JP2003089701A - 安定なカルボキシル化炭水化物生成物を製造するための次亜塩素酸塩を含まない方法 - Google Patents

安定なカルボキシル化炭水化物生成物を製造するための次亜塩素酸塩を含まない方法

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JP2003089701A
JP2003089701A JP2002163750A JP2002163750A JP2003089701A JP 2003089701 A JP2003089701 A JP 2003089701A JP 2002163750 A JP2002163750 A JP 2002163750A JP 2002163750 A JP2002163750 A JP 2002163750A JP 2003089701 A JP2003089701 A JP 2003089701A
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Joseph Lincoln Komen
ジョセフ・リンカン・コメン
S Ananda Weerawarna
エス・アナンダ・ウィーラワーナ
Richard A Jewell
リチャード・エイ・ジュエル
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Weyerhaeuser Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 次亜塩素酸を必要とせずに環境に優しい化学
物質を用いて、従来の製紙工場の設備で作成および使用
することができる、安定な繊維状カルボキシル化セルロ
ースを提供すること。 【解決手段】 炭水化物化合物を、水性系中で、立体障
害を有する複素環式オキソアンモニウム塩類であって、
オキソアンモニウム窒素に隣接する炭素原子にα−水素
置換がないもの、対応するアミン類、ヒドロキシルアミ
ン類、およびこれらオキソアンモニウム塩類のニトロキ
シド類、およびそれらの混合物からなる群より選択され
る十分量の一次酸化体、ならびに、二酸化塩素および二
酸化塩素の潜在的供給源から選択される、炭水化物中の
カルボキシル置換に少なくとも2meq/100gの増
加を引き起こすのに十分な量の二次酸化体、と反応させ
ることにより、炭水化物化合物を酸化することを含んで
なる方法により、カルボキシル化炭水化物生成物を作成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用可能な第一級
ヒドロキシル基を有するカルボキシル化炭水化物の製造
方法である。それは、製紙および関連用途に適し熱およ
び光に安定な繊維状カルボキシル化セルロースの製造
に、特に適切である。本発明のセルロース生成物は、繊
維強度および重合度が著しく犠牲になっていないもので
ある。本方法は、塩素または次亜塩素酸塩化合物を必要
としないので、特に環境の面で有利である。
【0002】
【従来の技術】炭水化物は、ポリヒドロキシアルデヒド
もしくはポリヒドロキシケトン化合物、または加水分解
によりこれらの化合物を生じる物質である。天然には、
単糖類の長鎖ポリマーとして見いだされることが多い。
本発明で用いる用語としては、反応に利用可能な第一級
ヒドロキシル基を有するあらゆるモノマー、オリゴマー
およびポリマー状炭水化物化合物を含むものとする。
【0003】セルロースは、グルコース単位の長鎖から
なる炭水化物であり、該単位がすべて1’−4位でβ−
結合している。天然の植物セルロース分子は、2200
個を超える無水グルコース単位を有することができる。
単位数は、通常、重合度または単にD.P.とよばれ
る。精製中に、若干のD.P.低下が必ず起こる。20
00に近いD.P.は、一般に、精製したコットンリン
ターでのみみられる。木材に由来するセルロースは、約
1700のD.P.を超えることはほとんどない。セル
ロースの構造は、以下のように表すことができる:
【0004】
【化9】
【0005】セルロースの化学的誘導体は、ほぼ1世紀
半にわたり商業的に重要である。ショウノウで可塑化し
たニトロセルロースは、最初の合成プラスチックであ
り、1868年から利用されてきた。多くのセルロース
エーテルおよびエステルの誘導体が現在市販されてお
り、多くの商業分野で広く用いられている。ほぼすべて
のセルロース誘導体で、利用可能な3個のヒドロキシル
基の反応性が利用される。これらの基での置換は、非常
に少ない、例えば約0.01から、最大3.0まで変動
することができる。重要なセルロース誘導体には、繊維
および透明フィルムに用いられる酢酸セルロース;ラッ
カーおよび発射薬に広く用いられるニトロセルロース;
耐衝撃性の工具の柄に広く用いられるエチルセルロー
ス;洗剤、食物用増粘剤、製紙に広く用いられる水溶性
エーテルである、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびカ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、がある。
【0006】セルロース自体は、さまざまな用途に応じ
て改質されてきた。セルロース繊維は、多くの製紙用添
加剤と同様に、天然では本質的にアニオン性である。カ
チオンセルロースは、Harding et al.に
よる米国特許第4505775号に記載されている。こ
れは、充填剤および顔料のようなアニオン製紙用添加剤
に対する親和力が大きく、特に酸性染料およびアニオン
染料を受理しやすい。Jewell et al.は、
米国特許第5667637号で、置換度(D.S.)の
低いカルボキシエチルセルロースを、製紙用添加剤とし
てカチオン樹脂と一緒に用いると、乾湿の引張比および
破裂比が改善されると教示している。Westland
は、米国特許第5755828号に、ポリカルボン酸を
繊維に共有的にカップリングさせて得られる遊離カルボ
ン酸基を有する架橋セルロース繊維から作成される物品
の強度の向上方法を記載している。
【0007】いくつかの用途では、セルロースを酸化し
てよりアニオン性にし、例えば、カチオン製紙用添加剤
およびカチオン染料との相溶性を向上させている。さま
ざまは酸化処理が用いられてきた。Briskin e
t al.への米国特許第3575177号には、タバ
コの代用品として有用な、二酸化窒素で酸化されたセル
ロースが記載されている。次に、その酸化材料をホウ水
素化物で処理して、アルデヒドなどの官能基を還元する
と、異臭が生じることがある。この還元の後、風味をさ
らに改善するために、生成物を過酸化水素などの酸化剤
でさらに処理してもよい。その他の酸化処理では、R.
T.ShetおよびA.M.YabaniがTexti
le Research Journal,1981年
11月:740〜744頁で示唆しているように、二酸
化窒素および過ヨウ素酸酸化を、しわ回復性を改善する
ための綿織物の樹脂加工と結びつけて用いている。K.
V.DatyeおよびG.M.Nabarによる初期の
研究のTextile Research Journ
al,1963年7月:500〜510頁には、メタ過
ヨウ素酸塩と二クロム酸で酸化した後、亜塩素酸で72
時間または0.05Mホウ水素化ナトリウムで24時間
処理することが記載されている。銅価は、ホウ水素化物
処理により非常に小さくなり、亜塩素酸ではあまり小さ
くならなかった。カルボキシル含有量は、ホウ水素化物
によりわずかに減少し、亜塩素酸により著しく増加し
た。その後、その生成物をホルムアルデヒドと反応させ
ている。P.Luner et al.,Tappi
50(3):117〜120頁(1967年)は、サザ
ンパインクラフトの春材および夏材の繊維を、シュウ酸
中の二クロム酸カリウムで酸化している。その繊維で作
成したハンドシート(handsheet)は改善した湿潤強度を
示しており、これを、アルデヒド基に起因すると考えて
いる。P.Luner et al.は,Tappi
50(5):227〜230頁(1967年)でこの初
期研究を発展させ、一部のパルプを、亜塩素酸塩でさら
に酸化するか、またはホウ水素化ナトリウムで還元し
た。還元剤で処理したパルプからのハンドシートは、そ
のような処理を施さなかったものに比べ、改善されたシ
ート特性を示した。R.A.Young,Wood a
nd Fiber,10(2):112〜119頁(1
978年)には、紙の湿潤強度を改善するために、主と
してシュウ酸中の二クロム酸塩により酸化して、亜硫酸
パルプにアルデヒド基を導入することが記載されてい
る。
【0008】Brasey et al.は、米国特許
第4100341号に、硝酸を用いたセルロースの酸化
を記載している。彼らは、反応はC6位に特異的であ
り、C2およびC3位での二次的酸化は検出されなかっ
たと、指摘している。彼らはさらに、生成物は“・・・
安定で、次に還元工程、または、酸化セルロースのパー
ジ源にならなければならない別の反応体[例えば、アル
デヒド基]の導入を必要としない”と、指摘している。
【0009】V.A.ShenaiおよびA.S.Na
rkhede,Textile Dyer and P
rinter,1987年5月20日:17〜22頁に
は、物理的に付着させた硫化コバルト存在下での綿糸の
促進された次亜塩素酸酸化反応が記載されている。著者
らは、過去100年にわたり、部分酸化は、漂白中の分
解防止のための尽力と結びつけて研究されてきたと、指
摘している。彼らはまた、酸化後に0.1Mホウ水素化
ナトリウムを還元剤として使用することを、いくぶん詳
細に考察している。その処理は、酸化中に形成される還
元基および酸性基の種類の特性決定に有用な方法として
記載された。ホウ水素化物処理は、酸化セルロースの銅
価を顕著に低下させた。銅価は、還元基、例えば、セル
ロース上に存在するアルデヒドの推定値を示す。ホウ水
素化物処理はまた、酸化生成物のアルカリへの溶解度を
低下させたが、これは、試料のカルボキシル含有量が約
40%減少したことに関連づけてもよい。
【0010】R.Andersson et al.
は、Carbohydrate Research 2
06:340〜346頁(1990年)で、オルトリン
酸中で亜硝酸ナトリウムを用いたセルロースの酸化を教
示し、核磁気共鳴による反応生成物の解明について記載
している。
【0011】P.L.Anelli et al.によ
るJournal of Organic Chemi
stry 54:2970〜2972頁(1989年)
の記事は、オキソアンモニウム塩によるヒドロキシル化
合物の酸化を記載している初期の論文の一つと思われ
る。彼らは、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジ
ニルオキシ遊離基(TEMPO)および次亜塩素酸ナト
リウムの系と、臭化ナトリウムとを二相系に用いて、
1,4−ブタンジオールおよび1,5−ペンタンジオー
ルを酸化した。
【0012】R.V.Casciani et al.
