出力に基づいて、検出部40Aが聴取者の頭部の位置を
より正確に検出することができるようにしている。
【0132】図9は、この第3の実施の形態の音響処理
装置において行なう聴取者の頭部の位置の検出処理を説
明するための図である。図9に示すように、本来聴取者
の頭部がある方向にその放音面が向けられた左右のスピ
ーカSL、SRから、異なる周波数の超音波を送信し、
この送信した超音波の聴取者の頭部からの反射波を受信
素子SS1〜SS6により受信するようにする。
【0133】この図9に示す例の場合、左スピーカSL
のスーパーツイータからは、周波数が40kHzの超音
波を送信し、右スピーカSRのスーパーツイータから
は、周波数が50kHzの超音波を送信するようにして
いる。このようにすることによって、位置検出の精度を
より向上させるようにしている。
【0134】そして、図9Aに示すように、ヘッドレス
ト部90に設けられた受信素子SS1〜SS6のいずれ
もが、左右のスピーカSL、SRのスーパーツイータか
ら送信された超音波の反射波を受信できない場合には、
聴取者の頭部の位置は、ヘッドレスト90から所定の距
離以上離れた位置にあると検出することができる。
【0135】また、図9Bに示すように、左スピーカS
Lのスーパーツイータから送信した超音波の聴取者の頭
部からの反射波、すなわち、40kHzの超音波が受信
素子SS3により受信され、かつ、右スピーカSRのス
ーパーツイータから送信した超音波の聴取者の頭部から
の反射波、すなわち、50kHzの超音波が受信素子S
S1により受信された場合には、聴取者の頭部の位置
は、ヘッドレスト部90の左スピーカSL側によった位
置にあると検出することができる。
【0136】また、図示しないが、図9Bの場合とは逆
に、左スピーカSLのスーパーツイータから送信した超
音波の聴取者の頭部からの反射波、すなわち、40kH
zの超音波が受信素子SS6により受信され、かつ、右
スピーカSRのスーパーツイータから送信した超音波の
聴取者の頭部からの反射波、すなわち、50kHzの超
音波が受信素子SS4が受信した場合には、聴取者の頭
部の位置は、ヘッドレスト部90の右スピーカSL側に
よった位置にあると検出することができる。
【0137】さらに、図9Cに示すように、左スピーカ
SLのスーパーツイータから送信した超音波の聴取者の
頭部からの反射波、すなわち、40kHzの超音波が受
信素子SS3により受信され、かつ、右スピーカSRの
スーパーツイータから送信した超音波の聴取者の頭部か
らの反射波、すなわち、50kHzの超音波が受信素子
SS4が受信した場合には、聴取者の頭部の位置は、ヘ
ッドレスト部90の左右のスピーカSL、SRのちょう
ど中間の位置にあると検出することができる。
【0138】このように、左右のスピーカSL、SRの
スーパーツイータから送信される、周波数の異なる超音
波をヘッドレスト部90にアレイ状に設けられた6つの
受信素子の内のどの受信素子が受信したかに応じて、ヘ
ッドレスト部90に対する聴取者の頭部のオフセット
(ずれ分)を検出することができる。
【0139】さらに、左右のスピーカのスーパーツイー
タから送信される超音波について、その送信から受信素
子により受信されるまでの時間を計測しておくことによ
り、当該時間と超音波の速度とに応じて、ヘッドレスト
部90から聴取者の頭部までの距離を検出することがで
きる。これらヘッドレスト部90に対する聴取者の頭部
のオフセット、および、距離に基づいて、ヘッドレスト
部90に対する聴取者の頭部の位置をより正確に検出す
ることができる。
【0140】そして、検出部40Aは、ヘッドレスト部
90にアレイ状に設けられた各受信素子からの検出出力
に基づいて聴取者の頭部の正確な位置を検出する。すな
わち、検出部40Aは、上述したように、どの受信素子
によって、左右それぞれのスピーカのスーパーツイータ
から送信された超音波を受信したか、さらに、左右それ
ぞれのスピーカのスーパーツイータから送信された超音
波の送信から受信までの時間を考慮して、聴取者の頭部
の位置を検出する。
【0141】そして、CPU50は、前述した第1の実
施の形態の音響処理装置1のCPU50の場合と同様
に、検出部40Aからのヘッドレスト部90に対する現
在の聴取者の頭部の位置に対応するデータをデータベー
ス60から読み出し、読み出したデータ(係数データ、
関数データ、あるいは、パラメータなど)をトランスオ
ーラルシステムフィルタ部20の目的とするフィルタ2
1、22、23、24に供給する。
【0142】これにより、トランスオーラルシステム部
