JP2004160651A - ガンドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的脆性な鋳鉄から軟質延性なアルミニウムまで各種金属加工製品に穴を穿孔加工することが出来る、ガンドリル構造を改良する。
【解決手段】深穴を形成する方法及びそのためのガンドリルが開示される。ガンドリルは、管状軸部200と切削先端部とを持ち、それぞれに、加圧穿孔液を供給する管状中央領域210と、形成中の穴と共に穿孔液戻し通路を規定する非円形断面部232が設けられる。切削先端部縦溝206は、オフセット点で終端となる主すくい面202及び、穿孔加工中の穴と共に出口を形成し、底部終端空隙内の液圧を維持して切削面を冷却し形成される切りくずを有効に排出するような大きさとされた二次フランク面204を規定する。穿孔液のかなりの量がそこを通り流れるように出口通路206との相対的な大きさが設定された局部放出通路232が、穿孔液が終端空隙を出て先端部を冷却するために、主すくい面202の後方に形成される。
【選択図】図26

Description

本発明は、ガンドリル、つまり、直径に対して深さがかなり大きい穿孔液内部通路を備えた自己誘導ドリル、に関する。
ガンドリルは、金属部品に深穴(穴深さが穴径よりもかなり大きい)を穿孔するのに用いられるのが一般的である(例えば特許文献1参照)。ガンドリルは、エンジン製造、熱交換器、機械ツールなど種々の用途で広く用いられている。これらの用途は、金属加工製品に機械加工により形成された深い穴を必要とするのが一般的である。ガンドリルは、中心から外方に延びる二つ又はそれ以上の切刃を持つ通常のツイストドリルが有効に機能しないであろう程に深い穴により特徴付けられる用途において、用いられる。比較的深い穴を穿孔するとき、ツイストドリルは、中心軸から逸れる傾向があり、そしてドリル溝は金属切りくずで詰まる傾向がある。
比較すると、ガンドリルは、ドリルの中心線から離れる向きで偏心した単一の切刃を持つのが通常である。一般的に、穿孔開始時に、ドリルが中心から離れて周回するのを防止するために、開始用ブッシュやパイロット穴を用いる必要がある。一旦穴が形成されると、ドリル先端が軸方向にそれ自身を案内する。ガンドリルは、ドリル軸部及びドリル先端部を通り延びて軸方向に細長い穿孔液通路を備えるのが一般的である。穿孔液又は冷媒が穿孔液通路内を圧送されているとき、切りくずが形成されると、穴の内周とガンドリルに形成された細長い溝又は縦溝との間に形成された別の通路内の穿孔液に、穴から切りくずが排出させられる。
米国特許第2325535号明細書
長年のドリルの性能を最適化する取組みにおいて、多くの先端形状が用いられてきた。長年の開発にもかかわらず、比較的脆性な鋳鉄から軟質延性なアルミニウムまで各種金属加工製品に穴を穿孔加工することが出来る、ガンドリル構造の改良が必要とされる。ガンドリルは原則的に、切削液により穴から効率的に排出され得る小さな切りくずを切削先端部で効率的に形成することが可能であるべきである。単位時間に形成され得る穴の数を最大にするのが望ましく、そして、ドリル先端部を矯正する必要性が発生する前に形成され得る穴の数を最大にするのが、望ましい。更に、ガンドリルの研ぎ場の標準的な研磨輪により矯正され得る小平面の数が最小である単一先端部構造を持つことが、保守の観点から、望ましい。
本発明は、軸部と先端部とから形成される細長い管状部材として規定されるガンドリルを提供する。軸部と先端部のそれぞれは、縦溝断面と内部穿孔液通路を持つ。軸部は、固定端において駆動され、切削先端部が固着される終端部を持つ。液通路は、管状胴部と切削端部内を延び、先端部終端のオリフィスで終端となる。先端部縦溝が、先端部終端から軸方向に延び、管状軸部に形成された縦溝と直線的に配列される。縦溝は、穿孔液がそれから出て形成される切りくずを持ち去るための通路を形成する。
本発明の観点の一つによれば、切削先端部の縦溝が、二次フランク(flank)面及び概略径方向に延びる主すくい面を規定する。主すくい面は、ドリルの中心軸に略平行なすくい縁を持つ。主すくい面は、径方向にオフセットした点を形成する先端部終端において、略径方向に延びる刃先を規定する。好ましくは、切削先端部の、主すくい面と二次フランク面の後方の領域が、逃げ面若しくは排出面を設けることにより、取り除かれる。先端部終端は、好ましくは小平面である一連の隣接する排出面により形成される。図示される4枚の小平面を持つ構造は、外方排出部と内方排出部、二次排出部(内外方排出部の中間)及び、二次フランク面と先端部の外周とにより形成される角部後方の仕上(dub-off)排出部を持つ。これら排出部の表面は、集合的に、穿孔液のオリフィスがその中を通る先端部終端面を規定する。先端部終端は、加工中の穴底と協働して、それらの間に、オリフィスからの穿孔液が最初に流れ込む底部空隙を形成する。その後で、液体は、二次フランク面の最下縁と穴底部との間に規定された出口通路を通り、底部空隙から出る。
本発明は、切りくず除去そして切削面と磨耗経路の冷却及び潤滑目的での穿孔液の流れを最適化するために、出口部分の相対的な大きさを制御する。出口通路の断面積は、底部空隙の断面積に対する比率の形態で表すことが出来る。出口通路面積は、底部空隙断面積の100%未満とすべきであり、好ましくは60%未満、最も好ましくは25%未満である。
本発明の別の観点によれば、切削先端部の主すくい面が、中心軸に対して略平行なすくい縁を持つ。すくい縁の直後方の領域は、加工中の円筒状穴から内方に逸れ、切削先端部の外方周縁と加工中の円筒状穴との間に軸方向の流路を設ける周方向に延びる局部放出通路を設ける。放出通路は、底部空隙と連通して、加圧された切削液がこの放出通路を流れてすくい縁を冷却そして潤滑するようにする。放出通路は、すくい縁後方に、穿孔加工される穴に接し主すくい面に垂直な面から20〜30度傾けて、排出平面を機械加工することにより、形成される。穿孔液の10%以上が、側部放出通路を通り底部空隙から出るのが好ましい。
本発明と従来技術との間の、難解ではあるが劇的な違いを理解するためには、従来技術のガンドリルを理解すること、特に、従来のガンドリルが、加工中の穴及び切削先端部に供給される穿孔液と、どのように相互作用するか、を理解することが必要である。従来技術のガンドリルにおける切りくず形成と穿孔液の流れ挙動を詳細に解析すれば、本発明の効果及び利点が、完全に理解され得ると考えられる。
ガン穿孔加工は、内部穿孔液供給部と外部切りくず排出経路を持つ自己案内工具が用いられる、穴を穿孔加工する方法である。一般的に用いられる従来技術のガンドリルが、図1乃至6に示されている。ガンドリル100は、軸部101と先端部102を持つドリル本体からなる。先端部102は、軸部101の自由端に取り付けられ、硬質耐磨耗性材料で製作される。軸部101の他端には、各機械に特有の構成を持つ拡大ドライバー部103が設けられる。ドライバー部103は、ボール盤の回転スピンドル上のツール・ホルダーに取り付く。
