JP2003082636A - 防波構造物およびその施工方法 - Google Patents

防波構造物およびその施工方法

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JP2003082636A
JP2003082636A JP2001278550A JP2001278550A JP2003082636A JP 2003082636 A JP2003082636 A JP 2003082636A JP 2001278550 A JP2001278550 A JP 2001278550A JP 2001278550 A JP2001278550 A JP 2001278550A JP 2003082636 A JP2003082636 A JP 2003082636A
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Osamu Kiyomiya
理 清宮
Yasuto Kataoka
保人 片岡
Naoto Takehana
直人 竹鼻
Yasuo Ichikawa
靖生 市川
Yoshihiro Hamazaki
義弘 濱崎
Fujihiko Hashino
藤彦 橋野
Yoji Hanawa
洋二 塙
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防波堤や岸壁など護岸用の防波構造物におい
て、高い非越波特性を持つ形状としながら、その施工を
容易にし、かつ、施工後の状態を安定なものにすること
ができる防波構造物とその施工方法を提供する。 【解決手段】 岸に沿って延び、かつ、沖側壁面の上部
に沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり出す
防波形状を持つ防波構造物を形成するためのブロック8
であって、前記防波形状を形成する沖側部分(コンクリ
ート構造3)と、その後部に設けられ、杭が鉛直方向に
挿通可能な鞘管5とを一体に有するこのようなブロック
を並べて防波構造物を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、港湾、海岸沿岸域
において、波浪越波、波力から船舶や陸上の人命、建築
物等を防護する防波堤や岸壁など護岸用の防波構造物及
びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】港湾、海岸沿岸域において、波浪越波、
波力から船舶や陸上の人命、建築物等を防護する防波堤
や岸壁など護岸用の防波構造物としては例えば、図1に
示すような直立型ケーソン防波構造物が従来、用いられ
ている。
【0003】この直立型ケーソン防波構造物は、海底を
掘り下げ、砂41で置換して地盤改良した上に捨石マウ
ント42を設けることにより基礎40を形成し、その上
に直立型ケーソン30からなる防波構造物本体50が載
置されて構成されている。
【0004】また、従来よく用いられる防波構造物の一
つとして、図2に示すような、いわゆる消波ブロック被
覆護岸と呼ばれる防波構造物がある。この消波ブロック
被覆護岸を新設する場合の施工方法は図3のようにな
る。すなわち、まず基礎を施工した(図3a〜d)の
ち、防波構造物本体製作用の作業用足場53の他、鉄
筋、型枠54を現地で組み立て、型枠54内にコンクリ
ートを打設して防波構造物本体50を製作する(図3e
〜f)。その際、通常、コンクリートを上下方向に何回
かに分けて打設する。その後、裏込石55を投入し(図
3g〜i)、現場近辺で製作した消波ブロック56を運
搬し、トラッククレーン57によって一つずつ据え付
け、図中の点線で示すように防波構造物天端高さまで台
形状に積層して消波ブロック被覆護岸を製作する。(図
3j〜l)ところで、直立型ケーソン防波構造物や消波
ブロック被覆護岸など従来の防波構造物では、十分な非
越波性能を得るために、天端高さを大きくしたり、図2
に示す消波ブロック56の裾広がりを大きくしなければ
ならないという不都合があった。
【0005】そこで近年は、沖側壁面の上部が沖側から
到来する波をはね返すように沖側にせり出す部分を有す
る防波形状(曲面や平面で構成される)とすることで、
天端高さを低く抑えながら、高い非越波特性を得る防波
構造物の開発が進められている(以下、沖側壁面の上部
が沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり出す
部分を有する防波構造物をその防波形状が曲面か平面か
に関わらず、フレア型防波構造物と総称する)。
【0006】例えば、特開平11−241323号公報
には図4に示すように、沖側壁面10の上部に沖側から
到来する波をはね返すように沖側に傾斜する上部傾斜面
11を設けるとともに、陸側に傾斜する下部傾斜面12
を設けて、前記上部傾斜面11に作用する波圧の上向き
分力成分とこの下部傾斜面12に作用する波圧の下向き
分力成分とを相殺させた防波構造物が開示されている。
この構成は低天端でありながら、越波量や波の打ち上げ
