JP2003065985A - レーザー溶接部の検査方法及びその装置 - Google Patents

レーザー溶接部の検査方法及びその装置

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JP2003065985A JP2001258658A JP2001258658A JP2003065985A JP 2003065985 A JP2003065985 A JP 2003065985A JP 2001258658 A JP2001258658 A JP 2001258658A JP 2001258658 A JP2001258658 A JP 2001258658A JP 2003065985 A JP2003065985 A JP 2003065985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接後のオフライン検査により、特に電子部
品リードなどの薄く小さい部材の微細なレーザー溶接部
の検査を精度良く行うことができ、検査の信頼性を向上
させると共に、良否判定精度を高める。 【解決手段】 被検査物6となる2片の金属を重ね合わ
せ、その一方の表面にレーザーをスポット照射して溶接
したレーザー溶接部1を溶接後に検査する方法である。
溶接後雰囲気温度まで冷却したレーザー溶接部1を赤外
線カメラ2で撮像し、得られた赤外線画像における輝度
の差を被検査物6表面の赤外線放射率の差を表す指標と
みなして溶接部領域3を検出する第1の過程と、上記溶
接部領域3の形状、上記溶接部領域3内での赤外線画像
の輝度値の分布パターン、上記分布パターンをもとに抽
出された特徴量の少なくとも1つをもとに溶接の良否を
判定する第2の過程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は被検査物
となる2片の金属を重ね合わせ、その一方の面よりレー
ザーをスポット照射して溶接したレーザー溶接部の溶接
不良を、溶接中のモニタリングではなく、溶接後のオフ
ライン検査により検出する方法、特に電子部品リードな
どの薄く小さい部材の微細なレーザー溶接部のオフライ
ン検査方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザー溶接部の検査方法として
は、特開平5−71932号記載の検査方法のように、
スリット状のレーザー光をレーザー溶接部に投影し、当
該レーザー光の反射光をレーザー投影方向とは異なる方
向からカメラにより観測することによりレーザー溶接部
の立体形状を取得する、いわゆる光切断法による立体形
状計測を用いた方法がある。
【0003】また、赤外線カメラを用いたレーザー溶接
部の検査方法としては、特開平5−34204号、特開
平8−122051号、特開昭52−59046号記載
の検査方法のように、レーザー溶接部に加熱を行う過程
あるいは加熱後(溶接熱による加熱を含む)の冷却過程
において、赤外線カメラによりレーザー溶接部周辺の温
度分布を計測することにより溶着部の大きさを測定する
方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の立体形状計
測による検査方法は、フィラーを用いた突き合わせ溶接
やすみ肉溶接などのようにレーザー溶接部が大きく盛り
上がる溶接方法においては有効であるが、レーザーによ
るスポット溶接、特に電子部品のリード部分などの微細
な溶接においては溶接に伴う形状の変化が極めて微小で
あるため精度の高い3次元形状計測方法が必要となり、
適用が困難である問題があった。
【0005】また後者のレーザースポット溶接されたレ
ーザー溶接部に加熱を行う過程あるいは加熱後(溶接熱
による加熱を含む)の冷却過程において、温度分布を測
定する従来方法においては、レーザー溶接部がある程度
の質量(熱容量)を持つ場合には有効な方法であるが、
例えば電子部品のリード部分などの極めて薄く質量の小
さい部材のレーザー溶接部においては加熱による温度の
変化が極めて短時間の間に起こるため、赤外線画像によ
って正確に温度分布を計測することが困難になる問題が
あった。
【0006】本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて
発明したものであって、その目的とするところは、溶接
後のオフライン検査により、特に電子部品リードなどの
薄く小さい部材の微細なレーザー溶接部の検査を精度良
く行うことができ、検査の信頼性を向上させることがで
きると共に、良否判定精度を高めることができるレーザ
ー溶接部の検査方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明にあっては、被検査物6となる2片の金属を重
ね合わせ、その一方の表面にレーザーをスポット照射し
て溶接したレーザー溶接部1を溶接後に検査する方法に
おいて、溶接後雰囲気温度まで冷却したレーザー溶接部
1を赤外線カメラ2で撮像し、得られた赤外線画像にお
ける輝度の差を被検査物6表面の赤外線放射率の差を表
す指標とみなして溶接部領域3を検出する第1の過程
と、上記溶接部領域3の形状、上記溶接部領域3内での
赤外線画像の輝度値の分布パターン、上記分布パターン
をもとに抽出された特徴量の少なくとも1つをもとに溶
接の良否を判定する第2の過程とを有することを特徴と
しており、このように構成することで、赤外線画像の明
るさの差(遠赤外線放射率の差)を利用して、レーザー
溶接部1と未溶接部の表面性状の違いを検出することが
でき、簡易な方法でレーザー溶接部1の溶接状態を検査
できるようになる。しかも、溶接中のモニタリングでは
なく、溶接後のオフライン検査により検出するので、特
