JP2003081676A - 窒化アルミニウム基板およびそれを用いた薄膜基板とその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム基板およびそれを用いた薄膜基板とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 AlN基板の高放熱特性を活かした上で、金
属薄膜との密着性や金属薄膜の形成精度などを向上させ
ることによって、マイクロ波集積回路などの薄膜デバイ
スの信頼性を高めることを可能にする。 【解決手段】 AlN基板1は、焼結助剤成分として希
土類酸化物を含むAlN焼結体を具備する。AlN基板
1は算術平均粗さRaが0.5μm以下となるように加工さ
れた表面1aを有し、かつ加工表面1aに存在する焼結
助剤成分の凝集体の大きさが20μm以下であると共に、
加工表面1aの単位面積当りに占める凝集体の面積の総
和が5%以下とされている。金属薄膜2はこのようなA
lN基板1の加工表面1a上に形成され、これらによっ
て薄膜基板3が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜回路などの形
成用基板として用いられる窒化アルミニウム基板、およ
びそれを用いた薄膜基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波集積回路は、半導体チップを
マイクロ波帯のインピーダンス整合回路と直接接続する
ことができるため、パッケージやリード線により生じる
寄生リアクタンスの影響を極めて低減することができ
る。その結果、小型でかつ高精度のマイクロ波周波数帯
能動回路を実現することが可能となる。このようなマイ
クロ波集積回路の特徴を活かして、最近では光通信用ハ
イブリッドIC、移動体通信用ハイブリッドIC、レー
ザダイオード用ハイブリッドIC、自動車用ハイブリッ
ドICなどに急速に使用されはじめている。
【0003】マイクロ波集積回路においては、回路の高
精度化や高信頼性化などが要求されることから、回路形
成にはスパッタ法、真空蒸着法、CVD法などの薄膜形
成技術、特にPVD(Physical Vapor Deposition:物
理的気相成長)法を適用することが一般的である。PV
D法などの薄膜形成技術を適用した回路(薄膜回路)
は、パターン精度が厚膜回路に比べて1桁以上優れてお
り、また膜材の純度も高く、さらに膜素子の精度、雑音
特性、温度特性、安定性などに優れるという利点を有し
ている。
【0004】薄膜回路を適用した薄膜ハイブリッドIC
においては、回路を高集積化することが可能であること
ことから、回路動作に伴う発熱量は増大する傾向にあ
る。さらに、半導体チップ自体のハイパワー化なども進
められており、半導体チップからの発熱量も年々増大し
ている。このため、マイクロ波集積回路用の基板は放熱
性に優れることが重要であり、熱伝導性に優れる窒化ア
ルミニウム基板が多用されるようになってきている。こ
のように、マイクロ波集積回路用基板には熱伝導性に優
れる窒化アルミニウム基板に薄膜回路を形成した薄膜基
板が多用されるようになってきている。薄膜基板はレー
ザダイオードのサブマウント基板などとしても使用され
ている。
【0005】さらに、マイクロ波集積回路用基板には放
熱性に加えて、薄膜回路を精度よく形成することが可能
な表面性を有することが求められている。すなわち、ス
パッタ法などで薄膜回路を形成する場合、薄膜被着面
(回路形成面)の表面性が重要であり、表面に凹凸など
が存在していると回路の形成精度を低下させることにな
る。このため、例えば特開平11-31869号公報に記載され
ているように、窒化アルミニウム焼結体などを薄膜形成
用基板として用いる場合には、表面に鏡面加工を施すこ
とが一般的である。なお、上記公報では窒化アルミニウ
ム基板などの絶縁基板の表面粗さRaを0.1μm以下とし
ている。
【0006】特に、窒化アルミニウム焼結体において
は、放熱性を向上させるにあたって、熱伝導率の低下原
因となる液相を形成する焼結助剤の添加量を少なくする
傾向がある。焼結助剤の添加量を少なくした場合には、
焼結温度を高くしないと焼結性が悪くなるが、焼結温度
を上げると焼結助剤成分(粒界相成分)の焼結体表面へ
の析出が進むと同時に、窒化アルミニウム結晶粒の粒成
長が起こりやすくなる。基板表面に存在する焼結助剤成
分は薄膜の接合強度を低下させる。さらに、基板表面に
必要以上に粒成長した窒化アルミニウム結晶粒が存在す
ると、基板表面の平坦性が損なわれるため、均一な薄膜
を形成することが困難になる。そこで、窒化アルミニウ
ム焼結体(基板)の表面に薄膜を形成する場合には、上
述したように薄膜形成面を鏡面加工することが一般的で
ある。さらに、鏡面加工後に酸洗いを実施して、基板表
面に付着した汚れなどを除去することも有効である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の窒化
アルミニウム焼結体においては、鏡面加工時や酸洗い時
に焼結体表面に存在する粒界相成分の脱落や溶解などが
生じやすく、このために薄膜を精度よく形成することが
難しいという問題がある。上述した特開平11-31869号公
報に記載されているように、従来の窒化アルミニウム焼
結体の表面を単に鏡面研磨しただけでは、表面に析出し
た粒界相成分や窒化アルミニウム結晶粒が脱落したり、
また酸洗い時に粒界相成分の溶解などが生じやすい。こ
れらは比較的大きな凹部の発生原因となる。このような
凹部を有する基板表面に薄膜を形成すると、薄膜と基板
との間に空隙が生じてしまう。窒化アルミニウム基板と
薄膜との間の空隙は、その後の製造工程や回路使用時に
印加される熱により膨れを生じさせ、回路精度の低下や
薄膜の剥がれの原因となる。
【0008】なお、窒化アルミニウム基板の表面性に関
しては、例えば特開2000-281427号公報に部品搭載面や
回路形成面のスキューネスを0以下とした基板が記載さ
れている。ここでは銅板などの金属板との接合強度を高
めるために、基板表面のスキューネスを研磨条件などに
基づいて制御している。しかし、単に窒化アルミニウム
焼結体の研磨条件などを制御しただけでは、薄膜の形成
面に求められる特性を必ずしも十分に満足させることは
できない。
【0009】また、特開平5-238830号公報には、窒化ア
ルミニウム焼結体の熱伝導率や機械的強度を高めるため
に、内部結晶組織における粒界相の最大径を1μm以下と
し、さらに気孔の最大径を1μm以下とした窒化アルミニ
ウム焼結体が記載されている。これら焼結体内部の粒界
相や気孔の削減は熱伝導率などの向上には寄与するもの
の、上述したように薄膜形成用基板では表面状態が問題
となるため、焼結体内部の粒界相量などを制御しただけ
では、薄膜形成面に求められる特性を十分に満足させる
ことはできない。特に、高熱伝導率化を図った窒化アル
ミニウム焼結体では、焼結体表面に粒界相成分が析出し
やすいため、焼結体内部の粒界相量などを制御しただけ
