JP2003042032A - 内燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置 - Google Patents
内燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置Info
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
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- Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 燃料供給系において発生するベーパを、確実
に燃料タンクへ導いて除去することの可能な内燃機関の
燃料供給系におけるベーパ除去装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 内燃機関の燃料供給装置（１０）と燃料
タンク２０とを連通する燃料供給経路１９と、この燃料
供給経路の途中から分岐されて、前記燃料タンクへ連通
させられたベーパ戻し経路２３とからなる燃料供給系に
おいて、前記燃料供給経路と前記ベーパ戻し経路との分
岐部に設けられ、前記燃料供給装置に連通する開口部を
覆って、表面張力発生部材２５が設けられている。
に燃料タンクへ導いて除去することの可能な内燃機関の
燃料供給系におけるベーパ除去装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 内燃機関の燃料供給装置（１０）と燃料
タンク２０とを連通する燃料供給経路１９と、この燃料
供給経路の途中から分岐されて、前記燃料タンクへ連通
させられたベーパ戻し経路２３とからなる燃料供給系に
おいて、前記燃料供給経路と前記ベーパ戻し経路との分
岐部に設けられ、前記燃料供給装置に連通する開口部を
覆って、表面張力発生部材２５が設けられている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料供
給系におけるベーパ除去装置に関するものである。
給系におけるベーパ除去装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、内燃機関として、たとえば、図５
に示すように、固定ベンチュリ型の気化器１を備えたも
のが知られている。そして、前記気化器１には、燃料タ
ンク２に貯留されている燃料Ｆを前記気化器１へ供給す
る燃料供給系が設けられている。
に示すように、固定ベンチュリ型の気化器１を備えたも
のが知られている。そして、前記気化器１には、燃料タ
ンク２に貯留されている燃料Ｆを前記気化器１へ供給す
る燃料供給系が設けられている。
【０００３】前記燃料供給系は、前記燃料タンク２と前
記気化器１に設けられたフロート室３とを連通する燃料
供給経路４を備えており、この燃料供給経路４には、前
記燃料Ｆを、前記燃料タンク２から前記フロート室３へ
供給する燃料ポンプ５が設けられている。
記気化器１に設けられたフロート室３とを連通する燃料
供給経路４を備えており、この燃料供給経路４には、前
記燃料Ｆを、前記燃料タンク２から前記フロート室３へ
供給する燃料ポンプ５が設けられている。
【０００４】一方、このような燃料供給系では、前記燃
料ポンプ５において燃料Ｆを吸引する際に、その負圧に
よって、吸引する燃料Ｆ中に気泡が発生することがあ
る。この気泡は、機関の温度上昇に伴う雰囲気温度の上
昇によって燃料Ｆ中に発生するベーパや、たとえば、機
関の振動によって、前記フロート室３内の上部空間の気
体が燃料Ｆ中に混入して形成される気泡が含まれる。そ
して、このように気泡やベーパが発生すると、これらの
気泡やベーパが前記燃料Ｆとともに前記フロート室３を
経て前記気化器１へ供給されてしまうことが想定される
が、気泡やベーパが混入した燃料Ｆが気化器１へ供給さ
れると、この気化器１において生成される混合気の空燃
比が不安定になるといった問題や、内燃機関の再始動不
良といった問題が発生する。
料ポンプ５において燃料Ｆを吸引する際に、その負圧に
よって、吸引する燃料Ｆ中に気泡が発生することがあ
る。この気泡は、機関の温度上昇に伴う雰囲気温度の上
昇によって燃料Ｆ中に発生するベーパや、たとえば、機
