JP2003051463A - 金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線基板 - Google Patents

金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線基板

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JP2003051463A JP2002059461A JP2002059461A JP2003051463A JP 2003051463 A JP2003051463 A JP 2003051463A JP 2002059461 A JP2002059461 A JP 2002059461A JP 2002059461 A JP2002059461 A JP 2002059461A JP 2003051463 A JP2003051463 A JP 2003051463A
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oxide film
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Yoshimasa Chikama
義雅 近間
Yoshihiro Izumi
良弘 和泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属配線をめっき法にて形成する場合に下地
膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線
全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に
配設される他の配線の断線を防止し得る金属配線の製造
方法およびその方法を用いた金属配線基板を提供する。 【解決手段】 金属配線は、絶縁基板10上に湿式成膜
技術によって非導電性酸化膜12を形成する第1の工程
と、非導電性酸化膜12上にめっき触媒14を付与する
第2の工程と、めっき触媒14の上にめっき法によって
金属膜16を形成する第3の工程と、金属膜16を配線
形状にパターニングする第4の工程とにより形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置(L
CD)、プラズマ表示装置(PDP)、エレクトロクロ
ミック表示装置(ECD)、エレクトロルミネッセント
表示装置(ELD)等のフラットパネルディスプレイに
用いられる金属配線、および二次元画像検出器等の各種
センサー、電子機器に用いる電気回路基板等に用いられ
る金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線
基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal
Display)に代表されるフラットパネルディスプレイ
は、通常一対の基板の間に液晶、放電ガス等の表示材料
が挟持され、この表示材料に電圧を印加する方法により
構成される。この少なくとも一方の基板には導電材料か
らなる金属配線が配列されている。
【0003】例えば、アクティブマトリクス駆動型ディ
スプレイの場合には、表示材料を挟持する一対の基板の
内、一方のアクティブマトリクス基板上にゲート電極と
データ電極とがマトリクス状に配設されると共に、その
交差部毎に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Tran
sistor)と画素電極とが配設されている。通常、このゲ
ート電極およびデータ電極はタンタル(Ta)、アルミ
ニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属材料から
形成されており、スパッタ法等のドライ成膜法によって
成膜されている。
【0004】ところで、このようなフラットパネルディ
スプレイにおいて、大面積化、高精細化を図ろうとした
場合、駆動周波数が高まると共に、金属配線の抵抗や寄
生容量が増大することから、駆動信号の遅延が大きな問
題となってくる。
【0005】そこで、この駆動信号の遅延問題を解決す
るために、従来の配線材料であるアルミニウム(Al:
バルク抵抗率2.7μΩ・cm)、α−タンタル(α−
Ta:バルク抵抗率13.1μΩ・cm)、モリブデン
(Mo:バルク抵抗率5.8μΩ・cm)の代わりに、
より電気抵抗の低い銅(Cu:バルク抵抗率1.7μΩ
・cm)を配線材料に用いる試みがなされている。例え
ば、「Low ResistanceCopper Address Line for TFT-LC
D」(Japan Display '89 p.498-501 )において、ゲー
ト電極材料に銅(Cu)を用いたTFT−LCDの検討
結果が開示されている。この文献によれば、スパッタ法
により成膜した銅(Cu)膜は下地ガラス基板との密着
性が悪いため、下地にタンタル(Ta)等の金属膜を介
在させることによって密着性の向上を図る必要があるこ
とが明記されている。
【0006】しかしながら、上述の文献に示された配線
構造の場合、銅(Cu)膜とタンタル(Ta)等の下地
金属膜とに対して、個別のドライ成膜工程やエッチング
プロセスが必要となり、プロセスが増加し、コストアッ
プにつながるといった問題を有する。
【0007】そこで、例えば、特開平4−232922
号公報においては、ITO(indium-tin oxide:インジ
ウムすず酸化物)からなる透明電極を下地膜に使用し、
該下地膜上に銅(Cu)等の金属膜をめっき技術によっ
て成膜する方法が提案されている。本技術によれば、め
っき金属はITO膜上にのみ選択的に成膜することがで
きるため、パターニングプロセスは透明電極のITO膜
だけで良く、銅(Cu)配線を大面積でも高率良く成膜
できる効果が明記されている。また、ITOと密着性の
よいニッケル(Ni)等の金属膜をITOと銅(Cu)
との間に介在させる構造についても記載されている。
【0008】一方、上記の特開平4−232922号公
報に限らず、アクティブマトリクス基板のプロセスの短
縮、単純マトリクス型のLCD等の透明電極の低抵抗
化、ITO膜上の半田の濡れ性の向上といった種々の目
的として、パターニングされたITO膜上に、ニッケル
(Ni)、金(Au)、銅(Cu)等の金属膜をめっき
技術により成膜する方法が提案されている(例えば、特
開平2−83533号公報、特開平2−223924号
公報、特開昭62−288883号公報、特開平1−9
6383号公報)。
【0009】さらに、特開2001−32086号公報
においては、下地膜をスパッタITOからゾルゲル法等
の湿式成膜技術を利用した方法によりITOを成膜する
という提案がなされている。
【0010】湿式成膜技術は、真空装置を利用せず、ス
ピンコート法またはディップ法等により成膜し、その後
焼成を行い膜を形成する技術である。この方法を用いた
場合には、コスト削減、大画面成膜の容易性等のメリッ
トが得られる。なお、上記スピンコート法とは、基板を
コーティングする場合に、回転する基板にゾル状態の塗
料を滴下し、遠心力により広げるコーティング法をい
う。また、上記ディップ法とは、基板をコーティングす
る場合に、基板をゾル状態の塗料に浸漬し、引き上げる
浸漬法をいう。
【0011】また、感光性のあるゾルゲル膜を使用する
ことによりフォト工程のみで成膜・パターニングが完結
し、エッチング装置がいらない等のメリットもあること
が報告されている。
【0012】さらに、この方法では、ゾルゲル膜が多孔
質(ポーラス)であるため、めっき膜との密着力も高い
というメリットがあるという効果も明記されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開2001−32086号公報に開示された技術の場
合、下地膜であるゾルゲル膜と金属膜との密着がよいた
め、逆に下地膜と基板との密着が悪い場合、または、下
地膜上への金属配線形成の際に使用するめっき浴により
下地膜が侵される場合では、下地膜のパターンエッジの
ような特異点になっている部分と基板との界面から下地
膜が剥がれるという問題点があった。
【0014】また、下地膜の膜厚が厚い場合、配線全体
の膜厚も厚くなってしまい、LCDのゲート配線として
この配線を使用する場合のように、該配線の上層に別の
配線が形成される場合には、当該別の配線が乗り越え部
分で断切れするという問題点もある。
【0015】また、上述の方法では、ゾルゲル法等の湿
式成膜技術により成膜した下地膜をパターニングした後
に、その上に金属膜を形成する工程であったために、下
地膜をパターニングする工程が必要であり、工程が複雑
になるという問題点を有している。
【0016】さらに、下地膜を感光性ゾルゲル材料にし
た場合には、感光性でないものと比較して、液安定性が
下がることや、コストが上昇する等の問題点があった。
【0017】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、金属配線をめっき法にて
