JP2003060230A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力及び動作電圧の低い半導体発光素子
の低コスト化が困難であった。 【解決手段】 低抵抗のシリコンから成り且つ一方の主
面11aの結晶面方位を(111)ジャスト面とした基
板11の上にAlNから成る第1の層12aとGaNか
ら成る第2の層12bとを交互に複数積層した複合層構
造のバッファ層12を設ける。バッファ層12の上に窒
化ガリウムから成るn形半導体領域13、窒化ガリウム
インジウムからなる活性層14、窒化ガリウムから成る
p形半導体領域15を順次に形成する。p形半導体領域
15の上にアノード電極17を設け、基板11にカソー
ド電極18を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物系化合物半導
体を用いた半導体発光素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN(窒化ガリウム)、AlGaN
(窒化ガリウム アルミニウム)、InGaN(窒化ガ
リウム インジウム)、AlInGaN(窒化ガリウム
インジウム アルミニウム)等の窒化ガリウム系化合
物半導体を用いた例えば青色発光ダイオード等の半導体
発光素子は公知である。従来の典型的な発光素子は、サ
ファイアから成る絶縁性基板、この絶縁性基板の一方の
主面(上面)に形成された例えば日本の特開平4‐29
7023号公報に開示されてGaxAl1-xN(但し、x
は0<x≦1の範囲の数値である。)から成るバッファ
層、このバッファ層の上にエピタキシャル成長によって
形成された窒化ガリウム系化合物半導体(例えばGa
N)から成るn形半導体領域、このn形半導体領域の上
にエピタキシャル成長法によって形成された窒化ガリウ
ム系化合物半導体(例えばInGaN)から成る活性
層、及びこの活性層の上にエピタキシャル成長法によっ
て形成されたp形半導体領域を備えている。カソ−ド電
極はn形半導体領域に接続され、アノ−ド電極はp形半
導体領域に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発光素子
は、周知のように多数の素子の作り込まれたウエハをダ
イシング、スクライビング、劈開 (cleavage)等によっ
て切り出して製作される。この時、サファイアから成る
絶縁性基板は硬度が高いため、このダイシングを良好に
且つ生産性良く行うことが困難であった。また、サファ
イアは高価であるため、発光素子のコストが高くなっ
た。また、サファイアから成る基板は絶縁体であるた
め、カソ−ド電極を基板に形成することができなかっ
た。このため、n形半導体領域の一部を露出させ、ここ
にカソ−ド電極を接続することが必要になり、半導体基
体の面積即ちチップ面積が比較的大きくなり、その分発
光素子のコストが高くなった。また、サファイア基板を
使用した従来の発光素子では、n形半導体領域の垂直方
向のみならず、水平方向即ちサファイア基板の主面に沿
う方向にも電流が流れる。このn形半導体領域の水平方
向の電流が流れる部分の厚みは4〜5μm程度と極めて
薄いため、n形半導体領域の水平方向の電流通路の抵抗
はかなり大きなものとなり、消費電力及び動作電圧の増
大を招いた。更に、このn形半導体領域のカソ−ド電極
の接続部分を露出させるために活性層及びp形半導体領
域をエッチングによって削り取ることが必要になり、エ
ッチングの精度を考慮してn形半導体領域は予め若干肉
厚に形成しておく必要があった。このためn形半導体領
域のエピタキシャル成長の時間が長くなり、生産性が低
かった。また、サファイア基板の代りにシリコンカーバ
イド(SiC)から成る導電性基板を用いた発光素子が
知られている。この発光素子においては、カソ−ド電極
を導電性基板の下面に形成できる。このため、サファイ
ア基板を使用した発光素子に比べて、SiC基板を使用
した発光素子は、チップ面積の縮小が図られること、劈
開によりウエハの分離が簡単化する等の利点はある。し
かし、SiCはサファイアよりも一段と高価であるため
発光素子の低コスト化が困難である。また、SiC基板
の上にn形半導体領域を低抵抗接触させることが困難で
あり、この発光素子の消費電力及び動作電圧がサファイ
ア基板を使用した発光素子と同様に比較的高くなった。
【0004】そこで、本発明の目的は、生産性及び性能
の向上及びコストの低減を図ることができる半導体発光
素子及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、窒化物系化合物半導体
を有する半導体発光素子であって、不純物を含むシリコ
ン又はシリコン化合物から成り且つ低い抵抗率を有し且
つ一方の主面がミラー指数で示す結晶の面方位いおいて
(111)ジャスト面又は(111)面から−4度から
+4度の範囲で傾いている面である基板と、前記基板の
一方の主面上に配置され、AlxGa1-xN(但し、xは
0<x≦1を満足する数値である。)から成る第1の層
とGaN又はAlyGa1-yN(但し、yはy<x及び0
<y<1を満足する数値である。)から成る第2の層と
の複合層から成るバッファ層と、発光機能を得るために
前記バッファ層の上に配置された複数の窒化物系化合物
層を含んでいる半導体領域と、前記半導体領域の表面上