軸部101は、管状であり、それの全長にわたり延びてツール・ホルダー内の穿孔液供給通路105に結合する細長い内部通路104(図2)を持つ。軸部101は、それの外面にV字状の縦溝を持つ。この縦溝106は、ドライバー103に隣接して形成された傾斜湾曲部又はしわ部107で終端となる。軸部の壁厚さは、管の製造業者により異なる。軸部の外径の10〜12パーセントの範囲にあるのが普通である。軸部のV溝形状の角度Ψsは、通常100〜130度である。軸部長さは、工具レイアウトにより決まる。しかし、それは主に、穿孔加工される穴の深さ、そして、もし用いられるならば、開始用ブッシュ、それのホルダーそしてチップ・ボックスの軸方向長さ、に応じて変わる。
軸部101は、穿孔加工中の穴壁に接触するのを避けるために、先端部102よりも直径が小さい。先端部102の縦溝108は、軸部101の縦溝106と同様の形状を持ち、先端部102の全長にわたり延びる。縦溝106及び108は、長手方向に整列している。上述の内容は、直線状縦溝構造として図1に示されており、それは、本発明を製造するのに容易であるので好ましいが、螺旋形のものなど他の縦溝構造も可能である。
先端部縦溝108は、側壁109及び110により境界付けられ、それらは以下にそれぞれ、二次フランク(flank)面及び主すくい面(図6)と呼ばれる。二次フランク面109が、すくい面ではなくフランク面と呼ばれるのは、加工製品に対する切削動作を行なわないからである。この縦溝108の深さは、主すくい面110が先端部分の軸111(ドリル本体の軸でもある)を(距離bだけ)越えて延びる程度である。二次フランク面と主すくい面との間の角度は、軸部のV字状縦溝の形状角度ψsに等しいか近いのが通常である先端部の側面角度ψvとして知られる。形状角度は、100度と130度との間にあるのが典型的である。
先端部分の終端部には、外方切刃112と内方切刃113が形成され、それぞれ、進入切刃角φ1及びφ2を持つ。これらの切刃は、ドリル点Pで出会う。Pの位置(図1において距離mdにより規定される)は、加工材料と加工後の穴仕様に応じて、理想的な性能を得る様に、変えることが出来る。従来の一般的な例の一つには、軸111に垂直で点Pに交差する平面から外方角φ1が30度であり、内方角φ2が20度であるように研削された点が、含まれる。終端部の形状は、切りくずの形状、穿孔液の有効性、工具の潤滑性そして切りくずの排出性を大きく左右する。切りくず形成の過程は、切削速度、送り速度、加工材料などの他の切削パラメーターにも支配される。
主排出部112aは、鋼及び合金加工材料が穿孔加工されるべきときに、外方切刃112のフランク部に設けられるのが一般的である。この排出部は、通常の隙又はフランク角度αn-1をもって、図3に示されている。この角度は、8〜12度の間にあるのが一般的である。容易に機械加工可能な材料の穿孔加工において、外方切刃112には、単一の排出部又はフランク面112aが設けられる。二次フランク又は外方フランク面114は、外方切刃112に設けられて、穿孔液が切刃112に到達するための空間を設ける(図3)。二次フランク部114は、約20度である、隙角度αn1-2として示されている。内方切刃113は、通常8〜12度である、隙又はフランク角度αn2を持つ、フランク面又は内方フランク面115を含む。
図4乃至6は、平面的なフランク面又は排出面を持つガンドリルを表している。外方フランク面114は、外方切刃112に隣接して位置する。内方フランク面115は、内方切刃113に隣接して位置し、外方平面114と点Pにおいて交差する。補助フランク面116が、外方フランク面114と点Pにおいて交差する。補助フランク面116は、外方フランク面114と内方フランク面115との間に設けられ、両者が研磨された後に交差線として生じる***(図6に想像線で示されている)の干渉可能性を排除する。補助フランク面116は、25〜35度の範囲のフランク角αn3で研磨加工されるのが通常である。肩仕上げ面117が、図1,4及び6に示されるように、配置される。通常、図1に示される肩仕上げ角は、穿孔加工中の点C(図4及び6)の自由な貫通を確実なものとするよう、30度に等しい。通常、液通路104は、内方フランク面115上に配置された先端オリフィス118で終端となる(図6)。ガンドリル製造者は、このオリフィスについて各種形状を適応させてきた。たとえば、一つ又は二つの円形穴、又は、単一の三日月状、カンマ(comma)風若しくは腎臓状穴である。
フランク面又は排出面の従来技術の一般的な形状には、平面の代わりとして螺旋面がある。螺旋状フランクは通常、外方切刃のフランクに設けられるのが通常である。螺旋表面のリードと生成直径については、ドリル直径に応じて、製造者ごとに異なる基準を持っている。最近の構造は、外方切刃のフランク面が内方切刃のフランク面や肩仕上げ部の形状に影響しないように、大きなリードと生成直径を用いる。
例えば、図7を参照すると、螺旋凸面119が、外方切刃120に設けられる。この面のリードと生成直径は、外方フランク面119と内方フランク面122の交差部121の線又は***が鉛直軸123から遠くに延びすぎることのないように、比較的大きい。それで、肩仕上げ部124は、二次フランク面125と肩仕上げ部124との交差部126の線が、図8に示されるように、肩仕上げ角φ4を持つ直線となるように、螺旋面119により、影響されない。
現在も使われている例えば米国特許第2325535号公報に示されるような古い構成においては、用いられる螺旋面のリード及び生成半径が比較的小さく、この螺旋面が、外方フランク部および肩仕上げ部を通過するようになっている。この図において、螺旋状凸面127が、外方切刃128に設けられる。この螺旋状凸面127は、内方切刃130の側面129を通過するように、リードと生成直径が小さい。そのようであるので、二次フランク面131と側面129及び127の交差線は、2本の線132及び133からなる屈曲線である(図10)。図示の従来技術における肩仕上げ角が、図10に示されている。
図11乃至14は、穿孔加工中のガンドリルを示している。中心軸136回りの外方切刃134及び内方切刃135の回転の結果、穿孔加工中の穴の底領域に、彫刻面137が形成される。この表面の形状は、切刃の形状と位置そしてドリル点Pの位置(図1におけるパラメーターmd)により、決まる。それで、この面により占められる空間(底空間と呼ぶ)は、これらの設計パラメーターにより決まる。図11に示される多角形ABCDEにより制限される底部空間の軸方向の断面積を、考慮することが重要となる。例えば、内方切刃と外方切刃が直線状である図1に示されるガンドリルの一般的な構成において、底面の軸方向断面積は、数1のように計算される。
Figure 2004160651
ここで、Rdはドリル半径(図6)、mdはドリル点Pの配置距離(図1)、φ1は外方切刃の進入切刃角、φ2は内方切刃の進入切刃角(図1)、である。
穿孔加工中の彫刻面137と対向するドリルの外方フランク138、補助フランク139及び内方フランク140との間には、限られた隙空間141が設けられる。底部空隙141の複雑な幾何学は、様々な断面から見ると、理解することが出来る。そのような断面の一つが図14に示されており、そこでは、狭い空隙が、外方フランク138と彫刻面137との間に設けられる。
