JP2003079178A - 記録装置におけるモータ制御方法、電流値取得装置及び記録装置 - Google Patents

記録装置におけるモータ制御方法、電流値取得装置及び記録装置

Info

Publication number
JP2003079178A
JP2003079178A JP2001265122A JP2001265122A JP2003079178A JP 2003079178 A JP2003079178 A JP 2003079178A JP 2001265122 A JP2001265122 A JP 2001265122A JP 2001265122 A JP2001265122 A JP 2001265122A JP 2003079178 A JP2003079178 A JP 2003079178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current value
current
electric motor
heat generation
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001265122A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumihito Anzai
純人 安西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2001265122A priority Critical patent/JP2003079178A/ja
Priority to US10/232,833 priority patent/US6719396B2/en
Publication of JP2003079178A publication Critical patent/JP2003079178A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Control Of Direct Current Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録装置において、加減速域と定速域とが設
定された速度設定で駆動される電動モータの1駆動当た
りの消費電流値を、定速域での電流を実測するだけの比
較的簡単な処理で求めることにある。 【解決手段】 キャリッジモータは、加速域・定速域・
減速域をもつ速度設定で駆動される。予備実験でキャリ
ッジが1駆動(1パス)される際の実効電流値Ipassを
実測により求め、定速域で実測した負荷電流値IFuka
を、前記実効電流値Ipassから差し引いてIBaseを算出
する。IBaseは、キャリッジの移動距離と移動速度に対
応付けてROMに記録していおく。印刷実行時にはキャ
リッジの定速域の電流IFuka実測し、そのときの移動距
離と移動速度に対応するIBaseをROMから読み出し
て、実効電流値Ipass(=IFuka+IBase)を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタなどの記
録装置において、電動モータの1駆動当たりの消費電流
値を取得する記録装置におけるモータ制御方法、電流値
取得装置及び記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばシリアルプリンタでは、印
刷ヘッドを備えたキャリッジが主走査方向(紙送り方向
と直交する方向)に走行することで紙などの印刷媒体に
印刷が行われる。キャリッジはプリンタに設けられたキ
ャリッジモータにより走行駆動される。キャリッジモー
タには例えばDCモータなどの電動モータが使用され
る。印刷時にはキャリッジは主走査方向に往復移動を繰
り返すことになり、1パス毎に停止状態から加速・定速
・減速を経て再び反対側で停止する。例えばインクジェ
ットプリンタではインクの吐出はキャリッジの定速域に
おいて行われる。キャリッジを駆動するキャリッジモー
タは、キャリッジを1パス毎に所定の速度パターンで走
行させるように、電流値制御または電圧値制御される。
【0003】ところで、キャリッジモータなどの電動モ
ータは、駆動されるときの消費電力に応じて発熱する。
電動モータが高速駆動されたりキャリッジ移動時の過大
な摺動抵抗などが原因で、電動モータに過度の負荷がか
かった場合、電動モータの温度が規格温度を超えること
が起こり得る。この場合、電動モータが熱で故障しない
ように、所定時間の休止を入れる発熱制限制御を行うも
のが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、温度センサ
を使用してモータ温度を検出し、モータ温度が規格温度
を超えないように、所定の発熱があると、電動モータの
駆動に所定時間の休止を入れることで発熱を制限する発
熱制限制御を行うことが考えられる。しかし、温度セン
サを使用すると部品点数が増加して製造コストの上昇を
招くという問題があった。
【0005】一方、キャリッジモータの消費電流から発
熱温度を予測して温度を推定することも考えられる。し
かし、キャリッジが1パス(1駆動)する過程で加減速
域と定速域を伴うために電流値が時間経過とともに変化
するので、1パス当たりの消費電流として例えば実効電
流値を計算しようとすると、CPU等の処理負担が比較
的大きくなってしまうという問題があった。なお、キャ
リッジモータの電流値は、キャリッジの摺動抵抗や使用
年数などから決まる負荷に応じてプリンタ毎に異なるの
で、ある程度精度のある消費電流値を得るためには電流
値を実測する必要がある。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであって、その第1の目的は、加減速域と定速域
とが設定された速度設定で駆動される電動モータの1駆
動当たりの消費電流値を、定速域での電流を実測するだ
けの比較的簡単な処理で求めることができる記録装置に
おけるモータ制御方法、電流値取得装置及び記録装置を
提供することにある。
【0007】第2の目的は、さらに温度センサを使わ
ず、電動モータの発熱温度を推定する場合、消費電流を
取得するための処理が簡単になることから、温度推定処
理があっても、CPU等の制御処理の負担を軽減でき
る。
【0008】第3の目的は、電動モータの消費電流と駆
動時間とに基づき求めた発熱量を積算した積算値に基づ
き求まる電動モータの発熱温度が閾値を超えたときに電
動モータを駆動の合間に休止させる制御を行う場合、消
費電流を取得するための処理が簡単になることから、C
PU等の制御処理の負担を軽減できる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1に記載の発明は、電動モータの1駆動
当たりの消費電流値を基に得られる制御情報に基づき前
記電動モータを制御する記録装置のモータ制御方法であ
って、前記電動モータは、移動体を加減速域と定速域と
が設定された速度設定で1駆動移動させるように速度制
御され、前記電動モータの1駆動当たりの消費電流値
を、前記移動体を移動させるときに該電動モータにかか
る負荷に依存する負荷電流値と、前記移動体を加減速さ
せるときのイナーシャ分に相当する固定電流値とに分
け、予め求めた前記固定電流値をメモリに記憶してお
き、前記定速域の電流を実測して電流実測値を得る段階
と、前記定速域の電流実測値に基づき決まる負荷電流値
と、前記メモリに記憶された固定電流値とを用いて1駆
動当たりの消費電流値を求める段階とを備えたことを要
旨とする。
【0010】この発明によれば、電動モータは、移動体
を加減速域と定速域とが設定された速度設定で1駆動移
動させるように速度制御される。電動モータの1駆動当
たりの消費電流値を、移動体を移動させるときに電動モ
ータにかかる負荷に依存する負荷電流値と、移動体を加
減速させるときのイナーシャ分に相当する固定電流値と
に分け、予め求めた固定電流値がメモリに記憶されてい
る。定速域の電流を実測して電流実測値を得るととも
に、この定速域の電流実測値に基づき決まる負荷電流値
と、メモリに記憶された固定電流値とを用いて、1駆動
当たりの消費電流値を求める。定速域の電流実測と簡単
な計算だけで済むので、例えばCPU等の処理負担が軽
く済む。
【0011】前記第1の目的を達成するために請求項2
に記載の発明は、請求項1に記載の記録装置におけるモ
ータ制御方法において、前記取得した前記電動モータの
1駆動当たりの消費電流値と駆動時間とに基づき1駆動
当たりの発熱量を求める段階と、前記発熱量を積算して
前記電動モータの発熱温度を推定する段階と、前記発熱
温度が所定の閾値を超えると、前記電動モータを駆動の
合間に休止させるように制御する段階とを備えたことを
要旨とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、電動モータの1
駆動当たりの消費電流値を取得する記録装置における電
流値取得装置において、加減速域と定速域とが設定され
た1駆動の速度設定で速度制御される電動モータと、前
記電動モータの1駆動当たりの消費電流値を、前記電動
モータにかかる負荷に依存する負荷電流値と、前記負荷
にほぼ依存しない固定電流値とに分け、予め求めた前記
固定電流値を記憶するメモリと、前記定速域の電流を実
測して電流実測値を得る電流実測手段と、前記定速域の
電流実測値に基づいて決まる負荷電流値と、前記メモリ
に記憶された固定電流値とを用いて1駆動当たりの消費
電流値を演算する演算手段とを備えたことを要旨とす
る。
【0013】この発明によれば、定速域の電流を実測し
て電流実測値が電流実測手段により得られる。定速域の
電流実測値に基づいて決まる負荷電流値と、メモリに記
憶された固定電流値とを用いて1駆動当たりの消費電流
値が演算手段により演算される。従って、定速域の電流
実測と簡単な計算だけで済むので、例えばCPU等の処
理負担が軽く済む。
【0014】請求項4に記載の発明は、電動モータの1
駆動当たりの消費電流値を取得する記録装置における電
流値取得装置において、加減速域と定速域とが設定され
た1駆動の速度設定で速度制御される電動モータと、前
記電動モータの1駆動当たりの消費電流値を、前記電動
モータにかかる負荷に依存する負荷電流値と、前記電動
モータを加減速させるときのイナーシャ分に相当するほ
ぼ質量依存の固定電流値とに分け、予め求めた前記固定
電流値を記憶するメモリと、前記定速域の電流を実測し
て電流実測値を得る電流実測手段と、前記定速域の電流
実測値に基づいて決まる負荷電流値と、前記メモリに記
憶された固定電流値とを用いて1駆動当たりの消費電流
値を演算する演算手段とを備えたことを要旨とする。
【0015】この発明によれば、定速域の電流を実測し
て電流実測値が電流実測手段により得られる。定速域の
電流実測値に基づいて決まる負荷電流値と、メモリに記
憶された固定電流値とを用いて1駆動当たりの消費電流
値が演算手段により演算される。従って、定速域の電流
実測と簡単な計算だけで済むので、例えばCPU等の処
理負担が軽く済む。
【0016】請求項5に記載の発明は、電動モータの1
駆動当たりの消費電流値を、該電動モータの制御に使う
ために取得する記録装置における電流値取得装置におい
て、前記電動モータは、前記移動体を加減速域と定速域
とが設定された速度設定で1駆動移動させるように速度
制御され、前記電動モータの1駆動当たりの消費電流値
を、前記移動体を移動させるときに該電動モータにかか
る負荷に依存する負荷電流値と、前記移動体を加減速さ
せるときのイナーシャ分に相当するほぼ質量依存の固定
電流値とに分け、予め求めた前記固定電流値を記憶する
メモリと、前記定速域の電流を実測して電流実測値を得
る電流実測手段と、前記定速域の電流実測値に基づき決
まる負荷電流値と、前記メモリに記憶された固定電流値
