JP2003059379A - 熱応動開閉器 - Google Patents

熱応動開閉器

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JP2003059379A
JP2003059379A JP2001250424A JP2001250424A JP2003059379A JP 2003059379 A JP2003059379 A JP 2003059379A JP 2001250424 A JP2001250424 A JP 2001250424A JP 2001250424 A JP2001250424 A JP 2001250424A JP 2003059379 A JP2003059379 A JP 2003059379A
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Shigemi Sato
重己 佐藤
Seiji Togami
征治 戸上
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Ubukata Industries Co Ltd
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Ubukata Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】接点開放時に熱応動板の反転の衝撃を吸収し、
接点間の再点弧を防止する熱応動開閉器を得る。 【構成】熱応動板支持体10に弾性を有する金属板で構
成された緩衝板16が固定されており、熱応動板12の
反転時に緩衝板16の自由端部の先端に設けられた衝接
部16Aに熱応動板の背面側が接触するようにされてい
る。 【効果】緩衝板16は熱応動板12の反転時に熱応動板
を背面から支持することにより、可動接点14の移動距
離を規制するとともに反転時の衝突エネルギーを吸収し
て、可動接点の跳ね返りを抑える。こうして接点間距離
を規制してアークエネルギーを抑えるとともに再点弧を
防止することにより接点の消耗を抑え、熱応動開閉器1
の寿命を延ばすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は密閉形三相電動圧縮機
等に使われる熱応動開閉器における接点の耐久性能向上
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の三相用熱応動開閉器としては種々
のものが提案されており、一例としては特開平1−10
5435に示された2種類のサーマルプロテクタがあ
り、特に電流容量が大きいものとしては、この特開平1
−105435の第1図乃至第4図に示されたものが適
している。このサーマルプロテクタは三相電動機巻線の
中点に接続され、熱応動板上に固定した2個の可動接点
のそれぞれを固定接点と開閉させることで三相電動機の
各相巻線を互いから切り離して通電を遮断するものであ
る。このサーマルプロテクタはそれ以前の三相用プロテ
クタが三組の接点を開閉する構造であったのに対して接
点を2組にしたことにより、部品点数が減り製造が容易
になった。
【0003】しかしこのサーマルプロテクタにおいては
接点開放時に発生するアークによる接点の損耗が問題と
なっていた。このような開閉器においては接点の開放時
に接点間にアークが発生するのは通常避けることができ
ないが、特に開閉電流が大きい場合には開放時の接点間
の距離が重要になってくる。これは接点開放時のアーク
の大きさに関係しており、接点間距離が狭すぎる場合に
アークが途切れ難くなるだけでなく、接点間距離が大き
すぎる場合にも瞬間的に高くなった接点間抵抗に抗して
アークのエネルギーが大きくなってしまう。そのためど
ちらの場合も接点等の損耗が激しくなると共に接点の周
囲にも損傷を与えることにより熱応動開閉器としての寿
命が短くなってしまうと言う問題がある。特にこのプロ
テクタにおいてはその構造上、接点間は広くなりアーク
のエネルギーは大きくなると言う問題があった。
【0004】この問題を解決する熱応動開閉器について
図10及び図11を参照しながら説明する。この熱応動
開閉器101は接点を2組備えており、3相電動機等の
保護に使用されるものである。この熱応動開閉器101
は金属製のドーム状ハウジング102と蓋板103によ
り気密容器を構成している。蓋板103は中央付近に強
度を増すためのリブ104Aが設けられた金属板104
