JP2003057697A - 周期状分極反転構造の形成方法 - Google Patents

周期状分極反転構造の形成方法

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JP2003057697A
JP2003057697A JP2001247298A JP2001247298A JP2003057697A JP 2003057697 A JP2003057697 A JP 2003057697A JP 2001247298 A JP2001247298 A JP 2001247298A JP 2001247298 A JP2001247298 A JP 2001247298A JP 2003057697 A JP2003057697 A JP 2003057697A
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single crystal
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ferroelectric single
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Takatomo Nehagi
隆智 根萩
Shoichiro Yamaguchi
省一郎 山口
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NGK Insulators Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】分極反転領域の形状を乱すことなく、狭小化さ
れ、さらには均一形状の分極反転領域を有する周期状分
極反転構造を簡易かつ安定的に得ることのできる、新規
な形成方法を提供する。 【解決手段】強誘電体単結晶基板1の主面1A上に、周
期状に配列された複数の電極片2−1〜2−6を有する
第1の電極2と、この第1の電極2に対向して位置する
ように第2の電極3Aを配置し、裏面1B上に第1の電
極2と対向するように第1の電極3Bを配置する。次い
で、強誘電体単結晶基板1の、電極片2−1〜2−6間
において、溝部7−1〜7−5を形成する。その後、第
1の電極2と第2の電極3A及び3Bとの間に、所定の
電圧を印加することによって、周期状分極反転構造4を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周期状分極反転構
造の形成方法に関し、詳しくは、ニオブ酸リチウムやタ
ンタル酸リチウムなどの強誘電体単結晶基板を用いるS
HG(Second Harmonic Generation)デバイス製造時にお
いて好適に用いることのできる、周期状分極反転構造の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷、光情報処理、及び光応用計測制御
分野などにおいては、小型の短波長光源の実現が強く望
まれており、この短波長光源を実現足らしめるものとし
てSHGデバイスが注目を浴びている。このSHGデバ
イスは、半導体レーザから出射された光を通過させるこ
とによって、非線型光学効果を利用して2次高調波を生
成する。この2次高調波は前記半導体レーザから出射さ
れた光に対して周波数が2倍であり、したがって波長は
1/2となっている。すなわち、前記SHGデバイスを
利用することによって、前記半導体レーザからの出射光
に対して1/2の波長を有する短波長の光を得ることが
できる。
【0003】前記SHGデバイスは、ニオブ酸リチウム
(以下、「LN」と略す場合がある)やタンタル酸リチ
ウム(以下、「LT」と略す場合がある)などの強誘電
体単結晶基板を具え、この基板内において光の進行方向
と略垂直に、分極状態が周期状に反転してなる分極構造
を有している。このような周期状分極反転構造は、一般
に以下のようにして形成する。
【0004】図1は、周期状分極反転構造の形成方法を
説明するための図である。なお、特徴を明確にすべく、
各部分の大きさや形状などについては、実際のものと異
なるようにして描いている。
【0005】最初に、LNやLTなどの、例えばオフカ
ット基板からなる強誘電体単結晶基板1の主面1A上
に、電極片2−1〜2−6を有する櫛形状の第1の電極
2と、この第1の電極2と対向するようにして、主面1
A及び裏面1Bに一様な平板状の第2の電極3A及び3
Bとを配置する。そして、第1の電極2と第2の電極3
A及び3Bとの間に所定の電圧V1及びV2を印加する
と、強誘電体単結晶基板1の分極方向Bと逆の分極方向
Aを有する分極反転域が、第1の電極2の各電極片から
基板の結晶方位に向けて徐々に伸長し、分極方向が反転