に電子部品リードなどの薄く小さい部材の微細なレーザ
ー溶接部1の検査を精度良く行うことができる。
【0008】また、少なくともレーザー溶接部1の外周
部では熱の影響により表面粗さが大きくなり、赤外線放
射率が高くなることを利用して、赤外線画像において明
るく見える部分を検出し、当該部分の外周輪郭より内側
を溶接部領域3として検出するのが好ましく、この場
合、加熱を行うことなくレーザー溶接部1を検出できる
ようになる。
【0009】また、検出された溶接部領域3の大きさを
基準値と比較することにより溶接の良否を判定するのが
好ましく、この場合、簡易な方法で溶接状態の判定がで
きるようになる。
【0010】また、検出された溶接部領域3内部の明る
く見える外周輪郭の内側に所定の基準値以上の大きさを
持つ暗部4があれば良品と判定するのが好ましく、この
場合、十分な入熱量が与えられた時は中央部に鏡面状の
特徴を生じることを利用して溶接状態の良否を簡易に判
定できるようになる。
【0011】また、上記赤外線カメラ2により検出され
た溶接部領域3内部で明るく見える外周輪郭の内側に所
定の基準値以上の大きさを持つ暗部4があれば良品候補
とし、上記良品候補に赤外線を照射し、上記赤外線源5
の正反射を捉える方向に第2の赤外線カメラ2aを配置
して観測した時、溶接部領域3中央の輝度が高くなる場
合に良品と判定するのが好ましく、この場合、能動的に
照射した赤外線光の正反射成分を捉える第2の赤外線カ
メラ2aを付加するだけで、穴あき欠陥と良品を区別で
きるようになる。
【0012】また、被検査物6に赤外線を照射する赤外
線源5と被検査物6を撮像する赤外線カメラ2を、上記
赤外線源5から照射された赤外線の正反射光を赤外線カ
メラ2で捉えることができるような位置関係になるよう
に配設し、まず赤外線源5を消灯して撮影した赤外線画
像を用いて検出された溶接部領域3内部で明るく見える
外周輪郭の内側に所定の基準値以上の大きさを持つ暗部
4があれば良品候補とし、次に赤外線源5を点灯して観
測した時、溶接部領域3中央の輝度が高くなる場合に良
品と判定するのが好ましく、この場合、良品候補を抽出
するカメラと良否判定を行うカメラを兼用でき、簡易な
装置構成にて穴あき欠陥と良品を区別できるようにな
る。
【0013】また、良品候補に複数の方向から赤外線を
照射していずれかの正反射光を捉えることができれば良
品とするのが好ましく、この場合、赤外線源5を複数用
いることで、仮りに溶接部領域3中央の鏡面部分の向き
が安定しない場合にも穴あき欠陥と良品を正しく区別で
きるようになる。
【0014】また、良品候補を斜め方向から赤外線カメ
ラ2で観測するようにし、赤外線画像において溶接部領
域3中央に正反射光が捉えられれば良品とし、溶接部領
域3中央からずれた位置に正反射光が捉えられれば不良
とするのが好ましく、この場合、上下の溶接片8,9の
段差が小さい場合にも特別の装置を付加することなく穴
あき欠陥と良品を正しく区別できるようになる。
【0015】また、被検査物6全体を一様に加熱したう
えで検査を行うのが好ましく、この場合、被検査物6を
一様に加熱するようにすることで赤外線画像のS/N比
が改善される。
【0016】また、正確に溶接状態の良否判定をするた
めに、上記方法で良品候補と判断された被検査物6につ
いて、上下の溶接片8,9の間に電圧を与えることによ
ってレーザー溶接部1にジュール熱を発生させた状態で
赤外線カメラ2により撮像し、上記溶接部領域3内での
輝度値の変化を基準値と比較することによりレーザー溶
接部1の良否を判定するのが好ましい。また、上記方法
で良品候補と判断された被検査物6について、下側の溶
接片9のみを加熱しながら上方より赤外線カメラ2で撮
像し、上記溶接部領域3内での輝度値の変化を基準値と
比較することによりレーザー溶接部1の良否を判定する
のが好ましい。
【0017】また、下側の溶接片9に通電することによ
り下側の溶接片9にジュール熱を発生させるのが好まし
く、この場合、下側の溶接片9の下側に発熱体を設置で
きない構造の検査物でも、検査が可能になる。
【0018】また、下側の溶接片9に高周波磁界を与え
て渦電流を発生させることにより加熱するのが好まし
く、この場合、下側の溶接片9の下側に発熱体を設置で
きない構造の検査物でも、検査が可能になる。
【0019】また、高さ計測装置により上記レーザー溶
接部1近辺の少なくとも2点H1,H2の高さ情報を取得
し、上記溶接部領域3の輝度値とともに高さ情報を併用
して良否判定を行うのが好ましく、この場合、高さ情報
を併用することにより穴あき欠陥と良品の区別など画像
情報だけでは分かりにくい溶接状態の判定を高い信頼度
で行えるようになる。
【0020】さらに、本発明に係るレーザー溶接部1の
検査装置は、赤外線カメラ2(2a)と、赤外線カメラ
2(2a)からの出力信号を量子化して画像として記憶
する画像取り込み装置10と、上記のいずれかの検査方
法により赤外線画像を処理して溶接欠陥検査を行う画像
処理装置11とにより構成されているので、赤外線画像
の明るさの差(遠赤外線放射率の差)を利用して、レー
ザー溶接部1と未溶接部の表面性状の違いを画像処理装
置11にて検出することができ、簡易な構造でレーザー
溶接部1の溶接状態を検査できるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。
【0022】図1は、本発明の方法によりレーザー溶接
の良否判定をオフラインで行う検査装置の構成を示す図
である。この検査装置は、被検査物6となる2片の金属
(溶接片8,9)を重ね合わせ、その一方の表面にレー
ザーをスポット照射して溶接したレーザー溶接部1の溶
接状態を溶接後に検査するものであり、詳しくは、検査
