JP2003053605A - 加工制御方法およびその装置 - Google Patents

加工制御方法およびその装置

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JP2003053605A
JP2003053605A JP2001246925A JP2001246925A JP2003053605A JP 2003053605 A JP2003053605 A JP 2003053605A JP 2001246925 A JP2001246925 A JP 2001246925A JP 2001246925 A JP2001246925 A JP 2001246925A JP 2003053605 A JP2003053605 A JP 2003053605A
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Japan
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machining
rotation speed
rotary tool
drill
hole
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JP2001246925A
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Katsushi Nakanishi
克司 中西
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Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ミスト潤滑を行なっても、切り粉を確実に排出
することができて、連続穴加工を行なうことができると
共に、ステップ加工と比較して加工時間ロスがない加工
制御方法の提供。 【解決手段】ねじれ溝を備える回転工具の加工部位に潤
滑油ミストを供給しつつ、上記回転工具でワークを加工
する加工制御方法であって、潤滑油ミストを供給しつ
つ、所定の第1回転数で回転工具を進行させる進行工程
S1と、回転工具によりワークに形成された加工穴の中
途位置または加工穴終端部で回転工具の送りを停止させ
る停止工程S2と、上記停止させた状態で回転工具を上
記第1回転数以上の第2回転数で回転させる回転工程S
3と、上記第2回転数以下の回転数で上記回転工具を戻
す戻し工程とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ねじれ溝を備え
た回転工具の加工部位に潤滑油ミストを供給しつつ、該
回転工具でワークを加工するような加工制御方法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ねじれ溝を有するドリルのような
回転工具で穴加工を行なう場合、工具先端の刃先で創生
された切り粉は回転工具の側面のねじれ溝と加工された
穴の壁面との間を通って、穴の入口から排出される。し
かし、加工される穴の深さが深い場合には、上述の切り
粉の排出経路の距離が長くなるので、切り粉排出性が悪
化する問題点があった。
【0003】このような問題点を解決するため、従来に
おいては加工途中で1回または数回、回転工具を戻し
て、切り粉を排出するというステップ加工と、刃先先端
に設けたオイルホールから高圧の切削液を噴出させ、切
削液の流れにより切り粉を排出する手段が用いられる。
【0004】前者のステップ加工では回転工具を戻した
時、振れ回った刃先により加工穴の入口部が再度加工さ
れ、入口部の精度が悪化すると共に、加工時間ロスが生
ずる欠点があった。後者の切削液(クーラント参照)を用
いる手段では、多量の切削液および液圧送動力が必要不
可欠となることは勿論、環境問題を誘発する欠点があっ
た。
【0005】そこで、近年、クーラントなどの切削液に
代えて少量の生分解性をもった潤滑油をエアによりミス
ト化して回転工具の刃先に供給しながらワークに加工を
施すミスト加工が既に発明されているが、この場合には
切削液を用いる手段と比較して切り粉の排出能力が低い
ので、回転工具のねじれ溝に切り粉が残り、連続穴加工
が困難となる問題点があった。
【0006】一方、特開平8−197371号公報に
は、このような問題点を解決するために、ドリル等の刃