形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止す
ると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避し
て金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止
し、または、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コ
ストの上昇を回避し得る金属配線の製造方法およびその
方法を用いた金属配線基板を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の金属配線の製造
方法は、上記課題を解決するために、絶縁基板上に湿式
成膜技術によって非導電性酸化膜を形成する第1の工程
と、上記非導電性酸化膜上にめっき触媒を付与する第2
の工程と、上記めっき触媒の上にめっき法によって金属
膜を形成する第3の工程と、上記金属膜を配線形状にパ
ターニングする第4の工程とにより形成されることを特
徴としている。
【0019】上記の発明によれば、金属膜の下地膜とな
る非導電性酸化膜を湿式成膜技術にて絶縁基板全体に形
成することにより、この非導電性酸化膜はパターニング
されないので、当該非導電性酸化膜にはパターンエッジ
という特異点がなくなる。したがって、パターンエッジ
の存在による剥がれの発生を防止することができる。
【0020】また、上述したように、金属膜の下地のパ
ターニングプロセスを省くことが可能になるので、パタ
ーニング工程の削除による工程の単純化が可能になる。
【0021】さらに、めっき触媒が付与された層は、湿
式成膜技術により形成された下地膜に比較するとかなり
薄いため、金属配線全体の膜厚も薄くなる。このため、
LCD等の配線の交差があるようなものの場合に、この
金属配線の上側に形成される他の配線の乗り越えによる
当該他の配線の断線がなくなることのメリットが大き
い。
【0022】また、金属膜の下地膜として非導電性酸化
膜を使用していることから、電流のリーク、および他の
上部の金属配線と下地膜との間での容量の形成もなく悪
影響を及ぼさない。
【0023】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が絶縁基板から剥がれることを防止す
ると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避し
て金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し
得る金属配線の製造方法を提供することができる。
【0024】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記課題を解決するために、絶縁基板上に湿式成膜技術に
よって非導電性酸化膜を形成する第1の工程と、上記非
導電性酸化膜上に感光性めっき触媒を付与する第2の工
程と、上記感光性めっき触媒を配線形状にパターニング
する第3の工程と、上記配線形状にパターニングされた
感光性めっき触媒の上にめっき法によって選択的に金属
膜を形成する第4の工程とを有することを特徴としてい
る。
【0025】上記の発明によれば、めっき触媒付与の工
程において、感光性めっき触媒を利用していることか
ら、エッチング工程が必要なくなることにより工程の簡
略化になる。
【0026】また、触媒付与面に選択的に金属膜を形成
することが可能であり、金属材料低減、およびエッチン
グ装置の不要化によるコスト削減が可能になる。
【0027】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると
共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金
属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得る
と共に、加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇
を回避し得る金属配線の製造方法を提供することができ
る。
【0028】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜
形成の工程に用いられる湿式成膜技術がゾルゲル法であ
ることを特徴としている。
【0029】上記ゾルゲル法とは、湿式成膜技術の一種
であり、金属の有機化合物または無機化合物を溶液と
し、その溶液中で化合物の加水分解・重縮合反応を進ま
せて、ゾルをゲルとして固化し、ゲルの加熱によって酸
化物固体を作成する方法である。
【0030】上記方法を用いることによって、真空成膜
装置を用いることなく、例えばガラス等の絶縁基板上に
ゾルゲル溶液を塗布して焼成するだけで非導電性酸化膜
を成膜することができるため、安価になおかつ大面積成
膜にも容易に対応できる。
【0031】また、上記ゾルゲル法では、真空成膜装置
によって成膜された酸化膜の滑らかな表面に比べて、微
細な孔が網目状に存在するポーラスな酸化膜を形成する
ことが可能である。
【0032】したがって、ゾルゲル法によって得られた
非導電性酸化膜上に金属膜をめっきすると、非導電性酸
化膜の微細な孔がアンカー効果を発揮して、非常に密着
性のよいめっき膜を得ることができる。これにより、従
来困難であった無機絶縁膜上への無電解Cuめっきも可
能となる。
【0033】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜
形成の工程に用いられる湿式成膜技術が化学析出法また
は液相析出法のいずれか一方であることを特徴としてい
る。
【0034】上記化学析出法は、水溶液中に基板を浸漬
し、水溶中での酸化還元反応を用いて、基板上に酸化膜
を析出する方法である。また、液相析出法(LPD法:
Liquid Phase Deposition )は、金属フルオロ錯体また
はケイフッ化水素酸の加水分解平衡反応を用いて、基板
上に酸化膜を析出する方法である。
【0035】上記の発明によれば、このような化学析出
法または液相析出法を用いることによって、真空成膜装
置を用いることなく、絶縁基板を水溶液に浸漬するだけ
で非導電性酸化膜を成膜することができるため、安価に
かつ大面積成膜にも容易に対応できる。
【0036】また、上記化学析出法によって得られた非
導電性酸化膜は、絶縁基板上に付着させた金属触媒を核
に結晶粒が成長していくため、真空装置によって成膜さ
れた酸化膜に比べると表面凸凹が激しい。したがって、
化学析出法によって得られた非導電性酸化膜上に金属膜
をめっきすれば、非導電性酸化膜の表面凹凸がアンカー
効果を発揮して、非常に密着性のよいめっき膜を得るこ
とができる。
【0037】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜
が透明であることを特徴としている。
【0038】上記の発明によれば、絶縁基板全面に非導
電性酸化膜を形成するため、透明でない場合、LCDで
は反射型LCD用としてのみ使用可能となり、用途が限
られてくる。透明であれば、基板として例えばガラスを
使用するような透過型表示素子全般に利用可能になり大
きなメリットとなる。
【0039】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記感光性めっき触
媒がパラジウム(Pd)を含有することを特徴としてい
る。
【0040】上記の発明によれば、パラジウム(Pd)
は、ほとんどのめっきに対して触媒性を示すため、銅
(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(A
g)、パラジウム(Pd)等の様々な金属によるめっき
が可能になるという利点がある。
【0041】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記金属膜が、ニッ
ケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)を
主成分とし、そのいずれかの単層膜またはこれらの単層
膜を少なくとも1層を含む多層膜であることを特徴とし
ている。
【0042】上記の発明によれば、ニッケル(Ni)、
銅(Cu)共に感光性めっき触媒上に密着性良く成膜す
ることができ、さらに選択的に無電解めっきを行うこと
もできる。また、銅(Cu)や金(Au)は比抵抗が小
さく、低抵抗な金属配線を実現することができる。特に
感光性めっき触媒上にニッケル(Ni)を成膜し、さら
にその上に銅(Cu)、金(Au)、銅(Cu)/金
(Au)等の膜を成膜すれば、密着性よく低抵抗な金属
配線を実現することが可能になる。また、例えば、感光
性めっき触媒上にニッケル(Ni)−レニウム(Re)
−リン(P)を成膜し、さらにその上に銅(Cu)、銅
(Cu)/金(Au)を成膜し、さらにその上にニッケ
ル(Ni)−レニウム(Re)−リン(P)を成膜する
ことにより、バリアメタルであるニッケル(Ni)−レ
