JP2003089479A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

Info

Publication number
JP2003089479A
JP2003089479A JP2001284936A JP2001284936A JP2003089479A JP 2003089479 A JP2003089479 A JP 2003089479A JP 2001284936 A JP2001284936 A JP 2001284936A JP 2001284936 A JP2001284936 A JP 2001284936A JP 2003089479 A JP2003089479 A JP 2003089479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
paper
plate
sheet
cam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001284936A
Other languages
English (en)
Inventor
Toyoo Okamoto
豊雄 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd, Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001284936A priority Critical patent/JP2003089479A/ja
Publication of JP2003089479A publication Critical patent/JP2003089479A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Presses (AREA)
  • Conveyance By Endless Belt Conveyors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】2度刷りやフルカラー印刷あるいは両面印刷を
簡単な構成で実現でき、1色機または2色機で簡単に他
の色を重ねて2色や4色印刷あるいは両面印刷を行える
簡単簡便な印刷装置は今までになかった。 【解決手段】再給紙トレイ44から片面印刷済みの用紙
39aを再び印刷部13Aに向けて給送する再給紙装置
40を具備し、用紙搬送装置5が、給紙時以外にも印刷
用紙39の先端部を保持することおよび排紙時以外にも
片面印刷済みの用紙39aの先端部を解放することが可
能な爪部材34と、爪部材34を固定した歯付きベルト
33と、爪部材34を解放駆動するカム55A,55B
とを有し、爪部材34による印刷用紙3や片面印刷済み
の用紙39a先端部の保持または解放を行う開閉箇所を
複数有し、2度刷り印刷を行うための2度刷り用搬送排
出手段49および両面印刷を行うための両面印刷用搬送
排出手段112を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置に関し、
さらに詳しくは、印刷用版を用いるオフセット印刷機や
孔版印刷機等の印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的簡便な印刷を行える印刷装置とし
て、マスタ(印刷用版)を用いる孔版印刷機や印刷用版
を用いるオフセット印刷機等が知られている。例えば、
特開平10−315601号公報の図18には、色画像
に対応して製版した製版済みマスタを外周面に巻装した
版胴(版ドラムもしくは印刷ドラム)を略水平な用紙搬
送方向に間隔を空けて4個配置すると共に、各版胴の間
には用紙搬送方向の上流側に位置する版胴で印刷された
印刷用紙(シート、転写材、記録材等の枚様型のシート
状記録媒体としての概念を含む。以下、同じ)を用紙搬
送方向の下流側に位置する版胴に向かって搬送する中間
搬送装置を配置して、一回の給紙動作で多色印刷可能な
孔版印刷装置が開示されている(以下、「第1の技術」
という)。
【0003】また例えば、特開平4−105984号や
特開2000−198262号公報には、印刷ドラム
(版ドラム)の外径と略同径の裏押しローラや紙胴(圧
胴もしくは紙くわえ胴)とを用いた多色孔版印刷装置が
開示されている。特に、特開平4−105984号公報
の第7図や特開2000−198262号公報の図1に
示されているような単一の裏押しローラや紙胴(圧胴も
しくは紙くわえ胴)の周囲に、複数の印刷ドラムを配置
した多色孔版印刷装置の場合では、他の紙くわえ胴等の
押圧手段への用紙の受け渡しがないので用紙搬送性に優
れていて、小サイズの用紙を使用しても、各印刷ドラム
との同期が取りやすく、印刷しやすいと共に、両面印刷
も比較的簡単な構成でできるという利点がある(以下、
「第2の技術」という)。
【0004】一方、オフセット印刷機等の印刷装置で
は、従来より、印刷用紙の搬送方式として、いわゆるチ
ェーンデリバリー方式が採用されている。これは、略平
行に配置されて回転駆動される一対のチェーンや歯付き
ベルト間に印刷用紙を挟持する爪部材(保持手段)を搭
載し、該爪部材により印刷用紙の先端部を挟持して搬送
するものである。チェーンデリバリー方式は、一般的に
は、特開平11−334037号公報に記載されている
ように、印刷済みの印刷用紙を受け取って排紙位置まで
搬送するのに用いられる。バネの力で常時閉じるように
構成された爪部材を、印刷用紙の受取位置でカムによっ
て開閉させて印刷用紙を挟持し、排紙位置でも同様にカ
ムによって爪部材を開閉させて印刷用紙を解放する構成
となっている。印刷装置における印刷用紙への画像の転
写は、従来、圧胴に印刷用紙を挟持する爪を設けて該圧
胴の外周面に印刷用紙を巻き付け、印刷ドラムに押圧す
る方式が採られている。
【0005】特許公報第2983661号には、画像転
写領域においてチェーンデリバリー方式を採用した多色
印刷の孔版印刷装置が記載されている。インキ色の異な
る複数の印刷ドラムの転写領域(印刷部)の上流から下
流に亘って走行するチェーンに爪部材を設け、該爪部材
で印刷用紙を挟持して搬送しながらプレスローラで印刷
用紙を印刷ドラムに押圧して順次画像を転写するもので
ある。
【0006】画像転写領域においてチェーンデリバリー
方式を採用する場合、圧胴方式に比べて複数の印刷ドラ
ム(版ドラム)に対する転写タイミングを高精度に得る
ことは難しく、転写位置のずれによる画像ずれを生じ易
い。このようなチェーンデリバリー方式特有の問題があ
るため、オフセット印刷機等ではいまなお圧胴方式が主
流となっている。
【0007】チェーンデリバリー方式の用紙搬送装置の
場合、印刷用紙の受渡しがないので、レジストのばらつ
きのない高精度の転写や、画像形成に必要な色ずれ防止
性能が期待できるという利点もある。特に、給紙装置か
らの給紙直後から、すなわち印刷される前から爪部材で
印刷用紙の先端部を挟持し、その排出に至るまで爪部材
で印刷用紙を搬送する方式にあっては、上記した利点が
顕著となる(以下、「第3の技術」という)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
技術では、各版胴間に中間搬送装置を配置する構成を採
っていることから、他のプレスローラ等の押圧手段への
用紙の受け渡しが必要であり、用紙搬送性を確保するた
めに特別の工夫が必要で、レジストのばらつきのない高
精度の印刷画像の転写や画像形成に必要な色ずれ防止を
図ることが難しいという問題点がある。また、小サイズ
の用紙(用紙搬送方向に短い用紙)を使用する場合、相
隣る版胴の配置間隔に制限があるために、例えば1色目
版胴から2色目版胴ヘの進入同期が取りにくく、2色目
以降での印刷画像位置精度が得にくいという問題点もあ
る。
【0009】第2の技術では、単一の紙くわえ胴を中心
として、その回転方向の周りに複数の印刷ドラムを配置
した場合、各印刷ドラムの内周面にインキを供給するイ
ンキ供給ローラ(中押しローラ118)が、各印刷ドラ
ム内において印刷ドラムの回転中心に対して回転方向で
様々な配置位置になるので、印刷ドラムの回転中心に対
して回転方向で様々な位置になり、それに伴って、同じ
ローラ配置の印刷ドラムであっても、ドクターローラの
位置も変化してしまうことで、場合によっては、インキ
溜まりを安定した位置に形成できないという問題が生じ
てくる。これにより、インキ溜まりにインキを保持でき
なくなって、正常な印刷ができなくなったり、インキが
漏れてきたりするという問題点が生じる。
【0010】第1ないし第3の技術を含めて、用紙搬送
方向に間隔を空けて並んで配置され印刷用版を保持する
少なくとも1つの版ドラムと、この版ドラム上の印刷用
版にインキを供給する現像装置と、版ドラムの印刷部に
向けて印刷用紙を搬送する用紙搬送装置と、この用紙搬
送装置に印刷用紙を給紙する第1の給紙装置とを有する
印刷装置や、印刷用版を保持する少なくとも1つの版ド
ラムと、この版ドラム上の印刷用版にインキを供給する
現像装置と、版ドラムに対向して接触可能に設けられ印
刷用版に形成されたインキ画像が転写される転写ドラム
と、この転写ドラムに印刷用紙を搬送する用紙搬送装置
と、この用紙搬送装置に印刷用紙を給紙する第1の給紙
装置と、転写ドラムに圧接して印刷部を形成すべく設け
られ用紙搬送装置により搬送されてくる印刷用紙を転写
ドラムに押し付ける転写部材とを有する印刷装置におい
て、用紙搬送装置からの印刷済みの用紙を一時的に貯留
する貯留手段を備え、貯留手段から印刷済みの用紙を再
び印刷部に向けて給送する第2の給紙装置を具備し、用
紙搬送装置の爪部材(保持手段)により印刷用紙の先端
部の挟持・保持または解放を行う開閉箇所を用紙搬送装
置の周辺に複数設け、爪部材を挟持・解放するカムの位
置をそれぞれの目的の下に上記開閉箇所により変えると
いう技術的な発想は今までに全くない。
【0011】そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて
なされたものであって、印刷用版を用いる印刷装置にお
いて、上記諸問題点を解決できる印刷装置の提供を目的
とするものであって、枚葉型シート状記録媒体に2色以
上を印刷する場合または両面印刷を行う場合に、2度刷
りやフルカラー印刷あるいは両面印刷を簡単な構成で実
現できて、1色機または2色機でいかに簡単に他の色を
重ね2色、4色印刷または両面印刷を行う場合に有効な
印刷装置を実現することにある。また、2色機に展開し
た場合には簡単にフルカラー高品質の印刷画像を簡単に
しかも自動で印刷することができ、4色機の場合は8色
印刷が行える印刷装置を実現することにある。加えて、
チェーンデリバリー方式の用紙搬送装置の利点を十分に
活かすことができ、現像装置の簡単な配置構成によりイ
ンキ溜まりを安定した位置に形成できてインキ漏れがな
く、印刷装置の設置面積などが有利で利便性が高くかつ
低価格な印刷装置の提供も、その目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すると共
に上記目的を達成するために、各請求項記載の発明では
以下の特徴ある手段・構成を採用している。請求項1記
載の発明は、印刷用版を保持する少なくとも1つの版ド
ラムと、この版ドラム上の印刷用版にインキを供給する
現像装置と、上記版ドラムの印刷部に向けて印刷用紙を
搬送する用紙搬送装置と、この用紙搬送装置に印刷用紙
を給紙する第1の給紙装置とを有する印刷装置におい
て、上記用紙搬送装置からの印刷済みの用紙を一時的に
貯留する貯留手段を備え、該貯留手段から印刷済みの用
紙を再び上記印刷部に向けて給送する第2の給紙装置を
具備することを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、印刷用版を保持す
る少なくとも1つの版ドラムと、この版ドラム上の印刷
用版にインキを供給する現像装置と、上記版ドラムに対
向して接触可能に設けられ印刷用版に形成されたインキ
画像が転写される転写ドラムと、この転写ドラムに印刷
用紙を搬送する用紙搬送装置と、この用紙搬送装置に印
刷用紙を給紙する第1の給紙装置と、上記転写ドラムに
圧接して印刷部を形成すべく設けられ上記用紙搬送装置
により搬送されてくる印刷用紙を上記転写ドラムに押し
付ける転写部材とを有する印刷装置において、上記用紙
搬送装置からの印刷済みの用紙を一時的に貯留する貯留
手段備え、該貯留手段から印刷済みの用紙を再び上記印
刷部に向けて給送する第2の給紙装置を具備することを
特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の印刷装置において、上記用紙搬送装置が、給紙時
以外にも印刷用紙の先端部を保持することおよび排紙時
以外にも印刷済みの用紙の先端部を解放することが可能
な保持手段と、この保持手段を固定し上記印刷部をその
上流側から下流側に亘って走行するように各プーリ間に
張り渡されて回転駆動されるベルトと、上記保持手段を
駆動する駆動手段とを有し、上記保持手段による印刷用
紙の先端部の保持または解放を行う開閉箇所を複数有
し、上記用紙搬送装置と上記貯留手段との間に設けら
れ、2度刷り印刷を行うための2度刷り用搬送排出手段
および/または両面印刷を行うための両面印刷用搬送排
出手段を具備することを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の印
刷装置において、上記駆動手段は、カムを備えたカム装
置を有し、上記各開閉箇所に合わせて上記保持手段を駆
動する上記カムの位置を変えるカム位置可変手段を具備
することを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一つに記載の印刷装置において、上記版ドラム
毎に上記現像装置を複数有し、第2の給紙装置による印
刷済みの用紙の給送動作に連動して、2度刷りおよび/
またはフルカラー印刷および/または両面印刷を行うこ
とが可能であることを特徴とする。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項5記載の印
刷装置において、上記用紙搬送装置と第2の給紙装置と
の協働により、印刷済みの用紙が上記印刷部と第2の給
紙装置との間を複数回搬送されて印刷され、この複数回
の印刷を、片面印刷時のみならず両面印刷時にも行われ
るように制御されることを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項5または6
記載の印刷装置において、上記現像装置には、用途によ
り一部は同一または互いに色の異なるインキが収容され
ていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む
本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)
を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形
状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、
同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明
を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表
されるべき構成要素であっても、その図において特別に
説明する必要がないものは適宜断わりなく省略すること
がある。
【0020】まず、図1ないし図3を参照して、印刷装
置としてのオフセット印刷機1の概要構成を説明する。
オフセット印刷機1は、2色のインキで印刷ができる2
色印刷機の一例である。オフセット印刷機1は、図1に
示すように、オフセット印刷機1の骨組みをなす印刷機
本体2と、用紙搬送方向Xに間隔を置いて略水平方向に
並設された2つの印刷ステーション3A,3Bと、これ
ら印刷ステーション3A,3Bの下方に設けられ印刷ス
テーション3A,3Bの印刷部13A,13Bに向けて
印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39aを搬送するベ
ルト搬送方式の用紙搬送装置5と、この用紙搬送装置5
の右側に設けられ用紙搬送装置5に印刷用紙39を給紙
する第1の給紙装置4(以下、単に「印刷装置4」とい
う)と、用紙搬送装置5からの片面印刷済みの用紙39
aを一時的に貯留する貯留手段としての再給紙トレイ4
4を備え、再給紙トレイ44からの片面印刷済みの用紙
39aを再び印刷部13A,13Bに向けて給送する第
2の給紙装置としての再給紙装置40と、最終的な印刷
済みの印刷用紙39を搬送・排出する排紙ローラ対36
と、排紙ローラ対36により搬送・排出された最終的な
印刷済みの印刷用紙39をスタックする排紙台としての
排紙トレイ6等を有している。
【0021】印刷ステーション3Aは、図1に示すよう
に、回転支軸14Aを有し図2に示す感熱性撥水性を有
する印刷用版8Aを巻装・保持する版ドラム7Aと、こ
の版ドラム7A上の印刷用版8Aに画像情報に基づいて
書き込みを行う書き込み装置9Aと、版ドラム7A上の
印刷用版8Aにインキを供給する2つの現像装置10
A,10Bと、版ドラム7Aに対向して接触可能に設け
られ印刷用版8Aに形成されたインキ画像が転写される
転写ドラム11Aと、転写後における転写ドラム11A
の表面をクリーニングするクリーニング装置12A等と
を有している。
【0022】図2に示すように、印刷用版8Aはその大
部分を版ドラム7Aに内蔵されており、図示しない駆動
手段により回転駆動される巻き込み軸17Aによる巻き
込みと、巻き込み軸17Aの巻き込みによる印刷用版8
Aの移動にともなって従動回転する巻き出し軸18Aに
よる巻き出しとにより、その一部が選択的に版ドラム7
A上に巻き掛けられて、新たな印刷用版8Aが版ドラム
7A上に巻装される。版ドラム7Aは、図示しないドラ
ム接離手段により、転写ドラム11Aに対して接離自在
に構成されている。版ドラム7Aと転写ドラム11Aと
は、略鉛直方向に配設されている。印刷用版8Aは、感
熱性および撥水性の双方を有する材料からなるサーマル
製版型の版であり、加熱されたところの撥水性が材料の
特性から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わる
性質を有している。なお、印刷用版8Aは、これに限ら
ず、上記したと逆の性質を有するものでもよい。
【0023】現像装置10A,10Bは、版ドラム7A
の中心(上下方向に延びる版ドラム7Aの中心線)に対
して略対称に配置されている。用紙搬送方向X下流側の
印刷ステーション3Bも同様の構成を有しており、現像
装置10Aに版ドラム7Bの周りに配置された現像装置
10Cが対応し、現像装置10Bに版ドラム7Bの周り
に配置された現像装置10Dが対応している。各現像装
置10A,10B、10C、10Dにはそれぞれ異なっ
た色のインキが収容されている。なお、現像装置10A
は、インキ供給装置とも呼ばれる。
【0024】転写ドラム11Aは、回転支軸15Aを有
していると共に、用紙搬送装置5の爪部材34に対する
逃げとしての凹部16Aを有している。転写ドラム11
Aの外周面には、印刷用版8Aに形成されたインキ画像
を転写するための図示しない転写ブランケットが巻き付
けられている。転写ドラム11Aの外径は、版ドラム7
Aのそれと同じ大きさであり、版ドラム7Aが1回転し
たときに転写ドラム11Aも正確に1回転するようにな
っている。転写ドラム11Aは、常に定位置を占めてい
て変位することはなく、駆動手段(駆動源)としての図
示しない電動モータにより図1に矢印で示す時計回り方
向に回転駆動される。版ドラム7Aは、上記電動モータ
にベルトやギヤ等の回転伝達手段を介して連結されてい
て、図1に矢印で示す反時計回り方向に回転駆動され
る。
【0025】クリーニング装置12Aは、転写ドラム1
1Aの上記転写ブランケット表面に接触可能なクリーニ
ングウエブ20Aと、このクリーニングウエブ20Aが
巻かれて形成されクリーニングウエブ20Aを繰り出し
可能なウェブ巻き出しローラ23Bと、繰り出されたク
リーニングウエブ20Aを巻き付け転写ドラム11Aの
上記転写ブランケット表面に接離自在なクリーニングロ
ーラ21Aと、クリーニング済みのクリーニングウエブ
20Aを巻き取るウェブ巻き取りローラ22A等とを有
している。
【0026】書き込み装置9Aは、製版装置とも呼ばれ
ており、レーザを搭載したレーザ製版装置であり、レー
ザ光線の熱により版ドラム7A上の印刷用版8Aに印刷
すべき像に応じた書き込みを行う周知のものである。
【0027】他方の印刷ステーション3Bも、上述した
印刷ステーション3Aと同様の構成となっているので、
印刷ステーション3Aのアラビア数字で示す各符号に対
応する符号の英文字Aに代えて、英文字Bを付すことに
より、その説明を省略する。但し、現像装置10Aには
シアン(C)のインキが、現像装置10Bにはイエロー
(Y)のインキが、現像装置10Cにはマゼンタ(M)
のインキが、現像装置10Dにはブラック(Bk)のイ
ンキがそれぞれ収容されていることが主に相違する。
【0028】各転写ドラム11A,11Bに対応・対向
して、転写ドラム11A,11Bに圧接して印刷部13
A,13Bを形成すべく設けられ、用紙搬送装置5によ
り搬送されてくる印刷用紙39を各転写ドラム11A,
11Bに押し付ける転写部材としての転写ローラ29
A,29Bがそれぞれ設けられている。また、各転写ド
ラム11A,11Bの用紙搬送方向Xの下流近傍には、
印刷用紙39が各転写ドラム11A,11Bの上記転写
ブランケット上に巻き上がるのを防止する用紙分離ロー
ラ35A,35Bがそれぞれ設けられている。転写ロー
ラ29A,29Bは、プレスローラとも呼ばれ、それぞ
れ図示しない接離変位手段により、転写ドラム11A,
11Bに印刷用紙39を介して圧接し上記インキ画像が
転写される印刷位置とこの印刷位置から離間した非印刷
位置とを選択的に占めるようになされている。
【0029】給紙装置4は、図1および図12に示すよ
うに、印刷用紙39を積載して昇降自在な給紙台(図示
せず)を備えた給紙トレイ27と、印刷用紙39をその
最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙方向109に
給紙する第1の給紙手段とを有している。
【0030】第1の給紙手段は、図12に矢印で示す時
計回り方向に図示しない駆動手段により回転駆動される
給紙ローラ28と、印刷用紙39に対して高摩擦係数の
部材で形成され図12に梨地模様で示す分離パッド26
と、この分離パッド26を給紙ローラ28に当接する向
きに付勢する図示しないバネ等の付勢手段とから主に構
成されている。上記給紙台上には、印刷用紙39の両側
端を揃えるための図1の紙面の手前側および奥側に移動
可能な図示しない一対のサイドフェンスも配設されてい
て、印刷用紙39の幅方向の位置精度を容易に確保でき
るようになっている。
【0031】この給紙装置4では、オフセット印刷機1
の稼働中にも随時印刷用紙38を補給することにより、
給紙動作が自動的に行われて中断されることのないいわ
ゆるタンデム給紙ができるように構成されている。印刷
装置におけるタンデム給紙の好ましい例としては、例え
ば本願出願人が提案した特開平11−240630号、
特開平11−240631号、特開平11−24063
2号、特開平11−292306号や特開平11−29
2312号公報等で開示されているものが挙げられる。
これらの給紙装置では、給紙動作を中断することなく用
紙の自動補給を可能とした上記タンデム給紙とノンタン
デム給紙とを切り換えて使用できるものである。図1で
は、前記タンデム給紙の概要を表すために二点鎖線によ
って給紙トレイ27および印刷用紙39を2分割にして
別々のトレイおよび印刷用紙39等であることを示して
いて、タンデム給紙が可能であることを表している。
【0032】用紙搬送装置5の下方には、後で詳細に説
明する用紙搬送装置5の構成要素である爪部材34の特
有な開閉動作により、片面印刷済みの用紙39aの2度
刷りやフルカラー印刷あるいは両面印刷等を行うために
再給紙を可能とする一時待機式の再給紙装置40が配設
されている。再給紙装置40は、図1および図4に示す
ように、上記したカセット式の再給紙トレイ44と、再
給紙トレイ44内に収容された片面印刷済みの用紙39
aを積載すると共に、バネ等により給紙側先端部の片面
印刷済みの用紙39aを給紙ローラ46に当接させる上
向きに付勢された底板45と、底板45上の最上の片面
印刷済みの用紙39aを1枚ずつ分離して再給紙方向1
18に再給紙する第2の給紙手段とから主に構成され
る。
【0033】第2の給紙手段は、図4に矢印で示す反時
計回り方向に図示しない駆動手段により回転駆動される
給紙ローラ46と、片面印刷済みの用紙39aに対して
高摩擦係数の部材で形成され図4に梨地模様で示す分離
パッド47aと、この分離パッド47aを給紙ローラ4
6に当接する向きに付勢する図示しないバネ等の付勢手
段とから主に構成されている。図4に示すように、分離
パッド47aは、パッドホルダ47に固設されている。
パッドホルダ47は、再給紙トレイ44の内側壁に植設
・固定された支軸48を中心として時計回りおよび反時
計回りに揺動自在に支持されていると共に、上記バネに
より分離パッド47aを給紙ローラ46に当接する向き
に付勢されている。パッドホルダ47には、底板45上
に積載された片面印刷済みの用紙39aの先端を突き当
て揃える前面壁47bも形成されている。
【0034】また、底板45上には、片面印刷済みの用
紙39aの両側端を揃えるための図1の紙面の手前側お
よび奥側に移動可能な図示しない一対のサイドフェンス
も配設されていて、片面印刷済みの用紙39aの幅方向
の位置精度を容易に確保できるようになっている。本実
施形態では、給紙装置4における上記給紙台上の一対の
サイドフェンス(図示せず)と、後で詳述する用紙搬送
装置5と、底板45上の一対のサイドフェンス(図示せ
ず)とを有し、印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39
aを図12に示す給紙方向109、用紙搬送装置5によ
る用紙搬送方向X、図4に示す第2の用紙放出搬送方向
111や第3の用紙放出搬送方向113、再給紙方向1
18に亘り、共通の中心線上を移動させることができる
ことにより、印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39a
の幅方向の位置精度を確保し易くなっているので、主と
して印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39aの流れ方
向の位置制御だけを行えばよいように構成されている。
【0035】このように、再給紙装置40は、用紙搬送
装置5から例えば片面印刷済みの用紙39aを次々と連
続して再給紙トレイ44に一時搬入し、その所定枚数の
搬入が終了した待機中に、片面印刷済みの用紙39aを
再給紙して、用紙搬送装置5における歯付きベルト33
上の爪部材34に片面印刷済みの用紙39aの先端部を
再び挟持させ、印刷部13A,13Bに再搬送して再度
インキ画像転写を行うものである。
【0036】なお、図面の簡明化を図るためその周知な
構成の図示を省略しているが、図1において給紙ローラ
28と従動プーリ32との間の用紙搬送路には、給紙ロ
ーラ28により引き出された印刷用紙39や再給紙装置
40から給送された片面印刷済みの用紙39aを一旦停
止させて斜めずれ等を修正した後、所定のタイミングで
用紙搬送装置5の爪部材34へ印刷用紙39を送るレジ
スト手段としてのレジストローラ対(図示せず)も好ま
しく配設されることを付記しておく。
【0037】排紙トレイ20は、図示しない駆動手段に
より、図1の紙面に対して垂直方向に、互いに近接・離
間するように変位されるサイドガイド対38を有してい
る。サイドガイド対38は、搬送・排出される最終的な
印刷済みの用紙39の両側端を整然と揃える機能を有す
る。
【0038】オフセット印刷機1の作像原理は、通常の
オフセット印刷機と略同じ原理に基づくものである。そ
の作像原理は、後述する動作での詳細説明は省くが、粘
着性の油性インキ等を使用し、印刷用版8A,8Bの版
材は、水無しタイプとして、撥水性と親水性との差を利
用する上記感熱性撥水性材料からなるものを使用するも
のであり、水無し平版型の機上の製版装置(書込み装置
9A,9B)を備えた印刷機である。勿論、従来の水有
り型のオフセット印刷機にも本発明が適用できることは
言うまでもない。
【0039】次に、オフセット印刷機1による印刷動作
の概要を説明する。このオフセット印刷機1では、原稿
読取工程・製版工程→現像工程→中間転写工程→最終用
紙転写工程→クリーニング工程などの工程を連続的かつ
自動的に行うことができる。ここでは、印刷用紙39の
一方の面(上面)にのみ2色の印刷画像を形成する通常
の2色の片面印刷動作(以下、「通常片面印刷動作」と
いう)について説明する。2度刷り印刷動作および両面
印刷動作については、本発明の特有の現像装置10A〜
10D、用紙搬送装置5および再給紙装置40周りの構
