JP2003073942A - コアスパン糸およびその製造方法 - Google Patents

コアスパン糸およびその製造方法

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Hironori Uranaka
宏典 浦中
Masakata Shiba
正名 斯波
Kenro Kamiya
建郎 神谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生地が薄く、フラット感があり、吸湿性、保温
性、形態安定性に優れ、ウール等の獣毛繊維独特のぬめ
り感、しなやかな触感を有するソフトレッチ布帛を得る
こと 【解決手段】芯糸と鞘糸からなるコアスパン糸であっ
て、芯糸に構成成分の一方がポリエチレンテレフタレー
トを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレンテ
レフタレートを主成分とするサイドバイサイド型または
偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維を用
い、鞘糸に獣毛繊維を用いてなることを特徴とするコア
スパン糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コアスパン糸およ
びその製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明のコアスパン糸を
用い、高次加工して、衣服などに使用することにより、
耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄くフラット
感があり、ドライかつソフトな触感を有するストレッチ
布帛を得ることができるというコアスパン糸およびその
製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より、獣毛繊維製品において、スト
レッチ性を付与するため、ポリウレタン系弾性繊維と獣
毛繊維を交編、交織したり、合撚したものが用いられて
きた。しかし、このような方法で得られた編織物は、フ
ィット性、伸縮性に優れたものを得ることができるが、
風合いが硬くなり、ドレープ性が低下し、布帛が厚くな
るため消費者の要求を満たす十分な特性を得ることがで
きなかった。さらに、一般にポリウレタン系弾性繊維は
その化学構造から、塩素により脆化しやすく、光やガス
により黄化しやすい欠点を有し、従来よりその塩素、
光、ガスに対する耐久性、耐黄化性を向上させる技術が
開示されてきたが、不十分であり、これら欠点を改善で
きる加工糸の開発が急がれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高次
加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得ら
れなかった染色性、染色堅牢度、ソフトな風合い、耐久
性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄くフラット感が
あり、ドライかつソフトな触感を有するストレッチ布帛
を得ることができるコアスパン糸およびその製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のコアスパン糸
は、前記課題を解決するため以下の手段を採用する。
【0006】すなわち、芯糸と鞘糸からなるコアスパン
糸であって、芯糸に構成成分の一方がポリエチレンテレ
フタレートを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメ
チレンテレフタレートを主成分とするサイドバイサイド
型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合
繊維を用い、鞘糸に獣毛繊維を用いてなることを特徴と
するコアスパン糸である。
【0007】本発明のコアスパン糸の製造方法は、前記
課題を解決するため以下の手段を採用する。
【0008】すなわち、構成成分の一方がポリエチレン
テレフタレートを主成分とし、他方の構成成分がポリト
リメチレンテレフタレートを主成分とするサイドバイサ
イド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系
複合繊維を芯糸として用い、鞘糸に獣毛を用いることを
特徴とするコアスパン糸の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコアスパン糸につ
いて説明する。図1は本発明のコアスパン糸の一例を示
す概略側面図である。本発明のコアスパン糸(ハ)は、
芯糸である顕在捲縮を有する前記ポリエステル系複合繊
維(イ)に鞘糸である獣毛繊維(ロ)が撚回しながら被
覆した芯鞘構造を有するコアスパン糸である。図2は9
8℃で30分間、無荷重状態で沸騰水処理された本発明
のコアスパン糸(へ)の側面概略図である。沸騰水処理
により、前記ポリエステル系複合繊維(ニ)が、高収縮
しながら、潜在捲縮が発現することにより、本発明のコ
アスパン糸は適度な糸長差と捲縮を発生し、かさ高でス
トレッチ性に富んだものとなるのである。
【0010】本発明のコアスパン糸の芯糸は、構成成分
の一方がポリエチレンテレフタレートを主成分とし、他
方の構成成分がポリトリメチレンテレフタレートを主成
分とするサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型
であるポリエステル系複合繊維を用いてなる。
【0011】前記ポリエステル系複合繊維において極限
粘度の異なる重合体を貼り合わせることによって、紡
糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、2成分間
で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差
および布帛の熱処理工程での熱収縮差により高粘度側が
大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲
縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単繊維長
当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮
差(弾性回復率差を含む)によって決まるといってもよ
く、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長
当たりのコイル数が多くなる。
【0012】ストレッチ素材として要求されるコイル捲
縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多い(伸長特性に優れ、見映えがよい)、コイルの耐
へたり性がよい(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が
小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイル
の伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸
縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体
には高い伸長性および回復性が要求される。そこで、本
発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特
性を満足させるために鋭意検討した結果、低収縮成分に
ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、高収縮成分
に、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポ
リエステル複合繊維を用いることを見いだした。ポリト
リメチレンテレフタレート繊維は、代表的なポリエステ
ル繊維であるポリエチレンテレフタレート繊維やポリブ
チレンテレフタレート繊維と同等の力学的特性や化学的
特性を有しつつ、伸長回復性がきわめて優れている。こ
れは、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶構造にお
いてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−
ゴーシュ構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さ
らにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並
列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高
いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸
長・回復するためと考えている。
【0013】本発明のコアスパン糸における芯糸の構成
成分であるポリエチレンテレフタレートとは、エチレン
テレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリマ
ー成分からなるものが好ましい。すなわち、本発明にお
けるポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル
酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグ
リコ−ル成分として得られるポリエステルが好ましい。
ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が2
0モル%以下の割合で含まれるものも好ましく、10モ
ル%以下の割合で含まれるものはより好ましい。共重合
可能な化合物として、たとえばスルフォン酸、ナトリウ
ムスルフォン酸、硫酸、硫酸エステル、硫酸ジエチル、
硫酸エチル、脂肪族スルフォン酸、エタンスルフォン
酸、クロロベンゼンスルフォン酸、脂環式スルフォン
酸、イソフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマ
ー酸、アジピン酸、シュウ酸、デカンジカルボン酸など
のジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロ
ラクトンなどのヒドロキシカルボン酸などのジカルボン
サン類、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ハイドロキノン、ビスフェノールAなどのジオ
ール類が好ましく使用される。
【0014】また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸
化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗
酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な
どを添加してもよい。
【0015】本発明のコアスパン糸における芯糸の他の
構成成分であるポリトリメチレンテレフタレートとは、
トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位
とする重合体成分からなるものが好ましい。
【0016】すなわち、本発明におけるポリトリメチレ
ンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成
分とし、1,3プロパンジオ−ルを主たるグリコ−ル成
分として得られるポリエステルが好ましい。ただし、他
のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以
下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下の
割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能な化合
物として、たとえばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどのジオール類が好ましく使用され
る。
【0017】また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸
化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗
酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な
どを添加してもよい。
【0018】本発明において、コイル状捲縮を発現さ
