JP2003044139A - 無人搬送車システム - Google Patents

無人搬送車システム

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JP2003044139A
JP2003044139A JP2001229315A JP2001229315A JP2003044139A JP 2003044139 A JP2003044139 A JP 2003044139A JP 2001229315 A JP2001229315 A JP 2001229315A JP 2001229315 A JP2001229315 A JP 2001229315A JP 2003044139 A JP2003044139 A JP 2003044139A
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Japan
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signal
reception
section
guided vehicle
vehicle
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JP2001229315A
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Homare Komoto
誉 幸本
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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  • Platform Screen Doors And Railroad Systems (AREA)
  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合流部5を含んでいる軌道2・3上を複数の
無人搬送車10が走行する無人搬送車システムにおい
て、いかなるタイミングで無人搬送車10が合流部5に
進入しようとしたとしても、両軌道2・3の無人搬送車
10・10同士が適切に通信を行って、一方の搬送車1
0を合流部5へ優先して先行させるようにする。 【解決手段】 各無人搬送車10は他の無人搬送車10
と通信するための送受信手段を備え、また、各無人搬送
車10には、以下の制御を行う制御手段が備えられてい
る。(1)無人搬送車10が前記合流部5の上流側の位
置に至ったときに、該無人搬送車10がいずれの軌道2
・3を走行中であるかに基づいて、前記送受信手段を用
いて信号の送信を行うのか、前記送受信手段による信号
の受信待機を信号の送信に優先させるのかを選択する。
(2)前記送受信手段を用いた信号の送受信の結果に基
づいて、該無人搬送車10を停止させ、又は走行を継続
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軌道が合流部を含
んだ無人搬送車システムにおける、該合流部での衝突回
避制御(合流制御)の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、合流部を含んだ軌道上を複数
の無人搬送車が自動で走行する無人搬送車システムにお
いて、別々の軌道上を走行する無人搬送車同士が合流部
で衝突するのを防止すべく、該搬送車間で信号の通信を
行うことによって停止するか進行するかを判断する制御
を行うように構成したものが公知とされている。
【0003】具体的には、前記合流部を含んだ合流制御
区間を予め設定しておき、該合流制御区間に先に進入し
た無人搬送車は走行を継続して、該合流制御区間を抜け
るまで適宜の信号を送信するように、また、無人搬送車
がその信号を受信した場合はその信号が受信されなくな
るまで停止するように制御する方法が知られている。こ
のようにすれば、先に合流制御区間に進入した無人搬送
車は信号を発信しながら走行する一方、後続側の無人搬
送車はその信号を受信して停止するから、合流部での搬
送車同士の衝突は避けられることになる。後続側の搬送
車は、信号が受信されなくなった後に走行を再開し、先
行側の搬送車に続いて走行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の無人搬
送車システムは、先に合流制御区間に入った方が信号を
送信し、他方が信号を受信するというように、合流制御
区間への進入タイミングに基づいて信号の送信/受信の
役割分担を定めるため、両軌道の無人搬送車が前記合流
制御区間にまったく同時に進入した場合には、両搬送車
が同時に信号を発信することになって、両搬送車が互い
の信号を受信してともに停止してしまうという不具合が
あったのである。また、複数の合流部が一ヶ所に集中し
ているような軌道レイアウトの場合、制御が複雑になっ
てしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0006】即ち、請求項1においては、第一の軌道
と、第二の軌道と、前記第一の軌道と前記第二の軌道と
が合流する合流部と、を含んでいる走行経路を備え、該
走行経路上を複数の無人搬送車が走行する無人搬送車シ
ステムにおいて、各無人搬送車は、他の無人搬送車と通
信するための送受信手段を備え、また、各無人搬送車に
は、以下の制御を行う制御手段が備えられているもので
ある。(1)無人搬送車が前記合流部の上流側の位置に
至ったときに、該無人搬送車が第一・第二いずれの軌道
を走行中であるかに基づいて、前記送受信手段を用いて
信号の送信を行うのか、前記送受信手段による信号の受
信待機を信号の送信に優先させるのかを選択する。
(2)前記送受信手段を用いた信号の送受信の結果に基
づいて、該無人搬送車を停止させ、あるいは走行を継続
する。
【0007】請求項2においては、前記の各無人搬送車
には走行経路図が記憶されており、該走行経路図には、
前記の第一・第二の各軌道に対応させて、前記送受信手
段を用いて信号の送信を行うのか、前記送受信手段によ
る信号の受信待機を信号の送信に優先させるのか、の情
報が記録されているものである。
【0008】請求項3においては、前記第一・第二の各
軌道には前記合流部の上流側の位置にマーカを配設する
とともに、走行する無人搬送車が前記マーカを検知する
と、前記制御手段は、以下の三つのモードから一のモー
ドを選択して該無人搬送車を制御するものである。a)