高さを大幅に低減することができるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来の
防波構造物は、いずれもその製作、施工にあたって、現
地で防波構造物本体のコンクリート打設用の作業用足
場、鉄筋、型枠の組み立てをしなければならず、またコ
ンクリート打設を上下方向に何回かに分けて行わなけれ
ばならないなど、全体として工事期間が長くなるという
問題があった。特に、防波構造物を設置する場所の波浪
条件が良くない場合は、現地工事が1年では終わらず
に、越冬して2年にわたるということもしばしば起き
る。このように現地の工事期間が長くなることは、事故
等の発生する確率を増加させるので、作業の安全という
観点からも好ましくない。
【0008】さらに、従来の施工方法では、現地で使用
するコンクリートの量が多いために、コンクリートが海
に流出したり、水質汚濁を生じたりするおそれがあっ
た。
【0009】特に、フレア型防波構造物の場合は、沖側
壁面の上部が沖側から到来する波をはね返すように沖側
にせり出しているため、その構造が複雑であり、施工に
関して言えば、他の防波構造物と同等であるか、あるい
はそれ以上に施工が困難である。
【0010】このような不都合を解消する手段として、
例えば、フレア型防波構造物をいくつかのブロックに分
割し、各ブロックを工場で製作して現地まで輸送したの
ち、積み上げるという施工方法が考えられるが、フレア
型防波構造物は上部が沖側にせり出しているので、衝突
する水塊の運動方向が円弧面に沿って強制的に沖向きに
変わり、防波構造物本体を上方に押し上げるように作用
するため、防波構造物各部のブロック各境界面での摩擦
抵抗力の減少を招き、ブロックが浮きあがったり、防波
構造物全体の転倒が生じやすくなるという問題が生じ
る。
【0011】また、このような浮きあがりや転倒を防止
するために防波構造物の体積や重量を大きくすると、こ
れを支える基礎も大型化し、地盤改良等の施工に要する
コストや時間も増大することになる。
【0012】本発明はこのような従来の防波構造物の問
題点に鑑みてなされたものであり、高い非越波特性を持
つ形状としながら、その施工を容易にし、かつ、施工後
の状態を安定なものにすることができる防波構造物とそ
の施工方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、すなわち、岸に沿って延び、かつ、沖側壁
面の上部に沖側から到来する波をはね返すように沖側に
せり出す防波形状を持つ防波構造物を形成するためのブ
ロックであって、前記防波形状を形成する沖側部分と、
その後部に設けられ、杭が鉛直方向に挿通可能な鞘管と
を一体に有することを特徴とする防波構造物用ブロック
である。(請求項1)このように本発明は、沖側壁面の
上部に沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり
出す部分を有する防波形状を持つ防波構造物用ブロック
であるので、直立型ケーソン防波構造物や消波ブロック
被覆護岸などの従来の防波構造物と比較して高い非越波
特性を有している。このため、特に越波や波の打ち上げ
が問題となる沿岸道路等においては天端高さを抑えなが
ら越波や波の打ち上げを防止することができ、また、消
波ブロックで防波構造物を被覆する必要がないので、設
置する場所の景観を損なうことがない。
【0014】また、前記防波形状を形成する沖側部分
と、その後部に設けられ、杭が鉛直方向に挿通可能な鞘
管とを一体に有するので、地盤上に立設した杭を後部に
設けられた鞘管に挿通して地盤に対するブロックの固定
を確実なものにすることができ、沖側壁面に衝突する水
塊によってブロックが浮きあがったり、防波構造物が転
倒したりすることがない。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
防波構造物用ブロックにおいて、前記沖側部分がコンク
リート構造であり、それよりも陸側の部分が複数本の金
属製骨材と上記鞘管を組み合わせてなる骨組構造である
ことを特徴とする防波構造物用ブロックである。
【0016】この発明によると、ブロックの沖側部分の
みをコンクリート構造とし、陸側を複数本の金属製骨材
と上記鞘管を組み合わせてなる骨組構造としたので、大
規模な防波構造物の場合、全体をコンクリートで構成す
るよりも軽量化することができ、運搬が容易になるな
ど、施工上の利点がある。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項2記載の
防波構造物用ブロックにおいて、骨組構造の沖側前面に
配され、沖側壁面と略同等の形状をもつ金属製板材と、
前記金属製板材の沖側表面に配された複数の金属製棒材
とを備え、その金属製板材の沖側前面にコンクリートが
打設されていることを特徴とする防波構造物用ブロック
である。
【0018】この発明によると、金属製板材と、前記金
属製板材の沖側表面に配された複数の金属製棒材とを備
え、その金属製板材の沖側前面にコンクリートが打設さ