成を詳述した後で説明する。
【0040】まず最初の原稿読取工程・製版工程に入る
前に、版ドラム7A,7Bに対して、転写ドラム11
A,11B、クリーニング装置12A,12Bは、上記
ドラム接離手段や図示しないクリーニングローラ接離手
段により離間していて待機状態にある。現像装置10
A,10B,10C,10Dは、後述する接離手段97
A,97B,97C,97Dにより、各版ドラム7A,
7Bの外周面から離間した状態で待機している。各印刷
ステーション3A,3Bでは上記各工程において同様の
動作が行われるので、以下、特に断らない限り印刷ステ
ーション3Aを代表して説明する。
【0041】オペレータが図示しない操作パネルのスタ
ートスイッチを押すと、図示しないスキャナー部にて原
稿が読み取られる。一方の印刷ステーション3Aでは読
み取られた画像信号に基づいて、書き込み装置9Aによ
り版ドラム7A上に巻装された印刷用版8Aに書き込み
がなされる。すなわち、印刷用版8Aに書き込むべき画
像データ(印刷データでもあるが、以下、「画像デー
タ」という)は、図示しない電気・電子回路等(A/D
(アナログ/デジタル)変換装置および画像処理装置
等)で処理されて図示しないレーザ装置に送られ、この
レーザ装置でレーザ光線に変換されて画像データが印刷
用版8Aに書き込まれる。レーザ光線によって画像デー
タが書き込まれた部分の印刷用版8Aは、その熱により
その表面の撥水性が失われ、親水性に変わる(これと逆
の態様でもよい)。レーザ光線によって書き込まれた部
分は、親水性になり、粘着性の油性インキが付着できる
ようになる。
【0042】このように、図示の例は、印刷用版を版ド
ラム上で製版する最近のDI(Direct Imaging)技術を
用いた例を示している。なお、画像データとしては、ス
キャナー部からの原稿に応じたものに限らず、例えばパ
ーソナルコンピュータからの画像データを上記レーザ装
置にて光熱変換して、版ドラム7A上の印刷用版8Aに
照射し書き込むようにすることもできる。このように、
機上にて、特に版ドラム7A上で画像データを書き込む
方法を印刷市場分野ではCTC(Computer To Cylinde
r)などと言うが、最も新しい印刷技術である。このよ
うな製版方法は、画像データに関して印刷機内での位置
精度が大変高く再現することができ、印刷機の外部で製
版した印刷用版を印刷機に装着する従来の製版方法より
も格段に優れていて簡単高精度である。
【0043】製版が終了すると、粘着性のオフセットの
水無し用インキを収納した現像装置10A,10Bのう
ちの選択された方、すなわち、製版された印刷用版8A
を現像すべき色(ここではシアン)のインキを収容した
現像装置10Aが版ドラム7Aに加圧接触され、製版さ
れた印刷用版8Aの画像データ部分の親水性の部分にイ
ンキが付着することになる。現像装置10A,10Bの
接触動作については後述する。
【0044】印刷ステーション3Aにおいて、印刷用版
8Aの全体に必要なインキが付着すると、すなわち現像
が完了すると、版ドラム7Aに対する選択された現像装
置10Aの現像工程を止めることなく版ドラム7Aが転
写ドラム11Aに加圧接触するように制御される。これ
により、版ドラム7A上の印刷用版8Aに画像データに
応じて付着したインキが転写ドラム11A上の上記転写
ブランケットに転写されて、上記転写ブランケットにイ
ンキ画像が形成される。
【0045】転写ドラム11Aにインキ画像が転写され
ている状態のところに、インキ画像とのタイミングが図
られながら給紙装置4からの給紙においては給紙トレイ
27上の最上の印刷用紙39が給紙ローラ29および分
離パッド26の協働作用によって1枚ずつに分離されて
給送される。このとき、用紙搬送装置5を構成する歯付
きベルト33が所定の線速度(用紙搬送速度)で回転す
るように用紙搬送装置5を構成する電動モータ(図示せ
ず)が駆動されることにより、印刷用紙39は、用紙搬
送装置5の爪部材34の開動作(後述)に同期するタイ
ミングで送られ、その先端部を爪部材34に挟持され
る。
【0046】印刷用紙39が爪部材34に挟持される
と、歯付きベルト33の回転によって用紙搬送方向Xに
搬送され、まず最初に図示しない接離変位手段の作動に
より転写ローラ29Aが上方に変位することで、印刷用
紙39が転写ドラム11Aに押し付けられ、転写ドラム
11Aに担持されたシアンのインキ画像を転写される。
【0047】画像が形成された印刷用紙39は転写ドラ
ム11Aの転写部位下流の近傍に設けられた用紙分離ロ
ーラ35Aにより分離され、転写ドラム11Aへの巻き
付きを防止されて用紙搬送装置5で搬送される。このよ
うな工程・動作は、下流側の印刷ステーション3Bにお
いても同様に行われ、用紙搬送装置5によって搬送され
る画像が形成された印刷用紙39は、転写ドラム11B
と転写ローラ29Bとの印刷部(ニップ部)13Bにイ
ンキ画像が一致するタイミングで進入する。
【0048】これにより、下流側の印刷ステーション3
Bにおいて、転写ドラム11B上に担持された2色目の
マゼンタのインキ画像が上記タイミングをもって重ねて
転写され、所望の多色(ここでは2色)印刷がなされ
る。2色の印刷画像が形成された印刷用紙39は転写ド
ラム11Bの転写部位下流の近傍に設けられた用紙分離
ローラ35Bにより分離され、転写ドラム11Bへの巻
き付きを防止されて用紙搬送装置5で搬送され、爪部材
34の解放動作(後述)により解放され、排紙ローラ対
36により排紙トレイ6へ向けて案内・搬送され、サイ
ドガイド対38により揃えられながらスタックされる。
なお、用紙搬送装置5の詳細構成・動作は後述する。所
定枚数の印刷が終了すると、後述する接離手段97A,
97Bが作動することにより現像装置10A,10Cが
版ドラム7A,7Bから離間してそれぞれ初期位置を占
める。これと同時に、上記接離変位手段が作動すること
により版ドラム7A,7Bが転写ドラム11A,11B
から離間してそれぞれ初期位置を占める。
【0049】これらの離間動作がなされると、クリーニ
ング装置12Aのクリーニングローラ21Aが図示しな
い押圧手段により転写ドラム11Aに接触すべく移動
し、クリーニングウエブ20Aが転写ドラム11Aの図
示しない転写ブランケット表面に押圧される。クリーニ
ングウエブ20Aが図示しない駆動手段を介してウェブ
巻き出しローラ23Aにより順次送り出され、かつ、ウ
ェブ巻き取りローラ22Aによって巻き取られ、こうし
て転写ドラム11Aの上記転写ブランケット表面に残留
したインキが拭き取られ・クリーニングされる。クリー
ニング終了後、上記押圧手段により、クリーニングロー
ラ21Aが転写ドラム11Aの上記転写ブランケット表
面から離間すべく移動して初期位置を占める。このよう
な工程・動作は、下流側の印刷ステーション3Bにおい
ても同様に行われる。
【0050】上記クリーニング工程終了後、図2に示す
巻き込み軸17Aが上記駆動手段によって回転駆動され
ることにより、版ドラム7A上には次の製版のための新
しい印刷用版8Aが巻き出されて巻装される。そして、
上述した最初の工程を同様に再度行い、2枚目の画像デ
ータに基づいて上記した工程と同様の印刷工程が行われ
る。
【0051】次に、図1に示した現像装置10A,10
B、10C,10Dについて、図3を参照して現像装置
10A,10Bを代表して詳細に説明する。図3におい
て、括弧を付して示す現像装置10C,10Dおよび接
離手段97C,97Dは、版ドラム7B側に配設されて
いることを表している。現像装置10Aは、図3に示す
ように、図1に示す印刷機本体2に設けられた軸80A
にこれを支点として時計回りおよび反時計回り方向に揺
動自在に支持された現像ケーシング81Aと、該現像ケ
ーシング81A内の軸82Aに回転自在に設けられたイ
ンキ着肉ローラ83Aと、同じく現像ケーシング81A
内の軸84Aに回転自在に設けられ、インキ着肉ローラ
83Aよりも版ドラム7Aの回転方向下流側に位置する
インキ着肉ローラ85Aと、同じく現像ケーシング81
A内の軸86Aに設けられ、インキ着肉ローラ83Aと
インキ着肉ローラ85Aとに共通に接触してこれらにイ
ンキを分配するインキ供給ローラ87Aと、インキ着肉
ローラ83Aに接触する練りローラ88Aと、インキ供
給ローラ87Aの上方に設けられ、インキ供給ローラ8
7Aの軸方向に沿う開口部(インキ供給口)を備えたイ
ンキ溜め部89Aと、該インキ溜め部89Aの上方に着
脱自在に設けられたインキ補充マガジン90A等を有し
ている。なお、インキ着肉ローラ83Aおよびインキ着
肉ローラ85Aは、現像ローラ83Aおよび現像ローラ
85Aとも呼ばれる。
【0052】インキ溜め部89Aは、4つの側壁で容器
状に区画されており、インキ補充マガジン90Aに対向
する上面と、インキ供給ローラ87Aに対向する下面は
開口されている。すなわち、上面はインキ補充マガジン
90Aからのインキ補充口であり、下面はインキ供給ロ
ーラ87Aに対するインキ供給口である。インキ溜め部
89Aにおけるインキ供給ローラ87Aの回転方向下流
側の後側壁89Aaには、インキ供給ローラ87A上の
インキ膜厚を規制するインキ膜厚規制部材としてのブレ
ード91Aが軸ネジ92Aによって取り付けられてい
る。ブレード91Aは、インキ供給ローラ87Aの軸方
向中央部位置において軸ネジ92Aにより後側壁89A
aに回転自在に取り付けられている。すなわち、インキ
供給ローラ87Aの軸方向中央部を支点として該インキ
供給ローラ87Aとの間の隙間を変化させる方向に回転
自在に設けられている。いわゆるヤジロベイ構成となっ
ている。これにより、ブレード91Aはインキ供給ロー
ラ87Aに軸方向全体に亘って均一な圧力で接触し、イ
ンキの膜厚も均一となる。
【0053】ブレード91Aは粘着性のインキを堰き止
めるため、大変な流体抵抗を受ける。本実施形態ではこ
の流体抵抗を低減してブレード91Aの膜厚規制機能の
一定化、構成の簡易化、長寿命化を図るべく、ブレード
34の先端形状を楔形状としている。流体抵抗を減じる
他の流線型としてもよい。
【0054】一方、インキ供給ローラ87Aの回転方向
上流側の前側壁89Abには、インキ供給ローラ87A
上のインキのインキ溜め部89Aへの回転還流を許容
し、かつ、インキ溜め部89Aからインキ供給ローラ8
7Aの回転方向上流側への流出を阻止するスカート部材
93Aが設けられている。スカート部材93Aは、柔軟
性を有する材料である、例えばゴム製のシートで形成さ
れている。スカート部材93Aは、ブレード91Aによ
り厚みを規制されたインキ供給ローラ87A上のインキ
がインキ溜め部89Aへ戻ってくる回転還流を許容し、
かつ、インキ溜め部89Aからインキ供給ローラ87A
の回転方向上流側への流出(逆流)を阻止できるように
設けられている。インキ溜め部89Aとインキ補充マガ
ジン90Aにおける液体状の表示は粘着性のインキを示
している。
【0055】現像装置10Aは、図1に示す印刷機本体
2に対して手動操作により着脱自在に設けられていて、
ユニット化された現像装置ユニットをなす。印刷機本体
2側には、現像装置10Aの着脱を案内する上ガイド部
材94Aと下ガイド部材95Aが設けられている。これ
らのガイド部材94A,95Aは、止めネジ96で印刷
機本体2側に固定されている。ユニット化された現像装
置10Aを各ガイド部材94A,95Aに囲まれた内側
部分に沿わせつつ挿入し、軸孔81Aaへ軸80Aを完
全に挿通することにより現像装置10Aの装着が完了す
る。現像装置10Aが着脱自在であるので、使用頻度の
少ない特別なインキ(特色インキ)を使用する特色印刷
を行う場合でも、別の特色インキを入れた現像装置10
Aを入れ替えるだけで済む。また、印刷機本体2には、
図3に示すように、版ドラム7Aに対して現像装置10
Aを接離させる、すなわち、版ドラム7Aに対してイン
キ着肉ローラ83Aおよびインキ着肉ローラ85Aを接
離させる接離手段97Aが設けられている。接離手段9
7Aは、図示しない駆動源と、該駆動源からの回転駆動
力が入力される駆動軸98Aと、該駆動軸98Aに固定
された偏心カム99Aと、現像ケーシング81Aを偏心
カム99Aに当接する向きに常時付勢する図示しないバ
ネ等の付勢手段等とを有している。偏心カム99Aは、
現像ケーシング81Aの外側壁面に当接している。
【0056】インキ着肉ローラ83Aおよびインキ着肉
ローラ85Aは、ゴムローラであり、これらを支持する
軸82A、84Aは駆動源とは接続されておらず、自由
(従動)回転可能となっている。インキ供給ローラ87
Aを支持する軸86Aは、現像装置10Aの図示しない
駆動源に接続されており、図示しない制御手段によりそ
の回転速度(周速度)を制御される。現像装置10Bも
現像装置10Aと同様の構成を有している。現像装置1
0Bでは符号AがBに変わるだけであるので、その説明
は省略する。
【0057】但し、上述のように、現像装置10A,1
0Bは版ドラム7Aの中心に対して略対称に設けられて
いるが、その全ての構成部品が対称性を有してはいな
い。すなわち、インキ着肉ローラ83A,85Aおよび
インキ供給ローラ87Aと、インキ着肉ローラ83B,
85B、インキ供給ローラ87Bは略対称に配置されて
いるが、その回転方向は同じである。これは、1つの版
ドラム7Aに配置してあるため、版ドラム7Aの回転方
向に合わせる必要があるためである。インキ供給ローラ
87A,87Bの回転方向が同じであるため、現像装置
10A,10B間で機能が同じになるように、インキ溜
め部89A,89B、ブレード91A,91B、スカー
ト部材93A,93Bは同じ配置となっている。上述し
たように、一部の構成部品の非対称性は、略対称配置構
成における部品の共通化、低コスト化に寄与すると共
に、機能の統一化を得ることができる。
【0058】図1および図3は現像時の状態を示してお
り、現像装置10A,10Bは接離手段97A,97B
により版ドラム7Aに押圧・接触されている。すなわ
ち、インキ着肉ローラ83A,85Aとインキ着肉ロー
ラ83B,85Bは版ドラム7Aに圧接している。実際
には、版ドラム7Aに2版分の印刷用版が巻装されてい
る場合、例えば、版ドラム7Aがオフセット印刷機1の
最大原稿サイズの1版分の大きさのドラムの場合、すな
わち、いわゆる1倍胴の場合、現像装置10A,10B
のうち、何れか一方が製版された印刷用版の色に応じて
選択され、退避位置(非現像時位置)から押圧される。
【0059】すなわち、例えば現像装置10Aが選択さ
れた場合には、接離手段97Aのみが駆動されて現像装
置10Aが版ドラム7Aに押圧され、現像装置10Bは
上記バネ等の付勢手段の付勢力により退避位置に維持さ
れる。現像装置10Aにおいて、非現像時には、図示し