した、分極方向Aを有する分極反転領域4Aと、元の分
極方向Bを有する分極領域4Bとからなる周期状分極反
転構造4が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図2は、図1に示す分
極反転時に用いる櫛形状の第1の電極周辺部を切り取
り、拡大して示す図である。図1及び図2に示すよう
に、櫛形状の第1の電極2は、強誘電体単結晶基板1の
主面1A上に載置するように形成する。このとき、電圧
印加によって、第1の電極2から基板の結晶方位に伸長
する分極反転領域4Aの断面形状は、電極の縁端効果の
ために、図2に示すように、横方向に広がった形状を示
す。すなわち、分極反転領域4Aの幅は、櫛形状の第1
の電極2の電極片の幅に比較して拡大してしまう。
【0007】この結果、分極方向が反転した分極方向A
を有する分極反転領域4Aと、元の分極方向Bを有する
分極領域4Bが均一に配列された周期状分極反転構造を
形成することは困難であった。また、分極反転領域4A
を狭小化し、これら狭小化された分極領域を有する周期
状分極反転構造を形成することも困難となっていた。
【0008】分極反転領域4Aを狭小化するに際して
は、櫛形状の第1の電極2における各電極片の電極幅を
小さくすることによってある程度実現することはでき
る。しかしながら、この場合においては、前記各電極片
から強誘電体単結晶基板1に対して安定的な電圧印加を
行なうことができず、分極反転領域の形状が乱れてしま
う場合などがあった。
【0009】本発明は、分極反転領域の形状を乱すこと
なく、狭小化され、さらには均一形状の分極反転領域を
有する周期状分極反転構造を簡易かつ安定的に得ること
のできる、新規な形成方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、強誘電体単結晶基板の一表面上において、周
期状に配列された複数の電極片を有する第1の電極と、
この第1の電極と離隔し、対向して位置するように、前
記強誘電体単結晶基板の任意の表面上に第2の電極とを
配置し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に所定
の電圧を印加することにより、前記強誘電体単結晶基板
内に周期状の分極反転構造を形成する方法であって、前
記強誘電体単結晶基板の、前記第1の電極の前記複数の
電極片間に位置する部分の強誘電性を低減するようにし
たことを特徴とする、周期状分極反転構造の形成方法に
関する。
【0011】本発明者らは、図1及び図2に示すような
櫛形状の第1の電極2を用いて分極反転形成を行なった
場合に、得られた分極反転領域4Aの断面が横方向に広
がり、拡大した領域幅を有するに至る原因を探るべく鋭
意検討を行なった。その結果、第1の電極2を構成する
電極片2−1〜2−6には高電圧が負荷されるため、強
誘電体単結晶基板1の、隣接する電極片間において部分
的な短絡が生じ、第1の電極2から第2の電極3へ向け
て印加されるべき電圧が、第1の電極2内で横方向に広
がってしまうことが原因であることを突き止めた。
【0012】したがって、本発明者らは、上述した第1
の電極2における隣接した電極片間における電界の広が
りを防止すべくさらなる検討を実施した。その結果、強
誘電体単結晶基板1の、第1の電極2における複数の電
極片2−1〜2−6間に位置する部分の強誘電性を低減
させ、この部分の誘電率を減少させることにより、電極
片間における電界の広がりを抑制できることを見出し、
本発明を想到するに至ったものである。
【0013】したがって、本発明によれば、櫛形状の第
1の電極2に対して所定の高電圧を印加した際において
も、この電界の電極片間における広がりを抑制し、狭小
化された分極反転領域4Aを均一に形成することができ
る。この結果、狭小化され、均一な分極反転領域を有す
る周期状分極反転構造を安定して形成することができ
る。
【0014】なお、本発明の好ましい態様においては、
前記強誘電体単結晶基板の、前記第1の電極の前記複数
の電極片間において、溝部を形成する。これによって、
前記強誘電体単結晶基板の、前記複数の電極片間に位置
する部分には、空気の層が存在するようになるので、高
電圧がかかる部分の強誘電性はより効果的に減少され、
その誘電率をより低減することができる。
【0015】また、本発明の他の好ましい態様において
は、前記第1の電極を覆うようにして、絶縁性保護膜を
形成する。これによって、前記第1の電極の前記複数の
電極片間に、微少なゴミなどの付着による汚染を防止す
ることができ、前記電極片間における絶縁性を効果的に
保持できるようになる。すなわち、ゴミなどの汚染によ
って、ゴミへの電荷集中による分極反転の起点の発生を
防止することができ、形成すべき分極反転領域が横方向