穿孔液が、穿孔液通路の先端オリフィス144を通して加圧状態で底部空隙141に供給される。底部空隙141内の穿孔液圧力は、内方フランク140、外方フランク138及び各切刃そして一対の支持パッド145, 146の冷却及び潤滑状態に大きな影響を与える。支持パッド145及び146は、穴の内周と接触し、その中にドリルを案内するために、ガンドリルに沿って、長手方向に延びる。
穿孔液の圧力が増大すると、ドリルの寿命が延びる。底部の隙空間141に供給される高い穿孔液圧は、穿孔液の非常に狭い通路(図14における断面Q1-Q1参照)への貫通を良好なものとし、それで、フランク接触領域の潤滑と冷却を促進する。これは、ドリル周縁点B(図11)に隣接する領域において、径方向速度が最速であり、加工製品の排出される材料容積が最大であるので、そこでの穿孔液の貫通にとり、特に重要である。望ましくないことに、従来技術は、この領域に穿孔液を適切に供給するものではなく、それで、この領域での工具磨耗は、他の領域でのそれよりもはるかに大きい。
穿孔液注入圧Pmを高めることにより、底部空隙141内の穿孔液の圧力を高めることが出来る、と考えるのが一般的である。しかし、この考え方には誤りがある。従来のガンドリル構造において、注入圧の増大は、穿孔液流速の増大につながっている。流速増大は、穿孔液供給チャネル内の油圧の増大につながり、それで、底部空隙141内の穿孔液圧は、液流速の増大と比較して比例的に増大はしない。
底部空隙141内の流体抵抗は、従来技術のガンドリル構造において、液の流速が増大するにつれて、大きく増大する。穿孔液の噴流が先端オリフィス144を出るときの速度は、流速と共に増大する。この噴流が彫刻面137に接触するとき、圧力損失が起こる。このような圧力損失は、実際にはエネルギー損失であり、更なる熱の放出を起こす。結論的には、穿孔液圧の増大が、温度の低下の代わりに、温度の上昇を招く。
底部空隙141での高い穿孔液速度は、穿孔液の低い定常圧と組み合わさり、穿孔液のキャビテーションにつながることがある。液体は、周囲圧力が蒸気圧に等しくなる温度で、沸騰する。それで、液体が、圧力がそのときの温度における液体の蒸気圧に等しい領域に流れ込むならば、液体は蒸発して、多くのベーパー・ポケット(集合的にフルード・キャビテーションと呼ばれる)を形成する。キャビテーションの影響は、局所速度が高い領域で最も顕著である。それが小規模であってもキャビテーションが生じるときには、穿孔液の冷却能力が劇的に低下し、ガンドリルの工具寿命が更に落ちる。
底部空隙141内の穿孔液圧pBCを計算する適切な方法は、数2のとおりである。
Figure 2004160651
ここで、γcは穿孔液の比重(N/m3)であり、hDOは肩仕上面147と彫刻面137により形成される側部穿孔液通路の流体抵抗(m)であり、hvはV字状縦溝の流体抵抗(m)である。
V字状縦溝の流体抵抗hvは、流体抵抗hDOと比較して非常に小さい。それで、数2は、数3のように書き直すことが出来る。
Figure 2004160651
数3から判るように、流速が与えられると、底部空隙141内の穿孔液圧が、側部穿孔液通路の流体抵抗から完全に求められる。上記側部穿孔液通路は、肩仕上側面147と穿孔加工中の彫刻面137との間に形成される側部通路148のことを指している。側部通路148の長手方向の断面積は、流体抵抗に直接の影響を及ぼす。この断面積は、断面Q2-Q2における多角形C1C2C3C4C5に囲まれるものとして、最も良く表される。
肩仕上面の様々な構成を持つ複数のドリル・ビット(drill bit)構造が広く知られており、それらは、スラッシュ(slash)ガンドリル(図15)、ノッチ(notch)付スラッシュ・ガンドリル(図16)、ステップ付スクエア・ガンドリル(図17)及びステップ付スラッシュ(slash)・ガンドリル(図18)と呼ばれる。これらの構造は、側部通路148の出口断面積が大幅に異なる。
スラッシュ若しくは汎用ガンドリル(図15)は、ヨーロッパ製ドリルの最も一般的なデザインであり、日本及び北米製の中にも同様のデザインを用いるものがある。スラッシュ・ガンドリルは、他の既存の構造と比較して、側部通路148の抵抗を最大とし、結果として、底部空隙141内の穿孔液圧を最大にするので、今日用いられている最も好ましいデザインである。この穿孔液圧は、穿孔加工中の穴の彫刻面150に充分近接して位置する肩仕上面149により作り出された側部通路148の比較的小さな断面積により、最大化される。
一般的な単純なスラッシュ・ガンドリル(図15)において、外方及び内方切刃134及び135は、直線状である。
そのようであるので、この側部通路面積は数4のように計算される。
Figure 2004160651
ここで、φ4は肩仕上角であり、距離bは図6に示されているものであり、そしてζLは数5のように表される。
Figure 2004160651
与えられた圧力の下で穿孔液流速を増加させ、そして切りくず排出を確実にするために、図16に示されるように、ノッチ151が肩仕上面149に加えられた。しかしながら、側部通路148の断面積が増大するので、底部空隙141内の穿孔液圧は小さくなる。
図16に示されるノッチ付ガンドリルにおいては、外方及び内方切刃134及び135が直線状であり、それで、側部通路148の面積は、数6のように計算される。
Figure 2004160651
ここで、Aot-slは数4により求められ、Anはノッチの断面積である。
ガンドリルが、穿孔液の供給圧力を高くすることの出来ない古いつまり改造された機械に用いられるときに、従来技術のノッチ付ドリルが最初に導入された。
ステップ付スクエア・ガンドリル(図17)及びステップ付スプラッシュ・ガンドリル(図18)のデザインは、側部通路の出口領域の断面積を比較的大きくする。ステップ付スクエア構造において、側部通路152が肩仕上面無しに形成される。代わりに、ドリルの平坦側面153が、軸方向の終端から離れている。直面154と平坦側面153とで、図17に示されるステップ部を形成する。単純なステップ付スクエア・ガンドリルにおいて、外方及び内方切刃134及び135は直線状であり、結果として側部通路152の断面積は、数7のように計算される。
Figure 2004160651
ここで、Stはステップの長さであり(図17)、ABSは数1を用いて計算された底部空隙の軸方向断面積である。
図18のステップ付スラッシュ・ガンドリル構造は、ステップ付スクエア構造の平坦な側面153に代えて、肩仕上部155が設けられる。単純な例において、外方及び内方切刃134及び135は直線状であり、それで、側部通路152の断面積が数8のように計算される。
Figure 2004160651
ここで、φ4は肩仕上角である。
現代のボール盤は穿孔液の供給圧を高くすることが出来るものの、ステップ付スラッシュ構造は現在もまだ、広く使われており、特に自動車産業においてそうである。
ステップ付スクエア及びステップ付スラッシュ構造は、ガン穿孔加工の知識が限られた製造業者により導入された。これら構造の背後にある意図は、ガンドリルを通過する流速を増大させ、そして切りくず排出性を高めるということであったが、これら構造の適用は、見かけの流速(機械に組み込まれた流量計により決まる)を向上させただけであった。これらの構造において、底部空隙での穿孔液の静態圧は非常に低い。結果として、穿孔液は、外方切刃134の側面に隣接する狭い通路(図14参照)の中を流れるのに充分な静態圧を持っていない。不充分な静態圧の結果として、工具寿命が短くなる。