は、フランス特許2674528号(1992年)に、
高分子物質、特に第一級ヒドロキシル基を有するアルキ
ルポリグルコシドを酸化するために、立体的に障害を有
するN−オキシドを使用することを記載している。多く
の関連ニトロキシドが示唆されているが、好ましい酸化
体はTEMPOであった。次亜塩素酸カルシウムが、二
次酸化体として存在していた。
【0013】N.J.DavisおよびS.L.Fli
tsch,TetrahedronLetters 3
4(7):1181〜1184頁(1993年)には、
単糖類の第一級ヒドロキシル基の選択的酸化を達成する
ための、(TEMPO)と次亜塩素酸ナトリウムの使用
および反応機構が記載されている。Davis et
al.の論文の後、カルボキシル化へのこの経路は、特
にオランダおよび後には米国で、非常に積極的に検討さ
れ始めた。A.E.J. de Nooyet al.
は、Receuil des Travaux Chi
miques des Pays−Bas 113:1
65〜166頁(1994年)の短い論文で、ジャガイ
モデンプンおよびイヌリンの第一級アルコール基の酸化
にTEMPOおよび次亜臭素酸塩を用いて、同様の結果
を報告している。翌年、同著者らは、Carbohyd
rate Research 269:89〜98頁
(1995年)に、TEMPOおよび次亜塩素酸塩/臭
化物酸化体を用いた、水溶性グルカンの第一級アルコー
ル基の高選択的酸化を報告している。
【0014】Kaufhold et al.への欧州
特許出願574666には、4位が置換されたTEMP
Oに基づくニトロキシル化合物の群が記載されている。
これらは、二相系を用いた酸化触媒として有用である。
カルボキシル化セルロースの形成は、観察されないと思
われた。
【0015】PCT公開特許出願WO95/07303
(Besemer et al.)には、TEMPOま
たは関連するジ−tert−アルキルニトロキシドを、
次亜塩素酸ナトリウムおよび臭化ナトリウムと共に用い
た、第一級アルコール基を有する水溶性炭水化物の酸化
方法が記載されている。セルロースについては背景で少
し言及されているが、実施例は主としてデンプンに限ら
れていた。その方法により、C−6の第一級アルコール
が選択的にカルボキシルに酸化されると、述べられてい
る。研究された生成物はすべて、天然では繊維状でなか
った。
【0016】上記BesemerのPCT公開の1年後
に、同著者らは、Cellulose Derivat
ives,T.J.HeinzeおよびW.G.Gla
sser監修,第5章,73〜82頁(1996年)
に、さまざまな酸化体を用いた、セルロースの2,3−
ジカルボキシセルロースおよび6−カルボキシセルロー
スへの選択的酸化方法を記載している。用いられた酸化
体は、過ヨウ素酸塩/亜塩素酸塩/過酸化水素系、リン
酸中で硝酸ナトリウム/亜硝酸ナトリウムを用いた酸
化、ならびにTEMPOおよび次亜塩素酸塩/臭化物一
次酸化体を用いるものなどである。TEMPO系での結
果は、再現性に劣り、不正確であった。“・・・材料の
一部は溶解せずに残った”という陳述は、不可解であ
る。セルロースのTEMPO酸化の場合、セルロースが
不当に分解する、および/またはカルボキシル置換が非
常に多いのいずれかでない限り、水への溶解は、ほとん
ど、またはまったく予想されなかったはずである。硝酸
ナトリウム/亜硝酸ナトリウム酸化に用いた、リン酸中
の均質なセルロース溶液を、その後ホウ水素化ナトリウ
ムで処理して、存在するあらゆるカルボニル機能を除去
した。
【0017】De Nooy et al.は、非常に
詳細な総説を、Synthesis:Journal
of Synthetic Organic Chem
istry(10):1153〜1174頁(1996
年)の、第一級および第二級アルコールの酸化体として
のニトロキシルの文献ならびに化学に、発表している。
【0018】Heeres et al.は、PCT出
願WO96/38484で、金属イオン封鎖剤として有
用な炭水化物エーテルの酸化を考察している。彼らは、
上記著者らが記載したTEMPO酸化系を用いて、比較
的多く置換された生成物、例えばセルロースを生成して
いる。
【0019】P.−S.ChangおよびJ.F.Ro
byt,Journal of Carbohydra
te Chemistry 15(7):819〜83
0頁(1996年)には、TEMPOを次亜塩素酸ナト
リウムおよび臭化ナトリウムと共に用いて、α−セルロ
ースを含む10種の多糖類を0℃および25℃で酸化す
ることが記載されている。酸化反応を止めるために、エ
タノール添加が用いられた。得られた酸化α−セルロー
スは、水への溶解度が9.4%であった。著者らは、α
−セルロースの性質についてはさらに記載していない。
いわゆる溶解パルプまたはコットンリンターセルロース
であったと推測される。
【0020】Heeres et al.は、WO96
/36621に、酸化触媒として使用した後のTEMP
Oおよびその関連化合物の回収方法を記載している。デ
ンプンを酸化した後、共沸蒸留を用いてTEMPOを回
収する実施例が示されている。
【0021】D.Barzyk et al.は、Jo
urnal of pulp and paper S
cience 23(2):J59−J61(1997
年)およびTransactions of the
11th Fundamental Research
Symposium,Vol.2,893〜907頁
(1997年)で、セルロース繊維上のカルボキシル基
が、膨潤および衝撃柔軟性(swelling and impact flexi
bility)、接着面ならびに強度を向上させると指摘して
いる。彼らは、繊維の表面のカルボキシル化を増加させ
るための実験を計画した。しかしながら、彼らは、繊維
の分解を避けるために酸化を行わず、イソプロパノール
/メタノール系でのカルボキシメチルセルロースの形成
を選択した。
【0022】Isogai,A.およびY.Kato
は、Cellulose 5:153〜164頁(19
98年)に、いくつかの天然セルロース、シルケット加
工したセルロース、および再生セルロースをTEMPO
で処理して、水溶性および水不溶性ポリグルクロン酸を
得ることを記載している。彼らは、水溶性生成物は、ほ
ぼ100%のカルボキシル置換がC−6部位で起こった
と指摘している。彼らはさらに、酸化は、固体セルロー
ス上のより接近しやすい領域で不均一に進行すると指摘
している。
【0023】Isogaiは、Cellulose C
ommunications 5(3):136〜14
1頁(1998年)に、TEMPO酸化系でシルケット
加工したセルロースまたは再生セルロースを出発原料と
して用いて、水溶性酸化セルロース生成物を製造するこ
とを記載している。天然セルロースまたは漂白木材パル
プを用いると、少量の転化しか達成しなかったため、水
溶性材料を得ることができなかった。彼はさらに、製紙
用添加剤としての後者材料の有益な特性を指摘してい
る。
【0024】Kitaoka et al.は、Se
n’i Gakukai(繊維学会)への1998年の
短い論文の予稿で、TEMPOが媒介した酸化系を用い
た繊維表面の改質について述べている。彼らは、みょう
ばん系サイジング化合物の受理性について懸念してい
た。
【0025】PCT出願WO99/23117(Vii
kari et al.)には、ラカーゼ酵素または他
の酵素、ならびにクラフトパインパルプ(kraft pine pu
lps)を含むセルロース繊維の有効酸化剤としての空気ま
たは酸素と、TEMPOを組合わせて用いた酸化が、教
示されている。
【0026】Kitaoka,T.、A.、A.Iso
gai、およびF.Onabeは、Nordic Pu
lp and Paper Research Jou
rnal,14(4):279〜284頁(1999
年)に、漂白広葉樹材クラフトパルプのTEMPO酸化
を用いた処理を記載している。カルボキシル含有量が増
加すると、常態引張指数、ヤング率、および白色度が若
干改善し、破断点伸びおよび不透明度が低下した。その
他の強度特性は、影響を受けなかった。PAE型湿潤紙
力増強用樹脂の保留性は、若干向上した。記載された生
成物には、TEMPO酸化後の安定化処理をまったく行
わなかった。
【0027】Van der Lugt et al.
