JP2003071625A - エンドミル - Google Patents
エンドミルInfo
- Publication number
- JP2003071625A JP2003071625A JP2001260710A JP2001260710A JP2003071625A JP 2003071625 A JP2003071625 A JP 2003071625A JP 2001260710 A JP2001260710 A JP 2001260710A JP 2001260710 A JP2001260710 A JP 2001260710A JP 2003071625 A JP2003071625 A JP 2003071625A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blade
- outer peripheral
- tool
- radius
- flank
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23C—MILLING
- B23C5/00—Milling-cutters
- B23C5/02—Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
- B23C5/1009—Ball nose end mills
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Milling Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】縦壁に近い壁面を有する3次元曲面を含む金型
や機械部品等の仕上げ加工において、高精度に加工でき
るエンドミルを提供するものである。 【解決手段】工具先端部にねじれを有する略1/4円弧
状のアール刃1と工具外周にねじれを有する外周刃3と
を有するエンドミルにおいて、該アール刃のすくい面2
と該外周刃のすくい面4との境界線の一端と、該アール
刃の逃げ面7と該外周刃の逃げ面8との境界線の一端と
が、切れ刃稜線上の点で略一致することを特徴とするエ
ンドミル。
や機械部品等の仕上げ加工において、高精度に加工でき
るエンドミルを提供するものである。 【解決手段】工具先端部にねじれを有する略1/4円弧
状のアール刃1と工具外周にねじれを有する外周刃3と
を有するエンドミルにおいて、該アール刃のすくい面2
と該外周刃のすくい面4との境界線の一端と、該アール
刃の逃げ面7と該外周刃の逃げ面8との境界線の一端と
が、切れ刃稜線上の点で略一致することを特徴とするエ
ンドミル。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械で用いるボー
ルエンドミルやラジアスエンドミル等の工具先端部にア
ール刃を有するエンドミルに関するものであり、特に縦
壁に近い壁面を有する3次元曲面を含む金型や機械部品
等の仕上げ加工に用いるエンドミルに関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】金型加工および部品加工の3次元曲面の
仕上げ加工には、一般にボ−ルエンドミルやラジアスエ
ンドミルが用いられている。3次元曲面形状を創成する
時はアール刃部分を用いて加工し、壁面加工時には外周
刃を主に用い加工する。従来、アール刃を確実に外周刃
と繋ぐために、アール刃のすくい面が外周刃部分まで伸
延しており、アール刃のすくい面加工時の砥石干渉によ
り、アール刃と外周刃の繋ぎ部の外周刃部分が削られ、
外周刃の定常部の刃径より小さくなり、又、砥石干渉を
避けようとすると、アール刃と外周刃の繋ぎ部のアール
刃部分が膨らみ、工具の形状精度が劣っていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ボールエンドミルは、ボ−ルエンドミルやラジアスエン
ドミルは、アール刃のアール精度が主とされていたた
め、アール刃と外周刃が連接する部分の精度について
は、ほとんど着目されていなかった。そのため、アール