前記送受信手段に信号を反復して送信させ、送信の合間
に信号の受信待機を行わせる、第一のモード。b)前記
送受信手段に受信待機を行わせ、信号の受信があったと
きには対応して信号の送信を行わせる、第二のモード。
c)前記送受信手段に受信待機を行わせ、信号の送信は
行わせない、第三のモード。
【0009】請求項4においては、前記合流部を含む区
間を予め設定するとともに、前記二つの軌道のうち一の
軌道を走行する無人搬送車は、マーカを検出すると前記
第三のモードとされるとともに、前記区間に入る前に前
記第一のモードに切り換えられ、他の軌道を走行する無
人搬送車は、マーカを検出すると前記第三のモードとさ
れるとともに、前記区間に入ると同時に前記第二のモー
ドに切り換えられるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明の無人搬送車システムを示した概略
図、図2は搬送車の進路選択の様子を説明する図であ
る。
【0011】図1に示す無人搬送車システムの軌道は、
ループ状の主軌道(第一の軌道)2と、主軌道2から内
側に分岐して再び該主軌道2に合流する副軌道(第二の
軌道)3と、によりなる。無人搬送車10は該軌道2・
3に沿って、図1の太線矢印に示す方向に一方に走行す
るように構成している。複数のステーション6・6・・
・が主軌道2に沿って配置され、無人搬送車10は、該
ステーション6において荷物を積み出し、あるいは該ス
テーション6に荷物を降ろすように構成している。
【0012】主軌道2から副軌道3へ分岐する部分(以
下「分岐部」という。)4において、無人搬送車の進路
の選択は、搬送車10に設けられる進路選択装置により
行われる。即ち、図2に示すように、該分岐部4におい
ては、主軌道2に沿う溝9aと、副軌道3に沿う溝9b
とが設けられる一方、前記進路選択装置は、搬送車10
に具備される左右対のガイド輪11a・11bを有して
いる。
【0013】該進路選択装置は、搬送車10を主軌道2
へ向けて走行させる場合は、左側のガイド輪11aを突
出させて溝9aに係合させる一方、右側ガイド輪11b
は搬送車に没入させることで、搬送車10を溝9aに沿
って主軌道2へ導く。一方、搬送車10を副軌道3へ向
けて走行させる場合は、該進路選択装置は、右側のガイ
ド輪11bを突出させて溝9bに係合させる一方、左側
ガイド輪11aは搬送車に没入させるようにする。これ
により搬送車10は溝9bに沿って副軌道3へ導かれ
る。
【0014】このように、ガイド輪11a・11bのう
ち左右一方を軌道に向けて突出させ、他方を没入させる
ようにすることで、搬送車10を主軌道2又は副軌道3
へ択一的に方向付けることができるようにしている。こ
の進路選択装置の進路選択制御は、後述するホストコン
トローラからの搬送指令、及び、該搬送車10に配設さ
れるコントローラ(制御手段)内部に記憶される走行経
路図に基づいて行われる。図2には搬送車を副軌道3側
に導く場合が示されており、この場合は図2に示す如
く、進路選択装置は搬送車10の進行方向右側のガイド
輪11bを突出させて、副軌道3側の溝9bに係合させ
ている。
【0015】主軌道2・副軌道3には図1に示すよう
に、銅線などの導電線を絶縁材料で被覆した給電線8・
8と、フィーダ線を用いた通信線とが架設されている。
給電線8・8には主電源装置7から高周波の電流が流さ
れており、該給電線8・8回りに生じる磁界によって誘
導起電流が発生する。該誘導起電流を、前記搬送車10
に固定された受電ユニット12で取り出して増幅し、電
流を所定の電圧に変換して、整流・平滑の後、搬送車1
0の制御機器や走行用モータ等へ給電するように構成し
ている。
【0016】通信線はホストコントローラに接続され、
また、搬送車10には該通信線と送受信を行う通信機が
搭載されている。各搬送車10の制御装置(制御手段)
は、該ホストコントローラからの搬送指令(あるステー
ション6から荷物を積載し、他のステーション6に搬送
せよ、という指令)に基づき、目的のステーションへ自
動走行し、指令どおりの搬送を行う。なお、車体前部に
は図示しない衝突検知センサが設けられ、同じ軌道にお
いて前方を走行する搬送車を該衝突検知センサで検知し
た場合には、後続側の搬送車を停止させるようにして、
追突を防止している。
【0017】また、主軌道2や副軌道3の走行経路に沿
ってマーカ14・14・・・が複数箇所に配設されてお
り、該マーカ14は、タイミングバーと、固有の位置情
報が記録されるバーコードとにより構成される。一方、
搬送車10はタイミングバーを検出する適宜のセンサ
と、バーコードリーダを備えている(いずれも図略)。
マーカ14を通過する搬送車10は、タイミングバーの
始端をセンサで検出することでバーコードリーダを起動
し、タイミングバーの中途部位置に配設されるバーコー
ドの位置情報を該バーコードリーダで読み取ることで、
自らの現在位置を判断する。
【0018】搬送車10のコントローラに記憶されてい
る前記走行経路図には、あるマーカ14からあるマーカ
14までの特定区間を通過する際の走行速度の情報が、
予めテーブル形式で格納されている。搬送車10内部の
制御装置は、前記バーコードリーダで読み取った位置情
報と、該走行経路図に基づき、直線区間は高速走行する
一方で、カーブ区間は減速して走行する等の制御を行
う。また、特定のステーション6で停止する場合は対応
するマーカ14を検出したときに減速・停止制御を行わ
せるとか、分岐部4のすぐ手前のマーカ14を通過した
ら前記の搬送指令に基づいて進路選択制御を行わせると
か、合流部5の手前のマーカを検知したら後述する衝突
回避制御を行わせるとか、等の様々な制御情報が該走行
経路図に併せて記憶されており、制御装置はこの走行経
路図に基づいて、対応する様々な制御を行うようになっ
ている。
【0019】次に、本発明における衝突回避制御につい
て説明する。図3は合流部へ向かう二台の搬送車の様子
を示した図である。
【0020】即ち、主軌道2と副軌道3との合流部5に
おいては図3に示すように、それぞれの軌道2・3を走
行中の搬送車10・10が互いに衝突してしまうおそれ
がある。このような場合に対処すべく、各搬送車10に
は前後左右の四隅に光送受信モジュール13をそれぞれ
備えさせるとともに、該合流部5に差し掛かったとき
は、四隅の該光送受信モジュール13のうちの一つを用
いて搬送車10同士の通信を行わせ、その結果に基づい
て一方の搬送車10が事前に停止するようにして、衝突
を回避させているのである。この制御の詳細を以下に説