は、WO99/57158に、炭水化物の第一級アルコ
ールを酸化するために、TEMPOまたは他のジ−te
rt−アルキルニトロキシルの存在下で過酸を使用する
ことを記載している。彼らは、この方法が、ウロン酸の
製造、ならびに架橋および誘導体化に適したアルデヒド
基の導入に有用であると、請求している。彼らの実施例
には、TEMPO、臭化ナトリウム、EDTA、および
過酢酸を含む系を用いたpH範囲5〜10におけるデン
プンの一連の酸化などがある。カルボキシル置換はすべ
ての場合で比較的高く、反応pHにより26〜91%で
あった。
【0028】Besemer et al.は、PCT
公開出願WO00/50388で、第一級ヒドロキシル
をアルデヒド基に転化するような、さまざまな炭水化物
材料の酸化を教示している。その系は、遷移金属の存在
下、酸素または過酸化水素を用いて、TEMPOまたは
関連ニトロキシル化合物を使用している。
【0029】Jaschinski et al.は、
PCT公開出願WO00/50462で、TEMPOで
酸化した漂白木材パルプを酸化して、C6位にカルボキ
シルおよびアルデヒド基を導入することを教示してい
る。好ましくは、パルプを酸化前に精製する。一変法で
は、ハロゲン化合物を存在させることなく、低いpHの
反応条件を用いる。TEMPOは、オゾンまたは他の酸
化剤により、好ましくは別の工程で再生する。詳細に
は、繊維の外表面を改質するように述べられている。生
成物は、製紙用の用途に有用であることがわかった。
【0030】Jetten et al.は、関連する
PCT出願WO00/50463およびWO00/50
621で、酵素または遷移金属錯体を用いたセルロース
のTEMPO酸化を教示している。好ましい錯化剤は、
少なくとも3個のアミノ基が2個またはそれ以上の炭素
原子で分離されているポリアミンである。マンガン、
鉄、コバルト、および銅が、好ましい遷移金属である。
C6でのアルデヒド置換は好ましいと思われるが、一次
生成物を、亜塩素酸塩または過酸化水素などの酸化剤に
より、カルボキシル基にさらに酸化してもよい。
【0031】さまざまな有機化合物の第一級アルコール
の、TEMPOで触媒された酸化が、Devine e
t al.への米国特許第6031101号およびLi
et al.への第6127573号に報告されてい
る。酸化系は、TEMPO、亜塩素酸ナトリウム、およ
び次亜塩素酸ナトリウムを用いた緩衝化二相系である。
上記研究者らは、Zhao et al.への関連した
論文のJournalof Organic Chem
istry64:2564〜2566頁(1999年)
で、他の研究者と協力している。同様に、Einhor
n et al.,Journal of Organ
ic Chemistry61:7452〜7454頁
(1996年)には、第一級アルコールをアルデヒドに
酸化するために、二相系でTEMPOをN−クロロスク
シンイミドと使用することが記載されている。
【0032】I.M.Ganiev et al.は、
Journal of Physical Organ
ic Chemistry 14:38〜42頁(20
01年)に、二酸化とTEMPOの錯体、およびそのオ
キソアンモニウム塩への転化を記載している。合成生成
物の具体的用途は、指摘されていない。
【0033】Isogaiは、特開2001−4959
Aに、TEMPO/次亜塩素酸塩酸化系を用いてセルロ
ース繊維を処理して、低レベルの表面カルボキシル置換
を達成することを記載している。処理繊維は、添加剤の
保留特性が良好で、製紙用用途に用いたときに、強度が
低下しない。
【0034】Cimecloglu et al.への
公開された欧州特許出願1077221;107728
5;および1077286には、多糖類の紙力増強剤(p
aperstrength additive)、紙製品、および、TEMPO
/次亜塩素酸塩系を用いてアルデヒド置換を導入した改
質セルロースパルプについて、それぞれ記載されてい
る。
【0035】Jewell et al.への公開され
たPCT出願WO01/29309には、TEMPOま
たはその関連化合物を用いてカルボキシル化したセルロ
ース繊維であって、還元または追加的酸化工程を用い
て、一次酸化中に導入されたアルデヒドまたはケトン置
換を除去することにより、退色またはD.P.分解に対
し安定化させた繊維が記載されている。
【0036】上記研究者はだれも、次亜塩素酸を必要と
せずに環境に優しい化学物質を用いて、従来の製紙工場
の設備で作成および使用することができる、安定な繊維
状カルボキシル化セルロースまたは関連炭水化物材料に
ついて記載していない。
【0037】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するた
めの手段】本発明は、立体障害を有する触媒量の環状オ
キソアンモニウム塩を有効な一次酸化体として用いて、
カルボキシル化炭水化物生成物を製造する方法を対象と
する。これは、対応するアミン、ヒドロキシルアミン、
またはニトロキシドを使用することにより、その場で生
じてもよい。触媒は消費されないので、再使用のために
再循環させてもよい。該方法は、オキソアンモニウム塩
を再生するための二次酸化体として、アルカリ金属また
はアルカリ土類の次亜ハロゲン酸塩化合物を必要としな
い。その代わり、二酸化塩素がこの機能に非常に適する
ことが証明されている。生成物の最高の安定性を所望す
る場合、初期に酸化した生成物を、好ましくは三次酸化
体か、または、還元剤と処理して、あらゆる不安定な置
換基をカルボキシルまたはヒドロキシル基に転化させる
ことができる。
【0038】以下の考察および請求の範囲において、立
体障害を有する対応する複素環式アミン化合物のニトロ
キシド、オキソアンモニウム塩、アミン、またはヒドロ
キシルアミンという用語は、完全な等価物と考えるべき
である。オキソアンモニウム塩は触媒的な活性形である
が、これは、ニトロキシドから形成される中間体化合物
であり、継続的に使用されてヒドロキシルアミンになっ
た後、再生されて、おそらくニトロキシドに戻る。二次
酸化体は、アミン形を遊離基のニトロキシド化合物に転
化するであろう。特記しない限り、通常“ニトロキシ
ド”という用語は、これ以後、関連する文献でのもっと
も一般的な使用法に従って使用する。
【0039】本方法は、利用可能な第一級ヒドロキシル
基を有する多くの炭水化物化合物に広く適用することが
できるが、最適なのはセルロースである。したがって、
“セルロース”および“炭水化物”という用語は、これ
以後に用いるときは、等価物と考えるべきでる。
【0040】本方法は、多くの炭水化物生成物、例え
ば、単糖類、比較的低分子量の糖のオリゴマー、デンプ
ン、キチン、キトサン、および接近しやすい第一級ヒド
ロキシル基を有する多くの他のもののカルボキシル化に
適している。セルロースは好ましい炭水化物材料であ
り、化学的に精製された繊維状セルロースのマーケット
パルプは、本方法に特に好ましい原料である。これは、
漂白もしくは非漂白の亜硫酸パルプ、クラフトパルプ、
あるいは前加水分解した広葉樹材もしくは針葉樹材のク
ラフトパルプまたは広葉樹材もしくは針葉樹材のパルプ
の混合物であることができるが、これに限定されない。
本発明の広い範囲に含まれてはいるが、いわゆる高αセ
ルロースパルプまたは化学パルプ、すなわちα−セルロ
ース含有量が約92%を超えるものは、一般に原料とし
て好ましくない。
【0041】低価格のマーケットパルプが適しているこ
とは、本方法の大きな利点である。マーケットパルプ
は、高級紙、おむつの毛羽、ペーパータオルおよびティ
ッシュペーパーなど、多くの製品に用いられている。こ
れらのパルプは、一般に約86〜88%のα−セルロー
スおよび12〜14%のヘミセルロースを有するが、高
αセルロースの化学パルプまたは溶解パルプは、約92
〜98%のα−セルロースを有する。安定は、アルカリ
性環境でのD.P.低下が最低限であり、自己架橋およ
び色戻りが非常に少ないことを意味する。本発明の方法
は、二次(または再循環)繊維の処理に特に有利であ
る。シートにしたカルボキシル化繊維の接着強さは、未
処理の再循環繊維に比べて著しく向上する。
【0042】本発明に用いられる“セルロース”は、好
ましくは、α−セルロースが90%未満である木材系セ
ルロースのマーケットパルプで、一般に約86〜88%
のα−セルロースおよび約12%のヘミセルロース含有
量を有するものである。
【0043】本発明の方法は、出発原料に比べてカルボ
キシル置換が少なくとも約2meq/100g、好まし
くは少なくとも約5meq/100g増加した生成物を
もたらすであろう。カルボキシル化は、主に無水グルコ
ース単位のC−6上のヒドロキシル基で起こり、ウロン
酸を生じる。
【0044】水性スラリーまたは懸濁液中のセルロース
繊維を、環状オキソアンモニウム塩を含んでなる一次酸
化剤を加えることにより最初に酸化する。これは、対応
するアミン、ヒドロキシルアミンまたはニトロキシル化
合物であって、ニトロキシル窒素原子に隣接する炭素原
子のいずれの上にもα−水素置換がまったくないものか
ら、その場で適宜形成させてもよい。これらの炭素原子
上の置換は、好ましくは炭素数1または2のアルキル基
である。説明の便宜上、特記しない限り、ニトロキシド
は一次酸化体として用いており、用語には対応するニト
ロキシドまたはそのオキソアンモニウム塩の前駆体すべ
てが含まれると理解すべきことが、考えられるであろ
う。
【0045】5および6員環の両方を有するニトロキシ
ドは、適切であることがわかっている。5および6員環
は共に、メチレン基か、あるいは窒素、硫黄または酸素
から選択される複素環式原子(heterocyclic atom)かの
いずれか一方を環の4位に有していてもよく、両環はこ
の位置に1または2個の置換基を有していてもよい。
【0046】ニトロキシド化合物の大きな群が、適切で
あることがわかっている。有用性が認められた例示的ニ
トロキシドには、2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジニル−1−オキシ遊離基(TEMPO)がある。TE
MPOに鏡像関係で連結するその他の適した生成物は、
2,2,2’,2’,6,6,6’,6’−オクタメチ
ル−4,4’−ビピペリジニル−1,1’−ジオキシジ
−遊離基(BI−TEMPO)である。同様に、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニ
ル−1−オキシ遊離基;2,2,6,6−テトラメチル
−4−メトキシピペリジニル−1−オキシ遊離基;およ
び2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンジルオキシ
ピペリジニル−1−オキシ遊離基;2,2,6,6−テ
トラメチル−4−アミノピペリジニル−1−オキシ遊離
基;2,2,6,6−テトラメチル−4−アセチルアミ
ノピペリジニル−1−オキシ遊離基;2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基およ
びこの化合物のケタールは、TEMPOの4位が置換さ
れた化合物の例であり、非常に適切な酸化体であること
がわかっている。環の4位(窒素原子に関して)に第2
のヘテロ原子を有するニトロキシドの中では、3,3,
5,5−テトラメチルモルホリン−1−オキシ遊離基
(TEMMO)が有用である。