刃と外周刃が連接する部分は異常摩耗を発生しやすく、
又、縦壁に近い壁面の加工する場合、高精度な加工形状
が得難いという課題があった。 【0004】 【発明の目的】本発明は、以上の課題を解決するために
なされたものであり、縦壁に近い壁面を有する3次元曲
面を含む金型や機械部品等の仕上げ加工において、高精
度に加工できるエンドミルを提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、工具先端部に略1/4円弧状のアール
刃と工具外周に外周刃とを有するエンドミルにおいて、
該アール刃のすくい面と該外周刃のすくい面との境界線
の一端と、該アール刃の逃げ面と該外周刃の逃げ面との
境界線の一端とが、切れ刃稜線上の点で略一致すること
を特徴とするエンドミルである。上記構成をとることに
より、ほとんど砥石干渉がなく、アール刃と外周刃の繋
ぎ部において、容易に正規の形状が得ることができた。
ここで略一致とは、該アール刃のすくい面と該外周刃の
すくい面との境界線の一端と、該アール刃の逃げ面と該
外周刃の逃げ面との境界線の一端との差が、工具軸方向
でアール刃半径に対して5%以下の範囲とした。 【0006】 【実施の形態】アール刃の法線方向断面視におけるアー
ル刃すくい面の長さを、アール刃60°部付近からアー
ル刃90°部、即ちアール刃と外周刃の繋ぎ部に向かっ
て連続的に短くし、ほぼアール刃90°部でアール刃す
くい面の長さを0にしても良く、更に、ほぼアール刃9
0°部で工具径方向のすくい角が5°以上極端に変化す
るすくい角の変化点としても良く、アール刃のすくい面
と外周刃のすくい面との境界線の一端と、アール刃の逃
げ面と外周刃の逃げ面との境界線の一端とが、切れ刃稜
線上の点で略一致することができる。 【0007】又、該アール刃と該外周刃の繋ぎ部付近
で、該アール刃のねじれ角と該外周刃のねじれ角の角度
差が10°未満にしても良く、僅かに砥石干渉が生じた
場合においても、アール刃と外周刃の繋ぎ部が滑らかに
なった分、砥石干渉による外周刃部分の削り量を最小限
に抑えることができる。このため、角度差は、出来る限
り小さい方が良く、10°未満にしたのは、10°以上
では、アール刃と外周刃の繋ぎ部の外周刃部分の刃径
が、外周刃の定常部の刃径より小さくなる傾向が大きく
なるからである。以下、実施例に基づき、本発明を具体
的に説明する。 【0008】(実施例1)図1、図2は、本発明例1と
して、ラジアスエンドミルに適用した例のアール刃1の
すくい面側及び逃げ面側から見た拡大図である。工具先
端部からアール刃1のすくい面2と外周刃3のすくい面
4との境界線5の一端までの工具軸方向長さ6と、アー
ル刃1の逃げ面7と外周刃3の逃げ面8との境界線9の
一端までの工具軸方向長さ10とをほぼ同じ長さとし、
切れ刃稜線上の点で略一致させたものである。又、図
3、図4は、従来例2として、アール刃1のすくい面側
及び逃げ面側から見た拡大図であり、アール刃1のすく
い面2が外周刃3部分まで伸延しており、アール刃1の
すくい面2と外周刃3のすくい面4との境界線5の一端
までの工具軸方向長さ6と、アール刃1の逃げ面7と外
周刃3の逃げ面8との境界線9の一端までの工具軸方向
長さ10との差が、工具軸方向でアール刃半径に対して
10%以上離れている。 【0009】上記、本発明例1と従来例2、3とを、素
材に超微粒子超硬合金を使用し、工具径12mm、コー
ナアール半径2mm、3枚刃、外周ねじれ角30°で製
作し、TiAlNコーティングを施し、工具形状精度の
比較を行った。ここで、本発明例1については、アール
刃の法線方向断面視におけるアール刃すくい面の長さ
を、アール刃60°部付近からアール刃90°部、即ち
アール刃と外周刃の繋ぎ部に向かって連続的に短くし、
ほぼアール刃90°部でアール刃すくい面の長さを0に
し、ほぼアール刃90°部で工具径方向のすくい角が−
5°から+5°に極端に変化するすくい角変化点とし
た。又、従来例2は、砥石干渉のあるもの、従来例4は
砥石干渉を避けたもので行った。その結果を図5〜図7
に示す。本発明例1は、ほぼ正規の形状と一致している
