JP2003065248A - 油圧ポンプ装置 - Google Patents

油圧ポンプ装置

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JP2003065248A
JP2003065248A JP2001259691A JP2001259691A JP2003065248A JP 2003065248 A JP2003065248 A JP 2003065248A JP 2001259691 A JP2001259691 A JP 2001259691A JP 2001259691 A JP2001259691 A JP 2001259691A JP 2003065248 A JP2003065248 A JP 2003065248A
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hydraulic pump
rotor
pump device
flow
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Yoshiharu Inaguma
義治 稲熊
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力舵取装置などに使用する油圧ポンプ装置
において、騒音や脈動を減少させ、2つの吸入ポートへ
の作動流体の流入を均等化させる。 【解決手段】 ロータ22を有するベーンポンプ部20
の後側面に当接した後側サイドプレート12とハウジン
グ10の後部との間に、ベーンポンプ部からの作動流体
が吐出され吐出通路35に連通される圧力室18を形成
する。流量制御弁40が設けられて圧力室をベーンポン
プ部の1対の吸入ポート24に連通するバイパス通路1
4は、半径方向外向きに延びる第1通路14aとロータ
の回転軸線と平行に延びる第2通路14bと両通路を連
結する曲がり部14cよりなり、これら各部分はロータ
の回転軸線を含みかつ両吸入ポートを結ぶ線と直交する
中心面Sに沿って配置する。第2通路にはその内部を通
る流れが長手方向に沿った平行流となるように整流する
整流部材17を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用動力舵取装
置などに使用するのに適した小形・軽量の油圧ポンプ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】動力舵取装置用の油圧ポンプ装置には、
車両用エンジンにより駆動されるポンプの回転速度の変
動にかかわらず常に一定流量の作動流体を供給するため
に、各吐出ポートからの余剰流量を各吸入ポート側に還
流する流量制御弁を設けたものがあり、また各1対の吸
入および吐出ポートをロータの回転軸線に対し対称に配
置した平衡形ベーンポンプとして、小形・軽量、低脈動
・低騒音などの長所が得られるようにしたものがある。
図11はこのような油圧ポンプ装置の1例を示し、これ
はロータ22を有するベーンポンプ部20をハウジング
10内に設け、ベーンポンプ部20の後側に1対の吐出
ポート25が形成された後側サイドプレート12を当接
し、この後側サイドプレート12とハウジング10の間
に吐出通路35に連通される圧力室18を形成し、この
圧力室18を途中に流量制御弁40を設けたバイパス通
路14を介してベーンポンプ部20の1対の吸入ポート
24に連通し、バイパス通路14はロータ22の回転軸
線を含みかつロータ22の回転軸線に対し対称に配置し
た両吸入ポート24を結ぶ線と直交する中心面S(図2
参照)に沿って配置したものである。
【0003】この油圧ポンプ装置は、流量制御弁40を
圧力室18の直後にロータ22の回転軸線と同軸的に配
置し、流量制御弁40より先のバイパス通路14はロー
タ22の回転軸線から離れる方向に延びる第1通路14
aと回転軸線とほゞ平行に延びて吸入ポート24に向か
う第2通路14bとこの第1および第2通路を連結する
曲がり部14cよりなるものとし、またリザーバに連通
される吸入通路13は流量制御弁40近くの第1通路1