【0047】ニトロキシド類は、飽和環を有するものに
限定されない。非常に有効な酸化体と予想される化合物
の1種は、3,4−デヒドロ−2,2,6,6−テトラ
メチル−ピペリジニル−1−オキシ遊離基である。
【0048】4位に二重置換を有する6員環化合物は、
合成が比較的容易で、かつ安価なので、特に有用であ
る。これらの中の典型例は、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基の、1,2−
エタンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−
ジメチル−1−3−プロパンジオール(1,3−ネオペ
ンチルジオール)およびグリセリル環状ケタールであ
る。
【0049】5員環生成物の中では、2,2,5,5−
テトラメチルピロリジニル−1−オキシ遊離基が、非常
に有効であると予想される。上記化合物は、本発明での
使用に適したニトロキシド類の多くの代表例のうちの単
なる典型例として考えるべきであり、言及した化合物
は、あらゆる点で限定を意図したものではない。
【0050】酸化反応中にニトロキシドは消費され、オ
キソアンモニウム塩に転化した後、ヒドロキシルアミン
に転化する。二次酸化体の存在によりニトロキシドが継
続的に再生されることが、証拠によって示されている。
二酸化塩素、または二酸化塩素の潜在的供給源は、好ま
しい二次酸化体である。ニトロキシドは酸化反応で不可
逆的に消費されるわけではないので、触媒量しか必要な
い。反応の過程で消耗されるのは、二次酸化体である。
【0051】必要とされるニトロキシドの量は、存在す
る炭水化物に基づく重量基準で約0.005%〜1.0
%、好ましくは約0.02〜0.25%の範囲である。
ニトロキシドは、セルロースまたはデンプンの場合、無
水グルコース部分のC−6に位置する第一級ヒドロキシ
ルを優先的に酸化することが知られている。第一級アル
コール基を有するヘミセルロースまたは他の炭水化物の
第一級アルコール基で、同様の酸化が起こると予想する
ことができる。
【0052】二酸化塩素の二次酸化体は、酸化される炭
水化物の0.2〜35重量%、好ましくは約0.5〜1
0重量%の量で存在する。先に記載したように、ニトロ
キシド類またはそのオキソアンモニウム塩を、あらゆる
ニトロキシド遊離基生成物の対応するアミンまたはヒド
ロキシルアミンを酸化することによりその場で形成する
ことは、本発明の範囲内にあるとみなす。選択したニト
ロキシドの遊離基形を用いてもよいが、しばしば対応す
るアミンで開始することが好ましい。出発原料として有
用な多くの考え得るアミノ化合物の中では、2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリドン(トリアセトンアミン)お
よびその1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール
およびグリセリル環状ケタールを挙げることができる。
【0053】処理している炭水化物がセルロースである
場合、通常の手順では、セルロース繊維を、少量の重炭
酸ナトリウムまたは他のpH調整用の緩衝材料と共に水
中でスラリー化する。本方法のpHはあまり重要ではな
く、約4〜12、好ましくは約6〜8の範囲内であるこ
とができる。ニトロキシドを水溶液に加え、二酸化塩素
を、別個に加えるか、またはニトロキシドと予備混合し
てもよい。対応するアミンを用いる場合、最初に若干高
い温度で二酸化塩素と共に水溶液中で反応させることが
好ましい。追加的な二酸化塩素をセルローススラリーに
加えた後、触媒溶液を加えて、好ましくは高温で約30
秒〜10時間、約5°〜110℃、好ましくは約20°
〜95℃の温度で反応させる。
【0054】最高の安定性およびD.P.の保留を達成
するために、酸化生成物を安定剤で処理して、あらゆる
置換基、例えばアルデヒドまたはケトンを、ヒドロキシ
ルまたはカルボキシル基に転化させてもよい。安定剤
は、他の酸化剤か、還元剤のいずれかであることができ
る。安定化していない酸化セルロースパルプは、色戻り
の難点を有し、乾燥により自己架橋することができ、こ
れにより、再分散能力と、シート製品に用いたときに強
い接着を形成する能力が低下する。初期酸化後に十分な
非反応ClO2が残存する場合、初期反応混合物の酸性
化のみが必要で、生成物の排水または洗浄さえ不要であ
る。あるいは、以下の酸化処理の1種を用いてもよい。
【0055】アルカリ金属の亜塩素酸塩は、安定剤とし
て用いられる酸化剤の1群であり、価格の要因により亜
塩素酸ナトリウムが好ましい。酸化剤として同程度効果
的に役立つその他の化合物は、過マンガン酸塩、クロム
酸、臭素、酸化銀、および過酸である。二酸化塩素と過
酸化水素を組合せたものも、亜塩素酸ナトリウムに示し
たpH範囲で用いる場合、適切な酸化剤である。亜塩素
酸ナトリウムを用いた酸化は、約0〜5、好ましくは2
〜4の範囲のpH、約10°〜110℃、好ましくは約
20°〜95℃の温度で、約0.5分間〜50時間、好
ましくは約10分間〜2時間の時間にわたり実施するこ
とができる。還元剤とは対照的に酸化体に有利な要因の
1つは、酸化炭水化物上のアルデヒド基が追加的なカル
ボキシル基に転化するので、より高度にカルボキシル化
した生成物が得られる点である。これら安定剤兼酸化剤
を“三次酸化剤”とよび、ニトロキシド/二酸化塩素の
一次/二次酸化剤と区別する。三次酸化剤は、酸化炭水
化物の推定アルデヒド含有量の約1.0〜15倍、好ま
しくは約5〜10倍のモル比で使用する。必要な三次酸
化剤を測定するより好都合な方法において、好ましい亜
塩素酸ナトリウムの使用量は、該亜塩素酸塩を100%
活性材料基準で計算して、炭水化物に基づき約0.01
〜20%、好ましくは炭水化物に基づき約1〜9重量%
の範囲に入るべきである。
【0056】ClO2とH22の混合物で安定化させる
場合、存在するClO2の濃度は、炭水化物の重量に基
づき約0.01〜20%、好ましくは約0.3〜1.0
%の範囲であり、H22の濃度は、炭水化物の重量に基
づき約0.01〜10%、好ましくは0.05〜1.0
%の範囲内に入るべきである。時間は、一般に0.5分
間〜50時間、好ましくは約10分間〜2時間の範囲内
であり、温度は約10°〜110℃、好ましくは約30
°〜95℃の範囲内であろう。系のpHは好ましくは約
3であるが、0〜5の範囲内であってもよい。
【0057】好ましい還元剤は、アルカリ金属のホウ水
素化物である。価格と入手可能性の観点から、ホウ水素
化ナトリウム(NaBH4)が好ましい。しかしなが
ら、その他のホウ水素化物、例えばLiBH4、または
アルカリ金属のシアノホウ水素化物、例えばNaBH3
CNも、適している。NaBH4をLiClと混合し
て、非常に有用な還元剤を形成させてもよい。NaBH
4を還元に使用する場合、それは約0.1〜10.0g
/lの量で存在すべきである。より好ましい量は約0.
25〜5g/lで、もっとも好ましい量は約0.5〜
2.0g/lであろう。炭水化物を基準とした還元剤の
量は、重量に基づき約0.1%〜4%、好ましくは約1
〜3%の範囲にあるべきである。還元は、室温またはこ
れより高温で、10分間〜10時間、好ましくは約30
分間〜2時間の時間にわたり実施することができる。
【0058】安定化の完了後、炭水化物を洗浄し、所望
の場合は乾燥してもよい。あるいは、カルボキシル置換
基を、水素またはナトリウムを除く他のカチオン形、例
えばカルシウム、マグネシウム、またはアンモニウムに
転化させてもよい。
【0059】本方法の特に有利な点の1つは、すべての
反応を水性媒体中で実施する点である。本方法をセルロ
ースに用いるときの別の利点は、カルボキシル化が主に
繊維表面上に位置する点である。これは、製紙に非常に
有利な性質をもたらす。本発明の生成物は、繊維表面上
に少なくとも約20%の全カルボキシル含有量を有す
る。非処理繊維の全カルボキシル置換は、代表的には、
わずか数ミリ当量にすぎず、このうち繊維表面上に位置
するのは約10%ほどであろう。
【0060】本発明の方法を用いて作成したカルボキシ
ル化セルロースは、それ自体または従来の繊維と結びつ
けたもののいずれも、製紙用完成紙料として非常に有利
である。それは、製紙用完成紙料の0.5〜100%の
量で用いることができる。カルボキシル化繊維は、再循
環繊維と混合して強度を高めるのに特に有用である。本
方法は、未使用繊維および再循環繊維のいずれでも、性
質の改善に用いることができる。繊維上の増加したアニ
オン部位数は、非処理繊維に比べ顕著に多量のカチオン
製紙用添加剤を、イオン的に保持するのに役立つべきで
ある。これらの添加剤は、湿潤紙力増強用樹脂、サイジ
ング用化学物質乳濁液、充填剤および顔料の保留助剤、
荷電充填剤粒子(charged filler particles)、染料など
であることができる。カルボキシル化パルプは、同様に
乾燥により角化(hornify)(すなわち不可逆的に崩壊す
る)せず、再循環させた場合優れた材料である。該パル
プは、再湿潤によりさらに膨潤し、精製に必要なエネル
ギーが少なく、より優れたシート強度をもたらす。
【0061】本発明の主な目的は、第一級ヒドロキシル
基を有する炭水化物材料にカルボキシル置換を導入する
ことができる好都合な方法を提供することである。本発
明の重要な目的は、水性反応媒体を用いて、増加したカ
ルボキシル含有量を有するセルロース繊維を作成する方
法を提供することである。
【0062】塩素または次亜ハロゲン酸塩化合物を使用
せずに、カルボキシル化セルロース繊維を作成する方法
を提供することも、一目的である。他の目的は、カルボ
キシル化セルロース繊維の作成方法であって、パルプ工
場または製紙工場で一般的にみられる設備および多くの
化学物質で実施することができる方法を提供することで
ある。
【0063】他の目的は、増加したカルボキシル含有量
を繊維表面に有するセルロース繊維を提供することであ
る。他の目的は、アルカリ性環境中でのD.P.低下に
対し安定なカルボキシル化セルロース繊維を提供するこ
とである。
【0064】一目的は、カルボキシル含有量が増加した
安定なセルロース繊維であって、D.P.が、ナトリウ
ム塩として測定すると少なくとも850であり、または
遊離酸形で測定した場合700である繊維を提供するこ
とである。
【0065】さらに他の目的は、カチオン製紙用添加剤
への強いイオン引力を有するセルロース繊維を提供する
ことである。別の目的は、カルボキシルが増加した繊維
を含有するセルロースパルプおよび紙製品を提供するこ
とである。
【0066】これらおよび多くの他の目的は、以下の詳
細な説明を図面と合わせて考慮して読むことにより、容
易に明らかになるであろう。
【0067】
【発明の実施の形態】十分な実験室でのデータは、ニト
ロキシドで触媒されたセルロースの酸化が、主に無水グ
ルコース部分のC−6上の第一級ヒドロキシル基で起こ
ることを示している。酸化セルロースへの他のいくつか
の経路とは対照的に、C−2およびC−3位の第二級ヒ
ドロキシル基では、ほんのわずかな反応しか観察されな
かった。例としてTEMPOを用いると、C−6位での
カルボキシル基の形成機構は、中間でアルデヒド段階を
経て進行する。
【0068】
【化10】
【0069】TEMPOは、反応で不可逆的に消費され
ずに、継続的に再生される。二次酸化体により、実際の
酸化体であるオキソアンモニウム(またはニトロソニウ
ム)イオンに転化する。酸化中にオキソアンモニウムイ