関の振動によって、前記フロート室３内の上部空間の気
体が燃料Ｆ中に混入して形成される気泡が含まれる。そ
して、このように気泡やベーパが発生すると、これらの
気泡やベーパが前記燃料Ｆとともに前記フロート室３を
経て前記気化器１へ供給されてしまうことが想定される
が、気泡やベーパが混入した燃料Ｆが気化器１へ供給さ
れると、この気化器１において生成される混合気の空燃
比が不安定になるといった問題や、内燃機関の再始動不
良といった問題が発生する。
【０００５】そこで、熱的雰囲気の条件が悪く、あるい
は、振動の影響を受けやすく、大量のベーパあるいは気
泡が発生する内燃機関においては、前記燃料供給経路４
の途中で、前記燃料ポンプ５の下流側に、この燃料ポン
プ５から送り込まれる燃料Ｆを一時貯留するベーパセパ
レートタンク６を設けておき、このベーパセパレートタ
ンク６内において、前記ベーパや気泡を、その浮力を利
用して前記ベーパセパレートタンク６の上部に分離する
とともに、このベーパセパレートタンク６の上部に設け
られているベーパ戻し経路７を介して、前記ベーパや気
泡を前記燃料タンク２へ排出するようにしている。
は、振動の影響を受けやすく、大量のベーパあるいは気
泡が発生する内燃機関においては、前記燃料供給経路４
の途中で、前記燃料ポンプ５の下流側に、この燃料ポン
プ５から送り込まれる燃料Ｆを一時貯留するベーパセパ
レートタンク６を設けておき、このベーパセパレートタ
ンク６内において、前記ベーパや気泡を、その浮力を利
用して前記ベーパセパレートタンク６の上部に分離する
とともに、このベーパセパレートタンク６の上部に設け
られているベーパ戻し経路７を介して、前記ベーパや気
泡を前記燃料タンク２へ排出するようにしている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の内燃機関の燃料供給系においては、つぎのような
改善すべき問題点が残されている。すなわち、前記ベー
パや気泡は、燃料Ｆが前記ベーパセパレートタンク６内
に貯留されている間に、ベーパや気泡自体の浮力によっ
て分離されるものであるが、たとえば、前記ベーパセパ
レートタンク６が、内燃機関の振動等によって揺すられ
ると、貯留されている燃料Ｆが撹拌されてしまい、この
結果、前記ベーパや気泡の分離が行われず、このベーパ
や気泡が燃料Ｆとともに前記気化器１へ送り込まれてし
まうといった問題点である。
従来の内燃機関の燃料供給系においては、つぎのような
改善すべき問題点が残されている。すなわち、前記ベー
パや気泡は、燃料Ｆが前記ベーパセパレートタンク６内
に貯留されている間に、ベーパや気泡自体の浮力によっ
て分離されるものであるが、たとえば、前記ベーパセパ
レートタンク６が、内燃機関の振動等によって揺すられ
ると、貯留されている燃料Ｆが撹拌されてしまい、この
結果、前記ベーパや気泡の分離が行われず、このベーパ
や気泡が燃料Ｆとともに前記気化器１へ送り込まれてし
まうといった問題点である。
【０００７】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、燃料供給系において発生するベーパ
を、確実に燃料タンクへ導いて除去することの可能な内
燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置を提供する
ことを目的とする。
てなされたもので、燃料供給系において発生するベーパ
を、確実に燃料タンクへ導いて除去することの可能な内
燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置を提供する
ことを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の内燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置は、前
述した目的を達成するために、内燃機関の燃料供給装置
と燃料タンクとを連通する燃料供給経路と、この燃料供
給経路の途中から分岐されて、前記燃料タンクへ連通さ
せられたベーパ戻し経路とからなる燃料供給系におい
て、前記燃料供給経路と前記ベーパ戻し経路との分岐部
に設けられ、前記燃料供給装置に連通する開口部を覆っ
て、表面張力発生部材が設けられていることを特徴とす