れているので、コンクリート表面に存在する金属製板材
によって当該コンクリートを補強することができ、コン
クリートの亀裂や剥離がより生じにくくなる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれかに記載の複数のブロックと、地盤に立設
される複数の杭とを備え、これらの杭が前記各ブロック
の鞘管に挿通された状態で各ブロックが地盤上に固定さ
れ、かつ、これらのブロックが岸に沿う方向に並べられ
ることにより、一連の防波形状が形成されていることを
特徴とする防波構造物である。
【0020】この発明によると、前述のブロックが岸に
沿う方向に並べられることにより、一連の防波形状が形
成されているので、現地ではこれらのブロックを並べる
だけでよく、現地での工事期間は、著しく短縮される。
また、地盤に立設される複数の杭を備え、これらの杭が
前記各ブロックの鞘管に挿通された状態で各ブロックが
地盤上に固定されるので、地盤に対するブロックの固定
を確実なものにすることができ、沖側壁面に衝突する水
塊によってブロックが浮きあがったり、防波構造物が転
倒したりすることがない。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
防波構造物において、上記杭と上記鞘管との間の隙間に
固形化剤が充填されていることを特徴とする防波構造物
である。
【0022】この発明によると、杭と鞘管との間の隙間
に固形化剤が充填されることにより、上記ブロックが杭
に強固に固定されるので、地盤に対する防波構造物の固
定をより確実なものにすることができ、沖側壁面に衝突
する水塊によってブロックが浮きあがったり、防波構造
物が転倒したりすることがない。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項4または
5の防波構造物において、前記各ブロック同士をその沖
側壁面よりも後方の位置で締結する締結具を備え、その
締結により前記複数のブロックが一体化されて前記防波
形状が形成されていることを特徴とする防波構造物であ
る。
【0024】この発明によると、ブロック同士をその沖
側壁面よりも後方の位置で締結して一体化することによ
り、上記防波形状を形成するので、沖側壁面に衝突する
水塊によってブロックが浮きあがったり、防波構造物が
転倒したりすることを一層防止することができる。
【0025】請求項7に記載の発明は、岸に沿って延
び、かつ、沖側壁面の上部に沖側から到来する波をはね
返すように沖側にせり出す部分を有する防波形状を持つ
防波構造物の施工方法であって、請求項1〜請求項3の
いずれかに記載のブロックを形成する工程と、前記杭を
立設する工程と、前記鞘管に前記杭を挿通して前記ブロ
ックを地盤に固定する工程とを含み、これらの工程によ
り、複数のブロックを岸に沿う方向に並べることによ
り、一連の防波形状を形成することを特徴とする防波構
造物の施工方法である。
【0026】この発明によると、杭を立設する工程と、
鞘管に前記杭を挿通してブロックを地盤に固定する工程
とを含んでいるので、地盤に対するブロックの固定を確
実なものにすることができ、沖側壁面に衝突する水塊に
よってブロックが浮きあがったり、防波構造物が転倒し
たりすることがない。
【0027】また、複数のブロックを岸に沿う方向に並
べることにより、一連の防波形状を形成するので、現地
でコンクリート打設用の作業用足場、鉄筋、型枠を組み
立てる必要がなく、また、上下方向に何回かに分けてコ
ンクリート打設を行う必要もないなど従来の施工方法と
比較して、工事をより容易にすることができる。このた
め、現地工事期間を大幅に短縮することができ、施工に
かかるコストを低減することができる。また、現地の工
事期間が短くなることにより、工事期間中の事故等の発
生する確率が減少するため、作業の安全上からも好まし
い。さらに、従来の防波構造物と比較して現地でのコン
クリートの使用量が少ないために、コンクリートが海に
流出したり、水質汚濁を生じたりする可能性を最小限に
することができる。
【0028】請求項8に記載の発明は、請求項7記載の
防波構造物の施工方法において、上記杭と上記鞘管との
間の隙間に固形化剤を充填することにより、上記防波構
造物を地盤に固定する工程を含むことを特徴とする防波
構造物の施工方法である。
【0029】この発明によると、杭と鞘管との間の隙間
に固形化剤が充填することにより、上記防波構造物を地
盤に固定するので、地盤に対するブロックの固定をより
確実なものにすることができ、沖側壁面に衝突する水塊
によってブロックが浮きあがったり、防波構造物が転倒
したりすることがない。
【0030】請求項9に記載の発明は、請求項7または
8記載の防波構造物の施工方法において、互いに隣り合
うブロック同士をその沖側壁面よりも後方の位置で締結
して一体化することにより、上記防波形状を形成する工
程を含むことを特徴とする防波構造物の施工方法であ
る。
【0031】この発明によると、ブロック同士をその沖
側壁面よりも後方の位置で締結して一体化することによ