4aに開口させて、流量制御弁40からバイパス通路1
4を通って吸入ポート24に還流されるバイパス流によ
るスーパチャージ効果によりリザーバからの作動流体を
巻き込むようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の油圧ポンプ装
置では、バイパス流内に渦や乱れが発生すると流動エネ
ルギの損失を生じ、また下流の吸入ポート24付近の流
れを乱すのでベーンポンプ部20の吸入性能が低下し、
特に高速運転時には吸入ポート24でキャビテーション
を生じて騒音や脈動の増大などの原因となる。またバイ
パス流がバイパス通路14の中心面S(前出)に対し傾
いた流れになったりすると2つの吸入ポート24への流
入が不均等になってやはり騒音や脈動の増大などの原因
となる。
【0005】上述した従来技術では、バイパス通路14
の曲がり部14cをコーナガイド15先端の湾曲したガ
イド面15aにより形成して作動流体を淀みなく流すよ
うにしている。しかしこの種の管路はいくら滑らかな湾
曲管としても、図12(a) に示すように、作動流体は管
中央付近の流速の大きい部分が慣性力により真直に進ん
で湾曲部外側の壁に当たり、跳ね返って中心面Sに相当
する管の中心線を含む平面に沿って管内を蛇行し、これ
に伴い断面においては図12(b) に示すように、中心面
Sに対し対称的な渦流を生じる。また流量制御弁40か
らバイパス通路14内に噴出する作動流体はバイパス通
路14内に強い乱れを生じる。さらにリザーバに連通さ
れる吸入通路13からバイパス通路14内に流入する作
動流体はバイパス通路14の中心面Sと直交する方向の
運動量成分を有しているのでバイパス流を中心面Sに対
し傾いた流れとし、またバイパス流に巻き込まれる際に
も衝突して乱れを生じる。図11に示すような従来技術
による油圧ポンプ装置では、これらの原因によりバイパ
ス通路14内のバイパス流は、乱れと中心面Sに対し対
称的な渦流が混じったものとなり、中心面Sに対し傾い
た成分を有しているので、吸入ポート24でキャビテー
ションを生じて騒音や脈動の増大し、また2つの吸入ポ
ート24への流入が不均等になるという問題を生じる。
【0006】本発明はバイパス通路14内のバイパス流
を長手方向に沿った平行流に近づけることにより、この
よう各問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る油圧ポンプ装置は前後方向軸線回りに回転自在に支持
されたロータを有しハウジング内に設けられたベーンポ
ンプ部と、このベーンポンプ部の後側面に当接されベー
ンポンプ部の1対の吐出ポートがロータの回転軸線に対
し対称に配置して形成された後側サイドプレートと、ハ
ウジングの後部と後側サイドプレートの間に形成されて
各吐出ポートおよび外部への吐出通路が開口される圧力
室と、ロータの回転軸線に対し対称に配置されたベーン
ポンプ部の1対の吸入ポートと圧力室を連通するバイパ
ス通路と、圧力室の後側となるハウジング内に設けられ
てバイパス通路を通る圧力室から各吸入ポートへの還流
量を調整する流量制御弁と、この流量制御弁付近となる
バイパス通路に開口されてリザーバからの作動流体が供
給される吸入通路を備え、バイパス通路はロータの回転
軸線から離れる方向に延びる第1通路と回転軸線とほゞ
平行に延びて吸入ポートに向かう第2通路とこの第1お
よび第2通路を連結する曲がり部よりなりこれら各部分
をロータの回転軸線を含みかつ両吸入ポートを結ぶ線と
直交する中心面に沿って連続するように配置したもので
ある油圧ポンプ装置において、第2通路にはその内部を
通る作動流体の流れが長手方向に沿った平行流となるよ
うに整流する整流部材を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0008】第1通路および曲がり部で生じたバイパス
流の乱れや中心面に対し傾いた成分や中心面に対し対称
的な渦流は、第2通路に設けた整流部材により長手方向
に沿った平行流となるように整流されて抑制される。
【0009】本発明による油圧ポンプ装置の整流部材
