JP2003065016A - 船外機のオイル戻し構造 - Google Patents

船外機のオイル戻し構造

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JP2003065016A JP2001260151A JP2001260151A JP2003065016A JP 2003065016 A JP2003065016 A JP 2003065016A JP 2001260151 A JP2001260151 A JP 2001260151A JP 2001260151 A JP2001260151 A JP 2001260151A JP 2003065016 A JP2003065016 A JP 2003065016A
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克宏 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クランクケースの剛性を十分に確保すると共
に、潤滑オイルの落とし性能の向上を図った船外機のオ
イル戻し構造を提供するにある。 【解決手段】内部に筒状のスリーブ17を有する左右一
体のシリンダブロック15を平面視でV型に配置し、シ
リンダブロック15とクランクケース16との接合面に
クランクシャフト4を垂直に配置するV型エンジン3を
備えた船外機1において、クランクケース16とシリン
ダブロック15との間にクランク室19を形成し、この
クランク室19を隔壁20によって気筒毎に上下方向に
区画すると共に、クランク室19の外側にこのクランク
室19内に連通する専用のオイル落とし通路42を設け
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船外機のオイル戻
し構造に関する。
【0002】
【従来の技術】船外機にはクランクシャフトを縦に配置
したエンジンを搭載するのが一般的である。このような
エンジンは、例えばシリンダブロックおよびクランクケ
ース等のエンジン構成部材を組み合わせて構成されてお
り、クランクケースの側方にシリンダブロックが配置さ
れている。また、シリンダブロックは、水平方向に延び
る筒状のスリーブ(気筒)有し、シリンダブロックのさ
らに側方にはシリンダヘッドが配置されている。そし
て、クランクケースとシリンダブロックとの間にはクラ
ンク室が形成され、このクランク室は隔壁によって気筒
毎に上下方向に区画されている。なお、エンジンの下部
にはオイルパンが配置されている。
【0003】クランクケースとシリンダブロックとの接
合面にはクランクシャフトが垂直に配置されており、ク
ランクシャフトはその各ジャーナル部がベアリングを介
して隔壁の、シリンダブロックとクランクケースとの合
せ面に形成される軸受ボスに軸支されている。
【0004】クランクシャフト等を潤滑する潤滑オイル
はオイルポンプによってエンジンの上部に圧送された
後、エンジン内を自然落下させてオイルパンに回収する
方法が一般的である。
【0005】そして、クランクシャフトを縦に配置した
船外機用のエンジンは隔壁が潤滑オイルの自然落下を妨
げて最上部のクランク室内に潤滑オイルが溜まらないよ
う、クランクシャフトの軸受ボスを兼ねる隔壁にオイル
落とし穴やオイル落とし溝を設けて潤滑オイルをオイル
パンに導くようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラン
ク室からのオイル落ちが不十分であると、クランク室内
に潤滑オイルが溜まってしまい、この溜まった潤滑オイ
ルをクランクシャフトの例えばウェブが撹拌してしま
う。ウェブが潤滑オイルを撹拌すると抵抗が増えて(メ
カニカルロスの増加)エンジン出力の低下を招き、好ま
しくない。
【0007】また、オイル落ちが不十分であると、オイ
ルパン内の潤滑オイルが不足し、空気を吸い込んでしま
うといった問題が生じる虞があるため、オイルパンの容
量を大きくし、潤滑オイルの量も増やす必要があるが、
エンジンの大型化および重量の増加を伴うため、好まし
いものではない。
【0008】そこで、隔壁に設けられるオイル落とし穴
やオイル落とし溝を大きくする方法があるが、隔壁はク
ランクシャフトの軸受ボスを兼ねているので、シリンダ
ブロックおよびクランクケースの剛性を十分に確保でき
なくなる。
【0009】一方、例えば左右一体のシリンダブロック
