JP3870737B2 - 船外機のオイル戻し構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船外機のオイル戻し構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
船外機にはクランクシャフトを縦に配置したエンジンを搭載するのが一般的である。このようなエンジンは、例えばシリンダブロックおよびクランクケース等のエンジン構成部材を組み合わせて構成されており、クランクケースの側方にシリンダブロックが配置されている。また、シリンダブロックは、水平方向に延びる筒状のスリーブ(気筒)有し、シリンダブロックのさらに側方にはシリンダヘッドが配置されている。そして、クランクケースとシリンダブロックとの間にはクランク室が形成され、このクランク室は隔壁によって気筒毎に上下方向に区画されている。なお、エンジンの下部にはオイルパンが配置されている。
【0003】
クランクケースとシリンダブロックとの接合面にはクランクシャフトが垂直に配置されており、クランクシャフトはその各ジャーナル部がベアリングを介して隔壁の、シリンダブロックとクランクケースとの合せ面に形成される軸受ボスに軸支されている。
【0004】
クランクシャフト等を潤滑する潤滑オイルはオイルポンプによってエンジンの上部に圧送された後、エンジン内を自然落下させてオイルパンに回収する方法が一般的である。
【0005】
そして、クランクシャフトを縦に配置した船外機用のエンジンは隔壁が潤滑オイルの自然落下を妨げて最上部のクランク室内に潤滑オイルが溜まらないよう、クランクシャフトの軸受ボスを兼ねる隔壁にオイル落とし穴やオイル落とし溝を設けて潤滑オイルをオイルパンに導くようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クランク室からのオイル落ちが不十分であると、クランク室内に潤滑オイルが溜まってしまい、この溜まった潤滑オイルをクランクシャフトの例えばウェブが撹拌してしまう。ウェブが潤滑オイルを撹拌すると抵抗が増えて(メカニカルロスの増加)エンジン出力の低下を招き、好ましくない。
【0007】
また、オイル落ちが不十分であると、オイルパン内の潤滑オイルが不足し、空気を吸い込んでしまうといった問題が生じる虞があるため、オイルパンの容量を大きくし、潤滑オイルの量も増やす必要があるが、エンジンの大型化および重量の増加を伴うため、好ましいものではない。
【0008】
そこで、隔壁に設けられるオイル落とし穴やオイル落とし溝を大きくする方法があるが、隔壁はクランクシャフトの軸受ボスを兼ねているので、シリンダブロックおよびクランクケースの剛性を十分に確保できなくなる。
【0009】
一方、例えば左右一体のシリンダブロックを平面視でV型に配置した船外機用のV型エンジンの場合、左右のスリーブが一つのクランク室を共用するが、一方のスリーブは他方のスリーブと上下方向にオフセット配置されるため、下側に配置されるスリーブと隔壁とのラップが大きくなってこの下側スリーブ内の潤滑オイルが落ち難くなる。
【0010】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、クランクケースの剛性を十分に確保すると共に、潤滑オイルの落とし性能の向上を図った船外機のオイル戻し構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る船外機のオイル戻し構造は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、左右一体のシリンダブロックを平面視でV型に配置し、上記シリンダブロック内に筒状のスリーブを有すると共に、上記シリンダブロックとクランクケースとの接合面にクランクシャフトを垂直に配置するV型エンジンを備えた船外機において、上記クランクケースと上記シリンダブロックとの間にクランク室を形成し、このクランク室を隔壁によって気筒毎に上下方向に区画すると共に、上記クランク室の外側にこのクランク室内に連通する専用のオイル落とし通路を設ける一方、上記クランク室内と上記オイル落とし通路とを連通する流出口を一方の上記スリーブの上記クランク室側端近傍に配置して上記スリーブの端部を流出口への潤滑オイルの案内部として利用すると共に、上記各スリーブの上記クランク室側端部に上下のスリーブ間を連通するオイル落とし穴を形成したものである。
【0012】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記クランク室内と上記オイル落とし通路とを連通する上記流出口の下縁部を上記隔壁の上面と略同一になるように形成したものである。
