JP2003085733A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2003085733A
JP2003085733A JP2001273783A JP2001273783A JP2003085733A JP 2003085733 A JP2003085733 A JP 2003085733A JP 2001273783 A JP2001273783 A JP 2001273783A JP 2001273783 A JP2001273783 A JP 2001273783A JP 2003085733 A JP2003085733 A JP 2003085733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
layer
fatty acid
powder
acid ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2001273783A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuko Hanai
和子 花井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001273783A priority Critical patent/JP2003085733A/ja
Publication of JP2003085733A publication Critical patent/JP2003085733A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スチル耐久性等の走行耐久性に優れる磁気記録
媒体を提供すること。 【解決手段】支持体上に、少なくとも強磁性粉末と結合
剤を含む磁性層を有する塗布層を設けた磁気記録媒体に
おいて、該塗布層が脂肪酸エステルを含み、塗布層表面
に存在する脂肪酸エステル層の厚みが2〜20Åである
ことを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも強磁性
粉末と結合剤を含む塗布層を設けた磁気記録媒体に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】一般に結合剤を用いた塗布物には、特性
改良のために安定剤や酸化防止剤,可塑剤,潤滑剤,界
面活性剤等、種々の添加剤が配合されている。特に塗布
型磁気記録媒体の特性向上のために、磁性層や非磁性層
には、摺動性付与のための潤滑剤である高級脂肪酸エス
テルや脂肪酸が配合されている。これらの化合物は特性
と相関しており、表面に存在する添加剤の量が最も特性
と相関すると考えられる。特に塗布型磁気記録媒体では
摺動特性に大きな影響を与えることが知られている。こ
れらの添加剤の表面量は製法や使用あるいは保存により
変化すると考えられる。磁気記録媒体を開発するにあた
っては、添加量や乾燥等の工程条件を変化させて磁気記
録媒体を作製し、磁性層表面のエステル量は不明のま
ま、走行特性を評価して開発の方向を決定していた。近
年、塗布型磁気記録媒体ではオージェ分光法(AES)
や光電子分光法(ESCA)等により、磁性体のFeに
対する有機物のCの比(C/Fe)として表面の脂肪酸
エステルの量を求めることが可能となった。この手法は
非常に簡便であり、表面潤滑剤の指標として有効に活用
されてきている。しかし、AESやESCAによる測定
では真空中での測定に限定される。真空中に試料を導入
すると脂肪酸エステルは揮発性を有するため、真空中で
気化して飛散しC/Feは急激に減少する。そこでAE
SやESCAでの実際の測定にあたっては、試料を真空
中に導入してから一定時間で熟練したオペレーターが測
定を行っている。しかしそのような操作を行ってもな
お、AESやESCAでは化合物による揮発性の差を無
視できず、分子量が大きく異なるものを一律に評価する
ことはできない。またAESやESCAにより求めたC
/Feは相対的な指標であり、実際の表面に存在する脂
肪酸エステルの絶対量を求めることはできない。また潤
滑剤はほとんどの場合、数種が配合されるが、C/Fe
という元素分析によるパラメーターでは配合されたそれ
ぞれの潤滑剤についての表面量を知ることはできない。
さらに、FeやCを見ているため、磁性体や結合剤の種
類や量が異なる場合、比較できないという問題を有す
る。また本質的に相対値であり、実際に走行特性と相関
すると考えられる磁性層表面に存在する脂肪酸エステル
の量や、さらに特性と相関すると考えられる脂肪酸エス
テル層の厚みを知ることはできない。 【0003】磁性層の脂肪酸エステルを分離検出する有
機化学的な分離手段としては、有機溶剤による抽出法が
一般的であるが、短時間でも有機溶剤と接触させると有
機溶剤は内部に浸透し、磁性層表層のみの脂肪酸エステ
ルを求めることはできない。そこで発明者は、塗布層表
面あるいは磁性層表面に存在する脂肪酸エステルの定量
法として転写法を開発した(出願番号2000−303
942)。この手法は真空中ではなく大気圧中で求める
ことができ、知りたい環境で、配合された個々の脂肪酸
エステルについて値を求めることができ、評価法として
利用した。しかし、この手法は転写を利用しているた
め、個々の脂肪酸エステルの分子量が転写媒体への転写
のしやすさに影響を与え、また表層だけでなく転写時間
を長くすると内部に存在する脂肪酸エステルも転写さ
れ、厳密に表層に存在する脂肪酸エステルを求めている
とは言い切れず、やはり相対的な値であった。 【0004】従って、磁性層表層に存在する脂肪酸エス
テル量を正確に定量することは、今までできなかったた
めに磁気記録媒体の走行耐久性、特にスチル耐久性を改
善することができる磁性層表層に存在する脂肪酸エステ
ル量を知りえなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、スチル耐久
性等の走行耐久性に優れる磁気記録媒体を提供すること
を課題とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】発明者は塗布層に配合さ
れた脂肪酸エステルの加水分解反応を鋭意研究の結果、
強磁性粉末を含有する塗布層の表層に存在する脂肪酸エ
ステルを分離して定量する手法として、AESや転写法
によらない全く別個の定量手法を発明した。この手法
は、塗布層表層に存在する脂肪酸エステルと塗布層中に
溶解して存在する脂肪酸エステルの反応速度を求めるこ
とにより、従来の手法では分析不可能であった塗布層表
層の脂肪酸エステル量および脂肪酸エステル層の厚みを
求めることを可能としたものである。本発明は上記脂肪
酸エステルの定量法を応用することにより、走行耐久性
の改善に最も効果的な、塗布層表面に存在させるべき脂
肪酸エステル層の厚みを特定したものである。即ち、本
発明は、支持体上に、少なくとも強磁性粉末と結合剤を
含む磁性層を有する塗布層を設けた磁気記録媒体におい
て、該塗布層が脂肪酸エステルを含み、塗布層表面に存