る。本発明の請求項２に記載の内燃機関の燃料供給系に
おけるベーパ除去装置は、請求項１に記載の前記分岐部
に、前記燃料タンクから供給される燃料を一時貯留する
ベーパセパレートタンクが設けられ、このベーパセパレ
ートタンクの上部に前記ベーパ戻し経路が接続されてい
るとともに、前記ベーパセパレートタンクの下部に前記
燃料供給装置に連通する開口部が形成され、この開口部
を覆って前記表面張力発生部材が設けられていることを
特徴とする。本発明の請求項３に記載の内燃機関の燃料
供給系におけるベーパ除去装置は、請求項１または請求
項２の何れかに記載の前記燃料供給装置が気化器を備
え、前記分岐部からの燃料供給経路が、前記気化器のフ
ロート室に接続されていることを特徴とする。本発明の
請求項４に記載の内燃機関の燃料供給系におけるベーパ
除去装置は、請求項１に記載の前記燃料供給装置が、前
記燃料を噴射する燃料噴射装置を備え、この燃料噴射装
置内に、前記分岐部が形成されていることを特徴とす
る。本発明の請求項５に記載の内燃機関の燃料供給系に
おけるベーパ除去装置は、請求項１ないし請求項４の何
れかに記載の前記燃料供給経路の、前記燃料タンクと前
記分岐部との間に燃料ポンプが設けられていることを特
徴とする。本発明の請求項６に記載の内燃機関の燃料供
給系におけるベーパ除去装置は、請求項１ないし請求項
５の何れかに記載の前記表面張力発生部材が、連続気孔
を有する紙からなるシートであることを特徴とする。本
発明の請求項７に記載の内燃機関の燃料供給系における
ベーパ除去装置は、請求項１ないし請求項５の何れかに
記載の前記表面張力発生部材が、金属製多孔板であるこ
とを特徴とする。本発明の請求項８に記載の内燃機関の
燃料供給系におけるベーパ除去装置は、請求項１ないし
請求項５の何れかに記載の前記表面張力発生部材が、連
続気孔を有する焼結体であることを特徴とする。本発明
の請求項９に記載の内燃機関の燃料供給系におけるベー
パ除去装置は、請求項１ないし請求項５の何れかに記載
の前記表面張力発生部材が、不織布であることを特徴と
する。
の内燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置は、前
述した目的を達成するために、内燃機関の燃料供給装置
と燃料タンクとを連通する燃料供給経路と、この燃料供
給経路の途中から分岐されて、前記燃料タンクへ連通さ
せられたベーパ戻し経路とからなる燃料供給系におい
て、前記燃料供給経路と前記ベーパ戻し経路との分岐部
に設けられ、前記燃料供給装置に連通する開口部を覆っ
て、表面張力発生部材が設けられていることを特徴とす
る。本発明の請求項２に記載の内燃機関の燃料供給系に
おけるベーパ除去装置は、請求項１に記載の前記分岐部
に、前記燃料タンクから供給される燃料を一時貯留する
ベーパセパレートタンクが設けられ、このベーパセパレ
ートタンクの上部に前記ベーパ戻し経路が接続されてい
るとともに、前記ベーパセパレートタンクの下部に前記
燃料供給装置に連通する開口部が形成され、この開口部
を覆って前記表面張力発生部材が設けられていることを
特徴とする。本発明の請求項３に記載の内燃機関の燃料
供給系におけるベーパ除去装置は、請求項１または請求
項２の何れかに記載の前記燃料供給装置が気化器を備
え、前記分岐部からの燃料供給経路が、前記気化器のフ
ロート室に接続されていることを特徴とする。本発明の
請求項４に記載の内燃機関の燃料供給系におけるベーパ
除去装置は、請求項１に記載の前記燃料供給装置が、前
記燃料を噴射する燃料噴射装置を備え、この燃料噴射装
置内に、前記分岐部が形成されていることを特徴とす
る。本発明の請求項５に記載の内燃機関の燃料供給系に
おけるベーパ除去装置は、請求項１ないし請求項４の何
れかに記載の前記燃料供給経路の、前記燃料タンクと前
記分岐部との間に燃料ポンプが設けられていることを特
徴とする。本発明の請求項６に記載の内燃機関の燃料供
給系におけるベーパ除去装置は、請求項１ないし請求項
５の何れかに記載の前記表面張力発生部材が、連続気孔
を有する紙からなるシートであることを特徴とする。本
発明の請求項７に記載の内燃機関の燃料供給系における
ベーパ除去装置は、請求項１ないし請求項５の何れかに
記載の前記表面張力発生部材が、金属製多孔板であるこ
とを特徴とする。本発明の請求項８に記載の内燃機関の