に穿たれた2箇所の貫通孔にそれぞれ金属製の導電ピン
105を貫通させ、ガラスなどの電気絶縁性材料によっ
て気密に固定されている。
【0005】導電ピン105の密閉容器内部側の先端に
は固定接点支持体106を介して固定接点107が導電
的に接続されている。この固定接点支持体106は金属
板104との間に碍子やセラミックスなどの電気絶縁体
108を挟むことによって保持固定している。
【0006】蓋板103の金属板104上には金属製の
熱応動板支持体109が固着されており、この熱応動板
支持体109は複数の脚部109Aとこの脚部に支えら
れ金属板104の表面とほぼ並行に配置された主面部1
09Bとを有している。主面部109Bには弾性板11
0と固着片111を介して熱応動板112が導電的に固
着されており、熱応動板112に固着された2個の可動
接点113が前述の固定接点107と対向している。熱
応動板112は所定の温度で急跳反転する様に浅い皿型
に絞り成形されており、熱応動板支持体109の主面部
109Bに配置された調整ネジ114によって熱応動板
の中央付近を押圧して接点間圧力を調整することにより
反転温度が設定されている。
【0007】この熱応動開閉器101においては熱応動
板112の反転時に接点間距離が広くなりすぎないよう
に、熱応動板支持体109の主面部109Bに接点の移
動距離を規制する部分として突起109Cを設け、熱応
動板112の反転時には熱応動板の移動端がこの突起1
09Cに当接することで接点間の距離は過度に広くなる
こと無く適切な距離とされるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この熱
応動板支持体109は熱応動板を支えるために充分な強
度を有した金属板である上に、熱応動板112の可動側
には質量の大きな可動接点が固着されているので、熱応
動板112が急跳反転時にこの突起109Cに当接する
と剛体同士の衝突のため運動エネルギーを充分に打ち消
すことができず反動でバウンドした可動接点113が固
定接点107に接近し、そこで接点間にアークが再点弧
してしまう場合がある。特にアークの消えた直後には接
点間の空間にはアークによる金属蒸気等が漂い再点弧し
やすくなっているため、このような現象が発生すると、
接点開放時にアークが繰り返されるので接点の劣化が進
み接点の溶着等が発生しやすくなり、熱応動開閉器の耐
久性が悪くなると言う問題がある。特に三相用熱応動開
閉器のように可動接点が複数あり可動端の質量が大きい
ものにおいては、大電流を流すために大型化した熱応動
板を支える必要上、熱応動板支持体の剛性を上げるとさ
らに接点の運動エネルギーが吸収され難くなり跳ね返り
量はより大きくなる。
【0009】そのため熱応動板が大型化してもこのよう
な接点開放時に可動接点部のバウンドによるアークの再
点弧を防ぐと共に、開放時の接点間距離を適切に保つこ
とのできる熱応動開閉器が求められている。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明において
は、金属製の気密容器内部に剛性の高い熱応動板支持体
を介して熱応動板を配置した熱応動開閉器において、熱
応動板支持体上には熱応動板の可動端側に反転時の移動
距離を規制する部分を設け、この規制部分は熱応動板反
転による当接時の衝撃を緩和するために熱応動板支持体
と比較して充分な弾性を有していることを特徴としてい
る。
【0011】本発明によれば、規制部分によって熱応動
板の反転時に可動接点と固定接点の接点間隔が広くなり
すぎることを防ぎ適正な距離とすることができると共
に、規制部分で熱応動板当接時の衝撃を弾性的に吸収す
ることにより可動接点の跳ね返りによる接点間アークの
再点弧を防ぐことができる。そのため、アークによる接
点の損耗を防ぎ接点寿命を長くすることができ、開閉器
としての耐久性を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図を参照しながら説明する。図1は本発明の熱応動開閉
器の一実施例を示す縦断面図であり、図2はハウジング
を外した状態で図1の熱応動開閉器を示す斜視図、図3
は図2の部品構成を判りやすく示すための分解図であ
る。この熱応動開閉器1は3相電動機等の保護に使用さ
れるものであり、接点を2組備えている。この熱応動開
閉器1は金属製のドーム状ハウジング2と蓋板3により
気密容器を構成している。蓋板3は金属板4に穿たれた
2箇所の貫通孔4Aにそれぞれ金属製の導電ピン5を貫