のに対し、従来例2は、アール刃と外周刃の繋ぎ部の外
周刃部分が凹状になっており、外周刃の定常部の刃径よ
り小さくなっていた。又、従来例3は、アール刃と外周
刃の繋ぎ部のアール刃部分が膨らみ、従来例2、3とも
に、アール刃と外周刃の繋ぎ部付近において、正規の形
状から外れ、工具の形状精度が得られていなかった。 【0010】更に、本発明例1と従来例2、3を用いて
切削テストを行った。切削諸元は、被削材は、構造用炭
素鋼のS55C材を用い、側面仕上げ加工を、回転数1
300回転、送り速度270mm/min、工具径方向
切り込み0.05mm、工具軸方向切り込み10mm、
水溶性切削液を用いた湿式、ダウンカットで行い、加工
精度と工具摩耗状態を観察した。その結果、本発明例1
は、良好な加工精度が得られ、工具摩耗状態も微小且つ
均一な通常摩耗であった。従来例2、3は、工具精度が
そのまま被削材に転写され、加工精度が劣り、アール刃
と外周刃の繋ぎ部付近で加工されたところに段差を生じ
た。又、工具摩耗状態もアール刃と外周刃の繋ぎ部付近
が突出した状態のために、この部位の摩耗が他の部位と
比較して大きくなっていた。 【0011】(実施例2)次に、実施例1ラジアスエン
ドミルを使用して、被削材にHRC40のプリハードン
鋼を用い、長さ150mm、幅18mm、深さ30m
m、側壁の片角3°の溝状のポケット嵌め合い部の加工
を、回転数2600回転、送り速度780mm/mi
n、工具軸方向ピッチ0.1mmで、エアブローで等高
線加工を行い、加工精度と工具摩耗状態を観察した。そ
の結果、本発明例1は、良好な加工面、加工精度が得ら
れ、嵌め合い状態も良く、工具摩耗状態も微小且つ均一
な通常摩耗であった。従来例2は、アール刃と外周刃の
繋ぎ部の外周刃部分が凹状になっており、外周刃の定常
部の刃径より小さいことから、削り残しが生じ、嵌め合
いが悪く、加工精度が満足できない状態であり、工具摩
耗状態もアール刃と外周刃の繋ぎ部付近の摩耗が大きく
なっていた。従来品3は、アール刃と外周刃の繋ぎ部の
アール刃部分が膨らんでいることから、切削初期は削り
過ぎとなり、底部付近を加工する時には、すでにこの部
位の摩耗が極端に大きく、一部チッピングを生じていた
ため、削り残しとなり、加工精度が非常に悪かった。更
に、従来例2、3ともに、テーパ状の側壁面において、
工具送り方向に多数の筋が見られ、底部に近づくに従っ
て、ムシレた加工面になっていた。 【0012】(実施例3)次に、本発明例1において、
該アール刃と該外周刃の繋ぎ部付近で、該アール刃のね
じれ角を本発明例4として10°、本発明例5として1
5°、本発明例6として20°、本発明例7として22
°、本発明例8として24°、を製作し、工具形状精度
の比較を行った。ここで、アール刃のすくい面と外周刃
のすくい面との境界線の一端と、アール刃の逃げ面と外
周刃の逃げ面との境界線の一端との差を、工具軸方向
で、許容最大値であるアール刃半径に対して5%、即ち
0.1mmとした。その結果、本発明例4〜8では、ア
ール刃と外周刃の繋ぎ部の外周刃部分が凹状になってい
るものの、その凹み量は2μm未満であり、工具精度
上、全く問題にならないものであった。その中でも、角
度差が小さくなるほど、凹状の曲率及び凹み量が小さく
なる傾向があり、本発明例6で凹み量1μm未満、本発
明例7、8になると、凹状がほとんど判別つかない状態
であった。 【0013】 【発明の効果】以上のように本発明を適用することによ
り、縦壁に近い壁面を有する3次元曲面を含む金型や機
械部品等の仕上げ加工において、高精度に加工できるエ
ンドミルを提供することができた。
ルエンドミルやラジアスエンドミル等の工具先端部にア
ール刃を有するエンドミルに関するものであり、特に縦
壁に近い壁面を有する3次元曲面を含む金型や機械部品
等の仕上げ加工に用いるエンドミルに関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】金型加工および部品加工の3次元曲面の
仕上げ加工には、一般にボ−ルエンドミルやラジアスエ
ンドミルが用いられている。3次元曲面形状を創成する