対象となる溶接片8,9を溶接後雰囲気温度に冷却し、
その後レーザー溶接部1付近を赤外線カメラ2により撮
像する。ここで、溶接後雰囲気温度まで冷却とは、充分
に放熱された状態のことであり、冷却過程ではない。赤
外線カメラ2からの撮像データは、画像取り込み装置1
0に取り込まれる。画像取り込み装置10は、撮像デー
タを画像に変換するための量子化装置14と、画像を格
納する画像メモリ15とで構成されており、画像処理装
置11により上記画像を解析することにより検査・判定
が行なわれる。具体的には、レーザー溶接部1と未溶接
部の表面粗さの違いによって生じる遠赤外線放射率の差
を利用することにより赤外線画像から溶接部領域3(図
2)を抽出し、さらに上記溶接部領域3内側の輝度値を
用いて溶接状態を判別することにより、立体形状の変化
が微小で温度分布による検査も困難な微細部品のレーザ
ー溶接部1の検査を行うものである。また、放射率だけ
では判別が付きにくい場合であっても、レーザー溶接部
1の温度を能動的に変化させたり、3次元計測装置を併
用することでさらに正確な溶接状態検査が可能になる。
以下、具体的に説明する。
【0023】図2(a)は、溶接後雰囲気温度まで冷却
した被検査物6のレーザー溶接部1を図1のように上方
から撮像して得られた赤外線画像の一例を示している。
また、レーザー溶接部1の3次元形状を図2(b)に示
す。図2(a)(b)中のA部は熱影響をうけていない
部分、B部が熱影響を受けたレーザー溶接部1である。
図2(b)に示すようにA部は平坦な金属表面であり、
表面は鏡面に近い状態であるのに対し、B部は熱影響に
より金属が溶融し、ヒダ状の立体構造を持った表面とな
っている。
【0024】図2に示すレーザー溶接部1は上記B部の
直径が数百μm程度の小さなものである。このような微
細なレーザースポット溶接を行う上下の溶接片8,9
は、それぞれ、厚さ数十〜数百μm程度と薄く熱容量が
小さいため、加熱・冷却に伴う温度変化が極めて急激と
なってしまう。このため、加熱・冷却時の温度分布を利
用して溶着部(ナゲット)のサイズを計測することが非
常に困難である。また、レーザー溶接部1が微細である
ため、レーザー溶接部1の3次元形状の変化も極めて小
さく(数μm程度の凹凸)、その3次元形状を計測して
良否判定することも困難である。そこで本発明では、こ
のような微細な凹凸の変化を検出するために、赤外線放
射率の変化を利用する。すなわち図2(a)および
(b)に示すB部では熱影響により表面粗さが大きくな
り、A部に比べて赤外線の放射率が高くなっている。そ
のため、図2(a)に示す赤外線画像においてB部はA
部に比べて明るく写る。この現象を利用して、赤外線画
像からレーザー溶接部1を抽出し、熱影響の程度を評価
することが可能になる。
【0025】しかして、電子部品などの微細なレーザー
スポット溶接による熱影響部では表面性状(表面粗さ)
が変化するものの、凹凸は極めて微細で3D(3次元)
計測による検査は極めて困難であるが、本発明に係るレ
ーザー溶接部1の検査方法によれば、赤外線画像の明る
さの差(遠赤外線放射率の差)を利用することにより、
また溶接中のモニタリングではなく、溶接後のオフライ
ン検査により検出することにより、レーザー溶接部1と
未溶接部の表面性状の違いを検出することができるた
め、簡易な方法でレーザー溶接部1の溶接状態検査が可
能になると共に、画像処理による非破壊検査により、接
合不十分な状態の確認作業の自動化が可能になる。従っ
て、例えば、電子部品リードなどの薄く小さい部材の微
細なレーザー溶接部1の検査を精度良く行えるようにな
る。さらに、赤外線カメラ2と、赤外線カメラ2からの
出力信号を量子化して画像として記憶する画像取り込み
装置10と、赤外線画像を処理して溶接欠陥検査を行う
画像処理装置11とにより構成される検査装置を用いる
ことで、簡易な装置構成でレーザー溶接部1の溶接状態
検査が可能になる。
【0026】次に、レーザー溶接部1の溶接部領域の抽
出及び検査手順の一例を説明する。図3はレーザー溶接
部1の溶接部領域の抽出方法の一例を示し、図4はレー
ザー溶接部1の抽出手段を含む検査手順を説明するフロ
ーチャートである。図4のステップn1で図2(b)の
画像を二値化し、ステップn2で図3の連結領域B’を
抽出する。この図3の連結領域B’は図2(b)のB部
に相当する。その後、図4のステップn3で連結領域
B’の外周輪郭より内側の部分を溶接部領域3として設
定し、さらにステップn5で当該溶接部領域3内におけ
る明度パターンを解析することにより溶接の良否判定を
行う。このように赤外線放射率の高い部分を溶接部領域
3として抽出することにより、加熱を行うことなくレー
ザー溶接部1を検出することができる。
【0027】ここで、図4のステップn4に示す溶接部
領域3内部の輝度値をもとに良否判定を行う過程につい
て説明する。まず第1の方法として溶接部領域3の面積
を利用する方法が挙げられる。図5にレーザー溶接の際
の入熱量と溶接部領域3(熱影響部)の面積の関係を示
す。レーザー溶接においては、溶接入熱量が大きいほど
溶接部領域3の面積も大きくなることから、図5のグラ
フを利用して上記過程で抽出された溶接部領域3の面積
をもとに入熱量を推定することができる。図5のグラフ
をもとに、十分な溶接を行うのに必要な入熱量範囲D1
に対する熱影響部面積範囲S1を求めておき、レーザー
溶接部1の赤外線画像から抽出された溶接部領域3の面
積がS1の範囲内であれば良品と判定する。このよう
に、溶接時の入熱量と溶接部領域3の面積との関係をも
とに溶接状態の良否を判定することによって、簡易な方
法で溶接状態の判定ができる。
【0028】次に、良否判定を行う第2の方法について
説明する。レーザースポット溶接においては、十分な入