ガンドリルの製造者及びユーザーに対して容易に明らかにはならない別の欠点が、従来技術のガンドリルにはある。切りくず排出過程は、二つの段階からなるものとして、特徴付けることが出来る。つまり、切りくず収集と、V字状縦溝に沿っての切りくずの移送である。後者は、充分な穿孔液流速を必要とし、それの信頼性は、この流速と共に高まる。前者は、認識と解析が困難であり、それで、ガンドリルの設計中に誤解されることが多い。
切りくず回収は、穿孔液と切りくずとの初期相互作用として規定され、結果として、切りくずが、切刃において形成され、そして、側部切刃の出口断面から流れ出る穿孔液により回収される。従って、穿孔液が、側部切刃の出口断面を出るとき、液は、外方及び内方切刃134及び135に隣接するすくい面に形成された切りくずと相互作用する。切りくずは、穿孔液の流れに乗せられて、それで、通常の移送が可能となる。
ステップ付スラッシュ構造を持つガンドリルが用いられるときの、液の流れが図19に概略的に示されている。矢印及び符号156により示されるように、穿孔液が、底部空隙141に供給され、そして穿孔加工中の穴の彫刻面157に影響し、続いて、彫刻面157によりV字状縦溝の中へ反射される。偏向させられた穿孔液158の大部分は単に反射して出るだけなので、切刃には流れ込まない。図19に示されるように、液156は、加工領域を持たない。外方切刃159及び内方切刃160により形成された切りくずは、液の流れの中に容易には取り込まれず、そして、淀み領域161が形成される。
多くの研究が、切りくず収集は、穿孔液が側部通路162からV字状縦溝に入るときの穿孔液の流れ方向を表すドリルの長手方向軸163に対する角度β(図20)により、制限され得ることを示している。切りくず収集の有効性は、βが増大するにつれて、改善する。角度βが60度未満であるとき、淀み領域が工具すくい面に形成され、切りくずが、穿孔液の流れに合流するのが困難になり得る。淀み領域が生成されるのは、ステップ付スクエア構造の場合には、角度βが約65度のときで、ステップ付スラッシュ構造のときには、角度βが45度未満のときである。この関係は、流速が非常に高いにもかかわらず、切りくずの詰りが、切刃近傍のV字状縦溝で形成され得る理由を、説明する。
各種先端形状について行なわれた研究結果を慎重に検討することにより、出口断面積の効果と重要性がより良く理解される。8 mm径のガンドリルの様々な従来技術の先端形状の比較を表1に求めている。ここで、唯一のパラメーター変動は、出口通路の形状を規定する先端部の排出領域の加工である。様々なデザインが、有用なデザイン・パラメーターを作り出すための取組みとして、出口領域の断面積により分類される。様々な直径のドリルとビット角についてのデザイン・パラメーターが、ドリル加工されるべき各種材料により、表される。
Figure 2004160651
もう一つの重要なパラメーターは、出口の断面積であり、それは、この面積の底部空隙面積に対する比率として評価される。このパラメーターは、底部空間比として呼ばれる。底部空間内の静態穿孔液圧が、各種構造について比較される。慎重な先端部設計と逃げ角の変更により出口通路の面積を制御することは、当業者が切りくず排出性と先端部の冷却性を大きく向上させるのを可能とする。従来、大きな出口通路面積は、穿孔液流量を高めることが出来るという点で、変更可能と考えられていた。しかし、穿孔液が先端部の使用中の切削面を適切に冷却していない、又は淀みポケットが穿孔加工点の領域に生成するならば、穿孔液の絶対的な流量は、重要ではないことが判明した。
本発明のガンドリルは、先端部の逃げ部分の機械加工を慎重に制御して、出口通路領域を比較的小さく維持する。この結果、底部空隙内に比較的高い静態穿孔液圧が生じる。底部空隙内の液の圧力の増大は、先端部の慎重な設計により、液が切刃を冷却するのに最も必要とされる場所に向けられるのを可能として、淀みポケットを無くす。穿孔加工中の穴から、先端部と軸部の縦溝により形成された細長い液戻し通路を通して切りくずを有効に排出するために、充分な流れが維持される。
図21乃至28は、本発明の好ましい実施形態の切刃の先端形状を表している。本発明を実施する切削先端部の特定の形状は、ドリル直径及び穿孔加工される材料の硬さとそれの切りくず形成特性の関数として、劇的に変化し得る。ガンドリルの切削先端部200は、カーバイドから作られて、ドリル軸部にロウ付け又は溶接されるのが好ましい。切削先端部200は、主すくい面202に略垂直な方向から切削先端部を見た図21に示されている。主すくい面202は、二次フランク面204と共に、略V字上の先端部縦溝206を形成する。この縦溝206のV字角は約100度から130度の範囲であり、好ましくは120度である。先端部縦溝206は、対応する細長い管状軸部内の軸部縦溝と一列に並べられ、排出されるべき切りくずと切削液のために穿孔加工中の穴内に通路を設ける。
切削先端部200には、オリフィス210で終端となる内部液通路208が設けられる。主すくい面202の平面は、図21及び25に示されるように、ドリル中心線212に対して僅かに後退している。二次フランク面204も同様に、ドリル中心線を通り延びる径方向の面に対して僅かに後退している。
主すくい面202には、中心軸212と同軸の円筒面に位置し径方向外方周縁のすくい縁214が設けられる。図示の好ましい実施形態において、すくい縁214は、主すくい面202の平面上に位置する線を形成し、中心線212と平行である。主すくい面202の先端は、中心線212から距離mdだけオフセットした径方向オフセット点216で終端となる。点216は、外方切刃218と内方切刃220により規定される。外方切刃218は、角度φ1を形成し、この角度は図示の実施形態では約25度である。内方切刃220は、角度φ2を形成し、この角度は約17度である。切削先端部が回転させられそして加工品内を軸方向に進められると、外方切刃218と内方切刃220が、外方切刃218に隣接するすくい縁214の一部と共に、軸方向に加工品を切削して切りくずを生成する。
切刃218及び220の角度φ1及びφ2は、先に示されたように、穿孔加工中の材料の硬度と切りくず形成特性に大きく依存する。図11bに示されたように、材料が柔らかいとき、外方と内方の切刃角は増大することになる。図11cに示されたように、材料が脆いとき、図11aにしめされた一般的な材料用の切削先端部構造に対して、外方と内方の切刃角度は、大幅に小さくなる。先端部の形状と切刃が規定されると、切刃端部に形成された面の残りの部分は、ガンドリルが回転そして軸方向に送られるときに、空隙を設け、そして穿孔液の流れを導くのに充分なだけ、後退させられる。