では逆に表面特性が悪化するおそれがある。
【0010】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、窒化アルミニウム基板の高放熱特性を
活かした上で、各種回路の形成などに使用される金属薄
膜との密着性や薄膜形成精度などを高めることを可能に
した窒化アルミニウム基板を提供することを目的として
おり、さらにそのような窒化アルミニウム基板を用いる
ことによって、信頼性や動作特性などの向上を図った薄
膜基板とその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化アルミニウ
ム基板は、請求項1に記載したように、焼結助剤成分と
して希土類酸化物を含む窒化アルミニウム焼結体を具備
する窒化アルミニウム基板であって、前記窒化アルミニ
ウム基板は算術平均粗さRaが0.5μm以下となるように
加工された表面を有し、かつ前記加工表面に存在する前
記焼結助剤成分の凝集体の大きさが20μm以下であると
共に、前記加工表面の単位面積当りに占める前記凝集体
の面積の総和が5%以下であることを特徴している。
【0012】本発明の窒化アルミニウム基板は、さらに
請求項2に記載したように、前記窒化アルミニウム焼結
体が平均粒径が3〜5μmの範囲で、かつ粒径分布の標準
偏差が2μm以下の窒化アルミニウム結晶粒を有すること
を特徴としている。
【0013】本発明の窒化アルミニウム基板は、加工後
の基板表面(加工表面)に存在する焼結助剤成分の凝集
体の大きさ、並びに凝集体の面積の総和を所定の範囲内
に制御している。ここで、窒化アルミニウム焼結体を薄
膜形成用基板として使用する場合には、その表面(薄膜
形成面)を鏡面加工する必要があり、さらに酸洗いを施
すことが有効である。
【0014】従って、窒化アルミニウム焼結体の表面に
析出する焼結助剤成分の凝集体の大きさや面積の総和を
低減することによって、鏡面加工工程や酸洗い工程にお
ける焼結助剤成分の凝集体の脱落や溶解に起因する凹部
(陥没部)の発生を抑制することができる。特に、酸洗
い工程時に焼結助剤成分の凝集体が溶解することで発生
する凹部を大幅に抑制することが可能となる。これによ
って、窒化アルミニウム基板の表面にスパッタ法や蒸着
法などのPVD法で金属薄膜を形成した際に、金属薄膜
の密着性や形成精度などを大幅に高めることができる。
【0015】本発明の薄膜基板は、請求項9に記載した
ように、上記した本発明の窒化アルミニウム基板と、前
記窒化アルミニウム基板の前記加工表面に形成された金
属薄膜とを具備することを特徴としている。本発明の薄
膜基板は、マイクロ波集積回路用基板やレーザダイオー
ドが搭載されるサブマウント基板などに好適に用いられ
るものである。
【0016】また、本発明における第1の薄膜基板の製
造方法は、請求項14に記載したように、窒化アルミニ
ウム結晶粒の平均粒径が3〜5μmの範囲で、かつ粒径分
布の標準偏差が2μm以下である窒化アルミニウム焼結体
を作製する工程と、前記窒化アルミニウム焼結体の表面
を、算術平均粗さRaが0.5μm以下となるように研磨加
工して、窒化アルミニウム基板を作製する工程と、前記
窒化アルミニウム基板を酸洗いする工程と、前記窒化ア
ルミニウム基板の前記加工表面上に金属薄膜を形成する
工程とを具備することを特徴としている。
【0017】本発明における第2の薄膜基板の製造方法
は、請求項15に記載したように、窒化アルミニウム結
晶粒の平均粒径が3〜5μmの範囲で、かつ粒径分布の標
準偏差が2μm以下である窒化アルミニウム焼結体を作製
する工程と、前記窒化アルミニウム焼結体の表面を、加
工後の表面のスキューネスRskが-1以上となるように、
ダイヤモンド砥石で中仕上げ加工する工程と、前記中仕
上げ加工された前記窒化アルミニウム焼結体の表面を、
算術平均粗さRaが0.05μm以下となるように鏡面加工
し、加工表面のスキューネスRskを0以上1以下に仕上げ
加工して、窒化アルミニウム基板を作製する工程と、前
記窒化アルミニウム基板の前記加工表面上に金属薄膜を
形成する工程とを具備することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。図1は本発明の窒化アルミニウム
基板を使用した薄膜基板の一実施形態の概略構成を示す
断面図である。同図において、1は窒化アルミニウム
(AlN)焼結体からなる基板である。この薄膜形成用
基板としてのAlN基板1の厚さは1.5mm以下であるこ
とが好ましい。AlN基板1の表面1aには研磨加工な
どが施されており、この加工表面1aが薄膜形成面とさ
れている。
【0019】上記した加工表面1a上には金属薄膜2が
形成されており、これらにより薄膜基板3が構成されて
いる。ここで、加工表面1aの表面粗さはJIS B0601-19
94で規定する算術平均粗さRaで0.5μm以下とされてい
る。算術平均粗さRaが0.5μmを超えるような加工表面
1aは、金属薄膜2の形成面としての要求特性を満たす
ことができない。
【0020】AlN基板1を構成するAlN焼結体は、
AlN結晶粒とこれらAlN結晶粒間に存在する粒界相
とから主として構成されている。AlN焼結体は例えば
常温での熱伝導率が160W/m K以上の放熱性を有すること
が好ましい。AlN焼結体の常温での熱伝導率が160W/m
K未満であると、薄膜基板3を例えばマイクロ波集積回
路などに適用する際に、十分な放熱性を確保することが
できず、AlN基板1を用いることの利点が損なわれて
しまう。
【0021】AlN焼結体は、例えばAlN粉末に焼結
助剤を添加し、さらにバインダなどを加えて混合した後
に所定の基板形状に成形し、この成形体を焼結すること
により得られるものである。焼結助剤には種々の金属化
合物が使用されるが、AlN焼結体の低温焼結を可能に
すると共に、主として焼結助剤成分からなる粒界相の偏
析や凝集(特に表面1aでの偏析や凝集)を抑制する上
で、少なくとも希土類酸化物を使用するものとする。
【0022】希土類酸化物としては、例えば酸化イット
リウム(Y23)、酸化エルビウム(Er23)、酸化
イッテルビウム(Yb23)などが挙げられ、これらの
うちでも特に酸化イットリウムを使用することが好まし
い。希土類酸化物の配合量は、AlN粉末に対して1〜1
0質量%の範囲とすることが好ましい。希土類酸化物の
配合量が10質量%を超えると、主として焼結助剤成分か
らなる粒界相が凝集しやすくなり、AlN基板1の加工
表面1aにおける焼結助剤成分の凝集体の存在量が増加
しやすくなる。一方、希土類酸化物の配合量が1質量%
未満であると、AlN焼結体の焼結性などが低下してポ
アの増大などを招いたり、また熱伝導性が低下するおそ
れがある。希土類酸化物の配合量は2〜6質量%の範囲と
することがさらに好ましい。
【0023】焼結助剤としては希土類酸化物に加えて、
Ca、Ba、Srなどのアルカリ土類金属元素の酸化
物、SiO2やSi34などのSi化合物、B23、B4