り、上記防波形状を形成するので、沖側壁面に衝突する
水塊によってブロックが浮きあがったり、防波構造物が
転倒したりすることを一層防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面をもとにして本発明の
実施の形態を説明するが、説明を簡単にするため、ま
ず、上下方向のブロック数が1の場合、すなわち、上下
方向には防波構造物を分割せず、一つのブロックを置
き、これを岸に沿う方向に複数個並べた場合について説
明する。上下方向および岸に沿う方向のブロック数は、
設計条件、設置位置の条件等によって決定するが、波浪
条件が厳しくない条件においては、このように上下方向
のブロック数を1とすることにより、工程の簡素化を図
ることができる。
【0033】図5は、本発明の実施の形態に係る防波構
造物の構造(上下方向のブロック数が1の場合)を示す
斜視図である。
【0034】同図を参照して、本発明の実施の形態に係
る防波構造物用ブロック8は、沖側から到来する波をは
ね返すように沖側にせり出す防波形状を形成する沖側部
分(コンクリート構造3)と、沖側部分よりも陸側の部
分に骨組構造7とを備えている。
【0035】上記沖側部分(コンクリート構造3)は沖
側壁面と略同等の形状をもつ金属製板材すなわち鋼板1
と、前記金属製板材の沖側表面に配された複数の金属製
棒材すなわちスタッド2と、金網25とを備え、前記鋼
板1の表面にはコンクリートが打設されている。
【0036】上記鋼板1は、沖側壁面と略同等の形状を
もつ金属製板材であり、その表面に植設される多数のス
タッド2と、同じく沖側壁面と略同等の形状に曲成され
スタッド2に溶接で取り付けられた金網25と一体とな
った状態で、鋼板1の表面に打設されるコンクリートを
支持しており、当該コンクリートの剥離や脱落を防止し
ている。
【0037】上記スタッド2は、金属製の棒材であり、
上記鋼板の表面に垂直に溶接などで多数植設されるとと
もに金網25を部分溶接で支持している。
【0038】また上記金網25は線状の鋼材を縦横に編
んで形成したものであり、鋼板1の沖側に、鋼板1とは
一定の間隔を保ってスタッド2に部分的に溶接され、鋼
板1及びスタッド2と一体となって、この上に打設され
るコンクリートを支持し、コンクリートの剥離や脱落を
防止している。
【0039】次に、上記骨組構造7は、ブロックの上記
沖側部分よりも陸側の部分に複数本の金属製骨材4と鞘
管5とを組み合わせてなる構造物である。
【0040】ここで、上記金属製骨材4は、鉄骨などの
型鋼部材であり、後述する2本の鞘管5同士を左右方向
につなぎ、また、各鞘管5と前述の鋼板1を前後方向に
つなぐように、溶接等で組み合わされて前記骨組構造7
を形成している。
【0041】また、上記鞘管5は、ブロック8の後部に
設けられ、地盤上に立設された杭9(図6参照)が鉛直
方向に挿通可能な金属製の管状鋼材であり、前述の金属
製骨材4と組み合わされて前記骨組構造7を一体に形成
するとともに、杭9に挿通されることにより、ブロック
全体を地盤上に固定する。
【0042】そして、複数の防波構造物用ブロック8が
岸に沿う方向にならべられた後は、上部にプレキャスト
上部コンクリート16が打設されるとともに、下部に底
板18が打設され、次に円弧状のコンクリート構造3の
境界部分に止水を目的とした止水材80が充填されて、
当該の防波構造物全体が形成される。
【0043】図6は、この防波構造物の現地における施
工方法の概略を示す施工フローである。現地では、まず
複数の杭9をそれぞれブロック8の鞘管5に対応する位
置に略鉛直に立設するようにして基礎を完成する(図6
)。そしてブロック8を図示しないトラッククレーン
で吊り上げ、ブロック8の後方にある鞘管5に杭9を挿
通するようにして、ブロック8を基礎上に据え付ける
(図6、)。最後に鞘管5の内周と杭9の外周との
隙間に固形化剤81(例えばモルタルや可塑性樹脂等)
を注入して基礎へのブロック8の固定を確実なものにす
る。
【0044】次に、図7〜9を参照しながら、本発明に
かかる防波構造物の工場における製作の詳細を述べる。
【0045】図7は、鋼板1と骨組構造7の製作フロー
であり、図8は、コンクリート構造3の製作フローであ
る。そして、図9は、端部に位置するブロック8の側壁
部の製作フローである。
【0046】図7を参照して、まず、曲げ加工した鋼板
1には縦リブ22と、横リブ23と、型鋼などの金属製
骨材4とを溶接した上、鋼板1の表面にスタッド2を植
設する(〜)。次に、骨組構造7は、金属製骨材4
と鞘管5をを溶接して組み立てる(〜)。そして、
最後に鋼板1に接合された金属製骨材4に上記の骨組構
造を溶接して一体化する()。
【0047】次に図8を参照して、コンクリート構造3
の製作は以下の通りである。すなわち、まず、鋼板1と
骨組構造7を横置きし()、鋼板1に金網25と円弧
面型枠26を設置する()。そしてこの鋼板1と円弧
面型枠26の間にコンクリートを打設し()、養生す
ることによりコンクリート構造3を製作する()。そ