熱量が与えられた良品においては溶融する金属の量が多
いため、図6に示すように溶接部領域3中央において溶
融金属が溜まり、中央部が鏡面状となる。このため、良
品のレーザー溶接部1を撮影した赤外線画像において
は、図7(a)に示すように表面粗さが粗く赤外線放射
率が高いため白く写るB部の内側に、上記鏡面状の部分
(鏡面であるため赤外線放射率が低いC部)が黒く写る
特徴が現れる。そこで、図7(b)に示すように、二値
化した赤外線画像において当該溶接部領域3の内側にあ
る基準値以上の大きさを持つ黒色部領域Cが観測される
場合には良品であると判断する。しかして、十分な入熱
量が与えられた時は中央部に鏡面状の特徴を生じること
を利用して溶接状態の良否を判定するので、簡易な方法
で溶接状態の判定ができる。
【0029】ところで、上述した各欠陥検査方法におい
ては、若干の虚報(欠陥を良品と判断する)が発生する
可能性がある。上記方法における虚報発生原因とその対
策方法について以下に説明する。
【0030】レーザー溶接時の不良の一つとして、入熱
量が不足している場合に、図8(a)の溶接片8,9の
断面図に示すように、上側の溶接片8が加熱され、垂れ
下がって下側溶接片9に充分接触し、下側溶接片9を加
熱溶融させるまでの段階で上側の溶接片8だけが溶融し
てしまい、中央に穴20があいてしまう穴あき欠陥が存
在する。この場合、赤外線画像においては、穴が開くこ
とによりレーザー溶接部1の外周径が大きくなり、また
穴から熱影響を受けていない下側の溶接片9が見えるた
め、図8(b)に示すように溶接部領域3の内側に黒色
部21が観測されてしまうことにより、上記のいずれの
方法による検査においても良品と誤判断されてしまう。
【0031】このような虚報をなくすよう構成された装
置を図9(a)に示す。図9(a)の装置は、検査対象
となる溶接片8,9のレーザー溶接部1付近を上方から
撮像する赤外線カメラ2に加えて、当該レーザー溶接部
1に指向性のある赤外光を斜め方向から照射する赤外線
源5と、赤外線源5に対して溶接片8,9を挟んで対向
し、赤外光がレーザー溶接部1で正反射した光を捕捉で
きる位置に配設された第2の赤外線カメラ2aを設けた
ものである。ここで図10(a)は上方カメラでは良品
と判断されてしまう穴あき欠陥を上記第2の赤外線カメ
ラ2aで撮像した状態を示し、図10(b)は良品を上
記第2の赤外線カメラ2aで撮像した状態を示す。図1
0(a)(b)を比較すればわかるように、穴あき欠陥
では図10(a)のように、鏡面状の部分(下側の溶接
片9)が下の位置にあるため上記赤外線源5からの光が
届かず、図11(a)に示すように撮影した赤外線画像
では溶接部領域3中央は暗い暗部4となって写る。これ
に対して図10(b)の良品の場合はレーザー溶接部1
中央の鏡面部で正反射された赤外光が第2の赤外線カメ
ラ2aに入射するので、図11(b)に示すように赤外
線画像において溶接部領域3中央が白く写る。この違い
を利用し、まず図9(a)に示す赤外線カメラ2により
上方からレーザー溶接部1を観測し、溶接部領域3中央
で輝度が低い部分があった場合には当該レーザー溶接部
1を良品の候補とし、次に当該良品の候補について第2
の赤外線カメラ2aによって撮影された画像において溶
接部領域3中央で輝度が高くなる場合にはじめて良品と
して決定することにより、上記虚報を排除することがで
きる。また、能動的に照射した赤外線光の正反射成分を
捉える第2の赤外線カメラ2aを付加することによっ
て、穴あき欠陥と良品を区別することができる。
【0032】また、上記のように第2の赤外線カメラ2
aを設ける代わりに、図9(b)に示すように上記第2
の赤外線カメラ2aに相当する位置に配設された赤外線
カメラ2を1台だけ使用するようにしてもよい。この場
合、まず第1回目の撮像時には赤外線源5を消灯して撮
影し、溶接部領域3を抽出したのち溶接部領域3中央に
暗部4(鏡面部分)が観測されるものを良品候補とす
る。次に当該良品候補に対して赤外線源5を点灯した状
態で撮影を行い、上記検査方法と同様中央部の輝度が高
くなった場合に良品として決定する。しかして、1台の
赤外線カメラ2で良品候補を抽出するカメラと良否判定
を行うカメラを兼用する構成としたので、簡易な装置構
成により穴あき欠陥と良品を区別することができる。
【0033】上記虚報対策方法をさらに発展させた検査
方法ついて以下に述べる。図9(a)および(b)の装
置では、レーザー溶接部1中央に生じている鏡面部分が
傾いていた場合は、第2の赤外線カメラ2aに赤外線光
の正反射成分が届かず、誤って不良品と判断してしまう
可能性がある。そこで、図12の検査装置では、赤外線
源5を複数設けてある。これによりレーザー溶接部1中
央に生じている鏡面部分が傾いていた場合にも、いずれ
かの赤外線源5からの赤外光が当該鏡面部で正反射して
上記第2の赤外線カメラ2aへ入射することができるよ
うになり、レーザー溶接部1中央の鏡面部分の向きが安
定しない場合にも良品を不良品と判断してしまう誤りが
少なくなり、穴あき欠陥と良品を正しく区別することが
できる。この方法は、第2の赤外線カメラ2aを複数設
けたり、赤外線源5と赤外線カメラ2の少なくとも一方
を移動させながら撮像し、赤外線源5と赤外線カメラ2
の位置関係が変化していく中でいずれかの場所において
鏡面部で赤外線源5からの正反射赤外光が赤外線カメラ
2に入射するように構成しても構わない。
【0034】また、上記虚報対策方法をさらに発展させ
た別の検査方法について以下に説明する。図13(a)
のように上側の溶接片8が薄い場合や、同(b)のよう
に上下の溶接片8,9の隙間が狭い場合には、上側の溶
接片8上面と穴から見えている下側の溶接片9上面の段