【0013】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記流出口が配置される側の上記スリーブを上記隔壁より上方にオフセットして配置し、このスリーブの下方にスペースを確保したものである。
【0014】
またさらに、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、最下部に配置されるクランク室内の上記上方にオフセット配置されたスリーブ下方の上記スペースにこのクランク室内と上記エンジン下部の空間とを連通する排油口を形成したものである。
【0015】
そして、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記オイル落とし通路が配置された側とは反対側に配置されるスリーブを上記隔壁より下方にオフセット配置し、上記スリーブの上記クランク室側端部と上記隔壁との境界部分の上記隔壁側に下方のクランク室へ、最下部のスリーブにおいては上記エンジン下部の空間へ繋がるオイル落とし穴をそれぞれ形成したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、この発明を適用した船外機の実施形態を示す左側面図である。図1に示すように、この船外機1はエンジンホルダ2を備え、このエンジンホルダ2の上方にエンジン3が設置される。なお、このエンジン3はその内部にクランクシャフト4を略垂直に配置したバーティカル(縦)型のエンジンである。
【0018】
エンジンホルダ2の下方には潤滑オイル(図示せず)を貯留するオイルパン5が配置されると共に、例えば船外機1にはブラケット装置6が取り付けられ、このブラケット装置6を介して船外機1が図示しない船舶のトランサムに装着される。また、エンジン3、エンジンホルダ2およびオイルパン5の周囲はエンジンカバー7によって覆われる。
【0019】
オイルパン5の下部にはドライブシャフトハウジング8が設置される。エンジンホルダ2、オイルパン5およびドライブシャフトハウジング8内にはエンジン3の出力軸であるドライブシャフト9が略垂直に配置され、その上端部がクランクシャフト4の下端部に連結される。ドライブシャフト9はドライブシャフトハウジング8内を下方に向かって延び、ドライブシャフトハウジング8の下部に設けられたギヤケース10内のベベルギヤ11およびプロペラシャフト12を介して推進装置であるプロペラ13を駆動するように構成される。
【0020】
図2は、エンジン3の平面図であり、その一部を断面で示す。図1および図2に示すように、この船外機1のエンジン3は、例えばシリンダヘッド14、シリンダブロック15およびクランクケース16等を組み合わせて構成された水冷4サイクルV型6気筒エンジンであり、左右のシリンダブロック15を平面視でV型に配置することによりシリンダブロック15間にVバンクを形成する。
【0021】
エンジン3の最前部、図1および図2においては最も左側に配置されるクランクケース16の後方(右側)には左右一体のシリンダブロック15が船外機1の幅方向に広がるV字型に配置される。また、各シリンダブロック15の後方にはシリンダヘッド14がそれぞれ配置される。
【0022】
図3は、図2のIII矢視図であり、シリンダブロック15およびクランクケース16の右側面図を示す。また、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図であり、シリンダブロック15のクランクケース16との接合面から眺めた図である。さらに、図5は図2のV−V線に沿う断面図、また、図6は図2のVI−VI線に沿う断面図である。そして、図7は図5のVII矢視図、すなわちエンジン3の下面図である。
【0023】
図2〜図6に示すように、各シリンダブロック15内にはそれぞれ三つずつの筒状スリーブ17(気筒)が上下方向に略水平に並んで形成され、各スリーブ17内にはピストン18がスリーブ17の軸線上を軸方向に摺動自在に挿入される。また、クランクケース16とシリンダブロック15との間にはクランク室19が形成され、このクランク室19は隔壁20によって気筒毎に上下方向に区画される。なお、各クランク室19は左右一対のスリーブ17で共用される。
【0024】
クランクケース16とシリンダブロック15との接合面にはクランクシャフト4が垂直に配置され、クランクシャフト4はその各ジャーナル部4aがベアリング21を介して隔壁20の、シリンダブロック15とクランクケース16との合せ面に形成される軸受ボス20aに軸支される。さらに、クランクシャフト4とピストン18とがコンロッド22によって連結され、ピストン18の往復ストロークがクランクシャフト4の回転運動に変換されるようになっている。
【0025】