図示の実施形態において、切刃200は、4枚の略平坦な機械加工された面又は小面により規定された端部を持つ。使用中、ガンドリルは、先端部を形成する小面が周期的に再研削されるのを必要とし、頻繁に研磨される。図示の好ましい実施形態は、4枚の小面を用いるが、5枚または6枚の小面構造を用いることも出来る。同様に、この構造は4枚の平坦な小面を用いているが、図17及び19の従来技術のガンドリルに示された円錐状または螺旋状小面で代用することも可能である。切刃の先端に機械加工された小面の目的は、点216、外方切刃218及び内方切刃220を適切に規定し、一方で、適切な空隙、切刃の支持構造を維持し、そして出口通路222の面積を制御することである。出口通路222は図28に示されており、それは、底部空隙を、先端部縦溝206と周辺がえぐられた穴との間に形成された内部液通路に結合する。そしてそこを通り、切削液と、形成された切りくずが、排出される。
図示の実施形態において、切刃の端部に機械加工された4つの小面は、外方排出面224、内方排出面226、補助排出面228及び仕上排出面230である。図示実施形態の主排出角αn3は、図21の線S-S矢視断面である図22に示されるように、約20度である。図示の実施形態において、内方排出面226は、図21の矢印Tの方向から見た図24に示されるように、12度の排出角αn2を形成する。補助排出面228は、図21の線R-R矢視断面図である図23に示されるように、約25度の角度αn1-2を形成する。仕上排出面230は、図21の矢印Tの方向から見た図24に示されるように、外方切刃のアプローチ角φ1に略等しい角度φ4を形成する。仕上排出面230は特に重要である。この機械加工面は、切削先端部200と穿孔加工中の穴との間に形成される放出通路222の物理的大きさを左右する、主要な要素である。出口通路領域は、先端部の形状のみならず、ガンドリルの軸方向の送り速度を考慮する、ソリッド・モデリング・コンピューター・デザイン・プログラムを用いて計算される。軟質材料が切削されており、軸方向送り速度が非常に高いとき、送り速度を考慮することが特に重要である。
内方排出面226と補助排出面228により設定される排出量は、切削先端部200の端部と穴底の彫刻面との間の底部空隙の容積を表す。底部空隙は、オリフィス210を通過する穿孔液の流れの障害とならないように、充分に大きくなければならない。オリフィス21を通過する穿孔液流量を更に高めるために、内部液通路208と内方排出面226との交差部に形成されたオリフィスの鋭角隅部が、最初に僅かに放射状とされ、先端部の研磨作業後にもそうされる。出口通路222の面積を制御することにより、底部空隙の圧力が、底を出る穿孔液が先端部形状により制御されるのを可能とする圧力に維持される。底部空隙を出る液体の流量が最も大きい通路は、出口通路222である。出口通路222の大きさを制御することにより、出口通路222を出る液噴流の角度βを最大とすることが出来る。角度βは、切削液が出口通路222を出るときであって、穴から出るために上方に進み始まる前に、最大となる。角度βは図27に示されている。角度βは、透明樹脂製ブロックを機械加工し、オリフィス222から液体が出るときの底からの角度を視覚的に観察することにより、最も良く実験的に観察される。理想的には、βは、加工中の穴から切りくずを排出するのに十分な穿孔液流量を維持しながら、出来るだけ大きくされることになる。淀みを防止するためには、角度βを66度よりも大きくするべきである。穿孔液を切削領域に導き、そして淀みを防止するために、角度βは理想的には75度より大きくなり、最も好ましくは角度βは80度よりも大きくなる。
本発明の切削先端部200の形状は、穴径及び材料の関数として大幅に変わるので、出口通路222の面積は、中心軸212に沿った底領域の長手方向断面積の関数として、最も良く表すことが出来る。様々な材料硬度についての底部空間の断面が、図11a,11b及び11cに示されている。穴径と底部空間の長手方向断面積は、大幅に変わる場合が多いことが、理解されるはずである。脆性材料は、比較的平坦なドリル先端部を要し、結果として底部空間の長手方向断面積が小さく、一方で、図11bに示された軟質材料は、底部空間断面積がかなり大きい。従って、出口通路222の面積は、底部空間の長手方向断面積の関数として、増加または減少する。出口通路222の面積は、底部空間の長手方向断面積よりも常に小さいはずである。好ましくは、出口通路面積が、底部空間断面積の75%未満であり、最も好ましくは、底部空間断面積の半分未満である。先端部形状及び軸方向送り範囲を慎重に制御することにより、先端部冷却が問題となる用途で本発明を用いるときの出口通路222の面積が、底部空間の長手方向断面積の25%未満となる。
出口通路222の面積を制御することにより、出口通路222を出る液流の方向が、角度βを最大にするように制御され得るだけでなく、底部空隙内の穿孔液静態圧の増加が、穴が形成されるときに切削先端部200の周縁部回りに液体を導くことを可能とすることが出来る。底部空隙内の液体圧力を比較的高く維持する結果として、底部空隙から切削先端部200の磨耗または冷却の問題に遭遇する領域へ穿孔液を導くことが可能となる。そのような領域は、すくい縁214における、外方切刃218とすくい縁214により形成される隅部近傍で、磨耗を経験することの多い領域である。この領域を冷却するために、本発明のガンドリルの切削先端部200には、切削先端部と形成中の穴との間において、進行中のすくい縁214の周方向直後方の領域を延びる、局部放出通路232が設けられる。放出通路232は、周辺すくい縁214の直後方に切刃に沿って軸方向に延びる、平坦な又は凹状の窪みを局部的に形成しながら、切刃200から材料を取り除くことにより、形成される。機械加工された放出通路232は、切削先端部の全長にわたり延びて、底部空隙内の冷却用補助出口経路を設けるのが好ましい。
局部放出通路232は、切削先端部200の全長に延びた後、図29、32、34及び36に示されるように、横断ポート236により軸部に形成された内部液通路に接続される。横断ポート236は、軸部の終端に機械加工することも、又は切刃200と軸部の両方に機械加工することも出来る。横断ポート236は、穿孔液の噴流を穿孔液とそれに乗った切りくずが穿孔加工中の穴から出るのを補佐する角度で導くように、細長い液戻し通路に対して方向付けられる。
原則的には、出口通路222は、オリフィス210に供給される穿孔液の10%以上が放出通路232を通り端部空隙から出るように、放出通路232との関係で充分小さくなるような大きさとされる。穿孔液の15%以上が、放出通路232を通り端部空隙から出るのが好ましい。すくい縁214の領域で冷却及び磨耗の問題を経験してきたガンドリルにおいては、出口通路222は、穿孔液の20%以上が放出通路232を通過して端部空隙から出るように十分小さい。
図29は、本発明に従い製作されたガンドリル240を示す。ガンドリル240は、軸部分242と先端部分244とからなる。軸部分242は、硬化鋼のような硬質材料から形成されるのが好ましい。軸部分242は、深穴の穿孔加工で特に重要となるねじれと曲げ強度を最大にするために切削先端部244の直径よりも僅かに小さな直径を持つ厚肉管状部材から、形成することが出来る。軸部分242は、管材から、長手方向に延びるV字状縦溝246を形成するように、管をスウェージング加工又は変形させることにより、形成される。縦溝246は、穿孔加工中の穴の内面と協働して、切りくず排出通路を形成する働きをする。通常、縦溝246は、軸部全長のうちかなりの割合延びて、軸部242の固定端が取付られるドライバー250に隣接した傾斜部248において終端となる。