差が小さく、斜めから照射した赤外光が下側の溶接片9
上面で正反射して第2の赤外線カメラ2aに入射してし
まい、良品と誤判断されてしまう可能性がある。ここで
図14(a)は段差の小さい穴あき欠陥の赤外線画像を
示し、図14(b)は良品の赤外線画像を示す。図13
(a)又は(b)に示したような穴あき欠陥品の場合
は、下側の溶接片9上面で反射した赤外光の一部が段差
で遮られるために、図14(a)のように溶接部領域3
の中心からずれた位置に正反射成分Eが観測される。一
方これに対して、図14(b)に示した良品の場合に
は、溶接部領域3とその中央の鏡面部分に段差がないた
め、図14(b)のように上記正反射成分Eは溶接部領
域3の中央に観測される。これを利用し、レーザー溶接
部1に赤外線を照射し、第2の赤外線カメラ2aで赤外
線の正反射成分を観測することにより良否判定を行うに
あたり、溶接部領域3の中央部分で正反射成分が観測さ
れた場合のみを良品とすることにより、さらに虚報を発
生しにくい検査方法が実現できる。また上下の溶接片
8,9の段差が小さい場合にも特別の装置を付加するこ
となく穴あき欠陥と良品を正しく区別することができ
る。
【0035】なお、穴あき欠陥と良品を区別するための
より直接的な方法としては、図15に示すように少なく
ともある2点H1,H2の高さを計測できる3次元計測装
置7を併用し、上記レーザー溶接部1において周辺部と
中心部のそれぞれ少なくとも2点H1,H2の高さ情報を
取得し、両者の差が小さければ良品とし、両者の差が大
きければ穴あき欠陥と判定するようにしてもよい。穴あ
き欠陥の場合は2点H 1,H2の差が大きくなるが、良品
の場合は小さくなることを利用することにより、穴あき
欠陥と良品の区別など画像情報だけでは分かりにくい溶
接状態の判定をさらに高い信頼度で行うことができる。
勿論、2点H1,H2には限らず、3点以上の高さを計測
してもよいものである。
【0036】以上の検査方法において、対象とする被検
査物6は溶接後雰囲気温度まで冷却した状態で撮影を行
うようにしていたが、冷却した後で被検査物6全体を一
様に加熱してから検査を行うようにしてもよい。ちなみ
に、熱影響をうけていない未溶接部分は、鏡面に近いた
め高温にしても赤外線放射の増加量は少ないが、熱影響
を受けたレーザー溶接部(熱影響部)では、熱影響によ
り金属が溶融し、ヒダ状の立体構造を持った表面となっ
ているため、高温になるほど多くの赤外線を放射する。
そのため、被検査物の温度が高い方が上記検査において
赤外線画像におけるS/N比が高くなり、検査の信頼性
が向上することがわかる。このことから被検査物6を一
様に加熱するようにすることでレーザー溶接部1の明る
い部分と、暗部(鏡面部分)との差が大きくなり、明暗
パターンがはっきりするようになり、画像処理による検
査の信頼性の向上を図ることができる。
【0037】次に、上記のようにレーザー溶接部1を溶
接後雰囲気温度まで冷却した後に、表面性状にともなう
赤外線反射特性の差を用いて良否判定を行う方法におい
て、さらにレーザー溶接部1に局所的に熱を与える方法
を併用することにより、さらに精度の高い良否判定を行
うことができる。以下説明する。
【0038】先ず図16は局所加熱を伴う第1の検査方
法を説明する図である。図16は図1の検査装置のうち
溶接片8,9の周辺のみを示す図であり、撮像装置の構
成は図1と同一である。本方法においては、上下の溶接
片8,9の各々に電極22a,22bが付けられてお
り、電圧が印加できるようになっている。この両電極2
2a,22b間にある一定時間だけ電圧を印加すると、
レーザー溶接部1はその抵抗に応じてジュール熱を発生
し温度が上昇するが、レーザー溶接部1がきちんと溶着
している良品では上下の溶接片8,9間の電気抵抗が小
さいので、温度上昇が小さい。これに対して溶接不良
(穴開き欠陥等)の場合は絶縁状態にあって全く温度上
昇が生じないか、逆に接触抵抗が大きいため大きな温度
上昇を示す。これを利用し、上下の溶接片8,9間に一
定時間電圧を印加してレーザー溶接部1の温度上昇(具
体的には赤外線画像における溶接部領域3内の輝度値の
変化量)を赤外線カメラ2により測定し、それが予め定
められた上限値と下限値の間にあれば良品と判断する。
なお、上記輝度値の変化の観測においては、まず常温状
態で上記方法により溶接部領域3を抽出しておき、当該
領域内での輝度の平均値を加熱前後で比較する等の方法
により温度上昇の大きさを評価するようにすればよい。
このようにレーザー溶接部1に直接通電を行ってジュー
ル熱による温度上昇を観測するようにしたので、外観だ
けで判断する場合より正確に溶接状態の良否判定ができ
る。
【0039】次に、加熱を伴う第2の検査方法を図17
に示す。図17は図1の検査装置のうち溶接片8,9の
周辺のみを示す図であり、撮像装置の構成は図1と同一
である。本例では、下側の溶接片9の下面に発熱体23
を接触させ、下側の溶接片9のみを加熱している。これ
により発熱体23から下側の溶接片9を経て上側の溶接
片8へ熱伝導が生じるが、溶着部では良好な熱伝導を生
じるのに対して、非溶着部では隙間があるため熱伝導が
起こりにくい。これを利用して、下側の溶接片9を加熱
しながら上方に配設された赤外線カメラ2によりレーザ
ー溶接部1の温度変化(具体的には赤外線画像における
溶接部領域3内の輝度値の変化量)を観測し、温度上昇
がある基準値より大きければ良品であると判断すること
ができる。つまり下側の溶接片9を加熱して上側の溶接
片8へ熱伝導が生じる状態を観測するようにしたので、
外観だけで判断する場合より正確に溶接状態の良否判定
ができる。なお、上記輝度値の変化の観測においては、
局所加熱を伴う第1の検査方法と同じようにまず常温状
態で上記方法により溶接部領域3を抽出しておき、当該