具の一部を回転可能に囲繞する室壁を設け、この室壁内
の空間部を空気吸引管を介して負圧作用源に接続し、こ
の負圧を空気吸引管を介して空間部に作用させて、切り
粉を負圧吸引すべく構成した工作機械の切粉気流除去装
置が開示されているが、この装置においては室壁、空気
吸引管、負圧作用源などの設備が必要となり、かつ設備
が大型化する問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、潤滑油ミ
ストを供給しつつ、所定の第1回転数で回転工具を進行
させ、回転工具によりワークに形成された加工穴の中途
位置または加工穴終端部で回転工具の送りを停止させ、
この停止させた状態で回転工具を第1回転数以上の第2
回転数で回転させて、切り粉を排出し、その後、この第
2回転数以下の回転数で回転工具を戻すことで、高圧切
削液の噴出による潤滑に代えて、ミスト潤滑を行なって
も、切り粉を確実に排出することができて、連続穴加工
を行なうことができると共に、ステップ加工と比較して
加工時間ロスがない加工制御方法の提供を目的とする。
【0008】この発明はまた、ミスト潤滑を行なって
も、切り粉を確実に排出することができて、連続穴加工
を行なうことができると共に、ステップ加工と比較して
加工時間にロスがない加工制御装置の提供を目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明による加工制御
方法は、ねじれ溝を備える回転工具の加工部位に潤滑油
ミストを供給しつつ、上記回転工具でワークを加工する
加工制御方法であって、潤滑油ミストを供給しつつ、所
定の第1回転数で回転工具を進行させる進行工程と、回
転工具によりワークに形成された加工穴の中途位置また
は加工穴終端部で回転工具の送りを停止させる停止工程
と、上記停止させた状態で回転工具を上記第1回転数以
上の第2回転数で回転させる回転工程と、上記第2回転
数以下の回転数で上記回転工具を戻す戻し工程とを備え
たものである。上記構成によれば、上述の進行工程で、
潤滑油ミストを供給しつつ、所定の第1回転数で回転工
具を進行させ、上述の停止工程で、回転工具によりワー
クに形成された加工穴の中途位置または加工穴終端部で
回転工具の送りが停止され、上述の回転工程で、工具の
送りを停止させた状態で回転工具を第1回転数以上の第
2回転数で回転させて、切り粉を工具のねじれ溝と加工
穴の穴壁との間を通して排出させ、その後、上述の戻し
工程で、第2回転数以下の回転数で回転工具を戻す。
【0010】このように、加工途中または穴底に達した
時、回転工具の送りを止めると共に、回転工具の回転数
を上げて、ねじれ溝による切り粉の排出能力を高めるの
で、ミスト潤滑を行なっても、切り粉を確実に排出する
ことができて、複数の穴を連続してミスト加工(連続穴
加工)することができ、従来のステップ加工と比較して
加工時間ロスをなくすことができる。
【0011】なお、加工穴の加工初期から回転工具の回
転数を高めることが考えられるが、この場合には回転工
具に振れ回りが発生するので、最初から回転数を上げて
加工することは不可能である。
【0012】この発明の一実施態様においては、上記回
転工程における切り粉の排出時、加工穴の深さに応じて
第2回転数を上昇させるものである。上記構成によれ
ば、加工された穴により回転工具の振れが抑制されるの
で、第2回転数を上昇させることで、切り粉の排出性向
上を図ることができる。
【0013】この発明の一実施態様においては、上記回
転工具による加工時、加工穴の深さに応じて第1回転数
を上昇させるものである。上記構成によれば、ある程度
の加工深さが得られると第1回転数を上昇させて、回転
工具の振れを抑制しつつ、加工効率の向上を図ることが
できる。
【0014】この発明による加工制御装置は、ねじれ溝
を備える回転工具の加工部位に潤滑油ミストを供給しつ
つ、上記回転工具でワークを加工する加工制御装置であ
って、上記加工部位に潤滑油ミストを供給する潤滑油ミ
スト供給手段と、上記回転工具を進行、停止、戻し制御
する送り制御部と、上記回転工具の回転数を少なくとも
第1回転数と、該第1回転数以上の第2回転数と、第2
回転数以下の回転数とに制御する回転数制御部と、上記
第1回転数で回転工具を進行させ、回転工具によりワー
クに形成された加工穴の中途位置または加工穴終端部で