ドライバー250は、ボール盤のスピンドル・チャックに結合するようにされて、使用されるチャックに取り付けられるのに適した相補的な形状を持つことになる。ドライバー250は更に、ドリリング・ステーションの高圧穿孔液供給源に接続され得る穿孔液吸入ポートが設けられる。穿孔液は、ドライバー250内の内部通路を通り、軸部242を通り延びる内部液通路252を通り、そして先端部244を通り延びてオリフィス256において終端となる内部液通路を通り、流れる。
切刃244は、軸部242の最大直径よりも僅かに大きい穿孔加工中の穴の大きさに対応する仮想の円筒により、境界付けられる。軸部縦溝246は略V字状であり、切刃244の全長にわたり延びる。切刃244は、先端部縦溝258が軸部縦溝246と略一直線状となるように、通常の態様でロウ付け又は溶接により、軸部242の端部に固定される。図示の実施形態において、先端部縦溝258及び軸部縦溝246は、直線状に示されている。この構造が好ましいが、細長い液戻し通路を形成する縦溝を望ましい場合には、切刃244及び軸部242の回りに延びるようにすることが出来る、ということが理解されるはずである。先端部縦溝258は全体としては、主すくい面260と二次フランク面262により境界付けられる。好ましい実施形態において先に述べたように、切削先端部の自由端が、外方切刃266と内方切刃268により形成された切削点264を形成する。この単純な構造が、切削先端部に切削面を形成する機械加工小面が磨耗及び消耗したときの、再研磨を容易にする。勿論、望ましい場合には、主すくい面260を、一連の軸方向に延びる平面又は軸方向に延びる凹状曲線で形成しても、本発明を実施することになる、ということが理解されるはずである。しかしながら、平坦な主すくい面と二次フランク面が、単純であり、製造の容易性及び再研磨の容易性から、好ましい。
ガンドリル240は、切削先端部244の周囲で互いに離間して配置され、長手方向に延びる***して狭く軸方向に細長い一対の消耗パッド270及び272を設けるような形状の、外面円筒状の壁部分を持つ。穿孔加工中の穴の切削先端部244の円筒状部分への接触を、円筒面上に位置する2つの消耗パッド270及び272と周辺すくい縁274に制限するために、消耗パッド270及び272は、隣接する切削先端部244の円筒面に対して、僅かに***させられている。切削点264がドリル中心線からオフセットしているので、排出されるべき材料の切削により生じる反力が、切削先端部244を径方向に付勢し、穿孔加工中の穴を形成することにより生じる反力が、消耗パッド270及び272により伝達される。勿論、消耗パッドの数は2つより少なくすることも多くすることも可能であるが、消耗パッドを2つとする構造が単純であり、一般的に用いられ好まれる。
切削先端部244の円筒部分の残りの部分は、穴が形成されるときに先端部244を冷却そして潤滑するための穿孔液用軸方向流路を設けるために、2つの消耗パッドとすくい縁274に対して、僅かに後退させられている。図示の切削先端部244の好ましい実施形態において、穿孔液用の大きな局部放出通路が、ドリルが切削方向に回転しているときのすくい縁の直後方の領域に、生成されている。この局部放出通路は、すくい縁274と第1消耗パッド270の中間の領域に形成されている円筒状穴から始まるように、切削先端部244から材料を機械加工で除去することにより、形成される。図30は、すくい縁274後方の切削先端部の外方円筒面に機械加工される平面状排出面276を示している。平面状排出面276は、穿孔加工中の円筒状穴と共に、図35に示されるような略三日月状の局部放出通路278を規定する。
別の放出通路構成が図31に示されている。図30に示される平坦な放出通路276に代えて、別の実施形態には、切削先端部244の周辺面積が一定のときに僅かに大きな断面積の放出通路が形成されるのを可能とする凹状排出面280が設けられる。平面状又は凹状の放出通路278の大きさは、適切な穿孔液がその中を流れて周辺すくい縁274そして外方切刃266を冷却するのを可能とするのに充分大きなものとなるべきである。放出通路278の大きさは、部分的には、出口通路222の大きさに依存する。出口通路222は、二次フランク面228の終端と穿孔加工中の穴の彫刻面により境界付けられる領域である(図28)。底部空隙を出る液の流れが慎重に制御されるように、放出通路278と出口通路222との間に流れ平衡が存在するのが望ましい。
底部空隙に導入される穿孔液の少なくとも10%が放出通路278を通って放出されるのが好ましく、より好ましくは、底部空隙に入る穿孔液の少なくとも15%が放出通路278を通り出るのが、望まれる。磨耗が周辺すくい縁274又は周辺すくい縁274と主すくい面260との交差部において経験された用途においては、底部空隙に入る穿孔液の20%以上が放出通路278を通過して出るように、放出通路278の相対面積を増大させることが出来る。
上記のように、切削先端部244の残りの円筒状部分は、穿孔加工中の穴に向けて突き出す消耗パッド270又は272、又は僅かな隙を設けるために穿孔加工中の穴から僅かに後退した領域のいずれかである。穿孔液の流れは主に、出口通路222及び放出通路276を通り、非常に少量の流れが、この後退した領域を通過して端部空隙を出ることになる。
放出通路278を通過する穿孔液の流れは最終的に、軸部縦溝246と穿孔加工中の穴の壁との間に規定される内部液体通路を通って流れる穿孔液に再合流することになる。放出通路278は、図32,34及び36に示された横断ポート236により、軸部縦溝246へ接続されるのが好ましい。横断ポート236は、穿孔液とそれが運ぶ切りくずが穿孔加工中の穴を出るのを補助する角度で、管状軸部通路に穿孔液の噴流を導くように構成される。横断ポート236を通る穿孔液の流れは、図34乃至36において、流れの方向を示す矢印により、表されている。図35は、先に示した腎臓状のものと対照的な円形断面を持つ別のオリフィス284を示している。図示の内方排出面226の中央部に位置する円形断面オリフィスの場合、局部放出通路278の追加により、穿孔加工点264を形成する一次切刃266及び二次切刃268の直後方に穿孔液が流れるようになる。局部放出通路278の追加は、これら切削面の温度を大幅に低減し、工具寿命を劇的に増大する。局部放出通路278を通る穿孔液の流れはまた、すくい縁274における材料の滞留を最小にする働きをし、穿孔加工中の穴の表面品質を向上させ、内部液通路252内での切りくず蓄積傾向を最小にする。
透明樹脂ブロックを穿孔加工することにより、出口通路222を通る流速が観察されて実験的に角度βを計測する態様で、局部放出通路278を通る穿孔液の流れを実験的に観察することが出来る。穿孔液の流れを観察するために、ストロボ光が利用され、フラッシュ周波数が、ドリルが回転方向には静止して見えるように、調整された。出口通路222を通過し、局部放出通路278を通過し、そして横断ポート236を通過する、穿孔液の流れを視覚的に観察することが出来た。放出通路278を通過する穿孔液の流れを液の中に角度を持って導くように横断ポート236を方向付けながら、放出通路278の流れは、切削先端部244から切りくずを排出するのを促進し、軸部縦溝246内の切りくずの詰りを防止した。