とを用いて1駆動当たりの消費電流値を演算する演算手
段とを備えたことを要旨とする。
【0017】この発明によれば、移動体の定速域におけ
る電流を実測して電流実測値が電流実測手段により得ら
れる。定速域の電流実測値に基づいて決まる負荷電流値
と、メモリに記憶された固定電流値とを用いて1駆動当
たりの消費電流値が演算手段により演算される。従っ
て、定速域の電流実測と簡単な計算だけで済むので、例
えばCPU等の処理負担が軽く済む。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の
いずれか一項に記載の記録装置における電流値取得装置
において、前記1駆動当たりの消費電流値は、1駆動当
たりの実効電流値であることを要旨とする。
【0019】この発明によれば、請求項3〜5のいずれ
か一項に記載の発明の作用に加え、定速域の電流実測値
に基づいて決まる負荷電流値と、メモリに記憶された固
定電流値とを用いて1駆動当たりの実効電流値が演算手
段により演算される請求項7に記載の発明は、請求項4
〜6のいずれか一項に記載の記録装置における電流値取
得装置において、前記メモリには、前記電動モータの駆
動速度と駆動量に応じた個々の値を持つ複数の前記固定
電流値のデータが記憶されていることを要旨とする。
【0020】この発明によれば、メモリには、電動モー
タの駆動速度と駆動量に応じた個々の値を持つ複数の固
定電流値のデータが記憶されているので、1駆動当たり
の消費電流値を、電動モータの駆動速度と駆動量に応じ
て比較的精度よく取得することが可能となる。
【0021】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の記録装置における電流値取得装置において、記録装置
の電源投入時に、前記電動モータを少なくとも1駆動で
初期駆動させる初期制御手段と、前記初期駆動時に前記
電動モータが少なくとも1駆動したときの定速域での電
流値を実測する前記電流実測手段と、前記メモリに記憶
された前記固定電流値のデータと前記実測電流値とを用
いて、前記電動モータの駆動速度と駆動量に応じた複数
の消費電流値のデータを算出してメモリに記憶するデー
タ準備手段とを備えたことを要旨とする。
【0022】この発明によれば、記録装置の電源投入時
に、初期制御手段によって電動モータは初期駆動されて
少なくとも1駆動は駆動される。初期駆動時に電動モー
タが少なくとも1駆動したときの定速域での電流値が電
流実測手段により実測される。データ準備手段は、メモ
リに記憶された固定電流値のデータと実測電流値とを用
いて、電動モータの駆動速度と駆動量に応じた複数の消
費電流値のデータを算出してメモリに記憶する。従っ
て、初期駆動(準備駆動)後の本駆動時には、電動モー
タが1駆動する度にそのときの駆動速度と駆動量から対
応するデータをメモリから取得すれば、その1駆動時の
消費電流値が簡単に取得される。このため、電動モータ
の本駆動時には、定速域における電流実測も不要とな
る。よって、メモリからデータを選択するだけの処理で
済むので、例えばCPU等の処理負担がさらに軽く済
む。
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項3〜8の
いずれか一項に記載の電流値取得装置を備え、前記演算
手段により求められた1駆動当たりの前記電動モータの
前記消費電流値と駆動時間とに基づき1駆動当たりの発
熱量を求める発熱量取得手段と、前記1駆動当たりの発
熱量を積算して前記電動モータの発熱温度を推定する温
度推定手段とを備えたことを特徴とすることを要旨とす
る。
【0024】この発明によれば、演算手段により求めら
れた1駆動当たりの電動モータの消費電流値を使って、
消費電流値と駆動時間とに基づき1駆動当たりの発熱量
が発熱量取得手段により求められる。1駆動当たりの発
熱量を積算して電動モータの発熱温度が温度推定手段に
より推定される。
【0025】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の記録装置において、前記発熱温度が所定の閾値を超
えたら、発熱異常と判定する判定手段を備えたことを要
旨とする。
【0026】この発明によれば、請求項9に記載の発明
の作用に加え、判定手段によって、発熱温度が所定の閾
値を超えたら、発熱異常と判定される。請求項11に記
載の発明は、請求項9に記載の記録装置において、前記
発熱温度が所定の閾値を超えると、前記電動モータを駆
動の合間に休止させるように制御する休止制御手段を備
えたことを要旨とする。
【0027】この発明によれば、発熱温度が所定の閾値
を超えると、休止制御手段によって電動モータはその駆
動の合間に休止を入れるように制御される。請求項12
に記載の発明は、記録ヘッドを有するキャリッジが主走
査方向に往復移動することにより前記記録ヘッドによる
記録媒体への記録が行われるシリアル式の記録装置にお
いて、前記キャリッジを主走査方向に往復移動させるた
めに駆動される電動モータと、前記キャリッジを加減速
域と定速域とが設定された速度設定で駆動させるように
前記電動モータを制御する制御手段と、前記キャリッジ
が1駆動するときの前記電動モータの実効電流値を、前
記キャリッジを移動させるときに該電動モータにかかる
負荷に依存する負荷電流値と、キャリッジ質量にほぼ依
存するイナーシャ電流値とに分け、予め求められた前記
イナーシャ電流値を記憶するメモリと、前記定速域の電
流を実測して電流実測値を得る電流実測手段と、前記定
速域の電流実測値に基づき決まる負荷電流値と、前記メ
モリに記憶されたイナーシャ電流値とを用いて実効電流
値を演算する演算手段と、前記演算手段により求められ
た1駆動当たりの前記実効電流値と駆動時間とに基づき
1駆動当たりの発熱量を演算するとともに、該発熱量を
逐次積算して前記電動モータの発熱温度を推定する温度
推定手段と、前記発熱温度が所定の閾値を超えると、前
記キャリッジの反転時に休止を設けるように前記電動モ
ータを制御する休止制御手段とを備えたことを要旨とす
る。
【0028】この発明によれば、定速域の電流を実測し
た電流実測値が電流実測手段により取得される。定速域
の電流実測値に基づき決まる負荷電流値と、メモリに記
憶されたイナーシャ電流値とを用いて実効電流値が演算
手段により演算される。演算手段により求められた1駆
動当たりの実効電流値を用い、実効電流値と駆動時間と
に基づき1駆動当たりの発熱量が演算されるとともに、
この発熱量を逐次積算して電動モータの発熱温度が温度
推定手段により推定される。発熱温度が所定の閾値を超
えると、休止制御手段によって電動モータはキャリッジ
の反転時に休止を設けるように制御される。
【0029】請求項13に記載の発明は、記録ヘッドを
有するキャリッジが主走査方向に往復移動することによ
り前記記録ヘッドによる記録媒体への記録が行われるシ
リアル式の記録装置において、前記キャリッジを主走査
方向に往復移動させるために駆動される電動モータと、
前記キャリッジを加減速域と定速域とが設定された速度
設定で1駆動させるように前記電動モータを制御する制
御手段と、前記キャリッジが1駆動するときの前記電動
モータの実効電流値を、前記キャリッジを移動させると
きに前記電動モータにかかる負荷に依存する負荷電流値
と、キャリッジ質量にほぼ依存するイナーシャ電流値と
に分け、予め求められた前記イナーシャ電流値を記憶す
るメモリと、前記定速域の電流を実測して電流実測値を
得る電流実測手段と、前記定速域の電流実測値に基づき
決まる負荷電流値と、前記メモリに記憶されたイナーシ
ャ電流値とを用いて実効電流値を演算する演算手段と、
前記演算手段により求められた1駆動当たりの前記実効
電流値と駆動時間とに基づき前記電動モータの発熱温度
を推定する温度推定手段とを備えたことを要旨とする。
【0030】この発明によれば、定速域の電流を実測し
た電流実測値が電流実測手段により取得される。定速域
の電流実測値に基づき決まる負荷電流値と、メモリに記
憶されたイナーシャ電流値とを用いて実効電流値が演算
手段により演算される。演算手段により求められた1駆
動当たりの実効電流値を用いて、この実効電流値と駆動
時間とに基づき電動モータの発熱温度が温度推定手段に
より推定される。従って、発熱温度を推定するときに用
いられる実効電流値が、定速域の電流実測と簡単な処理
により求められるので、例えばCPU等の制御処理負担
が軽くなる。
【0031】請求項14に記載の発明は、請求項9〜1
3のいずれか一項に記載の記録装置において、前記温度
推定手段は、前記発熱量を時間経過による自然放熱を考
慮した補正演算を伴って逐次積算して熱量の積算値を求
め、該積算値に基づき前記電動モータの発熱温度を推定
することを要旨とする。
【0032】この発明によれば、請求項9〜13のいず
れか一項に記載の発明の作用に加え、発熱量を時間経過
による自然放熱を考慮した補正演算を伴って逐次積算す
ることで熱量の積算値が求められ、この積算値に基づき
電動モータの発熱温度が推定される。自然放熱が考慮さ
れて発熱温度が推定されるので、発熱温度をほぼ正しく
推定できる。
【0033】請求項15に記載の発明は、請求項9〜請
求項14のいずれか一項に記載の記録装置において、電
源切断時に直前の前記発熱温度を記憶する第2のメモリ
を備え、電源投入時に前記第2のメモリに記憶された前
記発熱温度を読み出して初期値として使用することを要
旨とする。
【0034】請求項15に記載の発明によれば、請求項
9〜13のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、電
源切断時には直前の積算値が第2のメモリに記憶され、
電源投入時には第2のメモリに記憶された積算値が読み
出されて初期値として使用される。従って、電動モータ
が比較的発熱した状態で電源が切断され、直ぐに電源投
入されても、その電源切断時の積算値が初期値として使
用されるので、電動モータの過発熱状態を逃すことが回
避される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明をインクジェット式
記録装置で具体化した一実施形態を図1〜図19に従っ
て説明する。
【0036】図2は、インクジェット式記録装置のケー
ス内部の概略構成図である。図2に示すように、記録装
置(印刷装置)としてのインクジェット式印刷装置(以
下、プリンタと称す)1は、ケース(図示省略)内にプ
リンタ本体2を備えている。プリンタ本体2には、レー
ル(ガイドロッド)3に案内されてプラテン4の軸方向
と平行な主走査方向に往復移動可能なキャリッジ5が設
けられている。キャリッジ5は電動モータとしてのキャ
リッジモータ(以下CRモータと称す)6によってタイ
ミングベルト7を介して駆動される。本実施形態では、
CRモータ6としてDCモータが使用されている。
【0037】キャリッジ5の下部には、記録媒体である
用紙8と対向する下面側に記録ヘッドとしての印刷ヘッ
ド9が配設されている。印刷ヘッド9には各インク色毎
のノズル列(図示せず)が多数列形成されている。キャ
リッジ5の上部には印刷ヘッド9にインクを供給するイ
ンクカートリッジ10,11(ブラック用とカラー用の
2種類)が着脱可能に装着されている。印刷ヘッド9に
内蔵された圧電振動子の振動作用に基づき各ノズルから
インク滴が吐出されて印刷が行われる。
【0038】またプリンタ1には、キャリッジ5の走行
速度を検出するためのリニアエンコーダ13が設けられ
ている。リニアエンコーダ13は、樹脂製の被検出用テ
ープ(符号テープ)14と、エンコーダ33(図1に示
す)とからなる。テープ14は、キャリッジ5の背面側
に主走査方向(キャリッジ走行方向)と平行に張られて
おり、テープ14の主走査方向に一定ピッチで多数本形
成されたスリット14aからの投光を、キャリッジ5と