の一部に配置された第1の電極と、前記基板の他方の主
面に配置された第2の電極とを備えていることを特徴と
する半導体発光素子に係るものである。なお、前記第2
の層を、化学式AlyGa1-yN(但し、yはy<x及び
0≦y<1を満足する数値である。)で表すこともでき
る。この化学式において、yが0の場合に前記第2の層
はGaNになる。
【0006】なお、請求項2に示すように、前記バッフ
ァ層は、AlxGa1-xNから成る複数の第1の層と、G
aN又はAlyGa1-yNから成る複数の第2の層とを有
し、前記第1の層と前記第2の層が交互に積層されてい
ることが望ましい。また、請求項3に示すように、前記
バッファ層における前記第1の層の厚みが、量子力学的
トンネル効果が生じるように設定され、前記第2の層の
厚みが10nm〜300nmとされていることが望まし
い。また、請求項4に示すように、前記第2の層はn形
不純物としてシリコンを含むことことが望ましい。ま
た、請求項5に示すように、発光機能を得るための前記
半導体領域の前記複数の窒化物系化合物半導体層のそれ
ぞれは、GaN(窒化ガリウム)層、AlInN(窒化
インジウム アルミニウム)層、AlGaN(窒化ガリ
ウム アルミニウム)層、InGaN(窒化ガリウム
インジウム)層、及びAlInGaN(窒化ガリウム
インジウム アルミニウム)層から選択されたものであ
ることが望ましい。即ち、例えば、後述の実施形態の半
導体層13、活性層14、及び半導体層15等の窒化物
系化合物半導体層のそれぞれは、窒化ガリウム系化合物
半導体層又は窒化インジウム系化合物半導体層であるこ
とが望ましい。また、請求項6に示すように、前記半導
体領域は、前記バッファ層の上に配置された窒化物系化
合物半導体から成る第1の導電形の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に配置された窒化物系化合物半
導体から成る活性層と、前記活性層の上に配置された窒
化物系化合物半導体から成り且つ前記第1の導電形と反
対の導電形を有している第2の半導体層とを備えている
ことが望ましい。また、請求項7に示すように、窒化物
系化合物半導体を有する半導体発光素子の製造方法にお
いて、不純物を含むシリコン又はシリコン化合物から成
り且つ低い抵抗率を有し且つ一方の主面がミラー指数で
示す結晶の面方位において(111)ジャスト面又は
(111)面から−4度から+4度の範囲で傾いている
面である基板を用意する工程と、前記基板上に、気相成
長法によってAlxGa1-xN(但し、xは、0<x≦1
を満足する数値である。)から成る第1の層とGaN又
はAlyGa1-yN(但しyは、y<x及び0<y<1を
満足する数値である。)から成る第2の層とを順次に形
成してバッファ層を得る工程と、前記バッファ層上に、
発光機能を得るための複数の窒化物系化合物層から成る
半導体領域を気相成長法で形成する工程と、前記半導体
領域の表面上の一部に第1の電極を形成し、前記基板の
他方の主面に第2の電極を形成する工程とを有している
ことが望ましい。
【0007】
【発明の効果】各請求項の発明によれば次の効果が得ら
れる。 基板が比較的安価なシリコン又はシリコン化合物で
あるので、発光素子のコストを低減できる。 AlxGa1-xN(但し、xは、0<x<1を満足す
る数値である。)から成る第1の層の格子定数は、発光
機能を得るための窒化物系化合物半導体の格子定数より
もシリコンの格子定数に近い値を有する。従ってバッフ
ァ層に第1の層を含めると、バッファ機能が良くなり、
発光機能を有する窒化物系化合物半導体層の結晶性及び
平坦性を改善することができる。 バッファ層は第1の層の他に第2の層を有する。第1
及び第2の層の複合層からなるバッファ層は、良好なバ
ッファ機能を発揮し、シリコン又はシリコン化合物から
成る基板の結晶方位を良好に引き継いだ発光用半導体領
域の形成が可能になり、結晶性及び平坦性が良い発光用
半導体領域が得られる。要するに、本発明に従う第1の
層と第2の層との組み合せによって全体として電気的抵
抗が小さく且つ良好なバッファ機能を有するバッファ層
が得られ、この結果として、発光用半導体領域の平坦性
及び発光特性が改善される。もし、シリコン又はシリコ
ン化合物から成る基板の一方の主面に、GaN半導体層
のみから成るバッファ層を形成した場合、基板とGaN
とは格子定数の差が大きい為、このバッファ層の上面に
平坦性に優れた窒化物系化合物半導体領域を形成するこ
とができない。 基板の主面の結晶面方位が(111)ジャスト面又
は(111)ジャスト面からのオフ角度が小さい面であ
るので、基板の上にバッファ層及び発光機能を有する半
導体領域を良好に形成することができ、発光効率を高め
ることができる。即ち、基板の主面の面方位を(11
1)ジャスト面又は(111)ジャスト面からのオフ角
度が小さい面とすることによって、バッファ層及び発光
機能を有する半導体領域の結晶表面の原子ステップ即ち
原子レベルでのステップを無くすこと又は小さくするこ
とができる。もし、(111)ジャスト面からのオフ角
度の大きい主面上にバッファ層及び発光機能を有する半
導体領域を形成すると、これ等に原子レベルで見て比較
的大きいステップが生じる。エピタキシャル成長層が比
較的厚い場合には多少のステップはさほど問題にならな
いが、例えば活性層のような数nmオ−ダの厚みの薄い