に拡大するのを効果的に抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、具体例を挙げな
がら発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0017】図3は、本発明の形成方法において、分極
反転時に用いる櫛形状の第1の電極周辺部を切り取り、
拡大して示す図である。図3においては、本発明の好ま
しい態様に従って、強誘電体単結晶基板1の、櫛形状の
第1の電極2の電極片2−1〜2−6の隣接するもの同
士の間に、溝部7−1〜7−5を形成している。なお、
図3に示す第1の電極2は、図1及び図2に示すものと
同じである。
【0018】この場合、強誘電体単結晶基板1におい
て、電極片2−1〜2−6の互いに隣接する部分の間の
溝部7−1〜7−5に相当する部分は、基板を構成する
強誘電体単結晶に代わって空気層が存在することにな
る。すなわち、強誘電体単結晶基板1の一部が空気層に
よって置換された構成を有する。
【0019】したがって、強誘電体単結晶基板1の、電
極片2−1〜2−6が互いに隣接する間の部分の強誘電
性が低減され、この部分の誘電率が減少する。この結
果、各電極片に負荷された高電圧に起因する、電極片間
における電界の広がりを効果的に抑制することができ
る。そして、分極反転時において、この電界の広がりに
起因して分極反転領域が横方向に拡大するのを抑制する
ことができ、図3に示すような狭小化されるとともに、
均一な形状に分極反転領域8Aを簡易かつ安定的に得る
ことができる。すなわち、狭小化されるとともに、均一
な形状の分極反転領域を有する周期状分極反転構造を簡
易かつ安定的に形成することができる。
【0020】本発明の目的を達成することができれば、
溝部7−1〜7−5の深さdについては特に限定されな
い。しかしながら、深さdは1nm〜100nmである
ことが好ましく、さらには10nm〜20nmであるこ
とが好ましい。これによって、電極片に負荷された電界
の広がりを効果的に抑制することができるとともに、深
く形成し過ぎることによる強誘電体単結晶基板1の強度
劣化を抑制することができる。
【0021】溝部7−1〜7−5は、例えば形成すべき
溝部が位置する部分に開口部を設けたマスクを用い、こ
のマスクを介してRIEやウエットエッチングなどを行
なうことにより形成する。RIEを用いる場合は、フッ
素系のガスを用いることが好ましく、これによって高い
エッチング速度を得ることができ、短時間で溝部を形成
することができる。
【0022】また、図3に示す櫛形状の第1の電極2を
覆うようにして図示しない絶縁性保護膜を形成すること
もできる。この場合においては、第1の電極2の電極片
2−1〜2−6のそれぞれの間に、ゴミの付着などの汚
染が生じるのを防止することができる。前記電極片間に
ゴミなどが付着すると、前記電極片に高電圧が印加され
た際に、この印加電圧が前記ゴミを媒介として強誘電体
単結晶基板1内に印加されるようになる。この結果、強
誘電体単結晶基板1に対して安定的に高電圧を印加する
ことができず、分極反転構造の形状が乱れる場合があ
る。
【0023】しかしながら、上述した絶縁性保護膜を形
成し、上記ゴミの付着などを防止することにより、上述
した不安定な電圧印加による分極反転構造の形状の乱れ
などを効果的抑制することができる。
【0024】前記絶縁性保護膜は、1×1012Ω・c
m以上、さらには1×1016Ω・cm以上の体積抵抗
率を有することが好ましい。これによって、第1の電極
2自体の絶縁性、すなわち前記絶縁性保護膜が第1の電
極2の各電極片間に付着した場合においても、これら電
極片間の絶縁を十分に保持することができる。また、外
部からの絶縁性をも確保することができる。
【0025】前記絶縁性保護膜が、上述したような高体
積抵抗率を有する場合は、電極片2−1〜2−6間を埋
設するように形成することが好ましい。これによって、
これら電極片間にゴミなどが侵入するのを効果的防止す
ることができ、前記絶縁性保護膜の高絶縁性と相伴っ
て、電極片2−1〜2−6同士の絶縁性を十分効果的に
保持することができる。したがって、電極片から強誘電
体単結晶基板に対して高電圧が漏洩することによって、
形成された分極反転領域の形状が乱れたりすることがな
くなる。
【0026】前記絶縁性保護膜を、電極片2−1〜2−
6間を埋設するように形成する場合には、溝部7−1〜
7−5を埋設するように形成することが好ましい。溝部
7−1〜7−5内には空気層が存在するが、これら溝部
内に高誘電率のゴミなどが不着すると、このゴミを介し
て隣接する電極片間が短絡する場合が生じる。この結
果、形成された分極反転領域の形状が乱れたりする場合
がある。
【0027】また、強誘電体単結晶基板1に対して溝部