一体に移動するエンコーダ33が検出する。
【0039】またプリンタ1には紙送りモータ15が設
けられている。紙送りモータ15が駆動されると、プラ
テン4の紙送り方向前後(同図における矢印方向)に一
対配列された2組の紙送りローラ(図示せず)が駆動さ
れて用紙8が送られる。本実施形態では、紙送りモータ
15としてステッピングモータが使用されている。
【0040】図1は、プリンタにおける印刷駆動制御系
の電気構成を示す。同図に示すように、ホストコンピュ
ータ(例えばパーソナルコンピュータ)20は、通信ケ
ーブル21を介してプリンタ1のインタフェイス22に
接続されている。プリンタ1は、CPU23、ASIC
(Application Specific IC(特定用途向けIC))
24、メモリとしてのROM(PROM)25、RAM
26、第2のメモリとしてのEEPROM27、タイマ
IC28、DCユニット29、キャリッジモータドライ
バ(CRモータドライバ)30、紙送りモータドライバ
31およびヘッドドライバ32を備えている。CRモー
タ6および紙送りモータ15は、各モータドライバ3
0,31にそれぞれ接続されている。また印刷ヘッド9
(詳しくはノズル毎の各圧電振動子)は、ヘッドドライ
バ32に接続されている。CPU23には、エンコーダ
33およびホームセンサ、紙検出センサ(いずれも図示
省略)などのセンサ類が接続されている。なお、CPU
23、DCユニットおよびCRモータドライバ30によ
り、初期制御手段、制御手段及び休止制御手段が構成さ
れる。またCPU23により電流実測手段、演算手段、
初期制御手段、データ準備手段、発熱量取得手段、温度
推定手段、制御手段及び休止制御手段が構成される。C
PU23およびタイマICにより発熱量取得手段が構成
される。
【0041】ASIC24は、ホストコンピュータ20
から受信した印刷データを印刷ヘッド9を制御するとき
に使用できるようにイメージ展開し、このイメージ展開
後のデータを基にヘッドドライバ32を介して印刷ヘッ
ド9を駆動制御する。RAM26は、各種制御のための
演算結果を一時格納したり、印刷データおよびイメージ
展開後のデータを一時格納するバッファとして機能す
る。
【0042】DCユニット29は、交流を直流に変換す
るとともに、CPU23からの指令値に応じた直流を各
モータドライバ30,31に供給する。CPU23はモ
ータドライバ30,31を介してモータ6,15を電圧
制御する。例えばDCモータであるCRモータ6を速度
制御するときは、CPU23はCRモータドライバ30
に制御信号を出力し、モータドライバ30によってその
制御信号に応じてCRモータ6が制御され、例えばCR
モータ6の正転・逆転が制御される。
【0043】ROM25にはCPU23が実行する各種
制御プログラムやプログラム実行時に用いられる各種設
定データなどが記憶されており、その中に例えばCRモ
ータ6を電流値制御するための速度制御用プログラムお
よびその設定データが記憶されている。また、発熱制限
制御のためのプログラムおよびその設定データが記憶さ
れている。ここで、発熱制限制御とは、モータ温度がモ
ータの規格温度を超えないようにその発熱を制限する制
御である。このプログラムおよび設定データについては
後述する。
【0044】エンコーダ33は、投光器と一対の受光式
センサを内蔵し、符号テープ14のスリット14aを通
る投光を検出することにより、90度位相のずれたA相
・B相の2つのパルス信号を出力する。
【0045】図3は、DCユニット29の構成を示した
ブロック図である。DCユニット29は、位置演算部4
1と、減算器42と、目標速度演算部43と、速度演算
部44、減算器45と、比例要素46と、積分要素47
と、微分要素48と、加算器49と、PWM回路50
と、タイマ51と、加速制御部52とから構成されてい
る。
【0046】位置演算部41は、エンコーダ33の出力
パルスのエッジを検出してその個数を計数し、この計数
値に基づきキャリッジ5の位置を演算する。2つのパル
ス信号の比較処理から認知されるCRモータ6の正転・
逆転に応じて、1個のエッジが検出されたときには正転
時であればインクリメントし、逆転時であればデクリメ
ントするように計数処理する。
【0047】減算器42は、CPU23から送られてく
る目標位置と、位置演算部41により求められたキャリ
ッジ5の実際の位置との位置偏差を演算する。目標速度
演算部43は、減算器42の出力である位置偏差に基づ
いてキャリッジ5の目標速度を演算する。この演算は位
置偏差にゲインKpを乗算することにより行われる。こ
のゲインKpは位置偏差に応じて決定される。なお、こ
のゲインKpの値は図示しないテーブルに格納されてい
てもよい。
【0048】速度演算部44は、エンコーダ33の出力
パルスに基づいてキャリッジ5の速度を演算する。すな
わちエンコーダ33の出力パルスのパルス周期をタイマ
カウンタにより計時し、このパルス周期に基づいてキャ
リッジ速度Vを演算する。
【0049】減算器45は、目標速度と、速度演算部4
4によって演算されたキャリッジ5の実際の速度との速
度偏差を演算する。比例要素46は、速度偏差に定数G
pを乗算し、乗算結果を出力する。積分要素47は、速
度偏差に定数Giを乗じたものを積算する。微分要素4
8は、現在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定
数Gdを乗算し、乗算結果を出力する。比例要素46、
積分要素47および微分要素48の演算は、エンコーダ
33の種る欲パルスの1周期毎に行われる。
【0050】比例要素46、積分要素47および微分要
素48から出力される信号値は、それぞれの演算結果に
応じたデューティDXを示す。ここでデューティDX
は、例えばデューティパーセントが(100×DX/2
000)%であることを示す。この場合、DX=200
0であれば、デューティ100%を示し、DX=100
0であれば、デューティ50%を示すことになる。
【0051】比例要素46、積分要素47および微分要
素48の出力は、加算器49において加算される。この
加算結果がデューティ信号としてPWM回路50に送ら
れて、PWM回路50にて加算結果に応じた指令信号が
生成される。この制しえされた指令信号に基づいてドラ
イバ30によりCRモータ6が駆動される。
【0052】また、タイマ51および加速制御部52
は、CRモータ6の加速制御に用いられ、比例要素4
6、積分要素47および微分要素48を使用するPID
制御は、加速制御後の定速および減速制御に用いられ
る。
【0053】タイマ51は、CPU23から送ってくる
クロック信号に基づいて所定時間毎にタイマ割込信号を
発生する。加速制御部52は、タイマ割込信号を受ける
毎に所定のデューティDXPを積算し、積算結果がデュ
ーティ信号としてPWM回路50に送られる。PID制
御と同様に、PWM回路50にて積算結果に応じた指令
信号が生成され、生成された指令信号に基づいて、ドラ
イバ30によりCRモータ6が駆動される。
【0054】ドライバ30は例えば複数個のトランジス
タを備えており、PWM回路50の出力に基づいてトラ
ンジスタをオン・オフさせることで、CRモータ6に電
圧を印加する。
【0055】次にCRモータ6の駆動制御について説明
する。図4は、DCユニット29に制御されるCRモー
タ6の電流値およびキャリッジ速度を示したグラフであ
る。電流値はPWM回路50に送られるデューティ信号
値から決まる電圧値に応じて定まる値である。
【0056】キャリッジ5が1パス(1回の片道)を走
行する過程では、図4(b)に示す速度パターンが設定
されている。キャリッジ5を停止状態から加速する加速
域、加速後に一定速度を維持する定速域、定速域から停
止するまでキャリッジ5を減速する減速域が設定されて
いる。印刷ヘッド9による印刷は定速域で行われる。
【0057】図4(a)に示すように、DCユニット2
9によりまず加速域ではオープン制御が行われ、キャリ
ッジ速度が目標速度Vaに達するまではデューティ値が
キャリッジ起動時の初期値から上昇することで電流が上
昇し、目標速度Vaに達すると電流値が一定に保持さ
れ、次の目標速度Vbに達すれば電流値が少し下降す
る。そして目標速度Vcに達すると、PID制御に移行
する。
【0058】定速域ではPID制御が行われ、キャリッ
ジ速度Vが定速速度Vc となるようにデューティ値が決
まる。そして、キャリッジ5が位置P1,P2,P3,
P4,P5に達する度ごとに段階的に減速制御が行われ
る。このため、キャリッジ5は、復動から往動、あるい
は往動から復動へ反転するときの位置は、常に指定され
た移動距離の位置となる。
【0059】CPU23はホストコンピュータ20から
受け付けた印刷データに基づき、キャリッジ5の印刷速
度モードおよび1パス時の移動距離を決定する。本実施
形態では印刷速度モードとして例えば5段階の速度モー
ドが用意されている。
【0060】CPU23は、オープン制御およびPID
制御のデューティ値を取得し、このデューティ値に基づ
いて電圧値を認知する。CPU23は電圧値を電流値に
換算する換算式をもち、電圧値を電流値に換算する。
【0061】まず本実施形態で採用するモータ温度推定
処理と発熱制限制御について説明する。まずモータ温度
推定処理を概略説明する。本実施形態では、キャリッジ
5の1パス毎の実効電流値Ipassと移動時間tpassとか
ら1パス当たりの発熱量Qpassを求め、これを逐次積算
して単位時間(1分)当たりの発熱量Qsigma を求め
る。そして1分毎の発熱量Qsigma を、時間経過による
放熱を考慮しながら積算して求まる蓄熱量を上昇温度Δ
Tに換算する。初期温度(例えば室温)からの上昇温度
ΔTが分かることから、上昇温度ΔTを監視すれば現在
の推定モータ温度を間接的に監視することが可能にな
る。
【0062】そして、上昇温度ΔTを使って発熱制限制
御を実施する。すなわち、上昇温度ΔTが電動モータの
規格温度以下にあるように、ΔTが予め設定した閾値を
超えると、1パス毎に休止を入れる発熱制限制御を実施
する。本実施形態では、複数の閾値を段階的に設け、Δ
Tの大きさに応じて休止時間を段階的に長くするように
している。ΔTが小さいうちは休止を入れてもユーザが
不快を感じないようにするとともに、ΔTが大きくなる
と安全な温度まで下降するのに必要な休止時間を2段階
に設定する。
【0063】まず、モータ温度推定処理について以下に
その詳細を説明する。一般的に、発熱量は以下の式で求
められる。 Q=K・W (Kは定数であり、ある仕事を発熱に換算
する係数である) ここで、W=I2・R・tである。つまり、Q=I2・R
・t・Kとなる。モータの動作に伴う発熱を考えると、
Rはモータの巻線の抵抗であり、定数である。上記した
ようにRとKは定数なので、Q∝I2・tの関係がある
ことから、以下の説明では、I2・tを発熱量と呼ぶ。
はじめに1パス当たりの発熱量を求める求め方について
説明する。本実施形態では、キャリッジ5の移動速度V
と移動距離Yとから、図9に示すテーブルQTを参照し
て、1パス当たりの単位発熱量Qpass(テーブルではQ
passYV)を求めるようにしている。移動速度Vは5つの
印刷速度モードに応じて5段階に設定されている。移動
距離Yは、キャリッジ5の1パス最長距離をm分割した
m個の移動距離の範囲として設定されており、印刷デー
タから決まる実際の移動距離Xが属する範囲が移動距離
Yとして決まるようにしている。
【0064】この単位発熱量参照テーブルQTによって
定まる1パス当たりの単位発熱量QpassYVは、プリンタ
電源投入直後のシステム初期化時に、キャリッジ5を1
往復動させてモータ電流値を実測するメジャメント処理
で得られた実測電流値を基に計算されたものである。最
初に作成されたこの単位発熱量参照テーブルQTはRA
M26に記憶される。
【0065】1パス当たりの単位発熱量Qpassは、1パ