回転工具の送りを停止させ、この停止状態で回転工具を
第2回転数で回転させ、該第2回転数以下の回転数で上
記回転工具を戻すように上記送り制御部および回転数制
御部を制御する制御手段とを備えたものである。
【0015】上記構成によれば、潤滑油ミスト供給手段
は加工部位に潤滑油ミストを供給し、送り制御部は回転
工具を進行、停止、戻し制御し、回転数制御部は回転工
具の回転数を少なくとも第1回転数と、この第1回転数
以上の第2回転数と、第2回転数以下の回転数とに制御
する。
【0016】しかも、上述の制御手段は、第1回転数で
回転工具を進行させ、回転工具によりワークに形成され
た加工穴の中途位置または加工穴終端部で回転工具の送
りを停止させ、この停止状態下で回転工具を第2回転数
で回転させて、切り粉を排出し、その後、第2回転数以
下の回転数で上記回転工具を戻すように上述の送り制御
部および回転数制御部をコントロールする。
【0017】このように、加工途中または穴底に達した
時、回転工具の送りを止めると共に、回転工具の回転数
を上げて、ねじれ溝による切り粉の排出能力を高めるの
で、ミスト潤滑を行なっても、切り粉を確実に排出する
ことができて、複数の穴を連続してミスト加工すること
ができ、従来のステップ加工と比較して加工時間ロスを
なくすことができる。
【0018】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は加工制御方法およびその装置示すが、ま
ず、図1、図2を参照して加工制御装置について説明す
る。
【0019】この加工制御装置は、制御手段としてのC
PU10を備え、該CPU10には各種の入力操作を行
なう入力操作部11が接続されている。また上述のCP
U10はその内部に送り制御部12と回転数制御部13
とが形成されている。
【0020】ここで、上述の送り制御部12は回転工具
の一例としての図2に示すドリル14を進行、停止、戻
り制御する。また上述の回転数制御部13はドリル14
の回転数を少なくとも所定の第1回転数と、この第1回
転数以上の第2回転数と、第2回転数以下の回転数とに
制御する。
【0021】上述のドリル14は図2に示すように、ね
じれ溝14aを有し、ドリル14のシャンク部はドリル
加工機15先端のホルダ15aに交換可能に把持される
と共に、該ドリル14には加工部位に潤滑油ミストを送
給するオイルホール14bが形成されている。
【0022】上述のオイルホール14bにはオイルミス
ト発生装置16からの生分解性をもった潤滑油がエアに
よりミスト化されて供給される。また上述のドリル加工
機15にはドリル14の進行位置を検出する検出手段1
7が設けられており、この検出手段17によるドリル進
行位置信号はCPU10にフィードバックされるように
構成している。
【0023】CPU10は、入力操作部11、ドリル進
行位置検出手段17からの入力に基づいて、ROM18
に格納されたプログラムに従って、ドリル加工機15、
オイルミスト発生装置16を駆動制御し、またRAM1
9は必要なデータやマップを記憶する。
【0024】上述のCPU10は、第1回転数でドリル
14を進行させ、ドリル14によりワークに形成された
加工穴の中途位置または加工穴終端部でドリル14の送
りを停止させ、この停止状態下でドリル14を第2回転
数で回転させて、切り粉を排出し、その後、第2回転数
以下の回転数でドリル14を戻すように上述の送り制御
部12および回転数制御部13を制御する制御手段であ
る。
【0025】この実施例では、上述の送り制御部12お
よび回転数制御部13をCPU10の内部に構成した
が、これら両制御部12,13は外付けタイプに構成し
てもよい。次に図3に示す工程図、図4に示すタイムチ
ャート、図5に示す説明図を参照して、加工制御方法に
ついて説明する。
【0026】まず、潤滑油ミストを供給しつつ図4に示
す送り速度Fg(但し、Fg>Fc)でドリル14を送
り、かつドリル14を第1回転数Nで回転させなが
ら、穴深さaの位置手前に達するまでワーク20(図5
参照)(主としてアルミニウムまたはアルミ合金製のワー
ク)を加工する。ここで、送り速度Fgを加工送り速度
Fcよりも大きい値に設定するには、ワーク20に対す
るドリル14の喰付きを滑らかにするためである。
【0027】次に図3に示す進行工程S1で、潤滑油ミ
ストの供給を維持しつつ加工送り速度Fc(但し、Fc