層を有する発光素子の場合には、発光素子を通電状態と
した時にステップの近傍に発光に寄与しない電流即ち無
効電流が流れ、発光効率が低下する。これに対して、基
板の主面を(111)ジャスト面又はオフ角度の小さい
面とすれば、ステップが小さくなり、無効電流も少なく
なり、発光効率が大きくなる。 バッファ層が導電性を有するので、第1及び第2の
電極は互いに対向するように配置されている。この結
果、第1及び第2の電極間の電流通路の抵抗値を下げて消
費電力及び動作電圧を小さくすることができる。 バッファ層の内の少なくとも第1の層はAlを含む。A
lを含む第1の層の熱膨張係数は基板の熱膨張係数とGa
N系化合物半導体から成る発光用半導体領域の熱膨張係
数との中間の値を有する。従って、バッファ層は基板と
発光用半導体領域との熱膨張係数の差に起因する歪の発
生を比較的良好に抑制する。請求項2の発明において
は、複数の第1の層と複数の第2の層とを交互に積層し
てバッファ層を構成するので、複数の薄い第1の層が分
散配置される。この結果、バッファ層の導電性を確保し
且つバッファ層全体として良好なバッファ機能を得るこ
とができ、バッファ層の上に形成される半導体領域の結
晶性が良くなる。請求項3の発明によれば、第2の層の
厚みが10nm〜300nmの範囲に制限されているの
で、バッファ層の抵抗値の増大を抑えて発光素子の消費
電力及び動作電圧を低くすることができる。即ち、も
し、第2の層の厚みが10nmよりも薄い時には、第2の
層の価電子帯と伝導帯とに離散的なエネルギー準位が発
生し、第2の層においてキャリアの伝導に関与するエネ
ルギー準位が見かけ上増大する。この結果、基板と第2
の層との間のエネルギバンドの不連続性が比較的大きく
なり、発光素子の動作時の第1及び第2の電極間の抵抗
及び電圧が比較的大きくなる。これに対し、第2の層の
厚みが10nm以上になると、第2の層の価電子帯と伝導
帯とにおける離散的なエネルギー準位の発生が抑制さ
れ、第2の層におけるキャリアの伝導に関与するエネル
ギー準位の増大が抑制される。この結果、基板と第2の
層との間のエネルギバンドの不連続性の悪化が抑制さ
れ、発光素子の動作時の第1及び第2の電極間の抵抗及
び電圧が小さくなる。請求項4の発明によれば、第2の
層をn形半導体領域にすることができるのみでなく、第
2の層が不純物を含むために抵抗が小さくなり、第1及
び第2の電極間の抵抗及び電圧を小さくすることがで
き、電力損失の少ない発光素子を提供することができ
る。請求項5の発明によれば、バッファ層上に発光機能
を有する半導体領域を良好に形成することができる。請
求項6の発明によれば、活性層が互いに反対導電形の2
つの半導体層で挟まれた構造を有するため、発光特性の
良好な半導体発光素子を提供できる。請求項7の発明に
よれば、特性の良い半導体発光素子を安価且つ容易に形
成することができる。
【0008】
【第1の実施形態】次に、図1及び図2を参照して本発
明の第1の実施形態に係わる半導体発光素子としての窒
化ガリウム系化合物青色発光ダイオードを説明する。
【0009】図1及び図2に示す本発明の第1の実施形
態に従う青色発光ダイオードは、発光機能を得るための
複数の窒化ガリウム系化合物半導体層から成る半導体領
域10と、シリコン半導体から成るサブストレート即ち
基板11と、バッファ層12とを有している。発光機能
を有する半導体領域10は、GaN(窒化ガリウム)か
ら成る第1の半導体層としてのn形半導体層13、p形
のInGaN(窒化ガリウム インジウム)から成る発
光層即ち活性層14、及び第2の半導体層としてのGa
N(窒化ガリウム)から成るp形半導体層15とから成
る。従って、半導体領域10の各層は窒化ガリウム系化
合物半導体から成る。基板11とバッファ層12と発光
機能を有する半導体領域10との積層体から成る基体1
6の一方の主面(上面)即ちp形半導体層15の表面上
に第1の電極としてのアノード電極17が配置され、こ
の基体16の他方の主面(下面)即ち基板11の他方の
主面に第2の電極としてのカソード電極18が配置され
ている。バッファ層12、n形半導体層13、活性層1
4、及びp形半導体層15は、基板11の上に順次にそ
れぞれの結晶方位を揃えてエピタキシャル成長させたも
のである。
【0010】基板11は、導電形決定不純物としてAs
(砒素)を含むn+形シリコン単結晶から成る。この基板
11のバッファ層12が配置されている側の主面11a
は、ミラー指数で示す結晶の面方位において(111)
ジャスト面である。この基板11の不純物濃度は、5×
1018cm-3〜5×1019cm-3程度であり、この基板
11の抵抗率は0.0001Ω・cm〜0.01Ω・c
m程度である。抵抗率が比較的低い基板11はアノ−ド
電極17とカソード電極18との間の電流通路として機
能する。また、基板11は、比較的厚い約350μmの
厚みを有し、p形半導体層15、活性層14及びn形半
導体層13から成る発光機能を有する半導体領域10及
びバッファ層12の支持体として機能する。
【0011】基板11の一方の主面全体を被覆するよう
に配置されたバッファ層12は、複数の第1の層12a
と複数の第2の層12bとが交互に積層された複合層か
ら成る。図1及び図2では、図示の都合上、バッファ層
12が2つの第1の層12aと2つの第2の層12bと