明する。
【0021】まず、前記軌道2・3に設定される合流制
御区間について、図3及び図4を参照して説明する。図
4は合流制御区間の各ルートにおける制御ルールを説明
した図である。
【0022】この合流制御区間は、両軌道2・3の合流
部5を含んで予め設定されている適宜な区間であって、
本実施例では図3に示すように、マーカ14aからマー
カ14cまでの間、及び、マーカ14bからマーカ14
cまでの間が、合流制御区間として設定されている。こ
の合流制御区間の情報は前記走行経路図の一部として各
搬送車10の制御装置に記憶されており、主軌道2上の
搬送車10はマーカ14aを通過して読み取った位置情
報を、また、副軌道3上の搬送車10はマーカ14bを
通過して読み取った位置情報を、それぞれ前記走行経路
図に参照することで、合流制御区間に入ったことを認識
し、本発明の合流制御を開始する。そしていずれの搬送
車10・10も、合流部5より下流側のマーカ14cを
通過して検知することで、合流制御区間から出たことを
認識し、合流制御を終了することになる。
【0023】次に、前記主軌道2及び副軌道3に割り振
られる、送信優先側ルート及び受信優先側ルートについ
て説明する。この二つのルートは、合流制御区間内にお
ける搬送車10の通信モード(後述)を決定するために
予め設定されているものであり、合流部5に合流する一
方の軌道が送信優先側ルートに設定されたら、他方の軌
道は必ず受信優先側ルートになるように、一対で割り当
てられるものである。
【0024】本実施例では図4に示すように、主軌道2
が送信優先側ルートに、副軌道3が受信優先側ルート
に、それぞれ割り当てられている。ただし、どちらを割
り当てるかは任意であって、逆に割り当てることも差し
支えない。
【0025】本発明の制御では、送信優先側ルートを走
行する搬送車は、専ら信号の送信を行わせるようにし、
信号の送信の合間に信号の受信待機を行わせるようにし
ている。一方、受信優先側ルートを走行する搬送車は、
専ら信号の受信待機を行わせ、信号が受信された場合に
信号の返信を行わせるようにしている。この制御の詳細
は後述する。
【0026】送信優先側ルート又は受信優先側ルートの
いずれのルートが割り当てられているかの情報は、前記
走行経路図の一部として各搬送車10のコントローラに
記憶されている。即ち、マーカ14aは送信優先側ルー
トであり、マーカ14bは受信優先側ルートであるとい
うように、各マーカ14a・14b(言い換えれば、各
軌道2・3)に対応させて、送信優先側ルートか受信優
先側ルートかの情報が記録されている。従って、主軌道
2上の台車10はマーカ14aを検知したときに、合流
制御区間に入ったことを認識し、同時に自分が送信優先
側ルートを走行していることを認識する。一方、副軌道
3上の台車10はマーカ14bを検知したときに、合流
制御区間に入ったことを認識し、同時に自分が受信優先
側ルートを走行していることを認識することになる。
【0027】次に、搬送車10が他の搬送車10と通信
する際にとり得る通信モードについて説明する。搬送車
10がとり得る通信モードは、「送信優先」モードと、
「受信優先」モードと、「受信のみ」モードの三つであ
る。なお、以下の説明において、「他側のルート」と
は、受信優先側ルートを走行中の搬送車の場合は送信優
先側ルートを、送信優先側ルートを走行中の搬送車の場
合は受信優先側ルートを、それぞれ意味する。
【0028】第一のモードたる「送信優先」モードは、
自分が「送信優先」モードである旨の信号(以下「送信
優先信号」と称する。)を等間隔をおいて反復して送信
し、その信号送信の合間に信号の受信待機を行うモード
である。この「送信優先」モードは、送信優先側ルート
を走行中の搬送車のみがとり得るモードである。第二の
モードたる「受信優先」モードは、専ら信号の受信待機
を行うが、他側のルートから前記送信優先信号が受信さ
れた場合は、それに対して、自分が「受信優先」モード
である旨の信号(以下「受信優先信号」と称する。)を
発信するモードである。この「受信優先」モードは、受
信優先側ルートを走行中の搬送車のみがとり得るモード
であって、信号の受信待機を信号の送信に優先させるモ
ードである。第三のモードたる「受信のみ」モードは、
信号の受信待機のみを行い、信号の送信は行わない。後
述するように、受信優先側・送信優先側いずれのルート
を走行する搬送車10も、合流制御区間に進入した直後
は、この「受信のみ」モードとされる。
【0029】次に、前記合流制御区間を構成する三つの
区間について、図4を参照しながら説明する。即ち、前
記合流制御区間は(送信優先側・受信優先側のいずれの
ルートにおいても)、該制御区間に進入した直後の「判
断1」区間と、該「判断1」区間より下流側の「判断
2」区間と、残りの「実行」区間と、の三つの区間に分
けられている。合流制御区間に進入した搬送車10は、
走行するに従って「判断1」→「判断2」→「実行」の
順に三つの区間を通過することになる。
【0030】なお、図4では区間での制御をも併せて説
明するために概略図としているが、本実施例での実際の
区間は図5に示すように設定されており、「判断1」区
間は前記マーカ14のバーコード15を搬送車10のバ
ーコードリーダが検出してから、該搬送車10のセンサ
がタイミングバー16の終端を検出するまでの区間に設
定され、「判断2」区間は前記タイミングバー16の終
端を検出してから0.5秒が経過するまでに設定され、
「実行」区間は前記タイミングバー16の終端を検出の
0.5秒経過してから合流制御区間が終了するまでに設
定される。
【0031】即ち、搬送車10は、各マーカ14a・1
4bに含まれるタイミングバー16の終端を検知する
と、「判断1」から「判断2」へ区間を移行するように
構成しており、区間の移行のきっかけとしてタイミング
バー16を利用していることになる。後述するように送
信優先側ルートでは、搬送車10が「判断1」から「判
断2」への区間へ移行すると同時にモードの切換がされ
るので、本実施例では、モードの切換のためにタイミン
グバー16を利用していることになる。「判断2」から
「実行」への区間の移行のきっかけは、制御装置内のタ
イマ回路によって行う。即ち、前記タイミングバー16
の終端が検出されるとタイマ回路がカウントを開始し、
カウント値が0.5秒になると「実行」区間へ移行す
る。
【0032】「実行」区間は実際の合流部5を含んでお
り、この合流部5にいったん入った搬送車10は、非常