して最後に金属部を塗装してブロック8の工場での製作
を完了し、現地に輸送する(〜)。
【0048】ところで、図9を参照して、端部に位置す
るブロック8の側壁部の製作は以下の通りである。すな
わち、前記と同様にして製作したブロック8の側壁部
に、さらに側壁型枠27を設置した後()、側壁型枠
27の内部にコンクリートを打設し()、さらに養生
して端部用ブロック8の側壁部の製作を完了する
()。
【0049】さらに、図10〜12を参照しながら、本
発明にかかる防波構造物の現地における施工の詳細を述
べる。
【0050】図10は、3個のブロック8からなる1つ
のユニットの据え付けを示す施工フローであり、図11
は、ユニットの内部、上部の施工を示す施工フローであ
る。また、図12は、ユニットの増設を示す施工フロー
である。
【0051】図10を参照して、ユニット39の現地に
おける施工は、まず複数の杭9をそれぞれブロック8の
鞘管5に対応する位置に略鉛直に立設するように基礎4
0を完成させた後、その上に底版コンクリートを打設す
るための準備として、基礎40上にスペーサー31と下
配筋32を設置しておく()。次に立設した杭9にブ
ロック8の鞘管5を挿通させ、ブロック8をスペーサ3
1上に載せるようにして、ユニット39に属する複数の
ブロック8を岸に沿う方向に並べる。この時、ブロック
8同士はかすがい33とガイド34などの締結具を使っ
て締結していく()。そしてスペーサー31と下配筋
32とにより形成された基礎40とブロック8との隙間
に底版コンクリート18を打設(−a、−b)して
一つのユニット39の据え付けを完了する。
【0052】次に、図11を参照して、ユニット39の
内部、上部の施工は、以下の通りである。すなわち、ブ
ロック8の内部に上方から中詰砂、あるいは砕石36を
投入してブロック8の内部の空隙を埋めた後(−
a)、ブロック8の上部を覆うように蓋コンクリート3
7を施工し−b)、プレキャスト上部コンクリート1
6をブロック8の上部に設置して(−c)防波構造物
を形成する。なお、既設のユニット39の側壁にはゴム
60を貼り付けるとともに、前述の要領と同様に次のユ
ニット39用のスペーサー31と下配筋32を設置し
て、ユニット39を増設する準備をする()。
【0053】さらに、図12を参照して、ユニット39
の増設の要領は、以下の通りである。すなわち、一方の
ユニット39と他方のユニット39の隣接する箇所に設
けられた凹凸の形状をしたスライドガイド61を嵌合う
ようにするとともに、立設した杭9にブロック8の鞘管
5を挿通させるようにして、隣のユニット39の端部ブ
ロック62を所定の位置に設置して一体化する()。
そして引き続き、前述の図10及び図11の要領で次の
ユニット39の施工を進めていき()、全てのユニッ
ト39の施工が完了した後、最後に天端部63を工事し
て防波構造物全体の施工を完了する()。
【0054】以上、製作、施工方法の詳細を述べるの
に、説明を簡単にするため、上下方向のブロック数1の
場合について述べたが、ブロック数が2以上の場合も基
本的には同様である。
【0055】図13は上下方向のブロック数が2の場合
の施工フローである。上下方向のブロック数が2の場合
は、複数の杭9をそれぞれブロック8の鞘管5に対応す
る位置に略鉛直に立設するように基礎40を完成させた
後、図10、図11と同様に下段ブロック13を据え付
け、かすがい33やガイド34などの締結具により、下
段ブロック13同士を締結するとともに、下段ブロック
13の上面にゴムなどの止水材80を貼り付ける
()。次に、下段ブロック13と同様に、上段ブロッ
ク15を据え付け、かすがい33やガイド34などの締
結具により上段ブロック15同士を締結する。また、下
段ブロック13と上段ブロック15をボルト35とナッ
ト68などの締結具により締結する()。最後に、ボ
ルト35とナット68で締結した箇所に防食塗装を行う
()。
【0056】この後、底版コンクリートの打設、中詰砂
あるいは砕石の投入、蓋コンクリートの施工、プレキャ
スト上部コンクリートの設置、天端部の工事など、完成
に至る工程は、図11、図12と同様である。図14
は、上下方向のブロック数3の場合についての防波構造
物本体の縦断面図であり、上下方向に下段ブロック1
3、中段ブロック14、上段ブロック15の3段をこの
順に載置するとともに、岸に沿う方向にならべ、背後に
裏込石55を投入している。また、プレキャスト上部コ
ンクリート16を打設し、必要に応じて根回・被覆ブロ
ック17を据え付けている。
【0057】この実施の形態を新設する場合の製作、施
工方法を図15に示す。現地では、まず基礎を工事した
後、杭9を設置する(図15a〜d)。そして下段ブロ
ック13をトラッククレーン57で吊り上げ、ブロック
の後方にある鞘管5に杭9を挿通して据え付ける(図1
5e)。次に中段ブロック14、上段ブロック15を同
様に吊り上げ、ブロックの後方にある鞘管5に杭9を挿
通して据え付け(図15f〜g)、接合し、背後に裏込
石55を投入する(図15h)。最後にプレキャスト上
部コンクリート16を据え付け、打設し(図15i)、