で示されているが、実際には、バッファ層12は、10
個の第1の層12aと10個の第2の層12bとを有す
る。
【0012】第1の層12aは、 化学式 AlxGa1-xN ここで、xは0<x≦1を満足する任意の数値、 で示すことができる材料で形成される。即ち、第1の層
12aは、AlN(窒化アルミニウム)又はAlGaN
(窒化ガリウム アルミニウム)で形成される。図1及
び図2の実施形態では、前記式のxが1とされた材料に
相当するAlN(窒化アルミニウム)が第1の層12a
に使用されている。第1の層12aは、絶縁性を有する
極薄い膜である。第1の層12aの格子定数及び熱膨張
係数は第2の層12bよりもシリコン基板11に近い。
従って、第1の層11aは第2の層12bよりもバッフ
ァ作用が大きい。
【0013】第2の層12bは、GaN(窒化ガリウ
ム)又は 化学式AlyGa1-yN ここで、yは、y<x及び0<y<1を満足する任意の
数値、で示すことができる材料から成るn形半導体の極
く薄い膜である。第2の層12bとしてAlyGa1-y
から成るn形半導体を使用する場合には、第2の層12
bの電気抵抗の増大を抑えるために、yを0<y<0.
8を満足する値即ち0よりも大きく且つ0.8よりも小
さくすることが望ましい。第2の層12bは第1の層1
2aの電気的接続導電体又は半導体として機能する。
【0014】バッファ層12の第1の層12aの厚み
は、好ましくは0.5nm〜10nm即ち5〜100オング
ストロ−ム、より好ましくは1nm〜8nmである。第
1の層12aの厚みが0.5nm未満の場合にはバッファ
層12の上面に形成されるn形半導体領域13の平坦性
が良好に保てなくなる。第1の層12aの厚みが10nm
を超えると、量子力学的トンネル効果を良好に得ること
ができなくなり、バッファ層12の電気的抵抗が増大す
る。
【0015】第2の層12bの厚みは、好ましくは10
nm〜300nm即ち100〜3000オングストロ−
ムであり、より好ましくは10nm〜300nmであ
る。第2の層12bの厚みが10nm未満の場合には、
基板11と第2の層12bとの間のエネルギバンドの不
連続性が比較的大きくなり、発光素子の動作時のアノー
ド電極17とカソード電極18との間の抵抗及び電圧V
fが比較的大きくなる。また、第2の層12bの厚みが
10nm未満の場合には、第2の層12bの上に形成さ
れる一方の第1の層11aと第2の層12bの下に形成
される他方の第1の層11aとの間の電気的接続が良好
に達成されず、バッファ層12の電気的抵抗が増大す
る。第2の層12bの厚みが300nmを超えた場合に
は、バッファ層12全体に対する第1の層11aの割合が
低下し、バッファ機能が相対的に小さくなり、半導体領
域10の平坦性が良好に保てなくなる。
【0016】図4は第2の層12bの厚みT2と発光素
子の発光動作時におけるアノード電極17とカソード電
極18との間の電圧Vfとの関係を示す。この図4から
明らかなように、上記厚みT2が10nmよりも小さい
時には電圧Vfが約4Vよりも高くなる。これに対し
て、厚みT2が10nm又はこれよりも大きい時には、
電圧Vfが4Vよりも小さくなる。第2の層12bの厚
みT2が10nm未満の時には、第2の層12bによる
第1の層12aの相互間の電気的接続機能が低下すると
共に、シリコン基板11と第2の層12bとのエネルギ
バンドの不連続性が大きくなる。即ち、第2の層12b
の厚みが10nmよりも薄い時には、第2の層12bの
価電子帯と伝導帯とに離散的なエネルギー準位が発生
し、第2の層12bにおいてキャリアの伝導に関与する
エネルギー準位が見かけ上増大する。即ち、第1の層1
2aと第2の層12bが超格子の状態になる。この結
果、基板11と第2の層12bとの間のエネルギバンド
の不連続性が比較的大きくなり、発光素子の動作時のア
ノード電極17とカソード電極18との間の抵抗及び電
圧Vfが比較的大きくなる。これに対し、第2の層12
bの厚みが10nm以上になると、第2の層12bの価
電子帯と伝導帯とにおける離散的なエネルギー準位の発
生が抑制され、第2の層12bにおけるキャリアの伝導
に関与するエネルギー準位の増大が抑制される。即ち、
第1の層12aと第2の層12bが超格子の状態になる
ことが阻止される。この結果、基板11と第2の層12
bとの間のエネルギバンドの不連続性の悪化が抑制さ
れ、アノード電極17とカソード電極18との間の抵抗
及び電圧Vfが低くなる。従って、この実施例では、第
1の層12aの厚みT1が5nm、第2の層12bの厚
みT2が30nmに設定されている。従って、バッファ
層12全体の厚みは350nmである。
【0017】次に、第1の層12aがAIN、第2の層
がGaNとされた半導体発光素子の製造方法を説明す
る。
【0018】まず、図3の(A)に示すn形不純物が導
入されたn+形シリコン半導体から成る基板11を用意
する。バッファ層12を形成するためのシリコン基板1
1の一方の主面11aは、ミラー指数で示す結晶の面方
位において(111)ジャスト面、即ち正確な(11
1)面である。しかし、図3において0で示す(11
1)ジャスト面に対して−θ〜+θで示す範囲で基板1
1の主面11aを傾斜させることができる。−θ〜+θ
の範囲は−4°〜+4°であり、好ましくは−3°〜+3
°であり、より好ましくは−2°〜+2°である。