は、中心面と平行な第1整流板と、第1整流板と直交し
かつ第2通路の長手方向に沿った第2整流板よりなるも
のとすることが好ましい。
【0010】本発明による油圧ポンプ装置は、第2整流
板を曲がり部の直後に配置することが好ましい。このよ
うにすれば、第1通路よりも吸入ポートに近い曲がり部
で発生する中心面に対し対称的な渦流を発生の直後に整
流されて抑制される。
【0011】本発明による油圧ポンプ装置の流量制御弁
は、ハウジング内の後部にベーンポンプ部のロータと同
軸的に配置することが好ましい。このようにすれば、流
量制御弁を含むバイパス通路は、その全長においてロー
タの回転軸線を含みかつ両吸入ポートを結ぶ線と直交す
る中心面に沿って配置されるので、実質的に完全に対称
な形状となる。
【0012】また本発明による油圧ポンプ装置は、曲が
り部に中心面と平行でかつ同中心面に対し対称的に配置
された少なくとも1つのコーナ整流板を設けることが好
ましい。
【0013】本発明による油圧ポンプ装置は、曲がり部
は第1通路の延長部に挿入したコーナガイド先端のガイ
ド面よりなるものとし、コーナ整流板はガイド面から突
出するようにコーナガイドと一体的に形成することが好
ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】先ず図1〜図5に示す第1の実施
の形態の説明をする。この第1の実施の形態の油圧ポン
プ装置は、ハウジング10と、ハウジング10内に設け
られてポンプ軸26により回転駆動されるベーンポンプ
部20と、このベーンポンプ部20の吐出側である圧力
室18から吸入ポート24へ作動流体を還流するバイパ
ス通路14と、このバイパス通路14の途中に設けられ
て還流される作動流体の量を調整する流量制御弁40
と、バイパス通路14内に設けられた整流部材17を主
な構成部材としている。
【0015】ハウジング10はフロントハウジング10
aとその後側にねじ止め固定されてこれを覆うリヤハウ
ジング10bよりなり、フロントハウジング10aの前
部には、2個の玉軸受27を介してポンプ軸26が前後
方向軸線回りに回転自在に支持されている。フロントハ
ウジング10aにはポンプ軸26と同軸的に段付き円筒
状の内面10cが形成され、この内面10cの軸線方向
中間部には環状の流体流通空間16が偏心して(図2参
照)形成されている。何れも円盤状の前側サイドプレー
ト11と後側サイドプレート12はこの内面10cの最
前部および後部に前後方向摺動可能に嵌合され、この両
サイドプレート11,12の間に次に述べるベーンポン
プ部20が設けられている。フロントハウジング10a
の内面10cおよび後面とリヤハウジング10bの間、
ならびにフロントハウジング10aの内面10cと後側
サイドプレート12の間は、それぞれOリングにより液
密にシールされている。後側サイドプレート12とリヤ
ハウジング10bの間に形成された圧力室18は、メー
タリングオリフィス36を有する吐出通路35を介して
吐出口38に連通されている。
【0016】ベーンポンプ部20は、後述するように位
置決めピン30によりフロントハウジング10aに支持
されて内周に略楕円形のカム面が形成されたカムリング
21と、ポンプ軸26の内端部に同軸的にスプライン結
合されたロータ22と、ロータ22に形成された複数の
半径方向スリットに摺動自在に支持されてカムリング2
1内周の略楕円形のカム面に常に当接されているベーン
23よりなり、前側サイドプレート11と後側サイドプ
レート12の間に位置している。後側サイドプレート1
2はリヤハウジング10bとの間に介装した波形ワッシ
ヤ34によりベーンポンプ部20のカムリング21の後
側面に弾性的に押圧され、これによりカムリング21は
両サイドプレート11,12の間に弾性的に挟持されて
いる。カムリング21は流体流通空間16の前後方向幅
内に位置しており、カムリング21と両サイドプレート
11,12は、軸線方向に伸びる1対の位置決めピン3
0により、フロントハウジング10aに対する円周方向
の位置決めがなされる。
【0017】両サイドプレート11,12には、流体流