停止のような特別の場合を除き、合流制御区間を抜ける
まで停車せず走行を継続するように制御される。従っ
て、ある搬送車10が一方のルートにおいて「実行」区
間を走行しているときは、他方のルートの「実行」区間
に搬送車10が進入してはならないことになる。本実施
例における合流制御はこの要請を満たすよう行われる。
【0033】具体的には、実際の合流制御は、以下に列
挙するルールに従って行われる。このルールについて、
図4を参照しながら説明する。
【0034】『送信優先側ルート』(主軌道2)を走行
する搬送車10に適用される制御としては、以下のとお
りである。 ルール1;「判断1」区間では、「受信のみ」モードと
なり、信号の受信を待機しながら走行する。 ルール2;「判断2」区間では、「送信優先」モードと
なり、送信優先信号を断続的に送信しながら走行する。
その送信の合間に信号の受信の待機を行い、受信優先信
号が受信されたら、直ちに停止する。それ以外の場合は
停止しない。 ルール3;「実行」区間では、「送信優先」モードとな
り、送信優先信号を断続的に送信しながら、合流制御区
間を抜けるまで走行する。
【0035】『受信優先側ルート』(副軌道3)を走行
する搬送車10に適用される制御としては、以下のとお
りである。 ルール4;「判断1」区間では、「受信のみ」モードと
なり、信号の受信を待機しながら走行する。送信優先信
号が受信されたら、直ちに停止する。それ以外の場合は
停止しない。 ルール5;「判断2」区間では、「受信のみ」モードと
なり、信号の受信を待機しながら走行する。送信優先信
号が受信されたら、直ちに停止する。それ以外の場合は
停止しない。 ルール6;「実行」区間では、「受信優先」モードとな
り、信号の受信を待機しながら、合流制御区間を抜ける
まで走行する。走行中に送信優先信号が受信された場合
は、受信優先信号を発信する。
【0036】次に、以上に説明した制御によって、主軌
道2上及び副軌道3上をそれぞれ走行中の搬送車10・
10が合流部5に向かおうとするときに衝突がいかにし
て回避されるのか、具体的な様子を説明する。
【0037】〔主軌道2側の搬送車を先行させる場合〕
まず、主軌道2(送信優先側ルート)側の搬送車を先行
させる場合について、図6から図14までを参照しなが
ら説明する。図6から図14までの図面には、時間の経
過に沿った順に制御の進行が示されている。
【0038】図6に示すように、主軌道2(送信優先側
ルート)上を搬送車10aが、副軌道3(受信優先側ル
ート)上を搬送車10bが、それぞれ走行している場合
を考える。図6に示す状態では両搬送車10a・10b
はいずれも合流制御区間に進入していないが、この状態
から両搬送車10a・10bとも走行を続け、先に主軌
道2側の搬送車10aがマーカ14aを検知したとす
る。この検知した状態が図7に示され、搬送車10a
は、マーカ14aのバーコードから読み取った位置情報
を前記走行経路図に参照して調べて、自分が合流制御区
間に入ったこと、及び、自分が送信優先側ルート上を走
行していることを認識して、直ちに「判断1」区間に入
る。
【0039】「判断1」区間に入った搬送車10aは前
記ルール1に従って「受信のみ」モードとされ、信号の
受信を待機しながら走行することになる。ただし、この
場合は、他側のルートの搬送車10bが何ら信号を発信
しない状態であるため、搬送車10aが信号を受信する
ということは考えられない。なお、この場合において仮
に信号を受信するような場合は、装置の異常か、合流部
5が複数ある場合に他の合流部からの混信信号を受信し
たものと考えられるから、信号の種類に応じて搬送車1
0aを非常停止させたり、あるいは信号を無視してその
まま走行させたりする。
【0040】なお、受信待機は搬送車10aに備えられ
る光送受信モジュール13の状態を監視することにより
行うが、この制御では、前述のとおり四隅にそれぞれ備
えられる前記モジュール13のうち、図7に破線で図示
される、進行方向右前にあるものについてのみ信号の受
信があるか否かを調べるようにしている。これは、該搬
送車10aに対する信号発信源としての他側ルートの搬
送車10bが、進行方向右側に位置していることに対応
するものである。
【0041】次に送信優先側ルート上の搬送車10a
は、マーカ14aにおける前記タイミングバー16(図
5)の終端を検出して、図8に示すように「判断2」区
間に入る。この場合は、搬送車10aは前記ルール2に
従って「送信優先」モードとされて、送信優先信号を短
い間隔で繰り返し発信して、発信と発信の合間に受信待
機を行わせる。この場合も図7の場合と同様に、他側の
ルートの搬送車10bが何ら信号を発信しない状態であ
るため、搬送車10aが受信待機をしている間に信号を
受信するということは考えられない。逆に言えば搬送車
10aは、この「判断2」区間において送信優先信号を
発信したにもかかわらず信号(受信優先信号)を受信し
なかったことをもって、他側の副軌道3(受信優先側ル
ート)の「実行」区間に搬送車10bがいないことを確
認し、自分が「実行」区間に進入できると判断するので
ある。
【0042】図8に示すように、搬送車10aは四隅の
光送受信モジュール13のうち、進行方向右前のものを
用いて、信号の送信を行っている。これは、送信相手で
ある他側ルートの搬送車10bが、進行方向右側に位置
していることに対応するものである。このように、左右
四隅のモジュール13のうちいずれの位置のモジュール
を信号の送信(あるいは受信)に用いるかの情報は、走
行経路図に予め記録されている。というのは、両搬送車
10a・10bの位置関係は合流部に至るまでの軌道2
・3のレイアウトによって異なってくるため、両搬送車
10a・10bの送受信に最適な位置も異なってくるか
らである。両搬送車10a・10bは、前記マーカ14
a・14bを検知してその位置情報を前記走行経路図に
参照させることで、信号の送信及び受信にどの位置のモ
ジュール13を使用するかを決定する。
【0043】0.5秒の前記「判断2」区間が終わる
と、図9に示すように、搬送車10aは「実行」区間に
入る。この「実行」区間では搬送車10aは「送信優
先」モードとされ、送信優先信号を短い間隔で繰り返し
発信して、発信と発信の合間に受信待機を行わせる。こ
の場合も図7・図8と同様に、他側のルートの搬送車1
0bが何ら信号を発信しない状態であるため、搬送車1
0aが信号を受信するということは考えられない。「実
行」区間に入った搬送車10aは信号を発信しながらそ
のまま走行を続け、最終的には合流部5を通過し、合流