ニウム(Re)−リン(P)に囲まれた銅(Cu)配線
の形成が可能になる。
【0043】また、本発明の金属配線基板は、上記課題
を解決するために、上記発明のいずれか1つに記載され
た金属配線の製造方法を用いて製造されたことを特徴と
している。
【0044】上記の発明の金属配線基板は、上記いずれ
か1つの金属配線の製造方法に記載の効果と同様の効果
を得ることができる。
【0045】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると
共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金
属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、さ
らに、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの
上昇を回避し得る金属配線基板を提供することができ
る。
【0046】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について、図1に基づいて説明すれば、以下の通
りである。
【0047】本実施の形態の金属配線の製造方法は、図
1(a)〜(d)に示すように、絶縁基板10上に湿式
成膜技術によって非導電性酸化膜12を形成する第1の
工程と、上記非導電性酸化膜12上にめっき触媒14を
付与する第2の工程と、上記めっき触媒14の上にめっ
き法によって金属膜16を形成する第3の工程と、上記
金属膜16を配線形状にパターニングする第4の工程と
を有している。以下、各工程について詳細に説明する。
【0048】(第1の工程)まず、第1の工程において
は、図1(a)に示すように、例えばガラス基板からな
る絶縁基板10上に、ゾルゲル法によって非導電性酸化
膜12としてSiO 2 (シリコン酸化膜)を成膜する。
この際、ゾルゲル溶液はアルコールにより適当な粘性に
希釈し、スピンコートによって約0.2μmの厚みで塗
布する。そして、150℃で乾燥させた後、500℃で
焼成を行う。これにより約0.1μmの厚みの多孔質の
SiO2 からなる非導電性酸化膜12が完成する。
【0049】なお、本実施の形態においては絶縁基板1
0としてガラスの基板を用いているが、必ずしもガラス
に限定されず、例えば、セラミック等の無機基板の他、
エポキシ、PES(polyether sulphone:ポリエーテル
サルホン)、PET(polyethylene terephthalate:ポ
リエチレンテレフタレート)、ABS(Acrylonitrile-
Butadience-Styrene:アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体)、PC(polycarbonate :ポリカー
ボネイト)等の各種有機物の基板またはフィルムとする
ことも可能である。
【0050】なお、SiO2 からなる非導電性酸化膜1
2は透明なものを用いた。これにより基板としてガラス
を使用するような透過型表示素子全般に利用可能にな
る。ただし、反射型液晶表示装置等の光が透過する必要
のない場合には、非透明なものを用いてもよい。
【0051】また、第1の工程における湿式成膜技術と
して、ゾルゲル法の他に、水溶液中での化学析出法や液
相析出法、溶液のミスト(霧)を用いた化学的霧化堆積
法(CMD法:Chemical Mist Deposition)、またはス
プレー法を用いてもよい。
【0052】ゾルゲル法とは、金属の有機化合物または
無機化合物を溶液とし、溶液中で化合物の加水分解・重
縮合反応を進ませてゾルをゲルとして固化し、ゲルの加
熱によって酸化物固体を作成する方法である。出発原料
としては、重縮合反応が可能な金属アルコキシドが適し
ているが、金属アルコキシドと一緒であれば金属塩や金
属アセチルアセトナート錯体も使用できる。溶媒には各
種アルコールが使用されるのが一般的である。金属アル
コキシドを溶媒で希釈した後、水を加えて加水分解・重
縮合反応を行わせてゾルを形成する。そして、ゾルを基
板に塗布し、ゲル膜を生成する。塗布法としては、ディ
ッピング法、スピンコーティング法、メニカスコーティ
ング法等がある。その後、ゲル膜を乾燥後、残留有機物
を除去するために400℃程度の熱処理を行うことによ
り酸化膜が成膜される。通常、乾燥後のゲル膜は、多孔
体(キセロゲル)となり、微細な孔が網目状に存在する
膜となりやすい。ゾルゲル溶液の組成や焼成条件を工夫
することにより微細な孔が網目状に存在するポーラスな
膜から、空孔の少ない緻密な膜まで任意に成膜すること
が可能である。
【0053】このようなゾルゲル法を用いれば、ガラス
等の絶縁基板10上にゾルゲル溶液を塗布・焼成するだ
けで非導電性酸化膜12を形成することができるため、
真空装置を用いずに成膜することができ、安価になおか
つ大面積成膜にも容易に対応できる。
【0054】なお、ゾルゲル法により成膜が可能な酸化
膜の種類、原理等の詳細については、「ゾル−ゲル法の
科学」(発行:アグネ承風社、著者:作花済夫)等に詳
しく記載されている。
【0055】(第2の工程)第2の工程では、図1
(b)に示すように、第1の工程で得られた非導電性酸
化膜12上にめっき触媒14を塗布する。
【0056】本実施の形態においては、塩化パラジウム
含有液として、商品名「エンプレートアクチベーター4
40(メルテックス社製)」を30mL/Lに希釈し、
1mol/L(1N)の水酸化カリウム(KOH)水溶液に
よりpHを5.5に調整したものに浸漬することによっ
て、非導電性酸化膜12上にパラジウム(Pd)イオン
からなるめっき触媒14を付着させる。
【0057】なお、塩化パラジウム含有液は上述に限定
されず、例えば、パラジウム(Pd)イオンを含有した
コロイドもしくは有機錯体等の他の触媒付与方式を用い
てもかまわない。また、必要に応じてパラジウム(P
d)イオン付着後に還元剤を利用してパラジウム(P
d)イオンを還元しておいてもよい。
【0058】(第3の工程)第3の工程では、図1
(c)に示すように、第2の工程で得られためっき触媒
14上に、めっきを用いて金属膜16を成膜する。
【0059】本実施の形態においては、まず、次亜リン
酸ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケル(Ni)め
っき液を用いて、ニッケル(Ni)膜を約0.3μmの
厚みで成膜する。無電解めっきでは、触媒性を示す下地
上のみに選択的に金属膜16を成膜することができるた
め、これにより触媒付与面に選択的にニッケル(Ni)
膜を成膜することができる。
【0060】このようにして得られた無電解ニッケル
(Ni)めっき膜は、還元剤の影響によりニッケル(N
i)とリン(P)との共析膜となるため、膜の面抵抗が
4〜5Ω/□と高く金属配線の用途としては限られたも
のとなる。そこで、ニッケル(Ni)膜の低抵抗化を図
るために、必要に応じて、ニッケル(Ni)膜上に金
(Au)めっきを施す。
【0061】金(Au)めっきは、ニッケル(Ni)膜
に対して無電解置換めっきが可能である。したがって、
例えば、ニッケル(Ni)膜の表面から約0.05μm
を金(Au)に置換することにより、膜の面抵抗を約
0.5Ω/□に低減することが可能になる。
【0062】また、低抵抗化が必要な場合は、金(A
u)を電気めっきで厚く成膜するかまたは金(Au)膜
上に銅(Cu)等の低抵抗金属を電解または無電解めっ
きにて成膜すると良い。ただし、金(Au)を厚くめっ
きするとコストアップにつながるので、銅(Cu)めっ
きにより低抵抗化を図ることが望ましい。例えば、金
(Au)/ニッケル(Ni)/ITO膜上に銅(Cu)
電気めっきで約0.15μm成膜すると、膜の面抵抗は
約0.1Ω/□まで低減し、大型高精細のフラットパネ
ルディスプレイ用金属配線としても充分に使用できるも
のとなる。
【0063】なお、本実施の形態においては、金属配線
構造を銅(Cu)/金(Au)/ニッケル(Ni)の積
層膜としたが、必ずしもこれに限らず、銀(Ag)単
層、銅(Cu)/銀(Ag)、銅(Cu)単層、銅(C
u)/ニッケル(Ni)、金(Au)/ニッケル(N
i)のように、用途によって構造を変えることができ
る。
【0064】またこの時、金属配線の表面は銅(Cu)
が露出した構造になるが、銅(Cu)の酸化および銅
(Cu)の拡散を防ぐためにさらにバリア金属を積層し
たり、酸化を防ぐために酸素遮断膜をコートして次工程
まで銅(Cu)を保護することも有用である。
【0065】さらに、本工程で成膜する金属膜16は、
単層でも良いし、それぞれ役割の異なる金属膜16の積
層膜でも構わない。例えば、はじめに密着性の良いニッ
ケル(Ni)、その後低抵抗な金(Au)を置換めっき
により積層しても良い。また、さらに低抵抗で低コスト
な銅(Cu)を無電解めっきまたは電気めっきを利用
し、積層しても良い。
【0066】上述のように、本実施の形態の金属配線
は、真空成膜装置を一切使用しないので、従来例で示し
た方法に比べて充分なコストダウン効果を得ることがで
きる。また、湿式成膜技術は、真空成膜技術に比べて大