オンはヒドロキシルアミンに還元され、これからTEM
POが再び形成される。したがって、実際に消費される
のは二次酸化体である。TEMPOは、水性系から再生
または再循環させてもよい。反応を、以下のように仮定
する:
【0070】
【化11】
【0071】先に記載したように、ヒドロキシルアミン
またはアミンの酸化によるその場でのオキソアンモニウ
ム塩の形成は、本発明の範囲内にあるとみなす。得られ
る酸化セルロース生成物は、カルボキシルおよびアルデ
ヒド置換の混合を有する。セルロース上のアルデヒド置
換は、特定の環境条件下で経時的に変性をもたらすと知
られている。それに加え、無水グルコース単位のC−2
およびC−3位に微量のケトンカルボニルが形成するこ
とができ、これも分解を引き起こすことになる。著しい
D.P.、繊維の強度低下、架橋、および黄変は、生じ
る問題の一部である。これらの理由から、アルデヒド置
換基をカルボキシル基に酸化するか、またはアルデヒド
およびケトン基をヒドロキシル基に還元して、生成物の
安定性を確実にすることが、非常に望ましいことを見い
だした。
【0072】ニトロキシル化合物の以下の群およびそれ
らの対応するアミンまたはヒドロキシルアミンは、有効
な一次酸化体として知られる
【0073】
【化12】
【0074】[式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアル
キル基であるが、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に
炭素数5または6の脂環式環構造に含まれていてもよ
く;Xは硫黄または酸素であり;R5は、水素、C1〜C
12アルキル、ベンジル、2−ジオキサニル、ジアルキル
エーテル、アルキルポリエーテル、またはヒドロキシア
ルキルであり、R5が存在しないXは、水素であるか、
またはビピペリジニルニトロキシドを形成する鏡像部分
であることができる]。非常に有効であることが知られ
るこの群の具体的化合物は、2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジニル−1−オキシ遊離基(TEMPO);
2,2,2’,2’,6,6,6’,6’−オクタメチ
ル−4,4’−ビピペリジニル−1,1’−ジオキシジ
−遊離基(BI−TEMPO);2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ヒドロキシピペリジニル−1−オキシ遊
離基(4−ヒドロキシ−TEMPO);2,2,6,6
−テトラメチル−4−メトキシピペリジニル−1−オキ
シ遊離基(4−メトキシ−TEMPO);および2,
2,6,6−テトラメチル−4−ベンジルオキシピペリ
ジニル−1−オキシ遊離基(4−ベンジルオキシ−TE
MPO)である。
【0075】
【化13】
【0076】[式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアル
キル基であるが、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に
炭素数5または6の脂環式環構造に含まれていてもよ
く;R6は水素またはC1〜C5アルキルであり;R7は、
水素、C1〜C8アルキル、フェニル、カルバモイル、ア
ルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、またはC
1〜C8アシルである]。この群の代表例は、2,2,
6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジニル−1−
オキシ遊離基(4−アミノTEMPO);および2,
2,6,6−テトラメチル−4−アセチルアミノピペリ
ジニル−1−オキシ遊離基(4−アセチルアミノ−TE
MPO)である。
【0077】
【化14】
【0078】[式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアル
キル基であるが、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に
炭素数5または6の脂環式環構造に含まれていてもよ
く;Xは、酸素、硫黄、NH、N−アルキル、NOH、ま
たはNOR8であり、ここで、R8は低級アルキルであ
る]。代表例は、2,2,6,6−テトラメチル−4−
オキソピペリジニル−1−オキシ遊離基(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離
基)であってもよい。
【0079】
【化15】
【0080】[式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアル
キル基であるが、R1とR2、およびR 3とR4は、炭素数
5または6の脂環式環構造中に連結していてもよく;X
は、酸素、硫黄、−アルキルアミノ、またはアシルアミ
ノである]。一例は、3,3,5,5−テトラメチルモ
ルホリン−4−オキシ遊離基である。この場合、酸素原
子は番号付けで優先されるが、ジメチル置換炭素はニト
ロキシド部分に隣接したままである。
【0081】
【化16】
【0082】[式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアル
キル基であるが、R1とR2、およびR 3とR4は、炭素数
5または6の脂環式環構造中に連結していてもよい]。
適切な化合物の一例は、3,4−デヒドロ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシ遊離基
である。
【0083】
【化17】
【0084】[式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアル
キル基であるが、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に
炭素数5または6の脂環式環構造に含まれていてもよ
く;Xは、メチレン、酸素、硫黄、またはアルキルアミ
ノであり;R9およびR10は、炭素数1〜5のアルキル
基であり、一緒に、順次1〜4個の低級アルキルまたは
ヒドロキシアルキル置換基を有していてもよい5または
6員環構造に含まれていてもよい]。例には、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊
離基の、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオー
ル、およびグリセリル環状ケタールが含まれる。これら
の化合物は、効果が高く、安価であり、合成が容易で、
かつ適切な水溶性を示すので、特に好ましい一次酸化体
である。
【0085】
【化18】
【0086】[式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアル
キル基であるが、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に
炭素数5または6の脂環式環構造に含まれていてもよ
く;Xは、メチレン、硫黄、酸素、−NH、またはNR
11であってもよく、ここでR11は低級アルキルであ
る]。これらの5員環化合物の一例は、2,2,5,5
−テトラメチルピロリジニル−1−オキシ遊離基であ
る。
【0087】“低級アルキル”という用語が用いられて
いる場合、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族の直鎖ま
たは分枝鎖アルキル部分を意味すると理解すべきであ
る。以下の実施例で用いたセルロースは、特記しない限
り、漂白はしてあるが、乾燥していない、Albert
aの工場で製造されたノーザン針葉樹材クラフト湿式ラ
ップ(wet lap)マーケットパルプである。
【0088】
【実施例】実施例1 トリアセトンアミンのグリセリルケタールを使用した一
次酸化剤の形成 トリアセトンアミンのグリセリルケタール(gk−TA
A)は、7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオ
キサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−メタノー
ルである。これは、市販されている化学物質である。し
かしながら、強酸条件下で2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリドンとグリセリンを反応させて、合成し
てもよい。
【0089】第1部:10.3mgのgk−TAAを、
2gの6.7g/l ClO2溶液と60°で約2分間
反応させた。その後、これに2gのClO2溶液を追加
的に加え、反応を60°でさらに2分間継続した。反応
混合物を、30mlのClO 2溶液および60mlの水
に加えた。この溶液を密封可能なポリエチレン袋内に置
いた後、これに、セルロースの湿潤試料45g(O.
D.基準で10g)を1gのNaHCO3と組み合せて
加えた。この時点でのpHは7.3であった。内容物を
含んだ袋を、60〜70℃の水浴中に31分間置いた。
酸化パルプを排水すると、湿潤重量は34gであった。
触媒を再循環させるために、98gの回収液を残してお
いた。分析用に、少量の酸化パルプを残しておいた。そ
の残りを、1M H2SO4溶液でpHを約3に調整し、
30mlの6.7g/l ClO2溶液、3mlの3%
22、および40mlの水を加えることにより、安
定化させた。安定化反応を、60°〜70℃で約1時間
続けた。パルプを洗浄し、約pH 8〜9のNa2CO3
溶液中で処理することによりナトリウム形に転化させ
た。
【0090】第2部:上記酸化工程からの回収液を、4
1g(10g O.D.)の乾燥していないセルロース
パルプ、30mlの6.7g/l ClO2溶液および
1gのNaHCO3と組み合せた。これらを、上記のよ
うな密封ポリエチレン袋内に置き、60〜70℃の水浴
中で40分間反応させた。酸化パルプを排水し、上記の
ように安定化させた。
【0091】上記のように作成した材料のカルボキシル
含有量を測定した結果、以下のようであった: 試料 カルボキシル、meq/100g 第1部、非安定化 7.7 第1部、安定化 11.7 第2部、非安定化 7.0 第2部、安定化 12.3 これらの結果は、gk−TAAが一次酸化触媒として有
効であることを示すのみならず、それを有効性を失わず
に再循環させることができることを示している。実施例2 一次触媒の充填効果の研究 20.0mgのgk−TAAを約2.0gの6.7g/
l ClO2溶液に70℃で1〜2分間添加して、触媒
溶液を作成した。gk−TAAは完全に溶解したようで
あった。41g(10g O.D.)の乾燥していない
パルプ、0.5gのNaHCO3、75mlの水、およ
び14mlの6.7g/l ClO2溶液を用いて、セ
ルロースを上記のように酸化させた。これに、0.11
g、0.26g、0.50g、または0.75gの触媒
溶液のいずれかを加えた。これらの触媒添加は、乾燥セ
ルロースの重量を基準として、0.011%、0.02
6%、0.050%、および0.075%に相当する。
70℃での30分間の反応時間の後、触媒使用量の多い
2試料の外観は白色で、次に使用量が少ない試料はわず
かに灰色がかった白色を呈し、触媒使用量が最も少ない
試料は淡黄色であった。2時間後、試料を水浴から取り
出し、排水した。未洗浄の酸化材料を、30mlの6.