制御区間を抜けることになる。
【0044】そして、このように搬送車10aが「実
行」区間を走行している途中に、図10に示すように、
副軌道3(受信優先側ルート)上の搬送車10bがマー
カ14bを検知したとする。搬送車10bはマーカ14
bのバーコードの位置情報を検出して、前述の搬送車1
0aの場合と同様に、自分が合流制御区間に入ったこ
と、及び、自分が受信優先側ルート上を走行しているこ
とを認識し、直ちに「判断1」区間に入る。「判断1」
区間の搬送車10bは前記ルール4に従って「受信の
み」モードとされ、信号の受信待機を行う。この際、他
側の送信優先側ルート上の搬送車10aが送信優先信号
を発信しており、この送信優先信号が受信されることに
なるので、搬送車10bは前記ルール4に従って直ちに
停止する。これによって、「実行」区間に搬送車10b
が入ることが防止され、衝突が回避される。
【0045】なお、搬送車10bは、その前後左右四隅
のうち進行方向左側の二つの光送受信モジュールについ
て、信号の受信があるか否かを調べる。これは、信号の
送信側である搬送車10aが進行方向左側に位置してお
り、進行方向左側のモジュールを使用するのが適当だか
らである。図10において、搬送車10bはその進行方
向左側の前後の隅が黒塗りされて図示されているが、こ
れは、その位置にある前記光送受信モジュール13に、
他側ルートの搬送車10aからの送信優先信号が受信さ
れたことを示す。
【0046】搬送車10bは停止した状態においても受
信待機を続けており、送信優先信号が受信されている間
は停止状態を継続する(図11)。他側の送信優先側ル
ート上の搬送車10aは合流制御区間を抜けるまで送信
優先信号を発信し続けるので、結局、搬送車10bは、
他側のルート上の搬送車10aが合流制御区間を抜ける
まで、その場に停止してとどまっていることになる。図
12に示す如く、主軌道2側の搬送車10aがマーカ1
4cを検知した後は、該搬送車10aは合流制御区間を
抜けたことを認識し、送信優先信号の送信を停止する。
該信号が受信されなくなると、副軌道3側の搬送車10
bは走行を再開する。
【0047】次に搬送車10bは、図13に示すよう
に、マーカ14bにおけるタイミングバー16の終端を
検出して、「判断2」区間に入る。搬送車10bは前記
ルール5に従って「受信のみ」モードとされて、受信待
機を行う。他側のルート上の搬送車10aは合流制御区
間を既に抜けているので、送信優先信号が受信されるこ
とはないから、搬送車10bはそのまま走行を継続する
ことになる。
【0048】0.5秒の前記「判断2」区間が終わる
と、搬送車10bは図14に示すように、「実行」区間
に入る。この「実行」区間では搬送車10bは前記ルー
ル6に従って「受信優先」モードとされて、受信待機を
行わせる。もう他側のルート2上の搬送車10aが合流
制御区間を抜けているので、送信優先信号が受信される
ことはないから、搬送車10bは受信優先信号を発信す
ることもなく、そのまま走行を継続して、合流制御区間
を抜ける。
【0049】〔副軌道3側の搬送車を先行させる場合〕
続いて、副軌道3(受信優先側ルート)側の搬送車を先
行させる場合について、図15から図23までを参照し
ながら説明する。図15から図23までの図面には、時
間の経過に沿った順に制御の進行が示されている。
【0050】図15に示すように、副軌道3(受信優先
側ルート)側の搬送車10bが先にマーカ14bを検知
した場合を考える。該搬送車10bは、自分が合流制御
区間に入ったこと、及び、自分が送信優先側ルート上を
走行していることを認識して、直ちに「判断1」区間に
入る。「判断1」区間では搬送車10bはルール4に従
って「受信のみ」モードとされ、受信待機を行いながら
走行する。図15の場合は他側のルートの搬送車10a
が「送信優先」モードとなっておらず、送信優先信号は
受信されないので、搬送車10bの走行は継続される。
【0051】続いて図16に示すように、副軌道3側の
搬送車10bは「判断2」区間に入って、ここではルー
ル5に従って「受信のみ」モードとされ、同様に受信待
機を行いながら走行する。図16の場合も、他側のルー
トの搬送車10aが「送信優先」モードとなっておら
ず、送信優先信号は受信されないので、搬送車10bの
走行は継続される。
【0052】以上に示すように、搬送車10bは、この
「判断1」「判断2」区間を走行中に送信優先信号を受
信しなかったことをもって、他側の主軌道2(送信優先
側ルート)の「判断2」区間にも「実行」区間にも搬送
車10aがいないことを確認し、自分が「実行」区間に
進入できると判断するのである。
【0053】図17に示すように、副軌道3側の搬送車
10bは「実行」区間に入って、ここではルール6に従
って「受信優先」モードとされ、受信待機を行いながら
走行する。図17の状態では、他側のルートの搬送車1
0aが「送信優先」モードとなっておらず、送信優先信
号は受信されないので、搬送車10bが受信優先信号を
発信することもない。
【0054】この状態から図18に示すように、主軌道
2側の搬送車10aがマーカ14aを検知して「判断
1」区間に入ったとする。この搬送車10aはルール1
に従って「受信のみ」モードとされ、受信待機を行う。
ここで副軌道3側の搬送車10bを考えると、この搬送
車10bは「実行」区間にあるので、前述のルール6の
とおり「受信優先」モードとされて受信待機をし、送信
優先信号が受信されたらそれに応じて受信優先信号を発
信するよう制御される。しかし、主軌道2側の搬送車1
0aは「受信のみ」モードであり、受信待機のみで信号
の送信を行わないので、副軌道3側の搬送車10bは信
号を受信せず、従って、受信優先信号を発信することも
ない。結局、図18の状態では、両搬送車10a・10
bはともに走行を継続することになる。
【0055】そして図19のように、主軌道2側の搬送
車10aが「判断2」区間に入ると、該搬送車10aは
ルール2に従って「送信優先」モードとされ、反復的に
送信優先信号を発信し、その合間に受信待機をする。副
軌道3側の搬送車10bは「実行」区間にあって「受信
優先」モードとされているので、該搬送車10bは走行
しながら、搬送車10aからの送信優先信号に対し、返
信として受信優先信号を送信する。結局、図20のよう
に、搬送車10aは搬送車10bからの受信優先信号を
受信することになるので、前記ルール2に従って停止の
制御が行われることになる。
【0056】主軌道2側の搬送車10aは停止してから