面積成膜が容易であることから、大面積基板に対しても
容易に対応することが可能となる。
【0067】めっき方法として、本実施の形態では主に
無電解めっきを使用しているが、めっきには大きくわけ
て無電解めっきと電気めっきがある。電気めっきの場合
は、金属イオンを溶解しためっき液に陽極となる金属と
陰極となる被めっき電極とを配置して、めっき液に直流
電流を流すことにより陰極表面に金属膜16が析出す
る。
【0068】一方、無電解めっき、例えば還元めっきお
よび置換めっきの場合は、めっき液に電流を流さずに金
属膜16を析出させることが可能である。したがって、
第1の工程で形成される酸化膜が非導電性であっても金
属膜16を析出させることが可能になる。
【0069】この二つのめっき方法を組み合わせてさら
に多様なめっき膜を形成することが可能である。
【0070】(第4の工程)次に、第4の工程では、図
1(d)に示すように、第3の工程で形成された金属膜
16のパターニングを行う。
【0071】パターニングの方法としては、金属膜16
上にポジ型のレジストをスピンコートにより約2μmの
厚みで塗布する。次に、80℃でプリベークを行い、そ
の後フォトマスクを介して紫外線照射を行う。その後、
現像処理および120℃でポストベークを行うことによ
り、金属膜16上に配線形状を有するレジストパターン
を形成する。このレジストパターンが形成された金属膜
16を有する絶縁基板10をエッチング液に浸漬するこ
とにより、レジストに覆われていない部分の金属膜16
をエッチングする。例えばニッケル(Ni)等をエッチ
ングする場合硝酸等を用いるときれいにエッチング可能
である。
【0072】最後に、レジスト剥離液を用いてレジスト
を除去することにより金属配線パターンを形成すること
ができる。
【0073】なお、本発明は、上記の実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可
能である。例えば、上記実施の形態では、湿式成膜技術
としてゾルゲル法を使用したが、特にこれに限定するも
のではなく、化学析出法または液相析出法を使用するこ
ともことも可能である。
【0074】以下に非導電性酸化膜12を液相析出法に
より形成する方法について述べる。
【0075】(第1の工程)まず、第1の工程として、
商品名「#1737(コーニング社製)」のガラス基板
からなる絶縁基板10上に、液相析出法によりSiO2
からなる非導電性酸化膜12を成膜する。
【0076】液相析出法(LPD法)とは、金属フルオ
ロ錯体やケイフッ化水素酸の加水分解平衡反応を用いて
基板上に酸化膜(SiO2 )を析出する方法である。
【0077】また、水溶液中で酸化膜を成膜する方法と
しては、上述の液相析出法の他に化学析出法等の方法が
ある。
【0078】化学析出法とは、水溶液中に基板を浸漬
し、水溶中での酸化還元反応を用いて基板上に酸化膜を
析出する方法であり、陽極析出法や陰極析出法がある。
それぞれ、酸化剤または還元剤を用いることによって、
無電解で基板上に酸化膜を析出させることが可能であ
る。
【0079】例えば、金属の硝酸塩とジメチルアミンボ
ラン(DMAB)等の還元剤とを共存させた水溶液中
に、触媒が付着した基板を浸漬すると、還元剤から供給
される電子により硝酸−亜硝酸の還元反応が駆動され、
その結果、金属酸化膜または水酸化膜が析出する。例え
ば、金属の硝酸塩として、硝酸亜鉛を用いることによ
り、基板上に高抵抗な酸化亜鉛膜が析出する。
【0080】このように、水溶液中で酸化膜を成膜する
方法として、化学析出法を用いれば、ガラス基板を水溶
液に浸漬するだけで酸化膜を形成することができる。こ
のため、真空装置を用いずに成膜することができ、安価
にかつ大面積成膜にも容易に対応できる。
【0081】(第2の工程)第2の工程では、前記第2
の工程と同様の方法により、第1の工程で得られた非導
電性酸化膜12上にめっき触媒14を塗布する。
【0082】(第3の工程)第3の工程では、前記第3
の工程と同様の方法により、第2の工程で得られためっ
き触媒14上に、めっきを用いて金属膜16を成膜す
る。
【0083】めっき膜の成膜方法としては、前記第3の
工程と同様の方法が可能であり、ニッケル(Ni)/感
光性パラジウム(Pd)触媒/SiO2 、金(Au)/
ニッケル(Ni)/感光性パラジウム(Pd)触媒/S
iO2 、銅(Cu)/金(Au)/ニッケル(Ni)/
感光性パラジウム(Pd)触媒/SiO2 、銅(Cu)
/ニッケル(Ni)/感光性パラジウム(Pd)触媒/
SiO2 、銅(Cu)/感光性パラジウム(Pd)触媒
/SiO2 等の構成が可能である。特に、銅(Cu)や
金(Au)を用いた膜の構成を用いれば、膜の面抵抗は
約0.1Ω/□となり、大型高精細のフラットパネルデ
ィスプレイ用金属配線としても充分に使用できるものと
なる。
【0084】本実施の形態においては、非導電性酸化膜
12を水溶液中で析出しているため、100℃以下の低
温で成膜することが可能である。また、その非導電性酸
化膜12上にめっき成膜する金属膜16も100℃以下
の成膜が可能なため、密着性を向上させるための成膜後
の補助的な焼成を除けば、全て100℃以下の低温プロ
セスにより金属配線の形成が可能になる。したがって、
ガラス基板に限定されず、PES、エポキシ、ABS、
PC、PET等の有機系基板もしくはフィルム上にも容
易に金属配線を形成することが可能になる。
【0085】(第4の工程)次に、第4の工程では、前
記第4の工程と同様の方法により、第3の工程で形成さ
れた金属膜16のパターニングを行う。
【0086】このように、本実施の形態の金属配線の製
造方法では、金属膜16の下地膜となる非導電性酸化膜
12を湿式成膜技術にて絶縁基板10全体に形成するこ
とにより、この非導電性酸化膜12はパターニングされ
ないので、当該非導電性酸化膜12にはパターンエッジ
という特異点がなくなる。したがって、パターンエッジ
の存在による剥がれの発生を防止することができる。
【0087】また、上述したように、金属膜16の下地
のパターニングプロセスを省くことが可能になるので、
パターニング工程の削除による工程の単純化が可能にな
る。
【0088】さらに、めっき触媒14が付与された層
は、湿式成膜技術により形成された下地膜に比較すると
かなり薄いため、金属配線全体の膜厚も薄くなる。この
ため、LCD等の配線の交差があるようなものの場合
に、この金属配線の上側に形成される他の配線の乗り越
えによる当該他の配線の断線がなくなることのメリット
が大きい。
【0089】また、金属膜の下地膜として非導電性酸化
膜12を使用していることから、電流のリーク、および
他の上部の金属配線と下地膜との間での容量の形成もな
く悪影響を及ぼさない。
【0090】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が絶縁基板10から剥がれることを防
止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回
避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防
止し得る金属配線の製造方法を提供することができる。
【0091】また、本実施形態の金属配線の製造方法
は、非導電性酸化膜12形成の工程に用いられる湿式成
膜技術がゾルゲル法である。
【0092】このため、上記方法を用いることによっ
て、真空成膜装置を用いることなく、ガラス等の絶縁基
板10上にゾルゲル溶液を塗布して焼成するだけで非導
電性酸化膜12を成膜することができるため、安価にな
おかつ大面積成膜にも容易に対応できる。
【0093】また、上記ゾルゲル法では、真空成膜装置
によって成膜された酸化膜の滑らかな表面に比べて、微
細な孔が網目状に存在するポーラスな酸化膜を形成する
ことが可能である。
【0094】したがって、ゾルゲル法によって得られた
非導電性酸化膜12上に金属膜16をめっきすると、非
導電性酸化膜12の微細な孔がアンカー効果を発揮し
て、非常に密着性のよいめっき膜を得ることができる。
これにより、従来困難であった無機絶縁膜上への無電解
Cuめっきも可能となる。
【0095】また、本実施形態の金属配線の製造方法
は、非導電性酸化膜12形成の工程に用いられる湿式成
膜技術が化学析出法または液相析出法のいずれか一方で
ある。
【0096】このため、このような化学析出法または液
相析出法を用いることによって、真空成膜装置を用いる
ことなく、絶縁基板10を水溶液に浸漬するだけで非導
電性酸化膜12を成膜することができるため、安価にか
つ大面積成膜にも容易に対応できる。
【0097】また、上記化学析出法によって得られた非
導電性酸化膜12は、絶縁基板10上に付着させた金属
触媒を核に結晶粒が成長していくため、真空装置によっ
て成膜された酸化膜に比べると表面凸凹が激しい。した
がって、化学析出法によって得られた非導電性酸化膜1
2上に金属膜16をめっきすれば、非導電性酸化膜12
の表面凹凸がアンカー効果を発揮して、非常に密着性の
よいめっき膜を得ることができる。
【0098】また、本実施形態の金属配線の製造方法