ない制御手段により接離手段97Aが駆動され、現像装
置10Aが版ドラム7Aから離間される。偏心カム99
Aが矢印方向(または逆方向)に回転すると、現像装置
10Aは軸80Aを支点として上記付勢手段の付勢力に
より版ドラム7Aから離れる方向へ揺動して変位する。
これによりインキ着肉ローラ83Aとインキ着肉ローラ
85Aとは、版ドラム7Aから離間する。現像装置10
Bにおいても同様である。1倍胴の場合、用紙搬送ベル
トとしての歯付きベルト33は、転写ドラム11Aの外
径の2倍の周長を有している。印刷ステーション3A、
3Bには4つの色のインキが存在するので、現像装置1
0A,10B,10C,10Dを交換することなく4種
類の2色印刷を行うことができる。
【0060】版ドラム7Aに2版分の印刷用版が巻装さ
れている場合、例えば、版ドラム7Aがオフセット印刷
機1の最大原稿サイズの2版分の大きさのドラムの場
合、すなわち、いわゆる2倍胴の場合には、2つの現像
装置10A,10Bはそれぞれ対応する印刷用版の印刷
時に版ドラム7Aに接触するように制御される。印刷ス
テーション3Bにおいても同様である。2倍胴の場合に
は、歯付きベルト33は3倍の周長となり、印刷用紙3
9等を2回転搬送することによりフルカラー印刷が可能
となる。
【0061】以下に、現像装置10A,10B,10
C,10Dの現像機能について詳細に説明する。なお、
現像機能は共通であるため、現像装置10Aを代表して
説明する。インキ溜め部89Aからインキ供給ローラ8
7A上に供給されたインキは、ブレード91Aにより厚
みを一定に規制され、インキ着肉ローラ83Aとインキ
着肉ローラ85Aに略均等に分配される。これにより、
版ドラム7A上流側のインキ着肉ローラ83Aによりイ
ンキを供給された印刷用版上の画像面は、下流側におい
てインキ着肉ローラ85Aにより再び略同量のインキを
供給される。すなわち、インキ量が同等に供給される条
件での2段現像がなされる。
【0062】一般には、インキ供給ローラ87Aの周速
度と版ドラム7Aの周速度が同じになるように回転数が
制御される。粘着性のインキを使用した場合、インキ着
肉ローラ83A,85Aの版ドラム7Aに対する接触圧
とインキ供給ローラ87Aに対する接触圧は同じではな
い。そのため、形成されるニップは異なり、駆動源から
フリーなインキ着肉ローラ83A,85Aは複雑な回転
をする。本発明者らの実験によれば、インキ供給ローラ
97Aの周速度を上記一般的速度よりも僅かに速くする
と、インキ着肉ローラ83A,85Aの周速度が版ドラ
ム7Aの周速度と同一になることが判った。これは、上
記ニップ形成の違いや、インキの粘着性の介在による各
ローラ類の摩擦が複雑化することによるものと考えられ
る。本実施形態では、この実験事実に基づいて、インキ
供給ローラ87Aはその周速度が版ドラム7Aの周速度
より若干速くなるように回転駆動される。予め実験等に
より得られたインキの種類(粘着性の度合い:粘度)と
回転数との関係データテーブルを図示しない制御手段の
記憶手段に記憶させ、インキの種類に応じて自動的にイ
ンキ供給ローラ87Aの回転数を設定するようにしても
よい。
【0063】インキ着肉ローラ83A,85Aは、各外
径が僅かに異なるように形成されている。インキ着肉ロ
ーラ83A,85Aからインキが版ドラム7Aに転移
し、インキ着肉ローラ83A,85Aが再度インキ供給
ローラ87Aに接触しても、画像部分がベタのようにイ
ンキの消費量が多い場合はなかなかインキの付着が飽和
して着肉しない。そのため、いわゆるゴーストなどが発
生して印刷画質劣化を招く場合がある。インキ着肉ロー
ラ83A,85Aの外径を異ならせると、円周長の違い
によってインキの画像への補給がだぶらず、インキ着肉
ローラ83A,85Aのそれぞれのインキの取られた部
分、すなわち、画像へインキを供給した部分が互いに補
い合うようになり、上記ゴースト問題を防止できる。本
実施形態では、実施例的に言えば、インキ着肉ローラ8
3Aの外径を約32mm、インキ着肉ローラ85Aの外
径を約30mmとしている。
【0064】インキ補充マガジン90Aは、現像装置1
0Aに着脱自在であり、内部にはインキ溜め部89Aに
インキを落とすための図示しないインキ押し出し手段が
設けられている。インキ補充マガジン90A内のインキ
が無くなった場合には新たなインキ補充マガジン90A
と交換される。
【0065】上述したように、本実施形態では、複数の
現像装置10A〜10Dを有することにより、簡単簡便
にして精度良く高品質のカラー印刷画像を得ることがで
きる。本実施形態におけるオフセット印刷機1のような
2色機では、普通は単純にプロセスカラーであるシアン
やマゼンタなどのインキを使い、2色で十分に印刷表現
ができるものを印刷し、または特色などのインキを用意
してより高度の印刷を行うこともできる。実用例では、
新聞のちらし印刷物などに多用される。
【0066】次に、図1、図4、図10および図11を
参照して、再給紙装置40周りの構成および機能を詳細
に説明する。用紙搬送装置5と再給紙装置40の再給紙
トレイ44との間には、図1、図4、図10および図1
1に示すように、2度刷り印刷等を行うために爪部材3
4から解放された片面印刷済みの用紙39aを再給紙ト
レイ44へ搬送し排出する2度刷り用搬送排出手段49
と、両面印刷を行うために爪部材34から解放された片
面印刷済みの用紙39aを再給紙トレイ44へ搬送し排
出する両面印刷用搬送排出手段112と、再給紙トレイ
44上に一時貯留された片面印刷済みの用紙39aを第
2の給紙手段(給紙ローラ46および分離パッド47
a)の再給紙動作を介して再給紙方向118に案内する
一対の再給紙ガイド板118とが配設されている。
【0067】2度刷り用搬送排出手段49は、図4およ
び図10に詳しく示すように、用紙搬送装置5を構成す
る駆動プーリ31の下方近傍に設けられ片面印刷済みの
用紙39aを再給紙トレイ44に排出すべく案内する案
内手段としてのガイド板41および一対のガイド板4
3,43と、ガイド板41とガイド板対43,43との
間に配設され片面印刷済みの用紙39aを再給紙トレイ
44に搬送・排出する搬送排出手段としての送りローラ
対42,42とから主に構成される。これらのガイド板
41、送りローラ対42,42およびガイド板対43,
43は、図4および図10において矢印付き二点鎖線で
示すように、片面印刷済みの用紙39aをその印刷画像
面を下面(裏面)にした状態で再給紙トレイ44に送り
込むための2度刷り用搬送排出路50を構成している。
【0068】両面印刷用搬送排出手段112は、図4お
よび図11に詳しく示すように、用紙搬送装置5を構成
する従動プーリ32の下方近傍に設けられ片面印刷済み
の用紙39aを再給紙トレイ44に排出すべく案内する
案内手段としてのガイド板114および一対のガイド板
116,116と、ガイド板114とガイド板対11
6,116との間に配設され片面印刷済みの用紙39a
を再給紙トレイ44に搬送・排出する搬送排出手段とし
ての送りローラ対115,115とから主に構成され
る。これらのガイド板114、送りローラ対115,1
15およびガイド板対116,116は、図4および図
11において矢印付き破線で示すように、片面印刷済み
の用紙39aをその印刷画像面を上面(表面)にした状
態で再給紙トレイ44に送り込むための両面印刷用搬送
排出路113を構成している。
【0069】各送りローラ対42,42、115,11
5は、駆動手段としての例えば互いに独立した別々のス
テッピングモータで回転駆動されるが、これに限らず、
送りローラ対115,115側に電磁クラッチ等の回転
駆動力断接手段を介装させることにより、一つのステッ
ピングモータで回転駆動させるようなことも勿論可能で
ある。
【0070】なお、本実施形態では、2度刷り用搬送排
出手段49と両面印刷用搬送排出手段112との両方を
具備しているが、その必要性等により何れか一方のみを
具備していてもよい(請求項3参照)。
【0071】次に、図1および図5ないし図12を参照
して、用紙搬送装置5周りの構成および機能を詳細に説
明する。用紙搬送装置5は、図1、図5および図8ない
し図12に示すように、給紙装置4から給紙された印刷
用紙39の先端部や再給紙装置40から再給紙された片
面印刷済みの用紙39aの先端部を受け取り保持する機
能および解放する機能を有する保持手段としての2つの
爪部材34と、印刷部13Bにおける用紙搬送方向Xの
下流側(装置左側)に位置する一対の歯付きプーリとし
ての駆動プーリ31,31と、印刷部13Aにおける用
紙搬送方向Xの上流側(装置右側)に位置する一対の歯
付きプーリとしての従動プーリ32,32と、2つの爪
部材34を所定の間隔をおいて固定すると共に、駆動プ
ーリ31,31と従動プーリ32,32との間に張り渡
された一対の歯付きベルト33,33と、各爪部材34
を解放すべく駆動する図8ないし図12に示すカム55
A,55Bを備えたカム装置78AA,78Bとを有し
ている。
【0072】駆動プーリ31,31は、図1および図5
に示す回転軸52に固設された歯車(図示せず)あるい
は歯付きプーリ(図示せず)および歯付きベルト(図示
せず)等の回転駆動力伝達手段を介して駆動手段として
の図示しない電動モータに連結されている。
【0073】爪部材34は、後述する細部構成により、
印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39aの先端部を挟
持しながら用紙搬送方向Xの下流側へ運び、次の工程の
ために解放放出する開閉可能な構造を有する。歯付きベ
ルト33,33は、2つの爪部材34,34を固定し、
転写ドラム11A,11Bなどと速度、タイミングなど
を制御されて2つの爪部材34,34および爪部材34
に挟持された印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39a
を運ぶ機能・構成を有する。図1および図5に示すよう
に、駆動プーリ31,31、従動プーリ32,32、歯
付きベルト33,33および2つの爪部材34,34
は、図1における紙面の手前側および奥側に同一形状か
つ同一位相で配設されているので、以下、一方の説明を
もって他方の説明を省略する。
【0074】用紙搬送装置5の下流側の駆動プーリ3
1,31の近傍には、通常印刷や2度刷り印刷あるいは
両面印刷のために用紙搬送装置5により搬送される印刷
用紙39や片面印刷済みの用紙39aの後端部をばたつ
かせないように整然と搬送・排出するための押えローラ
37a,37bが、印刷機本体2側に固設された図5に
示す側板100,100に軸を持って回転自在に支持さ
れている。
【0075】図5に示すように、一対の駆動プーリ3
1,31は、転写ドラム11Aの回転支軸15Aに対し
て平行に配設された回転軸52に、転写ドラム11Aの
回転軸方向において互いに歯型が一致するように固定さ
れている。同様に、一対の従動プーリ32,32も転写
ドラム11Aの回転支軸15Aに対して平行に配設され
た回転軸54に、転写ドラム11Aの回転支軸方向にお
いて互いに歯型が一致するように固定されている。転写
ドラム11B側においても同様である(以下、転写ドラ
ム11Aを代表として述べる)。これにより、各歯付き
ベルト33,33の歯型の位相も一致し、歯付きベルト
33に爪部材34を固定する際に、転写ドラム11Aの
回転支軸15Aに平行に固定するのが容易となる。
【0076】駆動プーリ31は、上記電動モータにより
上記回転駆動力伝達手段を介して反時計回り方向に回転
駆動され、これによって転写ドラム11A,11Bに近
い側が歯付きベルト33の張り側となっている。歯付き
ベルト33は、回転支軸15Aに対して略直交するよう
に、かつ、走行方向が互いに略平行になるように駆動プ
ーリ31と従動プーリ32との間に張り渡されている。
爪部材34の後述するベース部材側は、各回転軸52,
54に略平行となるようにその両端部を両側の歯付きベ
ルト33,33に架橋的に渡されて固定されている。な
お、図5では、爪部材34の形状を簡略的に示すと共
に、2つ有する爪部材34のうちの一方を省略して図示
している。
【0077】さらに具体的に説明すると、爪部材34
は、印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39aを挟持し
たときにその搬送姿勢が転写ドラム11A,11Bの略
接線方向に沿うように一対の歯付きベルト33,33に
固定されている。一対の歯付きベルト33,33の内側
間の幅Wは、用紙搬送方向Xと直交する印刷用紙39の
最大幅より大きく設定されている。すなわち、一対の歯
付きベルト33,33の内側間の幅Wは、オフセット印
刷機1にて印刷できる印刷用紙39の最大幅より大きく
設定されており、これにより爪部材34の幅を印刷用紙
39の幅よりも大きくとれるようになっている。
【0078】駆動プーリ31の回転軸52の両端部は、
軸受51によって支持されており、軸受51は、印刷機
本体2側に固設された側板100に固定されている。符
号100aは、軸受51の嵌合孔を示している。従動プ
ーリ32の回転軸54の両端部も同様に軸受53によっ
て支持されているが、軸受53は、側板100の背面側
に位置する調整板104に固定されている。回転軸54
の両端部は、側板100に形成され用紙搬送方向Xに延
びた長孔100bに挿通されている。調整板104は、
図示しない付勢手段により用紙搬送方向Xと反対方向へ
付勢されている。すなわち、調整板104は、転写ドラ
ム11Aの回転支軸15Aに対して略直角方向に移動可
能に設けられている。これによって、歯付きベルト33
には適度なテンションが付加されている。符号104a
は、軸受53を用紙搬送方向Xに移動可能に嵌合する嵌
合孔を示している。
【0079】図6に示すように、歯付きベルト33の歯
33aのピッチをP、ピッチ数をnとすると、歯付きベ
ルト33のピッチ周長(周長)nPは、転写ドラム11
Aまたは版ドラム7Aの外周長Lの整数倍となるよう
に、かつ、ピッチ数nは駆動プーリ31の全歯数zの整
数倍となるように設定されている。具体的には次の式の
関係が成り立つように設定されている。
【0080】2L=nP、n=αz(αは整数値) この関係により、転写ドラム11Aの周速度と、歯付き
ベルト33の搬送速度(爪部材34の移動速度)を同期
させることが容易となり、転写ドラム11Aの回転周期
と爪部材34の移動周期を正確に同期させることができ
る。
【0081】このように本実施形態の用紙搬送装置5
は、通常のオフセット印刷機におけるそれと比較して特
有の構造を有している。通常のオフセット印刷機では印
刷用紙を転写ドラムに加圧する圧胴と次の印刷部(ニッ