も送信優先信号の発信を継続し、副軌道3側の搬送車1
0bは走行しつつ、送信優先信号の受信に対応して受信
優先信号を発信し、受信優先信号を受信した搬送車10
aは停止状態を継続する。このように信号のやり取りが
繰り返される結果、図21に示すように、主軌道2側の
搬送車10aは「判断2」の区間で停止したまま、副軌
道3側の搬送車10bを先行させることになる。なお、
前述の説明では「判断2」の区間は0.5秒間とされて
いるが、受信優先信号を受信して停止している状態で
は、搬送車10aは0.5秒を経過しても例外的に「実
行」区間に入らず、「判断2」区間のままとされる。従
って、主軌道2側の搬送車10aの停止状態は、副軌道
3側の搬送車10bが合流制御区間を抜けるまで継続さ
れる。
【0057】このように、送信優先側ルートの搬送車1
0aは、実際の合流部5を含む「実行」区間に入る前の
「判断2」区間の段階で「送信優先」モードとなって送
信優先信号を発信することで、「実行」区間に入る前に
停止制御することが可能になるのである。この制御によ
って、「実行」区間に両ルートの搬送車10a・10b
が進入しないことが確保されて、合流部5での衝突が確
実に回避されるのである。
【0058】図22に示すように、副軌道3側の搬送車
10bがマーカ14cを検知して合流制御区間を抜けた
ことを認識すると、前記「受信優先」モードが解除され
て、送信優先信号が受信されても受信優先信号を送信し
なくなる。搬送車10aは受信優先信号が受信されなく
なったことを認識して、停止状態を解除し、走行を再開
する。
【0059】搬送車10aは走行再開と同時に「実行」
区間に入る。「実行」区間ではルール3に基づいて「送
信優先」モードとされ、図23に示すように、送信優先
信号を反復して送信しながら合流制御区間を抜けるまで
走行する。
【0060】以上に説明した制御ルールを区間に着目し
て再度整理すると、以下のとおりとなる。即ち、『送信
優先側ルート』の搬送車は、自分が「判断2」区間にい
るときに、受信優先側ルートの「実行」区間に搬送車が
いるかどうかを、送信優先信号に対する返信優先信号の
返信が受信されたか否かで確認し、いる場合は停止す
る。いない場合は、自らが「実行」区間へ進入する。
『受信優先側ルート』の搬送車は、自分が「判断1」又
は「判断2」の区間にいるときに、送信優先側ルートの
「判断2」又は「実行」区間に搬送車がいるかどうか
を、送信優先信号が受信されたか否かで確認し、いる場
合は停止する。いない場合は、自らが「実行」区間へ進
入する。
【0061】このように示した制御では、両軌道2・3
の搬送車10a・10bがいかなるタイミングで合流制
御区間に進入した場合でも、一方が進行し他方が止まる
制御が適切に行われるのである。以下に、問題となりそ
うなタイミングで搬送車10a・10bが進入する二つ
の場合について取り上げ、その場合でも適切な制御が行
われることを説明する。図24は両ルートの搬送車がま
ったく同時に「判断2」区間に入る場合の制御を示した
図、図25は、送信優先側ルートの搬送車が「判断2」
区間に、受信優先側ルートの搬送車が「実行」区間に、
それぞれまったく同時に入る場合の制御を示した図であ
る。
【0062】最初に、図24に示すように、両搬送車1
0a・10bがまったく同時に「判断2」区間に入った
場合を考える。送信優先側ルートの搬送車10aが「送
信優先」モードとなって送信優先信号を発信し、受信優
先側ルートの搬送車10b(「受信のみ」モード)が信
号を受信して停止する。即ち、この場合は、送信優先側
ルートの搬送車10aが優先されるのである。また、こ
のように、「実行」区間の手前の「判断2」区間に両搬
送車10a・10bがまったく同時に入った段階で、一
方が進行し他方が止まる制御が行われることになる。従
って、その先の「実行」区間に両搬送車10a・10b
がまったく同時に進入するというような、両搬送車10
a・10bの衝突に繋がる望ましくない事態は防止され
るのである。
【0063】次に、図25に示すように、送信優先側ル
ートの搬送車10aが「判断2」区間に入るのとまった
く同時に、受信優先側ルートの搬送車10bが「実行」
区間に入った場合を考える。送信優先側ルートの搬送車
10aが「送信優先」モードとなって送信優先信号を発
信し、その信号を受信した受信優先側ルートの搬送車1
0b(「受信優先」モード)は受信優先信号を返信し
て、その受信優先信号を受信した送信優先側ルートの搬
送車10aが停止する。即ち、この場合は、受信優先側
ルートの搬送車10bが優先されるのである。
【0064】以上のように、信号の送信を行うのか、あ
るいは、信号の受信待機を信号の送信に優先させるの
か、といった、搬送車同士の信号の送受信の役割分担
が、合流制御区間へ進入するタイミングに関係なく、そ
の進行するルートが送信優先側か受信優先側かによって
両搬送車に割り振られるから、いかなるタイミングで搬
送車が進入したとしても、搬送車同士の信号のやり取り
が適切かつスムーズに行われ、合流制御が円滑に行われ
るのである。
【0065】次に、図26に示すような、複雑な軌道レ
イアウトでの制御を説明する。図26は合流部の複雑な
レイアウトの例を示した図、図27は制御装置に記憶さ
れる走行経路図に含まれる、選択される進路に対応させ
て制御を決定するための制御情報の例を示した図であ
る。
【0066】第一軌道21に対して直角をなして第二軌
道22が配置され、第一軌道21から90°湾曲状に分
岐した軌道23と、第二軌道22からU字状に180°
湾曲させながら分岐させた軌道24とが、合流部5をな
して合流している。また、第二軌道22から90°湾曲
状に分岐した軌道25と、前記第一軌道21とが、合流
部5’をなして合流している。
【0067】そして、第一軌道21の分岐部4手前の位
置で、搬送車10aが、第二軌道22の分岐部4’手前
の位置で、搬送車10bが、図26に示すようにそれぞ
れ走行している。このときに、両搬送車10a・10b
が分岐部4・4’においていずれも図26の(a)矢印
方向へ進路選択をするとき、合流部5においての衝突回
避が要請され、これを満たすべく前記の合流制御が必要
になる。また、両搬送車10a・10bが(b)矢印方
向へ進路選択をするとき、今度は合流部5’においての
衝突回避が要請されるので、合流制御が必要になる。
【0068】一方、一側の搬送車10が(a)の進路
を、他側の搬送車10が(b)の進路を選択するとき
は、両搬送車10・10の衝突はあり得ないので、前述