【0019】図5は基板11の主面11aの(111)
ジャスト面に対するオフ角度θと発光強度比との関係を
示す。ここでの発光強度比は、基板11の主面11aが
(111)ジャスト面された発光素子を所定電流で駆動
した時の発光強度即ち発生光量Q1と基板11の主面1
1aが(111)面を基準にして(112)面方向に角
度θだけ傾いた面にされた発光素子を所定電流で駆動し
た時の発光強度即ち発生光量Q2との比Q2/Q1を示
す。この図5から明らかなように(111)面からのオ
フ角度θが−4°〜+4°の範囲で発光強度比Q2/Q1
が約0.05以上となり、−3°〜+3°の範囲で発光
強度比Q2/Q1が約0.5以上となり、−2°〜+2°
の範囲で発光強度比Q2/Q1が0.8以上になる。ここ
で、発光強度比が大きいことは、発光素子の発光効率が
大きいことを意味する。シリコン基板11の主面11a
の結晶方位を、(111)ジャスト面又は(111)ジ
ャスト面からのオフ角度が小さい面とすることによっ
て、バッファ層12及び発光機能を有する半導体領域1
0をエピタキシャル成長させる際の原子レベルでのステ
ップを無くすこと又は小さくすることができる。もし、
主面11aの結晶方位が(111)ジャスト面からのオ
フ角度が大きくなるように設定されている場合には、シ
リコン基板11の主面11a上にバッファ層12及び発
光機能を有する半導体領域10をエピタキシャル成長で
形成する時に、原子レベルで見て比較的大きいステップ
が生じる。エピタキシャル成長層が比較的厚い場合には
多少のステップはさほど問題にならないが、活性層14
のように例えば2nmのように薄い場合には、発光素子
を通電状態とした時にステップの近傍に発光に寄与しな
い電流即ち無効電流が流れ、発光効率が低下する。これ
に対して、シリコン基板11の主面11aを(111)
ジャスト面又はオフ角度の小さい面とすれば、ステップ
が無くなるか又は小さくなり、無効電流も少なくなり、
発光効率が大きくなる。
【0020】次に、図3(B)に示すように基板11の
主面11a上にバッファ層12を形成する。このバッフ
ァ層12は、周知のMOCVD(Metal Organic Chem
icalVapor Deposition)即ち有機金属化学気相成長法
によってAlNから成る第1の層12aとGaNから成
る第2の層12bとを繰返して積層することによって形
成する。即ち、シリコン単結晶の基板11をMOCVD
装置の反応室内に配置し、まず、サーマルアニーリング
を施して表面の酸化膜を除去する。次に、反応室内にT
MA(トリメチルアルミニウム)ガスとNH3 (アンモ
ニア)ガスを約24秒間供給して、基板11の一方の主
面に厚さ約5nmのAlN層から成る第1の層12aを
形成する。本実施例では基板11の加熱温度を1120
℃とした後に、TMAガスの流量即ちAlの供給量を約
63μmol/min、NH3 ガスの流量即ちNH3
供給量を約0.14mol/minとした。続いて、基
板11の加熱温度を1120℃とし、TMAガスの供給
を止めてから反応室内にTMG(トリメチルガリウム)
ガスとNH3 (アンモニア)ガスとSiH4 (シラン)
ガスを約83秒間供給して、基板11の一方の主面に形
成された上記AlNから成る第1の層12aの上面に、
厚さ約30nmのn形のGaNから成る第2の層12b
を形成する。ここで、SiH4ガスは形成膜中にn形不
純物としてのSiを導入するためのものである。本実施
例では、TMGガスの流量即ちGaの供給量を約63μ
mol/min、NH3 ガスの流量即ちNH3 の供給量
を約0.14mol/min、SiH4 ガスの流量即ち
Siの供給量を約21nmol/minとした。本実施
例では、上述のAlNから成る第1の層12aとGaN
から成る第2の層12bの形成を10回繰り返してAl
Nから成る第1の層12aとGaNから成る第2の層1
2bとが交互に20層積層されたバッファ層12を形成
する。勿論AlNから成る第1の層12a、GaNから
成る第2の層12bをそれぞれ50層等の任意の数に変
えることもできる。
【0021】次に、バッファ層12の上面に周知のMO
CVD法によってn形半導体層13、活性層14及びp
形半導体層15を順次連続して形成する。即ち、上面に
バッファ層12が形成された基板11をMOCVD装置
の反応室内に配置して、反応室内にまずトリメチルガリ
ウムガス即ちTMGガス、NH3(アンモニア)ガス、
SiH4 (シラン)ガスを供給してバッファ層12の上
面にn形半導体領域13を形成する。ここで、シランガ
スはn形半導体層13中にn形不純物としてのSiを導
入するためのものである。本実施例ではバッファ層12
が形成された基板11の加熱温度を1040℃とした
後、TMGガスの流量即ちGaの供給量を約4.3μmo
l /min、NH3 ガスの流量即ちNH3 の供給量を約
53.6mmol /min、シランガスの流量即ちSiの
供給量を約1.5nmol /minとした。また、本実施
例では、n形半導体層13の厚みを約0.2μmとし
た。従来の一般的発光ダイオードの場合には、n形半導
体層の厚みが約4.0〜5.0μmであるから、これに
比べて図1の本実施例のn形半導体層13はかなり肉薄
に形成されている。また、n形半導体層13の不純物濃
度は約3×1018cm-3であり、基板11の不純物濃度
よりは十分に低い。尚、本実施例によればバッファ層1