ス当たりの実効電流値Ipassを使って次式のように表さ
れる。 Qpass=Ipass2・tpass … (1) また実効電流値Ipassは次式で表される。 Ipass=√{ (I12・t+I22・t+…+Ik2・t)/tpass} … (2) ここで、tpassは、キャリッジの1パス移動時間であ
る。
【0066】メジャメント処理によりモータ電流値を実
測するのは、プリンタの使用年数(使用条件)や使用温
度環境などによって、キャリッジ駆動時にCRモータ6
にかかる負荷が異なるからである。このようなモータ負
荷のばらつきを考慮してプリンタ個々に最適なテーブル
QTを作成するため、モータ電流値を実測するメジャメ
ント処理を採用している。
【0067】この場合、テーブルQTの全ての組合せに
ついて1パス毎に実効電流値Ipassを実測しようとする
と、5種類の移動速度Vと20種類の移動距離ごとに、
合計100種類の実測計算が必要になり、キャリッジ5
を100回往復動させる必要がある。これは現実的では
ないので、本実施形態では、キャリッジ5を1回往復動
させるだけのメジャメント処理で済むように工夫されて
いる。
【0068】図5は、キャリッジが1パスするときの時
間とモータ電流値を示すもので、同図(a)はモータ負
荷が小さいとき、同図(b)はモータ負荷が大きいとき
である。モータ電流値は、加速するときには高く、定速
域では負荷に逆らって動いているのでほぼ一定であり、
最後に逆方向に電流が流れた後に再び正方向に電流が流
れてから停止する。CRモータ6にかかる負荷は、レー
ル3などの摺動部分との動摩擦抵抗および粘性抵抗等に
よって発生するものである。CRモータ6の定速域にお
ける一定電流値IFukaは、キャリッジ5を負荷に逆らっ
て動かすために必要な電流値である。よって、電流値I
Fukaは、負荷が小さいプリンタでは同図(a)のように
小さな値をとり、負荷が大きいプリンタでは同図(b)
のように大きな値をとる。
【0069】例えば加速過程におけるIFukaを超える部
分の電流分(同図における斜線部)は、キャリッジ5の
質量Mに起因するイナーシャ分に相当し、これは同じ速
度モード(加速モード)では質量Mに依存する一定値で
ある。そこで、図6に示すように、1パス当たりの実効
電流値Ipassを、負荷によって変動する電流値(負荷電
流値)IFukaと、質量Mと加減速モードにのみ依存する
イナーシャ分に相当する電流値(イナーシャ電流値)I
Bas eとに分けて求めるようにしている。
【0070】電流値IFukaは、メジャメント処理で実測
する。この際、最大移動速度Vmax(=300cps)でキャ
リッジ5を駆動させたときにメジャメント処理で実測し
た電流値IFukaを、全ての移動速度Vに共通に使用す
る。これは、負荷のうち動摩擦抵抗μは移動速度Vに拠
らず一定値で、粘性抵抗ηは移動速度Vに比例する(η
=s・V(sは定数))ことから、最大負荷が考慮され
た電流値IFukaを実測するためである。
【0071】一方、電流値IBaseは、予め実験(予備実
験)で求めておき、図7に示す基準実効電流テーブルI
TとしてROM25に記憶されている。その求め方は以
下のようである。
【0072】すなわち前記(2) 式に従って、1パスする
ときの電流値を微小時間t毎に逐次測定し、得られた電
流値Iの2乗に微小時間tを乗算した値I2・tを逐次
積算し、この積算値をキャリッジ5の1パス移動時間t
passで割った値の平方根をとって、1パス当たりの実効
電流値Ipassを求める。このときIFukaは以下のように
求める。一定電流値である定速域から複数の値をサンプ
リングし、そのサンプリング値を実効電流値の計算式に
従って計算処理する。そして実効電流値Ipassから電流
値IFukaを減算することにより、電流値IBaseを算出す
る(IBase=Ipass−IFuka)。これを各移動速度Vと
移動距離Yの全ての組合せについて実測計算し、各基準
実効電流IBase[Y][V]として求める。ROM25には、
各移動速度Vと移動距離Yに対応付けられて各基準実効
電流IBase[Y][V]が記憶されている(なお、図7ではI
BYVの記号(YVは移動距離と移動速度の番号)で示され
ている)。
【0073】またROM25には、図8に示すキャリッ
ジ1パス時間テーブルPTが記憶されている。このテー
ブルPTには、キャリッジ5が1パスするときの移動時
間(所要時間)tpass[Y][V]が、移動速度Vと移動距離
Yの各組合せごとに設定されている。なお、移動時間t
pass[Y][V]は、定速域における移動時間(Y/V)に、
加速域および減速域における各移動時間を加算した値で
あり、計算値または実測値として求められたものであ
る。
【0074】メジャメント処理では、定速域における電
流値IFukaを実測することになる。キャリッジが最大移
動速度Vmax (=300cps)で最長移動距離(=1800EP)
を1回往復動するときの定速域での一定電流値IFukaを
実測する。定速域に入り一定電流値になると、電流値I
を単位微小時間t毎にサンプリングし、I2・tを算出
するとともに逐次積算する。そしてサンプリングした総
時間ts が分かっているので、その積算値を時間ts で
割った値の平方根をとることで、定速域における実効電
流値を算出しこれを電流値IFukaとして算出する。もち
ろん、IFukaは、サンプリング値を実効電流値の計算式
に従って計算処理することにより求めることもできる。
なお、CRモータ6を電圧制御している本実施形態で
は、サンプリングした電圧値を換算式により換算して得
られる電流値を使用してIFukaを測定する。
【0075】ROM25には、図10にフローチャート
で示すメジャメント処理のためのプログラムが記憶され
ている。CPU23はこのメジャメント処理用プログラ
ムを実行することで、メジャメント処理を実施する。次
にプリンタ電源投入直後のキャリッジ準備走行時に実行
される電流測定処理(メジャメント処理)について、図
10のフローチャートに従って説明する。
【0076】まずステップ(以下「S」と記す)10で
は、プリンタ電源オンされたことを認知する。S20で
は、システム初期化をする。
【0077】S30では、CRモータ6を起動する。こ
のとき最大移動速度Vmax で最長移動距離を1回往復動
するように起動される。最初の加速域ではオープン制御
で加速制御を実行する。
【0078】S40では、PID制御を実行する。すな
わち定速域に入るとPID制御を実行する。S50で
は、定速域に入って電流値が一定になった時点から電流
値Iを記憶する。すなわち定速域の電流値Iをサンプリ
ングする。
【0079】S60では、モータが定速度で一定量以上
回転したか否かを判断する。すなわちエンコーダ33の
出力パルスのエッジをカウントして得られるキャリッジ
位置が定速域終了前の設定位置に達したか否かを判断す
る。キャリッジ位置が設定位置に達していなければS4
0に戻り、キャリッジ位置が設定位置に達していればS
70に進む。こうしてキャリッジ5が設定位置に達する
まで所定微小時間tごとに電流値Iのサンプリングが行
われる。
【0080】S70では、定速域の実効電流値Icを算
出する。すなわち、定速域でサンプリングしたn個の電
流値Iから実効電流値の計算式に従って定速域における
実効電流値Icを算出する。この実効電流値IcがIFuka
として使用される。
【0081】このメジャメント処理により電流値IFuka
が実測されると、次に、この実測した電流値IFukaと、
図7の基準実効電流テーブルITと、図8のCR1パス
時間テーブルPTとを用いて、図9の単位発熱量参照テ
ーブルを作成する。すなわち、電流値IFukaと、基準実
効電流値IBase[Y][V]と、1パス時間tpass[Y][V]とを
用い、次の(3) 式により、単位発熱量Qpass[Y][V]を算
出する。 Qpass[Y][V]=(IBase[Y][V]+IFuka)2・tpass[Y][V] … (3) こうしてプリンタ電源投入直後のキャリッジ準備駆動時
にメジャメント処理がなされ、図9の単位発熱量参照テ
ーブルが作成される。なお、キャリッジ5の往動時と復
動時でCRモータ6にかかる負荷が厳密には違うので、
実際には図7,8,9のテーブルIT,PT,QTはキ
ャリッジの往動時用と復動時用のそれぞれ2種類を持っ
ている。但し、この実施形態では説明を簡単にするた
め、往動時と復動時を区別することなく1つのテーブル
を持っているものとして説明を進めることにする。
【0082】次に、プリンタ電源投入時のテーブル作成
後に行われる温度推定処理について説明する。テーブル
作成後の温度推定処理は、キャリッジ5の駆動・停止に
拘わらず、電源投入中は常時実行される。但し、キャリ
ッジ5が駆動されるときは、1パスする毎に1パス当た
りの単位発熱量Qpassが算出される。すなわち、キャリ
ッジ5の1パス「起動−停止」毎に、単位発熱量参照テ
ーブルQT(図9)を参照し、移動速度V・移動距離Y
から、1パス発熱量Qpass[Y][V]を取得する。
【0083】図11は、1分間における時間(秒)に対
するモータ電流と発熱量Qpassの様子を示したグラフで
ある。同図(a)のグラフから分かるように、モータ電
流は、キャリッジ5の往動と復動が交互に繰り返される
ことにより、1パス毎にプラスとマイナスが交互に反転
する。1パスするときの移動速度Vと移動距離Yから、
テーブルQT(図9)を参照して、1パス発熱量Qpass
[Y][V]を取得する。そしてその1パスが終了する度に、
今回の単位発熱量Qpass[Y][V]を、前回の発熱量Qsigm
a に加算する。こうして1パス毎に取得される1パス発
熱量Qpass[Y][V]を、単位時間Tbox (=60秒)の間
に逐次積算して、単位時間Tbox の発熱量Qsigma を求
める。1分間の発熱量Qsigma は、前回の発熱量Qsigm
a に今回の単位発熱量Qpass[Y][V]を加算することによ
り、式 Qsigma =Qsigma +Qpass[Y][V] により計
算される。但し、Qsigma の計算前初期値は「0」であ
り、1分毎にリセットされる。従って、1分間の間、キ
ャリッジ5が一度も駆動されなかったときのQsigma は
「0」となる。
【0084】単位時間Tbox の60秒は、タイマIC2
8からのクロック信号を基にCPU23が時間カウンタ
にて計時する。60秒経過した時点でキャリッジ5がパ
スの途中にある1パスについては、今回の1分間の発熱
量Qsigma には加えず、次回の1分間の発熱量Qsigma
に入れるようにしている。従って、同図(a)に示す例
では、斜線を施したパスの発熱量Qpassのみが、同じ1
分間の集まりとして積算される。なお、同図(a)で
は、パスとパスの間に時間間隔があるが、これはキャリ
ッジ5の反転時に避けられない一瞬の停止であり、休止
時間ではない。
【0085】次に1分間の発熱量Qsigma を発熱温度
(発熱値)ΔTnew に換算する。ΔTnew は、式 ΔT
new =Ka・Qsigma により求まる。ここで、Ka
は、発熱量Qから発熱温度ΔTへの変換係数であり、予
備実験により求められた値である。熱量Q=κ・ΔT、
QはIo2・R・tに比例することから、予備実験で、実
効電流値Io をt秒通電したときに、モータの発熱温度
ΔTo が測定されたとすると、実効電流値Irms をt秒
通電したときに、得られる発熱温度ΔTnew は、次式で
表される。 ΔTnew =(ΔTo /Io2)・Irms2 ∴ΔTnew ={ ΔTo /(Io2・Tbox )} ・Qsigma ここで、{ ΔTo /(Io2・Tbox )} をKaとおく
と、ΔTnew =Ka・Qsigma となる。実効電流値Io
をt秒通電したときのモータの発熱温度ΔTを測定した
予備実験から、例えばIo =200 mAでΔTo =20deg.