在する脂肪酸エステル層の厚みが2〜20Åであること
を特徴とする磁気記録媒体である。本発明の好ましい態
様は以下の通りである。 (1)該塗布層は磁性層と支持体の間に設けた非磁性層
あるいは軟磁性層からなる重層構成である上記磁気記録
媒体 (2)強磁性粉末が強磁性金属粉末あるいは六方晶系フ
ェライト粉末である上記磁気記録媒体 【0007】 【発明の実施の態様】本発明は、塗布層表面、即ち磁性
層表面に存在させるべき脂肪酸エステル層の厚みを2〜
20Å、好ましくは2〜10Åと特定したものである。
該脂肪酸エステル層の厚みが2〜20Åの範囲を外れる
と2Åより小さい場合も20Åより大きい場合も何れも
走行耐久性が改善されない。本発明において、この脂肪
酸エステル層の厚みは、以下の方法により求められるも
のを意味する。まず、塗布層表面の脂肪酸エステル量の
求め方を図1に基づき説明する。縦軸にln(a0
t)を、横軸に時間をとってプロットし、初期の経過
時間におけるプロットした直線bの傾きとその直線aよ
り小さな傾きの直線cとの交点dを得て、その交点t1ま
での時間に減衰した脂肪酸エステル量(a0−at1)を
塗布層表層に存在する脂肪酸エステル量とする。そし
て、図1の交点での残存量at1は塗布層内部の脂肪酸エ
ステル量とする。ここで、a0は初期脂肪酸エステル
量、atはt時間後における残存脂肪酸エステル量を各
々示す。a0は、試料(塗布層或いはそれを有する塗布
物の一定量)を保存する前の塗布層形成直後の塗布層全
体の脂肪酸エステル量を意味する。atは試料を一定の
温湿度の環境にt時間保存した時の試料中の残存脂肪酸
エステル量である。脂肪酸エステル量a0及びatの測定
法としては、特に制限はないが、試料を有機溶剤により
抽出し、GC(ガスクロマトグラフィー)あるいはHP
LC(高速液体クロマトグラフィー)等の高感度な分析
手段が挙げられる。脂肪酸エステルが併用されている場
合、個々の脂肪酸エステルについて定量を行う。保存時
間tを変えた試料について、保存前後の脂肪酸エステル
量を比較することにより、反応速度、即ち直線b及びc
を求める。温湿度をかけての保存の際には、脂肪酸エス
テルが揮散しないよう、注意する必要がある。温湿度の
条件は、分析しようとする脂肪酸エステルの加水分解性
に応じて、また脂肪酸エステルの加水分解性が未知の場
合にはその知りたい温湿度に応じて、保存する温湿度を
選定することができる。しかし、低温,低湿にするほ
ど、必要な変化を知るためには保存期間を長くする必要
がある。 【0008】本発明に用いられる脂肪酸エステルとして
は、特に制限されるべきものではないが、炭素数10〜
24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分
岐していてもかまわない)と炭素数2〜22の一価、二
価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ
(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エス
テルまたはトリ脂肪酸エステル等が挙げられる。具体的
には、ブチルステアレート、オクチルステアレート、ア
ミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチル
ミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチル
ステアレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2
−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシ
ルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレ
イルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルス
テアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコー
ルジデカノエート、エチレングリコールジオレイル等が
挙げられる。脂肪酸エステルはあらかじめ強磁性粉末と
結合剤からなる塗布液に添加してもよいし、磁性層を塗
布後にオーバーコートしてもよい。以下、本発明の磁気
記録媒体の構成要素について説明する。 〔磁性層〕磁性層は単層であっても2層以上から構成し
てもよく、後者の場合、それら層同士の位置関係は目的
により隣接して設けても間に磁性層以外の層を介在させ
て設けてもよく、公知の層構成が採用できる。 【0009】本発明の磁気記録媒体の塗布層は、好まし
くは支持体と磁性層との間に非磁性粉末と結合剤を主体
とする非磁性層(下層ともいう)が設けられる。磁性層
を複層で構成する例としては、強磁性酸化鉄、強磁性コ
バルト変性酸化鉄、CrO2 粉末、六方晶系フェライト
粉末及び各種強磁性金属粉末等から選択した強磁性粉末
を結合剤中に分散した磁性層を組み合わせたものが挙げ
られる。なお、この場合、同種の強磁性粉末であって
も、元素組成、粉体サイズ等の異なる強磁性粉末を含む
磁性層を組み合わせることもできる。本発明において
は、強磁性金属粉末又は六方晶系フェライト粉末を含む
磁性層と支持体との間に非磁性層を設けた磁気記録媒体
が好ましい。 【0010】重層構成の磁気記録媒体は、下層と磁性層
を支持体上に、下層を塗布後、下層が湿潤状態の内に上
層を同時、又は逐次に塗布するウェット・オン・ウェッ
ト法(W/W)でも、下層が乾燥した後に上層磁性層を
設けるドライ・オン・ウェット法(W/D)でも作成で
きる。生産得率の点から同時、又は逐次湿潤塗布が好ま
しい。本発明では同時、又は逐次湿潤塗布(W/W)で
は上層/下層が同時に形成できるため、カレンダー工程
などの表面処理工程を有効に活用でき、超薄層でも上層
磁性層の表面粗さを良化できる。 【0011】(強磁性粉末)本発明に使用する強磁性粉
末としては、強磁性金属粉末または六方晶系フェライト
粉末が好ましい。強磁性金属粉末としては、α−Feを
主成分とする強磁性金属粉末が好ましい。強磁性金属粉
末には所定の原子以外にAl、Si、Ca、Mg、T
i、Cr、Cu、Y、Sn、Sb、Ba、W、La、C
e、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、
Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、C
a、Mg、Y、Ba、La、Nd、Sm、Co、Niの
少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましい。
Coの含有量はFeに対して1原子%〜40原子%が好
ましく、さらに好ましくは15原子%〜35原子%、よ
り好ましくは20原子%〜35原子%である。Y等の希
土類元素の含有量は1.5原子%〜12原子%が好まし
く、さらに好ましくは3原子%〜10原子%、より好ま
しくは4原子%〜9原子%である。Alは1.5原子%
〜12原子%が好ましく、さらに好ましくは3原子%〜