を形成し、かかる部分の強誘電性を低減して、誘電率を
低下させた本来の効果が失われ、形成された分極反転領
域が横方向に拡大し、前記分極反転領域の幅が増大して
しまう。したがって、前記絶縁性保護膜を、溝部7−1
〜7−5を埋設するように形成することにより、上記の
ような問題を除去することができ、狭小化された均一形
状の分極反転領域、さらには周期状分極反転構造を安定
的に形成することができる。
【0028】前記絶縁性保護膜の厚さは、10nm〜1
0μmであることが好ましく、さらには100nm〜1
μmであることが好ましい。これによって、前記絶縁性
保護膜自体に十分な機械的強度を付与することができる
とともに、第1の電極2を外部より十分に絶縁させるこ
とができ、保護膜本来の機能を十分に達成することがで
きる。
【0029】上述したような絶縁性保護膜は、例えば、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂など
の樹脂材から作製することができる。この場合は、前述
した樹脂材を加熱融解あるいは溶剤に溶解させ、得られ
た溶液をスピンコート法、印刷法、ディップコート法、
スプレー法などによって、第1の電極2が形成された強
誘電体単結晶基板1の主面1A上に、第1の電極2を覆
うようにして塗布する。そして、前記溶媒などを除去す
る、あるいは加熱又は紫外線などを照射することによっ
て所定の反応を生ぜしめ、目的とする絶縁性保護膜を得
る。
【0030】また、SiOやTa、及びAl
などの無機材料から作製することもできる。この場
合は、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング
法、イオンビームスパッタリング法、イオンアシスト蒸
着法などの公知の製膜方法を用いて形成することができ
る。酸化珪素保護膜などを作製する場合においては、随
時酸素ガスなどを補給しながら行なう。
【0031】本発明の周期状分極反転構造の形成方法に
おいては、図1に示すような櫛形状の第1の電極2及び
平板状の第2の電極3を形成した後、図3に示すよう
に、第1の電極2の、電極片2−1〜2−6間に溝部7
−1〜7−5を形成する。その後、図1において説明し
たように、第1の電極2及び第2の電極3間に所定の電
圧を印加することにより、狭小化されるとともに、均一
な形状の分極反転領域8Aさらには周期状分極反転構造
を形成することができる。
【0032】また、図3に示すように、隣接する電極片
2−1〜2−6間に溝部7−1〜7−5を形成して強誘
電体単結晶基板1の強誘電性を低減し、印加電圧の漏洩
を抑制することにより、電極片2−1〜2−6にはより
大きな電圧を負荷することができる。したがって、分極
反転領域8Aが十分深くにまで形成することができ、十
分大きな深さの周期状分極反転構造を形成することがで
きる。実際には、2.5μm以上の深さの周期状分極反
転構造を得ることができる。
【0033】なお、図3に示す櫛形状の第1の電極は、
公知の電極材料から構成することができる。
【0034】図1に示すような強誘電体単結晶基板1内
に周期状分極反転構造4を作製した後は、櫛形形状の第
1の電極2並びに平板状の第2の電極3A及び3Bは、
それぞれ取り除かれる。
【0035】図4は、周期状分極反転構造が形成された
強誘電体単結晶基板に、光導波路を形成した状態を示す
図である。なお、簡略化のため、図4においては、強誘
電体単結晶基板の、周期状分極反転構造が形成された部
分のみを示している。
【0036】図1及び図3に示すようにして周期状分極
反転構造が形成された強誘電体単結晶基板を得た後、こ
れを実際のSHGデバイスなどとして用いるためには、
図4に示すように、プロトン交換法などによって周期状
分極反転構造4内に光導波路5を形成して、所定の光導
波路素子10を作製する。その後、光導波路素子10を
実装し、光ファイバなどを接続することによって、目的
とするSHGデバイスなどを得る。
【0037】図5〜図7は、周期状分極反転構造が形成
された強誘電体単結晶基板を用いて、リッジ構造型の光
導波路素子を形成するための工程を説明するための図で
ある。
【0038】最初に、図5に示すように、周期状分極反
転構造4の形成された強誘電体単結晶基板1を、主面1
Aが下側になるようにして、支持基板11と接着層12
を介して貼り合わせる。次いで、強誘電体単結晶基板1
に裏面1Bから研削加工及び研摩加工を施すことによ
り、図6に示すように、周期状分極反転構造4が露出す
るまで薄板化する。その後、ダイシング加工あるいは所
定のマスクを介してレーザ加工処理を行ない、強誘電体
単結晶基板1の両側部分を所定の厚さを残して除去し、
図7に示すようなリッジ型の光導波路15を有する、リ
ッジ構造型の光導波路素子20を得る。