が測定されたとすると、単位時間Tbox =60秒である
ことから、Ka=0.0000083 になる。よって、単位時間
Tbox 当たりの発熱温度ΔTnew は、上記の値をもつ定
数(変換係数)Kaを用いて、ΔTnew =Ka・Qsigm
a により表される。
【0086】図12は、CRモータの発熱に起因する総
発熱温度(総発熱値)を、時間経過による自然放熱を考
慮して示したグラフである。グラフに示すように、CR
モータ6の最初の1分間の通電による発熱温度(発熱
値)をΔT1new 、次の1分間の通電による発熱温度を
ΔT2new 、さらに次の1分間の通電による発熱温度を
ΔT3new とする。最初の発熱温度ΔT1new は、時間
経過とともに放熱曲線にそって下降し、1分後には自然
放熱によりΔT1old に低下する。よって、2分目の総
発熱温度ΔT2sum は、ΔT2sum =ΔT1old +ΔT
2new で表される。また、2分目の総発熱温度ΔT2su
m は、時間経過とともに放熱曲線に沿って下降し、その
1分後には自然放熱によりΔT2old に低下する。よっ
て、3分目の総発熱温度ΔT3sum は、ΔT3sum =Δ
T2old +ΔT3new で表される。
【0087】ここで、ΔTsum が1分後に放熱曲線に沿
って下降して達する発熱温度ΔTold は、放熱係数Kを
用いて、ΔTold =K・ΔTsum として表される。よ
って、最新のモータ総発熱温度ΔTsum は、前回の総発
熱温度ΔTsum に放熱係数Kを掛けた値に、最新の発熱
温度ΔTnew を加えることにより算出され、式 ΔTs
um =K・ΔTsum +ΔTnew により求まる。
【0088】放熱係数Kは予め実験から求められたもの
で、以下のように設定されている。まずプリンタの系に
は、図13の温度曲線で示されるキャリッジ駆動中の発
熱系と、図14の温度曲線で示されるキャリッジ停止中
の放熱系とがある。発熱系と放熱系は共に1次遅れ系で
あるので、ある時刻tの温度は、時定数Tとおくと、ex
p (−t/T)で表される。発熱系では、まず飽和発熱
温度Tsat を実験で求め、この飽和温度Tsat の63%
の値に達する時間が、そのプリンタの系の発熱時定数T
1s inkになる。一方、放熱系では、飽和発熱後、キャ
リッジ停止時点の飽和発熱温度から室温に下がっていく
とき、63%分の温度が下がるまでの時間が、そのプリ
ンタの系の放熱時定数T2sinkになる。これらの時定数
T1sink、T2sinkは共に実験で求められたものであ
る。
【0089】発熱系と放熱系は共に1次遅れ系であるの
で、ある時刻tの温度exp (−t/T)は、単位時間T
box である60秒経過したらK倍になるとすると、次の
関係式が成立する。 exp (−(t+60)/T)=K・exp (−t/T) よって、60秒での放熱係数Kは、次式で表される。 K=exp (−60/T)…(4) 上記(4) 式において、時定数Tとして実験で求めた発熱
時定数T1sinkを使用すると、発熱系における放熱係数
K=exp (−60/T1sink)が求まる。また、上記
(4) 式において、時定数Tとして実験で求めた放熱時定
数T2sinkを使用すると、放熱系における放熱係数K=
exp (−60/T2sink)が求まる。
【0090】本実施形態では、単位時間Tbox 当たりの
キャリッジ移動回数Ncrをカウンタにて計数し、Ncrが
予め設定された設定回数No 以上であるときには、キャ
リッジ駆動中の発熱系である判断し、発熱時定数T1si
nkを使用した放熱係数Kを使用する。一方、キャリッジ
移動回数Ncrが設定回数No 未満であるときには、キャ
リッジ停止中の放熱系であると判断し、放熱時定数T2
sinkを使用した放熱係数Kを使用する。よって、総発熱
温度ΔTsum は、60秒経過するとそのときの系に応じ
た放熱係数Kを用いて、K・ΔTsum として計算され
る。
【0091】プリンタの電源を切断するときには、発熱
温度(発熱値)ΔTsum は、1バイト化処理された後、
EEPROM27に1バイトのデータとして記憶され
る。すなわち、1バイト化係数EEdiv を用いて、ΔT
sumEE =ΔTsum /EEdiv により1バイト化される。
そして、プリンタ電源投入時に、EEPROM27より
前回稼働時の最終発熱値ΔTsumEE (1バイト)を取得
し、シーケンス計算単位に合わせて、ΔTsum =ΔTsu
mEE ・EEdiv により展開する。その値を現在の発熱温
度として取得し、ΔTsum の初期値とする。もちろん、
電源切断後においても、バックアップ電源を用いて、Δ
Tsum が所定温度(例えば10℃)に降下するまでΔT
sum の計算を継続してもよい。
【0092】次に発熱制限制御について図15〜図17
等に基づいて説明する。CRモータ6の発熱防止のため
に、電源オン中は、キャリッジ5の動作に関係なく、常
に一定時間(60秒)毎に発熱量Qsigma を計算し、C
Rモータ6の発熱温度ΔTsum を推定する。CRモータ
6の発熱温度ΔTsum が規定の値(閾値)を超えた場
合、キャリッジ5の停止直後にショートブレーキ状態を
維持する休止時間Twaitをもたせるデューティ制限(発
熱制限)がかかる。
【0093】図15は、温度曲線を示すグラフである。
このグラフに示すように、本実施形態では、発熱制限を
かける閾値として3つの閾値ΔT1,ΔT2,ΔT3
(ΔT1<ΔT2<ΔT3)が設定されている。本実施
形態では、第1閾値ΔT1は規格温度より低い温度に設
定されている。第2閾値ΔT2および第3閾値ΔT3は
共にCRモータ6の規格温度未満に設定されている。
【0094】CPU23は、発熱温度ΔTsum を監視
し、ΔTsum が閾値ΔT1,ΔT2,ΔT3を超える
と、その超えた閾値に応じた休止時間T1wait,T2wa
it,T3waitをそれぞれ設定する。つまり、発熱温度Δ
Tsum が第1閾値ΔT1を超えると、休止時間Twaitを
もたせるデューティ制限がかかる。
【0095】ROM25には、休止時間T1wait,T2
wait,T3waitを決めるデータとして、図16,図17
に示す休止時間テーブルW1,W2および休止時間T3
waitが記憶されている。図16の休止時間テーブルW1
は、発熱温度ΔTsum が第1閾値ΔT1を超えたときに
参照されるもので、テーブルW1を参照することで、移
動距離Yと移動速度Vに応じた休止時間T1waitYVが設
定される。第1休止時間T1waitYVは、発熱に対して制
限をかけつつキャリッジ5を休止させてもユーザが不快
に感じないような短い時間に設定されている。このた
め、1パス毎に第1休止時間T1waitYVの休止が入って
も、ユーザはほとんど不快を感じない。このように休止
時間を短くする時間優先の考えの下、例えば0.5秒未
満の時間が設定されている。移動距離Yと移動速度Vに
応じた休止時間T1waitYVを設定するのは、この例で
は、Y,Vの全ての組合せについて同じ目標温度に落ち
てくるような実効電流値Irms になるように休止時間を
設けるためである。つまり、休止時間T1waitYVは、全
てのモードにおいて、同じ温度に落ちてくるような実効
電流値Irms になるような値に設定されている。もちろ
ん、全てのY,Vに共通にして休止時間T1waitを0.
2秒に設定するだけでも構わない。
【0096】図17の休止時間テーブルW2は、発熱温
度ΔTsum が第2閾値ΔT2を超えたときに参照される
もので、テーブルW2を参照することで、移動距離Yと
移動速度Vに応じた第2休止時間T2w aitYVが設定さ
れる。第2休止時間T2waitYVは、CRモータ6にかか
る負荷が最大でCRモータ6に最大モータ電流Imax
(例えばImax =0.8 A)が印加されても、発熱温度Δ
Tsum (モータ温度)が安全な温度まで下がってくる値
に設定されている。CRモータ6に最大モータ電流Ima
x (例えば0.8 A)が印加されても、発熱温度ΔTsum
が目標温度まで下がるようになっている。本実施形態で
は図17に示すように移動距離Yと移動速度Vに応じ
て、例えば約0.7〜3秒程度の範囲の値が設定されて
いる。Y、Vに応じて休止時間T2waitYVを設定するの
は、Y,Vの全ての組合せについて安全な温度に落ちて
くるような実効電流値Irms になるように必要最小限の
休止時間を設けるためである。もちろん、全てのY,V
に共通にして休止時間T2waitを約3秒に設定するだけ
でも構わない。
【0097】第3休止時間T3waitは、全てのY,Vに
共通な値で例えば約5秒に設定されている。第3休止時
間T3waitは、CRモータ6の想定している設計上の最
大負荷(例えばモータ電流Imax =0.8 A)を超えてい
る場合で、仮にDCユニット29が想定している設計上
の供給最大電流IDCmax (例えばIDCmax =1.2 A)が
CRモータ6に印加されても、発熱温度ΔTsum (モー
タ温度)が安全な目標温度まで下がってくる値に設定さ
れている。CRモータ6に供給最大電流IDCmax (例え
ば1.2 A)が印加されても、発熱温度ΔTsum が目標温
度まで下がるようになっている。
【0098】安全な目標温度として解除閾値(解除閾値
温度)ΔTstd (ΔTstd <ΔT1)が設定されてい
る。デューティ制限が一旦かかると、発熱温度ΔTsum
が解除閾値ΔTstd に降下するまでは、デューティ制限
は解除されない。すなわち、発熱温度ΔTsum が第1閾
値ΔT1を超えると、デューティ制限がかかり、1パス
毎に第1休止時間T1waitYVの休止を入れる第1発熱制
限モードに移行し、発熱温度ΔTsum が下降して解除閾
値ΔTstd に達するまでこの第1発熱制限モードに維持
される。また、第1発熱制限モード中に発熱温度ΔTsu
m が第2閾値ΔT2を超えた場合は、1パス毎に第2休
止時間T1waitYVの休止を入れる第2発熱制限モードに
移行し、発熱温度ΔTsum が解除閾値ΔTstd に達する
までこの第2発熱制限モードに維持される。さらに同様
に、第2発熱制限モード中に発熱温度ΔTsum が第3閾
値ΔT3を超えると、1パス毎に第3休止時間T1wait
の休止を入れる第3発熱制限モードに移行し、発熱温度
ΔTsum が解除閾値ΔTstdに達するまでこの第3発熱
制限モードに維持される。CPU23はデューティ制限
中に、3つの発熱制限モードのうちどのモードにあるか
を判別する発熱制限モードフラグを備え、このフラグの
値を見ることで現在の発熱制限モードを認知する。
【0099】図11(b)に示すように、1パス毎に休
止時間Twaitの休止が入ると、単位時間Tbox (60
秒)当たりの発熱量Qsigma が小さくなる(つまり60
秒間の実効電流値Irms が小さくなる)。従って、デュ
ーティ制限中は、最新の1分間の発熱温度ΔTnew が小
さくなり、ΔTsum =K・ΔTsum +ΔTnew より、総
発熱温度ΔTsum が時間の経過とともに小さく変化す
る。この最新の発熱温度ΔTnew が休止時間Twaitが長
いほど小さくなるので、CRモータ6の温度上昇の程度
に応じて3段階の休止時間Twaitを設定することによ
り、モータ温度を確実に安全な目標温度にまで降下させ
られるようにしている。
【0100】ここで、発熱温度ΔTsumは、Ka・Qsig
maとして算出される。このKaは定数なので、 ΔTsum
の計算よりくくり出すことができる。各閾値(温度値)
をKaで除算することにより、各閾値ΔT1,ΔT2,
ΔT3,ΔTstd を設定することもできる。
【0101】以下、発熱制限制御ルーチンについて図1
8,図19に従って説明する。ステップ(以下、単に
「S」と記す)110では、デューティ制限中であるか
否かを判断する。デューティ制限中であればS120に
進み、デューティ制限中でなければS130に進む。
【0102】S120では、休止時間テーブルW1から
休止時間T1waitYVを読み出す。休止時間テーブルW1
を参照し、今回のパスの移動速度Vと移動距離Yを基に
休止時間T1waitYVを求める。
【0103】S130では、単位発熱量参照テーブルQ
Tから1パス発熱量QpassYVを読み出す。すなわち、今
回のパスの移動速度Vと移動距離Yを基に単位発熱量参
照テーブルQTを参照して1パス発熱量QpassYV(=I
pass2 *t)を求める(Ipass:1パス当たりの実効電
流値)。
【0104】S140では、前回までの積算値Qsig ma
に今回の1パス発熱量QpassYVを加えて今回の積算値
Qsigma を求める(Qsigma =Qsigma +QpassYV)。
Qsigma は、式(1) における√内の値の積算値に相当す
る値である。
【0105】S150では、前回の発熱判定時から単位
時間Tbox (=60秒)が経過したか否かを判断する。
単位時間Tbox を経過していないときは当該ルーチンを
終了し、単位時間Tbox を経過したときは次のS160
に進む。S160では、ΔTnew =Ka・Qsigma を計
算する。すなわち、単位時間Tbox の発熱量Qsigma を
上昇温度ΔTnew に換算する。S170では、ΔTsum
=ΔTsum +ΔTnew を求める。すなわち、今回の単
位時間当たりの上昇温度ΔTnew を前回までの温度積算
値に加えて、今回までの温度積算値ΔTsum を求める。
【0106】S180では、発熱値の1バイト化処理を
行う。発熱値は1バイトで記憶されるので、ΔTsum を
1バイトで記憶できる値に換算する。すなわち、ΔTsu
m =ΔTsum /EEdiv とする。ここで、EEdiv は1