C、TiB2、LaB6などの硼素化合物などを併用して
もよい。なお、希土類酸化物やアルカリ土類酸化物など
は、焼成時に酸化物となる炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸
塩、フッ化物などとして配合してもよい。また、TiO
2、HfO2、ZrO2などの黒色化材を併用することも
可能である。これらの化合物を希土類酸化物と併用する
場合には、焼結助剤の総量が酸化物換算で2〜12質量%
の範囲となるように添加量を調整することが好ましい。
【0024】上述したAlN基板1においては、図2の
拡大模式図に示すように、Raが0.5μm以下となるよう
に加工した後の表面1aに存在する焼結助剤成分の凝集
体4の大きさが20μm以下とされている。これによっ
て、鏡面加工後や酸洗い後に大きな凹部(陥没部)が基
板表面1aに発生することを防止している。なお、図2
において、符号5はAlN結晶粒を示している。
【0025】すなわち、希土類酸化物などの焼結助剤
は、例えばAlNもしくはAlN粉末中の不純物アルミ
ナ(不純物酸素)と反応して、希土類元素−Al−O
(−N)系化合物などとして粒界相に存在する。そし
て、希土類酸化物を含む焼結助剤成分は、粒界相を構成
する化合物の形態で、もしくはそれより希土類元素がリ
ッチな化合物などとして、AlN焼結体の表面に析出し
て凝集体4を形成する。このような焼結助剤成分の凝集
体4の大きさが20μmを超えると、鏡面加工時や酸洗い
工程時に凝集体4の脱落や溶解が起こりやすくなる。特
に、上記した粒界相を構成する化合物は酸に溶けやすい
ため、鏡面加工後の酸洗い工程時に凝集体4が溶解する
ことで大きな凹部(陥没部)が発生してしまう。焼結助
剤成分の凝集体4が脱落や溶解することで、AlN結晶
粒5の脱粒なども生じやすくなる。
【0026】そこで、本発明においては、AlN基板1
の加工表面1aに存在する焼結助剤成分の凝集体4の大
きさを20μm以下に制御している。ここで言う焼結助剤
成分の凝集体4の大きさとは最大径を示すものである。
このように、AlN焼結体の表面における焼結助剤成分
の凝集を抑え、AlN基板1の加工表面1aに存在する
凝集体4の大きさを20μm以下に制御することによっ
て、鏡面加工工程や酸洗い工程における凝集体4の脱落
や溶解に起因する凹部(陥没部)の発生を抑制すること
ができる。AlN基板1の加工表面1aに存在する焼結
助剤成分の凝集体4の大きさは10μm以下であることが
より好ましい。
【0027】さらに、AlN基板1は加工表面1aの単
位面積(例えば100×100μm)当りに占める焼結助剤成
分の凝集体4の面積の総和を5%以下としている。凝集
体4の個々の大きさを小さくすることに加えて、加工表
面1aの単位面積当りに占める凝集体4の総面積の比率
を小さくすることによって、凝集体4の脱落や溶解に起
因する凹部の発生量を低減することができる。AlN基
板1の加工表面1aの単位面積当りに占める焼結助剤成
分の凝集体4の総面積の比率は3%以下とすることがよ
り好ましい。なお、焼結助剤成分の凝集体4の大きさや
総面積を低減する方法については後に詳述する。
【0028】ここで、AlN基板1の加工表面1aに存
在する焼結助剤成分の凝集体4は、加工表面1aを走査
型電子顕微鏡(SEM)で観察したり、あるいは加工表
面1aの元素分布を電子線プローブマイクロアナライザ
(EPMA)で調べることにより確認することができ
る。焼結助剤成分の凝集体4は、AlN結晶粒5間に存
在する粒界相とは存在形態が明らかに異なるものであ
り、SEMやEPMAにより確認することができる。例
えば、焼結助剤としてY23を使用した場合、Y23
含む化合物(例えばY−Al−O(−N)系の化合物)
の凝集体4をEPMAで確認すると、Yの濃度比が粒界
相より濃く検出される。SEM像においても、Y23
含む化合物の凝集体4はAlN結晶粒5間に存在する粒
界相とは異なる濃度で写し出される。
【0029】焼結助剤成分の凝集体4の大きさは、Al
N基板1の加工表面1aについて、任意の位置のEPM
A像やSEM像を撮り、これらに写し出された焼結助剤
成分の凝集体4の最大径を示すものとする。さらに、凝
集体4の面積率は、上記したEPMA像やSEM像の単
位面積(100×100μm)当りに存在する焼結助剤成分の
凝集体4の総面積を求め、この凝集体4の総面積の単位
面積に対する比率を示すものとする。この面積率は任意
の3箇所以上について測定し、その平均値として求める
ものとする。
【0030】上述した加工表面1aにおける焼結助剤成
分の凝集体4の構成(大きさおよび面積比)に基づい
て、AlN基板1は酸洗い時における凝集体4の溶解な
どが抑制される。具体的には、AlN基板1を40℃に保
温された20%希釈濃度の酸液に60分間浸漬した際に、酸
液浸漬後の質量減少率が0.1%以下という特性を満足す
るものである。AlN基板1の酸洗いに用いる酸液とし
ては、硫酸(H2SO4)、塩酸(HCl)、硝酸(HN
3)などが挙げられる。
【0031】このように、焼結助剤成分の凝集体4の脱
落や溶解などに起因する凹部の発生を抑制することで、
最終的なAlN基板1の表面1a、すなわち薄膜形成面
としての基板表面の平滑性を高めることが可能となる。
ここで言う平滑性とは、特に大きな陥没が生じていない
状態を指すものである。従って、スパッタ法などにより
金属薄膜2を形成した際に、金属薄膜2の膜厚が不均一
になったり、またAlN基板1と金属薄膜2との間に空
隙が生じることが抑制される。このような基板表面1a
に形成した金属薄膜2によれば、例えば回路の高精度化
を図ったり、またその後の工程や回路使用時の熱による
膨れを抑制することができる。
【0032】さらに、焼結助剤成分の凝集体4の溶解な
どに起因する質量減少を抑制することによって、酸洗い
工程後の機械強度の低下を防ぐことができる。具体的に
は、AlN基板1を40℃に保温された20%希釈濃度の酸
液(硫酸、塩酸、硝酸など)に60分間浸漬した後に3点
曲げ強度を測定したとき、酸液に浸漬する前の3点曲げ
強度値に対する酸液に浸漬した後の3点曲げ強度値の減
少率を30%以下に保つことができる。これは薄膜基板3
を各種の装置に実装する際の信頼性の向上などに大きく
寄与する。なお、ここでは酸洗いの具体例として40℃に
保温された20%希釈濃度の酸液に60分間浸漬する酸洗い
を挙げたが、実際にAlN基板に酸洗いする場合にはこ
れらの条件に限定されるものではなく、実使用条件に応
じて酸洗い条件を変更することができる。
【0033】薄膜形成面となるAlN基板1の表面1a
は、上述したように表面粗さが少なくとも算術平均粗さ
aで0.5μm以下となるように加工される。基板表面1
aの薄膜形成面としての特性をより一層高める上で、A
lN基板1の表面1aはRaが0.05μm以下となるように
鏡面加工することが好ましい。Raを0.05μm以下とした
鏡面加工面によれば、金属薄膜2の形成精度や密着性を
さらに高めることができる。