<Fg)でドリル14を送り、かつドリル14を第1回
転数N で回転させながら穴深さb(加工穴21の終端
部)まで進行させる。次に図3に示す停止工程S2で、
ドリル14によりワーク20に形成された加工穴21の
終端部でドリル14の送りを停止させる。
【0028】次に図3に示す回転工程(切り粉排出工程)
S3で、ドリル14を第1回転数N 以上の第2回転数
で回転させる。ここで、上述の第1回転数Nは例
えば1000〜1500rpmに設定してもよく、第2回
転数NはN=N×1.3〜2.0に設定してもよ
い。
【0029】図5に示すように穴深さbの位置つまり穴
底に達した時点で、ドリル14のねじれ溝14aに残っ
ている切り粉は、ドリル14の回転数(詳しくは主軸回
転数)を第2回転数Nに上昇することで、ドリル14
のねじれ溝14aのリードにより穴入口部から外部に排
出される。この時、ドリル14の側面は、該ドリル14
で加工した加工穴21の壁面によって拘束されているの
で、振れ回りが発生することはなく、したがって、ドリ
ル14は折損等の不具合を起こさない。
【0030】次に図3に示す戻し工程S4で、ドリル1
4を第2回転数N以下の回転数(この実施例では第1
回転数N)で回転させながら、該ドリル14を戻し速
度Fgで加工穴21の外部まで戻して、穴加工を終了す
る。
【0031】図6は図3、図4、図5で示した加工方法
により複数の加工穴21,21を連続加工する際のタイ
ムチャートで、1穴目の加工時に切り粉の残りがなくな
るため、2穴目を連続加工しても、切り粉詰まりが発生
することがなくなり、この結果、複数の加工穴21…を
順次連続加工することができる。
【0032】このように図1〜図6で示した実施例の加
工制御方法は、ねじれ溝14aを備えるドリル14の加
工部位(刃先部分参照)に潤滑油ミストを供給しつつ、該
ドリル14でワーク20を加工する加工制御方法であっ
て、潤滑油ミストを供給しつつ、所定の第1回転数N
でドリル14を進行させる進行工程S1と、ドリル14
によりワーク20に形成された加工穴21の終端部でド
リル14の送りを停止させる停止工程S2と、上記停止
させた状態でドリル14を上記第1回転数N以上の第
2回転数Nで回転させる回転工程S3と、上記第2回
転数N以下の回転数で上記ドリル14を戻す戻し工程
S4とを備えたものである。この構成によれば、上述の
進行工程S1で、潤滑油ミストを供給しつつ、所定の第
1回転数Nでドリル14を進行させ、上述の停止工程
S2で、ドリル14によりワーク20に形成された加工
穴21の終端部でドリル14の送りが停止され、上述の
回転工程S3で、ドリル14の送りを停止させた状態で
ドリル14を第1回転数N以上の第2回転数Nで回
転させて、切り粉をドリル14のねじれ溝14aと加工
穴21の穴壁との間を通して排出させ、その後、上述の
戻し工程S4で、第2回転数N以下の回転数でドリル
14を戻す。
【0033】このように、穴底に達した時、ドリル14
の送りを止めると共に、ドリル14の回転数を上げて、
ねじれ溝14aによる切り粉の排出能力を高めるので、
ミスト潤滑を行なっても、切り粉を確実に排出すること
ができて、図6で示したように複数の穴を連続してミス
ト加工(連続穴加工)することができ、従来のステップ加
工と比較して加工時間ロスをなくすことができる。
【0034】また図1〜図6で示した実施例の加工制御
装置は、ねじれ溝14aを備えるドリル14の加工部位
(刃先部分参照)に潤滑油ミストを供給しつつ、該ドリル
14でワーク20を加工する加工制御装置であって、上
記加工部位に潤滑油ミストを供給する潤滑油ミスト供給
手段(オイルミスト発生装置16参照)と、上記ドリル1
4を進行、停止、戻し制御する送り制御部12と、上記
ドリル14の回転数を少なくとも第1回転数Nと、該
第1回転数N以上の第2回転数Nと、第2回転数N
以下の回転数とに制御する回転数制御部13と、上記
第1回転数Nでドリル14を進行させ、ドリル14に
よりワーク20に形成された加工穴21の終端部でドリ
ル14の送りを停止させ、この停止状態でドリル14を
第2回転数Nで回転させ、該第2回転数N以下の回
転数で上記ドリル14を戻すように上記送り制御部12
および回転数制御部13を制御する制御手段(CPU1
0参照)とを備えたものである。
【0035】この構成によれば、潤滑油ミスト供給手段