前述の記載は、主にガンドリルの切削先端部の構造に焦点が当たったが、本発明は更に、加工中の製品に対して回転及び軸方向に送られるときに、二次フランク面と穿孔加工中の穴との間に見られ底部空隙の断面積に対して制御された大きさを持つ出口オリフィス領域を形成する、先端部形状を持つガンドリルの使用方法を提供する。この方法は更に、穿孔液がオリフィスを出て、穿孔液の滞留を防止するのに充分大きい角度βを形成するように、底部空隙内の穿孔液圧を制御する。ガンドリル先端部は更に、空隙に入る穿孔液のかなりの量が放出通路を通り出るのを可能とするように、オリフィスに対する相対的な大きさとされた放出通路をすくい縁の後方に形成することにより、更に冷却され得る。本発明で用いられる切削先端部の形状は、穴径、材料硬度及び材料の切りくず形成特性に基づき、大幅に変化し得る。同様に、本発明を実施するのに、各種小面構造を用いることが出来る。添付の請求項に規定の発明を実施しながら、多くの変更を先端部形状になすことが出来るということから判るように、本発明は、図示の好ましい実施形態に限定されるものとは意図されてはいない。
ソリッド・カーバイド先端部を持つ従来技術のガンドリルの側面図である。 図1のガンドリルのA-A線矢視断面図である。 図1のガンドリルのB-B線矢視一部断面図である。 図1のガンドリルのE-E線矢視一部断面図である。 図1のガンドリルのD-D線矢視一部断面図である。 図1のガンドリルの軸方向端面図である。 比較的大きな生成直径の螺旋状凹側面若しくは排出面を持つ、別の従来技術のドリル先端部の軸方向端面図である。 図7の矢印H1の方向で見た一部側面図である。 比較的小さな生成直径の螺旋状凹側面若しくは排出面を持つ、従来技術のドリル先端部の軸方向端面図である。 図9の矢印H2の方向で見た一部側面図である。 図1に示されるドリル先端部により穿孔加工されている穴の断面図である。 通常材料を切削するように構成されたガンドリルによる底部空隙の断面図である。 軟質材料を切削するように構成されたガンドリルによる底部空隙の断面図である。 脆性材料を切削するように構成されたガンドリルによる底部空隙の断面図である。 図11のドリル先端部の軸方向端面図である。 図12のドリル先端部のQ2-Q2線矢視断面図である。 図12のドリル先端部のQ1-Q1線矢視断面図である。 スラッシュ先端部を持つ従来技術のガンドリルの一部側面図である。 ノッチ付先端部を持つ従来技術のガンドリルの一部側面図である。 ステップ付スクエア先端部を持つ従来技術のガンドリルの一部側面図である。 ステップ付スラッシュ先端部を持つ従来技術のガンドリルの一部側面図である。 典型的なステップ付スラッシュ・ガンドリル先端部デザインにおいて生じる穿孔液流と滞留ゾーンを示す図である。 典型的なスラッシュ・ガンドリル先端部構造における、穿孔液流の角度を示す図である。 本発明のガンドリル先端部の拡大側面図である。 図21のS-S線矢視断面図である。 図21のR-R線矢視断面図である。 図21の矢印Tの方向から見た斜視側面図である。 図21のガンドリルの実施形態の軸方向端面図である。 穿孔下降中の穴内の図21のガンドリルの軸方向端面図である。 図26のガンドリルとそれにより穿孔加工中の穴を示すガンドリルの軸方向端面図である。 図26のガンドリルと加工中の穴のU-U線矢視断面図である。 本発明のガンドリルの側面図である。 矢印Vの方向から見た図29のガンドリル先端部の拡大軸方向端面図である。 図30に示されるガンドリル先端部の別の実施形態である。 図29の矢印Wの方向から見た横断ポートの拡大図である。 図29のX-X線矢視断面図である。 穿孔液の流れを示した、製品穿孔下降中の本発明のガンドリルの側面図である。 図34の矢印Yの方向から見た軸方向端面図である。 図34の矢印の方向で見た上面図である。
符号の説明
200, 244 切削先端部
202, 260 主すくい面
204, 262 二次フランク面
206, 258 先端部縦溝
208 内部液通路
214 すくい縁
216 先端部終端
218, 220 切刃
222 出口通路
232, 278 放出通路
242 軸部分
240 ガンドリル
246 軸部縦溝

Claims (24)

  1. 相対的に回転させられ、軸方向に進められ、そして穿孔液が供給されるときに、材料体に深穴を形成するためのガンドリルであって、
    駆動端部、終端及びそれらの間を中心軸に沿って延びる中央領域を持つ細長い管状軸部であって、上記中央領域の全長の少なくとも一部にわたり上記終端から延びる軸部縦溝を規定する断面を持ち、穿孔加工中の穴と上記軸部縦溝との間に細長い液戻し経路の一部を設け、上記管状軸部を貫通して形成された内部液通路へ圧送される穿孔液が、上記穿孔加工中の穴から出て、形成されている切りくずを排出するのを可能とする、上記管状軸部、及び
    上記管状軸部の上記終端に取り付けられた切削先端部であって、上記管状軸部に接続されて先端部端面に形成されたオリフィスで終端となる内部液通路、上記先端部端面から上記軸部縦溝に向けて延びそれと直線的に配列され、上記細長い液戻し経路の一部を設け、上記中心軸と同軸の円筒面上に位置するすくい縁を持つ略径方向に延びる主すくい面と二次フランク面とにより規定される先端部縦溝、及び、径方向にオフセットした点を規定する先端部終端において略径方向に延びる切刃、を持つ切削先端部、を有し、
    上記ガンドリルが回転するときの上記すくい縁の周方向後方の上記切削先端部の表面が、上記円筒状穴から充分内方に離間し、上記先端部終端から上記管状軸部に向けて延びて、穿孔液の別の出口経路を設ける局部放出通路を形成する、
    ガンドリル。
  2. 上記切削先端部の上記先端部端面が上記穿孔加工中の穴と協働して、上記先端部の上記終端と穴底との間に位置する部分を持つトロイダル形底部空間を規定し、該底部空間が、上記先端部オリフィスを通して穿孔液を受け、上記放出通路及び、上記二次フランク面の終端縁と上記穿孔加工中の穴の底とにより境界付けられる出口通路を通して穿孔液を放出する加圧端部空隙を形成する、請求項1のガンドリル。
  3. 上記細長い液戻し経路へ上記出口通路を出る穿孔液が当初、径方向に見たときに上記穿孔加工中の穴の軸に対して角度βを形成し、該角度βが滞留無しに上記先端部切刃を有効に冷却するのに十分大きい、請求項2のガンドリル。
  4. 上記角度βが66度よりも大きい請求項3のガンドリル。
  5. 上記角度βが75度よりも大きい請求項3のガンドリル。
  6. 上記出口通路の面積が、穿孔液が80度よりも大きい上記角度βでそこから出るように、十分小さい、請求項3のガンドリル。
  7. 上記出口通路の断面積が、上記穴の軸に沿って見たときに上記底部空隙の長手方向断面積よりも小さい、請求項2乃至6のいずれかに記載のガンドリル。