10原子%、より好ましくは4原子%〜9原子%であ
る。Yを含む希土類やAlは焼結防止剤として機能して
おり、組合わせて使用することでより高い焼結防止効果
が得られる。これらの強磁性粉末にはあとで述べる分散
剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあ
らかじめ処理を行ってもかまわない。 【0012】強磁性金属粉末には少量の水酸化物、また
は酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末の公知の製
造方法により得られたものを用いることができる。 【0013】本発明の磁性層の強磁性粉末をBET法に
よる比表面積(SBET)で表せば40〜90m2/gであ
り、好ましくは45〜85m2/gである。40m2/g
以下ではノイズが高くなり、90m2/g以上では平滑
な表面が得にくく好ましくない。本発明の磁性層の強磁
性粉末の結晶子サイズは80〜180Åであり、好まし
くは100〜170Å、更に好ましくは110〜165
Åである。強磁性粉末の平均長軸長は0.02μm〜
0.20μmであり、好ましくは0.03μm〜0.1
5μmであり、さらに好ましくは0.03μm〜0.1
0μmである。強磁性粉末の平均針状比((長軸長/短
軸長)の平均)は3〜15が好ましく、さらには3〜1
0が好ましい。磁性金属粉末の飽和磁化σsは通常、9
0〜170A・m2/kgであり、好ましくは100〜
160A・m2/kg、更に好ましくは110〜160
A・m2/kgである。強磁性金属粉末の抗磁力は13
5〜279kA/mが好ましく、更に好ましくは143
〜239kA/mである。 【0014】強磁性金属粉末の含水率は0.1〜2質量
%とするのが好ましい。強磁性粉末のpHは、用いる結
合剤との組み合わせにより最適化することが好ましい。
その範囲は6〜12であるが、好ましくは7〜11であ
る。強磁性金属粉末のSA(ステアリン酸)吸着量(表
面の塩基性点の尺度)は1〜15μmol/m2、好ま
しくは2〜10μmol/m2、さらに好ましくは3〜
8μmol/m2である。強磁性粉末には可溶性のN
a、Ca、Fe、Ni、Sr、NH4、SO4、Cl、N
2、NO3などの無機イオンを含む場合がある。これら
は、本質的に無い方が好ましい。各イオンの総和が30
0ppm以下程度であれば、特性には影響しない。ま
た、本発明に用いられる強磁性粉末は空孔が少ないほう
が好ましくその値は20容量%以下、さらに好ましくは
5容量%以下である。また形状については先に示した粉
体サイズ、磁気特性を満足すれば針状、米粒状、紡錘状
のいずれでもかまわない。強磁性粉末自体のSFD(s
witching−fielddistributio
n)は小さい方が好ましく、強磁性粉末のHc分布を小
さくする必要がある。テ−プのSFDが小さいと、磁化
反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デ
ジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするた
めには、強磁性金属粉末においてはゲ−タイトの粒度分
布を良くする、単分散α−Fe23を使用する、粒子間
の焼結を防止するなどの方法がある。 【0015】(六方晶フェライト粉末)六方晶フェライ
トとしては、バリウムフェライト、ストロンチウムフェ
ライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトおよびこ
れらの各種の各置換体、Co置換体等がある。具体的に
はマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びス
トロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆し
たマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネ
ル相を含有した複合マグネトプランバイト型のバリウム
フェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げら
れ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Nb、S
n、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、A
g、Sn、Sb、Te、W、Re、Au、Bi、La、
Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、B、
Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には
Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−T
i−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sn
−Zn−Co、Sn−Co−Ti、Nb−Zn等の元素
を添加した物を使用することができる。原料・製法によ
っては特有の不純物を含有するものもある。粉体サイズ
は六角板径で好ましくは平均板径が10〜55nm、更
に好ましくは10〜45nmであり、特に好ましくは1
0〜40nmである。 【0016】磁性体を分散する際に磁性体粉体表面を分
散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われて
いる。表面処理剤は無機化合物、有機化合物が使用され
る。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物また
は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカ
ップリング剤が代表例である。 【0017】(磁性層に用いられるカーボンブラック)
本発明の磁性層は、所望によりカーボンブラックを含む
ことができる。使用されるカーボンブラックは、ゴム用
ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、導電
性カーボンブラック、アセチレンブラック、等を用いる
ことができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP
吸油量は10〜400ml/100g、平均粒子径は5
nm〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜
10質量%、タップ密度は0.1〜1g/cc、が好ま
しい。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前
にあらかじめ結合剤で分散しておくことが好ましい。こ
れらのカーボンブラックは単独、または組み合わせで使
用することができる。カーボンブラックを使用する場合
は磁性体に対する量の0.1〜30質量%で通常、用い
ることができる。カーボンブラックは磁性層の帯電防