シリンダヘッド14にはスリーブ17に整合する燃焼室23が形成され、その外方から点火プラグ24が結合される。また、シリンダヘッド14内には燃焼室23に繋がる吸気ポート25や排気ポート26も形成される。排気ポート26は、図2に示すように、左右のシリンダヘッド14外側に形成された排気通路27に接続されると共に、吸気ポート25は左右のシリンダヘッド14およびシリンダブロック15内側に形成されるVバンク内に向かって延びる。
【0026】
さらに、各シリンダヘッド14内には両ポート25,26を開閉する吸気バルブ28および排気バルブ29が配置され、シリンダヘッド14の後部にはこれらのバルブ28,29を開閉させる二本の動弁用(吸気用および排気用)カムシャフト30がクランクシャフト4と平行に配置される。そして、シリンダヘッド14はシリンダヘッドカバー31によって覆われる。さらに、図5に示すように、クランクシャフト4の上端はエンジン3の上方に突出し、この突出部にフライホイール32および発電用のマグネト装置33が設けられる。
【0027】
一方、エンジン3の下部には、クランクシャフト4の回転をカムシャフト30に伝達してカムシャフト30を回転駆動させるカムシャフト駆動機構34が設けられる。このカムシャフト駆動機構34は、例えばチェーン駆動方式であり、図6および図7に示すように、クランクシャフト4の下端に設けられたタイミングスプロケット35と、カムシャフト30の下端に設けられたカムスプロケット36と、これらのスプロケット35,36の周囲に巻装されたタイミングチェーン37等を主な構成部材とする。
【0028】
このエンジン3には潤滑装置が備えられる。潤滑装置は、前記オイルパン5に溜められた潤滑オイルをクランクシャフト4の下部に、このクランクシャフト4と同軸上に設けられたオイルポンプ38によってエンジン3の各部に圧送し、最終的にオイルパン5に回収するものである。
【0029】
クランク室19内およびピストン18内の潤滑は、例えばオイルポンプ38によって潤滑オイルをオイルフィルタ39およびメインギャラリ40を経由してエンジン3の上部や各スリーブ17内に指向するオイルジェット41に圧送され、クランクシャフト4内に形成された油路(図示せず)を経由してクランクシャフト4のジャーナル部4aとベアリング21との摺接面やクランクピン4bとコンロッド22、スリーブ17とピストン18等の摺接面に導かれる。
【0030】
各摺接部を潤滑した潤滑オイルはクランク室19内およびスリーブ17内に放出されるが、クランクシャフト4を縦に、また、スリーブ17を横に配置している本発明に係る船外機1用のエンジン3はクランク室19を区画する隔壁20が潤滑オイルの自然落下を妨げてクランク室19内およびスリーブ17内に潤滑オイルが溜まらないよう、クランク室19の外側、例えばシリンダブロック15の壁部にオイル落とし通路42が設けられ、潤滑オイルをオイルパン5に導くように構成される。
【0031】
クランクシャフト4が回転するとクランクシャフト4のウェブ4cがクランク室19内に溜まる潤滑オイルを撹拌し、潤滑オイルの流れが生じる。この潤滑オイルの流れの下流側に位置する上側二つのクランク室19のシリンダブロック15壁部、例えばクランクシャフト4が時計回りに回転する場合は船外機1の進行方向に向かって右側(図2においては左側)、にはクランク室19内と外部とを連通する流出口43が形成される。なお、これらの流出口43は最下部のクランク室19には形成されない。
【0032】
これらの流出口43はその下縁部が隔壁20の上面と略同一になるように形成され、上側二つのクランク室19内に溜まる潤滑オイルがクランク室19外にスムースに排出されるように構成される。また、エンジン3の下部、すなわち最下部のクランク室19の下方には最下部の隔壁20を境にオイルパン5につながる空間44が形成され、上記流出口43が設けられる側の、最下部のクランク室19のシリンダブロック15壁部にはエンジン3下部の空間44と外部とを連通する流入口45が形成される。
【0033】
そして、上述した流出口43および流入口45はカバー46によって覆われてその内部に前述したオイル落とし通路42を形成する。すなわち、エンジン3の各摺接部を潤滑し、上側二つのクランク室19に流入した潤滑オイルは流出口43からオイル落とし通路42を経て流入口45からエンジン3下部の空間44に導かれ、オイルパン5に落下する。また、流出口43は最下部のクランク室19には形成されていないので、上方から落下する大量の潤滑オイルがこのクランク室19内に流入することはない。
【0034】
図2および図4に示すように、流出口43が配置される側(クランクシャフト4のウェブ4cによって撹拌される潤滑オイルの流れの下流側)のスリーブ17は隔壁20より上方にオフセットして配置され、このスリーブ17の下方にスペース47を確保する。また、流出口43はスリーブ17のクランク室19側端近傍に配置され、スリーブ17の端部を流出口43への潤滑オイルの案内部とすると共に、クランク室19の潤滑オイルがスリーブ17内に流入するのを防止する。