必要に応じて根回・被覆ブロック17を据え付ける(図
15j)。なお、設計条件によっては、下段ブロック1
3にコンクリートを打設する場合もある。
【0058】このように、本実施形態ではブロックの沖
側のみをコンクリート構造3とし、陸側を複数本の金属
製骨材4を組み合わせてなる骨組構造7としたので大規
模な防波構造物の場合、全体をコンクリートで構成する
よりも軽量化することができ、運搬が容易になるなど、
施工上の利点がある。
【0059】また、金属製骨材4を組み合わせた骨組構
造7でコンクリート構造3を支持するとともに、その骨
組構造7同士をかすがいやガイド34あるいはボルト3
5やナット68などの締結具で締結するので、各ブロッ
ク8の締結を確実なものにすることができ、沖側壁面に
衝突する水塊によってブロック8が浮きあがったり、防
波構造物が転倒したりするのをより確実に防止できる。
【0060】ここで、従来の消波ブロック被覆護岸(図
2)と、本発明の防波構造物(図14)の工程を比較
し、本発明の優秀性を示す。図2と図14には防波構造
物の外観に加えて、比較の前提となる寸法が併せて示さ
れている。設計条件等を下記に示す。 ・設置水深1.3m ・設計潮位1.8m ・法線方向延長100m ・消波ブロック重量10ton ・フレア各ブロック重量最大10ton ・フレア各ブロック長さ最長3.5m
【0061】図16は各施工方法の工程図である。表
1,表2に、それぞれ消波ブロック被覆護岸、本発明に
かかる防波構造物(分割式フレア護岸)の工程表を示
す。表中、実線が現地での工事、破線は現地以外での工
事を示している。消波ブロック被覆護岸の場合、護岸本
体の現地製作、施工に約5ヶ月も要し、最初の基礎工1
ヶ月、最後の消波ブロック掘え付け1ヶ月をあわせて、
現地工事期間は合計約7ヶ月と試算された。これに対し
て、本施工方法によるフレア型防波構造物の場合、護岸
施工に要した期間は約1ヶ月で、基礎工と合わせた工事
期間合計は約2ヶ月と試算され、大幅に現地工事期間を
短縮できることがわかる。
【0062】また、消波ブロック(重量10ton)を
据え付ける際には、かなり沖側までクレーンの腕を伸ば
す必要があるため、120ton吊りクレーンが必要で
あったが、本発明にかかるブロックの場合は、腕の長さ
が短くてすむため、45ton吊りクレーンで十分であ
った。
【0063】以上は本発明にかかる防波構造物を新設す
る場合であったが、次に本発明にかかる防波構造物を既
設の護岸前面に設置する場合について示す。
【0064】図17は既設護岸51の前面に本発明にか
かる防波構造物を設置する場合を示している。また、図
18は既設護岸51の前面に本発明にかかる防波構造物
を設置する場合の施工フローを示している。
【0065】ここで前述の比較と同様に、既設護岸51
の前面に従来の消波ブロック被覆護岸を設置した場合
(図2)と、本発明にかかる防波構造物を設置した場合
(図17)の工程を比較し、本発明の優秀性を示す。図
2と図17には防波構造物の外観の他、比較の前提とな
る寸法も併せて記載されている。設計条件等を下記に示
す。 ・設置水深1.3m ・設計潮位1.8m ・法線方向延長100m ・消波ブロック重量10ton ・フレア各ブロック重量最大10ton ・フレア各ブロック長さ最長3.5m ・道路幅9.0m
【0066】図16は各施工方法の工程図である。表
3,4に、それぞれ消波ブロック被覆護岸と、本発明に
かかる防波構造物(分割式フレア護岸)の工程表を示
す。表中、実線が現地での工事、破線は現地以外での工
事を示している。既設護岸前面に設置する場合、両者と
も現地工事期間は約1.5ヶ月であった。
【0067】このように既設護岸前面に設置する場合は
工程上は大きな差はないが、一方、使用するトラックク
レーンの大きさは大きく異なる。すなわち、消波ブロッ
ク(重量10ton)を据え付ける際には、かなり沖側
までクレーンの腕を伸ばす必要があるため、120t吊
りクレーンが必要であり、消波ブロックを据付ける1ヶ
月の間、9.0m幅の道路を全面通行止めにしなければ
ならないが、本発明にかかる防波構造物の場合は、腕の
長さが短くてすむため、45ton吊りクレーンで十分
であり、また、アウトリガーの張り出し幅も5mでよ
く、現地工事期間中、片側通行止めだけで対応すること
ができる。
【0068】このように、施工の観点からも、本発明は
現地の工事期間が短く、また、工事期間中の事故等の発
生する確率が減少するため、作業の安全上からも好まし
い。また、従来の防波構造物と比較して現地でのコンク
リートの使用量が少ないために、コンクリートが海に流
出し、水質汚濁を生じる可能性を最小限にすることがで
きる。
【0069】さらに前述のように、消波ブロック被覆護
岸の場合と比較すると、本発明の場合、沖側まで消波ブ
ロックを据え付けるような作業がないので、比較的小型
のトラッククレーンで対応でき、このため、工事に係る
コストの低減を図ることができる。また、道路護岸など
の既設護岸に適用する場合は、工事にともなう通行止め
の範囲(道幅方向)も小さくすることができて道路を全