時はアール刃部分を用いて加工し、壁面加工時には外周
刃を主に用い加工する。従来、アール刃を確実に外周刃
と繋ぐために、アール刃のすくい面が外周刃部分まで伸
延しており、アール刃のすくい面加工時の砥石干渉によ
り、アール刃と外周刃の繋ぎ部の外周刃部分が削られ、
外周刃の定常部の刃径より小さくなり、又、砥石干渉を
避けようとすると、アール刃と外周刃の繋ぎ部のアール
刃部分が膨らみ、工具の形状精度が劣っていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ボールエンドミルは、ボ−ルエンドミルやラジアスエン
ドミルは、アール刃のアール精度が主とされていたた
め、アール刃と外周刃が連接する部分の精度について
は、ほとんど着目されていなかった。そのため、アール
刃と外周刃が連接する部分は異常摩耗を発生しやすく、
又、縦壁に近い壁面の加工する場合、高精度な加工形状
が得難いという課題があった。 【0004】 【発明の目的】本発明は、以上の課題を解決するために
なされたものであり、縦壁に近い壁面を有する3次元曲
面を含む金型や機械部品等の仕上げ加工において、高精
度に加工できるエンドミルを提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、工具先端部に略1/4円弧状のアール
刃と工具外周に外周刃とを有するエンドミルにおいて、
該アール刃のすくい面と該外周刃のすくい面との境界線
の一端と、該アール刃の逃げ面と該外周刃の逃げ面との
境界線の一端とが、切れ刃稜線上の点で略一致すること
を特徴とするエンドミルである。上記構成をとることに
より、ほとんど砥石干渉がなく、アール刃と外周刃の繋
ぎ部において、容易に正規の形状が得ることができた。
ここで略一致とは、該アール刃のすくい面と該外周刃の
すくい面との境界線の一端と、該アール刃の逃げ面と該
外周刃の逃げ面との境界線の一端との差が、工具軸方向
でアール刃半径に対して5%以下の範囲とした。 【0006】 【実施の形態】アール刃の法線方向断面視におけるアー
ル刃すくい面の長さを、アール刃60°部付近からアー
ル刃90°部、即ちアール刃と外周刃の繋ぎ部に向かっ
て連続的に短くし、ほぼアール刃90°部でアール刃す
くい面の長さを0にしても良く、更に、ほぼアール刃9
0°部で工具径方向のすくい角が5°以上極端に変化す
るすくい角の変化点としても良く、アール刃のすくい面
と外周刃のすくい面との境界線の一端と、アール刃の逃
げ面と外周刃の逃げ面との境界線の一端とが、切れ刃稜
線上の点で略一致することができる。 【0007】又、該アール刃と該外周刃の繋ぎ部付近
で、該アール刃のねじれ角と該外周刃のねじれ角の角度
差が10°未満にしても良く、僅かに砥石干渉が生じた
場合においても、アール刃と外周刃の繋ぎ部が滑らかに
なった分、砥石干渉による外周刃部分の削り量を最小限
に抑えることができる。このため、角度差は、出来る限
り小さい方が良く、10°未満にしたのは、10°以上
では、アール刃と外周刃の繋ぎ部の外周刃部分の刃径
が、外周刃の定常部の刃径より小さくなる傾向が大きく
なるからである。以下、実施例に基づき、本発明を具体
的に説明する。 【0008】(実施例1)図1、図2は、本発明例1と
して、ラジアスエンドミルに適用した例のアール刃1の
すくい面側及び逃げ面側から見た拡大図である。工具先
端部からアール刃1のすくい面2と外周刃3のすくい面
4との境界線5の一端までの工具軸方向長さ6と、アー
ル刃1の逃げ面7と外周刃3の逃げ面8との境界線9の
一端までの工具軸方向長さ10とをほぼ同じ長さとし、
切れ刃稜線上の点で略一致させたものである。又、図
3、図4は、従来例2として、アール刃1のすくい面側
及び逃げ面側から見た拡大図であり、アール刃1のすく
い面2が外周刃3部分まで伸延しており、アール刃1の
すくい面2と外周刃3のすくい面4との境界線5の一端
までの工具軸方向長さ6と、アール刃1の逃げ面7と外
周刃3の逃げ面8との境界線9の一端までの工具軸方向
長さ10との差が、工具軸方向でアール刃半径に対して
10%以上離れている。 【0009】上記、本発明例1と従来例2、3とを、素