(オイルミスト発生装置16参照)は加工部位に潤滑油ミ
ストを供給し、送り制御部12はドリル14を進行、停
止、戻し制御し、回転数制御部13はドリル14の回転
数を少なくとも第1回転数N と、この第1回転数N
以上の第2回転数Nと、第2回転数N以下の回転数
とに制御する。
【0036】しかも、上述の制御手段(CPU10参照)
は、第1回転数Nでドリル14を進行させ、ドリル1
4によりワーク20に形成された加工穴21の終端部で
ドリル14の送りを停止させ、この停止状態下でドリル
14を第2回転数Nで回転させて、切り粉を排出し、
その後、第2回転数N以下の回転数で上記ドリル14
を戻すように上述の送り制御部12および回転数制御部
13をコントロールする。
【0037】このように、ドリル14が穴底に達した
時、該ドリル14の送りを止めると共に、ドリル14の
回転数を上げて、ねじれ溝14aによる切り粉の排出能
力を高めるので、ミスト潤滑を行なっても、切り粉を確
実に排出することができて、複数の穴21,21を連続
してミスト加工することができ、従来のステップ加工と
比較して加工時間ロスをなくすことができる。
【0038】図7、図8は加工制御方法の他の実施例を
示し、この実施例においても図1で示した加工制御装置
を用いる。図1〜図6で示した先の実施例においては加
工穴の終端部のみでドリル14の送りを停止し、かつド
リル14の回転数を上昇させて、切り粉を排出すべく構
成したが、この図7、図8に示す実施例では加工穴21
の中途位置と加工穴21の終端部との双方で、ドリル1
4の送りを停止し、かつドリル14の回転数を上昇させ
ると共に、加工穴21の深さに応じて第2回転数をさら
に上昇させるように構成したものである。
【0039】この実施例の加工制御方法を図7に示すタ
イムチャートと図8に示す説明図とを参照して、以下に
詳述する。まず、潤滑油ミストを供給しつつ、図7に示
す送り速度Fg(但し、Fg>Fc)でドリル14を送
り、かつドリル14を第1回転数Nで回転させなが
ら、穴深さCの位置手前に達するまでワーク20(図8
参照)を加工する。
【0040】ここで、送り速度Fgを加工送り速度Fc
よりも大きい値に設定するのは、先の実施例と同様にワ
ーク20に対するドリル14の喰付きを滑らかにするた
めである。
【0041】次に、潤滑油ミストの供給を維持しつつ、
加工送り速度Fc(但し、Fc<Fg)でドリル14を送
り、かつドリル14を第1回転数Nで回転させながら
穴深さd(加工穴の中途位置)まで進行させる(進行工
程)。この穴深さdの位置でドリル14の送りを一旦停
止させる(停止工程)。
【0042】次に、上述の送り停止を維持した条件下に
おいて、ドリル14を第1回転数N 以上の第2回転数
で回転させて、ドリル14のねじれ溝14aのリー
ドにより穴入口部から切り粉を外部に排出する(回転工
程)。
【0043】次にドリル14の回転数を再び第1回転数
に設定し、ドリル14の送り速度を再び加工送り速
度Fcに設定して、ミスト潤滑を行いながら、該ドリル
14を加工穴21の終端部(穴深さe参照)まで進行させ
る(進行工程)。この穴深さeの位置つまり加工穴終端部
でドリル14の送りを停止させる(停止工程)。
【0044】次に上述の送り停止を維持した条件下にお
いて、ドリル14を第2回転数Nより高回転数の回転
数N22で回転させて、ドリル14のねじれ溝14aの
リードにより穴入口部から切り粉を外部に排出する(回
転工程)。
【0045】図8に示すように穴深さeの位置つまり穴
底に達した時点で、ドリル14のねじれ溝14aに残っ
ている切り粉は、ドリル14の回転数をN22(但し、
>N)に上昇することで、ドリル14のねじれ
溝14aのリードにより穴入口部から外部に排出され
る。この時、ドリル14の側面は、該ドリル14で加工
した加工穴21の壁面によって拘束されているので、振
れ回りが発生することはなく、したがって、ドリル14
は折損等の不具合を起こさない。
【0046】次にドリル14を第2回転数N以下の回
転数(この実施例では第1回転数N )で回転させなが
ら、該ドリル14を戻し速度Fgで加工穴21の外部ま
で戻して(戻し工程)、穴加工を終了する。
【0047】このように図7、図8で示した実施例の加
工制御方法は、上記回転工程(切り粉排出工程)における
切り粉の排出時、加工穴21の深さに応じて第2回転数
を上昇(回転数N22参照)させるものである。この構成