【0034】表面粗さRaを0.05μm以下とした基板表面
は、さらにJIS B0601-1994で規定するスキューネス(ゆ
がみ値)Rskの値が0以上1以下であることが好ましい。
すなわち、AlN基板1の鏡面加工面の表面粗さが、R
aで0.05μm以下であると共に、スキューネスRskで0以
上1以下である場合に、スパッタ法や蒸着法などにより
形成する金属薄膜2の密着性や形成精度などを大幅に高
めることが可能となる。
【0035】ここで、スキューネスRskは表面のゆがみ
を表した値であり、以下のようにして求められる。すな
わち、振幅分布曲線と呼ばれる粗さ曲線の最も高い山頂
と最も低い谷底との間を等間隔に分割し、2本の平行線
内の領域に存在するデータの数と全データ数との比を横
軸に、各データの粗さ曲線における高さ方向の値を縦軸
にとってプロットする。このプロットの上下方向の偏り
を表す。
【0036】このようなスキューネスRskが0未満(R
sk<0)、すなわちマイナスの値を示すということは、
下方にへこみが多いことを表し、主として焼結助剤成分
の凝集体の脱落やAlN結晶粒の脱粒などにより基板表
面に形成されるポアが多数発生していることを示す。な
お、基板表面に形成されるポアは、研磨加工時に発生す
る脱粒痕のみではなく、基板表面に形成されたAlN結
晶粒などの欠落した部分を含むものである。従って、金
属薄膜2を形成した際に膜厚が不均一になったり、Al
N基板1と金属薄膜2との間に空隙などが生じやすくな
る。これらは金属薄膜2を用いて形成した回路の精度低
下や剥がれの原因となる。
【0037】一方、鏡面加工面のスキューネスRskが1
を超える(Rsk>1)と、全体的に上方への山が多くな
りすぎ、このような場合にも金属薄膜2による回路の形
成精度が低下することになる。言い換えると、AlN基
板1の鏡面加工面のRaを0.05μm以下とすると共に、ス
キューネスRskを0以上1以下に制御することことによっ
て、薄膜回路などとして使用される金属薄膜2の密着性
や形成精度などを大幅に高めることが可能となる。
【0038】AlN基板1の表面1aをRaが0.05μm以
下となるように鏡面加工する場合には、当然ながらRa
を0.5μm以下とする場合に比べて、より厳しい条件下で
研磨加工などを施す必要がある。具体的には、基板表面
に遊離砥粒を用いたポリッシング加工を施す。このよう
な場合においても、AlN焼結体の表面に析出する焼結
助剤成分の凝集体の大きさや総面積を低減することによ
って、Raが0.05μm以下の鏡面加工面を再現性よく得る
ことが可能となる。
【0039】スキューネスRskの値にも焼結助剤成分の
凝集体の大きさや総面積が影響する。AlN焼結体の表
面に析出する焼結助剤成分の凝集体の大きさや総面積を
低減することは、鏡面加工面のスキューネスRskを0以
上1以下に制御する上で有効である。さらに、このよう
なスキューネスRskを達成する上で、比較的大きな凹部
の発生を抑制することが望ましい。このため、大きさが
10μm以上の焼結助剤成分の凝集体、および同様な大き
さを有するポアの存在数(これらの合計数)は、鏡面加
工面の100×100μmという単位面積当りに3個以下(零を
含む)とすることが好ましい。さらに、大きさが10μm
未満の焼結助剤成分の凝集体やポアについては、鏡面加
工面の100×100μmという単位面積当りに占める面積比
を3%以下とすることが好ましい。言い換えれば、Al
N基板(焼結体)は表面粗さRaを0.5μm以下、さらに
は0.05μm以下に加工したとしても、加工面に形成され
るポアが小さくかつ少ないものといえる。このように、
本発明のAlN基板は研磨加工を施しても脱粒などが発
生しにくいものである。
【0040】上記した粗大な焼結助剤成分の凝集体やポ
ア(大きさ10μm以上)が100×100μmの単位面積当りに
3個を超えて存在すると、AlN基板1の鏡面加工面の
スキューネスRskがマイナス(Rsk<0)になるおそれ
がおおきい。同様に、大きさが10μm未満の焼結助剤成
分の凝集体やポアの比率(面積比)が3%を超えるとス
キューネスRskが低下する。さらに、AlN基板1の鏡
面加工面のスキューネスRskを0以上1以下の範囲とする
上で、表面加工の際の加工条件を適切化すると共に、基
材としてのAlN焼結体の結晶粒径や粒径分布などを制
御することも重要である。これらの点については後に詳
述する。
【0041】上述したAlN基板1の加工表面1aにお
ける焼結助剤成分の凝集体4の大きさ、並びに凝集体4
の総面積は、例えばAlN焼結体の結晶粒を微細化する
と共に、その粒径分布をシャープにすることで低減する
ことができる。具体的には、AlN結晶粒の平均粒径を
3〜5μmの範囲とすると共に、粒径分布の標準偏差を2μ
m以下とすることが好ましい。このように、AlN結晶
粒の粒径を微細化すると共に、粒径分布をシャープにす
ることによって、焼結助剤成分(粒界相成分)の析出並
びに凝集を抑制することができる。なお、AlN結晶粒
の粒径は、それを含む最小円の直径(AlN結晶粒の最
大径)を示すものとする。
【0042】AlN結晶粒の平均粒径が5μmを超える
と、AlN結晶粒同士の隙間(例えば三重点)が大きく
なるため、焼結助剤成分(粒界相成分)の析出量が増大
し、焼結助剤成分の凝集体4が大きくなると共に、凝集
体4の面積の総和が増大する傾向を示す。結晶粒径分布
の標準偏差についても同様であり、その値が2μmを超え
ると焼結助剤成分の焼結体表面への析出量が増大する。
一方、AlN結晶粒の平均粒径が3μm未満になると、A
lN焼結体の熱伝導率の低下が著しくなり、例えば常温
で160W/m K以上という熱伝導率を満たさなくなるおそれ
がある。これは薄膜基板3の特性低下に繋がる。
【0043】AlN結晶粒の平均粒径や粒径分布は、A
lN基板1の表面に鏡面加工を施した場合のスキューネ
スRskに対しても影響を及ぼす。すなわち、AlN結晶
粒の平均粒径が5μmを超えると、研削・研磨加工時にA
lN結晶粒が脱粒しやすくなると共に、脱粒痕のスキュ
ーネスRskに与える影響が増大する。従って、AlN基
板1の鏡面加工面のスキューネスRskがマイナス(Rsk
<0)になりやすくなる。粒径分布の標準偏差について
も同様であり、その値が2μmを超えると脱粒したAlN
結晶粒の影響が増大する。
【0044】上述したような微細な結晶粒径およびシャ
ープな粒径分布を有するAlN焼結体は、例えば以下に
示すような製造方法を適用することにより再現性よく得
ることができる。焼結助剤成分の凝集体4の大きさおよ
び総面積は、AlN結晶粒の平均粒径や粒径分布のみに
左右されるものではなく、AlN焼結体を作製する際の
各工程条件も大きく影響する。この点からも、AlN基
板1の基材として使用するAlN焼結体は、以下に示す
製造方法を適用して作製することが好ましい。
【0045】まず、平均粒子径が1μm以下で、かつ不純
物酸素濃度が1質量%以下のAlN原料粉末を用意す
る。AlN粉末の平均粒子径が1μmを超えると、得られ