せ、編織物を形成した際に所望の伸縮性を得る観点か
ら、ポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度は1.
0以上であるのが好ましく、1.2以上であるのがより
好ましい。
【0019】本発明で使用するポリエステル系複合繊維
の単糸断面形状はサイドバイサイド型または偏芯シース
・コア型とするものである。
【0020】断面形状がサイドバイサイド型または偏芯
シース・コア型でないと、糸条に熱が付与された際に、
コイル状捲縮が発現せず、糸条に伸縮性を付与すること
ができない問題がある。
【0021】また、ポリエステル系複合繊維におけるポ
リエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタ
レートの重量比率は、製糸性および繊維長さ方向のコイ
ルの寸法均質性の観点から30/70以上70/30以
下の範囲であることが好ましい。
【0022】ポリエステル系複合繊維の繊度は、用途目
的に応じて20デシテックス以上1000デシテックス
以下の範囲が好ましい。
【0023】さらにポリエステル系複合繊維の単糸繊度
は、用途に応じて0.4デシテックス以上25デシテッ
クス以下の範囲が好ましい。
【0024】本発明において鞘糸には獣毛繊維を用いる
ことが不可欠である。鞘糸に獣毛繊維を用いることによ
り、編織物にしたときの高級な紡毛調あるい梳毛調の外
観およびぬめり感のある風合い、優れた保温性、吸湿性
を実現することができる。
【0025】獣毛繊維は獣毛を紡績して作られ、紡毛糸
と梳毛糸とがあり、いずれを用いてもよい。
【0026】また、単独で紡績されたものまたは混紡さ
れたもののいずれであってもよい。これらは、撚糸加工
しやすい安定した糸条であることが好ましい。
【0027】本発明で使用する獣毛の種類としては、羊
毛、カシミア、モヘア、キャメル、アルパカ、アンゴラ
などが好ましく、伸縮性に優れている点から、羊毛が特
に好ましい。
【0028】羊毛の種類としては、一般衣料に最も用い
られているメリノ種をはじめ、リンカーン種、レスター
種、ロンニー種、マーシュ種、サウスダウン種、シロッ
プシャー種、チェビオット種などあるがいずれの種から
採取される羊毛でも良い。羊毛は、パラコルテックスと
オルソコルテックスと呼ばれる異なる2成分が貼り合わ
されてなり、パラコルテックスのほうがいくらか成長が
少ないことから、パラコルテックス側に引きつれながら
成長するため、バイラテラル構造と呼ばれる螺旋バネ状
の捲縮を有しているため、伸縮性に優れ、本発明の鞘糸
として用いるに好適である。獣毛繊維の種類、繊度など
は、コアスパン糸の光沢、形態、伸縮性、風合いなどを
考慮して、適宜選択すればよい。
【0029】特に鞘糸の粗糸繊度は、用途目的に応じて
800デシテックス以上40000デシテックス以下の
範囲が好ましく、ドラフト後の鞘糸の繊度は、20デシ
テックス以上1000デシテックス以下の範囲が好まし
い。
【0030】さらに、鞘糸の単糸繊度は、用途に応じて
0.4デシテックス以上25デシテックス以下の範囲が
好ましい。
【0031】本発明におけるコアスパン糸とは、芯糸が
フイラメントで鞘糸が短繊維束、粗糸、もしくは紡績糸
からなる加工糸であり、例えば、精紡工程中で芯糸に粗
糸をドラフトしながら巻き付けることにより得られる。
【0032】次に本発明のコアスパン糸の製造方法につ
いて図3を用いて説明する。
【0033】図3は市販の精紡機を用いて本発明のコア
スパン糸を製造する一例を示す概略模式図である。
【0034】本発明においてポリエステル系複合繊維と
獣毛繊維を用いる。ポリエステル系複合繊維はフィラメ
ント糸として、獣毛繊維は紡績糸の粗糸を用いる。
【0035】図3において、芯糸1として用いるポリエ
ステル系複合繊維は、コイル状の顕在捲縮を有し、顕在
捲縮を伸ばした状態で精紡合撚することにより、撚上が
りの状態で、コアスパン糸の被覆性を向上させる観点か
ら、鞘糸2である獣毛繊維とデリベリローラ7で引き揃
える前に、フィードローラ4とデリベリローラ7の間で
1.02〜1.70倍のドラフトをかけることが好まし
い。
【0036】または、0.01cN/dtex以上のテ
ンションがかかるようにすることが好ましい。
【0037】テンションをかける方法としては、ワッシ
ャーテンサやマグネットテンサなどを挿入することが好
ましい。図3では、ワッシャーテンサ3が用いられてい
る。
【0038】一方、獣毛繊維粗糸である鞘糸2は芯糸1
とデリベリローラ7で引き揃える前に、25〜50倍で
ドラフトをかけることが好ましい。デリベリローラ7上
で引き揃えられた糸条はスピンドルを回転させることに
より合撚され、スネルガイド8を介して、巻き取りパッ
ケージ9に巻き取られる。
【0039】また、精紡合撚の際のヨリ数は、布帛を形
成し、熱処理した後、被覆性を十分なものとし、目向き
の発生を防止し、ふかつき感のないものとする観点、芯
糸が鞘糸に拘束されないようにして、布帛の伸縮性が大
幅に低減することと風合いが硬くなることを防止する観
点から、鞘糸の繊度、フィラメント数により適宜選択す
ればよいが、100〜2000T/mの範囲であること
が好ましい。
【0040】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。
【0041】なお実施例中の極限粘度(η)は次の方法
で求めた。ただし、本発明がこれら実施例により限定さ
れるものではない。 [極限粘度(η)]オルソクロロフェノール10mlに
対し試料0.10gを溶解し、温度25℃においてオス
トワルド粘度計を用いて測定した。
【0042】[実施例1]極限粘度が1.31のポリト
リメチレンテレフタレートと極限粘度が0.52のポリ
エチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、紡糸
温度260℃で24孔の複合紡糸口金よりポリエチレン
テレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの重
量比率が50/50となるように吐出し、紡糸速度14
00m/分で引き取り、165dtex24フィラメン
トの未延伸糸を得た。さらに、ホットロール−熱板系延
伸機を用い、ホットロール温度70℃、熱板温度145
℃延伸倍率3.0で延伸して、55dtex24フィラ
メントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維
(延伸糸)を得た。得られたポリエステル系複合繊維を
芯糸とし、ウール粗糸を鞘糸として用い、図3のような
精紡工程を使用して、以下の条件で精紡合撚を施した。
なお、前記ポリエステル系複合繊維は、相手素材である
ウール粗糸と引き揃えられる前に0.01cN/dte
x以上プレテンションがかかるように、ワッシャーテン
サを介して、給糸し、プレドラフトした。
【0043】芯糸のプレテンション:4g 芯糸のドラフト:1.1 粗糸のドラフト:40 ヨリ数:Z300T/m 得られたコアスパン糸を用いて、28ゲージ、1口編機
で編成し、分散染料と酸性染料で一浴染色し、仕上げ加
工した結果、優美で梳毛調の外観を有し、生地が薄く、
フラット感があり、シボ、しわが発生しにくく、吸湿
性、保温性、形態安定性に優れ、ぬめり感、しなやかな
触感を有するストレッチ性が良好であり、アウターウェ
ア、シャツ、ソックスに好適な編地を得た。
【0044】[実施例2]実施例1で使用したものと同
じ55dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維を芯糸とし、鞘糸としてウール
粗糸を用い実施例1と同様に以下の条件で精紡合撚を実
施し、コアスパン糸を得た。
【0045】芯糸のプレテンション:4g 芯糸のドラフト:1.1 粗糸のドラフト:40 ヨリ数:Z550T/m 得られたコアスパン糸を用いて、28ゲージ、1口編機
で編成し、ポリエステル用分散染料と酸性染料で一浴染
色し、仕上げ加工した結果、優美で梳毛調の外観で、生
地が薄く、高級感のあるシボを有し、吸湿性、保温性、
形態安定性に優れ、ドライかつヌメリ感のあるストレッ
チ性の良好な編地を得た。
【0046】[比較例1]20dtexのポリウレタン
糸とウール粗糸を用い、実施例1と同様に以下の条件で
精紡合撚し、コアスパン糸を得た。ただし、ポリウレタ
ン糸の給糸は、図4の様に、転がし給糸で行い、給糸ロ
ーラとデリベリーローラ間でポリウレタン糸のみプレド
ラフトを実施した後、ウール粗糸と引き揃えて精紡合撚
した。
【0047】芯糸のドラフト:3.7 粗糸のドラフト:40 ヨリ数:Z300T/m 得られた合撚糸を用いて、実施例1と同様に、28ゲー
ジ、1口編機で編成し、酸性染料で染色、仕上げ加工し
た結果、高レベルの伸縮性はあるものの、着用時の耐久
性、耐塩素性、耐光性に劣り、生地が厚く、風合いの硬
い編地を得た。
【0048】[比較例2]実施例1で使用したものと同
じ55dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維を芯糸とし、鞘糸としてポリプ
ロピレン粗糸を用い比較例1と同様に以下の条件で精紡
合撚を施した。
【0049】芯糸のプレテンション:4g 芯糸のドラフト:1.1倍 粗糸のドラフト:40 ヨリ数:Z300T/m 得られたコアスパン糸を用いて、28ゲージ、1口編機
で編成し、精練し、仕上げ加工した結果、ストレッチ性
は実施例1と同様のものが得られたが、吸湿性、保温
性、形態安定性に劣り、満足のいく編地は得られなかっ
た。
【0050】
【発明の効果】本発明のコアスパン糸を用いることによ
り、生地が薄く、フラット感があり、吸湿性、保温性、
形態安定性に優れ、ウール等の獣毛繊維独特のぬめり
感、しなやかな触感を有するソフトレッチ布帛を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコアスパン糸の一例を示す概略側面図
である。
【図2】無荷重状態で沸騰水処理された本発明のコアス
パン糸の一例を示す概略側面図である。
【図3】本発明のコアスパン糸を得るための加工工程の
一例を示す概略模式図である。
【符号の説明】
(イ):ポリエステル系複合繊維 (ロ):獣毛繊維 (ハ):コアスパン糸 (ニ):ポリエステル系複合繊維 (ホ):獣毛繊維 (ヘ):コアスパン糸 1:ポリエステル系複合繊維 2:獣毛繊維 3:ワッシャーテンサ 4:フィードローラ 5:フィードローラ 6:ガイド 7:デリベリローラ 8:スネルガイド 9:巻き取りパッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 建郎 滋賀県大津市園山1丁目1番2号 東レ・ デュポン株式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4L036 MA05 MA10 MA15 MA17 MA24 MA33 MA35 MA37 MA39 PA18 PA21 PA31 PA46 RA03 RA25 UA01 4L041 AA07 BA02 BA05 BA09 BA22 BB08 BC05 CA06 CA08 DD10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯糸と鞘糸からなるコアスパン糸であっ
    て、芯糸に構成成分の一方がポリエチレンテレフタレー
    トを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレンテ
    レフタレートを主成分とするサイドバイサイド型または
    偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維を用
    い、鞘糸に獣毛繊維を用いてなることを特徴とするコア
    スパン糸。
  2. 【請求項2】前記ポリエステル系複合繊維のポリエチレ
    ンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの
    重量比率が30/70〜70/30であることを特徴と
    する請求項1に記載のコアスパン糸。
  3. 【請求項3】構成成分の一方がポリエチレンテレフタレ
    ートを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレン
    テレフタレートを主成分とするサイドバイサイド型また
    は偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維を
    芯糸として用い、鞘糸に獣毛を用いることを特徴とする
    コアスパン糸の製造方法。
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