【0035】
図4に示すように、最下部に位置するクランク室19の、オイル落とし通路42が配置される側のスリーブ17下方に設けられたスペース47には、このクランク室19内とエンジン3下部の空間44とを連通する排油口48が形成され、最下部のクランク室19内に溜まる潤滑オイルをオイルパン5に導く。
【0036】
また、図4、図5および図7に示すように、オイル落とし通路42が配置された側とは反対側に配置されるスリーブ17は隔壁20より下方にオフセットして配置され、これらのスリーブ17の、クランク室19側端部と隔壁20との境界部分の隔壁20側には下方のクランク室19へ、最下部のスリーブ17においてはエンジン3下部の空間44へ繋がるオイル落とし穴49がそれぞれ形成される。
【0037】
さらに、図2、図5および図7に示すように隔壁20より下方にオフセットして配置されたスリーブ17のうち、最下部に配置されたスリーブ17を除いた上方のスリーブ17のクランク室19側端部には上下のスリーブ17間を連通するオイル落とし穴50が形成され、上部のスリーブ17内に溜まった潤滑オイルを最下部のスリーブ17に導き、クランク室19側端部と隔壁20との境界部分に形成されるオイル落とし穴49からオイルパン5に戻す。
【0038】
一方、図2、図5および図6に示すように隔壁20より上方にオフセットして配置されたスリーブ17のクランク室19側端部にも上下のスリーブ17間を連通するオイル落とし穴51が形成され、上部のスリーブ17内に溜まった潤滑オイルをオイルパン5に戻す。
【0039】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0040】
エンジン3が始動し、クランクシャフト4が回転すると、クランクシャフト4によって駆動されるオイルポンプ38がオイルパン5内の潤滑オイルを汲み上げてエンジン3内の各部に圧送する。
【0041】
メインギャラリ40からクランクシャフト4内に形成された油路(図示せず)を経由してクランクシャフト4のジャーナル部4aとベアリング21との摺接面とを潤滑した潤滑オイルは各クランク室19の隔壁20上面に溜まり、クランクシャフト4のウェブ4cによって例えば時計回りに撹拌される。
【0042】
一方、メインギャラリ40からオイルジェット41を経由してスリーブ17とピストン18との摺接面やピストン18内に導かれた潤滑オイルはスリーブ17のクランク室19側端部に溜まる。
【0043】
従来のようにクランクシャフト4の軸受ボス20aを兼ねる隔壁20にオイル落とし穴やオイル落とし溝を設けず、あるいは設けても小さな物とし、クランク室19の外側に専用のオイル落とし通路42を設けたことにより、クランク室19からのオイル落ちが十分となり、メカニカルロスの増加が防止できると共に、潤滑オイルの量を増やす必要もなく、さらに隔壁20を構成するシリンダブロック15およびクランクケース16の剛性を十分に確保できる。
【0044】
また、オイル落とし通路42に連通する流出口43が配置される側のスリーブ17を隔壁20より上方にオフセットして配置すると共に、流出口43をスリーブ17のクランク室19側端近傍に配置し、スリーブ17の端部を流出口43への潤滑オイルの案内部とすることにより、クランク室19内の潤滑オイルがスリーブ17内に流入するのを防止でき、また、オイル落とし通路42への潤滑オイルの流入効率が向上する。
【0045】
さらに、各スリーブ17のクランク室19側端部に上下のスリーブ17間を連通するオイル落とし穴50,51を形成し、スリーブ17内に溜まった潤滑オイルをオイルパン5に戻すように構成したことによって、クランクシャフト4の軸受ボス20aを兼ねた隔壁20にオイル落とし穴やオイル落とし溝を形成する必要が無くなり、シリンダブロック15およびクランクケース16の剛性を低下させることが無い。
【0046】
また、上述したオイル落とし穴50,51の位置は図5および図6に示すように、ピストン18のリング18aやスカート部18bに影響を与えることも無い。
【0047】
そして、クランク室19内とオイル落とし通路42とを連通する流出口43をその下縁部が隔壁20の上面と略同一になるように形成したことにより、クランク室19内に溜まる潤滑オイルがクランク室19外にスムースに排出される。
【0048】
そしてまた、流出口43が配置される側のスリーブ17を隔壁20より上方にオフセットして配置することによりこのスリーブ17の下方にスペース47が確保され、さらに流出口43をスリーブ17のクランク室19側端近傍に配置することにより、スリーブ17の端部を流出口43への潤滑オイルの案内部として利用できると共に、クランク室19の潤滑オイルのスリーブ17内への流入が防止される。