通空間16に連通されてその内部の作動流体をベーンポ
ンプ部20内に吸入する各1対の吸入ポート24が、図
2に示すように、ロータ22の回転軸線に対し対称に配
置して形成され、また後側サイドプレート12にはベー
ンポンプ部20からの作動流体を圧力室18に吐出する
1対の吐出ポート25が、吸入ポート24からほゞ90
度離れた位相方向において、ロータ22の回転軸線に対
し対称に配置して形成されている。
【0018】ハウジング10内には、圧力室18と流体
流通空間16とを連通するバイパス通路14が、ロータ
22の回転軸線を含み両吸入ポート24を結ぶ線と直交
する中心面S(図2参照)に沿って形成されている。こ
のバイパス通路14の途中に設けられる流量制御弁40
の弁孔41は、圧力室18の後側となるリヤハウジング
10b内にロータ22の回転軸線と同軸的に形成され、
その前端は圧力室18に開口され後端は閉じられてい
る。流量制御弁40より先となるバイパス通路14は、
弁孔41の中間部から半径方向外向きに延びるようにリ
ヤハウジング10b内に形成された第1通路14aと、
フロントおよびリヤハウジング10a,10b内にロー
タ22の回転軸線と平行に形成された第2通路14b
と、この両通路14a,14bを滑らかに連結する曲が
り部14cよりなり、この曲がり部14cの外側の壁面
は、リヤハウジング10bに形成した第1通路14aの
延長部に液密に嵌合固定したコーナガイド15先端に凹
状に湾曲して形成したガイド面15aにより形成されて
いる。第1通路14aの圧力室18側で弁孔41に接近
した位置14eには、リザーバ(図示省略)に連通され
る吸入通路13が接続されている。
【0019】バイパス通路14を開閉する流量制御弁4
0のスプール弁体42は弁孔41に摺動自在に嵌合され
て、弁孔41の後端面との間に介装したスプリング43
により圧力室18側に向けて弾性的に付勢されている。
不作動状態ではスプール弁体42はその先端に同軸的に
形成した突起42aが後側サイドプレート12に当接し
て停止され、流量制御弁40は閉じている。メータリン
グオリフィス36より後流側となる吐出通路35と、ス
プール弁体42の後側となる弁孔41内は、絞り部を有
する連通路37により連通されている。
【0020】フロントおよびリヤハウジング10a,1
0b内にロータ22の回転軸線と平行に形成された第2
通路14bは、図2および図3に示すように、中心面S
と直交する方向に細長く内面10cに沿ってやや湾曲し
た断面形状をしており、この第2通路14b内には整流
部材17が設けられている。この第1の実施の形態の整
流部材17は、互いに別体ではあるが長手方向に実質的
に隙間なく配置された第1整流板17aおよび第2整流
板17bよりなるものである。
【0021】第1整流板17aは図2および図4に示す
ように溝形断面形状であり、ダイカスト製のフロントハ
ウジング10a内の第2通路14bの底面中央には長手
方向に沿って浅い係合凹面14b1が形成されている。
第1整流板17aは、その下面を係合凹面14b1に合
わせてフロントハウジング10aの第2通路14b内に
差し込んで取り付けたものであり、その左右の縦板部は
中心面Sに対し互いに平行かつ対称的に配置されて第2
通路14b内を長手方向に沿って延び、第2通路14b
の断面をほゞ同一面積の三部分に仕切っている。
【0022】また第2整流板17bは図3および図5に
示すように、第2通路14bの断面形状に合わせて上側
が凸になるようにやや湾曲した長方形の板材の両端を下
向きに湾曲させた断面形状であり、ダイカスト製のリヤ
ハウジング10b内の第2通路14bの両側下半部には
長手方向に沿って係合凹部14b2が張り出し形成され
ている。第2整流板17bは、その両側の下向き湾曲部
を各係合凹部14b2に合わせてリヤハウジング10b
の第2通路14b内に差し込んで取り付けたものであ
り、両端の湾曲部を除き第1整流板17aと実質的に直
交しかつ第2通路14b内を長手方向に沿って延び、第
2通路14bの断面をほゞ同一面積の上下二部分に仕切
っている。
【0023】このように各整流板17a,17bをフロ