止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働き
があり、これらは用いるカーボンブラックにより異な
る。 【0018】(研磨剤)本発明の磁性層に使用できる研
磨剤としては、α化率90%以上のα−アルミナ、β−
アルミナ、微粒子ダイヤモンド、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪
素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化
珪素、窒化ホウ素、など主としてモ−ス硬度6以上の公
知の材料が単独または組み合わせで使用される。これら
研磨剤の粉体サイズは0.01〜1μmが好ましく、特
に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い
方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じ
て粉体サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の
研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせるこ
とも可能である。タップ密度は0.3〜1.5g/c
c、含水率は0.1〜5質量%、pHは2〜11、比表
面積は1〜40m2/gが好ましい。本発明に用いられ
る研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれで
も良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く
好ましい。 【0019】〔非磁性層(下層)〕次に下層に関する詳
細な内容について説明する。下層は、実質的に非磁性で
あれば、特に制限されるべきものではないが、好ましく
は非磁性粉末と結合剤を含む構成である。下層は実質的
に非磁性である範囲で磁性粉末も使用され得るものであ
る。下層が実質的に非磁性であるとは、上層の電磁変換
特性を実質的に低下させない範囲で下層が磁性を有する
ことを許容するということである。 【0020】本発明の下層に用いられる非磁性粉末とし
ては、例えば、金属酸化物、含水金属酸化物、金属炭酸
塩、金属窒化物、金属炭化物、等の無機質化合物から選
択することができる。無機質化合物としては例えばα化
率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アル
ミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セ
リウム、α−酸化鉄、ゲータイト、窒化珪素、二酸化チ
タン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化
ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、などが単独ま
たは組み合わせで使用される。特に好ましいのは、粒度
分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸
化チタン、酸化亜鉛、α−酸化鉄、ゲ−タイト、硫酸バ
リウムであり、更に好ましいのは二酸化チタン、α−酸
化鉄、ゲ−タイトである。とりわけ好ましいのは非磁性
粉末の粉体サイズは0.01μm〜0.5μmである。
特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である場合は、平均
粒子径0.08μm以下が好ましく、針状金属酸化物で
ある場合は、平均長軸長が0.3μm以下が好ましく、
0.2μm以下がさらに好ましい。タップ密度は通常、
0.3〜1.5g/ml、好ましくは0.4〜1.3g
/mlである。非磁性粉末の含水率は通常、0.2〜5
質量%、好ましくは0.3〜3質量%、更に好ましくは
0.3〜1.5質量%である。非磁性粉末のpHは通
常、3〜12であるが、pHは5.5〜11の間が特に
好ましい。非磁性粉末の比表面積は通常、1〜100m
2/g、好ましくは5〜80m2/g、更に好ましくは1
0〜80m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは
40〜1000Åが好ましく、40〜800Åが更に好
ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量
は通常、5〜100ml/100g、好ましくは10〜
80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/
100gである。比重は通常、1.5〜7、好ましくは
3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のい
ずれでも良い。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着
量は通常、1〜20μmol/m2、好ましくは2〜1
5μmol/m2、さらに好ましくは3〜8μmol/
2である。ステアリン酸吸着量が多い非磁性粉末を使
用する時、表面に強く吸着する有機物で表面修飾して磁
気記録媒体を作成することが好ましい。これらの非磁性
粉末の表面にはAl、Mg、Si、Ti、Zr、Sn、
Sb、Zn、Y化合物で表面処理することが好ましい。
特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、Ti
2、ZrO2、MgOおよびこれらの含水酸化物である
が、更に好ましいのはAl2 3、SiO2、ZrO2およ
びこれらの含水酸化物である。 【0021】下層にカーボンブラックを混合させて公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率
を小さくすること、所望のマイクロビッカース硬度を得
る事ができる。また、下層にカーボンブラックを含ませ
ることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能であ
る。カーボンブラックの種類はゴム用ファ−ネス、ゴム
用サ−マル、カラ−用ブラック、導電性カーボンブラッ
ク、アセチレンブラック等を用いることができる。下層
のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のよ
うな特性を最適化すべきであり、併用することでより効
果が得られることがある。下層のカーボンブラックの比
表面積は通常、50〜500m2/g、好ましくは70
〜400m2/g、DBP吸油量は通常、20〜400
ml/100g、好ましくは30〜400ml/100
gである。カーボンブラックの平均粒子径は通常、5〜
80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは
10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜
10、含水率は0.1〜10質量%、タップ密度は0.