プ部)まで印刷用紙を運ぶ渡し胴とを有する装置が一般
的であるが、本実施形態では歯付きベルト33のピッチ
周長nPを、版ドラム7Aまたは転写ドラム11Aの外
周長Lの2倍の長さに設定している。
【0082】爪部材34は、図7および図8に示すよう
に、両端部をなすベルト取付部70,70が一体的に形
成され印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39aの一方
の面に接触可能なベース部材としての下爪60と、下爪
60に対して開閉自在に構成され印刷用紙39の他方の
面に接触可能な挟持部材としての上爪61とを有してお
り、上爪61の挟持部61aと下爪60との間で印刷用
紙39や片面印刷済みの用紙39aの先端部を挟持す
る。
【0083】上爪61の両端部には、レバー状部材とし
ての略舌片状のレバー62が一体形成されている。図7
において、レバー62の上端部には支軸用孔63が、レ
バー62の下端部には孔64がそれぞれ貫通して形成さ
れている。一方、下爪60の両端部には、支軸用孔69
が貫通して形成されていると共に、上記したベルト取付
部70,70が一体形成されている。下爪60の両端部
におけるベルト取付部70,70は、ネジ71を介して
歯付きベルト33上に締結・固定される。以下、爪部材
34の構造は、図7の右手前側および左奥側において同
様であるため、図7の右手前側について説明する。
【0084】上爪61の支軸用孔63と下爪60の支軸
用孔69に、下爪60に対して上爪61を常時閉じる向
きに付勢するバネ66(ねじりコイルバネ)を巻着され
た支軸65が緩く嵌入された後、図示しない止め輪が装
着されることでその軸方向の移動を規制されると共に、
支軸65は下爪60の支軸用孔69に固定される。バネ
66の一端66aは略直角に折り曲げられて上爪61側
に係止され、他端66bは略直角に折り曲げられて下爪
61側に係止されている。これにより、上爪61におけ
る自由端側の挟持部61aは、支軸65を介して下爪6
0に揺動自在に支持されており、外力が働かない限りバ
ネ66の付勢力により常に閉じている。バネ66の付勢
力は、印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39aに挟持
跡を残さず、かつ、印刷用紙39や片面印刷済みの用紙
39aの搬送中に姿勢がずれない程度に設定されてい
る。
【0085】なお、上爪61および下爪60は、図示の
形状等に限らず、例えば材料節減等のために挟持部61
aの形状を櫛歯状に形成したり、バネ66の付勢力を調
整するために強磁性体(下爪60)とこれを磁力により
吸着するゴム磁石(上爪)との組み合わせにしたりして
もよい。また、用紙搬送方向Xでの印刷用紙39の保持
精度を出すために、例えば本願出願人が提案した特開平
11−99735号公報の図1ないし図6および図8な
いし図10や、特開平11−147358号公報の図2
3ないし図25、あるいは特開2000−33764公
報の図1、図2、図22および図26等に開示されてい
るものと同様の用紙突き当て部材を備えた用紙クランパ
が好ましい。
【0086】軸67は、上爪61の孔64に嵌入されて
固定される。この後、軸67の外方には、後述するカム
55Aまたはカム55Bと選択的に接触する接触部とし
ての転動自在なローラ付きのカムフォロア68が取り付
けられる。カムフォロア68は、例えばローラベアリン
グからなる。これにより、カムフォロア68は、カム5
5Aまたはカム55Bと接触・圧接する際における上爪
61を拡開・解放させる駆動力の伝達を摩擦抵抗を減少
して滑らかに、かつ、耐久性をもって行うことができ
る。なお、上記した利点を望まなくてもよいのであれ
ば、カムフォロア68を除去して、レバー62の下端部
周面をカム55Aまたはカム55Bと選択的に接触する
接触部としてもよい。
【0087】次に、さらに高度に爪部材34の開閉動作
を行える技術内容について説明する。すなわち、本実施
形態では、爪部材34が、給紙装置4からの給紙時以外
にも印刷用紙39や片面印刷済みの用紙39aの先端部
を保持すること、および排紙トレイ6への排紙時以外に
も印刷済みの用紙としての片面印刷済みの用紙39aの
先端部を解放することが可能となっていること、ならび
に爪部材34による印刷用紙39や片面印刷済みの用紙
39aの先端部の挟持・保持または解放を行う開閉箇所
を複数(例えば図9ないし図12に示す5箇所)有して
いることが一つの特徴となっている。
【0088】図8ないし図10において、符号78A
は、排紙側である駆動プーリ31側に配設されたカム5
5Aを備えたカム装置を示す。図11および図12にお
いて、符号78Bは、給紙側である従動プーリ32側に
配設されたカム55Bを備えたカム装置を示す。カム装
置78Aは、図8ないし図10に示すように、上記した
カム55Aと、後述する2つの開閉箇所に合わせて爪部
材34を解放駆動するカム55Aの位置を変えるカム位
置可変手段79Aとを有する。カム装置78Bは、図1
1および図12に示すように、上記したカム55Bと、
後述する3つの開閉箇所に合わせて爪部材34を解放駆
動するカム55Bの位置を変えるカム位置可変手段79
Bとを有する。
【0089】カム55Aとカム55Bとは、同一の形状
を有していて共通化が図られているが、給紙側配置と排
紙側配置とでの区別を明確にするために符号を変えてい
る。カム装置78Aおよびカム装置78Bも、上記と同
様の趣旨から符号を変えており、両者に共通の構成部品
を有するので、以下、相違する点以外についてはカム装
置78A側を代表して説明する。このように、カム装置
78Aとカム装置78Bとは共通の構成部品を有するの
で、部品の共通化、低コスト化に寄与している。なお、
回転軸52と回転軸54とは同一の外径を有し、駆動プ
ーリ31と従動プーリ32とは同一の歯数かつ外径を有
している。
【0090】カム55Aは、図7に示したバネ66の付
勢力に抗してカムフォロア68に接触・圧接して上爪6
1を解放する大径部と、カムフォロア68に接触しない
小径部とを一体形成されている。図9に示すカム55A
は、同図に一点鎖線で示す最終印刷物としての印刷済み
の印刷用紙39を同一点鎖線で示す第1の用紙放出搬送
方向110に排出すべくその大径部が上爪61を解放す
る第1の用紙排出位置P1を占めている状態を表してい
る。図10に示すカム55Aは、同図に二点鎖線で示す
片面印刷済みの用紙39aを同二点鎖線で示す第2の用
紙放出搬送方向111に排出すべくその大径部が上爪6
1を解放する第2の用紙排出位置P2を占めている状態
を表している。同図10に示す二点鎖線で示すカム55
Aは、両面印刷時において爪部材34のカムフォロア6
8と当接しない非当接位置PAを占めている状態を表し
ている。
【0091】上記したように第1の用紙排出位置P1を
占めている図9に示すカム55Aは、カム55Aのホー
ムポジションとなっている。カム55Aの上端面には、
図9のみに示すように、遮光片55bが外方に向けて一
体的に突出形成されている。一方、遮光片55bを挟み
付ける態様で、カム55Aのホームポジションを検知す
るホームポジションセンサ77Aが図示しない不動部材
を介して側板100a側に固設されている。ホームポジ
ションセンサ77Aは、発光部および受光部を具備する
透過型の光学センサである。
【0092】カム位置可変手段79Aは、カム歯車5
6、歯車列72、カム駆動軸58および駆動源としての
ステッピングモータ59A等を具備している。カム55
Aは、図8に詳しく示すように、カム55Aの端面部に
カム歯車56が一体的に形成されている。カム55Aお
よびカム歯車56の中心部には、回転軸52を緩く嵌入
する遊嵌孔55aが形成されていて、回転軸52の回転
駆動力がカム55Aおよびカム歯車56に伝達されない
ようになっている。図8において、符号76は、図示し
ない不動部材を介して側板100側に固設された歯車列
支持部材を示す。歯車列72は、歯車列支持部材76に
植設された軸75aに回動自在に支持されカム歯車56
に常時噛み合う第3歯車75と、歯車列支持部材76に
植設された軸74aに回動自在に支持され第3歯車75
に常時噛み合う第2歯車74と、カム駆動軸58に固設
され第2歯車74に常時噛み合う第1歯車73とから構
成されている。
【0093】カム駆動軸58の両端部は、両側の側板1
00,100(但し、図8の上方に位置する側板100
は省略している)に装着された軸受57,57に回動自
在に支持されている。カム駆動軸58の一端部(図8の
上方側)は、図示しないウォームギヤを介してステッピ
ングモータ59に連結されており、ステッピングモータ
59により回転駆動される。歯車列支持部材76には、
回転軸52を緩く嵌入する遊嵌孔76aが、カム駆動軸
58を緩く嵌入する遊嵌孔76bがそれぞれ形成されて
いて、回転軸52およびカム駆動軸58の各回転駆動力
が歯車列支持部材76に伝達されないようになってい
る。カム駆動軸58の一端部には、上記ウォームギヤの
うちのウォームホイール(図示せず)が固設され、ステ
ッピングモータ59の出力軸には上記ウォームホイール
に噛み合うウォーム(図示せず)が固設されている。上
記ウォームギヤにより、カム55A側から入力された外
力により歯車列72を介してカム駆動軸58が回転する
ことがなくなる。
【0094】図9および図10に示すように、上爪61
のカムフォロア68がそれぞれ第1の用紙排出位置P
1、第2の用紙排出位置P2を占めて保持されているカ
ム55Aの大径部に当接すると、上爪61が図7に示す
バネ66の付勢力に抗して支軸65を支点として揺動す
ることにより、爪部材34は開いた状態となる。このよ
うに、本実施形態では、カム位置可変手段79Aを具備
することにより、用紙搬送装置5の外部からカム55A
の待機位置(待機位相)を容易にかつ正確に変更するこ
とができるものである。
【0095】図11に実線で示すカム55Bは、両面印
刷を行うために同図に破線で示すように片面印刷済みの
用紙39aを同破線で示す第3の用紙放出搬送方向11
3に排出すべくその大径部が上爪61を解放する第3の
用紙排出位置P3を占めている状態を表している。ま
た、同じ図11に二点鎖線で示すカム55Bは、同図に
二点鎖線で示す片面印刷済みの用紙39aを同二点鎖線
で示す再給紙方向118に再給紙すべくその大径部が上
爪61を解放して片面印刷済みの用紙39aの先端部を
挟持する第2の用紙挟持位置PB2を占めている状態を
表している。
【0096】説明が前後するが、図12に示すカム55
Bは、給紙装置4における第1の給紙手段により給紙方
向109に給紙されてきた印刷用紙39の先端部を挟持
すべく上爪61を解放して印刷用紙39の先端部を挟持
する第1の用紙挟持位置PB1を占めている状態を表し
ている。第1の用紙挟持位置PB1を占めている図12
に示すカム55Bは、カム55Bのホームポジションと
なっている。カム55Bの上端面には、図12のみに示
すように、直角に折れ曲がった遮光片55cが外方に向
けて一体的に突出形成されている。一方、遮光片55c
を挟み付ける態様で、カム55Bのホームポジションを
検知するホームポジションセンサ77Bが図示しない不
動部材を介して図8に示す側板100a側に固設されて
いる。ホームポジションセンサ77Bは、発光部および
受光部を具備する透過型の光学センサである。
【0097】カム位置可変手段79Bは、カム位置可変
手段79Aと同様の共通部品である、カム歯車56、歯
車列72、カム駆動軸58および駆動源としてのステッ
ピングモータ59B等を具備している。
【0098】なお、上述したように、図12に示す爪部
材34と第1の給紙手段(給紙ローラ28および分離パ
ッド26)との間の用紙搬送路には、実施例的にはレジ
ストローラ対(図示せず)が好ましく配置される。それ
故に、このようなレジストローラ対が配置されている場
合には、図11に二点鎖線で示すようにカム55Bを第
2の用紙挟持位置PB2に変更する必要がなく、片面印
刷済みの用紙39aが上記レジストローラ対のニップ部
に向けて再給紙されるように再給紙ガイド板119を図
11において少し右方に傾けて配置すればよい。これに
加えて、2度刷りのみを行い両面印刷を行わなくてもよ
いような場合には、図11等に示したような両面印刷用
搬送排出手段112およびカム位置可変手段79Bを除
去して、例えば図11に示した回転軸52と平行に配置
された支軸(図示せず)に挿通され、該支軸に固定され
て全体として回動不能に安定に固定された給紙用カムで
あってもよい。
【0099】図1に示す印刷機本体2の上部には、オフ
セット印刷機1の上記各装置に指示を与えて操作するた
めの図示しない操作パネルが配置されている。該操作パ
ネルには、片面印刷済みの用紙39aを再給紙装置40
に再給紙して、2度刷り印刷を行う2度刷り印刷モード
を設定するための図示しない2度刷り印刷モード設定手
段としての2度刷り印刷モード設定キー、両面印刷を行
う両面印刷モードを設定するための両面印刷モード設定
手段としての図示しない両面印刷モード設定キー、印刷
すべき印刷用紙39の印刷枚数を設定するための図示し
ないテンキー、印刷すべき色を選択設定するための色指
定キー等が配設されている。
【0100】また、図1に示す印刷機本体2の適宜の部
位には、オフセット印刷機1の上記各装置による動作を
制御するための図示しない制御手段としての制御装置が
配置されている。上記制御装置は、例えば、CPU(中
央演算処理装置)、図示しないI/O(入出力)ポー
ト、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書
き可能な記憶装置)および図示しないタイマ等を備え、
それらが図示しない信号バスによって接続された構成を
有するマイクロコンピュータを具備している。上記色指
定キー、上記2度刷り印刷モード設定キー、上記両面印
刷モード設定キー、ホームポジションセンサ77A,7
7Bは上記入力ポート等を介して上記CPUに、ステッ
ピングモータ59A,59Bは図示しないモータ駆動回
路および上記出力ポートを介して上記CPUにそれぞれ
電気的に接続されている。上記CPUは、上記2度刷り
印刷モード設定キーまたは上記両面印刷モード設定キー
およびホームポジションセンサ77Aおよび/またはホ
ームポジションセンサ77Bからの信号に基づいて、カ
ム位置可変手段79Aのステッピングモータ59Aおよ
び/またはカム位置可変手段79Bのステッピングモー
タ59Bを制御する機能を有する。
【0101】次に、複数の現像装置10A〜10D、用
紙搬送装置5および再給紙装置40周りの動作につい
て、上述した印刷動作の概要と相違する点を中心に詳細