2が介在しているので、1040℃のような比較的高い
温度でn形半導体層13を形成することが可能になる。
【0022】続いて、基板11の加熱温度を800℃と
し、反応室内にTMGガス、アンモニアガスに加えてト
リメチルインジウムガス(以下、TMIガスという)と
ビスシクロペンタジェニルマグネシウムガス(以下、C
2 Mgガスという。)を供給してn形半導体層13の
上面にp形InGaN(窒化インジウム ガリウム)か
ら成る活性層14を形成する。ここで、Cp2 Mgガス
は活性層14中にp形導電形の不純物としてのMg(マ
グネシウム)を導入するためのものである。本実施例で
は、TMGガスの流量を約1.1μmol /min、NH
3ガスの流量を約67mmol /min、TMIガスの流
量即ちInの供給量を約4.5μmol /min、Gp2
Mgガスの流量即ちMgの供給量を約12nmol /mi
nとした。また、活性層14の厚みは約2nm即ち20
オングストロ−ムとした。なお、活性層14の不純物濃
度は約3×1017cm-3である。
【0023】続いて、基板11の加熱温度を1040℃
とし、反応室内にTMGガス、アンモニアガス及びCp
2 Mgガスを供給して活性層14の上面にp形GaN
(窒化ガリウム)から成るp形半導体層15を形成す
る。本実施例では、この時のTMGガスの流量を約4.
3μmol /min、アンモニアガスの流量を約53.6
μmol /min、Cp2 Mgガスの流量を約0.12μ
mol /minとした。また、p形半導体層15の厚みは
約0.2μmとした。なお、p形半導体層15の不純物
濃度は約3×1018cm-3である。
【0024】上記のMOCVD成長方法によれば、シリ
コン単結晶から成る基板11の結晶方位を良好に引き継
いでいるバッファ層12を形成することができる。ま
た、バッファ層12の結晶方位に対してn形半導体層1
3、活性層14及びp形半導体層15の結晶方位を揃え
ることができる。
【0025】第1の電極としてのアノード電極17は、
例えばニッケルと金を周知の真空蒸着法等によって半導
体基体16の上面即ちp形半導体層15の上面に付着さ
せることによって形成し、p形半導体層15の表面に低
抵抗接触させる。このアノード電極17は図2に示すよ
うに円形の平面形状を有しており、半導体基体16の上
面のほぼ中央に配置されている。半導体基体16の上面
のうち、アノード電極17の形成されていない領域19
は、光取り出し領域として機能する。
【0026】第2の電極としてのカソード電極18は、
n形半導体層13に形成せずに、例えばチタンとアルミ
ニウムを周知の真空蒸着法等によって基板11の下面全
体に形成する。
【0027】図1の青色発光ダイオードを外部装置に取
付ける時には、例えばカソード電極18を回路基板等の
外部電極に対して半田又は導電性接着剤で固着し、アノ
ード電極17を周知のワイヤボンディング方法によって
外部電極に対してワイヤで電気的に接続する。
【0028】本実施形態の青色発光ダイオードによれ
ば、次の効果が得られる。 (1) サファイアに比べて著しく低コストであり且つ
加工性も良いシリコンから成る基板11を使用すること
ができるので、材料コスト及び生産コストの削減が可能
である。このため、GaN系発光ダイオードのコスト低
減が可能である。 (2) 基板11の一方の主面に形成された格子定数が
シリコンとGaNとの間の値を有するAlNから成る第
1の層12aは、シリコンから成る基板11の結晶方位
を良好に引き継ぐことができる。この結果、バッファ層
12の一方の主面に、n形半導体層13、活性層14及
びp形半導体層15からなるGaN系半導体領域10を
結晶方位を揃えて良好に形成することができる。このた
め、GaN系半導体領域10の特性が良くなり、発光特
性も良くなる。 (3) 第1の層12aと第2の層12bが複数積層さ
れて成るバッファ層12を介して半導体領域10を形成
すると、半導体領域10の平坦性が良くなる。即ち、シ
リコンから成る基板11の一方の主面に、もしGaN半
導体層のみによって構成されたバッファ層を形成した場
合、シリコンとGaNとは格子定数の差が大きいため、
このバッファ層の上面に平坦性に優れたGaN系半導体
領域を形成することはできない。また、比較的厚いAlN
のみでバッファ層を形成すると、バッファ層の抵抗が大
きくなる。また、比較的薄いAlNのみでバッファ層を形
成すると、十分なバッファ機能が得られない。これに対
し、本実施例では、基板11とGaN系半導体領域10
との間にシリコンとの格子定数差が比較的小さいAlN
から成る複数の第1の層12aが介在し、且つ第1の層
12aの相互間に第2の層12bが介在した複合構造の
バッファ層12が設けられている。このため、バッファ
層12の上に平坦性及び結晶性の良いGaN系半導体領域
10を形成することができる。この結果、GaN系半導
体領域10の発光特性が良くなる。 (4) バッファ層12に含まれている複数の第1の層
12aのそれぞれが量子力学的なトンネル効果の生じる
厚さに設定されているので、バッファ層12の抵抗の増
大を抑えることができる。 (5) 基板11とGaN系半導体領域10との熱膨張
係数の差に起因する歪みの発生を抑制できる。即ち、シ
リコンの熱膨張係数とGaNの熱膨張係数とは大きく相
違するため、両者を直接に積層すると熱膨張係数差に起