1〜1g/mlが好ましい。カーボンブラックを塗料に
添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわな
い。これらのカーボンブラックは上記無機質化合物粉末
に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の
40質量%を越えない範囲で使用できる。これらのカー
ボンブラックは単独、または組み合わせで使用すること
ができる。 【0022】また下層には有機質粉末を目的に応じて、
添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹
脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉
末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレ
ン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62
−18564号、特開昭60−255827号に記され
ているようなものが使用できる。 【0023】下層の結合剤樹脂(種類と量)、潤滑剤・
分散剤・添加剤の量、種類、溶剤、分散方法に関しては
磁性層に関する公知技術が適用できる。 【0024】〔結合剤〕本発明の磁気記録媒体の磁性層
及び下層等に使用される結合剤としては、従来公知の熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合
物が使用される。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温
度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜
200,000、好ましくは10,000〜100,0
00、重合度が約50〜1000程度のものである。こ
のような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニル
アルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エス
テル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エ
チレン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセタ−ル、ビニル
エーテル、等を構成単位として含む重合体または共重合
体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、
熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノ−ル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹
脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネート
プレポリマ−の混合物、ポリエステルポリオ−ルとポリ
イソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシア
ネートの混合物等があげられる。これらの樹脂について
は朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細
に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各
層に使用することも可能である。これらの例とその製造
方法については特開昭62−256219に詳細に記載
されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用でき
るが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアル
コール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸
共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン
樹脂の組み合わせ、またはこれらにポリイソシアネート
を組み合わせたものがあげられる。 【0025】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカ−ボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COO
M、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)2、−
O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、ま
たはアルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+3(Rは
炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ば
れる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加
反応で導入したものをもちいることが好ましい。このよ
うな極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ま
しくは10-2〜10-6モル/gである。 【0026】本発明の非磁性層、磁性層に用いられる結
合剤は非磁性粉末または磁性体に対し、通常、5〜50
質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用
いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質
量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量
%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれ
らを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微
量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレ
タンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使
用することも可能である。本発明において、ポリウレタ
ンを用いる場合はガラス転移温度が通常、−50〜15
0℃、好ましくは0〜100℃、破断伸びが100〜2
000%、破断応力は0.49〜98MPa、降伏点は
0.49〜98MPaが好ましい。 【0027】本発明の磁気記録媒体は好ましくは二層以
上からなる。従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化
ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネー
ト、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成する各
樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物
理特性などを必要に応じ各層とで変えることはもちろん
可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁
性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層でバ
インダー量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らす
ためには磁性層のバインダー量を増量することが有効で
あり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするために
は、非磁性層のバインダー量を多くして柔軟性を持たせ
ることができる。 【0028】本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1、
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネート等を使用することができる。 【0029】〔添加剤〕本発明の磁性層、非磁性層等に
使用される添加剤としては、潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果などをもつものが使用される。二硫
化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒
化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をも
つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリ
コーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、
ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステ
ルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルお
よびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェ
ニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフ
ェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニル
ホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸
エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24
の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐し
ていてもかまわない)、およびこれらの金属塩(Li、
Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の一
価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和
結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭
素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽和結合を
含んでも、また分岐していてもかまわない)、アルキレ
ンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エス
テル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22
の脂肪族アミン、などが使用できる。 【0030】これらの具体例としては脂肪酸では、カプ
リン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン
酸、などが挙げられる。アルコール類ではオレイルアル
コール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、
などがあげられる。また、アルキレンオキサイド系、グ
リセリン系、グリシド−ル系、アルキルフェノ−ルエチ
レンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状
アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒ
ダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスル
ホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、
スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル
基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
は燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面
活性剤等も使用できる。これらの潤滑剤、帯電防止剤等
は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性
体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が
含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以
下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下であ
る。 【0031】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、
その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併
用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。
非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面への
にじみ出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエス
テル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性
剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑
剤の添加量を中間層で多くして潤滑効果を向上させるな
ど考えられ、無論ここに示した例のみに限られるもので
はない。一般には潤滑剤の総量として磁性体または非磁
性粉末に対し、0.1質量%〜50質量%、好ましくは
2質量%〜25質量%の範囲で選択される。 【0032】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性および非磁性塗料製造のどの工程
で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体
と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程
で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添
加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。ま
た、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次
塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより
目的が達成される場合がある。また、目的によってはカ
レンダ−した後、またはスリット終了後、磁性層表面に
潤滑剤を塗布することもできる。本発明で用いられる有
機溶剤は公知のものが使用でき、例えば特開昭6−68
453に記載の溶剤を用いることができる。 【0033】〔層構成〕本発明の磁気記録媒体の厚み構
成は、支持体が好ましくは2.5〜8μmであり、体積
密度を大きくするため、さらに好ましくは2.5〜7.