【0039】その後、光導波路素子20を実装し、光フ
ァイバなどを接続することによって、目的とするSHG
デバイスなどを得る。
【0040】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。 (実施例)最初に、厚さ0.5mmのMgOドープLN
単結晶の5度オフYカット基板を強誘電体単結晶基板1
として用い、この基板の主面1A上に、Taからなる幅
d0.4μm、ピッチPが2.8μmの電極片を有する
櫛形形状の第1の電極2と、同じくTaからなる平板状
の第2の電極3Aとが互いに対向するようにして形成し
た。その後、基板1の裏面1B上において第1の電極2
と対向するようにして第2の電極3Bを形成した。
【0041】次いで、第1の電極2の電極片間に、深さ
dが20nmの溝部を形成した後、第1の電極2及び第
2の電極3間に4kVなる電圧を負荷し、周期状分極反
転構造4を形成した。
【0042】なお、第1の電極2及び主面1A上に形成
した第2の電極3A間に電圧を印加せずに、電極2及び
電極3B間に上記電圧を印加することによってもほぼ同
程度の周期状分極反転構造4が得られた。したがって、
この場合においては、1対の電極2及び3B間のみに電
圧を印加すればよいため、システム構成を簡略化するこ
とができ、安価な設備で分極反転構造を得ることができ
る。
【0043】強誘電体単結晶基板1を切断し、周期状分
極反転構造4を構成する分極反転領域の幅を計測したと
ころ、1.8μmであることが判明した。
【0044】(比較例)実施例と同様に、厚さ0.5m
mのMgOドープLN単結晶の5度オフYカット基板を
強誘電体単結晶基板1として用い、この基板1の主面1
A上に実施例と同形状及び同じ大きさの第1の電極2及
び第2の電極3A、裏面1B上に第2の電極3Bを形成
した。その後、第1の電極2の電極片間に溝部を形成す
ることなく、第1の電極2及び第2の電極3間に4kV
なる電圧を印加し、周期状分極反転構造を形成した。
【0045】強誘電体単結晶基板1を切断し、周期状分
極反転構造4を構成する分極反転領域の幅を計測したと
ころ、2.2μmであることが判明した。
【0046】以上、実施例及び比較例から明らかなよう
に、実施例において得た周期状分極反転構造は、狭小化
された分極反転領域から形成されていることが分かる。
【0047】以上、具体例を挙げながら発明の実施の形
態に基づいて本発明を詳細に説明したが、本発明は上記
内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱し
ない範囲において、あらゆる変更や変形が可能である。
【0048】例えば、上記においては、強誘電体単結晶
基板1の強誘電性を低減させるための具体的な方法とし
て溝部を形成する場合について説明したが、所定のイオ
ンなどを拡散させることによっても低減することができ
る。また、強誘電体単結晶基板1を、例えば、上記にお
いては、強誘電体単結晶基板1を、例えばMgOドープ
のLN単結晶の5度オフカット板から構成する場合につ
いて示しているが、本発明は、例えばLN単結晶の任意
のオフカット基板、並びにXカット基板、Yカット基
板、Zカット基板から構成する場合についても用いるこ
とができる。
【0049】また、図1においては、主面1A及び裏面
1B上において、櫛形状の第1の電極12と対向するよ
うに第2の電極3A及び3Bを形成しているが、LN単
結晶のXカット基板又はYカット基板を用いる場合は、
裏面1B上に第2の電極3Bを形成することなく、主面
1A上において第2の電極3Aのみを形成することによ
って、目的とする周期状分極反転構造を作製することが
できる。
【0050】さらに、LN単結晶のZカット基板又は上
述したオフカット基板を用いる場合は、主面1A上に第
2の電極3Aを形成することなく、裏面1B上に第2の
電極3Bのみを形成することによって、目的とする周期
状分極反転構造を作製することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分極反転領域の形状を乱すことなく、狭小化され、さら
には均一形状の分極反転領域を有する周期状分極反転構
造を簡易かつ安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】周期状分極反転構造の形成方法を説明するため
の図である。
【図2】図1に示す分極反転時に用いる櫛形状の第1の
電極周辺部を切り取り、拡大して示す図である。
【図3】本発明の形成方法において、分極反転時に用い
る櫛形状の第1の電極周辺部を切り取り、拡大して示す
図である。
【図4】周期状分極反転構造が形成された強誘電体単結
晶基板に、光導波路を形成した状態を示す図である。