を平面視でV型に配置した船外機用のV型エンジンの場
合、左右のスリーブが一つのクランク室を共用するが、
一方のスリーブは他方のスリーブと上下方向にオフセッ
ト配置されるため、下側に配置されるスリーブと隔壁と
のラップが大きくなってこの下側スリーブ内の潤滑オイ
ルが落ち難くなる。
【0010】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、クランクケースの剛性を十分に確保すると共
に、潤滑オイルの落とし性能の向上を図った船外機のオ
イル戻し構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る船外機のオ
イル戻し構造は、上述した課題を解決するために、請求
項1に記載したように、左右一体のシリンダブロックを
平面視でV型に配置し、上記シリンダブロック内に筒状
のスリーブを有すると共に、上記シリンダブロックとク
ランクケースとの接合面にクランクシャフトを垂直に配
置するV型エンジンを備えた船外機において、上記クラ
ンクケースと上記シリンダブロックとの間にクランク室
を形成し、このクランク室を隔壁によって気筒毎に上下
方向に区画すると共に、上記クランク室の外側にこのク
ランク室内に連通する専用のオイル落とし通路を設ける
一方、上記クランク室内と上記オイル落とし通路とを連
通する流出口を一方の上記スリーブの上記クランク室側
端近傍に配置して上記スリーブの端部を流出口への潤滑
オイルの案内部として利用すると共に、上記各スリーブ
の上記クランク室側端部に上下のスリーブ間を連通する
オイル落とし穴を形成したものである。
【0012】また、上述した課題を解決するために、請
求項2に記載したように、上記クランク室内と上記オイ
ル落とし通路とを連通する上記流出口の下縁部を上記隔
壁の上面と略同一になるように形成したものである。
【0013】さらに、上述した課題を解決するために、
請求項3に記載したように、上記流出口が配置される側
の上記スリーブを上記隔壁より上方にオフセットして配
置し、このスリーブの下方にスペースを確保したもので
ある。
【0014】またさらに、上述した課題を解決するため
に、請求項4に記載したように、最下部に配置されるク
ランク室内の上記上方にオフセット配置されたスリーブ
下方の上記スペースにこのクランク室内と上記エンジン
下部の空間とを連通する排油口を形成したものである。
【0015】そして、上述した課題を解決するために、
請求項5に記載したように、上記オイル落とし通路が配
置された側とは反対側に配置されるスリーブを上記隔壁
より下方にオフセット配置し、上記スリーブの上記クラ
ンク室側端部と上記隔壁との境界部分の上記隔壁側に下
方のクランク室へ、最下部のスリーブにおいては上記エ
ンジン下部の空間へ繋がるオイル落とし穴をそれぞれ形
成したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0017】図1は、この発明を適用した船外機の実施
形態を示す左側面図である。図1に示すように、この船
外機1はエンジンホルダ2を備え、このエンジンホルダ
2の上方にエンジン3が設置される。なお、このエンジ
ン3はその内部にクランクシャフト4を略垂直に配置し
たバーティカル(縦)型のエンジンである。
【0018】エンジンホルダ2の下方には潤滑オイル
(図示せず)を貯留するオイルパン5が配置されると共
に、例えば船外機1にはブラケット装置6が取り付けら
れ、このブラケット装置6を介して船外機1が図示しな
い船舶のトランサムに装着される。また、エンジン3、
エンジンホルダ2およびオイルパン5の周囲はエンジン
カバー7によって覆われる。
【0019】オイルパン5の下部にはドライブシャフト
ハウジング8が設置される。エンジンホルダ2、オイル
パン5およびドライブシャフトハウジング8内にはエン
ジン3の出力軸であるドライブシャフト9が略垂直に配
置され、その上端部がクランクシャフト4の下端部に連
結される。ドライブシャフト9はドライブシャフトハウ
ジング8内を下方に向かって延び、ドライブシャフトハ
ウジング8の下部に設けられたギヤケース10内のベベ
ルギヤ11およびプロペラシャフト12を介して推進装
置であるプロペラ13を駆動するように構成される。
【0020】図2は、エンジン3の平面図であり、その
一部を断面で示す。図1および図2に示すように、この
船外機1のエンジン3は、例えばシリンダヘッド14、