によれば、加工された穴によりドリル14の振れが抑制
されるので、第2回転数Nを上昇させることで、切り
粉の排出性向上を図ることができ、特に深穴加工時に有
効となる。
【0048】この図7、図8で示した実施例において
も、その他の構成、作用、効果については先の実施例と
ほぼ同様であるから、図7、図8において前図と同一の
部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略す
る。
【0049】図9は加工制御方法のさらに他の実施例を
示し、図7の実施例では穴深さdの位置における切り粉
排出後にドリル14の回転数を第1回転数Nに戻し
て、穴深さeの穴底まで加工するように構成したが、図
9に示すこの実施例では穴深さdの位置における切り粉
排出後にドリル14の回転数を第1回転数Nよりも上
昇(回転数N11参照)させて、穴深さeの穴底まで加工
するように構成したものである。
【0050】このように図9で示した実施例の加工制御
方法は、上記ドリル14による加工時、加工穴21の深
さに応じて第1回転数を上昇(回転数N11参照)させる
ものである。この構成によれば、ある程度の加工深さが
得られると第1回転数Nを上昇させて、ドリル14の
振れを抑制しつつ、加工効率および加工スピードの向上
を図ることができる。
【0051】この図9で示した実施例においても、その
他の構成、作用、効果については図7、図8で示した先
の実施例と略同様であるから、図9において前図と同一
の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略す
る。
【0052】図10は加工制御方法のさらに他の実施例
を示し、加工穴21を穴深さf,g,hの位置を経て穴
底iまで加工するものにおいて、加工穴21の中途位置
g,hおよび加工穴21の終端部iで、ドリル14の送
りを停止させ、かつドリル14の第2回転数N,N
22,N23(但しN<N22<N23)を加工穴21
の深さに応じて順次上昇させると共に、ドリル14によ
る穴加工時、加工穴21の深さに応じて第1回転数
,N11,N12(但し、N<N11<N12)を
順次上昇させるように構成したものである。
【0053】このように構成しても、切り粉の排出性向
上と加工効率の向上とを図ることができる。なお、この
図10で示した実施例においても、その他の構成、作
用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、
図10において前図と同一部分には同一符号を付して、
その詳しい説明を省略する。
【0054】図11、図12、図13は回転工具として
リーマを示す。リーマは穴をさらに加工して寸法精度の
高い仕上面を形成する穴ぐり工具である。上述のリーマ
30は図12に示すようにリーマ本体31とシャンク部
32とが一体形成されたもので、このリーマ30の軸芯
部には該リーマ30の長手方向に延びるオイルホール3
3が形成されている。
【0055】上述のリーマ30はそのシャンク部32を
図11に示すようにホルダ34を介して主軸35に交換
可能に取付けられている。上述の主軸35の後部には回
転継手36が設けられ、この回転継手36とオイルミス
ト発生装置37との間はオイルミスト供給パイプ38で
連通接続されると共に、前述の主軸35およびホルダ3
4の内部にはオイルミスト供給パイプ38とオイルホー
ル33とを連通する連通ライン39が形成されている。
【0056】ところで、上述のリーマ本体31には複数
の切刃40および溝部41が設けられている。しかも、
上述のリーマ本体31の先端側には円柱状の突起42を
一体形成し、この突起42の内部にはオイルホール33
の出口部と対向する液化室43を形成すると共に、この
液化室43の壁部43aをオイルホール33の出口部と
対向させて、オイルホール33から送給される潤滑油ミ
ストを上記壁部43aに衝突させて、ミストを液化すべ
く構成している。
【0057】また、上述の液化室43の外周部から斜め
後方に延びて突起42の外面に至る2つの潤滑油導出路
44,44を形成し、液化室43で液化された潤滑油を
これら複数の潤滑油導出路44,44を介してリーマ3
0のワーク加工部位としての刃先に供給すべく構成して
いる。
【0058】ここで、上述の液化室43の断面積と、2
つの潤滑油導出路44,44の断面積の総和がオイルホ