バイト化係数(定数)である。
【0107】S190では、デューティ制限中(発熱制
限中)であるか否かを判断する。デューティ制限中でな
ければS200に進み、デューティ制限中であればS2
30に進む。S230はデューティ制限中の処理であり
これは後述する。
【0108】S200では、ΔTsum >ΔT1であるか
否かを判断する。これが成立すればS210に進み、不
成立であればS300に進む。S210では、ΔTsum
がΔT1を超えたので、発熱デューティ制限を開始す
る。このとき第1発熱制限モードフラグをオンにする。
【0109】S220では、第1発熱制限モードの休止
時間T1waitを設定する。デューティ制限中のときはS
230に進むが、このS230では、ΔTsum <ΔTst
d が成立したか否かを判断する。これが成立したときは
S240に進んで、発熱デューティ制限を解除する。一
方、ΔTsum <ΔTstopが不成立であるときはS250
に進む。
【0110】S250では、ΔTsum >ΔT2が成立し
たか否かを判断する。ΔTsum >ΔT2が成立したとき
はS260に進み、これが不成立のときはS300に進
む。S260では、ΔTsum >ΔT3が成立したか否か
を判断する。ΔTsum >ΔT3が不成立であるときはS
270に進み、これが成立したときはS280に進む。
【0111】S270では、第3発熱制限モード中(休
止時間Twait3設定中)であるか否かを判断する。第3
発熱制限モード中であるときにはS280に進み、それ
以外のときはS290に進む。S280では、第3発熱
制限モードの休止時間Twait3に切替える。つまりΔT
sum >ΔT3が成立したときには第3発熱制限モードへ
移行し、休止時間がTwait3に切替えられる。S290
では、第2発熱制限モードの休止時間Twait2に切替え
る。
【0112】S300では、キャリッジ移動回数(パス
数)Ncrが設定回数No 以上であるか否かを判断する。
Ncr≧No が成立すればS310に進み、この条件が不
成立あればS320に進む。
【0113】S310では、第1放熱係数を使用する。
つまり発熱系の放熱係数Kが使用されるように、放熱係
数Kを決める時定数として発熱時定数T1sinkを設定す
る。発熱時定数T1sinkは、キャリッジが動作している
ときの発熱系の時定数である。
【0114】S320では、第2放熱係数を使用する。
つまり放熱系の放熱係数Kが使用されるように、放熱係
数Kを決める時定数として放熱時定数T2sin kを設定
する。放熱時定数T2sinkは、キャリッジが停止してい
るときの放熱系の時定数である。
【0115】S330では、ΔTsum =K・ΔTsum
を計算する。ここでは次回の処理のときに前回の総発熱
温度として使用される1分後の総発熱温度ΔTsum を予
め求めておく。つまり、次回の処理におけるS170
で、ΔTsum =ΔTsum +ΔTnew の右辺で使用される
ΔTsum を予め求めておく。このとき、発熱系のときに
は放熱係数K=exp (−60/T1sink)が使用され、
放熱系のときには放熱係数K=exp (−60/T2sin
k)が使用される。
【0116】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下に示す効果が得られる。 (1)CRモータ6の発熱温度ΔTsum を時間経過によ
る放熱を考慮しながら推定し、発熱温度ΔTsum が閾値
ΔT1を超えたときにCRモータ6に休止を入れるの
で、必要なときにだけ休止が入ることになって休止回数
を少なくできる。この結果、CRモータ6を過大な発熱
から確実に保護できるうえ、キャリッジ5の休止を短く
できることから印刷のスループットを向上させることが
できる。
【0117】(2)定速域の電流値IFukaと、加減速域
の電流値IBaseとに分け、加減速域の電流値IBaseを固
定値としてROM25に記憶しておくとともに、定速域
の電流値IFukaを実測する方式を採用した。このため、
定速域の電流値IFukaのみを実測するだけで1パス当た
りの単位発熱量Qpassを簡単な処理で求めることができ
る。
【0118】(3)定速域の電流値IFukaをプリンタ電
源投入時のメジャメント処理で実測し、ROM25に予
め記憶したテーブルIT,PTのデータIBase,tpass
を用いて、予め単位発熱量参照テーブルQTを作成して
おく。そして、実際の印刷動作中は、移動速度Vと移動
距離YからテーブルQTを参照して1パス当たりの単位
発熱量QpassQを求める方法を採用したので、印刷動作
中は電流実測処理や計算処理の必要がなく、テーブルQ
Tの参照処理のみによって1パス当たりの単位発熱量Q
passを簡単に求めることができる。従って、CPU23
の負担を軽減できる。
【0119】(4)1パス毎の発熱量Qpassを単位時間
Tbox (1分)の間積算して得られる単位時間当たりの
発熱量(積算値)Qsigma を、単位時間毎に放熱を考慮
しながら積算して現在の総発熱温度ΔTsum を求める方
法を採用した。従って、毎パスごとに発熱温度を算出す
る方式に比べ、CPU23の負担を軽減できる。また、
一定の単位時間Tbox 毎に発熱量Qsigma を積算処理す
るので、系が同じであれば毎回同じ放熱係数K(∵K=
exp (−Tbox /Tsink))を使用できる。よって、Δ
Tsum を求めるための積算処理が簡単で済む。
【0120】(5)発熱温度ΔTsum (熱量Qsigma )
の時間経過による自然放熱を考慮する場合に、発熱しな
がら放熱する発熱系か、発熱をほとんど伴わずに放熱す
る放熱系かを判別し、その系に適した放熱係数Kを採用
するようにした。従って、系に適した放熱係数Kを採用
することにより、発熱温度ΔTsum を実際の発熱温度に
近い値として算出でき、発熱温度の推定精度を高めるこ
とができる。
【0121】(6)キャリッジ移動回数Ncrが設定回数
No 以上であるか否かを判断して、放熱係数Kを決める
系を判定する方法を採用したので、放熱係数Kを決める
系の判定を簡単に行うことができる。例えば温度変化を
監視して系を判定する方法に比べ、CPU23の負担軽
減を図ることができる。
【0122】(7)発熱温度ΔTsum が閾値を超えると
休止を入れる閾値を、複数(本例では3つ)設定した。
よって、発熱温度ΔTsum が閾値を超えて発熱制限をか
けるときの休止時間を閾値に応じて段階的に設定するこ
とができるので、その発熱温度ΔTsum にとってなるべ
く短い休止時間Twaitを設定することができる。この結
果、休止時間Twaitをなるべく短くすることができ、ひ
いては印刷のスループットを効果的に向上させることが
できる。
【0123】(8)発熱温度ΔTsum が第1閾値ΔT1
を超えたときに設定される第1休止時間T1waitYVは、
発熱制限をかけつつキャリッジ5を休止させてもユーザ
が不快に感じない短い時間(例えば0.5 秒以内)に設定
されている。この結果、1パス毎にキャリッジ5を休止
させても、ユーザはほとんど不快を感じない。
【0124】(9)発熱温度ΔTsum が第2閾値ΔT2
を超えたときに設定される第2休止時間T2waitYVは、
CRモータ6にかかる負荷が最大でCRモータ6に最大
モータ電流Imax (例えばImax =0.8 A)が印加され
ても、発熱温度ΔTsum (モータ温度)が安全な温度ま
で下がってくる時間に設定されている。従って、CRモ
ータ6に最大モータ電流Imax (例えば0.8 A)が印加
されても、第2発熱制限モードによって発熱温度ΔTsu
m を目標温度まで下げることができる。
【0125】(10)休止時間テーブルW1,W2を用
意し、安全な目標温度に落とすことが可能な同じ実効電
流値Irms になるように、移動距離Yと移動速度Vに応
じて休止時間T1waitYV,T2waitYVを設定した。つま
り、全てのY、Vにおいて発熱制限の程度が同じになる
ように休止時間T1waitYV,T2waitYVを設定した。よ
って、Y、Vの組合せの違うパス毎に、安全な目標温度
に落とすのにほぼ必要最小限の休止時間を設定できるこ
とから、印刷のスループットを効果的に向上させること
ができる。
【0126】(11)発熱温度ΔTsum が第3閾値ΔT
3を超えたときに設定される第3休止時間T3waitは、
DCユニット29が想定している設計上の供給最大電流
IDCmax (例えばIDCmax =1.2 A)がCRモータ6に
印加されても、発熱温度ΔTsum (モータ温度)が安全
な目標温度まで下がってくる値に設定されている。従っ
て、CRモータ6に供給最大電流IDCmax が印加されて
も、発熱温度ΔTsumを目標温度まで下げることができ
る。
【0127】(12)発熱制限(デューティ制限)が一
旦かかると、発熱温度ΔTsum が解除閾値ΔTstd に降
下するまでは、発熱制限は解除されない。従って、発熱
温度ΔTsum を速やかにしかも確実に安全な目標温度ま
で下降させることができる。
【0128】(13)発熱温度ΔTsum が解除閾値ΔT
std に降下するまで発熱制限を解除させないばかりか、
第2発熱制限モードや第3発熱制限モードからの温度降
下であれば、温度降下し始めたときの発熱制限モードで
設定された長めの休止時間Twaitを解除閾値ΔTstd に
達するまでそのまま維持する。従って、発熱温度ΔTsu
m を一層速やかにしかも一層確実に安全な目標温度ま
で下降させることができる。
【0129】なお、実施の形態は、上記に限定されず次
の変形例でも実施できる。 (変形例1) 印刷動作中の1パス毎に電流値を実測す
るメジャメント処理を行い、実測電流値を基に1パス当
たりの単位発熱量Qpassを計算する方式を採用すること
もできる。
【0130】(変形例2) プリンタが備えるCRモー
タ以外の他の電動モータの温度を前記温度推定方法によ
り推定(算出)してもよい。電動モータとしては、例え
ば紙送りモータが挙げられる。
【0131】(変形例3) 前記実施形態では、1パス
毎に休止を入れたが、複数パス毎に休止を入れても構わ
ない。例えば2パス(1往復移動)毎、3パス、4パ
ス、5パス毎、さらに10パス毎でも構わない。また時
間で管理して例えば1秒経過後の最初の1パス終了時の
タイミングで休止を入れても構わない。この時間も1秒
に限らず、2秒、3秒、…としてもよい。
【0132】(変形例4) 前記実施形態では、モータ
温度が閾値を超えるとモータの休止時間を設けることに
したが、モータの電力を小さく抑える電力調整を行う手
段を設けてもよい。例えば印刷速度設定が高速モードで
あっても、モータ温度が閾値を超える場合には、低速モ
ードに切替えて電力を小さく抑える制御を採用し、モー
タの発熱を小さく抑える制御内容の採用も可能である。
【0133】(変形例5) 前記実施形態では、モータ
の発熱温度が閾値を超えるとモータの駆動の合間に休止
時間を設けることにしたが、発熱温度が閾値を超える
と、モータへの電力の供給を遮断する電力遮断手段を設
けることも可能である。この場合、第3閾値より高温側
に第4閾値を設け、第4閾値を超えたときにはモータへ
の電流供給を遮断してキャリッジを非常停止する。この
方法によれば、第3閾値を超えた場合でも特に緊急異常
時には、速やかにモータ温度を低下させることができ、
モータの巻線等の温度疲労をなるべく最小限に抑えるこ
とができる。
【0134】(変形例6) 前記実施形態では、発熱制
限(デューティ制限)が一旦かかると、温度降下し始め
たときの発熱制限モードで設定された長めの休止時間T
waitを、発熱温度ΔTsum が解除閾値ΔTstd に達する
まで維持する方式を採用した。これに対し、発熱温度Δ
Tsum が降下して閾値ΔT3またはΔT2以下になれば
その時点で休止時間を1段下の値に切り替える方式を採
用することもできる。
【0135】(変形例7) 放熱係数Kを決める時定数
は、発熱系と放熱系の2通りに分けたが、さらに複数
(3つ以上)の時定数を用意するようにしても構わな
い。例えば単位時間当たりのキャリッジ移動回数に応じ
て3段階以上の時定数を決める方法を採用しても構わな
い。また、放熱係数Kを決める判断は、キャリッジ移動
回数に限定されない。例えば温度変化を監視するように
して系を判定し、その系に適した放熱係数Kを採用する
方法も可能である。
【0136】(変形例8) 発熱量を求める単位時間は
一定時間であることに限定されない。例えば単位時間を
パス数で規定し、一定パス数の所要時間を単位時間とし
て設定することもできる。この場合、単位時間は不規則
になるが、タイマで計時しておけばその時間は知ること
ができるので、単位時間当たりの発熱量は知ることがで
きる。つまり、放熱係数Kは時間の関数であるため時間
さえ分かれば放熱も正しく計算することはできる。
【0137】(変形例9) 単位時間は1分に限定され
ない。10秒、20秒、30秒、2分、5分、10分な
どを設定することもできる。単位時間は、特に10秒〜
5分の間が好ましい。発熱温度は時間に対して変化が比
較的鈍いので、10秒未満であると発熱判定の演算負担
が増し、5分を超えると発熱制限をかけるのが遅れる虞
がある。
【0138】(変形例10) 電動モータの放熱は自然
放熱に限定されない。例えばCRモータ6を冷却する冷
却ファンを備えた構成とし、ファン冷却による放熱を考
慮して補正演算(放熱演算)を行う方法を採用すること
もできる。
【0139】(変形例11) キャリッジの反転時に休
止を入れる方法に限定されない。プリンタのキャリッジ