シリンダブロック15およびクランクケース16等を組
み合わせて構成された水冷4サイクルV型6気筒エンジ
ンであり、左右のシリンダブロック15を平面視でV型
に配置することによりシリンダブロック15間にVバン
クを形成する。
【0021】エンジン3の最前部、図1および図2にお
いては最も左側に配置されるクランクケース16の後方
(右側)には左右一体のシリンダブロック15が船外機
1の幅方向に広がるV字型に配置される。また、各シリ
ンダブロック15の後方にはシリンダヘッド14がそれ
ぞれ配置される。
【0022】図3は、図2のIII矢視図であり、シリ
ンダブロック15およびクランクケース16の右側面図
を示す。また、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図
であり、シリンダブロック15のクランクケース16と
の接合面から眺めた図である。さらに、図5は図2のV
−V線に沿う断面図、また、図6は図2のVI−VI線
に沿う断面図である。そして、図7は図5のVII矢視
図、すなわちエンジン3の下面図である。
【0023】図2〜図6に示すように、各シリンダブロ
ック15内にはそれぞれ三つずつの筒状スリーブ17
(気筒)が上下方向に略水平に並んで形成され、各スリ
ーブ17内にはピストン18がスリーブ17の軸線上を
軸方向に摺動自在に挿入される。また、クランクケース
16とシリンダブロック15との間にはクランク室19
が形成され、このクランク室19は隔壁20によって気
筒毎に上下方向に区画される。なお、各クランク室19
は左右一対のスリーブ17で共用される。
【0024】クランクケース16とシリンダブロック1
5との接合面にはクランクシャフト4が垂直に配置さ
れ、クランクシャフト4はその各ジャーナル部4aがベ
アリング21を介して隔壁20の、シリンダブロック1
5とクランクケース16との合せ面に形成される軸受ボ
ス20aに軸支される。さらに、クランクシャフト4と
ピストン18とがコンロッド22によって連結され、ピ
ストン18の往復ストロークがクランクシャフト4の回
転運動に変換されるようになっている。
【0025】シリンダヘッド14にはスリーブ17に整
合する燃焼室23が形成され、その外方から点火プラグ
24が結合される。また、シリンダヘッド14内には燃
焼室23に繋がる吸気ポート25や排気ポート26も形
成される。排気ポート26は、図2に示すように、左右
のシリンダヘッド14外側に形成された排気通路27に
接続されると共に、吸気ポート25は左右のシリンダヘ
ッド14およびシリンダブロック15内側に形成される
Vバンク内に向かって延びる。
【0026】さらに、各シリンダヘッド14内には両ポ
ート25,26を開閉する吸気バルブ28および排気バ
ルブ29が配置され、シリンダヘッド14の後部にはこ
れらのバルブ28,29を開閉させる二本の動弁用(吸
気用および排気用)カムシャフト30がクランクシャフ
ト4と平行に配置される。そして、シリンダヘッド14
はシリンダヘッドカバー31によって覆われる。さら
に、図5に示すように、クランクシャフト4の上端はエ
ンジン3の上方に突出し、この突出部にフライホイール
32および発電用のマグネト装置33が設けられる。
【0027】一方、エンジン3の下部には、クランクシ
ャフト4の回転をカムシャフト30に伝達してカムシャ
フト30を回転駆動させるカムシャフト駆動機構34が
設けられる。このカムシャフト駆動機構34は、例えば
チェーン駆動方式であり、図6および図7に示すよう
に、クランクシャフト4の下端に設けられたタイミング
スプロケット35と、カムシャフト30の下端に設けら
れたカムスプロケット36と、これらのスプロケット3
5,36の周囲に巻装されたタイミングチェーン37等
を主な構成部材とする。
【0028】このエンジン3には潤滑装置が備えられ
る。潤滑装置は、前記オイルパン5に溜められた潤滑オ
イルをクランクシャフト4の下部に、このクランクシャ
フト4と同軸上に設けられたオイルポンプ38によって
エンジン3の各部に圧送し、最終的にオイルパン5に回
収するものである。
【0029】クランク室19内およびピストン18内の
潤滑は、例えばオイルポンプ38によって潤滑オイルを
オイルフィルタ39およびメインギャラリ40を経由し
てエンジン3の上部や各スリーブ17内に指向するオイ
ルジェット41に圧送され、クランクシャフト4内に形
成された油路(図示せず)を経由してクランクシャフト