ール33の断面積よりも大となるように設定されてい
る。
【0059】このように構成すると、図14に示すよう
にリーマ30でワーク45の加工穴46を穴ぐりする
際、オイルミスト発生装置37で発生されるオイルミス
トはエアによりオイルミスト供給パイプ38、回転継手
36および連通ライン39を介してオイルホール33へ
導かれ、このオイルホール33を通ったオイルミストは
その出口部に対向する液化室43の壁部43aに衝突し
て液化し、潤滑油となり、この液化した潤滑油はエアに
より潤滑油導出路44,44からリーマ30の切刃40
に向けて放出され、切削点を潤滑する。この結果、刃先
の潤滑に必要な充分の潤滑油が供給され、良好な穴仕上
げ加工精度が得られると共に、ミストの供給量削減を図
ることも可能となる。
【0060】図15は回転工具としてのリーマの他の構
造を示し、リーマ本体31の軸内部において刃先後方部
位に液化室43を設け、この液化室43の外周部から斜
め前方に延び、溝部41に至る2つの潤滑油導出路4
4,44を形成したものである。
【0061】このように構成すると、仕上げ加工深さと
下穴深さの差が少ない場合に有効となる。なお、この図
15に示す構造においても、その他構成、作用、効果に
ついては図11〜図14の実施例とほぼ同様であるか
ら、図15において前図と同一の部分には同一符号を付
して、その詳しい説明を省略する。
【0062】図16は回転工具としてのリーマのさらに
他の構造を示し、液化室43、壁部43a、潤滑油導出
路44,44をリーマ本体31に対して別体のアダプタ
47に形成したものである。
【0063】上述のアダプタ47にはリーマ本体31側
のオイルホール33と一直線上に並ぶオイルホール48
が形成されると共に、その外周部にはネジ部49が形成
されていて、このネジ部49をリーマ本体31の刃先部
に形成されたネジ孔50に締付けて、アダプタ47をリ
ーマ本体31の先端部に取付けるように構成している。
【0064】このように構成すると既存のリーマに対し
てオイルミスト液化構造体としてのアダプタ47を容易
に組付けることができる。なお、図16に示す構造にお
いても、その他の構成、作用、効果については先の実施
例とほぼ同様であるから、図16において前図と同一の
部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略す
る。
【0065】図17は回転工具としてのリーマのさらに
他の構造を示し、図16の構成に加えて、アダプタ47
におけるオイルホール48の先端部に順次断面積が小さ
くなる絞り部48aを設けたものである。
【0066】このように構成すると、上述の絞り部48
aによりオイルミストが絞られて、より一層高圧力でオ
イルミストが壁部43aに衝突するので、より一層良好
な液化が促進され、リーマ30の刃先に対するさらに充
分な潤滑油の供給を達成することができる。
【0067】なお、この図17に示す構造においても、
その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ
同様であるから、図17において前図と同一の部分には
同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図1
6、図17に示したアダプタ47はネジによる着脱可能
な締付け構造に代えて、ろう付けその他による接合構造
であってもよい。
【0068】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の回転工具は、実施例のドリル14
に対応し、以下同様に、潤滑油ミスト供給手段は、オイ
ルミスト発生装置16に対応し、制御手段は、CPU1
0に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみ
に限定されるものではない。
【0069】
【発明の効果】この発明の加工制御方法およびその装置
によれば、潤滑油ミストを供給しつつ、所定の第1回転
数で回転工具を進行させ、回転工具によりワークに形成
された加工穴の中途位置または加工穴終端部で回転工具
の送りを停止させ、この停止させた状態で回転工具を第
1回転数以上の第2回転数で回転させて、切り粉を排出
し、その後、この第2回転数以下の回転数で回転工具を
戻すことで、高圧切削液の噴出による潤滑に代えて、ミ