に説明する。以下の動作は、オペレータによる各種キー
の操作や印刷用紙39の補給操作等を除き、上記制御装
置からの指令の下に全て自動的に行われる。
【0102】まず、上記通常片面印刷動作について補足
説明する。この通常片面印刷動作では、オペレータが上
記操作パネルの上記2度刷り印刷モード設定キーや上記
両面印刷モード設定キーを押さない状態で行われる。オ
ペレータが上記操作パネルの上記色指定キーにより印刷
したい印刷画像色を選択設定すると共に、上記テンキー
により印刷すべき印刷枚数を設定する。ここでは、例え
ば上記色指定キーによってシアンとマゼンタとの2色を
選択設定したものとする。次いで、上記スタートスイッ
チを押すと、上記と同様の原稿読取工程・製版工程〜ク
リーニング工程までの一連の工程が連続的かつ自動的に
行われる。
【0103】上記2度刷り印刷モード設定キーや上記両
面印刷モード設定キーが押されていないことにより、上
記制御装置は通常片面印刷動作を行うことを認識して、
ホームポジションセンサ77A,77Bからのホームポ
ジション検知信号に基づいて、図12に示すカム位置可
変手段79Bのカム55Bが同図12に示す第1の用紙
挟持位置PB1を占めていること、および図9に示すカ
ム位置可変手段79Aのカム55Aが同図9に示す第1
の用紙排出位置P1を占めていることを判断する。さら
に詳しくは、上記CPUは上記2度刷り印刷モード設定
キーから2度刷り印刷モードに係る信号および上記両面
印刷モード設定キーから両面印刷モードに係る信号が送
信されていないので、図12に示すカム55Bが図12
に示す第1の用紙挟持位置PB1(ホームポジション)
を占めてこの位置を保持するように、かつ、図9に示す
カム55Aが第1の用紙排出位置P1(ホームポジショ
ン)を占めてこの位置を保持するように各ステッピング
モータ59A,59Bを制御(より詳しくは、カム55
Bが第1の用紙挟持位置PB1を保持するようにステッ
ピングモータ59Bに、カム55Aが第1の用紙排出位
置P1を保持するようにステッピングモータ59Aに、
それぞれ励磁電流を流してステッピングモータ59A,
59Bの回転位置をホールドする)している。
【0104】上述した通常片面印刷動作時における給紙
装置4からの給紙動作と同様に、インキ画像とのタイミ
ングが図られながらの給紙ローラ28の回転開始によ
り、印刷用紙39の先端が爪部材34の開動作に同期す
るタイミングで給送される。これにタイミングを合わせ
て爪部材34のカムフォロア68が、図12に示すよう
に第1の用紙挟持位置PB1に保持されているカム55
Bの大径部に当接し、支軸65を支点として図7に示し
たバネ66の付勢力に抗して上爪61が揺動することに
より、上爪61は下爪60から開いた状態となって上爪
61が拡開され、次いで上爪61が所定のタイミングで
閉じることで印刷用紙39の先端部が爪部材34に挟持
される。印刷用紙39は爪部材34に挟持されると、歯
付きベルト33の回転によって用紙搬送方向Xの下流側
にさらに搬送される。
【0105】なお、レジストローラ対によるレジスト動
作を伴う場合は、次のようになる。すなわち、まず、上
記したと同様に給紙トレイ27上の印刷用紙39が給紙
ローラ28および分離パッド26の協働作用によって1
枚ずつに分離されて給送される。給送された印刷用紙3
9はレジストローラ対30で一旦停止され、過剰送り等
の手法により斜めずれ等を修正される。そして、歯付き
ベルト33が所定の線速度で回転するように用紙搬送装
置5の上記電動モータが駆動されることにより、印刷用
紙39は爪部材34の開動作に同期するタイミングでレ
ジストローラ対30により送られ、以下の動作は上記補
足説明した内容と同じである。
【0106】一部説明が前後するが、上述した通常片面
印刷動作時と同様の原稿読取工程・製版工程が終了した
後、色指定キーによってシアンとマゼンタとの2色が選
択設定されているので、所定のタイミングで接離手段9
7Aおよび接離手段97Cが駆動制御されて、現像装置
10Aのインキ着肉ローラ83A,85Aが版ドラム7
Aに、現像装置10Cのインキ着肉ローラ83C,85
Cが版ドラム7Bにそれぞれ押圧される。この時、現像
装置10Bおよび現像装置10Dは退避位置を占めたま
まである。製版された印刷用版8Aの画像データ部分の
親水性の部分にシアンのインキが、また製版された印刷
用版8Bの画像データ部分の親水性の部分にマゼンタの
インキがそれぞれ付着することになる。
【0107】印刷ステーション3A,3Bにおいて、上
記通常片面印刷動作時と同様に現像工程が完了すると、
上記したと同様の中間転写工程が行われて、版ドラム7
A,7B上の印刷用版8A,8Bに画像データに応じて
付着したシアン、マゼンタのインキが転写ドラム11
A,11B上の上記転写ブランケットに転写されて、上
記転写ブランケットにシアン、マゼンタのインキ画像が
形成される。
【0108】転写ドラム11A,11Bにシアン、マゼ
ンタのインキ画像が形成されているところに、上記した
ようにインキ画像とのタイミングが図られながら、印刷
用紙39の先端が歯付きベルト33によって再び印刷部
13A,13Bに搬送されてくる。各印刷部13A,1
3Bにおいて上記したと同様の最終用紙転写工程が行わ
れて2色重ね刷り印刷がなされ、所望の2色印刷画像が
得られる。この最終用紙転写工程では、印刷用紙39は
当然の事ながら転写ドラム11A,11Bの周速度と同
一の速度、すなわち転写ドラム11A,11Bの周速度
と同一の歯付きベルト33の搬送速度で搬送される。
【0109】2色印刷画像が形成された印刷用紙39
は、歯付きベルト33により用紙搬送方向Xの下流側に
向けてさらに搬送される。印刷用紙39の先端部を挟持
した爪部材34が押えローラ37a付近に搬送されたと
きに、図9に示すように、上爪61のカムフォロア68
が第1の用紙排出位置P1に保持されているカム55A
の大径部に当接し、支軸65を支点として図7に示した
バネ66の付勢力に抗して上爪61が揺動することによ
り、上爪61は下爪60から開いた状態となる。この位
置での爪部材34の解放動作により、2色印刷画像が形
成された印刷用紙39の先端が解放されて第1の用紙放
出搬送方向110へ排出され、図1に示す排紙ローラ対
36により排紙トレイ6へ向けて案内・搬送され、サイ
ドガイド対38により揃えられながらスタックされるこ
ととなる。
【0110】上記テンキーで設定された印刷枚数分の印
刷が終了すると、接離手段97A,97Bが駆動される
ことにより現像装置10A,10Cが版ドラム7A,7
Bから離間してそれぞれ初期位置を占める。これと同時
に、上記接離変位手段が作動することにより版ドラム7
A,7Bが転写ドラム11A,11Bから離間してそれ
ぞれ初期位置を占める。これらの離間動作がなされる
と、上述した通常片面印刷動作時と同様のクリーニング
工程が行われると共に、版ドラム7A側において図2に
示す巻き込み軸17Aが上記駆動手段によって回転駆動
されることにより、また版ドラム7B側においても上記
と同様の動作が行われることにより、版ドラム7A,7
B上には次の製版のための新しい印刷用版8A,8Bが
巻き出されて巻装される。
【0111】次に、2度刷り印刷動作を説明する。先
ず、オペレータが上記2度刷り印刷モード設定キーを押
すと共に、上記色指定キーにより1度目に印刷したい印
刷画像色(1,2色目)を選択設定する。ここでは、上
述したと同様に上記色指定キーによって、例えばシアン
とマゼンタとの2色を選択設定するものとする。次い
で、上記テンキーにより印刷すべき印刷枚数を設定した
後、上記色指定キーにより2度目に印刷したい印刷画像
色(3,4色目)を選択設定する。ここでは、上記色指
定キーによって例えばイエローとブラックとの2色を選
択設定するものとする。次いで、上記スタートスイッチ
を押すと、上記と同様に、原稿読取工程・製版工程〜ク
リーニング工程までの一連の工程が連続的かつ自動的に
行われる。
【0112】以上のキー操作等を行うことにより、上記
制御装置は2度刷り印刷動作を行うことを認識して、ホ
ームポジションセンサ77Bからのホームポジション検
知信号に基づいて、図12に示すカム55Bが図12に
示す第1の用紙挟持位置PB1を占めていることを判断
する。同時に、カム55Aが図9に示す第1の用紙排出
位置P1を占めている状態から、図10に示す第2の用
紙排出位置P2を占める状態へとカム55Aの位置・位
相を変えるようにステッピングモータ59Aへ所定の駆
動パルスを供給する。具体的には、図9において、ステ
ッピングモータ59Aが所定のステップ数正転(または
逆転)駆動することにより、例えばカム駆動軸58が時
計回り方向に回転することによって、歯車列72および
カム歯車56を介してその回転駆動力がカム55Aに伝
達され、図10に示すように、カム55Aがステッピン
グモータ59Aの所定のステップ数に対応して反時計回
り方向に所定の角度分回転することで、図10に示す第
2の用紙排出位置P2を占めた状態で保持される(より
詳しくはカム55Aが第2の用紙排出位置P2を保持す
るようにステッピングモータ59Aに励磁電流を流して
ステッピングモータ59Aの回転位置をホールドす
る)。なお、カム55Aが図10に示す第2の用紙排出
位置P2を占めた状態を検知するための上記ホームポジ
ションセンサ77Aと同様の構成の検知手段を付加して
もよい。
【0113】次いで、上述した通常片面印刷動作時と同
様の原稿読取工程・製版工程〜最終用紙転写工程が行わ
れた後、図10において、シアンおよびマゼンタの2色
印刷画像が形成された片面印刷済みの用紙39aの先端
部を挟持した爪部材34が、押えローラ37bを少し過
ぎた付近に搬送されたときに、上爪61のカムフォロア
68が第2の用紙排出位置P2に保持されているカム5
5Aの大径部に当接することにより、上記したと同様の
動作を経て、上爪61は下爪60から開いた状態とな
る。この位置での爪部材34の解放動作により、片面印
刷済みの用紙39aの先端が解放されてガイド板41に
案内されながら第2の用紙放出搬送方向111へ排出さ
れ、さらに送りローラ対42で搬送され、図4に示すガ
イド板対43に沿って案内されつつ排出され、再給紙ト
レイ44の底板45上に積載されることとなる。このと
き、図10の下側に位置する歯付きベルト33、押えロ
ーラ37b、ガイド板41、送りローラ対42およびガ
イド板対43により一種の反転搬送路が形成されるの
で、片面印刷済みの用紙39aはその印刷画像面を下面
(裏面)側にして底板45上に積載される。
【0114】上記テンキーで設定された印刷枚数分の2
色印刷がなされ、片面印刷済みの用紙39aの底板45
上への積載が終了すると、上記制御装置は直ちに再給紙
動作ないし最終的な排紙動作までを行うことを認識し
て、図12に示すカム55Bが図12に示す第1の用紙
挟持位置PB1(ホームポジションでもある)を占めて
いる状態から、図11に示す第2の用紙挟持位置PB2
を占める状態へとカム55Bの位置・位相を変えるよう
にステッピングモータ59Bへ所定の駆動パルスを供給
する。具体的には、図12において、ステッピングモー
タ59Bが所定のステップ数正転(または逆転)駆動す
ることにより、例えばカム駆動軸58が反時計回り方向
に回転することによって、歯車列72およびカム歯車5
6を介してその回転駆動力がカム55Bに伝達され、図
11に示すように、カム55Bがステッピングモータ5
9Bの所定のステップ数に対応して時計回り方向に所定
の角度分回転することで、図11に示す第2の用紙挟持
位置PB2を占めた状態で保持される(より詳しくはカ
ム55Bが第2の用紙挟持位置PB2を保持するように
ステッピングモータ59Bに励磁電流を流してステッピ
ングモータ59Bの回転位置をホールドする)。なお、
カム55Bが図11に示す第2の用紙挟持位置PB2を
占めた状態を検知するための上記ホームポジションセン
サ77Bと同様の構成の検知手段を付加してもよい。
【0115】同時に、図10に示すカム55Aが同図に
示す第2の用紙排出位置P2を占めている状態から、図
9に示す第1の用紙排出位置P1(ホームポジション)
を占める状態へとカム55Aの位置・位相を変えるよう
にステッピングモータ59Aへ所定の駆動パルスを供給
した後、励磁する。これにより、カム55Aは図9に示
す第1の用紙排出位置P1に保持される。
【0116】一方、上記した2色印刷が一通り済むと、
各印刷ステーション3A,3Bでは上記通常片面印刷動
作時と同様のクリーニング工程が行われると同時に、版
ドラム7A,7Bにおいても上記通常片面印刷動作時と
同様に、次の製版のための新しい印刷用版8A,8Bが
巻き出されて巻装され、2枚目の画像データに基づいて
各書込み装置9A,9Bにおいて2枚目(3,4色目)
の画像データが印刷用版8A,8Bに書き込まれる。
【0117】カム55Bが図11に示す第2の用紙挟持
位置PB2に保持されたことが上記制御装置により確認
されると、該制御装置からの指令によって歯付きベルト
33が所定の線速度で回転するように用紙搬送装置5の
上記電動モータが駆動され、これに合わせて底板45の
片面印刷済みの用紙39aが給紙ローラ46および分離
パッド47aの協働作用によって1枚ずつに分離されて
再給送され、さらに再給紙ガイド板119に沿って案内
されながら、給紙ローラ46によって片面印刷済みの用
紙39aが爪部材34の開動作に同期するタイミングで
給送される。これにタイミングを合わせて爪部材34の
カムフォロア68が、図11に示すように第2の用紙挟
持位置PB2に保持されているカム55Bの大径部に当
接することにより、上記と同様の動作を経て上爪61は
下爪60から開いた状態となって上爪61が拡開され、
次いで上爪61が所定のタイミングで閉じることで再給
紙された片面印刷済みの用紙39aの先端部が爪部材3
4に挟持される。なお、レジストローラ対によるレジス
ト動作を伴う場合は、第2の用紙挟持位置PB2へのカ
ム55Bの回転移動は不要である。
【0118】爪部材34に挟持された片面印刷済みの用
紙39aは、給紙ローラ46、再給紙ガイド板119、
従動プーリ32上の歯付きベルト33という一種の反転
搬送路を経由して再給送されることとなるから、その印
刷画像面側が上向きとなり、未印刷画像面側が歯付きベ
ルト33の外表面に接触する側となって、歯付きベルト
33の回転によって図1における用紙搬送方向Xに搬送
される。
【0119】一部説明が前後するが、2枚目の画像デー
タに応じた製版工程が終了した後、上記色指定キーによ
って2度目の印刷においてはイエローとブラックとの2
色が選択設定されているので、所定のタイミングで接離
手段97Bおよび接離手段97Dが駆動されて、現像装
置10Bが版ドラム7Aに、現像装置10Dが版ドラム