領域内での輝度の時間変化を求めるようにすればよい。
なお、下側の溶接片9を加熱するにあたって、下側の溶
接片9に発熱体23を接触させる方法以外に、下側から
熱風や炎で加熱する方法も可能である。
【0040】ところで、例えば電子部品などのように下
側の溶接片9がすでに構造物に取り付けられた状態にあ
り、下側の溶接片9を熱伝導によって加熱することがで
きない場合がある。このような場合には、図18に示す
ように、下側の溶接片9の両端に電極を取り付け、電圧
を印加することにより下側の溶接片9自体にジュール熱
を発生させる方法、或いは、下側の溶接片9の下部から
高周波磁界を与え、渦電流を発生させてIH(inductio
n heating)加熱する方法などにより加熱を行う方法を
採用してもよいものである。
【0041】
【発明の効果】上述のように請求項1記載の発明にあっ
ては、被検査物となる2片の金属を重ね合わせ、その一
方の表面にレーザーをスポット照射して溶接したレーザ
ー溶接部を溶接後に検査する方法において、溶接後雰囲
気温度まで冷却したレーザー溶接部を赤外線カメラで撮
像し、得られた赤外線画像における輝度の差を被検査物
表面の赤外線放射率の差を表す指標とみなして溶接部領
域を検出する第1の過程と、上記溶接部領域の形状、上
記溶接部領域内での赤外線画像の輝度値の分布パター
ン、上記分布パターンをもとに抽出された特徴量の少な
くとも1つをもとに溶接の良否を判定する第2の過程と
を有しているので、電子部品などの微細なレーザースポ
ット溶接による熱影響部では表面性状(表面粗さ)が変
化するものの、凹凸は極めて微細で3D(3次元)計測
による検査は極めて困難であるが、本発明に係るレーザ
ー溶接部の検査方法によれば赤外線画像の明るさの差
(遠赤外線放射率の差)を利用することによりレーザー
溶接部と未溶接部の表面性状の違いを検出することがで
きるため、簡易な方法でレーザー溶接部の溶接状態検査
が可能になる。しかも、溶接中のモニタリングではな
く、溶接後のオフライン検査により検出するので、特に
電子部品リードなどの薄く小さい部材の微細なレーザー
溶接部の検査を精度良く行うことができるものである。
【0042】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の効果に加えて、少なくともレーザー溶接部の外周部で
は熱の影響により表面粗さが大きくなり、赤外線放射率
が高くなることを利用して、赤外線画像において明るく
見える部分を検出し、当該部分の外周輪郭より内側を溶
接部領域として検出する方法を採用したので、赤外線放
射率の高い部分を溶接部領域として抽出することによ
り、加熱を行うことなくレーザー溶接部を検出すること
ができる。
【0043】また請求項3記載の発明は、請求項2記載
の効果に加えて、検出された溶接部領域の大きさを基準
値と比較することにより溶接の良否を判定する方法を採
用したので、溶接時の入熱量と溶接部領域の面積との関
係をもとに溶接状態の良否を判定することで、簡易な方
法で溶接状態の判定ができるものである。
【0044】また請求項4記載の発明は、請求項2記載
の効果に加えて、検出された溶接部領域内部の明るく見
える外周輪郭の内側に所定の基準値以上の大きさを持つ
暗部があれば良品と判定する方法を採用したので、十分
な入熱量が与えられた時は中央部に鏡面状の特徴を生じ
ることを利用して溶接状態の良否を判定することで、簡
易な方法で溶接状態の判定ができる。
【0045】また請求項5記載の発明は、請求項2記載
の効果に加えて、上記赤外線カメラにより検出された溶
接部領域内部で明るく見える外周輪郭の内側に所定の基
準値以上の大きさを持つ暗部があれば良品候補とし、上
記良品候補に赤外線を照射し、上記赤外線源の正反射を
捉える方向に第2の赤外線カメラを配置して観測した
時、溶接部領域中央の輝度が高くなる場合に良品と判定
する方法を採用したので、能動的に照射した赤外線光の
正反射成分を捉える赤外線カメラを付加することによっ
て、穴あき欠陥と良品を区別することができる。
【0046】また請求項6記載の発明は、請求項2記載
の効果に加えて、被検査物に赤外線を照射する赤外線源
と被検査物を撮像する赤外線カメラを、上記赤外線源か
ら照射された赤外線の正反射光を赤外線カメラで捉える
ことができるような位置関係になるように配設し、まず
赤外線源を消灯して撮影した赤外線画像を用いて検出さ
れた溶接部領域内部で明るく見える外周輪郭の内側に所
定の基準値以上の大きさを持つ暗部があれば良品候補と
し、次に赤外線源を点灯して観測した時、溶接部領域中
央の輝度が高くなる場合に良品と判定する方法を採用し
たので、良品候補を抽出するカメラと良否判定を行うカ
メラを兼用する構成としたので、簡易な装置構成により
穴あき欠陥と良品を区別することができる。
【0047】また請求項7記載の発明は、請求項5又は
請求項6記載の効果に加えて、良品候補に複数の方向か
ら赤外線を照射していずれかの正反射光を捉えることが
できれば良品とする方法を採用したので、赤外線源を複
数用いることで、仮りに溶接部領域中央の鏡面部分の向
きが安定しない場合にも穴あき欠陥と良品を正しく区別
することができる。
【0048】また請求項8記載の発明は、請求項5又は
請求項6記載の効果に加えて、良品候補を斜め方向から
赤外線カメラで観測するようにし、赤外線画像において
溶接部領域中央に正反射光が捉えられれば良品とし、溶
接部領域中央からずれた位置に正反射光が捉えられれば
不良とする方法を採用したので、上下の溶接片の段差が
小さい場合にも特別の装置を付加することなく穴あき欠
陥と良品を正しく区別することができる。
【0049】また請求項9記載の発明は、請求項1〜8