7g/l ClO2溶液および3gの3% H22で処
理して安定化させた。pHを、1M H2SO4で約1に
調節した。60℃で約30分間、処理を継続した。その
後、試料を濾過により取り出し、脱イオン水で洗浄し
た。カルボキシルの分析は、以下の置換レベルを示し
た: 試料番号 触媒、重量% カルボキシル、meq/100g 1 0.011 5.5 2 0.026 8.6 3 0.050 8.7 4 0.075 9.4 置換データから、カルボキシル化のレベルは、触媒使用
量に対し一次関数を示さないことが明らかである。0.
026%を超えるgk−TAA触媒を用いると、わずか
な増加がみられた。実施例3 トリアセトンアミンの1,3−プロパンジオールケター
ルを使用した一次酸化剤の形成 トリアセトアミンの1,3−プロパンジオールアセター
ル10.5mgと1.5mlの5.7g/l ClO2
溶液を封管内で約1分間反応させて、触媒溶液を形成さ
せた。得られた暗色材料は、液体にすぐに溶解した。水
(75ml)、0.5gのNaHCO3、15mlの
5.7g/l ClO2溶液、および活性化触媒溶液、
ならびに数mlの洗浄水を、その順序で組み合せた。こ
れを、41gの湿潤(10g O.D.)セルロースと
組み合せ、密封ポリエチレン袋内で混合した。混合物を
70℃の水浴中に置き、33分間放置して反応させた。
スラリーを、1M H2SO4溶液で約pH 3に酸性化
した。その後、5.0mlの5.7g/l ClO2
液および1.5mlの3% H22を混ぜ入れた。密封
袋を、70℃の湯浴中に再び約1時間置いた。得られた
安定化したカルボキシル化セルロースを、上記のように
洗浄して乾燥した。カルボキシル含有量を測定すると、
8.3meq/100gであった。実施例4 一次酸化剤としてのTEMPOとClO2二次酸化体の
使用 ノーザン針葉樹材パルプの乾燥試料10.6g(10.
0g O.D.)を、3gのNaHCO3と共に200
gの水中でスラリー化した。その後、0.1gのTEM
POおよび約2mlの6g/l ClO2溶液を組み合
せ、徐々に加熱して酸化触媒を形成させた。追加的な6
8mlの6g/l ClO2溶液を、パルプスラリーに
撹拌しつつ加え、次に触媒混合物を加えた。スラリーを
密封ポリエチレン袋に入れ、70℃の水浴中に30分間
浸漬させた。その後、反応したセルロースを洗浄し、
0.7gの30% H22、0.7gのNaClO2
湿潤パルプ、および合計100gにするための水と組み
合わせて安定化させた。約1.5gの1M H2SO4
加えてpHを3未満に低下させ、混合物を加熱し、70
℃で約1時間放置して反応させた。分析の結果、非安定
化材料のカルボキシル含有量は8.7meq/100g
であったが、安定化試料は17meq/100gのカル
ボキシルを有していた。実施例5 2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを使用した一
次酸化触媒の形成 出発触媒材料としてTEMPOのニトロキシド形を使用
せずに、対応するアミンを用いて触媒を作成した。7.
1g/l ClO2を含有する水溶液を調製した。これ
の約5mlを約80mgの2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジンと反応させて、オキサアンモニウム塩を形
成させた。その後、85〜90mlのClO2溶液を、
41g(10.0g O.D.)の乾燥していないパル
プ、3gのNaHCO3、および0.08gの3.3%
22と組み合せた。触媒溶液を加え、全体を密封ポ
リエチレン袋に入れ、これを70℃の水浴中に40分間
浸漬させた。その後、1M H2SO4でpHを3未満に
調整した。次に、3gの3.3% H22および30m
lのClO2溶液を混ぜ入れ、安定化させるために70
℃の水浴中に再び1時間置いた。安定化したカルボキシ
ル化セルロースを、上記のように洗浄して乾燥した。カ
ルボキシル含有量は、22meq/100gであった。実施例6 4−オキソ−TEMPO−1,3−プロパンジオールケ
タールを使用した一次酸化剤の形成 0.10gの2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドン1−3−プロパンジオールケタールを約3mlの
6.8g/l ClO2溶液と混合して反応させて、対
応する触媒オキソアンモニウム化合物を形成させること
により、触媒混合物を形成させた。その後、41g(1
0g O.D.)の乾燥していない漂白ノーザン針葉樹
材クラフトパルプを、3gのNaHCO3と共に87m
lのClO2溶液に加え、続いて触媒溶液を迅速に加え
た。pH 7.5の混合物を密封ポリエチレン袋内に置
き、70℃の湯浴中に約30分間浸した。反応混合物の
pHを、1M H2SO4で3未満に低下させた。このと
き、約6gの3.2% H 22および30mlの6.8
g/l ClO2溶液を加えた。ポリエチレン袋を再び
密封し、70℃の水浴中に1時間置いた。その後、安定
化パルプを、上記のように洗浄して乾燥した。分析によ
るカルボキシル含有量は、23meq/100gであっ
た。実施例7 カルボキシル含有量に対する酸化pHの影響 実施例6の触媒混合物を再び調製したが、今回は、新し
い7.1g/l ClO2溶液を用いた。使用した緩衝
系は、上記で用いたpHを約7.5にするNaHCO3
緩衝液ではなく、以下の表に示すようなNa2HPO4
クエン酸の混合物であった。緩衝液は例外であるが、用
いた手順は、以下の例外を除き、一般に実施例6の手順
に類似していた。7.1g/l ClO2溶液は30m
lだけ使用し、初期反応時間は2.75時間に延長し
た。安定化は同様の条件下で実施したが、ClO2溶液
を25mlだけ使用し、温度を60℃とし、試料を含ん
だ袋を1時間後に水浴から取り出し、週末の間室温で放
置しておいた点は、例外であった。反応条件およびカル
ボキシル含有量は、以下のとおりであった:
【0092】
【表1】
【0093】ClO2とのカルボキシル化反応のpHが
あまり重要でないことは、明らかである。二次酸化体と
しての次亜塩素酸ナトリウムの従来の使用では、有効性
を最善にするためにpHを約9〜10.5にする必要が
あるのに反して、ClO2を用いた反応は酸性部位で進
行し、カルボキシル置換は、ほとんど、またはまったく
還元されないであろう。実施例8 酸化パルプの白色度の戻りに対する安定化の影響 0.11gの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
を約25mlの6.9g/l ClO2溶液と70℃で
数分間反応させて、触媒混合物を作成した。その後、活
性化触媒、10gのNaHCO3、410g(100g
O.D.)の乾燥していないノーザン漂白クラフト針
葉樹材パルプ、および575mlの6.9g/l% C
lO2溶液を、均質に混合した。混合物のpHは、8.
0〜8.5の範囲であった。その密封容器を70℃の湯
浴中に置いた。反応中に放出されたガスは、必要に応じ
てガス抜きした。38分後、生成物を2部に分けた。第
1部は、洗浄し、約2g/lのNa2CO3溶液を用い
て、pH 9〜10で約5分間処理した。その後、非安
定化生成物を脱イオン水で洗浄したが、乾燥せずに静置
した。第2部は、約200mlの残留反応液を除去し、
5.0gの80% NaClO2、5.0gの3% H2
2、および12.8gの1M H2SO4の等量の溶液
で置き換えることにより、安定化させた。これを、再び
70℃で45分間反応させた。生成物を排水し、洗浄
し、pHが約10の塩基性水で処理し、再度洗浄した。
【0094】最初の試料および2種の処理試料の分析に
より、以下の結果が得られた: 試料 D.P. カルボキシル、meq/100g 非処理 1650±100 4.0±0.5 非安定化 650* 13.7±0.5 安定化 1390±60 21.6±0.1 * 非安定化材料のD.P.の結果は、アルカリ性銅エチレンジアミン溶媒中 で分解が起こるため不確実である。 その後、促進老化後の色戻りを研究するために、上記3
試料のハンドシートを作成した。これらを、室温および
50% R.H.で一晩乾燥した。試料を105℃のオ
ーブンで1時間加熱した前後に、白色度を測定した。加
熱試料を、50% R.H.で少なくとも30分間再度
コンディショニングした。結果は、以下のとおりであ
る:
【0095】
【表2】
【0096】安定化試料の優れた白色度保留性が、上記
試験結果からすぐに明らかになる。実施例9 一次酸化液を保留する安定化 12mgのTEMPOと約2mlの7g/l ClO2
溶液を70℃で約1分間反応させて、触媒組成物を形成
させた。その活性化触媒を、約88mlの7g/l C
lO2溶液中の41g(10g O.D.)のノーザン
混合針葉樹漂白クラフトパルプおよび2gのNa2CO3
のスラリーに加えた。混合物を密封ポリエチレン袋に入
れ、70℃の水浴中に30分間置いた。混合物をときど
き混合し、必要な場合はガス抜きした。初期酸化の後、
試料を約66gずつの等しい2部に分けた。
【0097】1部は、1M H2SO4を用いてpH 3
未満に酸性化することにより安定化させ、70℃の湯浴
中に再び1時間置いた。ClO2またはH22は加えな
かった。その後、繊維を回収し、十分に洗浄し、pH
約10でNa2CO3溶液と処理し、再度洗浄し、乾燥し
た。
【0098】第2部は、2.3gの3% H22で処理
した後、1M H2SO4で処理してpHを3未満に調整
することにより、安定化させた。これも、70℃の湯浴
中に1時間保持した。その後、安定化セルロースを上記
のように処理した。両試料についてカルボキシル含有量
を測定した。
【0099】
【表3】
【0100】用いた初期酸化条件下では、安定化するた
めに追加的酸化体は必要なく、酸性化によるpH調整で
十分であることが明白である。実施例10 ClO2およびトリアセトンアミンのグリセリルケター
ルを用いたデンプンの酸化 10.7mgのトリアセトンアミンのグリセリルケター
ルを、70℃で約2mlの5.2g/l ClO2と反
応させた。その後、16.4% FilmFlex(登
録商標)50デンプンであって、該デンプンを水中で加
熱することにより可溶化してあるもの61g(10.0
g O.D.)、3gのNaHCO3、および約98m
lの5.2g/l ClO2の溶液を調製した。Fil
mFlexは、Cargill Corp.のヒドロキ
シエチルトウモロコシデンプン製品の登録商標である。
活性化触媒を加えた。系のpHは約7.5であった。5
分後に、少量の第1部(約10g)を取り出した(試料
A)。残りを密封ポリエチレン袋内に置いた後、70℃
の水浴中に23分間置いた。その後、約71gの第2部
を、袋から取り出した(試料B)。次に、1M H2
4を用いて袋内の残留材料のpHを約3に低下させた
後、これに30mlのClO2溶液と9mlの3% H2
2を加えた。その袋を、再び70℃の水浴中に40分
間置いた(試料C)。すべての処理において、デンプン
は溶液中に残っていた。
【0101】対照試料である16.4% FilmFl
ex(登録商標)50デンプン18gを、脱イオン水で
50mlに希釈した。その後、1M H2SO4を用いて
pHを約2に調整した(試料D)。
【0102】105℃で約1時間乾燥しておいた試料A
(約0.4g)およびB(約3g)を、別個に約10m
lの水に溶解させた。1M H2SO4を用いて、pHを
約1に低下させた。次に、25mlのアセトンを、それ
ぞれの試料に撹拌しつつ加え、その後デカントした。こ
れに続いて、別個の4分割量に分けた125mlの無水
エタノールを用いて試料を処理し、その結果、生成物は
もはやゴム状ではなく、ゆるい顆粒状の外観を呈してい
た。各エタノール洗浄の後、上澄み液をデカントした。
わずかに黄色を呈した顆粒状の洗浄した生成物を105
℃で約1時間乾燥し、分析に送った。
【0103】処理試料Cのデンプンを単離するために、
150mlのアセトンを、撹拌しつつ徐々に溶液に加え
た。得られた沈殿が沈降した後、上澄み液をデカントし
た。その後、4部に分けた150mlのエタノールをゴ
ム状沈殿物に加えて、残留する水および化学物質を抽出
し、上澄みを毎回デカントした。白色の顆粒状生成物を
約105℃で1時間オーブン乾燥し、試料をカルボキシ
ル分析用に提出した。
【0104】試料Dを、初期処理をアセトンではなく1