7Bにそれぞれ押圧される。このとき、現像装置10A
および現像装置10Cは退避位置を占めたままである。
製版された印刷用版8Aの画像データ部分の親水性の部
分にイエローのインキが、また製版された印刷用版8B
の画像データ部分の親水性の部分にブラックのインキが
それぞれ付着することになる。
【0120】印刷ステーション3A,3Bにおいて、上
記現像工程が完了すると、上記したと同様の中間転写工
程が行われて、版ドラム7A,7B上の印刷用版8A,
8Bに画像データに応じて付着したイエロー、ブラック
のインキが転写ドラム11A,11B上の上記転写ブラ
ンケットに転写されて、上記転写ブランケットにイエロ
ー、ブラックのインキ画像が形成される。
【0121】転写ドラム11A,11Bにイエロー、ブ
ラックのインキ画像が形成されているところに、上記し
たようにインキ画像とのタイミングが図られながら、2
色印刷画像が形成された片面印刷済みの用紙39aの先
端が歯付きベルト33によって再び印刷部13A,13
Bに搬送されてくる。各印刷部13A,13Bにおいて
上記したと同様の最終用紙転写工程が行われて4色重ね
刷り印刷がなされ、所望の4色印刷画像が得られる。以
下、上記通常片面印刷動作時の排紙動作と同様の動作が
行われる。なお、1つの印刷ステーション3A、1つの
版ドラム7Aしか無い場合では、上述したような4色重
ね刷りでなく、2色重ね刷りまでを行える。
【0122】次に、両面印刷動作を説明する。先ず、オ
ペレータが上記両面印刷モード設定キーを押すと共に、
上記色指定キーにより印刷用紙39の表面に印刷したい
印刷画像色(1,2色目)を選択設定する。ここでは、
上述したと同様に上記色指定キーによって、例えばシア
ンとマゼンタとの2色を選択設定するものとする。次い
で、上記テンキーにより印刷すべき印刷枚数を設定した
後、上記色指定キーにより印刷用紙39の裏面に印刷し
たい印刷画像色(3,4色目)を選択設定する。ここで
は、上記色指定キーによって例えばイエローとブラック
との2色を選択設定するものとする。次いで、上記スタ
ートスイッチを押すと、上記と同様に、原稿読取工程・
製版工程〜クリーニング工程までの一連の工程が連続的
かつ自動的に行われる。
【0123】以上のキー操作等を行うことにより、上記
制御装置は両面印刷動作を行うことを認識して、まず、
ホームポジションセンサ77Bからのホームポジション
検知信号に基づいて、図12に示すカム55Bが図12
に示す第1の用紙挟持位置PB1を占めていることを判
断する。同時に、カム55Aが図9に示す第1の用紙排
出位置P1を占めている状態から、図10に示す非当接
位置PAを占める状態へとカム55Aの位置・位相を変
えるようにステッピングモータ59Aへ所定の駆動パル
スを供給した後、励磁する。これにより、カム55Aは
非当接位置PAに保持される。
【0124】以下、印刷用紙39の表面に1,2色目
(シアン、マゼンタ)の印刷画像を形成するまでは次に
述べる点以外は上記した2度刷り印刷動作時と同様に行
われる。すなわち、2度刷り印刷動作時の用紙搬送装置
5の動作と比較して、1枚目の印刷用紙39の給紙後に
おいて、図12に示すように第1の用紙挟持位置PB1
を占めているカム55Bが図11に示す第3の用紙排出
位置P3を占める状態へとカム55Bの位置・位相を変
えるようにステッピングモータ59Bへ所定の駆動パル
スを供給した後、励磁する。これにより、カム55Bは
図11に示す第3の用紙排出位置P3に保持される。2
枚目の印刷用紙39の給紙後ないし設定された印刷枚数
分の給紙が行われるまでその給紙前後の都度、カム55
Bは第1の用紙挟持位置PB1と第3の用紙排出位置P
3との間に回転変位され保持されることとなる。
【0125】図10に示すように、2色印刷画像が形成
された片面印刷済みの用紙39aの先端部を挟持した爪
部材34は、歯付きベルト33によって押えローラ37
bを少し過ぎた付近に搬送されたときに、カム55Aが
非当接位置PAに保持されていることにより、上爪61
のカムフォロア68がカム55Aの小径部に対向するだ
けで接触しないため上爪61が解放することなく閉じた
状態のまま、図11に示す両面印刷用搬送排出路117
の付近まで搬送される。
【0126】歯付きベルト33によって爪部材34が両
面印刷用搬送排出路117の付近まで搬送されると、上
爪61のカムフォロア68が図11に示す第3の用紙排
出位置P3に保持されているカム55Bの大径部に当接
することにより、上記と同様の動作を経て上爪61は下
爪60から開いた状態となる。この位置での爪部材34
の解放動作により、片面印刷済みの用紙39aの先端が
解放されてガイド板114に案内されながら第3の用紙
放出搬送方向113へ排出され、さらに送りローラ対1
15で搬送され、図4および図11に示すガイド板対1
16に沿って案内されつつ排出され、再給紙トレイ44
の底板45上に積載されることとなる。このとき、図1
1の下側に位置する歯付きベルト33、ガイド板11
4、送りローラ対115およびガイド板対116により
一種の反転搬送路が形成されるので、片面印刷済みの用
紙39aはその印刷画像面を上面(表面)側にして底板
45上に積載される。
【0127】上記テンキーで設定された印刷枚数分の2
色印刷がなされ、片面印刷済みの用紙39aの底板45
上への積載が終了すると、上記制御装置は直ちに再給紙
動作ないし最終的な排紙動作までを行うことを認識し
て、図11に示すカム55Bが第3の用紙排出位置P3
を占めている状態から、同図に示す第2の用紙挟持位置
PB2を占める状態へとカム55Bの位置・位相を変え
るようにステッピングモータ59Bへ所定の駆動パルス
を供給した後、励磁する。これにより、カム55Bが第
2の用紙挟持位置PB2に保持される。同時に、図10
に示すカム55Aが非当接位置PAを占めている状態か
ら、図9に示す第1の用紙排出位置P1(ホームポジシ
ョン)を占める状態へとカム55Aの位置・位相を変え
るようにステッピングモータ59Aへ所定の駆動パルス
を供給した後、励磁する。これにより、カム55Aは図
9に示す第1の用紙排出位置P1に保持される。
【0128】一方、上記した印刷用紙39の表面への2
色印刷が一通り済むと、以下に述べる点を除き、上記2
度刷り印刷動作と同様の動作が行われる。すなわち、両
面印刷動作では、爪部材34に挟持された片面印刷済み
の用紙39aは、給紙ローラ46、再給紙ガイド板11
9、従動プーリ32上の歯付きベルト33という一種の
反転搬送路を経由して再給送されることとなるから、そ
の印刷画像面側が下向きとなり、未印刷画像面(裏面)
側が歯付きベルト33の外表面に接触しない側となっ
て、歯付きベルト33の回転によって図1における用紙
搬送方向Xに搬送され、片面印刷済みの用紙39aの裏
面側(上面側)に3,4色目のイエロー、ブラックの2
色重ね刷り印刷がなされ、所望の片面2色ずつの両面印
刷画像が得られる。以下、上記通常片面印刷動作時の排
紙動作と同様の動作が行われる。
【0129】2度刷りや両面印刷などのように2度目の
印刷において高精度の印刷画像品質を得るには、上述し
たような製版動作における高精度の再現性だけでなく、
再給紙時の用紙搬送性の向上を図れる技術も必須であ
る。一般に、一度刷った印刷物を再度給紙装置にセット
すると、用紙の不揃い、生乾き定着等で高精度の用紙搬
送は難しい。本実施形態では、このような給紙精度の向
上の具体例の説明を今回省略したが、例えば給紙装置や
再給紙装置を積載する給紙台や底板を前後に位置調整す
る方式や、1枚毎に印刷用紙を突き当て板などに当てて
その位置を規制調整して印刷用紙を送り出す構成など、
装置的には従来から実用化されている技術や改良された
技術などで実現可能なものである。
【0130】上述したとおり、本実施形態によれば、従
来の上記問題点を全て解決することができる。加えて、
4色の現像装置10A〜10Dと、用紙搬送装置5と、
再給紙装置40との協働・連動によって、2度刷りやこ
れによるフルカラー印刷あるいは両面印刷など未だかつ
て実現していない新規な印刷装置を提供するものであ
る。従来の2色機では、それ以上のインキで印刷する際
は大変面倒で、一度刷った印刷物を再び給紙装置に戻す
ものが大半であり、しかも2度目の印刷で重ね刷り印刷
するには印刷画像を精度良く重ねなければならないので
給紙装置では印刷用紙の流れ方向(縦方向)の位置制御
だけでなく、印刷用紙の幅方向(横方向)の位置調整な
どもしていた。さらに、現像装置から印刷済みのインキ
を取り去り、清掃して別のインキを入れ替え、また印刷
用版は別途製版装置2度目の画像データを書き込み、現
像して印刷機に装着し、そのような主なる操作と手間と
で2度目の印刷を行っていたのが実状であった。
【0131】しかしながら、本実施形態では上記したよ
うな面倒な操作を省くために、複数(4色)の現像装置
10A〜10Dを版ドラム7A,7Bに分担して持た
せ、またタンデム給紙可能な給紙装置4を有することに
より連続給紙が可能であり、印刷用紙39の補給動作を
オフセット印刷機1の稼働を中断させることなく行うこ
とができ、また片面印刷済みの用紙39aの再度の搬送
精度を保証するための給紙装置4および再給紙装置40
を備え、ダイレクト製版可能な書込み装置9A,9Bお
よび印刷用版8A,8Bの交換が簡単な版ドラム7A,
7Bを具備しているものである。このような装置構成に
より大変簡単に別の色の印刷、実施形態例としては2色
機なのでフルカラーになる4色印刷が簡単に行えるとい
う利点がある。
【0132】さらには、用紙搬送装置5が給紙装置4か
ら給紙された印刷用紙39の先端部を保持する少なくと
も1つの爪部材34と、この爪部材34を固定し印刷部
13A,13Bをその上流側から下流側に亘って走行す
るように各プーリ31,32間に張り渡されて回転駆動
される歯付きベルト33と、爪部材34を駆動するカム
55A,55Bを備えたカム装置78A,78Bとを有
している構成としたので、レジストのばらつきのない高
精度の用紙搬送および画像形成に必要な色ずれのない高
精度な位置合わせ搬送などを行うことができ、かつ、爪
部材34による印刷用紙39の先端部の保持・解放を複
雑に多機能に活用するための方式が可能となる。また、
歯付きベルト33は、転写ドラム11A,11Bの回転
軸方向に間隔をおいて一対設けられていると共に、各プ
ーリ31,32も一対ずつ設けられ、歯付きベルト33
は、転写ドラム11A,11Bの回転軸に対して略直角
となるように、かつ、走行方向が互いに略平行になるよ
うに張り渡され、下爪60は、転写ドラム11A,11
Bの回転軸と略平行となるように歯付きベルト33間に
架橋的に渡されて固定されている構成としたので、印刷
用紙39を転写ドラム11A,11Bの回転軸に対して
直角に搬送でき、用紙搬送時の印刷用紙39や片面印刷
済みの用紙39aのスキューを防止することができる。
また、一対の歯付きベルト33間の幅が用紙搬送方向X
と直交する印刷用紙39の最大幅より大きい構成とした
ので、印刷用紙39の幅よりも大きい幅の爪部材34を
固定でき、印刷用紙39のサイズによって爪部材34に
よるその保持率(挟持率)が変化することを回避でき
る。
【0133】また、歯付きベルト33のピッチ周長が、
転写ドラム11A,11Bまたは版ドラム7A,7Bの
外周長の整数倍の長さであり、かつ、歯付きベルト33
の歯数またはピッチ数が歯付プーリ31,32の全歯数
の整数倍である構成としたので、歯付きでない通常の歯
付きベルトと各プーリとの間の滑りをほとんど無い状態
にして、転写ドラム11A,11Bの回転周期と歯付き
ベルト33上に固定された爪部材34の移動周期とを容
易かつ正確に同期させることができ、より高精度なレジ
スト搬送が可能となると共に、画像の位置ずれや色ずれ
を高精度かつ確実に防止できる。また、カム位置可変手
段79A,79Bを具備することにより、用紙搬送装置
5の外部からカム55A,55Bの待機位置を容易にか
つ正確に変更して、歯付きベルト33上の爪部材34の
開閉位置を自在に変えることが可能であり、用紙搬送装
置5の周辺装置(上記例では再給紙装置40)と連携し
て高度な用紙搬送および高度な印刷画像形成を行うこと
ができるものである。そして、爪部材34の開閉動作を
複雑かつ多機能に活用するための方式が可能となるの
で、上述したように2度刷りや両面印刷などの関連機能
が簡単に実現できる。
【0134】本実施形態では歯付きベルト33を用いた
が、その利点(スリップが非常に少ない)をそれ程望ま
なくてもよいのであれば歯付きベルト33に限定され
ず、通常の平ベルト等のベルトを用いてもよい。印刷用
版は、上記した利点を望まなくてもよいのであれば、図
2に示したように版ドラム7A等に内蔵されている構成
に限らず、例えば印刷装置外の別の書込み装置(製版装
置)で製版したものを版ドラム7A等に張り付けまたは
挿入して版ドラム7A等に巻装してもよい。
【0135】本実施形態では2つの印刷ステーション3
A,3Bを有し、印刷ステーション3Aが現像装置10
A,10Bにより、印刷ステーション3Bが現像装置1
0C,10Dにより、それぞれ互いに色の異なるインキ
が供給される例で説明したが、これに限らず、例えばイ
ンキ補充マガジンのインキ補給回数等を減らす等の用途
のために一部は同一であってもよい(請求項7参照)。
【0136】上述したオフセット印刷機1は2色機の例
であったが、1色機または4色機などにおいても大変有
効な方式を提供するものである。このように、高精度の
書き込み装置9A,9B、高精度の用紙搬送装置5およ
び再給紙装置40などと共に、複数の現像装置10A〜
10Dを具備することにより、本実施形態のオフセット
印刷機1では従来の2色機などより格段に簡単にフルカ
ラー印刷、すなわち倍の色数の印刷物が簡単な操作と制
御とで得られる。本実施形態のオフセット印刷機1で
は、2色機の例で1個の版ドラムに2個の現像装置の配
置例で述べたが、当然の事ながら複数個として例えば3
個または4個と増やすことは印刷装置の形態例で当然に
含まれることは言うまでもない。また、版ドラムも2倍
胴のものにし、用紙搬送装置も3倍長のベルトにして印
刷を行えば、印刷用版の交換の必要がなくなり、2つの
版ドラムで高速でフルカラー印刷が行える。この場合、
再給紙装置は裏面印刷、すなわち両面印刷専用となり、
フルカラー印刷時には3倍長のベルトで印刷用紙を印刷
部の周りに2回転させて印刷を行い、排出すればよい。
【0137】使用するインキの色は上記実施形態例に限
らずどのようなものであってもよいし、どの印刷ステー
ションでどの色のインキを使用するかの組合せは自由で
ある。印刷ステーションは、転写ドラムが無くてもよ
く、版ドラムが製版済みのマスタを巻装しインキを版ド