通させ、ガラスやセラミックスの如き電気絶縁性材料6
によって気密に固定している。この金属板4の中央付近
には耐圧力強度を増すためのリブ4Bが設けられてい
る。
【0013】導電ピン5の密閉容器内部側の先端には固
定接点支持体7を介して固定接点8が導電的に接続され
ている。この固定接点支持体7はセラミックスや耐熱性
合成樹脂などの電気絶縁体9を金属板4との間に弾性的
に挟持する態様で、固定接点支持体7を導電ピン5に固
着することで電気絶縁体9を蓋板上に固定している。ま
た固定接点支持体7の固定接点8を固着した先端側は電
気絶縁体9に弾性的に密着しているので、電気絶縁体9
の厚さを規定することによって固定接点8の蓋板表面か
らの高さを所定の値に揃えることができる。また電気絶
縁体9の一端には突起状の支承部9Aが設けられてお
り、後述する熱応動板が前述した2つの固定接点8と支
承部9Aの3点で支持されている。この例においては固
定接点支持体7は通電によって発熱する様に断面積を下
げることで剛性もまた下がっているので、固定接点支持
体7で電気絶縁体9を弾性的に挟むことで金属板4に対
する固定接点の位置をそろえると同時に固定接点を支え
ている。しかし固定接点支持体7の断面積を大きくし剛
性を充分に高くすることができる場合や、固定接点8を
導電ピン5の端面に直接固着する場合には固定接点の位
置を決めるための電気絶縁体7は省略することもでき
る。さらに実施例では熱応動板を支える支承部9Aを電
気絶縁体9の一部として設けられているが、この支承部
を介してバイパス電流が流れても問題にならない場合や
支承部の先端に絶縁紙などを介在させる場合には、支承
部を金属板などで構成してもよい。
【0014】蓋板3の金属板4上には金属製の熱応動板
支持体10が導電的に固着されている。この熱応動板支
持体10は複数の脚部10Aと、この脚部に支えられた
主面部10Bとを有している。この実施例においては主
面部10Bは金属板4の表面とほぼ並行に配置されてお
り、金属板4に向いた側の面には弾性板11の固定端1
1Aが溶接などで固定されている。弾性板11の自由端
11Bには熱応動板12が導電的に固着されている。ま
た中央付近には後述する動作温度較正用のネジを挿通さ
せるための貫通孔11Cが設けられている。本実施例に
おいては熱応動板12は溶接時の熱や歪みが動作特性に
影響しないように、熱応動板の温度較正作業前に支持部
12Aに予め固着されている固着片13を介して弾性板
11の自由端11Bに固定されているが、動作温度に実
質的な影響を及ぼさなければ熱応動板12を弾性板11
に直接固定してもよい。この場合は弾性板11の自由端
11Bの形状は図示の如き幅を広げた形状で無くてもよ
い。
【0015】熱応動板12には2個の可動接点14が固
着されており、この2個の可動接点14は熱応動板12
の支持部12Aと二等辺三角形をなすように配置される
とともに、各々が前述の固定接点8と開閉可能に対向し
ている。また熱応動板12は所定の温度で急跳反転する
様に板の中央付近を浅い皿型に絞り成形されており、通
常時に凸面となる側を調整ネジ15に当接する面とし、
組付け後に調整ネジ15によって熱応動板の中央付近を
押圧して接点間圧力を調整することにより反転温度が設
定されている。またこの調整ネジ15による押圧力は、
熱応動板12の支持部12Aと固着された2つの可動接
点14が前述したようにそれぞれ電気絶縁体9の支承部
9Aと固定接点8の3点で支持される。ここで熱応動板
12は前述した様に弾性板11によって弾性的に保持固
定されていることにより、組付けによる各部品間の傾き
等によってそれぞれの可動接点と固定接点の位置関係が
揃わずそのままでは接点間の接触圧力が揃わなくなった
場合でも、部品の傾き量が所定量以下であれば弾性板が
若干捩れ撓むことにより各接点間の実際の接触圧力を自
動的に揃えることができる。
【0016】調整ネジ15は熱応動板支持体10の主面
部10Bに配置された調整ネジ保持部分で保持されてお
り、この調整ネジ保持部は実施例においては2本の梁1
0Cで構成されている。この調整ネジ15は梁10Cに
挟まれたスリット状の隙間10Dの中央付近にネジ溝を
形成しながら取り付けられる。この時、調整ネジ15は
両側の梁10Cを広げようとするが、梁10Cの反力に
より弾性的に締め付けられることでネジが緩まないよう
に保持される。そのため特別にネジの回り止めなどを用
意する必要は無い。
【0017】この調整ネジ15は前述した弾性板11の
挿通孔11Cを挿通されて先端が熱応動板12の通常時