00mlのエタノールで行う点を除き、同様の方法で処
理した。洗浄した材料を、再び105℃で約1時間オー
ブン乾燥した。
【0105】分析によると、試料AおよびDは、顕著な
カルボキシル含有量を有していなかった。しかしなが
ら、試料Bのカルボキシル含有量は約29meq/10
0gで、試料Cは約30meq/100gであった。
【0106】例示しなかった多くの反応条件、多くの炭
水化物化合物、および立体障害を有する多くのニトロキ
シド化合物が、二次酸化体としてのClO2と共に使用
するのに適していることは、当分野の技術者には明らか
であろう。したがって、以下の請求項内に包含される場
合、これらの変動が本発明の範囲内に含まれることは、
本発明の意図するところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エス・アナンダ・ウィーラワーナ アメリカ合衆国ワシントン州98125,シア トル,トゥエンティフォース・プレイス・ ノースイースト 14330 (72)発明者 リチャード・エイ・ジュエル アメリカ合衆国ワシントン州98006,ベル ヴュー,ハンドレッドフォーティシックス ス・アベニュー・サウスイースト 5215 Fターム(参考) 4C090 AA05 AA07 BA14 BA34 BA97 BB52 BB65 BB72 BB84 BB99 BC08 BD11 BD18 BD35 BD36 CA32 CA34 DA10 DA28 4H039 CA65 CC30

Claims (79)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル化炭水化物生成物の作成方
    法であって、 炭水化物化合物を、水性系中で、立体障害を有する複素
    環式オキソアンモニウム塩類であって、オキソアンモニ
    ウム窒素に隣接する炭素原子にα−水素置換がないも
    の、対応するアミン類、ヒドロキシルアミン類、および
    これらオキソアンモニウム塩類のニトロキシド類、およ
    びそれらの混合物からなる群より選択される十分量の一
    次酸化体、ならびに、 二酸化塩素および二酸化塩素の潜在的供給源から選択さ
    れる、炭水化物中のカルボキシル置換に少なくとも2m
    eq/100gの増加を引き起こすのに十分な量の二次
    酸化体、と反応させることにより、炭水化物化合物を酸
    化する、ことを含んでなる、カルボキシル化炭水化物生
    成物の作成方法。
  2. 【請求項2】 炭水化物が、セルロースおよびデンプン
    からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 炭水化物生成物がデンプンである、請求
    項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 炭水化物生成物がセルロースである、請
    求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ニトロキシド類が、ニトロキシドに隣接
    する各炭素原子上にジ−低級アルキル置換を有する5ま
    たは6員環構造を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ニトロキシド類が、構造 【化1】 を有する組成物である、請求項5に記載の方法 [式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアルキル基である
    が、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に炭素数5また
    は6の脂環式環構造に含まれていてもよく、Xは、硫黄
    または酸素であり、R5は、水素、C1〜C12アルキル、
    ベンジル、2−ジオキサニル、ジアルキルエーテル、ア
    ルキルポリエーテル、またはヒドロキシアルキルであ
    り、R5が存在しないXは、水素であるか、またはビピ
    ペリジニルニトロキシドを形成する鏡像部分であること
    ができる]。
  7. 【請求項7】 ニトロキシドが2,2,6,6−テトラ
    メチルピペリジニル−1−オキシ遊離基である、請求項
    6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ニトロキシドが2,2,2’,2’,
    6,6,6’,6’オクタメチル−4,4’−ビピペリ
    ジニル−1,1’−ジオキシジ−遊離基である、請求項
    6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ニトロキシドが2,2,6,6−テトラ
    メチル−4−ヒドロキシピペリジニル−1−オキシ遊離
    基である、請求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ニトロキシドが2,2,6,6−テト
    ラメチル−4−メトキシピペリジニル−1−オキシ遊離
    基である、請求項6に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ニトロキシドが2,2,6,6−テト
    ラメチル−4−ベンジルオキシピペリジニル−1−オキ
    シ遊離基である、請求項6に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ニトロキシド類が、構造 【化2】 を有する組成物である、請求項5に記載の方法 [式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアルキル基である
    が、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に炭素数5また
    は6の脂環式環構造に含まれていてもよく、R6は、水
    素またはC1〜C5アルキルであり、R7は、水素、C1
    8アルキル、フェニル、カルバモイル、アルキルカル
    バモイル、フェニルカルバモイル、またはC1〜C8アシ
    ルである]。
  13. 【請求項13】 ニトロキシドが2,2,6,6−テト
    ラメチル−4−アミノピペリジニル−1−オキシ遊離基
    である、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 ニトロキシドが2,2,6,6−テト
    ラメチル−4−アセチルアミノピペリジニル−1−オキ
    シ遊離基である、請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 ニトロキシド類が、構造 【化3】 を有する組成物である、請求項5に記載の方法 [式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアルキル基である
    が、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に炭素数5また
    は6の脂環式環構造に含まれていてもよく、Xは、酸
    素、硫黄、NH、N−アルキル、NOH、またはNOR8
    であり、ここで、R8は低級アルキルである]。
  16. 【請求項16】 ニトロキシドが2,2,6,6−テト
    ラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基である、
    請求項15の方法。
  17. 【請求項17】 ニトロキシド類が、構造 【化4】 を有する組成物である、請求項5に記載の方法 [式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアルキル基である
    が、R1とR2、およびR 3とR4は、炭素数5または6の
    脂環式環構造中に連結していてもよく、Xは、酸素、硫
    黄、−アルキルアミノ、またはアシルアミノである]。
  18. 【請求項18】 ニトロキシドが3,3,5,5−テト
    ラメチルモルホリン−1−オキシ遊離基である、請求項
    17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ニトロキシド類が、構造 【化5】 を有する組成物である、請求項5に記載の方法 [式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアルキル基である
    が、R1とR2、およびR 3とR4は、炭素数5または6の
    脂環式環構造中に連結していてもよい]。
  20. 【請求項20】 ニトロキシドが3,4−デヒドロ−
    2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキ
    シ遊離基である、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 ニトロキシド類が、構造 【化6】 を有する組成物である、請求項5に記載の方法 [式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアルキル基である
    が、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に炭素数5また
    は6の脂環式環構造に含まれていてもよく、Xは、メチ
    レン、酸素、硫黄、またはアルキルアミノであり、そし
    て、R9およびR1 0は、炭素数1〜5のアルキル基であ
    り、一緒に、順次1〜4個の低級アルキルまたはヒドロ
    キシアルキル置換基を有していてもよい5または6員環
    構造に含まれていてもよい]。
  22. 【請求項22】 各Xが酸素であり、該酸素原子が、炭
    素数2〜3のアルキル鎖によって連結して、環状ケター
    ル置換基を形成する、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 ニトロキシド組成物が、2,2,6,
    6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基
    の1,2−エタンジオール環状ケタールである、請求項
    22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 ニトロキシド組成物が、2,2,6,
    6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基
    の1,3−プロパンジオール環状ケタールである、請求
    項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 ニトロキシド組成物が、2,2,6,
    6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基
    の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール環状ケ
    タールである、請求項22に記載の方法。
  26. 【請求項26】 ニトロキシドが、2,2,6,6−テ
    トラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基のグリ
    セリル環状ケタールである、請求項22に記載の方法。
  27. 【請求項27】 ニトロキシド類が、2,2,5,5低
    級アルキル置換を有する原子数5の環構造を有する、請
    求項5に記載の方法。
  28. 【請求項28】 ニトロキシド類が、構造 【化7】 を有する組成物である、請求項27に記載の方法 [式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアルキル基である
    が、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に炭素数5また
    は6の脂環式環構造に含まれていてもよく、Xは、メチ
    レン、硫黄、酸素、−NH、またはNR11であってもよ
    く、ここで、R11は低級アルキルである]。
  29. 【請求項29】 ニトロキシド組成物が、2,2,5,
    5−テトラメチルピロリジニル−1−オキシ遊離基であ