燃料供給系におけるベーパ除去装置は、請求項１ないし
請求項５の何れかに記載の前記表面張力発生部材が、連
続気孔を有する焼結体であることを特徴とする。本発明
の請求項９に記載の内燃機関の燃料供給系におけるベー
パ除去装置は、請求項１ないし請求項５の何れかに記載
の前記表面張力発生部材が、不織布であることを特徴と
する。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図１を参照して説明する。図１は、本実施形態が適
用された内燃機関の燃料供給系を示すもので、図中符号
１０は、内燃機関に混合気を供給する燃料供給装置とし
ての気化器を示す。
て、図１を参照して説明する。図１は、本実施形態が適
用された内燃機関の燃料供給系を示すもので、図中符号
１０は、内燃機関に混合気を供給する燃料供給装置とし
ての気化器を示す。
【００１０】前記気化器１０は、吸気通路１１ａが形成
されたメインボディ９を備えている。このメインボディ
９の下部には、燃料Ｆが貯留されるフロート室１１が設
けられており、このフロート室１１に、燃料供給経路１
２を介して燃料タンク１３が連通させられている。
されたメインボディ９を備えている。このメインボディ
９の下部には、燃料Ｆが貯留されるフロート室１１が設
けられており、このフロート室１１に、燃料供給経路１
２を介して燃料タンク１３が連通させられている。
【００１１】前記燃料供給経路１２の途中には、前記燃
料タンク１３内に貯留されている燃料Ｆを前記気化器１
０のフロート室１１へ送り込む燃料ポンプ１４が設けら
れ、また、この燃料ポンプ１４と前記フロート室１１と
の間には、このフロート室１１へ送り込まれる燃料Ｆを
一時貯留するベーパセパレートタンク１５が設けられて
いる。
料タンク１３内に貯留されている燃料Ｆを前記気化器１
０のフロート室１１へ送り込む燃料ポンプ１４が設けら
れ、また、この燃料ポンプ１４と前記フロート室１１と
の間には、このフロート室１１へ送り込まれる燃料Ｆを
一時貯留するベーパセパレートタンク１５が設けられて
いる。
【００１２】そして、前記ベーパセパレートタンク１５
は、その上部に前記燃料ポンプ１４が連通されていると
ともに、下部に、前記フロート室１１が連通させられて
いる。また、前記ベーパセパレートタンク１５の上部に
は、このベーパセパレートタンク１５を前記燃料タンク
１３の上部空間部に連通させるベーパ戻し経路１６が接
続されている。このベーパ戻し経路１６には、前記ベー
パセパレートタンク１５内において燃料Ｆから分離され
たベーパや気泡を、その浮力を利用して前記燃料タンク
１３へ排出するようになっているとともに、その途中に
設けられた絞り１７によって計量された余剰燃料Ｆが、
前記燃料タンク１３へ戻されるようになっている。
は、その上部に前記燃料ポンプ１４が連通されていると
ともに、下部に、前記フロート室１１が連通させられて
いる。また、前記ベーパセパレートタンク１５の上部に
は、このベーパセパレートタンク１５を前記燃料タンク
１３の上部空間部に連通させるベーパ戻し経路１６が接
続されている。このベーパ戻し経路１６には、前記ベー
パセパレートタンク１５内において燃料Ｆから分離され
たベーパや気泡を、その浮力を利用して前記燃料タンク
１３へ排出するようになっているとともに、その途中に
設けられた絞り１７によって計量された余剰燃料Ｆが、
前記燃料タンク１３へ戻されるようになっている。
【００１３】一方、本実施形態においては、前記燃料供
給経路１２と前記ベーパ戻し経路１６との分岐部、すな
わち、前記ベーパセパレートタンク１５の、前記燃料供
給装置（気化器１０）に連通する開口部を覆って、表面
張力発生部材１８が設けられている。
給経路１２と前記ベーパ戻し経路１６との分岐部、すな
わち、前記ベーパセパレートタンク１５の、前記燃料供
給装置（気化器１０）に連通する開口部を覆って、表面
張力発生部材１８が設けられている。
【００１４】前記表面張力発生部材１８は、たとえば、
連続気孔を有する紙からなるシートであり、また、パン
チングプレートや網等の金属製多孔板であり、あるい
は、連続気孔を有する焼結体や不織布である。
連続気孔を有する紙からなるシートであり、また、パン
チングプレートや網等の金属製多孔板であり、あるい
は、連続気孔を有する焼結体や不織布である。