スト潤滑を行なっても、切り粉を確実に排出することが
できて、連続穴加工を行なうことができると共に、ステ
ップ加工と比較して加工時間ロスがなくなる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加工制御装置を示すブロック図。
【図2】 ドリルの側面図。
【図3】 本発明の加工制御方法を示す工程図。
【図4】 加工制御方法を示すタイムチャート。
【図5】 加工制御方法を示す説明図。
【図6】 連続穴加工を示すタイムチャート。
【図7】 本発明の加工制御方法の他の実施例を示すタ
イムチャート。
【図8】 加工制御方法を示す説明図。
【図9】 本発明の加工制御方法のさらに他の実施例を
示すタイムチャート。
【図10】 本発明の加工制御方法のさらに他の実施例
を示すタイムチャート。
【図11】 リーマに対する潤滑油供給構造を示す説明
図。
【図12】 リーマの要部を断面して示す側面図。
【図13】 図12の左側面図。
【図14】 リーマによる穴ぐり加工時の説明図。
【図15】 リーマの他の実施例を示す側面図。
【図16】 リーマのさらに他の実施例を示す部分拡大
断面図。
【図17】 リーマのさらに他の実施例を示す部分拡大
断面図。
【符号の説明】
10…CPU(制御手段) 12…送り制御部 13…回転数制御部 14…ドリル(回転工具) 14a…ねじれ溝 16…オイルミスト発生装置(潤滑油ミスト供給手段) 20…ワーク 21…加工穴 S1…進行工程 S2…停止工程 S3…回転工程 S4…戻し工程

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ねじれ溝を備える回転工具の加工部位に潤
    滑油ミストを供給しつつ、上記回転工具でワークを加工
    する加工制御方法であって、潤滑油ミストを供給しつ
    つ、所定の第1回転数で回転工具を進行させる進行工程
    と、回転工具によりワークに形成された加工穴の中途位
    置または加工穴終端部で回転工具の送りを停止させる停
    止工程と、上記停止させた状態で回転工具を上記第1回
    転数以上の第2回転数で回転させる回転工程と、上記第
    2回転数以下の回転数で上記回転工具を戻す戻し工程と
    を備えた加工制御方法。
  2. 【請求項2】上記回転工程における切り粉の排出時、加
    工穴の深さに応じて第2回転数を上昇させる請求項1記
    載の加工制御方法。
  3. 【請求項3】上記回転工具による加工時、加工穴の深さ
    に応じて第1回転数を上昇させる請求項1記載の加工制
    御方法。
  4. 【請求項4】ねじれ溝を備える回転工具の加工部位に潤
    滑油ミストを供給しつつ、上記回転工具でワークを加工
    する加工制御装置であって、上記加工部位に潤滑油ミス
    トを供給する潤滑油ミスト供給手段と、上記回転工具を
    進行、停止、戻し制御する送り制御部と、上記回転工具
    の回転数を少なくとも第1回転数と、該第1回転数以上
    の第2回転数と、第2回転数以下の回転数とに制御する
    回転数制御部と、上記第1回転数で回転工具を進行さ
    せ、回転工具によりワークに形成された加工穴の中途位
    置または加工穴終端部で回転工具の送りを停止させ、こ
    の停止状態で回転工具を第2回転数で回転させ、該第2
    回転数以下の回転数で上記回転工具を戻すように上記送
    り制御部および回転数制御部を制御する制御手段とを備
    えた加工制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7073988B2 (en) * 2002-10-08 2006-07-11 Sandvik Intellectual Property Ab Threaded tool with coolant supply
US10315282B2 (en) 2017-04-25 2019-06-11 Fanuc Corporation Control device and control method
CN117444776A (zh) * 2023-12-12 2024-01-26 深圳市金洲精工科技股份有限公司 钻头加工控制方法和装置

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