した合流制御の必要はない。仮にそのような合流制御を
行うとすれば、衝突するおそれもないのに不必要に搬送
車10が停止する事態を招いて、システムの搬送効率が
低下してしまうのである。
【0069】上述のような問題は、以下のように送信優
先側ルート/受信優先側ルートを割り振ることで、解決
することができる。即ち、図27に示すように、同じマ
ーカを検知しても、その選択する進路によって、送信優
先側ルートの制御を行うか、受信優先側ルートの制御を
行うかを変えるのである。即ち、本発明の合流制御で
は、送信優先側ルートと受信優先側ルートとの間でのみ
停止制御が行われるのであり、送信優先側ルート同士/
受信優先側ルート同士では停止制御が行われない。これ
を利用して、衝突する可能性のない進路選択の組み合わ
せでは送信優先側ルート同士または受信優先側ルート同
士となるように、衝突する可能性のある進路選択の組み
合わせでは一方が送信優先側ルートで他方が受信優先側
ルートとなるようにするのである。この図27のような
制御情報を予め設定しておき、前記走行経路図の一部と
して、各搬送車10のコントローラに記憶させるように
すればよい。
【0070】図26の場合で説明する。マーカ14aを
検知した搬送車10aの制御装置は、分岐部4での自分
の進路を判断し、(a)方向を選択する。次に、図27
の制御情報に基づいて、自分がいずれのルートの制御を
行うかを決定する。この場合はマーカが「14a」で、
進路が(a)であるから、送信優先側ルートに決定され
ることになる。また、マーカ14bを検知した搬送車1
0bの制御装置は、分岐部4’での自分の進路を(a)
方向に選択したとする。この場合はマーカが「14b」
で、進路が(b)であるから、受信優先側ルートに決定
されることになる。
【0071】こうして、搬送車10aは送信優先側ルー
トの制御が、搬送車10bは受信優先側ルートの制御が
それぞれなされて、両搬送車10a・10b間で適切な
合流制御が行われ、合流部5での衝突は回避される。
【0072】これが仮に、搬送車10aが進路を(b)
に決定し、搬送車10bが進路を(a)に決定した場合
は、両搬送車10a・10bが衝突することはあり得な
い。この場合、二台の搬送車10a・10bがともに受
信優先側ルートの制御がされることになるので、両搬送
車10a・10bは停止せず、そのまま走行を継続する
ことになるのである。
【0073】このように、進路選択により合流制御の必
要の有無が異なってくるような、分岐部4・4’と合流
部5・5’とが複雑に組み合わせられたレイアウトであ
っても、進路に応じて受信優先側ルート/送信優先側ル
ートを割り振ることで、適切な制御が行われるのであ
る。
【0074】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0075】即ち、請求項1に示す如く、第一の軌道
と、第二の軌道と、前記第一の軌道と前記第二の軌道と
が合流する合流部と、を含んでいる走行経路を備え、該
走行経路上を複数の無人搬送車が走行する無人搬送車シ
ステムにおいて、各無人搬送車は、他の無人搬送車と通
信するための送受信手段を備え、また、各無人搬送車に
は、(1)無人搬送車が前記合流部の上流側の位置に至
ったときに、該無人搬送車が第一・第二いずれの軌道を
走行中であるかに基づいて、前記送受信手段を用いて信
号の送信を行うのか、前記送受信手段による信号の受信
待機を信号の送信に優先させるのかを選択し、(2)前
記送受信手段を用いた信号の送受信の結果に基づいて、
該無人搬送車を停止させ、あるいは走行を継続するよう
に制御する、制御手段が備えられているので、搬送車の
信号の送信/受信の役割分担が走行する軌道に基づいて
割り振られるので、いかなるタイミングで無人搬送車1
0が合流部に進入しようとしたとしても、両軌道の無人
搬送車同士が適切に通信を行って、一側の軌道の搬送車
を合流部へ優先して先行させることができる。また、複
数の合流部が組み合わされたような複雑な軌道レイアウ
トであっても、走行する軌道に応じて信号の送信/受信
の役割分担を予め定めておくことで、合理的かつスムー
ズな制御を行わせることができる。
【0076】請求項2に示す如く、前記の各無人搬送車
には走行経路図が記憶されており、該走行経路図には、
前記の第一・第二の各軌道に対応させて、前記送受信手
段を用いて信号の送信を行うのか、前記送受信手段によ
る信号の受信待機を信号の送信に優先させるのか、の情
報が記録されているので、各無人搬送車の制御装置は記
憶されている走行経路図を参照することで、自分がいず
れの制御をすればよいのかを素早く判断し、制御を行う
ことができる。
【0077】請求項3に示す如く、前記第一・第二の各
軌道には前記合流部の上流側の位置にマーカを配設する
とともに、走行する無人搬送車が前記マーカを検知する
と、前記制御手段は、a)前記送受信手段に信号を反復
して送信させ、送信の合間に信号の受信待機を行わせ
る、第一のモード、b)前記送受信手段に受信待機を行
わせ、信号の受信があったときには対応して信号の送信
を行わせる、第二のモード、c)前記送受信手段に受信
待機を行わせ、信号の送信は行わせない、第三のモー
ド、の三つのモードから一のモードを選択して該無人搬
送車を制御するものであるので、送受信手段に複数のモ
ードが設けられているから、確実に合流制御を行うこと
ができる。
【0078】請求項4に示す如く、前記合流部を含む区
間を予め設定するとともに、前記二つの軌道のうち一の
軌道を走行する無人搬送車は、マーカを検出すると前記
第三のモードとされるとともに、前記区間に入る前に前
記第一のモードに切り換えられ、他の軌道を走行する無
人搬送車は、マーカを検出すると前記第三のモードとさ
れるとともに、前記区間に入ると同時に前記第二のモー
ドに切り換えられるので、その設定された区間(合流部
を含む区間)に入る「前に」、どちらかの軌道上の搬送
車が停止することが必ず確保されるのである。従って、
当該区間には一方の軌道の搬送車しか絶対に進入し得な
いことになるから、該区間を合流部を含ませて適正に設
定することによって、合流部での衝突が確実に回避され
る。即ち、前記一の軌道では、前記の区間に入る前に、
第一のモード(送信を優先して行わせるモード)に入る
ことになるから、送信の合間の受信待機時に信号が受信
されたことを条件として停止制御を行えば、前記区間に
入る前に停止することができる。一方、他の軌道におい
ては、区間に入る前の第三のモード(信号の受信待機を