【００１５】ここで、前記表面張力発生部材２５につい
て図２を参照して詳述する。この表面張力発生部材１８
は、多数の気孔１８ａを有して（図２においては代表さ
れる１個を示した）、これらの気孔１８ａを通して燃料
Ｆが通過させられる。ここで、図２に示すように、前記
表面張力発生部材１８の両側が燃料Ｆによって充満させ
られている状態においては、図２（ａ）に示すように、
上流側の圧力と下流側の圧力との差（ΔＰ）により、前
記燃料Ｆが表面張力発生部材１８の気孔１８ａを通過さ
せられる。一方、図２（ｂ）に示すように、ベーパＶが
前記気孔１８ａに侵入した場合、この気孔１８ａの下流
側に燃料Ｆの液面が形成され、この液面に表面張力が発
生し、この表面張力が抵抗となって前記ベーパＶの通過
が阻止される。そして、前記ベーパＶが前記表面張力発
生部材１８を通過するためには、前記圧力差ΔＰが、前
記表面張力に打ち勝つ吐出圧力Ｐ１以上であることが必
要である。したがって、図２（ｃ）に示すように、表面
張力発生部材１８の両側の圧力差ΔＰが吐出圧力Ｐ１よ
りも小さい範囲においてはベーパＶの通過がなく、燃料
Ｆのみの通過が行われることとなる。この図２（ｃ）に
おいてＱは、通過空気量を示す。
て図２を参照して詳述する。この表面張力発生部材１８
は、多数の気孔１８ａを有して（図２においては代表さ
れる１個を示した）、これらの気孔１８ａを通して燃料
Ｆが通過させられる。ここで、図２に示すように、前記
表面張力発生部材１８の両側が燃料Ｆによって充満させ
られている状態においては、図２（ａ）に示すように、
上流側の圧力と下流側の圧力との差（ΔＰ）により、前
記燃料Ｆが表面張力発生部材１８の気孔１８ａを通過さ
せられる。一方、図２（ｂ）に示すように、ベーパＶが
前記気孔１８ａに侵入した場合、この気孔１８ａの下流
側に燃料Ｆの液面が形成され、この液面に表面張力が発
生し、この表面張力が抵抗となって前記ベーパＶの通過
が阻止される。そして、前記ベーパＶが前記表面張力発
生部材１８を通過するためには、前記圧力差ΔＰが、前
記表面張力に打ち勝つ吐出圧力Ｐ１以上であることが必
要である。したがって、図２（ｃ）に示すように、表面
張力発生部材１８の両側の圧力差ΔＰが吐出圧力Ｐ１よ
りも小さい範囲においてはベーパＶの通過がなく、燃料
Ｆのみの通過が行われることとなる。この図２（ｃ）に
おいてＱは、通過空気量を示す。
【００１６】このように、本実施形態においては、燃料
供給経路１２とベーパ戻し経路１６の分岐部すなわちベ
ーパセパレートタンク１５内において、振動等によって
燃料Ｆと気泡とが撹拌され、この気泡が気化器１０側の
開口部へ到達したとしても、前記表面張力発生部材１８
の作用によって、前記気泡が気化器１０側へ侵入するこ
とが防止される。
供給経路１２とベーパ戻し経路１６の分岐部すなわちベ
ーパセパレートタンク１５内において、振動等によって
燃料Ｆと気泡とが撹拌され、この気泡が気化器１０側の
開口部へ到達したとしても、前記表面張力発生部材１８
の作用によって、前記気泡が気化器１０側へ侵入するこ
とが防止される。
【００１７】図３は、本発明の第２の実施形態を示すも
ので、前記燃料供給手段として、燃料噴射装置３０を用
いたもので、この燃料噴射装置３０内に、前記燃料供給
経路１９とベーパ戻し経路２３との分岐部を設けたもの
である。
ので、前記燃料供給手段として、燃料噴射装置３０を用
いたもので、この燃料噴射装置３０内に、前記燃料供給
経路１９とベーパ戻し経路２３との分岐部を設けたもの
である。
【００１８】詳述すれば、前記燃料噴射装置３０は、ボ
ディ３１と、このボディ３１内に装着されて、前記燃料
Ｆを吸引圧送するプランジャポンプＰと、前記ボディ３
１に装着されて、前記燃料Ｆを噴射する噴射ノズル３２
とを備え、前記プランジャポンプＰが、シリンダ３３
と、このシリンダ３３内に摺動可能に装着されて加圧室
３４を形成するプランジャ３５と、このプランジャ３５
を励磁するソレノイドコイル３６とからなり、前記ボデ
ィ３１には、その下部に、前記燃料供給経路１２を構成
する吸引用コンタクトパイプ３７が設けられ、上部に
は、前記ベーパ戻し経路１６を構成する戻し用コンタク
トパイプ３８が設けられ、さらに、前記シリンダ３３と
ソレノイドコイル３６との間に、前記燃料供給経路１２
から分岐させられた燃料の一部を前記ベーパ戻し経路２