因する歪みが発生し易い。しかし、本実施例のAlNか
らなる第1の層12aの熱膨張係数は基板11の熱膨張
係数とGaN系半導体領域10の熱膨張係数との中間値
を有する。また。第1の層12aと第2の層12bとの
複合層から成るバッファ層12の平均的な熱膨張係数は
基板11の熱膨張係数とGaN系半導体領域10の熱膨
張係数との中間値を有する。このため、このバッファ層
12によって基板11とGaN半導体領域10との熱膨
張係数の差に起因する歪みの発生を抑制することができ
る。 (6) シリコン基板11の主面11aの結晶面方位を
(111)ジャスト面としたので、半導体領域10のス
テップが抑制され、発光効率を高めることができる。 (7) 第2の層12bの厚みが10nm以上の30n
mに設定されているので、第2の層12bの価電子帯と
伝導帯とにおける離散的なエネルギー準位の発生が抑制
され、第2の層12bにおけるキャリアの伝導に関与す
るエネルギー準位の増大が抑制される。即ち、第1の層
12aと第2の層12bが超格子状態になることが阻止
される。この結果、基板11と第2の層12bとの間の
エネルギバンドの不連続性の悪化が抑制され、アノード
電極17とカソード電極18との間の抵抗及び電圧Vf
が低くなる。 (8) バッファ層12が導電性を有するので、対向配置
されているアノード電極17とカソード電極18との間
に、順方向電圧を印加すると、半導体基体16の厚み方
向(縦方向)に順方向電流が流れる。このため、アノー
ド電極17とカソ−ド電極18と間の抵抗値及び電圧Vf
を下げることができ、発光ダイオ−ドの消費電力を小さ
くすることが可能になる。 (9) 従来のサファイア基板を使用した発光素子に比
べてカソ−ド電極18の形成が容易になる。即ち、従来
のサファイア基板を使用した発光素子の場合は、図1及
び図2のp形半導体層15及び活性層14に相当するも
のの一部を除去してn形半導体層13の一部を露出さ
せ、この露出したn形半導体層13にカソ−ド電極を接
続することが必要になった。このため、従来の発光素子
は、カソ−ド電極が形成しにくいという欠点、及びカソ
−ド電極を形成するためにn形半導体層の面積が大きく
なるという欠点があった。図1及び図2の発光素子は上
記欠点を有さない。
【0029】
【第2の実施形態】次に、図6を参照して第2の実施形
態の半導体装置を説明する。但し、図6において図1と
実質的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を
省略する。
【0030】図6の半導体装置は、図1に示した発光ダ
イオ−ドのシリコン基板11に別の半導体素子としての
トランジスタ20を設けたものである。トランジスタ2
0は素子分離用のP形半導体領域21の中に形成された
コレクタ領域Cとベ−ス領域Bとエミッタ領域Eとから
成る。このように、発光ダイオ−ドとトランジスタとを
複合化すると、これ等を含む回路装置の小型化及び低コ
スト化を図ることができる。
【0031】
【変形例】本発明は上述の実施形態に限定されるもので
なく、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 半導体基体16の各層の導電形を実施例と逆に
することができる。 (2) n形半導体層13、活性層14及びp形半導層
15のそれぞれを、複数の半導体層の組み合せで構成す
ることができる。 (3)n形半導体層13、活性層14及びp形半導層1
5のそれぞれの材料を、GaN(窒化ガリウム)、Al
InN(窒化インジウム アルミニウム)、AlGaN
(窒化ガリウム アルミニウム)、InGaN(窒化ガ
リウム インジウム)、及びAlInGaN(窒化ガリ
ウム インジウム アルミニウム)から選択された窒化
ガリウム系化合物半導体又は窒化インジウム系化合物半
導体とすることができる。 (4)n形半導体層13を省いてバッファ層12の上に
GaInNから成る活性層14を直接に接触させること
ができる。これにより、肉厚のAlGaNクラッド層を
介在させて活性層14を形成する場合に比較して活性層
14に加わる引っ張り応力が緩和される。このため、活
性層14の結晶性が良好となり、発光素子の発光特性が
更に良好に得られる。 (5) アノ−ド電極17の下にオ−ミックコンタクト
のためのP+形半導体領域を設けることができる。 (6) アノ−ド電極17を透明電極とすることができ
る。 (7) バッファ層12の第1の層12aの数を第2の
層12bよりも1層多くしてバッファ層12の最上層を第
1の層12aとすることができる。また、逆に第2の層1
2bの数を第1の層12aの数よりも1層多くすることも
できる。 (8) 第1の層12a及び第2の層12bは、これら
の機能を阻害しない範囲で不純物を含むものであっても
よい。 (9) 基板11を、単結晶シリコン以外の多結晶シリ
コン又はSiC等のシリコン化合物とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に従うの発光ダイオー
ドを示す中央縦断面図である。
【図2】図1の発光ダイオードの斜視図である。
【図3】図1の発光ダイオ−ドの構造を製造工程順に拡
大して示す断面図である。
【図4】第2の層の厚みと順方向電圧との関係を示す図
である。
【図5】シリコン基板の主面の(111)ジャスト面に