ラム上のマスタに供給する印刷ドラムもしくは版胴であ
り、印刷ドラムに対して印刷用紙を相対的に押し付ける
押圧手段(プレスローラや圧胴または中押しローラ方式
の版胴)とで形成される孔版印刷装置であってもよい。
この場合、現像装置としてのインキ供給装置は印刷ドラ
ムの内部に有するもの、あるいは例えば特開平7−17
013号公報に示されているような印刷ドラムの外側か
らインキを供給する構成のもの、つまり印刷ドラム上の
製版済みのマスタにインキを供給して、印刷画像を印刷
用紙上に形成する構成の印刷装置にも適用できる(請求
項1参照)。
【0138】また、印刷用版に対する書き込みはレーザ
製版装置に限らず、サーマルヘッドとプラテンローラを
用いるものや、潜像をトナーにより現像して行うものな
ど、周知の製版装置や書き込み手段によって行ってもよ
い。印刷用版は版ドラムに内蔵されるものでなく、外部
から版ドラム上に供給される周知の構成であってもよ
く、この場合においても、書き込みはレーザ光線による
もの、サーマルヘッドによるもの、潜像をトナーにより
現像して行うものなどの何れであってもよい。
【0139】上記実施形態では、複数(2個)の版ドラ
ムを有する場合を説明したが、版ドラムが1個の場合で
もベルトや歯付きベルトを用いたチェーンデリバリー方
式によれば圧胴方式に比べて有利である。すなわち、チ
ェーンデリバリー方式の場合、印刷装置の全体の高さま
たは幅を低くまたは狭くすることが可能であるので、印
刷装置の小型化を実現できるからである。また、印刷後
の印刷用紙の搬送において、設計の自由度が増す利点が
ある。例えば、インキ乾燥工程を設けたい場合にはベル
トや歯付きベルトの長さを長くするだけで済むからであ
る。
【0140】また、ベルトや歯付きベルトが掛け渡され
るプーリ部での曲率による印刷用紙の分離が可能である
ので、次工程への印刷用紙の受け渡しが容易となる。プ
ーリ部では自由空間が多いからである。これらの利点
は、複数の版ドラムを有する構成においても同様に得ら
れる。以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の
実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述
した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適
宜組合わせて構成してもよく、本発明の範囲内におい
て、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や
変形例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新
規な印刷装置を提供することができる。請求項毎の効果
を挙げれば次のとおりである。
【0142】請求項1ないし6記載の発明によれば、上
述した各構成により、2度刷りや両面印刷などが簡単な
装置構成で実現できる。
【0143】請求項7記載の発明によれば、現像装置に
は、用途により一部は同一または互いに色の異なるイン
キが収容されている構成としたので、請求項1ないし6
記載の発明の効果に加えて、2色刷りやフルカラー印刷
などが簡単な装置構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す印刷装置としてのオ
フセット印刷機の概略的な正面図である。
【図2】印刷用版を巻装・保持する版ドラム内部の構成
を示す断面図である。
【図3】現像装置周りの断面図である。
【図4】再給紙装置周りの断面図である。
【図5】用紙搬送装置の要部の概略的な斜視図である。
【図6】歯付きベルトの部分拡大斜視図である。
【図7】爪部材の構成を示す分解斜視図である。
【図8】用紙搬送装置におけるカム位置可変手段を含む
カム装置周りの一部断面平面図である。
【図9】用紙搬送装置におけるカムがカム位置可変手段
により第1の用紙搬出位置を占めている状態での爪部材
の解放動作を示す一部断面正面図である。
【図10】用紙搬送装置におけるカムがカム位置可変手
段により第2の用紙搬出位置を占めている状態での爪部
材の解放動作等を示す一部断面正面図である。
【図11】用紙搬送装置におけるカムがカム位置可変手
段により第2の用紙挟持位置および第3の用紙搬出位置
を占めている状態での爪部材の解放動作を示す一部断面
正面図である。
【図12】用紙搬送装置におけるカムがカム位置可変手
段により第1の用紙挟持位置を占めている状態での爪部
材の解放動作を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 印刷装置としてのオフセット印刷機 3A,3B 印刷ステーション 4 第1の給紙装置 5 用紙搬送装置 7A,7B 版ドラム 8A,8B 印刷用版 10A,10B,10C,10D 現像装置 11A,11B 転写ドラム 13A,13B 印刷部 29A,29B 転写部材としての転写ローラ 31 歯付きプーリとしての駆動プーリ 32 歯付きプーリとしての従動プーリ 33 歯付きベルト 34 保持手段としての爪部材 39 印刷用紙 39a 片面印刷済みの用紙 40 第2の給紙装置としての再給紙装置 44 貯留手段としての再給紙トレイ 49 2度刷り用搬送排出手段 55A,55B 駆動手段としてのカム 60 保持手段を構成するベース部材としての下爪 61 保持手段を構成する挟持部材としての上爪 62 レバー状部材としてのレバー 68 ローラ付きのカムフォロア 78A,78B カム装置 79A,79B カム位置可変手段 112 両面印刷用搬送排出手段 P1 第1の用紙排出位置 P2 第2の用紙排出位置 P3 第3の用紙排出位置 PA 非当接位置 PB1 第1の用紙挟持位置 PB2 第2の用紙挟持位置 X 用紙搬送方向 W ベルト間の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C034 AA12 AA42 BA02 3F100 AA01 CA15 EA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷用版を保持する少なくとも1つの版ド
    ラムと、この版ドラム上の印刷用版にインキを供給する
    現像装置と、上記版ドラムの印刷部に向けて印刷用紙を
    搬送する用紙搬送装置と、この用紙搬送装置に印刷用紙
    を給紙する第1の給紙装置とを有する印刷装置におい
    て、 上記用紙搬送装置からの印刷済みの用紙を一時的に貯留
    する貯留手段を備え、該貯留手段から印刷済みの用紙を
    再び上記印刷部に向けて給送する第2の給紙装置を具備
    することを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】印刷用版を保持する少なくとも1つの版ド
    ラムと、この版ドラム上の印刷用版にインキを供給する
    現像装置と、上記版ドラムに対向して接触可能に設けら
    れ印刷用版に形成されたインキ画像が転写される転写ド
    ラムと、この転写ドラムに印刷用紙を搬送する用紙搬送
    装置と、この用紙搬送装置に印刷用紙を給紙する第1の
    給紙装置と、上記転写ドラムに圧接して印刷部を形成す
    べく設けられ上記用紙搬送装置により搬送されてくる印
    刷用紙を上記転写ドラムに押し付ける転写部材とを有す
    る印刷装置において、 上記用紙搬送装置からの印刷済みの用紙を一時的に貯留
    する貯留手段備え、該貯留手段から印刷済みの用紙を再
    び上記印刷部に向けて給送する第2の給紙装置を具備す
    ることを特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の印刷装置におい
    て、 上記用紙搬送装置が、給紙時以外にも印刷用紙の先端部
    を保持することおよび排紙時以外にも印刷済みの用紙の
    先端部を解放することが可能な保持手段と、この保持手
    段を固定し上記印刷部をその上流側から下流側に亘って
    走行するように各プーリ間に張り渡されて回転駆動され
    るベルトと、上記保持手段を駆動する駆動手段とを有
    し、 上記保持手段による印刷用紙の先端部の保持または解放
    を行う開閉箇所を複数有し、 上記用紙搬送装置と上記貯留手段との間に設けられ、2
    度刷り印刷を行うための2度刷り用搬送排出手段および
    /または両面印刷を行うための両面印刷用搬送排出手段
    を具備することを特徴とする印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の印刷装置において、 上記駆動手段は、カムを備えたカム装置を有し、 上記各開閉箇所に合わせて上記保持手段を駆動する上記
    カムの位置を変えるカム位置可変手段を具備することを
    特徴とする印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の何れか一つに記載の印
    刷装置において、 上記版ドラム毎に上記現像装置を複数有し、第2の給紙
    装置による印刷済みの用紙の給送動作に連動して、2度
    刷りおよび/またはフルカラー印刷および/または両面
    印刷を行うことが可能であることを特徴とする印刷装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の印刷装置において、 上記用紙搬送装置と第2の給紙装置との協働により、印
    刷済みの用紙が上記印刷部と第2の給紙装置との間を複
    数回搬送されて印刷され、この複数回の印刷を、片面印
    刷時のみならず両面印刷時にも行われるように制御され
    ることを特徴とする印刷装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の印刷装置におい
    て、 上記現像装置には、用途により一部は同一または互いに
    色の異なるインキが収容されていることを特徴とする印
    刷装置。
JP2001284936A 2001-09-19 2001-09-19 印刷装置 Pending JP2003089479A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001284936A JP2003089479A (ja) 2001-09-19 2001-09-19 印刷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001284936A JP2003089479A (ja) 2001-09-19 2001-09-19 印刷装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003089479A true JP2003089479A (ja) 2003-03-25

Family

ID=19108174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001284936A Pending JP2003089479A (ja) 2001-09-19 2001-09-19 印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003089479A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100417925C (zh) * 2003-06-30 2008-09-10 利优比株式会社 印刷品上的彩条识别方法和彩色印刷品的质量管理***
CN102555438A (zh) * 2012-01-13 2012-07-11 南通华一高科印刷机械有限公司 一种多色胶印机印刷单元点间走纸长度调整装置
CN102950879A (zh) * 2011-08-24 2013-03-06 玉田县炬兴印刷包装机械制造有限公司 不停机连续供纸***

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100417925C (zh) * 2003-06-30 2008-09-10 利优比株式会社 印刷品上的彩条识别方法和彩色印刷品的质量管理***
CN102950879A (zh) * 2011-08-24 2013-03-06 玉田县炬兴印刷包装机械制造有限公司 不停机连续供纸***
CN102950879B (zh) * 2011-08-24 2015-05-20 玉田县炬兴印刷包装机械制造有限公司 不停机连续供纸***
CN102555438A (zh) * 2012-01-13 2012-07-11 南通华一高科印刷机械有限公司 一种多色胶印机印刷单元点间走纸长度调整装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050150408A1 (en) Satellite printing machine
US7152528B2 (en) Digital printing machine
JP2000514737A (ja) 多色刷り枚葉紙印刷機
JP2003089479A (ja) 印刷装置
JPS60180842A (ja) 枚葉紙オフセツト印刷機において両面印刷する方法と装置
JP2014205336A (ja) 共通ブランケット胴方式の印刷機
JP2003072979A (ja) 印刷装置における用紙搬送装置
JP2002331641A (ja) 枚葉印刷機
JP4608066B2 (ja) 印刷装置
JP4495482B2 (ja) 両面印刷機または両面コーティング装置
JP5220972B2 (ja) 印刷装置
JP2006347033A (ja) 複胴式孔版印刷装置
JP4592900B2 (ja) 印刷装置
JPH11138961A (ja) 複胴式印刷装置
JP2005035143A (ja) 印刷装置・印刷装置の駆動方法
JP5072074B2 (ja) 両面孔版印刷装置
JP4813828B2 (ja) 両面印刷装置
JP2003072029A (ja) 印刷装置
JP2001322257A (ja) 印刷方法及び印刷装置
JP5044842B2 (ja) 当接部材、印刷装置及び印刷方法
JP2002059530A (ja) 印刷装置
JP2003080675A (ja) 印刷装置
JP2006198966A (ja) 枚葉印刷機の紙搬送胴の調整装置
JP2006027172A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2000141595A (ja) 印刷装置