のいずれかに記載の効果に加えて、被検査物全体を一様
に加熱したうえで検査を行う方法を採用したので、被検
査物を一様に加熱するようにすることで赤外線画像のS
/N比を改善し、検査の信頼性を向上させることができ
る。
【0050】また請求項10記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載の効果に加えて、上記方法で良品候補と
判断された被検査物について、上下の溶接片の間に電圧
を与えることによってレーザー溶接部にジュール熱を発
生させた状態で赤外線カメラにより撮像し、上記溶接部
領域内での輝度値の変化を基準値と比較することにより
レーザー溶接部の良否を判定する方法を採用したので、
レーザー溶接部に直接通電を行ってジュール熱による温
度上昇を観測するようにしたので、外観だけで判断する
場合より正確に溶接状態の良否判定ができる。
【0051】また請求項11記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載の効果に加えて、上記方法で良品候補と
判断された被検査物について、下側の溶接片のみを加熱
しながら上方より赤外線カメラで撮像し、上記溶接部領
域内での輝度値の変化を基準値と比較することによりレ
ーザー溶接部の良否を判定する方法を採用したので、下
側の溶接片を加熱して上側の溶接片へ熱伝導が生じる状
態を観測することにより、外観だけで判断する場合より
正確に溶接状態の良否判定ができる。
【0052】また請求項12記載の発明は、請求項11
記載の効果に加えて、下側の溶接片に通電することによ
り下側の溶接片にジュール熱を発生させる方法を採用し
たので、下側の溶接片の下側に発熱体を設置できない構
造の検査物でも、請求項11の方法による検査が可能に
なる。
【0053】また請求項13記載の発明は、請求項11
記載の効果に加えて、下側の溶接片に高周波磁界を与え
て渦電流を発生させることにより加熱する方法を採用し
たので、下側の溶接片の下側に発熱体を設置できない構
造の検査物でも、請求項11の方法による検査が可能に
なる。
【0054】また請求項14記載の発明は、請求項1〜
請求項13のいずれかに記載の効果に加えて、高さ計測
装置により上記レーザー溶接部近辺の少なくとも2点の
高さ情報を取得し、上記溶接部領域の輝度値とともに高
さ情報を併用して良否判定を行う方法を採用したので、
高さ情報を併用することにより穴あき欠陥と良品の区別
など画像情報だけでは分かりにくい溶接状態の判定を高
い信頼度で行うことができる。
【0055】また請求項15記載の発明は、赤外線カメ
ラと、赤外線カメラからの出力信号を量子化して画像と
して記憶する画像取り込み装置と、請求項1〜請求項1
4のいずれかの検査方法により赤外線画像を処理して溶
接欠陥検査を行う画像処理装置とにより構成されている
ので、赤外線画像の明るさの差(遠赤外線放射率の差)
を利用して、レーザー溶接部と未溶接部の表面性状の違
いを画像処理装置にて検出することができ、簡易な構造
でレーザー溶接部の溶接状態を検査することができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態において用いられる検査装
置の構成を示す図である。
【図2】(a)は同上の赤外線画像の一例を示す図、
(b)はレーザー溶接部の物理的構造を説明する図であ
る。
【図3】同上の溶接部領域の抽出方法を説明する図であ
る。
【図4】同上の検査処理手順を説明するためのフローチ
ャートである。
【図5】同上のレーザー入熱量と熱影響部面積との関係
を示すグラフである。
【図6】同上の良品のレーザー溶接部の物理的構造を説
明する図である。
【図7】(a)(b)は同上の良否判定方法の原理を説
明する図である。
【図8】(a)は同上の穴あき欠陥による虚報の発生を
説明する図、(b)はその赤外線画像の一例を示す図で
ある。
【図9】(a)は穴あき欠陥を判別するための装置構成
を示す図、(b)は他の装置構成を示す図である。
【図10】同上の穴あき欠陥と良品の判別方法の原理を
説明する図である。
【図11】(a)(b)は穴あき欠陥と良品の赤外線画
像の違いを説明する図である。
【図12】穴あき欠陥を判別するための他の実施形態の
装置構成を示す図である。
【図13】(a)(b)は同上の穴あき欠陥を判別する
ための他の方法を説明する図である。
【図14】(a)(b)は同上の穴あき欠陥を判別する
ための更に他の方法を説明する図である。
【図15】(a)は穴あき欠陥を判別するための更に他
の実施形態の装置構成を示す図、(b)は溶接部の高さ
情報の2点を説明する図である。
【図16】局所加熱を伴う溶接部検査方法の装置構成を
示す図である。
【図17】局所加熱を伴う他の溶接部検査方法の装置構
成を示す図である。
【図18】下側の溶接片の両側に電圧を与えて下側の溶
接片自体を発熱させる場合を説明する図である。
【符号の説明】
1 レーザー溶接部 2 赤外線カメラ 2a 第2の赤外線カメラ 3 溶接部領域 4 暗部 5 赤外線源 6 被検査物 8 上側の溶接片 9 下側の溶接片 10 画像取り込み装置 11 画像処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G040 AA05 AB08 BA08 BA25 CA02 CA12 CA23 DA06 DA15 EA06 EB02 EC03 GB01 4E068 BF00 CA17 CB06 CC01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査物となる2片の金属を重ね合わ
    せ、その一方の表面にレーザーをスポット照射して溶接
    したレーザー溶接部を溶接後に検査する方法において、