に凸側となる面に当接しており、そのねじ込み量を調整
することによって熱応動板への押圧力が調整される。こ
のように熱応動板12の凸面を押圧することにより、絞
り成形によって設定された熱応動板の反転温度を微調整
して較正することができる。
【0018】熱応動板支持体10の主面部には熱応動板
の反転時における可動接点の移動距離を規制する部分と
して、熱応動板支持体と比較して充分な弾性を有する金
属板で構成された緩衝板16が固定されている。この緩
衝板16は例えば圧延鋼板やリン青銅などのしなやかさ
を持つ材料からなり、熱応動板12の反転時に腕状に延
びたバネ状部16Bの先端に設けられた衝接部16Aが
熱応動板の可動接点固着位置の背面付近に当接するよう
配置されている。また緩衝板16は衝接部16A側が熱
応動板支持体主面部10Bに対して所定の間隔を空ける
ようにされており、熱応動板が衝接部に当接した時に緩
衝板のバネ状部16B全体がしなることができるように
されている。この実施例では1枚の緩衝板16に2ヶ所
のバネ状部と衝接部を設けているが、独立した2枚の緩
衝板に各々の衝接部を設けてもよい。さらにまた緩衝板
を弾性板11の固定端11A側に溶接して熱応動板の可
動端側に衝接部が当接する様にしても良い。
【0019】次にこの熱応動開閉器の動作について説明
する。この熱応動開閉器1は所謂Y結線の3相電動圧縮
機の中点に接続されるものであり、蓋板3の金属板4と
この金属板に絶縁固定された2本の導電ピン5を端子と
し、それぞれが3相電動機の各巻線に接続される。
【0020】ここで一方の導電ピン5から固定接点支持
体7と固定接点8、可動接点14、熱応動板12を経て
他方の導電ピン5に至る電流経路と、各々の導電ピン5
から同様に熱応動板12を経て固着片13と弾性板1
1、熱応動板支持体10を経て金属板4に至る電流経路
とは、それぞれの電路上における各部品の発熱及び熱応
動板自身の発熱による影響が熱応動板12に対してほぼ
同一になるように設定されている。そのため、3相のう
ちのどの巻線に過電流が流れた場合であっても確実に熱
応動板を動作させることができる。
【0021】熱応動板12が自己発熱や周囲からの熱的
影響によって反転すると、熱応動板12に固着された2
個の可動接点14は各々固定接点8から開離されて、熱
応動開閉器1は端子間の通電を停止される。このとき急
跳反転した熱応動板12はほぼ瞬間的にその可動端を熱
応動板支持体10の主面部側に移動する。
【0022】ここで熱応動板12の可動端は規制部分で
ある緩衝板16の先端に設けられた衝接部16Aに当接
することで、可動部の当接時の衝撃はこの緩衝板16が
弾性変形することによって緩和されて可動接点の跳ね返
りを防ぐことができる。また実施例では熱応動板12に
押された緩衝板16先端の衝接部16Aは少なくとも一
部が熱応動板支持体10の主面部10Bに接触すること
によって、熱応動板12の可動端の移動を規制して可動
接点と固定接点の接点間距離が過大になることを防止す
る。このように緩衝板16によって接点間開放時におけ
る可動接点の移動距離を規制することで、接点開放時に
接点間距離が必要以上に広くなることを防止し、アーク
のエネルギーを適切な範囲に抑えて接点寿命を延ばすこ
とができる。
【0023】さらに緩衝板16は熱応動板12の反転時
の運動エネルギーを吸収することで接点間のアークが再
点弧するのを防止している。つまり熱応動板12の反転
時には熱応動板の可動側は勢いよく熱応動板支持体10
側に移動するが、本発明では充分な弾性を有する緩衝板
16先端をV字型に形成した衝接部16Aに熱応動板の
可動端が当接することにより、この緩衝板16が弾性変
形して熱応動板12を受け止め、熱応動板12の急跳反
転による衝突時の衝撃を和らげている。そのため熱応動
板反転時における可動端側の跳ね返りを抑え、従来の剛
体による移動距離の規制部を持つもので発生していた可
動接点がアークを再点弧させるほどに固定接点に接近す
る事態を確実に防止することができる。また実施例の場
合、可動接点の移動規制部分である緩衝板による弾性の
みではなく、熱応動板に当接された衝接部が熱応動板支
持体に当接した時にその先端部が摺動摩擦を伴って熱応
動板支持体に接触することでより効率的に熱応動板12
の持つ運動エネルギーを吸収させることができる。
【0024】次に本発明の他の実施例について図4を参
照しながら説明する。この実施例については前述の実施
例と同じ部品には同一の記号を付してそれぞれの詳細な