ントおよびリヤハウジング10a,10bに取り付けた
後に両ハウジング10a,10bを接合してボルト止め
結合する。これにより、両ハウジング10a,10bに
わたり形成されて第2通路14b内には、第1および第
2整流板17a,17bよりなる整流部材17が取り付
けられる。各整流板17a,17bの素材は、板金や合
成樹脂など任意である。
【0024】ポンプ軸26の先端に固定したVプーリ2
9に掛けた駆動ベルトを介して車両のエンジンの回転が
ポンプ軸26に伝達されてベーンポンプ20のロータ2
2が回転されれば、吸入通路13に連通されたリザーバ
(図示省略)内の作動流体はバイパス通路14、流体流
通空間16および1対の吸入ポート24を介してベーン
ポンプ部20の各ベーン23の間に吸入され、圧力が上
昇されて1対の吐出ポート25から圧力室18内に吐出
される。ポンプ軸26の回転速度が低い状態では、流量
制御弁40は閉じたままであり、この作動流体は全量が
メータリングオリフィス36と吐出通路35を通って吐
出口38から動力舵取装置などの外部機器に供給され
る。
【0025】ポンプ軸26の回転速度が増大してメータ
リングオリフィス36を通って吐出口38から供給され
る作動流体の流量が増大するにつれてメータリングオリ
フィス36前後の圧力差が増大する。この流量が所定値
に達すればメータリングオリフィス36前後の圧力差、
従ってスプール弁体42前後の圧力差も所定値に達し、
スプリング43に抗してスプール弁体42が後退して流
量制御弁40が開き、圧力室18内の作動流体が第1通
路14a内に噴出してバイパス通路14および流体流通
空間16を通ってベーンポンプ部20の吸入ポート24
側に還流するようになる。これ以後はポンプ軸26の回
転速度が増大して吐出ポート25からの作動流体の吐出
量が増大しようとすれば、スプール弁体42はその分だ
け後退して流量制御弁40の開度を増大させて還流量を
増大させるように自動的に調整されるので、吐出口38
からの作動流体の吐出量はほゞ一定に保たれる。
【0026】前述したように、このような構造の油圧ポ
ンプ装置のバイパス通路14では、第1通路14a内に
は流量制御弁40から噴出する作動流体により強い乱れ
が生じ、リザーバに連通される吸入通路13から流入す
る作動流体により乱れおよび中心面Sに対し傾いた流れ
が生じ、また曲がり部14cにおいてはバイパス流の蛇
行および中心面Sに対し対称的な渦流を生じる。
【0027】この蛇行および渦流は不規則な乱れとは異
なり一定の傾向があるのでかなり強いものとなり、後方
の吸入ポート24付近まで影響を及ぼす。しかしこの蛇
行および渦流は曲がり部14cの直後に配置した第2整
流板17bにより発生の直後に整流されて抑制される。
そしてその後に中心面Sと平行に設けた第1整流板17
aにより中心面Sに対し傾いた流れが中心面Sと平行に
なるように整流される。また不規則な乱れも両整流板1
7a,17bにより整流されて抑制される。
【0028】このようにこの第1の実施の形態によれ
ば、第1通路14aおよび曲がり部14cで生じたバイ
パス流の乱れや中心面Sに対し傾いた成分や蛇行や中心
面Sに対し対称的な渦流は、第2通路14bに設けた第
1整流板17aと第2整流板17bよりなる整流部材1
7により第2通路14bの長手方向に沿った平行流とな
るように整流されて抑制される。従ってバイパス流の乱
れや渦流による流動エネルギの損失を生じることがなく
なり、下流の吸入ポート24付近の流れを乱すことがな
くなり、特に高速運転時に吸入ポート24でキャビテー
ションを生じたりすることがなくなるので油圧ポンプ装
置の騒音や脈動は減少する。また整流されることにより
中心面Sに対し傾いたバイパス流の成分が抑制されるの
で、2つの吸入ポート24への作動流体の流入も均等化
される。
【0029】なお、この第1の実施の形態では、第2通
路14bは中心面Sと直交する方向が長い横長の断面形
状とし、バイパス通路14を仕切る部分の枚数は、第1
整流板17aは2枚、第2整流板17bは1枚としてい
るが、第2通路14bの断面形状は縦長形状あるいは正