材に超微粒子超硬合金を使用し、工具径12mm、コー
ナアール半径2mm、3枚刃、外周ねじれ角30°で製
作し、TiAlNコーティングを施し、工具形状精度の
比較を行った。ここで、本発明例1については、アール
刃の法線方向断面視におけるアール刃すくい面の長さ
を、アール刃60°部付近からアール刃90°部、即ち
アール刃と外周刃の繋ぎ部に向かって連続的に短くし、
ほぼアール刃90°部でアール刃すくい面の長さを0に
し、ほぼアール刃90°部で工具径方向のすくい角が−
5°から+5°に極端に変化するすくい角変化点とし
た。又、従来例2は、砥石干渉のあるもの、従来例4は
砥石干渉を避けたもので行った。その結果を図5〜図7
に示す。本発明例1は、ほぼ正規の形状と一致している
のに対し、従来例2は、アール刃と外周刃の繋ぎ部の外
周刃部分が凹状になっており、外周刃の定常部の刃径よ
り小さくなっていた。又、従来例3は、アール刃と外周
刃の繋ぎ部のアール刃部分が膨らみ、従来例2、3とも
に、アール刃と外周刃の繋ぎ部付近において、正規の形
状から外れ、工具の形状精度が得られていなかった。 【0010】更に、本発明例1と従来例2、3を用いて
切削テストを行った。切削諸元は、被削材は、構造用炭
素鋼のS55C材を用い、側面仕上げ加工を、回転数1
300回転、送り速度270mm/min、工具径方向
切り込み0.05mm、工具軸方向切り込み10mm、
水溶性切削液を用いた湿式、ダウンカットで行い、加工
精度と工具摩耗状態を観察した。その結果、本発明例1
は、良好な加工精度が得られ、工具摩耗状態も微小且つ
均一な通常摩耗であった。従来例2、3は、工具精度が
そのまま被削材に転写され、加工精度が劣り、アール刃
と外周刃の繋ぎ部付近で加工されたところに段差を生じ
た。又、工具摩耗状態もアール刃と外周刃の繋ぎ部付近
が突出した状態のために、この部位の摩耗が他の部位と
比較して大きくなっていた。 【0011】(実施例2)次に、実施例1ラジアスエン
ドミルを使用して、被削材にHRC40のプリハードン
鋼を用い、長さ150mm、幅18mm、深さ30m
m、側壁の片角3°の溝状のポケット嵌め合い部の加工
を、回転数2600回転、送り速度780mm/mi
n、工具軸方向ピッチ0.1mmで、エアブローで等高
線加工を行い、加工精度と工具摩耗状態を観察した。そ
の結果、本発明例1は、良好な加工面、加工精度が得ら
れ、嵌め合い状態も良く、工具摩耗状態も微小且つ均一
な通常摩耗であった。従来例2は、アール刃と外周刃の
繋ぎ部の外周刃部分が凹状になっており、外周刃の定常
部の刃径より小さいことから、削り残しが生じ、嵌め合
いが悪く、加工精度が満足できない状態であり、工具摩
耗状態もアール刃と外周刃の繋ぎ部付近の摩耗が大きく
なっていた。従来品3は、アール刃と外周刃の繋ぎ部の
アール刃部分が膨らんでいることから、切削初期は削り
過ぎとなり、底部付近を加工する時には、すでにこの部
位の摩耗が極端に大きく、一部チッピングを生じていた
ため、削り残しとなり、加工精度が非常に悪かった。更
に、従来例2、3ともに、テーパ状の側壁面において、
工具送り方向に多数の筋が見られ、底部に近づくに従っ
て、ムシレた加工面になっていた。 【0012】(実施例3)次に、本発明例1において、
該アール刃と該外周刃の繋ぎ部付近で、該アール刃のね
じれ角を本発明例4として10°、本発明例5として1
5°、本発明例6として20°、本発明例7として22
°、本発明例8として24°、を製作し、工具形状精度
の比較を行った。ここで、アール刃のすくい面と外周刃
のすくい面との境界線の一端と、アール刃の逃げ面と外
周刃の逃げ面との境界線の一端との差を、工具軸方向
で、許容最大値であるアール刃半径に対して5%、即ち
0.1mmとした。その結果、本発明例4〜8では、ア
ール刃と外周刃の繋ぎ部の外周刃部分が凹状になってい
るものの、その凹み量は2μm未満であり、工具精度
上、全く問題にならないものであった。その中でも、角
度差が小さくなるほど、凹状の曲率及び凹み量が小さく
なる傾向があり、本発明例6で凹み量1μm未満、本発