るAlN結晶粒が粗大化しやすい。同様に、不純物酸素
濃度が1質量%を超えると、AlN結晶粒が必要以上に
粒成長したり、またAlN焼結体の熱伝導率が低下す
る。このようなAlN粉末に所定量の焼結助剤粉末を添
加して十分に混合する。この際、焼結助剤成分(粒界相
成分)の凝集を抑制する上で、焼結助剤粉末の凝集を防
止するような添加方法を適用することも重要となる。
【0046】すなわち、原料粉末段階で焼結助剤粉末が
凝集していると粒界相が偏析しやすくなり、その結果と
してAlN焼結体の表面における焼結助剤成分の凝集体
の大きさや総面積が増大しやすい。そこで、焼結助剤粉
末を予め有機溶媒中に分散させ、この状態でAlN粉末
もしくはAlN粉末を有機溶媒中に分散させたスラリー
中に添加することが好ましい。焼結助剤粉末の有機溶媒
中への分散時間(撹拌時間)は10分以上とすることが好
ましい。分散時間は1時間以上3時間以下とすることがよ
り好ましい。分散工程を3時間を超えて行ってもよい
が、分散時間をあまり長く設定してもそれ以上の効果が
得にくく、かえって製造時間を長引かせるだけになって
しまう。さらに、有機溶媒中に分散させた焼結助剤粉末
とAlN粉末との混合はボールミルなどを用いて十分に
行う。
【0047】上述したような焼結助剤粉末の添加方法を
適用することによって、焼結助剤成分の凝集体の大き
さ、並びに凝集体の面積の総和を低減することができ
る。さらに、焼結助剤粉末自体については、高純度で微
細な粉末を使用することが好ましい。例えば、Y23
末などの希土類酸化物粉末は、純度が99%以上で、かつ
1次粒子径(D50)が1.5μm以下の粉末を使用すること
が好ましい。
【0048】次に、AlN粉末と焼結助剤粉末との混合
物にバインダ成分や有機溶媒などを加えてさらに混合し
た後、ドクターブレード法などの通常のシート成形法を
適用して成形体(グリーンシート)を作製する。このよ
うなAlN成形体を脱脂処理した後に焼成する。AlN
焼結体の結晶粒径や焼結助剤成分の存在形態を制御する
上で、脱脂工程は十分に実施することが好ましい。脱脂
工程は窒素やアルゴンなどの非酸化性雰囲気中にて600
〜800℃の温度で実施することが好ましい。
【0049】脱脂処理を施したAlN成形体は、例えば
AlN、BNなどからなる焼成容器中に配置する。焼成
容器は蓋付きの密閉型を使用することが好ましい。この
際、焼成容器内へのAlN成形体の充填量は体積比で50
〜70%の範囲とすることが好ましい。また、AlN成形
体は敷板上に一定の間隔を空けて対称に配置することが
好ましい。図3(a)および図3(b)にAlN成形体
の対称配置の例を示す。これらの図において、11はA
lN成形体、12は焼成容器の底面または焼成容器内に
収めた敷板である。図3(a)はAlN成形体11を左
右(または前後)に対称に配置した例である。図3
(b)はAlN成形体11を左右および前後に対称に配
置した例である。
【0050】このようなAlN成形体を充填した焼成容
器を焼成炉内に配置する。焼成炉内への焼成容器の充填
量は体積比で40〜70%の範囲とすることが好ましい。な
お、焼成容器はカーボン製容器収納部材(円筒状部材)
中に入れて焼成炉内に配置することがある。このような
二重容器を使用する場合には、カーボン製容器収納部材
への焼成容器の充填量を体積比で40〜70%の範囲とする
ことが好ましい。図4に二重容器の一構成例を示す。図
4において、13は焼成容器、14は容器収納部材であ
る。焼成容器13が収納された容器収納部材14を重ね
て使用したり、複数の焼成容器13を重ねて容器収納部
材14内に収納してもよい。
【0051】上記したような状態で焼成炉内に配置した
AlN成形体は、窒素雰囲気のような不活性雰囲気中に
て1650〜1900℃の範囲の温度で1〜10時間焼成される。
焼成工程は常圧もしくは雰囲気加圧下で行われる。この
ような焼成工程によって、上述したような特性を有する
AlN焼結体が得られる。この際、焼成時の雰囲気ガス
は純度99%以上の窒素ガスを使用することが好ましい。
焼成炉内の圧力は2×105〜10×105Paの範囲とすること
が好ましい。また、焼成炉内の圧力は設定値に対して±
1×105Paの範囲となるように調整することが好ましく、
さらに好ましくは±0.3×105Paの範囲である。
【0052】上述したような製造条件を適用してAlN
焼結体を作製することによって、AlN結晶粒の平均粒
径が3〜5μmの範囲である共に、結晶粒径分布の標準偏
差が2μm以下のAlN焼結体を再現性よく得ることがで
きる。さらに、このようなAlN結晶粒の平均粒径およ
び粒径分布と各製造条件に基づいて、AlN基板1の加
工表面(Ra≦0.5μm)1aに存在する焼結助剤成分の
凝集体4の大きさを20μm以下とすると共に、加工表面
1aの単位面積当りに占める凝集体の総面積の比率を5
%以下とすることが可能となる。なお、単に結晶粒径を
微細化しただけでは、AlN焼結体の熱伝導率の低下が
著しくなるおそれがあるが、例えば脱脂後の残留炭素量
を低減するなどによって、AlN結晶粒の平均粒径を微
細化した上で160W/m K以上という熱伝導率を満足させる
ことができる。
【0053】この実施形態のAlN基板(薄膜形成用基
板)1は、上述した製造工程に基づいて作製したAlN
焼結体の表面(少なくとも薄膜形成面)1aを、算術平
均粗さRaが0.5μm以下となるように研磨加工し、さら
に例えば20%程度に希釈された硫酸、塩酸、硝酸などの
酸液を用いて酸洗いすることにより得られる。酸洗い工
程はAlN焼結体全体を酸液中に浸漬して実施すること
が好ましい。
【0054】AlN基板1の表面を算術平均粗さRa
0.05μm以下となるように鏡面加工する場合には、スキ
ューネスRskを0以上1以下の範囲に制御する上で、表面
加工条件を適切化することも重要である。具体的には、
AlN焼結体の表面を例えば325〜400メッシュのダイヤ
モンド砥石で中仕上げする際に、加工面のスキューネス
skが-1以上(Rsk≧-1)となるように加工する。
【0055】AlN焼結体をダイヤモンド砥石で中仕上
げする際の加工面の表面粗さを制御することによって、
鏡面加工後の表面粗さを所望の値にすることができる。
すなわち、ダイヤモンド砥石による中仕上げ後の加工面
のスキューネスRskが-1より小さい(Rsk<-1)と、そ
の後の鏡面加工条件を制御しても、鏡面加工面の表面粗
さを所望の値とすることができないおそれが大きい。そ
して、中仕上げ後の加工面に対して、Raが0.05μm以下
となるように鏡面加工を施す。これによって、最終的な
鏡面加工面のスキューネスRskを0以上1以下の範囲とす
ることができる。
【0056】また、AlN基板1は研磨加工を行った後
であっても、脱粒などによるポアが発生しにくいため、
研磨加工による基板厚さの調整がしやすい。このため、
AlN基板1の厚さを1.5mm以下、さらには0.8mm以下に
調整する際の基板厚さの精度を高めることができる。A
lN基板1の厚さはさらに0.1〜0.4mmの間で高精度に調