方形状としてもよく、各整流板整流部材17a,17b
の各仕切部分の枚数は、各仕切部分により仕切られた各
部分の断面積が大きくなりすぎないように、また細長く
なりすぎないように定めればよい。
【0030】またこの第1の実施の形態では、流量制御
弁40はハウジング内の後部にベーンポンプ部20のロ
ータ22と同軸的に配置したので、流量制御弁40を含
むバイパス通路14は、その全長においてロータ22の
回転軸線を含みかつ両吸入ポート24を結ぶ線と直交す
る中心面Sに沿って配置され、実質的に完全に対称な形
状となり、2つの吸入ポート24への作動流体の流入は
一層均等化される。しかしながら本発明は流量制御弁を
ベーンポンプ部のロータに対し直交して配置するなど、
流量制御弁をロータと同軸的に配置しない形式の油圧ポ
ンプ装置に適用することもでき、その場合でも上述した
各効果の大部分を達成することができる。
【0031】次に図6〜図10に示す第2の実施の形態
の説明をする。前述した第1の実施の形態では整流部材
17の第1整流板17aと第2整流板17bは別体とし
たが、この第2の実施の形態は整流部材17は第1整流
板17aと第2整流板17bを一体形成したものとし、
またコーナガイド15先端のガイド面15aにコーナ整
流板15bを設けた点が第1の実施の形態と異なってい
るだけである。
【0032】この第2の実施の形態の整流部材17は、
図8および図10に示すように、四角い平板状の第2整
流板17dの前縁部に、その前後方向に延びる対称面
(後述するようにハウジング10に取り付けた状態では
中心面Sと一致する)に対し互いに対称でかつ平行とな
るように第1整流板17cの1対の縦板部を一体的に連
結したものである。図7に示すように、ダイカスト製の
フロントハウジング10a内の第2通路14bの上下面
には、第1整流板17cの両縦板部の間隔と同じ間隔
で、第2通路14bの長手方向に延びる4つの係合凹溝
14b3が形成されている。第1整流板17aはその各
縦板部の上下縁をフロントハウジング10aの後側から
各係合凹溝14b3に、第2整流板17bの前部がフロ
ントハウジング10a内に入り込む位置まで差し込んで
取り付けた後、リヤハウジング10bを接合してボルト
止め結合する。
【0033】これにより、両ハウジング10a,10b
にわたり形成された第2通路14b内には、第1および
第2整流板17a,17bよりなる整流部材17が取り
付けられ、第2整流板17dは第1整流板17cを介し
てフロントハウジング10aにより支持される。この実
施の形態の第2整流板17dの両側縁はリヤハウジング
10bの第2通路14bの内面に当接されているだけで
あるが、係合凹溝14b3と同様の溝を第2通路14b
の両側内面に形成して支持するようにしてもよい。各整
流板17a,17bは、ろう付けした板金部品や合成樹
脂成型品など任意である。
【0034】第1の実施の形態と同様、第1整流板17
cの左右の縦板部は中心面Sに対し互いに平行かつ対称
的に配置されて第2通路14b内を長手方向に沿って延
び、第2通路14bの断面をほゞ同一面積の三部分に仕
切り、また第2整流板17dは第1整流板17cと実質
的に直交しかつ第2通路14b内を長手方向に沿って延
び、第2通路14bの断面をほゞ同一面積の上下二部分
に仕切っている。
【0035】またこの第2の実施の形態は、図6および
図9に示すように、リヤハウジング10bに固定したコ
ーナガイド15先端の凹状に湾曲したガイド面15a
に、中心面Sに沿ったコーナ整流板15bが一体的に形
成されている。以上に述べた以外の第2の実施の形態の
構造は第1の実施の形態と同じであるので、詳細な説明
は省略する。
【0036】この第2の実施の形態の整流部材17は、
第1整流板17aと第2整流板17bが一体的に形成さ
れている点を除き実質的に同じであり、同一の整流作用
を行うので、前述した第1の実施の形態と全く同じ作用
効果が得られる。
【0037】これに加え、この第2の実施の形態では、
コーナガイド15先端の凹状に湾曲したガイド面15a
に中心面Sに沿ったコーナ整流板15bが一体的に形成