明例7、8になると、凹状がほとんど判別つかない状態
であった。 【0013】 【発明の効果】以上のように本発明を適用することによ
り、縦壁に近い壁面を有する3次元曲面を含む金型や機
械部品等の仕上げ加工において、高精度に加工できるエ
ンドミルを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明例1の正面図を示す。
【図2】図2は、図1の主要部拡大図を示す。
【図3】図3は、従来例2の正面図を示す。
【図4】図4は、図3の主要部拡大図を示す。
【図5】図5は、本発明例1の精度測定図を示す。
【図6】図6は、従来例2の精度測定図を示す。
【図7】図7は、従来例3の精度測定図を示す。
【符号の説明】
1 アール刃
2 アール刃のすくい面
3 外周刃
4 外周刃のすくい面
5 すくい面の境界線
6 アール刃すくい面の工具軸方向長さ
7 アール刃の逃げ面
8 外周刃の逃げ面
9 逃げ面の境界線
10 アール刃逃げ面の工具軸方向長さ
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】工具先端部にねじれを有する略1/4円弧
状のアール刃と工具外周にねじれを有する外周刃とを有
するエンドミルにおいて、該アール刃のすくい面と該外
周刃のすくい面との境界線の一端と、該アール刃の逃げ
面と該外周刃の逃げ面との境界線の一端とが、切れ刃稜
線上の点で略一致することを特徴とするエンドミル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001260710A JP2003071625A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | エンドミル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001260710A JP2003071625A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | エンドミル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003071625A true JP2003071625A (ja) | 2003-03-12 |
Family
ID=19087870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001260710A Pending JP2003071625A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | エンドミル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003071625A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010050391A1 (ja) * | 2008-10-29 | 2010-05-06 | 住友電工ハードメタル株式会社 | ボールエンドミル |
KR20170054396A (ko) * | 2014-09-15 | 2017-05-17 | 이스카 엘티디. | 볼록한 반경 방향 릴리프 표면과 원호형 프로파일을 갖는 코너를 갖는 엔드 밀 |
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JP2001025912A (ja) * | 1999-07-15 | 2001-01-30 | Btt Kk | ボールエンドミル |
JP2002052412A (ja) * | 2000-08-08 | 2002-02-19 | Mitsubishi Materials Corp | ボールエンドミル |
-
2001
- 2001-08-30 JP JP2001260710A patent/JP2003071625A/ja active Pending
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