5μm、特に好ましくは2.5〜7μmである。支持体
と非磁性層また磁性層の間に密着性向上のための下塗り
層を設けてもかまわない。本下塗層厚みは0.01〜
0.5μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。
これらの下塗層は公知のものが使用できる。本発明の磁
気記録媒体の磁性層の厚みは、下層を有する場合、用い
るヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の
帯域により最適化されるものであるが、一般には0.0
5μm〜0.5μmであり、好ましくは0.05μm〜
0.30μmである。磁性層を異なる磁気特性を有する
2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関
する構成が適用できる。例えば、磁性層を2層有する磁
気記録媒体の場合は、非磁性層や軟磁性層は設けても設
けなくともよく、例えば支持体から遠い側の磁性層を
0.2〜2μm、好ましくは0.2〜1.5μmにし、
支持体から近い側の磁性層を0.8〜3μmにすること
ができる。なお、磁性層を単独で有する場合は、通常
0.2〜5μm、好ましくは0.5〜3μm、さらに好
ましくは0.5〜1.5μmとする。 【0034】非磁性層の厚みは、通常、0.2〜3.0
μm、好ましくは0.3〜2.5μm、更に好ましくは
0.5〜2.0μmである。なお、下層は実質的に非磁
性であればその効果を発揮するものであり、たとえば不
純物としてあるいは意図的に少量の磁性体を含んでもよ
い。実質的に非磁性とは下層の残留磁束密度が0.05
T以下もしくは抗磁力が上層磁性層の〜40%以下であ
ることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力がゼロ
である。また、下層として、非磁性層に代えて軟磁性粉
末と結合剤を含む軟磁性層を形成してもよい。軟磁性層
の厚みは上記下層と同様である。 【0035】本発明の磁気記録媒体の総厚みは、3〜1
0μmの範囲が好ましく、3〜9μmがさらに好まし
い。バック層の厚みは、0.2〜0.8μmの範囲が好
ましく、0.2〜0.7μmの範囲がさらに好ましい。 【0036】[バック層]本発明の磁気記録媒体は、バ
ック層を設けることができる。磁気ディスクでもバック
層を設けることはできるが、一般に、コンピュータデー
タ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテ
ープに比較して、繰り返し走行性が強く要求される。こ
のような高い走行耐久性を維持させるために、バック層
には、カーボンブラックと無機粉末が含有されているこ
とが好ましい。 【0037】〔支持体〕本発明に用いられる支持体は、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロ−ス
トリアセテート、ポリカ−ボネート、ポリアミド(芳香
族ポリアミド及び脂肪族ポリアミド)、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾ
−ルなどの公知のフィルムが使用できる。ガラス転移温
度が100℃以上の支持体がこのましく、ポリエチレン
ナフタレート、アラミドなどの高強度支持体を用いるこ
とが特に好ましい。また必要に応じ、磁性面とベ−ス面
の表面粗さを変えるため特開平3−224127号公報
に示されるような積層タイプの支持体を用いることもで
きる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、
プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などを
行ってもよい。 【0038】〔製法〕本発明の磁気記録媒体の磁性塗料
を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、お
よびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程
からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれて
いてもかまわない。本発明に使用する磁性体、非磁性粉
末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、
潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または
途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ
以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、
ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整
のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の
目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部
の工程として用いることができる。混練工程ではオープ
ンニーダ、連続ニ−ダ、加圧ニ−ダ、エクストルーダな
ど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニ
−ダを用いる場合は磁性体または非磁性粉末と結合剤の
すべてまたはその一部(ただし全結合剤の30質量%以
上が好ましい)および磁性体100部に対し15〜50
0部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細
については特開平1−106338号、特開平1−79
274号に記載されている。また、磁性層液および非磁
性層液を分散させるにはガラスビーズを用いることがで
きるが、高比重の分散メディアであるジルコニアビー
ズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。こ
れら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられ
る。分散機は公知のものを使用することができる。分散
速度がことなる磁性体、研磨剤、カーボンブラック等を
あらかじめ別々に分散し、混合し必要によりさらに微分
散して塗布液とすることができる。 【0039】本発明で重層構成の磁気記録媒体を塗布す
る場合、以下のような方式を用いることが好ましい。第
一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態のうちに特公平1−46186や特開昭60−238
179、特開平2−265672に開示されている支持
体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布
する方法。第二に特開昭63−88080、特開平2−
17971、特開平2−265672に開示されている
ような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘ
ッドにより上下層をほぼ同時に塗布する方法。第三に特
開平2−174965に開示されているバックアップロ
ール付きエクストルージョン塗布装置により上下層をほ
ぼ同時に塗布する方法である。なお、磁性粒子の凝集に
よる磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するた
め、特開昭62−95174や特開平1−236968
に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗
布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布
液の粘度については、特開平3−8471に開示されて
いる数値範囲を満足する必要がある。本発明の構成を実
現するには下層を塗布し乾燥させたのち、その上に磁性
層を設ける逐次重層塗布をもちいてもむろんかまわず、
本発明の効果が失われるものではない。ただし、塗布欠