対するオフ角度と発光強化比との関係を示す図である。
【図6】第2の実施形態の半導体装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 GaN系半導体領域 11 シリコン単結晶から成る基板 12 バッファ層 12a AlNから成る第1の層 12b GaNから成る第2の層 13 n形半導体層 14 活性層 15 p形半導体層 16 基体 18 アノード電極 19 カソード電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 CA04 CA23 CA33 CA34 CA40 CA57 CA65 CA73 CA82 CA92 CB33

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物系化合物半導体を有する半導体発
    光素子であって、 不純物を含むシリコン又はリコン化合物から成り且つ低
    い抵抗率を有し且つ一方の主面がミラー指数で示す結晶
    の面方位において(111)ジャスト面又は(111)
    面から−4度から+4度の範囲で傾いている面である基
    板と、 前記基板の一方の主面上に配置され、AlxGa1-x
    (但し、xは0<x≦1を満足する数値である。)から
    成る第1の層とGaN又はAlyGa1-yN(但し、yは
    y<x及び0<y<1を満足する数値である。)から成
    る第2の層との複合層から成るバッファ層と、 発光機能を得るために前記バッファ層の上に配置された
    複数の窒化物系化合物層を含んでいる半導体領域と、 前記半導体領域の表面上の一部に配置された第1の電極
    と、 前記基板の他方の主面に配置された第2の電極とを備え
    ていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記バッファ層は、AlxGa1-xNから
    成る複数の第1の層と、GaN又はAlyGa1-yNから
    成る複数の第2の層とを有し、前記第1の層と前記第2の
    層が交互に積層されていることを特徴とする請求項1記
    載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記バッファ層における前記第1の層の
    厚みが、量子力学的トンネル効果が生じるように設定さ
    れ、前記第2の層の厚みが10nm〜300nmとされ
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体発
    光素子。
  4. 【請求項4】 前記第2の層はn形不純物としてシリコ
    ンを含むことを特徴とする請求項1又は2又は3記載の
    半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記半導体領域の前記複数の窒化物系化
    合物半導体層のそれぞれは、GaN(窒化ガリウム)
    層、AlInN(窒化インジウム アルミニウム)層、
    AlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)層、InG
    aN(窒化ガリウム インジウム)層、及びAlInG
    aN(窒化ガリウム インジウム アルミニウム)層
    から選択されたものであることを特徴とする請求項1又
    は2又は3又は4記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記半導体領域は、 前記バッファ層の上に配置された窒化物系化合物半導体
    から成る第1の導電形の第1の半導体層と、 前記第1の半導体層の上に配置された窒化物系化合物半
    導体から成る活性層と、 前記活性層の上に配置された窒化物系化合物半導体から
    成り且つ前記第1の導電形と反対の第2の導電形を有し
    ている第2の半導体層とを備えていることを特徴とする
    請求項1又は2又は3又は4又は5記載の半導体発光素
    子。
  7. 【請求項7】 窒化物系化合物半導体を有する半導体発
    光素子の製造方法であって、 不純物を含むシリコン又はシリコン化合物からなり且つ
    低い抵抗率を有し且つ一方の主面がミラー指数で示す結
    晶の面方位の結晶方位において(111)ジャスト面又
    は(111)面から−4度から+4度の範囲で傾いてい
    る面である基板を用意する工程と、 前記基板の一方の主面上に、気相成長法によってAlx
    Ga1-xN(但し、xは、0<x≦1を満足する数値で
    ある。)から成る第1の層とGaN又はAlyGa1-y
    (但しyは、y<x及び0<y<1を満足する数値であ
    る。)から成る第2の層とを順次に形成してバッファ層
    を得る工程と、 前記バッファ層上に、発光機能を得るための複数の窒化
    物系化合物層から成る半導体領域を気相成長法で形成す
    る工程と、 前記半導体領域の表面上の一部に第1の電極を形成し、
    前記基板の他方の主面に第2の電極を形成する工程とを
    有していることを特徴とする半導体発光素子の製造方
    法。
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