20においては、ヘッドレスト部90に対する現在の聴
取者の頭部の位置に応じて、音像定位処理後の音声信号
に対する補正処理が行なわれ、補正後の音声信号が左右
のスピーカSL、SRに供給され、ヘッドレスト部90
に対して聴取者の頭部の位置が変わってしまっても、左
右のスピーカから放音される音声の音像を仮想スピーカ
位置に定位させることができる。
【0143】そして、前述した第1〜第3の実施の形態
の音響処理装置1、2、3、4の場合には、聴取者の頭
部の位置の検出に超音波を用いている。超音波は人間の
耳では音として聴取することはできないので、聴取者に
頭部の検出処理を行なっていることを気付かれることが
ない。
【0144】また、通常の音楽成分であれば、検出精度
(測定精度)にかかわるほどの超音波成分は含まれてい
ないため、聴取目的の再生音声(音楽信号)との干渉が
問題になることはない。すなわち、音楽の再生中におい
て、再生音声を劣化させることなく、かつ、聴取者に気
付かれることなく、スピーカに対する聴取者の位置を測
定し、検出することが可能である。
【0145】なお、前述した第3の実施の形態の音響処
理装置4においては、6つの超音波受信素子をヘッドレ
スト部90に設けるようにしたが、これに限るものでは
なく、さらに多くの超音波受信素子を用いるようにして
ももちろんよいし、複数の受信素子を複数列設けるよう
にしてもよい。また、受信素子間の間隔や左右のスピー
カSL、SRの放音面の向きなどを適宜調整するように
することもできる。
【0146】また、超音波受信素子を設ける位置は、ヘ
ッドレスト部90やその近傍のほか、聴取者の頭部から
の反射の受信が可能な任意の場所に設けるようにしても
よい。
【0147】また、トランスオーラルシステムフィルタ
部20に変えて、図5に示した第1の実施の形態の変形
例において用いるようにした簡易型トランスオーラルシ
ステム部70を用いるようにしてもよい。また、2チャ
ンネルの音像定位処理フィルタ部10に変えて、多チャ
ンネル、例えば、5チャンネルの音像定位処理フィルタ
80を用いるようにしてもよい。
【0148】したがって、前述した第3の実施の形態の
音響処理装置の場合にも、前述した第1、第2の実施の
形態の音響処理装置の場合と同様に、ヘッドレスト部9
0に対する聴取者の頭部の位置を、常に、あるいは、随
時に測定し、その測定した位置に応じた伝達関数に応じ
た補正処理(トランスオーラル処理)することで、従来
のような聴取者の頭部の測定位置と聴取位置の不正合に
よる仮想スピーカ定位効果の不足の状態を避け、聴取者
の頭部の位置に左右されることなく、音像の前方定位や
音像の全周囲定位などの効果を実現することができる。
【0149】[第4の実施の形態]前述した第1〜第3
の実施の形態においては、スピーカが設けられたヘッド
レスト部に対する聴取者の頭部の位置を超音波を送信
し、その反射波を受信することにより検出するようにし
た。しかし、聴取者の頭部の位置検出は、超音波を用い
るものに限るものではない。
【0150】例えば、音声だけでなく画像の送受信が可
能なテレビ電話が家庭において用いられるようになって
きている。そこで、例えば図10に示すように、テレビ
セット(TVセット)200と左右2チャンネルのスピ
ーカSR、SLが設けられたヘッドレスト部30を有す
る音響処理装置が搭載された椅子とにより、いわゆるホ
ームシアターシステムを構築するような場合には、通常
はテレビ電話用として用いられるCCDカメラ210
を、ヘッドレスト部30に対する聴取者の頭部の位置検
出に用いることができる。
【0151】また、自動車内(車室内)において音楽な
どの音声を聴取するようにすることも多い。そこで、図
11に示すように、自動車内の座席に左右2チャンネル
のスピーカ(SL1、SR1またはSL2、SR2)を
搭載したヘッドレスト部を設けることにより音響処理装
置を構成することが考えられる。このような場合に、自
動車内に例えばテレビ電話用のCCDカメラ310を搭
載することにより、当該テレビ電話用のCCDカメラ3
10をヘッドレスト部に対する聴取者の頭部の位置検出
に用いることが可能となる。
【0152】なお、現状においても、数種類の自動車に
おいては、死角を排除するなどのために、自動車の外側
にCCDカメラを設け、このCCDカメラを通じて撮像
するようにした画像を車内のディスプレイに表示して観
視できるようにしたものも提供されており、自動車内撮
像用のCCDカメラを自動車に搭載することも可能であ
る。
【0153】そこで、この第4の実施の形態の音響処理