行わせるモード)において信号が受信されたことを条件
として停止制御を行えば、前記区間に入る前に停止する
ことができる。従って、いずれの軌道においても、停止
する必要が生じた場合には、該区間に入る「前に」搬送
車が停止されることが必ず確保され、合流部での衝突が
確実に回避されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無人搬送車システムを示した概略図。
【図2】搬送車の進路選択の様子を説明する図。
【図3】合流部へ向かう二台の搬送車の様子を示した
図。
【図4】合流制御区間の各ルートにおける制御ルールを
説明した図。
【図5】三つの区間の実際の設定を示した図。
【図6】合流部へ向かう二台の搬送車の様子を示した
図。
【図7】送信優先側ルートの搬送車が先行し、「判断
1」区間に入った様子を示した図。
【図8】同じく「判断2」区間に入った様子を示す図。
【図9】同じく「実行」区間に入った様子を示す図。
【図10】受信優先側ルートの搬送車が「判断1」区間
に入り、信号を受信して停止する様子を示した図。
【図11】受信優先側ルートの搬送車が送信優先側ルー
トの搬送車を先行させる様子を示した図。
【図12】送信優先側ルートの搬送車が合流制御区間を
抜け、受信優先側ルートの搬送車が走行を再開する様子
を示した図。
【図13】受信優先側ルートの搬送車が「判断2」区間
に入った様子を示した図。
【図14】同じく「実行」区間に入り、合流部を進行す
る様子を示した図。
【図15】受信優先側ルートの搬送車が先行し、「判断
1」区間に入った様子を示した図。
【図16】同じく「判断2」区間に入った様子を示した
図。
【図17】同じく「実行」区間に入った様子を示した
図。
【図18】送信優先側ルートの搬送車が「判断1」区間
に入った様子を示した図。
【図19】同じく「判断2」区間に入って送信優先信号
を発信し、該信号を受信優先側ルートの搬送車が受信す
る様子を示した図。
【図20】図19で信号を受信した受信優先側ルートの
搬送車が受信優先信号を返信し、それを受信した送信優
先側ルートの搬送車が停止する様子を示した図。
【図21】送信優先側ルートの搬送車が、受信優先側ル
ートの搬送車を先行させる様子を示した図。
【図22】受信優先側ルートの搬送車が合流制御区間を
抜け、送信優先側ルートの搬送車が走行を再開する様子
を示した図。
【図23】送信優先側ルートの搬送車が「実行」区間に
入り、合流部を進行する様子を示した図。
【図24】両ルートの搬送車がまったく同時に「判断
2」区間に入る場合の制御を示した図。
【図25】送信優先側ルートの搬送車が「判断2」区間
に、受信湯銭側ルートの搬送車が「実行」区間に、それ
ぞれまったく同時に入る場合の制御を示した図。
【図26】合流部の複雑なレイアウトの例を示した図。
【図27】制御装置に記憶される走行経路図に含まれ
る、選択される進路に対応させて制御を決定するための
制御情報の例を示した図。
【符号の説明】
1 無人搬送車システム 2 主軌道(第一の軌道) 3 副軌道(第二の軌道) 5 合流部 10 無人搬送車 13 光送受信モジュール(送受信手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の軌道と、第二の軌道と、前記第一
    の軌道と前記第二の軌道とが合流する合流部と、を含ん
    でいる走行経路を備え、該走行経路上を複数の無人搬送
    車が走行する無人搬送車システムにおいて、 各無人搬送車は、他の無人搬送車と通信するための送受
    信手段を備え、 また、各無人搬送車には、以下の制御を行う制御手段が
    備えられていることを特徴とする、無人搬送車システ
    ム。 (1)無人搬送車が前記合流部の上流側の位置に至った
    ときに、該無人搬送車が第一・第二いずれの軌道を走行
    中であるかに基づいて、前記送受信手段を用いて信号の
    送信を行うのか、前記送受信手段による信号の受信待機
    を信号の送信に優先させるのかを選択する。 (2)前記送受信手段を用いた信号の送受信の結果に基
    づいて、該無人搬送車を停止させ、あるいは走行を継続
    する。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の無人搬送車システムに
    おいて、 前記の各無人搬送車には走行経路図が記憶されており、 該走行経路図には、前記の第一・第二の各軌道に対応さ
    せて、前記送受信手段を用いて信号の送信を行うのか、
    前記送受信手段による信号の受信待機を信号の送信に優
    先させるのか、の情報が記録されていることを特徴とす
    る、無人搬送車システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の無人搬送車システムに
    おいて、 前記第一・第二の各軌道には前記合流部の上流側の位置
    にマーカを配設するとともに、 走行する無人搬送車が前記マーカを検知すると、前記制
    御手段は、以下の三つのモードから一のモードを選択し
    て該無人搬送車を制御することを特徴とする、無人搬送
    車システム。 a)前記送受信手段に信号を反復して送信させ、送信の
    合間に信号の受信待機を行わせる、第一のモード。b)
    前記送受信手段に受信待機を行わせ、信号の受信があっ
    たときには対応して信号の送信を行わせる、第二のモー
    ド。 c)前記送受信手段に受信待機を行わせ、信号の送信は
    行わせない、第三のモード。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の無人搬送車システムに
    おいて、 前記合流部を含む区間を予め設定するとともに、 前記二つの軌道のうち一の軌道を走行する無人搬送車
    は、マーカを検出すると前記第三のモードとされるとと
    もに、前記区間に入る前に前記第一のモードに切り換え
    られ、 他の軌道を走行する無人搬送車は、マーカを検出すると
    前記第三のモードとされるとともに、前記区間に入ると
    同時に前記第二のモードに切り換えられることを特徴と
    する、無人搬送車システム。
JP2001229315A 2001-07-30 2001-07-30 無人搬送車システム Pending JP2003044139A (ja)

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