整することができる。
【0057】AlN基板1の加工表面(薄膜形成面)1
aには金属薄膜2が形成され、これにより薄膜基板3が
構成される。金属薄膜2は、例えばスパッタ法、真空蒸
着法、分子線エピタキシー(MBE)法、イオンプレー
ティング法、レーザデポジション法、イオンビームデポ
ジション法などのPVD法により形成される。また場合
によっては、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD
法などのCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的
気相成長)法を適用してもよい。金属薄膜2は回路構造
を有するものに限らず、ベタ膜であってもよい。金属薄
膜2は単一の金属膜および複数の金属膜の積層膜のいず
れであってもよいが、膜の総厚は3μm以下とする。
【0058】上述したように、焼結助剤成分の凝集体4
の大きさや凝集体の面積の総和を低減したAlN基板1
の加工表面1a上に金属薄膜2を形成することによっ
て、その密着性並びに形成精度を大幅に高めることが可
能となる。特に、基板表面の凹部が原因となって生じ
る、金属薄膜2の膜厚の不均一化やAlN基板1と金属
薄膜2との間の空隙などが抑制できることから、金属薄
膜2による回路の精度や信頼性を大幅に高めることが可
能となる。なお、AlN基板1は薄膜形成面が所定の構
成を有していれば所期の効果を得ることができる。従っ
て、薄膜を形成しない基板表面は必ずしも上述したよう
な構成とする必要はない。
【0059】このような金属薄膜(回路)2を有する薄
膜基板3は、例えば光通信用ハイブリッドIC、移動体
通信用ハイブリッドIC、レーザダイオード用ハイブリ
ッドIC、自動車用ハイブリッドICなどのマイクロ波
集積回路用の基板として好適に用いられるものである。
さらに、金属薄膜2を有する薄膜基板3は、VLD(Vi
sible Laser Diode)などのレーザダイオードが搭載さ
れるサブマウント基板としても有効である。特に、本発
明のAlN基板は板厚を0.1〜1.5mmの間で調整可能であ
ることから、マイクロ波集積回路用基板やサブマウント
基板などの様々な分野に適用することができる。
【0060】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0061】実施例1 まず、焼結助剤として純度99%、平均粒子径が1.0μmの
23粉末を用意し、このY23粉末を有機溶媒(エタ
ノール)中に投入して撹拌した。撹拌はボールミルを使
用して実施した。このY23粉末の撹拌時間(予備混合
時間)は10分とした。一方、平均粒子径が1.0μmで、不
純物酸素量が0.8質量%のAlN粉末に、適量の有機バ
インダと溶媒などを加えて混合してスラリー状とした。
上記したY23粉末の分散体をAlNスラリーに、Y2
3の配合量が5質量%となるように添加した。これをさ
らにボールミルで24時間混合した。各原料の条件は表1
に示す通りである。
【0062】次に、上記した原料スラリーをドクターブ
レード法により板状に成形し、このAlN成形体を600
〜800℃の温度で脱脂した。この脱脂後のAlN成形体
を以下のようにして焼成した。すなわち、脱脂後の複数
のAlN成形体を、高純度AlN(純度99.9質量%以
上)製の密閉型焼成容器中に配置した。焼成容器中への
AlN成形体の充填量は体積比で50%とした。このよう
な焼成容器をカーボン製円筒部材中に入れた状態で焼成
炉内に配置した。二重容器内の焼成容器の充填量は体積
比で40%とした。焼成は1750〜1900℃×1〜8時間の条件
で実施した。焼成雰囲気は純度99%以上の窒素ガスと
し、焼成炉内の圧力は3×105〜7×105Paの範囲とした。
さらに設定圧力値に対して炉内圧力が±0.3×105Paの範
囲となるように調整した。焼成条件は表2に示す通りで
ある。
【0063】このようにして得たAlN焼結体の平均結
晶粒径と結晶粒径分布を調べた。AlN結晶粒の粒径に
ついては、AlN焼結体の破断面の任意の3箇所で単位
面積50×50μm内の結晶粒径を測定し、これらの平均値
に基づいて平均粒径および粒径分布を求めた。なお、結
晶粒径を測定する単位面積のうち、少なくとも1箇所は
加工面に隣接するAlN結晶粒を含む箇所とすることが
望ましい。さらに、AlN焼結体の熱伝導率を測定し
た。これらの測定結果を表3に示す。
【0064】次に、上記したAlN焼結体にダイヤモン
ド砥石による中仕上げ加工と鏡面加工(Raで0.5μm以
下に設定)を施してAlN基板(厚さ0.635mm)を作製
した。このAlN基板の加工表面に存在する焼結助剤成
分の凝集体の大きさおよび面積率(総和)を測定した。
なお、焼結助剤成分の凝集体の存在形態については、鏡
面加工面の任意の3箇所をSEM(必要に応じてEPM
Aを使用)で観察し、これらの観察結果から凝集体の大
きさと単位面積(100×100μm)当りに占める凝集体の
面積率(平均値)を求めた。さらに、AlN基板を20%
硫酸(40℃)に60分間浸漬した。そして、酸液に浸漬し
た後の質量減少率と3点曲げ強度の減少率を調べた。こ
れらの測定結果を表4に示す。
【0065】実施例2〜9、比較例1〜7 AlN粉末と焼結助剤粉末に関する条件と焼成条件をそ
れぞれ表1および表2に示す条件に変更する以外は、上
記した実施例1と同様にして、それぞれAlN焼結体を
作製した。これらAlN焼結体の平均結晶粒径および結
晶粒径分布の標準偏差、熱伝導率を実施例1と同様して
評価した。これらの値を表3に示す。
【0066】さらに、各AlN焼結体に実施例1と同様
な加工を施して、それぞれAlN基板を作製した後、加
工表面に存在する焼結助剤成分の凝集体の大きさおよび
面積率を測定した。さらに実施例1と同様にして、Al
N基板の酸液浸漬後の質量減少率と3点曲げ強度の減少
率を調べた。酸洗いに使用した酸液は表4に示す通りで
ある。これらの測定結果を表4に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】表3に示したように、実施例1〜9による
各AlN焼結体は、いずれもAlN結晶粒の粒径が微細
であると共に、粒径分布の標準偏差が小さいことが分か
る。これらAlN結晶粒の粒径状態やAlN焼結体の製
造条件に基づいて、各実施例のAlN基板は表4に示し
たように、加工表面における焼結助剤成分の凝集体の大
きさが20μm以下であり、かつ単位面積当りに占める凝
集体の面積の総和が5%以下という値を有している。そ
して、これらの構成に基づいて、酸液に浸漬した後の質
量減少率および3点曲げ強度の減少率が共に小さいこと
が分かる。
【0072】実施例10〜14、比較例8〜9 上述した実施例1、実施例2、実施例4、実施例7、実
施例8、比較例1、および比較例2による各AlN基板
を用いて、それぞれ加工面上にTi膜(厚さ100nm)/
Pt膜(厚さ200nm)/Au膜(厚さ500nm)構造の金属