【0049】
さらにまた、クランク室19内とオイル落とし通路42とを連通する流出口43を最下部のクランク室19には形成せず、オイル落とし通路42が配置される側の、上方にオフセット配置されたスリーブ17下方に設けられたスペース47にこのクランク室19内とエンジン3下部の空間44とを連通する排油口48を形成し、最下部のクランク室19内に溜まる潤滑オイルをオイルパン5に導くようにしたことにより、最下部のクランク室19には上方のクランク室19からオイル落とし通路42を経由して大量の潤滑オイルが流入する事が無くなり、メカニカルロスが低減すると共に、クランク室19内の潤滑オイルがスリーブ17内に流入するのを防止できる。
【0050】
そしてまた、隔壁20より下方にオフセットして配置されたスリーブ17の、クランク室19側端部と隔壁20との境界部分の隔壁20側に下方のクランク室19へ、最下部のスリーブ17においてはエンジン3下部の空間44へ繋がるオイル落とし穴49をそれぞれ形成したことにより、下側に配置されるスリーブ17と隔壁20との大きなラップによってこの下側スリーブ17内の潤滑オイルが落ち難くなるといった従来の問題点が解消できる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る船外機のオイル戻し構造によれば、クランク室からのオイル落ちが十分となり、メカニカルロスの増加が防止できると共に、クランクケースの剛性を十分に確保できる。
【0052】
また、クランク室の潤滑オイルがスリーブ内に流入することが防止される。
【0053】
さらに、隔壁より下側にオフセットされたスリーブ内の潤滑オイルが落ち易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船外機のオイル戻し構造の一実施形態を示す船外機の左側面図。
【図2】エンジンの平面図。
【図3】図2のIII矢視図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図。
【図6】図2のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】図5のVII矢視図。
【符号の説明】
1 船外機
3 V型エンジン
4 クランクシャフト
5 オイルパン
15 シリンダブロック
16 クランクケース
17 スリーブ
18 ピストン
19 クランク室
20 隔壁
42 オイル落とし通路
43 流出口
47 スリーブ下方のスペース
48 排油口
49 オイル落とし穴
50 オイル落とし穴
51 オイル落とし穴

Claims (5)

  1. 左右一体のシリンダブロックを平面視でV型に配置し、上記シリンダブロック内に筒状のスリーブを有すると共に、上記シリンダブロックとクランクケースとの接合面にクランクシャフトを垂直に配置するV型エンジンを備えた船外機において、上記クランクケースと上記シリンダブロックとの間にクランク室を形成し、このクランク室を隔壁によって気筒毎に上下方向に区画すると共に、上記クランク室の外側にこのクランク室内に連通する専用のオイル落とし通路を設ける一方、上記クランク室内と上記オイル落とし通路とを連通する流出口を一方の上記スリーブの上記クランク室側端近傍に配置して上記スリーブの端部を流出口への潤滑オイルの案内部として利用すると共に、上記各スリーブの上記クランク室側端部に上下のスリーブ間を連通するオイル落とし穴を形成したことを特徴とする船外機のオイル戻し構造。
  2. 上記クランク室内と上記オイル落とし通路とを連通する上記流出口の下縁部を上記隔壁の上面と略同一になるように形成した請求項1記載の船外機のオイル戻し構造。
  3. 上記流出口が配置される側の上記スリーブを上記隔壁より上方にオフセットして配置し、このスリーブの下方にスペースを確保した請求項1または2記載の船外機のオイル戻し構造。
  4. 最下部に配置されるクランク室内の上記上方にオフセット配置されたスリーブ下方の上記スペースにこのクランク室内と上記エンジン下部の空間とを連通する排油口を形成した請求項3記載の船外機のオイル戻し構造。
  5. 上記オイル落とし通路が配置された側とは反対側に配置されるスリーブを上記隔壁より下方にオフセット配置し、上記スリーブの上記クランク室側端部と上記隔壁との境界部分の上記隔壁側に下方のクランク室へ、最下部のスリーブにおいては上記エンジン下部の空間へ繋がるオイル落とし穴をそれぞれ形成した請求項3または4記載の船外機のオイル戻し構造。
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