説明は省略する。図4は熱応動開閉器のハウジングを除
いた組付状態を示しており、この実施例では熱応動板支
持体20が前述の実施例と同様に複数の脚部20Aを金
属板4に溶接固定されている。熱応動板支持体20の主
面部20Bには、規制部分である緩衝板26先端の衝接
部26Aが配置される部分に切り欠き20Cが設けら
れ、緩衝板26の先端付近が熱応動支持体20に接触し
ないようにされている。
【0025】規制部分である緩衝板26の形状は前述の
実施例と同じでも良いが、緩衝板の先端部を熱応動板支
持体の主面部20Bに対して所定の間隔を空けるように
して配置するのは、各部品の加工精度だけでなく、組付
け時の精度や溶接などによる僅かな変形も影響してくる
ので製造作業の容易さと言う点では問題がある。そこで
本実施例では緩衝板26全体が熱応動板支持体の主面部
20Bに沿う様に配置し、その先端付近を自由な片持ち
梁としている。そのため製造時において寸法を合わせる
ことが容易になる。また緩衝板を先端部の根元で固定せ
ず、前述の例と同様のバネ状部(図示せず)も自由状態
としておくことにより、熱応動板12によって先端部2
6A近傍が撓められた時に緩衝板26は切り欠き20C
との接触点を支点としてバネ状部を弓型に撓めることが
でき、衝接時の衝撃を吸収しやすくなる。この場合には
可動接点と固定接点との開放時の距離は緩衝板の材質や
厚さ、幅、さらに先端部の切り欠きからの突出量等から
決めることができる。
【0026】次に図5及び図6に本発明の他の実施例を
示す。これらの例は熱応動開閉器とした時の基本構造は
第1の実施例に使用したものと同様であるため、全体構
造を示す図は省略し、熱応動板支持体10に緩衝板を取
りつけた状態のみを示す。図5に示す緩衝板36のバネ
状部36Aは前述の緩衝板16と同様に規制部分として
取りつけられており、先端近傍にV字形の衝接部36B
が設けられている。また図6に示す緩衝板46のバネ状
部46Aはその先端付近を立ち上げるように曲げること
で衝接部46Bが設けられている。
【0027】これらの緩衝板36、46は、それぞれバ
ネ状部36A、46Aの可動側先端部36C、46Cが
熱応動板支持体10の主面部10Bに当接した状態とさ
れているが衝接部から先端部にかけての熱応動板支持体
主面部10Bに対する角度は60度以下、さらに好まし
くは45度以下とされる。そのため熱応動板が反転して
衝接部に当接すると、比較的剛性の高いバネ状部の先端
側が先端36C、46Cを中心として衝接部側に瞬時倒
れ込む。この時、バネ状部36A、46C全体が撓んで
熱応動板が当接した衝撃を吸収して可動接点の跳ね返り
を防止する。特に図5の例では緩衝板36の衝接部36
BをV字型としたことにより、バネ状部36Cの面に対
してより深い角度で力がかかるのでバネ状部を撓めやす
くなる。また熱応動板支持体10の主面部10Bに対す
る緩衝板の先端部36C、46Cの接触角度を浅くした
ことにより、衝接部36B、46Bを押圧された時に先
端部36C、46Cは主面部10B上を摺動しやすくな
り、この摺動量は僅かだが熱応動板の衝接時のエネルギ
ーは有効に吸収される。さらにそれぞれの緩衝板36、
46は先端部が熱応動板10の主面部と接した状態で組
み立てられているので熱応動板と衝接部との距離、及び
熱応動板反転時における固定接点と可動接点との間の距
離を規定しやすくなる。
【0028】さらに図7乃至図9を参照しながら本発明
の他の実施例について説明する。この熱応動開閉器51
もまた前述の第1の実施例と大半の部品は共通であり、
同一の部品には同一の記号を付して詳細な説明は省略す
る。この熱応動開閉器51の熱応動板支持体50は前述
の例と同様に脚部50Aで保持固定されており、主面部
50Bの側面には切り欠き50Cが設けられている。こ
の切り欠き50Cには規制部分である緩衝板56の先端
が挿通されている。この緩衝板56は図9に示すよう
に、バネ状部56Aの先端を鉤型の平面形状とすると共
に、この先端部分はバネ状部56Aの平面に対して90
度折り曲げられている。
【0029】本実施例ではこの先端部のうち、曲げられ
ている基部56Bの図示上端面56B1がバネ状部56
Aの面よりも高くされている。そのため熱応動板12の
反転時には、上端面56B1と衝接部56B2との位置
関係から熱応動板12と熱応動板支持体50の主面部5
0Bとの距離が規定され、その結果接点間の最大距離が
確実に規定される。バネ状部56Aは熱応動板支持体5
0の主面部50Bからその先端を離す方向への偏倚力が