面通行止めにせずともよいなど、交通安全上も好まし
い。
【0070】上述した実施の形態は本発明の好ましい具
体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の
形態に限定されない。
【0071】例えば、鞘管の数は必ずしも1個のブロッ
クに対して2個である必要はなく、1個であっても3個
以上であってもよい。図19は1個のブロックに対して
1個の鞘管5を設けた構造の概略を示しており、図20
は1個のブロックに対して3個の鞘管5を設けた構造の
概略を示している。
【0072】その他、本発明の特許請求の範囲内で種々
の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】本発明の構造上の効果は、次の通りであ
る。すなわち、本発明はいずれも沖側壁面の上部に沖側
から到来する波をはね返すように沖側にせり出す部分を
有する防波形状を持つ防波構造物としたので、直立型ケ
ーソン防波構造物や消波ブロック被覆護岸などの従来の
防波構造物と比較して高い非越波特性を有している。
【0074】このため、特に越波や波の打ち上げが問題
となる沿岸道路等においては天端高さを抑えながら越波
や波の打ち上げを防止することができ、また、消波ブロ
ックで防波構造物を被覆する必要がないので、設置する
場所の景観を損なうことがない。
【0075】また、防波形状を形成する沖側部分と、そ
の後部に設けられ、杭が鉛直方向に挿通可能な鞘管とを
一体に有するので、地盤上に立設した杭を後部に設けら
れた鞘管に挿通することにより地盤に対するブロックの
固定を確実なものにすることができ、沖側壁面に衝突す
る水塊によってブロックが浮きあがったり、防波構造物
が転倒したりすることがない。
【0076】次に、本発明の施工上の効果は次の通りで
ある。すなわち、本発明は複数のブロックを岸に沿う方
向に並べて配置することにより前記防波形状を形成する
ので、現地でコンクリート打設用の作業用足場、鉄筋、
型枠を組み立てる必要がなく、また、上下方向に何回か
に分けてコンクリート打設を行う必要もないなど従来の
防波構造物の施工方法と比較して、工事をより容易にす
ることができる。しかも各ブロックの固定は、その鞘管
に杭を挿通するだけの簡単な工程で行うことができ、さ
らに、隙間に固形化剤を注入すれば,当該固定をより確
実なものにできる。
【0077】これにより、現地工事期間を大幅に短縮す
ることができ、施工にかかるコストを低減することがで
きる。また、現地の工事期間が短くなることにより、工
事期間中の事故等の発生する確率が減少するため、作業
の安全上からも好ましい。
【0078】しかも、上記のように、防波構造物を複数
のブロックに分割しながら、前記ブロックを締結具によ
り一体化すれば、沖側壁面に衝突する水塊によってブロ
ックが浮きあがったり、防波構造物が転倒したりするの
をより確実に防ぐことができる。
【0079】さらに、従来の防波構造物と比較して現地
でのコンクリートの使用量が少ないために、コンクリー
トが海に流出したり、水質汚濁を生じたりする可能性を
最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の直立型ケーソン防波構造物の縦断面図
である。
【図2】 従来の消波ブロック被覆護岸の縦断面図であ
る。
【図3】 従来の消波ブロック被覆護岸を新設する場合
の施工フローである。
【図4】 フレア型防波構造物の斜視図である。
【図5】 上下方向のブロック数が1の本発明にかかる
防波構造物の斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態にかかる防波構造物の施
工フローである。
【図7】 鋼板と骨組構造の製作フローである。
【図8】 コンクリート構造の製作フローである。
【図9】 端部に位置するブロックの側壁部の製作フロ
ーである。
【図10】 3個のブロックからなる1つのユニットの
据え付けを示す施工フローである。
【図11】 ユニットの内部、上部の施工を示す施工フ
ローである。
【図12】 ユニットの増設を示す施工フローである。
【図13】 上下方向のブロック数が2の場合の施工フ
ローである。
【図14】 上下方向のブロック数が3の場合の防波構
造物の縦断面図である。
【図15】 図14の上下方向のブロック数が3の場合
の防波構造物を新設する場合の施工フローである。
【図16】 各施工方法の工程図である。
【図17】 既設護岸前面にフレア型防波構造物を設置
する場合の縦断面図である。
【図18】 既設護岸前面にフレア型防波構造物を設置
する場合の施工フローである。
【図19】 1個のブロックに対して1個の鞘管5を設
けた構造の概略を示す斜視図である。
【図20】 1個のブロックに対して3個の鞘管5を設