【図5】周期状分極反転構造が形成された強誘電体基板
を用いて、リッジ構造型の光導波路素子を形成する方法
を説明するための一工程図である。
【図6】図5に示す工程の次の工程を示す図である。
【図7】図6に示す工程の次の工程を示す図である。
【符号の説明】
1 強誘電体単結晶基板、2 第1の電極、2−1〜2
−6 電極片、3A、3B 第2の電極、4 周期状分
極反転構造、5,15 光導波路、7−1〜7−5 溝
部、10,20 光導波路素子、11 支持基板、12
接着層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電体単結晶基板の一表面上において、
    周期状に配列された複数の電極片を有する第1の電極
    と、この第1の電極と離隔し、対向して位置するよう
    に、前記強誘電体単結晶基板の任意の表面上に第2の電
    極とを配置し、前記第1の電極と前記第2の電極との間
    に所定の電圧を印加することにより、前記強誘電体単結
    晶基板内に周期状の分極反転構造を形成する方法であっ
    て、 前記強誘電体単結晶基板の、前記第1の電極の前記複数
    の電極片間に位置する部分の強誘電性を低減するように
    したことを特徴とする、周期状分極反転構造の形成方
    法。
  2. 【請求項2】前記強誘電体単結晶基板の、前記第1の電
    極の前記複数の電極片間において、溝部を形成したこと
    を特徴とする、請求項1に記載の周期状分極反転構造の
    形成方法。
  3. 【請求項3】前記溝部の深さが、1nm〜100nmで
    あることを特徴とする、請求項2に記載の周期状分極反
    転構造の形成方法。
  4. 【請求項4】前記溝部の深さが、10nm〜20nmで
    あることを特徴とする、請求項3に記載の周期状分極反
    転構造の形成方法。
  5. 【請求項5】前記第1の電極を覆うようにして、絶縁性
    保護膜を形成することを特徴とする、請求項1〜4のい
    ずれか一に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
  6. 【請求項6】前記絶縁性保護膜は、体積抵抗率が1×1
    12Ω・cm以上であることを特徴とする、請求項5
    に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
  7. 【請求項7】前記絶縁性保護膜は、前記第1の電極の前
    記複数の電極片間を埋めるようにして形成することを特
    徴とする、請求項6に記載の周期状分極反転構造の形成
    方法。
  8. 【請求項8】前記絶縁性保護膜は、前記溝部を埋設する
    ようにして形成することを特徴とする、請求項7に記載
    の周期状分極反転構造の形成方法。
  9. 【請求項9】前記絶縁性保護膜の厚さが、10nm〜1
    0μmであることを特徴とする、請求項5〜8のいずれ
    か一に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
  10. 【請求項10】前記絶縁性保護膜の厚さが、100nm
    〜1μmであることを特徴とする、請求項9に記載の周
    期状分極反転構造の形成方法。
  11. 【請求項11】前記第1の電極と前記第2の電極とは、
    前記強誘電単結晶基板の同一表面上に配置することを特
    徴とする、請求項1〜10のいずれか一に記載の周期状
    分極反転構造の形成方法。
  12. 【請求項12】前記第1の電極と前記第2の電極とは、
    それぞれ前記強誘電体単結晶基板の相対向する異なる表
    面上に配置することを特徴とする、請求項1〜10のい
    ずれか一に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
  13. 【請求項13】前記第2の電極は、前記第1の電極と同
    一平面上、及びこの平面と相対向する異なる表面上に配
    置することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一
    に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
  14. 【請求項14】前記周期状分極反転構造の、前記第1の
    電極が形成された前記強誘電体単結晶基板表面からの深
    さが、1μm以上であることを特徴とする、請求項11
    に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
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