4のジャーナル部4aとベアリング21との摺接面やク
ランクピン4bとコンロッド22、スリーブ17とピス
トン18等の摺接面に導かれる。
【0030】各摺接部を潤滑した潤滑オイルはクランク
室19内およびスリーブ17内に放出されるが、クラン
クシャフト4を縦に、また、スリーブ17を横に配置し
ている本発明に係る船外機1用のエンジン3はクランク
室19を区画する隔壁20が潤滑オイルの自然落下を妨
げてクランク室19内およびスリーブ17内に潤滑オイ
ルが溜まらないよう、クランク室19の外側、例えばシ
リンダブロック15の壁部にオイル落とし通路42が設
けられ、潤滑オイルをオイルパン5に導くように構成さ
れる。
【0031】クランクシャフト4が回転するとクランク
シャフト4のウェブ4cがクランク室19内に溜まる潤
滑オイルを撹拌し、潤滑オイルの流れが生じる。この潤
滑オイルの流れの下流側に位置する上側二つのクランク
室19のシリンダブロック15壁部、例えばクランクシ
ャフト4が時計回りに回転する場合は船外機1の進行方
向に向かって右側(図2においては左側)、にはクラン
ク室19内と外部とを連通する流出口43が形成され
る。なお、これらの流出口43は最下部のクランク室1
9には形成されない。
【0032】これらの流出口43はその下縁部が隔壁2
0の上面と略同一になるように形成され、上側二つのク
ランク室19内に溜まる潤滑オイルがクランク室19外
にスムースに排出されるように構成される。また、エン
ジン3の下部、すなわち最下部のクランク室19の下方
には最下部の隔壁20を境にオイルパン5につながる空
間44が形成され、上記流出口43が設けられる側の、
最下部のクランク室19のシリンダブロック15壁部に
はエンジン3下部の空間44と外部とを連通する流入口
45が形成される。
【0033】そして、上述した流出口43および流入口
45はカバー46によって覆われてその内部に前述した
オイル落とし通路42を形成する。すなわち、エンジン
3の各摺接部を潤滑し、上側二つのクランク室19に流
入した潤滑オイルは流出口43からオイル落とし通路4
2を経て流入口45からエンジン3下部の空間44に導
かれ、オイルパン5に落下する。また、流出口43は最
下部のクランク室19には形成されていないので、上方
から落下する大量の潤滑オイルがこのクランク室19内
に流入することはない。
【0034】図2および図4に示すように、流出口43
が配置される側(クランクシャフト4のウェブ4cによ
って撹拌される潤滑オイルの流れの下流側)のスリーブ
17は隔壁20より上方にオフセットして配置され、こ
のスリーブ17の下方にスペース47を確保する。ま
た、流出口43はスリーブ17のクランク室19側端近
傍に配置され、スリーブ17の端部を流出口43への潤
滑オイルの案内部とすると共に、クランク室19の潤滑
オイルがスリーブ17内に流入するのを防止する。
【0035】図4に示すように、最下部に位置するクラ
ンク室19の、オイル落とし通路42が配置される側の
スリーブ17下方に設けられたスペース47には、この
クランク室19内とエンジン3下部の空間44とを連通
する排油口48が形成され、最下部のクランク室19内
に溜まる潤滑オイルをオイルパン5に導く。
【0036】また、図4、図5および図7に示すよう
に、オイル落とし通路42が配置された側とは反対側に
配置されるスリーブ17は隔壁20より下方にオフセッ
トして配置され、これらのスリーブ17の、クランク室
19側端部と隔壁20との境界部分の隔壁20側には下
方のクランク室19へ、最下部のスリーブ17において
はエンジン3下部の空間44へ繋がるオイル落とし穴4
9がそれぞれ形成される。
【0037】さらに、図2、図5および図7に示すよう
に隔壁20より下方にオフセットして配置されたスリー
ブ17のうち、最下部に配置されたスリーブ17を除い
た上方のスリーブ17のクランク室19側端部には上下
のスリーブ17間を連通するオイル落とし穴50が形成
され、上部のスリーブ17内に溜まった潤滑オイルを最
下部のスリーブ17に導き、クランク室19側端部と隔
壁20との境界部分に形成されるオイル落とし穴49か
らオイルパン5に戻す。
【0038】一方、図2、図5および図6に示すように
隔壁20より上方にオフセットして配置されたスリーブ
17のクランク室19側端部にも上下のスリーブ17間
を連通するオイル落とし穴51が形成され、上部のスリ
ーブ17内に溜まった潤滑オイルをオイルパン5に戻
す。