けた構造の概略を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 鋼板(金属製板材) 2 スタッド(金属製棒材) 3 コンクリート構造(沖側部分) 4 金属製骨材 5 鞘管 7 骨組構造 8 ブロック 9 杭 10 沖側壁面 11 上部傾斜面 12 下部傾斜面 13 下段ブロック 14 中段ブロック 15 上段ブロック 16 プレキャスト上部コンクリート 17 根回・被覆ブロック 18 底版 19 前面曲面板 20 モルタル注入口 21 差込部分 22 縦リブ 23 横リブ 25 金網 26 円弧面型枠 27 側壁型枠 30 直立型ケーソン 31 スペーサー 32 下配筋 33 かすがい 34 ガイド 35 ボルト 36 中詰砂、あるいは砕石 37 蓋コンクリート 39 ユニット 40 基礎 41 砂 42 捨石マウント 50 防波構造物本体 51 既設護岸 53 作業用足場 54 型枠 55 裏込石 56 消波ブロック 57 トラッククレーン 60 ゴム 61 スライドガイド 62 端部ブロック 63 天端部 68 ナット
フロントページの続き (72)発明者 竹鼻 直人 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 市川 靖生 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 濱崎 義弘 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 橋野 藤彦 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 塙 洋二 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 2D018 BA16 BA18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岸に沿って延び、かつ、沖側壁面の上部
    に沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり出す
    防波形状を持つ防波構造物を形成するためのブロックで
    あって、前記防波形状を形成する沖側部分と、その後部
    に設けられ、杭が鉛直方向に挿通可能な鞘管とを一体に
    有することを特徴とする防波構造物用ブロック。
  2. 【請求項2】 前記沖側部分がコンクリート構造であ
    り、それよりも陸側の部分が複数本の金属製骨材と上記
    鞘管を組み合わせてなる骨組構造であることを特徴とす
    る請求項1記載の防波構造物用ブロック。
  3. 【請求項3】 骨組構造の沖側前面に配され、沖側壁面
    と略同等の形状をもつ金属製板材と、前記金属製板材の
    沖側表面に配された複数の金属製棒材とを備え、その金
    属製板材の沖側前面にコンクリートが打設されているこ
    とを特徴とする請求項2記載の防波構造物用ブロック。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    複数のブロックと、地盤に立設される複数の杭とを備
    え、これらの杭が前記各ブロックの鞘管に挿通された状
    態で各ブロックが地盤上に固定され、かつ、これらのブ
    ロックが岸に沿う方向に並べられることにより、一連の
    防波形状が形成されていることを特徴とする防波構造
    物。
  5. 【請求項5】 上記杭と上記鞘管との間の隙間に固形化
    剤が充填されていることを特徴とする請求項4記載の防
    波構造物。
  6. 【請求項6】 前記各ブロック同士をその沖側壁面より
    も後方の位置で締結する締結具を備え、その締結により
    前記複数のブロックが一体化されて前記防波形状が形成
    されていることを特徴とする請求項4または5記載の防
    波構造物。
  7. 【請求項7】 岸に沿って延び、かつ、沖側壁面の上部
    に沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり出す
    部分を有する防波形状を持つ防波構造物の施工方法であ
    って、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のブロック
    を形成する工程と、前記杭を立設する工程と、前記鞘管
    に前記杭を挿通して前記ブロックを地盤に固定する工程
    とを含み、これらの工程により、複数のブロックを岸に
    沿う方向に並べることにより、一連の防波形状を形成す
    ることを特徴とする防波構造物の施工方法。
  8. 【請求項8】 上記杭と上記鞘管との間の隙間に固形化
    剤を充填する工程を含むことを特徴とする請求項7記載
    の防波構造物の施工方法。
  9. 【請求項9】 互いに隣り合うブロック同士をその沖側
    壁面よりも後方の位置で締結して一体化することによ
    り、上記防波形状を形成する工程を含むことを特徴とす
    る請求項7または8記載の防波構造物の施工方法。
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