３へ向けて案内する環流路３９が設けられている。
ディ３１と、このボディ３１内に装着されて、前記燃料
Ｆを吸引圧送するプランジャポンプＰと、前記ボディ３
１に装着されて、前記燃料Ｆを噴射する噴射ノズル３２
とを備え、前記プランジャポンプＰが、シリンダ３３
と、このシリンダ３３内に摺動可能に装着されて加圧室
３４を形成するプランジャ３５と、このプランジャ３５
を励磁するソレノイドコイル３６とからなり、前記ボデ
ィ３１には、その下部に、前記燃料供給経路１２を構成
する吸引用コンタクトパイプ３７が設けられ、上部に
は、前記ベーパ戻し経路１６を構成する戻し用コンタク
トパイプ３８が設けられ、さらに、前記シリンダ３３と
ソレノイドコイル３６との間に、前記燃料供給経路１２
から分岐させられた燃料の一部を前記ベーパ戻し経路２
３へ向けて案内する環流路３９が設けられている。
【００１９】さらに、前記シリンダ３３のの下端部で、
前記燃料供給経路１２と前記環流路３９との分岐部に
は、吸引用コンタクトパイプ３７と前記加圧室３４とを
連通する吸引路３３ａが形成されており、この吸引路３
３ａの途中に、前記プランジャ３５の吸引行程時のみ前
記燃料Ｆの、前記加圧室３４内への流入を許容する逆止
弁としてのインレットチェック弁４０が設けられてい
る。
前記燃料供給経路１２と前記環流路３９との分岐部に
は、吸引用コンタクトパイプ３７と前記加圧室３４とを
連通する吸引路３３ａが形成されており、この吸引路３
３ａの途中に、前記プランジャ３５の吸引行程時のみ前
記燃料Ｆの、前記加圧室３４内への流入を許容する逆止
弁としてのインレットチェック弁４０が設けられてい
る。
【００２０】そして、本実施形態においては、前記吸引
路３３ａの入口側の開口部を覆って表面張力発生部材４
１が設けられている。
路３３ａの入口側の開口部を覆って表面張力発生部材４
１が設けられている。
【００２１】このように構成された燃料噴射装置３０に
おいては、前記プランジャ３５の上下動に伴って、前記
インレットチェック弁４０を通して燃料Ｆを吸引し、ま
た、この燃料Ｆを前記噴射ノズル３２へ送り込むととも
に、この噴射ノズル３２から噴射するようになってい
る。
おいては、前記プランジャ３５の上下動に伴って、前記
インレットチェック弁４０を通して燃料Ｆを吸引し、ま
た、この燃料Ｆを前記噴射ノズル３２へ送り込むととも
に、この噴射ノズル３２から噴射するようになってい
る。
【００２２】そして、前記吸引用コンタクトパイプ３７
から供給される燃料Ｆ中にベーパが混入していると、こ
のベーパがその浮力によって、前記環流路３９へ流れ込
み、前記ベーパ戻し経路１６を介して燃料タンク１３へ
導かれる。
から供給される燃料Ｆ中にベーパが混入していると、こ
のベーパがその浮力によって、前記環流路３９へ流れ込
み、前記ベーパ戻し経路１６を介して燃料タンク１３へ
導かれる。
【００２３】ここで、前記ベーパが、前記吸引路３３ａ
側へ流れ込むように移動させられたとしても、このベー
パが表面張力発生部材４１によって前記吸引路３３ａへ
の侵入が阻止され、この結果、噴射燃料中へのベーパの
混入が防止される。
側へ流れ込むように移動させられたとしても、このベー
パが表面張力発生部材４１によって前記吸引路３３ａへ
の侵入が阻止され、この結果、噴射燃料中へのベーパの
混入が防止される。
【００２４】なお、前記各実施形態において示した各構
成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に
基づき種々変更可能である。たとえば、前述した第２の
実施形態において、前記表面張力発生部材４１を、吸引
部３３ａの開口部を覆って設けた例について示したが、
図４に示すように、前記吸引部３３ａに連続した導入路
４２を、シリンダ３３の接線方向に沿って形成し、この
導入路４２の端部開口を覆って表面張力発生部材４３を
設けるようにしてもよい。このような構成とすることに
より、前記表面張力発生部材４３の設置位置を任意の位
置に設定することができ、また、環流路３９の広い位置
に前記表面張力発生部材４３を設置することができ、そ
の形状設定を容易にし、また、取り付けを容易なものと
することができる。
成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に