与えられている。基部56Bから図示上方に延びる延長
部56Cは前述の切り欠き50Cに挿通されており、先
端に設けられた係止部56Dが前述した偏倚力により主
面部50Bに当接されている。この係止部の働きにより
緩衝板56のバネ状部56Aは前述した偏倚力を与えら
れても必要以上に熱応動板10に接近したり衝接部56
B2が接触することはない。またこの実施例では熱応動
板反転時の接点間距離などは緩衝板先端付近の平面形状
や熱応動板支持体の切り欠きの形状のように部品の加工
精度で決めることができ、緩衝板の曲げ角度や熱応動板
支持体への組付精度等から接点の位置関係が決まる前述
の例と比較して高い精度を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明の熱応動開閉器
によれば、熱応動板支持体上に設けた規制部分によって
熱応動板の反転時に熱応動板の可動側の動きを規制する
ことによって、接点開放時に可動接点と固定接点の接点
間隔が広くなりすぎることを防ぎアークのエネルギーが
過大にならない適正な距離とすることができる。さらに
この規制部分が熱応動板当接時の衝撃を弾性的に吸収す
ることで、可動接点の跳ね返りを防ぎ接点開放直後に接
点間距離が縮まることによるアークの再点弧を防ぐこと
ができる。このように、接点間アークによる接点の損耗
を防ぐことで、開閉器の耐久性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱応動開閉器の一実施例を示す縦断面
【図2】図1の熱応動開閉器のハウジングを除いた組付
状態を示す斜視図
【図3】図2の分解斜視図
【図4】本発明の他の実施例においてハウジングを除い
た組付状態を示す斜視図
【図5】本発明の他の実施例における要部を示す側面図
【図6】本発明の他の実施例における要部を示す側面図
【図7】本発明の熱応動開閉器の一実施例を示す縦断面
【図8】図7の熱応動開閉器においてハウジングを除い
た組付状態を示す斜視図
【図9】図7の熱応動開閉器に使用される緩衝板の斜視
図。
【図10】従来の熱応動開閉器の一例を示す縦断面図
【図11】図10の熱応動開閉器のハウジングを除いた
組付状態を示す斜視図
【符号の説明】
1、51:熱応動開閉器 2:ハウジング 3:蓋板 4:金属板 5:導電ピン 6:電気絶縁性材料 7:固定接点支持体 8:固定接点 9:電気絶縁体 10、20、50:熱応動板支持体 11:弾性板 12:熱応動板 13:固着片 14:可動接点 15:調整ネジ 16、26、36、46、56:緩衝板(規制部分) 16A、36B、46B、56B2:衝接部 16B、36A、46A、56A:バネ状部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板に2本の導電ピンを電気絶縁状態
    で気密に貫通固定した蓋板と、この蓋板の周縁部に開口
    部を固着することにより気密容器を構成する金属製のハ
    ウジングとを有し、気密容器内部には前記金属板上に剛
    性の高い熱応動板支持体を介して熱応動板を配置し、こ
    の熱応動板は皿状に絞り成形されることにより所定温度
    でその湾曲方向を急跳反転及び復帰するものであり、熱
    応動板の一端は前記金属板と電気的に接続固定される固
    定端であり、この固定端を頂点として二等辺三角形を成
    す可動側端部に2個の可動接点を固着し、この可動接点
    はそれぞれ前記導電ピンに導電的に接続されている固定
    接点と開閉可能にされる熱応動開閉器において、熱応動
    板支持体上には熱応動板の反転時に可動接点と固定接点
    の接点間隔が広くなりすぎないように熱応動板の可動端
    側に反転時の移動距離を規制する部分を設け、この規制
    部分は熱応動板反転による当接時の衝撃を緩和するため
    に熱応動板支持体と比較して充分な弾性を有しているこ
    とを特徴とする熱応動開閉器。
  2. 【請求項2】 移動規制部分は金属板で構成され、その
    金属板の一部に熱応動板が当接する衝接部が構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の熱応動開閉器。
  3. 【請求項3】 衝接部はそれぞれの可動接点の裏側に配
    置されていることを特徴とする請求項2に記載の熱応動
    開閉器。
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