【0039】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
【0040】エンジン3が始動し、クランクシャフト4
が回転すると、クランクシャフト4によって駆動される
オイルポンプ38がオイルパン5内の潤滑オイルを汲み
上げてエンジン3内の各部に圧送する。
【0041】メインギャラリ40からクランクシャフト
4内に形成された油路(図示せず)を経由してクランク
シャフト4のジャーナル部4aとベアリング21との摺
接面とを潤滑した潤滑オイルは各クランク室19の隔壁
20上面に溜まり、クランクシャフト4のウェブ4cに
よって例えば時計回りに撹拌される。
【0042】一方、メインギャラリ40からオイルジェ
ット41を経由してスリーブ17とピストン18との摺
接面やピストン18内に導かれた潤滑オイルはスリーブ
17のクランク室19側端部に溜まる。
【0043】従来のようにクランクシャフト4の軸受ボ
ス20aを兼ねる隔壁20にオイル落とし穴やオイル落
とし溝を設けず、あるいは設けても小さな物とし、クラ
ンク室19の外側に専用のオイル落とし通路42を設け
たことにより、クランク室19からのオイル落ちが十分
となり、メカニカルロスの増加が防止できると共に、潤
滑オイルの量を増やす必要もなく、さらに隔壁20を構
成するシリンダブロック15およびクランクケース16
の剛性を十分に確保できる。
【0044】また、オイル落とし通路42に連通する流
出口43が配置される側のスリーブ17を隔壁20より
上方にオフセットして配置すると共に、流出口43をス
リーブ17のクランク室19側端近傍に配置し、スリー
ブ17の端部を流出口43への潤滑オイルの案内部とす
ることにより、クランク室19内の潤滑オイルがスリー
ブ17内に流入するのを防止でき、また、オイル落とし
通路42への潤滑オイルの流入効率が向上する。
【0045】さらに、各スリーブ17のクランク室19
側端部に上下のスリーブ17間を連通するオイル落とし
穴50,51を形成し、スリーブ17内に溜まった潤滑
オイルをオイルパン5に戻すように構成したことによっ
て、クランクシャフト4の軸受ボス20aを兼ねた隔壁
20にオイル落とし穴やオイル落とし溝を形成する必要
が無くなり、シリンダブロック15およびクランクケー
ス16の剛性を低下させることが無い。
【0046】また、上述したオイル落とし穴50,51
の位置は図5および図6に示すように、ピストン18の
リング18aやスカート部18bに影響を与えることも
無い。
【0047】そして、クランク室19内とオイル落とし
通路42とを連通する流出口43をその下縁部が隔壁2
0の上面と略同一になるように形成したことにより、ク
ランク室19内に溜まる潤滑オイルがクランク室19外
にスムースに排出される。
【0048】そしてまた、流出口43が配置される側の
スリーブ17を隔壁20より上方にオフセットして配置
することによりこのスリーブ17の下方にスペース47
が確保され、さらに流出口43をスリーブ17のクラン
ク室19側端近傍に配置することにより、スリーブ17
の端部を流出口43への潤滑オイルの案内部として利用
できると共に、クランク室19の潤滑オイルのスリーブ
17内への流入が防止される。
【0049】さらにまた、クランク室19内とオイル落
とし通路42とを連通する流出口43を最下部のクラン
ク室19には形成せず、オイル落とし通路42が配置さ
れる側の、上方にオフセット配置されたスリーブ17下
方に設けられたスペース47にこのクランク室19内と
エンジン3下部の空間44とを連通する排油口48を形
成し、最下部のクランク室19内に溜まる潤滑オイルを
オイルパン5に導くようにしたことにより、最下部のク
ランク室19には上方のクランク室19からオイル落と
し通路42を経由して大量の潤滑オイルが流入する事が
無くなり、メカニカルロスが低減すると共に、クランク
室19内の潤滑オイルがスリーブ17内に流入するのを
防止できる。
【0050】そしてまた、隔壁20より下方にオフセッ
トして配置されたスリーブ17の、クランク室19側端
部と隔壁20との境界部分の隔壁20側に下方のクラン
ク室19へ、最下部のスリーブ17においてはエンジン
3下部の空間44へ繋がるオイル落とし穴49をそれぞ
れ形成したことにより、下側に配置されるスリーブ17
と隔壁20との大きなラップによってこの下側スリーブ
17内の潤滑オイルが落ち難くなるといった従来の問題