は、非導電性酸化膜12が透明である。
【0099】このため、基板としてガラスを使用するよ
うな透過型表示素子全般に利用可能になり大きなメリッ
トとなる。
【0100】また、本実施形態の金属配線の製造方法
は、金属膜16がニッケル(Ni)、銅(Cu)、金
(Au)、銀(Ag)を主成分とし、そのいずれかの単
層膜またはこれらの単層膜を少なくとも1層を含む多層
膜である。
【0101】銅(Cu)や金(Au)は比抵抗が小さい
ため、低抵抗な金属配線を実現することができる。
【0102】また、本実施の形態の金属配線は、真空成
膜装置を一切使用しないので、従来例で示した方法に比
べて充分なコストダウン効果を得ることができる。ま
た、湿式成膜技術は、真空成膜技術に比べて大面積成膜
が容易であることから、大面積基板に対しても容易に対
応することが可能となる。さらには、真空系を用いない
メリットを生かし、非常に長いロール状に巻き付けたフ
ィルム基材を順次搬送しながら、ロールツーロール方式
により生産性良く配線を形成することも可能である。
【0103】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図2に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に
示した部材と同一の機能を有する部材については、同一
の符号を付し、その説明を省略する。
【0104】また、前記実施の形態1で述べた各種の特
徴点については、本実施の形態についても組み合わせて
適用し得るものとする。
【0105】本実施の形態の金属配線の製造方法は、図
2(a)〜(d)に示すように、絶縁基板10上に湿式
成膜技術によって非導電性酸化膜12を形成する第1の
工程と、上記非導電性酸化膜12上に感光性めっき触媒
18を付与する第2の工程と、上記感光性めっき触媒1
8を配線形状にパターニングする第3の工程と、上記配
線形状にパターニングされた感光性めっき触媒18の上
にめっき法によって選択的に金属膜16を形成する第4
の工程とを有している。以下、各工程について詳細に説
明する。
【0106】(第1の工程)まず、第1の工程において
は、図2(a)に示すように、例えばガラス基板からな
る絶縁基板10上に、ゾルゲル法によってSiO2 から
なる非導電性酸化膜12を成膜する。この際、ゾルゲル
溶液はアルコールにより適当な粘性に希釈し、スピンコ
ートによって約0.2μmの厚みで塗布する。そして1
50℃で乾燥させた後、500℃で焼成を行う。これに
より約0.1μmの厚みの多孔質のSiO2 からなる非
導電性酸化膜12が完成する。
【0107】(第2の工程)第2の工程では、図2
(b)に示すように、第1の工程で得られたSiO2
らなる非導電性酸化膜12上に感光性めっき触媒18を
塗布する。
【0108】感光性めっき触媒18とは、めっき触媒前
駆体、すなわち、触媒となる金属、コロイド、化合物、
イオンを含有する感光性材料に対して紫外線等の光を配
線形状に対応したパターンで露光し、この露光によって
めっき触媒前駆体が化学反応を引き起こし、露光された
領域のみめっき触媒が析出するというものである。
【0109】なお、本実施の形態においては、感光性め
っき触媒18として、パラジウムアセチルアセトナート
をクロロホルムに溶解したものを用い、スピン法により
成膜を行う。スピン法にて成膜を行った場合、膜厚は約
100Å以下である。その後、露光の前のベークを行
う。
【0110】なお、感光性めっき触媒18は、本実施の
形態ではパラジウム(Pd)を含有しているが、必ずし
もこれに限らず、例えばニッケル(Ni)、銅(C
u)、銀(Ag)を含有するものを用いてもよい。
【0111】感光性めっき触媒18は、塗布後、露光、
現像を行うことにより触媒パターンを形成できるもの
で、金属配線の下地を選択的に形成する方法としては非
常に有効である。
【0112】(第3の工程)第3の工程では、図2
(c)に示すように、第2の工程で得られた感光性めっ
きパラジウム(Pd)触媒からなる感光性めっき触媒1
8のパターニングを行う。
【0113】感光性であるため、パターニングの方法と
しては、所望のパターンのマスクを用いてステッパー等
の露光機により露光を行い、その後現像、ベークを行う
ことによりパターンを形成する。
【0114】めっき触媒をパターニングする具体的な方
法としては、感光性触媒をスピン法により塗布し、その
後プリベークを行う。そして配線形状に対応したパター
ンで露光を行う。露光を行うことにより露光を行った領
域のみに下地膜上に金属パラジウム(Pd)が析出す
る。
【0115】その後、露光されなかった領域の感光性め
っき触媒18を有機溶剤、本実施の形態においては、溶
媒としてクロロホルムを用いているため有機溶剤として
クロロホルムを用いて洗い流し、ポストベークを行い、
パラジウム(Pd)パターンが形成される。
【0116】有機溶剤は上述に限定されず、シュウ酸第
2鉄と塩化パラジウムとを水酸化カリウム溶液に溶解し
た感光性触媒、またはシュウ酸第2鉄、もしくはシュウ
酸ルテニウムのようなシュウ酸塩と塩化パラジウムとア
ンモニア水とを含む感光性触媒液を用いることも可能で
ある。
【0117】この場合、感光性触媒の基板上への均一な
塗布を容易に行えるように、ポリビニルアルコール等の
親水性バインダを前述の感光性触媒液に添加することも
有効である。
【0118】さらに、紫外線照射による銀(Ag)イオ
ンの還元反応を利用して銀(Ag)を選択的に析出させ
る方法もある。また、フォトレジスト等の感光性樹脂
に、触媒となる金属、その化合物、イオン、コロイドを
分散させた材料を用いるという方法もある。
【0119】(第4の工程)次に、第4の工程では、図
2(d)に示すように、第3の工程で得られた感光性め
っき触媒18のパターン上に、実施の形態1の第3の工
程と同様の方法により、めっき法にて金属膜16を成膜
する。
【0120】また、感光性パラジウム(Pd)触媒上に
形成されるめっき膜としては、前記に限らず、ニッケ
ル、コバルト、スズ、金、銅、銀、パラジウム等、各種
の金属、またはそれを組み合わせて使用することも可能
である。
【0121】このように、本実施の形態の金属配線の製
造方法では、上記めっき触媒付与の工程において、感光
性めっき触媒18を利用していることから、エッチング
工程が必要なくなることにより工程の簡略化になる。ま
た、触媒付与面に選択的に金属膜16を形成することが
可能であり、金属材料低減、およびエッチング装置の不
要化によるコスト削減が可能になる等メリットが大き
い。
【0122】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると
共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金
属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得る
と共に、加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇
を回避し得る金属配線の製造方法を提供することができ
る。
【0123】また、本実施形態の金属配線の製造方法
は、感光性めっき触媒18がパラジウム(Pd)を含有
する。
【0124】パラジウム(Pd)は、ほとんどのめっき
に対して触媒性を示すため、銅(Cu)、ニッケル(N
i)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)等
の様々な金属によるめっきが可能になるという利点があ
る。ただし、パラジウム(Pd)の他にニッケル(N
i)、銅(Cu)、銀(Ag)等のめっきの触媒となる
成分を含有する感光性めっき触媒18を用いてもよい。
【0125】また、本実施形態の金属配線の製造方法
は、金属膜16がニッケル(Ni)、銅(Cu)、金
(Au)、銀(Ag)を主成分とし、そのいずれかの単
層膜またはこれらの単層膜を少なくとも1層を含む多層
膜である。
【0126】このため、ニッケル(Ni)、銅(Cu)
共に感光性めっき触媒18上に密着性良く成膜すること
ができ、さらに選択的に無電解めっきを行うこともでき
る。
【0127】また、銅(Cu)や金(Au)は比抵抗が
小さく、低抵抗な金属配線を実現することができる。特
に感光性めっき触媒18上にニッケル(Ni)を成膜
し、さらにその上に銅(Cu)、金(Au)、銅(C
u)/金(Au)等の膜を成膜すれば、密着性よく低抵
抗な金属配線を実現することが可能になる。
【0128】また、例えば、感光性めっき触媒18上に
ニッケル(Ni)−レニウム(Re)−リン(P)を成
膜し、さらにその上に銅(Cu)、銅(Cu)/金(A
u)を成膜し、さらにその上にニッケル(Ni)−レニ
ウム(Re)−リン(P)を成膜することにより、バリ
アメタルであるニッケル(Ni)−レニウム(Re)−
リン(P)に囲まれた銅(Cu)配線の形成が可能にな
る。
【0129】また、前記実施の形態1および本実施の形
態では、湿式成膜技術よって得られた非導電性酸化膜1
2、めっき触媒14もしくは感光性めっき触媒18上