    溶接後雰囲気温度まで冷却したレーザー溶接部を赤外線
    カメラで撮像し、得られた赤外線画像における輝度の差
    を被検査物表面の赤外線放射率の差を表す指標とみなし
    て溶接部領域を検出する第1の過程と、上記溶接部領域
    の形状、上記溶接部領域内での赤外線画像の輝度値の分
    布パターン、上記分布パターンをもとに抽出された特徴
    量の少なくとも1つをもとに溶接の良否を判定する第2
    の過程とを有することを特徴とするレーザー溶接部の検
    査方法。
  2. 【請求項2】 少なくともレーザー溶接部の外周部では
    熱の影響により表面粗さが大きくなり、赤外線放射率が
    高くなることを利用して、赤外線画像において明るく見
    える部分を検出し、当該部分の外周輪郭より内側を溶接
    部領域として検出することを特徴とする請求項1記載の
    レーザー溶接部の検査方法。
  3. 【請求項3】 検出された溶接部領域の大きさを基準値
    と比較することにより溶接の良否を判定することを特徴
    とする請求項2記載のレーザー溶接部の検査方法。
  4. 【請求項4】 検出された溶接部領域内部の明るく見え
    る外周輪郭の内側に所定の基準値以上の大きさを持つ暗
    部があれば良品と判定することを特徴とする請求項2記
    載のレーザー溶接部の検査方法。
  5. 【請求項5】 上記赤外線カメラにより検出された溶接
    部領域内部で明るく見える外周輪郭の内側に所定の基準
    値以上の大きさを持つ暗部があれば良品候補とし、上記
    良品候補に赤外線を照射し、上記赤外線源の正反射を捉
    える方向に第2の赤外線カメラを配置して観測した時、
    溶接部領域中央の輝度が高くなる場合に良品と判定する
    ことを特徴とする請求項2記載のレーザー溶接部の検査
    方法。
  6. 【請求項6】 被検査物に赤外線を照射する赤外線源と
    被検査物を撮像する赤外線カメラを、上記赤外線源から
    照射された赤外線の正反射光を赤外線カメラで捉えるこ
    とができるような位置関係になるように配設し、まず赤
    外線源を消灯して撮影した赤外線画像を用いて検出され
    た溶接部領域内部で明るく見える外周輪郭の内側に所定
    の基準値以上の大きさを持つ暗部があれば良品候補と
    し、次に赤外線源を点灯して観測した時、溶接部領域中
    央の輝度が高くなる場合に良品と判定することを特徴と
    する請求項2記載のレーザー溶接部の検査方法。
  7. 【請求項7】 良品候補に複数の方向から赤外線を照射
    していずれかの正反射光を捉えることができれば良品と
    することを特徴とする請求項5又は請求項6記載のレー
    ザー溶接部の検査方法。
  8. 【請求項8】 良品候補を斜め方向から赤外線カメラで
    観測するようにし、赤外線画像において溶接部領域中央
    に正反射光が捉えられれば良品とし、溶接部領域中央か
    らずれた位置に正反射光が捉えられれば不良とすること
    を特徴とする請求項5又は請求項6記載のレーザー溶接
    部の検査方法。
  9. 【請求項9】 被検査物全体を一様に加熱したうえで検
    査を行うことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれ
    かに記載のレーザー溶接部の検査方法。
  10. 【請求項10】 上記方法で良品候補と判断された被検
    査物について、上下の溶接片の間に電圧を与えることに
    よってレーザー溶接部にジュール熱を発生させた状態で
    赤外線カメラにより撮像し、上記溶接部領域内での輝度
    値の変化を基準値と比較することによりレーザー溶接部
    の良否を判定することを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載のレーザー溶接部の検査方法。
  11. 【請求項11】 上記方法で良品候補と判断された被検
    査物について、下側の溶接片のみを加熱しながら上方よ
    り赤外線カメラで撮像し、上記溶接部領域内での輝度値
    の変化を基準値と比較することによりレーザー溶接部の
    良否を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のレーザー溶接部の検査方法。
  12. 【請求項12】 下側の溶接片に通電することにより下
    側の溶接片にジュール熱を発生させることを特徴とする
    請求項11記載のレーザー溶接部の検査方法。
  13. 【請求項13】 下側の溶接片に高周波磁界を与えて渦
    電流を発生させることにより加熱することを特徴とする
    請求項11記載のレーザー溶接部の検査方法。
  14. 【請求項14】 高さ計測装置により上記レーザー溶接
    部近辺の少なくとも2点の高さ情報を取得し、上記溶接
    部領域の輝度値とともに高さ情報を併用して良否判定を
    行うことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか
    に記載のレーザー溶接部の検査方法。
  15. 【請求項15】 赤外線カメラと、赤外線カメラからの
    出力信号を量子化して画像として記憶する画像取り込み
    装置と、請求項1〜請求項14のいずれかの検査方法に
    より赤外線画像を処理して溶接欠陥検査を行う画像処理
    装置とにより構成されていることを特徴とするレーザー
    溶接部の検査装置。
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