薄膜を真空蒸着法(真空圧:10-5Pa)により成膜した。
このようにしてそれぞれ薄膜基板を作製した。
【0073】このようにして得た各薄膜基板について、
金属薄膜(厚さ約800nmの多層薄膜)のピール強度を測
定した。ピール強度はスコッチテープ法により測定し
た。具体的には、金属薄膜の面積より広いスコッチテー
プ(住友スリーエム社製)を貼り、テープを一気に剥が
した際に残存する薄膜の面積比(残存面積率=(試験後
の残存面積/試験前の面積)×100%)を測定した。ま
た、同様にして作製した各薄膜基板をホットプレート上
にて450℃×10分の条件、および600℃×10分の条件でそ
れぞれ加熱し、これら加熱処理後の金属薄膜の膨れの有
無を調べた。これらの測定、評価結果を表5に示す。
【0074】
【表5】
【0075】表5から明らかなように、実施例10〜1
4の各薄膜基板はいずれも薄膜回路の密着性に優れ、さ
らに加熱した際に膨れなどが生じることもないため、マ
イクロ波集積回路用基板やレーザダイオード用サブマウ
ント基板などに好適であることが分かる。
【0076】実施例15〜19、比較例10〜12 上述した実施例3と同様にして、複数のAlN焼結体を
作製した。ただし、焼成温度は1730〜1840℃、焼成時間
は3〜6時間の範囲で変化させた。得られた各AlN焼結
体の平均結晶粒径、結晶粒径分布の標準偏差、および熱
伝導率は表6に示す通りである。これらは実施例1と同
様して測定した。
【0077】次に、上記した各AlN焼結体に対して、
表6に示す条件でそれぞれダイヤモンド砥石による中仕
上げ加工(第1の加工工程)と鏡面加工(第2の加工工
程)を施し、鏡面加工面の表面状態が異なる複数のAl
N基板を作製した。このようにして得た各AlN基板に
ついて、鏡面加工面に存在する焼結助剤成分の凝集体お
よびポアの数や面積比、さらに鏡面加工面のスキューネ
スRsk、ポア(AlN結晶粒および凝集体の脱粒痕)の
最大径を測定した。これらの測定結果を表7に示す。
【0078】なお、スキューネスRskは表面粗さ測定器
・フォームタリサーフS4C(テーラーボブソン社製)を
用いて測定した。焼結助剤成分の凝集体およびポアの存
在形態については、鏡面加工面の任意の3箇所をSEM
およびEPMAにて観察し、これらの観察結果から大き
さ10μm以上の凝集体およびポアの単位面積(100×100
μm)当りの存在数、さらに大きさ10μm未満の凝集体お
よびポアの単位面積(100×100μm)当りの存在比率
(面積比)を、それぞれ平均値として求めた。ポアの最
大径については、鏡面加工面の任意の3箇所について測
定し、そのうちの最大径の大きさで示した。
【0079】
【表6】
【0080】
【表7】
【0081】表6および表7に示したように、実施例1
5〜19による各AlN基板は、いずれも160W/m K以上
の熱伝導率を有すると共に、鏡面加工面のスキューネス
skが0以上1以下という値を示している。このような表
面状態に基づいて、AlN結晶粒の脱粒痕の最大値が小
さいことが分かる。このことはAlN結晶粒の脱粒が抑
制されていることを示す。
【0082】一方、比較例10のAlN基板は、AlN
結晶粒の平均粒径が大きいことに加えて、表面に10μm
を超える焼結助剤成分の凝集体やポアが多く存在してい
ることから、鏡面加工面のスキューネスRskがマイナス
の値を示しており、さらにAlN結晶粒の脱粒痕も大き
い。また、比較例11においては、鏡面加工面のスキュ
ーネスRskやAlN結晶粒の脱粒痕は比較的良好な値を
示しているものの、AlN結晶粒の平均粒径が小さすぎ
ることから熱伝導率が小さい。
【0083】実施例20〜24、比較例13〜15 上述した実施例15〜19および比較例10〜12によ
る各AlN基板を用いて、それぞれ鏡面加工面(比較例
12のAlN基板についてはダイヤモンド砥石による加
工面)上に、Ti膜(厚さ100nm)/Pt膜(厚さ200n
m)/Au膜(厚さ500nm)構造の金属薄膜をスパッタ法
により成膜した。このようにしてそれぞれ薄膜基板を作
製した。
【0084】このようにして得た各薄膜基板について、
金属薄膜(厚さ約800nmの多層膜)のピール強度を測定
した。ピール強度はスコッチテープ法により測定した。
具体的には、薄膜回路の面積より広いスコッチテープ
(住友スリーエム社製)を貼り、テープを一気に剥がし
た際に残存する薄膜回路の面積比(残存面積率=(試験
後の残存面積/試験前の面積)×100%)を測定した。
また、同様にして作製した各薄膜回路基板をホットプレ
ート上にて450℃×10分の条件で加熱し、その際の金属
薄膜の膨れの有無を調べた。これらの測定結果を表8に
示す。
【0085】
【表8】
【0086】表8から明らかなように、実施例20〜2
4の各薄膜基板は、いずれも薄膜回路の密着性に優れ、
また加熱した際に膨れなどが生じることもなく、マイク
ロ波集積回路用基板やレーザダイオード用サブマウント
基板に好適であることが分かる。さらに、実施例20〜
24の各薄膜基板は、AlN基板の薄膜形成面の表面粗
さRaが実施例1〜9のAlN基板に比べて小さいこと
から、金属薄膜による回路の形成精度がより一層優れる
ものであった。
【0087】実施例25〜31、比較例16〜17 AlN基板の板厚を表9に示す厚さに変更する以外は、
実施例13、実施例23、比較例14と同様にして、A
lN基板を有する薄膜基板をそれぞれ作製した。これら
各薄膜基板を実施例13と同様に、ホットプレート上で
450℃×10分および600℃×10分の条件で加熱して、その
際の金属薄膜の膨れの有無を調べた。これらの結果を表
9に示す。
【0088】
【表9】
【0089】表9から明らかなように、実施例25〜3
1の各薄膜基板はAlN基板の厚さを変更した場合にお
いても良好な特性を示すことが分かる。一方、比較例1
6、17のように、熱伝導率が160W/m K未満と低いAl
N基板を用いた場合には、基板厚さを薄くした際に膨れ
が生じやすい。これは熱伝導率が低い基板では放熱性が
低下するため、基板厚さを薄くした際に金属薄膜に悪影
響がでたものと考えられる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化アル
ミニウム基板によれば、その放熱性などを活かした上
で、金属薄膜との密着性や金属薄膜の形成精度などを高
めることができる。従って、このような窒化アルミニウ
ム基板を用いた薄膜基板によれば、マイクロ波集積回路
などの薄膜回路デバイスや各種電子部品のサブマウント
基板の信頼性や動作特性などを高めることが可能とな
る。特に、窒化アルミニウム基板の厚さを薄くした場合
においても、薄膜基板の信頼性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の窒化アルミニウム基板を用いた薄膜
基板の一実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図2】 図1に示す窒化アルミニウム基板の加工表面