装置は、スピーカが設けられたヘッドレスト部に対する
聴取者の頭部の位置を家庭内や自動車内に設けられるC
CDカメラ(CCD装置)を用い、聴取者の頭部がスピ
ーカに対してどれ位オフセットして座っているかをリア
ルタイムに把握し、その位置に適した伝達関数をシステ
ムに使用することで、より自由な姿勢で仮想スピーカ定
位効果を楽しむことができるようにしたものである。
【0154】なお、この第4の実施の形態の音響処理装
置5もまた、前述した第1の実施の形態の音響処理装置
1の場合と同様に、左右2チャンネルの音声信号を処理
することができるものであり、ヘッドレスト部に設けら
れた左右2チャンネルのスピーカから放音される音声の
音像を聴取者の前方方向に定位させることができるもの
である。すなわち、音響処理装置5は、ヘッドレスト部
に設けられた左右2チャンネルのスピーカから放音され
る音声を仮想スピーカVSL、VSRから放音されたよ
うに音像を定位させることができるものである。
【0155】図12は、この第4の実施の形態の音響処
理装置5を説明するためのブロック図である。この図1
2に示す音響処理装置5は、図10、図11を用いて説
明したように、家庭の室内や自動車内に設けられるよう
にされるものである。そして、この図12に示す音響処
理装置5は、CCDカメラ210と、このCCDカメラ
210によって撮像された画像を解析し、ヘッドレスト
部30に対する聴取者の頭部の位置を検出するようにす
る画像解析部40Dを除けば、図1に示した第1の実施
の形態の音響処理装置1と同様に構成されたものであ
る。
【0156】このため、図12に示すこの第4の実施の
形態の音響処理装置5において、図1に示した第1の実
施の形態の音響処理装置1と同様に構成される部分に
は、同じ参照符号を付し、その部分の説明については省
略する。
【0157】そして、この第4の実施の形態の音響処理
装置5において、CCDカメラ210は、聴取者方向に
向けられてセットされ、常に聴取者方向の画像を撮像す
ることができるようにされている。そして、CCDカメ
ラ210は、例えば、CPU50からの制御により、音
響処理装置5が動作している間、常時、あるいは、所定
のタイミング毎に聴取者方向の画像を撮像し、撮像した
画像を画像解析部40Dに供給する。
【0158】画像解析部40Dは、CCDカメラ210
からの画像データの解析処理を行ない、ヘッドレスト部
30に対する聴取者の頭部の位置を検出し、これをCP
U50に通知する。具体的には、聴取者が座る椅子や座
席のヘッドレスト部分などの所定の位置に目印をつけて
おくことにより、ヘッドレスト部30のスピーカの位置
を画像処理的に確認できるようにしておく。
【0159】そして、聴取者は、椅子に座っている状態
でも必ず少しではあるが動いているので、これを利用
し、静止画像の時間軸差分を取ることにより、聴取者の
エッジ部分が抽出できる。この聴取者のエッジ部分とス
ピーカの位置とにより、聴取者の頭部とヘッドレスト部
30のスピーカSL、SRとの位置関係がわかる。
【0160】CPU50は、画像解析部40Dからの検
出結果(聴取者の頭部の位置)に基づいて、データベー
ス60に記憶されている係数データを読み出し、これを
トランスオーラルシステムフィルタ部20の対応するフ
ィルタに供給する。
【0161】これにより、トランスオーラルシステムフ
ィルタ部20においては、音像定位処理された音声信号
に対して、聴取者の頭部の位置に応じた補正が施され、
ヘッドレスト部30に対する聴取者の頭部の位置が変わ
った場合であっても、ヘッドレスト部30の左右のスピ
ーカSL、SRから放音された音声の音像を仮想スピー
カVSL、VSRから放音されているように定位させる
ことができる。
【0162】なお、CCDカメラ210によって撮像し
た画像を解析する場合には、ヘッドレスト部30の頭部
接触面に対して直交する方向である縦方向に頭部が移動
した場合と、ヘッドレスト部30の頭部接触面に対して
並行な方向である横方向に頭部が移動した場合とでは、
後者の横方向の移動の方が容易に検知可能である。
【0163】もともと、スピーカはヘッドレスト部30
に設けられ聴取者の耳の近傍に位置することになるた
め、聴取者の頭部が同じだけ移動するとしても、ヘッド
レスト部30の頭部接触面に対して直交する方向である
縦方向に頭部が移動した場合と、ヘッドレスト部30の
頭部接触面に対して並行な方向である横方向に頭部が移
動した場合とでは、横方向に移動した場合の方がスピー
カか聴取者の耳までの伝達関数の変化がきい。
【0164】このため、この第4の実施の形態の音響処