    る、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 酸化反応中に水性系を約4〜12のp
    Hに緩衝する、請求項1に記載の方法。
  31. 【請求項31】 酸化反応中に水性系を約6〜8のpH
    に緩衝する、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 一次酸化体が、存在する炭水化物の重
    量を基準として0.005〜1.0%の範囲で存在す
    る、請求項1に記載の方法。
  33. 【請求項33】 一次酸化体が、存在する炭水化物の重
    量を基準として0.02〜0.25%の範囲で存在す
    る、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 二次酸化体が、存在する炭水化物の重
    量を基準として0.2〜35%の範囲で存在する、請求
    項1に記載の方法。
  35. 【請求項35】 二次酸化体が、存在する炭水化物の重
    量を基準として0.5〜10%の範囲で存在する、請求
    項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 初期酸化工程を0.5分間〜約50時
    間の時間にわたり実施する、請求項1に記載の方法。
  37. 【請求項37】 初期酸化工程を約10分間〜2時間の
    時間にわたり実施する、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 炭水化物が高分子化合物であり、そし
    て、水性懸濁液中で、酸化剤および還元剤からなる群よ
    り選択される安定剤とさらに処理して、分子鎖の切断を
    もたらす傾向があるあらゆる置換基を除去することによ
    り、重合度(D.P.)の低下から炭水化物を保護する
    ことをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  39. 【請求項39】 炭水化物化合物がセルロースである、
    請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 カルボキシル化セルロース繊維を三次
    酸化剤と処理して、実質的にあらゆるアルデヒド置換基
    を追加的なカルボキシル基に転化させることにより、生
    成物を安定化させることをさらに含んでなる、請求項3
    9に記載の方法。
  41. 【請求項41】 三次酸化剤での処理後のカルボキシル
    化セルロース繊維を、還元剤で処理することによりさら
    に安定化させることを含んでなる、請求項40に記載の
    方法。
  42. 【請求項42】 三次酸化体が、アルカリ金属の亜塩素
    酸塩、二酸化塩素/過酸化水素混合物、および過酸から
    なる群より選択される、請求項40に記載の方法。
  43. 【請求項43】 三次酸化体が、二酸化塩素と過酸化水
    素の混合物である、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 二酸化塩素がセルロースの重量を基準
    として約0.01〜20%の量で存在し、過酸化水素が
    セルロースの重量に基づき約0.01〜10%の量で存
    在する、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 二酸化塩素がセルロースの重量を基準
    として約0.3〜1.0%の量で存在し、過酸化水素が
    セルロースの重量に基づき約0.05〜1.0%の量で
    存在する、請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 三次酸化体が亜塩素酸ナトリウムであ
    る、請求項42に記載の方法。
  47. 【請求項47】 亜塩素酸ナトリウムが、安定化反応中
    にセルロースの重量に基づき0.1〜20%の濃度で存
    在する、請求項46に記載の方法。
  48. 【請求項48】 亜塩素酸ナトリウムが、安定化反応中
    にセルロースの重量に基づき1〜9%の濃度で存在す
    る、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 三次酸化体が過酸である、請求項42
    に記載の方法。
  50. 【請求項50】 三次酸化体が、安定化反応中に、カル
    ボキシル化セルロース上のアルデヒド置換の1.5〜1
    5倍のモル比で水性懸濁液中に存在する、請求項40に
    記載の方法。
  51. 【請求項51】 三次酸化体が、安定化反応中に、カル
    ボキシル化セルロース上のアルデヒド置換の5〜10倍
    のモル比で水性懸濁液中に存在する、請求項50に記載
    の方法。
  52. 【請求項52】 安定化反応中の酸化が、5分間〜50
    時間の時間にわたり進行する、請求項40に記載の方
    法。
  53. 【請求項53】 安定化反応中の酸化が、10分間〜2
    時間の時間にわたり進行する、請求項52に記載の方
    法。
  54. 【請求項54】 三次酸化剤が亜塩素酸ナトリウムで、
    還元剤がホウ水素化ナトリウムである、請求項41に記
    載の方法。
  55. 【請求項55】 酸化的安定化処理を、約0〜5のpH
    での酸性条件下で実施する、請求項40に記載の方法。
  56. 【請求項56】 酸化的安定化処理を、約2〜4のpH
    での酸性条件下で実施する、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 カルボキシル化セルロース繊維を還元
    剤と処理して、実質的にあらゆるアルデヒドまたはケト
    ンカルボニル置換基をヒドロキシル基に転化させること
    により、生成物を安定化させることをさらに含んでな
    る、請求項39に記載の方法。
  58. 【請求項58】 水性懸濁液中の還元剤が、アルカリ金
    属のホウ水素化物、シアノホウ水素化物、およびそれら
    の混合物からなる群より選択されるホウ水素化物塩であ
    る、請求項57に記載の方法。
  59. 【請求項59】 還元剤が、酸化セルロースの重量に基
    づき約0.1〜4%の量で存在する、請求項58に記載
    の方法。
  60. 【請求項60】 還元剤が、存在する酸化セルロースの
    重量に基づき約1〜3%の量で存在する、請求項58に
    記載の方法。
  61. 【請求項61】 還元反応が、10分間〜2時間の時間
    にわたり進行する、請求項58に記載の方法。
  62. 【請求項62】 セルロースが繊維状であり、漂白およ
    び非漂白のクラフト木材パルプ、前加水分解したクラフ
    ト木材パルプ、亜硫酸木材パルプならびにそれらの混合
    物からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  63. 【請求項63】 セルロース繊維が再循環させた二次繊
    維である、請求項62に記載の方法。
  64. 【請求項64】 カルボキシル化炭水化物生成物の作成
    方法であって、炭水化物化合物を、水性系中で、組成物 【化8】 [式中、R1〜R4は、炭素数1〜4のアルキル基である
    が、R1とR2、およびR 3とR4は、一緒に炭素数5また
    は6の脂環式環構造に含まれていてもよく、Xは、メチ
    レン、酸素、硫黄、またはアルキルアミノであり、そし
    て、R9およびR1 0は、炭素数1〜5のアルキル基であ
    り、一緒に、順次1〜4個の低級アルキルまたはヒドロ
    キシアルキル置換基を有していてもよい5または6員環
    構造に含まれていてもよい]を有し立体障害を有する環
    状ニトロキシド類からなる群より選択される十分量の一
    次酸化体;ならびに二酸化塩素および二酸化塩素の潜在
    的供給源から選択される、炭水化物中のカルボキシル置
    換に少なくとも2meq/100gの増加を引き起こす
    のに十分な量の二次酸化体、と反応させることにより、
    炭水化物化合物を酸化する、ことを含んでなる方法。
  65. 【請求項65】 各Xが酸素であり、該酸素原子が、炭
    素数2〜3のアルキル鎖によって連結して、環状ケター
    ル置換基を形成する、請求項64に記載の方法。
  66. 【請求項66】 環状ケタールが、2,2,6,6−テ
    トラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基の、
    1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、
    2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、および
    グリセリルケタールおよびそれらの混合物である、請求
    項65に記載の方法。
  67. 【請求項67】 ニトロキシド組成物が、2,2,6,
    6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基
    の1,2−エタンジオール環状ケタールである、請求項
    66に記載の方法。
  68. 【請求項68】 ニトロキシド組成物が、2,2,6,
    6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基
    の1,3−プロパンジオール環状ケタールである、請求
    項66に記載の方法。
  69. 【請求項69】 ニトロキシド組成物が、2,2,6,
    6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基
    の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール環状ケ
    タールである、請求項66に記載の方法。
  70. 【請求項70】 ニトロキシドが、2,2,6,6−テ
    トラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ遊離基のグリ
    セリル環状ケタールである、請求項65に記載の方法。
  71. 【請求項71】 炭水化物が高分子化合物であり、そし
    て、水性懸濁液中で、酸化剤および還元剤からなる群よ
    り選択される安定剤とさらに処理して、分子鎖の切断を
    もたらす傾向があるあらゆる置換基を除去することによ
    り、重合度(D.P.)の低下から炭水化物を保護する
    ことをさらに含んでなる、請求項64に記載の方法。
  72. 【請求項72】 炭水化物化合物がセルロースである、
    請求項71に記載の方法。
  73. 【請求項73】 カルボキシル化セルロース繊維を三次
    酸化剤と処理して、実質的にあらゆるアルデヒド置換基
    を追加的なカルボキシル基に転化させることにより、生
    成物を安定化させることをさらに含んでなる、請求項7
    2に記載の方法。
  74. 【請求項74】 三次酸化体が、アルカリ金属の亜塩素
    酸塩、二酸化塩素/過酸化水素混合物、および過酸から
    なる群より選択される、請求項73に記載の方法。
  75. 【請求項75】 三次酸化体が、二酸化塩素と過酸化水
    素の混合物である、請求項74に記載の方法。
  76. 【請求項76】 三次酸化体が亜塩素酸ナトリウムであ
    る、請求項74に記載の方法。
  77. 【請求項77】 三次酸化体が過酸である、請求項74
    に記載の方法。
  78. 【請求項78】 セルロースが繊維状であり、漂白およ
    び非漂白のクラフト木材パルプ、前加水分解したクラフ
    ト木材パルプ、亜硫酸木材パルプならびにそれらの混合
    物からなる群より選択される、請求項72に記載の方
    法。
  79. 【請求項79】 セルロース繊維が、再循環させた二次
    繊維である、請求項78に記載の方法。
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