  8. 上記出口通路の断面積が、上記穴の軸に沿って見たときに上記底部空隙の長手方向断面積の75%よりも小さい、請求項2乃至6のいずれかに記載のガンドリル。
  9. 上記出口通路の断面積が、上記穴の軸に沿って見たときに上記底部空隙の長手方向断面積の50%よりも小さい、請求項2乃至6のいずれかに記載のガンドリル。
  10. 上記出口通路の断面積が、上記穴の軸に沿って見たときに上記底部空隙の長手方向断面積の25%よりも小さい、請求項2乃至6のいずれかに記載のガンドリル。
  11. 上記管状軸部と上記切削先端部の少なくとも一方に、上記放出通路を上記細長い液戻し経路に接続する横断ポートが設けられる、前記請求項のいずれかに記載のガンドリル。
  12. 上記横断ポートが、主に上記管状軸部内に形成される、請求項11のガンドリル。
  13. 上記横断ポートが、穿孔液の噴流を上記管状軸部の通路内に一定角度で導いて、穿孔液とそこに乗せられた切りくずが上記加工中の穴を出るのを補助するように構成される、請求項11のガンドリル。
  14. 上記出口通路の面積が上記放出通路の面積に対して、穿孔液の10%以上が上記放出通路を通って上記終端空隙を出るのに十分なほど小さい、請求項2乃至13のいずれかに記載のガンドリル。
  15. 上記出口通路の面積が上記放出通路の面積に対して、穿孔液の15%以上が上記放出通路を通って上記終端空隙を出るのに十分なほど小さい、請求項2乃至13のいずれかに記載のガンドリル。
  16. 上記出口通路の面積が上記放出通路の面積に対して、穿孔液の20%以上が上記放出通路を通って上記終端空隙を出るのに十分なほど小さい、請求項2乃至13のいずれかに記載のガンドリル。
  17. 相対的に回転させられ、軸方向に進められ、そして穿孔液が供給されるときに、材料体に深穴を形成するためのガンドリルであって、
    駆動端部、終端及びそれらの間を中心軸に沿って延びる中央領域を持つ細長い管状軸部であって、上記中央領域の全長の少なくとも一部にわたり上記終端から延びる軸部縦溝を規定する断面を持ち、穿孔加工中の穴と上記軸部縦溝との間に細長い液戻し経路の一部を設け、上記管状軸部を貫通して形成された内部液通路へ圧送される穿孔液が、上記穿孔加工中の穴から出て、形成されている切りくずを排出するのを可能とする、上記管状軸部、及び
    上記管状軸部の上記終端に取り付けられた切削先端部であって、上記管状軸部に接続されて先端部端面に形成されたオリフィスで終端となる内部液通路、上記先端部端面から上記軸部縦溝に向けて延びそれと直線的に配列され、上記細長い液戻し経路の一部を設け、上記中心軸と同軸の円筒面上に位置するすくい縁を持つ略径方向に延びる主すくい面と二次フランク面とにより規定される先端部縦溝、及び、径方向にオフセットした点を規定する先端部終端において略径方向に延びる切刃、を持つ切削先端部、を有し、
    上記ガンドリルが回転するときの上記すくい縁の周方向後方の上記切削先端部の表面が、上記円筒状穴から充分内方に離間し、上記先端部終端から上記管状軸部に向けて延びて、穿孔液の別の出口経路を設ける局部放出通路を形成し、
    上記切削先端部の上記先端部端面が上記穿孔加工中の穴と協働して、上記先端部の上記終端と穴底との間に位置する部分を持つトロイダル形底部空間を規定し、該底部空間が、上記先端部オリフィスを通して穿孔液を受け、上記放出通路及び、上記二次フランク面の終端縁と上記穿孔加工中の穴の底とにより境界付けられる出口通路を通して穿孔液を放出する加圧端部空隙を形成し、そして
    上記細長い液戻し経路へ上記出口通路を出る穿孔液が当初、径方向に見たときに上記穿孔加工中の穴の軸に対して角度βを形成し、該角度βが滞留無しに上記先端部切刃を有効に冷却するのに十分大きいように、上記出口通路の断面積が、上記穴の軸に沿って見たときに上記底部空隙の長手方向断面積の50%よりも小さい、
    ガンドリル。
  18. 角度βが66度よりも大きい、請求項17のガンドリル。
  19. 角度βが75度よりも大きい、請求項17のガンドリル。
  20. 上記出口通路の面積が上記放出通路の面積に対して、穿孔液の10%以上が上記放出通路を通って上記終端空隙を出るのに十分なほど小さい、請求項17のガンドリル。
  21. 上記出口通路の面積が上記放出通路の面積に対して、穿孔液の15%以上が上記放出通路を通って上記終端空隙を出るのに十分なほど小さい、請求項17のガンドリル。
  22. ガンドリルを用いて加工製品に深穴を形成する方法であって、
    駆動端部、終端及びそれらの間を中心軸に沿って延びる中央領域を持つ細長い管状軸部であって、上記中央領域の全長の少なくとも一部にわたり上記終端から延びる軸部縦溝を規定する断面を持ち、穿孔加工中の穴と上記軸部縦溝との間に細長い液戻し経路の一部を設け、上記管状軸部を貫通して形成された内部液通路へ圧送される穿孔液が、上記穿孔加工中の穴から出て、形成されている切りくずを排出するのを可能とする、上記管状軸部、及び
    上記管状軸部の上記終端に取り付けられた切削先端部であって、上記管状軸部に接続されて先端部端面に形成されたオリフィスで終端となる内部液通路、上記先端部端面から上記軸部縦溝に向けて延びそれと直線的に配列され、上記細長い液戻し経路の一部を設け、上記中心軸と同軸の円筒面上に位置するすくい縁を持つ略径方向に延びる主すくい面と二次フランク面とにより規定される先端部縦溝、及び、径方向にオフセットした点を規定する先端部終端において略径方向に延びる切刃、を持つ切削先端部、を有し、
    上記ガンドリルが回転するときの上記すくい縁の周方向後方の上記切削先端部の表面が、上記円筒状穴から充分内方に離間し、上記先端部終端から上記管状軸部に向けて延びて、穿孔液の別の出口経路を設ける局部放出通路を形成する、
    ガンドリルを形成する工程、及び
    上記ガンドリルを同時に回転させそして上記加工製品の所望の穴位置内へ軸方向に送る工程
    を有し、
    上記切削先端部の上記先端部端面が上記穿孔加工中の穴と協働して、上記先端部の上記終端と穴底との間に位置する部分を持つトロイダル形底部空間を規定し、該底部空間が、上記先端部オリフィスを通して穿孔液を受け、上記放出通路及び、上記二次フランク面の終端縁と上記穿孔加工中の穴の底とにより境界付けられる出口通路を通して穿孔液を放出する加圧端部空隙を形成して、上記出口通路から放出される穿孔液の流れが、穴底で形成される切りくずを排出し、そして穿孔液が上記細長い液戻し経路を通り上記穴を出るときに上記切りくずを排出するようにする、
    方法。
  23. 上記ガンドリルに上記放出通路を上記細長い液戻し経路に接続する横断ポートが設けられ、そして上記放出通路を通過する穿孔液の流れが、上記穿孔液とそれに乗せられた切りくずが上記細長い液戻し経路を通過して上記穴を出るよう付勢するような角度で、上記細長い液戻し経路へ導入される、請求項22の方法。
  24. 上記出口通路が、上記底部空隙断面積と上記放出通路面積に対して、穿孔液の少なくとも10%が上記放出通路を通り上記加圧端部空隙を出るようにするのに充分な程小さい、請求項22の方法。
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