理装置5においては、CDDカメラ210により撮像し
た画像を解析することにより、聴取者の頭部の横方向の
位置(オフセット)をセンシングし、これに応じて、ト
ランスオーラルシステムフィル部20の各フィルタに対
して適切なフィルタ係数を用いるようにすることで、ヘ
ッドレスト30の左右のスピーカSL、SRから放音さ
れる音声の音像を正確に所定の位置に定位させるように
している。
【0165】なお、この第4の実施の形態の音響処理装
置5においても、トランスオーラルシステムフィルタ部
20に変えて、図5に示した第1の実施の形態の変形例
において用いるようにした簡易型トランスオーラルシス
テム部70を用いるようにすることもできる。また、2
チャンネルの音像定位処理フィルタ部10に変えて、多
チャンネル、例えば、5チャンネルの音像定位処理フィ
ルタ80を用いるようにすることもできる。
【0166】したがって、この第4の実施の形態の音響
処理装置の場合にも、前述した第1、第2、第3の実施
の形態の音響処理装置の場合と同様に、ヘッドレスト部
30に対する聴取者の頭部の位置を、常に、あるいは、
随時に測定し、その測定した位置に応じた伝達関数に応
じた補正処理(トランスオーラル処理)することで、従
来のような聴取者の頭部の測定位置と聴取位置の不正合
による仮想スピーカ定位効果の不足の状態を避け、聴取
者の頭部の位置に左右されることなく、音像の前方定位
や音像の全周囲定位などの効果を実現することができ
る。
【0167】なお、前述した第1、第2、および、第4
の実施の形態において、ヘッドレスト部に設けられるス
ピーカの放音面は、ヘッドレスト部の頭部が接触する面
に平行となるようにした場合を示したが、ヘッドレスト
部に設けるスピーカの放音面を聴取者側に傾けるなど、
適宜の修正を行なうようにすることも可能である。
【0168】また、前述の実施の形態においては、ヘッ
ドレスト部に左スピーカSL、右スピーカSRの2つの
スピーカを設けるようにした場合の例を示したが、スピ
ーカは、必ず2つである必要はなく、1つであってもよ
いし、また、3つ以上の複数であってもよい。また、ツ
イターなどを備えたいわゆるHiFi志向のスピーカデ
バイスを用いることができることはいうまでもない。
【0169】また、図1、図5、図6、図8、図12に
示した音響処理装置の全部をヘッドレスト部側に設ける
ようにすることにより、ヘッドレスト部を背もたれ部か
ら取り外しが可能なように構成し、当該ヘッドレスト部
を他の椅子の背もたれ部に装着して使用するようにする
ことができる。
【0170】また、図1、図5、図6、図8、図12に
示した音響処理装置において、左右のスピーカ以外の各
部からなるアダプタを構成し、このアダプタと、スピー
カを設けたヘッドレスト部とにより、この発明による音
響処理装置を構成するようにすることもできる。また、
左右のスピーカSL、SR以外の各部を、例えば、椅子
の背もたれ部に設けたり、音声信号の再生機器側に設け
たりすることにより、この発明の音響処理装置を構成す
ることもできる。
【0171】
【発明の効果】以上説明したように、スピーカに対する
聴取者の頭部の位置を検出し、音像定位処理された音声
信号について、実際の聴取者の頭部の位置に応じた補正
を施すことができる。これにより、スピーカに対する聴
取者の頭部の位置の自由度がまし、聴取者の頭部の多少
の移動によっては、音像定位の効果を低下させることの
ない信頼性の高い音響処理装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による音響処理装置の第1の実施の形
態を説明するためのブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の音響処理装置が搭載された
椅子の外観について説明するための図である。
【図3】図1に示した第1の実施の形態の音響処理装置
において行なわれる音像定位処理の原理について説明す
るための図である。
【図4】図1に示した第1の実施の形態の音響処理装置
において行なわれる聴取者の頭部の位置の検出処理を説
明するための図である。
【図5】図1に示した第1の実施の形態の音響処理装置
の変形例を説明するためのブロック図である。
【図6】この発明による音響処理装置の第2の実施の形
態を説明するためのブロック図である。
【図7】図6に示した第2の実施の形態の音響処理装置
において行なわれる音像定位処理の原理について説明す
るための図である。
【図8】この発明による音響処理装置の第3の実施の形
態を説明するためのブロック図である。