陥を少なくし、ドロップアウトなどの品質を向上させる
ためには、前述の同時重層塗布を用いることが好まし
い。 【0040】カレンダー処理ロ−ルとしてエポキシ、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性の
あるプラスチックロ−ルまたは金属ロ−ルで処理する
が、特に両面磁性層とする場合は金属ロ−ル同志で処理
することが好ましい。処理温度は、好ましくは50℃以
上、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は好
ましくは200Kg/cm(196kN/m)以上、さ
らに好ましくは300kg/cm(294kN/m)以
上である。 【0041】本発明の磁気記録媒体のヘッドに対する摩
擦係数は温度−10℃〜40℃、湿度0%〜95%の範
囲において0.5以下、好ましくは0.3以下、表面固
有抵抗は好ましくは磁性面104〜1012オ−ム/s
q、帯電位は−500Vから+500V以内が好まし
い。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は面内各方向で好
ましくは980〜1960MPa、破断強度は好ましく
は98〜686MPa、磁気記録媒体の弾性率は面内各
方向で好ましくは980〜14700MPa、残留のび
は好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温
度での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましく
は0.5%以下、もっとも好ましくは0.1%以下であ
る。磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動
的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50℃以上12
0℃以下が好ましく、下層非磁性層のそれは0℃〜10
0℃が好ましい。損失弾性率は1×107〜8×108
/m2の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2
以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘
着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒
体の面内各方向で10%以内でほぼ等しいことが好まし
い。磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100m
g/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下であ
る。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ま
しくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以
下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が
好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い
場合がある。 【0042】磁性層を光干渉式表面粗さ計で測定した中
心面平均表面粗さ(Ra)は、好ましくは1〜3nm、
さらに好ましくは2.2nm以下である。磁性層の最大
高さRmaxは0.5μm以下、十点平均粗さRzは
0.3μm以下、中心面山高さRpは0.3μm以下、
中心面谷深さRvは0.3μm以下、中心面面積率Sr
は20〜80%以下、平均波長λaは5〜300μm以
下が好ましい。磁性層の表面突起は0.01μm〜1μ
mの大きさのものを0〜2000個の範囲で任意に設定
することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦
係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフ
ィラ−による表面性のコントロ−ルや磁性層に添加する
粉体の粒径と量、カレンダー処理のロ−ル表面形状など
で容易にコントロ−ルすることができる。カールは±3
mm以内とすることが好ましい。 【0043】 【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。なお実施例中の
「部」の表示は「質量部」を示す (比較例1) 磁性層組成 強磁性金属粉末[{組成:Co/Fe=23.5/10
0(原子比)、Al/Fe=9.6/100(原子
比)、Y/Fe=9.6/100(原子比)}、Hc:
148kA/m、SBET:79m2/g、結晶子サイズ:
108Å、平均長軸長:0.059μm、σs:114
A・m2/kg}]100部をオープンニーダーで10分
間粉砕し、次いで 塩ビ系樹脂(MR−110;日本ゼオン社製) 10部 ポリウレタン(東洋紡社製UR−8300) 6部(固形分) メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 40部 を加えて60分間混練した。次いで、 α−Al2O3(平均粒子径0.2μm) 10部 カーボンブラック(平均粒子径80nm) 2部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。さらに ポリイソシアネート 4部(固形分) (日本ポリウレタン製コロネート3041) ステアリン酸 1部 脂肪酸エステル(ブチルステアレート) 2.5部 ステアリン酸アミド 0.2部 トルエン 50部 を加えて20分間攪拌混合した。その後、1μmの平均孔
径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調製
した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが3μmになる
ように、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)支持体の表面にエクストルージョン型塗布ヘ
ッドを用いて塗布し、磁性塗料が未乾燥の状態で3000ガ
ウスの磁石で磁場配向を行ない、更に下記のバック液を
乾燥後の厚さが0.5μmになるように塗布乾燥した。
その後、金属ロールと耐熱性プラスチックロールの組み
合せによる5段のカレンダー処理を(速度100m/m
in、線圧300kg/cm(294kN/m)、温度9
0℃)で行なった。その後、200m/minで1/2吋幅にス
リットし、ビデオテープを作成した。 (バック液組成) カーボンブラック(粒径18nm) 100部 ニトロセルロース(旭化成社製HIG1/2) 60部 ポリウレタン(日本ポリウレタン社製N-2301) 60部 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 20部 メチルエチルケトン 1000部 トルエン 1000部 【0044】(実施例1〜5、比較例2〜3)以下、脂
肪酸エステルの種類および添加量を表1記載のように変
更した以外は全く実施例1と同様にして、テープを作製
した。得られたテープについて、磁性層表面に存在する
脂肪酸エステルの定量と脂肪酸エステル層の厚みを以下
のようにして算出した。試作したビデオテープを60
℃,90%RHの高温高湿器に保存して脂肪酸エステル
の加水分解を行わせる。0,5,10,20,44,6
8,92時間でサンプリングし、ヘキサンで抽出し、濃
縮し、GCにより脂肪酸エステルの変化を調べた。また
別にオートソーブによりテープの比表面積を求めた。具
体的には以下のステップに従った。 1/2吋テープ50cmをビーカーに取り、蒸留n−
ヘキサン30mlを加え、さらに内部標準(テトラコサ
ン0.001wt/Vol%)1mlを添加し、60℃
に加温し、3時間抽出を行う。 抽出液を濃縮・乾固し一定量のヘキサンを加えて再溶
解し、この液をGC分析に供する。 GCにより測定を行う。 GC分析条件; 装置:島津GC−17A カラム温度:150〜260℃(昇温速度:10℃/