されているので、作動に際し第1通路14aで生じたバ
イパス流の乱れや中心面Sに対し傾いた成分は、曲がり
部14cに設けたコーナ整流板15bによっても抑制さ
れるので、2つの吸入ポート24への作動流体の流入は
一層均等化される。
【0038】なおコーナガイド15先端のガイド面15
aに設けるコーナ整流板15bは、図示のように中心面
Sに沿って1枚設ける代わりに、複数枚のものを中心面
Sと平行でかつ同中心面に対し対称的に配置するように
してもよい。このようにしても2つの吸入ポート24へ
の作動流体の流入が一層均等化されるという効果は得ら
れる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、第1通路および曲がり
部で生じたバイパス流の乱れや中心面に対し傾いた成分
や蛇行や中心面に対し対称的な渦流は、第2通路に設け
た整流部材により長手方向に沿った平行流となるように
整流され抑制されるので、流動エネルギの損失を生じる
ことがなくなる。また下流の吸入ポート付近の流れを乱
すことがなくなり、特に高速運転時に吸入ポートでキャ
ビテーションを生じたりすることがなくなるので油圧ポ
ンプ装置の騒音や脈動は減少する。また2つの吸入ポー
トへの作動流体の流入も均等化される。
【0040】整流部材が、中心面と平行な第1整流板
と、第1整流板と直交する第2整流板よりなるものによ
れば、比較的簡単な構造で乱れと中心面に対し対称的な
渦流と中心面に対し傾いた成分を有するバイパス流を整
流して、前述した各効果を得ることができる。
【0041】第2整流板を曲がり部の直後に配置したも
のによれば、第1通路よりも吸入ポートに近い曲がり部
で発生する中心面に対し対称的な強い渦流は発生の直後
に抑制されるので、このような渦流による流動エネルギ
の損失を大幅に減少させ、前述した各効果を一層高める
ことができる。
【0042】流量制御弁をハウジング内の後部にベーン
ポンプ部のロータと同軸的に配置したものによれば、流
量制御弁を含むバイパス通路が実質的に完全に対称な形
状となるので、バイパス流の乱れと中心面に対し対称的
な渦流と中心面に対し傾いた成分の何れをも抑制できる
という前述した整流部材による効果と相まって、2つの
吸入ポートへの作動流体の流入は一層均等化される。
【0043】また、バイパス通路の曲がり部に中心面と
平行でかつ同中心面に対し対称的に配置された少なくと
も1つのコーナ整流板を設けたものによれば、第1通路
で生じたバイパス流の乱れや中心面に対し傾いた成分
は、曲がり部に設けたコーナ整流板によっても抑制され
るので、2つの吸入ポートへの作動流体の流入はさらに
一層均等化される。
【0044】バイパス通路の曲がり部は第1通路の延長
部に挿入したコーナガイド先端のガイド面よりなるもの
とし、コーナ整流板はガイド面から突出するようにコー
ナガイドと一体的に形成したものによれば、コーナ整流
板をきわめて容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による油圧ポンプ装置の第1の実施形
態の全体構造を示す縦断面図である。
【図2】 図1の2−2断面図である。
【図3】 図1の3−3断面図である。
【図4】 第1の実施形態の第1整流板の斜視図であ
る。
【図5】 第1の実施形態の第2整流板の斜視図であ
る。
【図6】 本発明による油圧ポンプ装置の第2の実施形
態の全体構造を示す縦断面図である。
【図7】 図6の7−7断面図である。
【図8】 図6の8−8断面図である。
【図9】 図6の9−9断面図である。
【図10】 第1の実施形態の整流部材の斜視図であ
る。
【図11】 従来技術による油圧ポンプ装置の一例の全
体構造を示す縦断面図である。
【図12】 湾曲した管内の作動流体の流れを示す図で
ある。
【符号の説明】
10…ハウジング、12…後側サイドプレート、13…
吸入通路、14…バイパス通路、14a…第1通路、1
4b…第2通路、14c…曲がり部、15…コーナガイ
ド、15a…ガイド面、15b…コーナ整流板、17…
整流部材、17a,17c…第1整流板、17b,17