では定速印字をするため反転時に休止を入れる必要があ
るが、例えば片道印刷方式のプリンタでは、キャリッジ
の印刷しない戻りパス途中で休止を入れても構わない。
【0140】(変形例12) 前記実施形態では、放熱
を考慮した発熱量の算出は、複数パス含む単位時間Tbo
x 毎としたが、例えば1パス毎に発熱量計算を行っても
構わない。また1パス毎に発熱判断を行っても構わな
い。但し、この場合、発熱量を積算する時間間隔が不規
則になるので、放熱係数はその不規則な時間間隔に応じ
て可変となる。
【0141】(変形例13) 電動モータの消費電流
(実効電流値)を求める処理方法の採用目的は、発熱制
限制御に限定されない。その他の制御のために電動モー
タの消費電流(実効電流値)を求める必要がある場合
に、前記実施形態の電流値取得方法を採用することもで
きる。さらに、電動モータの発熱温度を求めるために必
要な消費電流値を取得するために使われることにも限定
されない。例えば電動モータの消費電力を求めるために
使用することもできる。
【0142】(変形例14) 前記実施形態の電流値取
得方法で取得した消費電流値(実効電流値)を用いて求
めた電動モータの発熱温度は、発熱制限制御に使用され
ること限定されない。
【0143】(変形例15) 前記実施形態のように電
動モータが電圧制御の場合、1駆動当たりの実効電圧値
を前記実施形態と同様の手法で求めることもできる。実
効電流値が必要な場合も、実効電圧値から実効電流値は
求められる。
【0144】(変形例16) 電動モータは、CRモー
タに限定されない。例えば紙送りモータに適用してもよ
い。また、記録装置は、インクジェット式プリンタに限
定されるものではなく、バブルジェット(登録商標)式
プリンタ、ドットインパクト式プリンタ、レーザープリ
ンタなどに適用することもできる。
【0145】前記実施形態及び変形例から把握される技
術的思想を、以下に記載する。 (1)請求項3〜8のいずれか一項の電流値取得装置、
あるいは請求項9〜15のいずれか一項の記録装置で
は、前記負荷電流値は、前記電動モータを定速域で定速
維持するのに必要な電流値であり、1駆動当たりの消費
電流値(実効電流値)から前記負荷電流値を差し引いた
値として前記固定電流値(イナーシャ電流値)は設定さ
れている。
【0146】(2)請求項4〜6のいずれか一項に記載
の記録装置における電流値取得装置において、前記メモ
リには、前記電動モータの駆動条件に応じた個々の値を
持つ複数の前記固定電流値のデータが記憶されており、
記録装置の電源投入時に、前記電動モータを少なくとも
1駆動で初期駆動させる初期制御手段と、前記初期駆動
時に前記電動モータが少なくとも1駆動したときの定速
域での電流値を実測する前記電流実測手段と、前記メモ
リに記憶された前記固定電流値のデータと前記実測電流
値とを用いて、前記電動モータの駆動条件に応じた複数
の消費電流値のデータを算出してメモリに記憶するデー
タ準備手段とを備えたことを特徴とする記録装置におけ
る電流値取得装置。ここで、駆動条件とは、駆動速度、
駆動量(駆動距離)、移動体の移動速度、移動体の移動
距離、速度モードのうち少なくとも1つ、あるいは速度
系と距離系のものの組合せである。
【0147】(3)請求項7に記載の記録装置における
電流値取得装置において、記録装置の電源投入時に、前
記電動モータを少なくとも1駆動で初期駆動させる初期
制御手段と、前記初期駆動時に前記電動モータが少なく
とも1駆動したときの定速域での電流値を実測する前記
電流実測手段と、前記メモリに記憶された前記固定電流
値のデータと前記実測電流値とを用いて、前記電動モー
タの駆動速度と駆動量に応じた複数の消費電流値を算出
し、該消費電流値を用いて個々に求められた複数のデー
タを前記駆動速度と駆動量に対応付けてメモリに記憶す
るデータ準備手段とを備えたことを要旨とする。この構
成によれば、本駆動時には、1駆動する度にそのときの
駆動速度と駆動量に対応付けられたデータをメモリから
取得すれば、その1駆動時の所望するデータが簡単に取
得される。よって、消費電流値から必要なデータを算出
する演算処理が不要になるので、CPU等の制御処理の
負担がさらに軽減される。
【0148】(4)前記技術的思想(3)において、前
記メモリに記憶された複数のデータは、1駆動当たりの
発熱量である。この構成によれば、本駆動時には、1駆
動する度にそのときの駆動速度と駆動量に対応付けられ
たデータをメモリから取得すれば、その1駆動時の1駆
動当たりの発熱量データが簡単に取得される。
【0149】(5)請求項12〜15のいずれか一項に
記載の記録装置において、前記メモリには、前記キャリ
ッジの移動速度と移動距離に応じた個々の値を持つ複数
の前記イナーシャ電流値のデータが記憶されていること
を特徴とする記録装置。
【0150】(6) 請求項14に記載の記録装置にお
いて、前記補正演算は、時間経過による放熱の系の時定
数から決まる放熱係数を用いた演算であることを特徴と
する記録装置。
【0151】(7)前記技術的思想(6)において、前
記放熱の系が、発熱を伴って放熱する発熱系か、発熱を
伴わずに放熱する放熱系かを判定する判定手段と、前記
判定手段により判定された系に応じた放熱係数を選択し
て前記補正演算を行うことを特徴とする記録装置。
【0152】(8)前記技術的思想(7)において、前
記判定手段は、前記電動モータにより駆動されるキャリ
ッジの移動回数を計数し、該計数した該キャリッジの移
動回数に基づき前記放熱係数を決定するための系を判定
することを特徴とする記録装置。
【0153】(9)請求項9、10、13〜15のいず
れか一項において、前記温度推定手段により推定された
発熱温度が所定の閾値を超えると、前記電動モータの消
費電力を小さく抑える電力調整手段を備えた。
【0154】(10)請求項9、10、13〜15のい
ずれか一項において、前記温度推定手段により推定され
た発熱温度が所定の閾値を超えると、電動モータへの電
力の供給を遮断する電力遮断手段を備えた。
【0155】(11)コンピュータに、請求項9〜15
のいずれか一項に記載の記録装置における前記各手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。
【0156】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜15に記
載の発明によれば、定速域での電流を実測するだけで、
電動モータの1駆動当たりの消費電流値を簡単な処理で
求めることができる。
【0157】請求項2、9〜15に記載の発明によれ
ば、さらに温度センサを使わず、電動モータの発熱温度
を推定する場合、消費電流の取得処理が簡単になること
から、温度推定処理があっても、例えばCPU等の制御
処理の負担を軽減できる。
【0158】請求項2、11〜15に記載の発明によれ
ば、電動モータの消費電流と駆動時間とに基づき求めた
発熱量を積算した積算値を基に求まる電動モータの発熱
温度が閾値を超えたときに電動モータを駆動の合間に休
止させる制御を行う場合、消費電流の取得処理が簡単に
なることから、例えばCPU等の制御処理の負担を軽減
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態におけるプリンタシステムの電気的
構成を示すブロック図。
【図2】印刷装置の要部斜視図。
【図3】DCユニットの電気的構成を示すブロック図。
【図4】(a)モータ電流値と(b)キャリッジ速度の
グラフ。
【図5】モータ電流のグラフであり、(a)は低負荷
時、(b)は高負荷時である。
【図6】CRモータの負荷電流と加減速電流とを説明す
るグラフ。
【図7】基準実効電流テーブルITを示すテーブル図。
【図8】CR1パス時間テーブルPTを示すテーブル
図。
【図9】単位発熱量参照テーブルQTを示すテーブル
図。
【図10】メジャメント処理のフローチャート。
【図11】単位時間当たりのモータ電流と単位発熱量の
関係を示すグラフであり、(a)は休止なし、(b)は
休止ありをそれぞれ示す。
【図12】時間経過による放熱を考慮した発熱温度を求
めるための積算手順を説明するグラフ。
【図13】発熱系の放熱温度曲線を示すグラフ。
【図14】放熱系の放熱温度曲線を示すグラフ。
【図15】発熱制限処理を説明するグラフ。
【図16】休止時間テーブルW1を示すテーブル図。
【図17】休止時間テーブルW2を示すテーブル図。
【図18】発熱制限処理のフローチャート。
【図19】同じくフローチャート。
【符号の説明】
1…記録装置としてのインクジェット式記録装置(プリ
ンタ) 5…移動体としてのキャリッジ 6…電動モータとしてのキャリッジモータ(DCモー
タ) 9…記録ヘッドとしての印刷ヘッド 23…電流実測手段、演算手段、初期制御手段、データ
準備手段、発熱量取得手段、温度推定手段、制御手段及
び休止制御手段を構成するCPU 25…メモリとしてのROM 27…第2のメモリとしてのEEPROM 28…発熱量取得手段を構成するタイマIC 29…初期制御手段、制御手段および休止制御手段を構
成するDCユニット 30…初期制御手段、制御手段、休止制御手段を構成す
るキャリッジモータドライバ IBase…固定電流値としてのイナーシャ電流値 IFuka…負荷電流値 Ipass…1駆動当たりの消費電流値としての1駆動(1
パス)当たりの実効電流値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EB11 EB30 EB39 EB59 EC11 EC36 FA10 5H571 AA20 BB02 BB09 EE02 EE03 GG02 HB01 HC02 HD02 JJ03 JJ17 JJ18 JJ22 JJ23 JJ24 JJ28 KK06 LL07 LL22 LL36 LL41 LL43 MM04 MM06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータの1駆動当たりの消費電流値
    を基に得られる制御情報に基づき前記電動モータを制御
    する記録装置のモータ制御方法であって、 前記電動モータは、移動体を加減速域と定速域とが設定
    された速度設定で1駆動移動させるように速度制御さ
    れ、 前記電動モータの1駆動当たりの消費電流値を、前記移
    動体を移動させるときに該電動モータにかかる負荷に依
    存する負荷電流値と、前記移動体を加減速させるときの
    イナーシャ分に相当する固定電流値とに分け、 予め求めた前記固定電流値をメモリに記憶しておき、 前記定速域の電流を実測して電流実測値を得る段階と、 前記定速域の電流実測値に基づき決まる負荷電流値と、
    前記メモリに記憶されたイナーシャ電流値とを用いて1
    駆動当たりの消費電流値を求める段階とを備えたことを
    特徴とする記録装置におけるモータ制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の記録装置におけるモー
    タ制御方法において、 前記取得した前記電動モータの1駆動当たりの消費電流
    値と駆動時間とに基づき1駆動当たりの発熱量を求める
    段階と、 前記発熱量を積算して前記電動モータの発熱温度を推定
    する段階と、 前記発熱温度が所定の閾値を超えると、前記電動モータ
    を駆動の合間に休止させるように制御する段階とを備え
    たことを特徴とする記録装置におけるモータ制御方法。
  3. 【請求項3】 電動モータの1駆動当たりの消費電流値
    を取得する記録装置における電流値取得装置において、 加減速域と定速域とが設定された1駆動の速度設定で速
    度制御される電動モータと、 前記電動モータの1駆動当たりの消費電流値を、前記電
    動モータにかかる負荷に依存する負荷電流値と、前記負
    荷にほぼ依存しない固定電流値とに分け、予め求めた前
    記固定電流値を記憶するメモリと、 前記定速域の電流を実測して電流実測値を得る電流実測
    手段と、 前記定速域の電流実測値に基づいて決まる負荷電流値
    と、前記メモリに記憶された固定電流値とを用いて1駆
    動当たりの消費電流値を演算する演算手段とを備えたこ
    とを特徴とする記録装置における電流値取得装置。
  4. 【請求項4】 電動モータの1駆動当たりの消費電流値
    を取得する記録装置における電流値取得装置において、 加減速域と定速域とが設定された1駆動の速度設定で速
    度制御される電動モータと、 前記電動モータの1駆動当たりの消費電流値を、前記電
    動モータにかかる負荷に依存する負荷電流値と、前記電
    動モータを加減速させるときのイナーシャ分に相当する
    ほぼ質量依存の固定電流値とに分け、予め求めた前記固
    定電流値を記憶するメモリと、 前記定速域の電流を実測して電流実測値を得る電流実測
    手段と、 前記定速域の電流実測値に基づいて決まる負荷電流値
    と、前記メモリに記憶された固定電流値とを用いて1駆
    動当たりの消費電流値を演算する演算手段とを備えたこ
    とを特徴とする記録装置における電流値取得装置。
  5. 【請求項5】 電動モータの1駆動当たりの消費電流値
    を、該電動モータの制御に使うために取得する記録装置
    における電流値取得装置において、 前記電動モータは、前記移動体を加減速域と定速域とが
    設定された速度設定で1駆動移動させるように速度制御
    され、 前記電動モータの1駆動当たりの消費電流値を、前記移