基づき種々変更可能である。たとえば、前述した第２の
実施形態において、前記表面張力発生部材４１を、吸引
部３３ａの開口部を覆って設けた例について示したが、
図４に示すように、前記吸引部３３ａに連続した導入路
４２を、シリンダ３３の接線方向に沿って形成し、この
導入路４２の端部開口を覆って表面張力発生部材４３を
設けるようにしてもよい。このような構成とすることに
より、前記表面張力発生部材４３の設置位置を任意の位
置に設定することができ、また、環流路３９の広い位置
に前記表面張力発生部材４３を設置することができ、そ
の形状設定を容易にし、また、取り付けを容易なものと
することができる。
【００２５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる内
燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置によれば、
燃料供給装置に供給される燃料中にベーパや気泡が混入
している場合に、表面張力発生部材によって燃料の供給
量を確保しつつ、前記ベーパや気泡の通過を阻止し、こ
れらのベーパや気泡が燃料供給装置に送り込まれること
を防止することができる。しかも、前記燃料供給装置に
送り込まれる燃料が、振動等によって撹拌されて、混入
しているベーパや気泡の分離を、その浮力によって行う
ことができない場合にあっても、これらのベーパや気泡
の燃料供給装置への侵入を防止することができる。
燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置によれば、
燃料供給装置に供給される燃料中にベーパや気泡が混入
している場合に、表面張力発生部材によって燃料の供給
量を確保しつつ、前記ベーパや気泡の通過を阻止し、こ
れらのベーパや気泡が燃料供給装置に送り込まれること
を防止することができる。しかも、前記燃料供給装置に
送り込まれる燃料が、振動等によって撹拌されて、混入
しているベーパや気泡の分離を、その浮力によって行う
ことができない場合にあっても、これらのベーパや気泡
の燃料供給装置への侵入を防止することができる。
【図１】本発明の一実施形態に係わる燃料供給系の概略
構成図である。
構成図である。
【図２】本発明の一実施形態を示すもので、表面張力発
生部材の作用説明図である。
生部材の作用説明図である。
【図３】本発明の第２の実施形態を示すもので、燃料供
給装置の縦断面図である。
給装置の縦断面図である。
【図４】本発明の変形例を示すもので、燃料供給装置の
横断面図である。
横断面図である。
【図５】燃料供給系の一従来例を示す概略構成図であ
る。
る。
【符号の説明】
１ 気化器
２ 燃料タンク
３ フロート室
４ 燃料供給経路
５ 燃料ポンプ
６ ベーパセパレートタンク
７ ベーパ戻し経路
９ メインボディ
１０ 気化器（燃料供給装置）
１１ フロート室
１２ 燃料供給経路
１３ 燃料タンク
１４ 燃料ポンプ
１５ ベーパセパレートタンク（分岐部）
１６ ベーパ戻し経路
１７ 絞り
１８ 表面張力発生部材
１８ａ 気孔
３０ 燃料噴射装置（燃料供給装置）
３１ ボディ
３２ 噴射ノズル
３３ シリンダ
３３ａ 吸引路
３４ 加圧室
３５ プランジャ
３５ａ 排出路
３６ ソレノイドコイル
３７ 吸引用コンタクトパイプ
３８ 戻し用コンタクトパイプ
３９ 環流路
４０ インレットチェック弁
４１ 表面張力発生部材
４２ 導入路
４３ 表面張力発生部材
Ｆ 燃料
Ｐ プランジャポンプ
Ｖ ベーパ
フロントページの続き
(72)発明者 江原 亮二
神奈川県小田原市久野2480番地 株式会社
ミクニ小田原事業所内
(72)発明者 橋本 省吾
神奈川県小田原市久野2480番地 株式会社
ミクニ小田原事業所内
Claims (9)
- 【請求項１】 内燃機関の燃料供給装置と燃料タンクと
を連通する燃料供給経路と、この燃料供給経路の途中か
ら分岐されて、前記燃料タンクへ連通させられたベーパ
戻し経路とからなる燃料供給系において、前記燃料供給
経路と前記ベーパ戻し経路との分岐部に設けられ、前記
燃料供給装置に連通する開口部を覆って、表面張力発生
部材が設けられていることを特徴とする内燃機関の燃料
供給系におけるベーパ除去装置。 - 【請求項２】 前記分岐部に、前記燃料タンクから供給