分) 注入口温度:300℃ 検出器温度:300℃ カラム:J&W社DB−1HT 30m×0.25mm
膜厚:0.15μm 内部標準に対する面積比から、脂肪酸エステルの量a
0を求める。 図1の方法に従い、横軸に保存時間tを縦軸にln
(a0/at)をプロットし、磁性層表層に存在する脂肪
酸エステル量を求めた。 オートソーブによりテープの比表面積を求めた。 で求めた塗布層表層の脂肪酸エステル量をから求め
たテープの表面積で除し、比重で換算して磁性層表層の
脂肪酸エステルの厚みを求め、表1に示した。また、各
テープのスチル耐久性をVTRにより評価した。 【0045】 【表1】 【0046】磁性層表層の脂肪酸エステル層の厚みとス
チル特性とはよく相関しており、磁性層表面の脂肪酸エ
ステル層の厚みがスチル特性と対応することは明らかで
ある。 【0047】 【発明の効果】本発明は磁気記録媒体の磁性層表層の脂
肪酸エステルを、ある環境に保存して加水分解を行わ
せ、抽出、GCあるいはHPLC等を用いて分離・分析
して反応速度を求めることにより、走行性等の特性と相
関する表層に存在すべき脂肪酸エステルの存在量や厚み
を特定することができたものであり、このようにして磁
性層表面の脂肪酸エステル量や脂肪酸エステル層の厚み
を把握することができたために、この値をパラメーター
として、走行特性のよい磁気記録媒体を開発することが
できた。
【図面の簡単な説明】 【図1】塗布層表面の脂肪酸エステル量の求め方を説明
するための図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に、少なくとも強磁性粉末と結
    合剤を含む磁性層を有する塗布層を設けた磁気記録媒体
    において、該塗布層が脂肪酸エステルを含み、塗布層表
    面に存在する脂肪酸エステル層の厚みが2〜20Åであ
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
JP2001273783A 2001-09-10 2001-09-10 磁気記録媒体 Abandoned JP2003085733A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001273783A JP2003085733A (ja) 2001-09-10 2001-09-10 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001273783A JP2003085733A (ja) 2001-09-10 2001-09-10 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003085733A true JP2003085733A (ja) 2003-03-20

Family

ID=19098948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001273783A Abandoned JP2003085733A (ja) 2001-09-10 2001-09-10 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003085733A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2237274A1 (en) 2009-03-31 2010-10-06 Fujifilm Corporation Magnetic recording medium

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2237274A1 (en) 2009-03-31 2010-10-06 Fujifilm Corporation Magnetic recording medium
US9047904B2 (en) 2009-03-31 2015-06-02 Fujifilm Corporation Magnetic recording medium

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8535817B2 (en) Magnetic recording medium and method of manufacturing the same
JP4001532B2 (ja) 磁気記録媒体
WO2007114394A1 (ja) 磁気記録媒体、リニア磁気記録再生システムおよび磁気記録再生方法
WO2007119628A1 (ja) 磁気記録媒体、磁気信号再生システムおよび磁気信号再生方法
WO2007114395A1 (ja) 磁気記録媒体、磁気信号再生システムおよび磁気信号再生方法
JP2003022514A (ja) 磁気記録媒体
US6620499B2 (en) Magnetic recording medium
JP2004348920A (ja) 磁気記録媒体
US5540975A (en) Magnetic recording medium comprising a magnetic layer of ferromagnetic metal powder and binder resin and having specified magnetic properties
US4835049A (en) Magnetic recording medium
JP2003323711A (ja) 磁気記録媒体
JP2003085733A (ja) 磁気記録媒体
JP2003059032A (ja) 六方晶系フェライト粉末及びそれを含む磁気記録媒体
EP1562183A2 (en) Magnetic recording medium
JP2010086605A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2000268344A (ja) 磁気記録媒体
KR100322819B1 (ko) 자기기록매체
JP3421461B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2003059030A (ja) 六方晶系フェライト粉末及びそれを含む磁気記録媒体
JP2002313619A (ja) 六方晶系フェライト磁性粉末及びそれを含む磁気記録媒体
JP3023719B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2002329309A (ja) 磁気記録媒体
JP2003036520A (ja) 磁気記録媒体
JP2001006151A (ja) 磁気記録媒体
JP2003036521A (ja) 六方晶系フェライト磁性粉末および磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050913

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20060324

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20061124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071003

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071115

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20071120

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20071122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A072 Dismissal of procedure

Effective date: 20080402

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072