    動体を移動させるときに該電動モータにかかる負荷に依
    存する負荷電流値と、前記移動体を加減速させるときの
    イナーシャ分に相当するほぼ質量依存の固定電流値とに
    分け、予め求めた前記固定電流値を記憶するメモリと、 前記定速域の電流を実測して電流実測値を得る電流実測
    手段と、 前記定速域の電流実測値に基づき決まる負荷電流値と、
    前記メモリに記憶された固定電流値とを用いて1駆動当
    たりの消費電流値を演算する演算手段とを備えたことを
    特徴とする記録装置における電流値取得装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか一項に記載の記
    録装置における電流値取得装置において、 前記1駆動当たりの消費電流値は、1駆動当たりの実効
    電流値であることを特徴とする記録装置における電流値
    取得装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか一項に記載の記
    録装置における電流値取得装置において、 前記メモリには、前記電動モータの駆動速度と駆動量に
    応じた個々の値を持つ複数の前記固定電流値のデータが
    記憶されていることを特徴とする記録装置における電流
    値取得装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の記録装置における電流
    値取得装置において、 記録装置の電源投入時に、前記電動モータを少なくとも
    1駆動で初期駆動させる初期制御手段と、 前記初期駆動時に前記電動モータが少なくとも1駆動し
    たときの定速域での電流値を実測する前記電流実測手段
    と、 前記メモリに記憶された前記固定電流値のデータと前記
    実測電流値とを用いて、前記電動モータの駆動速度と駆
    動量に応じた複数の消費電流値のデータを算出してメモ
    リに記憶するデータ準備手段とを備えたことを特徴とす
    る記録装置における電流値取得装置。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8のいずれか一項に記載の電
    流値取得装置を備え、 前記演算手段により求められた1駆動当たりの前記電動
    モータの前記消費電流値と駆動時間とに基づき1駆動当
    たりの発熱量を求める発熱量取得手段と、 前記1駆動当たりの発熱量を積算して前記電動モータの
    発熱温度を推定する温度推定手段とを備えたことを特徴
    とする記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の記録装置において、 前記発熱温度が所定の閾値を超えたら、発熱異常と判定
    する判定手段を備えたことを特徴とする記録装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の記録装置において、 前記発熱温度が所定の閾値を超えると、前記電動モータ
    を駆動の合間に休止させるように制御する休止制御手段
    を備えたことを特徴とする記録装置。
  12. 【請求項12】 記録ヘッドを有するキャリッジが主走
    査方向に往復移動することにより前記記録ヘッドによる
    記録媒体への記録が行われるシリアル式の記録装置にお
    いて、 前記キャリッジを主走査方向に往復移動させるために駆
    動される電動モータと、 前記キャリッジを加減速域と定速域とが設定された速度
    設定で駆動させるように前記電動モータを制御する制御
    手段と、 前記キャリッジが1駆動するときの前記電動モータの実
    効電流値を、前記キャリッジを移動させるときに該電動
    モータにかかる負荷に依存する負荷電流値と、キャリッ
    ジ質量にほぼ依存するイナーシャ電流値とに分け、予め
    求められた前記イナーシャ電流値を記憶するメモリと、 前記定速域の電流を実測して電流実測値を得る電流実測
    手段と、 前記定速域の電流実測値に基づき決まる負荷電流値と、
    前記メモリに記憶されたイナーシャ電流値とを用いて実
    効電流値を演算する演算手段と、 前記演算手段により求められた1駆動当たりの前記実効
    電流値と駆動時間とに基づき1駆動当たりの発熱量を演
    算するとともに、該発熱量を逐次積算して前記電動モー
    タの発熱温度を推定する温度推定手段と、 前記発熱温度が所定の閾値を超えると、前記キャリッジ
    の反転時に休止を設けるように前記電動モータを制御す
    る休止制御手段とを備えたことを特徴とする記録装置。
  13. 【請求項13】 記録ヘッドを有するキャリッジが主走
    査方向に往復移動することにより前記記録ヘッドによる
    記録媒体への記録が行われるシリアル式の記録装置にお
    いて、 前記キャリッジを主走査方向に往復移動させるために駆
    動される電動モータと、 前記キャリッジを加減速域と定速域とが設定された速度
    設定で1駆動させるように前記電動モータを制御する制
    御手段と、 前記キャリッジが1駆動するときの前記電動モータの実
    効電流値を、前記キャリッジを移動させるときに前記電
    動モータにかかる負荷に依存する負荷電流値と、キャリ
    ッジ質量にほぼ依存するイナーシャ電流値とに分け、予
    め求められた前記イナーシャ電流値を記憶するメモリ
    と、 前記定速域の電流を実測して電流実測値を得る電流実測
    手段と、 前記定速域の電流実測値に基づき決まる負荷電流値と、
    前記メモリに記憶されたイナーシャ電流値とを用いて実
    効電流値を演算する演算手段と、 前記演算手段により求められた1駆動当たりの前記実効
    電流値と駆動時間とに基づき前記電動モータの発熱温度
    を推定する温度推定手段とを備えたことを特徴とする記
    録装置。
  14. 【請求項14】 請求項9〜13のいずれか一項に記載
    の記録装置において、 前記温度推定手段は、前記発熱量を時間経過による自然
    放熱を考慮した補正演算を伴って逐次積算して熱量の積
    算値を求め、該積算値に基づき前記電動モータの発熱温
    度を推定することを特徴とする記録装置。
  15. 【請求項15】 請求項9〜請求項14のいずれか一項
    に記載の記録装置において、 電源切断時に直前の前記発熱温度を記憶する第2のメモ
    リを備え、 電源投入時に前記第2のメモリに記憶された前記発熱温
    度を読み出して初期値として使用することを特徴とする
    記録装置。
JP2001265122A 2001-08-31 2001-08-31 記録装置におけるモータ制御方法、電流値取得装置及び記録装置 Pending JP2003079178A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001265122A JP2003079178A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 記録装置におけるモータ制御方法、電流値取得装置及び記録装置
US10/232,833 US6719396B2 (en) 2001-08-31 2002-09-03 Motor control method in recording apparatus and recording apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001265122A JP2003079178A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 記録装置におけるモータ制御方法、電流値取得装置及び記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003079178A true JP2003079178A (ja) 2003-03-14

Family

ID=19091630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001265122A Pending JP2003079178A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 記録装置におけるモータ制御方法、電流値取得装置及び記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003079178A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7194339B2 (en) 2004-03-31 2007-03-20 Seiko Epson Corporation Method of controlling motor, motor control device, and printing method
JP2010134407A (ja) * 2008-10-30 2010-06-17 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
US9559626B2 (en) 2014-03-17 2017-01-31 Lsis Co., Ltd. Apparatus for controlling motor in electric vehicle and method for preventing overheating of traction motor

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7194339B2 (en) 2004-03-31 2007-03-20 Seiko Epson Corporation Method of controlling motor, motor control device, and printing method
JP2010134407A (ja) * 2008-10-30 2010-06-17 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
US9559626B2 (en) 2014-03-17 2017-01-31 Lsis Co., Ltd. Apparatus for controlling motor in electric vehicle and method for preventing overheating of traction motor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6719396B2 (en) Motor control method in recording apparatus and recording apparatus
US7417400B2 (en) Motor controller
US7132814B2 (en) Method of calculating correction value and method of manufacturing printer
JP4396089B2 (ja) 記録装置におけるモータ制御方法及び記録装置
JP3941438B2 (ja) 記録装置におけるモータ制御方法及び記録装置
JP5929343B2 (ja) 負荷制御装置,画像形成装置及び負荷制御方法
US7821216B2 (en) Motor control method and control device
JP2003079178A (ja) 記録装置におけるモータ制御方法、電流値取得装置及び記録装置
JP3956922B2 (ja) モータ制御方法及び制御装置
JP3570617B2 (ja) Dcモータ制御装置及び制御方法
JP2005153258A (ja) プリンタ制御装置及びプリンタ制御方法並びにプリンタ
JP2019166761A (ja) モーター制御方法およびモーター制御装置
US7194339B2 (en) Method of controlling motor, motor control device, and printing method
JP2003079172A (ja) モータ制御装置及びプリンタ
JP2005102345A (ja) 記録装置
JP3690374B2 (ja) モータ制御方法およびモータ制御装置
JP3714253B2 (ja) 直流モータの速度制御装置
US7764037B2 (en) Electronic apparatus and method of controlling electric motor mounted in electronic apparatus
JP2002186285A (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2008245446A (ja) 電子機器、及び電子機器における電動機の制御方法
JP3305065B2 (ja) ワイヤドットプリンタおよびワイヤドットプリンタの印字ヘッド制御方法
JP2005178142A (ja) プリンタ制御装置及びプリンタ制御方法並びにプリンタ
JP3871185B2 (ja) 印刷制御装置および印刷制御方法ならびに印刷制御プログラムを記録した記録媒体
JP2008072805A (ja) モータ制御装置、及び、モータ制御方法
JP2008245448A (ja) 電子機器、及び電子機器における電動機の制御方法