点が解消できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る船外
機のオイル戻し構造によれば、クランク室からのオイル
落ちが十分となり、メカニカルロスの増加が防止できる
と共に、クランクケースの剛性を十分に確保できる。
【0052】また、クランク室の潤滑オイルがスリーブ
内に流入することが防止される。
【0053】さらに、隔壁より下側にオフセットされた
スリーブ内の潤滑オイルが落ち易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船外機のオイル戻し構造の一実施
形態を示す船外機の左側面図。
【図2】エンジンの平面図。
【図3】図2のIII矢視図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図。
【図6】図2のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】図5のVII矢視図。
【符号の説明】
1 船外機 3 V型エンジン 4 クランクシャフト 5 オイルパン 15 シリンダブロック 16 クランクケース 17 スリーブ 18 ピストン 19 クランク室 20 隔壁 42 オイル落とし通路 43 流出口 47 スリーブ下方のスペース 48 排油口 49 オイル落とし穴 50 オイル落とし穴 51 オイル落とし穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 7/00 B63H 21/26 K (72)発明者 宮下 泰 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 Fターム(参考) 3G013 AA01 AA03 AA09 AB01 BD24 BD47 3G024 AA25 AA47 AA50 AA53 BA23 DA10 DA19 DA23 EA11 FA00 FA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一体のシリンダブロックを平面視で
    V型に配置し、上記シリンダブロック内に筒状のスリー
    ブを有すると共に、上記シリンダブロックとクランクケ
    ースとの接合面にクランクシャフトを垂直に配置するV
    型エンジンを備えた船外機において、上記クランクケー
    スと上記シリンダブロックとの間にクランク室を形成
    し、このクランク室を隔壁によって気筒毎に上下方向に
    区画すると共に、上記クランク室の外側にこのクランク
    室内に連通する専用のオイル落とし通路を設ける一方、
    上記クランク室内と上記オイル落とし通路とを連通する
    流出口を一方の上記スリーブの上記クランク室側端近傍
    に配置して上記スリーブの端部を流出口への潤滑オイル
    の案内部として利用すると共に、上記各スリーブの上記
    クランク室側端部に上下のスリーブ間を連通するオイル
    落とし穴を形成したことを特徴とする船外機のオイル戻
    し構造。
  2. 【請求項2】 上記クランク室内と上記オイル落とし通
    路とを連通する上記流出口の下縁部を上記隔壁の上面と
    略同一になるように形成した請求項1記載の船外機のオ
    イル戻し構造。
  3. 【請求項3】 上記流出口が配置される側の上記スリー
    ブを上記隔壁より上方にオフセットして配置し、このス
    リーブの下方にスペースを確保した請求項1または2記
    載の船外機のオイル戻し構造。
  4. 【請求項4】 最下部に配置されるクランク室内の上記
    上方にオフセット配置されたスリーブ下方の上記スペー
    スにこのクランク室内と上記エンジン下部の空間とを連
    通する排油口を形成した請求項3記載の船外機のオイル
    戻し構造。
  5. 【請求項5】 上記オイル落とし通路が配置された側と
    は反対側に配置されるスリーブを上記隔壁より下方にオ
    フセット配置し、上記スリーブの上記クランク室側端部
    と上記隔壁との境界部分の上記隔壁側に下方のクランク
    室へ、最下部のスリーブにおいては上記エンジン下部の
    空間へ繋がるオイル落とし穴をそれぞれ形成した請求項
    3または4記載の船外機のオイル戻し構造。
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