の微構造を拡大して示す模式図である。
【図3】 本発明の窒化アルミニウム基板の焼成工程に
おける成形体の配置例を示す図である。
【図4】 本発明の窒化アルミニウム基板の焼成工程に
適用する二重容器の一構成例を一部切り欠いて示す斜視
図である。
【符号の説明】
1……AlN基板(AlN焼結体),2……金属薄膜,
3……薄膜基板,4……焼結助剤成分の凝集体,5……
AlN結晶粒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 憲隆 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4G001 BA09 BA36 BA61 BB09 BB36 BB61 BC13 BC72 BC73 BD03 BD14 BD37 BE21 BE22 BE35

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結助剤成分として希土類酸化物を含む
    窒化アルミニウム焼結体を具備する窒化アルミニウム基
    板であって、 前記窒化アルミニウム基板は算術平均粗さRaが0.5μm
    以下となるように加工された表面を有し、かつ前記加工
    表面に存在する前記焼結助剤成分の凝集体の大きさが20
    μm以下であると共に、前記加工表面の単位面積当りに
    占める前記凝集体の面積の総和が5%以下であることを
    特徴する窒化アルミニウム基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体
    において、 前記窒化アルミニウム焼結体は、平均粒径が3〜5μmの
    範囲で、かつ粒径分布の標準偏差が2μm以下の窒化アル
    ミニウム結晶粒を有することを特徴とする窒化アルミニ
    ウム基板。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の窒化アル
    ミニウム基板において、 前記窒化アルミニウム基板を40℃に保温された20%希釈
    濃度の酸液に60分間浸漬した後の質量減少率が0.1%以
    下であることを特徴とする窒化アルミニウム基板。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の窒化アル
    ミニウム基板において、 前記窒化アルミニウム基板を40℃に保温された20%希釈
    濃度の酸液に60分間浸漬した後に3点曲げ強度を測定し
    たとき、前記酸液に浸漬する前の3点曲げ強度値に対す
    る前記酸液に浸漬した後の3点曲げ強度値の減少率が30
    %以下であることを特徴とする窒化アルミニウム基板。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載の窒化アル
    ミニウム基板において、 前記加工表面は、算術平均粗さRaが0.05μm以下である
    と共に、スキューネスRskが0以上1以下の表面粗さを有
    することを特徴する窒化アルミニウム基板。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の窒化アルミニウム基板に
    おいて、 前記加工表面の100×100μmの単位面積当りに存在す
    る、大きさ10μm以上の前記焼結助剤成分の凝集体およ
    びポアの数が、合計数で3個以下であることを特徴とす
    る窒化アルミニウム基板。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載の窒化アルミニウム基板において、 前記窒化アルミニウム焼結体は、前記希土類酸化物とし
    て少なくとも酸化イットリウムを含むことを特徴とする
    窒化アルミニウム基板。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載の窒化アルミニウム基板において、 常温での熱伝導率が160W/m K以上であることを特徴とす
    る窒化アルミニウム基板。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれか1項
    記載の窒化アルミニウム基板と、 前記窒化アルミニウム基板の前記加工表面に形成された
    金属薄膜とを具備することを特徴とする薄膜基板。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の薄膜基板において、 前記窒化アルミニウム基板は1.5mm以下の厚さを有する
    ことを特徴とする薄膜基板。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10記載の薄膜
    基板において、 前記金属薄膜は、単一の金属膜または複数の金属膜の積
    層膜を有し、かつトータルの膜厚として3μm以下の厚さ
    を有することを特徴とする薄膜基板。
  12. 【請求項12】 請求項9ないし請求項11のいずれか
    1項記載の薄膜基板において、 マイクロ波集積回路用基板に用いられることを特徴とす
    る薄膜基板。
  13. 【請求項13】 請求項9ないし請求項11のいずれか
    1項記載の薄膜基板において、 レーザダイオードが搭載されるサブマウント基板に用い
    られることを特徴とする薄膜基板。
  14. 【請求項14】 窒化アルミニウム結晶粒の平均粒径が
    3〜5μmの範囲で、かつ粒径分布の標準偏差が2μm以下
    である窒化アルミニウム焼結体を作製する工程と、 前記窒化アルミニウム焼結体の表面を、算術平均粗さR
    aが0.5μm以下となるように研磨加工して、窒化アルミ
    ニウム基板を作製する工程と、 前記窒化アルミニウム基板を酸洗いする工程と、 前記窒化アルミニウム基板の前記加工表面上に金属薄膜
    を形成する工程とを具備することを特徴とする薄膜基板
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 窒化アルミニウム結晶粒の平均粒径が
    3〜5μmの範囲で、かつ粒径分布の標準偏差が2μm以下
    である窒化アルミニウム焼結体を作製する工程と、 前記窒化アルミニウム焼結体の表面を、加工後の表面の
    スキューネスRskが-1以上となるように、ダイヤモンド
    砥石で中仕上げ加工する工程と、 前記中仕上げ加工された前記窒化アルミニウム焼結体の
    表面を、算術平均粗さRaが0.05μm以下となるように鏡
    面加工し、加工表面のスキューネスRskを0以上1以下に
    仕上げ加工して、窒化アルミニウム基板を作製する工程
    と、 前記窒化アルミニウム基板の前記加工表面上に金属薄膜
    を形成する工程とを具備することを特徴とする薄膜基板
    の製造方法。
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