に、めっき法により金属膜16を形成することにより金
属配線を形成している。したがって、真空成膜装置を一
切使用しないので、従来例で示した方法に比べて充分な
コストダウン効果を得ることができる。また、湿式成膜
技術は、真空成膜技術に比べて大面積成膜が容易である
ことから、大面積基板に対しても容易に対応することが
可能となる。
【0130】したがって、アクティブマトリクス駆動型
やパッシブマトリクス駆動型のフラットパネルディスプ
レイ全般、またはフラットパネル形状をした二次元画像
検出器、もしくは金属配線を具備するあらゆる電子機器
にも広く適用することが可能である。
【0131】なお、前記実施の形態1で述べた各種の特
徴点については、本実施の形態についても組み合わせて
適用することができ、そのときには、前記実施の形態1
にて述べた各効果を得ることができる。
【0132】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施
の形態について図3に基づいて説明すれば、以下の通り
である。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1およ
び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有す
る部材については、同一の符号を付し、その説明を省略
する。
【0133】また、前記実施の形態1および実施の形態
2で述べた各種の特徴点については、本実施の形態につ
いても組み合わせて適用し得るものとする。
【0134】本実施の形態では、図3に示すように、前
記実施の形態1および実施の形態2で説明した金属配線
をLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)用
の金属配線基板としてのアクティブマトリクス基板のゲ
ート配線20に用いた場合について説明する。
【0135】アクティブマトリクス基板には、同図に示
すように、ガラス基板からなる絶縁基板10上にゲート
配線20およびゲート電極21が形成されており、スパ
ッタ法によって成膜される従来のアルミニウム(A
l)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)といった
金属配線の代わりに、前記実施の形態1および実施の形
態2に示した金属配線を簡単に適用することが可能であ
る。
【0136】さらに、その上には窒化ケイ素(SiN
x)からなるゲート絶縁膜22が形成される。そして、
TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)素
子24部では、a−Si:H(水素化アモルファスシリ
コン:amorphous Silicon )32からなるチャネル層、
n+型のa−Si:H34からなるコンタクト層、モリ
ブデン(Mo)等の金属からなるソース電極26・ドレ
イン電極28が形成される。また、画素部には透明電極
や反射電極が形成される。また、TFT素子部24およ
びバスライン部の上には窒化ケイ素(SiNx)や有機
絶縁膜からなる絶縁保護膜30が形成される。
【0137】このようにして得られたアクティブマトリ
クス基板は、例えば、透過型LCDや反射型LCD、二
次元画像検出器に使用することができる。中でも大面積
が求められるディスプレイ分野のように、配線の低抵抗
化の目的により銅(Cu)の使用が求められる場合、ま
たはドライ成膜に代わり湿式成膜による配線形成が求め
られる場合に極めて有効である。
【0138】また、本発明は、フラットパネルディスプ
レイおよび二次元画像検出器用の金属配線の製造方法に
限定されるものではなく、他の分野の金属配線の製造方
法としても広く応用できるものである。
【0139】このように、本実施の形態のアクティブマ
トリクス基板は、前述した金属配線の製造方法を用いて
製造されている。このため、前記金属配線の製造方法に
記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0140】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると
共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金
属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、さ
らに、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの
上昇を回避し得るアクティブマトリクス基板を提供する
ことができる。
【0141】
【実施例】〔実施例1〕実施例1では、実施の形態1に
て説明した金属配線を形成する方法について具体例を挙
げて説明を行う。
【0142】(第1の工程)まず、図1(a)に示すよ
うに、ガラスからなる絶縁基板10の表面に、ゾルゲル
法を用いてSiO2 からなる非導電性酸化膜12を形成
する。
【0143】商品名「#1737(コーニング社製)」
のガラス基板からなる絶縁基板10上に、ゾルゲル法に
よりSiO2 からなる非導電性酸化膜12を成膜する。
この際、ゾルゲル溶液はアルコールにより適当な粘性に
希釈し、スピンコートによって約0.2μmの厚みで塗
布する。そして150℃で乾燥させた後、500℃で焼
成を行う。これにより約0.1μmの厚みの多孔質のS
iO2 からなる非導電性酸化膜12が完成する。
【0144】(第2の工程)図1(b)に示すように、
第1の工程で得られた非導電性酸化膜12上にめっき触
媒14を塗布する。
【0145】塩化パラジウム含有液、例えば商品名「エ
ンプレートアクチベーター440(メルテックス社
製)」を30mL/Lに希釈し、1mol/L(1N)の水
酸化カリウム(KOH)水溶液によりpHを5.5に調
整したものに浸漬することによって、非導電性酸化膜1
2上にパラジウム(Pd)イオンからなるめっき触媒1
4を付着させる。
【0146】(第3の工程)図1(c)に示すように、
第2の工程で得られためっき触媒14上に、めっきを用
いて金属膜16を成膜する。
【0147】今回は、まず、次亜リン酸ナトリウムを還
元剤とする無電解ニッケル(Ni)めっき液を用いてニ
ッケル(Ni)膜からなる金属膜16を約0.3μmの
厚みで成膜する。無電解めっきでは、触媒性を示す下地
上のみに選択的に金属膜16を成膜することができるた
め、これにより触媒付与面に選択的にニッケル(Ni)
膜からなる金属膜16を成膜することができる。
【0148】(第4の工程)図1(d)に示すように、
第3の工程で形成された金属膜16のパターニングを行
う。
【0149】パターニングの方法としては、金属膜16
上にポジ型のレジストをスピンコートにより約2μmの
厚みで塗布した後、80℃でプリベークを行い、その後
フォトマスクを介して紫外線照射を行う。その後、現像
処理と120℃でポストベークとを行うことにより、金
属膜16上に配線形状を有するレジストパターンを形成
する。このレジストパターンが形成された金属膜基板を
エッチング液に浸漬することによりレジストに覆われて
いない部分の金属膜16をエッチングする。
【0150】最後にレジスト剥離液を用いてレジストを
除去することにより金属配線パターンを形成することが
できる。
【0151】〔実施例2〕実施例2では、実施の形態2
にて説明した金属配線を形成する方法について具体的に
説明を行う。
【0152】(第1の工程)まず、図2(a)に示すよ
うに、ガラスからなる絶縁基板10の表面に、ゾルゲル
法を用いてSiO2 からなる非導電性酸化膜12を形成
する。
【0153】商品名「#1737(コーニング社製)」
のガラス基板からなる絶縁基板10上に、ゾルゲル法に
よりSiO2 からなる非導電性酸化膜12を成膜する。
このゾルゲル溶液はアルコールにより適当な粘性に希釈
し、スピンコートによって約0.2μmの厚みで塗布す
る。そして150℃で乾燥させた後、500℃で焼成を
行う。これにより、約0.1μmの厚みの多孔質のSi
2 からなる非導電性酸化膜12が完成する。
【0154】(第2の工程)第2の工程では、図2
(b)に示すように、感光性めっき触媒18を塗布す
る。
【0155】感光性めっき触媒18として、パラジウム
アセチルアセトナートをクロロホルムに溶解したものを
用い、スピン法により成膜を行う。スピン法にて成膜を
行った場合、膜厚は約100Å以下である。その後、露
光の前のベークを行う。
【0156】(第3の工程)第3の工程では、図2
(c)に示すように、感光性パラジウム(Pd)めっき
触媒からなる感光性めっき触媒18をパターニングす
る。
【0157】感光性であるため、パターニングの方法と
しては、所望のパターンのマスクを用いてステッパー等
の露光機により露光を行い、その後、現像、ベークを行
うことによりパターンを形成する。
【0158】めっき触媒をパターニングする具体的な方
法としては、感光性触媒をスピン法により塗布し、その
後、プリベークを行う。そして、配線形状に対応したパ
ターンで露光を行う。露光を行うことにより露光を行っ
た領域のみに下地膜上に金属パラジウム(Pd)が析出