【図9】図8に示した第3の実施の形態の音響処理装置
において行なわれる聴取者の頭部の位置の検出処理を説
明するための図である。
【図10】この発明による第4の実施の形態の音響処理
装置の利用態様の例を説明するための図である。
【図11】この発明による第4の実施の形態の音響処理
装置の利用態様の他の例を説明するための図である。
【図12】この発明による第4の実施の形態の音響処理
装置を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
10…音像定位処理フィルタ部、11〜14…フィル
タ、15、16…加算部、20…トランスオーラルシス
テムフィルタ部、21〜24…フィルタ、25、26…
加算部、30…ヘッドレスト部、SL…左スピーカ、S
R…右スピーカ、VSL…仮想左スピーカ、VSR…仮
想右スピーカ、40…頭部位置検出部、50…CPU、
60…データベース、70…簡易型トランスオーラルシ
ステムフィルタ部、41、42…フィルタ、80…音像
定位処理フィルタ部、81〜90…フィルタ、91、9
2…加算部、SS1〜SS6…超音波受信素子、21
0、310…CCDカメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 健司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA20 BA04 CA13 CB20 CH01 DB03 DC02 5D062 AA65 5L096 AA09 BA20 FA69 LA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピーカデバイスと、 前記スピーカデバイスに供給するようにする音声信号に
    対して、前記音声信号による音声の音像を所定の位置に
    定位させるようにする処理を行なう音像定位処理部と、 前記音像定位処理部からの音声信号に対して、前記スピ
    ーカデバイスに対する聴取者の頭部の位置に応じた補正
    処理を行なうようにする補正処理部と、 前記スピーカデバイスに対する聴取者の頭部の位置を検
    出する頭部位置検出部と、 前記頭部位置検出部からの検出結果に応じて、前記補正
    処理部を制御するようにする制御部とを備えることを特
    徴とする音響処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の音響処理装置であって、 前記頭部位置検出部は、 超音波を送信する超音波送信手段と、 前記超音波送信手段から送信され、聴取者の頭部により
    反射される反射超音波を受信する超音波受信手段と、 前記超音波受信手段による反射超音波の受信の有無、お
    よび、前記超音波受信手段により反射超音波を受信した
    場合には超音波の速度と超音波を送信してから反射超音
    波として受信するまでの時間とに基づいて聴取者の頭部
    の前記スピーカに対する位置を特定する頭部位置特定手
    段とからなることを特徴とする音響処理装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の音響処理装置であって、 前記超音波送信手段と、前記超音波受信手段とは、前記
    スピーカデバイスの高音域スピーカであることを特徴と
    する音響処理装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の音響処理装置であって、 前記超音波送信手段は、左右2チャンネルの前記スピー
    カデバイスの高音域スピーカであり、 前記超音波受信手段は、所定の位置に並べられた複数個
    の超音波感知素子からなるものであり、 左右2チャンネルのそれぞれの前記高音域スピーカから
    は、異なる周波数の超音波を送信することを特徴とする
    音響処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の音響処理装置であって、 前記頭部位置検出部は、 前記スピーカデバイスを通じて音声を聴取するようにし
    ている聴取者の頭部を含む画像を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段により撮像された画像を解析し、前記聴取
    者の頭部の前記スピーカデバイスに対する位置を検出す
    る画像解析手段とからなることを特徴とする音響処理装
    置。
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