d…第2整流板、18…圧力室、20…ベーンポンプ
部、22…ロータ、24…吸入ポート、25…吐出ポー
ト、35…吐出通路、40…流量制御弁、S…中心面。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向軸線回りに回転自在に支持され
    たロータを有しハウジング内に設けられたベーンポンプ
    部と、このベーンポンプ部の後側面に当接され前記ベー
    ンポンプ部の1対の吐出ポートが前記ロータの回転軸線
    に対し対称に配置して形成された後側サイドプレート
    と、前記ハウジングの後部と前記後側サイドプレートの
    間に形成されて前記各吐出ポートおよび外部への吐出通
    路が開口される圧力室と、前記ロータの回転軸線に対し
    対称に配置された前記ベーンポンプ部の1対の吸入ポー
    トと前記圧力室を連通するバイパス通路と、前記圧力室
    の後側となる前記ハウジング内に設けられて前記バイパ
    ス通路を通る前記圧力室から前記各吸入ポートへの還流
    量を調整する流量制御弁と、この流量制御弁付近となる
    前記バイパス通路に開口されてリザーバからの作動流体
    が供給される吸入通路を備え、前記バイパス通路は前記
    ロータの回転軸線から離れる方向に延びる第1通路と前
    記回転軸線とほゞ平行に延びて前記吸入ポートに向かう
    第2通路とこの第1および第2通路を連結する曲がり部
    よりなりこれら各部分を前記ロータの回転軸線を含みか
    つ前記両吸入ポートを結ぶ線と直交する中心面に沿って
    連続するように配置したものである油圧ポンプ装置にお
    いて、前記第2通路にはその内部を通る作動流体の流れ
    が長手方向に沿った平行流となるように整流する整流部
    材を設けたことを特徴とする油圧ポンプ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の油圧ポンプ装置におい
    て、前記整流部材は、前記中心面と平行な第1整流板
    と、前記第1整流板と直交しかつ前記第2通路の長手方
    向に沿った第2整流板よりなることを特徴とする油圧ポ
    ンプ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の油圧ポンプ装置におい
    て、前記第2整流板は前記曲がり部の直後に配置したこ
    とを特徴とする油圧ポンプ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載
    の油圧ポンプ装置において、前記流量制御弁は前記ハウ
    ジング内の後部に前記ベーンポンプ部のロータと同軸的
    に配置したことを特徴とする油圧ポンプ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載
    の油圧ポンプ装置において、前記曲がり部に前記中心面
    と平行でかつ同中心面に対し対称的に配置された少なく
    とも1つのコーナ整流板を設けたことを特徴とする油圧
    ポンプ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の油圧ポンプ装置におい
    て、前記曲がり部は前記第1通路の延長部に挿入したコ
    ーナガイド先端のガイド面よりなり、前記コーナ整流板
    は前記ガイド面から突出するように前記コーナガイドと
    一体的に形成したことを特徴とする油圧ポンプ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005299471A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Showa Corp 容積型回転ポンプ
CN105257543A (zh) * 2014-07-08 2016-01-20 悦马塑料技术有限公司 用于产生真空的叶片泵

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