する。
【0159】その後、露光されなかった領域の感光性め
っき触媒18を例えばクロロホルム等の有機溶剤を用い
て洗い流し、ポストベークを行うことにより、パラジウ
ム(Pd)パターンが形成される。なお、本実施例では
溶媒としてクロロホルムを用いているので有機溶剤とし
てクロロホルムを用いている。
【0160】(第4の工程)図2(d)に示すように、
第3の工程で得られた感光性パラジウム(Pd)触媒か
らなる感光性めっき触媒18のパターン上に、実施例1
の第3の工程と同様の方法により、めっきを用いて金属
膜16を成膜する。
【0161】〔実施例3〕実施例3では、実施の形態1
にて説明した非導電性酸化膜12を液相析出法により形
成する方法について具体的に説明を行う。
【0162】(第1の工程)まず、図2(a)に示すよ
うに、第1の工程として、商品名「#1737(コーニ
ング社製)」のガラス基板からなる絶縁基板10上に、
液相析出法によりSiO2 からなる非導電性酸化膜12
を成膜する。
【0163】(第2の工程)次に、図2(b)に示すよ
うに、第2の工程として、前記実施例2と同様の方法に
より、感光性パラジウム(Pd)触媒膜からなる感光性
めっき触媒18を形成する。
【0164】(第3の工程)次に、図2(c)に示すよ
うに、第3の工程として、前記実施例2と同様の方法に
より、第2の工程で作製された感光性パラジウム(P
d)触媒からなる感光性めっき触媒18のパターニング
を行う。
【0165】(第4の工程)次に、図2(d)に示すよ
うに、第4の工程として、SiO2 からなる非導電性酸
化膜12上にめっきにより金属膜16を形成する。めっ
き膜の成膜方法は、前記実施例1と同様である。
【0166】〔実施例4〕実施例4では、実施の形態1
にて説明した非導電性酸化膜12を水溶液中での化学析
出法により形成する方法について具体的に説明を行う。
【0167】(第1の工程)まず、図2(a)に示すよ
うに、第1の工程として、商品名「#1737(コーニ
ング社製)のガラス基板からなる絶縁基板10上に、化
学析出法により酸化亜鉛(ZnO)からなる非導電性酸
化膜12を成膜する。
【0168】具体的には、二水和塩化スズ(SnCl2
・2H2 O)を1g/dm3 、37%塩酸(HCl)を
1.0mL/dm3 の比率で溶解したセンシタイザー溶
液に、上記基板を浸漬させて、まずスズ(Sn)イオン
を吸着させる。
【0169】次に、その基板を、塩化パラジウム(Pd
Cl2 )を0.1g/dm3 、37%塩酸(HCl)を
1.0mL/dm3 の比率で溶解したアクティベーター
溶液に浸漬させて、スズ(Sn)イオンをパラジウム
(Pd)イオンに置換させることにより、パラジウム
(Pd)触媒を付与することができる。
【0170】このパラジウム(Pd)付与工程の条件
は、上述に限定されるものではなく、センシタイザー−
アクティベーター方式以外にも、キャタリスト−アクセ
レーター方式でも構わない。
【0171】また、特開2000−336486号公報
に開示されているように、スズ(Sn)イオンを銀(A
g)イオンとパラジウム(Pd)イオンとに置換させ
て、触媒核を高密度に付与するセンシタイザー−アクテ
ィベーター方法も好適に用いることができる。
【0172】次に、パラジウム(Pd)触媒が付与され
た上述の基板に、酸化物半導体として酸化亜鉛(Zn
O)からなる膜を水溶液中で成膜する。
【0173】具体的には、硝酸亜鉛(Zn(N
3 2 )を0.05mol/Lに溶解した水溶液に、
還元剤としてジメチルアミンボラン(DAMB)を0.
1mol/Lの濃度で添加し、pHを約6.5に調整し
た水溶液を作製する。そして、該水溶液を70〜80℃
に保温しながら撹拌させた状態で、上述の触媒付き基板
を浸漬させる。
【0174】これにより、触媒が付与され基板表面にの
み、酸化亜鉛(ZnO)の膜が析出する。これは、例え
ば、J. Electrochem. Soc., Vol. 144, No.1, p. L3, 1
997に記載されている周知の方法を利用したものであ
り、化学反応の詳細説明については割愛する。
【0175】ところで、この方法によって析出する酸化
亜鉛膜は、触媒を核にして酸化亜鉛(ZnO)の結晶成
長が始まるため、析出初期段階では結晶の成長方向がラ
ンダムであり、微細な凹凸が多数存在する表面状態の膜
になる。
【0176】(第2の工程)次に、図2(b)に示すよ
うに、第2の工程として、前記実施例2と同様の方法に
より、感光性パラジウム(Pd)触媒膜からなる感光性
めっき触媒18を形成する。
【0177】(第3の工程)次に、図2(c)に示すよ
うに、第3の工程として、前記実施例2と同様の方法に
より、第2の工程で作製された感光性パラジウム(P
d)触媒からなる感光性めっき触媒18のパターニング
を行う。
【0178】(第4の工程)次に、図2(d)に示すよ
うに、第4の工程として、酸化亜鉛(ZnO)からなる
非導電性酸化膜12上に、めっきにより金属膜16を形
成する。めっき膜の成膜方法は、前記実施例1と同様で
ある。
【0179】このようにして得られたZnO膜は、ゾル
ゲル法で得られたSiO2 膜に比べると、アンカー効果
を得る上で最適な凹凸が多数存在することにより、その
上に形成される金属膜の密着性がより向上するといった
効果を得ることができる。
【0180】これら実施例1ないし実施例4の金属配線
の製造方法によって、金属配線をめっき法にて形成する
場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共
に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属
配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、また
は、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上
昇を回避し得ることが確認できた。
【0181】
【発明の効果】本発明の金属配線の製造方法は、以上の
ように、絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電性酸
化膜を形成する第1の工程と、上記非導電性酸化膜上に
めっき触媒を付与する第2の工程と、上記めっき触媒の
上にめっき法によって金属膜を形成する第3の工程と、
上記金属膜を配線形状にパターニングする第4の工程と
により形成される方法である。
【0182】それゆえ、金属膜の下地膜となる非導電性
酸化膜を湿式成膜技術にて絶縁基板全体に形成するの
で、当該非導電性酸化膜にはパターンエッジという特異
点がなくなり、パターンエッジの存在による剥がれの発
生を防止することができる。
【0183】また、金属膜の下地のパターニングプロセ
スを省くことが可能になるので、工程の単純化が可能に
なる。
【0184】さらに、めっき触媒が付与された層は薄い
ので、金属配線の上側に形成される他の配線の乗り越え
による当該他の配線の断線がなくなる。
【0185】また、金属膜の下地膜として非導電性酸化
膜を使用していることから、電流のリーク、および他の
上部の金属配線と下地膜との間での容量の形成もなく悪
影響を及ぼさない。
【0186】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が絶縁基板から剥がれることを防止す
ると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避し
て金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し
得る金属配線の製造方法を提供することができるという
効果を奏する。
【0187】また、本発明の金属配線の製造方法は、以
上のように、絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電
性酸化膜を形成する第1の工程と、上記酸化膜上に感光
性めっき触媒を付与する第2の工程と、上記感光性めっ
き触媒を配線形状にパターニングする第3の工程と、上
記配線形状にパターニングされた感光性めっき触媒の上
にめっき法によって選択的に金属膜を形成する第4の工
程とを有する方法である。
【0188】それゆえ、めっき触媒付与の工程におい
て、感光性めっき触媒を利用していることから、エッチ
ング工程が必要なくなることにより工程の簡略化にな
る。また、触媒付与面に選択的に金属膜を形成すること
が可能であり、金属材料低減、およびエッチング装置の
不要化によるコスト削減が可能になる。
【0189】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると
共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金
属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得る
と共に、加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇
を回避し得る金属配線の製造方法を提供することができ
るという効果を奏する。
【0190】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜
形成の工程に用いられる湿式成膜技術がゾルゲル法であ
ることを特徴とする方法である。
【0191】それゆえ、ゾルゲル法では、真空装置によ
って成膜された酸化膜と比較すると、微細な孔が網目状
に存在するポーラスな酸化膜を形成することが可能であ
る。
【0192】したがって、ゾルゲル法によって得られた
酸化膜上に、非常に密着性のよいめっき膜を得ることが
できる。これにより、従来困難であった無機絶縁膜上へ
の無電解銅(Cu)めっきも可能となるという効果を奏
する。
【0193】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜
形成の工程に用いられる湿式成膜技術が化学析出法また
は液相析出法のいずれか一方である方法である。
【0194】それゆえ、ガラス基板を水溶液に浸漬する
だけで酸化膜を形成することができるため、真空装置を
用いずに成膜することができ、安価になおかつ大面積成
膜にも容易に対応できる。また、化学析出法によって得
られた酸化膜は、基板上に付着させた金属触媒を核に結
晶粒が成長していくため、真空装置によって成膜された
酸化膜に比べると表面凸凹が激しい。したがって、化学
析出法によって得られた酸化膜上に、非常に密着性の良
いめっき膜を得ることができるという効果を奏する。
【0195】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜
が透明である方法である。
【0196】それゆえ、基板としてガラスを使用するよ
うな透過型表示素子全般に利用可能になるという効果を
奏する。
【0197】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記感光性めっき触
媒がパラジウム(Pd)を含有する方法である。
【0198】それゆえ、銅(Cu)、ニッケル(N
i)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)等
の様々な金属によるめっきが可能になるという効果を奏
する。
【0199】また、本発明の金属配線の製造方法は、上
記の金属配線の製造方法において、上記金属膜が、ニッ
ケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)を
主成分とし、そのいずれかの単層膜またはこれらの単層
膜を少なくとも1層を含む多層膜である方法である。
【0200】それゆえ、ニッケル(Ni)、銅(Cu)
共に感光性めっき触媒上に、密着性良く成膜することが
でき、さらに選択的に無電解めっきを行うこともでき
る。また、銅(Cu)や金(Au)は、低抵抗な金属配
線を実現することができる。特に感光性めっき触媒上に
ニッケル(Ni)を成膜し、さらにその上に銅(C
u)、金(Au)、銅(Cu)/金(Au)等の膜を成
膜すれば、密着性良く低抵抗な金属配線を実現すること
が可能になる。また、バリアメタルに囲まれた銅(C
u)配線の形成が可能になるという効果を奏する。
【0201】また、本発明の金属配線基板は、以上のよ
うに、上記発明のいずれか1つに記載された金属配線の
製造方法により作製されたものである。
【0202】それゆえ、上記の発明の金属配線基板は、
上記いずれか1つの金属配線の製造方法に記載の効果と
同様の効果を奏する。
【0203】したがって、金属配線をめっき法にて形成
する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると
共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金
属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、さ
らに、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの
上昇を回避し得る金属配線基板を提供することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明における金属配線の製
造方法の実施の一形態を示すものであり、各工程を示す
断面図である。
【図2】(a)〜(d)は本発明における金属配線の製
造方法の他の実施の一形態を示すものであり、各工程を
示す断面図である。
【図3】上記金属配線をLCD用のアクティブマトリク
ス基板のゲート配線に用いた場合の、アクティブマトリ
クス基板の断面図である。
【符号の説明】
10 絶縁基板 12 非導電性酸化膜 14 めっき触媒 16 金属膜 18 感光性めっき触媒 20 ゲート配線 21 ゲート電極 22 ゲート絶縁膜 24 TFT素子 26 ソース電極 28 ドレイン電極 30 絶縁保護膜 32 a−Si:H 34 n+型のa−Si:H
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 18/44 C23C 18/44 H01L 21/3205 G02F 1/1343 29/786 H01L 21/88 B // G02F 1/1343 29/78 617J 617M Fターム(参考) 2H092 GA24 GA25 HA06 HA28 MA11 4K022 AA04 BA01 BA03 BA08 BA14 BA31 BA36 CA07 DA03 DB06 4M104 AA01 AA08 AA09 AA10 BB05 BB07 BB08 BB16 BB17 BB36 BB40 CC01 CC05 DD22 DD52 DD53 DD64 EE03 EE16 EE17 FF13 FF16 FF17 GG09 HH09 HH16 5F033 GG03 GG04 HH07 HH08 HH11 HH13 HH14 HH15 HH20 HH21 HH38 LL04 MM05 MM08 MM13 PP27 PP28 QQ08 QQ19 RR04 RR06 RR09 RR23 RR25 RR29 SS00 SS21 SS22 VV06 VV15 XX10 XX14 XX33 XX34 5F110 AA16 BB01 CC07 DD02 DD13 EE02 EE04 EE07 EE14 EE41 FF03 GG02 GG04 GG15 GG41 HK04 HK09 HK16 HK21 NN01 NN24 NN27 NN72

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電
    性酸化膜を形成する第1の工程と、 上記非導電性酸化膜上にめっき触媒を付与する第2の工
    程と、 上記めっき触媒の上にめっき法によって金属膜を形成す
    る第3の工程と、 上記金属膜を配線形状にパターニングする第4の工程と
    により形成されることを特徴とする金属配線の製造方
    法。
  2. 【請求項2】絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電
    性酸化膜を形成する第1の工程と、 上記非導電性酸化膜上に感光性めっき触媒を付与する第
    2の工程と、 上記感光性めっき触媒を配線形状にパターニングする第
    3の工程と、 上記配線形状にパターニングされた感光性めっき触媒の
    上にめっき法によって選択的に金属膜を形成する第4の
    工程とにより形成されることを特徴とする金属配線の製
    造方法。
  3. 【請求項3】第1の工程の湿式成膜技術は、ゾルゲル法
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属
    配線の製造方法。
  4. 【請求項4】第1の工程の湿式成膜技術は、化学析出法
    または液相析出法であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の金属配線の製造方法。
  5. 【請求項5】非導電性酸化膜は、透明であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の金属配線の製造方法。
  6. 【請求項6】感光性めっき触媒は、パラジウム(Pd)
    を含有することを特徴とする請求項2に記載の金属配線
    の製造方法。
  7. 【請求項7】金属膜は、ニッケル(Ni)、銅(C
    u)、金(Au)、銀(Ag)を主成分とし、そのいず
    れかの単層膜、またはこれらの単層膜の少なくとも1層
    を含む多層膜であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の金属配線の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載された
    金属配線の製造方法を用いて製造されたことを特徴とす
    る金属配線基板。
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