される燃料を一時貯留するベーパセパレートタンクが設
けられ、このベーパセパレートタンクの上部に前記ベー
パ戻し経路が接続されているとともに、前記ベーパセパ
レートタンクの下部に前記燃料供給装置に連通する開口
部が形成され、この開口部を覆って前記表面張力発生部
材が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の
内燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置。 - 【請求項３】 前記燃料供給装置が気化器を備え、前記
分岐部からの燃料供給経路が、前記気化器のフロート室
に接続されていることを特徴とする請求項１または請求
項２の何れかに記載の内燃機関の燃料供給系におけるベ
ーパ除去装置。 - 【請求項４】 前記燃料供給装置が、前記燃料を噴射す
る燃料噴射装置を備え、この燃料噴射装置内に、前記分
岐部が形成されていることを特徴とする請求項１に記載
の内燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置。 - 【請求項５】 前記燃料供給経路の、前記燃料タンクと
前記分岐部との間に燃料ポンプが設けられていることを
特徴とする請求項１ないし請求項４の何れかに記載の内
燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置。 - 【請求項６】 前記表面張力発生部材が、連続気孔を有
する紙からなるシートであることを特徴とする請求項１
ないし請求項５の何れかに記載の内燃機関の燃料供給系
におけるベーパ除去装置。 - 【請求項７】 前記表面張力発生部材が、金属製多孔板
であることを特徴とする請求項１ないし請求項５の何れ
かに記載の内燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装
置。 - 【請求項８】 前記表面張力発生部材が、連続気孔を有
する焼結体であることを特徴とする請求項１ないし請求
項５の何れかに記載の内燃機関の燃料供給系におけるベ
ーパ除去装置。 - 【請求項９】 前記表面張力発生部材が、不織布である
ことを特徴とする請求項１ないし請求項５の何れかに記
載の内燃機関の燃料供給系におけるベーパ除去装置。
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|---|---|
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| JP2007056802A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-03-08 | Aisan Ind Co Ltd | 燃料供給装置 |
| JP2007092675A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Mitsubishi Electric Corp | 燃料噴射装置 |
| JP4784426B2 (ja) * | 2006-07-28 | 2011-10-05 | スズキ株式会社 | 自動二輪車の燃料供給装置 |
| KR100947385B1 (ko) * | 2008-05-19 | 2010-03-15 | 현대자동차주식회사 | 디젤엔진의 연료공급장치 |
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| JPS59115405U (ja) * | 1983-01-20 | 1984-08-04 | 小松ゼノア株式会社 | 燃料の気泡分離装置 |
| JPS60180761A (ja) | 1984-02-28 | 1985-09-14 | Toyota Motor Corp | ル−ツ形ロ−タの加工方法 |
| JPS60180761U (ja) * | 1984-05-10 | 1985-11-30 | ダイハツ工業株式会社 | 燃料気液分離装置 |
| JPS61817U (ja) * | 1984-06-09 | 1986-01-07 | 大洋技研工業株式会社 | 自動エア−抜き機構付燃料フイルタ− |
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